説明

高速充填とスループットを実現するための分配の幾何学的配置および導電性テンプレート

本発明は、分配の幾何学的配置と導電性テンプレートに向けられ、さらにインプリントリソグラフィプロセスの間における高速充填とスループットを実現する導電性テンプレートを形成する方法に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、全体としてインプリントリソグラフィに関する。より詳しくは、本発明は、インプリントリソグラフィプロセスの間にテンプレートのフィーチャをインプリント物質で充填するために必要とする時間を短縮することに取り組む。
【背景技術】
【0002】
超微細加工は、例えばマイクロメートル以下のオーダのフィーチャを有する極めて小さい構造の製作を伴う。超微細加工がかなり大きい影響を及ぼしてきた1分野が、集積回路の加工にある。半導体加工産業が基板上に形成される単位面積当たりの回路を増大させながらより大きな製造歩留まりを得ようと努力し続けているなかで、超微細加工はますます重要になっている。超微細加工は、形成される構造の最小フィーチャ寸法の大きな縮小を可能にしつつ、より高いプロセス制御を提供する。超微細加工が使用されてきた開発の他の分野は、バイオ技術、光学技術、機械システムなどを含む。
【0003】
典型的な超微細加工技法は、ウィルソン他(Willson et al.)の特許文献1に示されている。ウィルソンらは、構造においてレリーフ像を形成する方法を開示している。その方法は、転写層を有する基板を設けることを含む。転写層は重合性流体組成物で覆われる。型が重合性流体と機械的に接触する。型はレリーフ構造を備えており、重合性流体組成物はレリーフ構造を充填する。重合性流体組成物はその後、同物を固化し重合させる条件にさらされ、型のそれと相補的なレリーフ構造を含む固化した重合体物質を転写層上に形成する。型はその後、固体重合体物質から分離され、それにより、型のレリーフ構造の複製が固化した重合体物質において形成される。転写層と固化した重合体物質は、レリーフ像が転写層に形成されるように、固化した重合体物質に対して転写層を選択的にエッチングする環境にさらされる。この技法によって必要な時間と付与される最小フィーチャ寸法は、なかんずく、重合性物質の組成に依存する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6334960号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、インプリントリソグラフィテンプレートのフィーチャを充填するために必要とされる時間を減少させる技法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、隣り合う液滴に到達して液体の連続した層を基板上で形成するために液滴の液体が移動しなければならない距離を最小限にすることを特徴とする、液体の複数の離間した液滴を基板上に分配するための方法に向けられている。その結果、パターン形成されたテンプレートにより液滴をパターン形成する際に、パターンのフィーチャを充填して基板を覆うために要求される時間は最小限にされる。これはインプリントプロセスのスループットを増大させる。そのために、本方法は、個々がそれと関係する単位体積を有する複数の離間した液滴を基板上に配列することを含む。複数の液滴のサブセットの隣り合う液滴間の間隔がそのサブセットと関係する最も小さい単位体積の関数であるように選定される。その結果、隣り合う液滴間の距離は、最小にされ、単に液滴分配装置の分解能に依存するにすぎなくなる。
【0007】
また、導電性テンプレートを開示し、かつ基板を設け、基板上にメサを形成し、電気伝導性物質よりなる凹部のナディアと電気絶縁性物質よりなる凸部により複数の凹部と凸部をメサ上に形成することとを含む、導電性テンプレートを形成する方法が開示される。メサは、例えば紫外線といった所定の波長の放射線に実質的に透過性であることが望ましい。その結果、紫外線がその内部を伝搬するのを可能にする物質で電気伝導性物質を形成することが望ましい。本発明において、酸化インジウムスズが電気伝導性性物質を形成するために適格な物質である。しかし、酸化インジウムスズはそのエッチング抵抗のためにパターン形成することが難しい。それにもかかわらず、この方法は、インプリントリソグラフィにおける使用に適格なインジウム酸化物で導電性テンプレートを形成するための方法を提供する。他の実施形態については以下でより完全に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、ブリッジ14を有する1対の離間したブリッジ支持材12とそれらの間に延在するステージ支持材16を含む、本発明の1実施形態に従ったリソグラフィシステム10を図示している。ブリッジ14とステージ支持材16は離間されている。ブリッジ14にはインプリントヘッド18が結合されており、これはブリッジ14からステージ支持材16に向かって延び、Z軸に沿った移動を可能にする。ステージ支持材16上にインプリントヘッド18と向き合うように可動ステージ20が配設されている。