高温用静電容量式静圧/動圧センサおよびその製造方法
【課題】高温の用途における静電容量式圧力プローブまたはセンサを提供する。
【解決手段】静電容量式圧力センサ100はプローブ筐体の内部検出チャンバ30内に配設され、かつ、その中央部分上に形成される第1の電極52を有する、サファイヤダイアフラム42を含む。ダイアフラム42の中央部分および第1の電極52は、内部検出チャンバ30内で、かつ圧力センサ100によって、遭遇する圧力変動に反応して撓むように適合および構成される。その上に形成される第2の電極54を有するサファイヤ基板46は、サファイヤ積層を形成し、その間に基準チャンバ80を画定するように、その周辺を中心として、サファイヤダイアフラム42に融合される。サファイヤダイアフラム42のサファイヤ基板46への融合前に、全ての接触表面は、結合積層を形成し、融合に必要な温度を低下させるように、化学処理され、プラズマ励起を用いて準備される。
【解決手段】静電容量式圧力センサ100はプローブ筐体の内部検出チャンバ30内に配設され、かつ、その中央部分上に形成される第1の電極52を有する、サファイヤダイアフラム42を含む。ダイアフラム42の中央部分および第1の電極52は、内部検出チャンバ30内で、かつ圧力センサ100によって、遭遇する圧力変動に反応して撓むように適合および構成される。その上に形成される第2の電極54を有するサファイヤ基板46は、サファイヤ積層を形成し、その間に基準チャンバ80を画定するように、その周辺を中心として、サファイヤダイアフラム42に融合される。サファイヤダイアフラム42のサファイヤ基板46への融合前に、全ての接触表面は、結合積層を形成し、融合に必要な温度を低下させるように、化学処理され、プラズマ励起を用いて準備される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1. 発明の分野
本発明は静電容量式圧力センサに関し、より具体的には、高温での高い熱的強度、熱安定性および耐酸化性を示す材料から製造されるダイアフラムを用いる、ガスタービンエンジン内の音圧波を検出するためのセンサまたはマイクロフォン等の、高温用静電容量式静圧/動的センサに関する。
【0002】
2. 関連技術の説明
静電容量式圧力センサは、例えば、米国特許番号第6,148,674号に開示されるように、当該技術において公知であり、その開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。従来、これらのデバイスは、高温では限られた適用性を有していた。特に、先行技術の圧力センサの容量は、通常、ピコファラッド(pF)の範囲であるため、これらは浮遊容量および他の環境条件の影響を受けやすい。そのため、ガスタービンの用途等の厳しい環境の用途における利用に対して、高温用静電容量式圧力センサを開発することが困難になっている。実際に、350℃を超えて動作可能な市販の静電容量式圧力センサは、現在、存在しない。
【0003】
浮遊容量障害物は、部分的に、保護技術と周波数変調(FM)の容量性伝送技術との組み合わせにより克服されてきた。正確で信頼性の高い計測を達成するために、全ての浮遊容量が信号ピックオフ回路において除去される必要がある。これはガーディングと呼ばれる技術によって防止され得る。ガーディングは、検出領域自体と同じ電圧に保たれた、非検出導体を有する検出電極領域を囲むことにより達成される。この技術は、また、圧力検出器を信号調整回路に接続する3軸ケーブルを保護するためにも用いられる。その結果、ケーブルが最長で10mの長さであったとしても、入力信号のロスがない。
【0004】
容量性ピックオフ信号に影響する別の要因は、温度が上昇するにつれて減少する誘電材料の抵抗である。これは、高温において直流(DC)信号の検出を困難にする。周波数変調(FM)容量測定システムはこの問題を解決する。FMの使用はシステムを搬送波周波数の変動に対して敏感にし、ESD(静電放電)または変動するEM(電磁)場を無視する。
【0005】
さらに、高温の用途で、先行技術の静電容量式圧力センサの多くは、全ての金属ダイアフラムを利用する。しかしながら、圧力センサまたはマイクロフォンにおける金属ダイアフラムの欠点の1つは、高温における温度ヒステリシスおよび圧力ヒステリシスである。インコネル750から製造されるダイアフラムを有する有用な静電容量式圧力センサを、本発明者は製造および試験している。圧力15psi〜600psiでの−55℃〜500℃の温度サイクル試験は、いかなる温度補正もなしで、こうしたデバイス内の温度ヒステリシスがおよそ0.76%、圧力ヒステリシスがおよそ1.3%であることを示す。これらの値は、通常は0.25%未満である、シリコンダイアフラムと比べると比較的大きい。
【0006】
またさらに、高温の用途では、パッケージングデザインが重要であり、センサチップおよびベース(ヘッダ基板)の間のロバストで信頼性の高い電気接続が不可欠である。通常、高温でのセンサ不具合は、接点と出力線との間の電気接続の劣化を原因とする。この問題を解決しようとする試みが、D.Kurtzらによる米国特許番号第5,955,771号に記載されている。D.Kurtzらは、伝導性ガラス原料を使用して、パイレックス(登録商標)ガラスウエハの載置面に密閉結合および封止されるピエゾ抵抗シリコンチップに適用される無配線電気接続技術について記述している。Kurtzの特許の図1に示されるように、シリコンチップは、ガラスウエハに静電的に結合される。ガラスウエハは、シリコンウエハ内の接点の一部分を露出させるいくつかの貫通孔を有する。次いで、デバイス積層が、組み込まれたいくつかのピンを有するヘッダ基板(これもガラス製である)に載置される。載置表面の上に延在する各ピン部分は、接触アパーチャへと延在し、ピンと接点との間に導電性ガラス原料による電気接続をもたらす。ガラス原料は、電気接続を確立するだけではなく、アパーチャの密閉封止も提供する。
【0007】
Kurtzらのアプローチは、ガラス−Si−ガラス積層に基づく。概して、大部分のパイレックス(登録商標)ガラスの最大安全動作温度が、ひずみ点になるようにされる(515℃)。パイレックス(登録商標)ガラスは、通常、約600℃の温度に保たれている場合に、変形し始める。いくつかの特殊なパイレックス(登録商標)は、最高で700℃まで、保持し得る。シリコンでは、600〜700℃で塑性変形が生じることもわかっている。第2に、パイレックス(登録商標)およびシリコンの間の熱的な不整合は、高温範囲におけるセンサ精度を低下させる。第3に、上記の設計は、ピエゾ抵抗法に基づく。ピエゾ抵抗圧力センサは温度の影響に敏感であり、複雑な温度補償が必要であることが知られている。
【0008】
その一方で、静電容量式圧力センサでは、半導体材料を検出エレメントとして使用する必要がない。他の多くの高温材料を、検出エレメントとして選択可能である。静電容量式圧力センサは、温度に対する感受性がより低い材料を利用可能であるため、これらはピエゾ抵抗センサよりも正確である。いわゆる「防護」技術と静電容量インターフェース回路との組み合わせにより、静電容量式圧力センサは、極めて高温の環境での信頼性の高い正確な圧力検出を提供できる。
【0009】
従って、高温環境で動作可能であり、ヒステリシス効果の影響をさほど受けないダイアフラム材料を使用し、センサチップとベースとの間のロバストで信頼性の高い電気接続を含むパッケージングデザインを有する静電容量式圧力センサが求められている。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ガスタービンエンジンでの利用等の、高温の用途に対する新しい有用な静電容量式圧力センサに関する。本発明の静電容量式プローブまたは圧力センサの特定の構成は、とりわけ、内部検出チャンバおよび筐体の外部から内部検出チャンバへと延在する圧力ポートを画定する筐体を含む。サファイヤダイアフラムは、筐体の内部検出チャンバ内に配設され、その中央部分上に形成される第1の電極を有する。ダイアフラムの中央部分および第1の電極は、内部検出チャンバ内において、および圧力センサによって、遭遇する圧力変動に反応して撓むように適合および構成される。
【0011】
筐体の内部検出チャンバ内にサファイヤ基板が配設される。サファイヤ基板の周辺は、サファイヤ積層を形成するようにサファイヤダイアフラムに融合され、基準チャンバは、サファイヤダイアフラムの中央部分およびサファイヤ基板の中央部分の間に画定される。サファイヤ基板は、第1の電極に対向するその中央部分上に形成される第2の電極を有する。サファイヤダイアフラムをサファイヤ基板へ融合する前に、全接触面は、結合層を形成し、融合に必要な温度を低下させるように、化学処理され(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を用いて準備される。
【0012】
本発明の静電容量式圧力センサは、さらに、第2の電極と電気的に連通する検出電極を含むことが想定される。
【0013】
好適には、静電容量式圧力センサは、サファイヤ積層と検出電極との間に配置され、アルミナまたは高温同時焼成セラミック(HTCC)から製造される第2の基板を含む。サファイヤ積層の外周および第2の基板は、基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合されることが想定される。あるいは、サファイヤ積層の外周および第2の基板は、基準チャンバを密閉封止するように、ガラスセラミック封止接着剤を用いて結合される。
【0014】
本発明の特定の構成において、サファイヤダイアフラムの中央部分に隆起が形成される。あるいは、サファイヤ基板の中央部分上に隆起を形成可能である。いずれの構成においても、隆起は基準チャンバへと延在し、サファイヤダイアフラムの中央部分の撓みの際に、第1の電極が第2の電極に接するのを防止する。
【0015】
好適には、第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される。本発明の一実施形態において、第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される。
【0016】
基準チャンバを密閉するために、サファイヤ基板の底面側に高温金属積層をスパッタリングできることが想定される。本明細書で後述するように、金属積層は、さらに、基準チャンバ内に配置される検出電極と、HTCC/アルミナ基板を通って延在するピン/電極との間の、電気的な連通を提供する。
【0017】
本発明の静電容量式圧力センサは、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンを含むことができ、検出電極と第2の電極との間の電気的な連通を提供することも、想定される。またさらに、センサに、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンを提供することができ、センサは、第1の電極および接地と電気的に連通する。
【0018】
本発明の特定の構成において、静電容量式圧力センサは、圧力センサ内の温度を測定するために、筐体外部から基準チャンバ内へと延在する熱電対を含むことができる。
【0019】
本発明はさらに、他のエレメントの中でも、センサ筐体、センサヘッダ、第1の電極、および第2の電極を含む静電容量式圧力センサに関する。センサ筐体は、筐体外部から内部検出チャンバへと延在する圧力ポートを画定する。センサヘッダは、筐体の内部検出チャンバ内に配設され、アルミナ基板に取り付けられるサファイヤ積層を含む。サファイヤ積層は、部分的には、その間に基準チャンバを形成するようにサファイヤ基板に融合されるサファイヤダイアフラムによって形成される。第1の電極は、サファイヤダイアフラムに堆積され、サファイヤ基板およびアルミナ基板を通って、接地へと延在する。第2の電極は、サファイヤ基板上に堆積され、サファイヤ基板を通って、アルミナ基板から、検出電極へと延在する。
【0020】
検出チャンバ内の印加圧力に反応するサファイヤダイアフラムの一部の撓みは、検出電極によって検出される容量値内の変化に対応する。
【0021】
現在では、サファイヤ積層の外周および第2の基板が、基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合されることが想定されている。あるいは、サファイヤ積層の外周および第2の基板は、基準チャンバを密閉封止するように、ガラスセラミック封止接着剤を用いて結合される。
【0022】
本発明の特定の構成において、サファイヤダイアフラムの中央部分上に隆起が形成される。あるいは、隆起は、サファイヤ基板の中央部分上に形成可能である。いずれの構造においても、隆起は基準チャンバへと延在し、サファイヤダイアフラムの中央部分の撓みの際に、第1の電極が第2の電極に接触することを防ぐ。
