説明

高強靭鋼製のフラット鋼生成物の溶融浸漬コーティング方法

本発明は、種々の合金成分(特に、Mn、Al、Si及び/又はCr)を含む鋼製の高強靭鋼フラット鋼生成物を保護金属層でコーティングする方法であって、前記方法によって、前記フラット鋼生成物を最初に熱処理して、次に、前記フラット鋼生成物が加熱された状態で、亜鉛及び/又はアルミニウム少なくとも85%の溶融浴中で保護金属層をコーティングする前記方法に関する。本発明によると、熱処理は、以下の処理工程:
a)H含有量少なくとも2%〜8%を有する還元雰囲気中で、前記フラット鋼生成物を750℃より高く850℃までの温度まで加熱する工程;
b)O含有量が0.01%〜1%である酸化雰囲気を有し、そして、連続炉へ一体化している反応室中で、前記フラット鋼生成物に、750℃より高く850℃までの温度で、1〜10秒続く熱処理を行うことによって、その大部分が純鉄をからなる表面を、酸化鉄層へ変化させる工程;
c)次に、先に形成された酸化鉄層を少なくともその表面上で純鉄へ還元させるように、酸化鉄層の形成(工程b)のために実施される熱処理の時間よりも非常に長い時間にわたって、前記フラット鋼生成物を最大900℃まで加熱することによって、H含有量2%〜8%を有する還元雰囲気中で、前記フラット鋼生成物を焼鈍する工程;そして
d)次に、前記フラット鋼生成物を溶融浴温度まで冷却する工程;
を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、種々の合金成分(特に、Mn、Al、Si及び/又はCr)を含む高強靭鋼(hoeherfester Stahl)製のフラット鋼生成物(Stahlflachprodukt;例えば、鋼ストリップ又は鋼板)を金属コーティングでコーティングする方法であって、
ここで、前記フラット鋼生成物は、最初に熱処理を施され、次に、加熱された状態で、亜鉛及び/又はアルミニウムを全体で少なくとも85%含む溶融浴(Schmelzenbad)中に、金属コーティングでどぶ漬けコーティングされるものとする、前記方法に関する。
【0002】
自動車車体構造において、防食のために表面処理される鋼製の熱間圧延シート又は冷間圧延シートが使用される。これらのシートについての需要は、極めて多様である。前記シートは、一方で容易に成形できることが好ましく、他方では、高い強度であることが好ましい。高い強度は、特定の合金成分(例えば、Mn、Si、Al、及びCr)を鉄に加えることによって達成される。
【0003】
高強靭鋼の特性プロフィールを最適化するために、通常、溶融浴中に亜鉛及び/又はアルミニウムでコーティングする直前でシートを焼鈍する。前記の合金成分をほんの少しの割合で含む鋼ストリップのどぶ漬けコーティングには問題が生じないが、合金を高い割合で含む鋼板を通常の方法を使用してどぶ漬けコーティングすることは困難である。従って、例えば、コーティングが個々の鋼板へ不完全に接着する領域、又は、完全にコーティングされていない領域が生じる。
【0004】
先行技術では、これらの困難を回避するための多くの試みがなされた。しかしながら、前記問題に対する最適な解決は、まだ達成されていないようである。
【0005】
鋼ストリップを亜鉛でどぶ漬けコーティングする公知の方法では、コーティングされるべきストリップを直接加熱した予熱器(DFF=直火式加熱炉)へ通過させる。使用されるガスバーナーで、ガス−空気混合物を変化させることにより、ストリップを包囲する雰囲気中で、酸化電位(Oxidationspotential)における増加を生み出すことができる。増加した酸化電位によって、ストリップ表面の鉄が酸化する。このように形成される酸化鉄層を、次に炉ストレッチ(Ofenstreck)中で還元させる。前記ストリップ表面上の酸化物層の厚さの特定の調節は、非常に困難である。低いストリップ速度よりも高いストリップ速度でより薄くなる。その結果、還元雰囲気中でストリップ表面の明確に規定された条件を達成することができない。このことは、次に、ストリップ表面に対するコーティングの接着性問題を生じさせる。
【0006】
