説明

高脂血症のためのポリキトサミンとHMG−CoAレダクターゼ阻害剤との組み合わせ

哺乳動物における高脂血症および高脂血症に関連した疾患(たとえば高コレステロール血症および結果として生じるアテローム性動脈硬化症)の予防または治療のための治療化合物の組み合わせである。本発明の組み合わせは、哺乳動物において血清中のコレステロールおよび/またはコレステリルエステル、トリグリセリド、リン脂質および脂肪酸を減らすために有用である。好ましい態様の方法は、第1の量のポリキトサミン、および第2の量のHMG-COAレダクターゼ阻害剤(スタチン)を哺乳動物に投与することを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連する出願に対する相互参照
本出願は、2004年9月15日に出願された米国仮出願第60/609,830号の35U.S.C.119条(e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
発明が属する技術分野
本発明は、ヒトのような哺乳動物において、コレステロールおよび/またはコレステリルエステル、トリグリセリド、リン脂質および脂肪酸を低下させること、またはHLD:LDL比を改善すること(とりわけ、低密度リポ蛋白質を低下させること、および/または高密度リポ蛋白質を増加させること)に有用な治療薬の分野に関する。より具体的には、本発明は、同じ治療物質を使用した単独治療より優れた治療的利点を有する、組み合わせ治療、使用および医薬組成物に関する。
【0003】
関連技術の説明
総コレステロールおよび低密度リポ蛋白質(LDL)コレステロールの上昇した濃度に関連した高脂肪血状態は、アテローム性動脈硬化症などの心臓血管疾患の主要な危険因子であることが知られている。非常に多くの研究により、高密度リポ蛋白質(HDL)コレステロール(善玉コレステロール)の低い血漿中濃度がアテローム性動脈硬化症発症の強力な危険因子であることが証明されている(Barter and Rye,Atherosclerosis,121,1-12(1996)。HDLは、血液を介して脂質の輸送を行うリポ蛋白質の主要なクラスの1種である。HDLに関連して見出される主要な脂質には、コレステロール、コレステリルエステル、トリグリセリド、リン脂質、および脂肪酸が挙げられる。血液中に見出されるリポ蛋白質の別のクラスには低密度リポ蛋白質(LDL)、中密度リポ蛋白質(IDL)、および超低密度リポ蛋白質(VLDL)が挙げられる。HDLコレステロールのレベルが低いとアテローム性動脈硬化症のリスクが上昇することから、血漿中のHDLコレステロールを増加させるための方法は、アテローム性動脈硬化症のような心臓血管疾患の治療にとって治療的に有益であろう。心臓血管疾患は、冠状動脈心疾患、末梢血管疾患、および心臓発作を包含するが、それらに限定されない。
【0004】
高脂肪血状態に対する今までの治療方法の1つは、総コレステロールを低くすることであった。公知の使用は、HMG-CoAレダクターゼがコレステロール生合成における律速段階を触媒するという理解の下になされている(「The Pharmacological Basis of Therapeutics」(9版、J,G,Hardman及びL.E.Limberd編、Mcgraw-Hill,Inc、New York、pp884-888、1996))。HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(一般的に“スタチン”と呼ばれる治療薬群を含む)は、この生合成段階の競合的阻害によりLDLコレステロールの血清中レベルを低下させる(M.S.Brownら、J.BIol.Chem.、253、1121-28(1978))。数種のスタチンが世界中で開発され、市販されてきた。北米でリピトール(登録商標)という名称で販売されているアトルバスタチンカルシウムは強力なレダクターゼ阻害剤である。それは欧州特許第409,281号に記載されている。
【0005】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の使用に由来する副作用の警告としては、肝機能障害、骨格筋ミオパシー、横紋筋融解症、および急性腎不全が挙げられる。これらの作用のいくつかは、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がさらに多い投薬量で摂取される場合に悪化する。たとえば、10mg/日のリピトール(登録商標)で治療される患者は軽度の副作用に注意すればよい。これらの副作用は1日投薬量を単純に20mg/日に増やすことによって著しく増大する可能性がある。
【0006】
さらに、10mg/日で治療すると脂質特性が良好にコントロールされる患者であっても、脂質特性が高く戻ってしまうことを経験し、投薬量の増加が必要となる可能性があることが示されている。
【0007】
心臓血管疾患の治療のための多数の組み合わせ治療が文献に記載されている。たとえば、フルバスタチンとニセリトロールの組み合わせ治療がJ.Sasakiら(Int.J.Clin.Pharmacol.Ther.、July;33(7)、420-6(1995))に記載されている。これらの研究者は、“750mg/日の投薬量でのフルバスタチンとニセリトロールの組み合わせが、フルバスタチンの有益な作用を増大または低下させるようには見えない”と結論している。
【0008】
L.Cashin-Hemphillら(J.Am.med.Assoc.、264(23),3013-17(1990))は、冠状動脈アテローム性動脈硬化症に対するコレスチポールとナイアシンの組み合わせ治療の有益な作用を記載する。
【0009】
アシピモックスとシンバスタチンの組み合わせ治療は、高トリグリセリドレベルを有する患者に有益な作用を示す(N.Hoogerbruggeら、J.Internal Med.、241,151-55(1997))。
【0010】
最近認可されたビトリン(登録商標)薬物は、Schering Plough and Merck&Co.によって市販されている。それは1個の錠剤中にシンバスタチンとエゼチミドを組み合わせ、コレステロール低下作用に影響を与えずに、シンバスタチンの低い投薬量を可能にしている。
【0011】
発明の概要
