説明

高分子電解質膜の製造方法及び燃料電池

【課題】プロトン伝導性が向上した、そして量産性が向上した燃料電池用塩基性ポリマーと強酸との複合高分子電解質膜を提供する。
【解決手段】ポリベンゾイミダゾール等の塩基性ポリマーを、前記塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり6個以上の強酸分子を含浸させるのに十分な濃度の強酸に、30℃以上の温度にて5時間以下、浸漬させる工程を含むことを特徴とする高分子電解質膜12の製造方法並びに、前記高分子電解質膜を有する燃料電池とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、高分子電解質膜の製造方法及び燃料電池に関する。
【従来の技術】
【0002】
燃料電池は、電解質と、電解質によって隔てられた一対の電極とを有する。燃料電池の場合には、一方の電極には、燃料(例えば、水素)が供給され、他方の電極には、酸化剤(例えば、酸素)が供給され、これにより、燃料の酸化に伴う化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。電解質は、水素イオン、即ち、プロトンを通す一方、反応ガス(水素及び酸素)を通さないことを目的とするものである。典型的には、燃料電池スタックは、複数の単セル(cell)を有しており、前記単セルの各々が、電解質と、電解質により隔てられた一対の電極とを有する。
【0003】
燃料電池の電解質としては、高分子電解質膜等の固体、リン酸等の液体が用いられる。中でも、近年、燃料電池の電解質として、高分子電解質膜が注目されており、高分子電解質膜の材料としては、例えば、ペルフルオロスルホン酸ポリマー、並びに、塩基性ポリマーと強酸との複合体が用いられる。
【0004】
ペルフルオロ酸ポリマーは、典型的には、ペルフルオロカーボン骨格(例えば、テトラフルオロエチレンと、トリフルオロビニルとの共重合体)にスルホン酸基を有する側鎖(例えば、スルホン酸基がペルフルオロアルキレン基に結合した側鎖)が結合した構造を有する。スルホン酸基は、水素イオンを解離してアニオンとなることができることから、プロトン導電性を示す。
【0005】
塩基性ポリマーと強酸との複合体を含む高分子電解質膜も開発されている。
国際公開WO96/13872号及びそれに対応する米国特許5,525,436号には、ポリベンゾイミダゾール等の塩基性ポリマーをリン酸、硫酸等の強酸に浸漬することにより、プロトン伝導性の高分子電解質膜を得る方法が開示されている。かかる高分子電解質膜を用いた燃料電池は、100℃以上で運転できるという利点がある。
【0006】
また、J. Electrochem.Soc., 142巻, No.7 1995年, L121-L123頁にはポリベンゾイミダゾールを11Mのリン酸に少なくとも16時間浸漬させることにより、ポリベンゾイミダゾールの1単位当たり5分子のリン酸を前記ポリベンゾイミダゾールに含浸させることが記載されている。
【0007】
更に、国際公開WO97/37396号及びそれに対応する米国特許第5,716,727号には、ポリベンゾイミダゾールをトリフルオロ酢酸に溶解させた溶液を得て、次いで、その溶液にリン酸を添加し、その後、その溶媒を除去することにより、高分子電解質膜を得る方法が記載されている。
【0008】
WO96/13872号、J. Electrochem.Soc., 142巻, No.7 1995年, L121-L123頁及びWO97/37396号の全ての開示は本明細書中、参照として援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
塩基性ポリマーと強酸との複合体を燃料電池の高分子電解質膜として実用化するためには、そのプロトン伝導性の更なる向上が求められる。
また、かかる高分子電解質膜を量産する場合には、製造プロセス上、塩基性ポリマーを強酸に浸漬させる時間が短いことが求められる。J. Electrochem.Soc., 142巻, No.7 1995年, L121-L123頁では、ポリベンゾイミダゾールをリン酸中に少なくとも16時間浸漬させている。これでは、時間がかかりすぎ、製造プロセスが非効率的になる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、塩基性ポリマーを、前記塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり6個以上の強酸分子を含浸させるのに十分な濃度の強酸に、35℃以上の温度にて5時間以下、浸漬させる工程を有することを特徴とする高分子電解質膜の製造方法が提供される。
【0011】
本発明において、浸漬時間が1時間以下であることが好ましい。
また、前記強酸が、リン酸であることが好ましい。あるいは、前記強酸が、硫酸であることが好ましい。前記強酸が、80重量%以上の濃度を有するリン酸であることが更に好ましい。
【0012】
また、前記塩基性ポリマーが、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazoles)、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール(polyoxadizoles)、ポリキノリン、ポリキノキサリン(polyquinoxalines)、ポリチアジアゾール(polythiadiazoles)、ポリテトラザピレン(polytetrazapyrenes)、ポリオキサゾール、ポリチアゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール又はポリベンゾビスイミダゾールであることが好ましい。
【0013】
本発明により、複数の単セルを含む燃料電池であって、前記単セルの各々が、上記方法で得られた高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟む一対の電極を有する燃料電池とが提供される。
【0014】
