高精度制限エンドヌクレアーゼ
突然変異導入のための系統的アプローチ及び所望のタンパク質の選択を可能とするスクリーニングアッセイを含む、変化した特性を有する酵素に対する組成物及び方法が提供される。この方法の実施形態は、スター活性などの制限エンドヌクレアーゼの特異的特性を修飾するために特に適している。組成物は、全体的精度指数改善係数によって定義される低下したスター活性を有する制限エンドヌクレアーゼを含む。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
制限エンドヌクレアーゼは、配列特異的な様式で、二本鎖DNAを切断する酵素である(Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci USA,102;5905−5908(2005);Roberts,et al.,Nucleic Acids Res,31:1805−1812(2003);Roberts,et al.,Nucleic Acids Res,33:D230−232(2005);Alves,et al.,Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York,393−407(2004))。制限エンドヌクレアーゼは、原核生物の間に遍在しており(Raleigh,et al.,Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.De Bruijin,et al.,Chapman & Hall,New York,78−92(1998))、原核生物中で、制限エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼとメチル転移酵素から主としてなる制限−修飾系の一部を形成する。同族メチル転移酵素は、宿主DNAが適切に保護され得るように、その対形成したエンドヌクレアーゼが修飾されたDNAを認識し、これをエンドヌクレアーゼによる切断に対して抵抗性とする同じ特異的配列をメチル化する。しかしながら、外来DNA、特に、バクテリオファージDNAの侵入が存在する場合には、外来DNAが完全にメチル化され得る前に、外来DNAは分解される。制限−修飾系の主な生物学的機能は、バクテリオファージの感染から宿主を保護することである(Arber,Science,205:361−365(1979))。組換え及び転位への関与などの他の機能も示唆されている(Carlson,et al.,Mol Microbiol,27:671−676(1998);Heitman,Genet Eng(N Y),15:57−108(1993);McKane,et al.,Genetics,139:35−43(1995))。
【0002】
250超の異なる標的配列に対する約3,000の公知の制限エンドヌクレアーゼの特異性は、その最も興味深い特徴であると考えることができる。最初の制限エンドヌクレアーゼの配列特異的性質の発見後(Danna,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,68:2913−2917(1971);Kelly,et al.,J Mol Biol,51:393−409(1970))、ある種の制限エンドヌクレアーゼは、最適でない条件下において、所定の認識配列と類似であるが、同一でない配列を切断することを科学者が発見するのに時間はかからなかった(Polisky,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,72:3310−3314(1975);Nasri,et al.,Nucleic Acids Res,14:811−821(1986))。この緩和された特異性は、制限エンドヌクレアーゼのスター活性と称される。制限エンドヌクレアーゼとDNA間での水によって媒介される相互作用が特異的複合体とスター複合体の間の中心的な差であることが示唆されている(Robinson,et al.,J Mol Biol,234:302−306(1993);Robinson,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,92:3444−3448(1995),Sidorova,et al.,Biophys J,87:2564−2576(2004))。
【0003】
スター活性は、分子生物学の反応における問題である。スター活性は、クローニングベクター又は他のDNA中に望ましくない切断を導入する。特有のフィンガープリントを生じさせるために、ある種のDNA基質が制限エンドヌクレアーゼによって切断される必要がある法医学的用途などの場合には、スター活性は、切断パターン特性を変化させることにより、分析を困難にする。スター活性を回避することは、鎖置換増幅(Walker,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,89:392−396(1992))及び遺伝子発現の連続分析(Velculescu,et al.,Science,270:484−487(1995))などの用途においても不可欠である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci USA,102、2005年、pp.5905−5908
【非特許文献2】Roberts他、Nucleic Acids Res,31、2003年、pp.1805−1812Roberts,他、Nucleic Acids Res,33、2005年、D230−232
【非特許文献3】Alves他、Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York、2004年、pp.393−407
【非特許文献4】Raleigh他、Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.
【非特許文献5】De Bruijin他、Chapman & Hall,New York,78−92(1998)
【非特許文献6】Arber、Science,205、1979年、pp.361−365
【非特許文献7】Carlson他、Mol Microbiol,27、1998年、pp.671−676
【非特許文献8】Heitman,Genet Eng(N Y),15、1993年、pp.57−108
【非特許文献9】McKane他、Genetics,139、1995年、pp.35−43
【非特許文献10】Danna他、Proc Natl Acad Sci U S A,68、1971年、pp.2913−2917
【非特許文献11】Kelly他、J Mol Biol,51、1970年、pp.393−409
【非特許文献12】Polisky他、Proc Natl Acad Sci U S A,72、1975年、pp.3310−3314
【非特許文献13】Nasri他、Nucleic Acids Res,14、1986年、pp.811−821
【非特許文献14】Robinson他、J Mol Biol,234、1993年、pp.302−306
【非特許文献15】Robinson他、Proc Natl Acad Sci U S A,92、1995年、pp.3444−3448
【非特許文献16】Sidorova他、Biophys J,87、2004年、pp.2564−2576
【非特許文献17】Walker他、Proc Natl Acad Sci U S A,89、1992年、pp.392−396
【非特許文献18】Velculescu他、Science,270、1995年、pp.484−487
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態において、人工的に導入された少なくとも1つの変異及び少なくとも2の全体的精度指数(FI;fidelity index)改善係数を有する制限エンドヌクレアーゼを含み、前記制限エンドヌクレアーゼが所定の緩衝液中において、人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼと少なくとも類似の切断活性で基質を切断することができ、人工的に導入された変異が標的化された変異、飽和変異導入又はPCR増幅操作を通じて導入された変異の少なくとも1つの産物である組成物が提供される。
【0006】
本発明のさらなる実施形態において、人工的に導入された変異の少なくとも1つは、反対に帯電した残基での天然に存在する残基の置換から生じた標的化された変異である。アラニン又はフェニルアラニンが、標的部位の天然に存在する残基を置換し得る。
【0007】
本発明のさらなる実施形態において、上記種類の組成物は、BamHI、EcoRI、ScaI、SalI、SphI、PstI、NcoI、NheI、SspI、NotI、SacI、PvuII、MfeI、HindIII、SbfI、EgaI、EcoRV、AvrII、BstXI、PciI、HpaI、AgeI、BsmBI、BspQI、SapI、KpnI及びBsaIからなる群から選択される人工的に導入された変異が存在しない制限酵素を含む。
【0008】
本発明のさらなる実施形態は、表4に列記されている組成物を含む。
【0009】
本発明のさらなる実施形態において、表4に列記されている酵素の何れかをコードするDNA、該DNAを含むベクター及び該ベクターからタンパク質を発現させるための宿主細胞が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態において、(a)スター活性を有する制限エンドヌクレアーゼのアミノ酸配列中の何れのアミノ酸残基が帯電したアミノ酸であるかを同定する工程;(b)制限エンドヌクレアーゼをコードする遺伝子配列中の帯電した残基の1つ又はそれ以上をコードする1つ又はそれ以上のコドンを変異させる工程;(c)異なる帯電した残基中の1つ又はそれ以上の異なるコドン変異を有する遺伝子配列のライブラリーを作製する工程;(d)変異された遺伝子配列によって発現されたタンパク質の組を取得する工程;及び(e)それぞれの発現されたタンパク質に対して、所定の緩衝液中でのFI及び切断活性を測定する工程を有する方法が提供される。
【0011】
前記方法の実施形態は、一群の所定の緩衝液(例えば、一群の緩衝液は、NEB1、NEB2、NEB3及びNEB4緩衝液を含有する。)中での、タンパク質の群に属するタンパク質に対して、全体的FI改善係数を測定する工程を含む。
【0012】
前記方法の実施形態は、上記工程を含み、及び帯電したアミノ酸に対するコドンを変異させる工程と同じ工程において又はその後の工程において、水酸化されたアミノ酸又はアミドアミノ酸をコードするコドンをさらに変異させることを含む。
【0013】
上記発明の一実施形態において、コドンは、フェニルアラニンへ変異されるチロシンを除き、アラニンへ変異される。
【0014】
さらなる実施形態において、全体的FI改善係数は、変異されたコドンの1つ又はそれ以上の飽和突然変異導入を用いて改善される。
【0015】
(図面の簡単な説明)
図1−32に関して、
*記号は、その左側のレーンが、スター活性が観察された酵素の最低濃度を含有することを示す。
【0016】
#記号は、基質の完全な切断に十分な酵素の濃度を含有するレーンと隣接する及び右側の、不完全な切断を示すレーンを表す。
【0017】
灰色の三角は、制限エンドヌクレアーゼ濃度の連続的減少を表す。
【0018】
「U」は、酵素の単位を表す。
【0019】
図1から32に記載されている反応のそれぞれにおいて、反応混合物は、別段の記載がなければ、NewEngland Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MAから得た緩衝液の3μL(表1及びNEBのカタログ参照)、別段の記載がなければ、NEB,Ipswich,MAから得た希釈液中の指定された制限エンドヌクレアーゼ(表1及びNEBのカタログ参照)の3μLの容量並びに指定された基質(0.6μgを含有する。)基質の可変容量及び反応混合物を合計30μLとするための水の容量を含有する。
【0020】
反応は、37℃で、1時間の温置時間で行った。結果は、0.8%アガロースゲル上で分析する。反応混合物の全体的容量、基質の量、反応の温度又は温置時間が上記のものから変動する場合には、図面の説明中に値が記載されている。
【0021】
図1、5、8、11から18及び20から32に対するゲルの右側に、理論的消化パターンが与えられている。1つの制限エンドヌクレアーゼ部位のみを有する基質は、スーパーコイル化された形態に由来する1つの直線状バンドへ消化されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】NEB3緩衝液中のWTScaI(1,200U)の調製物の希釈剤Aを用いた2倍系列希釈で、λDNA基質(0.6μg)1.2μLを消化し、アガロースゲル上で消化産物を調べることによる、野生型(WT)ScaIに対するFIの測定を示している。スター活性を持たない制限エンドヌクレアーゼの最高濃度は実線矢印で示されており、基質の完全な消化をもたらす最低濃度は、白抜きの矢印によって示されている。
【図2A】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Aは、NEB1緩衝液を用いた結果を示している。
【図2B】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Bは、NEB2緩衝液を用いた結果を示している。
【図2C】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Cは、NEB3緩衝液を用いた結果を示している。
【図2D】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Dは、NEB4緩衝液を用いた結果を示している。
【図3A】希釈液Aを用いた2倍系列希釈中で酵素の600Uの開始濃度を使用し、NEB2緩衝液中のpBR322基質0.6μL(1つのBamHI切断部位のみを含有する。)を使用した、2つの時点にわたるBamHI(E86P)活性の比較を示す。図3Aは、1時間での結果を示す。
【図3B】希釈液Aを用いた2倍系列希釈中で酵素の600Uの開始濃度を使用し、NEB2緩衝液中のpBR322基質0.6μL(1つのBamHI切断部位のみを含有する。)を使用した、2つの時点にわたるBamHI(E86P)活性の比較を示す。図3Bは、14時間での結果を示す。
【図4A】アガロースゲル上での、2つの異なる緩衝液中での14時間の温置後における、希釈液Aを用いたBamHI−HF(E163A/E167T)の2倍系列希釈中でのpBR322基質0.6μLの切断を示している。図4Aは、酵素の600Uの開始濃度を加えたNEB2緩衝液での結果を示している。
【図4B】アガロースゲル上での、2つの異なる緩衝液中での14時間の温置後における、希釈液Aを用いたBamHI−HF(E163A/E167T)の2倍系列希釈中でのpBR322基質0.6μLの切断を示している。図4Bは、酵素の2,400Uの開始濃度を加えたNEB1緩衝液での結果を示している。
【図5A】NEB4緩衝液中のBamHI−HF及びWTBamHIを用いた切断反応の比較を示している。反応は、希釈液Aを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを用いて、NEB4緩衝液中で行った。図5Aは、FIが4に等しい1,200Uの開始濃度を有するWTBamHIを示している。
【図5B】NEB4緩衝液中のBamHI−HF及びWTBamHIを用いた切断反応の比較を示している。反応は、希釈液Aを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを用いて、NEB4緩衝液中で行った。図5Bは、FI>4,000である2,400Uの開始濃度を有するBamHI−HFを示す。
【図6A】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Aは、NEB2緩衝液中のWTEcoRIの120U及びEcoRI(K62A)の240U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図6B】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Bは、NEB4緩衝液中のWTEcoRIの120U及びEcoRI(K62A)の240U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図6C】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Cは、NEB1緩衝液中のWTEcoRIの60U及びEcoRI(K62A)の120U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図6D】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Dは、NEB3緩衝液中のWTEcoRIの120U及びEcoRI(K62A)の60U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図7A】2つの異なるEcoRI変異体及びWTEcoRIを用いた切断結果を示している。様々な緩衝液中のLitmus28基質0.6μLを使用した、10時間にわたる、酵素100,000U及び希釈液C中でのその10倍系列希釈の消化が示されている。Litmus28基質中には、1つのEcoRI切断部位のみが存在する。図7A:NEB4緩衝液中のEcoRI変異体K62E。
【図7B】2つの異なるEcoRI変異体及びWTEcoRIを用いた切断結果を示している。様々な緩衝液中のLitmus28基質0.6μLを使用した、10時間にわたる、酵素100,000U及び希釈液C中でのその10倍系列希釈の消化が示されている。Litmus28基質中には、1つのEcoRI切断部位のみが存在する。図7B:NEB4緩衝液中のEcoRI変異体K62A。
【図7C】2つの異なるEcoRI変異体及びWTEcoRIを用いた切断結果を示している。様々な緩衝液中のLitmus28基質0.6μLを使用した、10時間にわたる、酵素100,000U及び希釈液C中でのその10倍系列希釈の消化が示されている。Litmus28基質中には、1つのEcoRI切断部位のみが存在する。図7C:EcoRI緩衝液中のWTEcoRI(NEBカタログ2007−8参照)。
【図8A】NEB4緩衝液中のEcoRI−HF及びWTEcoRIの比較を示している。反応は、希釈液Cを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを使用した。図8A:19,200Uの開始濃度を有するWTEcoRIは、NEB4緩衝液中でFI=4を示す。
【図8B】NEB4緩衝液中のEcoRI−HF及びWTEcoRIの比較を示している。反応は、希釈液Cを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを使用した。図8B:38,400Uの開始濃度を有するEcoRI−HFは、NEB4緩衝液中でFI=16,000を示す。
【図9A】WTScaI(4.8U)、ScaI(H193A)(9.6U)、ScaI(S201F)(19.2U)及びScaI(H193A/S201F)(19.2U)の系列希釈の比較を示している。各試料は、ます、1/10に希釈した後、グリセロールの指定されたパーセントを有するNEB2緩衝液中で2倍系列希釈を行った。各反応混合物は、λDNA基質(1μg)2μLを含有する。図9A:5%グリセロール。
【図9B】WTScaI(4.8U)、ScaI(H193A)(9.6U)、ScaI(S201F)(19.2U)及びScaI(H193A/S201F)(19.2U)の系列希釈の比較を示している。各試料は、ます、1/10に希釈した後、グリセロールの指定されたパーセントを有するNEB2緩衝液中で2倍系列希釈を行った。各反応混合物は、λDNA基質(1μg)2μLを含有する。図9B:37%グリセロール。
【図10A】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10A:NEB2緩衝液中での切断。
【図10B】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10B:NEB4緩衝液中での切断。
【図10C】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10C:NEB1緩衝液中での切断。
【図10D】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10D:NEB3緩衝液中での切断。
【図11A】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11B】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11C】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11D】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11E】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図11F】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図11G】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図11H】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図12A】λDNA基質1.2μLを加えたNEB4緩衝液中で反応された、希釈液A中のSphI−HF(19,200U)及び希釈液B中のWTSphaI(143,600U)の2倍系列希釈の結果を示している。図12Aは、WTSphIによる切断を示す。
【図12B】λDNA基質1.2μLを加えたNEB4緩衝液中で反応された、希釈液A中のSphI−HF(19,200U)及び希釈液B中のWTSphaI(143,600U)の2倍系列希釈の結果を示している。図12Bは、SphI−HFによる切断を示す。
【図13A】NEB3及びNEB4緩衝液中のPstI−HFの2倍系列希釈(300U及び150U)及びWTPstIの2倍系列希釈(2,400U及び4,800U)を用いたλDNA基質1.2μLの切断を示す。系列希釈は、希釈液C中で行った。図13Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのPstI−HFによる切断を示している。
【図13B】NEB3及びNEB4緩衝液中のPstI−HFの2倍系列希釈(300U及び150U)及びWTPstIの2倍系列希釈(2,400U及び4,800U)を用いたλDNA基質1.2μLの切断を示す。系列希釈は、希釈液C中で行った。図13Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTPstIによる切断を示している。
【図14A】NEB3及びNEB4緩衝液中のNcoI−HFの2倍系列希釈(4,800U及び600U)及びWTNcoI(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図14Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのNcoI−HFによる切断を示している。
【図14B】NEB3及びNEB4緩衝液中のNcoI−HFの2倍系列希釈(4,800U及び600U)及びWTNcoI(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図14Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTNcoIによる切断を示している。
【図15A】NEB3及びNEB4緩衝液中のNheI−HF(287,200U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTNheI(9,600U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図15Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのNheI−HFによる切断を示している。
【図15B】NEB3及びNEB4緩衝液中のNheI−HF(287,200U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTNheI(9,600U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図15Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTNheIによる切断を示している。
【図16A】NEB3及びNEB4緩衝液中のSspI−HF(9,600U及び38.4U)の2倍系列希釈及びWTSspI(19,200U及び19,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図16Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのSspI−HFによる切断を示している。
【図16B】NEB3及びNEB4緩衝液中のSspI−HF(9,600U及び38.4U)の2倍系列希釈及びWTSspI(19,200U及び19,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図16Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTSspIによる切断を示している。
【図17A】NEB3及びNEB4緩衝液中のNotI−HF(287,200U及び19,200U)の2倍系列希釈及びWTNotI(19,200U及び76,800U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図17Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのNotI−HFによる切断を示している。
【図17B】NEB3及びNEB4緩衝液中のNotI−HF(287,200U及び19,200U)の2倍系列希釈及びWTNotI(19,200U及び76,800U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図17Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTNotIIによる切断を示している。
【図18A】NEB3及びNEB4緩衝液中のSacI−HF(4,800U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTSacI(19,200U及び1200U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図18Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのSacI−HFによる切断を示している。
【図18B】NEB3及びNEB4緩衝液中のSacI−HF(4,800U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTSacI(19,200U及び1200U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図18Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTSacIによる切断を示している。
【図19A】NEB3及びNEB4緩衝液中のPvuII−HF(9,600U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTPvuII(19,200U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pBR322DNA基質0.6μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図19Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのPvuII−HFによる切断を示している。
【図19B】NEB3及びNEB4緩衝液中のPvuII−HF(9,600U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTPvuII(19,200U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pBR322DNA基質0.6μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図19Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTPvuIIによる切断を示している。
【図20A】NEB3及びNEB4緩衝液中のMfeI−HF(300U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTMfeI(2,400U及び38.4U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図20Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのMfeI−HFによる切断を示している。
【図20B】NEB3及びNEB4緩衝液中のMfeI−HF(300U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTMfeI(2,400U及び38.4U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図20Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTMfeIによる切断を示している。
【図21A】NEB3及びNEB4緩衝液中のHindIII−HF(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈及びWTHindIII(9,600U及び4,800U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図21Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのHindIII−HFによる切断を示している。
【図21B】NEB3及びNEB4緩衝液中のHindIII−HF(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈及びWTHindIII(9,600U及び4,800U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図21Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTHindIIIによる切断を示している。
【図22A】NEB4緩衝液中のSbfI−HF(開始濃度:76,800U)及びWTSbfI(開始濃度:76,800U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図22Aは、WTSbfIによる切断を示している。
【図22B】NEB4緩衝液中のSbfI−HF(開始濃度:76,800U)及びWTSbfI(開始濃度:76,800U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図22Bは、SbfI−HFによる切断を示している。
【図23A】希釈液Cを用いた、それぞれ、NEB2及びNEB1緩衝液中のEagI−HF(1,200U及び600U)の2倍系列希釈及びWTEagI(150U及び38.4U)の2倍系列希釈中での、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図23Aは、NEB2緩衝液(上パネル)及びNEB1緩衝液(下パネル)中でのEagI−HFによる切断を示している。
【図23B】希釈液Cを用いた、それぞれ、NEB2及びNEB1緩衝液中のEagI−HF(1,200U及び600U)の2倍系列希釈及びWTEagI(150U及び38.4U)の2倍系列希釈中での、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図23Bは、NEB2緩衝液(上パネル)及びNEB1緩衝液(下パネル)中でのWTEagIによる切断を示している。
【図24A】NEB4緩衝液中のEcoRV−HF(開始濃度:38,400U)及びWTEcoRV(開始濃度:2,00U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図24Aは、WTEcoRVによる切断を示している。
【図24B】NEB4緩衝液中のEcoRV−HF(開始濃度:38,400U)及びWTEcoRV(開始濃度:2,00U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図24Bは、EcoRV−HFによる切断を示している。
【図25A】NEB4緩衝液中のAvrII−HF(開始濃度:1,200U)及びWTAvrII(開始濃度:1,200U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのT7DNA基質1.2μLの切断を示している。図25Aは、WTAvrIIによる切断を示している。
【図25B】NEB4緩衝液中のAvrII−HF(開始濃度:1,200U)及びWTAvrII(開始濃度:1,200U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのT7DNA基質1.2μLの切断を示している。図25Bは、AvrII−HFによる切断を示している。
【図26A】NEB4緩衝液中のBstXI−HF(開始濃度:300U)及びWTBstXI(開始濃度:38.4U)の希釈液A中での2倍系列希釈によるλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行った。図26Aは、WTBstXIによる切断を示している。
【図26B】NEB4緩衝液中のBstXI−HF(開始濃度:300U)及びWTBstXI(開始濃度:38.4U)の希釈液A中での2倍系列希釈によるλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行った。図26Bは、BstXI−HFによる切断を示している。
【図27A】NEB4緩衝液中のPciI−HF(開始濃度:600U)及びWTPciI(開始濃度:300U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図27Aは、WTPciIによる切断を示している。
【図27B】NEB4緩衝液中のPciI−HF(開始濃度:600U)及びWTPciI(開始濃度:300U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図27Bは、PciI−HFによる切断を示している。
【図28A】NEB2緩衝液中のHpaI−HF(開始濃度:4,800U)及びWTHpaI(開始濃度9,600U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図28Aは、WTHpaIによる切断を示している。
【図28B】NEB2緩衝液中のHpaI−HF(開始濃度:4,800U)及びWTHpaI(開始濃度9,600U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図28Bは、HpaI−HFによる切断を示している。
【図29A】NEB4緩衝液中のAgeI−HF(開始濃度:600U)及びWTAgeI(開始濃度600U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図29Aは、WTAgeIによる切断を示している。
【図29B】NEB4緩衝液中のAgeI−HF(開始濃度:600U)及びWTAgeI(開始濃度600U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図29Bは、AgeI−HFによる切断を示している。
【図30A】NEB4緩衝液中のBsmBI−HF(開始濃度:300U)及びWTBsmBI(開始濃度:4,800U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行う。図30Aは、WTBsmBIによる切断を示している。
【図30B】NEB4緩衝液中のBsmBI−HF(開始濃度:300U)及びWTBsmBI(開始濃度:4,800U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行う。図30Bは、BsmBI−HFによる切断を示している。
【図31A】EcoRI及びMfeIの発現のための、MluCIMのDNA配列(配列番号1)及びタンパク質配列(配列番号2)を示している。
【図31B】EcoRI及びMfeIの発現のための、MluCIMのDNA配列(配列番号1)及びタンパク質配列(配列番号2)を示している。
【図32】SalIの発現のためのHpy166IIMのDNA配列(配列番号3)を示している。
【図33A】MfeIのDNA配列(配列番号4)及びタンパク質配列(配列番号5)を示している。
【図33B】MfeIのDNA配列(配列番号4)及びタンパク質配列(配列番号5)を示している。
【図34A】BstXIのDNA配列(配列番号6)及びタンパク質配列(配列番号7)を示している。
【図34B】BstXIのDNA配列(配列番号6)及びタンパク質配列(配列番号7)を示している。
【図35A】M.BstXIのDNA配列(配列番号8)及びタンパク質配列(配列番号9)を示している。
【図35B】M.BstXIのDNA配列(配列番号8)及びタンパク質配列(配列番号9)を示している。
【図36A】S.BstXIのDNA配列(配列番号10)及びタンパク質配列(配列番号11)を示している。
【図36B】S.BstXIのDNA配列(配列番号10)及びタンパク質配列(配列番号11)を示している。
【図37A】PciIのDNA配列(配列番号12)及びタンパク質配列(配列番号13)を示している。
【図37B】PciIのDNA配列(配列番号12)及びタンパク質配列(配列番号13)を示している。
【図38A】M.PciIのDNA配列(配列番号14)及びタンパク質配列(配列番号15)を示している。
【図38B】M.PciIのDNA配列(配列番号14)及びタンパク質配列(配列番号15)を示している。
【図39】SapI及びBaspQIをクローニングするための、CTCTTCを認識し及びN4シトシン又はN6アデニンでメチル化するMI.EarIをコードするDNA配列(配列番号17)を示している。
【図40】SapI及びBaspQIをクローニングするための、CTCTTCを認識し及びN4シトシン又はN6アデニンでメチル化するM2.EarIをコードするDNA配列(配列番号18)を示している。
【図41A】希釈液A及びNEB1緩衝液+10%グリセロールを用いた2倍系列希釈中でpUC19DNA基質1μLを切断することによって、WTBspQI1μL及び変異体(K279P/R388F)BspQI1μL(それぞれ、512U及び1,024Uの開始濃度)のFIを測定するためのアガロースゲルを示している。反応は、50℃で行った。
【図41B】希釈液A及びNEB1緩衝液+10%グリセロールを用いた2倍系列希釈中でpUC19DNA基質1μLを切断することによって、WTBspQI1μL及び変異体(K279P/R388F)BspQI1μL(それぞれ、512U及び1,024Uの開始濃度)のFIを測定するためのアガロースゲルを示している。反応は、50℃で行った。
【図42】希釈液A及びNEB2緩衝液+25%DMSOを用いた2倍系列希釈中でpUC19DNA基質を切断することによって、WTSapI5μL及び変異体(K273A)SapI5μL(それぞれ、32U及び16の開始濃度)のFIを決定するためのアガロースゲルを示している。
【図43A】、WTKpnI5μL及びD16N/E132A/D148EKpnI5μL(それぞれ、32U及び256Uの開始濃度)によるpXbaの触媒活性及びスター活性を示している。この酵素は、10mMTris−HCL、pH7.4、50mMKCl、0.1mMEDTA、1mMDTT及び50%グリセロールを含有し、水で50μLの総容積にした希釈液を用いるNEB2緩衝液中での2倍系列希釈中のpXbaDNA基質(0.5μg)2μLを消化した。
【図43B】、WTKpnI5μL及びD16N/E132A/D148EKpnI5μL(それぞれ、32U及び256Uの開始濃度)によるpXbaの触媒活性及びスター活性を示している。この酵素は、10mMTris−HCL、pH7.4、50mMKCl、0.1mMEDTA、1mMDTT及び50%グリセロールを含有し、水で50μLの総容積にした希釈液を用いるNEB2緩衝液中での2倍系列希釈中のpXbaDNA基質(0.5μg)2μLを消化した。
【図44A】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44B】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44C】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44D】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44E】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44F】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44G】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態は、所望の特徴を有する制限エンドヌクレアーゼを選択するための一般的な方法を提供する。この一般的な方法は、所望の制限エンドヌクレアーゼが作製されるかどうかを決定するための適切なアッセイに依拠している。特に、前記一般的な方法の実施形態は、工程の組を有する系統的なスクリーニング方法を提供する。この方法は、多くの制限エンドヌクレアーゼを使用する何百もの反応を実施することによって導かれた。本明細書中に提供されている実施例の多くは、低下したスター活性を有するが、WT制限エンドヌクレアーゼと少なくとも類似の切断活性を有する制限エンドヌクレアーゼを同定することに関する。しかしながら、例えば、所望される緩衝液中での改善された切断活性、熱安定性、所定の条件での反応の速度などに関連する制限エンドヌクレアーゼの他の特性を修飾することに対して、同じ方法を首尾よく適用できることも予想される。
【0024】
上に論述されているように、関心の最終点は、スター活性を有する制限エンドヌクレアーゼを著しく低下したスター活性を有する高精度制限エンドヌクレアーゼへ転換させることである。スター活性は、個別の制限エンドヌクレアーゼによる切断特異性の混乱を表す。本明細書において、「スター活性の低下」及び「精度の増加」という用語は、互換的に使用される。制限エンドヌクレアーゼは、特定の配列でDNAを切断する特性によって特徴付けられるが、幾つかの制限エンドヌクレアーゼは、DNA中の別の部位で、DNAを非効率的にさらに切断する。この二次的切断は常に起こり得、又は増加した濃度、ある種の緩衝液、温度、基質の種類、保存及び温置時間の何れかなど、ある種の条件下においてのみ起こり得る。
【0025】
タンパク質を構成し、特異性を決定する数百のアミノ酸によって作出される複雑な環境については殆ど知られていないことが一般に認められている。従来技術における1つのアプローチは、酵素とその基質間の接触点を同定するために、結晶学を使用することであった。それにも関わらず、非天然化学環境中で、一時的に構造を凍結させることに関連して、結晶学は制約を有する。
【0026】
タンパク質中の何れかの部位でのアミノ酸の寄与及び基質分子の構造によって果たされている役割を決定する規則は、既存の分析技術を用いて把握することは難しいことが判明している。例えば、本明細書では、制限エンドヌクレアーゼ中のアミノ酸を変異させることは活性の全て又は一部の喪失を引き起こし得ることが示されている。
【0027】
この点に関して、高いグリセロール濃度(>5%v/v)、高い酵素対DNA比(通常、>酵素100単位/DNAμg)、低いイオン強度(<25mM塩)、高いpH(>8.0)、有機溶媒(DMSO、エタノールなど)の存在及び他の二価陽イオン(Mn2+、Co2+)でのMg2+の置換によって、スター活性が増加し得る理由を説明するための構造的な説明が提出されていない。ここでは、スター活性に影響を及ぼす要因の多様性故に、同じ反応条件下で、及び同じ所定の緩衝液中で、WT及び変異体スター活性の比較を実施すること、並びに前記特徴が他の反応条件で観察されたとしても、あらゆる高精度酵素がこれらの特徴を示すことができなければならない標準的な反応条件を開発することが必要である。
【0028】
本発明の本実施形態は、特異的な改善された特性、すなわち、全体的な切断活性の著しい低下又はタンパク質を作製する宿主細胞からの収量の著しい喪失なしに、増強された切断精度を有する修飾された制限エンドヌクレアーゼを作製することに向けられる。改善された特性を有する変異体を発見するために、本明細書において開発された方法は、徹底的な実験から得られたものであり、得られた酵素の特性は、指定された条件において確定された。本明細書中に記載されている方法は、所定の条件下で何れかの制限エンドヌクレアーゼの酵素的特性を変化させるために使用され得るが、特定の確定された条件に限定されるものではない。
【0029】
【表1】
【0030】
前記方法は、同族活性とスター活性に必要とされるアミノ酸が異なるという知見から得られたものである。本明細書中に記載されている高精度制限エンドヌクレアーゼの改変は、同族活性及びスター活性は分離可能であり、これらの異なる活性に影響を及ぼす異なる不可欠なアミノ酸残基が存在することを示している。スター活性に影響を及ぼすことが本明細書において見出されたアミノ酸の位置は、タンパク質の活性部位内に必ずしも見出されない。FIを(Wei et al.Nucleic Acid Res.,36,9,e50(2008)も参照。)及び全体的な精度指数改善係数を決定する形態の成功基準を開発することによって、何れの制限エンドヌクレアーゼの切断特性も、本明細書において初めて決定された。
【0031】
「全体的な精度指数改善係数」とは、選択された緩衝液の組内で最大の切断活性を有する対応するWTエンドヌクレアーゼの最も高いFIによって、最大の切断活性を有する変異体に対する最も高いFIを除したものを表す。選択された組は、1を超えるあらゆる大きさであり得るが、実際的には、10未満の異なる緩衝液を含有し、より好ましくは、4つの緩衝液を含有する。前記組は、4未満の緩衝液も含み得る。特許請求の範囲に記載されている本発明では、何れの変異体制限エンドヌクレアーゼに関しても、さらに(但し、これらのみではない。)、NEB1、NEB2、NEB3及びNEB4からなる緩衝液の組に対しても、好ましくは、少なくとも2の全体的なFI改善係数が適用可能であるべきである。
【0032】