ところが、第1の量のポリキトサミンと第2の量のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤との組み合わせを開示し、同時に好ましい態様の利点を得ている公知の組み合わせ治療は全くない。
【0012】
好ましい態様は、組み合わせ治療法およびそれによる新規な医薬組成物を提供することによって、たとえば血清中コレステロールを低下させることなどの高脂血症を予防および/または治療するための努力を促進する。
【0013】
ある態様は、a)HMG-CoAレダクターゼ阻害剤;およびb)ポリキトサミンを含んでなる医薬組成物を提供する。
【0014】
ある態様は、哺乳動物血中のHDLレベルを高めるための本発明の医薬組成物の使用を提供する。
【0015】
ある態様は、a)第1の量のポリキトサミン;およびb)第2の量のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤を高脂血症および高脂血症に関連した状態の患者に投与することを含む、上記疾患および状態の予防または治療のための方法を提供し;ここで第1および第2の量は一緒になって治療的有効量を含有する。
【0016】
ある態様は、複数のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤剤形1日投薬量、同時に複数の1ポリキトサミン剤形の1日投薬量、および治療方法説明書を含んでなる、哺乳動物における高脂血症または高脂血症に関連した状態の予防または治療のためのキットを提供する。
【0017】
好ましい態様の詳細な説明
最近、哺乳動物における高脂肪血状態は、第1の量のポリキトサミンと第2の量のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤の組み合わせによって効果的に解決できることが見出された。この組み合わせ法は、高い投薬レベルでのHMG-CoAレダクターゼ阻害剤単独治療より副作用特性が軽度であるという重要な利点を有する。組み合わせ治療の有効性は、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤単独治療の投薬レベルを増加させることにほぼ等しいか、またはそれより優れている。
【0018】
本明細書で使用する“スタチン”という用語、または“HMG-CoAレダクターゼ阻害剤”という用語、または“HMG-CoAレダクターゼ阻害化合物”という用語は、HMG-CoAレダクターゼ活性を阻止または低下させることができる化学的または生物学的供与源に由来するいずれかの実体を表す。
【0019】
本明細書で使用する“キチン”は、主にβ(1-4)2-アセタミド-2-デオキシ-D-グルコース(またはN-アセチルグルコサミン)の反復ユニットから形成されるポリマーを表す。天然に存在するキチンのユニットのすべてはアセチル化されず、約16%が脱アセチル化されている。
【0020】
本明細書で使用する“キトサン”は、部分的に、または完全に脱アセチル化されているキチンを表す。キトサンは主にβ(1-4)2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコース(またはD-グルコサミン)の反復ユニットから形成される多糖である。キチンのそれ以上の脱アセチル化は、キチンを処理(processing)することによって得られる。脱アセチル化値は、キトサン供与源および処理法によって様々であり得る。
【0021】
本明細書で使用する“ポリキトサミン”という用語、または“キトデキストリン”という用語は約650kDa未満、好ましくは約2〜500kDa、より好ましくは約15〜200kDa、さらにより好ましくは約20〜100kDaの分子量を有するキトサンポリマーを表す。一態様では、ポリキトサミンの分子量は約30kDaであり、そして別の態様では分子量は約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50kDaである。ポリキトサミンはより重いキトサンの分子鎖を開裂することにより得ることができる。好ましくは、ポリキトサミンは高度に、たとえば約80%以上、そしてより好ましくは約89%以上脱アセチル化される。本明細書では、ポリキトサミンは負に荷電したアニオンを伴った任意のキトサン分子から形成されるキトサン塩も包含すると理解されている。一連のアニオンがその目的のために使用されてきた。たとえば、硫酸(スルフェート)、リン酸(ホスフェート)、塩酸(クロリド)のような無機酸、およびリンゴ酸(マラート)、酒石酸(タートレート)、クエン酸(シトレート)、コハク酸(スクシネート)および乳酸(ラクテート)のような有機酸、キチン、キトサン、およびそれらの誘導体に由来するアニオンである。
【0022】
本明細書で使用する“ニュートラシューティカル(nutraceutical)”は、純粋な栄養的効果以外に、特定の医学的または生理学的利点を与えるために添加される成分または材料を有する任意の通常の食物を包含すると理解されている。また、それは機能性食品、栄養補助食品および処方箋なしで販売される一般市販薬製品を包含すると理解されている。
【0023】
本明細書で使用する“機能性食品”は、一般の食物に外観が類似しているか、またはそれ自体であってもよい、通常の飲食物の一部として消費される任意の食物を包含すると理解され、基本的な栄養学的機能を越えた生理学的利点を有すること、および/または慢性疾患の危険を軽減させることが証明されている。
【0024】
本明細書で使用する“組み合わせ治療”という用語は、高脂肪血状態を治療するための2種以上の治療薬の投与を表す。そのような投与は、実質的に同時に行われる様式、たとえば固定された比の活性成分を有する単一カプセル剤での、またはそれぞれの活性物質に対して複数の別々の剤形でのこれらの治療薬の共投与を包含する。さらに、そのような投与はまた、連続した、または時間差のある様式でのそれぞれの型の治療薬の使用を包含する。いずれにしても、治療計画は高脂肪血状態を治療することにおける薬物組み合わせの有益な効果を提供することになる。
【0025】
“治療的に有効”という句は、組み合わせ治療における阻害剤の組み合わせた量を限定することを意図する。この組み合わせた量は、高脂肪血状態を予防する、軽減する、または除くという目的を達成することになる。
【0026】
