説明

高持続性光沢化粧品組成物

耐移り性の単相水性化粧品組成物が提供される。この組成物は、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマーおよび水溶性エステルを含有する。この組成物は、皮膚上で乾くと耐水性かつ耐油性になり、高光沢性、高持続性および耐移り性の特性を示す。顔料を含有する組成物は、高い色強度も示す。この組成物は、アイライナー、マスカラ、リップグロス、リップライナー、および他の化粧品として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、唇および瞼などの皮膚、ならびに睫毛に適用するための化粧品組成物に関する。本発明はまた、皮膚または睫毛に適用された後に乾燥すると、優れた耐水性および耐油性ならびに高持続性(long wear)の特性を示し、衣類その他の表面に容易に移転しない、化粧品組成物にも関する。本発明はまた、実質的に油を含まないにも関わらず高い光沢性および色強度を示す化粧品組成物にも関する。本発明はさらに、エマルション製剤を安定させるために一般的に必要とされる、乳化剤または界面活性剤を必要としない水性化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
鮮明な色、光沢および高持続性は、メークアップ化粧品、特にアイライナーおよびリップグロスに望ましい特性である。
【0003】
アイライナーは、特に望ましい美容製品である。アイライナーは、強く着色され、光沢があることが好ましい。強く着色されたブラックアイライナーを達成するため、例えば、多数の従来技術の組成物では、カーボンブラックが用いられる。しかし、カーボンブラックの使用は、化粧品の光沢が望ましいレベルに満たないという結果をもたらす。アクリレートポリマーおよび/またはコポリマーを含有する、他の典型的なアイライナー処方におけるブラック酸化鉄の使用は、ほとんどの場合、ポリマーが白く不透明であるため、望ましいレベルの色強度に満たない製品をもたらす。ポリマーが乾くと被膜はつや消しとなり、または金属的もしくはプラスチック的な光沢を示すが、通常、これは消費者にとって望ましいものではない。
【0004】
しかし、水溶性可塑剤を水溶性ポリマーと組み合わせて用いることで、透明なマトリクスまたは基剤が得られ、乾燥後に油状の光沢を有する被膜を形成する。この高光沢性が着色剤含有組成物の色合いを強め、鮮やかで深い色をもたらす。
【0005】
油および発汗または涙にふれたときに、にじみ、落ちおよび/または退色に耐える高持続性製品も、消費者に好まれるだろう。本発明は、耐移り性であり、また耐水性かつ耐油性の、高持続性被膜を提供する。
【0006】
非移転性アクリレートポリマー含有化粧品組成物は、典型的には、油、界面活性剤、および/もしくは乳化剤を含有するエマルション、または揮発性成分(例えば、油またはアルコール)を含有する無水製剤の形態で提供されている。それでもなお、使用者の皮膚、例えば唇を刺激しまたは乾燥させる可能性のある乳化剤、界面活性剤、油およびアルコールを含まない製品がさらに望まれるようになっている。
【0007】
さらに、固形顔料を分散させるために、界面活性剤および/または湿潤剤が化粧品組成物において一般的に用いられている。このような薬剤は、これらの化学的性質により吸湿する傾向がある。従って、組成物が適用されて乾いた後に形成された被膜の完全性が損なわれる可能性がある。しかし、表題の発明の組成物において、顔料、特に金属酸化物は、水溶性可塑剤とアクリレートコポリマーとの独特な組み合わせにより、分散剤または界面活性剤なしで水溶液系に容易に分散する。水溶性成分と相互作用する顔料は超微粒子を形成し、形成された被膜の滑度を増大させる。被覆率はカーボンブラックを使用した組成物と同程度に高いが、露を帯びたような見た目のアイライナーが提供され、これは消費者に非常に好まれる。本発明の組成物の、耐水性および耐油性の特性は、この組成物の耐移り性を高める。
【発明の開示】
【0008】
本発明により調製されるリップライナーおよびリップグロスは、光沢があり、鮮やかに着色されている。さらに、製造されたリップライナー製品の耐水性および耐油性ならびに耐移り性(transfer-resistant)の特性は、使用者が唇の見た目の大きさを大きくしたり小さくしたりすることを可能とし、この特性も消費者に非常に望まれている。
【0009】
発明の概要
本発明は、真に水溶性であるが、驚くべきことに唇および瞼などの皮膚上、また睫毛上で乾くと耐水性および耐移り性を示す、アクリレートコポリマーを含有する化粧品組成物に関する。本発明の組成物は、水性溶媒中に、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマーと水溶性可塑剤とを含む。本発明の組成物は、実質的に油を含まないにもかかわらず、高い光沢および色強度を示す。本発明の水性組成物は、二相製剤の安定性を維持するために用いられる界面活性剤と乳化剤を必要としない。本発明の組成物はまた、耐水性かつ/または耐油性でもある。
【0010】
本発明はまた、実質的に油を含まない水性溶媒中で、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマーと水溶性可塑剤とを組み合わせることにより、化粧品組成物の耐移り性、光沢および/または色強度を高める方法にも関する。
【0011】