「類似の切断活性」は、同じ条件下で、酵素の同じ量を基質の同じ量及び種類と反応させ、切断産物の量が、標準誤差の範囲内で同じと思われるように、及び定量的な類似性が10%を超えるように、電気泳動後にゲル上で切断特性を視覚的に比較することによって測定することができる。
【0033】
「人工的な」とは、「人によって作製された」ことを表す。
【0034】
「標準的な条件」は、NEB1から4緩衝液中で得られた結果から計算された全体的なFI改善係数を表す。
【0035】
本明細書中に記載されている一般的な方法は、以下の27の制限エンドヌクレアーゼを用いて例示されている。AgeI、AvrII、BamHI、BsaI、BsmBI、BspQI、BstXI、EagI、EcoRI、EcoRV、HindIII、HpaI、KpnI、MfeI、NcoI、NheI、NotI、PciI、PstI、PvuII、SacI、SalI、SapI、SbfI、ScaI、SphI及びSspI制限エンドヌクレアーゼ。しかしながら、上述されているように、著しいスター活性を有する何れの制限エンドヌクレアーゼの改変に関しても、前記方法は有効であることが予想される。
【0036】
前記方法の実施形態は、低下したスター活性を有する変異体制限エンドヌクレアーゼを作製するための一般的なアプローチを使用する。ある種の酵素に関しては、2つのアイソシゾマー間で保存されていることが決定された帯電した残基を変異させることが有用であることが判明した(例えば、実施例25中のSapI参照)。しかしながら、一般に、前記方法は、エンドヌクレアーゼに対するタンパク質配列中の帯電した残基及び極性残基の全てを同定する第一の工程を含む。例えば、帯電したアミノ酸及び極性残基には、酸性残基Glu及びAsp、塩基性残基His、Lys及びArg、アミド残基Asn及びGln、芳香族残基Phe、Tyr及びTrp並びに求核性残基Cysが含まれる。各残基を標的とし、Alaへ変異させ、増加した精度の所望される特性に関して、これらの標的化された変異の産物をスクリーニングする。得られた変異体の何れもが満足な結果を与えなければ、次の工程は、全ての水酸化されたアミノ酸(すなわち、Ser、Thr及びTyr)への変異を標的とすることであり、好ましい変異は、Ser及びThrからAla及びTyrからPheである。実施例16から23に関して実施されたように、残基の両クラスへの変異を一度に標的とすることも可能である。Alaへの変異は、Val、Leu又はIleへの変異によって置換され得る。
【0037】
これらの分析の後、上記工程で作製された好ましい変異体の1つ又はそれ以上が選択された検査下で標準を下回る成績をなお有するのであれば、これらの変異体を選択し、さらなる可能な18のアミノ酸の各々へ再度変異させることができる。これは、飽和突然変異導入と称される。飽和突然変異導入は、EcoRI(実施例2)に対して、部分的にはBamHI(実施例1)及びPvu(実施例12)に対して好ましい高精度の変異体を与えた。飽和突然変異導入の結果に応じて、次の工程は、標的化された若しくは無作為な又は両方のさらなる変異を制限エンドヌクレアーゼ中に導入することである。実施例11において、ScI−HFは、逆PCRの間に偶然に作製された無作為の変異を含む。実施例20において、PciI−HFは無作為の変異から得られ、標的化された変異からは得られなかった。実施例26において、BspQI−HFは、精度を増強する上で相乗的に作用することが見出された2つの変異を含有する。
【0038】
逆PCRなどの標的化された突然変異導入の様々な方法の使用は、タンパク質中の第二の部位へ非標的変異を導入することを含み得る。これらの第二の変異は、所望の特性を偶然に与え得る(実施例20参照)。観察された効果に対して全ての変異が必要とされるかどうかを確定するために、複数の変異を有する変異された酵素を調べることが望ましい。実施例11において、二重変異体中のQ117Hは活性に対して全く効果を有していなかった。実施例20において、さらなる自発的な変異は観察された改善された精度のために専ら必要とされるように見受けられるのに対して、実施例24において、各変異は相乗的に作用した。
【0039】
幾つかの事例において、変異は、改善された精度以外のさらなる利点を与え得る(例えば、E163A又はP173Aが酵素をより熱的に不安定とさせるBamHIを参照。)。
【0040】
実施例中に提供されている変異体の高精度/低下したスター活性特性は、標準的な緩衝液の組の中でのそれらの機能に従って選択された。異なる緩衝液組成物が選択されれば、他の変異が好ましい場合があり得る。しかしながら、変異体を発見するために同じ方法が適用される。表4は、各制限エンドヌクレアーゼに対して適用される変異を列記し、標準的緩衝液中の全体的なFI改善係数を与える。
【0041】
少なくとも2の全体的なFI改善係数を与えるための高精度制限エンドヌクレアーゼの改変は、以下の工程の1つ又はそれ以上を含む。
【0042】
1.WT制限エンドヌクレアーゼのスター活性の評価
本発明の一実施形態において、以下のプロトコールを用いて、制限エンドヌクレアーゼのスター活性の程度が検査される。エンドヌクレアーゼ活性は、原エンドヌクレアーゼの高い初濃度及びその系列希釈(例えば、2倍又は3倍希釈)を用いて、適切な基質に対して測定される。希釈時に、スター活性がもはや検出されないような少なくとも1つの濃度において、スター活性の観察を可能とするのに十分である限り、制限エンドヌクレアーゼの初濃度は重要でない。
【0043】
適切な基質は、同族のエンドヌクレアーゼ活性によって切断され、及びスター活性を観察できるヌクレオチド配列を含有する。この基質は、制限エンドヌクレアーゼ又は第二のDNA基質に対する遺伝子を含有するベクターであり得る。表2において使用されている基質の例は、pBC4、pXba、T7、λ及びpBR322である。
【0044】
WT及び変異された制限エンドヌクレアーゼ中で、スター活性を容易に認識し、アッセイすることができるように、まず、原制限エンドヌクレアーゼの濃度が選択される。2007から08NEBカタログ中の指針に従って系列希釈を実施するために、NEB希釈液A、B又はCなどの適切な希釈緩衝液が選択される。系列希釈された制限エンドヌクレアーゼは、反応容器の大きさによって決定される総反応容量の適切な基質の所定濃度と反応させる。例えば、反応混合物30μLが各ウェルに対して適切な容量であるマイクロタイタープレート中で複数の反応を実施することが都合がよい。従って、実施例は、30μL中に基質0.6μg(50μL中に基質1μgと等しい。)を一般に使用する。反応混合物中の基質の量は重要でないが、反応間で一定していることが好ましい。切断反応は、1時間などの標準的な時間にわたって、所定の温度(例えば、25℃、30℃、37℃、50℃、55℃又は65℃)で起こる。切断産物は、上述のような精度指数を測定するためのあらゆる標準的な技術によって、例えば、0.8%アガロースゲル電気絵移動によって測定することができる。
【0045】
全ての制限エンドヌクレアーゼが、そのFIから測定された場合に著しいスター活性を有するわけではない。しかしながら、エンドヌクレアーゼが約250以下の最高FI及び100未満の最低FIを有していれば、制限エンドヌクレアーゼは、有意なスター活性を有するものと分類される。このようなエンドヌクレアーゼは、単一の基質に対する精度を増加させるための酵素改変の標的として選択される。幾つかの事例では、よりよい切断活性のために、約500を上回るFI及び約100未満のFIを有する制限エンドヌクレアーゼも改変される。
【0046】
下表2は、改変前の幾つかの改変された制限エンドヌクレアーゼのFIを列記する。全ての試料は、0.8%アガロースゲル上で分析した。
【0047】
【表2】
*基質:λは、λファージDNAである。λ(H3)は、HindIIIによって消化されたλファージDNAである。pXbaは、アデノウイルスのXbaIによって消化された断片を有するpUC19である。pBC4:pXbaのより短い様式である。T7:T7DNA。
【0048】
**FI−1からFI−4:NE緩衝液1、2、3及び4中での酵素の精度指数。カッコ内の数字は、緩衝液の組内の緩衝液の何れかの中における同じ変異体制限エンドヌクレアーゼの「最高」切断活性と比較した、緩衝液の組内の指定された緩衝液中での変異体制限エンドヌクレアーゼの相対的切断活性に対する値である。
【0049】
以下のNEB緩衝液の組成:
NEB1:10mMBisTrisプロパン−HCl、10mMMgCl2、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.0);
NEB2:50mMNaCl、10mMTris−HCl、10mMMgCl2、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.9);
NEB3:100mMNaCl、50mMTris−HCl、10mMMgCl2、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.9);
NEB4:50mM酢酸カリウム、20mMTris−酢酸、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.9)。
【0050】
***NEB希釈液の組成は、以下のとおりである。(水の変わりに、希釈において希釈液を使用することによって、反応中のグリセロール濃度は一定に保たれる。)
希釈液A:50mMKCl、10mMTris−HCl、0.1mMEDTA、1mMジチオスレイトール、200mg/mLBSA、50%グリセロール(25℃で、pH7.4);
希釈液B:300mMNaCl、10mMTris−HCl、0.1mMEDTA、1mMジチオスレイトール、500mg/mLBSA、50%グリセロール(25℃で、pH7.4);
希釈液C:250mMNaCl、10mMTris−HCl、0.1mMEDTA、1mMジチオスレイトール、0.15%TritonX−100、200mg/mLBSA、50%グリセロール(25℃で、pH7.4)。
【0051】
2.高発現宿主細胞株の構築
宿主細胞が、低下したスター活性が求められている変異体制限エンドヌクレアーゼを過剰発現することができるのであれば都合がよい。制限酵素がイー・コリ中で高度に発現されていれば、スター活性は未精製抽出物中で容易に検出することが可能であり、これは、高精度制限エンドヌクレアーゼのスクリーニングを簡略化する。しかしながら、酵素切断から生じる毒性から何らかの方法で宿主細胞が保護されているのであれば、変異された制限エンドヌクレアーゼは、あらゆる宿主細胞中で発現させることができる。これには、メチラーゼの存在;ゲノムへの接近に対して障壁を与える細胞の区画(封入体又は周辺質など)中での生産;インビトロでの合成、エマルジョン中での生産(米国特許出願第12/035,872号参照)宿主ゲノム中での切断部位の不存在の;インテインによって媒介される連結に供される構成要素部分中での酵素の製造(米国特許第6,849,428号参照)などが含まれ得る。
【0052】
製造のための変異された制限エンドヌクレアーゼの過剰発現は、クローニングの標準的な技術、例えば、イー・コリ宿主の使用、高コピーであるpUC19に由来する発現ベクター中へのエンドヌクレアーゼの挿入及び組換えタンパク質の一定した発現を可能とする相対的に小さなプラスミドの使用を用いて達成することができる。好ましくは、ベクターは、プロモーターに隣接して配置されたlacプロモーター及びマルチコピー挿入部位などの適切なプロモーターを含有し得る。あるいは、遺伝子発現のIPTG誘導を必要とするプロモーターを選択することができる。未精製抽出物中の活性が十分でなければ、未精製抽出物中の制限エンドヌクレアーゼに対するカラム精製工程を実施し得る。
【0053】
3.制限エンドヌクレアーゼの突然変異導入
制限エンドヌクレアーゼ中の各帯電した基又は極性基をコードするDNAを個別に標的として、変異されたDNAを検査のためにクローニングし、調製し得る。各制限エンドヌクレアーゼ遺伝子中に、複数の変異を導入し得る。制限エンドヌクレアーゼの標的化された突然変異導入は、本分野において公知のあらゆる方法によって達成され得る。本明細書において使用される都合のよい方法は、逆PCRである。このアプローチでは、標的化されたコドンに加えて、コドンの5’及び3’両側に複数のヌクレオチド(例えば、18ヌクレオチド)を含有する相補的なプライマーの対が合成される。適切なプライマーの選択は、目的のアミノ酸残基周囲において、目的のエンドヌクレアーゼの遺伝子配列を概観することによって容易に達成することができる。遺伝子配列の入手は、REBASE及びGenBankを通じて行われる。本明細書において実施例中に記載されているエンドヌクレアーゼに対する配列は、図31から38及び44に記載されている。PCRに対するテンプレートは、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を含有するプラスミドである。ポリメラーゼは、好ましくは、Vent(R)又はDeepVentTMDNAポリメラーゼなどの高精度ポリメラーゼである。徐冷温度及びMg2+濃度を変動させることによって、多くの変異の導入を首尾よく達成することができる。次いで、PCR増幅産物を精製し、好ましくは、DpnIによって消化する。本発明の一実施形態において、対応するメチラーゼで予め修飾された形質転換受容性宿主細胞(例えば、イー・コリ)中に消化された産物を形質転換した。各変異体から得られたコロニーを拾い上げ、WTがその中で増殖された条件と類似の条件下で(例えば、類似の増殖培地、薬物選択及び温度を用いて)増殖させた。得られた制限エンドヌクレアーゼを低下したスター活性に関してスクリーニングした。
【0054】
4.低下したスター活性を有する変異体制限エンドヌクレアーゼのスクリーニング
変異体制限エンドヌクレアーゼ中のスター活性を測定するために、緩衝液組成、温度及び希釈液などの条件を確定すべきである。表2及び3は、37℃で、3つの異なる希釈液を用いる4つの異なる緩衝液中での変異前及び後における組換えエンドヌクレアーゼのFIを示している。従って、何れの変異体が少なくとも2、10超、少なくとも50又は500超の全体的な望ましい改善された精度指数係数を有するかを決定し、好ましい高精度変異体として酵素を選択することが可能である。
【0055】
本発明の一実施形態において、まず、正常な緩衝液条件(5%以下のグリセロール)中での活性に関して、変異体制限エンドヌクレアーゼをスクリーニングした。WT制限エンドヌクレアーゼの活性の少なくとも約10%を有する変異体に関して、スター活性を促進するスター活性促進条件、例えば、高いグリセロール濃度及び場合によって高いpH中でも活性を測定した。好ましくは、正常な緩衝液中で最も低いスター活性を有するが、許容可能な同族活性を有する変異体を選択する。次いで、変異体の確認のために、プラスミドを抽出し、配列決定することができる。幾つかの事例では、高いグリセロール及び高いpH条件を用いた場合でさえ、スター活性は容易に測定されない。代わりに、異なる緩衝液中での活性を測定及び比較し、NEB3と比べてNEB4中で最も高い切断活性比を有するものを、スター活性の改善に関してさらに検査することができる。
【0056】
5.単一の残基に対する飽和突然変異導入
前節に記載されているように、第一の工程は、制限エンドヌクレアーゼ中の標的アミノ酸をAlaに変異させることである。結果が満足できるものでなければ、飽和突然変異導入が行われる。これは、好ましくは、2つの方法のうちの1つによって行われる。1つの方法は、意図されるコドンをNNN中に変化させることである。突然変異導入後に、正常な条件下及びスター活性を促進する条件下で、複数のコロニーをアッセイする。あるいは、標的とされるアミノ酸のそれぞれの突然変異導入のために、異なるコドンを選択することができる。Ala:GCT;Cys:TGC;Asp:GAC;Glu:GAA;His:CAC;Ile:ATC;Lys:AAA;Leu:CTG;Met:ATG;Asn:AAC;Pro:CCG;GIn:CAG;Arg:CGT;Ser:TCC;Thr:ACC;Val:GTT;Trp:TGG及びTyr:TAC。
【0057】
6.組み合わせ
単一の変異がスター活性を十分に低下させなければ、2以上の変異を制限エンドヌクレアーゼ遺伝子中に導入することができる。変異の組み合わせ及び飽和突然変異導入は、何れの順序でも実施することができる。
【0058】
7.変異体精製及び改善の評価
高精度変異体は、様々なクロマトグラフィーカラムの使用など、様々な方法で精製され得る。通常の品質評価に関しては、調製物由来のDNA及び非特異的ヌクレアーゼを除去するのに、1つのFPLCヘパリンカラムで十分である。イオン交換、疎水性、サイズ排除及びアフィニティーカラムを含む複数のカラムをさらなる精製のために使用することができる。
【0059】
精製された高精度制限エンドヌクレアーゼは、4つのNEB緩衝液中でFIに関して測定され、WT制限エンドヌクレアーゼのFIと比較される。最適な緩衝液中でのWTのFIに対する高精度制限エンドヌクレアーゼのFIの比率が、全体的な改善係数である。
【0060】
【表3】
*FIは、基質の消化を完了する最低の濃度に対する、スター活性を示さない最高濃度の比率である。
【0061】
**カッコ内の数字は、緩衝液の組内の緩衝液の何れかの中における同じ変異体制限エンドヌクレアーゼの最大切断活性と比較した、緩衝液の組内の指定された緩衝液中での変異体制限エンドヌクレアーゼの相対的切断活性に対する値である。
【0062】
【表4】
【0063】
上及び下に引用されている全ての参考文献並びに米国仮出願60/959,203号は、参照により組み込まれる。
【0064】
実施例
一文字コードによって、アミノ酸が表記されている場合には、これは、標準的な命名法であることが意図されている。コードに対する鍵は、例えば、NEBカタログ2007/2008の280ページ上に与えられている。
【0065】
クローニングのために及び基質として使用されるプラスミドは、以下のような配列を有する。
【0066】
pLaczz2(配列番号102)、pSyx20−lacIq(配列番号105)、pBC4(配列番号103)、pXba(配列番号104)及びpAGR3(配列番号106)。pACYCはGenBankXO6403中に、T7はGenBankNC001604中に、pUC18はGenBankL09136中に、及びpRRSは「Skoglund et al.Gene,88:1−5(1990)中に記載されている。pSX33は、EcoRI部位において、pLG339中にlacI遺伝子を挿入することによって構築した。pLG339は、「Stoker,et al.Gene 19,335−341(1982)」中に記載されている。
【0067】
本明細書中で使用されるNEB緩衝液として特定されている緩衝液は全て、New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MAから入手することが可能である。
【実施例1】
【0068】
高精度BamHIの改変
1.BamHIメチラーゼ及びBamHIエンドヌクレアーゼを含有するプラスミドの抽出
形質転換受容性イー・コリ宿主細胞をpUC18−BamHIR及びpACYC184−BamHIMで形質転換し、標準的なminiprep技術を使用する標準的なQiagenMini−prep法(Qiagen,Valencia,CA)によって、BamHIRを抽出した。
【0069】
2.突然変異導入標的の選択
BamHI及び関連する制限エンドヌクレアーゼOkrAIをクローニングし、配列決定した。反応がNEB緩衝液(1、2及び4)中において、37℃で行われれば、OrkAIは著しいスター活性を有することが見出された。本分析は、スター活性に必要なアミノ酸残基がBamHIとOkrAIエンドヌクレアーゼの間で類似しているという仮定を調べた。
【0070】
BamHIの完全なタンパク質配列(配列番号19)は、以下のとおりである。
【0071】
【化1】
【0072】
OkrAIの完全なタンパク質配列(配列番号20)は、以下のとおりである。
【0073】
【化2】
【0074】
BamHI及びOkrAIエンドヌクレアーゼのタンパク質配列に対してGCGによって行われた「Bestfit」類似性分析は、以下の結果を示した(上のタンパク質配列はBamHIであり、下のタンパク質配列はOkrAIである。
【0075】
bamhir.pep×okrair.pep
【0076】
【化3】
【0077】
BamHI中の類似の帯電した残基(D、E、H、K、R)は、E28、K30、K52、K61、E77、K84、E86、K88、D94、K97、K106、E111、E113、H121、R122、K126、K146、D154、R155、E161、E163、E170、E182、K193、D196及びR201であることが明らかとなった。上記比較において、これらの残基には下線が付されている。公知の変異体E77K、D94N、E111K及びE113Kは不活性であることが以前に報告されていたので(Xu,Shuang−yong et al.J.Bacteriol.266:4425−4429(1991))、除外した。最初の突然変異導入選択は、アラニンへの変異のために、22の共有される帯電アミノ酸残基を標的とした。E28A、K30A、K52A、K61A、K84A、E86A、K88A、K97A、K106A、H121A、R122A、K126A、K146A、D154A、R155A、E161A、E163A、E170A、E182A、K193A、D196A及びR201A。
【0078】
3.BamHIの突然変異導入
選択された変異の点突然変異導入は、逆PCRによって行った。対応するコドンは全て、GCA(アラニン)に変化させた。突然変異導入のために、以下のプライマーを使用した。
【0079】
【化4】
【0080】
100μLの反応容量のPCR反応は、各PCRプライマー2μL、pUC18−bamhiR、400μMdNTP、DeepVentTMDNAポリメラーゼ4ユニット及びMgSO40、2又は6μLを含有する10×Thermopol緩衝液10μLを含有し、さらに水を加えた。
【0081】
PCR反応条件は、94℃5分間の後、94℃30秒間、55℃30秒間、72℃4分の25サイクル及び72℃で7分間の最終伸長時間であった。標準的なQiagenスピンカラム(Qiagen,Valencia,CA)上で、PCR産物を精製した。DpnIの20単位によって、PCR産物の6から16μLを1時間消化した。イー・コリ(pACYC−bamHIM)中に、消化された産物を形質転換した。
【0082】
6つのPCR反応後、改変された22変異から14が得られた。E28A、K30A、K61A、E86A、K97A、H121A、K126A、K146A、E161A、E163A、E170A、E182A及びR201A。一晩培養物中の細胞可溶化液から変異体タンパク質を抽出し、活性をWTBamHIと比較した。正常な酵素活性は5%グリセロールあり又はなしのNEB2緩衝液中でアッセイされたのに対して、スター活性は39.2%グリセロールありのNEB2中で測定されたが、まず、より低いパーセントのグリセロールを使用することができた。異なる反応に対して使用された基質は、pBR322、pUC19又はλDNAであった。切断反応は、37℃で、30分間又は1時間行った。変異体(K97A、H121A、K126A、E161A、E182A、R201A)は不活性である(WTBamHI活性の1%未満)のに対して、E28A、K146A、E163A、E170A変異体はWT酵素と類似の活性レベル(スター活性を含む。)を有していた。3つの変異体K30A、E86A及びK126Aは、WTBamHIと比較して、著しく低下したスター活性を有することが見出された。K30A及びE86AはWT酵素と類似の全体的な切断活性を有していたが、スター活性の著しい低下を示すことも明らかとなった。これに対して、K126AはWT酵素の全体的な切断活性の25%を有するに過ぎず、K30A及びE86Aに対して観察されたものほど著しいスター活性に対する改善を有していなかった。
【0083】
pUC18−bamHIRプラスミドに対する再チェックによって、正常な高コピープラスミドが低コピープラスミドへ変異したことが明らかとなった。高コピープラスミド中にbamHIR遺伝子を転移させるために、プライマーの対を設計した。
【0084】
【化5】
【0085】
テンプレートは、K30A、E86A又はK126Aに変異を有するpUC18−bamhIRWTであった。PCR組成物は、テンプレート5μL、各プライマー2μL、400μMdNTP、10×Thermopol緩衝液10μL、4単位のDeepVentTMポリメラーゼ2μL、MgSO40、2、6μLを加えたH2O72μLを含有した。PCR条件は、94℃5分間に続いて、94℃30秒、55℃30秒及び72℃40秒の25サイクル並びに7分の最終伸長期間であった。SphI及びKpnIでPCR産物を消化し、酵素消化の同じ対を用いて、pUC19へ連結させた。pACYC−bamHIMを含有する形質転換受容性イー・コリ中に、連結された産物を形質転換した。BamHIRK30AのpUC19バージョンを含有する26のコロニー及びE86Aを含有するそのうち12を同定し、増殖させた。これらの培養物からのBamHIの活性をチェックした。これらの全ては活性を有する。各変異の5つのコロニーから得られたプラスミドを抽出し、各変異の3つからBamHIRプラスミドを配列決定した。プラスミドpUC19−BamHI(K30A)及びpUC19−BamHI(E86A)の正体を確認した。
【0086】
pUC19−BamHI(K30A)ベクターを用いて、pUC18−BamHIR中で成功を収めなかった変異を繰り返した。PCR混合物は、テンプレート1μL及び各プライマー2μL、400μMdNTP、10×Thermopol緩衝液10μL、4単位のDeepVentTMポリメラーゼ2μL、100μMMgSO40、2、6μLを加えたH2O76μLを含有する増幅混合物を含有した。PCR条件は、94℃5分間に続いて、94℃30秒、55℃30秒及び72℃3分30秒の25サイクル並びに7分の最終伸長期間であった。PCR産物をDpnIによって消化し、pACYC−BamHIMで形質転換された形質転換受容性イー・コリへ形質転換した。pUC19基質に対して、酵素活性をチェックした。反応組成物は、細胞抽出液3μL、NEB2の3μL、50%グリセロール3μL、0.5μgpUC19の0.5μL、H2O20.5μLであった。反応は、37℃で1時間であった。K30A/R122A、K30A/R155A及びK30A/K193Aは、不活性であった。K30A/K52A及びK30A/K88Aは、K30A活性の約1/10であった。K30A/K106A、K30A/D154A及びK30A/D196Aの正常な活性は、K30ABamHIのものと同様であった。高濃度のグリセロール(39.2%)で、これら3つの変異体のスター活性をK30Aと比較することによって、K30A/D196AはK30Aと類似のスター活性を有し、K30A/D154AはK30Aより高いスター活性を有し、K30A/K106AはK30Aより低いスター活性を有することが示された。pUC19ベクター中のBamHIのK106A変異を単離する試みは、細胞毒性のために失敗した。
【0087】
逆PCRを用いて、K30、E86及びK106部位に対する変異を組み合わせた。K30A/E86A、E86A/K106A、K30A/K106A及びK30A/E86A/K106A。K30A/E86Aは、好ましい変異体であるように見受けられた。精製後、全てのNEB緩衝液中で、BamHI変異体に対して、FIは25%向上することが見出された。
【0088】
K30及びE86の部位に対して、さらなる突然変異導入を無作為に行った。
【0089】
K30に対して、
【0090】
【化6】
【0091】
E86に対して、
【0092】
【化7】
【0093】
PCR組成物は、テンプレート(pUC19−BamHIR(K30A)1μL又はpUC19−BamHIR(E86A)であり、上記のような増幅混合物を使用した。PCRは、94℃5分間に続いて、94℃30秒、55℃30秒及び72℃3分30秒の25サイクル並びに7分の最終伸長期間で行った。PCR産物をDpnIによって消化し、イー・コリ(pACYC−BamHIM)中に形質転換した。
【0094】
K30無作為変異に対して合計155のコロニーを選び出し、E86部位に対して158コロニーを選び出した。コロニーを一晩増殖させ、細胞抽出物にした。42.5%グリセロールを加えたNEB2緩衝液中の細胞抽出物1μLを用いて、37℃で1時間、pUC19の0.5μgを消化した。37℃で30分間、39.2%グリセロールを加えたNEB2緩衝液中のpUC19の0.5μgに対して、1、4、16倍希釈下で、明白に低下したスター活性を有する細胞抽出物を再度アッセイした。低下したスター活性を有することが観察された変異体に対して、対応するプラスミドを抽出し、変異を確認するために配列決定した。計3つのクローン(#12、#66及び#82)がK30変異を含有し、計33のクローン(#5、#15、#16、#19、#29、#47、#51、#55、#56、#58、#61、#69、#71、#73、#76、#82、#86、#88、#93、#94、#97、#98、#100、#104、#107、#113、#117、#118、#129、#132、#136、#139及び#151)を配列決定した。配列決定後、#12及び#66はK30G変異を含有し、#82はK30N変異を含有することが明らかとなった。驚くべきことに、コドン(CCA、CCT、CCC、CCG)が異なるだけで、33の変異の全てがE86Pである。これらのコドンのうち、イー・コリ中では、CCGが最も高い頻度で生じた(クローン#98、#136及び#139)。
【0095】
K30G、K30N及びK30Aに対応する細胞抽出物は、1、2、4、8、16及び32倍として系列希釈されたのに対して、E86P及びE86Aは、1、2、4、8、16、32、64、128及び256倍として系列希釈された。39.2%グリセロールを加えたNEB2中において、37℃で30分間、系列希釈された抽出物をpUC19の0.5μgと反応させた。極端な条件下で、E86Pは、他の変異体よりずっと優れているように見受けられた。最大32倍の消化まで、著しいスター活性のバンドは存在しなかった。E86PとK30変異体(K30G、K30N及びK30A)の差は非常に大きいので、E86P変異体中のこれらの変異の全てを組み合わせることはさらに必要でなかった。
【0096】
λDNA1μg基質(WTBamHI活性測定に対しても使用される。)に対して、BamHI(E86P)の活性を測定した。37℃で1時間、NEB1緩衝液中においてアッセイを行った。
【0097】
4.BamHI(E86P)及びWTBamHIの詳しい比較
A.異なるNEB緩衝液中でのBamHI(E86P)の活性
λDNA基質を用いて、37℃で1時間、NEB1、NEB2、NEB3、NEB4及びNEBBamHI緩衝液中で、精製されたBamHI(E86P)の活性を測定した。BamHI(E86P)は、NEB1緩衝液及びNEB2中で最も高い活性を有していたが、NEB3、NEB4及びBamHI緩衝液中で、50%、50%及び25%の活性レベルを有していた。
【0098】
B.pUC19に対するBamHI(E86P)及びWTBamHIの切断活性の比較
pUC19中には、1つのGGATCC部位(BamHI部位)及び6つのAGATCC部位(BamHIスター活性部位)が存在したので、BamHI(E86P)及びWTBamHIを比較するための好ましい基質として、pUC19を選択した。
【0099】
異なる緩衝液中において、NEB希釈緩衝液Aを用いた1、3、9、27、81、243、729、2181、6561及び19683倍の系列希釈中で、WTBamHI及びBamHI(E86P)によって、pUC19の0.5mgを消化した。WTBamHIは全てのNEB正常な緩衝液中でスター活性を示したのに対して、BamHI(E86P)はスター活性バンドを全く示さなかった(図2から5)。これによって、同族切断活性を保持しながら、BamHI(E86P)は大幅に低下したスター活性を有することが示された。
【0100】
C.λDNA基質に対するBamHI(E86P)及びWTBamHIの切断活性の比較
精度指数を計算するために、希釈緩衝液で制限酵素を希釈し、グリセロール濃度は常に5%に保った。ここで使用される標準的な反応条件では、λDNA基質濃度は1μgであり、合計反応容量は50μLであった。酵素容量を10%に保つために、5μLの容量で酵素を添加した。これは、30μLの合計容量で、制限酵素3μLによって消化された基質0.6μgに等しい。37℃で1時間、NEB1、NEB2、NEB3、NEB4及びNEBBamHI緩衝液中で、1から32768までの1:2系列希釈中において、WTBamHI及びBamHI(E86P)3μLによって、λDNA0.6mgを消化した。
【0101】
【表5】
【0102】
5.高精度変異体のためのBamHIのさらなる改善
1時間のレベルで、BamHI(E86P)は、優れた高精度BamHI変異体であるように見受けられた。しかしながら、反応時間を延長すると(例えば、一晩又は14時間)、E86Pのスター活性が1時間の時点で検出されなかった場合でさえ、スター活性バンドが出現した(図3)。改善された高精度BamHIの検索を継続した。
【0103】
6.他の帯電した残基及び極性残基の変異
配列番号19中の2、4、5、6、10、11、13、14、18、19、20、43、51、62、69、70、76、77、78、81、87、89、94、98、101、104、107、111、113、132、133、135、137、160、167、200、204、205、207、208、209、211、213の位置において、他の帯電した残基(Arg、Lys、His、Asp、Glu)をAlaへ変異させた。pUC19−BamHI(K30A)のテンプレートに対して、変異を行った。
【0104】
配列番号19中の9、17、26、32、36、41、42、44、46、50、65、66、71、72、75、96、103、114、118、119、123、150、151、153、157、165、169、184、186、195、199、202の位置において、他の極性残基(Ser、Thr及びTyr)をAlaに変異させたのに対して、Tyrは、Pheに変異させた。
【0105】
類似の変異及びスクリーニング法を使用することによって、以下の変異が低下したスター活性を有することが発見された。K30A/K87A、E86P/K87E、E86A/Y165F及びK30A/E167A。追加のDMSOの存在下で改善された特性を有する変異体として、E86P/K87Eが同定された。しかしながら、正常な反応緩衝液中でのこの変異体の活性は、WTBamHIのものよりずっと低かった。
【0106】
変異の以下の組み合わせを作製した。E86P/Y165F、E86P/E167A、E86P/Y165F/E167A、K30A/Y165F/E167A、K30G/Y165F/E167A、K30A/Y165F/E167A、E86A/Y165F/E167A。全ては、低い活性を有していた。
【0107】
この点まで、E167A及びY165FはBamHIスター活性に対して強い効果を有し、K87Aは中程度の効果を有し、並びにK30A及びE86Aは弱い効果を有することが見出された。E86Pは、1時間のレベルでスター活性を低下させるが、一晩では低下させない特殊な変異である。
【0108】
7.全ての他の残基へのE167及びY165の変異
Alaに関してはGCA、Cysに関してはTGC、Aspに関してはGAC、Pheに関してはTTC、Glyに関してはGGT、Hisに関してはCAC、Ileに関してはATC、Lysに関してはAAA、Leuに関してはCTGに、Metに関してはATG、Asnに関してはAAC、Proに関してはCCG、Glnに関してはCAGに、Argに関してはCGTに、Serに関してはTCC、Thrに関してはACC、Valに関してはGTT、Trpに関してはTGG及びTyrに関してはTACへコドンを変化させることによって、pUC19−BamHI中において、E167を他の全ての残基へ変異させた。
【0109】
全ての変異体の比較後、E167T変異は好ましかったのに対して、E167R、E167K、E167L及びE167I変異は、E167Aと比較された低下したスター活性の改善を示した。
【0110】
Alaに関してはGCT、Cysに関してはTGC、Aspに関してはGAC、Gluに関してはGAA、Glyに関してはGGT、Hisに関してはCAC、Ileに関してはATC、Lysに関してはAAA、Leuに関してはCTGに、Metに関してはATG、Asnに関してはAAC、Proに関してはCCG、Glnに関してはCAGに、Argに関してはCGTに、Serに関してはTCC、Thrに関してはACC、Valに関してはGTT、Trpに関してはTGGへ対応するコドンを変化させることによって、Y165も他の全てのアミノ酸残基へ変異させた。
【0111】
全ての変異体を比較した後、Y165Fの存在は著しい切断活性をもたらしたが、直前に列記されている他の変異は低い活性を示し、又は切断活性を示さなかった。
【0112】
8.BamHI(E167T)に対するさらなる変異
上記と同じ操作で、puc19−BamHI(E167T)のテンプレート上において、全ての帯電した残基及び極性残基をAlaに変異させた。
【0113】
好ましい変異としてE163A/E167Tが、BamHI−HFとして同定された。
【0114】
9.WTBamHIに対するBamHI−HFの比較
スター活性を低下させるために必要とされる他の変異に付加された場合に、P173Aと同様に、E163への変異の導入は、BamHI変異体の低下した熱安定性をもたらした。
【0115】
BamHI−HFは、BamHI(E86P)とは異なり、NEB1から4緩衝液中での一晩の反応において、著しいスター活性を有していなかった。図4は、NEB1及びNEB2中での結果を示している。従って、好ましい高精度BamHIとして、BamHI(E163A/E167T)を選択した。
【0116】
37℃で、希釈液Aを加え、λDNA基質に対して、4つのNEB緩衝液全ての中で、BamHI−HFの精度指数を測定し、WT酵素と比較した。
【0117】
【表6】
【0118】
BamHI−HFは、NEB1中で最高の活性を有し(精度指数は、>8,000である。)、WTBamHIは、NEB2及びNEB3中で最高の活性を有し、最高のFIは32である。全体的なFI改善係数(変異体及びWT酵素の各々に対して最良の緩衝液中でのFIの比率である。)は、>8,000/32=250倍である。
【0119】
10.BamHIのさらなる変異
E163A/E167T/P173Aは、スター活性の好ましい低下を有し、さらに、熱的に不安定であると予想された。
【0120】
(E86P/K87S/K88P/E163S/E170T/P173A)を検査した。この変異体は、比活性の10倍低下を示したが、宿主細胞からのタンパク質の増加した収率によって補われた。
【0121】
低下した熱的安定性、低下したスター活性及び許容可能な比活性を共有した他のBamHI変異体には、以下のものが含まれる。
【0122】
【化8】
【実施例2】
【0123】
高精度EcoRIの調製
1.EcoRIの発現
EcoRIに対するPCRは、以下のプライマーを使用した。
【0124】
【化9】
【0125】
次いで、制限エンドヌクレアーゼの第二の対(SphI及びAcc65I)でPCR産物を消化し、制限エンドヌクレアーゼの同じ第二の対で消化されたpUC19へ連結した。次いで、pACYC−MlucIMで予め改変された形質転換受容性イー・コリ(E.coli)中に、連結されたプラスミドを形質転換した。
【0126】
2.EcoRIの突然変異導入
EcoRIのアイソシゾマーであるRsrI(同じく、そのスター活性に関して知られている。)とのEcoRIの比較から得られた標的アミノ酸残基の最初の選択。
【0127】
EcoRI対RsrI
【0128】
【化10】
【0129】
既知の活性中心残基であるD91、E111及びK113を除き、42の帯電した残基は、2つのエンドヌクレアーゼ中において同一であり又は類似していた。帯電した残基は、以下のとおりであった。
【0130】
K4、R9、K15、K29、H31、D32、E37、E49、R56、R58、K63、E68、K71、D74、K89、E96、K98、K99、R105、H114、D118、K130、D133、D135、E144、R145、H147、K148、E152、E160、H162、E170、E177、R183、D185、R200、D202、R203、E253、R264、D269。
【0131】
これらの帯電した残基の全てをAla(コドンGCA、GCT、GCC又はGCG)へ変異し、変異された遺伝子を増幅し、以下のようにクローニングした。
【0132】
増幅混合物は、実施例1において使用したものと同じであり(各PCRプライマー2μL、400mMdNTP、DeepVentDNAポリメラーゼ4単位、さらなるMgSO40、2、6μLを加えた10×Thermopol緩衝液10μL及び総反応容積は100μLであった。)、pUC19−EcoRI1μLへ添加した。
【0133】
PCR反応条件は、94℃5分間の後、94℃30秒間、55℃30秒間、72℃3分30秒間の25サイクル、72℃で7分間の最終伸長時間であった。PCRの後、標準的なQiagenスピンカラム(Qiagen,Valencia,CA)によって、産物を精製した。DpnIの20単位によって、PCR産物16μLを1時間消化した。メチラーゼ保護された形質転換受容性のイー・コリ調製物中に消化された産物を形質転換した。
【0134】
3.EcoRI高精度変異体のスクリーニング
各変異に対して、それぞれ3つのコロニーを摘み出し、アンピシリン及びクロラムフェニコールを加えたLB中で一晩増殖させた。変異体がWTEcoRIと少なくとも同様の活性を有することを確認するために、pBR322及びλDNAに対して活性アッセイを行った。次いで、37℃で1時間反応させた、2倍系列希釈、50%グリセロール12μL、NEB1緩衝液3μL、pBR322の0.5μL及び水11.5μL中の細胞抽出物3μLを用いて、これらの変異体を検査した。しかしながら、何れの変異も、スター活性の成績を向上させなかった。
【0135】
この結果から、アイソシゾマーの間で、有効な変異が相同的残基として必ずしも認識され得ないと結論付けられた。
【0136】
4.残り32の帯電した残基に対する反復突然変異導入
アミノ酸残基5、12、14、26、40、43、44、59、62、65、72、76、100、103、117、123、131、192、221、225、226、227、228、242、244、245、247、249、257、268、272及び277を標的とすることによって、工程2に記載されているように、残り32の全ての帯電した残基をAlaへ変異した。
【0137】
上の数字は、EcoRIタンパク質配列(配列番号83)中のアミノ酸位置に対応する。
【0138】
5.反復選択
変異の異なる種類を含有する各試料から、4つのコロニーを摘み出し、CAMを加えたLB4mL中で増殖させた。音波処理後、NEB1緩衝液中の正常なグリセロール条件中でλDNA基質に対して、細胞抽出物を検査した。NEB2緩衝液3μL中の2倍系列希釈中の細胞抽出物3μLをpUC19の0.5μL及び反応混合物中に39.2%グリセロールの最終濃度を与えるための50%グリセロール23.5μLへ添加することによって、類似の活性を有する抽出物をpUC19基質に対して再度検査した。
【0139】
これらの変異体全てのうち、K62Aは、最も低いスター活性及び高いFIを有する変異であることが明らかとなった。R9A、K15A、R123A、K130A、R131A、R183A変異体は全て、スター活性の部分的低下を示した。興味深いことに、標的化された変異K5Aを含有する1つのクローンは部分的な改善を示した。さらに、配列決定後に、二次変異S2Yが発見された。これらの2つの変異の分離によって、この単離株に対する効果的な変異はS2Yであることが明らかとなった。D135A及びR187AEcoRIも、ずっと低いスター活性を有していた。しかしながら、これらの変異体の切断活性は最適でなかった。
【0140】
6.EcoRI(K62A)のWTEcoRIとの比較
4つの異なるNEB緩衝液中でλDNA0.6μgを消化することによって、NEB希釈緩衝液Cを用いた3倍系列希釈中で、並列比較を行った(図6)。EcoRI(K62A)は、WTEcoRIより大幅に低いスター活性を有していた。
【0141】
EcoRI(K62A)及びWTEcoRIに対して精度指数測定を測定することによって、より定量的な比較を行った。精度指数の測定のための条件は、基質としてのλDNA及び希釈緩衝液Cを用いる表2と同じであった。37℃で1時間、反応を温置し、0.8%アガロースゲル上で消化産物を分析した。
【0142】
【表7】
【0143】
7.EcoRIのさらなる変異
λDNA基質に対して、EcoRI(K62A)はスター活性を有することは明らかでなかったが、10時間の消化後に、Litmus28基質を用いて、スター活性が観察された。NEB4中のEcoRI(K62A)は、EcoRI緩衝液中のWTEcoRIと比較して、著しく低下したスター活性を有していた(図7)。
【0144】
さらなる改善を調べた。実施例1のように、Kを対応するコドンへ変化させることによって、EcoRI(K62)を全ての他のアミノ酸残基へ変異させた。K62S及びK62Lは、K62Aと類似していた。EcoRI(K62E)は、図6に示されているように、EcoRI(K62A)と比較すると、100倍以上の全体的精度指数改善係数を有していた。EcoRI(K62E)は、EcoRI−HFと名づけられた。
【0145】
8.EcoRI−HF及びWTEcoRIの比較
希釈液C中でのEcoRI−HF及びWTEcoRIに対するFI測定によって、定量的比較を行った。FI測定のための条件は、基質としてλDNAを用いる表2と同じであった。反応条件は37℃1時間であり、0.8%アガロースゲル上で結果を分析した(図8)。
【0146】
【表8】
【0147】
全体的精度指数改善倍数は、64倍であることが明らかとなった(NEB3中のWTEcoRIの250に対して、NEB4中でEcoRI−HFに対して16,000)。
【実施例3】
【0148】
高精度ScaIを改変する
1.ScaIの発現
ScaI制限エンドヌクレアーゼ及びメチラーゼに対する配列はREBASE及びGenBank中に記載されており、図44に示されている(配列番号97)。それぞれ、pRRS−ScaI及びpACYC184−ScaIMを作製するために、これらの酵素を発現する遺伝子をプラスミド中に挿入した。次いで、形質転換受容性イー・コリ宿主細胞中に、pACYC184−ScaIMを形質転換した。pRRSベクターはpUC19に由来し、多重クローニング部位の存在のみが異なる。発現株を作製するために、pRRS−ScaIRをイー・コリ(pACYC−ScaIM)中に形質転換した。播種及び細胞培養は、30℃で行った。
【0149】
2.ScaIの突然変異導入
ScaIは、配列決定された2つのアイソシゾマー:LIaDI及びNmeSIを有する。しかしながら、LIaDI又はNmeSIのスター活性に関する既知の情報は存在せず、これらの酵素の活性部位に関する情報も一切存在しない。従って、タンパク質中の位置4、8、11、12、14、18、25、27、30、37、39、40、43、46、51、57、61、68、72、74、80、86、97、103、108、112、114、119、120、121、127、128、129、133、135、139、140、141、147、152、156、158、159、161、162、171、172、175、179、182、184、187、172、175、192、193、195、200、222、227における標的化された変異のために、まず、58の帯電した残基全てを選択した。
【0150】
上の数字は、ScaIタンパク質配列(配列番号97)中のアミノ酸位置に対応する。
