説明

麺帯の細断方法およびその装置

【課題】カッターローラーを用いて麺帯を細断する合理的な方法でありながら、包丁切りと同等に優れた角立ちの手打ち風麺類を得るための麺帯の細断方法およびその装置を提供すること。
【解決手段】複数の円形刃を回転軸に垂直に組み付けたカッターローラーと、円柱形の受けローラーとを平行に設置し、互いに対向する方向でカッターローラーの周速を受けローラーの周速より高速に回転させ、一つの受けローラーに対し、細断に要する全ての円形刃を適宜配分した複数のカッターローラーを、連携して機能させること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うどん、そば、ラーメン等の麺類において、手打ちの特徴である包丁で細断した場合と同等に麺帯を鋭利に切断し、角立ちの優れた麺線を得る麺帯細断方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手打ち製麺における包丁切りによって得られる麺線は、断面の四隅が鋭利に切断されることで外観および食感に優れ、麺類の重要な商品価値として認識されてきた。そこで、従来の麺類量産製法においては、麺帯を鋭利に細断する方法、すなわち麺線の角立ちを向上させる方法として、一対のカッターローラーが回転する切り歯による麺帯細断が行なわれてきた。例えば、図1のように平行に回転可能に支持されたカッターローラー1、2の外周に所定の間隔で円形刃1、2が設けられ、この円形刃1、2はその刃先が若干重合状に対向し、このカッターローラー1、2に所定の厚みの麺帯が挿入されると円形刃1、2の間に引き込まれ、所定の断面の麺線Aが得られる。しかし、この円形刃1、2により細断された麺線は上下から押し切られる状態のため、例えば手打ち製麺の包丁により得られた麺線に比べ角立ちが劣る問題があった。
【0003】
また、前記一対のカッターローラーの片側のカッターローラーに替えて、円柱形状の受けローラーの構成による麺帯細断方法が知られている。(例えば、特許文献1、2参照)この方法でも挿入された麺帯は、カッターローラーと受けローラーの間に引き込まれ、円形刃の間隔に押し込まれることで細断される。しかし、一対のカッターローラーによる場合と同様に押し切りされる状態のため、手打ち製麺の包丁により得られた麺線に比べ角立ちが劣ることに変わりない。
【0004】
さらに特許文献3によれば、前記のカッターローラーと円柱形状の受けローラーの構成による麺帯細断方法において、カッターローラーの円形刃の周速度が受けローラーの周速度より高速に回転して麺帯を引き切る効果を有する細断装置が提案されている。しかし、カッターローラー側の円形刃の周速度が受けローラーの周速度より高速に回転して麺帯を引き切る以外に前記した特許文献2と大きく変わる点がない。
【0005】
また、特許文献4によれば、表面に環状の溝を一定間隔に設けた円筒(受けローラー)と、この円筒の溝にはまり込み麺生地を切断する円板状のカッターを設けたカッター部材(カッターローラー)とを並設し、これらを互いに対向する方向に回転させる製麺機のカッター装置が知られている。しかし、受けローラーの周面に環状の溝を設けた以外に前記した特許文献2と大きく変わる点はない。
【0006】
包丁切りの機械化に関しては、特許文献5や特許文献6において、大量生産に適した包丁切り装置が提供されている。しかし、連続的に圧延した麺帯を包丁切りする場合、形成されたグルテン組織の方向性が圧延の方向と同じであるために、麺帯の圧延方向に沿って麺線に切る必要がある。そのため、特許文献6のように圧延麺帯を定寸カットし、麺帯の進行に対し直角に向きを変えて固定された包丁装置に挿入する必要があり製麺スペースを広く要する問題があった。さらに、特許文献7のように不良麺線を除去し、麺線を一定量ずつ分け取るための装置が新たに必要になる等の合理性に欠ける問題があった。
【0007】
【特許文献1】実開昭57−201187号公報
【特許文献2】特公昭39−17338号公報
【特許文献3】特開平6−178642号公報
【特許文献4】実開昭53−138690号公報
【特許文献5】特開平10−229808号公報
【特許文献6】特開平7−313043号公報
【特許文献7】特開2000−60416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、手打ちの特徴である包丁で細断した場合と同等に、四隅が鋭利に切断された麺線を得るための量産に適した麺帯細断方法は、包丁切りの機械化の外に知られなかった。本発明の課題は、カッターローラーを用いて麺帯を細断する合理的な方法でありながら、包丁切りと同等に優れた角立ちの手打ち風麺類を得るための麺帯の細断方法およびその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、カッターローラーを用いた麺帯細断方法において、円形刃の周速を麺帯の速度より高速に回転して麺帯を引き切る実験を行った。試験装置はオルファ社製の円形刃(直径45mm、厚さ0.3mm)を回転軸に組み付けたカッターローラーと麺帯送りコンベアーとを組み合わせた。(図2参照)
