説明

高分子化合物の調製方法

本発明は式Iの高分子化合物または医薬的に許容されるその塩の調製方法を提供する。本発明はまた式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を調製するための有用な中間体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一つには高分子サリチルアミド化合物および/または医薬的に許容されるその塩の調製方法を目的にし、また高分子サリチルアミド化合物および/または医薬的に許容されるその塩を調製するための有用な中間体を目的とする。
【発明の概要】
【0002】
式Iの高分子サリチルアミド化合物
【0003】
【化1】

【0004】
および/または医薬的に許容されるその塩は、例えば血管新生を阻害する薬剤として有用である(WO2005/123660参照)。式Iの化合物および/または医薬的に許容されるその塩が薬剤として重要なので、この化合物および医薬的に許容されるその塩を調製するための有効な合成方法には大きな意義がある。本発明は他の重要な目的と併せてこの合成方法を目的とする。
【0005】
本発明は一つには式Iの化合物
【0006】
【化2】

【0007】
または医薬的に許容されるその塩の調製方法を提供し、
a)式IIの化合物
【0008】
【化3】

【0009】
または医薬的に許容されるその塩から水素添加/水素化分解条件でCbz基を除去して化合物Iまたは医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
b)式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を単離してもよい、
を含む。
【0010】
いくつかの態様では、水素添加/水素化分解条件は金属触媒を使用することを含む。いくつかの態様では、前記金属触媒はPd/Cである。いくつかの態様では、工程a)の反応収率は約85%よりも大きい。
【0011】
いくつかの態様では、本方法はさらに
c)式IIIの化合物
【0012】
【化4】

【0013】
または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下でBoc基を除去して式IIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0014】
いくつかの態様では、前記酸はHPOである。いくつかの態様では、工程c)における反応収率は85%よりも大きい。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
d)式IVの化合物
【0015】
【化5】

【0016】
または医薬的に許容されるその塩を、式Vの化合物
【0017】
【化6】

【0018】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ式IIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0019】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
【0020】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
e)式IVの化合物
【0021】
【化7】

【0022】
または医薬的に許容されるその塩を、活性化剤および有機塩基の存在下でアンモニアまたはアンモニアを生成する試薬と反応させ式VIの化合物
【0023】
【化8】

【0024】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
f)式VIの化合物または医薬的に許容されるその塩から、酸の存在下でBoc基を除去して式Vの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0025】
いくつかの態様では、前記活性化剤はクロロギ酸エチル、前記有機塩基はジイソプロピルエチルアミンであり、前記酸はトリフルオロ酢酸を含む。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
g)式VIIの化合物
【0026】
【化9】

【0027】
または医薬的に許容されるその塩を塩基の存在下で加水分解して、式IVの化合物を生成すること、
を含む。
【0028】
いくつかの態様では、前記塩基はLiOHである。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
h)式VIIIの化合物
【0029】
【化10】

【0030】
または医薬的に許容されるその塩を、式IXの化合物
【0031】
【化11】

【0032】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ式VIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0033】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
【0034】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
i)式Xの化合物
【0035】
【化12】

【0036】
または医薬的に許容されるその塩を、塩基の存在下で加水分解して式IXの化合物を生成すること、及び
j)Boc基を式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式VIIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0037】
いくつかの態様では、前記塩基はLiOHであり、前記酸はTsOHである。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
k)式XIの化合物
【0038】
【化13】

【0039】
または医薬的に許容されるその塩を式XIIの化合物
【0040】
【化14】

【0041】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む。
【0042】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
【0043】
本発明は、一つには式Iの化合物
【0044】
【化15】

【0045】
または医薬的に許容されるその塩の調製方法をも提供し、その方法は、
a1)式II−1の化合物
【0046】
【化16】

【0047】
または医薬的に許容されるその塩から、水素添加/水素化分解条件でCbz基を除去して、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
b1)式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を単離してもよい、
を含む。
【0048】
いくつかの態様では、前記水素添加/水素化分解条件は金属触媒を使用することを含む。いくつかの態様では、前記金属触媒はPd/Cである。いくつかの態様では、工程a1)における反応収率は約85%よりも大きい。
【0049】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
c1)式III−1の化合物
【0050】
【化17】

【0051】
または医薬的に許容されるその塩を、式IV−1の化合物
【0052】
【化18】

【0053】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0054】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
【0055】
いくつかの態様では、本方法はさらに
d1)式VI−1の化合物
【0056】
【化19】

【0057】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−1の化合物
【0058】
【化20】

【0059】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式V−1の化合物
【0060】
【化21】

【0061】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
e1)Boc基を式V−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式III−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0062】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物、前記有機塩基はN−メチルモルホリンであり、前記酸はHPOである。
【0063】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
f1)式VIII−1の化合物
【0064】
【化22】

【0065】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−1の化合物
【0066】
【化23】

【0067】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式IX−1の化合物
【0068】
【化24】

【0069】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
g1)Boc基を式IX−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式VI−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0070】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物、前記有機塩基はN−メチルモルホリンであり、前記酸はHPOである。
【0071】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
h1)式XI−1の化合物
【0072】
【化25】

【0073】
または医薬的に許容されるその塩を、式XII−1の化合物
【0074】
【化26】

【0075】
または医薬的に許容されるその塩と、存在してもよい有機塩基の下で反応させ、式X−1の化合物
【0076】
【化27】

【0077】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
i1)Boc基を式X−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式VIII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0078】
いくつかの態様では、前記有機塩基を存在させる場合には、N−N−ジメチルアミノピリジンを含み、前記酸は塩酸である。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
j1)式XI−1の化合物
【0079】
【化28】

【0080】
または医薬的に許容されるその塩を、式XIII−1の化合物
【0081】
【化29】

【0082】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式VII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0083】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
k1)式XIV-1の化合物
【0084】
【化30】

【0085】
または医薬的に許容されるその塩を、式XIII−1の化合物
【0086】
【化31】

【0087】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式IV−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0088】
いくつかの態様では、本方法はさらに、
c2)式III−2の化合物
【0089】
【化32】

【0090】
または医薬的に許容されるその塩を、式IV−2の化合物
【0091】
【化33】

【0092】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0093】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
d2)式V−2の化合物
【0094】
【化34】

【0095】
または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去して式III−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0096】
いくつかの態様では、前記酸性条件はHClを使用することを含む。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
e2)式VI−2の化合物
【0097】
【化35】

【0098】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−2の化合物
【0099】
【化36】

【0100】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式V−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0101】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
f2)式VIII−2の化合物
【0102】
【化37】

【0103】
または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去し、式VI−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0104】
いくつかの態様では、前記酸性条件はHClを使用することを含む。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
g2)式IX−2の化合物
【0105】
【化38】

【0106】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−2の化合物
【0107】
【化39】

【0108】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式VIII−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0109】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
h2)式X−2の化合物
【0110】
【化40】

【0111】
または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去して式IX−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0112】
いくつかの態様では、前記酸性条件はHClを使用することを含む。
いくつかの態様では、本方法はさらに、
i2)式VII−2の化合物
【0113】
【化41】

【0114】
または医薬的に許容されるその塩を、式XI−2の化合物
【0115】
【化42】

【0116】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式X−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0117】
いくつかの態様では、前記カップリング試薬は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである。
本発明は、一つには、
【0118】
【化43】

【0119】
【化44】

【0120】
【化45】

【0121】
【化46】

【0122】
【化47】

【0123】
または医薬的に許容されるその塩から選択される1種以上の化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0124】
本明細書で使用する用語「約」は記載値の±5%を意味する。例えば、約90は85.5〜94.5を意味する。
本明細書で使用する用語「反応」は、系に最初に導入されたものとは異なる化合物を生成する化学変化が起きるように、複数の指定の化学反応物を結合することをいう。反応は溶媒が存在しても、存在しなくても起こり得る。
【0125】
本明細書で使用する用語「任意(の)」または「任意に」はその後に記載する構造、事象、または状況が生じても生じなくてもよく、したがって記載には事象が生じる場合と生じない場合の記載が含まれる。
【0126】
本明細書で使用する表現「化合物を単離すること」は、その化合物を混合物(例えば合成有機化学反応混合物)の他の構成分から、従来技術などにより分離し、単離したその化合物を精製することを意味する(さらなる精製をすることができる)。
【0127】
いくつかの態様では、本発明は式Iの化合物
【0128】
【化48】

