説明

麻酔および鎮静についての短時間作用性鎮静催眠薬

本発明は、哺乳動物について一般的麻酔または鎮静を誘導または維持するために有用な化合物、組成物および方法を提供する。該化合物は、式(I)の化合物:
【化40】


および式(II)の化合物:
【化41】


であり、該組成物は、該化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物であり、また該方法は、該化合物を使用して哺乳動物について麻酔または鎮静を誘導または維持するために有用な医薬品を調製するための方法である。ここで、該医薬品は、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤をさらに含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、麻酔および鎮静についての短時間作用性鎮静催眠薬として有用である新規な置換フェニル酢酸エステル化合物に関する。本発明はまた、このような化合物を含む薬学的組成物;麻酔または鎮静を誘導または維持するためのこのような化合物を使用するための方法;およびこのような化合物を調製するための中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
プロポフォール、2,6−ジイソプロピルフェノール、(Diprivan(登録商標)Injectable Emulsion、AstraZeneca)は、催眠特性を有する注射可能な麻酔薬である。それは、一般的な麻酔および鎮静について、誘導しそして維持するために使用され得る。プロポフォールは、広く使用される麻酔薬であるが、その有用性は、その長くかつ予測できない注入後の活性の持続期間に起因して幾分制限される。この予測できない活性の持続期間は、所望されない不規則で、かつしばしば長い患者の回復時間に導く。
【0003】
プロパニジド([4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−メトキシフェニル]酢酸プロピルエステル)、は、米国以外のいくつかの国で使用するために承認された別の注入可能な麻酔薬である。プロパニジドは、プロポフォールより非常に短く、かつ予測可能な回復時間を提供するが、効力のある麻酔薬ではない。さらに、エポントール(Epontol)(登録商標)、プロパニジドの注入可能な乳濁液処方物は、Bayerによって提供され、アナフィラキシー様反応への関心のため、1983年にGreat Britainの市場から引き上げられた。従って、プロパニジドが、プロポフォールより短くかつより予測可能な回復時間を提供する事実にかかわらず、注入可能な麻酔薬として広く受け入れられなかった。
【0004】
現在、新規な注入可能な麻酔薬が必要とされている。好ましい薬剤は、プロポフォールより短くかつより予測可能な活性の持続期間を有する。好ましい薬剤はまた、プロパニジドより効力がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本出願人は、短時間作用性鎮静催眠薬として有効である、新規な置換フェニル酢酸エステル化合物を発見した。この薬剤は、プロポフォールより短くかつより予測可能な活性の持続期間を有し、そしてまた、プロパニジドより効力がある。
【0006】
従って、本発明は、式(I)の化合物:
【0007】
【化3】

を提供し、ここで:
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択され;
およびRは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRおよびRは、それらが、結合する窒素原子とともに、5〜7原子を有するヘテロ環を形成し;そして
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択され;
但し、R、R、R、およびRにおける炭素原子の合計が、7より多い。
【0008】
本発明はまた、式(I)の化合物を調製するために有用な中間体に関する。従って、本発明は、式(II)の化合物:
【0009】
【化4】

を提供し、ここで、RおよびRは、本明細書中において規定される通りであり、そしてRは、水素またはヒドロキシルである。
【0010】
本発明はさらに、薬学的受容可能なキャリアおよび治療に効果的な量の式(I)の化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0011】
本発明の化合物は、麻酔および鎮静の誘導および維持に関する使用のための高く効果的な短時間作用性鎮静睡眠剤である。従って、本発明はまた、哺乳動物において麻酔または鎮静を誘導または維持するための方法を提供し、この方法は、哺乳動物に効果的な量の本発明の化合物を投与する工程を包含する。本発明はまた、哺乳動物に関する麻酔または鎮静を誘導または維持するための方法を提供し、この方法は、哺乳動物に効果的な量の本発明の薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0012】
(発明の詳細な説明)
化合物を記載する場合、本発明の化合物および方法、以下の用語は、別に示さない限り、以下の意味を有する。
【0013】
用語「(C〜C)アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有するモノラジカル分枝または非分枝の飽和炭化水素鎖をいう。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、n−へキシルなどのような基によって例示される。本明細書中において使用される場合、「Me」は、メチルを示し、「Et」は、エチルを示し、「プロピル」および「Pr」は、n−プロピルを示し、そして「iPr」は、iso−プロピルを示す。
【0014】
用語「(C〜C)アルケニル」とは、2〜6個の炭素原子およびビニル不飽和の少なくとも一つの部位を有する分枝または非分枝の不飽和炭化水素基のモノラジカルをいう。好ましいアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH)、n−プロペニル(−CHCH=CH)、iso−プロペニル(−C(CH)=CH)などが挙げられる。
【0015】
用語「(C〜C)アルキニル」とは、2〜6個の炭素原子および少なくとも一つの三重結合を有する不飽和炭化水素のモノラジカルをいう。好ましいアルキニル基としては、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CHC≡CH)などが挙げられる。
【0016】
用語「(C〜C)シクロアルキル」とは、単一の環を有する3〜6個の炭素原子の環式アルキル基をいう。このようなシクロアルキル基の例としては、例えば、単環構造(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)が挙げられる。
【0017】
用語「(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル」とは、式(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル−基をいい、ここで、(C〜C)シクロアルキルおよび(C〜C)アルキルは、上記に規定される通りである。
【0018】
本発明の化合物は、一つ以上のキラル中心を含み得る。従って、本発明は、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび一つ以上の立体異性体で富化された混合物を含むことを意図される。記載され、そして特許請求されるように、本発明の範囲は、化合物のラセミ形態ならびに個々のエナンチオマーおよびその非ラセミ混合物を含む。
【0019】
用語「催眠薬」とは、一般的に睡眠を促進する化合物をいう。薬理学において使用される場合、用語「催眠薬」とは、麻酔、鎮静、または睡眠を誘導または維持するために使用される薬剤をいう。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「麻酔」とは、神経機能の薬理学的低下から生じる感覚または意識の喪失をいう。
【0021】
用語「鎮静」とは、薬物の投与によって精神的興奮の鎮静または生理的機能の減少として本明細書中に規定される。
【0022】
用語「効果的な量」とは、哺乳動物に投与された場合、麻酔または鎮静を誘導または維持するために十分である量をいう。効果的な量は、被験体および投与の様式に依存して変化し、そして当業者によって慣用的に決定され得る。
【0023】
用語「鎮痛薬」とは、有意な麻酔または意識の喪失を生じることなく、侵害受容刺激の知覚を変えることによって痛みを軽減する化合物をいう。
【0024】
用語「オピオイド」とは、アヘン様活性(例えば、痛覚脱失)を有するが、アヘン由来ではない合成麻薬をいう。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「短時間作用性」とは、薬学動態学的に応答する薬剤をいう。短時間作用性薬剤が、注入によって投与される場合、薬剤の効果は、注入を終了すると敏速に終える。
【0026】
本発明の広い定義が、発明の要旨に示される一方で、特定の薬剤または特定の組成物が、好まれ得る。特定の値および好ましい値は、ラジカル、置換について本明細書中に挙げられ、そして範囲は、説明のためだけである;それらは、他の規定された値またはラジカルおよび置換について規定された範囲中の他の値を除外しない。
【0027】
本発明の組成物中に組み込まれ、そして本発明の方法に従い投与され得る好ましい薬剤は、上記されるような式(I)の化合物であり、ここで、R、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜15の範囲である。
【0028】
さらに好ましくは、R、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜12の範囲である。
【0029】
好ましくは、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される。
【0030】
別の好ましい実施形態において、Rは、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択される。
【0031】
別のさらに好ましい実施形態において、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される。
【0032】
別のさらに好ましい実施形態において、Rは、(C〜C)アルキル、シクロプロピル、およびシクロブチルからなる群から選択される。
【0033】
なおさらに好ましくは、Rは、(C〜C)アルキルである。
【0034】
最も好ましくは、Rは、エチルまたはプロピルである。
【0035】
好ましくは、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される。
【0036】
代替的な好ましい実施形態において、RおよびRは、それらが結合する窒素原子とともに、ピペリジニル環を形成する。
【0037】
さらに好ましくは、Rは、(C〜C)アルキルである。
【0038】
好ましくは、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される。
【0039】
さらに好ましくは、Rは、(C〜C)アルキルである。
【0040】
好ましくは、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される。
【0041】
さらに好ましくは、Rは、(C〜C)アルキルである。
【0042】
好ましい実施形態において、Rは、(C〜C)アルキルであり;RおよびRは、各々独立して(C〜C)アルキルであり;そしてRは、(C〜C)アルキルである。
【0043】
化合物の好ましいサブ群は、Rは、(C〜C)アルキルであり;RおよびRは、各々独立して(C〜C)アルキルであり;Rは、(C〜C)アルキルであり;そしてR、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜12の範囲であるサブ群である。
【0044】
このサブ群の範囲内で、好ましくはRは、エチルまたはプロピルであり;R、R、およびRは、メチル、エチル、およびプロピルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜11の範囲である。炭素原子の数の合計についての特に好ましい値は、9、10、および11である。
【0045】
本発明の好ましい化合物は、R、R、R、およびRが、以下の表Iにおいて示される値を示す式(I)の化合物である。
【0046】
【表1】