【0023】
好適には、第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される。本発明の一実施形態において、第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される。
【0024】
高温金属積層は、基準チャンバを密閉するように、サファイヤ基板の底面側にスパッタリングできると想定される。
【0025】
さらに、本発明の静電容量式圧力センサは、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンも含むことができ、検出電極と第2の電極との間の電気的な連通を提供することが想定される。またさらに、センサは、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンをともなって提供されることが可能であり、このピンは第1の電極および接地と電気的に連通する。
【0026】
本発明の特定の構成において、静電容量式圧力センサは、圧力センサ内の温度計測のために、筐体の外部から基準チャンバへと延在する熱電対を含むことができる。
【0027】
本発明の特定の構成において、検出電極は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される。好適には、検出電極は、ガードリングによって接地への信号線寄生容量から遮蔽される。またさらに、ガードリングは、信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動されると想定される。またさらに、セラミック絶縁体は、検出電極とガードリングとの間に配設される。
【0028】
本発明は、さらに、とりわけ、サファイヤダイアフラムおよびサファイヤ基板を含む静電容量式圧力センサ内で使用するための検出エレメントにも関する。サファイヤダイアフラムは、金属堆積プロセスを使用して、その中央部分上に形成される第1のプラチナ電極を有する。ダイアフラムの中央部分および第1の電極は、静電容量式圧力センサによって遭遇される圧力変動に反応して撓むように、適合および構成される。サファイヤ基板は、サファイヤ積層を形成するように、その周辺を中心にサファイヤダイアフラムに融合され、サファイヤダイアフラムの中央部分とサファイヤ基板の中央部分との間に基準チャンバが形成される。サファイヤ基板は、金属堆積プロセスを使用してその中央部分上に形成される第2のプラチナ電極を有する。第1および第2のプラチナ電極は、サファイヤダイアフラムがサファイヤ基板に融合される場合に、基準チャンバを密閉するように配置される。
【0029】
好適には、サファイヤ基板へサファイヤダイアフラムを融合する前に、全ての接触表面は、結合積層を形成し、融合に必要な温度を下げるように、化学処理され(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を使用して準備される。
【0030】
本発明は、上部および下部表面を有するサファイヤダイアフラムエレメントを提供するステップと、金属堆積プロセスを使用してサファイヤダイアフラムエレメントの下部表面の中央部分上に第1の電極を形成するステップとを含む、静電容量式圧力センサ内で使用されるための、検出エレメントを製造する方法にさらに関する。ダイアフラムエレメントの中央部分および第1の電極は、静電容量式圧力センサによって遭遇される圧力変動に反応して撓むように適合および構成される。本発明の方法は、上部および下部表面を有するサファイヤ基板を提供するステップと、金属堆積プロセスを使用してサファイヤ基板の上部表面の中央部分上に第2の電極を形成するステップと、化学処理して(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を使用してサファイヤダイアフラムエレメントおよびサファイヤ基板のそれぞれの外周を準備するステップと、サファイヤ積層を形成し、サファイヤダイアフラムの中央部分とサファイヤ基板の中央部分との間に基準チャンバを形成するように、サファイヤ基板に、その周辺を中心にして、サファイヤダイアフラムを融合するステップと、をさらに含む。
【0031】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点、ならびにそれらを組み立てかつ使用する方法は、以下に記載されるいくつかの図面と共に記載される以下の本発明の好適な実施形態の実現させるための説明から、当業者にはより容易に明らかであろう。
【0032】
本発明が関連する当業者が、必要以上の経験なしに本発明の静電容量式圧力センサを、いかにして作り使用するかを容易に理解するように、それに関する好適な実施形態が、特定の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の好適な一実施形態に従って構成された静電容量式圧力センサの断面図である。
【0034】
【図2a】図1の静電容量式圧力センサで使用されるサファイヤダイアフラムの底面図である。
【0035】
【図2b】図2aのサファイヤダイアフラムの断面図である。
【0036】
【図3a】図1の静電容量式圧力センサで使用されるサファイヤ基板の上面図である。
【0037】
【図3b】図3aのサファイヤ基板の断面図である。
【0038】
【図4】図2a〜2bのサファイヤダイアフラムおよび図3a〜3bのサファイヤ基板を使用して形成されたサファイヤ積層の断面図である。
【0039】
【図5】図4のサファイヤ積層の底部上にスパッタリングされる高温金属積層を示す断面図である。
【0040】
【図6】第1および第2の電極が、それぞれ、サファイヤダイアフラムおよびサファイヤ基板上に堆積される領域を示す平面図である。
【0041】
【図7】HTTC基板のアルミナ上に載置され、3軸無機物絶縁ケーブルアセンブリに固定される、図4のサファイヤ積層の断面図である。
【0042】
【図8】本発明の静電容量式圧力センサの第2の実施形態の断面図である。
【0043】
【図9】図8に示される圧力センサで使用されるセンサヘッダの断面図である。
【0044】
本発明のこれらおよび他の態様は、図面と共に説明される以下の発明を実施するための形態から、より容易に当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0045】
次に、同様の参照番号が本発明の静電容量式センサの同様の構造的特徴または態様を識別する図面を参照すると、図1において、本発明の好適な実施形態に従って構成され、概して参照番号100によって指定される、静電容量式プローブまたは圧力センサが示されている。圧力センサ100は、ガスタービンエンジン内の使用等の高温の用途のために適合および構成される。
【0046】
図1から図7を参照すると、圧力センサ100は、載置セクション22および電極支持セクション24を有する筐体アセンブリ20を含む。電極支持セクション24は、以下に記載される電極アセンブリ60を受け入れるように適合および構成される。
【0047】
筐体アセンブリ20の載置セクション22は、端部28に組み込まれる一連のねじ26を含む。ねじ26は、測定される圧力源にセンサ100を接続するように使用できる。例えば、ねじ26は、センサ100を燃焼器の筐体に接続するように使用可能である。当業者は、センサを圧力源に接続させるための他の機構を、本発明の範囲から逸脱せずに、利用できることを容易に理解するであろう。
【0048】
筐体20は、内部検出チャンバ30および筐体20の外部から内部検出チャンバ30へと延在する圧力ポート32を画定する。検出アセンブリ40は、筐体20の内部検出チャンバ内に配設される。検出アセンブリ40は、その中央部分44上に形成される第1の電極52を有するサファイヤダイアフラム42を含む。ダイアフラム42の中央部分44および第1の電極52は、内部検出チャンバ30内で、および圧力センサ100によって、遭遇する圧力変動に反応して、撓むように適合および構成される。
【0049】
サファイヤ基板46は、筐体20の内部検出チャンバ30内に配設される。サファイヤ基板46の周辺48は、サファイヤ積層50を形成するように、サファイヤダイアフラム42に融合される(図4を参照)。基準チャンバ80は、サファイヤダイアフラム42の中央部分44とサファイヤ基板46の中央部分49との間に画定される。
【0050】
サファイヤ基板46は、第1の電極52に対向するその中央部分49上に形成される第2の電極54を有する。サファイヤダイアフラム42のサファイヤ基板46への融合の前に、結合層を形成するように、全ての接触表面は、化学処理され(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を使用して準備される。このプロセスは、さらに、サファイヤエレメントの融合に必要な温度を、第1および第2の電極52/54で使用される伝導性材料の融点未満に低下させる。
【0051】
図3に最も良く示されるように、隙間「G」が、基準チャンバ80内で、第1の電極52と第2の電極54との間に提供される。この図に開示される実施形態において、隙間「G」は約5μmと70μmとの間である。隙間距離は、例えば、0.5pFから20pFの特定の容量値範囲に対応する。
【0052】
電極アセンブリ60は、筐体20の電極支持セクション24の内径上に形成される対応する一連のねじと嵌合するように適合および構成される、その外周上に形成される一連のねじ62を有する。電極アセンブリ60が、電極支持セクション24に螺着されると、2つのパーツを、基準チャンバ80の密閉を向上させるように、示されているように、共に溶接することができる。
【0053】
電極アセンブリ60は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される検出電極64を含む。特に、検出電極64は、ガードリング66によって、接地への信号線寄生容量から遮蔽される。好適には、ガードリング66は、信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動される。例えば、インバータバッファ回路を使用することができる。さらに、検出電極64とガードリング66との間にセラミック絶縁体68が配設される。別のセラミック絶縁体69がガードリング66を包囲し、ステンレススチールシールド72が絶縁体69を包囲する。
【0054】
センサ100では、比較的低容量の変動は、正確に計測することができ、例えば、3メートルの長さの3軸ケーブルを通って、遠隔の読み出し電子回路へ送信することができる。上述のように、接地への信号線寄生容量を除去するために、ガードリング66は、信号線を通って流れるものと同じ電位によって駆動される。従って、信号線およびガードリング66の間には交流電流はなく、この2つの間の静電容量は、信号線を通る電荷移動に影響を及ぼさない。これは、ガードリング66および信号線の間の容量は、出力への寄与を有しないことを意味する。
【0055】
静電容量式圧力センサ100で使用される検出アセンブリは、さらに、サファイヤ積層50と検出電極64との間に配置される第2の基板56を含む。好適には、第2の基板は、アルミナまたは高温同時焼成セラミック(HTCC)から製造され、本明細書においてHTCC/アルミナ基板56と称される。本明細書において以下に記載するように、サファイヤ積層50の外周および第2の基板56は、基準チャンバ80に対して第2の密閉封止を提供するように、ろう付け58によって結合される。上記のように、第1の密閉封止は、サファイヤ基板の底部に金属をスパッタリングすることにより形成された。
【0056】
第1および第2の電極52/54は、金属積層堆積プロセスを用いて形成され、例えば、プラチナまたはチタン等の金属を使用して製造できる。さらに、図5に最も良く示されるように、高温金属積層82は、基準チャンバ80を密閉するように、サファイヤ基板46の底面側にスパッタリングまたは堆積される。
【0057】
図2Aから図7は、圧力センサ100、より具体的には、検出アセンブリ40を製造するための代表的な方法を示す。次に、サファイヤダイアフラム42の底面図および断面図を示す図2および図2Bを参照する。図2Bに示すように、浅いキャビティ92および深いキャビティ94が、サファイヤダイアフラム42の底部に提供される。キャビティ92/94は、種々の公知の技術を用いて形成することができる。しかしながら、本出願の出願人は、好適には、浅いキャビティ92は、反応性イオンエッチングプロセスを用いて形成でき、深いキャビティ94は、http://www.ikonicsindustrial.com.index.html.に記載されるもの等の、研磨エッチングプロセスを用いて形成できると判断している。
