説明

高熱伝導複合材料の製造方法

【課題】 精密な電気・電子部品としての信頼性の確保が可能な高熱伝導複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、炭素繊維束の表面に熱伝導率100W/(m・K)以上のコア形成用高熱伝導金属を被覆あるいは付着した後、該炭素繊維束を所定長さに切断し切断片とし、該切断片を積み重ねた状態で、パルス通電焼結法などによる加圧焼結してコア材を得た後、該コア材の全周囲に熱伝導率100W/(m・K)以上の外殻形成用高熱伝導金属を配置して、さらにパルス通電焼結法などの加圧焼結を行なう高熱伝導複合材料の製造方法である。好ましくは、コア材における炭素繊維の部分の体積率Vfを30〜90%とする。コア形成用高熱伝導金属と外殻形成用高熱伝導金属とは、同種であって、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金から選ばれる金属であることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維と金属とを複合した高熱伝導複合材料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコンに代表される半導体装置の高速化・高集積化、液晶テレビやプラズマディスプレイに代表される画像表示装置の高輝度化、更には発光ダイオ−ド(LED)に代表される光デバイスの大出力化に伴い、これらの電子機器の構成部品から発生する熱量が増大している。電子機器内における部品の発熱は、装置の誤動作や故障の原因となるので、熱対策が重要な技術課題となっている。
これらの分野においては、金属材料の中でも熱伝導率の高い銅やアルミニウムを筐体や放熱板として用いることで、発生した熱を周囲に拡散させている。しかし、金属材料の中では熱伝導性の良好な銅であっても、その熱伝導率は400W/(m・K)程度であり、しかも密度が8.9(Mg/m)と大きく重いという欠点がある。
【0003】
そのため、近年このような金属材料に替えて、軽量で熱伝導率の高い炭素繊維を使用し、金属材料と複合化した高熱伝導複合材料を放熱部材として用いる提案もある。
たとえば、国際公開番号WO2005/059194A1(特許文献1)、特開2003−46038号(特許文献2)、等参照。
これらの文献に開示された高熱伝導複合材料の製造方法としては、炭素繊維間に溶湯を含浸する方法、炭素繊維に粉末を付着するかあるいはメッキにより、Cu、アルミニウム等の高熱伝導金属を被覆あるいは付着した状態で焼結する方法等様々である。
また、複合材料への付加的な処理として、ロウ付け性を改善するために付加的な表面金属層を形成するという技術も提案されている。(特許文献3参照)
【0004】
【特許文献1】国際公開番号 WO2005/059194A1
【特許文献2】特開2003−46038号公報
【特許文献3】特開2004−165665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者によれば、高熱伝導複合材料において炭素繊維同士が高熱伝導金属を介さないで接触する部分が多くなると、使用期間中のヒートサイクルによって発生するクラックの基点となり放熱部材としての信頼性が低下することが確認されている。そのため炭素繊維同士の接触を抑制することは、高熱伝導複合材料の信頼性確保の上で特に重要である。
高熱伝導複合材料を得る方法として、溶湯状態の金属を炭素繊維に含浸させる場合、狭い炭素繊維同士の間隙への含浸が難しく、また炭素繊維同士の間隔を制御しにくいという問題がある。
また、予め炭素繊維に高熱伝導金属を被覆あるいは付着処理しておいても、高熱伝導金属の溶融温度を超えてプレスするという方法を使うと、繊維同士が接触しやすく繊維配列が乱れやすいという問題がある。
一方、炭素繊維に高熱伝導金属粉末を付着させるか、あるいは高熱伝導金属をメッキすることにより予め炭素繊維に高熱伝導金属を被覆あるいは付着処理して、これを金属の融点以下で加圧焼結する方法は、被覆処理された高熱伝導金属が炭素繊維の間隔を保つこととなり、炭素繊維同士の接触を抑制できるという効果が期待できる。
【0006】
このような優れた効果が期待できる予め炭素繊維に高熱伝導金属を被覆あるいは付着処理して、これを加圧焼結する方法であるが、加圧焼結においても炭素繊維は実質的に変形しないため、炭素繊維は、繊維束の形態であり、表面がささくれ易いという新たな問題が発生した。
