説明

高圧容器のシール構造

【課題】合成樹脂製等の薄肉容器を樹脂が含浸された繊維強化層で被い、その後樹脂を硬化させる複合構造の圧力容器において、硬化前の組立時にシーリング手段を講じることができる高圧容器のシール構造を提供する。
【解決手段】気体または液体を収容する樹脂ライナー2と、この樹脂ライナー2の外面を補強する繊維強化樹脂層3と、この繊維強化樹脂層の外面に突出し、気体または液体を注排する金属製の口金部4と、を備えた圧力容器のシール構造1であって、樹脂ライナー2には、圧力容器内から外方へ突出した気体または液体の注排口21が形成されており、注排口21の突出部分22と口金部4には結合構造23,43が形成され、口金部4は、注排口21を蔽うように結合構造23,43によって樹脂ライナー2と結合されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧容器のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮天然ガス(CNG)は、地球温暖化を低減するクリーンエネルギーとして注目され、ガソリンに代わる自動車用燃料等として利用の拡大が期待されている。しかし、ガスは、液体や固体と比べ密度が低いため、より多くの燃料を搭載するには、ガス容積を減少させる高圧化が必要となり、そして、この高圧ガスを収容する高圧容器が必要となる。そこで、これまでは一般に、スチール製やアルミニウム合金製の高圧容器がCNG用の高圧容器として採用されてきた。金属製の高圧容器は、強度が高く、信頼性が高い利点を有するが、重量が重くなるという問題があり、自動車用として用いる場合に燃費や走行性能が犠牲になっていた。
【0003】
このような問題点を鑑み、近年では、容器の軽量化を目的として、金属製や合成樹脂製の薄肉容器(ライナー)を樹脂が含浸された繊維強化層で被い、その後樹脂を硬化させる複合構造の圧力容器が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3523802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、特許文献1の図2のように、樹脂ライナーと口金部を一体で成形し、繊維強化樹脂層を組付けてから、繊維強化樹脂層の樹脂硬化を行っていた。この場合、硬化後にリークパスが発見された場合に、リークパスの修繕は一旦樹脂が硬化した後では難しいことから、圧力容器としての機能を損ない、製造の歩留まりが悪くなるおそれがあった。
本発明は、硬化前の組立時に段階的にシーリング手段を講じることができる高圧容器のシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため、気体または液体を収容する樹脂ライナーと、この樹脂ライナーの外面を補強する繊維強化樹脂層と、この繊維強化樹脂層の外面に突出し、気体または液体を注排する金属製の口金部と、を備えた圧力容器のシール構造であって、樹脂ライナーには、圧力容器内から外方へ突出した気体または液体の注排口が形成されており、注排口の突出部分と口金部には結合構造が形成され、口金部は、注排口を蔽うように結合構造によって樹脂ライナーと結合されることを特徴とする高圧容器のシール構造とした。
【0006】
この構成によれば、樹脂ライナーの注排口に結合構造を形成して口金部と結合できるようにすることによって、硬化前の繊維強化樹脂層を外面に取り付ける直前に、潜在的なリークパスとなる可能性のある金属部材と樹脂部材との間のシール機能を確認することができる。そして、シール機能に問題があれば、繊維強化樹脂を巻き付け(フィラメントワインディング)もしくは装着(ハンドレイアップ)する前に、口金部を取外してライナーと口金部に取り付けられる注排用のバルブ間のシール手段を講じることを可能とする。
さらに、口金部に注排口の外面を蔽う結合部を有することにより、ライナー側の膨張によって、口金部との接合面を押圧し、両者間のリークパスに対してセルフシールの機能を持たせるようにした。
【0007】
前記構成に加え、本発明は、口金部とライナーの突出部分との間に、シーリング部材を介在させることができる。
この構成によれば、口金部とライナー部とは、結合構造によって結合されており、樹脂が含浸された強化繊維を巻き付け(フィラメントワインディング)もしくは積層(ハンドレイアップ)する前であれば、両者を取り外してO−リングやシーリングコンパウンドなどのシーリング部材を容易に収挿、充填することができる。
【0008】
前記構成に加え、本発明の口金部は、結合構造によって樹脂ライナーと結合し、注排口の外面を蔽う結合部と、この結合部の基部を形成し、樹脂ライナーの外面と接面する円板状の接面部とを備え、接面部の外面は、樹脂ライナーの外面と連続した面を形成させることができる。