【0129】
および/または医薬的に許容されるその塩の調製方法を提供し、
a)式IIの化合物
【0130】
【化49】

【0131】
または医薬的に許容されるその塩から水素添加/水素化分解条件でCbz基を除去して化合物Iまたは医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
b)式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を単離してもよい、
を含む。
【0132】
化合物IIまたは医薬的に許容されるその塩からのCbz基の除去は、適切な水素添加/水素化分解条件を用いて実施される。工程a)で使用することができる適切な水素添加/水素化分解条件としては合成有機化学の分野で知られているものが挙げられる。例えば、Hガス(1気圧より高い圧力下、例えば約30〜約80psiまたは約40〜約70psiの圧力であってよい)および金属触媒を使用することができる。適切な金属触媒としてはPd触媒(例えばPd/C触媒(例えば5%、10%、または20%Pd/C)、Pdブラック、Pd(OH)、およびPdCl)、ラネーNi、白金触媒、ロジウム触媒、およびルテニウム触媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他の水素源も使用することができ、例えば移動水素化分解に好適なものとしてギ酸、ギ酸アンモニウム、および1,4−シクロヘキサジエンがある。いくつかの態様では、工程a)で使用する金属触媒はPd/Cである。
【0133】
いくつかの態様では、反応生成物は式Iの化合物の塩、例えば(五)HCl塩である。そのような態様では、酸(式IIの化合物に対して5モル当量のHClなど)を反応混合物に添加することができる。工程a)における反応はアルコール(メタノールまたはエタノールなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒の還流温度以下で実施することができる。反応の進行はHPLC、GC、LC、または薄層クロマトグラフィー法などの適切な方法により観測することができる。いくつかの態様では、工程a)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程a)における収率は約85%よりも大きい。
【0134】
水素添加中に、例えば酢酸などの弱有機酸を5モル当量使用すると、HClを使用する場合に比べて化合物中へのPdの浸出が顕著に少なくなる。反応後、酢酸塩を化学量論のHCl量で置換して所望のHCl塩の形態で化合物を提供する。したがって、反応後に強い鉱酸で置換できる弱い非鉱酸を反応に使用するのが適切である。
【0135】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩は、当業者に知られる各種の方法で単離(精製を含む)することができる。例えば、いくつかの事例では、反応生成物を濾過しその後生成物を濾液から析出することにより(例えば、濾液から全部または一部の溶媒を除去することにより)単離することが望ましい。他に例えば、いくつかの事例では、反応生成物を例えばジエチルエーテルまたは酢酸エチルのような適切な溶媒または溶媒混合物で抽出し、その後クロマトグラフィーにより単離することが望ましい。あるいは、いくつかの事例では、生成物を直接に回収することが望ましい。いくつかの態様では、単離した生成物は適切な溶媒または溶媒の混合物で1回以上洗浄してさらに精製することができる。いくつかの態様では、生成物は例えば再結晶化によってさらに精製することができる。再結晶化は溶媒または溶媒の混合物を用いて実施することができる。いくつかの態様では、生成物は例えばクロマトグラフィー(例えば3−メルカプトプロピルエチルスルフィド修飾シリカゲルなどのシリカゲルとの接触)によってさらに精製することができる。適切な溶出溶媒としては塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素、アルコール(例えばメタノール)、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。当業者はその他の適切な溶媒を選択することができる。いくつかの態様では、反応生成物の単離(精製を含む)には反応生成物から触媒を除去することを含む。単離(または精製)生成物の純度はHPLCの使用などの適切な方法で測定することができる。例えばPd触媒の濃度は誘導結合プラズマ(ICP)分光法などの適切な方法で測定することができる。
【0136】
いくつかの態様では、工程a)で使用の式IIの化合物または医薬的に許容されるその塩は
c)式IIIの化合物
【0137】
【化50】

【0138】
または医薬的に許容されるその塩からBoc基を除去して式IIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0139】
Boc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、HPO)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0140】
工程c)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)で実施することができる。工程c)における反応生成物は式IIの化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程c)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程c)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程c)における収率は約90%よりも大きい。
【0141】
いくつかの態様では、工程c)において使用の式IIIの化合物または医薬的に許容されるその塩は、
d)式IVの化合物
【0142】
【化51】

【0143】
または医薬的に許容されるその塩を、式Vの化合物
【0144】
【化52】

【0145】
または医薬的に許容されるその塩と反応させること、
によって調製することができる。
工程d)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して式IIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(BOP)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCまたはEDAC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N’,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(Py−BOP)、N’,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1H−ベンゾトリアゾリウム 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−ヘキサフルオロホスファート (1−),3−オキシド(HCTU)、適切な1,3,5−トリアジン誘導体(例えばKaminski, Tetrahedron Letters, 1985, 26, 2901-2904を参照。なお、適切な1,3,5−トリアジン誘導体としては2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジベンジルオキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−フェノキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−ベンジルオキシ−1,3,5−トリアジン、または2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンが挙げられるがこれらに限定されるものではない)、およびこれらの複数の混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。いくつかの態様では、工程d)におけるカップリング試薬はEDACおよびHOBtの混合物を含む。
【0146】
いくつかの態様では、カップリング反応に使用の酸は、例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる。酸が活性化種に転換されるいくつかの態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかの態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0147】
いくつかの態様では、工程d)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または反応生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される(Konig等、Chem. Ber., 1970, 103, 788を参照、カップリング試薬としてHOBtを記載)。
【0148】
カップリング反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はN−メチルモルホリンである。
【0149】
工程d)における反応は例えばエーテル(例えばテトラヒドロフランまたはTHF)、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン(DCM)またはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程d)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程d)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程d)における収率は約80%よりも大きい。
【0150】
いくつかの態様では、工程d)において使用の式Vの化合物または医薬的に許容されるその塩は、
e)式IVの化合物
【0151】
【化53】

【0152】
または医薬的に許容されるその塩を、アンモニアまたはアンモニア生成試薬と反応させて、式VIの化合物
【0153】
【化54】

【0154】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
f)式VIの化合物または医薬的に許容されるその塩から、Boc基を除去して式Vの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
によって調製することができる。
【0155】
いくつかの態様では、工程e)におけるカップリング反応は活性化剤(またはカップリング試薬)および有機塩基の存在下で実施する。適切な活性化剤(またはカップリング試薬)および有機塩基は当業者に知られている。
【0156】
いくつかの態様では、アンモニア(そのままか、水またはジオキサンなどの溶媒中かのいずれか)を工程e)で使用する。いくつかの態様では、アンモニア生成試薬(NHClなど)を使用する。
【0157】
いくつかの態様では、カップリング反応で使用の酸(すなわち式IVの化合物)は、(適切な活性化剤を用いることにより)例えば酸ハロゲン化物または混合無水物などより反応性のある種に転換することができる。酸が活性化種に転換されるいくつかの態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかの態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、使用する活性化剤はクロロギ酸エチルである。いくつかの態様では、使用する塩基はDIEAである。
【0158】
いくつかの態様では、工程e)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程e)における収率は約92%よりも大きい。
【0159】
工程f)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA))を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、工程f)における収率は約70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程f)における収率は約85%よりも大きい。
【0160】
いくつかの態様では、本発明に使用の式Vの化合物または医薬的に許容されるその塩を、
g)式VIIの化合物
【0161】
【化55】

【0162】
または医薬的に許容されるその塩を塩基の存在下で加水分解して、式IVの化合物を生成すること、
により調製することができる。
【0163】
いくつかの態様では、工程g)における適切な塩基として金属水酸化物(例えばLiOH、NaOH、KOH、Ba(OH))および金属炭酸塩(例えばNaCO、KCO、およびCsCO)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、工程g)における塩基はLiOHである。いくつかの態様では、工程g)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程g)における収率は約95%よりも大きい。
【0164】
いくつかの態様では、本発明で使用の式VIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を、
h)式VIIIの化合物
【0165】
【化56】

【0166】
または医薬的に許容されるその塩を、式IXの化合物
【0167】
【化57】

【0168】
または医薬的に許容されるその塩と、反応させ式VIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0169】
いくつかの態様では、工程h)におけるカップリング反応は活性化剤(またはカップリング試薬)および有機塩基の存在下で実施する。適切な活性化剤(またはカップリング試薬)および有機塩基は当業者に知られている。いくつかの態様では、工程h)におけるカップリング反応はカップリング試薬の存在下で実施する。いくつかの態様では、工程h)におけるカップリング試薬はEDACおよびHOBtの混合物を含む。
【0170】
いくつかの態様では、工程h)における有機塩基はNMMである。いくつかの態様では、工程h)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程h)における収率は約80%よりも大きい。
【0171】
いくつかの態様では、本発明で使用の式VIIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を、
i)式Xの化合物
【0172】
【化58】