可動ステージ20は、X軸とY軸に沿ってステージ支持材16に対して移動するように機器構成されている。インプリントヘッド18がZ軸と同様にX軸とY軸に沿って移動することができ、可動ステージ20がX軸とY軸と同様にZ軸における移動を行うことができることを理解しなければならない。例示的な可動ステージ装置が、本発明の譲受人に譲渡された「ステップ・アンド・リピート・インプリント・リソグラフィ・システムズ(Step and Repeat Imprint Lithography Systems)」と題する2002年7月11日出願の米国特許出願第10/194414号に開示されており、これは参照によってここに完全に採り入れられる。放射線源22が、化学線を可動ステージ20上に入射させるためにシステム10に結合されている。図示の通り、放射線源22はブリッジ14に結合されており、放射線源22と接続された発電機23を含む。システムの動作は一般に、それとデータ通信しているプロセッサ25によって制御される。
【0009】
図1、2の両者に言及すれば、インプリントヘッド18には、型28を有するテンプレート26が接続されている。型28は、複数の離間した凹部28aと凸部28bによって形成される複数のフィーチャを含む。複数のフィーチャは、可動ステージ20に位置決めされた基板30に転写されるべき原型パターンを規定する。そのために、インプリントヘッド18および/または可動ステージ20は、型28と基板30との間の距離“d”を変えることができる。このようにして、型28のフィーチャは、以下でより完全に説明する、基板30の流動可能領域にインプリントされる。放射線源22は、型28が放射線源22と基板30との間に位置決めされるように配置されている。その結果、型28は、放射線源22によって生成される放射線に実質的に透過性である物質で製作される。そのために、型28は、水晶、石英ガラス、シリコン、サファイヤ、有機重合体、シロキサン重合体、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボン重合体、またはそれらの組合せを含む物質で製作される。さらに、テンプレート26は、上記の物質だけでなく金属からも形成することができる。
【0010】
図2、3の両者に言及すれば、インプリント層34といった流動可能領域は、ほぼ平坦な外形である表面32の一部に配置される。例示的な流動可能領域は、以下でより完全に説明する、基板30上に物質36aの複数の離間した個別の液滴36として堆積されるインプリント層34から構成される。液滴36を堆積するための例示的なシステムが、本発明の譲受人に譲渡されており参照によってここに完全に採り入れられる、「システム・アンド・メソッド・フォー・ディスペンシング・リキッズ(System and Method for Dispensing Liquids)」と題する2002年7月9日出願の米国特許出願第10/191749号に開示されている。インプリント層34は、原型パターンを記録し、記録されたパターンを形成するために選択的に重合され、架橋される物質36aから形成されている。物質36aのための例示的な組成物が、「メソッド・トゥ・リデュース・アドヒージョン・ビトウィーン・ア・コンフォーマブル・リージョン・アンド・ア・パターン・オブ・ア・モールド(Method to Reduce Adhesion Between a Conformable Region and a Pattern of a Mold)」と題する2003年6月16日出願の米国特許出願第10/463396号に開示されており、これは参照によってここに完全に採り入れられる。物質36aは、点36bで架橋されて、架橋重合体物質36cを形成するものとして図4に図示されている。
【0011】
図2、3、5に言及すれば、インプリント層34に記録されるパターンは、型28との機械的接触によって創出される。そのために、距離“d”は縮小されて、インプリント液滴36が型28と機械的接触させられ、液滴36を展延させて表面32の上に物質36aの連続した形成物によるインプリント層34を形成させる。1実施形態において、距離“d”は、インプリント層34の一部分34aが凹部28aに進入し、それを充填するように縮小される。
【0012】
凹部28aの充填を助成するために、物質36aは、表面32を物質36aの連続した形成物で覆いつつ凹部28aを完全に充填するために必要な特性を備えている。この実施形態では、凸部28bと重なり合うインプリント層34の一部分34bは、所望の(通常、最小限の)距離“d”に到達した後に、厚さt1を有する一部分34aと厚さt2を有する一部分34bを残しておく。厚さ“t1”と“t2”は、用途に応じて所望の任意の厚さとしてよい。一般に、t1は、図5においてより明確に示されたように、一部分34aの幅uのせいぜい2倍以下、すなわちt1≦2uであるように選定される。
【0013】