本発明では、塩基性ポリマーを強酸に浸漬する際の温度を35℃以上にすることにより、浸漬時間を5時間以下に短縮できる。したがって、本発明の製造プロセスをより効率化することができる。
【0015】
また、強酸の濃度を調整することにより、塩基性ポリマー中に多量の強酸、具体的には、塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり6個以上の強酸分子を含浸させることができる。したがって、高分子電解質膜のプロトン伝導性が向上し、燃料電池の出力を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】燃料電池の断面説明図である。
【図2】図1のAの拡大断面図である。
【図3】リン酸の濃度と、ポリベンゾイミダゾールのポリマー繰り返し単位当たりのリン酸分子の数との相関図である。
【発明の実施の形態】
【0017】
本発明では、塩基性ポリマーを所定の濃度の強酸に30℃以上の温度にて5時間以下、浸漬させる工程を包含する。この浸漬工程を30℃以上で行うことにより、塩基性ポリマーを強酸中に浸漬する時間を短縮することが可能になり、具体的には、5時間以下になった。
【0018】
この浸漬工程を35℃以上で行うことが好ましく、40℃以上で行うことが更に好ましい。浸漬工程の温度が高くなるにつれて、浸漬時間を更に短縮することができる。
このように浸漬温度を上昇させることにより、浸漬時間を1時間以下にすることもでき、30分以下にすることさえできる。浸漬時間を短縮させることにより、製造プロセスの効率が向上する。
【0019】
しかし、塩基性ポリマーの安定性、及び、高温で強酸を取り扱うという安全性に鑑み、浸漬工程は200℃以下で行うことが好ましく、100℃以下で行うことが更に好ましく、80℃以下で行うことが更になお好ましい。
【0020】
本発明によれば、塩基性ポリマーを、塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり6個以上の強酸分子を含浸させるのに十分な濃度の強酸に浸漬させる工程を包含する。強酸の濃度が増加するにつれて、塩基性ポリマー中により多く強酸を含浸させることができる。そして、強酸の含浸量が増加するので、塩基性ポリマーと強酸との複合体のプロトン伝導性が向上し、燃料電池の電解質膜として用いられた場合には、燃料電池の出力が増加する。
【0021】
強酸は、塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり8個以上の強酸分子を含浸させるのに十分な濃度であることが好ましく、塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり9個以上の強酸分子を含浸させるのに十分な濃度であることが更になお好ましい。
【0022】
なお、WO96/13872号及びWO97/37396号には、それぞれ、200モル%以上のドーパントレベル及び300モル%以上のドーパントレベルについて開示されている。これらは、それぞれ、塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり、2個以上の強酸分子及び3個以上の強酸分子が存在することに対応する。
【0023】
強酸としては、プロトン性の強酸が用いられ、例えば、リン酸、硫酸が好適に用いられる。
本明細書中「リン酸」なる用語は、亜リン酸(phosphorous acid, H3PO3)、オルトリン酸(orthophosphoric acid, H3PO4)、ピロリン酸(H427)、三リン酸(triphosphoric acid、H5310)及びメタリン酸を含む。リン酸、特にオルトリン酸は、80重量%以上の濃度を有することが好ましく、85重量%以上の濃度を有することが更に好ましく、90重量%以上の濃度を有することが更になお好ましく、95重量%以上の濃度を有することが最も好ましい。強酸の濃度が増加するにつれて、塩基性ポリマー中により多く強酸分子を含浸させることができるからである。
【0024】
本発明では、強酸を所定の温度に加熱し、次いで、塩基性ポリマーを加熱された強酸に浸漬してもよい。膜形状に成形された塩基性ポリマーを強酸に浸漬することが好ましい。例えば、ドクターブレード成形により、塩基性ポリマーを膜形状に成形してもよい。
【0025】
あるいは、平成10年5月8日に出願された、特願平10−125560号、「燃料電池用高分子電解質膜の製造方法及び燃料電池」に記載されている方法で塩基性ポリマーを膜形状に成形してもよい。特に、1重量%以上の塩基性ポリマーと、沸点又は共沸点が60℃〜220℃の溶媒とを含有する液媒体を、内周面が円筒形状を有するシリンダーに注入し、次いで、前記シリンダーを回転させる。ここで、回転の遠心力で前記溶媒を蒸発させるとともに、ほぼ均一な厚さの円筒形状を有する高分子電解質膜が、前記シリンダーの前記内周面に形成する。その後、円筒形状を有する高分子電解質膜を切り開き、膜形状の高分子電解質膜を得る。この方法では、塩基性ポリマーが高分子電解質膜中で均一なマトリックスを形成することができる。特願平10−125560号の開示は、本明細書中、参照として援用される。
【0026】
本発明では、塩基性ポリマーが用いられる。かかる塩基性ポリマーとしては、例えば、ポリベンゾイミダゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール(polyoxadizoles)、ポリキノリン、ポリキノキサリン(polyquinoxalines)、ポリチアジアゾール(polythiadiazoles)、ポリテトラザピレン(polytetrazapyrenes)、ポリオキサゾール、ポリチアゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリベンゾビスイミダゾール等が挙げられ、これらの中では、ポリベンゾイミダゾールが好ましい。また、WO96/13872号に記載されている塩基性ポリマーが好ましく用いられる。
【0027】
ポリベンゾイミダゾールとしては、例えば、下記式に示されるものが好ましく用いられる。
【0028】
【化1】