“治療化合物”という句は、たとえばアテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、冠状動脈心疾患、および心臓血管疾患(心筋梗塞後の生存を24時間延長させるための心臓発作後の患者の治療を含む)を含むがそれらに限定されない高脂肪血状態の、予防または治療に有用な化合物を表す。
【0027】
好ましい態様の組み合わせは、多数の用途を有することになる。たとえば、投薬の調整および医学的モニタリングにより、好ましい態様の組み合わせに使用される治療化合物の個々の投薬量は、単独治療で使用される場合の治療化合物の一般的な投薬量より少ないであろう。投薬の低減は、単独治療に比較した場合、個々の治療化合物の副作用の軽減を含む利点を提供することになる。さらに、組み合わせ治療は単独治療に比較して副作用が少ないことから、患者は治療計画によく従うことになるであろう。
【0028】
好ましい態様の別の使用は、補足的な効果または補足的な作用様式を有する組み合わせの中にある。たとえば、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤は、コレステロールの生合成において重要な酵素を阻害することによって、血清中コレステロールレベルを制御することができる。それに反して、ポリキトサミンは、消化管から血流へのコレステロールおよび/または他の脂質(コレステリルエステルおよびトリグリセリドなど)の移動、および消化管から血流への胆汁酸の再吸収を妨げることができる。
【0029】
ポリキトサミン
ポリキトサミンは、約650kDa未満、好ましくは約2〜500kDa、より好ましくは約15〜200kDa、さらにより好ましくは約20〜100kDa、いっそう好ましくは約25〜60kDa、そして理想的には約30〜50kDaの分子量を有するキトサンポリマーを表す。
【0030】
キトサンは、天然に存在するバイオポリマーであり、貝および昆虫の外骨格の主要成分であるキチンの部分的または完全な脱アセチル化によっても得ることができる。キトサンはしたがって、N-アセチル-2-アミノ-□-D-グルコースおよび2-アミノ-□-D-グルコースのモノマーから構成される直線状ポリマーである。2-アミノ-□-D-グルコース(D-グルコサミン)ユニットの第1アミノ基の存在は、キトサンにポリカチオン性(正に荷電)特性を与え、それは負に荷電したアニオンを伴うことによって中和される。一連のアニオンがその目的のために使用されている。たとえば、硫酸(スルフェート)、リン酸(ホスフェート)、塩酸(クロリド)のような無機酸およびその混合物、ならびにリンゴ酸(マラート)、酒石酸(タートレート)、クエン酸(シトレート)、乳酸(ラクテート)、酢酸(アセテート)、ギ酸(ホルメート)、グリコール酸(グリコレート)、シュウ酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、アクリル酸、グルコン酸、グルタミン酸、プロピオン酸のような有機酸およびその混合物に由来するアニオンがキトサンの塩として報告されている。
【0031】
甲殻類殻由来キチンの多くの抽出方法が存在するが、キチン抽出の原則は比較的簡単である。ある処置では、蛋白質は高温(たとえば約85〜100℃)において、水酸化ナトリウムの希薄溶液(たとえば約1〜10%)中で除去される。次に殻を脱塩し、炭酸カルシウムを除去する。これは、室温において塩酸の希薄溶液(1〜10%)中で処理することにより行うことができる。これらの処理の強さ(たとえば温度、期間、化学物質の濃度、粉砕された殻の濃度およびサイズ)に応じて、抽出されたキチンの物理化学的性質は様々であり得る。たとえば、重合の程度、アセチル化、および純度のようなキチンの3種の特徴が影響を受けることがある。また、殻は脂質および色素を含有する。したがって、白色のキチンを得るために、時には脱色段階が必要である。これは、有機溶媒、または次亜塩素酸ナトリウムの非常に希薄な溶液に浸すことにより行うことができる。また、これらの処置がキチン分子の特徴に影響を与えることがある。
【0032】
キチンは部分的、または全体的に脱アセチル化されてもよい。そのような脱アセチル化ポリマーはキトサンと呼ばれる。分子量1×106まで、および1×106を越える範囲のキトサン化合物は、キチンから商業的に得られる。事実上、キトサンは、植物病原菌のグループである接合菌類の細胞壁に存在する。遊離アミノ基がかなりの含量であるために、キトサンは際だったカチオン性を有し、大部分のpHで正電荷を有する。カナダ特許第2,085,292号はキトサンの加水分解を開示し、その開示は参照として本明細書に援用される。
【0033】
ポリキトサミンはカナダ特許第2,085,292号に記載の工程によって製造し、WO2005/066213-A1に記載の工程を使用して溶液から回収することが可能であり、上記工程では、キトサンは、たとえばスルフェート、ホスフェート、シトレート、ニトレート、マラート、タートレート、スクシネート、プロピオネート、ラクテートおよびリン酸水素塩(それらに限定されない)のような塩析塩により塩析される。より好ましくは、これらの塩析塩は以下のものからなる群から選択されてよい:硫酸アンモニウムまたはナトリウム;リン酸ナトリウムまたはカリウム;クエン酸ナトリウムまたはカリウム;;酒石酸ナトリウム;リンゴ酸ナトリウム;硝酸ナトリウム;乳酸ナトリウム;マロン酸ナトリウム;コハク酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;プロピオン酸ナトリウム。このように、本発明は、先に述べた塩のいずれかによって得られる任意のキトサン誘導体を包含する。
【0034】
例として、キトサンのシトレート塩は以下のように説明することができる:
【0035】
【化1】

【0036】
高脂血症を処置するための一方法はポリキトサミンの使用である。
【0037】
作用機序の点では、ポリキトサミン(とりわけキトサン)は、イオン結合を介してコレステロールなどの脂質にそれ自体を接着させ、消化管で分離不可能な複合体(最終的には排出される)を形成できる遊離アミノ基を含有することが可能である。ポリキトサミンは、したがってコレステロールのような脂質が常に血流に入って、総コレステロール含量に加わることを妨ぐことができる。また、反応の点では、肝臓は、胆汁酸によってより多くのコレステロールを除去する。したがって、食物コレステロールとコレステロールに富む胆汁酸由来コレステロールとの両方が除去される。