【0010】
まず始めに、カッターローラーに円形刃を一枚組み付け、うどん麺帯(厚さ3mm、幅10cm)の移行速度5m/分に対し、その進行方向に15m/分の周速で円形刃を回転させ麺帯を引き切りしたところ、麺帯の進行に影響することなく包丁で切った場合と同等の鋭い切り口を得た。(図3参照)
【0011】
次に、上記の1枚の円形刃を、4mmのスペーサーを挟んだ2枚の円形刃に替えて、麺線1本を得るための同様の実験を行ったところ、細断された麺線が2枚の円形刃の間に強く挟み込まれカッターローラーに巻きつく現象(図4参照)が起きたため、麺線剥離用のガイドを設置したところ、麺帯全体がやや引っ張られる傾向があったが、包丁で切った場合と同様に四隅が鋭く形成された麺線を得ることができた。(図5参照)
【0012】
さらに、図6の様に円形刃の枚数を6枚に増やし同様の実験を行ったところ、麺線を挟んだ円形刃の周速が麺帯の移動より高速であるために、麺帯は引き伸ばされ、その張力が摩擦の限界に達した際に反発、また抗張を繰り返す不規則な震動によって、麺線のスムーズな移行に支障を来たした。その結果、細断された麺線は折れや擦られたキズにより、著しく劣る評価となった。
【0013】
1枚の円形刃を高速で回転させた場合に何ら問題無いものが、2枚では麺線剥離ガイドを必要とし、6枚の円形刃では麺線剥離ガイドがあるのにかかわらず大きな障害があったことについて、図7よりその原因を説明する。まず、円形刃5、6によって切断された麺線Bは、麺線自身の反発や円形刃の厚み分の圧迫を受けることにより、面A1と面A2の2面において相当の摩擦を生じることになる。これに対し、麺線とコンベアーの接触する面Cでは、麺帯が麺線に細断された瞬間から麺線をコンベアーに押し付ける力を失い、摩擦が著しく低下する。よって、摩擦の大きさは(面A1+面A2)>(面C)となり、麺帯はコンベアーの速度と無関係にカッターローラーの周速で引っ張られる。ここで、切断する麺線の数が増えると(面A1+面A2)の摩擦力の合計が麺帯の応力に対して一定の大きさを超えて、麺帯の伸びと反発が発生し麺線のスムーズな移行に支障を来たすと考えた。
【0014】
なお、今回の実験ではカッターローラーとベルトコンベアーの構成で行なったが、ベルトコンベアーを円柱形の受けローラーに替えたとしてもこの現象に変わることはない。また、コンベアーで構成する問題として、円形刃の接触によりコンベアー面の損耗、脱落があるため、実験には都合がよいが生産機には適さないことも確認された。
【0015】
以上の知見から本発明者らは、一本のカッターローラーの円形刃の間隔を広く取り、カッターローラーを複数組み合わせることで麺線の切断面で生じる摩擦力を分散させ、単一のカッターローラーでは解決出来ない麺線の切断面で生じるトラブルを解決し、加えて、多加水による付着性のある麺帯で発生する麺帯切断面の再接着の解消方法などを明らかにして本発明を完成させるに至った。
【0016】
すなわち本発明は、複数の円形刃を回転軸に垂直に組み付けたカッターローラーと、円柱形の受けローラーとを平行に設置し、互いに対向する方向でカッターローラーの周速を受けローラーの周速より高速に回転させ、麺帯をその隙間に挿入して角立ちの優れた麺線を得る連続細断方法であって、一つの受けローラーに対し、細断に要する全ての円形刃を適宜配分した複数のカッターローラーを、連携して機能させることを特徴とする麺帯の細断方法。(請求項1)や、細断した麺線群を、コンベアーまたは回転ローラーで同一方向に増速して引き出し、麺線群を一律に延伸することで隣り合う麺線間隔を確保し、麺帯切断面の再接着を防ぐことを特徴とする請求項1に記載の麺帯の細断方法。(請求項2)や、既に所定の幅に細断された麺線を、連設したカッターローラーの間から取り出し、以降に連設するカッターローラーの外側を迂回させることで受けローラー周面の麺線の密集度を下げ、麺帯切断面の再接着を防ぐことを特徴とする請求項1に記載の麺帯の細断方法。(請求項3)や、細断すべき麺線幅が2mm以上であることを特徴とする請求項2〜3に記載の麺帯の細断方法。(請求項4)複数の円形刃が回転軸に垂直に組み付けられたカッターローラーと、円柱形の受けローラーとが平行に設置され、カッターローラーの周速が受けローラーの周速より高速に回転可能な麺帯の連続細断装置であって、一つの受けローラーに対し、細断に要する全ての円形刃を適宜配分された複数のカッターローラーが、連携して機能することを特徴とする麺帯の細断装置。