特に好ましくは、Rがエチルまたはプロピルであり、RおよびRが各々エチルであり、そしてRがプロピルである、化合物である。化合物1は、特に最も好ましい。
【0047】
(一般的な合成プロセス)
本発明の中間体および化合物は、公知の合成プロセスを使用して容易に利用可能な出発物質から調製され得る。例えば、この化合物は、以下の一般的な概略のように調製され得、そしてさらに実施例において記載され得る。代表的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応剤のモル比、溶媒、圧力など)が与えられ、他のプロセス条件もまた、別な状況でなければ使用され得ることが理解される。最適反応条件は、使用される特定の反応剤または溶媒で変化し得るが、このような条件は、慣用最適プロセスによって当業者によって決定され得る。
【0048】
さらに、当業者に明らかなように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を受けることを妨げるために必要であり得る。特定の官能基についての適切な保護基ならびに保護および脱保護についての適切な条件の選択は、当該分野において周知である。例えば、多数の保護基、そしてそれらの導入および除去は、T.W.Greene and G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis、第3編、Wiley,New York,1999およびそこに引用された参考文献に記載される。
【0049】
本合成方法は、式(II)、特に(IIa)または(IIb):
【0050】
【化5】

の新規な中間体を使用する。合成の第一の方法において、式(I)の化合物は、式X−CHC(=O)NRの不可欠な化合物を用いて、式(IIa)の化合物のアルキル化によって調製され、ここで、Xは、適切な脱離基(例えば、クロロ、ブロモ、トシル、またはメシル)である。
【0051】
合成の第二の方法において、式(IIb)の化合物は、式X−CHC(=O)NRの不可欠なアセトアミド化合物を用いてアルキル化され、式(III):
【0052】
【化6】

の化合物を生じ、そして式(I)の化合物を形成するために還元される。実施例4A、4B、および10〜13に例示されるように、還元プロセスの有用な方法は、2工程反応により進行し、水素との反応前に、式(III)のヒドロキシルは、最初にアセチル化される。
【0053】
上記プロセスにおいて使用される式(IIb)の中間体は、従来のプロセスを使用して市販されている出発物質および反応剤から調製される。例えば、中間体は、スキームAに示されるように調製され得る:
【0054】
【化7】