【0038】
分子量
ポリキトサミンはその分子量に依存して多くの潜在的な用途を有する。通常の高分子量ポリキトサミンは約650kDaである。ある種の用途は、典型的には約2〜500kDaの範囲の中程度または低分子量ポリキトサミンに特有である。これらの用途には、抗真菌薬、;農作物の収穫量を改善するための種子コーティング剤;植物中の抗病原性天然反応のエリシター;動物におけるコレステロール低下薬;乳酸菌増殖の促進剤;ならびにローション、ヘアトニックおよびその他の化粧品の湿度保持剤としてのその使用が挙げられる。
【0039】
ポリキトサミンの分子量は、ある用途に特有な1種の特徴である。天然のキチンの分子量は何百万ダルトンにものぼるほど高いと報告されている。しかし、化学的処置により、ポリキトサミンの分子量は100kDa〜1500kDaの範囲まで低くなる傾向がある。ポリキトサミンのそれ以上の処置はよりいっそう分子量を低くすることができる。低分子量は、酵素的または化学的方法をはじめとする異なる方法によって得ることができる。鎖がより短くなると、ポリキトサミンは酸を必要とせずに水に直接溶解し得る。このことは、化粧品または医薬品のような特定の用途にとりわけ有用である。ポリキトサミンの分子量は、分析方法(ゲル浸透クロマトグラフィー、光散乱、または粘度測定など)によって測定することができる。簡便なため、粘度測定が最も一般に使用される方法である。
【0040】
一態様では、ポリキトサミンの分子量は約30kDaであり、別の態様では、分子量は約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50kDaである。ポリキトサミンはより重いキトサンの分子鎖を開裂することによって得ることができる。
【0041】
脱アセチル化
キチンは部分的または全体的に脱アセチル化されてもよい。天然に存在するキチンはアセチル化され、約16%は脱アセチル化される。キトサンは部分的または完全に脱アセチル化されているキチンを表す。キトサンは主にβ(1-4)2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコース(またはN-グルコサミン)の反復ユニットから形成される多糖である。キチンのそれ以上の脱アセチル化はキチンの処理(processing)によって得ることができる。脱アセチル化の値は、キチン供与源および処理法にともなって変化してもよい。
【0042】
キトサンはキチンの脱アセチル化によって作られるため、脱アセチル化の程度(DAC)という用語がキトサンを特徴付けるために使用される。この値は、取り除かれているアセチル基のモノマーユニットの割合を示し、ポリマー上の遊離アミノ基(弱酸に溶解後によく反応する)の割合を示している。DACは使用される製造方法に依存して約70から約100%まで変化してもよい。このパラメータは弱酸に溶解後の分子のカチオン性電荷を示唆する。多くのDAC測定方法、たとえばUVおよび赤外線スペクトロスコピー、酸‐塩基滴定、核磁気共鳴、色素吸収などが存在する。公認の標準的方法が存在しないため、異なる方法に対しては、数値が異なる傾向がある。高い値の生成物の場合、NMRが正確なDAC数を示すことができる。しかし、迅速で都合のよい方法として滴定または色素吸着が役立ち、NMRと同様の結果を得ることができる。
【0043】
キトサンを得るためのキチン脱アセチル化は種々の方法により行うことができる。最も多く使用される方法はアルカリ処理法である(Horowitz,S.T.ら、1957)。この方法によれば、分子量を著しく減少させることなく約80%の脱アセチル化を達成することができる。より強い脱アセチル化は、同時に起こる、制御されない重合度の低下を伴うことなく、達成できない。いっそう期待される方法は熱‐機械‐化学的(thermo-mechano-chemical)処理である(Pelletierら、1990)。この方法により、最終生成物の種々の性質(重合および脱アセチル化の通常の程度)のより慎重な制御が可能になる。最後に、第3の方法(Domard and Rinaudo、1983)は完全に脱アセチル化された生成物の獲得を可能にする。
【0044】
ある種の脱アセチル化プロトコルでは、キチンが塩基性溶液、たとえば濃い水酸化ナトリウム溶液(たとえば>約40%)中、高温(たとえば約90〜120℃)で加熱される場合、キトサンは脱アセチル化によって形成される。この処理はアミン基上のアセチル基の配置を溶解可能な生成物(キトサン)に移動することができる。溶液への溶解能を獲得するためには、少なくとも65%のアセチル基がそれぞれのモノマーキチン上で取り除かれるべきであると言われている。アセチル化の程度は、処理条件(期間、温度、および塩基性溶液の濃度など)に応じて様々であろう。
【0045】
好ましい態様では、ポリキトサミンは約80%以上脱アセチル化される。好ましくは、ポリキトサミンは約89%以上脱アセチル化される。より好ましくは、ポリキトサミンは約89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%以上脱アセチル化される。約100%脱アセチル化されているポリキトサミンでは、ポリキトサミンであるという好都合な点が比較的均質な組成物を形成する。
【0046】
本発明に従って、ポリキトサミンは約30kDaの分子量を有し、そして少なくとも80%脱アセチル化されている。好ましい態様では、ポリキトサミンは約30kDaの分子量を有し、そして少なくとも93%脱アセチル化され、そしてカナダではリブラコールという登録商標で販売されている。
【0047】
HMG COAレダクターゼ阻害剤
広範な構造を包含するHMG-CoAレダクターゼ阻害剤は好ましい態様の組み合わせおよび方法において有用である。好ましい態様においてとりわけ関心のあるいくつかのHMG-CoAレダクターゼ阻害剤には、メビノリン、メバスタチン(米国特許第3,903,140号)、ニバスタチン、アトルバスタチン(欧州特許第409281号)、ロスバスタチン、ロバスタチン(米国特許第4,231,938号)、シンバスタチン(米国特許第4,444,784号)、プラバスタチン(米国特許第4,346,227号)、フルバスタチン(米国特許第4,739,073号)が挙げられる。メビノリンは天然に存在するスタチンであり、たとえばヒラタケ(Oyster mushroom)、紅麹(red yeast rice)に見出される。参照した特許は参照として本明細書に援用される。
