説明

高温遮断弁

【課題】 熱湯等の高温水流入に伴う遮断動作後の高温水の漏れを確実になくして使用の安全性を確保できるとともに、簡単な操作で通常の吐水状態に早急に復帰させることができる高温遮断弁を提供する。
【解決手段】 一次側流入口11及び二次側流出口13を有する筒状弁本体16内に、環状弁座17、通水部材18、中央通水路19を有する弁体20、弁体を20開弁位置に移動付勢するスプリング23、設定温度以上の高温水が流入したとき、スプリング23の移動付勢力に抗して伸張し弁体20を閉弁位置に移動させる感温部材24とを設けてなる高温遮断弁1における筒状弁本体16に、外部に露出する操作部25Aaを押圧することにより、弁体20を感温部材24の伸張力に抗して強制的に開弁位置に移動操作可能な遮断解除用操作部材25が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水用ハンドル及び湯用ハンドルを備えた2ハンドル式の湯水混合栓、あるいは、一つのレバー操作により湯水の混合量を調節可能としたシングルレバー式の湯水混合栓等の給水源からシャワ等の吐水具に通じる流路の途中に介装して用いられる高温遮断弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の高温遮断弁は、シャワ等の吐水具の使用中にハンドルあるいはレバーを誤操作し、それに起因して熱湯など設定温度以上の高温水が不測に吐水具から吐出されて火傷等を負わないような機能動作を発揮するものであって、基本的に、一次側流入口及び二次側流出口を有する筒状弁本体内に、環状弁座を保持する通水部材と、中央部に通水路を有し、前記環状弁座に対する当接・離間移動により通水部材から前記中央通水路の流水を開閉する弁体と、この弁体を開弁位置に移動付勢するスプリングと、前記一次側流水口から設定温度以上の高温水が前記弁体の中央通水路に流入したとき、前記スプリングの移動付勢力に抗して伸張し前記弁体を閉弁位置に移動させて前記湯水の二次側流出口への流動を自動的に遮断する感温部材とを設けて構成されている。
【0003】
上記のような使用の安全性確保のために用いられる高温遮断弁において、熱湯等の高温水の流入に伴う感温部材の応動により弁体が閉弁位置に移動された遮断動作後に通常の通水状態に復帰させる手段として、従来では、弁体が閉弁位置に移動され弁座に当接された状態で該弁体と弁本体あるいはその内部に設けた弁ケースとの間に常時通水状態を保つ微小通水路を形成し、この微小通水路を経て流れる少量の水により前記感温部材を冷却することによって、スプリングの移動付勢力に押されて該感温部材が収縮し、弁体を開弁位置に復帰移動させるように構成したものを本出願は既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、熱湯等の高温水の流入に伴う感温部材の応動により閉弁位置に移動されて弁座に当接される弁体自体に小流量面積のリーク孔を設け、このリーク孔を通して流れる少量の水により前記感温部材を冷却することによって、スプリングの移動付勢力に押されて該感温部材が収縮し、弁体を開弁位置に復帰移動させるように構成したものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】 特許第3715913号公報
【特許文献2】 特公平3−9354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1,2で示されている従来提案の高温遮断弁の場合は、吐水具が使用状態にある限り高温水の流入に伴う遮断動作後にも少量の水、すなわち、弁本体内に残留している高温水が漏れて二次側に吐出されるために、火傷等を負う可能性が残されている。