【0009】
口金部は、圧力容器の一部として堅固に固定する必要がある。また、極力、リークパスとなり得る部分を少なくする必要がある。そのため、注排口の基部は、ライナーおよび繊維強化樹脂層との接触面積を大きくするように円板状に形成され、口金部がライナーと結合した表面上に樹脂を含浸した強化繊維を巻いていく。このとき、ライナー外表面と口金部円板部の外表面とのつなぎ目に段差があると、巻かれた繊維に折り目が生じ、強度低下を招来する。
しかし、この構成によれば、段差を無くし、連続的な外表面を形成することで、巻かれた繊維に折り目が生ずることを防止した。
【0010】
前記構成に加え、本発明は、結合された口金部とライナーの突出部分との間に、容器外側方向に開口を有する隙間を形成し、この隙間にシーリング部材を挿入させることができる。
この構成によれば、本発明の基本構成である樹脂硬化前にシール部を確認できることを利用し、積極的に目視できる隙間を設けて、この隙間にシーリング部材を挿入してシーリングすることができる。シーリング部材としては、隙間の形状に一致した固体でも、その後のキュアーで硬化する樹脂でも、どちらでも適用することができる。
【0011】
前記構成に加え、本発明は、樹脂ライナーをブロー成形で成形することができる。
この構成によれば、ライナーをブロー成形とすることで、採用できる形状の自由度が広がり、本発明の圧力容器が収容されるスペースに合わせた形状とすることができる。
【0012】
前記構成に加え、フィラメントワインディング法によって繊維強化樹脂層を形成することができる。
繊維強化樹脂層を形成する方法としては、ハンドレイアップ法もあるが、この構成によれば、より耐圧強度が高く、軽量化が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、樹脂硬化前に段階的にシーリング手段を講じることができる高圧容器のシール構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、最初に本実施形態が適用される高圧容器の構造の一例を説明し、その後、第1実施形態に係る高圧容器のシール構造について説明する。
【0015】
図1は、高圧容器の側面図であり、一部断面を示す。高圧容器1は、気体または液体を収容する樹脂ライナー2と、この樹脂ライナー2の外面を補強する繊維強化樹脂層3と、この繊維強化樹脂層3の外面に突出し、気体または液体を注排する金属製の口金部4と、から構成されている。
【0016】
樹脂ライナー2は、気体または液体を収容する容器であり、収容する物体や充填条件によって、材料が選択される。例えば、材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリアミド、ポリケトン、ポリフェニレンサルフィド(PPS)などが使用され、回転成形もしくはブロー成形等で成形される。
【0017】
樹脂ライナー2の形状は、完成状態の圧力容器形状のベースとなるものであり、通常、高圧環境に対してより軽量化を図ることができる形状が選択され、例えば、図1のように円筒形の胴部と、その胴部の軸方向両端部に略半球状の蓋部を有する形状や球形が選択される。しかしながら、自動車用の燃料タンクとして、限られたスペースに収挿する場合には、扁平形状等の多様な形態が要求されることがあり、このような場合ブロー成形による成形が好適となる。
【0018】
樹脂ライナー2には、口金部4が取り付けられ、その後樹脂が含浸された強化繊維が、樹脂ライナー2と口金部4の外表面へ、フィラメントワインディング法によって巻きつけ、もしくはハンドレイアップ法によって積層することによって取り付けられる。なお、樹脂ライナー2と口金部4との結合構造については後記する。
【0019】
繊維強化樹脂層3は、いわゆるFRP(繊維強化プラスティック)であり、耐圧構造における主要な構造メンバーとなる。樹脂が含浸された繊維(もしくは織布)を製品形状に形設した後、樹脂を硬化させることによって、繊維強化樹脂層3が形成される。
【0020】
繊維強化樹脂層3に使用される樹脂としては、強度が高いことからエポキシ系樹脂が一般的である。しかし、熱的な安定性を求める場合などは、フェノール系樹脂も使用することができる。次に繊維としては、高強度かつ高弾性の繊維が使用されることが多く、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、ケブラー繊維などが一般的である。これらの繊維もしくは繊維を織った布に前記した樹脂が含浸され、いわゆるプリプレグとなる。
