高周波センサ
【課題】
本発明は、センサの電波を生成する発振器から、電波を外部へ放射するアンテナまでの伝送線路上に簡易的に構成可能なフィルタ回路を搭載した高周波センサを提供すること。
【解決手段】
高周波信号の送信波1を生成する発振器2と、前記送信波1を外部へ放射する送信アンテナ3と、前記送信波1が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波4として受信する受信アンテナと、前記発振器2が生成した送信波1と、前記受信アンテナが受信した前記受信波4をを基に検知信号5を生成するミキサ部6と、前記発振器2から送信された送信波1を、送信アンテナ3及びミキサ部6へ分配する分岐部7と、を備えた高周波センサにおいて、前記発振器2と分岐7部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器9を直列接続したフィルタ回路8を設けた構成とする。
本発明は、センサの電波を生成する発振器から、電波を外部へ放射するアンテナまでの伝送線路上に簡易的に構成可能なフィルタ回路を搭載した高周波センサを提供すること。
【解決手段】
高周波信号の送信波1を生成する発振器2と、前記送信波1を外部へ放射する送信アンテナ3と、前記送信波1が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波4として受信する受信アンテナと、前記発振器2が生成した送信波1と、前記受信アンテナが受信した前記受信波4をを基に検知信号5を生成するミキサ部6と、前記発振器2から送信された送信波1を、送信アンテナ3及びミキサ部6へ分配する分岐部7と、を備えた高周波センサにおいて、前記発振器2と分岐7部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器9を直列接続したフィルタ回路8を設けた構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波の送受信を行い、物体の検出を行う高周波センサの回路構成に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高周波信号を用いた物体検知を行うためのセンサが、様々な分野で使用されている。高周波信号を使用したセンサにおいては、電波法により、所望の周波数帯を使用するために、それ以外の周波数帯の不要電波(以下、スプリアス)の外部への放射量を規制値以下に低減する必要があり、特に所望の周波数のn倍(nは2以上の整数)の周波数のスプリアスは大きな信号が生成されてしまうため、この所望の周波数のn倍のスプリアスを低減して外部への放射を低減することが課題となっている。
【0003】
一般的に、外部へスプリアスを放射させないためには、高周波信号を生成する高周波回路上でスプリアスを低減させるために伝送線路のパターン形状によってフィルタ特性を満足するフィルタ回路(例えば、特許文献1)や、高周波信号を外部へ放射するアンテナ回路にスプリアスを抑制する構成(例えば、特許文献2)を設けることが行われている。
【特許文献1】特開2006−352245号
【特許文献2】特願2006−217848号
【0004】
また、誘電体共振器のような電気を導通しない部品に対して高周波信号を空間結合する手法を用いて、その部品の形状(直経、厚み)にて、所望の周波数を共振させるような構造によって、特定の周波数のみを空間的に伝送する方法なども用いられている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように伝送線路の長さを変化させることによって周波数の選別を行うフィルタ回路においては、所望の周波数を通過させるように伝送線路長さを設定すると、所望の周波数の3倍や5倍のスプリアスが通過してしまい、それらのスプリアスの通過を抑制するためには、各スプリアスの周波数信号をを低減させるためのフィルタを別途作成する必要があるので、フィルタ回路の回路構成が複雑になると共に、フィルタ回路が巨大化する可能性があった。
【0006】
また、上記フィルタ回路は、スプリアスを反射させることにより、アンテナから外部への放射を抑制するものであるが、反射したスプリアスが発振器に入力されることにより、発振器で更に増大する可能性もあるため、フィルタの減衰効果によりスプリアスを抑制できず、外部へ放射してしまう可能性もあった。
【0007】
また、特許文献2のように、パッチアンテナにスプリアスの放射を抑制する構成を備えた場合、センサの用途によって電波の指向性やゲインを変更するためにポールアンテナやホーンアンテナを使用する場合にはスプリアスの放射を抑制することが出来ないため、別途電波を生成する回路上にフィルタを設ける必要があるため、全てのアンテナにおいてスプリアスを低減することが困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は問題を解決するためになされたもので、本発明においては、センサの電波を生成する発振器から、電波を外部へ放射するアンテナまでの伝送線路上に簡易的に構成可能なフィルタ回路を搭載した高周波センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的達成のために、高周波信号の送信波を生成する発振器と、前記送信波