【0058】
代表的な構成において、サファイヤダイアフラム42またはウエハの厚さを約250ミクロンにすることができ、1ミクロンの浅さのキャビティ92を、底部にエッチングすることができる。次いで、研磨エッチングによって深いキャビティ94を形成することができ、これは、約50ミクロンの深さ(最大70ミクロン)および約2mmの直径にすることができる。
【0059】
次に、例えば、Ta500またはPt3000Aの金属積層を、第1の電極52を形成するように、深いキャビティ94の床に、深いキャビティの周辺エッジの一部分に沿って、および、浅いキャビティ92内へと半径方向外側に堆積させることができる。
【0060】
サファイヤ基板46をサファイヤダイアフラム42に融合する場合に電極に損傷を避けるように、1ミクロンの浅さのキャビティ92が、第1および第2の電極の一部分の凹部としてサファイヤダイアフラム42内に形成されることを留意すべきである。浅いキャビティが約1ミクロンの深さであり、金属積層の厚さが約3ミクロンであるため、基準チャンバは、図5に示すように、高真空でスパッタマシン内で密閉することができる。当業者は、浅いキャビティ92が、サファイヤダイアフラム42の代わりにサファイヤ基板46にエッチングできることを容易に理解するであろう。
【0061】
深いキャビティ94を形成するための代替のアプローチは、50ミクロンのリングへのフラットプレートの融合結合によってキャビティを形成するものである。この場合、2つの融合結合ステップが、サファイヤ積層50を形成するために必要である。
【0062】
図3Aおよび図3Bは、サファイヤ基板46の代表的な構造を示す。基板の厚さは、例えば、約500ミクロンと約800ミクロンとの間にすることができる。2つの貫通孔96a/96bが、超音波エッチングまたは研磨エッチングによって基板46内に形成される。高温金属積層(例:Ta500A/Pt3000A)は、図3Bに示されるように2つの部分に堆積される。第1の部分98aは、サファイヤダイアフラム42上に形成される第1の電極52からサファイヤ基板46を通る、電気のためのパスを提供する。第2のパート98bは、第2の電極を形成し、さらに、サファイヤ基板46を通る導電性パスを提供する。プラチナスパッタリングは、真空で、基準チャンバを密閉封止する。サファイヤ直接結合構造にサファイヤ内の金属スパッタリングを使用することにより、非常に高い温度に耐えるだけでなく、結合インターフェースのヒステリシス効果を排除する。
【0063】
上記のように、化学処理およびプラズマ励起後に、サファイヤダイアフラム42およびサファイヤ基板46は、周辺を中心としてともに直接融合される。融合プロセスは、その後、図4に示すように、サファイヤ積層50を形成するために、真空で1050℃でアニールすることができる。次いで、高温金属積層82は、図5に示すように、真空でさらに基準チャンバ80を密閉するように、サファイヤ基板の底面側にスパッタリングされる。
【0064】
次に、完全な検出アセンブリ40を形成するように、HTCC/アルミナ基板56上に載置されるサファイヤ積層50を図示する図7を参照する。サファイヤ積層50は、約1000℃におけるろう付けによって、HTCC基板56に結合される。ろう付け材料は、図7において、参照番号97aおよび97bとして識別される。積層/基板結合の周辺に配置されるろう付け材料97aによって、第1の電極52から、上部、底部および基板56内に形成されるプラチナ導体98aへ電気的に連通することを可能にする。ろう付け材料97aは、さらに、基準チャンバの密閉を補助する。積層/基板結合の中心に配置されるろう付け材料97bによって、電気が、第2の電極54と上部、底部およびHTCC/アルミナ基板56内に形成される中心に配置されたプラチナ導体との間を電導することを可能にする。
【0065】
第2の基板56に使用されるHTCCまたはアルミナ材料の熱膨張係数は、サファイヤの熱膨張係数とインコネルの熱膨張係数との間であるため、HTCC基板は、金属検出電極64およびサファイヤ積層50の間の遷移結合材料として機能することができる。
【0066】
図7に示すように、検出アセンブリ40の完了後、およそ980℃のろう付けによって、3軸金属プローブまたは電極アセンブリ60に結合される。
【0067】
筐体アセンブリ20は、例えば、インコネルまたはHaynes230から製造することができ、最終的に、最高で1000℃の温度に耐えることができるセンサ100を完成させるように、電極アセンブリに溶接される。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態に従って構成され、参照番号200として指定される静電容量式圧力センサを示す図8および9を参照する。
【0069】
圧力センサ100と同様に、圧力センサ200は、載置セクション222および電極支持セクション224を有する筐体アセンブリ220を含む。電極支持セクション224は、電極アセンブリ260を受けるように適合および構成される。
【0070】
筐体アセンブリ220の載置セクション222は、端部228に組み込まれる一連のねじ226を含む。ねじ226は、センサ200を、計測される圧力源に接続するように使用することができる。例えば、ねじ226は、そのセンサ200を燃焼器の筐体に接続するように使用できる。当業者は、本発明の範囲から逸脱せずにセンサを圧力源に接続するための他の機構を使用できることを容易に理解するであろう。
【0071】
筐体220は、内部検出チャンバ230、および内部検出チャンバ230の筐体220の外部から延在する圧力ポート232を画定する。検出アセンブリ240は、筐体220の内部検出チャンバ内に配設される。検出アセンブリ240は、その中央部分244上に形成される第1の電極252を有するサファイヤダイアフラム242を含む。ダイアフラム242の中央部分244および第1の電極252は、内部検出チャンバ230内で、圧力センサ200によって、遭遇する圧力変動に応じて撓むように適合および構成される。
【0072】
サファイヤ基板246は、筐体220の内部検出チャンバ230内に配設される。サファイヤ基板246の周辺248は、サファイヤ積層250を形成するように、サファイヤダイアフラム242に融合される。基準チャンバ280は、サファイヤダイアフラム242の中央部分244とサファイヤ基板246の中央部分244との間に画定される。
【0073】
サファイヤ基板246は、第1の電極252に対向して、その上部表面上に形成される第2のリング形状の電極254を有する。サファイヤダイアフラム242をサファイヤ基板246へ融合する前に、結合積層を形成するために、全ての接触表面を化学処理し(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を用いて準備する。前述のように、このプロセスは、サファイヤエレメントの融合に必要な温度を、第1および第2の電極のために使用する導電性材料の融点未満に低下させる。
【0074】
前述の実施形態のように、電極アセンブリ260は、対応するねじを使用し、および/または溶接により、または任意の他の公知の技術の使用により、筐体220に固定することができる。
【0075】
電極アセンブリ260は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される検出電極264を含む。前述の実施形態と同様に、検出電極264は、信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動されるガードリング266によって、接地への信号線寄生容量から遮蔽される。さらに、検出電極264とガードリング266との間にセラミック絶縁体が配設される。別のセラミック絶縁体がガードリング266を包囲し、ステンレススチールシールド272が絶縁体を包囲する。
【0076】
静電容量式圧力センサ200で使用される検出アセンブリは、さらに、サファイヤ積層250の下に配置される第2の基板256を含む。好適には、第2の基板は、アルミナまたは高温同時焼成セラミック(HTCC)から製造され、本明細書において、HTCC/アルミナ基板256と称される。
【0077】
前述の実施形態において、サファイヤ積層50および第2の基板56は、基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合された。図8および図9に示された実施形態において、サファイヤ積層250の外周および第2の基板256は、基準チャンバを密閉封止するように、非導電性ガラスセラミック封止接着剤を用いて結合される。
【0078】
検出アセンブリ240等のサファイヤ−サファイヤ−アルミナ/HTCC検出アセンブリは、従来のガラス−SiC−ガラス構造よりも高い焼成温度に対処可能である。そのため、サファイヤ積層250とヘッダまたは第2の基板256との間に結合接着剤を使用することができ、接着剤は、有利にも、ガラス原料よりも比較的高い動作温度を有する。
【0079】
最高で800℃、または800℃を超えて動作可能な高温ガラスセラミック密閉剤を、サファイヤ積層と第2の基板との間の密閉封止のために使用することができる。図9において、密閉剤は、参照番号302で識別される。サファイヤ積層を基板に結合させるためのガラスセラミック接着剤の使用により、センサは、この結合のためにガラス原料を使用する場合よりも高い温度に耐えることもできる。
【0080】
センサ100とは異なり、圧力センサ200は、第2の基板256を通って、サファイヤ基板246内に形成されるアパーチャ296a/296bへと延在する少なくとも2つのピン298a/298bを含む。上記と同様に、アパーチャ296a/296bの壁上に導電性金属が堆積されることに留意されたい。さらに、プラチナ、インコネル、ステンレス鋼等の高温金属からピンを製造できる。
【0081】
最高で800℃または800℃を超えて動作可能な導電性ガラスセラミック接着剤300は、アパーチャ296a/296bを充填するように使用でき、第2の基板256内に埋め込まれるピン298a/298bと、サファイヤ積層250に関連付けられる第1および第2の電極252/254の間の電気接続を行う。上記と同様に、第1および第2の電極252/254は、金属積層堆積プロセスを使用して形成でき、例えば、プラチナまたはチタン等の金属を使用して製造できる。非伝導性ガラス/セラミック接着剤302(サファイヤ積層とHTCC/アルミナ基板との間の結合)および導電性ガラス/セラミック接着剤300は、電気接続(ピンからピンへの絶縁)および溶接密閉が同時に形成されるように、同じ温度プロファイルで焼成される。
【0082】
そのため、第1のピン298bは、検出電極264と第2の電極254との間の電気的連通を提供し、第2のピン298aは、第1の電極252および接地との電気的連通を提供する。当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、3本以上のピンを使用できることを容易に理解するであろう。
【0083】
図8に示されるように、静電容量式圧力センサ200は、さらに、圧力センサ200内の温度計測のために、筐体220の外部から検出チャンバ230および/または基準チャンバ280へと延在する熱電対290を含むことができる。
【0084】
サファイヤ基板246の中央部分上に隆起292が形成される。あるいは、サファイヤダイアフラム242の中央部分244上に隆起292を形成することができる。いずれの構造においても、隆起292は、基準チャンバ280内へと延在し、第1の電極252が、サファイヤダイアフラム242の中央部分244の撓みの際に、第2の電極254に接触することを防ぐ。
当業者は、検出チャンバ230内の印加圧力に反応するサファイヤダイアフラム242の一部分の撓みが、検出電極264によって検出される容量値の変化に対応することを容易に理解するであろう。
【0085】
サファイヤは、高温範囲において安定した機械的特性を有する単結晶Al2O3である。AlイオンとOイオンとの間の強い化学的結合強度のために、サファイヤ(およびアルミナ)は、高い融点、酸化物における最高硬度および室温における高い機械的強度等の卓越した物理的安定性を有する。サファイヤ(およびアルミナ)は、さらに、化学的にも非常に安定しており、高い耐食性を有する。サファイヤの降伏強度は、Haynes230等の材料の降伏強度よりもずっと高い。
【0086】