また、遮断動作後で前記感温部材が十分に冷却されていない段階で吐水具を再使用する際、ハンドルあるいはレバーを誤操作なく正しく操作したとしても、弁体が未だ開弁位置に復帰していないために、前記感温部材が十分に冷却されて弁体が開弁位置に復帰するまでの間は、微小通水路あるいはリーク孔を経て小流量の水あるいは低温水が流れるに留まり、通常の使用状態への復帰には時間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、遮断動作後の高温水の漏れを確実になくして使用の安全性を確保できるとともに、簡単な操作で通常の吐水状態に早急に復帰させることができる高温遮断弁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために案出された本発明に係る高温遮断弁は、一次側流入口及び二次側流出口を有する筒状弁本体内に、環状弁座を保持する通水部材と、中央部に通水路を有し、前記環状弁座に対する当接・離間移動により通水部材から前記中央通水路の流水を開閉する弁体と、この弁体を開弁位置に移動付勢するスプリングと、前記一次側流水口から設定温度以上の高温水が前記弁体の中央通水路に流入したとき、前記スプリングの移動付勢力に抗して伸張し前記弁体を閉弁位置に移動させて前記高温水の二次側流出口への流動を自動的に遮断する感温部材とを設けてなる高温遮断弁において、前記筒状弁本体には、その一端の操作部が筒状弁本体外部に露出し、この操作部を押圧することにより、前記弁体を前記感温部材の伸張力に抗して強制的に開弁位置に移動操作可能な遮断解除用操作部材が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記のような特徴構成を有する本発明によれば、シャワ等の吐水具の使用中におけるハンドルあるいはレバーの誤操作に起因して熱湯など設定温度以上の高温水が一次側流入口から弁本体内に流入した場合、感温部材が弁体を開弁位置に移動付勢しているスプリングの移動付勢力に抗して伸張し弁体を閉弁位置に移動させて熱湯等の高温水の二次側流出口への流動を自動的に遮断することになり、吐水具の使用者が火傷を負うなどの不測の事態の発生を回避できるのはもとより、かかる遮断動作後における高温水の漏れも確実に防いで使用の安全性を確保することができる。
【0010】
しかも、遮断動作後で前記感温部材が十分に冷却されていない段階で吐水具を再使用するにあたっては、弁本体に装備されている遮断解除用操作部材の外部露出操作部を手指等で押圧することで弁体を強制的に開弁位置に移動させて遮断を一時的に解除することが可能であり、このとき、ハンドルあるいはレバーが正しく操作されていれば、一次側流入口から弁本体内に流入してくる多量の低温水が未だ伸張状態にある感温部材に接触して該感温部材を急速に冷却し収縮させて弁体をスプリングの移動付勢力による開弁位置保持状態に移行させることができる。したがって、遮断動作直後においても、極く簡単な操作を行うだけで通常の使用(吐水)状態に早急に復帰させることができ、安全使用のための高温遮断弁の存在にかかわらず、シャワ等の吐水具の使用勝手を優れたものとすることができる。また、前記遮断解除用操作部材による一時的な遮断解除時には、吐水具の使用者自身が弁本体内に残留する一部の高温水が吐出されることを認識しているので、通常の使用状態への早期復帰という過度時にも火傷等を負う可能性がなく、安全性を保つことができるという効果を奏する。
【0011】
本発明に係る高温遮断弁において、前記弁体としては、その中央通水路の上部が開口する有底円筒形状に形成されており、その底壁部に前記二次側流出口に接続されるように周方向に複数の通水孔が設けられているとともに、前記底壁部の中央から下方へ向けて水拡散用突起が延設されている構成のものの使用が好ましい(請求項2)。
この場合は、前記遮断解除用操作部材により遮断を強制的、一時的に解除したときに弁本体内に流入してくる低温水を弁体底壁部に形成の複数の通水孔に分散させて流動させるとともに、その分散流動する低温水を突起によって周囲に拡散させて感温部材との接触面積を大きくすることが可能であり、したがって、感温部材の冷却を促進して通常の吐水状態への復帰を一層早めることができる。
【0012】
また、本発明に係る高温遮断弁おいて、前記遮断解除用操作部材は、スプリングを介して前記一端の操作部が前記筒状弁本体外部に露出し、かつ、他端の押圧力付与部が前記弁体の押圧力受け部に対して該弁体の開弁位置から閉弁位置への移動ストロークに対応する上下距離を隔てた箇所に位置するよう上下距離を隔てた箇所に位置するように保持されていることが好ましい(請求項3)。