RTF予熱器(RTF=輻射管式加熱炉)を有する現代のどぶ漬けコーティングラインでは、前述の公知システムとは反対に、ガス加熱式(gasbeheizt)バーナーを使用しない。従って、ガス−空気混合物の変化による鉄の予備酸化を実施することができない。これらのシステムでは、むしろ、ストリップの完全焼鈍処理を不活性ガス雰囲気中で実施する。しかしながら、高い合金成分の割合を有する鋼製のストリップの前記焼鈍処理では、これらの合金成分が、拡散された酸化物(この場合、これを還元させることはできない)をストリップ表面上で形成させてしまう。これらの酸化物によって、溶融浴中の亜鉛及び/又はアルミニウムでの完璧なコーティングが阻止される。
【0007】
特許文献においても、鋼ストリップを種々のコーティング材料でどぶ漬けコーティングする種々の方法が記載されている。
【0008】
例えば、鋼ストリップをアルミニウムで連続どぶ漬けコーティングすることがDE68912243T2から公知であり、ここでは、ストリップを連続炉中で加熱する。最初のゾーン中で、表面不純物が除去される。このために、炉の雰囲気は非常に高い温度を有している。しかしながら、ストリップが前記ゾーンを非常に速い速度で通過するので、雰囲気温度の約半分までしか加熱されない。次の第2ゾーン(不活性ガス下にある)では、ストリップをコーティング材料アルミニウムの温度まで加熱する。
【0009】
更に、クロムを含有する合金化された鋼ストリップの2段階どぶ漬けコーティング方法がDE69507977T2から公知である。前記方法によると、ストリップを第一段階で焼鈍して、ストリップ表面上の鉄濃縮物(Eisenanreicherung)を得る。前記ストリップを、次に、コーティング金属の温度まで非酸化雰囲気中で加熱する。
【0010】
JP02285057Aからは、多段階方法で鋼ストリップを亜鉛コーティングする基本原理が公知である。このために、予備洗浄されたストリップを約820℃の温度で非酸化雰囲気中に処理する。次に、ストリップが、還元雰囲気中でその表面上を還元される前に、前記ストリップを弱い酸化雰囲気中に約400℃〜700℃で処理する。約420℃〜500℃まで冷却されるストリップを、次に、通常の方法でガルバナイジングする。
【0011】
本発明は、高強靭鋼製のフラット鋼生成物を亜鉛及び/又はアルミニウムでどぶ漬けコーティングする方法であって、最適に改良(veredelt)された表面を有する鋼ストリップをRTFシステム中で製造する前記方法を提供する目的に基づく。
【0012】
前記目的は、本明細書の前提部に記載のタイプの方法を出発点として、どぶ漬けコーティング前の熱処理の過程において、本発明による以下の方法工程:
(a)H含有量少なくとも2%〜8%を有する還元雰囲気中で、ストリップを750℃より高く850℃までの温度まで加熱する工程;
(b)O含有量が0.01%〜1%である酸化雰囲気を有し、そして、連続炉へ一体化している反応室中で、前記ストリップに、750℃より高く850℃までの温度で、1〜10秒続く熱処理を行うことによって、その大部分が純鉄からなる表面を、酸化鉄層へ変化させる工程;
(c)次に、先に形成された酸化鉄層を少なくともその表面上で純鉄へ還元させるように、酸化鉄層の形成(工程b)のために実施される熱処理の時間よりも非常に長い時間にわたって、前記フラット鋼生成物を最大900℃まで加熱することによって、H含有量2%〜8%を有する還元雰囲気中で、前記フラット鋼生成物を焼鈍する工程;そして
(d)次に、前記フラット鋼生成物を溶融浴温度まで冷却する工程;
を実施することによって達成される。
【0013】
工程aでの本発明による温度ガイダンス(Temperaturfuehrung)によって、加熱の間で、実質的な合金成分がフラット鋼生成物の表面へ拡散するというリスクが防止される。驚くべきことに、750℃より高く最大850℃まで及ぶ比較的高い温度に設定することによって、合金成分の表面への拡散を、有効な酸化鉄層が次の工程で形成できる程度まで、特に効果的に抑制することが分かった。前記酸化鉄層によって、更なる合金成分が、次の更に高い焼鈍温度で表面へ拡散することを防止する。従って、還元雰囲気中の焼鈍処理間で純鉄層が生じることができ、前記純鉄層は、亜鉛及び/又はアルミニウムコーティングを全面で(vollflaechig)しっかりと接着するのに適当である。
【0014】
酸化雰囲気中でつくられ、完全に純鉄まで還元される酸化鉄層によって、作業結果を最適化することができる。この状態で、コーティングは、成形性及び強度に関して最適な特性を有する。