さらに、サファイヤの極限強さは1.9GPaであり、一方で、Haynes230は860MPaである。サファイヤにおいては、900℃で塑性変形(クリープ)が生じる。決定されたクリープ降伏点応力は、900℃において約11094psi、および1400℃において1850psiである。こうした優れた機械的特性により、サファイヤは、高温圧力センサダイアフラム材料としてシリコンに代わる理想的な候補となる。サファイヤは、高温における良好な絶縁材料でもある。サファイヤの電気抵抗は、室温での5×1018ohm−cmと1000℃での5×106ohm−cmとの間である。
【0087】
従って、サファイヤは、多くの構造で使用されるPyrexに代わることもできる。さらに、サファイヤは、サファイヤが、AlNよりも金属と結合することをより容易にする、AlN等の他の単結晶高温セラミックと比較して高い熱膨張係数を有する。
【0088】
当業者は、サファイヤ−サファイヤ−アルミナ検出ヘッダまたは検出アセンブリが、ガラス−Si−ガラス構造またはガラス−SiC−ガラス構造よりも高い温度で動作することが可能であることを容易に理解するであろう。さらに、検出エレメントとしてのサファイヤダイアフラムの使用は、ピエゾ抵抗圧力センサよりも温度の影響を受けにくい静電容量式圧力センサを提供する。
【0089】
好適な実施形態に関し、本発明を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲に定義されているように、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に変更および修正を行うことができることを、容易に理解するであろう。
【符号の説明】
【0090】
30 内部検出チャンバ
42 サファイヤダイアフラム
46 サファイヤ基盤
49 中央部分
50 サファイヤ積層
52 第1の電極
54 第2の電極
100 静電容量式圧力センサ
【背景技術】
【0001】
1. 発明の分野
本発明は静電容量式圧力センサに関し、より具体的には、高温での高い熱的強度、熱安定性および耐酸化性を示す材料から製造されるダイアフラムを用いる、ガスタービンエンジン内の音圧波を検出するためのセンサまたはマイクロフォン等の、高温用静電容量式静圧/動的センサに関する。
【0002】
2. 関連技術の説明
静電容量式圧力センサは、例えば、米国特許番号第6,148,674号に開示されるように、当該技術において公知であり、その開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。従来、これらのデバイスは、高温では限られた適用性を有していた。特に、先行技術の圧力センサの容量は、通常、ピコファラッド(pF)の範囲であるため、これらは浮遊容量および他の環境条件の影響を受けやすい。そのため、ガスタービンの用途等の厳しい環境の用途における利用に対して、高温用静電容量式圧力センサを開発することが困難になっている。実際に、350℃を超えて動作可能な市販の静電容量式圧力センサは、現在、存在しない。
【0003】
浮遊容量障害物は、部分的に、保護技術と周波数変調(FM)の容量性伝送技術との組み合わせにより克服されてきた。正確で信頼性の高い計測を達成するために、全ての浮遊容量が信号ピックオフ回路において除去される必要がある。これはガーディングと呼ばれる技術によって防止され得る。ガーディングは、検出領域自体と同じ電圧に保たれた、非検出導体を有する検出電極領域を囲むことにより達成される。この技術は、また、圧力検出器を信号調整回路に接続する3軸ケーブルを保護するためにも用いられる。その結果、ケーブルが最長で10mの長さであったとしても、入力信号のロスがない。
【0004】
容量性ピックオフ信号に影響する別の要因は、温度が上昇するにつれて減少する誘電材料の抵抗である。これは、高温において直流(DC)信号の検出を困難にする。周波数変調(FM)容量測定システムはこの問題を解決する。FMの使用はシステムを搬送波周波数の変動に対して敏感にし、ESD(静電放電)または変動するEM(電磁)場を無視する。
【0005】
さらに、高温の用途で、先行技術の静電容量式圧力センサの多くは、全ての金属ダイアフラムを利用する。しかしながら、圧力センサまたはマイクロフォンにおける金属ダイアフラムの欠点の1つは、高温における温度ヒステリシスおよび圧力ヒステリシスである。インコネル750から製造されるダイアフラムを有する有用な静電容量式圧力センサを、本発明者は製造および試験している。圧力15psi〜600psiでの−55℃〜500℃の温度サイクル試験は、いかなる温度補正もなしで、こうしたデバイス内の温度ヒステリシスがおよそ0.76%、圧力ヒステリシスがおよそ1.3%であることを示す。これらの値は、通常は0.25%未満である、シリコンダイアフラムと比べると比較的大きい。
【0006】
またさらに、高温の用途では、パッケージングデザインが重要であり、センサチップおよびベース(ヘッダ基板)の間のロバストで信頼性の高い電気接続が不可欠である。通常、高温でのセンサ不具合は、接点と出力線との間の電気接続の劣化を原因とする。この問題を解決しようとする試みが、D.Kurtzらによる米国特許番号第5,955,771号に記載されている。D.Kurtzらは、伝導性ガラス原料を使用して、パイレックス(登録商標)ガラスウエハの載置面に密閉結合および封止されるピエゾ抵抗シリコンチップに適用される無配線電気接続技術について記述している。Kurtzの特許の図1に示されるように、シリコンチップは、ガラスウエハに静電的に結合される。ガラスウエハは、シリコンウエハ内の接点の一部分を露出させるいくつかの貫通孔を有する。次いで、デバイス積層が、組み込まれたいくつかのピンを有するヘッダ基板(これもガラス製である)に載置される。載置表面の上に延在する各ピン部分は、接触アパーチャへと延在し、ピンと接点との間に導電性ガラス原料による電気接続をもたらす。ガラス原料は、電気接続を確立するだけではなく、アパーチャの密閉封止も提供する。
【0007】
Kurtzらのアプローチは、ガラス−Si−ガラス積層に基づく。概して、大部分のパイレックス(登録商標)ガラスの最大安全動作温度が、ひずみ点になるようにされる(515℃)。パイレックス(登録商標)ガラスは、通常、約600℃の温度に保たれている場合に、変形し始める。いくつかの特殊なパイレックス(登録商標)は、最高で700℃まで、保持し得る。シリコンでは、600〜700℃で塑性変形が生じることもわかっている。第2に、パイレックス(登録商標)およびシリコンの間の熱的な不整合は、高温範囲におけるセンサ精度を低下させる。第3に、上記の設計は、ピエゾ抵抗法に基づく。ピエゾ抵抗圧力センサは温度の影響に敏感であり、複雑な温度補償が必要であることが知られている。
【0008】
その一方で、静電容量式圧力センサでは、半導体材料を検出エレメントとして使用する必要がない。他の多くの高温材料を、検出エレメントとして選択可能である。静電容量式圧力センサは、温度に対する感受性がより低い材料を利用可能であるため、これらはピエゾ抵抗センサよりも正確である。いわゆる「防護」技術と静電容量インターフェース回路との組み合わせにより、静電容量式圧力センサは、極めて高温の環境での信頼性の高い正確な圧力検出を提供できる。
【0009】
従って、高温環境で動作可能であり、ヒステリシス効果の影響をさほど受けないダイアフラム材料を使用し、センサチップとベースとの間のロバストで信頼性の高い電気接続を含むパッケージングデザインを有する静電容量式圧力センサが求められている。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ガスタービンエンジンでの利用等の、高温の用途に対する新しい有用な静電容量式圧力センサに関する。本発明の静電容量式プローブまたは圧力センサの特定の構成は、とりわけ、内部検出チャンバおよび筐体の外部から内部検出チャンバへと延在する圧力ポートを画定する筐体を含む。サファイヤダイアフラムは、筐体の内部検出チャンバ内に配設され、その中央部分上に形成される第1の電極を有する。ダイアフラムの中央部分および第1の電極は、内部検出チャンバ内において、および圧力センサによって、遭遇する圧力変動に反応して撓むように適合および構成される。
【0011】
筐体の内部検出チャンバ内にサファイヤ基板が配設される。サファイヤ基板の周辺は、サファイヤ積層を形成するようにサファイヤダイアフラムに融合され、基準チャンバは、サファイヤダイアフラムの中央部分およびサファイヤ基板の中央部分の間に画定される。サファイヤ基板は、第1の電極に対向するその中央部分上に形成される第2の電極を有する。サファイヤダイアフラムをサファイヤ基板へ融合する前に、全接触面は、結合層を形成し、融合に必要な温度を低下させるように、化学処理され(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を用いて準備される。
【0012】
本発明の静電容量式圧力センサは、さらに、第2の電極と電気的に連通する検出電極を含むことが想定される。
【0013】
好適には、静電容量式圧力センサは、サファイヤ積層と検出電極との間に配置され、アルミナまたは高温同時焼成セラミック(HTCC)から製造される第2の基板を含む。サファイヤ積層の外周および第2の基板は、基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合されることが想定される。あるいは、サファイヤ積層の外周および第2の基板は、基準チャンバを密閉封止するように、ガラスセラミック封止接着剤を用いて結合される。
【0014】
本発明の特定の構成において、サファイヤダイアフラムの中央部分に隆起が形成される。あるいは、サファイヤ基板の中央部分上に隆起を形成可能である。いずれの構成においても、隆起は基準チャンバへと延在し、サファイヤダイアフラムの中央部分の撓みの際に、第1の電極が第2の電極に接するのを防止する。
【0015】
好適には、第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される。本発明の一実施形態において、第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される。
【0016】
基準チャンバを密閉するために、サファイヤ基板の底面側に高温金属積層をスパッタリングできることが想定される。本明細書で後述するように、金属積層は、さらに、基準チャンバ内に配置される検出電極と、HTCC/アルミナ基板を通って延在するピン/電極との間の、電気的な連通を提供する。
【0017】
本発明の静電容量式圧力センサは、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンを含むことができ、検出電極と第2の電極との間の電気的な連通を提供することも、想定される。またさらに、センサに、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンを提供することができ、センサは、第1の電極および接地と電気的に連通する。
【0018】
本発明の特定の構成において、静電容量式圧力センサは、圧力センサ内の温度を測定するために、筐体外部から基準チャンバ内へと延在する熱電対を含むことができる。
【0019】
本発明はさらに、他のエレメントの中でも、センサ筐体、センサヘッダ、第1の電極、および第2の電極を含む静電容量式圧力センサに関する。センサ筐体は、筐体外部から内部検出チャンバへと延在する圧力ポートを画定する。センサヘッダは、筐体の内部検出チャンバ内に配設され、アルミナ基板に取り付けられるサファイヤ積層を含む。サファイヤ積層は、部分的には、その間に基準チャンバを形成するようにサファイヤ基板に融合されるサファイヤダイアフラムによって形成される。第1の電極は、サファイヤダイアフラムに堆積され、サファイヤ基板およびアルミナ基板を通って、接地へと延在する。第2の電極は、サファイヤ基板上に堆積され、サファイヤ基板を通って、アルミナ基板から、検出電極へと延在する。
【0020】
検出チャンバ内の印加圧力に反応するサファイヤダイアフラムの一部の撓みは、検出電極によって検出される容量値内の変化に対応する。
【0021】
現在では、サファイヤ積層の外周および第2の基板が、基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合されることが想定されている。あるいは、サファイヤ積層の外周および第2の基板は、基準チャンバを密閉封止するように、ガラスセラミック封止接着剤を用いて結合される。
【0022】
本発明の特定の構成において、サファイヤダイアフラムの中央部分上に隆起が形成される。あるいは、隆起は、サファイヤ基板の中央部分上に形成可能である。いずれの構造においても、隆起は基準チャンバへと延在し、サファイヤダイアフラムの中央部分の撓みの際に、第1の電極が第2の電極に接触することを防ぐ。
【0023】