【0151】
プライマーの設計及びPCRの方法は、BamHIに関して実施例1中に、及びEcoRIに関して実施例2中に記載されている方法と類似している。突然変異導入は、徐冷温度及びDNAポリメラーゼを変動させることによって達成した。DpnIを用いて、PCR産物を消化し、形質転換受容性イー・コリ(pACYC184−ScaIM)中に形質転換した。
【0152】
3.ScaI高精度変異体の選択
ScaI変異体の各変異体から得た4つのコロニーを摘み出し、100μg/mLAmp及び33μg/mLCamを加えたLB4mL中において、30℃で一晩増殖させた。各細胞培養物を音波処理し、NEB2緩衝液中のλDNAに対して、活性を検査した。明らかに活性を有するものを、10、100及び1,000倍希釈で再検査した。ScaIは極めて著しいスター活性を有していたので、スター活性のバンドは、変異体対WT制限エンドヌクレアーゼに対して容易に比較された。NEB希釈緩衝液Aによる2倍系列希釈を用いて、低下したスター活性を有するものを再検査した。変異体の各々に対して、FIを測定した。NEB2緩衝液中のWTScaIに対して、FIは1/8であった。類似の活性レベルを有する4つの変異体は、WTScaIと比較して、大幅に低下したスター活性を有することが見出された。変異体#6−3ScaIは2倍高い活性を有し、FIは、WTScaIより4又は32倍優れていた。#26−2ScaIは2倍高い活性及びWTより8倍又は64倍優れたFIを有する。#28−2ScaIは2倍高い活性を有し、FIはWTより120又は1000倍優れており、#54−3はWTと同じ活性を有しており、FIはTWより250又は2000倍優れている。
【0153】
λDNA基質の消化に関して、36.7%グリセロールの存在下で、4つの変異体:#6−3、#26−2、#28−2及び#54−3ScaIをさらに検査した。#54−3は、他の3つの変異体より、低下したスター活性のより大きな改善を示した。
【0154】
プラスミドを抽出した後、#6−3を配列決定し、R18Aに変異を有することが明らかとなった。#26−2を配列決定し、R112Aに変異を有することが明らかとなった。#28−2を配列決定し、E119Aに変異を有することが明らかとなった。これらの変異は、予想された。しかしながら、#54−3は、二重変異体−H193A/S201Fを有することが明らかとなった。S201Fは、PCRの間に起こった自発的二次変異であり、H193A変異のプライマー領域の外側に位置していた。
【0155】
何れの残基がスター活性の低下に対して主に原因となるかを理解するために、以下のプライマーを用いて、単一変異(S201F)をScaI中に導入した。
【0156】
【化11】
【0157】
ScaI(H193A)、ScaI(S201F)及びScaI(H193A/S201F)に対する配列を確認した。5%及び37%のグリセロールレベルで、3つの変異体及びWTScaIを比較した(図9)。S201Fは、僅かに寄与したに過ぎないH193Aとは対照的に、FIへ著しく寄与した。しかしながら、これら2つの変異は、FIを改善する上で加算的であるように見受けられた。S201Fは5%グリセロール中でスター活性を示さなかったが、37%グリセロール中で幾らかのスター活性を示した。H193Aは5%グリセロール中の幾らかのスター活性を有し、37%グリセロール中で著しいスター活性を有していた。しかしながら、これら2つの変異の組み合わせでは、5%又は37%グリセロールの何れかにおいても、スター活性は検出しなかった。この発見は、水酸基を有するアミノ酸がスター活性のための主要な活性残基であり得ることを示すのみならず、変異の正しい組み合わせは、精度の向上を極めて高いレベルまで押し上げることができることも示している。帯電した残基の変異がスター活性を改善することができなければ、Ser、Thr及びTyrに対する変異は精度指数を首尾よく改善するし得ることがここで観察される。ScaI(H193A/S201F)をScaI−HFと表記した。
【0158】
4.ScaI−HF及びWTScaIの比較
4つの異なるNEB緩衝液中のλDNA1μg上に対して、異なるNEB緩衝液中のNEB希釈緩衝液Aによる2.5倍系列希釈で、ScaI−HF及びWTScaIを37℃で、1時間比較した(図10)。
【0159】
【表9】
【0160】
ScaI−HFは、NEB2及びNEB4緩衝液中で最高の成績を示し、これらの緩衝液中において最高のFIは250であった。WTScaIはNEB2緩衝液中で最高の成績を示し、この緩衝液中においてFIは1/8であった。全体的なFI改善係数は、250/(1/8)=4000であった。
【実施例4】
【0161】
高精度SalIの改変
1.SalIの発現
placzz1−SalIR及びpACYC−Hpy166IIMで形質転換されたイー・コリ中でSalIを発現させた(placzzIは、隣接するマルチコピー部位の中に挿入された制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を発現させるために、lacプロモーターを使用するpUC19プラスミドである。)。Hpy166IIMは、SalIの4つの塩基の外側を保護する。
【0162】
2.SalIの突然変異導入
前実施例中の類似のPCR法を用いて、SalI中の86の帯電した残基をAlaに変異した。5、6、8、9、12、13、19、27、31、34、35、37、42、43、45、50、60、63、65、67、73、82、83、84、90、93、97、100、101、103、107、109、111、114、116、119、126、129、131、134、140、143、145、147、148、156、157、164、168、172、173、174、180、181、186、190、191、193、210、218、226、232、235、237、238、244、246、250、256、257、258、259、260、261、264、266、271、275、297、300、304、305、306、308、309、311。
【0163】
上の数字は、SalIタンパク質配列(配列番号94)中のアミノ酸位置に対応する。
【0164】
Amp及びCamを加えたLB中で、変異体を30℃で一晩増殖させた。
【0165】
3.SalI−HFの選択
前実施例に記載されているように、SalI−HFの選択を行った。主要な差は、5%グリセロール又は高グリセロール濃度の何れかの中で、未精製抽出物中において、SalIのスター活性を容易にアッセイできないということであった。グリセロールは、SalIのスター活性を促進したのみならず、同族活性も大幅に阻害した。
【0166】
HindIIIによって消化されたλDNAに対して、5%グリセロール及び37%グリセロール中の両方で、活性を有する変異体のアッセイを行った。4つのNEB緩衝液全ての中で、切断活性に関して、変異体#22、#26、#29、#31、#43及び#51を検査した。異なる条件及び基質中での比較を数巡行った後、高い切断高活性を保持するが、大幅に低下したスター活性を示す#31、SalI(R107A)が好ましい変異体であることが明らかとなった。SalI(R107A)をSalI−HFと表記した。
【0167】
4.SalI−HF及びWTSalIの比較
SalI−HF及びWTSalIのFIを測定した(図11)。結果は、表10として示されている(下記)。
【0168】
【表10】
【0169】
Sal−HFは、NEB2及びNEB4緩衝液中で最高の成績を示し(何れも、FIは、>2000)、WTSalIは、NEB3緩衝液中で最高の成績を示した(FIは、4であった。)。全体的なFI改善係数は、>2000/4=>500であった。
【実施例5】
【0170】
高精度SphIの改変
1.SphIの発現
イー・コリ(placzz1−SphIR、pACYC184−CviAIIM)中で、SphIを発現させた。CviAIIMは、SphIの内部の4塩基を保護する。Amp及びCamを加えたLB中で、形質転換された細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0171】
2.SphIの突然変異導入
実施例1から実施例4に記載されている方法を用いて、SphI中の全ての帯電した残基をAlaに変異した。計71の変異を行った。3、5、12、18、21、24、25、30、31、35、43、46、51、54、57、58、60、61、72、75、77、78、87、90、91、95、100、104、107、108、110、113、120、123、124、125、129、130、131、139、140、142、146、147、155、157、159、164、170、172、173、175、178、184、186、190、194、196、197、198、206、207、209、212、215、221、227、230、231、232、235。
【0172】
上の数字は、SphIタンパク質配列(配列番号98)中のアミノ酸位置に対応する。
【0173】
3.SphI−HFの選択
各変異の4つのコロニーを、37℃で一晩、Amp及びCamを加えたLB中で増殖させた。活性選択は、NEB2中の5%グリセロール及び30%グリセロール中で、主にpBR322に対して行った。前記実施例の経験を用いて、高精度SphIの選択は簡潔であった。SphI変異体D91A、K100A、D139A及びD164Aが、SphI中のスター活性を著しく低下させることが見出された。
【0174】
これらのうち、K100Aが、最も少ないスター活性を有する好ましい変異であった。SphI(K100A)は、SphI−HFと命名された。
【0175】
4.SphI−HF及びWTSphIの比較
SphI−HF及びWTSphIの比較を、それぞれの好ましい緩衝液中において、並列的に行った。NEB希釈緩衝液Aを用いてSphI−HFを2倍系列希釈し、NEB4中で反応させ、WTSphIはNEB希釈緩衝液Bで2倍系列希釈された。λDNA上での消化が、図12中で比較されている。
【0176】
【表11】
【0177】
SphI−HFはNEB4中で最も成績がよく、NEB4中において、FIは、2000以上である。WTSphIはNEB1又はNEB2中で最も成績がよく、これらの中で、好ましいFIは64である。全体的なFI改善係数は、32以上であった。
【実施例6】
【0178】
高精度PstIの改変
1.PstIの発現
PstIは、イー・コリ(pACYC−HpyCH4VM、pPR594−PstIR)から発現させた。HpyCH4VMは、PstIの内部の4塩基を保護する。pPR594は、Amp耐性及びptacプロモーターを有する発現ベクターである。Amp及びCamを加えたLB中において、30℃で細胞を増殖させ、次いで、IPTGによって、培養を一晩誘導した。
【0179】
2.PstIの突然変異導入
前実施例中に記載されている方法を用いて、92の帯電した残基をAlaに変異させた。これらは、8、10、11、14、25、26、38、40、41、44、45、47、58、61、63、66、67、69、73、74、77、78、82、85、88、91、92、94、95、99、104、105、116、119、127、128、136、142、145、146、150、151、152、156、159、169、170、174、176、179、180、184、188、191、197、202、204、207、212、214、217、218、226、227、228、231、236、237、238、239、240、246、251、257、258、261、263、273、282、284、286、287、295、297、302、305、306、309、313、314、319及び320であった。
【0180】
上の数字は、PstIタンパク質配列(配列番号91)中のアミノ酸位置に対応する。
【0181】
DpnIでPCR産物を消化した後、形質転換受容性イー・コリ(pACYC−HpyCH4VM)中に試料を形質転換し、Amp及びCamを加えたLBプレート上で増殖させた。
【0182】
3.PstI−HFの選択
PstI−HFの選択は、先述の試料と類似していた。正常な活性の酵素活性は、5%グリセロールを用いて、λDNAに対して検査し、スター活性は、NB4緩衝液及び20%DMSOの条件で、pBR322基質に対して検査した。DMSOは、同じ濃度のグリセロールより著しくスター活性を増強した。選択の間に、#26、#56及び#65は、WTと比べて、低下したスター活性を有した。それぞれを配列決定すると、変異は、D91A、E204G及びK228A/A289Vであることが明らかとなった。変異体#26PstI(D91A)をPstI−HFと表記した。
【0183】
4.PstI−HF及びWTPstIの比較
PstI−HF及びWTPstIのFIは、NEB1から4緩衝液中で、λDNA基質に対して別個に測定した。希釈緩衝液は、NEB希釈緩衝液Cである。比較は図13に示されており、結果は表12に列記されている(以下)。
【0184】
【表12】
【0185】
好ましいFIが>2000であるNEB2及びNEB4中において、PstI−HFは最高の成績であり、WTPstIはFIが120であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>2000/120=16倍であった。
【実施例7】
【0186】
高精度NcoIの改変
1.NcoIの発現
NcoIの発現は、イー・コリ(pSYX20−NcoIM,pRRS−NcoIR)中で行った。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、pSYX20はpRRSベクターを有する適合的な低コピー数プラスミドである。Amp及びカナマイシン(Kan)を加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0187】
2.NcoIの突然変異導入
NcoI中の66の帯電した残基の全てをAlaに変異した。これらの残基は、7、8、19、22、27、30、31、32、33、37、39、42、46、55、56、61、62、64、68、69、75、84、88、89、92、93、95、97、100、116、136、144、146、162、166、170、178、183、185、187、188、189、196、199、202、204、209、211、212、213、216、219、227、229、237、241、244、250、251、257、259、261、268、279、282、285。
【0188】
上の数字は、NcoIタンパク質配列(配列番号88)中のアミノ酸位置に対応する。
【0189】
前記方法は、逆PCR後のDpnI消化を用いて、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pSYX20−NcoIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0190】
3.NcoI−HFの選択
NcoI−HFの選択は、PstI−HFの選択と同様であった。活性は、5%グリセロールとともに、基質としてλDNAを用いて、上述のようにアッセイした。スター活性は、19%DMSO中のpBR322又はλを用いて測定した。以下の変異が、スター活性を改善させることが見出された。A2T/R31A、D56A、H143A、E166A、R212A及びD268A。これらの変異体のうち、NcoI(A2T/R31A)をNcoI−HFとして選択した。
【0191】
4.NcoI−HF及びWTNcoIの比較
NcoI−HF及びWTNcoIのFIは、NEB1から4緩衝液中で、λDNA基質に対して別個に測定した。比較は図14に示されており、結果は表13に列記されている(以下)。
【0192】
【表13】
【0193】
NcoI−HFは、NEB4中で最も大きなスター活性の低下を示し、NEB4中において、好ましいFIは>16000であり、WTNcoIは、NEB1、NEB2及びNEB4中で最も優れた成績を示し、これらの中において、好ましいFIは120であった。全体的なFI改善係数は、>16000/120=125であった。
【実施例8】
【0194】
高精度NheIの改変
1.NheIの発現
pACYC−NheI及びplaczz1−NheIRで形質転換されたイー・コリ中でNheIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0195】
2.NheIの突然変異導入
NheI中の92の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaに変異した。5、6、7、14、17、19、22、25、28、31、38、39、42、47、49、52、56、58、59、60、64、74、75、76、77、80、91、93、104、105、110、112、116、117、123、126、130、131、133、135、137、147、149、152、159、160、165、167、170、171、174、179、183、195、202、205、207、209、210、211、214、216、218、221、225、231、241、243、244、250、252、256、257、259、264、266、267、281、285、287、288、289、291、297、300、307、313、315、318、321、324、325。
【0196】
上の数字は、NheIタンパク質配列(配列番号89)中のアミノ酸位置に対応する。
【0197】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−NheIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0198】
3.NheI−HFの選択
前実施例に従って、NheI−HFの選択を行った。標準及びスター活性アッセイは、それぞれ、NEB4緩衝液及び5%グリセロール及び39%グリセロール中に、基質としてpBR322を含有した。1つの変異のみが、NheIを改善する上で有意であることが明らかとなった。これは、E77Aであった。NheI(E77A)をNheI−HFとして選択した。
【0199】
4.NheI−HF及びWTNheIの比較
NEB1から4緩衝液のそれぞれの中で、pXba(アデノウイルスから得たXbaI消化された片を含有するプラスミド基質)に対して、NheI−HF及びWTNheIのFIを別々に測定した。比較は図15に示されており、結果は表14に列記されている(以下)。
【0200】
【表14】
【0201】
NheI−HFは、そのFIが>128,000であるNEB1緩衝液中で最適な活性を示した。WTNheIは、その最高のFIが32であるNEB1及びNEB4緩衝液中において、最大の活性を有しており、従って、全体的なFI改善係数は、>128,000/32=>4000である。
【実施例9】
【0202】
高精度SspIの改変
1.SspIの発現
pACYC−SspIM及びplaczz1SspIRで形質転換されたイー・コリからSspIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0203】
2.SspIの突然変異導入
SspI中の81の帯電した残基全てをAlaに変異させた。これらは、3、8、12、13、18、19、20、35、40、42、44、47、52、60、62、65、68、69、72、74、76、77、78、79、83、85、88、89、90、96、100、108、109、118、119、127、128、129、131、132、137、144、153、154、155、156、158、165、168、170、172、177、178、179、181、185、186、187、191、194、195、197、202、204、215、222、229、237、240、246、250、256、257、259、260、264、265、267、268、269、274であった。
【0204】
上の数字は、SspIタンパク質配列(配列番号99)中のアミノ酸位置に対応する。
【0205】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−SspIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0206】
3.SspI高精度変異体の選択
それぞれ、NEB4緩衝液及び5%グリセロール及び39%グリセロール中のΦX174基質を用いて、NheIの標準的な同族及びスター活性アッセイを行った。変異体#16(H65A)、#20(K74A)、#23(E78A)、#26(E85A)、#28(E89A)、#33(K109A)、#34(E118A)、#52(R177A)、#62(K197A)、#67(D229A)は全て、低下したスター活性を示した。K109Aは、最も大きなスター活性の低下を示した。スター活性のさらなる改善を探索することを決定した。
【0207】
4.さらなる変異
当初Tyrとして同定された全ての残基はPheへ変異されたのに対して、他の残基Cys、Phe、Met、Asn、Gln、Ser、Thr及びTrpはAlaへ変異された。このグループは、以下の位置に、95の残基の変異を含んだ。2、6、7、9、10、13、22、25、26、27、29、30、32、33、34、39、41、51、53、55、56、57、58、59、61、63、71、75、81、84、87、91、94、98、104、106、107、110、111、113、114、123、125、134、136、139、140、141、142、143、146、152、157、159、160、164、173、175、180、183、190、192、193、196、198、199、201、205、207、211、214、218、219、220、221、223、225、226、227、228、230、232、233、235、238、239、241、249、254、255、272、275、276、277、280。
【0208】
上の数字は、SspIタンパク質配列(配列番号113)中のアミノ酸位置に対応する。
【0209】
PCR及び選択は、上と同じ手順によって行った。これらの変異体のうち、Y98Fは最も低いスター活性を有しており、この点で、SspI(K109A)より優れていることが明らかとなった。SspI(Y98F)をSspI−HFと表記し、生産株として寄託した。
【0210】
5.SspI−HF及びWTsspIの比較
SspI−HF及びWTsspIのFIは、NEB1から4緩衝液中で、λDNA基質を用いて別個に測定した。希釈液は、NEBCであった。比較は図16に示されており、結果は表15に列記されている(以下)。
【0211】
【表15】
【0212】
SspI−HFは、好ましいFIが500であるNEB4中において最高の成績であり、WTSspIは、好ましいFIが64であるNEB1、NEB2及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、500/64=8であった。
【実施例10】
【0213】
高精度NotIの改変
1.NotIの発現
NotIは、NEB4緩衝液中で著しいスター活性を有し、NEB3緩衝液中ではより低いスター活性を有する。何れのNEB緩衝液中においてもスター活性を低下するように、NotIを改変した。pACYC184−EagIM及びplaczz2−NotIRで形質転換された形質転換受容性イー・コリ中で、NotIを発現させた。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0214】
2.NotIの突然変異導入
NotI中の97の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaに変異した。2、4、8、10、17、21、22、26、31、34、35、36、49、52、57、59、62、72、74、75、77、84、87、96、97、105、117、121、122、125、126、129、130、133、140、141、145、150、152、156、160、165、167、174、176、177、182、187、189、193、194、200、205、208、210、219、224、225、227、236、237、245、251、253、267、271、272、280、283、290、292、294、296、304、306、308、310、314、319、321、323、327、331、335、336、339、353、354、356、358、361、365、367、368、369、370、378、382。
【0215】
上の数字は、NotIタンパク質配列(配列番号90)中のアミノ酸位置に対応する。
【0216】
変異体を酵素中に導入するための前記方法は、逆PCR後のDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、pACYC−EagIMを含有するイー・コリ中に、処理された産物を形質転換した。
【0217】
3.NotI−HFの選択
前実施例に記載されているように、NotI−HFの選択を行った。標準的な同族及びスター活性アッセイは、それぞれ、NEB4緩衝液及び5%グリセロール及びNEBExoI緩衝液(67mMグリシン−KOH、pH9.5、6.7mMMgCl2、10mM2−メルカプトエタノール)及び37%グリセロール中で、pXba基質を使用した。#37(K150A)、#44(K176A)、#45(R177A)、#63(R253A)は全て、低下したスター活性を示した。K150Aは、スター活性を低下させるための好ましい変異であった。NotI(K150A)をNotI−HFとして選択した。
【0218】
4.NotI−HF及びWTNotIの比較
NotI−HF及びWTNotIのFIは、NEB1から4緩衝液中でpXba基質を用いて別個に測定した。比較は図17に示されており、結果は表16に列記されている(以下)。
【0219】
【表16】
【0220】
NotI−HFは、好ましいFIが>128000であるNEB2中において最高の成績であり、WTNheIは、好ましいFIが4000であるNEB3中において最高の成績であった。全体的な精度指数の改善係数は、>128000/4000=>32であった。NotIを改変することは、NotIのFIをさらに改善したのみならず、最適な緩衝液も変化させた。
【実施例11】
【0221】
高精度SacIの改変
1.SacIの発現
pLG−SacIM及びpRRS−SacIRで形質転換されたイー・コリ中でSacIを発現した。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、pLGは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びKanを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0222】
2.SacIの突然変異導入
SacI中の101の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaに変異した。6、7、11,15、16、19、24、25、29、30、39、40、42、45、58、61、62、63、65、67、70、71、72、74、75、76、81、85、94、98、104、105、114、116、120、123、127、129、133、134、141、143、144、145、146、150、151、154、169、170、172、181、187、196、197、200、201、211、216、220、221、224、227、228、232、238、240、246、248、250、258、270、271、277、281、288、289、295、296、297、299、303、306、313、314、321、322、324、332、336、337、340、342、344、345、347、349、350、353、357。
【0223】
上の数字は、SacIタンパク質配列(配列番号93)中のアミノ酸位置に対応する。
【0224】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pLG−SacIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0225】
3.SacI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、SacI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたpUC19を使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてpUC19に対して行った。#52SacI(Q117H/R154A/L284P)及び#60SacI(Q117H/R200A)は何れも、低下したスター活性を有し、SacIQ117H/R200Aは、好ましい変異であることが判明した。Q117Hは、テンプレートから持ち越された変異であり、SacIの活性に影響を及ぼさなかった。SacI(Q117H/R200A)をSacI−HFとして選択した。
【0226】
4.SacI−HF及びWTSacIの比較
SacI−HF及びWTSacIのFIは、NEB1から4緩衝液中でpXba基質に対して別個に測定した。比較は図18に示されており、結果は表17に列記されている(以下)。
【0227】
【表17】
【0228】
SacI−HFは、FIが4000であるNEB4中において最高の成績であり、WTSacIは、好ましいFIが120であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、4000/120=32であった。
【実施例12】
【0229】
高精度PvuIIの改変
1.PvuIIの発現
pACYC−PvuIIM及びplaczz2−PvuIIRで形質転換されたイー・コリ中でPvuIIを発現させた。placzz2は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0230】
2.PvuIIの突然変異導入
PvuII中の47の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaへ変異させた。3、5、8、11、15、18、21、25、26、30、34、38、54、55、58、61、66、68、70、75、78、83、84、85、93、95、105、110、114、116、118、119、121、125、126、128、129、130、134、136、137、138、143、147、151、152及び155。
【0231】
上の数字は、PvuIIタンパク質配列(配列番号92)中のアミノ酸位置に対応する。
【0232】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−PvuIIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0233】
3.PvuII高精度変異体の選択
PvuII−HFの選択は、前実施例と同様であった。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたλDNA基質を使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてpBR322に対して行った。何れの変異体も、高精度PvuIIとして認定されなかった。
【0234】
4.さらなる突然変異導入工程
さらなる突然変異導入工程は、PvuII中のSer、Thrの全てのAlaへの変異及びTyrのPheへの変異であった。変異された位置は、2、19、46、49、67、71、77、81、82、94、104、113、123、124、132、133、148、154及び157であった。
【0235】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−PvuIIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0236】
PvuII(T46A)は、WTPvuIIより低いスター活性を有するが、さらなる改善が望まれた。
【0237】
コドンを対応するアミノ酸へ変化させることによって、他の全てのアミノ酸残基へT46を変異させた。これらの変異の全てのうち、T46H、T46K、T46Y、T46Gは全てT46Aより優れていた。T46GをPvuII−HFとして選択する。
【0238】
5.PvuII−HF及びWTPvuIIの比較
NEB1から4緩衝液中の希釈液Aを用いて、pBR322に対して、PvuII−HF及びWTPvuIIのFIを別個に測定した。比較は図19に示されており、結果は表18に列記されている(以下)。
【0239】
【表18】
【0240】
PvuII−HFは、FIが500であるNEB4中において最高の成績であり、WTPvuIIは、好ましいFIが250であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、500/250=2であった。全体的なFI改善係数はPvuIIに関して高くないが、FIは、NEB4中で2,000倍向上した。
【実施例13】
【0241】
高精度MfeIの改変
1.MfeIの発現
pACYC−MluCIM及びpRRS−MfeIRで形質転換されたイー・コリ中でMfeIを発現させた。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。MluCIMは、MfeIの4つの内部核酸配列であるAATTをメチル化する。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0242】
2.MfeIの突然変異導入
MfeIの突然変異導入を3つのバッチで行った。第一のバッチは、以下のアミノ酸位置としてAlaへ変異された帯電された残基の全てである。3、5、9、19、24、36、39、44、45、47、48、50、60、61、64,65、72、83、87、90、92、93、98、100、101、103、107、109、110、115、119、120、121、124、132、135、142、143、144、153、155、158、159、161、162、164、165、171、172、175、181、184、187、188、192、195、196、198、199、200。第二のバッチは、水酸基を有する残基(Ser、Thr及びTyr)の全てであり、Ser及びThrはAlaへ変化され、TyrはPheへ変化される。残基は、4、7、21、28、38、40、43、53、74、75、76、81、89、91、112、122、127、134、136、157、167、170、173、177、185及び200である。第三のバッチは、Cys、Phe、Met、Asn、Gln、Trpの残基であり、全てAlaへ変化され、残基は、10、12、13、25、26、29、31、32、35、51、55、67、68、77、78、84、88、96、102、105、117、123、126、141、148、149、152、168、169、174、176、178、179、180、183、191、193、194である。
【0243】
上の数字は、MfeIタンパク質配列(配列番号5)中のアミノ酸位置に対応する。
【0244】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−MluCIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0245】
3.MfeI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、MfeI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにΦX174基質を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中でΦX174基質を用いて、スター活性を測定した。この酵素に対する著しい困難は、多くの変異が低下したスター活性を有する酵素の切断活性を改善したが、WT酵素より高いグリセロール濃度を必要としたということであった。MfeI(K50A)は、高濃度のグリセロール中で低下したスター活性及び高い切断活性を有する1つの例であるが、より低いグリセロール濃度では、活性は低かった。MfeI(Y173A)も、スター活性を低下させた。好ましい変異は、Q13A/F35Yであった。F35Yの変異はテンプレートから得られ、Q13Aは標的化された変異であった。MfeI(Q13A/F35Y)をMfeI−HFと表記した。
【0246】
4.MfeI−HF及びWTMfeIの比較
NEB1から4緩衝液中のNBE希釈液A中での希釈を用いて、λDNA基質に対して、MfeI−HF及びWTMfeIのFIを別個に測定した。比較は図20に示されており、結果は表19に列記されている(以下)。
【0247】
【表19】
【0248】
MfeI−HFは、好ましいFIが1000以上であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であり、WTMfeIは、好ましいFIが32であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>1000/32=32倍であった。
【実施例14】
【0249】
高精度HindIIIの改変
1.HindIIIの発現
HindIIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子の両方を含有するpUC19−HindIIIRMで形質転換されたイー・コリ中でHindIIIを発現させた。Ampを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0250】
2.HindIIIの突然変異導入
HindIII中の88の帯電した残基をAlaへ変異させた。これらは、2、3、7、8、14、20、22、34、37、39、42、45、52、55、61、62、66、69、74、84、87、89、94、100、101、109、111、114、117、120、123、124、126、128、132、134、135、136、137、138、153、158、162、163、171、172、180、182、183、190、197、198、201、202、207、209、214、215、218、222、225、227、228、229、237、238、243、244、245、249、250、251、254、255、261、265、266、267、270、274、275、281、283、286、290、293、296、297であった。
【0251】
以下の位置において、全ての残基Cys、Met、Asn、Gln、Ser、Thr、TrpをAlaへ変化させたのに対して、TyrはPheへ変化させた。4、11、15、17、18、19、21、23、26、27、30、31、36、38、46、57、58、59、60、63、64、76、77、80、82、83、88、91、99、102、103、104、112、113、116、118、121、122、125、131、133、139、143、146、147、148、149、151、152、154、155、157、159、160、164、168、169、170、178、184、185、187、188、189、191、193、194、195、199、200、203、204、206、210、211、212、213、216、217、219、220、221、224、230、232、233、236、240、241、246、252、253、256、258、262、263、264、277、278、279、280、284、287、288、294、295、299。
【0252】
上の数字は、HindIIIタンパク質配列(配列番号85)中のアミノ酸位置に対応する。
【0253】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ株ER3081中に、処理された産物を形質転換した。
【0254】
3.HindIII−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、HindIII−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたλDNAを使用し、スター活性は、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてλDNA基質を用いて測定した。HindIIIの2つの変異体が、低下したスター活性を有することが見出された。これらは、HindIII(K198A)及びS188P/E190Aであった。HindIII(K198A)を、HindIII−HFと表記した。
【0255】
4.HindIII−HF及びWTHindIIIの比較
希釈液Bを加えたNEB1から4緩衝液の各々の中で、λDNA基質を用いて、HindIII−HF及びWTHindIIIのFIを別個に測定した。比較は図21に示されており、結果は表20に列記されている(以下)。
【0256】
【表20】
【0257】
HindIII−HFは、好ましいFIが>64000であるNEB2中において最高の成績であり、WTHindIIIは、好ましいFIが250であるNEB2中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、4000/120=32であった。
【実施例15】
【0258】
高精度SbfIの改変
1.SbfIの発現
pUC19−SbfIRMで形質転換されたイー・コリ中で、SbfIを発現させた。Ampを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0259】
2.SbfIの突然変異導入
SbfI中の78の帯電した残基をAlaへ変異させた。これらは、5、8、15、18、23、27、30、34、46、49、50、53、58、63、66、70、71、74、81、82、83、85、86、87、90、94、103、115、120、121、127、132、135、136、143、144、147、150、152、154、164、169、170、183、184、187、188、192、196、204、206、208、213、214、215、218、219、226、228、230、233、237、238、239、241、248、251、253、257、258、259、260、262、266、282、284、285、288、293、297、299、304、305、307、311、316及び322であった。
【0260】
SbfI中のSer及びThrの残基も、Alaへ変異させた。Tyrは、Pheに変異させた。以下の位置を標的とした。3、4、5、10、13、16、31、35、38、54、55、56、68、76、78、80、88、109、111、116、119、129、131、137、146、162、174、197、198、201、205、210、224、252、263、270、272、286、298、315、321。
【0261】
Cys、Phe、Met、Asn、Gln、Trpの別の55残基も、2、24、26、29、32、51、62、65、67、72、84、91、92、95、97、101、104、106、110、112、114、117、124、134、140、157、160、171、178、179、185、189、193、212、217、225、231、243、245、247、256、265、268、277、279、280、281、283、287、289、290、296、301、313及び317の位置で、Alaへ変異させた。
【0262】
上の数字は、SbfIタンパク質配列(配列番号96)中のアミノ酸位置に対応する。
【0263】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。イー・コリ株ER2984中に変異された産物を形質転換した。
【0264】
3.SbfI−HFの選択
前実施例に記載されているように、SbfI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールとともにλDNA基質を使用し、スター活性のチェックは、エキソヌクレアーゼI緩衝液中のλDNAに対して行った。SbfI(K251A)をSbfI−HFと表記した。
【0265】
4.SbfI−HF及びWTSbfIの比較
SbfI−HF及びWTSbfIのFIは、希釈液Cを加えたNEB1から4緩衝液中で、λDNAに対して別個に測定した。比較は図22に示されており、結果は表21に列記されている(以下)。
【0266】
【表21】
【0267】
SbfI−HFは、好ましいFIが1000であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であり、WTSbfIは、好ましいFIが8であるNEB1中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、1000/8=125であった。
【実施例16】
【0268】
高精度EaqIの改変
1.EagIの発現
pBR322−EagIIRMで形質転換されたイー・コリ中で、EagIを発現させた。20μg/mLテトラサイクリンを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0269】
2.EagIの突然変異導入
Asp、Glu、His、Lys、Arg、Ser、Thr、Asn及びGln残基は、Alaに変異した。Tyrは、Pheに変異した。これらは、以下の残基であった。2、3、4、5、6、9、13、14、17、19、21、23、27、35、36、37、40、42、43、44、45、46、49、51、53、55、56、58、60、66、67、69、71、72、73、74、75、77、78、80、82、86、87、92、93、94、95、98、99、100、102、103、104、105、112、113、114、116、117、119、122、125、127、132、134、135、137、139、140、141、145、147、148、150、152、154、155、156、157、160、162、163、164、166、169、172、173、176、177、178、179、182、185、187、188、189、193、196、197、201、202、203、204、205、206、208、209、212、217、220、221、222、224、225、230、235、236、237、238、239、240、241、243、245、246、247、248、251、255、257、258、259、260、263、264、265、266、270、272、273、275、276、277、279、280、283、286、288、289、291、295、296。
【0270】
上の数字は、EagIタンパク質配列(配列番号82)中のアミノ酸位置に対応する。
【0271】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ株ER3081中に処理された産物を形質転換し、テトラサイクリンを加えたLB寒天プレート上で増殖させた。
【0272】
3.EagI−HFの選択
EagI−HFの選択は、グリセロールの高濃度、DMSOの高濃度又は高いpHを使用する、前実施例とは異なる方法を用いて行った。発現が低すぎて、未精製抽出物中でスター活性を示すことができなかったので、スター活性をチェックするために変異体の各々を精製することは極めて退屈である。前実施例から、HFエンドヌクレアーゼはNEB3と比べてNEB4中で増加した切断活性を有する傾向があると推定された。従って、未精製抽出物中のEagIの活性は、NEB3及びNEB4の両方の中で測定した。NEB4/NEB3の最も高い比を有するものを選択した。EagI(H43A)をEagI−HFと表記した。
【0273】
4.EagI−HF及びWTEagIの比較
