説明

高融解温度合金の摩擦攪拌点接合のための工具形状

高融解温度材料の摩擦攪拌点接合のための工具であり、工具形状は、高温度材料の混合を増強するために短いピンおよび広い肩部を含み、工具は、超研磨被覆を含み、それによって高融解温度材料のFSSWを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に摩擦攪拌接合に関する。特に、本発明は、高融解温度合金の点接合に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、ドケット番号3252.SMII.PRを有する2005年2月15日に出願された米国特許仮出願第60/653158号、ドケット番号1219.BYU.CNを有する2003年11月10日に出願された米国継続特許出願第10/705668号、およびドケット番号1219.BYU.CN2を有する2003年11月10日に出願された米国継続特許出願第10/705717号の優先権を主張し、かつそれら出願に含まれる全ての主題を参照によって組み込む。
【0003】
点接合を必要とする様々な工業における多くの応用がある。例えば、造船所、船舶、自動車、輸送機関、航空宇宙、原子力、石油およびガス、ならびに他の工業は、全て、一般的にラップ構成を使用して、とりわけ鋼、ステンレス鋼、ニッケルベース、および他の合金を含む高融解温度合金を一緒に結合する必要がある。点接合を実施するために使用される最も一般的な方法の1つは、抵抗点接合(RSW)として工業において知られている。RSWは、結合される材料を通して電流を流し、それによって所望の結合位置で金属の溶融池を形成する。溶融池が冷却しかつ凝固するとき、点接合結合が形成される。
【0004】
RSW技術には多くの欠点がある。これらの欠点は、高エネルギー価格、接合の位置でのひびを生じるもろい結合部、放出される危険な蒸気、低い結合部強度、腐食されやすさ、固化欠陥、電極結合部でのプローブ磨耗により繰り返し性の欠如、および結合部の品質検査の困難性を含む。
【0005】
抵抗点接合のためのより顕著な適用の1つは、自動車およびトラックの本体のためのフレームの部品を一緒に結合することである。しかしながら、自動車工業は、RSWを用いて信頼性良く自動車を製造することを模索し続ける。
【0006】
自動車またはトラック本体の衝突耐性が、米国政府には特に重要である。したがって、米国政府は、消費者のために製造された自動車が、RSW品質を決定するために破壊試験を受けることを必要とする。例えば、製造された各自動車モデルの自動車本体は、それが点接合された後、交通省検査官によってその製造ラインから無作為に選択される。接合部は、壊されるために選択され、この作動は、ねじ回しに類似した手持ち工具を用いて実施される。一般的に、各ラインからの1つの自動車本体は、各製造業者から毎月破壊試験される。しかしながら、製造業者は、典型的に、車両衝突耐性が維持されることを確実にするために、各シフト毎に車両に試験を実施することによって、製造業者自身で有意な破壊試験を行う。
【0007】
この破壊検査工程は、典型的に、RSWの信頼性がない性質のために使用される。ある製造業者は、また、2つ以上のあるはんだ付け機械またはロボットより任意の単一の車両に接合部を作ることを注意深く確実にする。このように、ロボットが不十分な性能の接合部を作るなら、危険は、任意の特定の車両に低減される。
【0008】
自動車工業は、また、車両を軽量にしかつ燃料経済性を改善するために、高度高強度鋼(AHSS)の使用を追求する。これら鋼のいくつかは、RSWがはるかにより困難である。いくつかの鋼は、RSWを使用する接合は全くできない。さらに、AHSSは、今日の車両に作られる既存の鋼よりはるかに多い工程制御問題を生じる。例えば、1つの工程制御問題は負荷である。抵抗点接合されるべき材料を挟む必要がある。他の問題は、接合されるべき部品間の間隔の問題である。同一平面である必要がある部品、または接合部の強度は、損なわれることがある。他の問題は、AHSSにRSWを実施するために必要な電気量である。
【0009】
これら高度鋼が車両構造で使用されることができるなら、実質的な重量節約が得られることができるが、RSWに関連する結合問題のためにほとんど成功しない。
ある自動車製造業者は、アルミニウムドアパネルに摩擦攪拌点接合(FSSW)を使用したことに留意されたい。しかしながら、既存のFSSW工具の制限のために、アルミニウム(低融解温度合金)は、RSW工程によって結合されることができる唯一の材料である。残念なことに、アルミニウムは、フレームまたは本体などの車両における構造構成部品に使用されることができず、したがって、その使用は、自動車応用だけでなく同様に他の応用にも制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、必要なものは、AHSSでの使用されることができ、それによって高融解温度合金を車両のフレームまたは本体に使用することを可能にする摩擦攪拌点接合(FSSW)を実施するための工具および方法である。