【0048】
好ましい態様では、スタチンはアトルバスタチンである。より好ましい態様では、スタチンはアトルバスタチンカルシウムであり、現在商標名リピトール(登録商標)という名称で販売されている。別の好ましい態様では、スタチンはメビノリンである。さらに別の好ましい態様では、スタチンは商標名クレストール(登録商標)という名称で販売されているロバスタチンである。
【0049】
これらの治療化合物は、好ましい態様において酸型、塩型、ラセミ化合物、エナンチオマー、双極性イオン、および互変異性体を含むがそれらに限定されない多様な形状で使用されてもよい。
【0050】
相乗作用
共同作用(synergy)または相乗作用(synergism)は、多くの場合、2種以上の別個の影響または物質が、それぞれの作用の合計が独立して生み出しうる作用より大きい作用を共同して生み出すように働く現象を表す。
【0051】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の使用に由来する副作用の警告としては、肝機能障害、骨格筋ミオパチー、横紋筋融解症、および急性腎不全が挙げられる。これらの作用のいくつかは、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がより多い投薬量で摂取される場合悪化する。たとえば、リピトール(登録商標)10mg/日で治療される患者は軽度の副作用に注意すればよい。これらの副作用は1日投薬量を単純に20mg/日に増やすことによって著しく増大する。さらに、10mg/日で治療すると脂質特性を良好にコントロールできる患者であっても、高い脂質特性に戻ってしまうことを経験し、投薬量の増加が必要となるかもしれない。
【0052】
したがって、薬物相乗作用を使用する利点は、個体に投与されるHMG-CoAレダクターゼ阻害剤の量の低減であり、これにより、副作用が軽減される。
【0053】
状態の予防および治療
好ましい態様は、疾患の要素として高脂血症を有する疾患状態(アテローム性動脈硬化症または冠状動脈心疾患など)を予防・緩和・改善するために、または好ましい態様の化合物および/または組成物によりそれ以上の高コレステロール血漿または血液レベルから保護する、および/またはそれらを治療するために使用することができる。また、好ましい態様は、心筋梗塞後24時間、患者の生存を延長させるための補助(aid)を提供するために使用できる。高脂血症は、血流中の脂質(脂肪)の上昇である。これらの脂質には、コレステロール、コレステロールエステル(化合物)、リン脂質、トリグリセリド、および脂肪酸が挙げられる。これらの脂質はリポ蛋白質と呼ばれる大きな分子の一部として血液中で輸送される。
【0054】
高脂血症の有害な作用には、アテローム性動脈硬化症および冠状動脈心疾患が挙げられる。アテローム性動脈硬化症は、動脈血管壁における、コレステロールを含む脂質の沈着を特徴とする疾患であり、結果として血管が狭くなり、最終的に血管系の硬化に至る。冠状動脈心疾患(CHD)の主要な原因はアテローム性動脈硬化症である。CHDは心筋(冠状動脈)に血液を供給する動脈が硬化し、狭くなる場合に発生する。CHDの結果として、狭心症または心臓発作になることがありうる。やがて、CHDは心筋を弱らせ、心不全または不整脈の一因となる。
【0055】
高コレステロール血症はまた、心臓血管疾患に関連する。心臓血管疾患は、心臓の疾患と、ヒトの全身(たとえば脳、脚、および肺内)の血管系(動脈、毛細血管、静脈)の疾患を表す。心臓血管疾患には、冠状動脈心疾患、末梢血管疾患、および卒中が挙げられるが、それらに限定されない。
【0056】
したがって、好ましい態様は、高脂血症および高脂血症に関連した状態(たとえば高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈心疾患、および心臓血管疾患)を予防または治療することに使用されてよい。好ましい態様はまた、心臓発作後患者の生存の延長を促進する。
【0057】
医薬組成物
好ましい態様に有用な化合物は、医薬組成物の形状において受容できるキャリアと共に提示されてもよい。キャリアは、組成物の中の他の成分と適合し、受容者に有害ではないという意味において受容可能である。キャリアは固体もしくは液体、または両方であってもよく、そして好ましくは単位投薬量の組成物、たとえば活性化合物の重量で約0.05%〜95%まで含有することができる、カプセル剤または錠剤として製剤される。適切なキャリア、希釈剤、および賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、セルロース、炭酸マグネシウム、またはポリマーが一緒にミセルを形成することができるリン脂質が挙げられるが、それらに限定されない。また、好ましい態様の別の化合物を含む、その他の薬理学的に活性な物質が存在してもよい。たとえば、1種以上のスタチンが一緒に使用されてもよい。好ましい態様の医薬組成物は、成分を混合することを含む、調剤の公知の技術のいずれかによって製造することができる。
【0058】
好ましい態様の方法の実施において、組み合わせ治療におけるHMG-CoAレダクターゼ阻害剤の投与は経口経路によって行われてよい。
【0059】
経口投与の場合、組み合わせ治療に使用される化合物は、たとえば錠剤、カプセル剤、懸濁剤、粉末剤(たとえば、散布用または食物)、または液体の形状であってもよいが、それらに限定されない。別の態様には、徐放性カプセル剤、腸溶コーティング剤、軟ゲルカプセル剤、および他の徐放技術が挙げられる。カプセル剤、錠剤、液状物、または粉末剤などは、当該技術分野で公知の慣用の方法によって製造することができる。化合物は好ましくは特定の量の化合物を含有する投薬単位の形状で作製される。投薬単位の例としては錠剤またはカプセル剤が挙げられる。
【0060】
好ましい態様の治療方法に使用される医薬組成物は、組成物の化合物の場合経口の形状で、またはHMG-CoAレダクターゼ阻害剤の場合の静脈内投与のような非経口投与とポリキトサミンの経口投与によって投与することができる。便宜上、両方の治療物質の経口投与が好ましい。経口投与のための投薬は、経口投与のための1日に1回の投与、または1日おきに1回の投与、または1日数回の間隔をあけた投与を要する処方計画によるものであってよい。