EagI−HF及びWTEagIのFIは、NEB1から4緩衝液の各々の中でpXba基質に対して別個に測定した。比較は図23に示されており、結果は表22に列記されている(以下)。
【0274】
【表22】
【0275】
好ましいFIが500であるNEB2及びNEB4中において、EagI−HFは最高の成績であり、WTEagIは好ましいFIが250であるNEB3及びNEB4中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、500/250=2であった。
【実施例17】
【0276】
高精度EcoRVの改変
1.EcoRVの発現
pACYC−EcoRVM及びplaczz1−EcoRVで形質転換されたイー・コリ株中でEcoRVを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0277】
2.EcoRVの突然変異導入
Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr及びTrp残基をAlaに変化させた。Tyrは、Pheに変化させた。これらは、2、4、5、6、9、12、13、14、15、16、17、18、19、21、25、27、29、31、35、36、37、38、41、42、44、45、47、48、49、53、54、57、58、59、61、64、65、67、68、69、70、71、72、74、75、76、78、79、81、82、84、85、86、90、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、104、105、106、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、131、132、136、138、139、140、143、144、145、146、147、149、150、151、152、154、155、157、158、161、163、164、167、169、171、172、173、174、179、183、185、186、187、188、191、193、195、196、197、198、199、201、203、206、207、208、209、210、211、212、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、226、227、228、229、230、231、232、234、235、236、237、238、239、241、242、244及び245であった。
【0278】
上の数字は、EcoRVタンパク質配列(配列番号84)中のアミノ酸位置に対応する。
【0279】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−EcoRVM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0280】
3.EcoRV−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、EcoRV−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたpXba使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたエキソヌクレアーゼI緩衝液中においてpXbaに対して行った。EcoRV(D19A/E27A)は、WTEcoRVと比較して、低下したスター活性を有することが明らかとなった。この変異体は、EcoRV−HFと表記した。この変異体に関して、E27Aは標的化された変異であり、D19Aは自発的変異であった。二重変異体は、D19A及びE27A単変異体より大きなスター活性の低下を有していた。
【0281】
4.EcoRV−HF及びWTEcoRVの比較
EcoRV−HF及びWTEcoRVのFIは、NEB1から4緩衝液の各々の中でpXba基質に対して別個に測定した。比較は図24に示されており、結果は表23に列記されている(以下)。
【0282】
【表23】
【0283】
好ましいFIが>64000であるNEB2及びNEB4中において、EcoRV−HFは最高の成績であり、WTEcoRVは好ましいFIが1000であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>64000/1000=64であった。
【実施例18】
【0284】
高精度AyrIIの改変
1.AvrIIの発現
pUC19−AvrIIRMで形質転換されたイー・コリ中で、AvrIIを発現させた。Ampを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0285】
2.AvrIIの突然変異導入
Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr及びTrp残基をAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、2、3、4、6、8、9、10、12、15、17、19、20、22、23、27、29、30、31、32、34、36、40、41、42、43、44、46、47、48、50、51、53、55、56、57、58、59、60、65、68、70、72、74、75、76、77、79、80、82、83、84、86、87、88、94、95、96、97、100、104、105、106、107、108、110、112、113、116、117、119、120、121、122、123、124、126、127、129、130、131、132、134、136、139、142、143、144、145、150、151、152、153、154、156、157、158、161、163、164、165、166、168、169、173、174、177、178、181、182、184、186、187、188、189、190、191、192、195、198、200、202、206、207、211、215、216、220、223、224、226、229、230、231、232、233、234、235、236、237、239、243、244、245、246、248、249、253、255、256、260、262、264、265、266、267、268、269、270、272、274、276、277、278、279、280、281、284、285、286、288、289、290、291、299、302、303、304、305、306、308、310、312、314、315、316、318、321、322、324、325、328、331、333、335、337、338、339、340、342、343、346、347、348、350、351、353、354、355、356、358であった。
【0286】
上の数字は、AvrIIタンパク質配列(配列番号80)中のアミノ酸位置に対応する。
【0287】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ発現株ER2984中に、処理された産物を形質転換した。
【0288】
3.AvrII−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、AvrII−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにpBC4を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたExoI緩衝液中でpBC4を用いて、スター活性を測定した。変異体#16(M29A)、#57(E96A)、#60(Y104F)、#62(K106A)、#154(S127A)、#170(F142A)は全て、改善を示した。AvrII(Y104F)をAvrII−HFと表記した。
【0289】
4.AvrII−HF及びWTAvrIIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Bを用いて、T7DNA基質に対して、AvrII−HF及びWTAvrIIのFIを別個に測定した。比較は図25に示されており、結果は表24に列記されている(以下)。
【0290】
【表24】
【0291】
AvrII−HFは、好ましいFIが1000であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であり、WTAvrIIは、好ましいFIが64であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、1000/64=16であった。
【実施例19】
【0292】
高精度BstXIの改変
1.BstXIの発現
pACYCBstXIMS及びpUC19−BstXIRで形質転換されたイー・コリ中で、BstXIを発現させた。pACYCは、低コピー数適合的プラスミドである。メチラーゼ機能を有するために、BstXIは、メチラーゼ遺伝子と特異性遺伝子の両方を有さなければならない。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0293】
2.BstXIの突然変異導入
BstXI中に、237のアミノ酸変異を以下のように施した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変化させた。Tyrは、Pheに変異した。これらは、4、6、7、9、11、12、14、15、17、18、20、21、22、23、24、26、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、42、43、46、48、50、53、54、57、58、59、60、62、63、64、65、66、71、72、73、75、76、78、80、81、82、83、84、86、89、91、93、94、95、96、97、98、103、105、106、108、110、111、112、114、117、118、120、123、124、125、126、127、128、129、130、131、137、138、139、141、142、144、145、146、148、151、152、153、154、155、156、159、162、163、166、168、169、171、172、173、174、175、176、177、178、182、185、188、189、191、193、194、195、196、198、199、201、204、208、209、210、211、212、214、215、216、217、218、219、220、221、223、228、229、230、233、235、236、238、239、240、244、245、248、249、250、253、254、255、258、259、260、261、263、264、265、267、268、269、272、276、277、278、279、280、282、285、286、287、288、289、291、293、294、295、300、301、302、304、305、306、308、309、312、314、317、318、319、320、323、324、325、326、330、331、333、334、335、337、343、344、345、346、347、349、353、355、356、357、358、359、360、362、363、364、365、367、369、371、373、374、376、377、378、379、380、381、382及び383であった。
【0294】
上の数字は、BstXIタンパク質配列(配列番号7)中のアミノ酸位置に対応する。
【0295】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−BstXIMS)中に、処理された産物を形質転換した。
【0296】
3.BstXI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、BstXI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにpBC4を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中でpBC4DNA基質を用いて、スター活性を測定した。変異体#36(Y57F)、#44(N65A)、#48(E75A)、#49(N76A),及び#124(K199A)は全て、低下したスター活性を有していた。BstXI(N65A)をBstXI−HFと表記した。
【0297】
4.BstXI−HF及びWTBstXIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、λDNA基質に対して、BstXI−HF及びWTBstXIのFIを別個に測定した。比較は図26に示されており、結果は表25に列記されている(以下)。
【0298】
【表25】
【0299】
好ましいFIが>250であるNEB2及びNEB4中において、BstXI−HFは最高の成績であり、WTBstXIは好ましいFIが32であるNEB2、NEB3及びNEB4中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>250/32=8であった。
【実施例20】
【0300】
高精度PciIの改変
1.PciIの発現
pACYC−PciI及びplaczz1−PciIRで形質転換されたイー・コリ中でPciIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0301】
2.PciIの突然変異導入
PciI中の151アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、2、3、4、6、8、9、10、11、12、14、17、18、19、21、24、25、26、28、29、30、31、33、34、35、36、38、39、41、44、46、47、49、50、51、54、55、56、58、59、60、63、67、68、69、71、74、75、78、80、81、82、85、86、91、92、95、97、98、101、103、104、107、109、113、114、115、118、119、120、121、122、124、126、127、129、130、131、132、133、135、136、137、138、143、145、146、147、148、149、151、152、153、154、155、157、158、159、161、164、165、167、172、175、178、179、180、182、184、185、186、190、192、193、196、197、198、199、200、202、203、206、207、209、210、215、218、221、222、228、229、230、231、232、233、234、235、237、238、239、241、242、243、244、246、247、248、253、254、255、256。
【0302】
上の数字は、PciIタンパク質配列(配列番号15)中のアミノ酸位置に対応する。
【0303】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−PciIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0304】
3.PciI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、PciI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにSalI切断されたpBR322を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたExoI緩衝液中でSalI切断されたpBR322を用いて、スター活性を測定した。二重変異体PciI(E78A/S133A)は、低下したスター活性及び強力な切断活性を有していた。この変異体は、上記標的化された変異の1つではなく、偶然のランダムな現象であった。
【0305】
4.PciI−HF及びWTPciIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、pXab基質に対して、PciI−HF及びWTPciIのFIを別個に測定した。比較は図27に示されており、結果は表26に列記されている(以下)。
【0306】
【表26】
【0307】
好ましいFIが>2000であるNEB2、NEB3及びNEB4中において、PciI−HFは最高の成績であり、WTPciIは好ましいFIが120であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>2000/120=16であった。
【実施例21】
【0308】
高精度HpaIの改変
1.HpaIの発現
pACYC−MseIM及びplaczzl−HpaIRで形質転換されたイー・コリ中でHpaIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0309】
2.HpaIの突然変異導入
HpaI中の156アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser及びThrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、7、8、9、13、14、16、17、19、20、21、22、23、26、27、29、30、33、34、35、36、37、38、40、41、42、46、47、48、50、51、56、57、59、60、65、67、69、71、72、74、75、78、79、80、81、82、83、84、85、86、89、91、93、94、95、99、100、104、105、106、108、109、110、113、115、117、119、121、122、123、124、127、128、130、131、133、135、136、137、138、139、141、142、146、147、149、150、152、156、158、159、160、162、164、165、166、167、168、169、170、172、173、176、177、180、181、182、184、185、187、188、190、191、192、193、195、196、197、202、204、206、208、209、211、212、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、228、230、231、233、234、235、236、237、238、240、241、242、243、244、245、247、248、249。
【0310】
上の数字は、HpaIタンパク質配列(配列番号86)中のアミノ酸位置に対応する。
【0311】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−MseIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0312】
3.HpaI−HFの選択
前実施例と異なる方法を用いて、HpaII−HFの選択を行った。NEB2緩衝液中のλDNA基質を用いて、切断活性及びスター活性を測定した。このHpaIは、NEB4よりNEB2中でずっと高いスター活性を有し、5%グリセロール中で明確に観察することができた。
【0313】
HpaI(Y29F)及びHpaI(E56A)は何れも、低下したスター活性を有する好ましい変異であった。HpaI(E56A)をHpaI−HFと表記した。
【0314】
4.HpaI−HF及びWTHpaIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、λDNA基質に対して、HpaI−HF及びWTHpaIのFIを別個に測定した。比較は図28に示されており、結果は表27に列記されている(以下)。
【0315】
【表27】
【0316】
HpaI−HFは、好ましいFIが>2000であるNEB2中において最高の成績であり、WTPciIは、好ましいFIが16であるNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>2000/16=120であった。
【実施例22】
【0317】
高精度AgeIの改変
1.AgeIの発現
pRRS−AgeIRM及びpsyx20−lacIqで形質転換されたイー・コリ中でAgeIを発現した。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、psyx20−lacIqは、lacIqプロモーター下で発現されるlacIを有する低コピー数の適合的プラスミドである。200Klett単位になるように、Amp及びKanを加えたLB中において、37℃で細胞を増殖し、次いで、0.5mMIPTGとともに、一晩25℃で誘導された。AgeIの発現は不安定であるため、これを達成することが極めて困難であった。
【0318】
2.AgeIの突然変異導入
AgeI中の149アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser及びThrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、2、4、6、7、9、14、16、18、19、21、22、23、24、25、26、27、29、30、31、32、37、38、40、42、43、44、45、49、51、53、55、56、58、60、62、64、65、67、68、69、72、73、75、77、78、79、82、83、85、86、87、88、90、91、92、94、96、97、102、103、104、105、110、111、114、116、119、120、122、123、128、129、130、134、135、138、139、140、142、144、146、147、148、152、153、155、157、159、166、168、170、173、174、176、177、178、182、183、185、186、188、192、195、198、200、201、206、211、212、214、217、219、220、222、223、224、225、226、227、229、231、233、234、235、237、238、239、240、241、243、245、247、248、250、251、253、255、256、258、260、262、265、266、267、268、269、271、272であった。
【0319】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(psyx20−lacIq)中に、処理された産物を形質転換した。
【0320】
上の数字は、AgeIタンパク質配列(配列番号79)中のアミノ酸位置に対応する。
【0321】
3.AgeI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、AgeI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたpXbaを使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてpXbaに対して行った。発現系の困難のために、意味のある変異体が得られる前に、この選択を8回繰り返した。2つの変異体S201A及びR139Aは低下したスター活性を有し、R139AをAgeI−HFと表記した。
【0322】
4.AgeI−HF及びWTAgeIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、pXba基質に対して、AgeI−HF及びWTAgeIのFIを別個に測定した。比較は図29に示されており、結果は表28に列記されている(以下)。
【0323】
【表28】
【0324】
好ましいFIが>500であるNEB1及びNEB4中において、AgeI−HFは最高の成績であり、WTAgeIは好ましいFIが16であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>500/16=32であった。
【実施例23】
【0325】
高精度BsmBIの改変
1.BsmBIの発現
pACYC−BsmAIM、ptaczz2−BsmBIR及びpsyx20−lacIqで形質転換されたイー・コリ中で、BsmBIを発現させた。ptaczz2は、誘導性ptacプロモーターを担持するpUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。BsmAIM(GTCTC)は、BsmBI(CGTCTC)の特異性を包含する。psyx20−lacIqは、lacIの強い発現を有する低コピー数ベクターである。細胞を37℃で一晩増殖させ、次いで、Amp、Cam及びKanを加えたLB中で誘導した。
【0326】
2.BsmBIの突然変異導入
BsmBI中の358アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser及びThrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、8、9、12、13、14、15、17、18、19、20、21、24、25、26、27、28、29、31、33、37、38、40、42、43、44、46、47、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、72、76、78、79、80、81、82、83、84、88、91、93、95、96、98、99、101、103、104、105、106、109、110、111、113、114、115、117、118、119、120、121、122、124、126、127、128、130、131、132、133、134、135、138、141、143、144、145、147、149、150、154、155、157、158、160、162、163、164、165、166、167、168、169、172、174、175、176、177、179、180、181、182、184、185、186、188、189、191、194、195、197、200、201、203、205、206、207、208、211、212、213、214、215、216、217、220、221、222、223、224、225、226、228、229、230、231、232、233、235、236、237、238、239、240、242、243、247、250、251、252、257、258、260、262、263、264、265、266、268、269、271、273、274、279、280、282、283、284、287、288、289、292、294、295、296、297、299、300、301、302、303、304、305、306、307、309、310、313、314、315、316、317、318、320、321、324、325、326、328、331、332、333、334、335、336、339、340、341、342、343、344、345、348、349、351、352、353、355、356、357、358、360、361、363、364、366、367、368、370、372、375、376、377、379、381、382、384、385、386、388、389、390、393、394、395、396、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、418、421、424、425、426、428、430、431、432、433、434、436、437、438、439、442、443、444、445、446、446、448、449、450、451、452、453、454、457、458、460、461、462、464、466、467、468、470、471、472、473、474、477、478、479、480、482、483、484、485、486、487、488、489、491、492、495、496、497、498、499、500、502、503、504、505、506、507、510、511、515、516、517、518、519、522、523。
【0327】
上の数字は、BsmBIタンパク質配列(配列番号81)中のアミノ酸位置に対応する。
【0328】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−BsmAIM、psyx20−lacIq)中に、処理された産物を形質転換した。
【0329】
3.BsmBII−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、BsmBI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにλDNAを用いて、切断を測定し、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中でLitmus28iを用いて、スター活性を測定した。好ましい変異体には、H230A、D231A及びN185Y/R232Aが含まれた。N185Y/R232AをBsmBI−HFと表記した。
【0330】
4.BsmBI−HF及びWTBsmBIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、λDNA基質に対して、BsmBI−HF及びWTBsmBIのFIを別個に測定した。比較は図30に示されており、結果は表29に列記されている(以下)。
【0331】
【表29】
【0332】
好ましいFIが>500であるNEB1、NEB2及びNEB4中において、BsmBI−HFは最高の成績であり、WTBsmBIは、好ましいFIが120であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>500/120=4であった。
【実施例24】
【0333】
低下したスター活性を有するBspQI変異形を改変する
1.BspQI制限エンドヌクレアーゼの部位指定突然変異導入
KmR及びAmpRであるpSX33−EarIMIM2及びpZZlacI−PspQIでイー・コリを形質転換した。M.EarI(CTCTTC)は、BspQI部位(GCTCTTC)も修飾し、従って、イー・コリ染色体を同時形質転換及び修飾するために、pSX33−earIMIM2(図17及び18)を使用した。WTアミノ酸配列が、図16に示されている。
【0334】
部位指定突然変異導入によって、BspQI中の帯電した又は帯電していない122のアミノ酸残基(Arg、Lys、His、Glu、Asp、Gln、Asn、Cys)をAlaへ変化させた。以下の条件下で、PCRを実施した。DNA変性、98℃30秒間、1サイクル;DNA変性/プライマー徐冷/伸長、98℃10秒間、55℃から65℃30秒間、72℃2分間、PCR18サイクル;72℃15分間、1サイクル。100μL反応中に、PhusionTMDNAポリメラーゼ(NEB,Ipswich,MA)の2単位、1mMdNTP、テンプレートDNA10ngから100ng、5×反応緩衝液20μL、0.04μMプライマー、100μLの総容量するための滅菌水。
【0335】
テンプレートDNA(Damメチル化)を破壊するために、PCRDNAをDpnIで消化し、pSX33−earIM1M2とともにイー・コリ中へ同時形質転換した。各形質転換体(LB5mL、50μg/mLKmR及び100μg/mLAmpR)を一晩培養し、2つの部分に分けた。遠心によって、一部(1.5mL)を採集し、音波処理緩衝液(20mMTris−HCl、pH7.5、0.1mMDTT、50mMNaCl、10%グリセロール)中での音波処理によって溶解した。50℃で1時間、細胞抽出物を加熱し、変性されたイー・コリタンパク質を遠心によって除去した。pUC19DNAに対する制限活性及びスター活性に関して、清澄化された可溶化液をアッセイした。
【0336】
BspQIスター活性アッセイ条件:pUC19DNA1μg、10×NEB緩衝液1の5μL、25%DMSO、清澄化された細胞抽出液2.5μL、総容量を50μLとする滅菌脱イオン水、50℃で1時間温置した。0.8から1%アガロースゲル中での電気泳動によって、消化されたDNAを分割した。
【0337】
細胞培養の第二の部分(誘導されていない。)を採集し、Qiagenスピンカラム精製操作(Qiagen,Valencia,CA)によって、プラスミドDNAを調製した。所望の変異を確認するために、巨大色素ジデオキシターミネータ配列決定法によって、bspQIR対立遺伝子を配列決定した。低下したスター活性変異体の同定後、新鮮な形質転換体を取得し、IPTGによって誘導された培養物を作製した。4つの全ての緩衝液中でWT酵素と比較して低下したスター活性を確認するために、制限及びスター活性を再度アッセイした。
【0338】
部位指定突然変異導入によって構築された122のBspQI変異体のうち、2つのBspQI変異形R388A及びK279Aが低下したスター活性を示す。R388Aのスター活性は、緩衝液1及び10%グリセロール中で、約16倍低下した。しかしながら、R388Aは、高い酵素濃度で、なおスター活性を示した。BspQI変異形K279Aも、低下したスター活性を示した(低下したスター活性の8倍を超える改善)。
【0339】
高い酵素濃度でスター活性をさらに低下させるために、R388及びK279をPhe、Pro、Tyr、Glu、Asp又はLeuに置換した。様々なR388X及びK279X変異体のIPTGによって誘導された細胞抽出物を、制限及びスター活性に関してアッセイした。R388F又はK279Pは、細胞抽出物又は精製された酵素の何れかの中で、最低のスター活性を示すことが明らかとなった。アミノ酸置換によって、比活性は影響を受けなかった。
【0340】
BspQIスター活性をさらに低下させるために、部位指定突然変異導入により、2つのアミノ酸置換を1つの変異体酵素(二重変異体、K279P/R388F)中に組み合わせた。この二重変異体は、10%グリセロールを加えた緩衝液1及び緩衝液2中でスター活性を欠如している(図41B)。
【0341】
【表30】
【実施例25】
【0342】
低下したスター活性を有するSapI変異形を改変する
対応する位置がSapI中のK273及びR380であるBspQI中に、保存されたK279及びR388アミノ酸残基が見出された。まず、6×Hisタグ付加されたSapI発現クローンをpUC19中に構築した。SpaI発現株は、pSX33−earIM1M2並びにKmR及びAmpRであったpUC−SapIで形質転換されたイー・コリであった。部位指定突然変異導入によって、Lys273からPro(K273P)への及びArg380からPhe(R380F)へのアミノ酸置換をSapI中に導入した。SapI単一変異体R380Aも構築した。制限活性及びスター活性の反応が実施されたときに、SapI変異形R380A及びK273P/R380Fの何れもが低下したスター活性を示した(図42)。
【0343】
SapI活性を37℃で測定したことを除き、PCR、形質転換、プラスミドDNAの調製及び酵素活性アッセイは、BspQIに対して記載されているように実施した。Ni−NTAカラムクロマトグラフィーを通して、6×Hisタグ付加されたSapI変異形K273P/R380Fを精製し、25%DMSO又は5%グリセロールの存在下で、減少したスター活性を示すことが示された。
【実施例26】
【0344】
KpnI高精度変異体の改変
2つの活性を含有するKpnIを、より低いスター活性を有する変異体へ変化させた(国際公開WO07/027464号)。以下の実施例は、改善されたスター活性及び野生型と類似の切断活性を有する新規変異体を記載する。
【0345】
触媒性残基(Asp、Glu、Arg、Lys及びHis)又は極性アミノ酸(Ser、Thr、Tyr、Asn、Gln、Phe、Trp、Cys及びMet)を除く帯電したアミノ酸残基をアラニンへ個別に変異させた。
【0346】
所望の変異を有するプライマーを用いた逆PCRによって、突然変異導入を実施した。一般に、100μLの最終容量で、4dNTPの各々の0.4mM、1×ThermoPol緩衝液(NEB)、テンプラートDNA20ng、プライマーの各々の40μmol及びVentDNAポリメラーゼ(NEB)の4Uを用いて逆PCRを行った。
【0347】
それぞれ、Plac又はPtacプロモーターの制御下でKpnIRを含有するプラスミドpUC19又はpAGR3をテンプレートとして使用した。94℃4分間の後、変性のために94℃30秒間、徐冷のために55℃30秒間及び伸長のために72℃5分間の25サイクルという温度スキームを用いて、PCRを行った。テンプレートDNAを分解するために、37℃で1時間、DpnI(NEB)20μLによって反応を処理する前に、このサイクルに続いて、72℃7分間での温置を行った。80℃で20分間、DpnIを不活化した後、pSYX20−KpnIMによって予め形質転換された化学的に形質転換受容性NEB5α(NEB)の50μLを形質転換するために、反応2μLを使用した。アンピシリン100μg/mL及びカナマイシン30μg/mLを含有するLBプレート上に、形質転換された細菌を播種し、37℃で、12から15時間温置した。
【0348】
200rpmで振盪しながら、12から15時間、37℃で、アンピシリン100μg/mL及びカナマイシン30μg/mLを含有するLB1mL中に、各構築物の3から4つのコロニーを培養した。培養物を遠心して沈降させ、音波処理緩衝液(20mMTris−HCl、pH8.3、50mMNaCl、1mMEDTA、1mMPMSF)0.2mL中に再懸濁した。再懸濁された細胞を20秒間音波処理した後、13,000rpmで、4℃で5分間遠心した。上清の希釈物を作製し、その5μLをKpnI切断活性に関してアッセイした。
【0349】
変異体のスクリーニングのために、50μLの総容量で、可溶化液上清の10又は100倍希釈物の5μL、pXbaDNA(NEB)の0.5μg及び1×NE緩衝液4を用いて活性アッセイ反応を実施した。37℃で1時間温置した後、6×DNA搭載色素10μLを添加することによって、アッセイ反応を停止させ、1×TBE中で0.8%アガロースゲルを通した電気泳動によって分析した。25%DMSOを含有する緩衝液中で、低下したスター活性に関して、親酵素(KpnID148E)と比べて増加した全体的切断活性を示した変異体をアッセイした。
【0350】
1×NE緩衝液4中の5%グリセロール及びBSAの0.2mg/mLの存在下で、pXbaDNA(NEB)1μgとともに温置された酵素の希釈物5μLを用いて、アッセイを行った(総容量=50μL)。37℃で1時間の温置後、37℃で15分間、プロテイナーゼK(NEB)20μgによって反応を処理し、次いで、1×TBE中の0.8%アガロースゲルを通した電気泳動によって分析した。20mMTris・HCl、50mMNaCl、pH7.9、1mMDTT、MgSO4/CaCl2/MnCl2の漸増濃度を含有する緩衝液中の酵素50U及びpXbaDNA1μgを用いて、37℃で1時間、二価金属依存性アッセイを行った後、1×TBE中の0.8%アガロースゲルを通して電気泳動を行った。総反応容量は、50μLである。
【0351】
無作為の突然変異導入の結果は、先述されている野生型酵素及びKpnID163I/K165A変異体より低いスター活性を示した好ましい変異体KpnID148Eであった(国際公報WO07/027464)。しかしながら、KpnID148Eは、高い酵素濃度で、スター活性を示した。この観察されたスター活性を低下させるために、D148E背景中に二重及び三重変異体を構築した。KpnI(D16N/E132A/D148E)は、変異体D148Eより低いスター活性及びより高い特異性活性を有することが見出された。部位指定突然変異導入によって、D148からEへのアミノ酸置換及びE132からAへのアミノ酸置換を導入した。D16からNへの変異は、PCRによって導入した。標準的な反応条件において、37℃で、(6つのKpnI部位を含有する)基質DNApXbaとともに精製された酵素を1時間温置することによって、表31中に示された低下したスター活性が得られた。
【0352】
【表31】
【0353】
4000Uまで、変異体D16N/E132A/D148Eに対して、pXbaのスター活性は観察されなかった。KpnID148E及びD16N/E132A/D148Eで切断されると、KpnI部位を持たないpBR322基質に対して観察されたスター活性も減少した。
【実施例27】
【0354】
高精度BsaIの改変
1.BsaIの発現
pACYC−BsmAIM、pUC19−BsaIR及びpsyx20−laclqで形質転換されたイー・コリ中で、BsaIを発現させた。pACYCは、低コピー数適合的プラスミドである。BsmAIM(GTCTC)は、BsmBIの特異性(CGTCTC)を包含する。psyx20−lacIqは、lacIの強い発現を有する低コピー数ベクターである。Amp、Cam及びKanを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0355】
2.BsaIの突然変異導入
BsaIのアミノ酸は、BsmBIのアミノ酸と似ている。対応する以前の有効部位周囲及びこの部位の11アミノ酸を、R229A、S230A、Y231F、T232A、T233A、D234A、R235A、R236A、F238A、E239A、Y240Fとして変異させる。
【0356】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−BsmAIM、psyx20−lacIq)中に、処理された産物を形質転換した。
【0357】
3.BsaI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、BsaI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたλDNAを使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてLitmus28iに対して行った。設計された11の変異体のうち1つの変異体Y231Fは、スター活性を低下させ、BsaI−HFと表記される。
【0358】
4.BsaI−HF及びWTBsaIの比較
NEB1から4緩衝液中の希釈液Aを用いて、λDNAに対して、BsaI−HF及びWTBsaIのFIを別個に測定した。結果は、表32に列記されている(下記)。
【0359】
【表32】
【0360】
最高のFIが>8000であるNEB2、NEB3及びNEB4中において、BsaI−HFは最高の成績であり、WTBsaIは最高のFIが120であるNEB2及びNEB4中で、最高の成績であった。従って、全体的なFI改善係数は、>8000/120=>64であった。
【背景技術】
【0001】
制限エンドヌクレアーゼは、配列特異的な様式で、二本鎖DNAを切断する酵素である(Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci USA,102;5905−5908(2005);Roberts,et al.,Nucleic Acids Res,31:1805−1812(2003);Roberts,et al.,Nucleic Acids Res,33:D230−232(2005);Alves,et al.,Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York,393−407(2004))。制限エンドヌクレアーゼは、原核生物の間に遍在しており(Raleigh,et al.,Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.De Bruijin,et al.,Chapman & Hall,New York,78−92(1998))、原核生物中で、制限エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼとメチル転移酵素から主としてなる制限−修飾系の一部を形成する。同族メチル転移酵素は、宿主DNAが適切に保護され得るように、その対形成したエンドヌクレアーゼが修飾されたDNAを認識し、これをエンドヌクレアーゼによる切断に対して抵抗性とする同じ特異的配列をメチル化する。しかしながら、外来DNA、特に、バクテリオファージDNAの侵入が存在する場合には、外来DNAが完全にメチル化され得る前に、外来DNAは分解される。制限−修飾系の主な生物学的機能は、バクテリオファージの感染から宿主を保護することである(Arber,Science,205:361−365(1979))。組換え及び転位への関与などの他の機能も示唆されている(Carlson,et al.,Mol Microbiol,27:671−676(1998);Heitman,Genet Eng(N Y),15:57−108(1993);McKane,et al.,Genetics,139:35−43(1995))。
【0002】
250超の異なる標的配列に対する約3,000の公知の制限エンドヌクレアーゼの特異性は、その最も興味深い特徴であると考えることができる。最初の制限エンドヌクレアーゼの配列特異的性質の発見後(Danna,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,68:2913−2917(1971);Kelly,et al.,J Mol Biol,51:393−409(1970))、ある種の制限エンドヌクレアーゼは、最適でない条件下において、所定の認識配列と類似であるが、同一でない配列を切断することを科学者が発見するのに時間はかからなかった(Polisky,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,72:3310−3314(1975);Nasri,et al.,Nucleic Acids Res,14:811−821(1986))。この緩和された特異性は、制限エンドヌクレアーゼのスター活性と称される。制限エンドヌクレアーゼとDNA間での水によって媒介される相互作用が特異的複合体とスター複合体の間の中心的な差であることが示唆されている(Robinson,et al.,J Mol Biol,234:302−306(1993);Robinson,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,92:3444−3448(1995),Sidorova,et al.,Biophys J,87:2564−2576(2004))。
【0003】
スター活性は、分子生物学の反応における問題である。スター活性は、クローニングベクター又は他のDNA中に望ましくない切断を導入する。特有のフィンガープリントを生じさせるために、ある種のDNA基質が制限エンドヌクレアーゼによって切断される必要がある法医学的用途などの場合には、スター活性は、切断パターン特性を変化させることにより、分析を困難にする。スター活性を回避することは、鎖置換増幅(Walker,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,89:392−396(1992))及び遺伝子発現の連続分析(Velculescu,et al.,Science,270:484−487(1995))などの用途においても不可欠である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci USA,102、2005年、pp.5905−5908
【非特許文献2】Roberts他、Nucleic Acids Res,31、2003年、pp.1805−1812Roberts,他、Nucleic Acids Res,33、2005年、D230−232
【非特許文献3】Alves他、Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York、2004年、pp.393−407
【非特許文献4】Raleigh他、Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.