【0173】
または医薬的に許容されるその塩を、塩基の存在下で加水分解して式IXの化合物
【0174】
【化59】

【0175】
を生成すること、及び
j)Boc基を式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩から除去して、式VIIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0176】
上述のように式Xの化合物は2方向で取り込まれる。式VIIIの化合物は式Xの化合物からBoc基を除去して調製される(すなわち、式VIIIの化合物は式Xの化合物からBoc基を除去して直接に得られる)。加水分解もまた式IXの化合物を提供し、Boc基を除去して式VIIIの化合物を提供する。
【0177】
工程i)における適切な塩基として金属水酸化物(例えばLiOH、NaOH、KOH、Ba(OH))および金属炭酸化物(例えばNaCO、KCO、およびCsCO)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、工程i)における塩基はLiOHである。いくつかの態様では、工程i)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程i)における収率は約92%よりも大きい。
【0178】
工程j)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、TsOH)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、工程j)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程j)における収率は約95%よりも大きい。
【0179】
いくつかの態様では、本発明に使用の式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩は、
k)式XIの化合物
【0180】
【化60】

【0181】
または医薬的に許容されるその塩を式XIIの化合物
【0182】
【化61】

【0183】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0184】
いくつかの態様では、工程k)におけるカップリング反応は活性化剤(またはカップリング試薬)および有機塩基の存在下で実施する。適切な活性化剤(またはカップリング試薬)および有機塩基は当業者に知られている。いくつかの態様では、工程k)のカップリング反応はカップリング剤の存在下で行われる。いくつかの態様では、工程k)におけるカップリング試薬はEDACおよびHOBtの混合物である。
【0185】
いくつかの態様では、工程k)における有機塩基はNMMである。いくつかの態様では、工程k)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程k)における収率は約90%よりも大きい。
【0186】
本発明はまた式Iの化合物
【0187】
【化62】

【0188】
または医薬的に許容されるその塩の調製方法をも提供し、その方法は、
a1)式II−1の化合物
【0189】
【化63】

【0190】
または医薬的に許容されるその塩から、水素添加/水素化分解条件でCbz基を除去して、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
b1)式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を単離してもよい、
を含む。
【0191】
式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩からのCbz基の除去は、適切な水素添加/水素化分解条件を用いて実現される。工程a−1)で使用することができる適切な水素添加/水素化分解条件としては合成有機化学の分野で知られている条件が挙げられる。例えば、Hガス(1気圧より高い圧力下、例えば約30〜約80psiまたは約40〜約70psiの圧力であってよい)および金属触媒を使用することができる。適切な金属触媒としてはPd触媒(例えばPd/C触媒(例えば5%、10%、または20%Pd/C)、Pdブラック、Pd(OH)、およびPdCl)、ラネーNi、白金触媒、ロジウム触媒、およびルテニウム触媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他の水素源も使用することができ、例えば移動水素化分解に好適なものとしてギ酸、ギ酸アンモニウム、および1,4−シクロヘキサジエンがある。いくつかの態様では、工程a1)で使用する金属触媒はPd/C(例えば5%、10%、または20%Pd/C)である。
【0192】
いくつかの態様では、工程a1)における反応生成物は式Iの化合物の塩、例えば(五)HCl塩である。いくつかの態様では、酸(式II−1の化合物に対して5モル当量のHClなど)を反応混合物に添加することができる。工程a1)における反応はアルコール(メタノールまたはエタノールなど)またはエーテル(例えばTHF)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒の還流温度以下で実施することができる。反応の進行はHPLC、GC、LC、または薄層クロマトグラフィー法などの適切な方法により監視することができる。いくつかの態様では、工程a1)における収率は約70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程a1)における収率は約85%よりも大きい。
【0193】
水素添加中に、例えば酢酸などの弱有機酸を5モル当量使用すると、HClを使用する場合に比べて化合物中へのPdの浸出が顕著に少なくなることが観察された。反応後、酢酸塩を化学量論のHCl量で置換して所望のHCl塩の形態で化合物を提供する。したがって、反応後に強い鉱酸で置換できる弱い非鉱酸を反応に使用するのが適切である。
【0194】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩は、本明細書で上述した当業者に知られる各種の方法で単離(精製を含む)することができる。
いくつかの態様では、工程のa1)に使用の式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
c1)式III−1の化合物
【0195】
【化64】

【0196】
または医薬的に許容されるその塩を、式IV−1の化合物
【0197】
【化65】

【0198】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0199】
工程c1)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0200】
いくつかの態様では、カップリング反応で使用の酸(すなわち式IV−1の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる。酸が活性化種に転換されるいくつかの態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかの態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0201】
いくつかの態様では、工程c1)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程c1)におけるカップリング試薬はEDACおよびHOBtの混合物を含む。
【0202】
工程c1)におけるカップリング反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0203】
工程c1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程c1)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程c1)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程c1)における収率は約80%よりも大きい。
【0204】
いくつかの態様では、工程のc1)に使用の式V−1の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
d1)式VI−1の化合物
【0205】
【化66】

【0206】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−1の化合物
【0207】
【化67】

【0208】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式V−1の化合物
【0209】
【化68】

【0210】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
e1)Boc基を式V−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から除去して、式III−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0211】
工程d1)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式V−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、反応で使用の酸(すなわち工程d1)における式IV−1の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる(特定のそのような態様では、カップリング試薬はd1)のカップリング反応に用いてもよい。特定のそのような態様では、活性化種はd1)のカップリング反応の前に単離することができる)。いくつかの態様では、工程d1)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程d1)におけるカップリング試薬はEDACおよびHOBtの混合物を含む。
【0212】
工程d1)における反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0213】
工程d1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程d1)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程d1)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程d1)における収率は約92%よりも大きい。
【0214】
工程e1)におけるBoc基の除去反応は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、TFA)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0215】
工程e1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程e1)における反応生成物は式III−1の化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程e1)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程e1)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程e1)における収率は約85%よりも大きい。
【0216】
いくつかの態様では、工程のd1)に使用の式VI−1の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
f1)式VIII−1の化合物
【0217】
【化69】

【0218】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−1の化合物
【0219】
【化70】

【0220】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式IX−1の化合物
【0221】
【化71】

【0222】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
g1)Boc基を式IX−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して、式VI−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0223】
工程f1)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式IX−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、反応で使用の酸(すなわち工程f1)における式VII−1の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる(特定のそのような態様では、f1)のカップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。特定のそのような態様では、活性化種はf1)のカップリング反応の前に単離することができる)。いくつかの態様では、工程f1)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程f1)におけるカップリング試薬はEDACおよびHOBtの混合物を含む。
【0224】
工程f1)における反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0225】
工程f1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)で実施することができる。工程f1)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程f1)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程f1)における収率は約92%よりも大きい。
【0226】
工程g1)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、TFA)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0227】
工程g1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程g1)における反応生成物は式VI−1の化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程g1)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程g1)における収率は約70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程g1)における収率は約85%よりも大きい。
【0228】
いくつかの態様では、工程のf1)に使用の式VIII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
h1)式XI−1の化合物
【0229】
【化72】

【0230】
または医薬的に許容されるその塩を、式XII−1の化合物
【0231】
【化73】

【0232】
または医薬的に許容されるその塩と、存在してもよい有機塩基の下で反応させ、式X−1の化合物
【0233】
【化74】

【0234】
または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
i1)Boc基を式X−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して、式VIII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0235】
工程h1)における反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はDMAPである。
【0236】
工程h1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)、酢酸エチルのような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程h1)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程h1)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程h1)における収率は約98%よりも大きい。
【0237】
工程i1)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、TFA)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0238】
工程i1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程i1)における反応生成物は式VIII−1の化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程i1)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程i1)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程i1)における収率は約85%よりも大きい。
【0239】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式VII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
j1)式XI−1の化合物
【0240】
【化75】

【0241】
または医薬的に許容されるその塩を、式XIII−1の化合物
【0242】
【化76】

【0243】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式VII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0244】
工程j1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)、酢酸エチルのような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程j1)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程j1)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程j1)における収率は約95%よりも大きい。
【0245】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式IV−1の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
k1)式XIV−1の化合物
【0246】
【化77】

【0247】
または医薬的に許容されるその塩を、式XIII−1の化合物
【0248】
【化78】

【0249】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式IV−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0250】
工程k1)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)、酢酸エチルのような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程k1)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程k1)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程k1)における収率は約80%よりも大きい。
【0251】
いくつかの態様では、工程a1)で使用の式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩はまた、
c2)式III−2の化合物
【0252】
【化79】