好適には、第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される。本発明の一実施形態において、第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される。
【0024】
高温金属積層は、基準チャンバを密閉するように、サファイヤ基板の底面側にスパッタリングできると想定される。
【0025】
さらに、本発明の静電容量式圧力センサは、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンも含むことができ、検出電極と第2の電極との間の電気的な連通を提供することが想定される。またさらに、センサは、第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンをともなって提供されることが可能であり、このピンは第1の電極および接地と電気的に連通する。
【0026】
本発明の特定の構成において、静電容量式圧力センサは、圧力センサ内の温度計測のために、筐体の外部から基準チャンバへと延在する熱電対を含むことができる。
【0027】
本発明の特定の構成において、検出電極は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される。好適には、検出電極は、ガードリングによって接地への信号線寄生容量から遮蔽される。またさらに、ガードリングは、信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動されると想定される。またさらに、セラミック絶縁体は、検出電極とガードリングとの間に配設される。
【0028】
本発明は、さらに、とりわけ、サファイヤダイアフラムおよびサファイヤ基板を含む静電容量式圧力センサ内で使用するための検出エレメントにも関する。サファイヤダイアフラムは、金属堆積プロセスを使用して、その中央部分上に形成される第1のプラチナ電極を有する。ダイアフラムの中央部分および第1の電極は、静電容量式圧力センサによって遭遇される圧力変動に反応して撓むように、適合および構成される。サファイヤ基板は、サファイヤ積層を形成するように、その周辺を中心にサファイヤダイアフラムに融合され、サファイヤダイアフラムの中央部分とサファイヤ基板の中央部分との間に基準チャンバが形成される。サファイヤ基板は、金属堆積プロセスを使用してその中央部分上に形成される第2のプラチナ電極を有する。第1および第2のプラチナ電極は、サファイヤダイアフラムがサファイヤ基板に融合される場合に、基準チャンバを密閉するように配置される。
【0029】
好適には、サファイヤ基板へサファイヤダイアフラムを融合する前に、全ての接触表面は、結合積層を形成し、融合に必要な温度を下げるように、化学処理され(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を使用して準備される。
【0030】
本発明は、上部および下部表面を有するサファイヤダイアフラムエレメントを提供するステップと、金属堆積プロセスを使用してサファイヤダイアフラムエレメントの下部表面の中央部分上に第1の電極を形成するステップとを含む、静電容量式圧力センサ内で使用されるための、検出エレメントを製造する方法にさらに関する。ダイアフラムエレメントの中央部分および第1の電極は、静電容量式圧力センサによって遭遇される圧力変動に反応して撓むように適合および構成される。本発明の方法は、上部および下部表面を有するサファイヤ基板を提供するステップと、金属堆積プロセスを使用してサファイヤ基板の上部表面の中央部分上に第2の電極を形成するステップと、化学処理して(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を使用してサファイヤダイアフラムエレメントおよびサファイヤ基板のそれぞれの外周を準備するステップと、サファイヤ積層を形成し、サファイヤダイアフラムの中央部分とサファイヤ基板の中央部分との間に基準チャンバを形成するように、サファイヤ基板に、その周辺を中心にして、サファイヤダイアフラムを融合するステップと、をさらに含む。
【0031】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点、ならびにそれらを組み立てかつ使用する方法は、以下に記載されるいくつかの図面と共に記載される以下の本発明の好適な実施形態の実現させるための説明から、当業者にはより容易に明らかであろう。
【0032】
本発明が関連する当業者が、必要以上の経験なしに本発明の静電容量式圧力センサを、いかにして作り使用するかを容易に理解するように、それに関する好適な実施形態が、特定の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の好適な一実施形態に従って構成された静電容量式圧力センサの断面図である。
【0034】
【図2a】図1の静電容量式圧力センサで使用されるサファイヤダイアフラムの底面図である。
【0035】
【図2b】図2aのサファイヤダイアフラムの断面図である。
【0036】
【図3a】図1の静電容量式圧力センサで使用されるサファイヤ基板の上面図である。
【0037】
【図3b】図3aのサファイヤ基板の断面図である。
【0038】
【図4】図2a〜2bのサファイヤダイアフラムおよび図3a〜3bのサファイヤ基板を使用して形成されたサファイヤ積層の断面図である。
【0039】
【図5】図4のサファイヤ積層の底部上にスパッタリングされる高温金属積層を示す断面図である。
【0040】
【図6】第1および第2の電極が、それぞれ、サファイヤダイアフラムおよびサファイヤ基板上に堆積される領域を示す平面図である。
【0041】
【図7】HTTC基板のアルミナ上に載置され、3軸無機物絶縁ケーブルアセンブリに固定される、図4のサファイヤ積層の断面図である。
【0042】
【図8】本発明の静電容量式圧力センサの第2の実施形態の断面図である。
【0043】
【図9】図8に示される圧力センサで使用されるセンサヘッダの断面図である。
【0044】
本発明のこれらおよび他の態様は、図面と共に説明される以下の発明を実施するための形態から、より容易に当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0045】
次に、同様の参照番号が本発明の静電容量式センサの同様の構造的特徴または態様を識別する図面を参照すると、図1において、本発明の好適な実施形態に従って構成され、概して参照番号100によって指定される、静電容量式プローブまたは圧力センサが示されている。圧力センサ100は、ガスタービンエンジン内の使用等の高温の用途のために適合および構成される。
【0046】
図1から図7を参照すると、圧力センサ100は、載置セクション22および電極支持セクション24を有する筐体アセンブリ20を含む。電極支持セクション24は、以下に記載される電極アセンブリ60を受け入れるように適合および構成される。
【0047】
筐体アセンブリ20の載置セクション22は、端部28に組み込まれる一連のねじ26を含む。ねじ26は、測定される圧力源にセンサ100を接続するように使用できる。例えば、ねじ26は、センサ100を燃焼器の筐体に接続するように使用可能である。当業者は、センサを圧力源に接続させるための他の機構を、本発明の範囲から逸脱せずに、利用できることを容易に理解するであろう。
【0048】
筐体20は、内部検出チャンバ30および筐体20の外部から内部検出チャンバ30へと延在する圧力ポート32を画定する。検出アセンブリ40は、筐体20の内部検出チャンバ内に配設される。検出アセンブリ40は、その中央部分44上に形成される第1の電極52を有するサファイヤダイアフラム42を含む。ダイアフラム42の中央部分44および第1の電極52は、内部検出チャンバ30内で、および圧力センサ100によって、遭遇する圧力変動に反応して、撓むように適合および構成される。
【0049】
サファイヤ基板46は、筐体20の内部検出チャンバ30内に配設される。サファイヤ基板46の周辺48は、サファイヤ積層50を形成するように、サファイヤダイアフラム42に融合される(図4を参照)。基準チャンバ80は、サファイヤダイアフラム42の中央部分44とサファイヤ基板46の中央部分49との間に画定される。
【0050】
サファイヤ基板46は、第1の電極52に対向するその中央部分49上に形成される第2の電極54を有する。サファイヤダイアフラム42のサファイヤ基板46への融合の前に、結合層を形成するように、全ての接触表面は、化学処理され(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を使用して準備される。このプロセスは、さらに、サファイヤエレメントの融合に必要な温度を、第1および第2の電極52/54で使用される伝導性材料の融点未満に低下させる。
【0051】
図3に最も良く示されるように、隙間「G」が、基準チャンバ80内で、第1の電極52と第2の電極54との間に提供される。この図に開示される実施形態において、隙間「G」は約5μmと70μmとの間である。隙間距離は、例えば、0.5pFから20pFの特定の容量値範囲に対応する。
【0052】
電極アセンブリ60は、筐体20の電極支持セクション24の内径上に形成される対応する一連のねじと嵌合するように適合および構成される、その外周上に形成される一連のねじ62を有する。電極アセンブリ60が、電極支持セクション24に螺着されると、2つのパーツを、基準チャンバ80の密閉を向上させるように、示されているように、共に溶接することができる。
【0053】
電極アセンブリ60は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される検出電極64を含む。特に、検出電極64は、ガードリング66によって、接地への信号線寄生容量から遮蔽される。好適には、ガードリング66は、信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動される。例えば、インバータバッファ回路を使用することができる。さらに、検出電極64とガードリング66との間にセラミック絶縁体68が配設される。別のセラミック絶縁体69がガードリング66を包囲し、ステンレススチールシールド72が絶縁体69を包囲する。
【0054】
センサ100では、比較的低容量の変動は、正確に計測することができ、例えば、3メートルの長さの3軸ケーブルを通って、遠隔の読み出し電子回路へ送信することができる。上述のように、接地への信号線寄生容量を除去するために、ガードリング66は、信号線を通って流れるものと同じ電位によって駆動される。従って、信号線およびガードリング66の間には交流電流はなく、この2つの間の静電容量は、信号線を通る電荷移動に影響を及ぼさない。これは、ガードリング66および信号線の間の容量は、出力への寄与を有しないことを意味する。
【0055】
静電容量式圧力センサ100で使用される検出アセンブリは、さらに、サファイヤ積層50と検出電極64との間に配置される第2の基板56を含む。好適には、第2の基板は、アルミナまたは高温同時焼成セラミック(HTCC)から製造され、本明細書においてHTCC/アルミナ基板56と称される。本明細書において以下に記載するように、サファイヤ積層50の外周および第2の基板56は、基準チャンバ80に対して第2の密閉封止を提供するように、ろう付け58によって結合される。上記のように、第1の密閉封止は、サファイヤ基板の底部に金属をスパッタリングすることにより形成された。
【0056】
第1および第2の電極52/54は、金属積層堆積プロセスを用いて形成され、例えば、プラチナまたはチタン等の金属を使用して製造できる。さらに、図5に最も良く示されるように、高温金属積層82は、基準チャンバ80を密閉するように、サファイヤ基板46の底面側にスパッタリングまたは堆積される。
【0057】
図2Aから図7は、圧力センサ100、より具体的には、検出アセンブリ40を製造するための代表的な方法を示す。次に、サファイヤダイアフラム42の底面図および断面図を示す図2および図2Bを参照する。図2Bに示すように、浅いキャビティ92および深いキャビティ94が、サファイヤダイアフラム42の底部に提供される。キャビティ92/94は、種々の公知の技術を用いて形成することができる。しかしながら、本出願の出願人は、好適には、浅いキャビティ92は、反応性イオンエッチングプロセスを用いて形成でき、深いキャビティ94は、http://www.ikonicsindustrial.com.index.html.に記載されるもの等の、研磨エッチングプロセスを用いて形成できると判断している。
【0058】