上記に示されるように、カテコールは、式RXの化合物と結合され、ここで、Xは、脱離基であり、エーテル(IV)を形成し、これは、グリオキシル酸と反応され、化合物(V)を生じる。過剰のアルコールROHとの(V)の次の反応は、式(IIb)の中間体を提供する。中間体(IIb)は、上記のようにアルキル化され得、式(III)の化合物を生じる。
【0055】
式(Ia)の中間体は、調製され得る(例えば、実施例1のサブ部分(1)に記載されるように、そしてまた以下の実施例1のサブ部分(2)のスキームBに示されるように)。
【0056】
(薬学的組成物)
式Iの化合物は、薬学的組成物として処方され得、そして投与の選択された経路(すなわち、経口的または非経口的に、静脈内、筋肉内、局所的または被下経路によって)に適応された様々な形態において、哺乳動物宿主(例えば、動物またはヒト患者)に投与され得る。
【0057】
従って、本化合物は、例えば、経口的に、不活性な賦形剤または食用のキャリアのような薬学的に受容可能なビヒクルと組み合わせて、全身的に投与され得る。これらは、堅いまたは柔らかい外皮ゼラチンカプセル中に一緒に入れられ得るか、錠剤へと圧縮され得るか、または患者食餌の食物とともに直接取り入れられ得る。経口治療的投与のため、活性化合物は、一つ以上の賦形剤と組み合され得、そして摂取可能な錠剤、舌下錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラートなどの形態で使用され得る。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有するべきである。この組成物および調製物のパーセンテージは、もちろん変化され得、そして簡便に、所定の単位投薬形態の重量の約2〜約60%の間であり得る。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、効果的投薬レベルが得られるような量である。
【0058】
錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどはまた、以下を含有する:結合剤(例えば、トラガカントゴム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸ニカルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ポテトデンプン、アルギン酸など);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および甘味剤(例えば、スクロース、フルクトース、ラクト−スまたはアスパルテーム)または香料剤(例えば、ペパーミント、ウインターグリーン油、もしくはチェリー香料)が、加えられ得る。単位投薬形態がカプセルである場合、それは、上記の型の物質に加えて、液体キャリア(例えば、植物油またはポリエチレングリコール)を含有し得る。様々な他の物質が、コーティングとして存在し得、またはそうでなければ、固体単位投薬形態の物理的形態を改善し得る。例えば、錠剤、ピル、またはカプセルは、ゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖などで被覆され得る。シロップまたはエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてスクロースまたはフルクトース、保存剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、染料および香料(例えば、チェリーまたはオレンジの香り)を含有し得る。もちろん、任意の単位投薬形態を調製する際に使用される任意の物質は、使用される量で、薬学的に受容可能かつ実質的に非毒性であるべきである。さらに、活性化合物は、保持−放出調製物およびデバイス中に取り入れられ得る。
【0059】
本明細書中に記載される活性薬剤は、代表的に、静脈内投与について適切である薬学的組成物として処方される。本活性薬剤は、水に比較的不溶性である。従って、静脈内投与のため、薬剤は、代表的に、一つ以上の水不混和性溶媒および一つ以上の乳化剤を使用して水性媒体中で処方される。いくつかの乳化剤は、文献において様々に表現された界面活性剤である。個々の処方物は、一つ以上のさらなる成分(例えば、安定剤、張度改変物質、pHを調整するための塩基または酸、および溶解剤)を含有し得る。処方物はまた、必要に応じて、いくつかだけを挙げると、保存剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはメタ重亜硫酸ナトリウムを含有し得る。
【0060】
広い範囲の水不混和性溶媒は、本発明の組成物中で使用され得る。水不混和性溶媒は、植物油(例えば、ダイズ油、ベニバナ油、綿実油、コーン油、ひまわり油、落花生油、またはオリーブ油)であり得る。あるいは、水不混和性溶媒は、中鎖または長鎖の脂肪酸のエステル(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはトリグリセリド);媒体および長鎖の脂肪酸の組み合わせのエステルであるか、あるいは化学的に改変されたもしくは製造された物質(例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、グリセロールエステル、ポリオキシルまたは水素化されたヒマシ油)である。水不混和性溶媒はまた、海産物油(例えば、タラ肝油、別の魚由来の油)であり得る。適切な溶媒としてはまた、分留油(例えば、ヤシ油または改善されたダイズ油)が挙げられる。
【0061】
組成物はまた、乳化剤を含み得る。適切な乳化剤としては、合成非イオン性乳化剤(例えば、エトキシル化されたエーテルおよびエステルおよびポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ならびにリン脂質)が挙げられる。天然に存在するリン脂質(例えば、卵およびダイズのリン脂質)および改善されたまたは人工的に操作されたリン脂質(例えば、物理的分画および/またはクロマトグラフィーによって調製された)の両方あるいはそれらの混合物は、使用され得る。リン脂質は、代替的にホスファチドと称される。好ましい乳化剤は、卵リン脂質およびダイズリン脂質である。卵黄リン脂質は、主に、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンから構成される。ホスファチジルコリンとして分類され、そして卵黄またはダイズ由来であり得るレシチンは、別の一般に使用される乳化剤である。
【0062】
薬学的処方物はまた、代替的に共乳化剤とみなされ得る安定剤を含有し得る。アニオン性安定剤は、ポリエチレングリコールと結合体化した、ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)およびジミリストールホスファチジルグリセロール(DMPG)の特別な例である、ホスファチジルグリセロールを含有する。有用な安定剤のさらなる例としては、オレイン酸およびそのナトリウム塩、コール酸およびデオキシコール酸ならびにそれらの各々の塩、カチオン性脂質(例えば、ステアリルアミンおよびオレイルアミン)、ならびに3β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol)が挙げられる。
【0063】
本発明の薬学的組成物は、適切な張度改変物質を取り入れることによって血液と等浸透圧にされ得る。グリセロールは、最も頻繁に張度改変物質として使用される。あるいは、張度改変剤としては、キシリトール、マンニトール、およびソルビトールが挙げられる。薬学的組成物は、代表的に、生理学的に中性のpH(代表的に6.0〜8.5の範囲)であるように処方される。pHは、塩基(例えば、NaOHまたはNaHCO)またはいくつかの場合において、酸(例えば、HCl)の添加によって調整され得る。
【0064】
植物油、ホスファチド乳化剤(代表的に卵レシチンまたはダイズレシチン)および張度改変物質を含有する薬学的に安全な油−水乳濁液は、非経口栄養のために市販されている(例えば、商標Liposyn(登録商標)IIおよびLiposyn(登録商標)III(Abbott Laboratories、North Chicago、IL)およびIntralipid(登録商標)(Fresenius Kabi AB、Uppsala、Sweden)の下で)。本明細書中に記載されている薬剤は、例えば、以下の実施例16の注入5〜9において示されるように、これらのまたは他の同様の油−水乳濁液とともに処方され得る。
【0065】
本発明の化合物はまた、少なくとも一つの中鎖長(C〜C12)脂肪酸のエステルを含有するトリグリセリド中に処方され得る。好ましくは、トリグリセリドは、C〜C10脂肪酸のエステルを含有する。本発明の化合物を処方するために適切なトリグリセリドは、Condea Chemie GmbH(Witten、Germany)により、商標Miglyol(登録商標)の下で提供される。例えば、Miglyol(登録商標)810または812(カプリル(C10)/カプリン(C)グリセリド)は、本薬剤の処方物について有用である。以下の実施例16の注入11は、乳化剤としての卵黄ホスファチド、アニオン性安定剤としてのDMPG、および張度改変物質としてのグリセロールを含有する処方物を示し、ここで、Miglyol(登録商標)が、油相として使用される。
【0066】
さらに、本明細書中に記載される薬剤は、当該分野で公知であるプロパニジドの薬学的組成物と同じように処方され得る。例えば、本発明の化合物は、米国特許第4,711,902号に考察されるように、中鎖長脂肪酸のエステルを含有する混合物中に処方され得る。さらに、本明細書中に記載される化合物は、例えば、米国特許第4,056,635号;同第4,452,817号;および同第4,798,846号に記載されるように、当該分野で公知であるプロポフォールの組成物と同じように処方され得る。
【0067】
なお別の代替において、本化合物は、包入複合体を形成するために、溶解剤(例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)を使用して処方され得る。
【0068】
本発明における使用についてさらに適切な他の処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、PA、第17編(1985)において見出され得る。
【0069】
本発明に従う化合物は、不活性かつ十分許容されるカルボン酸代謝産物に迅速にインビボで代謝される強力な催眠薬である(Rが水素である式I)。本化合物は、以前の薬剤と比較して以下の一つ以上の有益な特性を示す:増加された効力、より短い回復時間、減少された心臓血管効果、より低い毒性、およびより高い治療指数(ここで、治療指数は、有効用量に対する最大耐性用量の比率として規定される)。
【0070】
従って、本発明の化合物は、全身的な麻酔の誘導および/または維持について、自発的に呼吸する患者の意識のある鎮静の開始および/または維持について、ならびに挿管された、機械的に通気された患者のための鎮静の誘導および/または維持について使用され得る。
【0071】
本発明の方法における使用のために必要とされる活性薬剤の量は、投与の経路、患者の年齢および状態、ならびに必要とされる麻酔または鎮静の程度で変化し、そして最終的には、担当医または臨床医の判断である。
【0072】
一般的には、薬剤は、麻酔または鎮静を生じるための第一ボーラス用量として投与され得、続いて所望される麻酔または鎮静のレベルを達成および維持するために十分である速度で薬剤の連続注入を行い得る。あるいは、本発明の薬剤の連続注入は、誘導に続く麻酔または鎮静を維持するため、あるいは別の鎮静催眠薬(例えば、プロポフォール、バルビツレート(例えば、nembutal(登録商標)(ペントバルビタールナトリウム)もしくはbrevital(登録商標)ナトリウム(メトヘキシタールナトリウム)、またはベンゾジアゼピン(例えば、valium(登録商標)))で誘導および維持するために使用され得る。
【0073】
例えば、ヒト患者のための本薬剤の適切なボーラス用量は、代表的には、約0.1〜約50ミリグラム/キログラム(mg/kg)、好ましくは約0.5〜約20mg/kgの範囲である。注入の速度は、代表的には、約5〜約5000マイクログラム/キログラム/分(μg/kg/分)、好ましくは約10〜約2000μg/kg/分の範囲である。
【0074】
本発明の化合物はまた、他の治療薬剤(例えば、他の鎮静催眠薬、鎮痛薬(例えば、μ−オピオイドアゴニストのレミフェンタニール、フェンタニール、スルフェンタニール、またはアルフェンタニールのようなオピオイド)、あるいは麻痺薬(例えば、ベシル酸アトラクリウムまたは臭化パンクロニウム)と組み合わせて投与され得る。従って、本発明の組成物は、別の治療薬剤(例えば、鎮静催眠薬、鎮痛薬、または麻痺薬)を必要に応じてさらに含み得る。同様に、本発明の治療法はまた、別の治療薬剤(例えば、鎮静催眠薬、鎮痛薬、または麻痺薬)を哺乳動物に投与する工程を必要に応じて包含し得る。
【0075】
麻酔剤または鎮静剤として機能する薬剤の能力は、当該分野で公知であるアッセイ(例えば、米国特許第5,908,869号、またはR.James and J.Glen,J.Med Chem.、23、1350(1980))を使用して、または以下の試験Aに記載されるアッセイを使用して決定され得る。
【0076】
(試験A)
(方法)
(処方物)
試験化合物、例えば、本発明の代表的な化合物ならびに比較化合物、プロパニジドを、(1)10%クレモファー(cremophor)EL/90%D5W(希釈水中の5%デキストロース;)(2)10%Liposyn(登録商標)III((100mLあたり)10gダイズ油、1.2g卵ホスファチドおよび25gグリセロールを含む、Intravenous Fat Emulsion)、Abbott Laboratories、North Chicago、ILから入手可能;および(3)Miglyol(登録商標)810(カプリック/カプリングリセリド)を有する(実施例16に記載されるような)注入(10)または(11)で処方した。代表的には、上記の処方物(1)を、ボーラス投薬のために使用し、処方物(2)または(3)を注入投薬のために使用した。本発明の化合物およびプロパニジドを、以下の実施例1〜15に記載されるように合成した。Diprivan(登録商標)注入乳濁液として販売されている、ダイズ油で処方されたプロポフォールを、AstraZeneca(Wilmington、DE)から得た。
【0077】
(ボーラス投与(ラット))
ラット(成体雄Sprague−Dawley)を、風防ガラス抑制の中に置き、そして尾の静脈を介して目的の化合物(約3秒間にわたって1または2mL/kg)を注入した。麻酔の開始時間(立ち直り反射の喪失として規定された)、麻酔の持続時間(すなわち、立ち直り反射の喪失の持続時間)、および行動回復(すなわち、立ち直り反射の回帰に続く運動失調、鎮静および/または嗜眠の持続時間)を、記録した。麻酔の持続時間を、麻酔の開始後にあおむけにラットを配置することによって測定し、そして立ち直り反射の回復までの時間をストップウォッチを使用して記録した。麻酔の深さを、後ろ足の有害つまみに対する引っ張り反射の程度を観察することによって間欠的に評価した。行動回復を、視覚的観察によって評価した。
【0078】
(ボーラス投与(モルモット))
成体雄モルモットに、耳静脈を介してのボーラス投与(0.1〜0.25mL容量)によって投与した。立ち直り反射の喪失の持続時間を、ラットについて上記したように測定した。
【0079】
(注入による投与(ラット))
ラット(成体Sprague−Dawley)を、風防ガラス抑制器中に入れ、そして尾静脈を介するボーラス注入(約2分の持続時間の麻酔を生じるため、より早いボーラス実験から推定された用量で約3秒間にわたって0.15〜1mL/kg)によって麻酔を誘導した。ボーラス投与後直ちに、尾静脈を介する注入(代表的に20分間、180分間または300分間の持続時間を有する)を、開始した(ボーラス用量/分の半分で0.075〜0.5mL/kg/分)。ある実施形態において、最初の注入速度を全体にわたって維持し、一方その他については、速度を、麻酔の一定の深さを維持するために必要なように(有害つまみに応答して引き込まれる足を調節することによって規定されるように)改変した。注入の完了に続き、麻酔の持続時間(すなわち、立ち直り反射の喪失の持続時間)および行動回復(すなわち、立ち直り反射の回復に続く運動失調、鎮静または嗜眠の持続時間)を、記録した。
【0080】
(結果)
ボーラス投与(ラット):式(1)で調製された試験化合物のボーラス注入から生じるラットにおける立ち直り反射の喪失の持続時間についての用量応答曲線を、決定した。麻酔効力を定量化するため、2分間の立ち直り反射の平均喪失を生じた試験化合物の用量を計算した。図1は、2分間の立ち直り反射の喪失を生じる本発明の化合物のボーラス用量(mg/kg)と比較化合物である、プロパニジドの必要とされた用量とを比較する。
【0081】
(ボーラス投与(モルモット))
化合物1の効力をまた、類似のプロセスによってモルモットにおいて試験した。モルモットにおける2分間の立ち直り反射の喪失を生じるために必要とされる化合物1の用量は、プロパニジドについての13mg/kgの用量と比較して、8mg/kgであると計算された。
【0082】
(注入による投与(ラット))
ラットへの注入による投与の終了後の回復時間を、化合物1および比較化合物であるプロポフォールおよびプロパニジドについて決定した。注入の終了後の立ち直り反射の喪失の持続時間(分で)を、以下の表2において注入の持続時間の関数として与える。
【0083】
(表2.注入の終了後の立ち直り反射の喪失の持続時間(分で))
【0084】
【表2】