(請求項5)や、受けローラーの周面に麺線の切断幅で環状の溝が設けられ、円形刃の刃先が溝に差し込まれ、かつ刃先と溝底面とが非接触となるだけの溝の深さであることを特徴とする請求項5に記載の麺帯の細断装置。(請求項6)に関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カッターローラーを用いることにより麺帯から麺線までの工程を麺帯の向きを変えることなく直線上で行なう細断方法でありながら、包丁切りと同等に優れた角立ちの手打ち風麺類を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に適する円形刃は、外周に鋭利な刃の付いたステンレス製の円盤であって、両面にしのぎを有する形状がよい。すなわち、刃先が片側面にある場合、同側面と平行な壁面に接触した場合に刃先の損傷を避けるためである。
本発明に適する円形刃の厚みは、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.3mmがよい。すなわち、麺帯を鋭利に切断するためには薄い程良いが、耐久性を考慮する必要がある。同様に、刃先は鋭い程よいが、耐久性を考慮すると10〜30度、好ましくは15度〜20度の先端角度がよい。また、本発明における円形刃の大きさは、直径40mm以上、好ましくは40〜60mmがよい。すなわち、回転軸の太さ、回転軸に対し垂直精度を保つために必要なスペーサーの大きさと、その周囲に少なくとも5mm以上の切断部分を残した上で、麺帯との摩擦抵抗を大きくしないために接触面積の小さいものが適する。また、切断する麺帯幅が大きくなると一本のカッターローラーも長くなり、偏芯のない設計とするため軸を太くすれば、それに応じて円形刃の直径も大きくする必要がある。
【0019】
本発明に適する円形刃には、刃先を除いた表面にフッ素樹脂のコーティングを施すとよい。すなわち、麺帯カスの付着を抑制し円形刃の鋭利な切れ味を保つことができる。
【0020】
また、フッ素樹脂のコーティングの耐久性の不足や、細断装置を製作し維持するコストなど経済的事情から採用できない場合、本発明においては、円形刃の両面を適当なバネにより挟みつける機構のカス取り具を装着するとよい。すなわち、円形刃の円周付近に在る、しのぎ部分を円形刃側面と平行に平面状の接触面で左右均等の力で押し付ける。すると、刃先からしのぎの間は、非接触となるがカス取り具と刃先の接触を避けるために都合よく、そもそも麺カスが堆積しない部位なので差し支えない。また、本発明に適するカス取り具の固定方法は、幅方向を固定せず移動可能にするとよい。すなわち、幅方向で円形刃の微妙な位置の変化に対応可能となり、挟みつける圧力の均衡が得られ易い。(図8参照)更に、カッターローラーの順序を変えた場合にも新たな円形刃の位置にそのまま移動して利用できる。このように、本発明に適したカス取り具によれば、円形刃側面の生地カスを理想的に取り除き、カッターローラーの位置変更に対応することができる。
【0020】
本発明に適するカッターローラーは、全てのカッターローラーに組みつけられた円形刃の間隔を等間隔とすることが好ましい。すなわち、細断に要する全ての円形刃を複数のカッターローラーに適宜配分することは、切断した麺帯がカッターローラーに巻き付かないだけの円形刃の間隔を個々のカッターローラーに持たせるのが目的である。その間隔を更に大きくとれば巻き付く危険性は減るが、その分カッターローラーの設置数が増える問題がある。また、切断麺帯が巻き付くトラブルを回避するために、切断麺帯の剥離ガイドを設置できるが、食品用の製造装置は本来シンプルに構成するのがよい。剥離ガイドは板状または棒状の固定物である場合が多いため清掃性を損なう観点からも剥離ガイドはないのがよい。
そこで、切断した麺帯が巻き付かない広さの円形刃の間隔を決定するため、以下の実験を行った。麺帯は、加水率41%のうどんと、そば粉(金寿雪:日穀製粉):小麦粉=1:1の配合率で加水率34%の日本そばとした。麺帯の厚みは、うどん1.5mmと3.5mm、日本そば1.5mmとした。切断条件は、麺帯の移行速度5m/分、円形刃は麺帯の移行方向に15m/分の周速で回転し引き切るものとし、一本のカッターローラーの円形刃の間隔を22mm、18mm、14mmに設定した。その結果、切断麺帯の巻き付き現象は、22mm、18mmではいずれも認めず、14mmでは麺種、麺帯厚みに関係なく発生したことから、余裕を見て20mm程度の間隔が妥当と思われた。そこで、全てのカッターローラーの円形刃を20mmの間隔で均等に組み付け、麺線の切断幅を4mmとしたところ、2番以降のカッターローラーで20mmの短冊状麺帯を5本に切断する都合から、連接するカッターローラーの総数も5本必要になった。このように、全てのカッターローラーに組みつけられた円形刃の間隔を等間隔とすることで、カッターローラーの数と円形刃の間隔から得られる麺線の数は等しくなり、最少数のカッターローラーでの構成が可能になる。(図9参照。1番のカッターローラーとは、図中ではカッターローラー▲1▼、2番のカッターローラーとは、図中ではカッターローラー▲2▼と表記しており、以後同様とする)
