説明

高効率発電のために一体化された燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム

燃料供給流路から燃料を受け取りアノード排ガスを出力するように適合されたアノード部と、酸化剤ガスを受け取りカソード排ガスを出力するように適合されたカソード部とを有する高温燃料電池を使用する燃料電池と熱エンジンハイブリッドシステムである。熱エンジンアセンブリは、酸化剤ガスと、アノード排ガスおよびアノード排ガスから誘導されたガスのうちの1つを含む更なるガスと、を受け入れ、かつ更なるガスの酸化を引き起こし、出力パワーを発生させるように適合されており、また、熱エンジンアセンブリは、酸化剤ガスを含む熱エンジン排気ガスを発生する。次に、熱エンジン排気ガスは、燃料電池のカソード部に酸化剤ガスを供給するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の生成システムに関し、特に、内燃エンジンや外燃エンジンなどの熱エンジンと一体化された燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電気化学反応によって炭化水素燃料中に貯蔵された化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するデバイスである。一般に、燃料電池は、電気的に帯電しているイオンを伝導するのに役立つ電解質によって分離されたアノード電極とカソード電極とを含む。
【0003】
燃料電池は、タービン発電機などの熱エンジンと組み合わせて一般的にハイブリッドシステムと呼ばれる高効率システムを生成することができる。一般的に使用されているハイブリッドシステムでは、燃料電池は、タービン発電機の燃焼器によって通常占めらる位置に配置され、タービン発電機のコンプレッサー部によって圧縮された空気が加熱されて、次に、燃料電池のカソード部に送られる。この構成において、燃料電池は高圧で作動され、発電所のハードウェアの費用が実質的に増加する。燃料電池の高圧での作動は、燃料電池内で内部改質装置の使用を妨げるので、更なるプラントコストが増加して効率が低下し、かつプラントが混乱する場合に燃料電池を潜在的可能性の損傷を与える圧力差にさらす。さらに、燃料電池の圧力は、ガスタービンの圧力と連結しているので、作動の信頼性が減少し、ガスタービン圧力が燃料電池の圧力とほぼ適合するようなシステム設計に対する応用を制限する。
【0004】
これらの欠点を克服するために、別のハイブリッドシステムが開発された。このシステムでは、タービン発電機形態の熱エンジンは、燃料電池の前に配置され、ガスタービンから排出される加熱された空気を燃料電池のカソード部に送出する。本出願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第6,365,290号は、そのようなハイブリッドの燃料電池/ガスタービンシステムを開示している。このシステムでは、燃料電池からの排熱は、熱回収ユニットを使用して熱エンジンサイクルを作動させる。また、このシステムでは、熱回収ユニット内で高温熱交換器によって加熱された圧縮酸化剤(オキシダント)ガスは、熱エンジンの膨脹サイクルで膨張するように構成されている。次に、膨張した酸化剤ガスは、熱交換器を通過したアノード排ガスも受け取る酸化器(オキシダイザー)(一般的に燃焼器あるいはバーナーとも呼ばれる)を通過する。その結果のガスが燃料電池のカソード部に送出される。
【0005】
米国特許第6,365,290号のシステムの変形において、本出願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第6,896,988号は、固体酸化物と溶融炭酸塩燃料電池を含む高温燃料電池のための改良されたハイブリッドシステムを開示し、燃料電池の大きさとガスタービンとの間のより良い適合を提供することによって米国特許第6,365,290号のシステムの適用性を広げている。米国特許第6,896,988号のシステムによって提供された利益にもかかわらず、その応用には限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,365,290号
【特許文献2】米国特許第6,896,988号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
米国特許第6,365,290号と米国特許第6,896,988号のシステムの両方は、高い効率で電力の発生を意図するものである。しかしながら、両特許は、かなり高温の熱交換器を必要とする。高温熱交換器は、特に、大規模な(10MWより大きい)発電所の場合、非常に高価である。また、前述のシステムは、効率と発電との間での歩み寄りをより安全にすることが必要とされるシステム構成で使用される場合には、より柔軟性が要求される。
【0008】
したがって、高効率な代替の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを提供しかつ固体酸化物あるいは溶融炭酸塩の燃料電池などの高温燃料電池とコンプレッサー/タービンアセンブリなどの熱エンジンアセンブリとの間で電力とのつり合いにおいてより大きな柔軟性を提供することが好ましい。
【0009】
また、燃料電池カソード排気温度より高温で作動する高温熱交換器(回収熱交換器あるいは蓄熱器)の必要性を軽減することができる燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを提供することも好ましい。
【0010】
さらに、高温でかつほぼ常圧の燃料電池に対して米国特許第6,365,290号および米国特許第6,896,988号で記載されたシステム構成に対して、より安価な代替システム構成を提供することができる燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを提供することは、好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要約