を外部へ放射する送信アンテナと、前記送信波が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波として受信する受信アンテナと、前記発振器が生成した送信波と、前記受信アンテナが受信した前記受信波をを基に検知信号を生成するミキサ部と、前記発振器から送信された送信波を、送信アンテナ及びミキサ部へ分配する分岐部と、を備えた高周波センサにおいて、前記発振器と分岐部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器を直列接続したフィルタ回路を設けたことを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記フィルタ回路は2つ以上の抵抗器を直列接続したものであって、前記抵抗器間には伝送線路が設けられていることを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記伝送線路長が、所望の周波数(送信波の周波数)の伝送線路上での波長λgの略(2n―1)/4(nは1以上の整数)であることを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記フィルタ回路と分岐部との間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように、他端が開放又は短絡されたスタブを配置したたことを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、前記フィルタ回路の抵抗器間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように他端が開放又は短絡されたスタブを配置したことを特徴とする高周波センサを提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィルタ回路に抵抗器を用いることにより、抵抗器の特性である、周波数が高くなると減衰が大きくなる、によって、所望の周波数を通過させる回路を構成することで、スプリアスを抵抗器によって熱エネルギーに変換可能なため、発振器への反射を防ぎつつ、スプリアスの減衰を行うことが可能となり、外部へのスプリアスの放射を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に本発明の高周波センサの概略構成図を示す。本発明の高周波センサは、高周波信号の送信波1を生成する発振器2と、前記送信波1を外部へ放射する送信アンテナ3と、前記送信波1が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波4として受信する受信アンテナと、前記発振器2が生成した送信波1と、前記受信アンテナが受信した前記受信波4をを基に検知信号5を生成するミキサ部6と、前記発振器2から送信された送信波1を、送信アンテナ3及びミキサ部6へ分配する分岐部7と、を備えた高周波センサにおいて、前記発振器2と分岐7部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器9を直列接続したフィルタ回路8を設けた構成となっている。
【0016】
本発明のフィルタ回路8の概略構成図に関して、図2に示す。フィルタ回路8は、発振器2と分岐部7との間に設けられた伝送線路上に、送信波1の進行方向に対して直列に少なくとも1つの抵抗器9を設けて構成されているものである。ここで、抵抗器9は、一般的に低周波数の信号に対しては一定の抵抗値になることが知られているが、高周波信号、特にギガヘルツ帯の信号に対しては、図3(A)に示すように周波数に応じて抵抗値が変化する。これは、抵抗器9を高周波信号から見ると、抵抗器9に直列にインダクタ(L成分)が接続し、その2つにキャパシタ(C成分)が並列に接続された回路になるために起こる現象となっている。そのため、図3(B)に示すように、通過する高周波信号の周波数が高くなるにつれて、抵抗器9を通過する特性が低減、すなわち抵抗器9を通過出来ない状態になっている。この抵抗器9の持つ高周波特性を利用することにより、本発明では所定の周波数に対して減衰効果をより効果的な減衰特性を持つフィルタ回路8を提供するものである。
【0017】
ここで、図3(B)より、単に抵抗器9を直列接続しただけでは、送信信号の周波数が高くなると抵抗器9を通過しなくなるため、分岐部7に対する送信信号の量が低減してしまい、送信アンテナ3からの外部放射量、及びミキサ部6での出力信号の低減に繋がってしまう。また、抵抗器9の持つ送信信号の周波数におけるインピーダンスと、伝送線路のインピーダンスが異なると不整合が発生し、上記と同様に分岐部7への送信信号の供給量が低減してしまう。そこで、図2のように、フィルタ回路8には抵抗器9の両端に送信信号の通過を確保するための整合回路を設け、整合回路と伝送線路とを接続する構成としている。整合回路を設けることにより、送信信号をより減衰させることなく、且つセンサとして低減させたい周波数である送信信号のn次高調波(n:2以上の整数)に対して減衰効果をもつことが出来るため、スプリアスを放射量を低減したセンサ回路を提供することが可能となる。
【0018】