【0011】
摩擦攪拌接合は、金属および金属合金を接合するために開発された技術であることを知ることは、本発明の理解のために有用である。FSW工程は、回転攪拌ピンまたは心棒によって、結合部の両側で2つの隣接する加工片の材料を係合することをしばしば伴う。心棒および加工片を一緒に駆動するために力が及ぼされ、心棒と加工片との間の相互作用によって生じる摩擦熱は、結果として結合部の両側で材料の可塑化を生じる。心棒は、結合部に沿って横切り、それが前進するにつれ材料を可塑化し、かつ可塑化された材料は、心棒が前進に引き続いて接合部を形成するために放置冷却される。
【0012】
図1は、摩擦攪拌接合に使用される工具の斜視図であり、摩擦攪拌接合は、肩部12および肩部から外側に延びるピン14を有する全体的に円筒状の工具10によって特徴付けられる。ピン14は、十分な熱が生成されるまで加工片16に対して回転され、その点で、工具のピンは、可塑化された加工片材料内に突入される。加工片16は、しばしば、結合ライン18で一緒に突入される材料の2枚のシートまたは板である。ピン14は、結合ライン18で加工片16に突入される。この工具は、従来技術で開示されているが、工具は、新たな目的のために使用されることができることを説明する。用語「加工片」および「ベース材料」は、本明細書を通して交換可能に使用されることにも留意されたい。
【0013】
加工片材料16に対するピン14の回転運動によって生じる摩擦熱は、溶融点に達することなく加工片材料を軟化させる。工具10は、結合ライン18に沿って横切って移動され、それによって可塑化された材料が、前縁から後縁へピンの周りを流れるとき接合部を作る。結果は、他の接合部と比べて、加工片材料16自体から一般的に区別できないことがある結合ライン18で固相結合部20である。
【0014】
肩部12が加工片の表面に接触するとき、その回転が、挿入されたピン14の周りのより大きな円筒状柱の材料を可塑化する追加の摩擦熱を作ることが観察される。肩部12は、工具ピン14によって引き起こされる上方への金属の流れを含む鍛造する力を提供する。
【0015】
FSWの間、接合される領域および工具は、工具が、接合結合部の所望の長さを横切るように、互いに対して移動される。回転するFSW工具は、間断ない高温作用動作を提供し、ピンの前面からその後縁へ金属を輸送する間に、FSW工具がベース金属に沿って横断方向に移動するにつれ、狭い区域内の金属を可塑化する。接合区域が冷却されるとき、工具が通過するとき液体は作られないので、典型的には凝固は存在しない。結果として生じる接合部は、欠陥が無く、再結晶化され、接合部の領域に形成される細かい粒子微細構造であることは、常にではないがしばしばある。
【0016】
移動速度は、典型的に200rpmから2000rpmの回転速度で10mm/分から500mm/分である。到達する温度は、通常、固相線温度に近いが固相線温度を下回る。摩擦攪拌接合パラメータは、材料の熱特性、高温流応力、および浸透深さの関数である。
【0017】
米国特許第6648206号および米国特許第6779704号など本発明者の何人による以前の特許は、以前は機能的に接合可能ではないと考えられていた材料に摩擦攪拌接合を実施することができる利点を教示する。これら材料のいくつかは、溶解接合可能ではなく、または全く接合困難である。これら材料は、例えば、金属マトリクス複合物、鋼およびステンレス鋼などの鉄合金、ならびに非鉄材料を含む。摩擦攪拌接合を利用することもできる材料の他の種類は超合金である。超合金は、より高い融解温度の青銅またはアルミニウムを有する材料であることができ、同様に混合された他の元素を有することができる。超合金のいくつかの例は、ニッケル、鉄ニッケル、および537.8℃(1000°F)を超える温度で一般的に使用されるコバルトベースの合金である。超合金で一般的に見出される追加の元素は、限定されず、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、ニオブ、タンタル、およびレニウムを含む。
【0018】
チタンは、摩擦攪拌接合にも望ましい材料であることに留意されたい。チタンは、非鉄材料であるが、他の非鉄材料より高い融解温度を有する。
