説明

高圧洗浄車

【課題】高圧洗浄車において、簡単な構成で操作性を向上させながら、ホースリール操作レバーの誤動作を防止する。
【解決手段】第1油圧モータを流量制御機構を備えた方向切換弁に接続し、この方向切換弁に接続されたホースリール操作レバー17を操作することで、回転方向及び回転速度を制御可能に構成する。ホースリール操作レバー17を、第1直線部90aと、この第1直線部90aの中間の中立位置に連続して第1直線部90aに垂直な第1垂直部90bとを有する操作盤表面50aの第1ガイド孔90内に配置し、第1引張コイルバネによって第1垂直部90bに沿って第1直線部90aから離れる方向へ付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水管を始め、建設現場やプラントなどでの各種洗浄清掃作業の際に、噴出する高圧の洗浄水によって下水管に付着した汚泥やモルタルの除去を行う高圧洗浄車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗浄水を貯留するタンクと、洗浄水を圧送する高圧水ポンプと、圧送された洗浄水を導く放水用ホースと、放水用ホースが巻き付けられたホースリールと、放水用ホースの先端に取り付けられた噴射ノズルとを備えた高圧洗浄車が知られている(例えば、特許文献1参照)。この高圧洗浄車では、ホースリールは、ホースリール操作レバーにより、流量制御機構を備えた方向切換弁を操作して回転方向及び回転速度を制御可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−261206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の高圧洗浄車では、ホースリール操作レバーの誤操作を防止するために操作盤表面のガイド孔の表面側からホースリール操作レバーを中立位置に固定するためのストッパーを被せていた。しかしながら、ホースリール操作レバーを使用する際にストッパーを外し、また、使用後にストッパーを被せる操作が煩雑であり、また、使用後にストッパーを再び被せるのを忘れてしまうこともある、という問題があった。また、操作が煩雑なために、ユーザの方でストッパーを取り外して使用するおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で操作性を向上させながら、ホースリール操作レバーの誤動作を確実に防止すると共に、ストッパーを取り外して使用することなく、操作性を悪化させずに安全性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、ホースリール操作レバーを弾性部材で常に一定方向に付勢するようにした。
【0007】
具体的には、第1の発明では、
洗浄水を貯留する水タンクと、
上記洗浄水を圧送する高圧水ポンプと、
一端が上記高圧水ポンプの吐出側に接続された吐出流路と、
上記吐出流路の他端に接続され、他端に第1ホースが接続された第1放水路と、
上記第1ホースの先端に接続されて上記洗浄水を噴射する第1噴射装置と、
上記第1ホースが巻き付けられる第1ホースリールと、
上記第1ホースリールを回転駆動する第1油圧モータとを備えた高圧洗浄車を対象としている。
【0008】
上記第1油圧モータは、流量制御機構を備えた方向切換弁に接続され、該方向切換弁に接続されたホースリール操作レバーを操作することで、回転方向及び回転速度を制御可能に構成され、
そして、上記ホースリール操作レバーは、直線部と、該直線部の中間の中立位置に連続して該直線部に垂直な垂直部とを有する操作盤表面のガイド孔内に配置され、弾性部材によって該垂直部に沿って上記直線部から離れる方向へ付勢されている。
【0009】
上記の構成によると、ホースリール操作レバーを操作盤表面に設けたガイド孔における直線部内でスライドさせて回転方向及び回転速度を制御するようにしているが、ホースリール操作レバーは、常に弾性部材によって直線部から離れる方向へ付勢されているので、、ホースリール操作レバーを操作しない中立位置で手を離すと自動的にガイド孔の垂直部の端部に位置付けられる。このため、意図せずホースリール操作レバーが直線部内に移動して誤作動することはなく、また、走行時等においてもホースリール操作レバーがぐらつかず、振動が発生しない。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、
上記ホースリール操作レバーは、スロットルブラケットのボス部に回動可能に支持されることで、上記垂直部内を傾動可能に構成され、
上記方向切換弁は、ロータリ形切換弁であり、上記ホースリール操作レバーは、該方向切換弁のスプールに上記スロットルブラケットを介して結合され、上記直線部内で傾動することにより、該方向切換弁の方向を切り換えると共に、流量調整可能に構成されている。
【0011】
上記の構成によると、ホースリール操作レバーが弾性部材の付勢力により、ボス部を中心に回動して垂直部の端部に保持されるので、走行時等の振動でホースリール操作レバーがぐらつきにくくなり、スプールが摩耗しにくくなる。このため、方向切換弁の耐久性が向上する。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記吐出流路の他端が接続され、二股に分かれた一端に上記第1放水路が接続された分岐路と、
上記分岐路の他端に接続され、先端に第2ホースが接続された第2放水路と、
上記第2ホースの先端に接続されて上記洗浄水を噴射する第2噴射装置と、
上記第2ホースが巻き付けられる第2ホースリールと、
上記第2ホースリールを回転駆動する第2油圧モータとを備え、