【0021】
本発明に適するカッターローラーの配置は、前後のカッターローラーと円形刃が接触しない範囲で円形刃が重なるように詰めて連接するとよい(たとえば図9の様に)。すなわち、麺帯の付着性の変化により切断された麺帯が円形刃の刃先に挟まれて受けローラーの周面から離れた場合に、次に連なるカッターローラーにより周面に戻すことでカッターローラーに巻き付くトラブルが回避できる。
前記してきたように、円形刃およびカッターローラーを最適に配置し、複数のカッターローラーを連携して機能させることで合理的な麺帯の細断が可能となる。
【0022】
本発明に適する受けローラーの大きさは、直径30cm以上が好ましい。すなわち、周面天側の1/4〜1/3周部分にカッターローラーを設置すると、麺帯が無理なく挿入できて、自然に受けローラーに掛けられる範囲で無理なく細断できる。例えば、直径5cmの円形刃が組みつけられたカッターローラーを6本設置する場合の細断装置の斜視図を図10に例示する。
【0023】
また、本発明に適する受けローラーの周面には、麺線の切断幅で環状の溝が設けられ、円形刃の刃先が溝に差し込まれ、かつ刃先と溝底面とが非接触となるだけの溝の深さにするとよい。すなわち、麺帯の切り残しがなく、かつ円形刃の刃先の損耗を防ぐことができ、カッターローラーの鋭利な切れ味を維持することができる。
【0024】
本発明における受けローラー周面の環状の溝の幅は、0.5〜1.5mm、好ましくは1mm程度がよい。すなわち、円形刃が接触しないだけの幅があればよい。また、本発明における受けローラー周面の環状の溝の深さは、1.5〜5mm、好ましくは2.0〜3.0mmがよい。すなわち、溝の深さは円形刃の刃先の回転軌道誤差範囲より設定すればよいが、浅いと円形刃の設置に精度を要し、深すぎると汚れが溜まり易い。また、本発明においては、受けローラーの周面に溝中の生地カスを排除するスクレーパーを設置するとよい。
【0025】
本発明において、麺帯を鋭く引き切るために必要な速度差は1m/分以上、好ましくは5〜15mがよい。すなわち、麺帯をカッターローラーと受けローラーの隙間に挿入して角立ちの優れた麺線を得る場合、カッターローラーを高速に回転させることが角立ちに優れた麺線を得るために重要である。例えば、受けローラーの周速、つまり麺帯の移動速度が5m/分の時、カッターローラーの周速は6m/分以上、好ましくは10〜20m/分あればよい。このようにして、一つの受けローラーに対し、円形刃の間隔を麺線幅の複数相当分に広げたカッターローラーを複数設置することで、麺帯から麺線までの工程を麺帯の向きを変えることなく直線上で行なう細断方法でありながら、包丁切りと同等に優れた角立ちの手打ち風麺類を得ることができる。
【0026】
しかしながら、ここまでの条件では比較的加水率の低い麺帯にはよいが、加水率の高い麺帯では2本目以降のカッターローラーを通過する際に、以前の切断面が再び接着する不具合が発生する。この原因は、円形刃および円形刃に堆積した生地カスの厚みにある。すなわち、切断された麺帯が2本目以降のカッターローラーの僅かに狭い円形刃の間を通過する際に、両側面から押し付けられることで切断面の再接着が起きると考えた。判断の根拠は、円形刃を1枚のみ取り付けた複数のカッターローラーで細断装置を構成した場合に再接着が皆無である事実、また、いずれの場合でも最後のカッターローラーで細断した切断面に接着は見られない事実に基づく。そこで、この再接着を防止する目的で、強制的に剥がすなどの方法を検討したところ、麺線の形状を損なう場合が多く適当な解決策とはいえなかった。更に鋭意検討した結果、細断した麺線群を、コンベアーまたは回転ローラーで同一方向に増速して引き出し、麺線群を一律に延伸することで隣り合う麺線間隔を確保し、麺帯切断面の再接着が防止できることを見出した。
【0027】
本発明において、再接着が防止できる麺線の延伸率は1.2〜1.8倍、好ましくは1.5倍程度がよい。すなわち、延伸は、円形刃などの厚み分相当を細めるのに必要なだけ行えばよい。(図11参照)その他に、本発明においては、1対の送りローラーで上下から挟み込んで牽引してもよい。また、本発明においては、ベルトコンベアー同様に単一の送りローラーに掛け渡して牽引してもよい。
【0028】