更に、抵抗器9に関しては、送信信号に対しては負荷とならないような抵抗値が望ましい。そのため使用する抵抗器の抵抗値を小さくすることによって、送信信号に対する低減量を極力小さくし、前記n次高調波に対しては減衰効果をもったフィルタ回路8を提供することが可能となる。
【0019】
次に抵抗器9を複数個設けた場合の回路について示す。図4に、2つの抵抗器9を用いたフィルタ回路8の概略構成図を示す。2つの抵抗器9を用いた場合は、抵抗器9の間に送信信号の進行方向に対して直列に伝送線路を設ける構成とする。抵抗器9が2つ以上になった場合には、各抵抗器9の減衰特性が加算されるため、送信信号に対する減衰量も多くなってしまう。そこで、抵抗器9間に設けられた伝送線路の線路幅や長さの変動によるインピーダンス特性を調整することで、送信信号の減衰量を抑えつつ、且つ減衰させたい周波数信号(例えばn次高調波)に対しての減衰量を大きく取る回路を構成するものである。
【0020】
図5に、図4のフィルタ回路8の特性を示す。図5(A)は抵抗器9を1つ設けたフィルタ回路8の通過特性の結果であり、図5(B)は抵抗器9を2つ設け、且つ抵抗器9の間に伝送線路を設けた回路の通過特性の結果である。ここでは、送信信号の周波数を7ギガヘルツとし、低減させたい周波数信号を、送信信号の2次高調波である14ギガヘルツの信号としている。図5の結果より、送信信号である7ギガヘルツの信号は、抵抗器9を2つ設けることにより1つの場合と比較して僅かな減衰が見られるが、2次高調波である14ギガヘルツは単に2つの抵抗器9の減衰量を加算したよりも大きな減衰量を確保できていることが確認できる。これは、抵抗器9間に設けられた伝送線路のインピーダンスを調整することにより実現するものであり、使用する伝送線路幅に対して伝送線路上での波長λgの略(2n―1)/4(nは1以上の整数)長とすることにより、単なる組み合わせの減衰量よりも大きな減衰量を得ることが可能となると共に、送信信号の減衰量を低減することも可能となる。
【0021】
また、図6に抵抗器9の数が3つ、4つの場合のフィルタ回路8における通過特性を示す。
どちらの結果も、送信信号である7ギガヘルツに対しては、大きな損失を持たずに通過するが、2次高調波である14ギガヘルツに対しては、個数が増える毎に減衰量が増しているため、分岐部7以降の回路に対する2次高調波の伝送を抑制することが可能となる。ここで、抵抗器9の数が増えることで送信信号の減衰量も多くなるフィルタ回路8の、送信信号の通過量を保持するために、前記整合回路にてインピーダンスの調整をすることにより、送信信号の通過量を保持するフィルタ回路8を提供することも可能となる。
【0022】
更に、本発明のように、フィルタ回路8に抵抗器9のように入力されたエネルギーを別のエネルギー(例えば熱、光エネルギー等)に変換する素子を用いることで、一般的なフィルタ回路8とは異なり、単なる全反射ではなく、スプリアスに対してエネルギーの損失を発生させることが可能となるため、発振器等への前段の回路への反射を抑制することが可能となるため、反射波による回路の安定性の欠如を抑制することも可能となる。また、発振器2のように、信号を増幅する回路を前段に持つ場合には、スプリアスを反射させることでスプリアスを増幅することもあるため、スプリアスの更なる発生も抑制することが可能となる。
【0023】
ここで、図1においては、送信アンテナ3と受信アンテナが一体となって送受信を同時に行う送受信一体型アンテナについて記載しているが、送信アンテナ3と受信アンテナとを別体にした送受信別体型アンテナにおいても、上記効果を得ることは言うまでもない。更に、本実施例においては、送信信号を7ギガヘルツで設定したが、高周波信号(特にギガヘルツ帯)においては、送信信号の設定周波数に応じた回路構成の変更は無く、同様の効果を得ることが可能となる。
【0024】
次に、上記までの抵抗器9を用いたフィルタ回路8に対して、伝送線路で構成したスタブフィルタ10と組み合わせた場合のフィルタ特性について示す。
図7に本発明のフィルタ回路8と、スタブフィルタ10を組み合わせた概略構成図を示す。スタブフィルタ10は、図8に示すように、送信信号が伝送する伝送線路に、一端を送信信号の伝送方向に対して垂直設置し、他端を開放又は短絡状態にしたフィルタ回路8である。スタブフィルタ10は、スタブの長さに応じて、伝送線路のインピーダンスを変化させ、スプリアスに対して反射するようなインピーダンスにすることでフィルタ特性を満足するものである。なお、他端が短絡の場合には他端が接地状態になるので、他端に対して送信信号が伝送しないような長さの設定も必要になる。
【0025】
図7では、他端が短絡したショートスタブを用いたスタブフィルタ10との組み合わせを示したものである。本実施例においては、このスタブフィルタ10を、フィルタ回路8と分岐部7との間に設置するものである。このような接地方法により、フィルタ回路8から僅かに漏れ出したスプリアスを、後段のスタブフィルタ10にて反射することで、確実に分岐部7へのスプリアスの伝送を抑制することが出来ると共に、フィルタスタブで反射したスプリアスは、フィルタ回路8にて熱や光等の別のエネルギーに変換されるため、前段の回路への反射量を更に低減させることが可能なため、回路の安定性の確保や、スプリアスの増大を抑制することも可能となる。更に、スタブフィルタ10は、フィルタ回路8で既に減衰をしたスプリアスを反射することとなるため、高精度のフィルタ特性を持ったフィルタを有さずとも、十分に反射を行うことが可能なため、簡易な回路構成にてフィルタを構築することが可能となる。