図2、3、4に言及すれば、所望の距離“d”に到達した後、放射線源22が、物質36aを重合させ架橋させて架橋重合体物質36cを形成する化学線を生成する。その結果、インプリント層34の組成物は、物質36aから、固体である架橋重合体物質36cに変化する。具体的には、架橋重合体物質36cは、図5においてより明確に示されたように、型28の表面28cの形状に合致した形状を備えるインプリント層34の面34cを備えるように固化する。インプリント層34が図4に図示された架橋重合体物質36cから構成されるように変化した後、図2に図示されたインプリントヘッド18を距離“d”を増大させるために移動させる。それにより型28とインプリント層34は離間される。
【0014】
図5に言及すれば、基板30のパターン形成を完了するために付加的な処理が使用できる。例えば、基板30とインプリント層34は、基板30にインプリント層34のパターンを転写し、パターン形成された表面34cを付与するためにエッチングされる。エッチングを助成するために、インプリント層34が形成される物質は、必要に応じて、基板30に対する相対エッチングレートを規定するために変更され得る。
【0015】
図2、3、6に言及すれば、極めて稠密なフィーチャ、例えばナノメートルのオーダの凹部28aを有する型の場合、凹部28aを充填するために型28と重なり合う基板30の領域40上に液滴36を展延させることは、長い時限を要する可能性があり、それによってインプリントプロセスのスループットを減速させる。インプリントプロセスのスループットの増大を助成するために、液滴36は、基板30上に展延し凹部28aを充填するために必要とされる時間を最小限にするように分配される。これは、S1とS2として図示された隣り合う液滴36間の間隔が最小限にされるように、二次元行列配列42として液滴36を分配することによって達成される。図示の通り、行列配列42の領域の液滴36は、6列n1〜n6と6行m1〜m6で配置されている。しかし、液滴36は基板30でほとんど任意の二次元配列に配置させることができる。要求されることは、所望のパターン形成層を形成するために必要なインプリント物質36の所定の総体積Vtに対して、行列配列42における液滴36の数を最大限にすることである。これは、隣り合う液滴間の間隔S1とS2を最小限にする。さらに、サブセットにおける液滴36の各々は、単位体積、Vuとして定義される関係するインプリント物質36aの同じ量を有することが望ましい。これらの基準に基づき、行列配列42でにおける液滴36の総数nは次のように決定される。
(1)n=Vt/Vu
ここで、VtとVuは上で定義されている。液滴36の総数nが次のように定義される液滴36の矩形配列を仮定しよう。
(2)n=n1×n2
ここで、n1は第1の方向に沿った液滴の数であり、n2は第2の方向に沿った液滴の数である。第1の方向に沿った、すなわち一次元での隣り合う液滴36の間の間隔S1は、次のように決定される
(3)S1=L1/n1
ここで、L1は第1の方向に沿った領域40の長さである。同様に、第1の方向に直角に延びる第2の方向に沿った隣り合う液滴36の間の間隔S2は次のように決定される。
(4)S2=L2/n2
ここでL2は第2の方向に沿った領域40の長さである。
【0016】
液滴36の各々に関係するインプリント物質36aの単位体積が分配装置に依存することを考慮すれば、間隔S1とS2が分解能、すなわち液滴36を形成するために使用される液滴分配装置(図示せず)の動作制御に依存することは明白である。具体的には、分配装置(図示せず)は、それが精確に制御されるように液滴36の各々において最小量のインプリント物質36aが供給されることが望ましい。このようにして、各々の液滴36のインプリント物質36aが移動しなければならない領域40の面積は、最小限にされる。これは、凹部28を充填し、基板をインプリント物質36aの連続層で覆うために必要とされる時間を短縮する。
【0017】
本発明が回避しようとする別の問題は、パターン形成表面34cが形成される際のインプリント層34へのガスの閉じ込めである。具体的には、行列配列42の離間した液滴36間の容積44にはガスが存在し、行列配列42での液滴36は、もし防がなければ起きる、そこでのガスの閉じ込めを回避するように領域40上に展延される。そのために、本発明の1実施形態によれば、行列配列42における液滴36のサブセットが、第1の方向に沿った型28によって第1の方向に沿って圧縮され、その後、第1の方向に直角に延びる第2の方向に沿って行列配列42の残りの液滴36を圧縮する。これは、図8に図示された、液滴36への型28の片持ち衝突(cantilevering impingement)によって達成される。
【0018】
図6、7、8に言及すれば、テンプレート26は、片持ち衝突と称する、型28の表面28cが基板30の基板表面30aに関して傾斜角θを成すように位置決めされる。角θの形成を助成する例示的な装置が、「ハイ・プレシジョン・オリエンテーション・アラインメント・アンド・ギャップ・コントロール・ステージズ・フォー・インプリント・リソグラフィ・プロセシーズ(High-Precision Orientation Alignment and Gap Control Stages for Imprint Lithography Processes)」と題する2000年10月27日出願の米国特許出願第09/698317号に開示されており、これは参照によってここに完全に採り入れられる。