【0253】
または医薬的に許容されるその塩を、式IV−2の化合物
【0254】
【化80】

【0255】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0256】
工程c2)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0257】
いくつかの態様では、カップリング反応で使用の酸(すなわち式IV−2の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる。酸が活性化種に転換される態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかのそのような態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0258】
いくつかの態様では、工程c2)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程c2)におけるカップリング試薬は適切な1,3,5−トリアジン誘導体(例えば2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン)を含む。
【0259】
工程c2)におけるカップリング反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0260】
工程c2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程c2)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程c2)における収率は約65%、70%、75%、79%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程c2)における収率は約79%よりも大きい。
【0261】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式III−2の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
d2)式V−2の化合物
【0262】
【化81】

【0263】
または医薬的に許容されるその塩からBoc基を除去して式III−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
を含む。
【0264】
工程d2)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、HCl)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0265】
工程d2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程d2)における反応生成物は式III−2の化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程d2)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程d2)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程d2)における収率は約92%よりも大きい。
いくつかの態様では、本明細書で使用の式V−2の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
e2)式VI−2の化合物
【0266】
【化82】

【0267】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−2の化合物
【0268】
【化83】

【0269】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式V−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0270】
工程e2)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式V−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0271】
いくつかの態様では、カップリング反応で使用の酸(すなわち式VII−2の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる。酸が活性化種に転換される態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかのそのような態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0272】
いくつかの態様では、工程e2)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程e2)におけるカップリング試薬は適切な1,3,5−トリアジン誘導体(例えば2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン)を含む。
【0273】
工程e2)におけるカップリング反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0274】
工程e2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程e2)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程e2)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程e2)における収率は約80%よりも大きい。
【0275】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式VI−2の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
f2)式VIII−2の化合物
【0276】
【化84】

【0277】
または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去し、式VI−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0278】
工程f2)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、HCl)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0279】
工程f2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程f2)における反応生成物は式VI−2の化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程f2)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程f2)における収率は約75%、80%、85%、89%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程f2)における収率は約89%よりも大きい。
【0280】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式VIII−2の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
g2)式IX−2の化合物
【0281】
【化85】

【0282】
または医薬的に許容されるその塩を、式VII−2の化合物
【0283】
【化86】

【0284】
または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式VIII−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0285】
工程g2)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式VIII−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0286】
いくつかの態様では、カップリング反応で使用の酸(すなわち式VII−2の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる。酸が活性化種に転換される態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかのそのような態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0287】
いくつかの態様では、工程g2)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程g2)におけるカップリング試薬は適切な1,3,5−トリアジン誘導体(例えば2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン)を含む。
【0288】
工程g2)におけるカップリング反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0289】
工程g2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程g2)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程g2)における収率は約80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程g2)における収率は約92%よりも大きい。
【0290】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式IX−2の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
h2)式X−2の化合物
【0291】
【化87】

【0292】
または医薬的に許容されるその塩からBoc基を除去して、式IX−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0293】
工程h2)におけるBoc基の除去は酸(例えば、HPO、TFA、HCl、TsOH、またはHSO)またはTMSOTf/2,6−ルチジンなどの適切な単一または複数の試薬を用いて実施することができる。いくつかの態様では、酸(例えば、HCl)を用いてBoc基を除去する。いくつかの態様では、Boc基の除去に用いる試薬または酸はそのまま使用してもよく、CHCl、EtOAc、THF、ジオキサン、水などの適切な溶媒またはこれらのうちの2種以上の溶媒の混合物溶液として存在してもよい。
【0294】
工程h2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMなど)、アルコール(例えばメタノールまたはエタノール)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程h2)における反応生成物は式IX−2の化合物またはその塩として単離することができる(例えばNaOHなどの塩基を用いて工程h2)に使用の酸を中和する)。いくつかの態様では、工程h2)における収率は約80%、85%、90%、92%、93%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程h2)における収率は約93%よりも大きい。
【0295】
いくつかの態様では、本明細書で使用の式X−2の化合物または医薬的に許容されるその塩は、
i2)式VII−2の化合物
【0296】
【化88】

【0297】
または医薬的に許容されるその塩を、式XI−2の化合物
【0298】
【化89】

【0299】
または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式X−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
により調製することができる。
【0300】
工程i2)の反応はカップリング試薬および有機塩基の存在下で実施して、式X−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することができる。適切なカップリング試薬としてはBOP、HBTU、HATU、EDAC、DCC、DIC、Py−BOP、CDI、HOBt、HCTU、適切な1,3,5−トリアジン誘導体、およびこれらの複数の混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0301】
いくつかの態様では、カップリング反応で使用の酸(すなわち式VII−2の化合物)は例えば酸ハロゲン化物または混合無水物など、より反応性のある種に(適切な活性化剤を用いることにより)転換することができる。酸が活性化種に転換される態様では、カップリング反応にはカップリング試薬を用いてもよい。いくつかの態様では、活性化種はカップリング反応の前に単離することができる。適切な活性化剤としてはクロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸イソブチル)、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌール、およびPBrが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0302】
いくつかの態様では、工程i2)における活性化剤またはカップリング試薬は反応物(および/または生成物)に存在する不斉中心のラセミ化を防ぐものから選択される。いくつかの態様では、工程i2)におけるカップリング試薬は適切な1,3,5−トリアジン誘導体(例えば2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン)を含む。
【0303】
工程i2)におけるカップリング反応は適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基としては、TEA、DIEA、NMM、DMAP、ピリジン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの態様では、塩基はNMMである。
【0304】
工程i2)における反応は例えばエーテル(例えばTHF)、ハロゲン化溶媒(DCMまたはクロロホルムなど)のような極性溶媒などの適切な溶媒、または適切な溶媒の混合物中で実施することができる。反応は適切な温度、例えば雰囲気温度(約20〜25℃)または反応混合物中の溶媒を還流する温度以下で実施することができる。工程i2)における反応生成物は当業者に知られている適切な技術で単離(精製を含む)することができる。いくつかの態様では、工程i2)における収率は約65%、70%、75%、80%、85%、88%,90%、92%、95%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、工程i2)における収率は約88%よりも大きい。
【0305】
本明細書で提供する各工程は一つ以上の不斉中心を有する反応生成物を与える。いくつかの態様では、本明細書で使用の試薬(例えば溶媒、酸、塩基、カップリング試薬、活性化剤を含む)を含む反応条件は反応物および/または反応生成物のどれかに存在する不斉中心のラセミ化を最小化/防止することができる。いくつかの態様では、各工程で生成される所望の光学異性体、エピマー、またはジアステレオマーのその他の(望ましくない)光学異性体、エピマー、またはジアステレオマーに対する比率は約99:1、98:2、97:3、96:4、95:5、94:6、93:7、92:8、91:9、90:10、88:12、85:15、80:20、または75:25よりも大きい。いくつかの態様では、本明細書における各工程の各反応生成物の収率は約75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%よりも大きい。いくつかの態様では、本明細書における各工程の各反応生成物の収率は(純粋な光学異性体、エピマー、またはジアステレオマーとして)約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%よりも大きい。
【0306】
本明細書に記載のいくつかの工程ではカップリング反応(カルボン酸をアミン化合物にカップリングする)を伴う。酸のアミン化合物に対するモル比は約0.9:1.0から約1.1:1.0である。いくつかの態様では、酸のアミン化合物に対するモル比は約0.95:1.00から1.05:1.00、約0.97:1.00から1.03:1.00、または約0.98:100から1.02:1.00である。いくつかの態様では、酸のアミン化合物に対するモル比は約1.00:1.00である。
【0307】
本明細書に記載の方法は当業者に知られている適切な方法に従って監視することができる。例えば生成物の生成は核磁気共鳴分光法(例えばHまたは13C NMR)、赤外線分光法(IR)、分光光度法(例えば紫外〜可視)、または質量分析法などの分光学的手段、または高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)または薄層クロマトグラフィー法などのクロマトグラフィー法によって監視することができる。
【0308】
いくつかの態様では、上記の技術を使用して、生成した生成物または(消費される)反応物を検出することにより、反応混合物または反応生成物を含む溶液の純度を評価することができる。
【0309】
本明細書に記載の方法の反応は空気または不活性雰囲気中で実施することができる。典型的には実質的に空気と反応する試薬または生成物を含む反応は当業者に知られている適切な空気感応性合成法を用いて実施することができる。
【0310】
本明細書に記載の方法は種々の化学基の保護と脱保護を伴う。保護基の化学は例えばGreene等、Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成の保護基)、2d. Ed., Wiley & Sons, 1991に見出され、本明細書に全体が参照により組み込まれる。
【0311】
本明細書に記載の方法は有機合成の当業者に容易に選択される適切な溶媒中かつ適切な温度で実施することができる。適切な溶媒は反応実施温度、すなわち溶媒の凍結温度から溶媒の沸点までの範囲において、実質的に出発物質(反応物)、中間体、または生成物とは反応しないことが可能である。具体的な反応は1種の溶媒または複数の溶媒の混合物中で実施することができる。具体的な反応工程に応じて、具体的な反応工程についての適切な溶媒を選択することができる。
【0312】
本明細書に記載の方法の各反応生成物(化合物または塩)は当業者に知られている種々の技術により単離(精製を含む)することができる。例えば、いくつかの事例では、反応生成物を濾過し、その後濾液から生成物を析出することにより(例えば、濾液から全部または一部の溶媒を除去すること、または異なる溶媒を添加することにより)単離することが望ましい。他に例えば、いくつかの事例では、反応生成物を適切な溶媒または溶媒混合物で抽出し、その後クロマトグラフィーにより単離することが望ましい。あるいは、いくつかの事例では、反応生成物を直接に回収することが望ましい。いくつかの態様では、単離した生成物は適切な溶媒または溶媒の混合物で1回以上洗浄してさらに精製することができる。いくつかの態様では、生成物は例えば再結晶化によってさらに精製することができる。再結晶化は溶媒または溶媒の混合物を用いて実施することができる。いくつかの態様では、生成物は例えばクロマトグラフィー(例えば3−メルカプトプロピルエチルスルフィド修飾シリカゲルなどのシリカゲルとの接触)によってさらに精製することができる。適切な溶出溶媒としては塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素、アルコール(例えばメタノール)、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。当業者はその他の適切な溶媒を溶出溶媒として選択することができる。単離(または精製)生成物の純度はHPLCの使用などの適切な方法で測定することができる。
【0313】
本発明はまた一つ以上の上述した中間体(化合物および/またはその塩)を提供し、それらは式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の調製に有用である。
本明細書に記載の発明がより効率よく理解されるために、下記に実施例を提供する。これらの実施例は説明目的だけであって、いかなる方法でも発明を限定するものではない。これらの実施例を通じて、カップリング反応、保護/脱保護反応、およびその他の標準的反応/加工/単離/精製の技術は当業者に知られている方法に従って、特記しない限り市販の試薬を用いて実施した。
【実施例】
【0314】
実施例1:式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の合成(経路I)
【0315】
【化90】