本発明はまた、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマーおよび水溶性可塑剤ならびに顔料を含有する耐移り性単相水性の組成物を含むリップライニング組成物(好ましくは、この組成物は自然なリップカラーの組成物である)を用意するステップ、
例えばリップライニングブラシを用いて、リップラインの直ぐ外側または直ぐ内側に上記の組成物を引くステップ;
上記の製品を乾かすステップ;および
上記の引かれた線の内側に、該所望の色合い(shade)を塗るステップ、
を含んでなる、リップラインを再定義する方法にも関する。場合により、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー、水溶性可塑剤、および場合により顔料を含有する耐移り性単相水性の組成物を含むリップグロスを、所望の色合いの上に塗布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明の新規な化粧品組成物は、水溶性、被膜形成性のアクリレートコポリマー、水溶性可塑剤、および場合により顔料を含有する単相水性製剤である。「単相」という用語により、上記の組成物が、不均質な油中水型または水中油型のエマルション形態というよりはむしろ、安定な均質形態であることが意図される。上記の被膜形成性アクリレートコポリマーと可塑剤は、上記の単相中で可溶化する。顔料は、含まれるとすれば、十分に小さな粒子で液体全体に分散し、上記の組成物中で安定した状態を保つ。上記のコポリマーは、一旦乾くと、水溶性でも油溶性でもなくなる。水性溶媒中の、被膜形成性水溶性アクリレートコポリマーと水溶性可塑剤との独特の組み合わせは、唇などの皮膚上で乾くと、高い色強度、高い光沢および優れた高持続性、耐移り性の特性を示す製品をもたらす。
【0013】
本発明の組成物は、実質的に疎水性の油を含まず(含まれる場合は、0.2重量パーセント未満)、二相(エマルション)組成物を安定させるために用いられる界面活性剤および乳化剤を必要としない。典型的な疎水性油としては、例えば、米国特許第5,843,407号および第6,780,422号に開示される油が挙げられ、その開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれ、また"International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 第12版, 2004"に開示される油が挙げられ、これらも参照により本明細書に組み込まれるものとする。油は、常温で液体の有機物質である。これらは、エステル、トリグリセリド、炭化水素およびシリコーンである。
【0014】
乳化剤および界面活性剤は、化粧用エマルションにおける使用に一般的に必要とされる。化粧用エマルションは通常、不混和性の水相と油相とを含み、水相および油相の一方を他方の相に分散させる。典型的な乳化剤および界面活性剤は、"McCutcheon's, Vol. 1: Emulsifiers and Detergents, North American Edition, 2004"に開示されており、その開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。化粧品組成物に乳化剤および/または界面活性剤が含まれ、例えば瞼に適用される場合、組成物が乾いたときに形成される化粧被膜は、まだ水(例えば、汗)および油(皮脂)と結合することが可能であり、これにより可溶化されるようになり、結果としてにじみおよび持続性の低下をもたらす。エマルション組成物とは対照的に、本発明の組成物は疎水性の油を含まず;このため製剤を安定させるための乳化剤および界面活性剤を必要としない。本発明の単相水性組成物は、真に水溶性、被膜形成性のコポリマーを含み、例えば、瞼の皮膚に適用される場合には、乾燥後、水にも油にも容易に可溶化せず、このため高持続性、耐にじみ性および耐移り性となる。本発明の水性組成物中に含まれる場合、乳化剤または界面活性剤の特性を示す任意の物質は、12未満の親水性・親油性バランス(HLB)を有するだろう。
【0015】
好ましくは、本発明の水溶性アクリレートコポリマーは、本発明の組成物中に、全組成物の約1〜約95パーセントの範囲内の量で、さらに好ましくは約5〜約70パーセントの量で、また極めてさらに好ましくは約10〜約30重量パーセントの量で含まれる。
【0016】
本発明の水溶性可塑剤は、本発明の組成物中に、好ましくは全組成物の約1〜約60パーセントの範囲内の量で、またさらに好ましくは約2〜約20重量パーセントの量で含まれる。
【0017】
本発明の組成物における、上記アクリレートコポリマーの、上記水溶性可塑剤に対する比は、約 1:1よりも大きく、好ましくは約2:1〜20:1であり、またさらに好ましくは約2:1〜4:1である。
【0018】
本発明の顔料は、本発明の組成物中に含まれる場合、好ましくは、この組成物の全重量に基づいて、約1〜約20パーセントの範囲内の量で含まれ、またさらに好ましくは、約5〜約15パーセントの量で含まれる。
【0019】