【0015】
本発明の或る実施態様によると、ストレッチ上のフラット鋼生成物を酸化雰囲気によって処理する間に、形成される酸化物層の厚さを測定し、そして、前記厚さと、フラット鋼生成物の通過速度に左右される処理時間とに応じて、O含有量を調節して酸化物層を完全に還元させる。この場合、どぶ漬けコーティングされたフラット鋼生成物の表面品質に対する任意の不利点なしで、フラット鋼生成物の通過速度における変化(例えば、機能停止による)を考慮することができる。
【0016】
厚さ最大300ナノメーターの酸化物層が製造される場合に、前記方法の実施での良好な結果が達成された。
【0017】
本発明方法の工程aでの加熱が可能な限り素早く実施される場合にも、フラット鋼生成物の表面への合金成分の拡散を防止することができる。フラット鋼生成物の酸化の上流の加熱継続時間(Dauer)が、750℃より高く850℃までで、最大300秒(特に、最大250℃)に制限される場合に、特に良好な作業結果が得られる。
【0018】
従って、本発明によると、フラット鋼生成物の酸化の上流での加熱の加熱速度が、少なくとも2.4℃/秒(特に、2.4〜4.0℃/秒の範囲内)に達する場合が有利である。
【0019】
反対に、フラット鋼生成物の酸化の下流の、その後の冷却を伴う加熱処理は、30秒(特に、50秒)よりも長く持続させることが好ましく、それによって、形成された前記酸化鉄層の純鉄への確実で適当な還元が保証される。
【0020】
合金成分として、高強靭鋼は、以下の合金成分:
Mn>0.5%、Al>0.2%、Si>0.1%、Cr>0.3%
からの選択を少なくとも含むことができる。追加の成分、例えば、Mo、Ni、V、Ti、Nb及びPを含むこともできる。
【0021】
本発明の方法ガイダンスでは、加熱の間とその後の焼鈍の間の両方での、フラット鋼生成物の還元雰囲気中の熱処理を、酸化雰囲気中の熱処理の何倍よりも長く持続させる。この場合、酸化雰囲気の容量が、残りの還元雰囲気の容量と比較すると非常に小さいという状況が達成される。これは、処理工程における変化(特に、通過速度及び酸化物層の形成)に対して、反応を非常に速く生じさせるという利点を有する。従って、実際には、フラット鋼生成物の還元雰囲気中での本発明による熱処理を、酸化雰囲気を含むチャンバーを備えている連続炉中で実施することができ、ここで、前記チャンバーの容量は、連続炉の残りの容量よりも何倍も小さいことができる。
【0022】
本発明の方法は、どぶ漬けガルバナイジング用に特に適当である。しかしながら、溶融浴は、亜鉛アルミニウム又はシリコン添加剤を有するアルミニウムからなることもできる。どのメルト組成物が選択されるかにかかわらず、亜鉛及び/又はアルミニウム含有量は、メルト中に合計でそれぞれ少なくとも85%に達することが好ましい。このような方法で構成されるメルトは、例えば:
Z: 99%Zn
ZA: 95%Zn + 5%Al
AZ: 55%Al + 43.4%Zn + 1.6%Si
AS: 89〜92%Al + 8〜11%Si
である。
【0023】
純粋な亜鉛コーティング(Z)の場合には、これを熱処理(拡散焼鈍)によって、成形可能な亜鉛−鉄層(ガルバアニーリングされたコーティング)へ変換させることができる。
【0024】
実施例を表す図面に基づいて、本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】連続炉5と溶融浴7とを有するガルバナイジングシステムの概略図を示す図である。更に、図中に記入されているのは、通過時間にわたる連続炉の温度曲線である。
【0026】
前記ガルバナイジングシステムは、熱間圧延鋼ストリップ又は冷間圧延鋼ストリップの形態にあるフラット鋼生成物の通過におけるコーティングを対象としている。前記フラット鋼生成物は、Mn、Al、Si、及びCrからなる群からの少なくとも1つの合金元素と、場合により、特定の特性を調節するための追加の合金元素とを含む高強靭鋼から製造される。前記鋼は、特にTRIP鋼であることができる。
【0027】
鋼ストリップ1をコイル2から引抜き、そして、表面洗浄のためのピックラー3及び/又はその他のシステム4へ通過させる。
【0028】