【非特許文献5】De Bruijin他、Chapman & Hall,New York,78−92(1998)
【非特許文献6】Arber、Science,205、1979年、pp.361−365
【非特許文献7】Carlson他、Mol Microbiol,27、1998年、pp.671−676
【非特許文献8】Heitman,Genet Eng(N Y),15、1993年、pp.57−108
【非特許文献9】McKane他、Genetics,139、1995年、pp.35−43
【非特許文献10】Danna他、Proc Natl Acad Sci U S A,68、1971年、pp.2913−2917
【非特許文献11】Kelly他、J Mol Biol,51、1970年、pp.393−409
【非特許文献12】Polisky他、Proc Natl Acad Sci U S A,72、1975年、pp.3310−3314
【非特許文献13】Nasri他、Nucleic Acids Res,14、1986年、pp.811−821
【非特許文献14】Robinson他、J Mol Biol,234、1993年、pp.302−306
【非特許文献15】Robinson他、Proc Natl Acad Sci U S A,92、1995年、pp.3444−3448
【非特許文献16】Sidorova他、Biophys J,87、2004年、pp.2564−2576
【非特許文献17】Walker他、Proc Natl Acad Sci U S A,89、1992年、pp.392−396
【非特許文献18】Velculescu他、Science,270、1995年、pp.484−487
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態において、人工的に導入された少なくとも1つの変異及び少なくとも2の全体的精度指数(FI;fidelity index)改善係数を有する制限エンドヌクレアーゼを含み、前記制限エンドヌクレアーゼが所定の緩衝液中において、人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼと少なくとも類似の切断活性で基質を切断することができ、人工的に導入された変異が標的化された変異、飽和変異導入又はPCR増幅操作を通じて導入された変異の少なくとも1つの産物である組成物が提供される。
【0006】
本発明のさらなる実施形態において、人工的に導入された変異の少なくとも1つは、反対に帯電した残基での天然に存在する残基の置換から生じた標的化された変異である。アラニン又はフェニルアラニンが、標的部位の天然に存在する残基を置換し得る。
【0007】
本発明のさらなる実施形態において、上記種類の組成物は、BamHI、EcoRI、ScaI、SalI、SphI、PstI、NcoI、NheI、SspI、NotI、SacI、PvuII、MfeI、HindIII、SbfI、EgaI、EcoRV、AvrII、BstXI、PciI、HpaI、AgeI、BsmBI、BspQI、SapI、KpnI及びBsaIからなる群から選択される人工的に導入された変異が存在しない制限酵素を含む。
【0008】
本発明のさらなる実施形態は、表4に列記されている組成物を含む。
【0009】
本発明のさらなる実施形態において、表4に列記されている酵素の何れかをコードするDNA、該DNAを含むベクター及び該ベクターからタンパク質を発現させるための宿主細胞が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態において、(a)スター活性を有する制限エンドヌクレアーゼのアミノ酸配列中の何れのアミノ酸残基が帯電したアミノ酸であるかを同定する工程;(b)制限エンドヌクレアーゼをコードする遺伝子配列中の帯電した残基の1つ又はそれ以上をコードする1つ又はそれ以上のコドンを変異させる工程;(c)異なる帯電した残基中の1つ又はそれ以上の異なるコドン変異を有する遺伝子配列のライブラリーを作製する工程;(d)変異された遺伝子配列によって発現されたタンパク質の組を取得する工程;及び(e)それぞれの発現されたタンパク質に対して、所定の緩衝液中でのFI及び切断活性を測定する工程を有する方法が提供される。
【0011】
前記方法の実施形態は、一群の所定の緩衝液(例えば、一群の緩衝液は、NEB1、NEB2、NEB3及びNEB4緩衝液を含有する。)中での、タンパク質の群に属するタンパク質に対して、全体的FI改善係数を測定する工程を含む。
【0012】
前記方法の実施形態は、上記工程を含み、及び帯電したアミノ酸に対するコドンを変異させる工程と同じ工程において又はその後の工程において、水酸化されたアミノ酸又はアミドアミノ酸をコードするコドンをさらに変異させることを含む。
【0013】
上記発明の一実施形態において、コドンは、フェニルアラニンへ変異されるチロシンを除き、アラニンへ変異される。
【0014】
さらなる実施形態において、全体的FI改善係数は、変異されたコドンの1つ又はそれ以上の飽和突然変異導入を用いて改善される。
【0015】
(図面の簡単な説明)
図1−32に関して、
*記号は、その左側のレーンが、スター活性が観察された酵素の最低濃度を含有することを示す。
【0016】
#記号は、基質の完全な切断に十分な酵素の濃度を含有するレーンと隣接する及び右側の、不完全な切断を示すレーンを表す。
【0017】
灰色の三角は、制限エンドヌクレアーゼ濃度の連続的減少を表す。
【0018】
「U」は、酵素の単位を表す。
【0019】
図1から32に記載されている反応のそれぞれにおいて、反応混合物は、別段の記載がなければ、NewEngland Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MAから得た緩衝液の3μL(表1及びNEBのカタログ参照)、別段の記載がなければ、NEB,Ipswich,MAから得た希釈液中の指定された制限エンドヌクレアーゼ(表1及びNEBのカタログ参照)の3μLの容量並びに指定された基質(0.6μgを含有する。)基質の可変容量及び反応混合物を合計30μLとするための水の容量を含有する。
【0020】
反応は、37℃で、1時間の温置時間で行った。結果は、0.8%アガロースゲル上で分析する。反応混合物の全体的容量、基質の量、反応の温度又は温置時間が上記のものから変動する場合には、図面の説明中に値が記載されている。
【0021】
図1、5、8、11から18及び20から32に対するゲルの右側に、理論的消化パターンが与えられている。1つの制限エンドヌクレアーゼ部位のみを有する基質は、スーパーコイル化された形態に由来する1つの直線状バンドへ消化されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】NEB3緩衝液中のWTScaI(1,200U)の調製物の希釈剤Aを用いた2倍系列希釈で、λDNA基質(0.6μg)1.2μLを消化し、アガロースゲル上で消化産物を調べることによる、野生型(WT)ScaIに対するFIの測定を示している。スター活性を持たない制限エンドヌクレアーゼの最高濃度は実線矢印で示されており、基質の完全な消化をもたらす最低濃度は、白抜きの矢印によって示されている。
【図2A】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Aは、NEB1緩衝液を用いた結果を示している。
【図2B】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Bは、NEB2緩衝液を用いた結果を示している。
【図2C】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Cは、NEB3緩衝液を用いた結果を示している。
【図2D】172U又は512Uの開始濃度で1時間、希釈剤Aを用いた3倍系列希釈中において、WTBamHI又はBamHI(E86P)酵素で、pUC19基質(0.5μg)0.5μLを消化したことの結果を示している。中央のレーンは、NEB1kbマーカーである(New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MA)。図2Dは、NEB4緩衝液を用いた結果を示している。
【図3A】希釈液Aを用いた2倍系列希釈中で酵素の600Uの開始濃度を使用し、NEB2緩衝液中のpBR322基質0.6μL(1つのBamHI切断部位のみを含有する。)を使用した、2つの時点にわたるBamHI(E86P)活性の比較を示す。図3Aは、1時間での結果を示す。
【図3B】希釈液Aを用いた2倍系列希釈中で酵素の600Uの開始濃度を使用し、NEB2緩衝液中のpBR322基質0.6μL(1つのBamHI切断部位のみを含有する。)を使用した、2つの時点にわたるBamHI(E86P)活性の比較を示す。図3Bは、14時間での結果を示す。
【図4A】アガロースゲル上での、2つの異なる緩衝液中での14時間の温置後における、希釈液Aを用いたBamHI−HF(E163A/E167T)の2倍系列希釈中でのpBR322基質0.6μLの切断を示している。図4Aは、酵素の600Uの開始濃度を加えたNEB2緩衝液での結果を示している。
【図4B】アガロースゲル上での、2つの異なる緩衝液中での14時間の温置後における、希釈液Aを用いたBamHI−HF(E163A/E167T)の2倍系列希釈中でのpBR322基質0.6μLの切断を示している。図4Bは、酵素の2,400Uの開始濃度を加えたNEB1緩衝液での結果を示している。
【図5A】NEB4緩衝液中のBamHI−HF及びWTBamHIを用いた切断反応の比較を示している。反応は、希釈液Aを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを用いて、NEB4緩衝液中で行った。図5Aは、FIが4に等しい1,200Uの開始濃度を有するWTBamHIを示している。
【図5B】NEB4緩衝液中のBamHI−HF及びWTBamHIを用いた切断反応の比較を示している。反応は、希釈液Aを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを用いて、NEB4緩衝液中で行った。図5Bは、FI>4,000である2,400Uの開始濃度を有するBamHI−HFを示す。
【図6A】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Aは、NEB2緩衝液中のWTEcoRIの120U及びEcoRI(K62A)の240U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図6B】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Bは、NEB4緩衝液中のWTEcoRIの120U及びEcoRI(K62A)の240U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図6C】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Cは、NEB1緩衝液中のWTEcoRIの60U及びEcoRI(K62A)の120U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図6D】NEB希釈剤Cを用いた3倍系列希釈中での、NEB1から4緩衝液中のWTEcoRI及びEcoRI(K62A)の比較を示している。反応混合物は、NEB1から4緩衝液中のλDNA基質2μL(1μg)を含有した。図6Dは、NEB3緩衝液中のWTEcoRIの120U及びEcoRI(K62A)の60U、2倍系列希釈後の切断結果を示している。
【図7A】2つの異なるEcoRI変異体及びWTEcoRIを用いた切断結果を示している。様々な緩衝液中のLitmus28基質0.6μLを使用した、10時間にわたる、酵素100,000U及び希釈液C中でのその10倍系列希釈の消化が示されている。Litmus28基質中には、1つのEcoRI切断部位のみが存在する。図7A:NEB4緩衝液中のEcoRI変異体K62E。
【図7B】2つの異なるEcoRI変異体及びWTEcoRIを用いた切断結果を示している。様々な緩衝液中のLitmus28基質0.6μLを使用した、10時間にわたる、酵素100,000U及び希釈液C中でのその10倍系列希釈の消化が示されている。Litmus28基質中には、1つのEcoRI切断部位のみが存在する。図7B:NEB4緩衝液中のEcoRI変異体K62A。
【図7C】2つの異なるEcoRI変異体及びWTEcoRIを用いた切断結果を示している。様々な緩衝液中のLitmus28基質0.6μLを使用した、10時間にわたる、酵素100,000U及び希釈液C中でのその10倍系列希釈の消化が示されている。Litmus28基質中には、1つのEcoRI切断部位のみが存在する。図7C:EcoRI緩衝液中のWTEcoRI(NEBカタログ2007−8参照)。
【図8A】NEB4緩衝液中のEcoRI−HF及びWTEcoRIの比較を示している。反応は、希釈液Cを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを使用した。図8A:19,200Uの開始濃度を有するWTEcoRIは、NEB4緩衝液中でFI=4を示す。
【図8B】NEB4緩衝液中のEcoRI−HF及びWTEcoRIの比較を示している。反応は、希釈液Cを用いた2倍系列希釈中のλDNA基質1.2μLを使用した。図8B:38,400Uの開始濃度を有するEcoRI−HFは、NEB4緩衝液中でFI=16,000を示す。
【図9A】WTScaI(4.8U)、ScaI(H193A)(9.6U)、ScaI(S201F)(19.2U)及びScaI(H193A/S201F)(19.2U)の系列希釈の比較を示している。各試料は、ます、1/10に希釈した後、グリセロールの指定されたパーセントを有するNEB2緩衝液中で2倍系列希釈を行った。各反応混合物は、λDNA基質(1μg)2μLを含有する。図9A:5%グリセロール。
【図9B】WTScaI(4.8U)、ScaI(H193A)(9.6U)、ScaI(S201F)(19.2U)及びScaI(H193A/S201F)(19.2U)の系列希釈の比較を示している。各試料は、ます、1/10に希釈した後、グリセロールの指定されたパーセントを有するNEB2緩衝液中で2倍系列希釈を行った。各反応混合物は、λDNA基質(1μg)2μLを含有する。図9B:37%グリセロール。
【図10A】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10A:NEB2緩衝液中での切断。
【図10B】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10B:NEB4緩衝液中での切断。
【図10C】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10C:NEB1緩衝液中での切断。
【図10D】WTScaI及びScaI−HF(H193A/S201F)の比較を示している。酵素(指定されている単位濃度)は、希釈液Aを用いて、2.5倍系列希釈でそれぞれ希釈した。反応混合物は、λDNA基質2μL及びNEB1から4緩衝液を含有する。図10D:NEB3緩衝液中での切断。
【図11A】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11B】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11C】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11D】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11A、B、C及びDは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI>1,000、FI>2,000、FI>500及びFI>2,000を示すSalI−HFの1,200U、1,200U、300U及び1,200Uの系列希釈を示す。
【図11E】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図11F】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図11G】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図11H】SalI−HF及びWTSalIに対するFI測定を示している。両酵素は、希釈液Aを用いて、2倍系列希釈中に希釈した。反応混合物は、HindIIIによって消化されたλDNA基質2μLを含有する。図11E、F、G及びHは、それぞれ、NEB1、2、3及び4緩衝液中で、FI=8、FI=1、FI=32及びFI=1を示すWTSalIの19.2U、150U、9,600U及び38.4Uの系列希釈を示す。
【図12A】λDNA基質1.2μLを加えたNEB4緩衝液中で反応された、希釈液A中のSphI−HF(19,200U)及び希釈液B中のWTSphaI(143,600U)の2倍系列希釈の結果を示している。図12Aは、WTSphIによる切断を示す。
【図12B】λDNA基質1.2μLを加えたNEB4緩衝液中で反応された、希釈液A中のSphI−HF(19,200U)及び希釈液B中のWTSphaI(143,600U)の2倍系列希釈の結果を示している。図12Bは、SphI−HFによる切断を示す。
【図13A】NEB3及びNEB4緩衝液中のPstI−HFの2倍系列希釈(300U及び150U)及びWTPstIの2倍系列希釈(2,400U及び4,800U)を用いたλDNA基質1.2μLの切断を示す。系列希釈は、希釈液C中で行った。図13Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのPstI−HFによる切断を示している。
【図13B】NEB3及びNEB4緩衝液中のPstI−HFの2倍系列希釈(300U及び150U)及びWTPstIの2倍系列希釈(2,400U及び4,800U)を用いたλDNA基質1.2μLの切断を示す。系列希釈は、希釈液C中で行った。図13Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTPstIによる切断を示している。
【図14A】NEB3及びNEB4緩衝液中のNcoI−HFの2倍系列希釈(4,800U及び600U)及びWTNcoI(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図14Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのNcoI−HFによる切断を示している。
【図14B】NEB3及びNEB4緩衝液中のNcoI−HFの2倍系列希釈(4,800U及び600U)及びWTNcoI(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図14Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTNcoIによる切断を示している。
【図15A】NEB3及びNEB4緩衝液中のNheI−HF(287,200U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTNheI(9,600U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図15Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのNheI−HFによる切断を示している。
【図15B】NEB3及びNEB4緩衝液中のNheI−HF(287,200U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTNheI(9,600U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図15Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTNheIによる切断を示している。
【図16A】NEB3及びNEB4緩衝液中のSspI−HF(9,600U及び38.4U)の2倍系列希釈及びWTSspI(19,200U及び19,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図16Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのSspI−HFによる切断を示している。
【図16B】NEB3及びNEB4緩衝液中のSspI−HF(9,600U及び38.4U)の2倍系列希釈及びWTSspI(19,200U及び19,200U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図16Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTSspIによる切断を示している。
【図17A】NEB3及びNEB4緩衝液中のNotI−HF(287,200U及び19,200U)の2倍系列希釈及びWTNotI(19,200U及び76,800U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図17Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのNotI−HFによる切断を示している。
【図17B】NEB3及びNEB4緩衝液中のNotI−HF(287,200U及び19,200U)の2倍系列希釈及びWTNotI(19,200U及び76,800U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液C中で行った。図17Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTNotIIによる切断を示している。
【図18A】NEB3及びNEB4緩衝液中のSacI−HF(4,800U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTSacI(19,200U及び1200U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図18Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのSacI−HFによる切断を示している。
【図18B】NEB3及びNEB4緩衝液中のSacI−HF(4,800U及び76.8U)の2倍系列希釈及びWTSacI(19,200U及び1200U)の2倍系列希釈を用いた、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図18Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTSacIによる切断を示している。
【図19A】NEB3及びNEB4緩衝液中のPvuII−HF(9,600U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTPvuII(19,200U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pBR322DNA基質0.6μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図19Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのPvuII−HFによる切断を示している。
【図19B】NEB3及びNEB4緩衝液中のPvuII−HF(9,600U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTPvuII(19,200U及び300U)の2倍系列希釈を用いた、pBR322DNA基質0.6μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図19Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTPvuIIによる切断を示している。
【図20A】NEB3及びNEB4緩衝液中のMfeI−HF(300U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTMfeI(2,400U及び38.4U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図20Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのMfeI−HFによる切断を示している。
【図20B】NEB3及びNEB4緩衝液中のMfeI−HF(300U及び19.2U)の2倍系列希釈及びWTMfeI(2,400U及び38.4U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図20Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTMfeIによる切断を示している。
【図21A】NEB3及びNEB4緩衝液中のHindIII−HF(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈及びWTHindIII(9,600U及び4,800U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図21Aは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのHindIII−HFによる切断を示している。
【図21B】NEB3及びNEB4緩衝液中のHindIII−HF(4,800U及び1,200U)の2倍系列希釈及びWTHindIII(9,600U及び4,800U)の2倍系列希釈を用いた、λDNA基質1.2μLの切断を示している。系列希釈は、希釈液A中で行った。図21Bは、NEB4緩衝液(上パネル)及びNEB3緩衝液(下パネル)中でのWTHindIIIによる切断を示している。
【図22A】NEB4緩衝液中のSbfI−HF(開始濃度:76,800U)及びWTSbfI(開始濃度:76,800U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図22Aは、WTSbfIによる切断を示している。
【図22B】NEB4緩衝液中のSbfI−HF(開始濃度:76,800U)及びWTSbfI(開始濃度:76,800U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図22Bは、SbfI−HFによる切断を示している。
【図23A】希釈液Cを用いた、それぞれ、NEB2及びNEB1緩衝液中のEagI−HF(1,200U及び600U)の2倍系列希釈及びWTEagI(150U及び38.4U)の2倍系列希釈中での、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図23Aは、NEB2緩衝液(上パネル)及びNEB1緩衝液(下パネル)中でのEagI−HFによる切断を示している。
【図23B】希釈液Cを用いた、それぞれ、NEB2及びNEB1緩衝液中のEagI−HF(1,200U及び600U)の2倍系列希釈及びWTEagI(150U及び38.4U)の2倍系列希釈中での、pXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図23Bは、NEB2緩衝液(上パネル)及びNEB1緩衝液(下パネル)中でのWTEagIによる切断を示している。
【図24A】NEB4緩衝液中のEcoRV−HF(開始濃度:38,400U)及びWTEcoRV(開始濃度:2,00U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図24Aは、WTEcoRVによる切断を示している。
【図24B】NEB4緩衝液中のEcoRV−HF(開始濃度:38,400U)及びWTEcoRV(開始濃度:2,00U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図24Bは、EcoRV−HFによる切断を示している。
【図25A】NEB4緩衝液中のAvrII−HF(開始濃度:1,200U)及びWTAvrII(開始濃度:1,200U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのT7DNA基質1.2μLの切断を示している。図25Aは、WTAvrIIによる切断を示している。
【図25B】NEB4緩衝液中のAvrII−HF(開始濃度:1,200U)及びWTAvrII(開始濃度:1,200U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのT7DNA基質1.2μLの切断を示している。図25Bは、AvrII−HFによる切断を示している。
【図26A】NEB4緩衝液中のBstXI−HF(開始濃度:300U)及びWTBstXI(開始濃度:38.4U)の希釈液A中での2倍系列希釈によるλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行った。図26Aは、WTBstXIによる切断を示している。
【図26B】NEB4緩衝液中のBstXI−HF(開始濃度:300U)及びWTBstXI(開始濃度:38.4U)の希釈液A中での2倍系列希釈によるλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行った。図26Bは、BstXI−HFによる切断を示している。
【図27A】NEB4緩衝液中のPciI−HF(開始濃度:600U)及びWTPciI(開始濃度:300U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図27Aは、WTPciIによる切断を示している。
【図27B】NEB4緩衝液中のPciI−HF(開始濃度:600U)及びWTPciI(開始濃度:300U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図27Bは、PciI−HFによる切断を示している。
【図28A】NEB2緩衝液中のHpaI−HF(開始濃度:4,800U)及びWTHpaI(開始濃度9,600U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図28Aは、WTHpaIによる切断を示している。
【図28B】NEB2緩衝液中のHpaI−HF(開始濃度:4,800U)及びWTHpaI(開始濃度9,600U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。図28Bは、HpaI−HFによる切断を示している。
【図29A】NEB4緩衝液中のAgeI−HF(開始濃度:600U)及びWTAgeI(開始濃度600U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図29Aは、WTAgeIによる切断を示している。
【図29B】NEB4緩衝液中のAgeI−HF(開始濃度:600U)及びWTAgeI(開始濃度600U)の希釈液Cを用いた2倍系列希釈中でのpXbaDNA基質1.2μLの切断を示している。図29Bは、AgeI−HFによる切断を示している。
【図30A】NEB4緩衝液中のBsmBI−HF(開始濃度:300U)及びWTBsmBI(開始濃度:4,800U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行う。図30Aは、WTBsmBIによる切断を示している。
【図30B】NEB4緩衝液中のBsmBI−HF(開始濃度:300U)及びWTBsmBI(開始濃度:4,800U)の希釈液Aを用いた2倍系列希釈中でのλDNA基質1.2μLの切断を示している。反応は、55℃で行う。図30Bは、BsmBI−HFによる切断を示している。
【図31A】EcoRI及びMfeIの発現のための、MluCIMのDNA配列(配列番号1)及びタンパク質配列(配列番号2)を示している。
【図31B】EcoRI及びMfeIの発現のための、MluCIMのDNA配列(配列番号1)及びタンパク質配列(配列番号2)を示している。
【図32】SalIの発現のためのHpy166IIMのDNA配列(配列番号3)を示している。
【図33A】MfeIのDNA配列(配列番号4)及びタンパク質配列(配列番号5)を示している。
【図33B】MfeIのDNA配列(配列番号4)及びタンパク質配列(配列番号5)を示している。
【図34A】BstXIのDNA配列(配列番号6)及びタンパク質配列(配列番号7)を示している。
【図34B】BstXIのDNA配列(配列番号6)及びタンパク質配列(配列番号7)を示している。
【図35A】M.BstXIのDNA配列(配列番号8)及びタンパク質配列(配列番号9)を示している。
【図35B】M.BstXIのDNA配列(配列番号8)及びタンパク質配列(配列番号9)を示している。
【図36A】S.BstXIのDNA配列(配列番号10)及びタンパク質配列(配列番号11)を示している。
【図36B】S.BstXIのDNA配列(配列番号10)及びタンパク質配列(配列番号11)を示している。
【図37A】PciIのDNA配列(配列番号12)及びタンパク質配列(配列番号13)を示している。
【図37B】PciIのDNA配列(配列番号12)及びタンパク質配列(配列番号13)を示している。
【図38A】M.PciIのDNA配列(配列番号14)及びタンパク質配列(配列番号15)を示している。
【図38B】M.PciIのDNA配列(配列番号14)及びタンパク質配列(配列番号15)を示している。
【図39】SapI及びBaspQIをクローニングするための、CTCTTCを認識し及びN4シトシン又はN6アデニンでメチル化するMI.EarIをコードするDNA配列(配列番号17)を示している。
【図40】SapI及びBaspQIをクローニングするための、CTCTTCを認識し及びN4シトシン又はN6アデニンでメチル化するM2.EarIをコードするDNA配列(配列番号18)を示している。
【図41A】希釈液A及びNEB1緩衝液+10%グリセロールを用いた2倍系列希釈中でpUC19DNA基質1μLを切断することによって、WTBspQI1μL及び変異体(K279P/R388F)BspQI1μL(それぞれ、512U及び1,024Uの開始濃度)のFIを測定するためのアガロースゲルを示している。反応は、50℃で行った。
【図41B】希釈液A及びNEB1緩衝液+10%グリセロールを用いた2倍系列希釈中でpUC19DNA基質1μLを切断することによって、WTBspQI1μL及び変異体(K279P/R388F)BspQI1μL(それぞれ、512U及び1,024Uの開始濃度)のFIを測定するためのアガロースゲルを示している。反応は、50℃で行った。
【図42】希釈液A及びNEB2緩衝液+25%DMSOを用いた2倍系列希釈中でpUC19DNA基質を切断することによって、WTSapI5μL及び変異体(K273A)SapI5μL(それぞれ、32U及び16の開始濃度)のFIを決定するためのアガロースゲルを示している。
【図43A】、WTKpnI5μL及びD16N/E132A/D148EKpnI5μL(それぞれ、32U及び256Uの開始濃度)によるpXbaの触媒活性及びスター活性を示している。この酵素は、10mMTris−HCL、pH7.4、50mMKCl、0.1mMEDTA、1mMDTT及び50%グリセロールを含有し、水で50μLの総容積にした希釈液を用いるNEB2緩衝液中での2倍系列希釈中のpXbaDNA基質(0.5μg)2μLを消化した。
【図43B】、WTKpnI5μL及びD16N/E132A/D148EKpnI5μL(それぞれ、32U及び256Uの開始濃度)によるpXbaの触媒活性及びスター活性を示している。この酵素は、10mMTris−HCL、pH7.4、50mMKCl、0.1mMEDTA、1mMDTT及び50%グリセロールを含有し、水で50μLの総容積にした希釈液を用いるNEB2緩衝液中での2倍系列希釈中のpXbaDNA基質(0.5μg)2μLを消化した。
【図44A】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44B】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44C】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44D】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44E】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44F】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【図44G】以前に開示されていない表1中の酵素のアミノ酸配列及び表1中の酵素のDNA配列を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態は、所望の特徴を有する制限エンドヌクレアーゼを選択するための一般的な方法を提供する。この一般的な方法は、所望の制限エンドヌクレアーゼが作製されるかどうかを決定するための適切なアッセイに依拠している。特に、前記一般的な方法の実施形態は、工程の組を有する系統的なスクリーニング方法を提供する。この方法は、多くの制限エンドヌクレアーゼを使用する何百もの反応を実施することによって導かれた。本明細書中に提供されている実施例の多くは、低下したスター活性を有するが、WT制限エンドヌクレアーゼと少なくとも類似の切断活性を有する制限エンドヌクレアーゼを同定することに関する。しかしながら、例えば、所望される緩衝液中での改善された切断活性、熱安定性、所定の条件での反応の速度などに関連する制限エンドヌクレアーゼの他の特性を修飾することに対して、同じ方法を首尾よく適用できることも予想される。
【0024】
上に論述されているように、関心の最終点は、スター活性を有する制限エンドヌクレアーゼを著しく低下したスター活性を有する高精度制限エンドヌクレアーゼへ転換させることである。スター活性は、個別の制限エンドヌクレアーゼによる切断特異性の混乱を表す。本明細書において、「スター活性の低下」及び「精度の増加」という用語は、互換的に使用される。制限エンドヌクレアーゼは、特定の配列でDNAを切断する特性によって特徴付けられるが、幾つかの制限エンドヌクレアーゼは、DNA中の別の部位で、DNAを非効率的にさらに切断する。この二次的切断は常に起こり得、又は増加した濃度、ある種の緩衝液、温度、基質の種類、保存及び温置時間の何れかなど、ある種の条件下においてのみ起こり得る。
【0025】
タンパク質を構成し、特異性を決定する数百のアミノ酸によって作出される複雑な環境については殆ど知られていないことが一般に認められている。従来技術における1つのアプローチは、酵素とその基質間の接触点を同定するために、結晶学を使用することであった。それにも関わらず、非天然化学環境中で、一時的に構造を凍結させることに関連して、結晶学は制約を有する。
【0026】
タンパク質中の何れかの部位でのアミノ酸の寄与及び基質分子の構造によって果たされている役割を決定する規則は、既存の分析技術を用いて把握することは難しいことが判明している。例えば、本明細書では、制限エンドヌクレアーゼ中のアミノ酸を変異させることは活性の全て又は一部の喪失を引き起こし得ることが示されている。
【0027】
この点に関して、高いグリセロール濃度(>5%v/v)、高い酵素対DNA比(通常、>酵素100単位/DNAμg)、低いイオン強度(<25mM塩)、高いpH(>8.0)、有機溶媒(DMSO、エタノールなど)の存在及び他の二価陽イオン(Mn2+、Co2+)でのMg2+の置換によって、スター活性が増加し得る理由を説明するための構造的な説明が提出されていない。ここでは、スター活性に影響を及ぼす要因の多様性故に、同じ反応条件下で、及び同じ所定の緩衝液中で、WT及び変異体スター活性の比較を実施すること、並びに前記特徴が他の反応条件で観察されたとしても、あらゆる高精度酵素がこれらの特徴を示すことができなければならない標準的な反応条件を開発することが必要である。
【0028】
本発明の本実施形態は、特異的な改善された特性、すなわち、全体的な切断活性の著しい低下又はタンパク質を作製する宿主細胞からの収量の著しい喪失なしに、増強された切断精度を有する修飾された制限エンドヌクレアーゼを作製することに向けられる。改善された特性を有する変異体を発見するために、本明細書において開発された方法は、徹底的な実験から得られたものであり、得られた酵素の特性は、指定された条件において確定された。本明細書中に記載されている方法は、所定の条件下で何れかの制限エンドヌクレアーゼの酵素的特性を変化させるために使用され得るが、特定の確定された条件に限定されるものではない。
【0029】
【表1】
【0030】
前記方法は、同族活性とスター活性に必要とされるアミノ酸が異なるという知見から得られたものである。本明細書中に記載されている高精度制限エンドヌクレアーゼの改変は、同族活性及びスター活性は分離可能であり、これらの異なる活性に影響を及ぼす異なる不可欠なアミノ酸残基が存在することを示している。スター活性に影響を及ぼすことが本明細書において見出されたアミノ酸の位置は、タンパク質の活性部位内に必ずしも見出されない。FIを(Wei et al.Nucleic Acid Res.,36,9,e50(2008)も参照。)及び全体的な精度指数改善係数を決定する形態の成功基準を開発することによって、何れの制限エンドヌクレアーゼの切断特性も、本明細書において初めて決定された。
【0031】
「全体的な精度指数改善係数」とは、選択された緩衝液の組内で最大の切断活性を有する対応するWTエンドヌクレアーゼの最も高いFIによって、最大の切断活性を有する変異体に対する最も高いFIを除したものを表す。選択された組は、1を超えるあらゆる大きさであり得るが、実際的には、10未満の異なる緩衝液を含有し、より好ましくは、4つの緩衝液を含有する。前記組は、4未満の緩衝液も含み得る。特許請求の範囲に記載されている本発明では、何れの変異体制限エンドヌクレアーゼに関しても、さらに(但し、これらのみではない。)、NEB1、NEB2、NEB3及びNEB4からなる緩衝液の組に対しても、好ましくは、少なくとも2の全体的なFI改善係数が適用可能であるべきである。
【0032】
「類似の切断活性」は、同じ条件下で、酵素の同じ量を基質の同じ量及び種類と反応させ、切断産物の量が、標準誤差の範囲内で同じと思われるように、及び定量的な類似性が10%を超えるように、電気泳動後にゲル上で切断特性を視覚的に比較することによって測定することができる。
【0033】
「人工的な」とは、「人によって作製された」ことを表す。
【0034】
「標準的な条件」は、NEB1から4緩衝液中で得られた結果から計算された全体的なFI改善係数を表す。
【0035】
本明細書中に記載されている一般的な方法は、以下の27の制限エンドヌクレアーゼを用いて例示されている。AgeI、AvrII、BamHI、BsaI、BsmBI、BspQI、BstXI、EagI、EcoRI、EcoRV、HindIII、HpaI、KpnI、MfeI、NcoI、NheI、NotI、PciI、PstI、PvuII、SacI、SalI、SapI、SbfI、ScaI、SphI及びSspI制限エンドヌクレアーゼ。しかしながら、上述されているように、著しいスター活性を有する何れの制限エンドヌクレアーゼの改変に関しても、前記方法は有効であることが予想される。
【0036】
前記方法の実施形態は、低下したスター活性を有する変異体制限エンドヌクレアーゼを作製するための一般的なアプローチを使用する。ある種の酵素に関しては、2つのアイソシゾマー間で保存されていることが決定された帯電した残基を変異させることが有用であることが判明した(例えば、実施例25中のSapI参照)。しかしながら、一般に、前記方法は、エンドヌクレアーゼに対するタンパク質配列中の帯電した残基及び極性残基の全てを同定する第一の工程を含む。例えば、帯電したアミノ酸及び極性残基には、酸性残基Glu及びAsp、塩基性残基His、Lys及びArg、アミド残基Asn及びGln、芳香族残基Phe、Tyr及びTrp並びに求核性残基Cysが含まれる。各残基を標的とし、Alaへ変異させ、増加した精度の所望される特性に関して、これらの標的化された変異の産物をスクリーニングする。得られた変異体の何れもが満足な結果を与えなければ、次の工程は、全ての水酸化されたアミノ酸(すなわち、Ser、Thr及びTyr)への変異を標的とすることであり、好ましい変異は、Ser及びThrからAla及びTyrからPheである。実施例16から23に関して実施されたように、残基の両クラスへの変異を一度に標的とすることも可能である。Alaへの変異は、Val、Leu又はIleへの変異によって置換され得る。
【0037】
これらの分析の後、上記工程で作製された好ましい変異体の1つ又はそれ以上が選択された検査下で標準を下回る成績をなお有するのであれば、これらの変異体を選択し、さらなる可能な18のアミノ酸の各々へ再度変異させることができる。これは、飽和突然変異導入と称される。飽和突然変異導入は、EcoRI(実施例2)に対して、部分的にはBamHI(実施例1)及びPvu(実施例12)に対して好ましい高精度の変異体を与えた。飽和突然変異導入の結果に応じて、次の工程は、標的化された若しくは無作為な又は両方のさらなる変異を制限エンドヌクレアーゼ中に導入することである。実施例11において、ScI−HFは、逆PCRの間に偶然に作製された無作為の変異を含む。実施例20において、PciI−HFは無作為の変異から得られ、標的化された変異からは得られなかった。実施例26において、BspQI−HFは、精度を増強する上で相乗的に作用することが見出された2つの変異を含有する。
【0038】
逆PCRなどの標的化された突然変異導入の様々な方法の使用は、タンパク質中の第二の部位へ非標的変異を導入することを含み得る。これらの第二の変異は、所望の特性を偶然に与え得る(実施例20参照)。観察された効果に対して全ての変異が必要とされるかどうかを確定するために、複数の変異を有する変異された酵素を調べることが望ましい。実施例11において、二重変異体中のQ117Hは活性に対して全く効果を有していなかった。実施例20において、さらなる自発的な変異は観察された改善された精度のために専ら必要とされるように見受けられるのに対して、実施例24において、各変異は相乗的に作用した。
【0039】
幾つかの事例において、変異は、改善された精度以外のさらなる利点を与え得る(例えば、E163A又はP173Aが酵素をより熱的に不安定とさせるBamHIを参照。)。
【0040】
実施例中に提供されている変異体の高精度/低下したスター活性特性は、標準的な緩衝液の組の中でのそれらの機能に従って選択された。異なる緩衝液組成物が選択されれば、他の変異が好ましい場合があり得る。しかしながら、変異体を発見するために同じ方法が適用される。表4は、各制限エンドヌクレアーゼに対して適用される変異を列記し、標準的緩衝液中の全体的なFI改善係数を与える。
【0041】
少なくとも2の全体的なFI改善係数を与えるための高精度制限エンドヌクレアーゼの改変は、以下の工程の1つ又はそれ以上を含む。
【0042】
1.WT制限エンドヌクレアーゼのスター活性の評価
本発明の一実施形態において、以下のプロトコールを用いて、制限エンドヌクレアーゼのスター活性の程度が検査される。エンドヌクレアーゼ活性は、原エンドヌクレアーゼの高い初濃度及びその系列希釈(例えば、2倍又は3倍希釈)を用いて、適切な基質に対して測定される。希釈時に、スター活性がもはや検出されないような少なくとも1つの濃度において、スター活性の観察を可能とするのに十分である限り、制限エンドヌクレアーゼの初濃度は重要でない。
【0043】
適切な基質は、同族のエンドヌクレアーゼ活性によって切断され、及びスター活性を観察できるヌクレオチド配列を含有する。この基質は、制限エンドヌクレアーゼ又は第二のDNA基質に対する遺伝子を含有するベクターであり得る。表2において使用されている基質の例は、pBC4、pXba、T7、λ及びpBR322である。
【0044】
WT及び変異された制限エンドヌクレアーゼ中で、スター活性を容易に認識し、アッセイすることができるように、まず、原制限エンドヌクレアーゼの濃度が選択される。2007から08NEBカタログ中の指針に従って系列希釈を実施するために、NEB希釈液A、B又はCなどの適切な希釈緩衝液が選択される。系列希釈された制限エンドヌクレアーゼは、反応容器の大きさによって決定される総反応容量の適切な基質の所定濃度と反応させる。例えば、反応混合物30μLが各ウェルに対して適切な容量であるマイクロタイタープレート中で複数の反応を実施することが都合がよい。従って、実施例は、30μL中に基質0.6μg(50μL中に基質1μgと等しい。)を一般に使用する。反応混合物中の基質の量は重要でないが、反応間で一定していることが好ましい。切断反応は、1時間などの標準的な時間にわたって、所定の温度(例えば、25℃、30℃、37℃、50℃、55℃又は65℃)で起こる。切断産物は、上述のような精度指数を測定するためのあらゆる標準的な技術によって、例えば、0.8%アガロースゲル電気絵移動によって測定することができる。
【0045】
全ての制限エンドヌクレアーゼが、そのFIから測定された場合に著しいスター活性を有するわけではない。しかしながら、エンドヌクレアーゼが約250以下の最高FI及び100未満の最低FIを有していれば、制限エンドヌクレアーゼは、有意なスター活性を有するものと分類される。このようなエンドヌクレアーゼは、単一の基質に対する精度を増加させるための酵素改変の標的として選択される。幾つかの事例では、よりよい切断活性のために、約500を上回るFI及び約100未満のFIを有する制限エンドヌクレアーゼも改変される。
【0046】
下表2は、改変前の幾つかの改変された制限エンドヌクレアーゼのFIを列記する。全ての試料は、0.8%アガロースゲル上で分析した。
【0047】
【表2】
*基質:λは、λファージDNAである。λ(H3)は、HindIIIによって消化されたλファージDNAである。pXbaは、アデノウイルスのXbaIによって消化された断片を有するpUC19である。pBC4:pXbaのより短い様式である。T7:T7DNA。
【0048】
**FI−1からFI−4:NE緩衝液1、2、3及び4中での酵素の精度指数。カッコ内の数字は、緩衝液の組内の緩衝液の何れかの中における同じ変異体制限エンドヌクレアーゼの「最高」切断活性と比較した、緩衝液の組内の指定された緩衝液中での変異体制限エンドヌクレアーゼの相対的切断活性に対する値である。
【0049】
以下のNEB緩衝液の組成:
NEB1:10mMBisTrisプロパン−HCl、10mMMgCl2、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.0);