【0316】
【化91】

【0317】
工程1:化合物1−3の調製
化合物1−1(1665g、4.379モル、1.0当量)、化合物1−2(817g、4.51モル、1.03当量)、およびHOBt(651g、4.82モル、1.1当量)の混合物を14.0LのDCM中においてNMM(885g、8.76モル、2.0当量)で処理し、次にEDAC(923g、4.82モル、1.10当量)を少しずつ添加した。反応は20℃で行い反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を標準抽出法で処理して化合物1−3(2192g、収率92.1%)を得た。HPLC分析から化合物1−3の純度が97〜98%であることが分かった。キラルHPLCから化合物1−3の鏡像異性純度が工程1の間は(化合物1−1から)維持されることが分かった。望ましくない鏡像異性体は検出されなかった。
工程2A:化合物1−4の調製
化合物1−3(1250g、2.30モル)、THF(13.8L)、およびMeOH(9.4L)の混合物を10℃に冷却し、5%水溶液として供給される4モル当量のLiOHを30分間滴下して処理した。反応混合物を撹拌して室温に温め、進行を工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物のpHをHCl水溶液で中和し、ある程度濃縮し、HCl水溶液で酸性にし、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した。化合物1−4(1175g、収率96.5%)を得て、そのHPLC分析では純度は96%であった。キラルHPLC法から化合物1−4の鏡像異性純度が工程2Aの間は(化合物1−3から)維持されたことが分かった。望ましくない鏡像異性体は検出されなかった。
工程2B:化合物1−5の調製
化合物1−3(2556g、4.70モル)のDCM(15.0L)溶液をp−トルエンスルホン酸(TsOH、1073g、5.6モル、1.2当量)で処理して、混合物を40℃に加熱した。反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液で処理後、標準抽出方法で処理して化合物1−5(2065g、収率99%)を得た。HPLC分析で測定した純度は96.4%であった。
工程3:化合物1−6の調製
クロロホルム(17.6L)中の化合物1−5(1030g、2.32モル、1.05当量)、HOBt(601g、4.45モル、2.0当量)、およびNMM(670g、6.63モル、3.0当量)の混合物を、EDAC(511g、2.65モル、1.2当量)のクロロホルム(2.0L)溶液で処理した。この混合物に化合物1−4(1170g、2.21モル、1.0当量)およびNMM(337g、3.33モル、1.5当量)のクロロホルム(4.2L)溶液を滴下して処理し、生成した反応混合物を20〜25℃で撹拌した。反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を標準抽出方法で処理した。得られた固形発泡体は過剰な重量を示し、純度はHPLC分析により約88%であった。得られた固形発泡体をヘプタン/EtOAcから結晶化した。化合物1−6(1287g、収率61%)を得た。HPLC分析で測定した純度は97.2%であった。
工程4:化合物1−7の調製
化合物1−6(2516g、2.63モル)、THF(16.6L)、およびMeOH(10.9L)の混合物を10℃に冷却し、5%水溶液として供給される4当量のLiOHを45分間滴下して処理した。反応混合物を撹拌して室温に温め、反応の進行を工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物をHCl水溶液で中和し、ある程度濃縮し、HCl水溶液で酸性にし、EtOAcで抽出した。化合物1−7(定量的収率、2813gの粗生成物)を得た。HPLC分析で測定した純度は94.7%であった。粗生成物をさらに精製することなく次工程で直接使用した。
工程5:化合物1−8の調製
化合物1−7(上記工程4で調製した1490gの粗生成物、1297g(1.38モル)の純粋な化合物1−7に等価であると仮定)のクロロホルム溶液(13.0L)を10℃に冷却し、クロロギ酸エチル(302g、2.78モル、2.0当量)で一度に処理した後、DIEA(357g、2.76モル、2.0当量)を滴下し、内部の温度を監視した。生成した反応混合物を撹拌しながら雰囲気温度に温めた。反応の進行を監視したところ、0.5Mアンモニアのジオキサン溶液により反応停止され、化合物1−8の生成および化合物1−7の消費を評価する試料のHPLC分析から、反応性混合無水物中間体への完全な転換が分かった。酸1−7の無水物中間体への完全な転換の後、反応混合物を0℃に冷却し、気泡放出管を通してアンモニアガス(151g、8.8モル、6.4当量)で処理し、その間内部温度を監視した。反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を水で反応停止させ、標準抽出方法で処理した。化合物1−8(定量的収率、1322gの粗生成物)が得られた。HPLC分析で測定した純度は93.2%であった。粗生成物をさらに精製することなく次工程で直接使用した。
工程6:化合物1−9の調製
化合物1−8(上記の工程5で調製した1322gの粗生成物、1298g(1.38モル)の純粋な化合物1−8に等価と仮定)のDCM(4.4L)溶液を0℃に冷却し、TFA(2.1L、28モル、20当量)を滴下して処理し、その間内部温度を約10℃よりも低く維持した。反応混合物を撹拌して雰囲気温度にまで温めた。反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を−20℃に急冷し、その後−5℃で急速撹拌されるNaOH(22当量)水溶液(9.6L)およびDCM(4.5L)の混合物を30分間添加して反応停止させた。添加速度は混合物の内部温度が約10℃よりも低く維持されるようにした。反応停止した混合物を標準抽出方法で処理して、化合物1−9(1152g、収率99%)を得た。HPLC分析で測定した純度は85.0%であった。
工程7:化合物1−10の調製
クロロホルム(17.9L)中の化合物1−7(981g、1.04モル、1.00当量)、化合物1−9(894g、1.06モル、1.02当量)、およびHOBt(288g、2.1モル、2.0当量)の混合物をEDAC(240g、1.25モル、1.2当量)のクロロホルム溶液(2.2L)で処理した後、NMM(161g、1.6モル、1.5当量)を添加した。反応混合物を20〜25℃で撹拌し、反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を標準抽出方法で処理して化合物1−10(定量的収率、1840gの粗生成物)を固体として得た。HPLCで測定した粗生成物1−10の純度は80.0%であった。粗生成物を2−プロパノール/メタノールからの第一の再結晶化を行い、次にクロロホルム/2−プロパノールからの第二の再結晶化を行い、精製化合物1−10(1280g、収率69.8%)が得られた。HPLC分析により測定された純度は95.1%であった。
工程8:化合物1−11の調製
DCM(3.1L)、THF(3.1L)、およびリン酸(5323g、85%、46.2モル、65当量)の混合物を調製し、工程7で調製した精製化合物1−10(1248g、0.707モル)を少しずつ30分間添加した。反応混合物を20〜25℃で撹拌し、反応の進行を工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物をNaOH水溶液で反応停止させ(反応混合物のpHは8〜9に調整した)、標準抽出方法で処理して化合物1−11(定量的収率、1323gの粗生成物)を得た。HPLC測定による粗生成物の純度は90.5%であった。
【0318】
粗生成物1−11をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。精製方法は1グラムの粗生成物1−11あたり30gのシリカゲル(230〜400メッシュ)を使用した。1%のMeOH/DCM〜10%のMeOH/DCM(傾斜)を溶離溶媒として使用した。クロマトグラフィーの後、460g(39%)の精製化合物1−11を得た。HPLC測定による精製化合物1−11の純度は97.5%であった。
工程9:式Iの化合物(1−12)の五HCl塩の調製
工程8で調製した精製化合物1−11(417g、0.251モル)、10wt%パラジウム担持炭素(167g)、MeOH(16.7L)、およびHCl(5.0当量、7.2wt%水溶液)の混合物を70psiの圧力の水素ガスにさらした。反応混合物を25℃で撹拌して、反応の進行は工程内HPLCで監視した。反応終了後、反応混合物を濾過し、アセトニトリルで共沸蒸留して濃縮し、MTBE中にスラリー状にし、濾過し、乾燥した固体生成物を得た。粗生成物1−12を式Iの化合物の五HCl塩として得た(300g、収率91%)。HPLCで測定した粗生成物の純度は97.9%であった。
【0319】
粗生成物1−12をさらに精製した。粗生成物1−12(274g、0.209モル)のMeOH(13.9L)溶液を28gの3−メルカプトプロピルエチルスルフィド修飾シリカゲルで処理し、90分間撹拌した。反応混合物を濾過し、アセトニトリルで共沸蒸留して濃縮し、MTBE中にスラリー状にし、濾過し、乾燥した固体生成物を得た。HPLC分析を行い、塩1−12の純度および生成物中の残留パラジウムの濃度を測定した。すでに得られた精製生成物(266g、0.203モル)について精製手順をもう1度繰り返し、第二の精製方法によって純度が97.9%、Pd濃度が2.7ppmの219g(収率82%)の塩1−12を生成した。
【0320】
実施例2:式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の合成(経路II)
【0321】
【化92】