高温燃料電池と熱エンジンアセンブリとを有する燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを開示する。このシステムは、酸素などの酸化剤(オキシダント)ガスと、アノード排ガスまたはアノード排ガスから誘導されるガスを含む更なるガスとが、熱エンジンアセンブリに対する入力ガスとして提供される。更なるガスの酸化(燃焼とも呼ばれる)は熱エンジンアセンブリ中で行われ、熱エンジンアセンブリはパワーを発生し、酸化剤ガスを含む熱エンジン排気ガスを出力するように適合されている。次に、熱エンジンの排気ガスは、酸化剤ガスを供給するために燃料電池のカソードで使用される。ある場合には、アノード排ガスは、排気ガス中の水分量の一部または全部を除去するために処理される/または、更なるガスを生成する。
【0012】
熱エンジンは、燃焼タービン、4サイクル火花点火(SI)レシプロエンジン、2サイクル圧縮点火(CI)エンジンなどの各種内部燃焼エンジンを含む。熱エンジンは、また、スターリングエンジン、ターボチャージャー、ガスタービンなどの外熱または燃焼熱エンジンを含む。
【0013】
天然ガス、液体燃料などの燃料の種類に基づいて、多くの燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム構成物を構成することができる。さらに、多数のコンポーネントと熱交換器の構成物は、燃料電池と熱エンジンのシステムの異なって一体化された構成物とともに実施することができる。
【0014】
本明細書の以下で開示される燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムは、アノード部とカソード部を有する燃料電池と、酸化剤(オキシダント)供給ガスを圧縮する圧縮部または圧縮サイクルと、膨脹部または膨脹サイクルとを有するガスタービンを備える熱エンジンアセンブリと、燃料電池のカソード部からの排ガスに対応する熱回収ユニットとを有する。熱の回収ユニットは、燃料供給ガスを燃料電池のアノード部(アノードコンパートメント)へ供給する前に、ガス化器から供給される天然ガスあるいは合成ガスなどの燃料供給ガスを加熱して加湿する。
【0015】
開示されたシステムでは、アノード排ガスは、オプションに、冷却され、そして、生成した水が冷却器によって除去される。燃料電池で利用されなかった残留燃料を含む、冷却されたアノード排ガスは、次に、オプションに、ガス圧縮機で圧縮されて、その後、熱エンジンアセンブリの一部を形成する燃焼器または酸化器(オキシダイザー)に送られる。燃焼器または酸化器は、また、加熱され圧縮された酸化剤ガスを受け取る。アノード排ガスの圧力を高めるガス圧縮機は、酸化器のガス出力の圧力が熱エンジンアセンブリのガスタービンの膨脹サイクルまたは膨張部の入口圧力となるように補助する。次に、アノード排ガスは、酸化器で酸化され、加熱され圧縮された酸化剤ガスを含む酸化器の出力ガスは、熱エンジンアセンブリのガスタービンの膨脹サイクルまたは膨張部に供給される。これにより、膨脹部からの機械的な出力パワーと、燃料電池のカソード部で酸化剤ガスとして次に使用される酸化剤ガスを含む排ガスと、がもたらされる。
【0016】
また、開示されたシステムでは、酸化剤供給ガスは、熱エンジンアセンブリの圧縮部または圧縮サイクルで圧縮または加圧され、かつオプションに、熱回収ユニット中でカソード排ガスによって加熱される。熱回収ユニットは、上記説明したように、カソード排ガスに反応する。次に、この圧縮され加熱された酸化剤供給ガスは、上記説明されたように、熱エンジンアセンブリの酸化器または燃焼器に送られる。したがって、ハイブリッドシステムで、熱エンジンアセンブリのアノード排ガスの酸化と組み合わされた燃料電池からの排熱回収は、非常に高いシステム効率をもたらす。
【0017】
ある場合には、送風機からの補助空気は、燃料電池のカソード部に供給される前に、ガスタービンの膨脹部からの排ガスと混合される。混合されたガスは、酸化剤ガスと燃料電池からの排熱除去の両方に対して必要なカソード流量を確実にする。本発明の上記および他の特徴および態様は、添付の図面に関連して以下の詳細な記載を読むときより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】高温燃料電池と、熱エンジンとしてコンプレッサー/タービンを使用する、燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを示すブロック図である。
【図2】別の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に負荷に電力を供給するための燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム1のブロック図を示す。ハイブリッドシステム1は、高温燃料電池2と熱エンジンアセンブリ30とを含む。燃料電池2は、電解質マトリクスによって分離されたアノード部(アノードコンパートメント)3と、カソード部(カソードコンパートメント)4とを含んでいる。アノード部3は、燃料供給流路6から燃料を受け取ってアノード排ガスを出力するように適合している。カソード部4は、酸化剤ガスを受け取ってカソード排ガスを出力するように適合している。また、ハイブリッドシステムは、オプションに、アノード排ガス中の水を燃料供給流路6に移送し、かつ水を分離したアノード排ガスを出力するための水移送アセンブリ9を含んでいる。
【0020】
燃料電池2には、溶融炭酸塩燃料電池あるいは固体酸化物燃料電池などのいかなる種類の高温燃料電池を用いることができる。
【0021】
熱エンジンアセンブリ30は、燃焼タービン、4サイクル火花点火(SI)レシプロエンジン、2サイクル圧縮点火(CI)エンジンなどの各種内部燃焼エンジンを含むことができる。熱エンジンアセンブリ30は、また、スターリングエンジン、ターボチャージャー、ガスタービンなどの外熱または燃焼熱エンジンを含むことができる。図示された例示の場合では、熱エンジンアセンブリ30は、圧縮サイクルまたは圧縮部16と、タービンまたは膨脹部または膨脹サイクル21と、を有するコンプレッサー/タービンを含む。また、熱エンジンアセンブリは、酸化器(燃焼器またはバーナーとも呼ばれる)18を含んでいる。
【0022】