次に、洗浄されたストリップ1を連続運転順序中に連続炉5へ通過させて、そこからノズルエレメント6(周囲雰囲気に対して密封されている)を介してどぶ漬け浴7へ導く。この場合、どぶ漬け浴7は、亜鉛メルトにより形成される。
【0029】
どぶ漬け浴7から出てくる、亜鉛コーティングを提供された鋼ストリップ1が、冷却ストレッチ8又は熱処理用のデバイスを通って、巻き取りステーション9(ここで、鋼ストリップを巻き取り、コイルを形成する)へ到達する。
【0030】
必要な場合には、鋼ストリップ1を蛇行態様で連続炉5へ通過させて、実施可能な制限内に保たれる連続炉5の長さによって、十分に長い処理時間を達成する。
【0031】
RTF式(RTF=輻射管式加熱炉)の連続炉5は、3つのゾーン5a、5b、5cへ分割される。真ん中のゾーン5bは反応室を形成しており、最初のゾーン5aと最後のゾーン5cに対して雰囲気的に密閉される。その長さは、連続炉5の全体の長さの約100分の1だけに相当する。よりよい表現のために、図面は原寸に比例しない。
【0032】
ゾーンの種々の長さに応じて、通過するストリップ1の処理時間も個々のゾーン5a、5b、5cで異なる。
【0033】
最初のゾーン5aでは、還元雰囲気が広がっている。前記雰囲気の通常の組成は、2%〜8%のH(通常、5%H)と残余Nとからなる。
【0034】
連続炉1のゾーン5aでは、前記ストリップを750℃より高く850℃までの温度(通常、800℃)まで加熱する。この状況において、加熱速度少なくとも3.5℃/秒で加熱を実施する。前記温度及び加熱速度で、鋼ストリップ1中に含まれる合金成分をごく少量だけその表面へ拡散させる。
【0035】
連続炉5の真ん中のゾーン5bでは、最初のゾーン5a中に達成される温度で鋼ストリップ1を本質的に保持する。しかしながら、前記ゾーン5bの雰囲気は酸素を含むので、鋼ストリップ1の表面の酸化が生じる。前記ゾーン5b中に広がっている雰囲気のO含有量は、0.01%〜1%の間(通常、0.5%)にある。この場合に、前記ゾーン5b中に広がっている雰囲気の酸素含有量を、例えば、処理時間と鋼ストリップ1上で形成されるべき酸化物層の厚さとによって調節する。例えば、処理時間が短い場合には高いO含有量を設定し、それに対して、例えば、処理時間が長い場合には低い酸素含有量を選択して、同じ厚さの酸化物層をつくることができる。
【0036】
鋼ストリップ1の表面が酸素含有雰囲気にさらされるという事実の結果として、所望の酸化鉄層がストリップ表面上で形成される。前記酸化鉄層の厚さを視覚的に測定することができ、ここで、測定の結果を利用して、前記ゾーン5bの個々の酸素含有量を調節する。
【0037】
炉全体の長さと比較すると、真ん中のゾーン5bは非常に短いため、チャンバー容量も相当して小さい。従って、雰囲気の組成における変化のための時間も短いので、前記ゾーン5b中に広がっている雰囲気の酸素含有量の相当する調整によって、ストリップ速度における変化と、参照値から外れた酸化物層の厚さとに対して、反応を素早く達成させることができる。従って、前記ゾーン5bの小さい容量によって、調整時間を短くすることができる。
【0038】
連続炉5のゾーン5bの次に続いているゾーン5cでは、鋼ストリップ1を焼鈍温度約900℃まで加熱する。前記ゾーン5c中で実施される焼鈍は、還元窒素雰囲気(H含有量5%を有する)中に行う。前記焼鈍処理の間で、酸化鉄層は、一方で、合金成分がストリップ表面へ拡散することを防止する。焼鈍を還元雰囲気中で実施するので、酸化鉄層は、他方で、純鉄層へ変換される。
【0039】
鋼ストリップ1をどぶ漬け浴7の方向にある追加パス上で更に冷却するので、連続炉5を離れる際に、前記鋼ストリップ1は約480℃の温度(これは、どぶ漬け浴7の温度よりも10%まで高い温度である)を有している。連続炉5を離れた後にストリップ1は、その表面が純鉄からなるので、どぶ漬け浴7中で付与される亜鉛層の堅固な接着結合用の最適な土台を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の合金成分(特に、Mn、Al、Si及び/又はCr)を含む高強靭鋼から製造されるフラット鋼生成物を金属コーティングでコーティングする方法であって、
ここで、前記フラット鋼生成物は、最初に熱処理を施され、次に、加熱された状態で、亜鉛及び/又はアルミニウムを全体で少なくとも85%含む溶融浴中に、金属コーティングでどぶ漬けコーティングされるものとし、