上記方向切換弁は、上記第2油圧モータの回転方向及び回転速度を制御可能に構成されている。
【0013】
上記の構成によると、1つのホースリール操作レバーで第1ホースリール及び第2ホースリールの回転方向及び回転速度を制御可能となり、部品点数が減って操作盤がコンパクトとなる。また、第2ホースリールの誤操作も効果的に防止される。
【0014】
第4の発明では、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、
上記操作盤には、上記第1油圧モータ及び第2油圧モータの駆動源となるエンジンの回転数を制御すると共に高圧水の噴射水量を調整するアクセルレバーが設けられ、
上記アクセルレバーは、上記操作盤表面に形成された第2直線部と、該第2直線部の一端に連続して該第2直線部に垂直な第2垂直部とを有する第2ガイド孔内に配置され、第2弾性部材によって該第2垂直部に沿って上記第2直線部から離れる方向へ付勢されている。
【0015】
上記の構成によると、第2弾性部材により、アクセルレバーをアイドリングに戻したときに、自動的にアクセルレバーが第2垂直部の端部に戻り、また、アイドリング位置において第2垂直部の端部に保持されるので、振動等により、アクセルレバーが誤動作して高圧水が噴射することが防止される。また、走行時等においてもアクセルレバーがぐらつかず、振動が発生しない。
【0016】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記ホースリール操作レバーと上記ガイド孔とが接触する部分、及び上記アクセルレバーと第2ガイド孔と接触する部分の少なくとも一方には、樹脂製の緩衝材が設けられている。
【0017】
すなわち、弾性部材又は第2弾性部材により、ホースリール操作レバー又はアクセルレバーが常に一定方向に付勢されているが、上記の構成によると、レバーとガイド孔とが接触する部分には、樹脂製の緩衝材が設けられているので、レバーとガイド孔との摩耗が防止され、中立(アイドリング)位置においても振動の発生が防止される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、ホースリール操作レバーを弾性部材によって操作盤表面のガイド孔の第1直線部から離れる方向に付勢することにより、簡単な構成で操作性を悪化させることなく、ホースリール操作レバーの誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態にかかる高圧洗浄車の側面図である。
【図2】高圧洗浄車の背面図である。
【図3】水回路を示す図である。
【図4】ホースリール停止時における油圧装置を示す図である。
【図5】高圧洗浄車の使用状況を説明する側面図である。
【図6】操作盤の拡大側面図である。
【図7】ホースリール操作レバーを操作する様子を示す正面図である。
【図8】ホースリール操作レバー及び第1引張コイルバネを拡大して示す底面図である。
【図9】第1及び第2ガイド孔及びその周辺を拡大して示す側面図である。
【図10】アクセルレバーを操作する様子を示す正面図である。
【図11】アクセルレバー及び第2引張コイルバネを拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
−高圧洗浄車の構成−
図1及び図2は、本実施形態にかかる高圧洗浄車1を表し、この高圧洗浄車1は、後述する第1噴出装置としての洗浄ノズル33(図3参照)又は第2噴出装置としての洗浄ガン35(図3参照)から高圧の洗浄水を噴射することで、図5に示すように、下水管100、マンホール101周辺等の被洗浄物を洗浄するように構成されている。図1に示すように、高圧洗浄車1は、キャブ2と、シャーシ3とを備えている。シャーシ3には、エンジン46(図3参照)や、動力伝達装置(PTO47)などが搭載されている。また、シャーシ3には、走行用の車輪5が取り付けられている。シャーシ3上には、洗浄水を貯留する直方体状の水タンク11と、同じく直方体状のポンプ収容室21とが設置されている。水タンク11は、シャーシ3上の前後方向の中央部に設置され、その前方側にポンプ収容室21が設置されている。ポンプ収容室21内には、水タンク11内の洗浄水を圧送するための高圧水ポンプ12が収容されている。シャーシ3上の水タンク11の後方側には、支持台4が設置されている。図1及び図2に示すように、支持台4上には、ターンテーブル6が鉛直軸周りに旋回自在に設けられている。ターンテーブル6上には、第1ホースリールとしての大ホースリール15、第2ホースリールとしての小ホースリール16及び操作盤50が設置されている。
【0022】
大ホースリール15は、ターンテーブル6にフレーム31を介して取り付けられ、このフレーム31により、水平軸X1回りに正逆回転自在に支持されている。図3に示すように、大ホースリール15には、洗浄水を導く第1ホースとしての大ホース13が巻き付けられ、この大ホース13の先端には、洗浄ノズル33が着脱自在に取り付けられている。
【0023】
図1及び図2に示すように、小ホースリール16は、ターンテーブル6にフレーム32を介して取り付けられ、このフレーム32により、水平軸X2回りに正逆回転自在に支持されている。図3に示すように、小ホースリール16には、洗浄水を導く第2ホースとしての小ホース14が巻き付けられている。小ホース14の先端には、洗浄ガン35が着脱自在に取り付けられている。
【0024】
また、図4に示すように、高圧洗浄車1は後述する油圧装置8を備えている。大ホースリール15は、油圧装置8の第1油圧モータ51により正逆回転駆動される。これにより、大ホース13は、大ホースリール15から繰り出され、又は、巻き取られる。一方、小ホースリール16は、油圧装置8の第2油圧モータ52により正逆回転駆動される。これにより、小ホース14は、小ホースリール16から繰り出され、又は、巻き取られるようになっている。