この場合は、通常の使用状態にあるとき、遮断解除用操作部材の押圧力付与部が弁体の押圧力受け部から浮き上がり離間しているので、外部露出の操作部を誤って押圧したり引張り操作することがあっても、弁体にはなんらの力が加わらず通常の吐水状態を維持することができるとともに、弁本体内の構成部材に無理な力をかけずそれらの破損変形等を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1、図2は、給水源としてシングルレバー式の湯水混合栓を用い、吐水具としてシャワを用いた場合の本発明に係る高温遮断弁の実施形態を示すものである。
【0014】
図1において、1は高温遮断弁で、この高温遮断弁1は、吐水具の一例で、その最流端にグリップ2と吐水孔付きシャワ板3を有するシャワヘッド4が継手5を介して接続されているシャワホース6とシングルレバー式湯水混合栓7との間に介装されている。詳しくは、高温遮断弁1の下流端が前記シャワホース6の最上流端に設けた継手8にねじ結合して接続されている一方、上流端が前記湯水混合栓7における水栓本体9の背面中央部に形成のシャワ用吐出口9aにねじ結合を介して回動自在に接続されている。前記湯水混合栓7には、湯水の混合量及び流量の調節及び吐水状態と止水状態の切り替えを行うための単一のレバー(シングルレバー)10が設けられている。
【0015】
前記高温遮断弁1は、図2に明示されているように、一次側流入口11を有するエルボ状筒状体12の一端側と二次側流出口13を有する直管状筒状体14の一端側とをパッキン15を介して内外同心状態に重合させて水密接続させてなる筒状弁本体16を備えている。
【0016】
前記筒状弁本体16におけるエルボ状筒状体12内の上端部には、環状弁座17を保持するリング形状の通水部材18が嵌合固定されているとともに、この通水部材18より下流位置の筒状弁本体16内には、中央部に通水路19を有し有底円筒形状に形成された弁体20が前記中央通水路19の上部を上向きに開口させた状態で筒軸線方向、即ち、前記環状弁座17に対して当接・離間する上下方向に摺動移動自在に嵌合保持されており、この弁体20の先端縁部20aが前記環状弁座17に当接されたとき、前記通水部材18から前記中央通水路19への流水を閉止(遮断)し、かつ、前記先端縁部20aが前記環状弁座17から離間されたとき、前記通水部材18から前記中央通水路19への流水を開放(許容)するように構成されている。
【0017】
前記通水部材18の直下流位置で前記弁体20の外周部のエルボ状筒状体12内には、環状シール部材21を介して環状の摺動ガイド22が嵌着保持されており、この摺動ガイド22の内周面に前記弁体20の外周面を摺接させることにより、弁体20がこじれなどを起すことなく上下方向に直線的に摺動移動案内されるように構成されている。この摺動ガイド22と前記有底円筒形状の弁体20の底壁部20c外周に一体形成したフランジ状突出部20bとの間には、前記弁体20をその先端縁部20aが環状弁座17から離間するように開弁位置に移動付勢するコイルスプリング23が介在されている。
【0018】
また、前記弁体20の底壁部20cの下面と前記筒状弁本体16における直管状筒状体14の二次側流出口13近くに形成された縮径段部14aの上面との間には、ばね状の感温部材24が設けられている。この感温部材24は、形状記憶合金から形成されるもので、熱湯など設定温度以上の高温水が一次側流入口11から弁体20の中央通水路19及びその下流の筒状弁本体16内に流入したとき、前記コイルスプリング23の移動付勢力に抗して伸張して前記弁体20をその先端縁部20aが環状弁座17に当接するように閉弁位置に移動させ、前記高温水の二次側流出口13、さらにはシャワホース6への流動を自動的に遮断する機能を有する。
【0019】
前記弁体20は、図4の(a)〜(d)に明示するように、その底壁部20cに前記中央通水路19が二次側流出口13に接続されるように周方向に複数(図面上では4つで示すが、2つ以上であればよい。)の通水孔20dが貫設されているとともに、前記底壁部20cの中央から下方へ向けて先尖りの水拡散用突起20eが延設されている。
【0020】
また、前記通水部材18は、図5の(a),(b)に明示するように、前記環状弁座17を嵌合保持する上部のリング状体18aと前記弁体20の外周面に摺接して該弁体20の上下方向の摺動移動を案内する下部のリング状体18bとを周方向で複数の繋ぎ板片18cを介して一体連結して、周方向に隣接する繋ぎ板片18c間に前記一次側流入口11と前記弁体20の中央通水路19とを連通する通水部18dが形成されている。
