説明

黄斑変性症の治療用サイトカイン阻害薬

黄斑変性症を治療、予防、又は管理する方法を開示する。具体的な実施態様は、単独の、又は第2の活性剤及び/又は外科手術と組み合わせた、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグの投与を包含する。医薬組成物、一単位剤形、本発明の方法の使用に好適なキットもまた開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.本発明の分野)
本発明は、黄斑変性症(MD)及び関連症候群を治療、予防、及び管理する方法に関するものであり、該方法は、選択的サイトカイン阻害薬単独で、又は公知の療法と併用して投与することを含む。また、本発明は、医薬組成物、及び投薬措置に関するものである。特に、本発明は、黄斑変性症に関する外科的介入、及び/又は他の標準的療法と関連させた、選択的サイトカイン阻害薬の使用を包含する。
【背景技術】
【0002】
(2.本発明の背景)
(2.1 黄斑変性症の病理学)
黄斑変性症(MD)は、網膜黄斑の損傷により中心視力を破壊する眼疾患である。網膜黄斑は、眼球内部の大部分に内張りされている神経細胞の薄い膜である。網膜内の神経細胞は網膜の一部であり、光を検出し、眼が見るものについてシグナルを脳に送る。網膜黄斑は、眼球背面の網膜の中心近くにあり、動物が、自分の前にあるものに焦点を合わせるために用いる明瞭でシャープな中心視覚を提供する。残りの網膜は、側面(周辺)視覚を提供する。
【0003】
2つの形態のMD:萎縮性(「ドライ」)及び滲出性(「ウェット」)がある。Riordan-Eva, P.、Eye, in Current Medical Diagnosis and Treatment、41版210-211 (2002)。患者の90パーセントがドライ形態であり、一方、ウェット形態を有するのはわずか10パーセントである。しかしながら、ウェット形態の患者は、視力の90パーセントまでを失い得る。DuBosar, R.、J. of Ophthalmic Nursing and Technology、18: 60-64 (1998)。
【0004】
黄斑変性症は、脈絡膜血管新生(CNVM)の出現及び/又は晶洞を有する眼における網膜色素上皮(RPE)の位置的萎縮を生じる。Bird, A. C.、Surv. Ophthamol. 39: 367-74 (1995)。晶洞は、視神経網膜の外側に位置した基底部における円形の白黄色点である。MDのさらなる症状としては、RPE剥離(PED)及び黄斑下円板状瘢痕組織が挙げられる。Algvere, P. V.、Acta Ophthalmologica Scandinavica 80: 136-143 (20029)。
【0005】
脈絡膜血管新生は、多種多様の網膜疾患に関連した問題であるが、最も一般的にはMDに関連している。CNVMは、網膜層を通して成長する脈絡膜(網膜のすぐ下の血管に富んだ組織層)から生じる異常血管を特徴とする。これらの新血管は極めて脆く、容易に破裂して、血液及び体液を、網膜層の内側に溜める。血管が漏出する場合、繊細な網膜組織を傷害し、視覚を悪化させる。症状の重症度は、CNVMのサイズ及び黄斑へのその近接度に依る。患者の症状は、視覚のぶれ又は歪み領域などの極めて軽度なもの、又は中心盲点などのより重症なものであり得る。
【0006】
晶洞及び可能性として色素異常性を有しているが、CNVM、又は位置的萎縮症のない患者は、一般に加齢性黄斑症(ARM)を有するものとして診断される。前述のとおり。ARM及びMDの組織病理学的特徴は、RPE細胞基部におけるブルック膜の内部に沈着した微細な顆粒物質の連続層である。Sarks, J. P.ら、Eye 2 (Pt. 5): 552-77 (1988)。これらの基部沈着は、継続性のRPE食作用又は光受容体の外節物質からの廃棄産物として蓄積されると考えられる。基部沈着は、ブルック膜の肥厚及び透過性の減少をもたらす。水透過性の減少は、栄養物、捕捉水の交換を損ない、軟晶洞及びPEDの発生を高め、ついにはRPE細胞の萎縮をもたらすと仮定されている。前述のとおり。しかしながら、ARM及びMD病因についての現在の全体的理解は、不完全である。Cour, Mら、Drug Aging 19: 101-133 (2002)。
【0007】
MDは、人口増加が最も速い部分である高齢者に最も広く存在しているため、MDは、経済的かつ社会的に重大な問題となることが予測される。黄斑変性症は、先進国の60才以上の個人において視力喪失の最も一般的な原因である。黄斑変性症は、170万人のアメリカ人の中心視覚を失わせており、さらに1100万人にその危険性がある。DuBosar, R.、J. of Ophthalmic Nursing and Technology、18: 60-64 (1998)。現在、治療法は知られていない。Rhoodhooft, J.、Bull. Soc. Belge Ophthalmol. 276: 83-92 (2000)。したがって、MDの有効な治療が緊急に必要である。