代表的な構成において、サファイヤダイアフラム42またはウエハの厚さを約250ミクロンにすることができ、1ミクロンの浅さのキャビティ92を、底部にエッチングすることができる。次いで、研磨エッチングによって深いキャビティ94を形成することができ、これは、約50ミクロンの深さ(最大70ミクロン)および約2mmの直径にすることができる。
【0059】
次に、例えば、Ta500またはPt3000Aの金属積層を、第1の電極52を形成するように、深いキャビティ94の床に、深いキャビティの周辺エッジの一部分に沿って、および、浅いキャビティ92内へと半径方向外側に堆積させることができる。
【0060】
サファイヤ基板46をサファイヤダイアフラム42に融合する場合に電極に損傷を避けるように、1ミクロンの浅さのキャビティ92が、第1および第2の電極の一部分の凹部としてサファイヤダイアフラム42内に形成されることを留意すべきである。浅いキャビティが約1ミクロンの深さであり、金属積層の厚さが約3ミクロンであるため、基準チャンバは、図5に示すように、高真空でスパッタマシン内で密閉することができる。当業者は、浅いキャビティ92が、サファイヤダイアフラム42の代わりにサファイヤ基板46にエッチングできることを容易に理解するであろう。
【0061】
深いキャビティ94を形成するための代替のアプローチは、50ミクロンのリングへのフラットプレートの融合結合によってキャビティを形成するものである。この場合、2つの融合結合ステップが、サファイヤ積層50を形成するために必要である。
【0062】
図3Aおよび図3Bは、サファイヤ基板46の代表的な構造を示す。基板の厚さは、例えば、約500ミクロンと約800ミクロンとの間にすることができる。2つの貫通孔96a/96bが、超音波エッチングまたは研磨エッチングによって基板46内に形成される。高温金属積層(例:Ta500A/Pt3000A)は、図3Bに示されるように2つの部分に堆積される。第1の部分98aは、サファイヤダイアフラム42上に形成される第1の電極52からサファイヤ基板46を通る、電気のためのパスを提供する。第2のパート98bは、第2の電極を形成し、さらに、サファイヤ基板46を通る導電性パスを提供する。プラチナスパッタリングは、真空で、基準チャンバを密閉封止する。サファイヤ直接結合構造にサファイヤ内の金属スパッタリングを使用することにより、非常に高い温度に耐えるだけでなく、結合インターフェースのヒステリシス効果を排除する。
【0063】
上記のように、化学処理およびプラズマ励起後に、サファイヤダイアフラム42およびサファイヤ基板46は、周辺を中心としてともに直接融合される。融合プロセスは、その後、図4に示すように、サファイヤ積層50を形成するために、真空で1050℃でアニールすることができる。次いで、高温金属積層82は、図5に示すように、真空でさらに基準チャンバ80を密閉するように、サファイヤ基板の底面側にスパッタリングされる。
【0064】
次に、完全な検出アセンブリ40を形成するように、HTCC/アルミナ基板56上に載置されるサファイヤ積層50を図示する図7を参照する。サファイヤ積層50は、約1000℃におけるろう付けによって、HTCC基板56に結合される。ろう付け材料は、図7において、参照番号97aおよび97bとして識別される。積層/基板結合の周辺に配置されるろう付け材料97aによって、第1の電極52から、上部、底部および基板56内に形成されるプラチナ導体98aへ電気的に連通することを可能にする。ろう付け材料97aは、さらに、基準チャンバの密閉を補助する。積層/基板結合の中心に配置されるろう付け材料97bによって、電気が、第2の電極54と上部、底部およびHTCC/アルミナ基板56内に形成される中心に配置されたプラチナ導体との間を電導することを可能にする。
【0065】
第2の基板56に使用されるHTCCまたはアルミナ材料の熱膨張係数は、サファイヤの熱膨張係数とインコネルの熱膨張係数との間であるため、HTCC基板は、金属検出電極64およびサファイヤ積層50の間の遷移結合材料として機能することができる。
【0066】
図7に示すように、検出アセンブリ40の完了後、およそ980℃のろう付けによって、3軸金属プローブまたは電極アセンブリ60に結合される。
【0067】
筐体アセンブリ20は、例えば、インコネルまたはHaynes230から製造することができ、最終的に、最高で1000℃の温度に耐えることができるセンサ100を完成させるように、電極アセンブリに溶接される。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態に従って構成され、参照番号200として指定される静電容量式圧力センサを示す図8および9を参照する。
【0069】
圧力センサ100と同様に、圧力センサ200は、載置セクション222および電極支持セクション224を有する筐体アセンブリ220を含む。電極支持セクション224は、電極アセンブリ260を受けるように適合および構成される。
【0070】
筐体アセンブリ220の載置セクション222は、端部228に組み込まれる一連のねじ226を含む。ねじ226は、センサ200を、計測される圧力源に接続するように使用することができる。例えば、ねじ226は、そのセンサ200を燃焼器の筐体に接続するように使用できる。当業者は、本発明の範囲から逸脱せずにセンサを圧力源に接続するための他の機構を使用できることを容易に理解するであろう。
【0071】
筐体220は、内部検出チャンバ230、および内部検出チャンバ230の筐体220の外部から延在する圧力ポート232を画定する。検出アセンブリ240は、筐体220の内部検出チャンバ内に配設される。検出アセンブリ240は、その中央部分244上に形成される第1の電極252を有するサファイヤダイアフラム242を含む。ダイアフラム242の中央部分244および第1の電極252は、内部検出チャンバ230内で、圧力センサ200によって、遭遇する圧力変動に応じて撓むように適合および構成される。
【0072】
サファイヤ基板246は、筐体220の内部検出チャンバ230内に配設される。サファイヤ基板246の周辺248は、サファイヤ積層250を形成するように、サファイヤダイアフラム242に融合される。基準チャンバ280は、サファイヤダイアフラム242の中央部分244とサファイヤ基板246の中央部分244との間に画定される。
【0073】
サファイヤ基板246は、第1の電極252に対向して、その上部表面上に形成される第2のリング形状の電極254を有する。サファイヤダイアフラム242をサファイヤ基板246へ融合する前に、結合積層を形成するために、全ての接触表面を化学処理し(例:RCAクリーニング)、プラズマ励起を用いて準備する。前述のように、このプロセスは、サファイヤエレメントの融合に必要な温度を、第1および第2の電極のために使用する導電性材料の融点未満に低下させる。
【0074】
前述の実施形態のように、電極アセンブリ260は、対応するねじを使用し、および/または溶接により、または任意の他の公知の技術の使用により、筐体220に固定することができる。
【0075】
電極アセンブリ260は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される検出電極264を含む。前述の実施形態と同様に、検出電極264は、信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動されるガードリング266によって、接地への信号線寄生容量から遮蔽される。さらに、検出電極264とガードリング266との間にセラミック絶縁体が配設される。別のセラミック絶縁体がガードリング266を包囲し、ステンレススチールシールド272が絶縁体を包囲する。
【0076】
静電容量式圧力センサ200で使用される検出アセンブリは、さらに、サファイヤ積層250の下に配置される第2の基板256を含む。好適には、第2の基板は、アルミナまたは高温同時焼成セラミック(HTCC)から製造され、本明細書において、HTCC/アルミナ基板256と称される。
【0077】
前述の実施形態において、サファイヤ積層50および第2の基板56は、基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合された。図8および図9に示された実施形態において、サファイヤ積層250の外周および第2の基板256は、基準チャンバを密閉封止するように、非導電性ガラスセラミック封止接着剤を用いて結合される。
【0078】
検出アセンブリ240等のサファイヤ−サファイヤ−アルミナ/HTCC検出アセンブリは、従来のガラス−SiC−ガラス構造よりも高い焼成温度に対処可能である。そのため、サファイヤ積層250とヘッダまたは第2の基板256との間に結合接着剤を使用することができ、接着剤は、有利にも、ガラス原料よりも比較的高い動作温度を有する。
【0079】
最高で800℃、または800℃を超えて動作可能な高温ガラスセラミック密閉剤を、サファイヤ積層と第2の基板との間の密閉封止のために使用することができる。図9において、密閉剤は、参照番号302で識別される。サファイヤ積層を基板に結合させるためのガラスセラミック接着剤の使用により、センサは、この結合のためにガラス原料を使用する場合よりも高い温度に耐えることもできる。
【0080】
センサ100とは異なり、圧力センサ200は、第2の基板256を通って、サファイヤ基板246内に形成されるアパーチャ296a/296bへと延在する少なくとも2つのピン298a/298bを含む。上記と同様に、アパーチャ296a/296bの壁上に導電性金属が堆積されることに留意されたい。さらに、プラチナ、インコネル、ステンレス鋼等の高温金属からピンを製造できる。
【0081】
最高で800℃または800℃を超えて動作可能な導電性ガラスセラミック接着剤300は、アパーチャ296a/296bを充填するように使用でき、第2の基板256内に埋め込まれるピン298a/298bと、サファイヤ積層250に関連付けられる第1および第2の電極252/254の間の電気接続を行う。上記と同様に、第1および第2の電極252/254は、金属積層堆積プロセスを使用して形成でき、例えば、プラチナまたはチタン等の金属を使用して製造できる。非伝導性ガラス/セラミック接着剤302(サファイヤ積層とHTCC/アルミナ基板との間の結合)および導電性ガラス/セラミック接着剤300は、電気接続(ピンからピンへの絶縁)および溶接密閉が同時に形成されるように、同じ温度プロファイルで焼成される。
【0082】
そのため、第1のピン298bは、検出電極264と第2の電極254との間の電気的連通を提供し、第2のピン298aは、第1の電極252および接地との電気的連通を提供する。当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、3本以上のピンを使用できることを容易に理解するであろう。
【0083】
図8に示されるように、静電容量式圧力センサ200は、さらに、圧力センサ200内の温度計測のために、筐体220の外部から検出チャンバ230および/または基準チャンバ280へと延在する熱電対290を含むことができる。
【0084】
サファイヤ基板246の中央部分上に隆起292が形成される。あるいは、サファイヤダイアフラム242の中央部分244上に隆起292を形成することができる。いずれの構造においても、隆起292は、基準チャンバ280内へと延在し、第1の電極252が、サファイヤダイアフラム242の中央部分244の撓みの際に、第2の電極254に接触することを防ぐ。
当業者は、検出チャンバ230内の印加圧力に反応するサファイヤダイアフラム242の一部分の撓みが、検出電極264によって検出される容量値の変化に対応することを容易に理解するであろう。
【0085】
サファイヤは、高温範囲において安定した機械的特性を有する単結晶Al2O3である。AlイオンとOイオンとの間の強い化学的結合強度のために、サファイヤ(およびアルミナ)は、高い融点、酸化物における最高硬度および室温における高い機械的強度等の卓越した物理的安定性を有する。サファイヤ(およびアルミナ)は、さらに、化学的にも非常に安定しており、高い耐食性を有する。サファイヤの降伏強度は、Haynes230等の材料の降伏強度よりもずっと高い。
【0086】
さらに、サファイヤの極限強さは1.9GPaであり、一方で、Haynes230は860MPaである。サファイヤにおいては、900℃で塑性変形(クリープ)が生じる。決定されたクリープ降伏点応力は、900℃において約11094psi、および1400℃において1850psiである。こうした優れた機械的特性により、サファイヤは、高温圧力センサダイアフラム材料としてシリコンに代わる理想的な候補となる。サファイヤは、高温における良好な絶縁材料でもある。サファイヤの電気抵抗は、室温での5×1018ohm−cmと1000℃での5×106ohm−cmとの間である。