【0025】
図6に示すように、操作盤50は、ホースリール操作レバー17と、大小切換スイッチ18とを備えている。ホースリール操作レバー17は、大ホースリール15又は小ホースリール16を正逆回転させて大ホース13又は小ホース14の繰り出し又は巻き取り作業を操作するものである。ホースリール操作レバー17は、後述する方向切換弁56(図4参照)に結合されている。大小切換スイッチ18は、大ホースリール15又は小ホースリール16を変更するためのスイッチである。大小切換スイッチ18は、後述する流路切換弁59(図4参照)に接続されている。
【0026】
−高圧洗浄車の水回路−
高圧洗浄車1の水回路は、水タンク11から洗浄ノズル33又は洗浄ガン35に洗浄水を供給する回路であり、図3に示すように、高圧洗浄車1の水タンク11の底部には配管61の一端部が接続されている。配管61の他端部は、高圧水ポンプ12に接続されている。また、配管61には、上流側から下流側に向かって順に、開閉弁80とストレーナ62とが設けられている。
【0027】
配管61の開閉弁80よりも下流側かつストレーナ62よりも上流側の中途部には、配管74が接続され、この配管74の端部には、開閉弁79が設けられている。配管74は、洗浄終了後に、水タンク11に残った洗浄水を外部に放流するように構成されている。
【0028】
高圧水ポンプ12の吐出側には、配管63の一端が接続されている。高圧水ポンプ12は、配管61を介して水タンク11内に貯留された洗浄水を吸入し、高圧の洗浄水として配管63に吐出する。なお、高圧水ポンプ12は、プーリ42、Vベルト43、ドライブシャフト44、及びPTO47を介して、前述したエンジン46に連結されている。これにより、高圧水ポンプ12はエンジン46によって駆動される。
【0029】
配管63の他端は、圧力制御弁64に接続され、この圧力制御弁64には、配管65の一端が接続されている。また、圧力制御弁64は、配管71を介して水タンク11と接続され、主として配管63内の洗浄水を、配管65へ導くが、流入した洗浄水の圧力が所定の設定圧力よりも高い場合、その一部を配管71へ導くように構成されている。このようにして、配管65へ導く洗浄水の圧力は、圧力制御弁64により所定の設定圧力以下となるように制御される。なお、配管63と配管65とで、吐出流路68が構成されている。
【0030】
配管65の他端は、分岐路としてのマニホールド70に接続されている。配管65の中途部には配管66の一端が接続されている。配管66の他端には、開閉弁67が設けられている。マニホールド70には、配管72及び配管75の一端が接続され、さらに圧力計77が設けられている。
【0031】
配管72の他端には大ホースリール15が接続されている。また、配管72の一端側には開閉弁73が設けられている。マニホールド70に流入した洗浄水は、配管72に導かれ、開閉弁73を開くことにより、大ホースリール15及び大ホース13を介して洗浄ノズル33から噴射されるようになっている。配管75、大ホースリール15及び大ホース13により、マニホールド70から洗浄ノズル33に洗浄水を導く第1放水路85が構成されている。
【0032】
配管75の他端には小ホースリール16が接続されている。また、配管75の中途部には開閉弁76が設けられている。マニホールド70に流入した洗浄水は、配管75に導かれ、開閉弁76を開くことにより、小ホースリール16及び小ホース14を介して洗浄ガン35から噴射されるように構成されている。配管75、小ホースリール16及び小ホース14により、マニホールド70から洗浄ガン35に洗浄水を導く第2放水路86が構成されている。
【0033】
−油圧装置−
図4に示すように、油圧装置8は、大ホースリール15及び小ホースリール16を正逆回転駆動するものであり、作動油が貯留されたオイルリザーバ53と、オイルリザーバ53内の作動油を圧送する油圧ポンプ41と、方向切換弁56と、流路切換弁59と、第1及び第2油圧モータ51,52とを備えている。油圧ポンプ41は、ドライブシャフト44に連結されている。
【0034】
オイルリザーバ53には、供給管54及び回収管55の一端が接続され、供給管54及び回収管55の他端は、方向切換弁56に接続されている。また、方向切換弁56には、第1流通管57及び第2流通管58の一端が接続されている。
【0035】
方向切換弁56は、ロータリ形切換弁であり、中央のスプール(図示せず)を回転させることにより、第1の入状態と、第2の入状態と、切状態とに切り換え自在に構成されている。具体的には、方向切換弁56は、第1の入状態に切り換えられると、供給管54と第1流通管57とを連通させ、回収管55と第2流通管58とを連通させる第1連通路83を備えている。また、方向切換弁56は、第2の入状態に切り換えられると、供給管54と第2流通管58とを連通させ、回収管55と第1流通管57とを連通させる第2連通路84を備えている。さらに、方向切換弁56は、切状態に切り換えられると、供給管54と回収管55とが連通させられ、供給管54と第1流通管57又は第2流通管58との連通は解除され、回収管55と第1流通管57又は第2流通管58との連通は解除される。
【0036】
また、方向切換弁56は、流量制御機構83a,84aを備え、この流量制御機構83aは、第1連通路83内を流れる作動油の流量を制御可能に構成されている。流量制御機構83aは、前述のホースリール操作レバー17の傾斜角度に応じて第1連通路83の開口面積を変化させる様に構成されている。さらに、方向切換弁56は、流量制御機構84aにより、第2連通路84内を流れる作動油の流量を制御することができる。