本発明の水溶性アクリレートコポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸を含有するコポリマーであり、このコポリマー中のコモノマーは、広範囲のアクリル酸アルキルおよびアクリル酸アルコキシルならびにメタクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルコキシルから選択される。好ましいコモノマーとしては、米国特許第5,948,419号に開示されるコモノマーが挙げられ、その開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。コモノマーは、好ましくは、アクリル酸C1-C8アルキルもしくはメタクリル酸C1-C8アルキルまたはアクリル酸C1-C4アルコキシもしくはメタクリル酸C1-C4アルコキシであり、例えば、限定するものではないが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、メタクリル酸イソヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸イソヘプチル、メタクリル酸イソヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレンオキシド、(メタ)アクリル酸PEG、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキシド、(メタ)アクリル酸PPG、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ポリブチレンオキシド、または任意の2種以上の上記コモノマーの組み合わせが挙げられる。好ましいコポリマーとしては、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル/アクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸;ならびにアクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/アクリル酸、特にアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸およびアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸を挙げることができる。最も好ましいコポリマーは、Covacryl A15(登録商標)およびCovacryl E14(登録商標)(LCW、フランス)であり、これらはアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマーである。
【0020】
本発明の水溶性可塑剤は、ポリエーテル誘導体、ポリオキシプロピレン誘導体、グリコールおよびグリコール誘導体ならびにグリセリンおよびグリセリン誘導体、またこれらの組み合わせから選択することができる。上記のグリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコールを含み得る。本発明の水溶性可塑剤は、好ましくは、ポリグリセリルエステルまたはPEGおよび/もしくはPPG修飾エステル、例えば、ラウリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸PEG-90、ラウリン酸PEG/PPG-8/3、ジイソステアリン酸PEG/PPG-8/3、またはダイマージリノール酸トリイソステアロイルポリグリセリル3である。最も好ましくは、本発明の水溶性エステルは、Hydramol PGPD(登録商標)、Hydramol PGPL(登録商標)、Hydramol PGDS(登録商標)、Hydramol TGL(登録商標)またはSchercemol PTID(登録商標)(Industrial West, NJ)である。いかなる説にとらわれるものでもないが、本発明の可塑剤は湿潤剤のように作用し、顔料粒子に物理的に結合し(被覆し)顔料分散を高め、乾いたときに本発明の組成物被膜の光沢をもたらすと考えられている。湿潤特性は、本発明の組成物において有用な上記の可塑剤に起因し得るが、このような化合物が従来のエマルション組成物において用いられていた典型的な乳化剤および界面活性剤の範囲に含まれることを意図するものではなく、このような乳化剤および界面活性剤は、本発明の組成物には実質的に含まれていない。実際、本発明の組成物において用いられる可塑剤は、エマルション組成物において主要な乳化剤として使用することはできなかった。
【0021】
本発明の組成物は、場合により、化粧品上許容可能な無機顔料および有機顔料から選択される顔料、例えば"International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 第12版, 2004"に開示されるような顔料を含み、その開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。上記の無機顔料は、レッド、ブラック、グリーンおよびイエローの酸化鉄、二酸化チタン、オキシ塩化ビスマス等を含み得る。上記の有機顔料は、D&CおよびFD&C顔料を含み得る。本発明の組成物における使用のための好適な顔料としては、米国特許第6,726,900号に開示される顔料が挙げられ、その開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。