【0021】
樹脂ライナー2と口金部4との結合体への、プリプレグの装着には、前記のように、プリプレグ化した繊維を織機によって巻きつけていくフィラメントワインディング法と、外表面にプリプレグ化した織布を積層していくハンドレイアップ法があるが、繊維の連続性が保て、高い強度を容易に実現でき、かつ容器の薄肉化がしやすいフィラメントワインディング法が一般的である。
【0022】
フィラメントワインディング法には、図1における円筒部分の周囲に(周方向)繊維を巻きつけるフープ巻き、軸方向に巻きつけるインライン巻き、フープ巻きの繊維方向に角度をつけたヘリカル巻きなどがあり、圧力負荷時の高圧容器内の応力発生に応じて巻き方、巻き数そして巻き角度等が適宜選択されている。
【0023】
プリプレグの形設が終了すると、例えば熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が含浸されている場合、樹脂ライナー2と口金部4との結合体の外表面にプリプレグを装着された中間工程品は、所定の温度に設定された硬化槽に一定時間入れられることにより、樹脂が硬化し、繊維強化樹脂層3が形成され、製品となる。
このように、繊維強化樹脂を使用した圧力容器は、樹脂硬化後に収容する気体や液体の漏れが検出されても、取外しができる結合構造ではないことから、補修は容易ではない。
【0024】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る高圧容器のシール構造について説明する。図2は、図1のA部詳細図であり、樹脂ライナー2と口金部4との結合構造を示したものである。
【0025】
樹脂ライナー2には、圧力容器1内から外方(図2のB方向)へ突出した気体または液体の注排口21が形成されており、注排口21の突出部分22と口金部4には結合構造23,43が形成され、口金部4は、注排口21を蔽うように結合構造23,43によって樹脂ライナー2と結合されている。
【0026】
本実施形態において、注排口21には結合構造23としてネジS2が切られており、口金部4の結合構造43として切られたネジS4が螺着され、樹脂ライナー2と口金部4とが結合される。ネジS2,S4は、種々の形状を選択することができるが、圧力負荷方向に対してシール性を高くする場合にはテーパネジが、またシーリング材を充填する隙間を設ける場合や位置の調整代に余裕を持たせる場合にはガタを設けた台形ネジやアクメ(角形)ネジなどが好適である。
なお、ここでは樹脂ライナーと口金部との結合構造をネジ結合として説明しているが、ネジ結合に限定されること無く、例えばロック式の結合等を採用できることは言うまでもない。
【0027】
このように結合部を構成することによって、結合構造23,43間の螺着状態、樹脂ライナー2と口金部4との当接する部分の当たり状態を仮組時に確認することができ、さらに両者を結合した状態でリークテストを行って、リークパスの有無を確認し、必要ならば補修をすることができる。
【0028】
図2に示すように、口金部4は、注排口21の外面を蔽い結合構造43を有する結合部44と、この結合部44の基部を形成し、樹脂ライナー2の外面25に接面する円板状の接面部45とを備えている。外面25上の接面部45が当接する樹脂ライナー2の表面は凹部26となっており、接面部45の外表面は樹脂ライナー2の凹部以外の外面25と連続した面を形成している。なお、口金部4は、比強度が高いアルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料を用いている。
【0029】
このように樹脂ライナー2の外表面と口金部4の円板状の外表面とのつなぎ目に段差がないため、フィラメントワインディング法で巻かれた繊維に折り目が生じることなく、繊維の破断等によって、樹脂硬化後に局所的な強度低下が招来することを防止できる。
【0030】
また、接面部45と凹部26との当接面を広く取ることは、製品状態で高圧が負荷されたときに、潜在的なリークパスとなり得る当接面と容器内圧力室との圧力差によって、内側の樹脂ライナー2側が膨張し、リークパスを閉塞するセルフシールの役割も果たしている。
【0031】
[第2実施形態]
次に、図3を参照して、第2実施形態に係る高圧容器のシール構造について説明する。図3は、図1のA部詳細図であり、樹脂ライナー2と口金部4との結合構造を示したものである。
本実施形態と第1実施形態とが異なる部分は、潜在的なリークパスとなり得る樹脂ライナー2と口金部4との当接部のシーリング部材として、コーナー50近傍に収挿されたO−リングOLを設けたことである。第1実施形態において記載したように、当該部分は、圧力負荷時にセルフシールによってリークパスが閉塞される効果があるが、さらに口元の周囲を均一に蔽い、弾性的変形によってシールするO−リングOLを収挿することで、シール効果を高めている。