【0037】
このような構成により、方向切換弁56を切り換えると、第1流通管57と第2流通管58とに流れる作動油の向きが変更され、このことで、後述する第1及び第2油圧モータ51,52の回転方向が変更されるようになっている。また、ホースリール操作レバー17を用いることにより、ホースリール操作レバー17の位置に応じて、第1流通管57又は第2流通管58に流れ込む作動油の流量が変化する。これにより、後述する第1油圧モータ51の回転速度、すなわち、大ホースリール15による大ホース13の繰り出し速度及び巻き取り速度が変更されるようになっている。
【0038】
第1流通管57及び第2流通管58の他端は、流路切換弁59に接続されている。
【0039】
流路切換弁59は、第1〜第6ポートa〜fを備えている。第1ポートaには第1流通管57の他端が接続され、第2ポートbには第2流通管58の他端が接続されている。また、第3ポートcには油圧配管81の一端が接続され、第4ポートdには油圧配管82の一端が接続されている。さらに、第5ポートeには油圧配管81の他端が接続され、第6ポートfには油圧配管82の他端が接続されている。
【0040】
流路切換弁59は、本実施形態では電磁バルブにより構成されている。流路切換弁59は前述の大小切換スイッチ18に接続されており、大小切換スイッチ18によりON状態とOFF状態とが切り換えられる。具体的には、大小切換スイッチ18のレバー18aを左側に回動させるとOFF状態(大ホースリール15使用状態)となり、右側に回動させるとON状態(小ホースリール16使用状態)となる。
【0041】
流路切換弁59は、OFF状態(非通電状態)になると第1ポートaと第3ポートcとを連通させると共に、第2ポートbと第5ポートeとを連通させる。これにより、第1流通管57及び第2流通管58は、油圧配管81を介して連通するようになっている。一方、流路切換弁59は、ON状態(通電状態)になると、第1ポートaと第4ポートdとを連通させると共に、第2ポートbと第6ポートfとを連通させる。これにより、第1流通管57及び第2流通管58は、油圧配管82を介して連通するようになっている。
【0042】
油圧配管81の中途部には第1油圧モータ51が設けられている。一方、油圧配管82の中途部には第2油圧モータ52が設けられている。第1油圧モータ51は油圧配管81内を流れる作動油により回転駆動される。一方、第2油圧モータ52は油圧配管82内を流れる作動油により回転駆動される。また、第1油圧モータ51は連結具51aを介して大ホースリール15に連結されており、第2油圧モータ52は連結具52aを介して小ホースリール16に連結されている。これにより、大ホースリール15は第1油圧モータ51により回転駆動される。また、小ホースリール16は第2油圧モータ52により回転駆動されるようになっている。
【0043】
このような構成により、流路切換弁59を切り換えることにより、第1流通管57と第2流通管58とが連通する油圧配管(油圧配管81又は油圧配管82)が切り換えられるようになっている。そして、作動油によって回転駆動される第1又は第2油圧モータ51,52が切り換わる。これにより、回転駆動されるホースリール(大ホースリール15又は小ホースリール16)が変更されるようになっている。
【0044】
−操作盤の構成−
図6に拡大して示すように、操作盤50の右側には、上述したホースリール操作レバー17が配置されている。図7及び図8に示すように、このホースリール操作レバー17は、そのロッド先端のグリップ部17aと、中間部のロッド部17bとを備え、このロッド部17bが操作盤表面50aの第1ガイド孔90内に挿入されている。図9に示すように、第1ガイド孔90は、上下に延びる第1直線部90aと、この第1直線部90aの中間の中立位置に連続して第1直線部90aに垂直な右方へ延びる第1垂直部90bとを有する開口よりなる。図7及び図8に示すように、ロッド部17bの基端側は折り曲げられ、スロットルブラケット91のボス部91aに回動可能に支持されている。これにより、ホースリール操作レバー17は、基端側がボス部91aを中心に回動し、そのことで、第1垂直部90b内を傾動するように構成されている。このボス部91aに連続する取付部91bは、方向切換弁56のスプールに直結されたレバー部材56aに連結されている。このことで、ホースリール操作レバー17を操作するとスプールが回動され、方向切換弁56の方向が切り換えられると共に、微妙な流量調整を行えるようになっている。さらに、弾性部材としての第1引張コイルバネ93の一端93aが、スロットルブラケット91のバネ取付部91cに連結され、他端93bは、ロッド部17bに設けたバネ取付ブラケット17cに連結されている。これにより、ホースリール操作レバー17は、第1引張コイルバネ93によって、第1垂直部90bに沿って図9における右方へ付勢されている。
【0045】