特に好ましい有機顔料は、レッド、グリーン、ブルー、イエロー、バイオレット、オレンジ、これらのレーキおよびこれらの混合物、例えばFD&C顔料のブルー1、ブルー2、グリーン3、オレンジB、シトラスレッド2、レッド3、レッド4、レッド40、イエロー5、イエロー6、ブルー1、ブルー2;オレンジB、シトラスレッド2;ならびにD&C顔料のブルー4、ブルー9、グリーン5、グリーン6、グリーン8、オレンジ4、オレンジ5、オレンジ10、オレンジ11、レッド6、レッド7、レッド17、レッド21、レッド22、レッド27、レッド28、レッド30、レッド31、レッド33、レッド34、レッド36、レッド39、バイオレット2、イエロー7、イエロー8、イエロー10、イエロー11、ブルー4、ブルー6、グリーン5、グリーン6、グリーン8、オレンジ4、オレンジ5、オレンジ10、オレンジ11等が挙げられる。特に好適なレーキは、上記の有機顔料と金属塩(例えば、アルミニウム、カルシウム、ジルコニウム、バリウム等)との反応により形成される。好適なレッドとしては、モノアゾ、ジスアゾ、フルオラン、キサンテン、もしくはインジゴイドのファミリーまたはこれらのレーキに由来する顔料、例えばレッド4、6、7、17、21、22、27、28、30、31、33、34、36、およびレッド40が挙げられる。さらに好適なのは、このようなレッド顔料のレーキである。典型的には、上記の金属塩は、アルミニウム、バリウム等である。本発明のイエロー顔料は、ピラゾール、モノアゾ、フルオラン、キサンテン、キノリ
ン、またはこれらの塩であってよい。好適なイエローとしては、イエロー5、6、7、8、10、および11、ならびにこのようなイエロー顔料のレーキが挙げられる。好適なバイオレットとしては、アントロキノンファミリーに由来するバイオレット、例えばバイオレット2およびそのレーキが挙げられる。オレンジ顔料の例は、オレンジ4、5、10、11、またはこれらのレーキである。
【0022】
本発明の組成物は、1種以上の水分散性可塑剤(例えば、Covaplast(登録商標)(LCW, フランス)のような水分散性エステル)、抗菌剤、保存料、安定剤、懸濁化剤または増粘剤、水溶性有効成分およびこれらの組み合わせなどのさらなる成分を含んでもよい。
【0023】
本発明の組成物において使用し得る典型的な保存料としては、例えば、エチルヘキシルグリセリンおよびカプリリルグリコール/フェノキシエタノール/ヘキシレングリコールが挙げられる。本発明の組成物における使用に好適な他の保存料は、"International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第12版, 2004"に開示される。
【0024】
本発明の組成物における使用に好適な安定剤、懸濁化剤または増粘剤としては、限定するものではないが、PVPコポリマー(例えばアクリロジメチルタウリン酸アンモニウム/VPポリマー);セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);アクリレート(例えばポリアクリル酸グリセリル);多糖誘導体(例えばスクレロチウムゲル);変性コーンスターチ;ケイ酸塩(例えばケイ酸アルミニウムマグネシウムおよびケイ酸マグネシウムナトリウム);ヘクトライトおよび誘導体(例えばベントン(Bentone));ならびにキサンタンガムが挙げられる。さらなる安定剤、懸濁化剤および増粘剤は、"McCutcheon's Volume 2: Functional Materials, North American Edition, 2004"に開示されており、その開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
本発明の組成物において使用し得る水溶性有効成分としては、日焼け止め(例えばEusolex 232);ならびに抗酸化剤、例えばイチョウ(ginkgo-biloba)、βカロチン、緑茶、アスコルビン酸とその誘導体(例えばアスコルビルリン酸ナトリウムおよびアスコルビルリン酸マグネシウム)およびカルノシン酸(ローズマリー)が挙げられる。
【0026】
本発明の組成物は、例えば、アイライナー、マスカラ、コンシーラー、リップグロスおよびリップライナーで具体化することができる。下記の非限定的な例は、本発明の実施形態をさらに例示するものである。
【実施例】
【0027】
実施例1:アイライナー処方
【表1】

【0028】
表1に関して、精製水とエチルヘキシルグリセリンを50℃まで加熱する。ケイ酸アルミニウムマグネシウム、セルロースガムとキサンタンガムを、上記の水とエチルヘキシルグリセリンとの混合物中に別々に振り入れ、この混合物がゲル化するまで攪拌する。混合物の温度を25℃まで低下させ、シークエンス1を形成する。シークエンス2の材料を一緒に粉砕し、シークエンス1の混合物に加える。シークエンス3の材料を上記の混合物に加える。その後シークエンス4、5および6の材料を、上記の混合物に順番に加える。調製品は、強い黒で光沢があり、かつ耐移り性である。
【0029】
実施例2〜5(表2〜5)では、シークエンス1の材料を組み合わせて均一になるまで混合し、シークエンス2の材料は一緒に粉砕してシークエンス1の混合物に加える。各追加シークエンスの材料を上記の混合物に加え、均一になるまで一緒に混合する。本発明のアイライナー処方は、以下の表2〜5に示す。
【0030】
実施例2:アイライナー処方
【表2】

【0031】
実施例3:アイライナー処方
【表3】

【0032】
実施例4:アイライナー処方
【表4】

【0033】
実施例5:アイライナー処方
【表5】

【0034】