前記方法において、熱処理が、以下の方法工程:
(a)H含有量少なくとも2%〜8%を有する還元雰囲気中で、前記フラット鋼生成物を750℃より高く850℃までの温度まで加熱する工程;
(b)O含有量が0.01%〜1%である酸化雰囲気を有し、そして、連続炉へ一体化している反応室中で、前記フラット鋼生成物に、750℃より高く850℃までの温度で、1〜10秒続く熱処理を行うことによって、その大部分が純鉄からなる表面を、酸化鉄層へ変化させる工程;
(c)次に、先に形成された酸化鉄層を少なくともその表面上で純鉄へ還元させるように、酸化鉄層の形成(工程b)のために実施される熱処理の時間よりも非常に長い時間にわたって、前記フラット鋼生成物を最大900℃まで加熱することによって、H含有量2%〜8%を有する還元雰囲気中で、前記フラット鋼生成物を焼鈍する工程;そして
(d)次に、前記フラット鋼生成物を溶融浴温度まで冷却する工程;
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
製造される酸化鉄層を、完全に純鉄へ還元させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ストレッチ上のフラット鋼生成物を酸化雰囲気によって処理する間に、形成される酸化物層の厚さを測定し、そして、前記厚さと、前記フラット鋼生成物の通過速度に左右される処理時間とに応じて、O含有量を調節して前記酸化物層を完全に還元させることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
酸化物層が最大300nmの厚さに製造されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
フラット鋼生成物の酸化の上流の、750℃より高く850℃までの加熱を、最大300秒間継続させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
フラット鋼生成物の酸化の下流の、その後の冷却を伴う追加の熱処理を、30秒よりも長く継続させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
高強靭鋼が、以下の合金成分:
Mn>0.5%、Al>0.2%、Si>0.1%、Cr>0.3%、
からの選択を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
フラット鋼生成物の還元雰囲気中での熱処理を、酸化雰囲気を有する統合されたチャンバーを備えている連続炉中において実施することを特徴とし、ここで、前記チャンバーの容量は、連続炉の残りの容量の何倍も少ないこととする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
どぶ漬けガルバナイジング後にフラット鋼生成物を熱処理することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
フラット鋼生成物の酸化の上流の加熱の間に、加熱速度が少なくとも2.4℃/秒に達することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
加熱速度が、2.4〜4.0℃/秒に達することを特徴とする、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−534537(P2009−534537A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506924(P2009−506924)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061858
【国際公開番号】WO2007/124781
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(500169782)ティッセンクルップ スチール アクチェンゲゼルシャフト (45)
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Steel AG
【Fターム(参考)】