【0061】
ニュートラシューティカル
好ましい態様に有用な化合物は機能性食品またはニュートラシューティカル中に組み込まれていてもよい。これらの化合物はコレステロール低下物質のような活性物質の形状中に存在してもよい。これらの化合物は、それら自体高脂血症に関連した状態の予防に有用なニュートラシューティカルおよび/または機能性食品の製造において有用であってもよい。
【0062】
好ましい態様では、ポリキトサミンおよびスタチン化合物は、以下のものを含むがそれらに限定されない機能性食品に組み込まれる:ソーダ、水、スポーツ/エネルギードリンク、缶および瓶ジュース、フレッシュおよび冷凍保存ジュース、フローズンジュース、ヨーグルトドリンク、スムージー、茶およびコーヒーを含むがそれらに限定されない飲料;朝食シリアル、パン、パン類、小麦粉のようなパンの成分、フローズンブレッド、ドライブレッドおよびクラッカー、パスタ類を含むがそれらに限定されないパンおよび穀物;栄養補給バー、減量用バー、エネルギー/スポーツバー、キャンディーバー、チップス、ガムを含むがそれらに限定されないスナック食品;ピザおよびディナーのような冷凍食品、缶および乾燥スープ、クッキーを含むデザートを含むがそれらに限定されない包装および即席食品;ドレッシング、スプレッド、ソースを含むがそれらに限定されない調味料;ミルク、チーズ、バター、アイスクリーム、ヨーグルト、マーガリンおよび豆乳を含むがそれらに限定されない乳製品および乳製品代用品。
【0063】
投薬量
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の総1日投薬量は、単回または分割投薬量において、一般に約0.1〜約100mg/日の範囲の中にあってよい。たとえば、ロバスタチン、アトルバスタチン、またはメバスタチンは一般に約10〜約60mg/日の1日投薬量でそれぞれ別々に投与される。フラバスタチンは、一般に約20〜約40mg/日の日用量で投与される。ある態様では、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤は約10mg/日で投与される。
【0064】
薬剤的に受容できるスタチン塩の場合、先に示された重量は塩に由来する治療化合物の酸等価物または塩基等価物の重量を表す。
【0065】
ポリキトサミンの場合、1日につき約400mg〜約4.8グラムの総1日投薬量、そして好ましくは1日につき約800mg〜約2.4グラムの間が一般に適切であってよい。ある態様では、ポリキトサミンは1日につき約400mgで投与される。ポリキトサミンは好ましくは1日に3回摂取される。ポリキトサミンは好ましくは食事と一緒に摂取される。
【0066】
一定の投薬量
本明細書で使用する、“総1日投薬量”という用語は、1日で個体に投与される組成物の量を表す。“投薬量”という用語は、1回に個体に投与される組成物の量を表す。“単位投薬量”という用語は、製造業者または薬剤師が、標準化された量で予め包装した組成物の量を表す。したがって、たとえば、単一の錠剤またはカプセル剤中の成分の投薬量は、1以上の錠剤またはカプセル剤が同時に摂取されるにしても、単一の“単位投薬量”であると見なされることになる。
【0067】
別の態様では、ポリキトサミンは約600mg〜約2400mgの総1日投薬量で投与され、そしてスタチンは約6mg〜約80mgの総1日投薬量で投与される。好ましくは、総1日投薬量は約1〜約3の単位投薬量で1日につき1回、好ましくはカプセル剤の形状で投与される。したがって、それぞれの単位投薬量は約200mg〜約1200mgのポリキトサミンを含有していてよい。さらに、それぞれの単位投薬量は約2mg〜約80mgのスタチンを含有していてよい。一態様では、総1日投薬量は1日1回投与される、2つの単位投薬量で投与され;単位投薬量は約600mgポリキトサミンと約5mgのスタチンを含有する。投薬量は好ましくは食事と一緒に投与される。
【0068】
別の態様では、総1日投薬量は1日につき2投薬量で投与される。それぞれの投薬量では約200mg〜約1200mgの量のポリキトサミンと、約3mg〜約40mgの量のスタチンが存在する。好ましくは、総1日投薬量は投薬ごとに約1〜約2単位投薬量で投与される。したがって、それぞれの単位投薬量は約200mg〜約600mgのポリキトサミンを含有していてもよい。さらに、それぞれの単位投薬量は約2mg〜約40mgのスタチンを含有していてもよい。一態様では、単位投薬量は1日につき2回投与される1つのカプセル剤で投与され;単位投薬量は約600mgポリキトサミンと約5mgのスタチンを含有する。投薬量は好ましくは食事と一緒に投与される。
【0069】
おおよその投薬量に関するいくつかの態様を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
種々の治療化合物に関して先の段落に記載された1日投薬量は単回投薬量で、または均一に分割された複数の部分投薬量で患者に投与してよい。部分投薬量は1日につき約2〜約3回投与してよい。投薬量は所望する結果を得るために効果的な徐放型の状態であってもよい。
【0072】
高脂血症および高脂血症に関連した状態を治療し、そして好ましい態様の組み合わせ治療および医薬組成物により、血漿中コレステロールを低減させるための投与計画は、種々の因子に従って選択される。これらの因子には、患者の型、年齢、体重、性、規定食、および医学的状態、疾患の重症度、投与経路、薬理学的に考慮すべき要件、たとえば使用する特定の化合物の活性、効力、薬物動態学的および毒性学的特性、薬物送達系が利用されるかどうか、および化合物が薬物組み合わせの一部として投与されるかどうかが挙げられるが、それらに限定されない。したがって、実際に使用される投与計画は広範に変化し、そして先に示した好ましい投与計画から逸脱してもよい。
【0073】
たとえば高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈心疾患、および心臓血管疾患(それらに限定されない)のような高脂肪血状態を患う患者の初期治療は、先に示した投薬量から始めることができる。治療は、一般に状態がコントロールされるか、除かれるまで、数週間から数ヶ月または数年にわたり必要に応じて継続するべきである。本明細書に開示された化合物または組成物による治療を受けている患者は、たとえば当該技術分野で公知のいずれかの方法により血清中LDLおよび総コレステロールレベルを測定することにより定期的にモニターされ、組み合わせ治療の有効性を判断することができる。