同様に図6に示すように、操作盤50の左下側には、第1油圧モータ51及び第2油圧モータ52の駆動源となるエンジン46の回転数を制御するアクセルレバー117が設けられている。図10及び図11に示すように、このアクセルレバー117は、そのロッド先端のグリップ部117aと、中間部のロッド部117bとを備え、このロッド部117bが操作盤表面50aの第2ガイド孔190内に挿入されている。図9に示すように、第2ガイド孔190は、上下に延びる第2直線部190aと、この第2直線部190aの下端に連続して第2直線部190aに垂直な右方に延びる第2垂直部190bとを有する開口よりなる。図10及び図11に示すように、ロッド部117bの基端側は折り曲げられ、スロットルブラケット191のボス部191aに回転可能に支持されている。このスロットルブラケット191のロッド取付部191bには、アクセルロッド192の一端が連結され、その他端が図示しないアクセルに機械的に結合されている。このことで、アクセルレバー117を上方に傾動させると、エンジン46の回転数が増大し、その結果、高圧水ポンプ12及び油圧ポンプ41の回転数も上昇し、第1油圧モータ51及び第2油圧モータ52の回転数も増大する。そのことで、洗浄水の放水量が増大し、又は、大ホースリール15や小ホースリール16の回転数が増大する。逆にアクセルレバー117を下方に傾動させると、エンジン46の回転数が減少し、その結果、高圧水ポンプ12及び油圧ポンプ41の回転数も減少し、第1油圧モータ51及び第2油圧モータ52の回転数も減少する。そのことで、洗浄水の放水量が減少又は停止し、又は、大ホースリール15や小ホースリール16の回転数が減少又は停止する。
【0046】
さらに、第2弾性部材としての第2引張コイルバネ193の一端193aが、スロットルブラケット191のバネ取付部191cに連結され、他端193bは、ロッド部117bに設けたバネ取付ブラケット117cに連結されている。これにより、アクセルレバー117は、第2引張コイルバネ193によって、図9における右方へ付勢されている。
【0047】
なお、アクセルレバー117は、手を離すと、第2引張コイルバネ193等により、その位置を保持できるようにされている。
【0048】
−高圧洗浄車の動作−
高圧洗浄車1は、洗浄ノズル33から洗浄水を噴射する洗浄ノズル噴射運転と、洗浄ガン35から洗浄水を噴射する洗浄ガン噴射運転とを選択的に実行可能である。なお、ここでは、一例として下水管100(図5参照)内を洗浄する場合について説明する。
【0049】
《大ホースによる噴射》
まず、大ホース13の繰り出し作業を行う。高圧洗浄車1が洗浄作業の現場に到着すると、図5に示すように、高圧洗浄車1をマンホール101の近傍位置に停車させる。
【0050】
このような待機時では、ホースリール操作レバー17は、常に第1引張コイルバネ93によって図9における右方へ付勢されているので、ホースリール操作レバー17を操作しない中立位置においては、第1ガイド孔90の第1垂直部90bの右端に位置付けられる。このため、振動等によりホースリール操作レバー17が第1直線部90a内に移動して誤作動することはない。また、第2引張コイルバネ193により、アクセルレバー117がアイドリング位置において第2直線部190aの右端に保持されるので、振動等により、アクセルレバー117が上方へ移動して誤動作することが防止される。また、走行時等においてもホースリール操作レバー17及びアクセルレバー117がぐらつかず、振動が発生しない。さらに、走行時等の振動でホースリール操作レバー17がぐらつきにくくなり、方向切換弁56内部のスプールが摩耗しにくくなる。このため、方向切換弁56の耐久性が向上する。
【0051】
そして、ターンテーブル6を旋回させて大ホースリール15をマンホール101に対峙させる。大ホースリール15の方向が決定すると、ターンテーブル6を固縛し、旋回しないようにする。
【0052】
次に、大ホース13の先端に取り付けられた洗浄ノズル33を下水管100内に配置する。具体的には、操作盤50に設けられた大小切換スイッチ18のレバー18aを左側に回動させて流路切換弁59をOFF状態とする。そして、操作盤50に設けられたホースリール操作レバー17を第1引張コイルバネ93の付勢力に抗して第1垂直部90b内で左方へ傾動させた後、下方向に傾動させる。これにより、方向切換弁56は、第1入状態に切り換えられ、供給管54と第1流通管57とが連通され、回収管55と第2流通管58とが連通される。
【0053】
このような状態で、アクセルレバー117を第2引張コイルバネ193の付勢力に抗して第2垂直部190b内で左方へ傾動させて上方に傾動させると油圧ポンプ41が増速する。すると、油圧ポンプ41により、オイルリザーバ53内の作動油は供給管54から第1流通管57に流れ込む。そして、第1流通管57から流路切換弁59を介して油圧配管81内に流れ込み、油圧配管81内を矢印の方向に流れる。これにより、第1油圧モータ51は回転駆動され、大ホースリール15は大ホース13が繰り出される方向に回動する。
【0054】
ホースリール操作レバー17の傾動角度により、第1流通管57に流れ込む作動油の流量が変化する。具体的には、ホースリール操作レバー17を下方向に倒す程、第1連通路83を流れる油の流量が増す。これにより、油圧配管81内を流れる作動油の速度が増し、第1油圧モータ51の回転速度が増す。また、アクセルレバー117をさらに上方に傾動させることにより、第1油圧モータ51の回転速度が増大する。したがって、ホースリール操作レバー17を下方向に傾動させる程、また、アクセルレバー117を上方に傾動させる程、大ホースリール15の回転速度が増し、大ホース13が高速で繰り出されるようになっている。このようにして、大ホース13を下水管100内に配置させる。
【0055】
上述のようにして、大ホース13を下水管100内に配置させた後、高圧水ポンプ12を駆動し、水タンク11内の洗浄水を洗浄ノズル33まで導いて噴射する。具体的には、高圧水ポンプ12を駆動すると、水タンク11内の洗浄水は、配管61を通じて高圧水ポンプ12に吸い込まれる。そして、高圧水ポンプ12から吐出された洗浄水は、圧力制御弁64、配管65を通過してマニホールド70に導かれる。ここで、開閉弁73を開放すると、マニホールド70内の洗浄水は配管72及び大ホースリール15を介して大ホース13に導かれる。そして、洗浄水は大ホース13の先端部に取り付けられた洗浄ノズル33から噴射される。