以前の特許は、工具が、摩擦攪拌接合される材料より高い融解温度を有する材料を使用して形成される必要があることを教示する。いくつかの実施形態において、超研磨は、工具で使用された。
【0019】
本発明の実施形態は、全体的に、これら機能的に接合可能ではない材料、および超合金に関し、以降、本明細書を通して「高融解温度」材料と呼ばれる。
上記例は、摩擦攪拌接合を対処するが、摩擦攪拌処理および摩擦攪拌混合も、考慮されなければならない本発明の態様である。摩擦攪拌処理および接合は、互いの排他的な事象であることができ、またはそれらは、同時に生じることがあることに留意されたい。用語「摩擦攪拌処理」は、固体状態処理と交換可能に参照されることもできることにも留意されたい。固体状態処理は、典型的に液体相を含まない可塑化状態への一時的な変換として本明細書で定義される。しかしながら、いくつかの実施形態は、1つまたは複数の要素が液体相を通過することを許容し、まだ本発明の利点を得ることに留意されたい。
【0020】
摩擦攪拌処理において、工具ピンは、回転されかつ処理されるべき材料内に突入される。工具は、材料の処理領域を横切って横断方向に移動される。それは、材料が、元の材料とは異なる特性を有するように修正されることを結果として生じることができる固体状態工程における可塑化に材料を受けさせる作用である。
【0021】
摩擦攪拌混合は、接合を除外する事象であることもでき、または摩擦攪拌混合は、同時に生じることができる。摩擦攪拌混合において、少なくとも1つの他の材料は、処理または接合される材料に追加される。
【0022】
MegaStir Technologies(Advanced Metal Products、Inc.とSII MegaDiamond、Inc.との間の業務提携)は、摩擦攪拌接合(FSW)工具を開発し、摩擦攪拌接合(FSW)工具は、FSWと呼ばれる固体状態結合工程の間に鋼およびステンレス鋼などの高融解温度材料を一緒に結合するために使用されることができる。この技術は、一般的に、多結晶立方晶系の窒化ボロン先端30(ピンおよび肩部領域を含む)、先端の背部の絶縁(図示せず)、固定カラー32、止めねじ34、および図2に示されない柄36を使用することを含む。
【0023】
この工具が、適正な摩擦攪拌接合機械および適正な安定状態冷却とともに使用されるとき、それは、様々な材料の摩擦攪拌接合で有効である。この工具設計は、また、PCBNに加えて様々な工具先端材料を使用するのに有効である。これらの材料のいくつかは、タングステン、レニウム、イリジウム、チタンなどの耐火物質を含む。
【0024】
これら先端材料は、しばしば作るのに高価であるので、この設計は、工具を作りかつ工具を市場に提供する経済的なやり方である。図2に示される設計は、焼結、ヒッピング、および他の高圧力機器性能によって作られることができる制限された寸法で一部は駆動される。
【課題を解決するための手段】
【0025】
高融解温度材料のFSSWを可能にする工具形状を提供することが、本発明の一態様である。
高融解温度材料のFSSWを可能にする材料を含むFSSWを実施するための工具を提供することが、他の態様である。
【0026】
好ましい実施形態において、本発明は、高融解温度材料の摩擦攪拌点接合のための工具であり、工具形状は、高温度材料の混合を増強するために短いピンおよび広い肩部を含み、工具は、超研磨被覆を含み、それによって高融解温度材料のFSSWを可能にする。
【0027】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、利点、および代替態様は、添付の図面と組み合わされる以下の詳細な記載を考慮することで当業者には明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に図面に対して参照が行われ、図面において、本発明の様々な要素が、所定の数値指定が与えられ、本発明は、当業者が本発明を作りかつ使用することを可能にするように議論される。以下の記載は、本発明の原理の例示だけであり、以下の特許請求の範囲を狭めるとして見られるべきでないことは理解される。
【0029】
多結晶立方晶系の窒化ボロン(PCBN)、および結合されるこれら材料より高い溶融点を有する他の材料などの工具材料での最近の開発から、高融解温度材料の摩擦攪拌接合(FSW)が、現実になった。しかしながら、最近のFSSW試験において、FSSWで使用される工具形状が、FSWで使用される工具形状とは異なっていることが明らかになった。工具形状における変化は、ピン長さ、肩部幅に対するピン長さの比率の修正、ピン形状、肩部形状、ピンなしの肩部の使用、ピンだけの使用、ピン上のねじの使用、およびピンの高さを含むが、それらに限定されると考慮されるべきではない。