空気として示される酸化剤供給ガスは、熱エンジンアセンブリ30の圧縮部または圧縮サイクル16中で圧縮または加圧される。圧縮された酸化剤供給ガスは、次に、ハイブリッドシステム1に含まれている熱回収ユニット15に供給される。特に、圧縮された酸化剤供給ガスは、熱回収ユニット15の熱交換部17で受け取られ、燃料電池2のカソード部4から熱回収ユニット15に送出されたカソード排ガスによって加熱される。熱エンジンアセンブリ30の一部を形成する酸化器18は、熱交換部17からの加熱され圧縮された酸化剤ガス(空気)を受けるために適合されている。酸化器18は、燃料電池2のアノード部3からのアノード排ガスまたはアノード排ガスから誘導されたガスを含む更なるガスを受け取る。
【0023】
図示された例示の場合では、アノード排ガスは、アノード排ガスから水を凝縮して移送する水移送アセンブリ9を通過する。水移送アセンブリ9を通過した水を分離したアノード排ガスは、次に、アノード排ガス圧縮機(コンプレッサー)32中で加圧され、加圧された水を分離したアノード排ガスは、酸化器18に供給される上記説明した更なるガスを形成する。
【0024】
図1の酸化器(オキシダイザー)18は、熱エンジンアセンブリ30のコンプレッサー/タービンに対する外部燃焼器として構成される。酸化器18は、例えば、ICE(内部燃焼エンジン)、4サイクル火花点火(SI)レシプロエンジン、2サイクル圧縮点火(CI)エンジン中で実施されるような、内部燃焼器として構成することができる。そのうえ、酸化器18は、燃焼タービン中で実施されるように、触媒酸化器あるいは燃焼バーナのいずれかであり得る。
【0025】
酸化器18では、圧縮され水を分離したアノード排ガスは、加熱され圧縮された酸化剤ガスによって酸化され、加熱され圧縮された酸化剤ガスを含む出力ガスを生じる。次に、酸化器の出力ガスは、熱エンジンアセンブリ30の膨脹部あるいはタービン21に供給され、ガスの膨張が機械的パワーの発生をもたらす。膨張した酸化剤ガスを含む膨脹部からの排ガスは、次に、燃料電池2のカソード部4に酸化剤ガスを供給するために使用される。
【0026】
熱エンジンアセンブリ30として使用される4サイクル火花点火(SI)レシプロエンジンまたは2サイクル圧縮点火(CI)エンジンの場合、低圧で水を分離したアノード排ガスは、熱エンジンアセンブリに供給される前に圧縮される必要はないことに注意すべきである。そのような状況では、アノード排ガスコンプレッサー32は、ハイブリッドシステム1で使用する必要はない。また、例えば、非常に高いガスタービン圧力比の場合、酸化剤供給流路5中の圧縮空気は、熱交換器によって加熱される必要はない。ここで、ハイブリッドシステム1をさらに詳細に以下で説明する。
【0027】
図1に示すように、炭化水素を含む燃料は、燃料供給部(明瞭で簡単にするために図示しない)から燃料供給流路6に供給され、燃料供給流路6は、燃料電池2のアノード部3の入口3Aまで燃料を運ぶ。特に、図示したように、燃料供給流路6は、燃料中に存在する硫黄含有化合物を除去する脱硫器6Aに燃料を運ぶ。脱硫器6Aは、燃料中のあらゆる硫黄含有化合物をも吸着または吸収する1つまたはそれ以上の硫黄吸着剤または硫黄吸収ベッドを含む。
【0028】
脱硫器6Aを通過した後で、燃料供給流路6中の燃料は、加湿された燃料を生成するために、水移送アセンブリ9から水供給ライン13を経由した水と混合される。加湿された燃料は、次に、熱回収ユニット15に含まれるさらなる熱交換器を介して熱回収ユニット15で予熱され、かつ熱回収ユニット15に供給されたカソード排ガスにもさらされる。次に、予熱され加湿された燃料は、燃料から微量の酸素と重質炭化水素汚染物質とを除去する還元器(デオキシダイザー)/前変換ユニット6Dを通過する。図1に示していないが、別の熱交換器は、還元器(デオキシダイザー)/前変換ユニット6Dの後で、燃料電池アセンブリ2のアノード3によって要求されるような高いレベルまで燃料流の温度を上げるために利用することができる。次に、予熱され還元され加湿された燃料は、入口3Aを通ってアノード部3に供給される。
【0029】
アノード入口3Aを通ってアノード部3に入る燃料は、最初に内部改質されて水素と一酸化炭素を生成し、燃料電池2のカソード部4を通過する酸化剤ガスと電気化学反応をする。アノード部3中で生成したアノード排ガスは、アノード出口3Bを通過して燃料電池2を出て、アノード排ガス流路7に入る。アノード排ガス流路7中のアノード排ガスは、未反応の水素と一酸化炭素と水蒸気と炭酸ガスと微量の他のガスとの混合物を含む。
【0030】
図1に示すように、アノード排ガス流路7中のアノード排ガスは、コンデンサとも呼ばれる凝縮熱交換器6C、水切りポット(ノックアウトポット)11およびポンプ14を含む水移送アセンブリ9に通される。アノード排ガスは、凝縮熱交換器6C中で冷却され、アノード排ガス中に存在する水が凝縮して、アノード排ガスの残りの成分を含む液体水とアノード排ガスとの混合物が形成される。その後、アノード排ガスと水蒸気との混合物は、水切りポット11を通過し、その中で、水はアノード排ガスから分離され、水を分離したアノード排ガスは、アノード排ガス流路7に出力される。水切りポット11で分離された水は、水の圧力を増加させるポンプ14を通る。その後、分離され加圧された水は、水供給ライン13を介して燃料供給流路6に運ばれる。さらに、水切りポット11中で生成した過剰水は、ポンプ14によりハイブリッドシステム1から連絡ライン1に2排出される。
【0031】
この例示の場合、共通の水切りポットとポンプは、ハイブリッドシステム1中で使用するように適合されており、分離した水の圧力は増加する。理解できるように、分圧スイング水移送デバイス、慣用のエンタルピーホイール加湿器、冷却ラジエータ、膜、充てんカラムたは吸収剤/ストリッパータイプシステムなどの他の水移送デバイスまたはアセンブリは、水の一部または全てを移送するために、熱交換器6Cと、水切りポット11とポンプ14と共にまたはそれらの代わりに使用することができる。
【0032】
水を分離したアノード排ガスは水切りポット11を出る。水を分離したアノード排ガスは、主として水素とCO(一酸化炭素)と燃料と二酸化炭素と微量の水と未変換の炭化水素(通常メタン)とを含む。水を分離したアノード排ガスは、次に、アノード排ガス流路7によって水切りポット11からアノード排ガス圧縮機(コンプレッサー)32に運ばれて圧縮された後で、酸化器18に運ばれる。酸化器18では、水を分離したアノード排ガスを熱交換部17からのライン5中の加熱され圧縮された酸化剤ガスあるいは空気と混合する。アノード排ガス流路7の水を分離して圧縮されたアノード排ガスは、酸化器18中で加熱され圧縮された酸化剤ガスによって酸化され、高温に加熱され圧縮された酸化剤ガスを含む出力ガスを生成する。