型28の片持ち衝突の結果、型28と基板30との間の距離が減少するにつれて、型28の一部分が行列配列42の液滴36のサブセットと接触してから、型28の一方の縁端と接触する型28の残りの部分が行列配列42の残りの液滴36と接触することになる。図示の通り、型28は、列n6と関係する液滴36の全部と、ほぼ同時に接触する。これにより、液滴36は、展延して、領域40の縁端40aから列n1〜n5の液滴に向けて延在するインプリント物質36aの連続した液体シート46を生成させる。液体シート46の一方の縁端は、容積44のガスを縁端40aから遠ざけ縁端40b、40c、40dに向けて押し出す働きをする液体−気体界面46aを形成する。列n1〜n5の液滴36間の容積44は、ガスが領域40の周辺部分に向けて押し出されるガス通路となる。このようにして、ガス通路と連携した界面46aは、もし防がなければ起きる、液体シート46におけるガスの閉じ込めを低減する。
【0019】
図7、9に言及すれば、テンプレート26が基板30に向けて動かされるにつれて、型28の回転が生じて、続いて列n4とn5の液滴36のサブセットに関係するインプリント物質36aを展延させ、連続した流体シート46に含ませる。テンプレート26は回転し続けて、それにより型28は引き続き列n2とn3に関係する液滴36と接触し、その結果それらと関係するインプリント物質36aは展延して図10に図示された連続したシート46に含まれる。全部の液滴36が図11に図示された連続したシート46となるまで、プロセスは継続する。見てわかるように、界面46aは、領域40の残りの容積44aにおけるガス(図示せず)が移動するための妨げのない経路が存在するように、縁端40cに向けて移動している。これは、容積44のガスが縁端40cに向き合っている領域40から出ることを可能にする。このようにして、もし回避されなければ起きた、表面34cを有する図5に図示されたインプリント層34内へのガスの閉じ込めは低減される。
【0020】
図3、12、13に言及すれば、本発明の別の実施形態において、図7〜11に関して説明したように、行列配列42における液滴36の列ごとの順次的な展延が、型28の片持ち衝突を要することなく達成することができる。これは、領域40を横切って、かつ/または型128に向けてインプリント物質36aを移動させるために電磁力を使用することによって達成される。そのために、型128は、型128の凹部128aのナディア118aを形成する、q1〜q6として図示された個々にアドレス可能な複数の導電性素子を含む。一部分118bをフランキング(flanking)しているボディ150の一部分118bは、凸部128bと重なり合っており、いずれの導電性性物質もそこには含まない。型128の形成は、以下でより完全に説明する。
【0021】
図14に言及すれば、テンプレートを形成するための1方法は、ボディ150を取得することと、テンプレートを形成する4つの領域150a、150b、150c、150dを区別することとを含む。具体的には、ボディ150は標準的な6025石英ガラスより構成される。テンプレート126、226、326、426として図示された4つのテンプレートは、ボディ150の4つの別個の領域内に同時に形成される。この開示を平易にするために、テンプレート126の製作については、テンプレート126に関する説明がテンプレート226、326、426に同等の重要性を伴って適用されるという理解のうえで説明する。
【0022】
図15、16に言及すれば、ボディ150は一般に、一辺が152.4mmの寸法である。ボディ150は、その表面全体112に存在するクロム層130を有する。フォトレジスト132の層がクロム層130を覆っている。フォトレジスト層132は、表面112の中心部136を囲んでいる領域134を露出させるようにパターン形成され、現像される。中心部136は一般に、一辺が25mmとなる寸法を有する。一般に、フォトレジスト層132はレーザーライターを用いて形成される。フォトレジスト層132が現像されて除去された後、領域134に重なっているクロム層130は、例えば硝酸アンモニウムまたはプラスマエッチングといったいずれかの適格なエッチング技法を用いてエッチング除去される。このようにして、領域134に重なっているボディ150の一部が露出される。その後、例えばオーブンベーキングまたは他の清浄プロセスといった適格なエッチング後処理を行ってもよい。
【0023】
ボディ150が石英ガラスで形成されると仮定すれば、適格なエッチング技法はバッファードオキサイドエッチング(BOE:buffered oxide etch)を含むであろう。これは、図18に図示されたボディ150の表面112から測定して、メサ133に所望の高さhを付与するために十分な時間量にわたって行われる。例示的な高さは15ミクロンである。その後、フォトレジスト層132の残りの部分が除去され、中心部136上のクロム層130のいずれかの残りの部分も除去される。フォトレジスト物質134の層が、図19に図示されたテンプレート126上に堆積される。メサ133と重なっているフォトレジスト物質134の領域は、パターン形成され現像除去されて、標準的な技法を用いてボディ150の領域136を露出させ、図20に図示されたパターン形成フォトレジスト層138を残す。