図2は、表2において得られるような、立ち直り反射の喪失の持続時間の合計として、ラットにおける特定の持続時間の注入の終了後の全回復時間(分で)、および立ち直り反射の回復後の行動回復の持続時間を示す。
【0085】
ラットおよびモルモットの動物モデルにおける上記データによって示されるように、試験された本発明の化合物は、プロパニジドよりも強力な全身麻酔薬であり、そしてたとえ長時間(5時間)の注入後であっても、プロポフォールよりも有意に短い総回復速度を提供する。さらに、本発明の試験された化合物についての注入の終了後の立ち直り反射の喪失の持続時間は、実験結果の非確実性以内で、注入の持続時間とは独立していた。
【0086】
本発明の代表的な化合物のインビトロでは安定性は、試験Bにおいて示されるように決定され得る。
【0087】
(試験B)
(全血サンプルの供給源)
心臓穿刺によって得られた、ラットおよびモルモットの全血サンプルを、ヘパリンナトリウムを含むバキュテイナーチューブに収集した。サンプルを、氷中に維持し、そして収集と同じ日に使用した。商業的販売者から購入した、イヌ、サルおよびヒトの全血を、濡れた氷上で維持し、そして収集の次の日に使用した。
【0088】
(代謝アッセイ)
試験化合物であるプロパニジドおよび本発明の代表的な化合物を、300μLの全血サンプル中に100μMの最終濃度までスパイクした。タンパク質を、2倍の容量の氷冷エタノール添加およびボルテックス混合により直ちに沈殿させた。これは、ゼロ時点を構成した。同一の300μLインキュベーションにおいて、次いでスパイクした全血サンプルを、30秒〜60分間37℃でインキュベーションした。所定の時点で、600μLの氷冷エタノールを混合物に加えて、インキュベーションを終了した。インキュベーションの終了後に、サンプルを遠心分離し、そして上清液を、室温で窒素気流下で乾燥した。残渣を、150μLの滅菌水中に再構成し、次いで遠心分離した。上清液のアリコート(50μL)を、分析のためにHPLC−UVに注入した。
【0089】
(HPLC法)
18、5μm、2×150mm I.D(LUNA、Phenomenex)逆相HPLCカラムを使用し、そして15分以上、その後5分、10%のアセトニトリルで無勾配で10%〜68%のアセトニトリルの勾配を使用した。移動相成分は、0.1%TFAを含んだ。分析物を、214nmでUV検出によってモニタリングした。
【0090】
(データ分析)
インキュベートにおける基質の濃度を、内部標準法を使用してピーク面積比として測定し、そしてパーセント分解を、ゼロ時間値に関して測定した。
【0091】
(結果)
式(I)の試験化合物は、対応するカルボン酸に迅速に代謝した(式(I)、ここでR=水素)。酸代謝産物は、試験Aで麻酔薬として不活性であると見出した。式(I)の化合物のこれらの酸代謝産物への迅速な転換、および麻酔薬としてこれらの酸代謝産物の不活性は、式(I)の化合物について観察されたより短く、かつより予測可能な回復速度が少なくとも部分的に原因であり得る。
【0092】
ここで、本発明は、以下の制限されない実施例によって示される。
【実施例】
【0093】
以下の実施例において、次の略語は以下の意味を有する。定義されない、任意の略語は、それらの一般的に認められた意味を有する。他に明記しない限り、全ての温度は、摂氏である。
【0094】
DMSO=ジメチルスルホキシド
EtOAc=酢酸エチル
DCM=ジクロロメタン
PPTS=ピリジニウムパラトルエンスルホン酸
DMF=ジメチルホルムアミド
(概要:)
他に明記しない限り、試薬、出発物質および溶媒を、商業業者(例えば、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)およびTrans World Chemicals,Inc.(TCI)(Rockville,MD))から購入し、さらに精製することなく使用した;反応を窒素雰囲気下で行った;反応混合物を薄層クロマトグラフィー(シリカTLC)、分析高速液体クロマトグラフィー(anal.HPLC)、または質量分析法によりモニタリングした;反応混合物を、一般的にシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーをによってか、または減圧蒸留によって、精製した;NMRサンプルを重水素化溶媒(CDOD、CDCl、またはDMSO−d6)に溶解し、そして、他に示されない限り、内部標準として記載された溶媒を使用して、Varian Gemini 2000機器(300 MHz)を用いてスペクトルを得た;そして質量分析同定を、Perkin Elmer機器(PE SCIEX API 150 EX)を用いてエレクトロスプレーイオン化法(ESMS)によって行った。
【0095】
(実施例1 化合物1:[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
【0096】
【化8】

磁気攪拌棒を備えた50mLの丸底フラスコにおいて、3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステル(800mg、3.4mmol、1.0当量)を乾燥アセトン(20mL)中に溶解した。この溶液に、KCO(705mg、5.1mmol、1.5当量)、続いて2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド(0.55mL、4.0mmol、1.2当量、Aldrichから入手可能)を添加した。激しい攪拌下で、懸濁液を還流まで温め、そしてそれらの条件下で15時間維持した。室温もで冷却した後、この反応混合物を折りたたんだ濾紙を用いて濾過し、そして残った溶液は、減圧下で溶媒を含まなかった。油性生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、50% EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、630mg(理論値の53%)の無色の油状物を得、これは、HPLCにより99.6%の純度であった。
【0097】
【化9】