【0026】
図8に図7のフィルタブと分岐部7との間の詳細構成を示す。本実施例においては、送信信号を7ギガヘルツとし、スタブフィルタ10によって送信信号の2次高調波である14ギガヘルツの信号を反射させる特性を持たせている(図9参照)。
このスタブフィルタ10を、本発明のフィルタ回路8と分岐部7との間に設置することにより、スタブフィルタ10とフィルタ回路8のフィルタ特性を併せ持つことが可能となる(図10参照)ため、フィルタ回路8が持つ周波数に対して緩やかな特性と、スタブフィルタ10が持つある特定の周波数に対して急峻に減衰する特性を有することにより、ある特定のスプリアスに対しては大きな減衰効果を持ち、周囲のスプリアスに関しては、ある一定の減衰効果をもつフィルタを構成することが可能となる。また、伝送線路等の製造誤差等により、フィルタ回路8やスタブフィルタ10の寸法が変動した場合においても、フィルタ回路8が持つ緩やかな減衰特性のため、全体的にスプリアス信号を低減させることが出来るので、誤差等によるフィルタ回路8の大幅な性能変動を抑制することも可能となる。
【0027】
以上の構成において、本実施例においては、送信信号を7ギガヘルツと設定したが、前記記載のように高周波信号(特にギガヘルツ帯)においては、同様の特性を有するため、この周波数に限定するものではなく、同様の効果を得ることが可能となる。
【0028】
また、上記のようなフィルタ回路8を搭載したセンサにおいては、送信アンテナ3からのスプリアスの放射を抑制することが出来ると共に、発振器2やミキサ部6に使用される、ある周波数を増大する素子やある周波数から異なる周波数信号を生成する素子に対してのスプリアス信号を伝送することを抑制するため、スプリアス信号のセンサ内部での増幅、発振や、異なるスプリアス信号の生成も抑制することが可能となるため、センサ自身からのスプリアス信号の放射をより効果的に低減することを可能とするものである。
【0029】
次に、フィルタ回路8において、抵抗器9間の伝送線路上にスタブフィルタ10を設けた構成図を図11に示す。抵抗器9の伝送線上にスタブフィルタ10を設けることにより、スタブフィルタ10により完全に反射出来なかった僅かなスプリアスに対して、後段の抵抗器9で熱等によるエネルギー変換による損失を発生させることにより、後段の抵抗器にて確実にスプリアスを低減させることが出来るので、外部へのスプリアスの送信をより確実に抑制することが可能となる。
【0030】
また、抵抗器9を介して両側にスタブフィルタ10を設けることにより、スタブフィルタ10で反射したスプリアスが抵抗器9を介して反射を続ける構成になるため、スプリアスをスタブフィルタ10間の抵抗器9に閉じ込めて消費させる構造になるため、スプリアスを効率よく減衰することが可能となり、外部へのスプリアスの放射をより抑制することが可能となる。
【0031】
以上の実施例において、周波数の限定を行ったが、ギガヘルツのような高い周波数に対しては周波数の実際の数値に依存することなく、同様の効果を得ることが可能であり、スプリアスの抑制をより厳密に実施することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の高周波センサの概略構成図
【図2】抵抗器を1つ使ったフィルタ回路の構成図
【図3】(A)抵抗器の周波数−インピーダンス図 (B)抵抗器1つの周波数−通過特性図
【図4】抵抗器を2つ使ったフィルタ回路の構成図
【図5】抵抗器1つと2つの場合のフィルタ回路通過特性比較図
【図6】抵抗器3つ、4つの場合のフィルタ回路通過特性図
【図7】スタブフィルタを設けた本発明の高周波センサの概略構成図
【図8】フィルタ回路及びスタブフィルタの概略構成図
【図9】スタブフィルタ単体の通過特性図
【図10】図8における通過特性図
【図11】抵抗器の間の伝送線路上にスタブフィルタを設けた概略構成図
【符号の説明】
【0033】
1…送信波
2…発振器
3…送信アンテナ
4…受信波
5…出力信号
6…ミキサ部
7…分岐部
8…フィルタ回路
9…抵抗器
10…スタブフィルタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波の送受信を行い、物体の検出を行う高周波センサの回路構成に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高周波信号を用いた物体検知を行うためのセンサが、様々な分野で使用されている。高周波信号を使用したセンサにおいては、電波法により、所望の周波数帯を使用するために、それ以外の周波数帯の不要電波(以下、スプリアス)の外部への放射量を規制値以下に低減する必要があり、特に所望の周波数のn倍(nは2以上の整数)の周波数のスプリアスは大きな信号が生成されてしまうため、この所望の周波数のn倍のスプリアスを低減して外部への放射を低減することが課題となっている。
【0003】
一般的に、外部へスプリアスを放射させないためには、高周波信号を生成する高周波回路上でスプリアスを低減させるために伝送線路のパターン形状によってフィルタ特性を満足するフィルタ回路(例えば、特許文献1)や、高周波信号を外部へ放射するアンテナ回路にスプリアスを抑制する構成(例えば、特許文献2)を設けることが行われている。