【0056】
ここで、洗浄ノズル33は、高圧の洗浄水を大ホース13の先端から斜め後方に向かって噴射する様に構成されている。そのため、洗浄水が噴射されると、洗浄ノズル33及び大ホース13には前向きの推進力が付与される。また、上述のとおり、第1油圧モータ51により、大ホースリール15は大ホース13を繰り出す方向に回転している。これにより、洗浄ノズル33は下水管100内で前進するようになっている。このようにして、洗浄水噴射の際、大ホース13は、第1油圧モータ51と洗浄水噴射による推進力により大ホースリール15から繰り出されていくようになっている。
【0057】
上述のようにして洗浄ノズル33は下水管100内を洗浄しつつ前進する。そして、洗浄ノズル33が所定位置まで達したところで、洗浄ノズル33から洗浄水を噴射させたまま、第1油圧モータ51を逆回転させる。
【0058】
具体的には、操作盤50に設けられたホースリール操作レバー17を図6の上方向に傾動させる。これにより、方向切換弁56は、第2入状態に切り換えられ、供給管54と第2流通管58とが連通され、回収管55と第1流通管57とが連通される。このような状態で、油圧ポンプ41により、オイルリザーバ53内の作動油は供給管54から第2流通管58に流れ込む。そして、第2流通管58から流路切換弁59を介して油圧配管81内に流れ込み、油圧配管81内を矢印の方向に流れる。これにより、第1油圧モータ51が逆回転し、大ホースリール15は大ホース13が巻き取られる方向に回動駆動される。
【0059】
ここで、第1油圧モータ51による駆動力は、洗浄ノズル33に付与される推進力よりも大きい。そのため、大ホース13は、推進力に抗して大ホースリール15に強制的に巻き取られる。
【0060】
ホースリール操作レバー17の傾動角度によって、第2流通管58に流れ込む作動油の流量は変化する。具体的には、ホースリール操作レバー17を上方向に倒す程、第2連通路84を流れる油の流量が増す。これにより、油圧配管81内を流れる作動油の速度が増し、第1油圧モータ51の回転速度が増す。また、アクセルレバー117を上方に傾動させることにより、第1油圧モータ51の回転速度が増大する。したがって、ホースリール操作レバー17を上方向に傾動させる程、また、アクセルレバー117を上方に傾動させる程、大ホースリール15の回転速度が増し、大ホース13が高速で巻き取られる。
【0061】
このようにして、洗浄ノズル33から洗浄水を噴射させたまま、洗浄ノズル33をマンホール101付近まで後退させていく。これにより、下水管100内の汚泥等は、高圧の洗浄水によって後方に押し流され、マンホール101近傍に集められるようになっている。
【0062】
そして、洗浄ノズル33をマンホール101下のかい所まで後退させた後、開閉弁73を閉じて洗浄水の噴射を停止する。これにより、洗浄ノズル33に付与される推進力がなくなる。なお、このとき、操作盤50に設けられたホースリール操作レバー17の位置はそのままとし、大ホース13が大ホースリール15に完全に巻き取られるまで第1油圧モータ51を逆回転させ続ける。
【0063】
上述のようにして、大ホース13の巻き取りが完了したら、ホースリール操作レバー17を中立位置に戻して大ホースリール15を停止させる。すると、ホースリール操作レバー17は、第1引張コイルバネ93により付勢されているので、自動的に第1垂直部90bの右端に復帰する。これにより、方向切換弁56は、切状態に切り換えられ、供給管54と第2流通管58との連通状態が解除される。そのため、第1油圧モータ51には作動油が供給されなくなり、第1油圧モータ51の回転が停止する。これに伴い、大ホースリール15の回動も停止するようになっている。
【0064】
それと前後してアクセルレバー117を下方へ傾動させることにより、アクセルレバー117を第2直線部190aの下端に移動させる。すると、アクセルレバー117は、常に第2引張コイルバネ193によって右方へ付勢されているので、アイドリング位置においては、第2垂直部190bの右端に保持される。
【0065】
《小ホースによる噴射》
まず、小ホース14の繰り出し作業を行う。操作盤50に設けられた大小切換スイッチ18のレバー18aを右側に回動させて流路切換弁59をON状態とする。そして、操作盤50に設けられたホースリール操作レバー17を下方向に傾動させる。これにより、方向切換弁56は、第1入状態に切り換えられ、供給管54と第1流通管57とが連通され、回収管55と第2流通管58とが連通される。
【0066】
このような状態で、油圧ポンプ41により、オイルリザーバ53内の作動油は供給管54から第1流通管57に流れ込む。そして、第1流通管57から流路切換弁59を介して油圧配管82内に流れ込み、油圧配管82内を矢印の方向に流れる。これにより、第2油圧モータ52は回転駆動され、小ホースリール16は小ホース14が繰り出される方向に回動する。このように、大小切換スイッチ18を切り換えることにより、1つのホースリール操作レバー17で大ホースリール15及び小ホースリール16の回転方向及び回転速度を制御可能となるので、部品点数が減って操作盤50がコンパクトとなっている。
【0067】
流量制御機構83aにより、ホースリール操作レバー17を下方向に倒す程、第1連通路83の開口面積は増加し、流量が増す。これにより、油圧配管82内を流れる作動油の速度が増し、第2油圧モータ52の回転速度が増すようになっている。また、アクセルレバー117を上方に傾動させることにより、第2油圧モータ52の回転速度が増大する。したがって、ホースリール操作レバー17を下方向に傾動させる程、また、アクセルレバー117を上方に傾動させる程、小ホースリール16の回転速度が増し、小ホース14が高速で繰り出されるようになっている。