【0033】
酸化器18からの出力ガスは、ライン22によって熱エンジンアセンブリ30の膨脹部またはタービン21まで運ばれ、そこで膨張する。膨張プロセスは、発電機31によって電力に変換される機械力を生成する。発電機31に代わって、高速オルタネーターは、タービン21から得られる機械力を電力に変換するために利用することができる。
【0034】
図1で示される例示の場合では、燃料電池の直流(DC)電気出力は、DC−AC変換器(インバータ)32で交流(AC)電気出力に変換される。発電機31およびDC−AC変換器32からの電気出力とは、33で合体され、合体された電力は、ユーティリティグリッドまたは顧客の負荷に送出される。
【0035】
ある場合には、補助燃料が補助燃料供給流路26を通して補助燃料供給部(図示せず)から酸化器18に供給される。酸化器18では、水を分離したアノード排ガス中の水素、CO、および炭化水素を含む未使用の燃料と供給された補助燃料は、熱回収ユニット15からの加熱され圧縮された酸化剤ガス、すなわち空気、の存在中で燃焼される。従って、得られる高温の圧縮された酸化剤ガスは、熱エンジンアセンブリ30の膨脹部21中で機械力を生成するために適合している。
【0036】
ある場合には、図1の流路35として示される補助空気流路は、熱エンジンによって供給される酸化剤を超過する追加の空気を供給するために利用され得る。流路35で補助空気を使用する理由の1つは、カソード入口4Aとカソード出口4Bで温度を制御することである。補助空気流路35は、送風機36によって供給されて、燃料電池に入る前に、排ガス流路(カソード酸化剤ガス流路)24の熱エンジン排気ガスと混合される。
【0037】
また、膨脹部からの排ガスは、主に膨張した酸化剤ガス、すなわち、O2とN2とCO2とを含み、カソード酸化剤ガス流路24によって導かれて流路35中の補助空気と混合し、カソード部4の入口4Aに導かれて電気化学反応を受ける。上記説明されたように、カソード排ガスは、カソード出口4Bを通ってカソード部4を出て、カソード排ガス流路28によって熱交換器17に運ばれ、熱交換器17で冷却され、それにより、流路5中の加圧された酸化剤供給ガスあるいは空気が加熱される。次に、カソード排ガス流路28中のカソード排ガスは、熱交換器6Bを通過するときに更に冷却され、それにより、流路6中の燃料は、加熱および加湿される。冷却されたカソード排ガスは、次に、ハイブリッドシステム1から排除、および/または、更なる排熱回収に使用される。したがって、ハイブリッドシステムに残っているカソード排ガス中に貯蔵された熱エネルギーは、住宅暖房などのような他の応用に使用され得る。
【0038】
表1は、上記の米国特許第6,365,290号の名目上300kWのハイブリッドシステムに対して炭酸塩燃料電池を使用する図1の名目上の300kWの本願のハイブリッドシステムの比較を示している。理解されるように、図1のハイブリッドシステムは、米国特許第6,365,290号のハイブリッドシステムと匹敵する電力とわずかに良い効率を有する。米国特許第6,365,290号のハイブリッドシステムと比べると、アノード排ガスを圧縮する高い電力は、図1のハイブリッドシステムの高いガスタービン電力によって十二分に補償される。図1のハイブリッドシステムに基づく300kWシステムは、高温回収熱交換器で使用される材料によって制限される米国特許第6,365,290号のハイブリッドシステムのタービン入口温度とガスタービン電力と比べると、高いタービン入口温度(図1の流路22として示される)とガスタービン電力とを有する。
【0039】
【表1】

【0040】
上記説明説明したように、図1のハイブリッドシステムは、特別の熱交換およびシステムコンポーネント構成物、特に、圧縮機(コンプレッサー)/タービンを含む熱エンジンアセンブリ30を利用する。他の例示の場合では、ハイブリッドシステムは、燃焼タービン、伝熱式タービン、またはマイクロタービンなどの他の熱エンジンアセンブリを使うことができる。そのような場合、最適な効率を達成するためにハイブリッドシステムのコンポーネント、使用する熱交換器、およびそれらの構成物は、変わることができるし、追加のコンポーネントを使用することもできる。別の構成のハイブリッドシステムの例を図2に示す。しかしながら、図1と図2のシステム構成は、本ハイブリッドシステムを例示するものであり、他の多数のシステム構成および熱交換器構成を用いて実施することができることは、当業者にとって明白であることが着目される。
【0041】
図2に燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム300の別の構成を示す。ハイブリッドシステム300は、圧縮部330Aと膨脹部330Bとを有するガスタービンと、さらに酸化器325とを含む熱エンジンアセンブリ330を含んでいる。また、ハイブリッドシステム300は、熱エンジンアセンブリ330と一体化された高温燃料電池302を含んでいる。ハイブリッドシステム300の運転、燃料電池302および熱エンジンアセンブリ330への燃料および他の作動物質の供給と流量は、制御アセンブリを使用して制御されており、以下でさらに詳細に議論される。
【0042】
図2に示さるように、高温燃料電池302は、電解質マトリクス305で分離されたアノード部303とカソード部304とを含む。燃料電池302のアノード部303は、燃料供給流路306によって運ばれる燃料供給部(図示せず)からの燃料を供給される。図示されるように、燃料供給流路306で運ばれる燃料は、脱硫器で306Aで脱硫され、次に、加湿用熱交換器306C中で予熱される。
【0043】
特に、加湿用熱交換器306Cは、以下でさらに詳細に説明されるように、水供給流路313からリサイクルされる水を受け取る。そして、燃料と水との混合物の予熱が、加湿用熱交換器306Cにカソード排ガスを通過させることによって達成され、カソード排ガス中に貯蔵された熱エネルギーが回収される。加湿された燃料は、別の熱交換器306Bを通過し、熱交換器306Bで、アノード排ガスからの熱を回収することによってさらに予熱され、その後、還元器/前改質装置306Dで還元される。還元器/前改質装置306Dは、燃料からのいかなる微量酸素と重質炭化水素汚染物質を除去される。次に、還元されかつ前改質された燃料は、アノード入口303Aを通ってアノード部303に供給される。