表面がささくれて毛羽立ちする状態では、精密な電気・電子部品としての信頼性の確保が難しく、上記方法を実用化するためには、これを解決する必要がある。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、信頼性に優れた高熱伝導複合材料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、炭素繊維に高熱伝導金属を被覆あるいは付着処理して、これを加圧焼結した後、さらに表面の全周囲に高熱伝導金属を加圧焼結させることで、高熱伝導複合材料の表面の問題を解決するとともに、より信頼性を高めることができることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明は、炭素繊維束の表面に熱伝導率100W/(m・K)以上のコア形成用高熱伝導金属を被覆あるいは付着した後、該炭素繊維束を所定長さに切断し切断片とし、該切断片を積み重ねた状態で加圧焼結してコア材を得た後、該コア材の全周囲に熱伝導率100W/(m・K)以上の外殻形成用高熱伝導金属を配置して加圧焼結を行なうことを特徴とする高熱伝導複合材料の製造方法である。
【0009】
本発明において好ましくは、コア材における炭素繊維の部分の体積率Vを30〜90%とする。
また、本発明において、コア形成用高熱伝導金属と外殻形成用高熱伝導金属が同種であって、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金から選ばれる金属であることが望ましい。
【0010】
また、本発明は、切断片は、炭素繊維の長手方向を揃えて積み重ねた状態で加圧焼結する場合に適用すると特に有効である。
加圧焼結としては、ホットプレス、熱間静水圧プレス等が使用できるが、生産性の点からパルス通電焼結法を適用することが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた熱伝導特性を持つと共に信頼性が高く、各種電気電子部品等との組み合わせに最適な放熱部材等となる高熱伝導複合材料を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上述したように、本発明の重要な特徴の一つは、炭素繊維に高熱伝導金属を被覆あるいは付着処理して、これを加圧焼結した後、さらに表面の全周囲に高熱伝導金属を加圧焼結させることであり、本発明の基本的な工程を例示すると図1にようになる。以下、詳しく説明する。
本発明においては、炭素繊維束を使用する。炭素繊維単体では、強度が足りずハンドリングしにくいからである。
炭素繊維束として利用しやすいのは、素線本数として1000〜10000本程度の炭素繊維束である。また、炭素繊維の熱伝導率としては高熱伝導性を確保する上で500W/(m・K)以上であることが好ましい。
この炭素繊維束にコア形成用高熱伝導金属を被覆する。コア形成用高熱伝導金属としては、できるだけ熱伝導率か高いものが好ましく、熱伝導率100W/(m・K)以上の金属を選択することが好ましい。
【0013】
たとえば、熱伝導率100W/(m・K)以上の金属としては、アルミニウム(238W/(m・K))、金(316W/(m・K))、銀(425W/(m・K))、銅(397W/(m・K))がある。
この中で、安価な材料として適当な金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金から選ばれる金属を使用することができる。
また、高熱伝導性を重視すれば、純銅が好ましく、比重を軽くするという点においてはアルミニウムが好ましい。その他機械的特性を改善するといった目的で合金を使用しても熱伝導率が既定値未満とならなければ良い。
【0014】
炭素繊維束にコア形成用高熱伝導金属を被覆する具体的な方法としては、メッキが利用できる。特に銅は、無電解メッキによっても炭素繊維に均一な厚さの被覆が可能である。
また、炭素繊維束にコア形成用高熱伝導金属を付着させる方法としては、たとえばアルコール等を分散媒としてコア形成用高熱伝導金属の粉末を液中に分散させ、これに炭素繊維束を浸漬し、次いで加熱等より分散媒を除去する方法が採用できる。
【0015】
次に、本発明において、得られた切断片を積み重ねた状態で加圧焼結してコア材を得る。これにより、被覆あるいは付着処理された高熱伝導金属が炭素繊維の間隔を保つこととなり、炭素繊維同士の接触を抑制できる。特にメッキ法により炭素繊維を被覆する方法を適用すると、メッキ厚の制御により、炭素繊維同士間隔と炭素繊維の部分の体積率が正確に制御でき好適である。