図11に例示したように、本発明において、麺線を牽引コンベアーにより増速して引き出す場合のカッターローラーと牽引コンベアーの位置関係は、麺線を引っ張る力が連設する全てのカッターローラーに届く様にカッターローラーの略直線延長上に牽引コンベアーの末端位置および高さを揃えるとよい。すなわち、カッターローラーと牽引コンベアーの位置関係は、牽引コンベアーの位置が高すぎると麺帯が受けローラーから浮き上がり安定した細断に支障があり、低すぎると受けローラーと麺帯が強く接触し牽引の効果が前側のカッターローラーに及び難い不都合がある。
【0029】
また、本発明において牽引コンベアーと麺長カッターの距離は、例えば、厚さ4mmのうどん麺線であれば、垂れ下がる生麺の長さは概ね30〜100cm好ましくは40〜60cmがよい。すなわち、牽引コンベアーと麺長カッターの距離は、牽引コンベアーの先に垂れ下がる生麺の重量を規定する。挟む機能を持たないベルトコンベアーでは、垂れ下がる麺自身の重さを牽引力に利用することで牽引コンベアーとしての機能が補完される。したがって、生麺とコンベアー面の摩擦の大きさや生麺の重さ(厚さ)に応じて設定すればよい。
【0030】
本発明において、牽引をベルトコンベアーで行なうと、何らかの理由で麺線が切れた場合でも麺線をコンベアー上に落とすことで自動的に牽引工程へ復帰させることが出来て好ましい。よって、ベルトは概ね水平に配置し、ベルトの長さは30cmもあれば十分だが、散粉などその他の処理を同コンベアー上で行ないたければ60cmでも2mでも必要な長さのコンベアーにすればよい。
【0031】
また、本発明においては、麺長カット以降の切断面の再接着を防止する目的で、整列した麺線をエアーにより適度に乱した状態で麺の長さを定寸カットするとよい。その1例を図12に示す。麺の長さを定寸カットする直前で圧縮エアーなどにより麺線を揺すると配列が適度に乱れその後の搬送工程で麺線の切断面の周囲に程よい空間が取れ再接着は解消される。更に、本発明に適した圧縮エアーの利用方法は、直線上に10〜20mm間隔の噴出孔を備えた吹き出しノズルを左右に揺動しながらエアーを噴出させ、麺線に当てるとよい。麺線の配列も適度に乱れ、さらに、その状態で定寸に切り落とすことで切断面の周囲に程よい空間が確保される。
【0032】
また、手切り風の乱切り麺線を得るために、本発明において、細断した麺線群をコンベアーまたは回転ローラーで同一方向に増速して引き出し、麺線群を一律に延伸することで隣り合う麺線間隔を確保し、麺帯切断面の再接着を防ぐと共に、2番目以降の連接するカッターローラーの順序を適宜選択し、麺線幅を不揃いにするとよい。すなわち、細断された麺線の延伸は、幅方向の収縮の程度に微妙な影響を及ぼす。そこで、カッターローラーの配置について検討した結果、1番のカッターローラーでカットされた短冊状麺帯のその後の切断順序によって麺線幅の不揃いの程度が異なることが明らかになった。例えば、20mm幅の短冊状麺帯を5本の麺線に細断する場合、2番のカッターローラーで麺帯幅を1:4に切断するとその1本の麺線が必ず細くなり、個々の麺線幅は不揃いになる。そこで、2番のカッターローラーで短冊状麺帯を幅2:3に切断した後、麺線幅が最も揃う切断順序を調べたところ、3番のカッターローラーで2:(1:2)に切断すると個々の麺線幅は不揃いになり、2:(2:1)に切断すると全ての麺線の幅が揃う。更に4番、5番のカッターローラーの切断位置は関係ないことをつきとめた。(図15参照)この結果が示すのは、カッターローラーが5本で構成される場合、2番、3番のカッターローラーではそれぞれ1番、2番のカッターローラーで切断した隣は切らないことである。
【0033】
また、本発明では、加水率の高い麺帯に対応するもう一つの方法として、既に所定の幅に細断された麺線を、連設したカッターローラーの間から取り出し、以降に連設するカッターローラーの外側を迂回させることで受けローラー周面の麺線の密集度を下げ、麺帯切断面の再接着を防ぐことができる。とりわけ本発明においては、1番および2番のカッターローラーによって所定の幅に切断した麺線(以下「初期麺線」と称する)を、取り出すのが最も好ましい。すなわち、麺帯切断の初期段階で必要なスキマを確保することで、以降のカッターローラーを通過する際に切断麺帯が受ける両側面からの圧力を回避して切断面の再接着が防止できる。この方法によれば、前記した切断麺帯を延伸する牽引工程が不要であり装置がシンプルに構成できる利点がある。
【0034】
本発明において、取り出す初期麺線は、幅方向に等間隔に割り当てるのがよい。すなわち、麺帯切断面の再接着が均等に防止できてよい。また、連接するカッターローラーの数を最少の構成にすると全ての円形刃の間隔は必然的に均等になるため、初期麺線は、自ずと均等に割り当てられることになる。また、本発明において初期麺線を取り出す場合、連接するカッターローラーの2番と3番の間隔を広く取り、取り出すスペースを確保するとよい。