((1)式(IIa)R=エチルおよびR=プロピル(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステル)の中間体の調製)
テフロン(登録商標)のスクリューキャップを有する30mLのガラス圧力管に、磁気攪拌棒を備え、そしてこれに3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル酢酸(2.5g、12.7mmol、1.0当量、Trans World Chemicalsから入手可能)を充填した。1−プロパノール(20mL、270mmol、約20当量)を添加し、そしてこの混合物を攪拌して溶解した。濃硫酸(2滴)を添加した。チューブキャップを手で固くスクリューダウンし、そしてチューブをオイル浴中に浸けた。この反応物を90℃で15分間攪拌した。チューブを室温まで冷却し、その後、この内容物を丸底フラスコに移し、そして過剰のアルコールを減圧中で蒸留した。残った油状物を酢酸エチル(50mL)中に集め、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、この溶媒を減圧下で蒸留し、淡黄色油状物として2.6g(85%収量)のエステルが残った。
【0098】
((2)式(IIa)R=エチルおよびR=プロピル(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステル)の中間体の調製)
表題の中間体をまた、以下のスキームBに従って調製した。
【0099】
【化10】

((a)化合物B1の調製)
2−エトキシフェノール(56.6、0.401mmol、1当量)、グリオキシル酸(50%水溶液)(41.0mL、0.396mol、0.99当量)、および蒸留水(110mL)を合わせた。この混合物を氷浴で冷却し、そして10% NaOHの溶液(300mLの蒸留水中32.2g NaOH、0.805mol、2当量)を、添加漏斗を介して、ゆっくり添加した。この反応物を室温までゆっくり温め、そして約18時間後、この溶液を酢酸エチル(4×250mL)で洗浄し、次いで6N HClを用いて、約pH3まで酸性化した。NaClを添加し、次いで生成物を酢酸エチル(4×200mL)中で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去し、淡いピンク色の固体として、51.8gのB1を得た。
【0100】
【化10A】

((b)化合物B2の調製)
化合物B1(45.0g、0.212mol、1当量)をDCM(225mL)中に溶解し、ピリジン(80mL、0.989mol、6当量)を添加し、そしてこの混合物を氷浴中、窒素下で冷却した。無水酢酸(100mL、1.06mol、4当量)を添加漏斗を介して、ゆっくり添加した。反応が完了するまでこの混合物を攪拌し(約3時間)、次いでジエチルエーテル(500mL)で希釈し、そして1N HCl(4×250mL)で洗浄した。この混合物を8%の炭酸水素ナトリウム溶液(4×80mL)中で抽出し、6N HClを用いて約pH4に酸性化し、そして生成物をジエチルエーテル中に抽出し、白色の結晶性固体として、41.1gのB2を得た。
【0101】
【化10B】

((c)化合物B3の調製)
化合物B2(30.9g、0.104mol)をメタノール(500mL)中に溶解し、蒸留水で湿ったPd(OH)(5.0g)を添加し、そしてこの混合物を水素下30psiで振盪しながら配置した。48時間後、Pd(OH)を濾過により除去し、そして溶媒を減圧下で除去し、黄色の油状物として22gのB3を得た。
【0102】
【化10C】

((d)4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステルの調製)
化合物B3(1.40g、5.87mmol)を過剰の1−プロパノール(50mL)に溶解し、濃HSO(3滴)を添加し、そしてこの混合物を90℃で約18時間加熱した。1−プロパノールの容量を減圧下で減少させ、次いでこの混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×)、蒸留水(1×)、ブライン(1×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下で溶媒を除去し、黄色の油状物として4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステルを得た。
【0103】
【化10D】

(実施例2 化合物2:[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸エチルエステル)
【0104】
【化11】

中間体の合成において、1−プロパノールをエタノールに変えることを除いて、実施例1に記載した手順と類似の手順を使用して、R=エチルおよびR=プロピルを有する式(IIa)の中間体を生成し、表題の化合物を81%の収量で、無色の油状物として、調製し、これは、HPLCにより96%の純度であった。
【0105】
【化12】

(実施例3 化合物3:[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸イソプロピルエステル)
【0106】
【化13】

中間体の合成において、1−プロパノールをイソプロパノールに変えることを除いて、実施例1に記載した手順と類似の手順を使用して、R=エチルおよびR=イソプロピルを有する式(IIa)の中間体を生成し、表題の化合物を63%の収量で、これは、無色の油状物として調製し、HPLCにより99%の純度であった。
【0107】
【化14】

(実施例4A 化合物4:[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
化合物4を以下のスキームCに従って、調製した。
【0108】
【化15】

((1)化合物C1(式(IV)R=プロピル)の調製)
オーバーヘッドスターラーを備える3LのフラスコにおいてDMF(1.5mL)中のカテコールの溶液(81.0g、0.74mol)を調製し、氷浴中で冷却した。NaH(オイル中60%)(29g、0.73mol)をこの溶液にゆっくり添加し、一旦完全に反応し(最後の添加後約1時間)、1−ブロモプロパン(72mL、0.74mol)を添加した。この反応混合物を一晩攪拌し、そして室温までゆっくり温めた。
【0109】
この反応混合物を、ジエチルエーテルを含む分液漏斗に注ぎ、そして水(3×)で洗浄し、次いで1N NaOH(3×)中に抽出し、水性の部分を6N HClで約pH1に酸性化し、そしてこの生成物をDCM(3×)中で抽出した。このDCMをブライン(1×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてこの溶媒を減圧下で除去して、赤色の油状物を得た。この油状物を6’’シリカゲルプラグに通して精製し、10%の酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、次いでこの溶媒を減圧下で除去し、26.8gの無色の油状物C1を得た。
【0110】
((2)化合物C2(式(V)R=プロピル)の調製)
氷浴中で冷却したC1(26.8g、0.176mol)およびグリオキシル酸(水中50%溶液)(17.6mL、0.160mmol)の混合物に、10% NaOH(128mL、0.320mol)の溶液を添加した。この混合物を一晩攪拌し、そして室温までゆっくり温めた。約15時間後、150mLの蒸留水を添加し、この混合物を可溶化し、そしてこの反応物を再び一晩、室温で攪拌した。
【0111】
反応混合物を酢酸エチル(4×)で洗浄し、水性部分を氷酢酸で約pH3まで酸性化し、そしてこの生成物を酢酸エチル(3×)中で抽出した。この酢酸エチルをブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去して12gの白色固体C2を得た。
【0112】
((3)化合物C3(式(IIb)RおよびR=プロピル)の調製)
PPTS(0.47g、1.87mmol)を、過剰の1−プロパノール(90mL)に溶解したC2(3.27g、1.44mmol)の溶液に添加した。この溶液を50℃で一晩加熱した。
【0113】
1−プロパノールの容量を減圧下で減少させ、酢酸エチルで希釈し、そして1N HCl(3×)、飽和炭酸水素ナトリウム(3×)、およびブライン(1×)で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、そしてこの混合物をカラムクロマトグラフィーで精製して、1.7gの無色の油状物C3を得た。
【0114】
((4)化合物C4(式(III)RおよびR=プロピル、RおよびR=エチル)の調製)
炭酸セシウム(10g、30.7mmol)を、アセトン(100mL)に溶解したC3(1.70g、6.36.mmol)の溶液に添加した。10分間の攪拌後、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド(0.95mL、6.91mmol)を添加し、この反応混合物を60℃で一晩加熱した。
【0115】
反応が完了した場合、炭酸セシウムを濾過し、そしてこの溶媒を減圧下で除去し、この混合物をカラムクロマトグラフィーで精製して、0.82gの無色の油状物C4を得た。
【0116】
((5)化合物C5の調製)
DCM(50mL)およびピリジン(0.35mL、4.33mmol)に溶解し、氷浴中で冷却したC4(0.512g、1.40mmol)の溶液に、臭化アセチル(0.21mL、2.84mmol)を添加した。この反応混合物を一晩攪拌し、そして室温までゆっくり温めた。
【0117】
この混合物をジエチルエーテルに注ぎ、そして1N HCl(3×)、飽和炭酸水素ナトリウム(3×)、蒸留水(1×)、およびブライン(1×)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてこの溶媒を減圧下で除去して0.517gのピンク色の油状物C5を得た。
【0118】
((6)化合物4の合成)
1−プロパノール(25mL)中のC5(0.167g、0.394mmol)の溶液に、1−プロパノールで湿らせた10%のPd/C(20mg)を添加し、そして水素下、28psiで処理した。1時間後、このPd/Cを除去し、そして別の一部の1−プロパノールで湿らせた10%のPd/C(20mg)で交換し、そして再び水素下、28psiで3時間処理した。Pd/Cを濾過により除去し、そしてこの溶媒を減圧下で除去し、次いでこの混合物をカラムクロマトグラフィーで精製して90mgの無色の油状物4を得た。
【0119】
あるいは、化合物4を、以下の実施例のように調製し得る。
【0120】
(実施例4B 化合物4:[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
((1)化合物C1(式(IV)R=プロピル)の調製)
アセトン(1L)に溶解したカテコール(100.1g、0.91mol)の溶液に、炭酸カリウム(125.1g、0.91mol)を、激しく攪拌しながらゆっくり添加した;1−ブロモプロパン(90.0mL、0.92mol)を加熱する間に添加し、そしてこの混合物を一晩還流した。
【0121】
一旦、この反応物を室温まで冷却し、そして炭酸カリウムを濾過により除去し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、この生成物をジエチルエーテルで希釈し、蒸留水(4×)で洗浄し、次いで1N NaOH中で抽出した。水溶液を回収し、6N HClで約pH1に酸性化し、そしてこの生成物をジエチルエーテル中で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてこの溶媒を減圧下で除去した。この生成物を、6’’シリカゲルプラグに通して精製し、10%の酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、そしてこの溶媒を減圧下で除去し、45g(0.30mol、32%収量)のオフホワイトの固体C1を得た。
【0122】
【化15A】