【0044】
アノード部303では、燃料は、電気化学反応を受ける。使用済み燃料は、アノード排ガスとしてアノード出口303Bを通ってアノード部303を出る。アノード排ガスは、アノード出口303Bからアノード排ガス流路307によって運ばれ、水移送アセンブリ309まで排ガスを運ぶ前に、熱交換器307Aと熱交換器307Bを通過して冷却される。図示された例の場合、水移送アセンブリ309は、アノード排ガスから水を分離する冷却ラジエータあるいは空冷式熱交換器309Aと、分離された水の圧力を増加させるポンプ309Bとを含んでいる。次に、移送アセンブリ309で分離した水は、水供給流路313によって運ばれ、加湿用熱交換器306Cに提供される。また、冷却ラジエータあるいは空冷式熱交換器309Aは、水を分離したアノード排ガスの残留成分(すなわち、水素、CO2、微量の水およびCO)を含むアノード排ガスを出力する。
【0045】
水移送アセンブリ309の構成は、図2に示される構成に制限されないことが理解される。例えば、図1に示される水移送アセンブリまたは他の適切な水移送デバイスまたはアセンブリは、図2に示される水移送アセンブリ309の代替品として使用することができる。また、過剰水は、水排ガス流路339を通ってハイブリッドシステム300から排出することができる。
【0046】
水を分離したアノード排ガスは、アノード排ガス流路307によって水移送アセンブリ309から運ばれる。ある場合には、補助燃料供給部からの補助燃料(例えば、脱硫器306Aからの脱硫された燃料のスリップ流れ)を、補助燃料供給流路322を経由して水を分離したアノード排ガスに加える。ある場合には、補助燃料の供給源は、主要な管燃料供給部と異なっている。水を分離したアノード排ガスに加えられる補助燃料の量は、検出された電力要求に基づいて制御され、燃料電池302によって生成した電力により過剰となるような低電力要求の間は、補助燃料は加えられず、高電力要求の間は、予め選択された量の補助燃料が水を分離したアノード排ガスに加えられるように制御される。
【0047】
水を分離したアノード排ガス、または、水を分離したアノード排ガスと補助燃料の混合物は、アノードブーストコンプレッサー327に運ばれる。アノードブーストコンプレッサー327は、これらのガスを圧縮し、その後、圧縮された水を分離したアノード排ガス、または水を分離したアノード排ガスと補助燃料の混合物は、熱交換器307Aを通過し、熱交換器307A中で圧縮された水を分離したアノード排ガス、または水を分離したアノード排ガスと補助燃料の混合物は、アノード303からの高温のアノード排ガスによって加熱される。
【0048】
次に、圧縮され加熱された、水を分離したアノード排ガス、または、圧縮され加熱された、水を分離したアノード排ガスと補助燃料の混合物は、熱エンジン330の酸化器325に運ばれる。酸化器325は、また、供給流路321から空気の形態の圧縮され予熱された酸化剤ガスを受け取る。特に、空気は、流路321から熱エンジン330のガスタービンのコンプレッサー部330Aに供給されて圧縮され、圧縮された空気は、カソード排ガスによって熱交換器328A中でさらに加熱される。さらに、圧縮された空気は、スタートアップヒータ321Aでの更に加熱されるが、通常は、補助燃料が利用できない構成においてタービンを始動するときだけスタートアップヒータが使用される。
【0049】
次に、圧縮され加熱された空気は、水を分離したアノード排ガス、または、水を分離したアノード排ガスと補助燃料の混合物と酸化器325中で混合される。酸化器325は、混合された混合物を酸化し、高温の圧縮された酸化剤ガスを含む出力ガスを生成する。熱エンジン330のガスタービンのタービン部330Bは、酸化器からの高温の圧縮されたガスの膨張を可能し、機械的な力を出力し、同時に主にCO2、O2およびN2を含むタービン排ガスを出力する。効率を最大にするために燃料電池が高燃料利用で運転されかつ補助燃料が使用されない場合、水を分離したアノード排ガスは、熱含量が非常に低いので、水を分離したアノード排ガスの完全燃焼を促進するために、触媒を含む酸化器325を必要とする場合がある。
【0050】
ある場合には、図2の流路341(点線)で示される補助空気流路は、熱エンジンによって供給される酸化剤ガスを超えて追加の空気を供給するように利用され得る。補助空気341を使用する理由の1つは、カソード入口の304Aとカソード出口304Bで温度を制御することである。補助空気を使用する別の理由は、発電プラントのスタートアップ(始動)の間に、システムに空気を供給することである。図2に示されるように、補助空気流路341は、送風機342によって提供され、オプションに、カソード排ガス328によって熱交換器343で予熱される。
【0051】
膨脹部またはタービン部330Bからのタービン排ガスは、燃料電池での使用に適した酸化剤ガスを含み、カソード酸化剤ガス流路324によって、カソード入口304Aを通ってカソード部304に運ばれる。補助空気が使用される場合、タービン排ガスは、カソード酸化剤ガス流路324で予熱された補助空気341と混合される。カソード304を通過した後で、消費した酸化剤ガスを含む高温カソード排ガスは、カソード出口304Bを通過してカソード304からカソード排ガス流路328に出力される。高温カソード排ガスは、ガスタービンの圧縮部330Aを出る圧縮された酸化剤ガスを予熱する熱交換器328Aを通過することによって冷却される。高温カソード排ガスは、もし要求されるなら、さらに補助空気予熱器343中でさらに冷却され、その後、加湿用熱交換器306Cでさらに冷却される。加湿用熱交換器306Cは、上記説明したように、燃料供給流路306中で燃料を予熱し加湿する。次に、冷却されたカソード排ガスは、ハイブリッドシステム300から排出され、複合された熱とパワー(電力)の応用や、スチームボトミングサイクル(steam bottoming cycle)や、オーガニックランキンサイクル(Organic Rankine Cycle)などの更なる熱回収コージェネレーションで使用され得る。
【0052】
また、図2で示されるように、カソード排ガスの一部は、リサイクル送風機326Aを含むカソードリサイクル流路326を通ってカソード304に戻されてリサイクルすることができる。リサイクルされたカソード排ガスは、カソード入口304Aに供給される前に流路324中の酸化剤ガスと混合される。