【0322】
【化93】

【0323】
【化94】

【0324】
工程1:化合物2−3の調製
化合物2−1(0.477g、1.00ミリモル)および化合物2−2(0.200g、1.20ミリモル)の混合物を酢酸エチル(5.0mL)中で激しく撹拌し、その間加熱してゆっくりした還流を行った。反応混合物は当初は懸濁液で、その後溶液になったが時間がたつと反応フラスコの壁にいくらかの固体が沈殿した。24時間後HPLC分析により反応は終了したことが分かった。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、得られる洗浄液が中性のpHになるまで蒸留水での抽出を連続して行った。有機留分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮して0.552g(溶媒が捕捉されたため理論収率よりも高い)の粘性の橙色のシロップが得られ、MS/HPLC分析により99%の化合物2−3であることが分かった。この粗製物質を酢酸エチルから結晶化して精製し、MS/HPLC分析により純度>99%を有する白色粉末として0.345g(65%)の化合物2−3の第一の生成物を得た。
工程2:化合物2−5の調製
化合物2−1(0.477g、1.00ミリモル)および化合物2−4(0.200g、1.20ミリモル)の混合物をクロロホルム(5.0mL)中で激しく撹拌し、その間加熱してゆっくりした還流を行った。反応混合物は当初は懸濁液で、その後溶液になったが時間がたつと反応フラスコの壁にいくらかの固体が沈殿した。24時間後HPLC分析により反応は終了したことが分かった。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、溶液を蒸留水で抽出し、飽和NaHCOで抽出し、NaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.544g(溶媒が捕捉されたため103%)の粘性の黄色油が得られ、MS/HPLC分析により>99%の化合物2−5であることが分かった。
工程3:化合物2−6の調製
化合物2−5(0.127g、0.240ミリモル)を1:2(v/v)のトリフロオロ酢酸のジクロロメタン溶液3.0mL(0℃に冷却)で処理して、混合物を90分間室温に温めた。反応混合物を氷浴で30分間冷却し、0℃のtert−ブチルメチルエーテル20mLで処理した結果、オフホワイトの固体の大規模な沈殿を生じた。氷浴に1時間置いた後、吸引濾過で沈殿物を収集した。収集した固体は吸湿性のためすぐにシロップ状になったが、アセトニトリルで溶解し濃縮した。残留物は酢酸エチルと飽和NaHCOの間で抽出し、有機部分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.091g(88%)の黄色のシロップが得られた。MS/HPLC分析から97%純度の化合物2−6であることが分かった。
工程4:化合物2−7の調製
化合物2−3(0.158g、0.298ミリモル)および化合物2−6(0.127g、0.296ミリモル)を25mlのジクロロメタン中でHOBt(0.081g、0.60ミリモル)、EDAC(0.069g、0.36ミリモル)、およびN−メチルモルホリン(50μl、0.45ミリモル)で順に処理した。反応混合物を室温で撹拌し、MS/HPLCで監視した。40時間後反応混合物をジクロロメタンで希釈し、蒸留水、飽和NaHCOおよび塩水で抽出した。有機部分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.284g(捕捉溶媒のため理論値の102%)のベージュ色の残留物が得られた。MS/HPLC分析から94%純度の化合物2−7であることが分かった。
工程5:化合物2−8の調製
化合物2−7(0.278g、0.296ミリモル)を0℃の1:2(v/v)のトリフロオロ酢酸のジクロロメタン溶液3.0mLで処理して、混合物を90分間室温に温めた。反応混合物を氷浴で30分間冷却し、0℃のtert−ブチルメチルエーテル20mLで処理した結果、オフホワイトの固体の大規模な沈殿を生じた。氷浴に1時間置いた後、吸引濾過で沈殿物を収集した。収集した固体は吸湿性のためすぐにシロップ状になったが、アセトニトリルで溶解し濃縮した。残留物はジクロロメタンと飽和NaHCOの間で抽出し、有機部分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.226g(91%)の橙色のシロップが得られ、MS/HPLC分析から95%純度の化合物2−8であることが分かった。
工程6:化合物2−10の調製
化合物2−9(0.064g、0.125ミリモル)および2−2(0.025g、0.15ミリモル)の混合物を酢酸エチル(5.0mL)中で激しく撹拌し、その間加熱してゆっくりした還流を行った。反応混合物は非常に細かい粒子を有する懸濁液であった。反応の進行はMS/HPLCで監視し、67時間後に終了したことが分かった。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。得られる洗浄水溶液が中性のpHになるまで蒸留水での抽出を連続して行った。有機留分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮して0.065g(92%)のベージュ色のろう状残留物が得られた。MS/HPLC分析から89%の化合物2−10であることが分かった。この粗製物質を酢酸エチルから結晶化して精製した。MS/HPLC分析により純度>99%を有する白色粉末として0.040g(57%)の化合物2−10の第一の生成物を得た。
工程7:化合物2−11の調製
化合物2−3(0.058g、0.11ミリモル)および化合物2−8(0.092g、0.11ミリモル)をジクロロメタン10mL中でHOBt(0.030g、0.22ミリモル)、EDAC(0.025g、0.13ミリモル)、およびN−メチルモルホリン(18μL、0.16ミリモル)で順に処理した。反応混合物を室温で撹拌し、MS/HPLCで監視した。40時間後反応混合物をジクロロメタンで希釈し、蒸留水、飽和NaHCOおよび塩水で抽出した。有機部分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.145g(98%)のベージュ色の残留物が得られた。MS/HPLC分析から96%純度の化合物2−11であることが分かった。
工程8:化合物2−12の調製
化合物2−11(0.145g、0.107ミリモル)を0℃の1:2(v/v)のトリフロオロ酢酸のジクロロメタン溶液3.0mLで処理して、混合物を90分間室温に温めた。反応混合物を氷浴で30分間冷却し、0℃のtert−ブチルメチルエーテル20mLで処理した結果、オフホワイトの固体の大規模な沈殿を生じた。氷浴に1時間置いた後、吸引濾過で沈殿物を収集した。収集した固体をジクロロメタンと飽和NaHCOの間で抽出し、有機部分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.125g(93%)の黄褐色の残留物が得られた。MS/HPLC分析から92%純度の化合物2−12であることが分かった。
工程9:化合物2−13の調製
化合物2−10(0.097g、0.17ミリモル)および化合物2−12(0.215g、0.17ミリモル)の混合物をジクロロメタン16mL中で、HOBt(0.046g、0.34ミリモル)、EDAC(0.040g、0.21ミリモル)、およびN−メチルモルホリン(28μL、0.25ミリモル)で順に処理した。反応物を室温で撹拌し、MS/HPLCで監視した。24時間後反応物をジクロロメタンで希釈し、蒸留水、飽和NaHCOおよび塩水で抽出した。有機部分をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。0.281g(91%)のベージュ色の残留物が得られた。MS/HPLC分析から82%純度の化合物2−13であることが分かった。
工程10:化合物2−14の調製
MS/HPLC分析によれば82%純度の化合物2−13である試料(0.281g、0.156ミリモル)をメタノールおよびジオキサンの5:1(v/v)混合物60mLに溶解した。この溶液を0.78mLの冷却した1.0MのHCl(5当量)で処理し、アルゴンで10分間脱気し、100mgの10%Pd/Cで処理した。生成した混合物を75psiの水素にパール水素添加装置で64時間さらした。MS/HPLCから化合物2−14への完全な転換が分かった。反応混合物をセライトパッドに通して焼結ガラスフリット越しに濾過し、濾液をさらに0.45μmのフリットを通して濾過した。生成した濾液を濃縮して0.220gの黄色固体を得た。この物質0.210gを21.0mLのn−ブタノール、メタノール、および水の4:1:1(v/v)混合物で処理し、60℃で27時間激しく加熱撹拌した。混合物を0℃に冷却し、濾過した。0.103g(64%)の化合物2−14が、98%の純度のベージュ色粉末として得られた。
【0325】
実施例3:式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の合成(経路III)
【0326】
【化95】