((2)化合物C2(式(V)R=プロピル)の調製)
氷浴中で冷却した、1Lの蒸留水中のC1(100g、0.657mol)およびグリオキシル酸(水中50%溶液)(67mL、0.648mol)の混合物に、10%のNaOH溶液(500mlの脱イオン水中52gのNaOH、1.3mol)を添加漏斗を介して、ゆっくり添加した。この混合物を、室温までゆっくり温める間、一晩攪拌した。
【0123】
この反応混合物を酢酸エチル(4×)で洗浄し、水性部分を回収し、そして6N HClで約pH3まで酸性化し、次いでこの産物を酢酸エチル(3×)中で抽出した。酢酸エチルをブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてこの溶媒を減圧下で除去して70g(0.31mol,47%収量)の淡いピンク色の固体C2を得た。
【0124】
【化15B】

((3)化合物C3(式(IIb)RおよびR=プロピル)の調製)
過剰の1−プロパノール(550mL)に溶解したC2(70g、0.289mol)の溶液に、PPTS(7.5g、29.8mmol)を添加し、そして50℃で一晩加熱した。
【0125】
1−プロパノールの容量を減圧下で減少させ、次いで酢酸エチルで希釈し、そして1N HCl(3×)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3×)、およびブライン(1×)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、次いでこの混合物をカラムクロマトグラフィーで精製し、55g(0.20mol、71%収量)のオフホワイトの固体C3を得た。
【0126】
【化16】

((4)化合物C4(式(III)RおよびR=プロピル、RおよびR=エチル)の調製)
炭酸カリウム(95g、0.69mol)をアセトン(500mL)に溶解したC3(85g、0.32mol)の溶液にゆっくり添加した。次いで、この混合物を60℃まで加熱し、1時間攪拌した後、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド(43.5mL、0.32mol)を添加し、そしてこの反応混合物を60℃で48時間加熱した。
【0127】
この反応を完了した場合、炭酸カリウムを濾過により除去し、そしてこの溶媒を減圧下で除去し、この混合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、50g(0.13mol、46%収量)の無色の油状物C4を得た。
【0128】
【化17】

((5)化合物C5の調製)
DCM(600ml)およびピリジン(30ml、0.37mol)に溶解し、氷浴中で冷却したC4(50g、0.13mol)溶液に、アセチルブロミド(20ml、0.27mol)を添加した。ゆっくり室温まで温めながら、反応混合物を一晩攪拌した。
【0129】
溶媒を真空下で減少させ、次いで、ジエチルエーテルで希釈し、1N HCl(5×)、飽和二炭酸ナトリウム(4×)、およびブライン(1×)で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、黄色の油状物を得た。次いで、この油状物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、50gの黄色油状物C5を得た(0.12mol、収率91%)。
【0130】
【化18】


【0131】
((6)化合物4の合成)
1−プロパノール(200mL)中のC5(50g、0.12mol)溶液に1−プロパノールで湿らせた10% Pd/C(5g)を添加し、32psiの水素下で48時間、振盪しながら処理した。Pd/Cを除去し、1−プロパノールで湿らせた10%Pd/C(2g)の別の部分で置換し、そして、再び30psiの水素下で4時間、振盪しながら処理した。ミリポアフィルターを通して濾過することによりPd/Cを除去し、溶媒を真空下で除去し、次いで、生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、38gの無色油状物4を得た(0.10mol、収率87%)。
【0132】
【化19】

HPLC(RP、10〜70% アセトニトリル/水、6分実行、214nm)保持時間4.75分、純度100%(HPLCによる)。
【0133】
(実施例5 化合物5:[4−[(N,N−ジプロピルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸エチルエステル)
実施例2のプロセスを使用して、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミドを2−クロロ−N,N−ジプロピルアセトアミドに置換し、化合物5を調製した(収率54%)。
【0134】
【化20】

HPLC(RP、30〜90% アセトニトリル/水、6分実行、214nmで検出)保持時間3.20分、純度97%(HPLCによる)。
【0135】
(実施例6 化合物6:[4−[(N,N−ジプロピルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
実施例1のプロセスを使用して、2−クロロ−N,N−−ジエチルアセトアミドを2−クロロ−N,N−ジプロピルアセトアミドに置換し、化合物6を調製した(収率51%)。
【0136】
【化21】

HPLC(RP、30〜90% アセトニトリル/水、6分実行、214nmで検出)保持時間3.57分、純度100%(HPLCによる)。
【0137】
(実施例7 化合物7:[4−[(N−エチル−N−メチルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
実施例1のプロセスを使用して、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミドを2−クロロ−N−エチル−N−メチルアセトアミドに置換し、化合物7を調製した(収率88%)。
【0138】
【化22】

HPLC(RP、30〜90% アセトニトリル/水、6分実行、214nmで検出)保持時間2.45分、純度99%(HPLCによる)。
【0139】
(実施例8 化合物8:[4−[(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸エチルエステル)
実施例2のプロセスを使用して、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミドを2−クロロ−N−エチル−N−プロピルアセトアミドに置換し、化合物8を調製した(収率64%)。
【0140】
【化23】

HPLC(RP、30〜90%アセトニトリル/水、6分実行、214nmで検出)保持時間2.81分、純度95%(HPLCによる)。
【0141】
(実施例9 化合物9:[4−[(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
実施例1のプロセスを使用して、2−クロロ−N,Nジエチルアセトアミドを2−クロロ−N−エチル−N−プロピルアセトアミドに置換し、化合物9を調製した(収率92%)。
【0142】
【化24】

HPLC(RP、30〜90% アセトニトリル/水、6分実行、214nmで検出)保持時間2.95分、純度100%(HPLCによる)。
【0143】
(実施例10 化合物10:[4−[(N,N−ジメチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
((1)2−[4−[(N,N−ジメチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−ヒドロキシ酢酸プロピルエステル(10−D)の調製)
反応物化合物C(2.49g、9.28mmol)、アセトン(60mL)、炭酸カリウム(2.55g、18.5mmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド(1.42g、11.5mmol)を用い、実施例4B下位部分(4)のプロセスを使用して、化合物10−Dを調製した(1.4g)。
【0144】
【化25】


【0145】
((2)2−[4−[(N,N−ジメチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−アセトキシ酢酸プロピルエステル(10−E)の調製)
反応物化合物10−D(1.4g、3.96mmol)、DCM(100mL)、ピリジン(1.0mL、12.4mmol)、およびアセチルブロミド(0.55mL、7.44mmol)を用い、実施例4B下位部分(5)のプロセスを使用して、化合物10−Eを調製した(1.4g)。
【0146】
【化26】


【0147】
((3)化合物10の合成)
実施例4B下位部分(6)のプロセスに従って、化合物10−Eを水素で処理し、化合物10を白色固体として調製した(0.80g、2.37mmol)。
【0148】
【化27】