【0030】
FSWで使用される多くの工具形状は、突合せ結合部を作るとき、より厚い加工片を一緒に結合するために、工具上の比較的長いピンを必要とする。対照的にFSSWは、一般的に、比較的厚い加工片に実施されるようになってきている。したがって、ピンは、FSWで使用される工具上より一般的により短くなることができる。このより短いピンは、工具が、FSSWである両方の材料を一緒に浸透する際にも使用されることができる。
【0031】
ピン長さとともに、本発明の他の態様は、肩部幅に対するピン長さの比率が、摩擦攪拌混合および接合のためにFSSWに重要であることの理解である。一緒に混合される加工片の広い領域を有することが望ましい。より広い領域のFSSWは、より容易に達成され、比較的広い肩部を有する。
【0032】
本発明において、FSSW結合部は、結合される材料の最小の溶融でまたは溶融の無い一般的な固体状態工程を使用して達成される。したがって、工具形状が、材料が機械的に結び付くように、加工片の材料が処理されることを可能にすることが重要である。
【0033】
例えば、図3Aから図3Dに示される工具の形状を有する工具が、1500RPMで回転され、5.08cm(2インチ)/分から20.32cm(8インチ)/分の突入速度でAHSSのラップ結合部内に突入し、1秒から10秒休止し、かつ引き込まれるとき、機械的な結び付きを有するFSSW結合部が作られる。これらのパラメータは、例示だけの目的のためであり、同一または類似する結果を達成するために変えられることができることは理解すべきである。
【0034】
図3Aは、FSSW工具保持器40、および肩部42とピン44とからなるFSSW先端の輪郭図として与えられる。
図3Bは、PCBN先端の輪郭図であり、肩部42およびピンは、短い柄46に結合される。
【0035】
図3Cは、PCBN先端の拡大輪郭図であり、肩部42およびピンの詳細は、より明らかに見ることができる。
図4Aは、FSSW工具保持器50、および肩部の無いピン54からなるFSSW先端の輪郭図として与えられる。
【0036】
図4Bは、PCBN先端の輪郭図であり、ピン54は、短い柄56に結合される。
図4Cは、ピン54のステップ状のらせんねじ58を示すPCBN先端の拡大輪郭図である。ステップ状のらせんねじ58は、この特定の実施形態において2つのねじ切られた開始部を使用して作られる。ピン54のこの特定の構成は、他のFSSW工具形状を使用して作られた点接合部と比べて最も大きな程度の強さを有する点接合部を結果として生じた。
【0037】
図4Dは、ピン54および工具保持器50を示す端部の図である。
FSSW結合部を作るために処理される領域が最大化されることが、本発明の一態様である。換言すれば、FSSW工具で攪拌される材料の量を最大化することが望ましい。この目的を達成する1つのやり方は、FSSW工具の大きな肩部を使用することである。理想的に、ピンを有することがあるまたはピンを有することがない円筒状加工端部を有する柄を有する工具は、FSSW工具の肩部を最大化する。
【0038】
この工具形状のいくつかの結果は、FSSW工具が、恐らく大きな軸方向負荷を受けること、FSSW工具が、恐らくラップ結合部の界面近くでまたは界面で突入されなければならないこと、およびFSSW工具が、望ましくない材料流れを有することができることである。
【0039】
これら困難性を解決する1つの方法は、結合領域の寸法を増大することである。これは、FSSW工程の間に、突入軸から離れてFSSW工具を並進することによって達成される。
【0040】
FSSW工程は、またFSSW工具が移動されない休止期間を含むことができ、またはFSSW工程は、休止期間を有さないことができ、FSSW工具は、移動したままである。
【0041】
結び付けられる材料の流れを管理する工具形状が、好ましく、FSSWされる特定の種類の材料の流れに関する設計基準を含むべきであることは、本発明の他の態様である。
図5は、FSSWパラメータが、異なる点接合を得るために修正されたFSSW工具の図である。第1の点接合部60は、2.1秒のサイクル時間を使用して作られた。第2の点接合部62は、1.6秒のサイクル時間を使用して作られた。
【0042】
図6は、DP600で実施されたFSSW工具を使用する点接合の顕微鏡写真として与えられ、FSSW工程のパラメータの変化の結果として作られた3つの異なる断面を示す。接合部1(70)は、2.5秒のFSSWサイクル時間を有し、50mm/分での突入および213mm/分での引き出しを有した。接合部2(72)は、1秒のFSSWサイクル時間を有し、213mm/分での突入および213mm/分での引き出しを有した。接合部3(74)は、1.5秒のFSSWサイクル時間を有し、0.5秒間の休止時間を含む213mm/分での突入および213mm/分での引き出しを有した。