加圧焼結は、ホットプレス、熱間静水圧プレス、パルス通電焼結などが適用できる。加圧焼結においては、最高到達温度は、高熱伝導金属の融点以下、かつ絶対温度にて融点の80%以上の温度、最高到達圧力は、5〜200MPa、好ましくは20〜150MPaとする。最高到達温度および圧力で保持することは、必ずしも必要ではないが、融点の高い銅、或いは銅合金を適用する場合には、1分以上、好ましくは5分以上保持することが空隙のないコア材を得る上で好ましい。この中でもパルス通電焼結法は、昇温時間短縮と温度の均一性が得られるという点で好ましい。
【0016】
本発明では、得られたコア材に対して、コア材の全周囲に熱伝導率100W/(m・K)以上の外殻形成用高熱伝導金属を配置して、さらに加圧焼結を行なう。
この工程の付与は、上述した工程で製造されたコア材に特有のささくれに関する問題を解決し、さらにヒートサイクルによるクラックの発生を外殻形成用高熱伝導金属でコア材を強く拘束することで抑制する効果もある。
なお、コア材の表面を被覆する別の方法としては、たとえばメッキ等のコーティング方法が考えられるが、強固にコア全体を覆うことができず、本発明の工程で得られる、ささくれやすいコア材には不適である。また、コア材の周囲に溶湯を流し込むという手法も考えられるが、この方法ではコア材の配置位置の調整が難しく、また実質的に加圧されないためコア材を強く拘束することができず不適である。
【0017】
この工程で適用する外殻形成用高熱伝導金属は、コア形成用高熱伝導金属で選ばれる金属と同等のものが好ましく、外殻形成用高熱伝導金属とコア形成用高熱伝導金属は同じ組成のものを選択することもできる。
また、この時の加圧焼結は、コア材製造と同じ手段を採用しても良いし異なる手段でもよい。好ましくはパルス通電焼結法を採用する。
この加圧焼結の条件としては、コア材を得る条件と同様の条件を適用することができる。また、外殻形成用高熱伝導金属は、加圧焼結前に粉末状態で配置しても良いし、ブロックや板といったバルク体を配置しても良い。大面積を確実に精度良く被覆する場合には、粉末(好ましくは最大粒径1mm以下)と成形された平板材や平角材の如きバルク体とを組み合わせることもできる。
【0018】
また、本発明において放熱部材中に占める炭素繊維の部分の望ましい体積率Vは30〜90%である。30%未満では熱伝導率を高める効果が小さく、逆に90%を超える範囲では、炭素繊維間を埋める接合剤としての金属の量が、炭素繊維と比較して顕著に少ないために、炭素繊維と金属を均質に複合化した放熱部材を得ることが難しくなり、機械的強度にも劣るからである。また、繊維同士の接触が避けられなくなり、ヒートサイクルでクラックが進展してしまう場合が多くなるためである。
機械的強度等の面から、Vのより望ましい範囲は、放熱部材中の金属が銅の場合30〜60%、放熱部材中の金属がアルミニウムの場合30〜75%である。なお、本発明で言う炭素繊維の体積率の数値は、放熱部材の炭素繊維方向に垂直な断面を鏡面研磨後に光学顕微鏡で観察した際、視野中に占める炭素繊維の面積率に等しいとして取り扱うことができる。
【0019】
また、本発明は、切断片は、炭素繊維の長手方向を揃えて積み重ねた状態で加圧焼結する場合に適用すると特に有効である。炭素繊維は、通常長手方向の熱伝導率が高いため、これを揃えることで特定方向に極めて高い熱伝導特性を得ることができるためである。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
本実施例では、高熱伝導性の炭素繊維束として、ピッチ系の炭素繊維束を用いた。炭素繊維束を構成する炭素繊維の直径dCFは、10μmである。この炭素繊維は、長さが約270mの長繊維が約2000本束ねられ、かつボビン状に巻かれた状態で市販されているものである。
この炭素繊維の熱伝導率は公称800(W/(m・K))、密度ρCFは2.2(g/cm)である。また、炭素繊維の構造をエックス線回折により確認したところグラファイト構造となっていた。
この炭素繊維を500mmずつに切断した後、3μm(=0.30×dCF)厚さの無電解銅メッキを施し、コア形成用高熱伝導金属として銅を被覆した。
一例として、3μm厚の銅メッキを施した後の走査電子顕微鏡写真を図2に示す。図2に示す通り、炭素繊維にほぼ均一なメッキが形成されていることがわかる。