【0035】
また、本発明において、初期麺線を一斉に挟んで拾い上げる治具を連接する2番のカッターローラーと3番のカッターローラーの間に着脱可能に備えるとよい。すなわち、供給される麺帯幅が大きくなると初期麺線の数も多くなる。例えば、450mmの麺帯を5本のカッターローラーによって4mm幅の生うどんを細断する場合、初期麺線は22本になり取り出す作業を合理的に行なう方法が必要になる。図13には約150mm幅用の初期麺線を拾い上げる治具を例示する。この治具は6箇所の上下の挟み部が受けローラー周面の初期麺線位置に着脱可能である。まず、30度の傾斜角度で挟みを開き、挟みの下部先端を受けローラーに接触した状態で待機させる。麺帯が細断機に挿入され、初期麺線が開いた状態の挟みの下部先端と接触すると、挟みの下部をすり上がる。その間に挟みを閉じて取上げて、受けローラーの周面から6本の麺線を一斉に挟み上げ、離脱した麺線を受けローラーと同一方向に回転する引き上げローラーの所定の位置に掛けることでスムーズに初期麺線の迂回が可能となる。その後は麺長カット部で合流させればよい。(図14参照)
【0036】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0037】
〔比較的低加水率のうどんにおいて優れた角立ちを得る検証〕
(製麺および麺帯細断条件)
小麦粉(さぬき菊:日本製粉(株))4kg、食塩ボーメ10°の練水1200mlを、麺用小型ミキサーを用いて86.6kPaの減圧下にて8分間混練し、生地温度28℃のうどん生地を得た。その後、ロール幅150mmの麺帯圧延機で麺帯成形・複合し、厚さ10mmの麺帯を調製し、室温で20分間熟成した。その後、最終麺帯厚みが2.1mmになるように段階的に圧延、続いて図10に例示した細断装置に挿入した。ただし、この細断装置は、直径45mm・厚さ0.3mm・刃先角度20°のステンレス製の円形刃を用い、カッターローラーは、円形刃を18.7mm間隔で固定し、図9の配置で5本設置した。受けローラーは直径300mm、周面には円形刃の対向位置に幅1.0mm深さ3.0mmの溝を設け、全ての円形刃の回転軌道と周面が交差するが非接触になるような位置関係で、カッターローラーと受けローラーが対向面で同じ方向に回転するように設定した。そこで、麺帯の供給速度を5m/分、受けローラーの周速を5m/分、カッターローラーの周速を21m/分とし、麺帯を細断し、厚さ2.1mm幅3.7mmの生うどんを得た(試験区)。なお、角立ち度の評価にあたり、同一の麺帯を手打ち麺機(万能手打ちめん機さぬきM−305型B:さぬき麺機(株))の自動包丁切り機能にて麺帯流れ方向と平行に包丁切りし、概ね同等サイズの生麺に調整したものを比較区、同一の麺帯を通常の麺用切り歯(薄刃#8.5番)で細断したものを対照区とし、それぞれの生麺150gをポリエチレン袋で密封した後5℃の冷蔵庫で保管した。
【0038】
(評価および結果)
5℃で一晩放置した試験区および比較対照区の生うどん150gを、2リットルの沸騰水中にて8分間茹で上げ、速やかに冷却し平皿に盛りつけパネラー5名によるブラインドの評価を行ったところ、試験区の麺の角立ちは通常の麺用切り歯に比べ明らかに優れ、包丁切断に比べると同等の角立ち度であることが確認された。評価基準を表1に、評価結果を表2に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【実施例2】
【0041】
〔高加水率のうどんにおいて優れた角立ちを得る検証〕
(製麺および麺帯細断条件)
小麦粉(さぬき菊:日本製粉(株))3.4kg、タピオカ澱粉0.6kg、活性グルテン40g、を事前混合し、食塩ボーメ10°の練水1680mlを加え、麺用小型ミキサーを用いて、53.3kPaの減圧下にて8分間混練し生地温度30℃の多加水うどん生地を得た。その後、ロール幅150mmの麺帯圧延機で麺帯成形・複合し、厚さ10mmの麺帯を調製し、室温で40分間熟成した。その後、最終麺帯厚みが3.7mmになるように段階的に圧延、続いて図11に例示した細断装置に挿入した。ただし、円形刃、カッターローラー、受けローラーの設定条件は実施例1と同一とし、カッターローラーの配置は図15に従った。カッターローラーを通過する時点で細断された麺線は、隣り合う切断面が再接着していたが、牽引コンベアーにより1.5倍に増速することで一律に延伸され、隣り合う切断面の再接着は解消した。その後、圧縮エアーノズルにより麺線の配列を乱した状態で麺長カッターにより30cmの長さに細断した。この時の牽引コンベアー先端から麺長カット部までの落差は80cmだったが垂れ下がる麺線の長さは概ね40cm以上でコンベアー上でのスリップは認められなかった。このようにして、角立ちに優れた厚さ3.7mm、幅3.7mmのうどん麺線を得た。なお、細断された麺線の切断幅は3.5〜4.0mmの範囲であったが肉眼的にはきれいに揃っていた。上述の方法で得られた生麺線を、10倍量の熱湯で14分間茹で上げた後、冷却、凍結を行なって220gの冷凍うどんを得た(試験区)。なお、角立ち度の評価にあたり、同一の麺帯を手打ち麺機(万能手打ちめん機さぬきM−305型B:さぬき麺機(株))の自動包丁切り機能にて麺帯流れ方向と平行に包丁切りし、概ね同等サイズの生麺に調整したものを比較区、同一の麺帯を通常の麺用切り歯(薄刃#8.5番)で細断したものを対照区とした。