【0087】
従って、サファイヤは、多くの構造で使用されるPyrexに代わることもできる。さらに、サファイヤは、サファイヤが、AlNよりも金属と結合することをより容易にする、AlN等の他の単結晶高温セラミックと比較して高い熱膨張係数を有する。
【0088】
当業者は、サファイヤ−サファイヤ−アルミナ検出ヘッダまたは検出アセンブリが、ガラス−Si−ガラス構造またはガラス−SiC−ガラス構造よりも高い温度で動作することが可能であることを容易に理解するであろう。さらに、検出エレメントとしてのサファイヤダイアフラムの使用は、ピエゾ抵抗圧力センサよりも温度の影響を受けにくい静電容量式圧力センサを提供する。
【0089】
好適な実施形態に関し、本発明を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲に定義されているように、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に変更および修正を行うことができることを、容易に理解するであろう。
【符号の説明】
【0090】
30 内部検出チャンバ
42 サファイヤダイアフラム
46 サファイヤ基盤
49 中央部分
50 サファイヤ積層
52 第1の電極
54 第2の電極
100 静電容量式圧力センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式圧力センサであって、
i) 内部検出チャンバと、筐体の外部から前記内部検出チャンバへと延在する圧力ポートとを画定する筐体と、
ii) 前記筐体の前記内部検出チャンバ内に配設され、かつ、その中央部分上に形成される第1の電極を有するサファイヤダイアフラムであって、前記ダイアフラムの前記中央部分および前記第1の電極は、前記内部検出チャンバ内で遭遇する圧力変動に反応して撓むように適合および構成される、サファイヤダイアフラムと、
iii) 前記筐体の前記内部検出チャンバ内に配設されるサファイヤ基板であって、前記サファイヤ基板の周辺部分は、サファイヤ積層を形成するように、前記サファイヤダイアフラムに融合され、基準チャンバは、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分と前記サファイヤ基板の中央部分との間に画定され、前記サファイヤ基板は、前記第1の電極に対向するその中央部分上に形成される第2の電極を有し、前記サファイヤダイアフラムの前記サファイヤ基板への融合の前に、結合層を形成し、かつ前記融合のために必要な温度を低下させるように、全接触表面は化学処理され、プラズマ励起を用いて準備される、サファイヤ基板と、を備える、静電容量式圧力センサ。
【請求項2】
前記第2の電極と電気的に連通する検出電極をさらに備える、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項3】
前記サファイヤ積層と前記検出電極との間に配置され、かつ、アルミナまたは高温同時焼成セラミックから製造される、第2の基板をさらに備える、請求項2に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項4】
前記サファイヤ積層の前記外周および前記第2の基板は、前記基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合される、請求項3に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項5】
前記サファイヤ積層の前記外周および前記第2の基板は、前記基準チャンバを密閉封止するように、非伝導ガラスセラミック密閉接着剤を用いて結合される、請求項3に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項6】
前記基準チャンバ内へと延在し、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分が撓む際に、前記第1の電極が前記第2の電極に接することを防ぐ、前記サファイヤダイアフラムまたは前記サファイヤ基板の前記中央部分上に、隆起が形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項7】
前記第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項8】
前記第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項9】
高温金属積層は、前記基準チャンバを密閉するように、前記サファイヤ基板の底面側にスパッタリングされる、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項10】
i) 前記検出電極と前記第2の電極との間に電気的な連通を提供する前記第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンと、
ii) 前記第1の電極および接地と電気的に連通する前記第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンと、をさらに備える、請求項3に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項11】
前記圧力センサ内の温度を計測するために、前記筐体の前記外部から前記基準チャンバへと延在する熱電対をさらに備える、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項12】
前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分は、研磨エッチングプロセスを用いて形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項13】
前記第1の電極の一部分は、反応性イオンエッチングによって、前記サファイヤダイアフラムに形成されるキャビティ内に配設される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項14】
静電容量式圧力センサであって、
i) センサ筐体であって、前記筐体の外部から内部検出チャンバへと延在する圧力ポートを画定するセンサ筐体と、
ii) アルミナ基板に取り付けられたサファイヤ積層を含む前記筐体の前記内部検出チャンバ内に配設されるセンサヘッダであって、前記サファイヤ積層は、その間に基準チャンバを形成するように、サファイヤ基板に融合されるサファイヤダイアフラムを含む、センサヘッダと、
iii) 前記サファイヤダイアフラム上に堆積され、かつ、前記サファイヤ基板および前記アルミナ基板を通って接地へと延在する、第1の電極と、
iv) 前記サファイヤ基板上に堆積され、かつ、前記サファイヤ基板および前記アルミナ基板を通って検出電極へと延在する、第2の電極と、を備え、
前記検出チャンバ内の印加される圧力に反応する前記サファイヤダイアフラムの一部分の撓みは、前記検出電極によって検出される静電容量値の変化に対応する、静電容量式圧力センサ。
【請求項15】
前記サファイヤ積層の外周および前記第2の基板は、前記基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項16】
前記サファイヤ積層および前記第2の基板の前記外周は、前記基準チャンバを密閉封止するように、非導電性ガラスセラミック封止接着剤を用いて取り付けられる、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項17】
前記基準チャンバ内へと延在し、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分が撓む際に、前記第1の電極が前記第2の電極に接することを防ぐ、前記サファイヤダイアフラムまたは前記サファイヤ基板の中央部分上に隆起が形成される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項18】
前記第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項19】
前記第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項20】
高温金属積層は、前記基準チャンバを密閉するように、前記サファイヤ基板の底面側にスパッタリングされる、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項21】
前記第2の電極は、前記第2の基板を通って延在し、かつ、前記検出電極と前記第2の電極との間の電気的な連通を提供する少なくとも1つのピンを含み、前記第1の電極は、前記第2の基板を通って延在し、かつ、前記第1の電極と接地との間の電気的連通を提供する、少なくとも1つのピンを含む、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項22】
前記圧力センサ内の前記温度を計測するために、前記筐体の前記外部から前記基準チャンバ内へと延在する熱電対をさらに備える、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項23】
前記検出電極は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項24】
前記検出電極は、ガードリングによって、前記接地への前記信号線寄生容量から遮蔽される、請求項23に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項25】
前記ガードリングは、前記信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動される、請求項24に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項26】
セラミック絶縁体は、前記検出電極と前記ガードリングとの間に配設される、請求項25に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項27】
静電容量式圧力センサ内で使用するための検出エレメントであって、
i) 金属堆積プロセスを用いて、その中央部分上に形成される第1のプラチナ電極を有するサファイヤダイアフラムであって、前記ダイアフラムの前記中央部分および前記第1の電極は、前記静電容量式圧力センサが遭遇した圧力変動に反応して撓むように適合および構成される、サファイヤダイアフラムと、
ii) サファイヤ積層を形成するように、その周辺を中心として、前記サファイヤダイアフラムに融合され、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分およびサファイヤ基板の中央部分の間に、基準チャンバを形成する、サファイヤ基板であって、前記サファイヤ基板は、金属堆積プロセスを用いて、その中央部分上に形成される第2のプラチナ電極を有する、サファイヤ基板と、を備え、
前記第1および第2のプラチナ電極は、前記サファイヤダイアフラムが前記サファイヤ基板に融合される場合に、前記基準チャンバを密閉するように構成される、検出エレメント。
【請求項28】
前記サファイヤダイアフラムの前記サファイヤ基板への融合の前に、結合層を形成し、前記融合のために必要な温度を低下させるように、全接触表面は化学処理され、かつ、プラズマ励起を用いて準備される、請求項27に記載の検出エレメント。
【請求項29】
静電容量式圧力センサで使用するように、検出エレメントを製造するための方法であって、
i) 上部および下部表面を有するサファイヤダイアフラムエレメントを提供することと、
ii) 金属堆積プロセスを用いて、前記サファイヤダイアフラムエレメントの前記下部表面の中央部分上に、第1の電極を形成することであって、前記ダイアフラムエレメントの前記中央部分および前記第1の電極は、前記静電容量式圧力センサが遭遇する圧力変動に反応して撓むように、適合および構成される、形成することと、
iii) 上部および下部表面を有するサファイヤ基板を提供することと、
iv) 金属堆積プロセスを用いて、前記サファイヤ基板の前記上部表面の中央部分上に第2の電極を形成することと、
v) プラズマ励起を用いて、前記サファイヤダイアフラムエレメントおよび前記サファイヤ基板のそれぞれの外周を化学処理および準備することと、