【0021】
これら銅メッキ後の炭素繊維束を20mmずつに切断し切断片とした後、炭素繊維の長手方向を実質的に一方向に揃えて積み重ね状態で20mm角の正方矩形貫通穴を有する黒鉛型に詰め込み、パルス通電焼結機のチャンバー内で10Paまで真空引きを行なった。
そして、初期圧力として12.5MPaの圧縮方向の圧力をかけた後、昇温と昇圧を行ない、パルス通電焼結法による加圧焼結を実施し、コア材を得た。この時の条件は、最高到達温度900℃(絶対温度規準で銅の融点の85%程度)、最高到達圧力50MPa、保持0.90ks(15分)である。
【0022】
得られたコア材は20×20×3mmの形状を有していた。得られたコア材の内部ミクロ組織と表面部ミクロ組織を図3及び図4にそれぞれ示す。
図3に示すようにほぼ均一炭素繊維が分散したコア材を得られていることが確認できる。この組織における炭素繊維部分の体積率Vは、45.2、密度は、5.9Mg/mであった。
また、図4に示すように、得られたコア材の表面は、銅でおおわれているものの、銅の引けがみられ、ささくれやすい形態であることが確認できる。
【0023】
次に得られたこのコア材周辺に外殻形成用高熱伝導金属として、40×9×3mmおよび20×9×3mmのバルク状銅片を40mm角の正方矩形貫通穴を有する黒鉛型内に配置し、さらに上下面にそれぞれ焼結後厚さ1mmとなる量の平均粒径40μmの電解銅粉末を充填した。充填状態の上面図と断面図を模式的に図5に示す。この時、コア材1表面とバルク状の銅片3の接合性向上を鑑み,銅片3とコア材1に1mm程度の間隙を確保して型内で配置し,間隙に銅粉末2が充填されるようにした。
コア材、銅片、銅粉末の充填が完了した黒鉛型をパルス通電焼結機のチャンバーに設置し,チャンバー内で10Paまで真空引きを行なった。
【0024】
次いで初期加圧として12.5MPaの一軸圧を初期加圧としてかけた後、通電による昇温と昇圧を行ない、パルス通電焼結法による加圧焼結を実施し、外殻金属の形成を行なった。条件は最高到達温度900℃、最高到達圧力50MPa、保持90ks(15分)である。
得られた高熱伝導複合材料のコア材と外殻形成用高熱伝導金属との接合部分の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。図6は接合部の一例であるが、コア材の上下、前後、左右とも、良好な接合状態が得られていることを確認した。
【0025】
(実施例2)
実施例1と同様の炭素繊維束(約2000本)を、エタノールを分散媒として平均粒径5μmのアルミニウム粉末を分散した溶液に浸漬させ付着させた。アルミニウム粉末の付着量は付着後の繊維全重量に対して40%程度であった。
アルミニウム粉末が付着した繊維を20mmずつに切断し切断片とし、炭素繊維の長手方向を実質的に一方向に揃えて積み重ね状態で20mm角の正方矩形貫通穴を有する黒鉛型に詰め込み、パルス通電焼結機のチャンバー内で10Paまで真空引きを行なった。
そして初期加圧として12.5MPaの一軸圧を初期加圧としてかけた後、通電による昇温と昇圧を行ないパルス通電焼結法による加圧焼結を行なった。この時の条件は最高到達温度580℃(絶対温度規準でアルミニウムの融点の90%程度)、最高到達圧力50MPa、保持0sである。
【0026】
得られた加圧焼結体は20×20×10mmの形状を有していた。この加圧焼結体から15×10×1mmのコア材を切り出した。このコア材の炭素繊維部分の体積率Vfは65.0%,密度は2.35Mg/mであった。コア材をφ20mmの円形貫通穴を有するパルス通電焼結用黒鉛型の内部底面に、焼結後に厚さ5mmとなる量の平均粒径30μmの外殻形成用高熱伝導金属となるガスアトマイズアルミニウム合金粉を敷き、上面を平面に整えた上にコア材を設置し、さらに上から、焼結後に上面の外殻形成用高熱伝導金属の厚さが5mmとなる量の同様のガスアトマイズアルミニウム合金粉末を充填した。充填状態の上面図と断面図を模式的に、図7に示す。
使用した外殻形成用高熱伝導金属としてのガスアトマイズ合金粉末は、1質量%珪素を含有するアルミニウム合金粉末(図7中Al−Si粉末4)である。コア材形成用としては、分散性と付着性を考慮して平均粒径10μm以下の微粒子を用いたが、外殻形成用としては、低温焼結性を考慮して比較的大きなガスアトマイズアルミニウム合金粉末を適用したものである。
【0027】