【0327】
【化96】

【0328】
工程1:化合物3−3の調製
2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(1.77g、1.0ミリモル、1.0当量)の混合物を無水THF(200mL)中で撹拌し、N−メチルモルホリン(2.02g、2.0ミリモル、2.0当量)を添加した。生成した混合物を室温で30分間撹拌した後、化合物3−1(5.29g、1ミリモル、1当量、Astatech, Inc.から購入)および化合物3−2(J & W Pharmlab.から購入、1.66g、1ミリモル、1.0当量)を添加した。生成した混合物を室温で24時間撹拌した。その後溶媒を真空中で蒸発させた。水(250mL)を添加し、混合物を4時間撹拌した。濾過の後、固体を水(3´100mL)で洗浄し、水(250mL)中でさらに4時間撹拌した。濾過と洗浄を2回繰り返した。その後固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物をトルエン中で結晶化させ精製した。化合物3−3を得た(6.0g、収率88%)。分子イオンは678.2(M+1)であった。
工程2:化合物3−4の調製
化合物3−3(6.78g、1ミリモル、1.0当量)を100mlの酢酸エチルに溶解し、6.0mlの濃HCl溶液(72ミリモル、72.0当量)を5分間ゆっくりと添加した。溶液を室温でさらに10分間撹拌した後、100mLの飽和NaCO水溶液をゆっくりと添加した。生成した沈殿物を濾過し、100mLの水で3回洗浄した。その後固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物を酢酸エチル中で結晶化させて精製し、化合物3−4(5.4g)を93.4%の収率で得た。分子イオンは578.3(M+1)であった。
工程3:化合物3−5の調製
2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(0.89g、0.5ミリモル、1当量)を無水THF(200mL)中で撹拌した。N−メチルモルホリン(1.01g、1.0ミリモル、2.0当量)を添加した。生成した混合物を室温で30分間撹拌した後、化合物3−1(2.65g、0.5ミリモル、1.0当量)および化合物3−4(2.89g、0.5ミリモル、1.0当量)を添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。その後溶媒を真空中で完全に蒸発させた。水(250mL)を添加し、混合物を4時間撹拌した。濾過後、得られた固体を水(3´100mL)で洗浄し、水(250mL)中でさらに4時間撹拌した。濾過と洗浄を2回繰り返した。その後固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物をトルエン中で結晶化させ精製した。化合物3−5(5.0g)を収率92%で得た。分子イオンは1089.5(M+1)であった。
工程4:化合物3−6の調製
化合物3−5(5.05g、0.5ミリモル、1.0当量)を100mlの酢酸エチルに溶解した。濃HCl溶液(6.0mL、72.0ミリモル、144当量)を5分間ゆっくりと添加した。生成した溶液を室温でさらに10分間撹拌した後、100mLの飽和NaCO水溶液をゆっくりと添加した。生成した沈殿物を濾過し、100mLの水で3回洗浄した。その後固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物を酢酸エチル中で結晶化させて精製し、化合物1−6(4.4g)を89%の収率で得た。分子イオンは989.4(M+1)であった。
工程5:化合物3−7の調製
2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(0.59g、0.33ミリモル、1.0当量)を無水THF(100mL)中で撹拌した。N−メチルモルホリン(0.70g、0.66ミリモル、2.0当量)を添加した。生成した混合物を室温で30分間撹拌した後、化合物3−1(1.70g、0.33ミリモル、1.0当量)および化合物3−6(3.20g、0.33ミリモル、1.0当量)を添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。その後溶媒を真空中で完全に蒸発させた。水(150mL)を添加し、混合物を4時間撹拌した。濾過後、得られた固体を水(3´100mL)で洗浄し、水(250mL)中でさらに4時間撹拌した。濾過と洗浄を2回繰り返した。その後得られた固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物をトルエン中で結晶化させ精製した。化合物3−7(4.0g)を収率80%で得た。分子イオンは1500.2(M+1)であった。
工程6:化合物3−8の調製
化合物3−7(5.0g、0.3ミリモル、1.0当量)を100mlのジクロロメタン中に溶解した。濃HCl溶液(3.0mL、36.0ミリモル、120当量)を5分間ゆっくりと添加した。生成した溶液を室温でさらに10分間撹拌した後、100mLの飽和NaCO水溶液をゆっくりと添加した。沈殿物を濾過し、100mLの水で3回洗浄した。その後得られた固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物を酢酸エチル中で結晶化させて精製し、化合物3−8(4.2g)を92%の収率で得た。分子イオンは1400.3(M+1)であった。
工程7:化合物3−10の調製
2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(0.177g、0.10ミリモル、1.0当量)を無水THF(50mL)中で撹拌した。N−メチルモルホリン(0.202g、0.2ミリモル、2.0当量)を添加した。生成した混合物を室温で30分間撹拌した。その後、化合物3−9(0.414g、0.1ミリモル、1.0当量)および化合物3−8(1.40g、0.1ミリモル、1.0当量)を添加した。生成した混合物を室温で24時間撹拌した。その後溶媒を真空中で完全に蒸発させた。水(150mL)を添加し、混合物を4時間撹拌した。濾過後、得られた固体を水(3´100mL)で洗浄し、水(100mL)中で4時間撹拌した。濾過と洗浄を2回繰り返した。その後得られた固体を空気中、その後真空中で乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。化合物3−10(1.50g)を収率79%で得た。分子イオンは1796(M+1)であった。
工程8:化合物3−11の調製
化合物3−10(1.80g、0.1ミリモル、1.0当量)を10mlのジクロロメタンおよび10mLのメタノール中に溶解し、溶液をアルゴンで5分間脱気した。10%Pd/C(250mg)を添加した。その後5mLの1NのHCl溶液を添加した。反応混合物を70psiのHに一晩中さらした。触媒をセライトで濾過し、濾液中の溶媒を除去した。式Iの化合物の五HCl塩(塩3−11、0.90g)が収率87%で得られた。分子イオンは1126.4(M+1)であった。
参照例1
【0329】
【化97】