【特許文献1】特開2006−352245号
【特許文献2】特願2006−217848号
【0004】
また、誘電体共振器のような電気を導通しない部品に対して高周波信号を空間結合する手法を用いて、その部品の形状(直経、厚み)にて、所望の周波数を共振させるような構造によって、特定の周波数のみを空間的に伝送する方法なども用いられている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように伝送線路の長さを変化させることによって周波数の選別を行うフィルタ回路においては、所望の周波数を通過させるように伝送線路長さを設定すると、所望の周波数の3倍や5倍のスプリアスが通過してしまい、それらのスプリアスの通過を抑制するためには、各スプリアスの周波数信号をを低減させるためのフィルタを別途作成する必要があるので、フィルタ回路の回路構成が複雑になると共に、フィルタ回路が巨大化する可能性があった。
【0006】
また、上記フィルタ回路は、スプリアスを反射させることにより、アンテナから外部への放射を抑制するものであるが、反射したスプリアスが発振器に入力されることにより、発振器で更に増大する可能性もあるため、フィルタの減衰効果によりスプリアスを抑制できず、外部へ放射してしまう可能性もあった。
【0007】
また、特許文献2のように、パッチアンテナにスプリアスの放射を抑制する構成を備えた場合、センサの用途によって電波の指向性やゲインを変更するためにポールアンテナやホーンアンテナを使用する場合にはスプリアスの放射を抑制することが出来ないため、別途電波を生成する回路上にフィルタを設ける必要があるため、全てのアンテナにおいてスプリアスを低減することが困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は問題を解決するためになされたもので、本発明においては、センサの電波を生成する発振器から、電波を外部へ放射するアンテナまでの伝送線路上に簡易的に構成可能なフィルタ回路を搭載した高周波センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的達成のために、高周波信号の送信波を生成する発振器と、前記送信波を外部へ放射する送信アンテナと、前記送信波が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波として受信する受信アンテナと、前記発振器が生成した送信波と、前記受信アンテナが受信した前記受信波をを基に検知信号を生成するミキサ部と、前記発振器から送信された送信波を、送信アンテナ及びミキサ部へ分配する分岐部と、を備えた高周波センサにおいて、前記発振器と分岐部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器を直列接続したフィルタ回路を設けたことを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記フィルタ回路は2つ以上の抵抗器を直列接続したものであって、前記抵抗器間には伝送線路が設けられていることを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記伝送線路長が、所望の周波数(送信波の周波数)の伝送線路上での波長λgの略(2n―1)/4(nは1以上の整数)であることを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記フィルタ回路と分岐部との間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように、他端が開放又は短絡されたスタブを配置したたことを特徴とする高周波センサを提供できる。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、前記フィルタ回路の抵抗器間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように他端が開放又は短絡されたスタブを配置したことを特徴とする高周波センサを提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィルタ回路に抵抗器を用いることにより、抵抗器の特性である、周波数が高くなると減衰が大きくなる、によって、所望の周波数を通過させる回路を構成することで、スプリアスを抵抗器によって熱エネルギーに変換可能なため、発振器への反射を防ぎつつ、スプリアスの減衰を行うことが可能となり、外部へのスプリアスの放射を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に本発明の高周波センサの概略構成図を示す。本発明の高周波センサは、高周波信号の送信波1を生成する発振器2と、前記送信波1を外部へ放射する送信アンテナ3と、前記送信波1が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波4として受信する受信アンテナと、前記発振器2が生成した送信波1と、前記受信アンテナが受信した前記受信波4をを基に検知信号5を生成するミキサ部6と、前記発振器2から送信された送信波1を、送信アンテナ3及びミキサ部6へ分配する分岐部7と、を備えた高周波センサにおいて、前記発振器2と分岐7部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器9を直列接続したフィルタ回路8を設けた構成となっている。