その後、酸化インジウムスズ(ITO)140の層が、図21に図示されたパターン形成フォトレジスト層138を覆うためにテンプレート126上に堆積される。ITOは、電気伝導性であり、図2に図示された放射線源22によって生成される放射線の波長に実質的に透過性であるので、型128での使用に適格な物質である。リフトオフプロセスが図20に図示されたパターン形成フォトレジスト層138を除去するために使用され、領域136と重なり合っていないITO層の部分の全部はリフトオフプロセスの間に除去される。このようにして、図22に図示されたボディ150の領域144が露出しているパターン形成ITO層142が形成される。パターン形成ITO層142の形成に続き、図23に図示されたシリコン酸化物SiO2の層146が堆積される。これは、図13に図示された領域144と重なっているITO層142におけるITO物質とシリコン酸化物が重なり合わないようにシリコン酸化物層146がパターン形成されて、型128を形成する。このようにして、凹部128aのナディアはITOで形成され、凸部128bはSiO2で形成される。
【0024】
図3、12、13に言及すれば、凸部128bが電気絶縁性物質で形成されることを理解すれば、凹部128aの近傍の電磁界EM1は、凸部128bの近傍の電磁界EM2より大きいことがわかるであろう。このために、電圧源120が、図12に図示された既知のいずれかの適格な結合技法を用いて導電性素子q1〜q2と電気的に導通している。現在の例では、導電性素子q1〜q6が型128の上に突出するように形成され、電圧源120がそれらと接続されている。さらに、導電性素子q1〜q6を選択的にアドレスすることによって、選定された液滴36が、図7〜11に関して上述した展延パターンを含め、所望のほとんどあらゆる様態で選択的に展延され得る。
【0025】
図3、24、25に言及すれば、上述の通り、液滴136、236は、ほとんどあらゆる行列配列で配置することができる。図示の通り、液滴136、236は2つのセットで配置されている。液滴136の各々におけるインプリント物質36aの量はほぼ同一であり、液滴236の各々におけるインプリント物質36aの量はほぼ同一である。液滴236の各々におけるインプリント物質の量は、液滴136の各々におけるインプリント物質36aの量よりも著しく大きい。このように異なる量のインプリント物質36aを備える液滴136、236を配置することによって、基板30上への型128の片持ち衝突を使用することなく、インプリント層36aへのガスの閉じ込めを回避しつつ、型28の凹部128aを充填するために必要とされる時間を最小限にできる。具体的には、最小限の体積を有する液滴136を付与することによって、凹部128aの短縮した充填時間に関する上述の利点は実現される。図24に示された液滴236における図3に示されたインプリント物質36aの相対的に大きい量とその位置は、液滴236によって創成されるインプリント物質−ガス界面146aの流れが、インプリント物質36aにガスを閉じ込めることなく領域140の周辺部に向けてガスを移動させるために十分に強力となる可能性を増大させる。
【0026】
図3、12、24に言及すれば、液滴136、236においてインプリント物質36aを展延させパターン形成するために要求される時間をさらに減少させるために、テンプレート126を使用することができ、また導電性素子q1〜q6が上述の通り、順次的に、または同時に活性化される。
【0027】
図3、26、27に言及すれば、もし型全体に電磁界を同時に適用することが望ましければ、テンプレート526を使用してもよい。テンプレート526は、石英ガラスといった適格な物質のボディ550から形成される。例示的な物質は、一辺が約152.4mmの寸法を有する標準的な6025石英ガラスである。4つのテンプレート526、626、726、826が、それぞれ4つの別個の領域550a、550b、550c、550dに同時に形成される。この開示を平易にするために、テンプレート526の製作については、テンプレート526に関する説明がテンプレート626、726、826に同等の重要性を伴って適用されるという理解のうえで説明する。
【0028】
図28、29に言及すれば、ボディ550はその表面全体512の上に存在するクロム層530を有する。メサ533が、図16〜18に関して上述した方式でボディ550に形成される。酸化インジウムスズ(ITO)534の層がその後、図30に図示された標準的技法を用いてボディ550の表面全体512の上に堆積される。ITO層534の上に、図26に図示された凹部528aと凸部528bを形成するために標準的技法を用いてパターン形成されエッチングされるシリコン酸化物層SiO2が堆積される。このようにして、凹部528aのナディアがITOで形成され、凸部528bがSiO2で形成される。凸部528aが電気絶縁性物質で形成されることを理解すれば、凹部528aの近傍の電磁界EM1は、凸部528bの近傍の電磁界EM2よりも大きいことがわかる。その結果、型528の近傍のインプリント物質36aは凹部528aに引き込まれやすく、それによって物質36aを型528に合致させるために必要とされる時間を短縮する。