【0043】
接合部2(72)は、結合される2つの材料が同一平面ではなく、したがって、点接合が実施された後それらの間に間隔を有することを示すことに留意されたい。
本発明の他の態様は、ピンおよび肩部での非対称な特徴部を配置すること、引き出し可能なピンを使用すること、異なる程度のテーパ半径、放物線状、非線形形状を備えるピンを有すること、ピンにねじを有すること、肩部にねじを有すること、ピンに平坦部および/またはねじを有すること、ならびに工具の下の領域を増大するために突入軸から離れる方向にFSSW工具が移動されるように、FSSW工具を移動することの使用を含む。
【0044】
上述の構成は、本発明の原理の適用を例示するだけであることを理解すべきである。多数の修正および代替構成が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって考案されることができる。添付の特許請求の範囲は、そのような修正および構成を包含することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】高融解温度材料にFSWを実施することができる既存の摩擦攪拌接合工具の従来技術の斜視図である。
【図2】高融解温度材料にFSWを実施することができる既存の摩擦攪拌接合工具の他の従来技術の斜視図である。
【図3A】本発明の所望の摩擦攪拌点接合を実施することができる工具の一実施形態を図示し、工具保持器およびその内に配置されたPCBN先端の輪郭図である。
【図3B】PCBN先端の第1の輪郭図である。
【図3C】PCBN先端の第2の輪郭図である。
【図4A】本発明の所望の摩擦攪拌点接合を実施することができる工具の他の実施形態を図示し、工具保持器およびその内に配置されたPCBNピンの輪郭図である。
【図4B】囲まれた図FによるPCBNピンの第1の輪郭図である。
【図4C】図Fのねじ切られたPCBNピンの拡大輪郭図である。
【図4D】PCBNピンおよび工具保持器の端部の図である。
【図5】パラメータが、異なる点接合を得るために修正された、2つのFSSW点接合の図である。
【図6】3つの摩擦攪拌点接合部の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦攪拌点接合(FSSW)工具を使用する高融解温度材料からなる2つの加工片の摩擦攪拌点接合を実施する方法であって、
(1)肩部およびピンを有する摩擦攪拌点接合(FSSW)工具を提供するステップであって、前記肩部および前記ピンは、その上に配置された超研磨被覆を有し、前記超研磨被覆は、前記2つの加工片より高い融解温度を有する、摩擦攪拌点接合工具を提供するステップと、
(2)前記FSSW工具を前記2つの加工片内に突入させ、かつ前記FSSW工具を突入軸線に対して横方向に移動することなく前記FSSW工具を引き出すことによって、前記2つの加工片を一緒に摩擦攪拌点接合するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記方法は、前記FSSW工具を前記2つの加工片から引き出す前に、前記FSSW工具を前記突入軸線に対して横方向に移動させるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、摩擦攪拌接合工具に対する、肩部幅に対するピン長さの比率を増大させ、それによって前記2つの加工片を一緒に混合することを最大化するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、休止時間を含むステップをさらに含み、前記FSSW工具は、前記2つの加工片内に突入されたままであり、回転するが、並進移動は実施されない請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記ピンが、ステップ状のらせんねじを含むように修正し、それによって前記2つの加工片の前記材料の混合を最大化するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、FSSWパラメータを修正し、それによって結果として生じる点接合を修正するステップをさらに含み、前記FSSWパラメータが、休止時間、突入深さ、サイクル時間、および突入軸線に対する前記FSSW工具の並進移動からなるFSSWパラメータの群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記FSSW工具を修正し、それによって結果として生じる点接合を修正するステップをさらに含み、前記FSSW工具に対する前記修正は、前記ピンのテーパ、前記ピンの断面形状、前記ピン上のねじの存在、前記肩部上のねじの存在、および前記ピン上の平坦部の存在からなる修正の群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