【0330】
参照−1のメチルエステル化合物(0.854g、0.086ミリモル)の5.1mLのTHFおよび3.4mLのメタノール混合溶液を1.7mLの2.0Mの水酸化リチウム水溶液(4当量)で一度に処理した。反応物を室温で撹拌すると、数分間で橙色になり、沈殿物で不透明になった。16時間後、出発物質である参照−1はTLCによって完全に消費されたことが分かり、反応混合物を氷浴で冷却し、使用した塩基を中和するため、3.4mLの冷却した1.0MのHClで処理した。反応停止した混合物を回転蒸発器である程度濃縮し、残留物をジクロロメタンおよび水の間で抽出した。有機相をNaSOで乾燥、濾過、濃縮した。得られた0.704gの黄色の残留物は理論収率の83%であった。MS/HPLCにより混合物は97%の純度だが所望の生成物の参照−2ではないことが分かった。
【0331】
MS/HPLCおよびH NMRからは、反応混合物には所望の生成物である参照−2は存在しないことが分かった。MS/HPLCからは、またすべての出発物質が消費されたことも確認された。2種の主生成物が生成・単離された(M+1=885および899)が、いずれも所望の生成物の参照−2ではない。反応の生成物の1種は885のM+1を有したが、これはメチルエステルの加水分解とCOを残すベンジル基の喪失から生じる化合物に相当する。明らかにこの望ましくない反応の生成物は単純なCbz基の分裂によるものではなかった。この反応のもうひとつの生成物はM+1が899であったが、メチルエステルはそのままでCbz基の分解から生成した化合物に相当する。特定の理論に拘束されることを望まないが、側鎖のCbz基はこれらの条件に影響を受けず、α−アミンのCbz基だけが反応に関与したことが考えられる。
実施例4:精製
精製方法を開発し、GMP制御基準に従ってうまく実施できた。この方法を化合物1−12として得られる物質に応用した。これを式Iの化合物の精製に一般に応用することができる。
【0332】
化合物1−12の試料120g(0.0917モル)をさらに1080mLのメタノールおよび1080mLの蒸留水で処理し、20〜25℃で少なくとも30分間撹拌して溶解し、濾過した。フラスコと収集物質を240mLの1:1(体積)のメタノール/蒸留水ですすぎ、濾液を一体化して55〜60℃に加熱した。加熱溶液に3600mLのn−ブタノールを45分間滴下処理し、その間温度を55〜60℃に維持した。添加終了後、混合物を最少3時間かけて0〜5℃にゆっくりと冷却した。冷却温度を最少2時間維持し、その後沈殿物を濾過して収集し、480mLの3:1:1(体積)のn−ブタノール/メタノール/蒸留水で0〜5℃で洗浄した。固体を窒素雰囲気で一定重量になるまで乾燥した。98.3gの化合物1−12が淡褐色の固体として得られ、HPLCのピーク面積純度は99.6%であった。
【0333】
本発明を完全に記載したが、当業者は本発明の範囲またはその実施態様に影響を与えることなく広範かつ等価な範囲の条件およびその他のパラメータを用いて同じことを実施できることが理解されよう。本明細書で引用のすべての文献、例えば科学出版物、特許、特許出願、特許公報は参照によりその全体が組み込まれ、各個別の文献が参照によりその全体が組み込まれていることを具体的に個別に指摘した場合と同じである。引用文献が文献の最初のページだけを提供している場合には、残りのページを含む全体の文献が含まれることを意味する。前記の記載から当業者には明細書に記載のものに加えて本発明の種々の変形が明白である。そのような変形はまた添付の請求項の範囲内であることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

または医薬的に許容されるその塩の調製方法であって、
a)式IIの化合物
【化2】

または医薬的に許容されるその塩から水素添加/水素化分解条件でCbz基を除去して化合物Iまたは医薬的に許容されるその塩を生成することを含み、及び
b)式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を単離してもよい、
前記調製方法。
【請求項2】
前記水素添加/水素化分解条件は金属触媒を使用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属触媒はPd/Cである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程a)の反応収率は約85%よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
c)式IIIの化合物
【化3】

または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下でBoc基を除去して式IIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記酸はHPOである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記工程c)における反応収率は85%よりも大きい請求項5に記載の方法。
【請求項8】
d)式IVの化合物
【化4】

または医薬的に許容されるその塩を、式Vの化合物
【化5】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ式IIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
e)式IVの化合物
【化6】

または医薬的に許容されるその塩を、活性化剤および有機塩基の存在下でアンモニアまたはアンモニアを生成する試薬と反応させ式VIの化合物
【化7】

または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
f)式VIの化合物または医薬的に許容されるその塩から、酸の存在下でBoc基を除去して式Vの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記活性化剤はクロロギ酸エチル、前記有機塩基はジイソプロピルエチルアミンであり、前記酸はトリフルオロ酢酸を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
g)式VIIの化合物
【化8】

または医薬的に許容されるその塩を塩基の存在下で加水分解して、式IVの化合物を生成すること、
をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記塩基はLiOHである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
h)式VIIIの化合物
【化9】

または医薬的に許容されるその塩を、式IXの化合物
【化10】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ式VIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
i)式Xの化合物
【化11】

または医薬的に許容されるその塩を、塩基の存在下で加水分解して式IXの化合物を生成すること、及び
j)Boc基を、式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式VIIIの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記塩基はLiOHであり、前記酸はTsOHである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
k)式XIの化合物
【化12】

または医薬的に許容されるその塩を式XIIの化合物
【化13】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ式Xの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式Iの化合物
【化14】

または医薬的に許容されるその塩の調製方法であって、
a1)式II−1の化合物
【化15】

または医薬的に許容されるその塩から、水素添加/水素化分解条件でCbz基を除去して、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を生成することを含み、及び
b1)式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を単離してもよい、
前記調製方法。
【請求項21】
前記水素添加/水素化分解条件は金属触媒を使用することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記金属触媒はPd/Cである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記工程a1)における反応収率が約85%よりも大きい、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
c1)式III−1の化合物
【化16】

または医薬的に許容されるその塩を、式IV−1の化合物
【化17】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物であり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項24に記載の方法。
【請求項26】
d1)式VI−1の化合物
【化18】

または医薬的に許容されるその塩を、式VII−1の化合物
【化19】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式V−1の化合物
【化20】

または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
e1)Boc基を式V−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式III−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物、前記有機塩基はN−メチルモルホリンであり、前記酸はHPOである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
f1)式VIII−1の化合物
【化21】

または医薬的に許容されるその塩を、式VII−1の化合物
【化22】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式IX−1の化合物
【化23】

または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
g1)Boc基を式IX−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式VI−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記カップリング試薬は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物、前記有機塩基はN−メチルモルホリンであり、前記酸はHPOである請求項28に記載の方法。
【請求項30】
h1)式XI−1の化合物
【化24】

または医薬的に許容されるその塩を、式XII−1の化合物
【化25】

または医薬的に許容されるその塩と、存在してもよい有機塩基の下で反応させ、式X−1の化合物
【化26】

または医薬的に許容されるその塩を生成すること、及び
i1)Boc基を式X−1の化合物または医薬的に許容されるその塩から酸の存在下で除去して式VIII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記有機塩基を存在させる場合には、N−N−ジメチルアミノピリジンを含み、前記酸は塩酸である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
j1)式XI−1の化合物
【化27】

または医薬的に許容されるその塩を、式XIII−1の化合物
【化28】

または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式VII−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項33】
k1)式XIV−1の化合物
【化29】

または医薬的に許容されるその塩を、式XIII−1の化合物
【化30】

または医薬的に許容されるその塩と反応させ、式IV−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
c2)式III−2の化合物
【化31】

または医薬的に許容されるその塩を、式IV−2の化合物
【化32】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式II−1の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記カップリング試薬は、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項34に記載の方法。
【請求項36】
d2)式V−2の化合物
【化33】

または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去して式III−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記酸性条件はHClを使用することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
e2)式VI−2の化合物
【化34】

または医薬的に許容されるその塩を、式VII−2の化合物
【化35】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式V−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記カップリング試薬は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
f2)式VIII−2の化合物
【化36】

または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去し、式VI−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記酸性条件はHClを使用することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
g2)式IX−2の化合物
【化37】

または医薬的に許容されるその塩を、式VII−2の化合物
【化38】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式VIII−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記カップリング試薬は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項42に記載の方法。
【請求項44】
h2)式X−2の化合物
【化39】

または医薬的に許容されるその塩から、酸性条件下でBoc基を除去して式IX−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記酸性条件はHClを使用することを含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
i2)式VII−2の化合物
【化40】

または医薬的に許容されるその塩を、式XI−2の化合物
【化41】

または医薬的に許容されるその塩と、カップリング試薬および有機塩基の存在下で反応させ、式X−2の化合物または医薬的に許容されるその塩を生成すること、
をさらに含む請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記カップリング試薬は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンであり、前記有機塩基はN−メチルモルホリンである請求項46に記載の方法。
【請求項48】
【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

から選択される化合物または医薬的に許容されるその塩。

【公表番号】特表2013−508397(P2013−508397A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535367(P2012−535367)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053546
【国際公開番号】WO2011/050162
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(509183246)ポリメディックス・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】