【0068】
上述のようにして、小ホース14が必要長さだけ繰り出されたら、ホースリール操作レバー17を真ん中の中立位置に戻す。すると、ホースリール操作レバー17は、第1引張コイルバネ93により付勢されているので、自動的に第1垂直部90bの右端に傾動する。これにより、方向切換弁56は、切状態に切り換えられ、供給管54と第1流通管57との連通状態が解除される。そのため、第2油圧モータ52には作動油が供給されなくなり、第2油圧モータ52の回転が停止する。これに伴い、小ホースリール16の回動も停止する。
【0069】
次に、水回路内の高圧水ポンプ12により、水タンク11内の洗浄水を洗浄ガン35まで導き、噴射する。具体的には、水タンク11内の洗浄水は、配管61を通じて高圧水ポンプ12に吸い込まれる。そして、高圧水ポンプ12から吐出された洗浄水は、圧力制御弁64、配管65を通過してマニホールド70に導かれる。ここで、開閉弁76を開放すると、マニホールド70内の洗浄水は配管75及び小ホースリール16を介して小ホース14に導かれる。そして、洗浄水は小ホース14の先端部に取り付けられた洗浄ガン35から噴射される。
【0070】
洗浄終了後、小ホース14の巻き取り作業を行う。操作盤50に設けられた大小切換スイッチ18のレバー18aを右側に回動させたままとし、流路切換弁59をON状態に保つ。そして、操作盤50に設けられたホースリール操作レバー17を上方向に傾動させる。これにより、方向切換弁56は、第2入状態に切り換えられ、供給管54と第2流通管58とが連通され、回収管55と第1流通管57とが連通される。
【0071】
このような状態で、油圧ポンプ41を始動すると、油圧ポンプ41により、オイルリザーバ53内の作動油は供給管54から第2流通管58に流れ込む。そして、第2流通管58から流路切換弁59を介して油圧配管82内に流れ込み、油圧配管82内を矢印の方向に流れる。これにより、第2油圧モータ52は回転駆動され、小ホースリール16は小ホース14が巻き取られる方向に回動する。
【0072】
流量制御機構84aにより、ホースリール操作レバー17を上方向に倒す程、第2連通路84の開口面積は増加し、流量が増す。これにより、油圧配管82内を流れる作動油の速度が増し、第2油圧モータ52の回転速度が増すようになっている。また、アクセルレバー117を上方に傾動させることにより、第2油圧モータ52の回転速度が増大する。したがって、ホースリール操作レバー17を上方向に傾動させる程、また、アクセルレバー117を上方に傾動させる程、小ホースリール16の回転速度が増し、小ホース14が高速で巻き取られるようになっている。
【0073】
上述のようにして、小ホース14の巻き取りが完了したら、ホースリール操作レバー17を中立位置に戻して小ホースリール16を停止させる。すると、ホースリール操作レバー17は、第1引張コイルバネ93により付勢されているので、自動的に第1垂直部90bの右端に傾動する。これにより、方向切換弁56は、切状態に切り換えられ、供給管54と第2流通管58との連通状態が解除される。そのため、第2油圧モータ52には作動油が供給されなくなり、第2油圧モータ52の回転が停止する。これに伴い、小ホースリール16の回動も停止する。
【0074】
それと前後してアクセルレバー117を下方へ傾動させることにより、アクセルレバー117を第2直線部190aの下端に移動させる。すると、アクセルレバー117は、常に第2引張コイルバネ193によって右方へ付勢されているので、アイドリング位置においては、第2垂直部190bの右端に保持される。
【0075】
以上説明したように、本発明によれば、ホースリール操作レバー17を第1引張コイルバネ93によって操作盤表面50aの第1ガイド孔90の第1直線部90aから離れる方向に付勢することにより、簡単な構成で操作性を悪化させることなく、ホースリール操作レバー17の誤動作を防止することができる。
【0076】
また、ホースリール操作レバー17は、第1引張コイルバネ93によって第1ガイド孔90の第1垂直部90bの右端に保持されるので、走行時等の振動でホースリール操作レバー17がぐらつきにくくなり、方向切換弁56内部のスプールが摩耗しにくくなる。このため、方向切換弁56の耐久性を格段に向上させることができる。
【0077】
また、第2引張コイルバネ193により、アクセルレバー117をアイドリングに戻したときに、自動的にアクセルレバー117が第2垂直部190bの右端に戻り、また、アイドリング位置において第2垂直部190bの右端に保持されるので、アクセルレバーの誤動作を確実に防止することができる。
【0078】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0079】
すなわち、上記実施形態では、特にホースリール操作レバー17と第1ガイド孔90とが接触する部分、及びアクセルレバー117と第2ガイド孔190と接触する部分のいずれにも摩耗対策を講じていないが、例えば詳細は図示しないが、ホースリール操作レバー17のロッド部17bの第1ガイド孔90と接触する部分やアクセルレバー117のロッド部117bの第2ガイド孔190と接触する部分に、樹脂製の緩衝材(例えば、中空のカラー)を設けてもよい。又は、第1及び第2ガイド孔90,190を樹脂製の緩衝材としてのプレートで覆ってもよい。これにより、ホースリール操作レバー17及びアクセルレバー117は、常に右方向に付勢されているが、レバー17,117とガイド孔90,190とが接触する部分に樹脂製の緩衝材が設けられるので、レバー17,117とガイド孔90,190との摩耗が防止され、中立(アイドリング)位置においても振動の発生が防止される。