【0074】
キット
好ましい態様はまた、組み合わせ治療を好都合に投薬するためのキットに関する。これらのキットは好ましくは、複数のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤とポリキトサミンの1日投薬量を含有することになる。1日投薬量は好ましくはそれぞれの医薬品の別々の剤形である。さらに、患者および/または投薬する医師または薬剤師のために説明書が提供される。キットは、たとえば1か月のような、一定の治療期間の供給量を含有してもよい。
【0075】
それぞれの曜日(月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日)が示されている、治療の7日間分を含むブリスターパッケージ。それぞれの日には、一方に“朝食”、他方に“夕食”と記載された2個のカプセルまたは錠剤が含まれる。4週間(28日)の供給に十分であるように、総計ではブリスター包装ごとに14個のカプセル剤(2列×7段)、そして1箱に4ブリスターが含まれる。あるいは、1日1回投薬(ディナーだけ)のために1列だけ、または1日3回投薬(朝食、昼食、夕食)のために3列含まれていてもよい。この態様に従って、スタチンとポリキトサミンは同じカプセル剤または錠剤に含有される。
【0076】
別の態様では、スタチンとポリキトサミンは7日間それぞれに対して、それぞれ1日につき1投薬量の別々の錠剤またはカプセル剤の状態にある。これはブリスター毎に2列×7段、1箱につき4ブリスターを表すことになる。
【0077】
当業者は、日常的な実験法を使用するだけで、本明細書に記載された本発明の具体的な態様に対しての多くの等価物に気がつくか、または確かめることができるであろう。これらおよびすべての他の等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)HMG-CoAレダクターゼ阻害剤と、
b)ポリキトサミンと
を含有する医薬組成物。
【請求項2】
薬剤的に受容できるキャリアをさらに含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、メビノリン、ロスバスタチン、ニバスタチン、アトルバスタチンカルシウムおよびメバスタチンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がアトルバスタチンであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がアトルバスタチンカルシウムであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
HMG-COAレダクターゼ阻害剤がリピトール(登録商標)であることを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がロスバスタチンであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項8】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がクレストール(登録商標)であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がメビノリンであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項10】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がニバスタチンであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項11】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がシンバスタチンであることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項12】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がゾコール(登録商標)であることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
ポリキトサミンが約30kDaの分子量を有し、そして少なくとも約93%が脱アセチル化されている、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
ポリキトサミンがリブラコール(登録商標)であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
ポリキトサミンが35〜50kDaの範囲の分子量を有することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
ポリキトサミンが約40kDaの分子量を有することを特徴とする、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
ポリキトサミンがHEP40(登録商標)であることを特徴とする、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の治療的有効量が1日につき約6mgであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
ポリキトサミンの治療的有効量が、1日につき少なくとも約400mgであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項20】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の治療的有効量が1日につき約6mg〜約80mgであり、ここでポリキトサミンの治療的有効量が1日につき約600mg〜約2400mgであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
高脂血症および高脂血症に関連した状態の患者に:
a)第1の量のポリキトサミン;および