NEB2:50mMNaCl、10mMTris−HCl、10mMMgCl2、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.9);
NEB3:100mMNaCl、50mMTris−HCl、10mMMgCl2、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.9);
NEB4:50mM酢酸カリウム、20mMTris−酢酸、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオスレイトール(25℃で、pH7.9)。
【0050】
***NEB希釈液の組成は、以下のとおりである。(水の変わりに、希釈において希釈液を使用することによって、反応中のグリセロール濃度は一定に保たれる。)
希釈液A:50mMKCl、10mMTris−HCl、0.1mMEDTA、1mMジチオスレイトール、200mg/mLBSA、50%グリセロール(25℃で、pH7.4);
希釈液B:300mMNaCl、10mMTris−HCl、0.1mMEDTA、1mMジチオスレイトール、500mg/mLBSA、50%グリセロール(25℃で、pH7.4);
希釈液C:250mMNaCl、10mMTris−HCl、0.1mMEDTA、1mMジチオスレイトール、0.15%TritonX−100、200mg/mLBSA、50%グリセロール(25℃で、pH7.4)。
【0051】
2.高発現宿主細胞株の構築
宿主細胞が、低下したスター活性が求められている変異体制限エンドヌクレアーゼを過剰発現することができるのであれば都合がよい。制限酵素がイー・コリ中で高度に発現されていれば、スター活性は未精製抽出物中で容易に検出することが可能であり、これは、高精度制限エンドヌクレアーゼのスクリーニングを簡略化する。しかしながら、酵素切断から生じる毒性から何らかの方法で宿主細胞が保護されているのであれば、変異された制限エンドヌクレアーゼは、あらゆる宿主細胞中で発現させることができる。これには、メチラーゼの存在;ゲノムへの接近に対して障壁を与える細胞の区画(封入体又は周辺質など)中での生産;インビトロでの合成、エマルジョン中での生産(米国特許出願第12/035,872号参照)宿主ゲノム中での切断部位の不存在の;インテインによって媒介される連結に供される構成要素部分中での酵素の製造(米国特許第6,849,428号参照)などが含まれ得る。
【0052】
製造のための変異された制限エンドヌクレアーゼの過剰発現は、クローニングの標準的な技術、例えば、イー・コリ宿主の使用、高コピーであるpUC19に由来する発現ベクター中へのエンドヌクレアーゼの挿入及び組換えタンパク質の一定した発現を可能とする相対的に小さなプラスミドの使用を用いて達成することができる。好ましくは、ベクターは、プロモーターに隣接して配置されたlacプロモーター及びマルチコピー挿入部位などの適切なプロモーターを含有し得る。あるいは、遺伝子発現のIPTG誘導を必要とするプロモーターを選択することができる。未精製抽出物中の活性が十分でなければ、未精製抽出物中の制限エンドヌクレアーゼに対するカラム精製工程を実施し得る。
【0053】
3.制限エンドヌクレアーゼの突然変異導入
制限エンドヌクレアーゼ中の各帯電した基又は極性基をコードするDNAを個別に標的として、変異されたDNAを検査のためにクローニングし、調製し得る。各制限エンドヌクレアーゼ遺伝子中に、複数の変異を導入し得る。制限エンドヌクレアーゼの標的化された突然変異導入は、本分野において公知のあらゆる方法によって達成され得る。本明細書において使用される都合のよい方法は、逆PCRである。このアプローチでは、標的化されたコドンに加えて、コドンの5’及び3’両側に複数のヌクレオチド(例えば、18ヌクレオチド)を含有する相補的なプライマーの対が合成される。適切なプライマーの選択は、目的のアミノ酸残基周囲において、目的のエンドヌクレアーゼの遺伝子配列を概観することによって容易に達成することができる。遺伝子配列の入手は、REBASE及びGenBankを通じて行われる。本明細書において実施例中に記載されているエンドヌクレアーゼに対する配列は、図31から38及び44に記載されている。PCRに対するテンプレートは、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を含有するプラスミドである。ポリメラーゼは、好ましくは、Vent(R)又はDeepVentTMDNAポリメラーゼなどの高精度ポリメラーゼである。徐冷温度及びMg2+濃度を変動させることによって、多くの変異の導入を首尾よく達成することができる。次いで、PCR増幅産物を精製し、好ましくは、DpnIによって消化する。本発明の一実施形態において、対応するメチラーゼで予め修飾された形質転換受容性宿主細胞(例えば、イー・コリ)中に消化された産物を形質転換した。各変異体から得られたコロニーを拾い上げ、WTがその中で増殖された条件と類似の条件下で(例えば、類似の増殖培地、薬物選択及び温度を用いて)増殖させた。得られた制限エンドヌクレアーゼを低下したスター活性に関してスクリーニングした。
【0054】
4.低下したスター活性を有する変異体制限エンドヌクレアーゼのスクリーニング
変異体制限エンドヌクレアーゼ中のスター活性を測定するために、緩衝液組成、温度及び希釈液などの条件を確定すべきである。表2及び3は、37℃で、3つの異なる希釈液を用いる4つの異なる緩衝液中での変異前及び後における組換えエンドヌクレアーゼのFIを示している。従って、何れの変異体が少なくとも2、10超、少なくとも50又は500超の全体的な望ましい改善された精度指数係数を有するかを決定し、好ましい高精度変異体として酵素を選択することが可能である。
【0055】
本発明の一実施形態において、まず、正常な緩衝液条件(5%以下のグリセロール)中での活性に関して、変異体制限エンドヌクレアーゼをスクリーニングした。WT制限エンドヌクレアーゼの活性の少なくとも約10%を有する変異体に関して、スター活性を促進するスター活性促進条件、例えば、高いグリセロール濃度及び場合によって高いpH中でも活性を測定した。好ましくは、正常な緩衝液中で最も低いスター活性を有するが、許容可能な同族活性を有する変異体を選択する。次いで、変異体の確認のために、プラスミドを抽出し、配列決定することができる。幾つかの事例では、高いグリセロール及び高いpH条件を用いた場合でさえ、スター活性は容易に測定されない。代わりに、異なる緩衝液中での活性を測定及び比較し、NEB3と比べてNEB4中で最も高い切断活性比を有するものを、スター活性の改善に関してさらに検査することができる。
【0056】
5.単一の残基に対する飽和突然変異導入
前節に記載されているように、第一の工程は、制限エンドヌクレアーゼ中の標的アミノ酸をAlaに変異させることである。結果が満足できるものでなければ、飽和突然変異導入が行われる。これは、好ましくは、2つの方法のうちの1つによって行われる。1つの方法は、意図されるコドンをNNN中に変化させることである。突然変異導入後に、正常な条件下及びスター活性を促進する条件下で、複数のコロニーをアッセイする。あるいは、標的とされるアミノ酸のそれぞれの突然変異導入のために、異なるコドンを選択することができる。Ala:GCT;Cys:TGC;Asp:GAC;Glu:GAA;His:CAC;Ile:ATC;Lys:AAA;Leu:CTG;Met:ATG;Asn:AAC;Pro:CCG;GIn:CAG;Arg:CGT;Ser:TCC;Thr:ACC;Val:GTT;Trp:TGG及びTyr:TAC。
【0057】
6.組み合わせ
単一の変異がスター活性を十分に低下させなければ、2以上の変異を制限エンドヌクレアーゼ遺伝子中に導入することができる。変異の組み合わせ及び飽和突然変異導入は、何れの順序でも実施することができる。
【0058】
7.変異体精製及び改善の評価
高精度変異体は、様々なクロマトグラフィーカラムの使用など、様々な方法で精製され得る。通常の品質評価に関しては、調製物由来のDNA及び非特異的ヌクレアーゼを除去するのに、1つのFPLCヘパリンカラムで十分である。イオン交換、疎水性、サイズ排除及びアフィニティーカラムを含む複数のカラムをさらなる精製のために使用することができる。
【0059】
精製された高精度制限エンドヌクレアーゼは、4つのNEB緩衝液中でFIに関して測定され、WT制限エンドヌクレアーゼのFIと比較される。最適な緩衝液中でのWTのFIに対する高精度制限エンドヌクレアーゼのFIの比率が、全体的な改善係数である。
【0060】
【表3】
*FIは、基質の消化を完了する最低の濃度に対する、スター活性を示さない最高濃度の比率である。
【0061】
**カッコ内の数字は、緩衝液の組内の緩衝液の何れかの中における同じ変異体制限エンドヌクレアーゼの最大切断活性と比較した、緩衝液の組内の指定された緩衝液中での変異体制限エンドヌクレアーゼの相対的切断活性に対する値である。
【0062】
【表4】
【0063】
上及び下に引用されている全ての参考文献並びに米国仮出願60/959,203号は、参照により組み込まれる。
【0064】
実施例
一文字コードによって、アミノ酸が表記されている場合には、これは、標準的な命名法であることが意図されている。コードに対する鍵は、例えば、NEBカタログ2007/2008の280ページ上に与えられている。
【0065】
クローニングのために及び基質として使用されるプラスミドは、以下のような配列を有する。
【0066】
pLaczz2(配列番号102)、pSyx20−lacIq(配列番号105)、pBC4(配列番号103)、pXba(配列番号104)及びpAGR3(配列番号106)。pACYCはGenBankXO6403中に、T7はGenBankNC001604中に、pUC18はGenBankL09136中に、及びpRRSは「Skoglund et al.Gene,88:1−5(1990)中に記載されている。pSX33は、EcoRI部位において、pLG339中にlacI遺伝子を挿入することによって構築した。pLG339は、「Stoker,et al.Gene 19,335−341(1982)」中に記載されている。
【0067】
本明細書中で使用されるNEB緩衝液として特定されている緩衝液は全て、New England Biolabs,Inc.(NEB),Ipswich,MAから入手することが可能である。
【実施例1】
【0068】
高精度BamHIの改変
1.BamHIメチラーゼ及びBamHIエンドヌクレアーゼを含有するプラスミドの抽出
形質転換受容性イー・コリ宿主細胞をpUC18−BamHIR及びpACYC184−BamHIMで形質転換し、標準的なminiprep技術を使用する標準的なQiagenMini−prep法(Qiagen,Valencia,CA)によって、BamHIRを抽出した。
【0069】
2.突然変異導入標的の選択
BamHI及び関連する制限エンドヌクレアーゼOkrAIをクローニングし、配列決定した。反応がNEB緩衝液(1、2及び4)中において、37℃で行われれば、OrkAIは著しいスター活性を有することが見出された。本分析は、スター活性に必要なアミノ酸残基がBamHIとOkrAIエンドヌクレアーゼの間で類似しているという仮定を調べた。
【0070】
BamHIの完全なタンパク質配列(配列番号19)は、以下のとおりである。
【0071】
【化1】
【0072】
OkrAIの完全なタンパク質配列(配列番号20)は、以下のとおりである。
【0073】
【化2】
【0074】
BamHI及びOkrAIエンドヌクレアーゼのタンパク質配列に対してGCGによって行われた「Bestfit」類似性分析は、以下の結果を示した(上のタンパク質配列はBamHIであり、下のタンパク質配列はOkrAIである。
【0075】
bamhir.pep×okrair.pep
【0076】
【化3】
【0077】
BamHI中の類似の帯電した残基(D、E、H、K、R)は、E28、K30、K52、K61、E77、K84、E86、K88、D94、K97、K106、E111、E113、H121、R122、K126、K146、D154、R155、E161、E163、E170、E182、K193、D196及びR201であることが明らかとなった。上記比較において、これらの残基には下線が付されている。公知の変異体E77K、D94N、E111K及びE113Kは不活性であることが以前に報告されていたので(Xu,Shuang−yong et al.J.Bacteriol.266:4425−4429(1991))、除外した。最初の突然変異導入選択は、アラニンへの変異のために、22の共有される帯電アミノ酸残基を標的とした。E28A、K30A、K52A、K61A、K84A、E86A、K88A、K97A、K106A、H121A、R122A、K126A、K146A、D154A、R155A、E161A、E163A、E170A、E182A、K193A、D196A及びR201A。
【0078】
3.BamHIの突然変異導入
選択された変異の点突然変異導入は、逆PCRによって行った。対応するコドンは全て、GCA(アラニン)に変化させた。突然変異導入のために、以下のプライマーを使用した。
【0079】
【化4】
【0080】
100μLの反応容量のPCR反応は、各PCRプライマー2μL、pUC18−bamhiR、400μMdNTP、DeepVentTMDNAポリメラーゼ4ユニット及びMgSO40、2又は6μLを含有する10×Thermopol緩衝液10μLを含有し、さらに水を加えた。
【0081】
PCR反応条件は、94℃5分間の後、94℃30秒間、55℃30秒間、72℃4分の25サイクル及び72℃で7分間の最終伸長時間であった。標準的なQiagenスピンカラム(Qiagen,Valencia,CA)上で、PCR産物を精製した。DpnIの20単位によって、PCR産物の6から16μLを1時間消化した。イー・コリ(pACYC−bamHIM)中に、消化された産物を形質転換した。
【0082】
6つのPCR反応後、改変された22変異から14が得られた。E28A、K30A、K61A、E86A、K97A、H121A、K126A、K146A、E161A、E163A、E170A、E182A及びR201A。一晩培養物中の細胞可溶化液から変異体タンパク質を抽出し、活性をWTBamHIと比較した。正常な酵素活性は5%グリセロールあり又はなしのNEB2緩衝液中でアッセイされたのに対して、スター活性は39.2%グリセロールありのNEB2中で測定されたが、まず、より低いパーセントのグリセロールを使用することができた。異なる反応に対して使用された基質は、pBR322、pUC19又はλDNAであった。切断反応は、37℃で、30分間又は1時間行った。変異体(K97A、H121A、K126A、E161A、E182A、R201A)は不活性である(WTBamHI活性の1%未満)のに対して、E28A、K146A、E163A、E170A変異体はWT酵素と類似の活性レベル(スター活性を含む。)を有していた。3つの変異体K30A、E86A及びK126Aは、WTBamHIと比較して、著しく低下したスター活性を有することが見出された。K30A及びE86AはWT酵素と類似の全体的な切断活性を有していたが、スター活性の著しい低下を示すことも明らかとなった。これに対して、K126AはWT酵素の全体的な切断活性の25%を有するに過ぎず、K30A及びE86Aに対して観察されたものほど著しいスター活性に対する改善を有していなかった。
【0083】
pUC18−bamHIRプラスミドに対する再チェックによって、正常な高コピープラスミドが低コピープラスミドへ変異したことが明らかとなった。高コピープラスミド中にbamHIR遺伝子を転移させるために、プライマーの対を設計した。
【0084】
【化5】
【0085】
テンプレートは、K30A、E86A又はK126Aに変異を有するpUC18−bamhIRWTであった。PCR組成物は、テンプレート5μL、各プライマー2μL、400μMdNTP、10×Thermopol緩衝液10μL、4単位のDeepVentTMポリメラーゼ2μL、MgSO40、2、6μLを加えたH2O72μLを含有した。PCR条件は、94℃5分間に続いて、94℃30秒、55℃30秒及び72℃40秒の25サイクル並びに7分の最終伸長期間であった。SphI及びKpnIでPCR産物を消化し、酵素消化の同じ対を用いて、pUC19へ連結させた。pACYC−bamHIMを含有する形質転換受容性イー・コリ中に、連結された産物を形質転換した。BamHIRK30AのpUC19バージョンを含有する26のコロニー及びE86Aを含有するそのうち12を同定し、増殖させた。これらの培養物からのBamHIの活性をチェックした。これらの全ては活性を有する。各変異の5つのコロニーから得られたプラスミドを抽出し、各変異の3つからBamHIRプラスミドを配列決定した。プラスミドpUC19−BamHI(K30A)及びpUC19−BamHI(E86A)の正体を確認した。
【0086】
pUC19−BamHI(K30A)ベクターを用いて、pUC18−BamHIR中で成功を収めなかった変異を繰り返した。PCR混合物は、テンプレート1μL及び各プライマー2μL、400μMdNTP、10×Thermopol緩衝液10μL、4単位のDeepVentTMポリメラーゼ2μL、100μMMgSO40、2、6μLを加えたH2O76μLを含有する増幅混合物を含有した。PCR条件は、94℃5分間に続いて、94℃30秒、55℃30秒及び72℃3分30秒の25サイクル並びに7分の最終伸長期間であった。PCR産物をDpnIによって消化し、pACYC−BamHIMで形質転換された形質転換受容性イー・コリへ形質転換した。pUC19基質に対して、酵素活性をチェックした。反応組成物は、細胞抽出液3μL、NEB2の3μL、50%グリセロール3μL、0.5μgpUC19の0.5μL、H2O20.5μLであった。反応は、37℃で1時間であった。K30A/R122A、K30A/R155A及びK30A/K193Aは、不活性であった。K30A/K52A及びK30A/K88Aは、K30A活性の約1/10であった。K30A/K106A、K30A/D154A及びK30A/D196Aの正常な活性は、K30ABamHIのものと同様であった。高濃度のグリセロール(39.2%)で、これら3つの変異体のスター活性をK30Aと比較することによって、K30A/D196AはK30Aと類似のスター活性を有し、K30A/D154AはK30Aより高いスター活性を有し、K30A/K106AはK30Aより低いスター活性を有することが示された。pUC19ベクター中のBamHIのK106A変異を単離する試みは、細胞毒性のために失敗した。
【0087】
逆PCRを用いて、K30、E86及びK106部位に対する変異を組み合わせた。K30A/E86A、E86A/K106A、K30A/K106A及びK30A/E86A/K106A。K30A/E86Aは、好ましい変異体であるように見受けられた。精製後、全てのNEB緩衝液中で、BamHI変異体に対して、FIは25%向上することが見出された。
【0088】
K30及びE86の部位に対して、さらなる突然変異導入を無作為に行った。
【0089】
K30に対して、
【0090】
【化6】
【0091】
E86に対して、
【0092】
【化7】
【0093】
PCR組成物は、テンプレート(pUC19−BamHIR(K30A)1μL又はpUC19−BamHIR(E86A)であり、上記のような増幅混合物を使用した。PCRは、94℃5分間に続いて、94℃30秒、55℃30秒及び72℃3分30秒の25サイクル並びに7分の最終伸長期間で行った。PCR産物をDpnIによって消化し、イー・コリ(pACYC−BamHIM)中に形質転換した。
【0094】
K30無作為変異に対して合計155のコロニーを選び出し、E86部位に対して158コロニーを選び出した。コロニーを一晩増殖させ、細胞抽出物にした。42.5%グリセロールを加えたNEB2緩衝液中の細胞抽出物1μLを用いて、37℃で1時間、pUC19の0.5μgを消化した。37℃で30分間、39.2%グリセロールを加えたNEB2緩衝液中のpUC19の0.5μgに対して、1、4、16倍希釈下で、明白に低下したスター活性を有する細胞抽出物を再度アッセイした。低下したスター活性を有することが観察された変異体に対して、対応するプラスミドを抽出し、変異を確認するために配列決定した。計3つのクローン(#12、#66及び#82)がK30変異を含有し、計33のクローン(#5、#15、#16、#19、#29、#47、#51、#55、#56、#58、#61、#69、#71、#73、#76、#82、#86、#88、#93、#94、#97、#98、#100、#104、#107、#113、#117、#118、#129、#132、#136、#139及び#151)を配列決定した。配列決定後、#12及び#66はK30G変異を含有し、#82はK30N変異を含有することが明らかとなった。驚くべきことに、コドン(CCA、CCT、CCC、CCG)が異なるだけで、33の変異の全てがE86Pである。これらのコドンのうち、イー・コリ中では、CCGが最も高い頻度で生じた(クローン#98、#136及び#139)。
【0095】
K30G、K30N及びK30Aに対応する細胞抽出物は、1、2、4、8、16及び32倍として系列希釈されたのに対して、E86P及びE86Aは、1、2、4、8、16、32、64、128及び256倍として系列希釈された。39.2%グリセロールを加えたNEB2中において、37℃で30分間、系列希釈された抽出物をpUC19の0.5μgと反応させた。極端な条件下で、E86Pは、他の変異体よりずっと優れているように見受けられた。最大32倍の消化まで、著しいスター活性のバンドは存在しなかった。E86PとK30変異体(K30G、K30N及びK30A)の差は非常に大きいので、E86P変異体中のこれらの変異の全てを組み合わせることはさらに必要でなかった。
【0096】
λDNA1μg基質(WTBamHI活性測定に対しても使用される。)に対して、BamHI(E86P)の活性を測定した。37℃で1時間、NEB1緩衝液中においてアッセイを行った。
【0097】
4.BamHI(E86P)及びWTBamHIの詳しい比較
A.異なるNEB緩衝液中でのBamHI(E86P)の活性
λDNA基質を用いて、37℃で1時間、NEB1、NEB2、NEB3、NEB4及びNEBBamHI緩衝液中で、精製されたBamHI(E86P)の活性を測定した。BamHI(E86P)は、NEB1緩衝液及びNEB2中で最も高い活性を有していたが、NEB3、NEB4及びBamHI緩衝液中で、50%、50%及び25%の活性レベルを有していた。
【0098】
B.pUC19に対するBamHI(E86P)及びWTBamHIの切断活性の比較
pUC19中には、1つのGGATCC部位(BamHI部位)及び6つのAGATCC部位(BamHIスター活性部位)が存在したので、BamHI(E86P)及びWTBamHIを比較するための好ましい基質として、pUC19を選択した。
【0099】
異なる緩衝液中において、NEB希釈緩衝液Aを用いた1、3、9、27、81、243、729、2181、6561及び19683倍の系列希釈中で、WTBamHI及びBamHI(E86P)によって、pUC19の0.5mgを消化した。WTBamHIは全てのNEB正常な緩衝液中でスター活性を示したのに対して、BamHI(E86P)はスター活性バンドを全く示さなかった(図2から5)。これによって、同族切断活性を保持しながら、BamHI(E86P)は大幅に低下したスター活性を有することが示された。
【0100】
C.λDNA基質に対するBamHI(E86P)及びWTBamHIの切断活性の比較
精度指数を計算するために、希釈緩衝液で制限酵素を希釈し、グリセロール濃度は常に5%に保った。ここで使用される標準的な反応条件では、λDNA基質濃度は1μgであり、合計反応容量は50μLであった。酵素容量を10%に保つために、5μLの容量で酵素を添加した。これは、30μLの合計容量で、制限酵素3μLによって消化された基質0.6μgに等しい。37℃で1時間、NEB1、NEB2、NEB3、NEB4及びNEBBamHI緩衝液中で、1から32768までの1:2系列希釈中において、WTBamHI及びBamHI(E86P)3μLによって、λDNA0.6mgを消化した。
【0101】
【表5】
【0102】
5.高精度変異体のためのBamHIのさらなる改善
1時間のレベルで、BamHI(E86P)は、優れた高精度BamHI変異体であるように見受けられた。しかしながら、反応時間を延長すると(例えば、一晩又は14時間)、E86Pのスター活性が1時間の時点で検出されなかった場合でさえ、スター活性バンドが出現した(図3)。改善された高精度BamHIの検索を継続した。
【0103】
6.他の帯電した残基及び極性残基の変異
配列番号19中の2、4、5、6、10、11、13、14、18、19、20、43、51、62、69、70、76、77、78、81、87、89、94、98、101、104、107、111、113、132、133、135、137、160、167、200、204、205、207、208、209、211、213の位置において、他の帯電した残基(Arg、Lys、His、Asp、Glu)をAlaへ変異させた。pUC19−BamHI(K30A)のテンプレートに対して、変異を行った。
【0104】
配列番号19中の9、17、26、32、36、41、42、44、46、50、65、66、71、72、75、96、103、114、118、119、123、150、151、153、157、165、169、184、186、195、199、202の位置において、他の極性残基(Ser、Thr及びTyr)をAlaに変異させたのに対して、Tyrは、Pheに変異させた。
【0105】
類似の変異及びスクリーニング法を使用することによって、以下の変異が低下したスター活性を有することが発見された。K30A/K87A、E86P/K87E、E86A/Y165F及びK30A/E167A。追加のDMSOの存在下で改善された特性を有する変異体として、E86P/K87Eが同定された。しかしながら、正常な反応緩衝液中でのこの変異体の活性は、WTBamHIのものよりずっと低かった。
【0106】
変異の以下の組み合わせを作製した。E86P/Y165F、E86P/E167A、E86P/Y165F/E167A、K30A/Y165F/E167A、K30G/Y165F/E167A、K30A/Y165F/E167A、E86A/Y165F/E167A。全ては、低い活性を有していた。
【0107】
この点まで、E167A及びY165FはBamHIスター活性に対して強い効果を有し、K87Aは中程度の効果を有し、並びにK30A及びE86Aは弱い効果を有することが見出された。E86Pは、1時間のレベルでスター活性を低下させるが、一晩では低下させない特殊な変異である。
【0108】
7.全ての他の残基へのE167及びY165の変異
Alaに関してはGCA、Cysに関してはTGC、Aspに関してはGAC、Pheに関してはTTC、Glyに関してはGGT、Hisに関してはCAC、Ileに関してはATC、Lysに関してはAAA、Leuに関してはCTGに、Metに関してはATG、Asnに関してはAAC、Proに関してはCCG、Glnに関してはCAGに、Argに関してはCGTに、Serに関してはTCC、Thrに関してはACC、Valに関してはGTT、Trpに関してはTGG及びTyrに関してはTACへコドンを変化させることによって、pUC19−BamHI中において、E167を他の全ての残基へ変異させた。
【0109】
全ての変異体の比較後、E167T変異は好ましかったのに対して、E167R、E167K、E167L及びE167I変異は、E167Aと比較された低下したスター活性の改善を示した。
【0110】
Alaに関してはGCT、Cysに関してはTGC、Aspに関してはGAC、Gluに関してはGAA、Glyに関してはGGT、Hisに関してはCAC、Ileに関してはATC、Lysに関してはAAA、Leuに関してはCTGに、Metに関してはATG、Asnに関してはAAC、Proに関してはCCG、Glnに関してはCAGに、Argに関してはCGTに、Serに関してはTCC、Thrに関してはACC、Valに関してはGTT、Trpに関してはTGGへ対応するコドンを変化させることによって、Y165も他の全てのアミノ酸残基へ変異させた。
【0111】
全ての変異体を比較した後、Y165Fの存在は著しい切断活性をもたらしたが、直前に列記されている他の変異は低い活性を示し、又は切断活性を示さなかった。
【0112】
8.BamHI(E167T)に対するさらなる変異
上記と同じ操作で、puc19−BamHI(E167T)のテンプレート上において、全ての帯電した残基及び極性残基をAlaに変異させた。
【0113】
好ましい変異としてE163A/E167Tが、BamHI−HFとして同定された。
【0114】
9.WTBamHIに対するBamHI−HFの比較
スター活性を低下させるために必要とされる他の変異に付加された場合に、P173Aと同様に、E163への変異の導入は、BamHI変異体の低下した熱安定性をもたらした。
【0115】
BamHI−HFは、BamHI(E86P)とは異なり、NEB1から4緩衝液中での一晩の反応において、著しいスター活性を有していなかった。図4は、NEB1及びNEB2中での結果を示している。従って、好ましい高精度BamHIとして、BamHI(E163A/E167T)を選択した。
【0116】
37℃で、希釈液Aを加え、λDNA基質に対して、4つのNEB緩衝液全ての中で、BamHI−HFの精度指数を測定し、WT酵素と比較した。
【0117】
【表6】
【0118】
BamHI−HFは、NEB1中で最高の活性を有し(精度指数は、>8,000である。)、WTBamHIは、NEB2及びNEB3中で最高の活性を有し、最高のFIは32である。全体的なFI改善係数(変異体及びWT酵素の各々に対して最良の緩衝液中でのFIの比率である。)は、>8,000/32=250倍である。
【0119】
10.BamHIのさらなる変異
E163A/E167T/P173Aは、スター活性の好ましい低下を有し、さらに、熱的に不安定であると予想された。
【0120】
(E86P/K87S/K88P/E163S/E170T/P173A)を検査した。この変異体は、比活性の10倍低下を示したが、宿主細胞からのタンパク質の増加した収率によって補われた。
【0121】
低下した熱的安定性、低下したスター活性及び許容可能な比活性を共有した他のBamHI変異体には、以下のものが含まれる。
【0122】
【化8】
【実施例2】
【0123】
高精度EcoRIの調製
1.EcoRIの発現
EcoRIに対するPCRは、以下のプライマーを使用した。
【0124】
【化9】
【0125】
次いで、制限エンドヌクレアーゼの第二の対(SphI及びAcc65I)でPCR産物を消化し、制限エンドヌクレアーゼの同じ第二の対で消化されたpUC19へ連結した。次いで、pACYC−MlucIMで予め改変された形質転換受容性イー・コリ(E.coli)中に、連結されたプラスミドを形質転換した。
【0126】
2.EcoRIの突然変異導入
EcoRIのアイソシゾマーであるRsrI(同じく、そのスター活性に関して知られている。)とのEcoRIの比較から得られた標的アミノ酸残基の最初の選択。
【0127】
EcoRI対RsrI
【0128】
【化10】
【0129】
既知の活性中心残基であるD91、E111及びK113を除き、42の帯電した残基は、2つのエンドヌクレアーゼ中において同一であり又は類似していた。帯電した残基は、以下のとおりであった。
【0130】
K4、R9、K15、K29、H31、D32、E37、E49、R56、R58、K63、E68、K71、D74、K89、E96、K98、K99、R105、H114、D118、K130、D133、D135、E144、R145、H147、K148、E152、E160、H162、E170、E177、R183、D185、R200、D202、R203、E253、R264、D269。
【0131】
これらの帯電した残基の全てをAla(コドンGCA、GCT、GCC又はGCG)へ変異し、変異された遺伝子を増幅し、以下のようにクローニングした。
【0132】
増幅混合物は、実施例1において使用したものと同じであり(各PCRプライマー2μL、400mMdNTP、DeepVentDNAポリメラーゼ4単位、さらなるMgSO40、2、6μLを加えた10×Thermopol緩衝液10μL及び総反応容積は100μLであった。)、pUC19−EcoRI1μLへ添加した。
【0133】
PCR反応条件は、94℃5分間の後、94℃30秒間、55℃30秒間、72℃3分30秒間の25サイクル、72℃で7分間の最終伸長時間であった。PCRの後、標準的なQiagenスピンカラム(Qiagen,Valencia,CA)によって、産物を精製した。DpnIの20単位によって、PCR産物16μLを1時間消化した。メチラーゼ保護された形質転換受容性のイー・コリ調製物中に消化された産物を形質転換した。
【0134】
3.EcoRI高精度変異体のスクリーニング
各変異に対して、それぞれ3つのコロニーを摘み出し、アンピシリン及びクロラムフェニコールを加えたLB中で一晩増殖させた。変異体がWTEcoRIと少なくとも同様の活性を有することを確認するために、pBR322及びλDNAに対して活性アッセイを行った。次いで、37℃で1時間反応させた、2倍系列希釈、50%グリセロール12μL、NEB1緩衝液3μL、pBR322の0.5μL及び水11.5μL中の細胞抽出物3μLを用いて、これらの変異体を検査した。しかしながら、何れの変異も、スター活性の成績を向上させなかった。
【0135】
この結果から、アイソシゾマーの間で、有効な変異が相同的残基として必ずしも認識され得ないと結論付けられた。
【0136】
4.残り32の帯電した残基に対する反復突然変異導入
アミノ酸残基5、12、14、26、40、43、44、59、62、65、72、76、100、103、117、123、131、192、221、225、226、227、228、242、244、245、247、249、257、268、272及び277を標的とすることによって、工程2に記載されているように、残り32の全ての帯電した残基をAlaへ変異した。
【0137】
上の数字は、EcoRIタンパク質配列(配列番号83)中のアミノ酸位置に対応する。
【0138】
5.反復選択
変異の異なる種類を含有する各試料から、4つのコロニーを摘み出し、CAMを加えたLB4mL中で増殖させた。音波処理後、NEB1緩衝液中の正常なグリセロール条件中でλDNA基質に対して、細胞抽出物を検査した。NEB2緩衝液3μL中の2倍系列希釈中の細胞抽出物3μLをpUC19の0.5μL及び反応混合物中に39.2%グリセロールの最終濃度を与えるための50%グリセロール23.5μLへ添加することによって、類似の活性を有する抽出物をpUC19基質に対して再度検査した。
【0139】
これらの変異体全てのうち、K62Aは、最も低いスター活性及び高いFIを有する変異であることが明らかとなった。R9A、K15A、R123A、K130A、R131A、R183A変異体は全て、スター活性の部分的低下を示した。興味深いことに、標的化された変異K5Aを含有する1つのクローンは部分的な改善を示した。さらに、配列決定後に、二次変異S2Yが発見された。これらの2つの変異の分離によって、この単離株に対する効果的な変異はS2Yであることが明らかとなった。D135A及びR187AEcoRIも、ずっと低いスター活性を有していた。しかしながら、これらの変異体の切断活性は最適でなかった。
【0140】
6.EcoRI(K62A)のWTEcoRIとの比較
4つの異なるNEB緩衝液中でλDNA0.6μgを消化することによって、NEB希釈緩衝液Cを用いた3倍系列希釈中で、並列比較を行った(図6)。EcoRI(K62A)は、WTEcoRIより大幅に低いスター活性を有していた。
【0141】
EcoRI(K62A)及びWTEcoRIに対して精度指数測定を測定することによって、より定量的な比較を行った。精度指数の測定のための条件は、基質としてのλDNA及び希釈緩衝液Cを用いる表2と同じであった。37℃で1時間、反応を温置し、0.8%アガロースゲル上で消化産物を分析した。
【0142】
【表7】
【0143】
7.EcoRIのさらなる変異
λDNA基質に対して、EcoRI(K62A)はスター活性を有することは明らかでなかったが、10時間の消化後に、Litmus28基質を用いて、スター活性が観察された。NEB4中のEcoRI(K62A)は、EcoRI緩衝液中のWTEcoRIと比較して、著しく低下したスター活性を有していた(図7)。
【0144】
さらなる改善を調べた。実施例1のように、Kを対応するコドンへ変化させることによって、EcoRI(K62)を全ての他のアミノ酸残基へ変異させた。K62S及びK62Lは、K62Aと類似していた。EcoRI(K62E)は、図6に示されているように、EcoRI(K62A)と比較すると、100倍以上の全体的精度指数改善係数を有していた。EcoRI(K62E)は、EcoRI−HFと名づけられた。
【0145】
8.EcoRI−HF及びWTEcoRIの比較
希釈液C中でのEcoRI−HF及びWTEcoRIに対するFI測定によって、定量的比較を行った。FI測定のための条件は、基質としてλDNAを用いる表2と同じであった。反応条件は37℃1時間であり、0.8%アガロースゲル上で結果を分析した(図8)。
【0146】
【表8】
【0147】
全体的精度指数改善倍数は、64倍であることが明らかとなった(NEB3中のWTEcoRIの250に対して、NEB4中でEcoRI−HFに対して16,000)。
【実施例3】
【0148】
高精度ScaIを改変する
1.ScaIの発現
ScaI制限エンドヌクレアーゼ及びメチラーゼに対する配列はREBASE及びGenBank中に記載されており、図44に示されている(配列番号97)。それぞれ、pRRS−ScaI及びpACYC184−ScaIMを作製するために、これらの酵素を発現する遺伝子をプラスミド中に挿入した。次いで、形質転換受容性イー・コリ宿主細胞中に、pACYC184−ScaIMを形質転換した。pRRSベクターはpUC19に由来し、多重クローニング部位の存在のみが異なる。発現株を作製するために、pRRS−ScaIRをイー・コリ(pACYC−ScaIM)中に形質転換した。播種及び細胞培養は、30℃で行った。
【0149】
2.ScaIの突然変異導入
ScaIは、配列決定された2つのアイソシゾマー:LIaDI及びNmeSIを有する。しかしながら、LIaDI又はNmeSIのスター活性に関する既知の情報は存在せず、これらの酵素の活性部位に関する情報も一切存在しない。従って、タンパク質中の位置4、8、11、12、14、18、25、27、30、37、39、40、43、46、51、57、61、68、72、74、80、86、97、103、108、112、114、119、120、121、127、128、129、133、135、139、140、141、147、152、156、158、159、161、162、171、172、175、179、182、184、187、172、175、192、193、195、200、222、227における標的化された変異のために、まず、58の帯電した残基全てを選択した。
【0150】
上の数字は、ScaIタンパク質配列(配列番号97)中のアミノ酸位置に対応する。
【0151】
プライマーの設計及びPCRの方法は、BamHIに関して実施例1中に、及びEcoRIに関して実施例2中に記載されている方法と類似している。突然変異導入は、徐冷温度及びDNAポリメラーゼを変動させることによって達成した。DpnIを用いて、PCR産物を消化し、形質転換受容性イー・コリ(pACYC184−ScaIM)中に形質転換した。
【0152】
3.ScaI高精度変異体の選択
ScaI変異体の各変異体から得た4つのコロニーを摘み出し、100μg/mLAmp及び33μg/mLCamを加えたLB4mL中において、30℃で一晩増殖させた。各細胞培養物を音波処理し、NEB2緩衝液中のλDNAに対して、活性を検査した。明らかに活性を有するものを、10、100及び1,000倍希釈で再検査した。ScaIは極めて著しいスター活性を有していたので、スター活性のバンドは、変異体対WT制限エンドヌクレアーゼに対して容易に比較された。NEB希釈緩衝液Aによる2倍系列希釈を用いて、低下したスター活性を有するものを再検査した。変異体の各々に対して、FIを測定した。NEB2緩衝液中のWTScaIに対して、FIは1/8であった。類似の活性レベルを有する4つの変異体は、WTScaIと比較して、大幅に低下したスター活性を有することが見出された。変異体#6−3ScaIは2倍高い活性を有し、FIは、WTScaIより4又は32倍優れていた。#26−2ScaIは2倍高い活性及びWTより8倍又は64倍優れたFIを有する。#28−2ScaIは2倍高い活性を有し、FIはWTより120又は1000倍優れており、#54−3はWTと同じ活性を有しており、FIはTWより250又は2000倍優れている。
【0153】
λDNA基質の消化に関して、36.7%グリセロールの存在下で、4つの変異体:#6−3、#26−2、#28−2及び#54−3ScaIをさらに検査した。#54−3は、他の3つの変異体より、低下したスター活性のより大きな改善を示した。
【0154】
プラスミドを抽出した後、#6−3を配列決定し、R18Aに変異を有することが明らかとなった。#26−2を配列決定し、R112Aに変異を有することが明らかとなった。#28−2を配列決定し、E119Aに変異を有することが明らかとなった。これらの変異は、予想された。しかしながら、#54−3は、二重変異体−H193A/S201Fを有することが明らかとなった。S201Fは、PCRの間に起こった自発的二次変異であり、H193A変異のプライマー領域の外側に位置していた。
【0155】
何れの残基がスター活性の低下に対して主に原因となるかを理解するために、以下のプライマーを用いて、単一変異(S201F)をScaI中に導入した。
【0156】
【化11】
【0157】
ScaI(H193A)、ScaI(S201F)及びScaI(H193A/S201F)に対する配列を確認した。5%及び37%のグリセロールレベルで、3つの変異体及びWTScaIを比較した(図9)。S201Fは、僅かに寄与したに過ぎないH193Aとは対照的に、FIへ著しく寄与した。しかしながら、これら2つの変異は、FIを改善する上で加算的であるように見受けられた。S201Fは5%グリセロール中でスター活性を示さなかったが、37%グリセロール中で幾らかのスター活性を示した。H193Aは5%グリセロール中の幾らかのスター活性を有し、37%グリセロール中で著しいスター活性を有していた。しかしながら、これら2つの変異の組み合わせでは、5%又は37%グリセロールの何れかにおいても、スター活性は検出しなかった。この発見は、水酸基を有するアミノ酸がスター活性のための主要な活性残基であり得ることを示すのみならず、変異の正しい組み合わせは、精度の向上を極めて高いレベルまで押し上げることができることも示している。帯電した残基の変異がスター活性を改善することができなければ、Ser、Thr及びTyrに対する変異は精度指数を首尾よく改善するし得ることがここで観察される。ScaI(H193A/S201F)をScaI−HFと表記した。
【0158】
4.ScaI−HF及びWTScaIの比較
4つの異なるNEB緩衝液中のλDNA1μg上に対して、異なるNEB緩衝液中のNEB希釈緩衝液Aによる2.5倍系列希釈で、ScaI−HF及びWTScaIを37℃で、1時間比較した(図10)。
【0159】
【表9】
【0160】
ScaI−HFは、NEB2及びNEB4緩衝液中で最高の成績を示し、これらの緩衝液中において最高のFIは250であった。WTScaIはNEB2緩衝液中で最高の成績を示し、この緩衝液中においてFIは1/8であった。全体的なFI改善係数は、250/(1/8)=4000であった。
【実施例4】
【0161】
高精度SalIの改変
1.SalIの発現
placzz1−SalIR及びpACYC−Hpy166IIMで形質転換されたイー・コリ中でSalIを発現させた(placzzIは、隣接するマルチコピー部位の中に挿入された制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を発現させるために、lacプロモーターを使用するpUC19プラスミドである。)。Hpy166IIMは、SalIの4つの塩基の外側を保護する。
【0162】
2.SalIの突然変異導入
前実施例中の類似のPCR法を用いて、SalI中の86の帯電した残基をAlaに変異した。5、6、8、9、12、13、19、27、31、34、35、37、42、43、45、50、60、63、65、67、73、82、83、84、90、93、97、100、101、103、107、109、111、114、116、119、126、129、131、134、140、143、145、147、148、156、157、164、168、172、173、174、180、181、186、190、191、193、210、218、226、232、235、237、238、244、246、250、256、257、258、259、260、261、264、266、271、275、297、300、304、305、306、308、309、311。
【0163】
上の数字は、SalIタンパク質配列(配列番号94)中のアミノ酸位置に対応する。
【0164】
Amp及びCamを加えたLB中で、変異体を30℃で一晩増殖させた。
【0165】
3.SalI−HFの選択
前実施例に記載されているように、SalI−HFの選択を行った。主要な差は、5%グリセロール又は高グリセロール濃度の何れかの中で、未精製抽出物中において、SalIのスター活性を容易にアッセイできないということであった。グリセロールは、SalIのスター活性を促進したのみならず、同族活性も大幅に阻害した。
【0166】
HindIIIによって消化されたλDNAに対して、5%グリセロール及び37%グリセロール中の両方で、活性を有する変異体のアッセイを行った。4つのNEB緩衝液全ての中で、切断活性に関して、変異体#22、#26、#29、#31、#43及び#51を検査した。異なる条件及び基質中での比較を数巡行った後、高い切断高活性を保持するが、大幅に低下したスター活性を示す#31、SalI(R107A)が好ましい変異体であることが明らかとなった。SalI(R107A)をSalI−HFと表記した。
【0167】
4.SalI−HF及びWTSalIの比較
SalI−HF及びWTSalIのFIを測定した(図11)。結果は、表10として示されている(下記)。
【0168】
【表10】
【0169】
Sal−HFは、NEB2及びNEB4緩衝液中で最高の成績を示し(何れも、FIは、>2000)、WTSalIは、NEB3緩衝液中で最高の成績を示した(FIは、4であった。)。全体的なFI改善係数は、>2000/4=>500であった。
【実施例5】
【0170】
高精度SphIの改変
1.SphIの発現
イー・コリ(placzz1−SphIR、pACYC184−CviAIIM)中で、SphIを発現させた。CviAIIMは、SphIの内部の4塩基を保護する。Amp及びCamを加えたLB中で、形質転換された細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0171】
2.SphIの突然変異導入
実施例1から実施例4に記載されている方法を用いて、SphI中の全ての帯電した残基をAlaに変異した。計71の変異を行った。3、5、12、18、21、24、25、30、31、35、43、46、51、54、57、58、60、61、72、75、77、78、87、90、91、95、100、104、107、108、110、113、120、123、124、125、129、130、131、139、140、142、146、147、155、157、159、164、170、172、173、175、178、184、186、190、194、196、197、198、206、207、209、212、215、221、227、230、231、232、235。
【0172】
上の数字は、SphIタンパク質配列(配列番号98)中のアミノ酸位置に対応する。
【0173】
3.SphI−HFの選択
各変異の4つのコロニーを、37℃で一晩、Amp及びCamを加えたLB中で増殖させた。活性選択は、NEB2中の5%グリセロール及び30%グリセロール中で、主にpBR322に対して行った。前記実施例の経験を用いて、高精度SphIの選択は簡潔であった。SphI変異体D91A、K100A、D139A及びD164Aが、SphI中のスター活性を著しく低下させることが見出された。
【0174】
これらのうち、K100Aが、最も少ないスター活性を有する好ましい変異であった。SphI(K100A)は、SphI−HFと命名された。
【0175】
4.SphI−HF及びWTSphIの比較
SphI−HF及びWTSphIの比較を、それぞれの好ましい緩衝液中において、並列的に行った。NEB希釈緩衝液Aを用いてSphI−HFを2倍系列希釈し、NEB4中で反応させ、WTSphIはNEB希釈緩衝液Bで2倍系列希釈された。λDNA上での消化が、図12中で比較されている。
【0176】
【表11】
【0177】
SphI−HFはNEB4中で最も成績がよく、NEB4中において、FIは、2000以上である。WTSphIはNEB1又はNEB2中で最も成績がよく、これらの中で、好ましいFIは64である。全体的なFI改善係数は、32以上であった。
【実施例6】
【0178】
高精度PstIの改変
1.PstIの発現
PstIは、イー・コリ(pACYC−HpyCH4VM、pPR594−PstIR)から発現させた。HpyCH4VMは、PstIの内部の4塩基を保護する。pPR594は、Amp耐性及びptacプロモーターを有する発現ベクターである。Amp及びCamを加えたLB中において、30℃で細胞を増殖させ、次いで、IPTGによって、培養を一晩誘導した。
【0179】
2.PstIの突然変異導入
前実施例中に記載されている方法を用いて、92の帯電した残基をAlaに変異させた。これらは、8、10、11、14、25、26、38、40、41、44、45、47、58、61、63、66、67、69、73、74、77、78、82、85、88、91、92、94、95、99、104、105、116、119、127、128、136、142、145、146、150、151、152、156、159、169、170、174、176、179、180、184、188、191、197、202、204、207、212、214、217、218、226、227、228、231、236、237、238、239、240、246、251、257、258、261、263、273、282、284、286、287、295、297、302、305、306、309、313、314、319及び320であった。
【0180】
上の数字は、PstIタンパク質配列(配列番号91)中のアミノ酸位置に対応する。
【0181】
DpnIでPCR産物を消化した後、形質転換受容性イー・コリ(pACYC−HpyCH4VM)中に試料を形質転換し、Amp及びCamを加えたLBプレート上で増殖させた。
【0182】
3.PstI−HFの選択