【0080】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0081】
また、第1及び第2ガイド孔90,190の形状は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、第1ガイド孔90の第1垂直部90bは、左方に延びてもよい。また、第1直線部90aが水平に延び、第1垂直部90bが下方に延びてもよい。さらに、第2ガイド孔190において、第2垂直部190bが左方に延びてもよく、第2直線部190aが水平に延びて第2垂直部190bが下方に延びてもよい。いずれの場合にも、第1又は第2引張コイルバネ93,193によって各レバー17,117を第1又は第2直線部90a,190aと反対側へ付勢するようにすればよい。
【符号の説明】
【0082】
1 高圧洗浄車
11 水タンク
12 高圧水ポンプ
13 大ホース(第1ホース)
14 小ホース(第2ホース)
15 大ホースリール(第1ホースリール)
16 小ホースリール(第2ホースリール)
17 ホースリール操作レバー
33 洗浄ノズル(第1噴射装置)
35 洗浄ガン(第2噴射装置)
50 操作盤
50a 操作盤表面
51 第1油圧モータ
52 第2油圧モータ
56 方向切換弁
70 マニホールド(分岐路)
83a,84a 流量制御機構
85 第1放水路
86 第2放水路
90 第1ガイド孔(ガイド孔)
90a 第1直線部(直線部)
90b 第1垂直部(垂直部)
92 操作ロッド
93 第1引張コイルバネ(弾性部材)
117 アクセルレバー
190 第2ガイド孔
190a 第2直線部
190b 第2垂直部
193 第2引張コイルバネ(第2弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を貯留する水タンクと、
上記洗浄水を圧送する高圧水ポンプと、
一端が上記高圧水ポンプの吐出側に接続された吐出流路と、
上記吐出流路の他端に接続され、他端に第1ホースが接続された第1放水路と、
上記第1ホースの先端に接続されて上記洗浄水を噴射する第1噴射装置と、
上記第1ホースが巻き付けられる第1ホースリールと、
上記第1ホースリールを回転駆動する第1油圧モータとを備えた高圧洗浄車であって、
上記第1油圧モータは、流量制御機構を備えた方向切換弁に接続され、該方向切換弁に接続されたホースリール操作レバーを操作することで、回転方向及び回転速度を制御可能に構成され、
上記ホースリール操作レバーは、直線部と、該直線部の中間の中立位置に連続して該直線部に垂直な垂直部とを有する操作盤表面のガイド孔内に配置され、弾性部材によって該垂直部に沿って上記直線部から離れる方向へ付勢されている
ことを特徴とする高圧洗浄車。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧洗浄車において、
上記ホースリール操作レバーは、スロットルブラケットのボス部に回動可能に支持されることで、上記垂直部内を傾動可能に構成され、
上記方向切換弁は、ロータリ形切換弁であり、上記ホースリール操作レバーは、該方向切換弁のスプールに上記スロットルブラケットを介して結合され、上記直線部内で傾動することにより、該方向切換弁の方向を切り換えると共に、流量調整可能に構成されている
ことを特徴とする高圧洗浄車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の高圧洗浄車において、
上記吐出流路の他端が接続され、二股に分かれた一端に上記第1放水路が接続された分岐路と、
上記分岐路の他端に接続され、先端に第2ホースが接続された第2放水路と、
上記第2ホースの先端に接続されて上記洗浄水を噴射する第2噴射装置と、
上記第2ホースが巻き付けられる第2ホースリールと、
上記第2ホースリールを回転駆動する第2油圧モータとを備え、
上記方向切換弁は、上記第2油圧モータの回転方向及び回転速度を制御可能に構成されている
ことを特徴とする高圧洗浄車。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の高圧洗浄車において、
上記操作盤には、上記第1油圧モータ及び第2油圧モータの駆動源となるエンジンの回転数を制御すると共に高圧水の噴射水量を調整するアクセルレバーが設けられ、
上記アクセルレバーは、上記操作盤表面に形成された第2直線部と、該第2直線部の一端に連続して該第2直線部に垂直な第2垂直部とを有する第2ガイド孔内に配置され、第2弾性部材によって該第2垂直部に沿って上記第2直線部から離れる方向へ付勢されている
ことを特徴とする高圧洗浄車。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の高圧洗浄車において、
上記ホースリール操作レバーと上記ガイド孔とが接触する部分、及び上記アクセルレバーと第2ガイド孔と接触する部分の少なくとも一方には、樹脂製の緩衝材が設けられている
ことを特徴とする高圧洗浄車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−74648(P2011−74648A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226745(P2009−226745)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】