【0016】
本発明のフィルタ回路8の概略構成図に関して、図2に示す。フィルタ回路8は、発振器2と分岐部7との間に設けられた伝送線路上に、送信波1の進行方向に対して直列に少なくとも1つの抵抗器9を設けて構成されているものである。ここで、抵抗器9は、一般的に低周波数の信号に対しては一定の抵抗値になることが知られているが、高周波信号、特にギガヘルツ帯の信号に対しては、図3(A)に示すように周波数に応じて抵抗値が変化する。これは、抵抗器9を高周波信号から見ると、抵抗器9に直列にインダクタ(L成分)が接続し、その2つにキャパシタ(C成分)が並列に接続された回路になるために起こる現象となっている。そのため、図3(B)に示すように、通過する高周波信号の周波数が高くなるにつれて、抵抗器9を通過する特性が低減、すなわち抵抗器9を通過出来ない状態になっている。この抵抗器9の持つ高周波特性を利用することにより、本発明では所定の周波数に対して減衰効果をより効果的な減衰特性を持つフィルタ回路8を提供するものである。
【0017】
ここで、図3(B)より、単に抵抗器9を直列接続しただけでは、送信信号の周波数が高くなると抵抗器9を通過しなくなるため、分岐部7に対する送信信号の量が低減してしまい、送信アンテナ3からの外部放射量、及びミキサ部6での出力信号の低減に繋がってしまう。また、抵抗器9の持つ送信信号の周波数におけるインピーダンスと、伝送線路のインピーダンスが異なると不整合が発生し、上記と同様に分岐部7への送信信号の供給量が低減してしまう。そこで、図2のように、フィルタ回路8には抵抗器9の両端に送信信号の通過を確保するための整合回路を設け、整合回路と伝送線路とを接続する構成としている。整合回路を設けることにより、送信信号をより減衰させることなく、且つセンサとして低減させたい周波数である送信信号のn次高調波(n:2以上の整数)に対して減衰効果をもつことが出来るため、スプリアスを放射量を低減したセンサ回路を提供することが可能となる。
【0018】
更に、抵抗器9に関しては、送信信号に対しては負荷とならないような抵抗値が望ましい。そのため使用する抵抗器の抵抗値を小さくすることによって、送信信号に対する低減量を極力小さくし、前記n次高調波に対しては減衰効果をもったフィルタ回路8を提供することが可能となる。
【0019】
次に抵抗器9を複数個設けた場合の回路について示す。図4に、2つの抵抗器9を用いたフィルタ回路8の概略構成図を示す。2つの抵抗器9を用いた場合は、抵抗器9の間に送信信号の進行方向に対して直列に伝送線路を設ける構成とする。抵抗器9が2つ以上になった場合には、各抵抗器9の減衰特性が加算されるため、送信信号に対する減衰量も多くなってしまう。そこで、抵抗器9間に設けられた伝送線路の線路幅や長さの変動によるインピーダンス特性を調整することで、送信信号の減衰量を抑えつつ、且つ減衰させたい周波数信号(例えばn次高調波)に対しての減衰量を大きく取る回路を構成するものである。
【0020】
図5に、図4のフィルタ回路8の特性を示す。図5(A)は抵抗器9を1つ設けたフィルタ回路8の通過特性の結果であり、図5(B)は抵抗器9を2つ設け、且つ抵抗器9の間に伝送線路を設けた回路の通過特性の結果である。ここでは、送信信号の周波数を7ギガヘルツとし、低減させたい周波数信号を、送信信号の2次高調波である14ギガヘルツの信号としている。図5の結果より、送信信号である7ギガヘルツの信号は、抵抗器9を2つ設けることにより1つの場合と比較して僅かな減衰が見られるが、2次高調波である14ギガヘルツは単に2つの抵抗器9の減衰量を加算したよりも大きな減衰量を確保できていることが確認できる。これは、抵抗器9間に設けられた伝送線路のインピーダンスを調整することにより実現するものであり、使用する伝送線路幅に対して伝送線路上での波長λgの略(2n―1)/4(nは1以上の整数)長とすることにより、単なる組み合わせの減衰量よりも大きな減衰量を得ることが可能となると共に、送信信号の減衰量を低減することも可能となる。
【0021】
また、図6に抵抗器9の数が3つ、4つの場合のフィルタ回路8における通過特性を示す。
どちらの結果も、送信信号である7ギガヘルツに対しては、大きな損失を持たずに通過するが、2次高調波である14ギガヘルツに対しては、個数が増える毎に減衰量が増しているため、分岐部7以降の回路に対する2次高調波の伝送を抑制することが可能となる。ここで、抵抗器9の数が増えることで送信信号の減衰量も多くなるフィルタ回路8の、送信信号の通過量を保持するために、前記整合回路にてインピーダンスの調整をすることにより、送信信号の通過量を保持するフィルタ回路8を提供することも可能となる。
【0022】
更に、本発明のように、フィルタ回路8に抵抗器9のように入力されたエネルギーを別のエネルギー(例えば熱、光エネルギー等)に変換する素子を用いることで、一般的なフィルタ回路8とは異なり、単なる全反射ではなく、スプリアスに対してエネルギーの損失を発生させることが可能となるため、発振器等への前段の回路への反射を抑制することが可能となるため、反射波による回路の安定性の欠如を抑制することも可能となる。また、発振器2のように、信号を増幅する回路を前段に持つ場合には、スプリアスを反射させることでスプリアスを増幅することもあるため、スプリアスの更なる発生も抑制することが可能となる。