【0008】
(2.2 加齢黄斑変性症の治療)
最近まで、レーザー光凝固術は、MDに対してルーチンに使用される唯一の治療であり、提供される成績は限られたものである。レーザー光凝固術は、網膜の狭い領域及び黄斑下の異常血管を焼付するために強烈な光ビームを用いるレーザー手術の1つのタイプである。焼付により、瘢痕組織が形成し、血管を塞ぎ、黄斑下の血管の漏れを防ぐ。レーザー光凝固術は、ウェットMDに罹っている患者のみに有効である。さらに、レーザー光凝固術は、これら患者の約13%のみに実行可能な選択肢である。Joffe, L.ら、International Ophthalmology Clinics 36 (2): 99-116 (1996)。レーザー光凝固術は、ウェットMDを治癒させるのではなく、むしろ時には中心視覚がさらに喪失することを遅くするか、又は防止するものである。しかしながら、治療しないと、人の残りの中心視覚がなくなるまでウェットMDからの視力喪失が進行し得る。
【0009】
レーザー術の最も重大な欠点は、レーザーが光に反応する網膜黄斑内の神経細胞の一部を損傷して何らかの視力喪失を引き起こすことである。手術から生じる視力喪失は、治療しないことから生じる視力喪失と同じように重篤であるか、或いはそれより悪化する場合がある。しかしながら、幾人かの患者において、レーザー術は、最初は視力を悪化させるが、経時的により重篤な視力喪失を防ぐ。
【0010】
ベルテポルフィン(verteporfin)は、ウェットMDを治療するために最近使用されている。Cour, Mら、Drug Aging 19: 101-133 (2002)。ベルテポルフィンは、注射により投与される血管遮断光反応色素である。この色素は、視野喪失の原因である血管に移動してから、酸素存在下、非焼付ビーム光を眼内に光らせることにより活性化される。ベルテポルフィンは、主としてリポ蛋白質により血漿に輸送される。活性化ベルテポルフィンは、高反応性短命一重項酸素及び反応性酸素ラジカルを発生して、新生血管の内皮に対し局所的損傷を生じさせる。これにより血管閉塞を引き起こす。損傷した内皮は、リポオキシゲナーゼ(ロイコトリエン)経路及びシクロオキシゲナーゼ(トロンボキサンなどのエイコサノイド類)経路を介して凝血原因子及び血管作用性因子を放出することが知られており、血小板凝集、フィブリン血餅形成及び血管収縮をもたらす。ベルテポルフィンは、脈絡膜の新血管構造など、新血管系において幾らか優先的に蓄積されると考えられる。しかしながら、動物モデルにより、ベルテポルフィンはまた網膜に蓄積することも示している。したがって、ベルテポルフィンの投与は、それに付随して網膜色素上皮及び網膜の外核層などの網膜構造を損傷し得る。
【0011】
MD治療のために現在研究されている別の方法は、薬理学的抗血管形成療法である。Cour, Mら、Drug Aging 19: 101-133 (2002)。しかしながら、抗血管形成薬であるインターフェロン−αを用いた第1の臨床試験により、インターフェロン−αは、MD治療に効果がなく、高率の副作用が生じることが示された。Arch. Ophthalmol. 115: 865-72 (1997)。
【0012】
トリアムシノロンの硝子体内注射は、サルにおけるレーザー誘導CNVMの成長を阻止することが、1年間に亘る無作為試験においてMD患者の重篤な視力喪失を防ぐことはできないことが報告されている。Gillies, M. C.ら、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 42: S522 (2001)。血管新生抑制ステロイド類(例えば、anecortave acetate、Alcon)及び血管内皮成長因子(VEGF)抗体又はその断片などの多くの他の抗血管形成薬が、MD患者に使用することを目的に種々の開発段階にある。Guyer, D. R.ら、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 42: S522 (2001)。このようなVEGF抗体の1つは、rhuFabである。MD治療用のさらなる新薬としては、EYE101(Eyetech Pharmaceuticals)、LY333531(Eli Lilly)、Miravant、及び3年間までステロイド眼内にステロイドを滲出するRETISERT移植(Bausch & Lomb)が挙げられる。
【0013】
MD及び関連黄斑変性症疾患の治療用の新規及び将来有望な方法は研究中であるが、利用できる有効な治療は未だない。したがって、MDの有効治療のための技術の必要性が残されている。