実施例6:リップグロス処方
【表6】

【0035】
表6に関して、シークエンス1の材料を均一になるまで混合する。シークエンス2の材料を均一になるまで一緒に粉砕してシークエンス1の混合物に加える。シークエンス3とシークエンス4の材料を上記の混合物に順番に加え、均一になるまで混合する。シークエンス5の材料はプレミックスし、75℃まで均一になるまで加熱し、上記の混合物に加える。その後この混合物を室温で均一になるまで混合する。調製品は、光沢があり、色鮮やかで、耐移り性であり、また唇に心地良い。
【0036】
実施例7:リップグロス処方
【表7】

【0037】
実施例7の組成物は、この組成物が無着色のリップグロスである点を除いて、実施例6の組成物と同様に調製する。
【0038】
実施例8:光沢比較試験
【表8】

【0039】
表8に示される成分を含むアイライナー処方は、シークエンス1の材料を室温で均一になるまで一緒に混合し、シークエンス2の材料を一緒に粉砕し、粉砕したシークエンス2の材料をシークエンス1の混合物に加えて均一になるまで混合することにより調製する。シークエンス3の材料を、シークエンス1とシークエンス2の材料の混合物に加え、その後シークエンス4の材料を加えて均一になるまで混合する。本発明の処方の試験サンプル(5 mm湿潤厚さ)(サンプルA)と3種類の比較用アイライナー製品のエマルション処方(サンプルB、CおよびD)を、Lennethカード(2A-不透過度を形成)上の1" X 2"領域内にキャストする。これらのサンプルは、バックグラウンド反射を回避するため十分に厚い(不透明である)。サンプルは乾燥させてもよい。サンプルに、角度20°〜60°で光のフラッシュを照射する。各サンプルについての反射率(0〜100光沢単位スケール)は、BYK Garden社製、型:micro-TRI-glossの光沢計を使用し、乾燥させて角度20°〜60°で測定する。以下の表9に示されるように、本発明の組成物(A)は、どの比較用エマルション組成物(B-D)よりも高い光沢を示した。
【表9】

【0040】
:比較サンプルBは、0.2重量パーセントを上回る油(カルナウバワックス)を含有する。比較サンプルCは、0.2重量パーセントを上回る油(ネオペンチルグリコール/C13-C14イソパラフィン)を含有する。比較サンプルCは、0.2重量パーセントを上回る油(オレイルアルコール)を含有する。
【0041】
実施例9:耐移り性に関する、水ベースのアイライナーの評価
表8に示されるアイライナー処方の、摩耗(wear)およびフレーキング(flaking)に対する耐性を測定するために研究を行う。この研究には8名の成人女性が参加する。このボランティアパネリストは健常であり、全身疾患の症状はなく、また研究に使用される領域には、その症状が試験結果の分析を妨げる可能性のあるいかなる皮膚疾患もない。妊娠中または授乳中のボランティアは、この研究から除外する。この研究に用いられたパネリストは、研究の経過中および研究開始の2週間前から、全身的または局所的にレチノイド、抗ヒスタミン剤または類似の薬剤を使用していない。
【0042】
試験のため、上記の女性達は保湿剤または化粧品を付けないように指示される。試験部位は瞼である。パネリスト達は液体アイライナーのサンプルを与えられ、このアイライナーを上瞼と下瞼にできるだけむらなく塗るように指示される。
【0043】
製品適用(塗布)の直後、ならびに適用(塗布)の2時間後、4時間後、6時間後および8時間後に摩耗およびフレーキングの評価を行う。
【0044】
摩耗およびフレーキングは、フジS2デジタルカメラを使用して写真により評価する。パネリストの頭を、カメラが取り付けられたヘッドレスト(Canfield Scientific社製)に固定する。カメラレンズは、撮影される部分から0.35mの距離に設置されている。目の周りのクローズアップ写真を、塗布の2時間後、4時間後、6時間後および8時間後に撮る。これらの写真をCanfield Photofile Image Management Software (version 4.5.148)に保存し、このソフト上で見る。写真の臨床評価は、訓練を受けた研究者により、10ポイントのアナログスケールを使用して行われる(以下に示される)。この研究者は、外部のコンサルタントにより、皮膚パラメータの特性を客観的に識別し定量する訓練を受け資格を取得している。この研究者は、広範囲にわたる知覚用語を有し、スケールの使用および標準化評価法の使用の経験が豊富である。摩耗およびフレーキングのパラメータのそれぞれに特異的な標準語彙と参照値(すなわち、「0」はどのように見えるか、「2」はどのように見えるか等を、スケール「10」まで表現するフォトスケール)が評価に用いられる。「摩耗」は、塗布後の指定された時点で目視可能な、見える製品の色の量と自然な皮膚の色の量の目視観察として定義される。「フレーキング」は、塗布後の指定された時点における、目の周囲の皮膚または目の中に落ちている製品の小片の数の目視観察として定義される。
【表10】

【0045】
臨床評価の結果は、以下の表10に示される。摩耗の8時間後、本発明のアイライナー組成物は、最小の摩耗と最小のフレーキングを示した。
【表11】

【0046】