【0023】
ここで、図1においては、送信アンテナ3と受信アンテナが一体となって送受信を同時に行う送受信一体型アンテナについて記載しているが、送信アンテナ3と受信アンテナとを別体にした送受信別体型アンテナにおいても、上記効果を得ることは言うまでもない。更に、本実施例においては、送信信号を7ギガヘルツで設定したが、高周波信号(特にギガヘルツ帯)においては、送信信号の設定周波数に応じた回路構成の変更は無く、同様の効果を得ることが可能となる。
【0024】
次に、上記までの抵抗器9を用いたフィルタ回路8に対して、伝送線路で構成したスタブフィルタ10と組み合わせた場合のフィルタ特性について示す。
図7に本発明のフィルタ回路8と、スタブフィルタ10を組み合わせた概略構成図を示す。スタブフィルタ10は、図8に示すように、送信信号が伝送する伝送線路に、一端を送信信号の伝送方向に対して垂直設置し、他端を開放又は短絡状態にしたフィルタ回路8である。スタブフィルタ10は、スタブの長さに応じて、伝送線路のインピーダンスを変化させ、スプリアスに対して反射するようなインピーダンスにすることでフィルタ特性を満足するものである。なお、他端が短絡の場合には他端が接地状態になるので、他端に対して送信信号が伝送しないような長さの設定も必要になる。
【0025】
図7では、他端が短絡したショートスタブを用いたスタブフィルタ10との組み合わせを示したものである。本実施例においては、このスタブフィルタ10を、フィルタ回路8と分岐部7との間に設置するものである。このような接地方法により、フィルタ回路8から僅かに漏れ出したスプリアスを、後段のスタブフィルタ10にて反射することで、確実に分岐部7へのスプリアスの伝送を抑制することが出来ると共に、フィルタスタブで反射したスプリアスは、フィルタ回路8にて熱や光等の別のエネルギーに変換されるため、前段の回路への反射量を更に低減させることが可能なため、回路の安定性の確保や、スプリアスの増大を抑制することも可能となる。更に、スタブフィルタ10は、フィルタ回路8で既に減衰をしたスプリアスを反射することとなるため、高精度のフィルタ特性を持ったフィルタを有さずとも、十分に反射を行うことが可能なため、簡易な回路構成にてフィルタを構築することが可能となる。
【0026】
図8に図7のフィルタブと分岐部7との間の詳細構成を示す。本実施例においては、送信信号を7ギガヘルツとし、スタブフィルタ10によって送信信号の2次高調波である14ギガヘルツの信号を反射させる特性を持たせている(図9参照)。
このスタブフィルタ10を、本発明のフィルタ回路8と分岐部7との間に設置することにより、スタブフィルタ10とフィルタ回路8のフィルタ特性を併せ持つことが可能となる(図10参照)ため、フィルタ回路8が持つ周波数に対して緩やかな特性と、スタブフィルタ10が持つある特定の周波数に対して急峻に減衰する特性を有することにより、ある特定のスプリアスに対しては大きな減衰効果を持ち、周囲のスプリアスに関しては、ある一定の減衰効果をもつフィルタを構成することが可能となる。また、伝送線路等の製造誤差等により、フィルタ回路8やスタブフィルタ10の寸法が変動した場合においても、フィルタ回路8が持つ緩やかな減衰特性のため、全体的にスプリアス信号を低減させることが出来るので、誤差等によるフィルタ回路8の大幅な性能変動を抑制することも可能となる。
【0027】
以上の構成において、本実施例においては、送信信号を7ギガヘルツと設定したが、前記記載のように高周波信号(特にギガヘルツ帯)においては、同様の特性を有するため、この周波数に限定するものではなく、同様の効果を得ることが可能となる。
【0028】
また、上記のようなフィルタ回路8を搭載したセンサにおいては、送信アンテナ3からのスプリアスの放射を抑制することが出来ると共に、発振器2やミキサ部6に使用される、ある周波数を増大する素子やある周波数から異なる周波数信号を生成する素子に対してのスプリアス信号を伝送することを抑制するため、スプリアス信号のセンサ内部での増幅、発振や、異なるスプリアス信号の生成も抑制することが可能となるため、センサ自身からのスプリアス信号の放射をより効果的に低減することを可能とするものである。
【0029】
次に、フィルタ回路8において、抵抗器9間の伝送線路上にスタブフィルタ10を設けた構成図を図11に示す。抵抗器9の伝送線上にスタブフィルタ10を設けることにより、スタブフィルタ10により完全に反射出来なかった僅かなスプリアスに対して、後段の抵抗器9で熱等によるエネルギー変換による損失を発生させることにより、後段の抵抗器にて確実にスプリアスを低減させることが出来るので、外部へのスプリアスの送信をより確実に抑制することが可能となる。
【0030】
また、抵抗器9を介して両側にスタブフィルタ10を設けることにより、スタブフィルタ10で反射したスプリアスが抵抗器9を介して反射を続ける構成になるため、スプリアスをスタブフィルタ10間の抵抗器9に閉じ込めて消費させる構造になるため、スプリアスを効率よく減衰することが可能となり、外部へのスプリアスの放射をより抑制することが可能となる。
【0031】