【0014】
(2.3 選択的サイトカイン阻害薬)
SelCIDs(商標)(Celgene社)と称される化合物又は選択的サイトカイン阻害薬が合成され試験されている。これらの化合物は、TNF−α産生を強力に阻害し、LPS誘導IL1β及びIL12に対して適度の阻害効果を示す。L. G. Corralら、Ann. Rheum. Dis. 58:(Suppl I) 1107-1113 (1999)。
【0015】
選択的サイトカイン阻害薬のさらなる特性化により、それらが強力なPDE4阻害剤であることが示されている。PDE4は、ヒト骨髄系細胞及びリンパ系細胞に見出された主要ホスホジエステラーゼアイソエンザイム類の1つである。該酵素は、偏在性の第2のメッセンジャーcAMPを分解し、細胞内低濃度で維持することにより細胞内活性を制御する重要な役割を演じている。前述のPDE4活性阻害によりcAMP濃度の増加が生じ、単球並びにリンパ球におけるTNF−α産生など、LPS誘導サイトカイン類が調節される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
黄斑変性症の治療用サイトカイン阻害薬を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(3.本発明の要旨)
本発明は、黄斑変性症を治療及び予防する方法であって、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法を包含する。また、本発明は、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを、前記管理を必要とする患者に投与することを含む、MDを管理する(例えば、寛解時期を延長すること)方法を包含する。
【0018】
本発明の他の実施態様は、限定はしないが、ステロイド類、光増感剤類、インテグリン類、抗酸化剤類、インターフェロン類、キサンチン誘導体、成長ホルモン類、ニュートロトロフィック因子類、血管新生の調節剤、抗VEGF抗体類、プロスタグランジン類、抗生物質類、植物エストロゲン類、抗炎症性化合物又は抗血管新生化合物、或いはそれらの組合せなどのMDを治療又は予防するために有用な別の療法と併用して選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグの使用を包含する。
【0019】
本発明のさらなる他の実施態様は、限定はしないが、外科的介入(例えば、レーザー光凝固療法、及び光力学療法)などのMDを、治療、又は予防するために用いられる従来の療法と併用して、有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを、それを必要とする患者に投与することを含む、MDを治療、予防、及び管理する方法を包含する。
【0020】
本発明はさらに、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを含む、MDの治療、予防及び/又は管理における使用に好適な医薬組成物、一単位剤形、及びキットを包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(4.本発明の詳細な説明)
本発明の第1の実施態様は、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを、それを必要とする患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与することを含む、MDを治療及び予防する方法を包含する。本発明はさらに、限定はしないが、萎縮性(ドライ)MD、滲出性(ウェット)MD、加齢性黄斑症(ARM)、脈絡膜血管新生(CNVM)、網膜色素上皮剥離(PED)、及び網膜色素上皮萎縮症(RPE)などの特定タイプのMD及び関連症候群の治療、又は予防に関する。
【0022】
本明細書に用いられる黄斑変性症(MD)は、患者の年齢に係りなく全ての形態の黄斑変性疾患を包含するが、黄斑変性疾患は、特定の年齢群においてより一般的である。これらには、限定はしないが、ベスト病又は卵黄様(約7才以下の患者において最も一般的);シュタルガルト病、若年型黄斑ジストロフィー又は黄色斑眼底(約5才と約20才との間の患者において最も一般的);ベール病、ソーズビー病、ドイン病又は蜂巣状ジストロフィー(約30才と約50才との間の患者において最も一般的);及び加齢黄斑変性症(約60才以上の患者において最も一般的)が挙げられる。
【0023】
MDの原因としては、限定はしないが、遺伝的なもの、物理的外傷、糖尿病などの疾患、細菌感染などの感染症(例えば、特にハンセン病及びENL)が挙げられる。