本発明は、好ましい実施形態に関連して記載されているが、本発明の範囲が、本明細書に示される特定の形態に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲に含まれ得るような代替的改変および均等物に及ぶことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐移り性の、単相水性化粧品組成物であって、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー、水溶性エステルおよび顔料のそれぞれを1種以上含む、前記組成物。
【請求項2】
アクリレートコポリマーが、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸アルキルおよびアクリル酸アルコキシルならびにメタクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルコキシルからなる群から選択されるコモノマーとを含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
コモノマーが、アクリル酸C1-C8アルキルもしくはメタクリル酸C1-C8アルキル、またはアクリル酸C1-C4アルコキシもしくはメタクリル酸C1-C4アルコキシを含む、請求項2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
コモノマーが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、メタクリル酸イソヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸イソヘプチル、メタクリル酸イソヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、およびメタクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
コポリマーが、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル/アクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸;およびアクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/アクリル酸からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
コポリマーが、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸、またはアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
水溶性アクリレートコポリマーが、全組成物の約1〜約95重量パーセントの量で含まれる、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
水溶性アクリレートコポリマーが、全組成物の約5〜約70重量パーセントの量で含まれる、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
水溶性アクリレートコポリマーが、全組成物の約10〜約30重量パーセントの量で含まれる、請求項8に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
水溶性エステルが、ポリエーテル誘導体、ポリオキシプロピレン誘導体、グリコール誘導体およびグリセリン誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
水溶性エステルが、ラウリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸PEG-90、ラウリン酸PEG/PPG-8/3、ジイソステアリン酸PEG/PPG-8/3、ダイマージリノール酸トリイソステアロイルポリグリセリル3、または任意の2種以上の該エステルの混合物である、請求項10に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
水溶性エステルが、全組成物の約1〜約60重量パーセントの量で含まれる、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
水溶性エステルが、全組成物の約2〜約20重量パーセントの量で含まれる、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
水溶性アクリレートコポリマーの、水溶性エステルに対する比が1:1よりも大きい、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
水溶性アクリレートコポリマーの、水溶性エステルに対する比が2:1〜20:1である、請求項14に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
水溶性アクリレートコポリマーの、水溶性エステルに対する比が2:1〜4:1である、請求項15に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
顔料が、化粧品上許容可能な無機顔料および有機顔料からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