【0021】
さらに、前記筒状弁本体16におけるエルボ状筒状体12の上端部には、前記弁体20を前記感温部材24の伸張力に抗して強制的に開弁位置に移動操作することが可能な軸状の遮断解除用操作部材25がその一端(上端)の操作部25aを前記エルボ状筒状体12の上方外部に露出する状態に設けられている。
【0022】
この遮断解除用操作部材25は、図6の(a),(b)に明示するように、前記通水部材18の上部リング状体18aに嵌合保持された環状弁座17の中心孔部に抜止め状態に保持され、かつ、前記エルボ状筒状体12にねじ結合されるボス部材26に上下摺動自在に貫通保持されている。そして、前記操作部25aの下面とエルボ状筒状体12に形成の凹部12aの底面との間に介装されたスプリング27を介して、通常は前記操作部25aが前記エルボ状筒状体12の上方外部に露出し、かつ、他端(下端)の押圧力付与部25bが弁体20の押圧力受け部である底壁部20cの上面に対して該弁体20の開弁位置から閉弁位置への移動ストロークに対応する上下距離Lを隔てた箇所に位置するように構成されている。
【0023】
以上のように構成された高温遮断弁1は、通常の使用状態においては、コイルスプリング23の移動付勢力により弁体20が図2に示すような開弁位置に保持されており、湯水混合水栓7で適温、適量に調節された湯水が一次側流入口11から通水部材18、弁体20の中央通水路19、複数の通水孔20d及び二次側流出口13を経てシャワホース6に供給され、シャワヘッド4の吐水孔付きシャワ板3から散水されることになる。
【0024】
このような通常の使用状態において、シャワ使用者等がレバー10を誤って操作して熱湯など設定温度以上の高温水が一次側流入口11から弁本体20の中央通水路19内に流入した場合、その高温水は通水孔20dを経て流下して感温部材24に接触し、この接触に伴い感温部材24は、弁体20を開弁位置に移動付勢しているコイルスプリング23の移動付勢力に抗して伸張して弁体20を図3に示すような閉弁位置に移動させ、これによって、熱湯等の高温水が二次側流出口11を経てシャワホース6に流動することが自動的に遮断されシャワ使用者が火傷を負うなどの不測の事態の発生を回避することができる。
【0025】
そして、かかる遮断動作後においても高温水が少量といえども二次側流出口11に漏れることがないために、遮断動作後に使用者が火傷を負うなどの不測事態の発生もなく、使用の安全性を確保することができる。
【0026】
また、熱湯など高温水の流入に伴う遮断動作後で前記感温部材24が未だ十分に冷却されていない段階でシャワを再使用したい場合は、弁本体16に装備されている遮断解除用操作部材25の外部露出操作部25aを手指等で押圧することにより、弁体20を強制的に開弁位置に移動させて遮断を一時的に解除することが可能である。このとき、レバー10が正しく操作されていれば、一次側流入口11から弁本体16内に流入してくる多量の低温水は弁体20の中央通水路19、複数の通水孔20dを経て感温部材24が収納されている直管状筒状体14内に入り、未だ伸張状態にある感温部材24に接触して該感温部材24を急速に冷却し収縮させることになり、これによって、弁体20はコイルスプリング23の移動付勢力を受けて直ちに図2に示すような開弁位置に移動され、前記遮断解除用操作部材25に対する操作力を解除しても弁体20は開弁位置に保持される。したがって、遮断動作直後においても、手指等を使って押圧するといった極く簡単な操作を行うだけで通常の使用(吐水)状態に早急に復帰させることができ、シャワの使用勝手を優れたものとすることができる。
【0027】
また、前記遮断解除用操作部材25による一時的な遮断解除操作時には、シャワ使用者自身が弁本体16内に一部の高温水が残留し、それが遮断解除直後に吐出されることを認識しているので、通常の使用状態への早期復帰という過度時にも火傷等を負う可能性がなく、安全性を保つことができる。
【0028】