本発明の他の実施態様は、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを、前記管理を必要とする患者に投与することを含む、MDを管理する方法を包含する。
【0024】
本発明の他の実施態様は、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグ、及び場合によっては担体を含む医薬組成物を包含する。
本発明により、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグ、及び場合によっては担体を含む一単位剤形が包含される。
【0025】
本発明の他の実施態様は、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを含む医薬組成物を含んでなるキットを包含する。本発明は、さらに一単位剤形を含むキットを包含する。本発明により包含されたキット類は、さらに追加の活性剤を含み得る。具体的なキットは、MDを検出又は診断するのに有用なアムスラーグリッドを含む。
【0026】
理論には制限されないが、特定の選択的サイトカイン阻害薬、及びMDの症状を治療するために使用できる他の医薬品が、MDの治療又は管理において相補的又は相乗的様式で作用し得ると考えられる。したがって、本発明の一実施態様は、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグ、及び治療的又は予防的有効量の第2の活性剤を、これを必要とする患者に投与することを含む、MDを治療、予防、又は管理する方法を包含する。
【0027】
第2の活性剤の例としては、限定はしないが、ステロイド類、光増感剤類、インテグリン類、抗酸化剤類、インターフェロン類、キサンチン誘導体、成長ホルモン類、ニュートロトロフィック因子類、血管新生の調節剤、抗VEGF抗体類、プロスタグランジン類、抗生物質類、植物エストロゲン類、抗炎症性化合物及び抗血管新生化合物、並びに例えば、医師のデスク用参照文献2003年(Physician's Desk Reference 2003)などに見られる他の療法など、MDを治療又は予防するために用いられる従来の療法が挙げられる。第2の活性剤の具体的な例としては、限定はしないが、ベルテポルフィン、プルリチン(purlytin)、血管静的ステロイド、rhuFab、インターフェロン−2αインテグリン、抗酸化剤又はペントキシフィリンが挙げられる。
【0028】
本発明はまた、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグ、及び第2の活性剤を含む医薬組成物、一単位剤形、及びキット類を包含する。例えば、キットは、本発明の化合物及びステロイド、光増感剤、インテグリン、抗酸化剤、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、ニュートロトロフィック因子、血管新生の調節剤、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物エストロゲン、抗炎症性化合物及び抗血管新生化合物、又はそれらの組合せ、或いはMDの症状を軽減又は緩和できる他の薬物を含有する。
【0029】
特定の選択的サイトカイン阻害薬は、MDを治療するために用いられる治療薬剤の投与に伴う副作用を軽減又は排除でき、それによって患者への大量薬剤の投与及び/又は患者のコンプライアンスの増加が可能になると考えられる。その結果、本発明の他の実施態様は、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを、これを必要とする患者に投与することを含む、MDを患っている患者において第2の活性剤の投与に伴う副作用を逆転させ、減少させ又は回避させる方法を包含する。
【0030】
本明細書の他所で検討されたとおり、MDの症状は、限定はしないが、光療法又はレーザー療法、放射線療法、網膜色素上皮移植、及び中心窩移動など、外科的介入と共に治療できる。理論には制限されないが、このような従来の療法と選択的サイトカイン阻害薬との併用は、極めて有効であり得ると考えられる。したがって、本発明は、外科的介入又は他の従来の非薬物ベースの療法前、療法時又は療法後に選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、或いはプロドラッグを患者に投与すること含む、MDを治療、予防及び/又は管理する方法を包含する。
【0031】
(4.1 選択的サイトカイン阻害薬)