PstI−HFの選択は、先述の試料と類似していた。正常な活性の酵素活性は、5%グリセロールを用いて、λDNAに対して検査し、スター活性は、NB4緩衝液及び20%DMSOの条件で、pBR322基質に対して検査した。DMSOは、同じ濃度のグリセロールより著しくスター活性を増強した。選択の間に、#26、#56及び#65は、WTと比べて、低下したスター活性を有した。それぞれを配列決定すると、変異は、D91A、E204G及びK228A/A289Vであることが明らかとなった。変異体#26PstI(D91A)をPstI−HFと表記した。
【0183】
4.PstI−HF及びWTPstIの比較
PstI−HF及びWTPstIのFIは、NEB1から4緩衝液中で、λDNA基質に対して別個に測定した。希釈緩衝液は、NEB希釈緩衝液Cである。比較は図13に示されており、結果は表12に列記されている(以下)。
【0184】
【表12】
【0185】
好ましいFIが>2000であるNEB2及びNEB4中において、PstI−HFは最高の成績であり、WTPstIはFIが120であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>2000/120=16倍であった。
【実施例7】
【0186】
高精度NcoIの改変
1.NcoIの発現
NcoIの発現は、イー・コリ(pSYX20−NcoIM,pRRS−NcoIR)中で行った。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、pSYX20はpRRSベクターを有する適合的な低コピー数プラスミドである。Amp及びカナマイシン(Kan)を加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0187】
2.NcoIの突然変異導入
NcoI中の66の帯電した残基の全てをAlaに変異した。これらの残基は、7、8、19、22、27、30、31、32、33、37、39、42、46、55、56、61、62、64、68、69、75、84、88、89、92、93、95、97、100、116、136、144、146、162、166、170、178、183、185、187、188、189、196、199、202、204、209、211、212、213、216、219、227、229、237、241、244、250、251、257、259、261、268、279、282、285。
【0188】
上の数字は、NcoIタンパク質配列(配列番号88)中のアミノ酸位置に対応する。
【0189】
前記方法は、逆PCR後のDpnI消化を用いて、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pSYX20−NcoIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0190】
3.NcoI−HFの選択
NcoI−HFの選択は、PstI−HFの選択と同様であった。活性は、5%グリセロールとともに、基質としてλDNAを用いて、上述のようにアッセイした。スター活性は、19%DMSO中のpBR322又はλを用いて測定した。以下の変異が、スター活性を改善させることが見出された。A2T/R31A、D56A、H143A、E166A、R212A及びD268A。これらの変異体のうち、NcoI(A2T/R31A)をNcoI−HFとして選択した。
【0191】
4.NcoI−HF及びWTNcoIの比較
NcoI−HF及びWTNcoIのFIは、NEB1から4緩衝液中で、λDNA基質に対して別個に測定した。比較は図14に示されており、結果は表13に列記されている(以下)。
【0192】
【表13】
【0193】
NcoI−HFは、NEB4中で最も大きなスター活性の低下を示し、NEB4中において、好ましいFIは>16000であり、WTNcoIは、NEB1、NEB2及びNEB4中で最も優れた成績を示し、これらの中において、好ましいFIは120であった。全体的なFI改善係数は、>16000/120=125であった。
【実施例8】
【0194】
高精度NheIの改変
1.NheIの発現
pACYC−NheI及びplaczz1−NheIRで形質転換されたイー・コリ中でNheIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0195】
2.NheIの突然変異導入
NheI中の92の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaに変異した。5、6、7、14、17、19、22、25、28、31、38、39、42、47、49、52、56、58、59、60、64、74、75、76、77、80、91、93、104、105、110、112、116、117、123、126、130、131、133、135、137、147、149、152、159、160、165、167、170、171、174、179、183、195、202、205、207、209、210、211、214、216、218、221、225、231、241、243、244、250、252、256、257、259、264、266、267、281、285、287、288、289、291、297、300、307、313、315、318、321、324、325。
【0196】
上の数字は、NheIタンパク質配列(配列番号89)中のアミノ酸位置に対応する。
【0197】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−NheIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0198】
3.NheI−HFの選択
前実施例に従って、NheI−HFの選択を行った。標準及びスター活性アッセイは、それぞれ、NEB4緩衝液及び5%グリセロール及び39%グリセロール中に、基質としてpBR322を含有した。1つの変異のみが、NheIを改善する上で有意であることが明らかとなった。これは、E77Aであった。NheI(E77A)をNheI−HFとして選択した。
【0199】
4.NheI−HF及びWTNheIの比較
NEB1から4緩衝液のそれぞれの中で、pXba(アデノウイルスから得たXbaI消化された片を含有するプラスミド基質)に対して、NheI−HF及びWTNheIのFIを別々に測定した。比較は図15に示されており、結果は表14に列記されている(以下)。
【0200】
【表14】
【0201】
NheI−HFは、そのFIが>128,000であるNEB1緩衝液中で最適な活性を示した。WTNheIは、その最高のFIが32であるNEB1及びNEB4緩衝液中において、最大の活性を有しており、従って、全体的なFI改善係数は、>128,000/32=>4000である。
【実施例9】
【0202】
高精度SspIの改変
1.SspIの発現
pACYC−SspIM及びplaczz1SspIRで形質転換されたイー・コリからSspIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0203】
2.SspIの突然変異導入
SspI中の81の帯電した残基全てをAlaに変異させた。これらは、3、8、12、13、18、19、20、35、40、42、44、47、52、60、62、65、68、69、72、74、76、77、78、79、83、85、88、89、90、96、100、108、109、118、119、127、128、129、131、132、137、144、153、154、155、156、158、165、168、170、172、177、178、179、181、185、186、187、191、194、195、197、202、204、215、222、229、237、240、246、250、256、257、259、260、264、265、267、268、269、274であった。
【0204】
上の数字は、SspIタンパク質配列(配列番号99)中のアミノ酸位置に対応する。
【0205】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−SspIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0206】
3.SspI高精度変異体の選択
それぞれ、NEB4緩衝液及び5%グリセロール及び39%グリセロール中のΦX174基質を用いて、NheIの標準的な同族及びスター活性アッセイを行った。変異体#16(H65A)、#20(K74A)、#23(E78A)、#26(E85A)、#28(E89A)、#33(K109A)、#34(E118A)、#52(R177A)、#62(K197A)、#67(D229A)は全て、低下したスター活性を示した。K109Aは、最も大きなスター活性の低下を示した。スター活性のさらなる改善を探索することを決定した。
【0207】
4.さらなる変異
当初Tyrとして同定された全ての残基はPheへ変異されたのに対して、他の残基Cys、Phe、Met、Asn、Gln、Ser、Thr及びTrpはAlaへ変異された。このグループは、以下の位置に、95の残基の変異を含んだ。2、6、7、9、10、13、22、25、26、27、29、30、32、33、34、39、41、51、53、55、56、57、58、59、61、63、71、75、81、84、87、91、94、98、104、106、107、110、111、113、114、123、125、134、136、139、140、141、142、143、146、152、157、159、160、164、173、175、180、183、190、192、193、196、198、199、201、205、207、211、214、218、219、220、221、223、225、226、227、228、230、232、233、235、238、239、241、249、254、255、272、275、276、277、280。
【0208】
上の数字は、SspIタンパク質配列(配列番号113)中のアミノ酸位置に対応する。
【0209】
PCR及び選択は、上と同じ手順によって行った。これらの変異体のうち、Y98Fは最も低いスター活性を有しており、この点で、SspI(K109A)より優れていることが明らかとなった。SspI(Y98F)をSspI−HFと表記し、生産株として寄託した。
【0210】
5.SspI−HF及びWTsspIの比較
SspI−HF及びWTsspIのFIは、NEB1から4緩衝液中で、λDNA基質を用いて別個に測定した。希釈液は、NEBCであった。比較は図16に示されており、結果は表15に列記されている(以下)。
【0211】
【表15】
【0212】
SspI−HFは、好ましいFIが500であるNEB4中において最高の成績であり、WTSspIは、好ましいFIが64であるNEB1、NEB2及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、500/64=8であった。
【実施例10】
【0213】
高精度NotIの改変
1.NotIの発現
NotIは、NEB4緩衝液中で著しいスター活性を有し、NEB3緩衝液中ではより低いスター活性を有する。何れのNEB緩衝液中においてもスター活性を低下するように、NotIを改変した。pACYC184−EagIM及びplaczz2−NotIRで形質転換された形質転換受容性イー・コリ中で、NotIを発現させた。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0214】
2.NotIの突然変異導入
NotI中の97の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaに変異した。2、4、8、10、17、21、22、26、31、34、35、36、49、52、57、59、62、72、74、75、77、84、87、96、97、105、117、121、122、125、126、129、130、133、140、141、145、150、152、156、160、165、167、174、176、177、182、187、189、193、194、200、205、208、210、219、224、225、227、236、237、245、251、253、267、271、272、280、283、290、292、294、296、304、306、308、310、314、319、321、323、327、331、335、336、339、353、354、356、358、361、365、367、368、369、370、378、382。
【0215】
上の数字は、NotIタンパク質配列(配列番号90)中のアミノ酸位置に対応する。
【0216】
変異体を酵素中に導入するための前記方法は、逆PCR後のDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、pACYC−EagIMを含有するイー・コリ中に、処理された産物を形質転換した。
【0217】
3.NotI−HFの選択
前実施例に記載されているように、NotI−HFの選択を行った。標準的な同族及びスター活性アッセイは、それぞれ、NEB4緩衝液及び5%グリセロール及びNEBExoI緩衝液(67mMグリシン−KOH、pH9.5、6.7mMMgCl2、10mM2−メルカプトエタノール)及び37%グリセロール中で、pXba基質を使用した。#37(K150A)、#44(K176A)、#45(R177A)、#63(R253A)は全て、低下したスター活性を示した。K150Aは、スター活性を低下させるための好ましい変異であった。NotI(K150A)をNotI−HFとして選択した。
【0218】
4.NotI−HF及びWTNotIの比較
NotI−HF及びWTNotIのFIは、NEB1から4緩衝液中でpXba基質を用いて別個に測定した。比較は図17に示されており、結果は表16に列記されている(以下)。
【0219】
【表16】
【0220】
NotI−HFは、好ましいFIが>128000であるNEB2中において最高の成績であり、WTNheIは、好ましいFIが4000であるNEB3中において最高の成績であった。全体的な精度指数の改善係数は、>128000/4000=>32であった。NotIを改変することは、NotIのFIをさらに改善したのみならず、最適な緩衝液も変化させた。
【実施例11】
【0221】
高精度SacIの改変
1.SacIの発現
pLG−SacIM及びpRRS−SacIRで形質転換されたイー・コリ中でSacIを発現した。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、pLGは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びKanを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0222】
2.SacIの突然変異導入
SacI中の101の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaに変異した。6、7、11,15、16、19、24、25、29、30、39、40、42、45、58、61、62、63、65、67、70、71、72、74、75、76、81、85、94、98、104、105、114、116、120、123、127、129、133、134、141、143、144、145、146、150、151、154、169、170、172、181、187、196、197、200、201、211、216、220、221、224、227、228、232、238、240、246、248、250、258、270、271、277、281、288、289、295、296、297、299、303、306、313、314、321、322、324、332、336、337、340、342、344、345、347、349、350、353、357。
【0223】
上の数字は、SacIタンパク質配列(配列番号93)中のアミノ酸位置に対応する。
【0224】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pLG−SacIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0225】
3.SacI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、SacI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたpUC19を使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてpUC19に対して行った。#52SacI(Q117H/R154A/L284P)及び#60SacI(Q117H/R200A)は何れも、低下したスター活性を有し、SacIQ117H/R200Aは、好ましい変異であることが判明した。Q117Hは、テンプレートから持ち越された変異であり、SacIの活性に影響を及ぼさなかった。SacI(Q117H/R200A)をSacI−HFとして選択した。
【0226】
4.SacI−HF及びWTSacIの比較
SacI−HF及びWTSacIのFIは、NEB1から4緩衝液中でpXba基質に対して別個に測定した。比較は図18に示されており、結果は表17に列記されている(以下)。
【0227】
【表17】
【0228】
SacI−HFは、FIが4000であるNEB4中において最高の成績であり、WTSacIは、好ましいFIが120であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、4000/120=32であった。
【実施例12】
【0229】
高精度PvuIIの改変
1.PvuIIの発現
pACYC−PvuIIM及びplaczz2−PvuIIRで形質転換されたイー・コリ中でPvuIIを発現させた。placzz2は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0230】
2.PvuIIの突然変異導入
PvuII中の47の帯電した残基全てを、以下の残基としてAlaへ変異させた。3、5、8、11、15、18、21、25、26、30、34、38、54、55、58、61、66、68、70、75、78、83、84、85、93、95、105、110、114、116、118、119、121、125、126、128、129、130、134、136、137、138、143、147、151、152及び155。
【0231】
上の数字は、PvuIIタンパク質配列(配列番号92)中のアミノ酸位置に対応する。
【0232】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−PvuIIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0233】
3.PvuII高精度変異体の選択
PvuII−HFの選択は、前実施例と同様であった。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたλDNA基質を使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてpBR322に対して行った。何れの変異体も、高精度PvuIIとして認定されなかった。
【0234】
4.さらなる突然変異導入工程
さらなる突然変異導入工程は、PvuII中のSer、Thrの全てのAlaへの変異及びTyrのPheへの変異であった。変異された位置は、2、19、46、49、67、71、77、81、82、94、104、113、123、124、132、133、148、154及び157であった。
【0235】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−PvuIIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0236】
PvuII(T46A)は、WTPvuIIより低いスター活性を有するが、さらなる改善が望まれた。
【0237】
コドンを対応するアミノ酸へ変化させることによって、他の全てのアミノ酸残基へT46を変異させた。これらの変異の全てのうち、T46H、T46K、T46Y、T46Gは全てT46Aより優れていた。T46GをPvuII−HFとして選択する。
【0238】
5.PvuII−HF及びWTPvuIIの比較
NEB1から4緩衝液中の希釈液Aを用いて、pBR322に対して、PvuII−HF及びWTPvuIIのFIを別個に測定した。比較は図19に示されており、結果は表18に列記されている(以下)。
【0239】
【表18】
【0240】
PvuII−HFは、FIが500であるNEB4中において最高の成績であり、WTPvuIIは、好ましいFIが250であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、500/250=2であった。全体的なFI改善係数はPvuIIに関して高くないが、FIは、NEB4中で2,000倍向上した。
【実施例13】
【0241】
高精度MfeIの改変
1.MfeIの発現
pACYC−MluCIM及びpRRS−MfeIRで形質転換されたイー・コリ中でMfeIを発現させた。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。MluCIMは、MfeIの4つの内部核酸配列であるAATTをメチル化する。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0242】
2.MfeIの突然変異導入
MfeIの突然変異導入を3つのバッチで行った。第一のバッチは、以下のアミノ酸位置としてAlaへ変異された帯電された残基の全てである。3、5、9、19、24、36、39、44、45、47、48、50、60、61、64,65、72、83、87、90、92、93、98、100、101、103、107、109、110、115、119、120、121、124、132、135、142、143、144、153、155、158、159、161、162、164、165、171、172、175、181、184、187、188、192、195、196、198、199、200。第二のバッチは、水酸基を有する残基(Ser、Thr及びTyr)の全てであり、Ser及びThrはAlaへ変化され、TyrはPheへ変化される。残基は、4、7、21、28、38、40、43、53、74、75、76、81、89、91、112、122、127、134、136、157、167、170、173、177、185及び200である。第三のバッチは、Cys、Phe、Met、Asn、Gln、Trpの残基であり、全てAlaへ変化され、残基は、10、12、13、25、26、29、31、32、35、51、55、67、68、77、78、84、88、96、102、105、117、123、126、141、148、149、152、168、169、174、176、178、179、180、183、191、193、194である。
【0243】
上の数字は、MfeIタンパク質配列(配列番号5)中のアミノ酸位置に対応する。
【0244】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−MluCIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0245】
3.MfeI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、MfeI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにΦX174基質を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中でΦX174基質を用いて、スター活性を測定した。この酵素に対する著しい困難は、多くの変異が低下したスター活性を有する酵素の切断活性を改善したが、WT酵素より高いグリセロール濃度を必要としたということであった。MfeI(K50A)は、高濃度のグリセロール中で低下したスター活性及び高い切断活性を有する1つの例であるが、より低いグリセロール濃度では、活性は低かった。MfeI(Y173A)も、スター活性を低下させた。好ましい変異は、Q13A/F35Yであった。F35Yの変異はテンプレートから得られ、Q13Aは標的化された変異であった。MfeI(Q13A/F35Y)をMfeI−HFと表記した。
【0246】
4.MfeI−HF及びWTMfeIの比較
NEB1から4緩衝液中のNBE希釈液A中での希釈を用いて、λDNA基質に対して、MfeI−HF及びWTMfeIのFIを別個に測定した。比較は図20に示されており、結果は表19に列記されている(以下)。
【0247】
【表19】
【0248】
MfeI−HFは、好ましいFIが1000以上であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であり、WTMfeIは、好ましいFIが32であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>1000/32=32倍であった。
【実施例14】
【0249】
高精度HindIIIの改変
1.HindIIIの発現
HindIIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子の両方を含有するpUC19−HindIIIRMで形質転換されたイー・コリ中でHindIIIを発現させた。Ampを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0250】
2.HindIIIの突然変異導入
HindIII中の88の帯電した残基をAlaへ変異させた。これらは、2、3、7、8、14、20、22、34、37、39、42、45、52、55、61、62、66、69、74、84、87、89、94、100、101、109、111、114、117、120、123、124、126、128、132、134、135、136、137、138、153、158、162、163、171、172、180、182、183、190、197、198、201、202、207、209、214、215、218、222、225、227、228、229、237、238、243、244、245、249、250、251、254、255、261、265、266、267、270、274、275、281、283、286、290、293、296、297であった。
【0251】
以下の位置において、全ての残基Cys、Met、Asn、Gln、Ser、Thr、TrpをAlaへ変化させたのに対して、TyrはPheへ変化させた。4、11、15、17、18、19、21、23、26、27、30、31、36、38、46、57、58、59、60、63、64、76、77、80、82、83、88、91、99、102、103、104、112、113、116、118、121、122、125、131、133、139、143、146、147、148、149、151、152、154、155、157、159、160、164、168、169、170、178、184、185、187、188、189、191、193、194、195、199、200、203、204、206、210、211、212、213、216、217、219、220、221、224、230、232、233、236、240、241、246、252、253、256、258、262、263、264、277、278、279、280、284、287、288、294、295、299。
【0252】
上の数字は、HindIIIタンパク質配列(配列番号85)中のアミノ酸位置に対応する。
【0253】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ株ER3081中に、処理された産物を形質転換した。
【0254】
3.HindIII−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、HindIII−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたλDNAを使用し、スター活性は、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてλDNA基質を用いて測定した。HindIIIの2つの変異体が、低下したスター活性を有することが見出された。これらは、HindIII(K198A)及びS188P/E190Aであった。HindIII(K198A)を、HindIII−HFと表記した。
【0255】
4.HindIII−HF及びWTHindIIIの比較
希釈液Bを加えたNEB1から4緩衝液の各々の中で、λDNA基質を用いて、HindIII−HF及びWTHindIIIのFIを別個に測定した。比較は図21に示されており、結果は表20に列記されている(以下)。
【0256】
【表20】
【0257】
HindIII−HFは、好ましいFIが>64000であるNEB2中において最高の成績であり、WTHindIIIは、好ましいFIが250であるNEB2中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、4000/120=32であった。
【実施例15】
【0258】
高精度SbfIの改変
1.SbfIの発現
pUC19−SbfIRMで形質転換されたイー・コリ中で、SbfIを発現させた。Ampを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0259】
2.SbfIの突然変異導入
SbfI中の78の帯電した残基をAlaへ変異させた。これらは、5、8、15、18、23、27、30、34、46、49、50、53、58、63、66、70、71、74、81、82、83、85、86、87、90、94、103、115、120、121、127、132、135、136、143、144、147、150、152、154、164、169、170、183、184、187、188、192、196、204、206、208、213、214、215、218、219、226、228、230、233、237、238、239、241、248、251、253、257、258、259、260、262、266、282、284、285、288、293、297、299、304、305、307、311、316及び322であった。
【0260】
SbfI中のSer及びThrの残基も、Alaへ変異させた。Tyrは、Pheに変異させた。以下の位置を標的とした。3、4、5、10、13、16、31、35、38、54、55、56、68、76、78、80、88、109、111、116、119、129、131、137、146、162、174、197、198、201、205、210、224、252、263、270、272、286、298、315、321。
【0261】
Cys、Phe、Met、Asn、Gln、Trpの別の55残基も、2、24、26、29、32、51、62、65、67、72、84、91、92、95、97、101、104、106、110、112、114、117、124、134、140、157、160、171、178、179、185、189、193、212、217、225、231、243、245、247、256、265、268、277、279、280、281、283、287、289、290、296、301、313及び317の位置で、Alaへ変異させた。
【0262】
上の数字は、SbfIタンパク質配列(配列番号96)中のアミノ酸位置に対応する。
【0263】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。イー・コリ株ER2984中に変異された産物を形質転換した。
【0264】
3.SbfI−HFの選択
前実施例に記載されているように、SbfI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールとともにλDNA基質を使用し、スター活性のチェックは、エキソヌクレアーゼI緩衝液中のλDNAに対して行った。SbfI(K251A)をSbfI−HFと表記した。
【0265】
4.SbfI−HF及びWTSbfIの比較
SbfI−HF及びWTSbfIのFIは、希釈液Cを加えたNEB1から4緩衝液中で、λDNAに対して別個に測定した。比較は図22に示されており、結果は表21に列記されている(以下)。
【0266】
【表21】
【0267】
SbfI−HFは、好ましいFIが1000であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であり、WTSbfIは、好ましいFIが8であるNEB1中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、1000/8=125であった。
【実施例16】
【0268】
高精度EaqIの改変
1.EagIの発現
pBR322−EagIIRMで形質転換されたイー・コリ中で、EagIを発現させた。20μg/mLテトラサイクリンを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0269】
2.EagIの突然変異導入
Asp、Glu、His、Lys、Arg、Ser、Thr、Asn及びGln残基は、Alaに変異した。Tyrは、Pheに変異した。これらは、以下の残基であった。2、3、4、5、6、9、13、14、17、19、21、23、27、35、36、37、40、42、43、44、45、46、49、51、53、55、56、58、60、66、67、69、71、72、73、74、75、77、78、80、82、86、87、92、93、94、95、98、99、100、102、103、104、105、112、113、114、116、117、119、122、125、127、132、134、135、137、139、140、141、145、147、148、150、152、154、155、156、157、160、162、163、164、166、169、172、173、176、177、178、179、182、185、187、188、189、193、196、197、201、202、203、204、205、206、208、209、212、217、220、221、222、224、225、230、235、236、237、238、239、240、241、243、245、246、247、248、251、255、257、258、259、260、263、264、265、266、270、272、273、275、276、277、279、280、283、286、288、289、291、295、296。
【0270】
上の数字は、EagIタンパク質配列(配列番号82)中のアミノ酸位置に対応する。
【0271】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ株ER3081中に処理された産物を形質転換し、テトラサイクリンを加えたLB寒天プレート上で増殖させた。
【0272】
3.EagI−HFの選択
EagI−HFの選択は、グリセロールの高濃度、DMSOの高濃度又は高いpHを使用する、前実施例とは異なる方法を用いて行った。発現が低すぎて、未精製抽出物中でスター活性を示すことができなかったので、スター活性をチェックするために変異体の各々を精製することは極めて退屈である。前実施例から、HFエンドヌクレアーゼはNEB3と比べてNEB4中で増加した切断活性を有する傾向があると推定された。従って、未精製抽出物中のEagIの活性は、NEB3及びNEB4の両方の中で測定した。NEB4/NEB3の最も高い比を有するものを選択した。EagI(H43A)をEagI−HFと表記した。
【0273】
4.EagI−HF及びWTEagIの比較
EagI−HF及びWTEagIのFIは、NEB1から4緩衝液の各々の中でpXba基質に対して別個に測定した。比較は図23に示されており、結果は表22に列記されている(以下)。
【0274】
【表22】
【0275】
好ましいFIが500であるNEB2及びNEB4中において、EagI−HFは最高の成績であり、WTEagIは好ましいFIが250であるNEB3及びNEB4中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、500/250=2であった。
【実施例17】
【0276】
高精度EcoRVの改変
1.EcoRVの発現
pACYC−EcoRVM及びplaczz1−EcoRVで形質転換されたイー・コリ株中でEcoRVを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0277】
2.EcoRVの突然変異導入
Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr及びTrp残基をAlaに変化させた。Tyrは、Pheに変化させた。これらは、2、4、5、6、9、12、13、14、15、16、17、18、19、21、25、27、29、31、35、36、37、38、41、42、44、45、47、48、49、53、54、57、58、59、61、64、65、67、68、69、70、71、72、74、75、76、78、79、81、82、84、85、86、90、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、104、105、106、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、131、132、136、138、139、140、143、144、145、146、147、149、150、151、152、154、155、157、158、161、163、164、167、169、171、172、173、174、179、183、185、186、187、188、191、193、195、196、197、198、199、201、203、206、207、208、209、210、211、212、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、226、227、228、229、230、231、232、234、235、236、237、238、239、241、242、244及び245であった。
【0278】
上の数字は、EcoRVタンパク質配列(配列番号84)中のアミノ酸位置に対応する。
【0279】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−EcoRVM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0280】
3.EcoRV−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、EcoRV−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたpXba使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたエキソヌクレアーゼI緩衝液中においてpXbaに対して行った。EcoRV(D19A/E27A)は、WTEcoRVと比較して、低下したスター活性を有することが明らかとなった。この変異体は、EcoRV−HFと表記した。この変異体に関して、E27Aは標的化された変異であり、D19Aは自発的変異であった。二重変異体は、D19A及びE27A単変異体より大きなスター活性の低下を有していた。
【0281】
4.EcoRV−HF及びWTEcoRVの比較
EcoRV−HF及びWTEcoRVのFIは、NEB1から4緩衝液の各々の中でpXba基質に対して別個に測定した。比較は図24に示されており、結果は表23に列記されている(以下)。
【0282】
【表23】
【0283】
好ましいFIが>64000であるNEB2及びNEB4中において、EcoRV−HFは最高の成績であり、WTEcoRVは好ましいFIが1000であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>64000/1000=64であった。
【実施例18】
【0284】
高精度AyrIIの改変
1.AvrIIの発現
pUC19−AvrIIRMで形質転換されたイー・コリ中で、AvrIIを発現させた。Ampを加えたLB中で、細胞を30℃で一晩増殖させた。
【0285】
2.AvrIIの突然変異導入
Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr及びTrp残基をAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、2、3、4、6、8、9、10、12、15、17、19、20、22、23、27、29、30、31、32、34、36、40、41、42、43、44、46、47、48、50、51、53、55、56、57、58、59、60、65、68、70、72、74、75、76、77、79、80、82、83、84、86、87、88、94、95、96、97、100、104、105、106、107、108、110、112、113、116、117、119、120、121、122、123、124、126、127、129、130、131、132、134、136、139、142、143、144、145、150、151、152、153、154、156、157、158、161、163、164、165、166、168、169、173、174、177、178、181、182、184、186、187、188、189、190、191、192、195、198、200、202、206、207、211、215、216、220、223、224、226、229、230、231、232、233、234、235、236、237、239、243、244、245、246、248、249、253、255、256、260、262、264、265、266、267、268、269、270、272、274、276、277、278、279、280、281、284、285、286、288、289、290、291、299、302、303、304、305、306、308、310、312、314、315、316、318、321、322、324、325、328、331、333、335、337、338、339、340、342、343、346、347、348、350、351、353、354、355、356、358であった。
【0286】
上の数字は、AvrIIタンパク質配列(配列番号80)中のアミノ酸位置に対応する。
【0287】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ発現株ER2984中に、処理された産物を形質転換した。
【0288】
3.AvrII−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、AvrII−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにpBC4を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたExoI緩衝液中でpBC4を用いて、スター活性を測定した。変異体#16(M29A)、#57(E96A)、#60(Y104F)、#62(K106A)、#154(S127A)、#170(F142A)は全て、改善を示した。AvrII(Y104F)をAvrII−HFと表記した。
【0289】
4.AvrII−HF及びWTAvrIIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Bを用いて、T7DNA基質に対して、AvrII−HF及びWTAvrIIのFIを別個に測定した。比較は図25に示されており、結果は表24に列記されている(以下)。
【0290】
【表24】
【0291】
AvrII−HFは、好ましいFIが1000であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であり、WTAvrIIは、好ましいFIが64であるNEB1及びNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、1000/64=16であった。
【実施例19】
【0292】
高精度BstXIの改変
1.BstXIの発現
pACYCBstXIMS及びpUC19−BstXIRで形質転換されたイー・コリ中で、BstXIを発現させた。pACYCは、低コピー数適合的プラスミドである。メチラーゼ機能を有するために、BstXIは、メチラーゼ遺伝子と特異性遺伝子の両方を有さなければならない。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0293】
2.BstXIの突然変異導入
BstXI中に、237のアミノ酸変異を以下のように施した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変化させた。Tyrは、Pheに変異した。これらは、4、6、7、9、11、12、14、15、17、18、20、21、22、23、24、26、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、42、43、46、48、50、53、54、57、58、59、60、62、63、64、65、66、71、72、73、75、76、78、80、81、82、83、84、86、89、91、93、94、95、96、97、98、103、105、106、108、110、111、112、114、117、118、120、123、124、125、126、127、128、129、130、131、137、138、139、141、142、144、145、146、148、151、152、153、154、155、156、159、162、163、166、168、169、171、172、173、174、175、176、177、178、182、185、188、189、191、193、194、195、196、198、199、201、204、208、209、210、211、212、214、215、216、217、218、219、220、221、223、228、229、230、233、235、236、238、239、240、244、245、248、249、250、253、254、255、258、259、260、261、263、264、265、267、268、269、272、276、277、278、279、280、282、285、286、287、288、289、291、293、294、295、300、301、302、304、305、306、308、309、312、314、317、318、319、320、323、324、325、326、330、331、333、334、335、337、343、344、345、346、347、349、353、355、356、357、358、359、360、362、363、364、365、367、369、371、373、374、376、377、378、379、380、381、382及び383であった。
【0294】
上の数字は、BstXIタンパク質配列(配列番号7)中のアミノ酸位置に対応する。
【0295】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−BstXIMS)中に、処理された産物を形質転換した。
【0296】
3.BstXI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、BstXI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにpBC4を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中でpBC4DNA基質を用いて、スター活性を測定した。変異体#36(Y57F)、#44(N65A)、#48(E75A)、#49(N76A),及び#124(K199A)は全て、低下したスター活性を有していた。BstXI(N65A)をBstXI−HFと表記した。
【0297】
4.BstXI−HF及びWTBstXIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、λDNA基質に対して、BstXI−HF及びWTBstXIのFIを別個に測定した。比較は図26に示されており、結果は表25に列記されている(以下)。
【0298】
【表25】
【0299】
好ましいFIが>250であるNEB2及びNEB4中において、BstXI−HFは最高の成績であり、WTBstXIは好ましいFIが32であるNEB2、NEB3及びNEB4中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>250/32=8であった。
【実施例20】
【0300】
高精度PciIの改変
1.PciIの発現
pACYC−PciI及びplaczz1−PciIRで形質転換されたイー・コリ中でPciIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0301】
2.PciIの突然変異導入
PciI中の151アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、2、3、4、6、8、9、10、11、12、14、17、18、19、21、24、25、26、28、29、30、31、33、34、35、36、38、39、41、44、46、47、49、50、51、54、55、56、58、59、60、63、67、68、69、71、74、75、78、80、81、82、85、86、91、92、95、97、98、101、103、104、107、109、113、114、115、118、119、120、121、122、124、126、127、129、130、131、132、133、135、136、137、138、143、145、146、147、148、149、151、152、153、154、155、157、158、159、161、164、165、167、172、175、178、179、180、182、184、185、186、190、192、193、196、197、198、199、200、202、203、206、207、209、210、215、218、221、222、228、229、230、231、232、233、234、235、237、238、239、241、242、243、244、246、247、248、253、254、255、256。
【0302】
上の数字は、PciIタンパク質配列(配列番号15)中のアミノ酸位置に対応する。
【0303】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−PciIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0304】