【0029】
ここで、Rは、アルキレン基、ペルフルオロアルキレン基、又は、下記の置換基を意味する。
【0030】
【化2】

【0031】
ここで、Rであってもよい、アルキレン基及びペルフルオロアルキレン基は、それぞれ、1〜10個の炭素原子を有することが好ましく、1〜6個の炭素原子を有することが更に好ましい。
【0032】
また、R1は、同一又は異なっていてもよく、水素、アルキル基又はフェニル基を意味する。ここで、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有することが好ましく、場合によりハロゲン、スルホン基等で置換されていてもよい。
【0033】
また、下記式に示される塩基性ポリマーを用いてもよい。
【0034】
【化3】

【0035】
式中、R及びR1は、上記定義の意味を有する。
更に、塩基性ポリマーとして、下記式に示されるポリベンゾビスイミダゾールを用いてもよい。
【0036】
【化4】

【0037】
式中、R及びR1は、上記定義の意味を有する。
本発明で得られる高分子電解質、即ち、塩基性ポリマーと強酸との複合体は、プロトン伝導性なので、電池の電解質として好適に用いることができる。もっとも、この高分子電解質は、電池に限られず、表示素子、エレクトクロミック素子、各種センサーの電解質としても用いることができる。
【0038】
また、本発明の他の側面によれば、この高分子電解質膜は、燃料電池用単セルに好適に用いることができる。
図1で、燃料電池の単セル10は、電解質膜12と、電解質膜12を挟む一対の電極20とを備える。電極20は、電極反応を行う触媒層14と、この触媒層14に反応ガスを供給するガス拡散層22とを有する。
【0039】
図2で、触媒層14は、電解質膜を含むマトリックス15と、このマトリックスに分散している2以上の触媒粒子16とを有する。マトリックス15は、電解質膜12とともに、水素イオン伝導チャンネルを形成する。マトリックス15の材料は、電解質膜12の材料と同一であることが好ましい。ただし、これらの材料は互いに異なっていてもよい。マトリックス15は、反応ガスが通過することができるように、多孔質であってもよい。触媒粒子16は互いに接触していることが好ましく、これにより、電子伝導チャンネルを形成する。
【0040】
各々の触媒粒子16は、導電性担体17と、前記導電性担体17の表面に担持された触媒物質18とを有する。導電性担体17としては、例えば、炭素を含む粒子が用いられる。触媒物質18としては、白金単体、白金系合金等が用いられる。図2では、触媒物質18は、導電性担体17の表面を被覆している。しかし、触媒物質18は、粒子形状であってもよい。
【0041】
ガス拡散層22は、反応ガスが拡散することができるように多孔質である。図2では、ガス拡散層22は、隙間24を形成する2以上の導電性粒子26から構成されている。導電性粒子26としては、例えば、炭素を含む粒子が用いられ、導電性担体17と同じものであってもよい。また、導電性粒子26の代わりに、カーボン繊維等の導電性物質を用いてもよい。
【0042】
本発明の高分子電解質は、電解質膜12として用いることができる。また、電解質膜12と、一方又は双方の触媒層14とを有する単セル前駆体を製造することもできる。更に、かかる前駆体に、ガス拡散層22を固定することにより、単セルを製造することができる。
【実施例】
【0043】
下記の実施例は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。
参考例
下記式に示す構造式を有し、かつ、固有粘度が1.1であるポリベンゾイミダゾール(ヘキストセラニーズ社製)をN,N-ジメチルアセトアミドに溶解して樹脂濃度5.0重量%の溶液を得た。
【0044】
【化5】