本発明に用いられる化合物としては、ラセミ、立体異性的に純粋、かつ立体異性的に富んだ選択的サイトカイン阻害薬、選択的サイトカイン阻害活性を有する立体異性的、かつ鏡像異性的に純粋な化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、及びプロドラッグが挙げられる。本発明に用いられる好ましい化合物は、ニュージャージー州所在のCelgene社の知られた選択的サイトカイン阻害薬(SelCIDs(商標))である。
【0032】
他に示されない限り、本明細書に用いられる用語の「選択的サイトカイン阻害薬」及び「SelCIDs(商標)」は、小分子薬剤、例えば、ペプチド類、蛋白質類、核酸類、オリゴ糖類又は他の高分子ではない、有機小分子を包含する。好ましい化合物は、TNF−α産生を阻害する。化合物はまた、LPS誘導IL1β及びIL12に対して適度の阻害効果を有し得る。本発明の化合物は、強力なPDE4阻害剤であることがより好ましい。
【0033】
選択的サイトカイン阻害薬の具体的な例としては、限定はしないが、米国特許第5,605,914号、及び米国特許第5,463,063号に開示されている環式イミド類;米国特許第5,728,844号、米国特許第5,728,845号、米国特許第5,968,945号、米国特許第6,180,644号、及び米国特許第6,518,281号のシクロアルキルアミド類及びシクロアルキルニトリル類;米国特許第5,801,195号、米国特許第5,736,570号、米国特許第6,046,221号、及び米国特許第6,284,780号のアリールアミド類(例えば、N−ベンゾイル−3−アミノ−3−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−プロパンアミドである実施態様);米国特許第5,703,098号に開示されているイミド/アミドエーテル類及びアルコール類(例えば、3−フタルイミド−3−(3’,4’−ジメトキシフェニル)プロパン−1−オール);米国特許第5,658,940号に開示されているスクシンイミド類及びマレイミド類(例えば、メチル3−(3’,4’,5’,6’−ペトラヒドロフタルイミド)−3−(3”、4”−ジメトキシフェニル)プロピオネート);米国特許第6,214,857号、及びWO99/06041に開示されているイミド及びアミド置換アルカノヒドロキサム酸類;米国特許第6,011,050号、及び米国特許第6,020,358号に開示されている置換フェネチルスルホン類;2003年12月29日に出願された米国特許出願第10/748,085号に開示されているフルオロアルコキシ−置換1,3−ジヒドロ−イソインドリル化合物;米国特許第6,429,221号に開示されている置換イミド類(例えば、2−フタルイミド−3−(3’,4’−ジメトキシフェニル)プロパン):米国特許第6,326,388号に開示されている置換1,3,4−オキサジアゾール類(例えば、2−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]−5−メチルイソインドリン−1,3−ジオン);米国特許第5,929,117号、米国特許第6,130,226号、米国特許第6,262,101号、及び米国特許第6,479,554号に開示されている置換スチレン類のシアノ及びカルボキシ誘導体(例えば、3,3−ビス−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリロニトリル);WO01/34606及び米国特許第6,667,316号に開示されている2位にα−(3,4−ジ置換フェニル)アルキル基により、4位及び/又は5位に窒素含有基により置換されているイソインドリン−1−オン及びイソインドリン−1,3−ジオン;及びWO01/45702及び米国特許第6,699,899号に開示されているイミド及びアミド置換アシルヒドロキサム酸類(例えば、(3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)プロパノイルアミノ)プロパノエートが挙げられる。他の選択的サイトカイン阻害薬としては、2003年3月5日に出願された米国仮特許出願第60/452,460号に開示されているジフェニルエチレン化合物が挙げられ、その内容は、参照としてそれらの全体が本明細書に組み込まれている。本明細書に確認された特許及び特許出願の各々は全て、参照として本明細書に組み込まれている。
【0034】
さらなる選択的サイトカイン阻害薬は、典型的な実施態様として(3−(1,3−ジオキソベンゾ−[f]イソインドール−2−イル)−3−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)プロピオンアミド、並びに(3−(1,3−ジオキソ−4−アザイソインドール−2−イル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−プロピオンアミドを含む、合成化学化合物のファミリーに属する。