特に、前記弁体20として、上記実施形態における図4(a)〜(d)で説明したような構造のものを使用するときは、前記遮断解除用操作部材25により遮断を強制的、一時的に解除した際、弁本体16内に流入してくる低温水を弁体20底壁部20cに形成の複数の通水孔20dに分散させて流動させるとともに、その分散流動する低温水を突起20eによって周囲に拡散させて感温部材24との接触面積を大きくすることが可能であり、これによって、感温部材24の冷却を促進して通常の吐水状態への復帰を一層早めることができる。
【0029】
なお、上記した実施形態では、シングルレバー式の湯水混合栓7を用いる場合について説明したが、水用ハンドルと湯用ハンドルとを備えた2ハンドル式の湯水混合栓を用いる場合も上記と同様な効果を奏することはもちろんである。
【0030】
また、給水源は上記実施形態で示した湯水混合栓に限らず、誤操作があったとき、熱湯などの高温水が吐水具に供給される可能性があるものであれば適用可能であり、また、吐水具もシャワに限らず、台所や洗面所等に設置されるカラン等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明に係る高温遮断弁の一実施形態における使用状態を示す全体斜視図である。
【図2】 本発明に係る高温遮断弁の縦断面図である。
【図3】 同上高温遮断弁の遮断動作状態を示す縦断面図である。
【図4】 (a)〜(d)は、高温遮断弁における弁体の断面図、上方からの斜視図、下方からの斜視図及び平面図である。
【図5】 (a),(b)は、高温遮断弁の通水部材の断面図及び斜視図である。
【図6】 (a),(b)は、高温遮断弁の遮断解除用操作部材の断面図及び斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 高温遮断弁
11 一次側流入口
13 二次側流出口
16 筒状弁本体
17 環状弁座
18 通水部材
19 中央通水路
20 弁体
20c 底壁部
20d 通水孔
20e 水拡散用突起
23 コイルスプリング
24 感温部材
25 遮断解除用操作部材
25a 操作部
25b 押圧力付与部
27 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側流入口及び二次側流出口を有する筒状弁本体内に、環状弁座を保持する通水部材と、中央部に通水路を有し、前記環状弁座に対する当接・離間移動により通水部材から前記中央通水路の流水を開閉する弁体と、この弁体を開弁位置に移動付勢するスプリングと、前記一次側流水口から設定温度以上の高温水が前記弁体の中央通水路に流入したとき、前記スプリングの移動付勢力に抗して伸張し前記弁体を閉弁位置に移動させて前記高温水の二次側流出口への流動を自動的に遮断する感温部材とを設けてなる高温遮断弁において、
前記筒状弁本体には、その一端の操作部が筒状弁本体外部に露出し、この操作部を押圧することにより、前記弁体を前記感温部材の伸張力に抗して強制的に開弁位置に移動操作可能な遮断解除用操作部材が設けられていることを特徴とする高温遮断弁。
【請求項2】
前記弁体が、その中央通水路の上部が開口する有底円筒形状に形成されており、その底壁部に前記二次側流出口に接続されるように周方向に複数の通水孔が設けられているとともに、前記底壁部の中央から下方へ向けて水拡散用突起が延設されている請求項1に記載の高温遮断弁。
【請求項3】
前記遮断解除用操作部材は、スプリングを介して前記一端の操作部が前記筒状弁本体外部に露出し、かつ、他端の押圧力付与部が前記弁体の押圧力受け部に対して該弁体の開弁位置から閉弁位置への移動ストロークに対応する上下距離を隔てた箇所に位置するように保持されている請求項1または2に記載の高温遮断弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−241024(P2008−241024A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114839(P2007−114839)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000144072)株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Fターム(参考)】