【0045】
この溶液83gを内径141mm、長さ408mmのステンレス製筒状シリンダー内に注入し、90℃、1100rpmで2時間回転して円筒形状のポリベンゾイミダゾール膜を得た。得られたポリベンゾイミダゾール膜の膜厚を任意の6点で測定したところ、その平均膜厚は30.2マイクロメーターであり、平均膜厚からの最大測定値、最小測定値の偏差は1マイクロメーター以内であった。
【0046】
実施例1
このポリベンゾイミダゾールにオルトリン酸を含浸させた。ポリベンゾイミダゾール膜(30マイクロメーター厚)を3cm角に切り出した。このフィルムを水で洗って残存するN,N-ジメチルアセトアミドを洗い流した後、減圧乾燥してフィルム重量を秤量した。
【0047】
その後、乾燥したポリベンゾイミダゾールフィルムをサンプル瓶に入れ、85重量%のオルトリン酸水溶液30mlを加え、表1に示す温度で表1に示す時間浸漬した。所定時間経過後、オルトリン酸を含浸したポリベンゾイミダゾールフィルムをリン酸から取り出し、表面の余分なリン酸をろ紙にてよく拭き取った後、秤量し重量増加分を求めた。秤量後ポリベンゾイミダゾールフィルムを1リットルのメスフラスコに入れ脱イオン水を秤線まで入れて攪拌し、ポリベンゾイミダゾールフィルムからオルトリン酸を抽出してリン酸水溶液を得た。こうして得たリン酸水溶液を0.02N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、ポリベンゾイミダゾールフィルム中に含浸されたオルトリン酸量を決定した。また、オルトリン酸含浸後の重量増加分と含浸されたオルトリン酸重量との差をオルトリン酸含浸ポリベンゾイミダゾールフィルムに吸着した水の量として計算した。この結果を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
表1より、40℃において、85重量%のオルトリン酸を用いることにより、オルトリン酸含浸量が平衡に達するまでの時間を飛躍的に短縮できることが分かる。特に50℃において含浸することにより、公知方法の16時間に比べて、浸漬時間をおおよそ百分の一に短縮することができる。
【0050】
実施例2
実施例1の方法に従って、オルトリン酸の濃度を50〜85重量%まで変化させ、23℃にて24時間オルトリン酸を含浸させたときのリン酸含浸量とリン酸濃度との関係を調べた。この結果を表2及び図3に示す。
【0051】
【表2】

【0052】
表2より、オルトリン酸の濃度が高いほどポリベンゾイミダゾール中のリン酸含浸量が大きいことがわかる。この相関関係は、室温のみならず、40℃、50℃の加温下でも成立する。
【0053】
実施例3
参考例の方法に従い、厚さ50マイクロメーターのポリベンゾイミダゾール膜を得た。そして、このポリベンゾイミダゾール膜を85重量%リン酸に40℃で1時間浸漬させて高分子電解質膜を得た。この高分子電解質膜を直径7cmの円形に切り出し、次いで市販の高分子電解質型燃料電池用カーボン電極2枚で挟んでホットプレスして、燃料電池単セルを得た。この単セルに水素と空気とを導入して発電したところ、それぞれ160℃、1気圧では0.5Vで350mW/cm2、160℃、3気圧では0.5Vで650mW/cm2という非常に高い出力が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基性ポリマーを、前記塩基性ポリマーのポリマー繰り返し単位当たり6個以上の強酸分子を含浸させるのに十分な濃度の強酸に、30℃以上の温度にて5時間以下、浸漬させる工程を有することを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
【請求項2】
前記浸漬時間が1時間以下である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記強酸が、リン酸である請求項1又は2に記載の高分子電解質膜の製造方法。
【請求項4】
前記強酸が、硫酸である請求項1又は2に記載の高分子電解質膜の製造方法。
【請求項5】
前記強酸が、80重量%以上の濃度を有するリン酸である請求項1又は2に記載の高分子電解質膜の製造方法。
【請求項6】
前記塩基性ポリマーが、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazoles)、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール(polyoxadizoles)、ポリキノリン、ポリキノキサリン(polyquinoxalines)、ポリチアジアゾール(polythiadiazoles)、ポリテトラザピレン(polytetrazapyrenes)、ポリオキサゾール、ポリチアゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール又はポリベンゾビスイミダゾールである請求項1又は2に記載の高分子電解質膜の製造方法。
【請求項7】
複数の単セルを含む燃料電池であって、
前記単セルが、請求項1〜6の何れかに記載の方法で製造した高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟む一対の電極とを有する前記燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−124161(P2012−124161A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−263723(P2011−263723)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【分割の表示】特願2000−591108(P2000−591108)の分割
【原出願日】平成11年12月11日(1999.12.11)
【出願人】(504416611)バスフ・ヒュエル・セル・ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】