以上の実施例において、周波数の限定を行ったが、ギガヘルツのような高い周波数に対しては周波数の実際の数値に依存することなく、同様の効果を得ることが可能であり、スプリアスの抑制をより厳密に実施することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の高周波センサの概略構成図
【図2】抵抗器を1つ使ったフィルタ回路の構成図
【図3】(A)抵抗器の周波数−インピーダンス図 (B)抵抗器1つの周波数−通過特性図
【図4】抵抗器を2つ使ったフィルタ回路の構成図
【図5】抵抗器1つと2つの場合のフィルタ回路通過特性比較図
【図6】抵抗器3つ、4つの場合のフィルタ回路通過特性図
【図7】スタブフィルタを設けた本発明の高周波センサの概略構成図
【図8】フィルタ回路及びスタブフィルタの概略構成図
【図9】スタブフィルタ単体の通過特性図
【図10】図8における通過特性図
【図11】抵抗器の間の伝送線路上にスタブフィルタを設けた概略構成図
【符号の説明】
【0033】
1…送信波
2…発振器
3…送信アンテナ
4…受信波
5…出力信号
6…ミキサ部
7…分岐部
8…フィルタ回路
9…抵抗器
10…スタブフィルタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号の送信波を生成する発振器と、
前記送信波を外部へ放射する送信アンテナと、
前記送信波が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波として受信する受信アンテナと、
前記発振器が生成した送信波と、前記受信アンテナが受信した前記受信波をを基に検知信号を生成するミキサ部と、
前記発振器から送信された送信波を、送信アンテナ及びミキサ部へ分配する分岐部と、
を備えた高周波センサにおいて、
前記発振器と分岐部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器を直列接続したフィルタ回路を設けたことを特徴とする高周波センサ。
【請求項2】
前記フィルタ回路は2つ以上の抵抗器を直列接続したものであって、前記抵抗器間には送信波の減衰を抑制する伝送線路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高周波センサ。
【請求項3】
前記伝送線路長が、所望の周波数(送信波の周波数)の伝送線路上での波長λgの略(2n―1)/4(nは1以上の整数)であることを特徴とする請求項2記載の高周波センサ。
【請求項4】
前記フィルタ回路と分岐部との間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように、他端が開放又は短絡されたスタブを配置したたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の高周波センサ。
【請求項5】
前記フィルタ回路の抵抗器間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように他端が開放又は短絡されたスタブを配置したことを特徴とする請求項2から3いずれか1項記載の高周波センサ。
【請求項1】
高周波信号の送信波を生成する発振器と、
前記送信波を外部へ放射する送信アンテナと、
前記送信波が被検知物体により反射されて生じた反射波を受信波として受信する受信アンテナと、
前記発振器が生成した送信波と、前記受信アンテナが受信した前記受信波をを基に検知信号を生成するミキサ部と、
前記発振器から送信された送信波を、送信アンテナ及びミキサ部へ分配する分岐部と、
を備えた高周波センサにおいて、
前記発振器と分岐部間の伝送線路上に、少なくとも1つ以上の抵抗器を直列接続したフィルタ回路を設けたことを特徴とする高周波センサ。
【請求項2】
前記フィルタ回路は2つ以上の抵抗器を直列接続したものであって、前記抵抗器間には送信波の減衰を抑制する伝送線路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高周波センサ。
【請求項3】
前記伝送線路長が、所望の周波数(送信波の周波数)の伝送線路上での波長λgの略(2n―1)/4(nは1以上の整数)であることを特徴とする請求項2記載の高周波センサ。
【請求項4】
前記フィルタ回路と分岐部との間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように、他端が開放又は短絡されたスタブを配置したたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の高周波センサ。
【請求項5】
前記フィルタ回路の抵抗器間の伝送線路上に、送信波の進行方向に対して直交するように他端が開放又は短絡されたスタブを配置したことを特徴とする請求項2から3いずれか1項記載の高周波センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−139274(P2009−139274A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317100(P2007−317100)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]