【0032】
さらに、当該部分にO−リングOLを収挿することは、高圧容器1に高圧の気体または液体を注入もしくは充填することによって高圧容器1に内圧が負荷され、樹脂ライナー2の突出部分22の付け根が変形した際に、O−リングの弾性変位内であれば、変形量を吸収し、樹脂ライナー2と口金部4との間に変形によるリークパスが生ずることを防止するとともに、樹脂ライナー2と口金部4とが当接し、荷重が直接伝達されることによって一方の構造部材が他方を変形させることを防止することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、O−リングOLを収挿しているが、当該個所に充填材を充填したり、さらに圧力負荷時の変位量に合わせて線径を変えた複数のO−リングを収挿したり、線の断面が円形でないいわゆるバックアップリングをO−リングとともに収挿したりすることもできる。充填材としては、シーリングコンパウンドや樹脂を充填することができる。本実施形態で述べたO−リングOLを収挿する位置は一例であり、ネジS2,S4の前後に収挿することもできる。
【0034】
前記シール部分の処理は、いずれも樹脂が含浸された強化繊維を巻き付け(フィラメントワインディング)もしくは織布を積層(ハンドレイアップ)する前であれば前記した結合構造23,43の存在によってシール状態を確認しながら処理することが可能となっている。
【0035】
[第3実施形態]
次に、図4を参照して、第3実施形態に係る高圧容器のシール構造について説明する。図4(a)は、樹脂ライナー102と口金部104との結合構造を図2の右手方向から見た正面拡大図であり、図4(b)は、樹脂ライナー102の結合構造123の側面を拡大した分解斜視図である。
本実施形態と第1実施形態と異なる部分は、結合された口金部104と樹脂ライナー102の結合構造123との間に、容器外側方向に開口を有する隙間Gが形成されており、この隙間にシーリング部材を挿入させることができることである。
【0036】
詳しく説明すると、本実施形態においても第1実施形態と同様に、注排口121にはネジ1S2が切られており、口金部104の結合構造143に切られたネジ1S4が螺着され、樹脂ライナー102と口金部104とが結合される。ここで、ネジ1S2は、図4(b)に示すように、第1実施形態のネジS1(図2参照)とは異なり、ネジ1S2の軸方向にネジ部の一部を面取りした部分F,Fを2箇所有している。樹脂ライナー102と口金部104とを結合したとき、この面取り部分F,Fは、図4(a)に示すように、容器外へ開口し、目視できる状態となっており、この開口OPから樹脂やシーリング部材を面取り部分Fの隙間Gへ充填することができる。
なお、面取り部分Fの隙間Gへは、隙間Gの形状に合わせたコマ(図示せず)を用意して、これを挿入し、その後残った隙間を埋める樹脂やシーリング部材を充填してもよい。
【0037】
[第4実施形態]
次に、図5を参照して、第4実施形態に係る高圧容器のシール構造について説明する。図5は、本実施形態に係る樹脂ライナーと口金部との結合構造にバルブ及びロックナットを結合した状態を示した拡大断面図である。
【0038】
本実施形態は、実際に自動車用車両に搭載する際に必要なバルブ60を口金部4に、ロックナット70によって取り付けたものであり、基本的な構成である樹脂ライナー202と口金部4との結合構造23,43は、第1実施形態と同じである(図2参照)。
バルブ60は、樹脂ライナー202の注排口21(図2参照)に挿入され、両者の間をシールするために、樹脂ライナー202の脱落防止壁27とバルブ60との間隙にO−リングOL−2及びバックアップリングBUが介挿されている。バックアップリングBUは、圧力が負荷され樹脂ライナー202や口金部4が変形したときでも、O−リングOL−2の位置がずれず、確実にシールされるように備えられている。
【0039】
O−リングOL−2を挿入することは、前記した第2実施形態と同様に、高圧容器1に高圧の気体または液体を注入もしくは充填することによって高圧容器1に内圧が負荷され、樹脂ライナー202の突出部分22(図2参照)の付け根が変形した際に、O−リングの弾性変位内であれば、変形量を吸収し、樹脂ライナー2とバルブ60との間に変形によるリークパスが生ずることを防止するとともに、樹脂ライナー202とバルブ60とが当接し、荷重が直接伝達されることによって一方の構造部材が他方を変形させることを防止することができる。
【0040】