【0029】
上述した本発明の実施形態は例示的である。依然として本発明の範囲内にありながら、上述の開示には多くの変更および修正を行うことができる。例えば、電磁界の使用は、インプリント物質が型のフィーチャを完全に充填し、それによってインプリント層における不連続を回避することを保証するうえで有益となるかもしれない。そのような不連続は、インプリント物質が型の凹部を充填することができない時に生じる。これは、凸部とそれと重なっている表面との間の毛管引力といった、種々の環境や物質に基づくパラメータに起因する。インプリント物質を型に引きつけるために電磁界を適用することは、これらの特性を克服するであろう。従って、本発明の範囲は、上述の説明によって限定してはならず、反対に、添付特許請求の範囲とともにそれらの等価物の全範囲に関して決定されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従ったリソグラフィシステムの斜視図である。
【図2】図1に図示されたリソグラフィシステムの簡略化した立面図である。
【図3】図2に図示されたインプリント層が重合され架橋される前に構成される物質の簡略化した表現である。
【図4】図3に図示された物質が放射線を受けた後に変化する架橋重合体物質の簡略化した表現である。
【図5】インプリント層のパターン形成後の図1に図示されたインプリント層から離間した型の簡略化した立面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に従った前記図2に示された基板の領域に堆積されたインプリント物質の液滴の配列を図示している上面図である。
【図7】本発明の1実施形態に従った図6に図示された液滴の配列に衝突する図2に図示された型の片持ち衝突の簡略化した概略図である。
【図8】図7に図示された型の片持ち衝突を用いた前記図6に示された液滴の圧縮を示している上面図である。
【図9】図7に図示された型の片持ち衝突を用いた前記図6に示された液滴の圧縮を示している上面図である。
【図10】図7に図示された型の片持ち衝突を用いた前記図6に示された液滴の圧縮を示している上面図である。
【図11】図7に図示された型の片持ち衝突を用いた前記図6に示された液滴の圧縮を示している上面図である。
【図12】本発明の別の実施形態に従った個々にアドレス可能な導体を有する型の底面図である。
【図13】図12に図示されたテンプレートの側面断面図である。
【図14】本発明のさらに別の実施形態に従って図示されたテンプレートを製作するために使用される基板の上面図である。
【図15】線15−15にわたって得られる図14に図示された基板の領域の側面断面図である。
【図16】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図17】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図18】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図19】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図20】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図21】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図22】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図23】図13に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図15に図示された領域の側面断面図である。
【図24】本発明のさらに第4の実施形態に従った配列で配置されたインプリント物質の液滴を備える図6に図示された領域の上面図である。
【図25】本発明の第5の実施形態に従って図2に図示された型を用いた前記図24に図示された液滴の圧縮を示している上面図である。
【図26】本発明の第6の実施形態に従ったテンプレートの断面図である。
【図27】本発明の第7の実施形態に従って図26に図示されたテンプレートを製作するために使用される基板の上面図である。
【図28】線28−28に沿って得られる図27に図示された基板の領域の断面図である。
【図29】図26に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図28に図示された領域の断面図である。
【図30】図26に図示されたテンプレートを製作するために使用される種々のプロセスを実証する図28に図示された領域の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性テンプレートを形成する方法であって、方法は、
基板を設けることと、
基板上に複数の離間した導電性領域を堆積し、その後、複数の電気伝導性領域上の層に層状絶縁性物質を堆積することによって複数の電気伝導性領域を形成するために電気伝導性物質を含む凹部のサブセットのナディアを伴う複数の凹部と凸部を基板上に形成することとを含む、方法。