vi) サファイヤ積層を形成し、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分とサファイヤ基板の中央部分との間に基準チャンバを形成するように、前記サファイヤダイアフラムを、前記サファイヤ基板にその周囲を中心として融合させることと、を含む、方法。
【請求項1】
静電容量式圧力センサであって、
i) 内部検出チャンバと、筐体の外部から前記内部検出チャンバへと延在する圧力ポートとを画定する筐体と、
ii) 前記筐体の前記内部検出チャンバ内に配設され、かつ、その中央部分上に形成される第1の電極を有するサファイヤダイアフラムであって、前記ダイアフラムの前記中央部分および前記第1の電極は、前記内部検出チャンバ内で遭遇する圧力変動に反応して撓むように適合および構成される、サファイヤダイアフラムと、
iii) 前記筐体の前記内部検出チャンバ内に配設されるサファイヤ基板であって、前記サファイヤ基板の周辺部分は、サファイヤ積層を形成するように、前記サファイヤダイアフラムに融合され、基準チャンバは、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分と前記サファイヤ基板の中央部分との間に画定され、前記サファイヤ基板は、前記第1の電極に対向するその中央部分上に形成される第2の電極を有し、前記サファイヤダイアフラムの前記サファイヤ基板への融合の前に、結合層を形成し、かつ前記融合のために必要な温度を低下させるように、全接触表面は化学処理され、プラズマ励起を用いて準備される、サファイヤ基板と、を備える、静電容量式圧力センサ。
【請求項2】
前記第2の電極と電気的に連通する検出電極をさらに備える、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項3】
前記サファイヤ積層と前記検出電極との間に配置され、かつ、アルミナまたは高温同時焼成セラミックから製造される、第2の基板をさらに備える、請求項2に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項4】
前記サファイヤ積層の前記外周および前記第2の基板は、前記基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合される、請求項3に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項5】
前記サファイヤ積層の前記外周および前記第2の基板は、前記基準チャンバを密閉封止するように、非伝導ガラスセラミック密閉接着剤を用いて結合される、請求項3に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項6】
前記基準チャンバ内へと延在し、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分が撓む際に、前記第1の電極が前記第2の電極に接することを防ぐ、前記サファイヤダイアフラムまたは前記サファイヤ基板の前記中央部分上に、隆起が形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項7】
前記第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項8】
前記第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項9】
高温金属積層は、前記基準チャンバを密閉するように、前記サファイヤ基板の底面側にスパッタリングされる、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項10】
i) 前記検出電極と前記第2の電極との間に電気的な連通を提供する前記第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンと、
ii) 前記第1の電極および接地と電気的に連通する前記第2の基板を通って延在する少なくとも1つのピンと、をさらに備える、請求項3に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項11】
前記圧力センサ内の温度を計測するために、前記筐体の前記外部から前記基準チャンバへと延在する熱電対をさらに備える、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項12】
前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分は、研磨エッチングプロセスを用いて形成される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項13】
前記第1の電極の一部分は、反応性イオンエッチングによって、前記サファイヤダイアフラムに形成されるキャビティ内に配設される、請求項1に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項14】
静電容量式圧力センサであって、
i) センサ筐体であって、前記筐体の外部から内部検出チャンバへと延在する圧力ポートを画定するセンサ筐体と、
ii) アルミナ基板に取り付けられたサファイヤ積層を含む前記筐体の前記内部検出チャンバ内に配設されるセンサヘッダであって、前記サファイヤ積層は、その間に基準チャンバを形成するように、サファイヤ基板に融合されるサファイヤダイアフラムを含む、センサヘッダと、
iii) 前記サファイヤダイアフラム上に堆積され、かつ、前記サファイヤ基板および前記アルミナ基板を通って接地へと延在する、第1の電極と、
iv) 前記サファイヤ基板上に堆積され、かつ、前記サファイヤ基板および前記アルミナ基板を通って検出電極へと延在する、第2の電極と、を備え、
前記検出チャンバ内の印加される圧力に反応する前記サファイヤダイアフラムの一部分の撓みは、前記検出電極によって検出される静電容量値の変化に対応する、静電容量式圧力センサ。
【請求項15】
前記サファイヤ積層の外周および前記第2の基板は、前記基準チャンバを密閉封止するように、ろう付けによって結合される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項16】
前記サファイヤ積層および前記第2の基板の前記外周は、前記基準チャンバを密閉封止するように、非導電性ガラスセラミック封止接着剤を用いて取り付けられる、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項17】
前記基準チャンバ内へと延在し、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分が撓む際に、前記第1の電極が前記第2の電極に接することを防ぐ、前記サファイヤダイアフラムまたは前記サファイヤ基板の中央部分上に隆起が形成される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項18】
前記第1および/または第2の電極は、金属積層堆積プロセスを用いて形成される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項19】
前記第1および/または第2の電極は、プラチナを用いて形成される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項20】
高温金属積層は、前記基準チャンバを密閉するように、前記サファイヤ基板の底面側にスパッタリングされる、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項21】
前記第2の電極は、前記第2の基板を通って延在し、かつ、前記検出電極と前記第2の電極との間の電気的な連通を提供する少なくとも1つのピンを含み、前記第1の電極は、前記第2の基板を通って延在し、かつ、前記第1の電極と接地との間の電気的連通を提供する、少なくとも1つのピンを含む、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項22】
前記圧力センサ内の前記温度を計測するために、前記筐体の前記外部から前記基準チャンバ内へと延在する熱電対をさらに備える、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項23】
前記検出電極は、接地への信号線寄生容量から遮蔽される、請求項14に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項24】
前記検出電極は、ガードリングによって、前記接地への前記信号線寄生容量から遮蔽される、請求項23に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項25】
前記ガードリングは、前記信号線を通って流れる電位と等しい電位によって駆動される、請求項24に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項26】
セラミック絶縁体は、前記検出電極と前記ガードリングとの間に配設される、請求項25に記載の静電容量式圧力センサ。
【請求項27】
静電容量式圧力センサ内で使用するための検出エレメントであって、
i) 金属堆積プロセスを用いて、その中央部分上に形成される第1のプラチナ電極を有するサファイヤダイアフラムであって、前記ダイアフラムの前記中央部分および前記第1の電極は、前記静電容量式圧力センサが遭遇した圧力変動に反応して撓むように適合および構成される、サファイヤダイアフラムと、
ii) サファイヤ積層を形成するように、その周辺を中心として、前記サファイヤダイアフラムに融合され、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分およびサファイヤ基板の中央部分の間に、基準チャンバを形成する、サファイヤ基板であって、前記サファイヤ基板は、金属堆積プロセスを用いて、その中央部分上に形成される第2のプラチナ電極を有する、サファイヤ基板と、を備え、
前記第1および第2のプラチナ電極は、前記サファイヤダイアフラムが前記サファイヤ基板に融合される場合に、前記基準チャンバを密閉するように構成される、検出エレメント。
【請求項28】
前記サファイヤダイアフラムの前記サファイヤ基板への融合の前に、結合層を形成し、前記融合のために必要な温度を低下させるように、全接触表面は化学処理され、かつ、プラズマ励起を用いて準備される、請求項27に記載の検出エレメント。
【請求項29】
静電容量式圧力センサで使用するように、検出エレメントを製造するための方法であって、
i) 上部および下部表面を有するサファイヤダイアフラムエレメントを提供することと、
ii) 金属堆積プロセスを用いて、前記サファイヤダイアフラムエレメントの前記下部表面の中央部分上に、第1の電極を形成することであって、前記ダイアフラムエレメントの前記中央部分および前記第1の電極は、前記静電容量式圧力センサが遭遇する圧力変動に反応して撓むように、適合および構成される、形成することと、
iii) 上部および下部表面を有するサファイヤ基板を提供することと、
iv) 金属堆積プロセスを用いて、前記サファイヤ基板の前記上部表面の中央部分上に第2の電極を形成することと、
v) プラズマ励起を用いて、前記サファイヤダイアフラムエレメントおよび前記サファイヤ基板のそれぞれの外周を化学処理および準備することと、
vi) サファイヤ積層を形成し、かつ、前記サファイヤダイアフラムの前記中央部分とサファイヤ基板の中央部分との間に基準チャンバを形成するように、前記サファイヤダイアフラムを、前記サファイヤ基板にその周囲を中心として融合させることと、を含む、方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−32397(P2012−32397A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158751(P2011−158751)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(506283927)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】ROSEMOUNT AEROSPACE INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(506283927)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】ROSEMOUNT AEROSPACE INC.
【Fターム(参考)】
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