【0053】
例示のように、図2で構成された溶融塩炭酸塩燃料電池(MCFC)ハイブリッドシステムに基づく40MW電力プラントの性能特性を表2に示す。概念化されたハイブリッドシステムの総合的なLHV効率は61.8%である。
【0054】
【表2】

【0055】
図2のハイブリッドシステム330は、図1に示されていたハイブリッドシステム1として同様の効率と改良をもたらす。図2のハイブリッドシステムは、図1のハイブリッドシステムのように、カソードに酸化剤ガスを供給するために熱エンジン排気ガスを使用することによっておよびアノード排ガス中の水を燃料にリサイクルすることによって、酸化剤ガス供給アセンブリと水供給アセンブリが不要となる。さらに、図2の実施例は、燃料電池によって生成したアノード排ガスとカソード排ガスから熱を効率的に回収し、その結果、独立した加熱デバイスの必要性が減少する。
【0056】
全ての場合において、上記説明された構成は、単に本発明の応用を示す多くの可能な特定の実施例であることが理解される。例えば、熱エンジンは、本明細書に記載されたタイプに制限されるものではなく、ディーゼルエンジンなどの他のデバイスが電力(パワー)生成システムにおいて使用するために適切であるかもしれない。また、追加のコンポーネントは、熱エンジンに供給されるガスの所望の組成物および最適な電力(パワー)生成を得るために要求され得る。いくつかの場合、蒸気タービンあるいは、オーガニックランキンサイクル(Organic Rankine Cycle)、蒸気ボトミングサイクル(steam bottoming cycle)システムは、蒸気タービンシステムの作動流体である蒸気を発生するために高温排ガスを使用することによって燃料電池の排ガスから追加の熱を回収するためのハイブリッドシステムで使用され得る。本発明の趣旨と範囲から逸脱せずに本発明の原理に基づいて、多くの様々な他の構成を容易になしえることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムであって、
燃料供給流路から燃料を受け取ってアノード排ガスを出力するように適合されたアノード部と、酸化剤ガスを受け取ってカソード排ガスを出力するように適合されたカソード部とを有する高温燃料電池と、
酸化剤ガスと、アノード排ガスおよびアノード排ガスから誘導されたガスのうちの1つを含む更なるガスとを受け取って、前記更なるガスの酸化を引き起こし、出力パワーを発生させるように適合された熱エンジンアセンブリであって、前記酸化剤ガスを含む熱エンジン排気ガスを発生する前記熱エンジンアセンブリと、
を有し、
前記熱エンジンアセンブリ排気ガスは、前記燃料電池のカソード部に酸化剤ガスを供給するために使用されることを特徴とする燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項2】
前記アノード排ガスから水を凝縮して移送し、かつ水を分離したアノード排ガスを出力する水移送アセンブリを更に有し、
前記更なるガスは、前記水を分離したアノード排ガスを含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項3】
前記水移送アセンブリは、前記凝縮した水の一部または全てを前記燃料供給流路に移送することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項4】
前記水移送アセンブリは、前記燃料供給流路に移送された前記水の一部または全てを加圧することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項5】
前記水を分離したアノード排ガスを圧縮するコンプレッサーを更に有し、
前記更なるガスは、加圧された前記水を分離したアノード排ガスを含むことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項6】
前記熱エンジンアセンブリは、補助燃料を受け取るように適合されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項7】
前記補助燃料は、前記水を分離したアノード排ガスまたは前記熱エンジンアセンブリに供給されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項8】
前記補助燃料は、前記燃料供給流路から前記燃料の一部が供給されることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項9】
前記熱エンジンアセンブリの排気ガスが前記燃料電池の前記カソード部に受け取られる前に、補助の酸化剤ガスが前記熱エンジンアセンブリの排気ガスに供給されることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項10】
前記熱エンジンアセンブリは、内部燃焼エンジンまたは外部燃焼機関、2サイクルエンジン、4サイクルレシプロエンジン、燃焼タービン、伝熱式タービン、ターボチャージャー、コンプレッサー/タービンアセンブリ、スターリングエンジン、およびマイクロタービンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項11】
前記熱エンジンアセンブリは、内部燃焼エンジンまたは外部燃焼機関、2サイクルエンジン、4サイクルレシプロエンジン、燃焼タービン、伝熱式タービン、ターボチャージャー、コンプレッサー/タービンアセンブリ、スターリングエンジン、およびマイクロタービンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項12】
前記水移送アセンブリは、前記アノード排ガス中の水を凝縮するコンデンサと、前記アノード排ガスから水を分離して前記水を分離したアノード排ガスを生成する、前記コンデンサの後に配置された水切りポットと、前記分離した水を加圧するポンプと、を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項13】
前記水移送アセンブリは、水移送デバイス、エンタルピーホイール加湿器、冷却ラジエータ、膜、表面復水器、空冷熱交換器、および直接接触型復水器のうちの1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項14】