【請求項2】
複数の凹部を形成することは、選択的に活性化される複数の電気伝導性領域を設けることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
複数の凹部を形成することは、基板上に酸化インジウムスズの層を堆積すること、および酸化インジウムスズの層の上に絶縁性物質の層を堆積することと、絶縁性層の表面から延び酸化インジウムスズの層で終端する複数のビアをそこに形成するために絶縁性層をパターン形成することとをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
複数の凹部を形成することは、複数の離間した導電性領域として酸化インジウムスズの層を基板上に形成することと、離間した導電性領域と重なり合っていない基板の領域は露出しており、露出した領域を画成することと、露出した領域に電気絶縁性物質を形成することとをさらに含み、電気絶縁性物質および導電性領域は複数のビアを有するパターン形成層を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
テンプレートであって、
基板と、
基板上に配置された複数の離間した電気伝導性領域とを備え、基板および電気伝導性領域は両方とも所定の波長のエネルギーに実質的に透過性である、テンプレート。
【請求項6】
前記基板はメサをさらに含み、前記複数の離間した電気伝導性領域のサブセットは前記メサ上に配置されている、請求項5記載のテンプレート。
【請求項7】
前記複数の離間した導電性領域は酸化インジウムスズから形成される、請求項5記載のテンプレート。
【請求項8】
電気エネルギーを順次的に適用するために前記複数の離間した電気伝導性領域に電気エネルギーを適用するようにその動作を指示するために前記電源と接続されたプロセッサをさらに含む、請求項5記載のテンプレート。
【請求項9】
ボディにパターンを形成する方法であって、前記方法は、
テンプレートと前記ボディとの間にあるように液体を配置することと、
前記液体の近傍に前記テンプレートを配向することと、
前記テンプレートと前記ボディとの間に電界を適用して前記液体の一部を移動させ、当該膜における不連続を予防しつつ膜を形成するために前記液体を前記ボディ上に展延させることを含む、方法。
【請求項10】
適用することは、前記テンプレートと前記ボディとの間での前記液体の毛管力に打ち克つために十分な大きさの電界を適用することをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記液体物質を重合および架橋させる放射線に透過性である電気導電層を前記テンプレートに設けることをさらに含み、前記電界を適用することは前記導電層に電圧を印加することをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
ある総体積の液体を基板上に分配する方法であって、前記方法は、
各々がそれと関係する単位体積を有する複数の離間した液滴を前記基板上に配置することと、
前記複数の液滴の液体を前記基板の領域上に展延させることと、
隣り合う液滴と関係する液体に接触する前に前記複数の液滴の各々と関係する液体が移動する距離を最小限にすることとを含む、方法。
【請求項13】
最小限にすることは、前記複数の液滴のサブセットの隣り合う液滴間の間隔が、前記サブセットに関係する最も小さい単位体積の関数であるように、あるパターンで前記複数の液滴を配置することを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
展延させることは、前記複数の液滴を前記基板とボディのパターン形成領域との間で圧縮して、前記パターン形成領域と重なり合っている前記基板の領域上に前記液体の連続層を形成することと、前記連続層の液体を固化させて、前記パターン形成領域と相補的である前記パターンをそこに形成することとをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
展延させることは、前記複数の液滴に電磁界を適用することをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記複数の液滴の近傍にパターン形成領域を有するボディを置くことをさらに含み、展延させることは、前記液滴を前記パターン形成領域に合致させるために電磁界を前記複数の液滴に適用することをさらに含む、請求項12記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公表番号】特表2007−516862(P2007−516862A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539967(P2006−539967)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/038088
【国際公開番号】WO2005/047975
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】