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。本発明は、図面に記載したものに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能である。特に、樹脂ライナーと口金部との結合構造をネジ結合として説明しているが、ネジ結合に限定されること無く、例えばロック式の結合等を採用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る高圧容器の側面図である。
【図2】図1のA部詳細断面図であり、本発明の第1実施形態に係る樹脂ライナーと口金部との結合構造を示したものである。
【図3】図1のA部詳細断面図であり、本発明の第2実施形態に係る樹脂ライナーと口金部との結合構造を示したものである。
【図4】本発明の第3実施形態に係る樹脂ライナーと口金部との結合構造を示した分解斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る樹脂ライナーと口金部との結合構造にバルブ及びロックナットを結合した状態を示した拡大断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 高圧容器
2 樹脂ライナー
3 繊維強化樹脂層
4 口金部
21 注排口
22 突出部分
23 結合構造
25 外面
26 凹部
27 脱落防止壁
43 結合構造
44 結合部
45 接面部
50 コーナー
60 バルブ
70 ロックナット
102 第3実施形態に係る樹脂ライナー
104 第3実施形態に係る繊維強化樹脂層
121 第3実施形態に係る注排口
123 第3実施形態に係る結合構造
202 第4実施形態に係る樹脂ライナー
F 面取り部分
G 隙間
S2,S4 ネジ
OL、OL−2 O−リング
BU バックアップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体または液体を収容する樹脂ライナーと、
この樹脂ライナーの外面を補強する繊維強化樹脂層と、
この繊維強化樹脂層の外面に突出し、前記気体または液体を注排する金属製の口金部と、を備えた高圧容器のシール構造であって、
前記樹脂ライナーには、前記圧力容器内から外方へ突出した気体または液体の注排口が形成されており、
前記注排口の突出部分と口金部には結合構造が形成され、
前記口金部は、前記注排口を蔽うように前記結合構造によって前記樹脂ライナーと結合されることを特徴とする高圧容器のシール構造。
【請求項2】
前記口金部と前記樹脂ライナーの突出部分との間には、シーリング部材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧容器のシール構造。
【請求項3】
前記シーリング部材は、O−リングであり、前記圧力容器の内側に近い位置に収挿されていることを特徴とする請求項2に記載の高圧容器のシール構造。
【請求項4】
前記口金部は、前記結合構造によって前記樹脂ライナーと結合し、前記注排口の外面を蔽う結合部と、この結合部の基部を形成し、前記樹脂ライナーの外面と接面する円板状の接面部とを備え、
前記接面部の外面は、前記樹脂ライナーの外面と連続した面を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高圧容器のシール構造。
【請求項5】
結合された前記口金部と前記ライナーの突出部分との間には、前記圧力容器外側方向に開口を有する隙間が形成されており、
この隙間にシーリング部材を挿入することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高圧容器のシール構造。
【請求項6】
前記樹脂ライナーはブロー成形されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高圧容器のシール構造。
【請求項7】
前記繊維強化樹脂層の形成は、フィラメントワインディング法であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の高圧容器のシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−58111(P2009−58111A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228439(P2007−228439)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(390023917)八千代工業株式会社 (186)
【Fターム(参考)】