【0042】
(評価および結果)
冷凍うどんを、2リットルの沸騰水中で1分30秒解凍し、速やかに冷却し平皿に盛りつけ、表1の評価基準にて、パネラー5名によるブラインドの評価を行ったところ、試験区の麺の角立ちは通常の麺用切り歯に比べ明らかに優れ、包丁切断に比べると同等の角立ち度であることが確認された。なお、麺の太さに気になる不揃いを認めなかった。評価結果を表3に示す。
【0043】
【表3】

【実施例3】
【0044】
〔高加水率のうどん麺帯を不具合なく優れた角立ちに細断する検証〕
図14に例示した細断装置により実施例2と同一の圧延麺帯を挿入、細断した。ただし、円形刃、カッターローラー、受けローラーの設定条件は実施例1および2と同一としカッターローラーの配置は図9とした。カッターローラーの並び順1番から5番の中でまず、1番と2番により所定の麺線幅に切断された麺線を2番と3番の間から取り出し3、4、5番のカッターローラーの上部に設置した引き上げローラーに掛け、麺長カット部に導入した。受けローラー上に残された切断麺帯は、2番から5番のカッターローラーで細断し麺長カット部で全ての麺線を合流し40cmの長さにカットしたところ全ての麺線が再接着することなく細断できた。
【実施例4】
【0045】
〔角立ちに優れた冷凍乱切り茹で日本そばを得る検証〕
(製麺および麺帯細断条件)
そば粉(金寿雪:日穀製粉(株))1.5kg、小麦粉(特寿:日本製粉(株))1.5kg、活性グルテン140gを事前混合し、真水1020mlを加え、麺用小型ミキサーを用いて、86kPaの減圧下にて8分間混練し生地温度31℃の生地を得た。その後、ロール幅150mmの麺帯圧延機で麺帯成形・複合し、厚さ5mmの麺帯を調製の後、室温で30分間熟成した。最終麺帯厚みが1.5mmになるように段階的に圧延後麺帯の裏表に散粉し、続いて図11に例示した細断装置に挿入した。ただし、カッターローラーの本数は10本セットし、麺線の細断幅および受けローラーの溝のピッチは1.87mm、幅1.0mm・深さ3.0mmの溝を設け、円形刃は実施例1〜3と同一とし、カッターローラーの配置は図16に従った。カッターローラーを通過する時点で細断された麺線は、隣り合う切断面が再接着していたが、牽引コンベアーにより1.5倍に増速することで一律に延伸され、隣り合う切断面の再接着は解消した。その後、圧縮エアーノズルにより麺線の配列を乱した状態で麺長カッターにより30cmの長さに細断した。この時の牽引コンベアー先端から麺長カット部までの落差は80cmだった。このようにして、角立ちに優れた厚さ1.5mm、幅平均1.5〜2.1mmの乱切り生そばを得た。この生そばを、10倍量の熱湯で2分間茹で上げた後、冷却、凍結を行なって220gの冷凍日本そばを得た(試験区)。なお、角立ち度の評価にあたり、同一の麺帯を手打ち麺機(万能手打ちめん機さぬきM−305型B:さぬき麺機(株))の自動包丁切り機能にて麺帯流れ方向と平行に包丁切りし、概ね同等サイズの生麺に調整したものを比較区、同一の麺帯を通常の麺用切り歯(角歯#18番)で細断したものを対照区とした。
【0046】
(評価および結果)
冷凍日本そばを、2リットルの沸騰水中で30秒解凍し、速やかに冷却し平皿に盛りつけ、表1の評価基準にて、パネラー5名によるブラインドの評価を行ったところ、試験区の麺の角立ちは通常の麺用切り歯に比べ明らかに優れ、包丁切断に比べると同等の角立ち度であることが確認された。なお、麺の幅は明らかに不揃いで手作り感のある好ましいものだった。評価結果を表4に示す。
【0047】
【表4】

【実施例5】
【0048】
〔角立ちに優れた平打ち生中華麺を得る検証〕
(製麺および麺帯細断条件)