充填後、黒鉛型をパルス通電焼結法のチャンバー内に設置し,10Paまで真空引きを行なった。次いで12.5MPaの一軸圧を初期加圧としてかけた後、通電による昇温と昇圧を行ない、パルス通電焼結法による加圧焼結を実施し、外殻金属の形成を行なった。条件は最高到達温度550℃,最高到達圧力50MPa、保持0sである。
得られた高熱伝導複合材料のコア材と外殻形成用高熱伝導金属との接合部分の走査型電子顕微鏡写真を図8および図9に例として示す。これらの図に示すように、コア材の上下、前後、左右とも、良好な接合状態が得られていることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の基本的な工程を例示する図である。
【図2】本発明の一実施例におけるメッキされた炭素繊維束を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の一実施例におけるコア材の内部ミクロ組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図4】本発明の一実施例におけるコア材の表面ミクロ組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】加圧焼結時のコア材と外殻形成用高熱伝導金属の配置の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の高熱伝導複合材料のコア材と外殻形成用高熱伝導金属との接合部分の一例を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】加圧焼結時のコア材と外殻形成用高熱伝導金属の配置の別の実施例を示す模式図である。
【図8】本発明の別の実施例における高熱伝導複合材料のコア材と外殻形成用高熱伝導金属との接合部分を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明の別の実施例における高熱伝導複合材料のコア材と外殻形成用高熱伝導金属との接合部分の他の例を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0029】
1.コア材、2.銅粉末、3.銅片、4.Al−Si粉末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維束の表面に熱伝導率100W/(m・K)以上のコア形成用高熱伝導金属を被覆あるいは付着した後、該炭素繊維束を所定長さに切断し切断片とし、該切断片を積み重ねた状態で加圧焼結してコア材を得た後、該コア材の全周囲に熱伝導率100W/(m・K)以上の外殻形成用高熱伝導金属を配置して加圧焼結を行なうことを特徴とする高熱伝導複合材料の製造方法。
【請求項2】
コア材における炭素繊維の部分の体積率Vが30〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の高熱伝導複合材料の製造方法。
【請求項3】
コア形成用高熱伝導金属と外殻形成用高熱伝導金属が同種であって、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金から選ばれる金属であることを特徴とする請求項1または2に記載の高熱伝導複合材料の製造方法。
【請求項4】
切断片は、炭素繊維の長手方向を揃えて積み重ねた状態で加圧焼結することを特徴する請求項1ないし3のいずれかに記載の高熱伝導複合材料の製造方法。
【請求項5】
加圧焼結は、パルス通電焼結法によって行なうことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高熱伝導複合材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−112893(P2008−112893A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295596(P2006−295596)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度地域新生コンソーシアム研究開発事業「プロジェクタ用超放熱冷却装置の開発」)に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【出願人】(591282205)島根県 (122)
【Fターム(参考)】