前記燃料供給流路中の前記燃料は、前記カソード排ガスと前記アノード排ガスのうちの少なくとも1つを使用して予熱されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項15】
前記熱エンジンアセンブリは、補助燃料を受け取るためにさらに適合されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項16】
前記補助燃料は負荷変動に対応するように制御されていることを特徴とする請求項15に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項17】
前記熱エンジンアセンブリによって受け取られた前記酸化剤ガスが制御されていることを特徴とする請求項16に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項18】
前記補助燃料は、負荷が低電力要求を示す場合に、補助燃料が前記熱エンジンアセンブリに全く供給されないように制御され、かつ、前記負荷が高電力要求を示す場合に、前記高電力要求を満たすような補助燃料の増加量が前記熱エンジンアセンブリに供給されるように制御されていることを特徴とする請求項16に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項19】
前記高温燃料電池は、炭酸塩燃料電池と固体酸化物燃料電池のうちの1つであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項20】
前記酸化剤ガスは、前記カソード排ガスによって予熱されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項21】
前記酸化剤ガスは空気を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項22】
前記カソード排ガスの一部を前記カソードにリサイクルするためのカソード排ガスリサイクル流路を更に有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項23】
前記熱エンジンアセンブリは、内部燃焼エンジンまたは外部燃焼機関、2サイクルエンジン、4サイクルレシプロエンジン、燃焼タービン、伝熱式タービン、ターボチャージャー、コンプレッサー/タービンアセンブリ、スターリングエンジン、およびマイクロタービンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項24】
前記熱エンジンアセンブリは、
前記熱エンジンアセンブリによって受け取られた前記酸化剤ガスと、前記更なるガスとを受け取り、前記酸化ガスを用いて前記更なるガスを酸化して出力ガスを生成する酸化器と、
圧縮部と膨張部とを有する圧縮機タービンと、を有し、
前記圧縮部は、酸化剤ガスを受け取り、前記受け取った酸化剤ガスを圧縮して前記酸化器によって受け取られる前記酸化剤ガスを生成し、
前記膨脹部は、前記出力ガスを受け取り、膨張させて前記出力パワーを発生しかつ前記熱エンジンアセンブリの排気ガスを生成することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項25】
前記アノード排ガスから水を凝縮して移送し、かつ水を分離したアノード排ガスを出力する水移送アセンブリを更に有し、
前記更なるガスは、前記水を分離したアノード排ガスを含むことを特徴とする請求項24に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項26】
前記水移送アセンブリは、第1ユニットまたは第2ユニットを含み、
前記第1ユニットは、前記アノード排ガス中の水を凝縮するためのコンデンサと、前記アノード排ガスから水を分離して前記水を分離したアノード排ガスを生成するために前記コンデンサの後に配置された水切りポットと、前記分離した水を加圧するポンプとを有し、
前記第2ユニットは、前記アノード排ガスから水を凝縮分離して前記水を分離したアノード排ガスを生成する冷却ラジエータと、前記分離した水を加圧するポンプとを有することを特徴とする請求項25に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項27】
前記水移送アセンブリは、前記第1ユニットを含み、前記水の一部または全てを前記燃料供給流路に移送し、
前記燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムは、更に、
前記水を分離したアノード排ガスを圧縮するコンプレッサーであって、前記更なるガスが前記圧縮された水を含む、前記コンプレッサーと、
前記カソード排ガスに対応する熱回収ユニットであって、前記圧縮された酸化剤ガスを加熱するために前記圧縮部から前記圧縮された酸化剤ガスに対応する第1熱交換器を有する、前記熱回収ユニットと、
前記燃料が前記燃料電池のアノード部に受け取られる前に前記燃料を加熱するための前記燃料供給流路中の第2熱交換器と、
を有することを特徴とする請求項26に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項28】
前記水移送アセンブリは、前記第2ユニットを含み、前記水の一部または全てを前記燃料供給流路に移送し、
前記燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムは、更に、
前記水を分離したアノード排ガスを圧縮するコンプレッサーであって、前記更なるガスが前記圧縮された水を含む、前記コンプレッサーと、
前記アノード排ガスと前記圧縮された水が分離されたアノード排ガスとに対応する第1熱交換器であって、前記圧縮された水を分離したアノード排ガスが前記熱エンジンアセンブリ中に受け取られる前に、前記圧縮された水を分離したアノード排ガスを加熱するための前記第1熱交換器と、
前記コンプレッサー/タービンの前記圧縮部からの前記カソード排気ガスと前記圧縮された酸化剤ガスとに対応する第2熱交換器であって、前記圧縮された酸化剤ガスを加熱するめの前記第2熱交換器と、
前記第2熱交換器を通る流路の後で補助空気流路中の前記カソード排ガスに対応する第3熱交換器であって、前記補助空気が前記熱エンジンアセンブリから酸化剤ガスを含む前記排気ガスに供給される前に、前記補助空気流路中の補助空気を加熱するための前記第3熱交換器と、