小麦粉(特寿:日本製粉)3.0kgに、エタノール60ml、かんすい粉末30g、クチナシ色素(メンカラーNo.1)15mlを溶かした練り水1050mlを加え、麺用小型ミキサーを用いて、86kPaの減圧下にて8分間混練し生地温度34℃の生地を得た。その後、ロール幅150mmの麺帯圧延機で麺帯成形・複合し、厚さ5mmの麺帯を調製し、室温で30分間熟成した。その後、最終麺帯厚みが1.3mmになるように段階的に圧延後麺帯の裏表に散粉し、続いて図11に例示した細断装置に挿入した。ただし、細断装置の諸条件は全て実施例4に準じて行い、角立ちに優れた厚さ1.3mm、幅1.2〜2.5mmの乱切り平打ち中華麺を得た。上述の方法で得られた生麺線を、10倍量の熱湯で2分間茹で上げた後、冷却、凍結を行なって220gの冷凍平打ち中華麺を得た(試験区)。なお、角立ち度の評価にあたり、同一の麺帯を手打ち麺機(万能手打ちめん機さぬきM−305型B:さぬき麺機(株))の自動包丁切り機能にて麺帯流れ方向と平行に包丁切りし、概ね同等サイズの生麺に調整したものを比較区、同一の麺帯を通常の麺用切り歯(角歯#18番)で細断したものを対照区とした。
【0049】
(評価および結果)
冷凍平打ち中華麺を、2リットルの沸騰水中で30秒解凍し、熱々の中華タンメンのスープの入った中華どんぶりに盛り付け、表1の評価基準にて、パネラー5名によるブラインドの評価を行ったところ、試験区の麺の角立ちは通常の麺用切り歯に比べ明らかに優れ、包丁切断に比べると同等の角立ち度であることが確認された。なお、日本そばと同様に麺の不揃いな性状は優れた角立ちと共に手作り感のある好ましいものだった。評価結果を表5に示す。
【0050】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】一対のカッターローラーが回転する切り歯による麺帯細断の断面図である。
【図2】カッターローラーを用いた麺帯細断試験装置の斜視図である。
【図3】うどん麺帯の細断試験の説明図である。
【図4】うどん麺帯の細断試験の説明図である。
【図5】うどん麺帯の細断試験の説明図である。
【図6】うどん麺帯の細断試験の説明図である。
【図7】コンベアー上に設けた一本のカッターローラーによる麺帯細断の断面である。
【図8】本発明のカッターローラーに適したカス取り具の説明図である。
【図9】本発明のカッターローラー5本の設置を示す円形刃の配置例である。
【図10】本発明のカッターローラー6本の設置を示す斜視図である。
【図11】本発明の麺線牽引コンベアーの配置である。
【図12】麺線の配列を乱すための吹き出しノズルの説明図である。
【図13】本発明の細断方法で初期麺線を拾い上げる治具の一例である。
【図14】本発明の細断方法で初期麺線の離脱状況の説明図である。
【図15】本発明のカッターローラー5本の設置を示す円形刃の配置例である。
【図16】本発明のカッターローラー10本の設置を示す円形刃の配置例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の円形刃を回転軸に垂直に組み付けたカッターローラーと、円柱形の受けローラーとを平行に設置し、互いに対向する方向でカッターローラーの周速を受けローラーの周速より高速に回転させ、麺帯をその隙間に挿入して角立ちの優れた麺線を得る連続細断方法であって、一つの受けローラーに対し、細断に要する全ての円形刃を適宜配分した複数のカッターローラーを、連携して機能させることを特徴とする麺帯の細断方法。
【請求項2】
細断した麺線群を、コンベアーまたは回転ローラーで同一方向に増速して引き出し、麺線群を一律に延伸することで隣り合う麺線間隔を確保し、麺帯切断面の再接着を防ぐことを特徴とする請求項1に記載の麺帯の細断方法。
【請求項3】
既に所定の幅に細断された麺線を、連設したカッターローラーの間から取り出し、以降に連設するカッターローラーの外側を迂回させることで受けローラー周面の麺線の密集度を下げ、麺帯切断面の再接着を防ぐことを特徴とする請求項1に記載の麺帯の細断方法。
【請求項4】
細断すべき麺線幅が2mm以上であることを特徴とする請求項2〜3に記載の麺帯の細断方法。
【請求項5】
複数の円形刃が回転軸に垂直に組み付けられたカッターローラーと、円柱形の受けローラーとが平行に設置され、カッターローラーの周速が受けローラーの周速より高速に回転可能な麺帯の連続細断装置であって、一つの受けローラーに対し、細断に要する全ての円形刃を適宜配分された複数のカッターローラーが、連携して機能することを特徴とする麺帯の細断装置。
【請求項6】
受けローラーの周面に麺線の切断幅で環状の溝が設けられ、円形刃の刃先が溝に差し込まれ、かつ刃先と溝底面とが非接触となるだけの溝の深さであることを特徴とする請求項5に記載の麺帯の細断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−149388(P2006−149388A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351206(P2005−351206)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000151232)シマダヤ株式会社 (11)
【Fターム(参考)】