無機顔料が、レッド、ブルー、ブラック、グリーンもしくはイエローの酸化鉄、二酸化チタン、オキシ塩化ビスマスまたは任意の2種以上の該無機顔料の混合物を含む、請求項17に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
有機顔料が、レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、バイオレット、およびこれらのレーキからなる群から選択される、請求項17に記載の化粧品組成物。
【請求項20】
顔料が、ブラックまたはレッドの酸化鉄である、請求項18に記載の化粧品組成物。
【請求項21】
顔料が、全組成物の約1〜約20重量パーセントの量で含まれる、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項22】
顔料が、全組成物の約5〜約15重量パーセントの量で含まれる、請求項21に記載の化粧品組成物。
【請求項23】
アイライナー、マスカラ、コンシーラー、リップグロスまたはリップライナーである、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項24】
油が含まれる場合、0.2重量パーセントを上回らない量で含まれる、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項25】
耐移り性の単相水性化粧品組成物であって、該組成物の全重量に基づいて、約10〜約30重量パーセントのアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマー、約2〜約20重量パーセントのジイソステアリン酸PEG-90およびラウリン酸PEG/PPG-8/3、ならびに約5〜約15重量パーセントのブラック酸化鉄を含む、前記組成物。
【請求項26】
耐移り性の単相水性化粧品組成物であって、該組成物の全重量に基づいて、約10〜約30重量パーセントのアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマー、約2〜約20重量パーセントのジイソステアリン酸PEG-90、および約5〜約15重量パーセントのブラック酸化鉄を含む、前記組成物。
【請求項27】
耐移り性の単相水性化粧品組成物であって、被膜形成性水溶性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー、および水溶性エステルのそれぞれを1種以上含む、前記組成物。
【請求項28】
アクリレートコポリマーが、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸アルキルおよびアクリル酸アルコキシルならびにメタクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルコキシルからなる群から選択されるコモノマーとを含む、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項29】
コモノマーが、アクリル酸C1-C8アルキルもしくはメタクリル酸C1-C8アルキルまたはアクリル酸C1-C4アルコキシもしくはメタクリル酸C1-C4アルコキシを含む、請求項28に記載の化粧品組成物。
【請求項30】
コモノマーが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、メタクリル酸イソヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸イソヘプチル、メタクリル酸イソヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、およびメタクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される、請求項29に記載の化粧品組成物。
【請求項31】
コポリマーが、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸;アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル/アクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸;アクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/メタクリル酸;およびアクリル酸メチル/メタクリル酸エチル/アクリル酸からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
コポリマーが、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸またはアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/アクリル酸である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
水溶性アクリレートコポリマーが、全組成物の約1〜約95重量パーセントの量で含まれる、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項34】
水溶性アクリレートコポリマーが、全組成物の約5〜約70重量パーセントの量で含まれる、請求項33に記載の化粧品組成物
【請求項35】