摩擦攪拌点接合(FSSW)工具を使用する高融解温度材料からなる2つの加工片の摩擦攪拌点接合を実施する方法であって、
(1)ピンを有する摩擦攪拌点接合(FSSW)工具を提供するステップであって、前記ピンは、その上に配置された超研磨被覆を有し、前記超研磨被覆は、前記2つの加工片より高い融解温度を有する、摩擦攪拌点接合工具を提供するステップと、
(2)前記FSSW工具を前記2つの加工片内に突入させ、かつ前記FSSW工具を突入軸線に対して横方向に移動することなく前記FSSW工具を引き出すことによって、前記2つの加工片を一緒に摩擦攪拌点接合するステップとを含む方法。
【請求項9】
前記方法は、前記FSSW工具を前記2つの加工片から引き出す前に、前記FSSW工具を前記突入軸線に対して横方向に移動させるステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、休止時間を含むステップをさらに含み、前記FSSW工具は、前記2つの加工片内に突入されたままであり、回転するが、並進移動は実施されない請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記ピンが、ステップ状のらせんねじを含むように修正し、それによって前記2つの加工片の前記材料の混合を最大化するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、FSSWパラメータを修正し、それによって結果として生じる点接合を修正するステップをさらに含み、前記FSSWパラメータが、休止時間、突入深さ、サイクル時間、および突入軸線に対する前記FSSW工具の並進移動からなるFSSWパラメータの群から選択される請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記FSSW工具を修正し、それによって結果として生じる点接合を修正するステップをさらに含み、前記FSSW工具に対する前記修正は、前記ピンのテーパ、前記ピンの断面形状、前記ピン上のねじの存在、および前記ピン上の平坦部の存在からなる修正の群から選択される請求項8に記載の方法。
【請求項14】
高融解温度材料からなる2つの加工片の点接合を実施する摩擦攪拌点接合(FSSW)工具であって、
その上に配置された超研磨被覆を有する肩部と、
前記肩部に結合され、かつその上に配置された超研磨被覆を有するピンとを備え、前記超研磨被覆は、前記2つの加工片より高い融解温度を有し、
肩部幅に対するピン長さの比率が調整され、それによって前記2つの加工片の前記材料の混合を最大化するFSSW工具。
【請求項15】
前記ピンが、さらにステップ状のらせんねじを備え、それによって前記2つの加工片の前記材料の混合を最大化する請求項14に記載のFSSW工具。
【請求項16】
高融解温度材料からなる2つの加工片の点接合を実施する摩擦攪拌点接合(FSSW)工具であって、
柄と、
前記柄に結合され、かつその上に配置された超研磨被覆を有するピンとを備え、前記超研磨被覆は、前記2つの加工片より高い融解温度を有し、
肩部幅に対するピン長さの比率が調整され、それによって前記2つの加工片の前記材料の混合を最大化するFSSW工具。
【請求項17】
前記ピンが、さらにステップ状のらせんねじを備え、それによって前記2つの加工片の前記材料の混合を最大化する請求項16に記載のFSSW工具。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−529805(P2008−529805A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556294(P2007−556294)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005507
【国際公開番号】WO2007/086885
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(506039715)エスアイアイ・メガダイアモンド・インコーポレーテッド (6)
【出願人】(505289650)アドバンスト・メタル・プロダクツ・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】