前記第3熱交換器を通る流路の後に配置された前記カソード排ガスに対応する燃料供給流路中の加湿器であって、前記燃料供給流路中の前記燃料を加湿するために前記水移送アセンブリによって移送された水を受け取るための前記燃料供給流路中の加湿器と、
前記アノード排ガスが前記第1熱交換器を通過しかつ前記加湿器の後ろに配置された前記燃料流路中の前記アノード排ガスに対応する第4熱交換器であって、前記燃料が前記燃料電池の前記アノード部中に受け取られる前に、前記燃料供給流路中の前記加湿された燃料を加熱するための前記第4熱交換器と、
を有することを特徴とする請求項26に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項29】
前記水移送アセンブリは、前記水の一部または全てを前記燃料供給流路に移送し、
前記燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムは、更に、
前記水を分離したアノード排ガスを圧縮するコンプレッサーを有し、
前記更なるガスは、前記圧縮された水を分離したアノード排ガスを含むことを特徴とする請求項26に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項30】
前記熱エンジンアセンブリは、補助燃料を受け取るためにさらに適合されていることを特徴とする請求項29に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項31】
前記熱エンジンアセンブリの出力ガスが前記燃料電池の前記カソード部に受け取られる前に、補助酸化剤ガスが前記熱エンジンアセンブリ出力ガスに供給されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項32】
前記熱エンジンアセンブリは、内部燃焼エンジンまたは外部燃焼機関、2サイクルエンジン、4サイクルレシプロエンジン、燃焼タービン、伝熱式タービン、ターボチャージャー、コンプレッサー/タービンアセンブリ、スターリングエンジン、およびマイクロタービンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステム。
【請求項33】
燃料電池と熱エンジンのハイブリッドシステムを作動する方法であって、
前記燃料電池のアノード部に燃料を供給し、かつ前記燃料電池のカソード部に酸化剤ガスを供給することによって、高温燃料電池を作動させる工程と、
熱エンジンアセンブリに酸化剤ガスと、アノード排ガスまたはアノード排ガスから誘導されたガスを含む更なるガスとを供給し、前記熱エンジンアセンブリは、前記更なるガスの酸化を引き起こして出力パワーを発生させ、かつ酸化剤ガスを含む熱エンジン排気ガスを生成する工程と、
前記熱エンジンアセンブリの排気ガスを使用して前記燃料電池の前記カソード部に酸化剤ガスを供給する工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項34】
前記アノード排ガスから水を除去して、水を分離したアノード排ガスを形成する工程を更に有し、
前記更なるガスは、前記水を分離したアノード排ガスを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記水を分離したアノード排ガスを圧縮する工程を更に有し、前記更なるガスは、前記圧縮された水を分離したアノード排ガスを含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記熱エンジンアセンブリは、
酸化器と、圧縮部と膨脹部と有する圧縮機タービンと、を有し、
前記方法は、さらに、
前記酸化剤ガスを圧縮するために前記圧縮部に酸化剤ガスを供給し、前記熱エンジンアセンブリによって受け取られる前記酸化剤ガスを生成する工程と、
前記熱エンジンアセンブリによって受け取られる前記酸化剤ガスと、前記酸化器に前記更なるガスとを供給し、前記更なるガスが前記酸化剤ガスによって酸化されて出力ガスを生成する工程と、
前記酸化器の出力ガスを前記熱エンジンアセンブリの前記膨脹部に供給し、前記出力ガスを膨張させて前記出力パワーを発生させ、それにより、前記熱エンジンアセンブリ排気ガスを生成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記燃料電池のカソード部からのカソード排ガスと前記アノード排ガスとのうちの1つまたはそれ以上を用いて、前記燃料電池のアノード部によって受け取られる前記燃料を予熱する工程と、
前記燃料電池の前記アノード部のために、前記アノード排気ガスから除去された前記水を前記燃料に供給する工程と、
を更に有することを特徴とする請求項36に記載の方法。。
【請求項38】
前記熱エンジンアセンブリは、内部燃焼エンジンまたは外部燃焼機関、2サイクルエンジン、4サイクルレシプロエンジン、燃焼タービン、伝熱式タービン、ターボチャージャー、コンプレッサー/タービンアセンブリ、スターリングエンジン、およびマイクロタービンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記熱エンジンアセンブリ出力ガスが前記燃料電池の前記カソード部に受け取られる前に、補助酸化剤ガスが前記熱エンジンアセンブリ出力ガスに供給されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記補助酸化剤ガスは、前記熱エンジンアセンブリの出力ガスが前記燃料電池の前記カソード部に受け取られる前の前記熱エンジンアセンブリ出力ガスに供給される前に、最初に予熱されることを特徴とする請求項39に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−518559(P2010−518559A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548445(P2009−548445)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/052594
【国際公開番号】WO2008/097798
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】