HPLC(RP、10〜70% アセトニトリル/水、6分実行、214nm)保持時間4.23分、純度99.2%(HPLCによる)。
【0149】
(実施例11 化合物11:[4−[(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
((1)2−[4−[(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−ヒドロキシ酢酸プロピルエステル(11−D)の調製)
反応物化合物C(2.43g、9.06mmol)、アセトン(60mL)、炭酸カリウム(2.50g、18.1mmol)、および2−クロロ−N−エチル−N−プロピルアセトアミド(1.94g、11.9mmol)を用い、実施例4B下位部分(4)のプロセスを使用して、化合物11−Dを調製した(1.75g)。
【0150】
【化28】


【0151】
((2)2−[4−[(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−アセトキシ酢酸プロピルエステル(11−E)の調製)
反応物化合物11−D(1.70g、4.29mmol)、DCM(100mL)、ピリジン(1.0mL、12.4mmol)、およびアセチルブロミド(0.60mL、4.77mmol)を用い、実施例4B下位部分(5)のプロセスを使用して、化合物11−Eを調製した(2.0g)。
【0152】
【化29】


【0153】
((3)化合物11の合成)
実施例4B下位部分(6)のプロセスに従って、化合物11−Eを水素で処理し、化合物11を無色油状物として調製した(0.95g、2.50mmol)。
【0154】
【化30】

HPLC(RP、10〜70% アセトニトリル/水、6分実行、214nm)保持時間5.26分、純度100%(HPLCによる)。
【0155】
(実施例12 化合物12:[4−[(N,N−ジプロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
((1)2−[4−[(N,N−ジプロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−ヒドロキシ酢酸プロピルエステル(12−D)の調製)
反応物化合物C(2.27g、8.46mmol)、アセトン(60mL)、炭酸カリウム(2.50g、18.1mmol)、および2−クロロ−N,N−ジプロピルアセトアミド(1.65g、9.29mmol)を用い、実施例4B下位部分(4)のプロセスを使用して、化合物12−Dを調製した(1.0g)。
【0156】
【化31】

((2)2−[4−[(N,N−ジプロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−アセトキシ酢酸プロピルエステル(12−E)の調製)
反応物化合物12−D(1.70g、4.29mmol)、DCM(100mL)、ピリジン(1.0mL、12.4mmol)、およびアセチルブロミド(0.60mL、4.77mmol)を用い、実施例4B下位部分(5)のプロセスを使用して、化合物12−Eを調製した(1.0g)。
【0157】
【化32】


【0158】
((3)化合物12の合成)
実施例4B下位部分(6)のプロセスに従って、化合物12−Eを水素で処理し、化合物12を無色油状物として調製した(0.80g、2.03mmol)。
【0159】
【化33】

HPLC(RP、10〜70% アセトニトリル/水、6分実行、214nm)保持時間5.45分、純度100%(HPLCによる)。
【0160】
(実施例13 化合物13:[4−[(N−エチル−N−メチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
((1)2−[4−[(N−エチル−N−メチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−ヒドロキシ酢酸プロピルエステル(13−D)の調製)
反応物化合物C(2.26g、8.42mmol)、アセトン(60mL)、炭酸カリウム(2.50g、18.1mmol)、および2−クロロ−N−エチル−N−メチルアセトアミド(1.26g、9.29mmol)を用い、実施例4B下位部分(4)のプロセスを使用して、化合物13−Dを調製した(1.6g)。
【0161】
【化34】


【0162】
((2)2−[4−[(N−エチル−N−メチルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]−2−アセトキシ酢酸プロピルエステル(13−E)の調製)
反応物化合物13−D(1.60g、4.35mmol)、DCM(100mL)、ピリジン(1.0mL、12.4mmol)、およびアセチルブロミド(0.60mL、4.77mmol)を用い、実施例4B下位部分(5)のプロセスを使用して、化合物13−Eを調製した(1.9g)。
【0163】
【化35】


【0164】
((3)化合物13の合成)
実施例4B下位部分(6)のプロセスに従って、化合物13−Eを水素で処理し、化合物13を無色油状物として調製した(1.5g、4.27mmol)。
【0165】
【化36】

HPLC(RP、10〜70% アセトニトリル/水、6分実行、214nm)保持時間4.47分、純度99%(HPLCによる)。
【0166】
(実施例14 化合物14:[4−[(N−エチル−N−プロピルカルバモイル)メトキシ]−3−プロポキシフェニル]酢酸エチルエステル)
化合物11(0.201g、0.510mmol)を(1:1)MeOH:脱イオン水(10mL)に溶解することによりけん化した。混合物を氷浴中に浸しながら、0.1N,NaOH(5.1mL、0.51mmol)を添加し、混合物を一晩攪拌し、脱イオン水で希釈し、そしてDCMで洗浄した。水性部分を1NHClで酸性にし、生成物をDCMに抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空下で除去した。
【0167】
酸生成物をエタノール(20mL)中に再溶解させ、硫酸(2滴)を添加し、混合物を110℃まで一晩加熱した。溶媒を真空下で除去し、次いで、生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状物として化合物14を得た(170mg、0.465mmol)。
【0168】
【化37】

HPLC(RP、10〜70% アセトニトリル/水、6分実行、214nm)保持時間4.88分、純度95%(HPLCによる)。
【0169】
(実施例15 比較化合物プロパニジド:[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−メトキシフェニル]酢酸プロピルエステル)
((1)3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステル(15−A)の調製)
4−ヒドロキシ−3−メトキシフェネチルアルコール(Sigma−Aldrich)を無水1−プロパノールに溶解した。この溶液に約5滴の濃硫酸を添加し、溶液を100℃で3〜5時間、圧力管中にて加熱した。反応完了後、減圧下で1−プロパノールを除去し、得られた油状物を酢酸エチルで希釈し、飽和二炭酸ナトリウム溶液、滅菌水で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。この溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、ほぼ定量的な収率で赤色油状物として15−Aを得た。
【0170】
【化38】


【0171】
((2)[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−メトキシフェニル]酢酸プロピルエステルの調製)
3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル酢酸プロピルエステル(15−A)をアセトンに溶解した。この溶液に2当量のKCOを添加し、その後、1.2当量の2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミドを加えた。激しく攪拌しながら、この懸濁液を温めて約15分間潅流した(60℃)。室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、残った溶媒を減圧下で除去し、収率95%の暗黄色の油状物を得た。油状生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を生成した。
【0172】
【化39】


(実施例16.以下は、本発明「化合物X」の化合物を含む、代表的な薬学的用量形態を示す。
(i)注入1 重量%
「化合物X」 2.0
ダイズ油 10.0
卵ホスファチド 1.2
グリセロール 2.25
エデト酸ニナトリウムニ水和物 0.0055
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水 100まで

(ii)注入2 重量%
「化合物X」 1.0
ダイズ油 5.0
分画ココナッツ油 5.0
卵ホスファチド 1.2
グリセロール 2.25
エデト酸ニナトリウムニ水和物 0.0055
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水 100まで

(iii)注入3 重量%
「化合物X」 1.0%w/v
N−メチルピロリジノン 30%w/v
プロピレングリコール 40%w/v
注入のための水

(iv)注入4 重量%
「化合物X」 2.0%w/v
N−メチルピロリジノン 30%w/v
プロピレングリコール 40%w/v
注入のための水

(v)注入5 重量%
「化合物X」 1.0
ダイズ油 1.0〜3.0
レシチン 1.2
グリセロール 2.25
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水 100まで

(vi)注入6 重量%
「化合物X」 1.0%w/v
ダイズ油 10.0%w/v
ベニバナ油 10.0%w/v
卵ホスファチド 1.2%w/v
グリセロール 2.5%w/v
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水

(vii)注入7 重量%
「化合物X」 1.0%w/v
ダイズ油 10.0%w/v
卵ホスファチド 1.2%w/v
グリセロール 2.5%w/v
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水

(viii)注入8 重量%
「化合物X」 1.0%w/v
ダイズ油 30.0%w/v
卵黄由来の卵ホスファチジルコリン 1.2%w/v
グリセロール 1.67%w/v
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水

(ix)注入9 重量%
「化合物X」 4.0%w/v
ダイズ油 20%w/v
レシチン 2.4%w/v
グリセロール 2.5%w/v
オレイン酸 0.03%w/v
0.1N 水酸化ナトリウム pH8になるまで十分量
注入のための水