3.PciI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、PciI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにSalI切断されたpBR322を用いて、切断活性を測定し、39%グリセロールを加えたExoI緩衝液中でSalI切断されたpBR322を用いて、スター活性を測定した。二重変異体PciI(E78A/S133A)は、低下したスター活性及び強力な切断活性を有していた。この変異体は、上記標的化された変異の1つではなく、偶然のランダムな現象であった。
【0305】
4.PciI−HF及びWTPciIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、pXab基質に対して、PciI−HF及びWTPciIのFIを別個に測定した。比較は図27に示されており、結果は表26に列記されている(以下)。
【0306】
【表26】
【0307】
好ましいFIが>2000であるNEB2、NEB3及びNEB4中において、PciI−HFは最高の成績であり、WTPciIは好ましいFIが120であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>2000/120=16であった。
【実施例21】
【0308】
高精度HpaIの改変
1.HpaIの発現
pACYC−MseIM及びplaczzl−HpaIRで形質転換されたイー・コリ中でHpaIを発現させた。placzz1は、pUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。Amp及びCamを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0309】
2.HpaIの突然変異導入
HpaI中の156アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser及びThrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、7、8、9、13、14、16、17、19、20、21、22、23、26、27、29、30、33、34、35、36、37、38、40、41、42、46、47、48、50、51、56、57、59、60、65、67、69、71、72、74、75、78、79、80、81、82、83、84、85、86、89、91、93、94、95、99、100、104、105、106、108、109、110、113、115、117、119、121、122、123、124、127、128、130、131、133、135、136、137、138、139、141、142、146、147、149、150、152、156、158、159、160、162、164、165、166、167、168、169、170、172、173、176、177、180、181、182、184、185、187、188、190、191、192、193、195、196、197、202、204、206、208、209、211、212、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、228、230、231、233、234、235、236、237、238、240、241、242、243、244、245、247、248、249。
【0310】
上の数字は、HpaIタンパク質配列(配列番号86)中のアミノ酸位置に対応する。
【0311】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−MseIM)中に、処理された産物を形質転換した。
【0312】
3.HpaI−HFの選択
前実施例と異なる方法を用いて、HpaII−HFの選択を行った。NEB2緩衝液中のλDNA基質を用いて、切断活性及びスター活性を測定した。このHpaIは、NEB4よりNEB2中でずっと高いスター活性を有し、5%グリセロール中で明確に観察することができた。
【0313】
HpaI(Y29F)及びHpaI(E56A)は何れも、低下したスター活性を有する好ましい変異であった。HpaI(E56A)をHpaI−HFと表記した。
【0314】
4.HpaI−HF及びWTHpaIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、λDNA基質に対して、HpaI−HF及びWTHpaIのFIを別個に測定した。比較は図28に示されており、結果は表27に列記されている(以下)。
【0315】
【表27】
【0316】
HpaI−HFは、好ましいFIが>2000であるNEB2中において最高の成績であり、WTPciIは、好ましいFIが16であるNEB4中において最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>2000/16=120であった。
【実施例22】
【0317】
高精度AgeIの改変
1.AgeIの発現
pRRS−AgeIRM及びpsyx20−lacIqで形質転換されたイー・コリ中でAgeIを発現した。pRRSは、pUC19由来のプラスミドであり、psyx20−lacIqは、lacIqプロモーター下で発現されるlacIを有する低コピー数の適合的プラスミドである。200Klett単位になるように、Amp及びKanを加えたLB中において、37℃で細胞を増殖し、次いで、0.5mMIPTGとともに、一晩25℃で誘導された。AgeIの発現は不安定であるため、これを達成することが極めて困難であった。
【0318】
2.AgeIの突然変異導入
AgeI中の149アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser及びThrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、2、4、6、7、9、14、16、18、19、21、22、23、24、25、26、27、29、30、31、32、37、38、40、42、43、44、45、49、51、53、55、56、58、60、62、64、65、67、68、69、72、73、75、77、78、79、82、83、85、86、87、88、90、91、92、94、96、97、102、103、104、105、110、111、114、116、119、120、122、123、128、129、130、134、135、138、139、140、142、144、146、147、148、152、153、155、157、159、166、168、170、173、174、176、177、178、182、183、185、186、188、192、195、198、200、201、206、211、212、214、217、219、220、222、223、224、225、226、227、229、231、233、234、235、237、238、239、240、241、243、245、247、248、250、251、253、255、256、258、260、262、265、266、267、268、269、271、272であった。
【0319】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(psyx20−lacIq)中に、処理された産物を形質転換した。
【0320】
上の数字は、AgeIタンパク質配列(配列番号79)中のアミノ酸位置に対応する。
【0321】
3.AgeI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、AgeI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたpXbaを使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてpXbaに対して行った。発現系の困難のために、意味のある変異体が得られる前に、この選択を8回繰り返した。2つの変異体S201A及びR139Aは低下したスター活性を有し、R139AをAgeI−HFと表記した。
【0322】
4.AgeI−HF及びWTAgeIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、pXba基質に対して、AgeI−HF及びWTAgeIのFIを別個に測定した。比較は図29に示されており、結果は表28に列記されている(以下)。
【0323】
【表28】
【0324】
好ましいFIが>500であるNEB1及びNEB4中において、AgeI−HFは最高の成績であり、WTAgeIは好ましいFIが16であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>500/16=32であった。
【実施例23】
【0325】
高精度BsmBIの改変
1.BsmBIの発現
pACYC−BsmAIM、ptaczz2−BsmBIR及びpsyx20−lacIqで形質転換されたイー・コリ中で、BsmBIを発現させた。ptaczz2は、誘導性ptacプロモーターを担持するpUC19由来のプラスミドであり、pACYCは、低コピー数の適合的プラスミドである。BsmAIM(GTCTC)は、BsmBI(CGTCTC)の特異性を包含する。psyx20−lacIqは、lacIの強い発現を有する低コピー数ベクターである。細胞を37℃で一晩増殖させ、次いで、Amp、Cam及びKanを加えたLB中で誘導した。
【0326】
2.BsmBIの突然変異導入
BsmBI中の358アミノ酸残基をCys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser及びThrで変異させた。TrpをAlaに変化させ、TyrをPheに変化させた。これらは、8、9、12、13、14、15、17、18、19、20、21、24、25、26、27、28、29、31、33、37、38、40、42、43、44、46、47、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、72、76、78、79、80、81、82、83、84、88、91、93、95、96、98、99、101、103、104、105、106、109、110、111、113、114、115、117、118、119、120、121、122、124、126、127、128、130、131、132、133、134、135、138、141、143、144、145、147、149、150、154、155、157、158、160、162、163、164、165、166、167、168、169、172、174、175、176、177、179、180、181、182、184、185、186、188、189、191、194、195、197、200、201、203、205、206、207、208、211、212、213、214、215、216、217、220、221、222、223、224、225、226、228、229、230、231、232、233、235、236、237、238、239、240、242、243、247、250、251、252、257、258、260、262、263、264、265、266、268、269、271、273、274、279、280、282、283、284、287、288、289、292、294、295、296、297、299、300、301、302、303、304、305、306、307、309、310、313、314、315、316、317、318、320、321、324、325、326、328、331、332、333、334、335、336、339、340、341、342、343、344、345、348、349、351、352、353、355、356、357、358、360、361、363、364、366、367、368、370、372、375、376、377、379、381、382、384、385、386、388、389、390、393、394、395、396、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、418、421、424、425、426、428、430、431、432、433、434、436、437、438、439、442、443、444、445、446、446、448、449、450、451、452、453、454、457、458、460、461、462、464、466、467、468、470、471、472、473、474、477、478、479、480、482、483、484、485、486、487、488、489、491、492、495、496、497、498、499、500、502、503、504、505、506、507、510、511、515、516、517、518、519、522、523。
【0327】
上の数字は、BsmBIタンパク質配列(配列番号81)中のアミノ酸位置に対応する。
【0328】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−BsmAIM、psyx20−lacIq)中に、処理された産物を形質転換した。
【0329】
3.BsmBII−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、BsmBI−HFの選択を行った。NEB4中の5%グリセロールとともにλDNAを用いて、切断を測定し、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中でLitmus28iを用いて、スター活性を測定した。好ましい変異体には、H230A、D231A及びN185Y/R232Aが含まれた。N185Y/R232AをBsmBI−HFと表記した。
【0330】
4.BsmBI−HF及びWTBsmBIの比較
NEB1から4緩衝液の各々の中で希釈液Aを用いて、λDNA基質に対して、BsmBI−HF及びWTBsmBIのFIを別個に測定した。比較は図30に示されており、結果は表29に列記されている(以下)。
【0331】
【表29】
【0332】
好ましいFIが>500であるNEB1、NEB2及びNEB4中において、BsmBI−HFは最高の成績であり、WTBsmBIは、好ましいFIが120であるNEB3中で、最高の成績であった。全体的なFI改善係数は、>500/120=4であった。
【実施例24】
【0333】
低下したスター活性を有するBspQI変異形を改変する
1.BspQI制限エンドヌクレアーゼの部位指定突然変異導入
KmR及びAmpRであるpSX33−EarIMIM2及びpZZlacI−PspQIでイー・コリを形質転換した。M.EarI(CTCTTC)は、BspQI部位(GCTCTTC)も修飾し、従って、イー・コリ染色体を同時形質転換及び修飾するために、pSX33−earIMIM2(図17及び18)を使用した。WTアミノ酸配列が、図16に示されている。
【0334】
部位指定突然変異導入によって、BspQI中の帯電した又は帯電していない122のアミノ酸残基(Arg、Lys、His、Glu、Asp、Gln、Asn、Cys)をAlaへ変化させた。以下の条件下で、PCRを実施した。DNA変性、98℃30秒間、1サイクル;DNA変性/プライマー徐冷/伸長、98℃10秒間、55℃から65℃30秒間、72℃2分間、PCR18サイクル;72℃15分間、1サイクル。100μL反応中に、PhusionTMDNAポリメラーゼ(NEB,Ipswich,MA)の2単位、1mMdNTP、テンプレートDNA10ngから100ng、5×反応緩衝液20μL、0.04μMプライマー、100μLの総容量するための滅菌水。
【0335】
テンプレートDNA(Damメチル化)を破壊するために、PCRDNAをDpnIで消化し、pSX33−earIM1M2とともにイー・コリ中へ同時形質転換した。各形質転換体(LB5mL、50μg/mLKmR及び100μg/mLAmpR)を一晩培養し、2つの部分に分けた。遠心によって、一部(1.5mL)を採集し、音波処理緩衝液(20mMTris−HCl、pH7.5、0.1mMDTT、50mMNaCl、10%グリセロール)中での音波処理によって溶解した。50℃で1時間、細胞抽出物を加熱し、変性されたイー・コリタンパク質を遠心によって除去した。pUC19DNAに対する制限活性及びスター活性に関して、清澄化された可溶化液をアッセイした。
【0336】
BspQIスター活性アッセイ条件:pUC19DNA1μg、10×NEB緩衝液1の5μL、25%DMSO、清澄化された細胞抽出液2.5μL、総容量を50μLとする滅菌脱イオン水、50℃で1時間温置した。0.8から1%アガロースゲル中での電気泳動によって、消化されたDNAを分割した。
【0337】
細胞培養の第二の部分(誘導されていない。)を採集し、Qiagenスピンカラム精製操作(Qiagen,Valencia,CA)によって、プラスミドDNAを調製した。所望の変異を確認するために、巨大色素ジデオキシターミネータ配列決定法によって、bspQIR対立遺伝子を配列決定した。低下したスター活性変異体の同定後、新鮮な形質転換体を取得し、IPTGによって誘導された培養物を作製した。4つの全ての緩衝液中でWT酵素と比較して低下したスター活性を確認するために、制限及びスター活性を再度アッセイした。
【0338】
部位指定突然変異導入によって構築された122のBspQI変異体のうち、2つのBspQI変異形R388A及びK279Aが低下したスター活性を示す。R388Aのスター活性は、緩衝液1及び10%グリセロール中で、約16倍低下した。しかしながら、R388Aは、高い酵素濃度で、なおスター活性を示した。BspQI変異形K279Aも、低下したスター活性を示した(低下したスター活性の8倍を超える改善)。
【0339】
高い酵素濃度でスター活性をさらに低下させるために、R388及びK279をPhe、Pro、Tyr、Glu、Asp又はLeuに置換した。様々なR388X及びK279X変異体のIPTGによって誘導された細胞抽出物を、制限及びスター活性に関してアッセイした。R388F又はK279Pは、細胞抽出物又は精製された酵素の何れかの中で、最低のスター活性を示すことが明らかとなった。アミノ酸置換によって、比活性は影響を受けなかった。
【0340】
BspQIスター活性をさらに低下させるために、部位指定突然変異導入により、2つのアミノ酸置換を1つの変異体酵素(二重変異体、K279P/R388F)中に組み合わせた。この二重変異体は、10%グリセロールを加えた緩衝液1及び緩衝液2中でスター活性を欠如している(図41B)。
【0341】
【表30】
【実施例25】
【0342】
低下したスター活性を有するSapI変異形を改変する
対応する位置がSapI中のK273及びR380であるBspQI中に、保存されたK279及びR388アミノ酸残基が見出された。まず、6×Hisタグ付加されたSapI発現クローンをpUC19中に構築した。SpaI発現株は、pSX33−earIM1M2並びにKmR及びAmpRであったpUC−SapIで形質転換されたイー・コリであった。部位指定突然変異導入によって、Lys273からPro(K273P)への及びArg380からPhe(R380F)へのアミノ酸置換をSapI中に導入した。SapI単一変異体R380Aも構築した。制限活性及びスター活性の反応が実施されたときに、SapI変異形R380A及びK273P/R380Fの何れもが低下したスター活性を示した(図42)。
【0343】
SapI活性を37℃で測定したことを除き、PCR、形質転換、プラスミドDNAの調製及び酵素活性アッセイは、BspQIに対して記載されているように実施した。Ni−NTAカラムクロマトグラフィーを通して、6×Hisタグ付加されたSapI変異形K273P/R380Fを精製し、25%DMSO又は5%グリセロールの存在下で、減少したスター活性を示すことが示された。
【実施例26】
【0344】
KpnI高精度変異体の改変
2つの活性を含有するKpnIを、より低いスター活性を有する変異体へ変化させた(国際公開WO07/027464号)。以下の実施例は、改善されたスター活性及び野生型と類似の切断活性を有する新規変異体を記載する。
【0345】
触媒性残基(Asp、Glu、Arg、Lys及びHis)又は極性アミノ酸(Ser、Thr、Tyr、Asn、Gln、Phe、Trp、Cys及びMet)を除く帯電したアミノ酸残基をアラニンへ個別に変異させた。
【0346】
所望の変異を有するプライマーを用いた逆PCRによって、突然変異導入を実施した。一般に、100μLの最終容量で、4dNTPの各々の0.4mM、1×ThermoPol緩衝液(NEB)、テンプラートDNA20ng、プライマーの各々の40μmol及びVentDNAポリメラーゼ(NEB)の4Uを用いて逆PCRを行った。
【0347】
それぞれ、Plac又はPtacプロモーターの制御下でKpnIRを含有するプラスミドpUC19又はpAGR3をテンプレートとして使用した。94℃4分間の後、変性のために94℃30秒間、徐冷のために55℃30秒間及び伸長のために72℃5分間の25サイクルという温度スキームを用いて、PCRを行った。テンプレートDNAを分解するために、37℃で1時間、DpnI(NEB)20μLによって反応を処理する前に、このサイクルに続いて、72℃7分間での温置を行った。80℃で20分間、DpnIを不活化した後、pSYX20−KpnIMによって予め形質転換された化学的に形質転換受容性NEB5α(NEB)の50μLを形質転換するために、反応2μLを使用した。アンピシリン100μg/mL及びカナマイシン30μg/mLを含有するLBプレート上に、形質転換された細菌を播種し、37℃で、12から15時間温置した。
【0348】
200rpmで振盪しながら、12から15時間、37℃で、アンピシリン100μg/mL及びカナマイシン30μg/mLを含有するLB1mL中に、各構築物の3から4つのコロニーを培養した。培養物を遠心して沈降させ、音波処理緩衝液(20mMTris−HCl、pH8.3、50mMNaCl、1mMEDTA、1mMPMSF)0.2mL中に再懸濁した。再懸濁された細胞を20秒間音波処理した後、13,000rpmで、4℃で5分間遠心した。上清の希釈物を作製し、その5μLをKpnI切断活性に関してアッセイした。
【0349】
変異体のスクリーニングのために、50μLの総容量で、可溶化液上清の10又は100倍希釈物の5μL、pXbaDNA(NEB)の0.5μg及び1×NE緩衝液4を用いて活性アッセイ反応を実施した。37℃で1時間温置した後、6×DNA搭載色素10μLを添加することによって、アッセイ反応を停止させ、1×TBE中で0.8%アガロースゲルを通した電気泳動によって分析した。25%DMSOを含有する緩衝液中で、低下したスター活性に関して、親酵素(KpnID148E)と比べて増加した全体的切断活性を示した変異体をアッセイした。
【0350】
1×NE緩衝液4中の5%グリセロール及びBSAの0.2mg/mLの存在下で、pXbaDNA(NEB)1μgとともに温置された酵素の希釈物5μLを用いて、アッセイを行った(総容量=50μL)。37℃で1時間の温置後、37℃で15分間、プロテイナーゼK(NEB)20μgによって反応を処理し、次いで、1×TBE中の0.8%アガロースゲルを通した電気泳動によって分析した。20mMTris・HCl、50mMNaCl、pH7.9、1mMDTT、MgSO4/CaCl2/MnCl2の漸増濃度を含有する緩衝液中の酵素50U及びpXbaDNA1μgを用いて、37℃で1時間、二価金属依存性アッセイを行った後、1×TBE中の0.8%アガロースゲルを通して電気泳動を行った。総反応容量は、50μLである。
【0351】
無作為の突然変異導入の結果は、先述されている野生型酵素及びKpnID163I/K165A変異体より低いスター活性を示した好ましい変異体KpnID148Eであった(国際公報WO07/027464)。しかしながら、KpnID148Eは、高い酵素濃度で、スター活性を示した。この観察されたスター活性を低下させるために、D148E背景中に二重及び三重変異体を構築した。KpnI(D16N/E132A/D148E)は、変異体D148Eより低いスター活性及びより高い特異性活性を有することが見出された。部位指定突然変異導入によって、D148からEへのアミノ酸置換及びE132からAへのアミノ酸置換を導入した。D16からNへの変異は、PCRによって導入した。標準的な反応条件において、37℃で、(6つのKpnI部位を含有する)基質DNApXbaとともに精製された酵素を1時間温置することによって、表31中に示された低下したスター活性が得られた。
【0352】
【表31】
【0353】
4000Uまで、変異体D16N/E132A/D148Eに対して、pXbaのスター活性は観察されなかった。KpnID148E及びD16N/E132A/D148Eで切断されると、KpnI部位を持たないpBR322基質に対して観察されたスター活性も減少した。
【実施例27】
【0354】
高精度BsaIの改変
1.BsaIの発現
pACYC−BsmAIM、pUC19−BsaIR及びpsyx20−laclqで形質転換されたイー・コリ中で、BsaIを発現させた。pACYCは、低コピー数適合的プラスミドである。BsmAIM(GTCTC)は、BsmBIの特異性(CGTCTC)を包含する。psyx20−lacIqは、lacIの強い発現を有する低コピー数ベクターである。Amp、Cam及びKanを加えたLB中で、細胞を37℃で一晩増殖させた。
【0355】
2.BsaIの突然変異導入
BsaIのアミノ酸は、BsmBIのアミノ酸と似ている。対応する以前の有効部位周囲及びこの部位の11アミノ酸を、R229A、S230A、Y231F、T232A、T233A、D234A、R235A、R236A、F238A、E239A、Y240Fとして変異させる。
【0356】
前記方法は、逆PCR後にDpnI消化を使用し、前実施例と同一であった。次いで、イー・コリ(pACYC−BsmAIM、psyx20−lacIq)中に、処理された産物を形質転換した。
【0357】
3.BsaI−HFの選択
前実施例と類似の方法を用いて、BsaI−HFの選択を行った。標準的な活性のチェックはNEB4中の5%グリセロールを加えたλDNAを使用し、スター活性のチェックは、39%グリセロールを加えたNEB4緩衝液中においてLitmus28iに対して行った。設計された11の変異体のうち1つの変異体Y231Fは、スター活性を低下させ、BsaI−HFと表記される。
【0358】
4.BsaI−HF及びWTBsaIの比較
NEB1から4緩衝液中の希釈液Aを用いて、λDNAに対して、BsaI−HF及びWTBsaIのFIを別個に測定した。結果は、表32に列記されている(下記)。
【0359】
【表32】
【0360】
最高のFIが>8000であるNEB2、NEB3及びNEB4中において、BsaI−HFは最高の成績であり、WTBsaIは最高のFIが120であるNEB2及びNEB4中で、最高の成績であった。従って、全体的なFI改善係数は、>8000/120=>64であった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの人工的に導入された変異及び少なくとも2の全体的な精度指数(FI)改善係数を有する制限エンドヌクレアーゼを含み、該制限エンドヌクレアーゼが、所定の緩衝液中において、人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼの切断活性と少なくとも類似の切断活性で基質を切断することが可能であり、前記人工的に導入された変異が標的化された変異、飽和突然変異導入又はPCR増幅操作を通じて導入された変異の少なくとも1つの産物である、組成物。
【請求項2】
人工的に導入された変異の少なくとも1つが、制限エンドヌクレアーゼ中の標的部位における反対に帯電した残基での、天然に存在する残基の置換である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
人工的に導入された変異の少なくとも1つが、制限エンドヌクレアーゼ中の標的部位における、フェニルアラニン及びアラニンから選択される残基での、天然に存在する残基の置換である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
人工的に導入された変異が存在しない制限酵素が、BamHI、EcoRI、ScaI、SalI、SphI、PstI、NcoI、NheI、SspI、NotI、SacI、PvuII、MfeI、HindIII、SbfI、EagI、EcoRV、AvrII、BstXI、PciI、HpaI、AgeI、BsmBI、BspQI、SapI、KpnI及びBsaIからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBamHIであり、及び人工的に導入された変異がE163A/E167T;K30A;E86A;E86P;K87A;K87E;K87V;K87N;P144A;Y165F;E167A;E167R;E167K;E167L;E167I;K30A/E86A;E86A/K106A;K30A/E86A/K106A;K30A/K87A;E86P/K87E;E86A/Y165F;K30A/E167A;E163S/E170T/P173A;E163S/E170T/P173A;E86P/K87T/K88N/E163S/E170T/P173A;E86P/K87R/K88G/E163S/E170T/P173A;E86P/K87P/K88R/E163S/E170T/P173A/E211K;E86P/K87T/K88R/E163S/E170T/P173A/N158S;E86P/K87S/K88P/E163S/E170T/P173A;E86P/K87G/K88S/E163S/E170T/P173A;E86P/K87R/K88Q/E163S/E170T/P173A;及びE86P/K87W/K88V;及びE86P/P173Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがEcoRIであり、及び人工的に導入された変異がK62A;K62S;K62L;R9A;K15A;R123A;K130A;R131A;R183A;S2Y;D135A;R187A及びK62Eからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがScaIであり、及び人工的に導入された変異がR18A;R112A;E119A;H193A;S201F及びH193A/S201Fからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSalIであり、及び人工的に導入された変異がR82A;K93A;K101A及びR107Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSphIであり、及び人工的に導入された変異がD91A;D139A;D164A及びK100Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがPstIであり、及び人工的に導入された変異がE204A;K228A;K228A/A289V及びD91Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがNcoIであり、及び人工的に導入された変異がD56A;H143A;E166A;R212A;D268A及びA2T/R31Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがNheIであり、及び人工的に導入された変異がE77Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSspIであり、及び人工的に導入された変異がH65A;K74A;E78A;E85A;E89A;K109A;E118A;R177A;K197A及びY98Fからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがNotIであり、及び人工的に導入された変異がK176A;R177A;R253A及びK150Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSacIであり、及び人工的に導入された変異がQ117H/R154A/L284P及びQ117H/R200Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがPvuIIであり、及び人工的に導入された変異がT46A、T46H、T46K、T46Y及びT46Gからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがMfeIであり、及び人工的に導入された変異がY173F及びQ13A/F35Yからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがHindIIIであり、及び人工的に導入された変異がS188P/E190A及びK198Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSbfIであり、及び人工的に導入された変異がK251Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがEagIであり、及び人工的に導入された変異がH43Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがEcoRVであり、及び人工的に導入された変異がD19A;E27A及びD19A/E27Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがAvrIIであり、及び人工的に導入された変異がY104F、M29A、E96A、K106A、S127A及びF142Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBstXIであり、及び人工的に導入された変異N65A、Y57F、E75A、N76A及びK199Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがPciIであり、及び人工的に導入された変異がE78A/S133Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがHpaIであり、及び人工的に導入された変異がY29F及びE56Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがAgeIであり、及び人工的に導入された変異がR139A及びS201Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBsmBIであり、及び人工的に導入された変異N185Y/R232A;H230A;D231A及びR232Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBspQIであり、及び人工的に導入された変異がK279P/R388F;K279A;K279F;K279P;K279Y;K279E;K279D;R388A;R388F;R388Y;R388L;K279P/R388F;K279A/R388A及びD244Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSapIであり、及び人工的に導入された変異がK273P;R380A及びK273P/R380Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがKpnIであり、及び人工的に導入された変異がD148E;D16N/R119A/D148E;D2A/D16N/D148E;D16N/E134A/D148E及びD16N/E132A/D148Eからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBsaIであり、及び人工的に導入された変異がY231Fである、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
請求項1の組成物をコードするDNA分子。
【請求項33】
請求項32のDNAを含有するベクター。
【請求項34】
請求項1の組成物を発現させるためのDNAを含有する宿主細胞。
【請求項35】
(a)スター活性を有する制限エンドヌクレアーゼのアミノ酸配列中の何れのアミノ酸残基が帯電したアミノ酸であるかを同定すること;
(b)制限エンドヌクレアーゼをコードする遺伝子配列中の帯電した残基の1つ又はそれ以上をコードする1つ又はそれ以上のコドンを変異させること;
(c)異なる帯電した残基中に1つ又はそれ以上の異なるコドン変異を有する遺伝子配列のライブラリーを作製すること;
(d)変異された遺伝子配列によって発現されたタンパク質の組を取得すること;及び
(e)各タンパク質に対して、所定の緩衝液中でのFI及び切断活性を測定すること;
を含む、方法。
【請求項36】
緩衝液の所定の組中のタンパク質の組に属するタンパク質に関して、全体的なFI改善係数を測定することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
緩衝液の所定の組がNEB1、NEB2、NEB3及びNEB4緩衝液から構成される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
帯電したアミノ酸に対するコドンを変異させる工程と同じ工程又はその後の工程において、水酸化されたアミノ酸をコードするコドンを変異させることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
帯電したアミノ酸に対するコドンを変異させる工程と同じ工程又はその後の工程において、アミド含有アミノ酸をコードするコドンを変異させることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
フェニルアラニンへ変異されるチロシンを除き、コドンがアラニンへ変異される、請求項35、38及び39に記載の方法。
【請求項41】
変異されたコドンの1つ又はそれ以上の飽和突然変異導入を用いて、全体的なFI改善係数を向上させることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つの人工的に導入された変異及び少なくとも2の全体的な精度指数(FI)改善係数を有する制限エンドヌクレアーゼを含み、該制限エンドヌクレアーゼが、所定の緩衝液中において、人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼの切断活性と少なくとも類似の切断活性で基質を切断することが可能であり、前記人工的に導入された変異が標的化された変異、飽和突然変異導入又はPCR増幅操作を通じて導入された変異の少なくとも1つの産物である、組成物。
【請求項2】
人工的に導入された変異の少なくとも1つが、制限エンドヌクレアーゼ中の標的部位における反対に帯電した残基での、天然に存在する残基の置換である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
人工的に導入された変異の少なくとも1つが、制限エンドヌクレアーゼ中の標的部位における、フェニルアラニン及びアラニンから選択される残基での、天然に存在する残基の置換である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
人工的に導入された変異が存在しない制限酵素が、BamHI、EcoRI、ScaI、SalI、SphI、PstI、NcoI、NheI、SspI、NotI、SacI、PvuII、MfeI、HindIII、SbfI、EagI、EcoRV、AvrII、BstXI、PciI、HpaI、AgeI、BsmBI、BspQI、SapI、KpnI及びBsaIからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBamHIであり、及び人工的に導入された変異がE163A/E167T;K30A;E86A;E86P;K87A;K87E;K87V;K87N;P144A;Y165F;E167A;E167R;E167K;E167L;E167I;K30A/E86A;E86A/K106A;K30A/E86A/K106A;K30A/K87A;E86P/K87E;E86A/Y165F;K30A/E167A;E163S/E170T/P173A;E163S/E170T/P173A;E86P/K87T/K88N/E163S/E170T/P173A;E86P/K87R/K88G/E163S/E170T/P173A;E86P/K87P/K88R/E163S/E170T/P173A/E211K;E86P/K87T/K88R/E163S/E170T/P173A/N158S;E86P/K87S/K88P/E163S/E170T/P173A;E86P/K87G/K88S/E163S/E170T/P173A;E86P/K87R/K88Q/E163S/E170T/P173A;及びE86P/K87W/K88V;及びE86P/P173Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがEcoRIであり、及び人工的に導入された変異がK62A;K62S;K62L;R9A;K15A;R123A;K130A;R131A;R183A;S2Y;D135A;R187A及びK62Eからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがScaIであり、及び人工的に導入された変異がR18A;R112A;E119A;H193A;S201F及びH193A/S201Fからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSalIであり、及び人工的に導入された変異がR82A;K93A;K101A及びR107Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSphIであり、及び人工的に導入された変異がD91A;D139A;D164A及びK100Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがPstIであり、及び人工的に導入された変異がE204A;K228A;K228A/A289V及びD91Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがNcoIであり、及び人工的に導入された変異がD56A;H143A;E166A;R212A;D268A及びA2T/R31Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがNheIであり、及び人工的に導入された変異がE77Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSspIであり、及び人工的に導入された変異がH65A;K74A;E78A;E85A;E89A;K109A;E118A;R177A;K197A及びY98Fからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがNotIであり、及び人工的に導入された変異がK176A;R177A;R253A及びK150Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSacIであり、及び人工的に導入された変異がQ117H/R154A/L284P及びQ117H/R200Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがPvuIIであり、及び人工的に導入された変異がT46A、T46H、T46K、T46Y及びT46Gからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがMfeIであり、及び人工的に導入された変異がY173F及びQ13A/F35Yからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがHindIIIであり、及び人工的に導入された変異がS188P/E190A及びK198Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSbfIであり、及び人工的に導入された変異がK251Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがEagIであり、及び人工的に導入された変異がH43Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがEcoRVであり、及び人工的に導入された変異がD19A;E27A及びD19A/E27Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがAvrIIであり、及び人工的に導入された変異がY104F、M29A、E96A、K106A、S127A及びF142Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBstXIであり、及び人工的に導入された変異N65A、Y57F、E75A、N76A及びK199Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがPciIであり、及び人工的に導入された変異がE78A/S133Aである、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがHpaIであり、及び人工的に導入された変異がY29F及びE56Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがAgeIであり、及び人工的に導入された変異がR139A及びS201Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBsmBIであり、及び人工的に導入された変異N185Y/R232A;H230A;D231A及びR232Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBspQIであり、及び人工的に導入された変異がK279P/R388F;K279A;K279F;K279P;K279Y;K279E;K279D;R388A;R388F;R388Y;R388L;K279P/R388F;K279A/R388A及びD244Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがSapIであり、及び人工的に導入された変異がK273P;R380A及びK273P/R380Aからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがKpnIであり、及び人工的に導入された変異がD148E;D16N/R119A/D148E;D2A/D16N/D148E;D16N/E134A/D148E及びD16N/E132A/D148Eからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
人工的に導入された変異が存在しない制限エンドヌクレアーゼがBsaIであり、及び人工的に導入された変異がY231Fである、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
請求項1の組成物をコードするDNA分子。
【請求項33】
請求項32のDNAを含有するベクター。
【請求項34】
請求項1の組成物を発現させるためのDNAを含有する宿主細胞。
【請求項35】
(a)スター活性を有する制限エンドヌクレアーゼのアミノ酸配列中の何れのアミノ酸残基が帯電したアミノ酸であるかを同定すること;
(b)制限エンドヌクレアーゼをコードする遺伝子配列中の帯電した残基の1つ又はそれ以上をコードする1つ又はそれ以上のコドンを変異させること;
(c)異なる帯電した残基中に1つ又はそれ以上の異なるコドン変異を有する遺伝子配列のライブラリーを作製すること;
(d)変異された遺伝子配列によって発現されたタンパク質の組を取得すること;及び
(e)各タンパク質に対して、所定の緩衝液中でのFI及び切断活性を測定すること;
を含む、方法。
【請求項36】
緩衝液の所定の組中のタンパク質の組に属するタンパク質に関して、全体的なFI改善係数を測定することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
緩衝液の所定の組がNEB1、NEB2、NEB3及びNEB4緩衝液から構成される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
帯電したアミノ酸に対するコドンを変異させる工程と同じ工程又はその後の工程において、水酸化されたアミノ酸をコードするコドンを変異させることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
帯電したアミノ酸に対するコドンを変異させる工程と同じ工程又はその後の工程において、アミド含有アミノ酸をコードするコドンを変異させることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
フェニルアラニンへ変異されるチロシンを除き、コドンがアラニンへ変異される、請求項35、38及び39に記載の方法。
【請求項41】
変異されたコドンの1つ又はそれ以上の飽和突然変異導入を用いて、全体的なFI改善係数を向上させることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36A】
【図36B】
【図37A】
【図37B】
【図38A】
【図38B】
【図39】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43A】
【図43B】
【図44A】
【図44B】
【図44C】
【図44D】
【図44E】
【図44F】
【図44G】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36A】
【図36B】
【図37A】
【図37B】
【図38A】
【図38B】
【図39】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43A】
【図43B】
【図44A】
【図44B】
【図44C】
【図44D】
【図44E】
【図44F】
【図44G】
【公表番号】特表2010−532999(P2010−532999A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516300(P2010−516300)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/069997
【国際公開番号】WO2009/009797
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(591021970)ニユー・イングランド・バイオレイブス・インコーポレイテツド (18)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/069997
【国際公開番号】WO2009/009797
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(591021970)ニユー・イングランド・バイオレイブス・インコーポレイテツド (18)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]