水溶性アクリレートコポリマーが、全組成物の約10〜約30重量パーセントの量で含まれる、請求項34に記載の化粧品組成物。
【請求項36】
水溶性エステルが、ポリエーテル誘導体、ポリオキシプロピレン誘導体、グリコール誘導体およびグリセリン誘導体からなる群から選択される、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項37】
水溶性エステルが、ラウリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸PEG-90、ラウリン酸PEG/PPG-8/3、ジイソステアリン酸PEG/PPG-8/3、ダイマージリノール酸トリイソステアロイルポリグリセリル3、または任意の2種以上の該エステルの混合物である、請求項36に記載の化粧品組成物。
【請求項38】
水溶性エステルが、全組成物の約1〜約60重量パーセントの量で含まれる、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項39】
水溶性エステルが、全組成物の約2〜約20重量パーセントの量で含まれる、請求項38に記載の化粧品組成物。
【請求項40】
水溶性アクリレートコポリマーの、水溶性エステルに対する比が1:1よりも大きい、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項41】
水溶性アクリレートコポリマーの、水溶性エステルに対する比が2:1〜20:1である、請求項40に記載の化粧品組成物。
【請求項42】
水溶性アクリレートコポリマーの、水溶性エステルに対する比が2:1〜4:1である、請求項41に記載の化粧品組成物。
【請求項43】
油が含まれる場合、0.2重量パーセントを上回らない量で含まれる、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項44】
耐移り性の単相水性化粧品組成物であって、約10〜約30重量パーセントのアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマー、ならびに約2〜約20重量パーセントのジイソステアリン酸PEG-90およびラウリン酸PEG/PPG-8/3を含む、前記組成物。
【請求項45】
耐移り性の単相水性化粧品組成物であって、約10〜約30重量パーセントのアクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマー、および約2〜約20重量パーセントのジイソステアリン酸PEG-90を含む、前記組成物。
【請求項46】
化粧品組成物の耐移り性および/または光沢を高める方法であって、該方法が:
水;
1種以上の水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー;および
1種以上の水溶性エステル;
を組み合わせるステップを含んでなり、ここで該組成物は実質的に油を含まない、
前記方法。
【請求項47】
化粧品組成物の耐移り性および/または光沢および/または色強度を高める方法であって、該方法が:
水;
1種以上の水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー;
1種以上の水溶性エステル;および
顔料;
を組み合わせるステップを含んでなり、ここで該組成物は実質的に油を含まない、
前記方法。
【請求項48】
リップラインを再定義する方法であって、該方法が:
水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー、水溶性エステル、および自然なリップカラーを有する顔料を含む耐移り性の単相水性組成物、ならびに水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマー、水溶性エステル、および所望の色を有する顔料を含む耐移り性の単相水性組成物を用意するステップ;
リップライナーブラシを該自然なリップカラーを有する組成物に浸して該ブラシに該組成物をとるステップ;
前記リップライナーブラシを用いて、使用者の自然なリップラインの直ぐ内側または直ぐ外側に線を引くステップ;
該引かれた線を乾かすステップ;
リップライナーブラシを該所望のリップカラーを有する組成物に浸して該ブラシに該組成物をとるステップ;および
再定義されたリップラインの内側に、該所望の色の組成物を塗るステップ、
を含んでなる、前記方法。
【請求項49】
所望の色合いの上に、水溶性、被膜形成性のアクリル酸またはメタクリル酸を含有するアクリレートコポリマーおよび水溶性エステルを含む耐移り性単相水性の組成物を含むリップグロス組成物を塗るステップをさらに含んでなる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
リップグロス組成物がさらに顔料を含む、請求項49に記載の方法。

【公表番号】特表2008−540572(P2008−540572A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511446(P2008−511446)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/018604
【国際公開番号】WO2006/124706
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】