(x)注入10 重量%
「化合物X」 10.0%w/v
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 10.0%w/v
卵ホスファチジド 1.2%w/v
グリセロール 2.5%w/v
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水

(xi)注入11 重量%
「化合物X」 5.0%w/v
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 15.0%w/v
卵ホスファチジド 1.2%w/v
グリセロール 2.5%w/v
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水

(xii)注入12 重量%
「化合物X」 10.0%w/v
Miglyol(登録商標)810 5.0〜10.0%w/v
卵黄ホスファチジド 0.5〜1.0%w/v
DMPG 0.1%w/v
グリセロール 2.25%w/v
水酸化ナトリウム 十分量
注入のための水

上記処方物を、薬学的分野において周知である従来のプロセスによって監督し得る。例えば、注入9に従う化合物1の処方物を、以下のプロセスによって調製した。
【0173】
L−α−ホスファチジルコリン60%(レシチン)(2.40g)、グリセロール(98%)(2.50g)、(両方ともSigma−Aldrich由来)、オレイン酸(99%)(0.03g)(Fluka−Sigma−Aldrich、Buchs、Switzerland)および脱イオン水(71.1g)の混合物を、完全に溶解するまで、60℃で加熱すると不透明な溶液が得られた。溶液が、0.1N NaOHの添加によって温まる間、pHを、pH8まで調整した。化合物1(4.0g)およびダイズ油(Sigma−Aldrich)(20.0g)の混合物を、混和するまでの60℃まで加熱し、次いで最初の混合物に加えた。溶液を、60℃で短時間撹拌し、次いでビーカーに移し、そして最大のスピードで5分間、Polytron組織均質器で撹拌し、前混合溶液を提供した。
【0174】
マイクロフリューダイザ(Microfluidics Corp.、Newton、MA、model no.110S)を、イソプロパノール、次いで脱イオン水で洗浄した。マイクロフリューダイザを、前混合溶液の最小の量で準備した。マイクロフリューダイザのレザバを、前混合溶液で満たし、そして溶液を、最大圧力(約12000〜15000psi)で30秒間、混合チャンバを通して循環した。マイクロフリュ−ダイズされた溶液の最初の約10滴を、収集し、そして捨て、次いで全ての次の画分を、ガラスバイアル中に収集した。
【0175】
全ての刊行物、特許、および特許文献は、参考としてそれぞれ援用されるかのように、本明細書中に参考として援用される。本発明は、様々な具体的かつ好ましい実施形態および技術を参照して記載された。しかし、多くの変化および改変が、本発明の精神および範囲内にある中でされ得ることは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】図1は、先行技術の化合物、プロパニジドの所望の用量とラットにおける平均2分の立直り反射の喪失を作り出すその本発明の化合物のmg/kgでの用量を比較する。
【図2】図2は、先行技術の化合物、プロパニジドおよびプロポフォールの注入の終わりに続く回復時間と本発明の化合物1のラットにおける、20分、3時間、および5時間の注入終わりに続く全回復時間(分)を比較する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

であって、ここで、
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択され;
およびRは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合される窒素原子と一緒になって、5〜7個の原子を有する複素環式環を形成するかであり、そして
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択され;
ただし、R、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、7をこえる、化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される、化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択される、化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルである、化合物。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物であって、ここで、Rは、エチルまたはプロピルである、化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される、化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルである、化合物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される、化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルである、化合物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される、化合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルである、化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、R、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜15の範囲である、化合物。
【請求項13】
請求項12に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルであり;R、R、およびRは、各々独立して(C〜C)アルキルであり;そしてR、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜12の範囲である、化合物。
【請求項14】
請求項13に記載の化合物であって、ここで、Rは、エチルまたはイソプロピルであり;R、R、およびRは、メチル、エチル、およびイソプロピルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜11の範囲である、化合物。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物であって、ここで、R、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、9、10、または11である、化合物。
【請求項16】
請求項14に記載の化合物であって、ここで、RおよびRは、各々エチルであり、そしてRは、プロピルである、化合物。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、前記化合物は、[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸プロピルエステルである、化合物。
【請求項18】
式(II)の化合物:
【化2】

であって、ここで、
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択され;
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択され;そして
は、水素またはヒドロキシルである、化合物。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の組成物であって、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤をさらに含む、組成物。
【請求項21】
請求項19に記載の組成物であって、鎮痛薬をさらに含む、組成物。
【請求項22】
請求項21に記載の組成物であって、ここで、鎮痛薬は、オピオイドである、組成物。
【請求項23】
薬学治療について使用するための請求項1〜17のいずれか1項に記載される化合物。
【請求項24】
哺乳動物について麻酔または鎮静を誘導または維持するために有用な医薬品を調製するための、請求項1〜17のいずれか1項に記載される化合物の使用。
【請求項25】
請求項24に記載の使用であって、ここで、前記医薬品は、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤をさらに含む、使用。
【請求項26】
請求項24に記載の使用であって、ここで、前記医薬品は、鎮痛薬をさらに含む、使用。
【請求項27】
請求項26に記載の使用であって、ここで、前記鎮痛薬は、オピオイドである、使用。
【請求項28】
哺乳動物について麻酔または鎮静を誘導または維持するための方法であって、ここで、該方法は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物の治療的に有効な量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
哺乳動物について麻酔または鎮静を誘導または維持するための方法であって、ここで、該方法は、請求項19に記載の化合物の治療的に有効な量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法であって、ここで、該方法は、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤の治療的に有効な量を哺乳動物に投与する工程をさらに包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

であって、ここで、
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択され;
およびRは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合される窒素原子と一緒になって、5〜7個の原子を有する複素環式環を形成し、そして
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択され;
ただし、R、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、7をこえる、化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される、化合物。
【請求項3】
請求項に記載の化合物であって、ここで、Rは、エチルまたはプロピルである、化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、RおよびRは、各々独立して、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからなる群から選択される、化合物。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物であって、ここで、RおよびRは、各々独立して、(C〜C)アルキルである、化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルである、化合物。
【請求項7】
請求項に記載の化合物であって、ここで、Rは、(C〜C)アルキルであり;R、R、およびRは、各々独立して(C〜C)アルキルであり;そしてR、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、8〜12の範囲である、化合物。
【請求項8】
請求項に記載の化合物であって、ここで、Rは、エチルまたはイソプロピルであり;R、R、およびRは、メチル、エチル、およびプロピルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、R、およびRの炭素原子の数の合計は、9、10または11である、化合物。
【請求項9】
請求項に記載の化合物であって、ここで、RおよびRは、各々エチルであり、そしてRは、プロピルである、化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、該化合物は、[4−[(N,N−ジエチルカルバモイル)メトキシ]−3−エトキシフェニル]酢酸プロピルエステルである、化合物。
【請求項11】
式(II)の化合物:
【化2】

であって、ここで、
は、エチルであり、Rは、プロピルであり、そしてRは、水素である、化合物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の組成物であって、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤をさらに含む、組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の組成物であって、鎮痛薬をさらに含む、組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の組成物であって、ここで、鎮痛薬は、オピオイドである、組成物。
【請求項16】
薬学治療に使用するための請求項1〜10のいずれか1項に記載される化合物。
【請求項17】
哺乳動物において麻酔または鎮静を誘導または維持するのに有用な医薬品を調製するための、請求項1〜10のいずれか1項に記載される化合物の使用。
【請求項18】
請求項17に記載の使用であって、ここで、前記医薬品は、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤をさらに含む、使用。
【請求項19】
請求項17に記載の使用であって、ここで、前記医薬品は、鎮痛薬をさらに含む、使用。
【請求項20】
請求項19に記載の使用であって、ここで、前記鎮痛薬は、オピオイドである、使用。
【請求項21】
哺乳動物に麻酔または鎮静を誘導または維持するための方法であって、ここで、該方法は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の治療的に有効な量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、ここで、該方法は、別の鎮静催眠薬、鎮痛薬、および麻痺薬からなる群から選択される治療剤の治療有効量を哺乳動物に投与する工程をさらに包含する、方法。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−513254(P2006−513254A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501591(P2005−501591)
【出願日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/002227
【国際公開番号】WO2004/037750
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(500154711)セラヴァンス インコーポレーテッド (129)
【Fターム(参考)】