b)第2の量のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤
を投与することを含み、ここで第1および第2の量が一緒になって治療的有効量を含有する、前記疾患および状態の予防または治療のための方法。
【請求項22】
高脂血症に関連した状態が、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈心疾患、心臓血管疾患および心臓発作後の回復からなる群から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がメビノリン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ニバスタチン、アトルバスタチンカルシウムおよびメバスタチンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がアトルバスタチンであることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がアトルバスタチンカルシウムであることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がリピトール(登録商標)であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がロスバスタチンであることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がクレストール(登録商標)であることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がメビノリンであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がニバスタチンであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がシンバスタチンであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤がゾコール(登録商標)であることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ポリキトサミンが約30kDaの分子量を有し、そして少なくとも約93%脱アセチル化されている、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
ポリキトサミンがリブラコール(登録商標)であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
ポリキトサミンが35〜50kDaの範囲の分子量を有することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
ポリキトサミンが約40kDaの分子量を有することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
ポリキトサミンがHEP40(登録商標)であることを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の治療的有効量が1日につき少なくとも約6mgであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項39】
ポリキトサミンの治療的有効量が少なくとも1日につき約400mgであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項40】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の治療的有効量が1日につき約6mg〜80であり、ここでポリキトサミンの治療的有効量が1日につき約600mg〜約2400mgであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項41】
治療的有効量のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤および治療的有効量のポリキトサミンが1日に1回投与されることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
治療的有効量のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤および治療的有効量のポリキトサミンが1日に2回投与されることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
複数の1日投薬量の投与形態のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤とともに複数の1日投薬量の投与形態のポリキトサミン、および治療方法説明書を含んでなる、哺乳動物の高脂血症および高脂血症に関連した状態の予防または治療のためのキット。
【請求項44】
複数の1日投薬量が、個々のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤1日投薬量と個々のポリキトサミン1日投薬量とを含んでなることを特徴とする、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤が2mg〜80mgの範囲の投薬量単位で提供されることを特徴とする、請求項43に記載のキット。
【請求項46】
ポリキトサミンが200mg〜1200mgの範囲の投薬量単位で提供されることを特徴とする、請求項43に記載のキット。

【公表番号】特表2008−513379(P2008−513379A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531552(P2007−531552)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001406
【国際公開番号】WO2006/029524
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(507084969)ディーエヌピー・カナダ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】