【0035】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬は、米国特許第5,698,579号、米国特許第5,877,200号、米国特許第6,075,041号、及び米国特許第6,200,987号、及びWO95/01348に開示されている非ポリペプチド環式アミド類のクラスに属しており、その各々は、参照として本明細書に組み込まれている。代表的な環式アミド類としては、下記式のものが挙げられる。
【0036】
【化1】

【0037】
式中、nは、1、2、又は3の値を有し、
は、非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルキル、及びハロからなる群から各々が独立して選択される1つから4つの置換基で置換されているo−フェニレンであり、
は、(i)フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々他のものと独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル、(ii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から選択される1つから3つの置換基で置換されているベンジル、(iii)ナフチル、並びに(iv)ベンジルオキシであり、
12は、−OH、炭素原子1個から12個のアルコキシ、又は
【0038】
【化2】

【0039】
であり、
は、水素原子、又は炭素原子1個から10個のアルキルであり、
は、水素原子、炭素原子1個から10個のアルキル、R10が水素原子、炭素原子1個から10個のアルキルである−COR10、又は−SO10、又はフェニルである。
【0040】
このクラスの具体的な化合物としては、限定はしないが:
3−フェニル−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)プロピオン酸;
3−フェニル−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)プロピオンアミド;
3−フェニル−3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)プロピオン酸;
3−フェニル−3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)プロピオンアミド;
3−(4−メトキシフェニル)−3−(1−オキシイソインドリン−イル)プロピオン酸;
3−(4−メトキシフェニル)−3−(1−オキシイソインドリン−イル)プロピオンアミド;
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(1−オキシイソインドリン−2−イル)プロピオン酸;
3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)プロピオンアミド;
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(1−オキシイソインドリン−2−イル)プロピオンアミド;
3−(3,4−ジエトキシフェニル)−3−(1−オキソイソインドリン−イル)プロピオン酸;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチル;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−プロポキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−プロポキシ−4−メトキシフェニル)プロピオンアミド;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)プロピオンアミド;
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチル;及び
3−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−プロポキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチル
が挙げられる。
他の代表的な環式アミド類としては、下記式の化合物が挙げられる。
【0041】
【化3】

【0042】
式中、Zは、
【0043】
【化4】

【0044】
であり、
式中、
は、(i)3,4−ピリジン、(ii)ピロリジン、(iii)イミダゾール、(iv)ナフタレン、(v)チオフェン、又は(vi)2個から6個の炭素原子の直鎖状又は分枝状アルカンの非置換又はフェニル或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロにより置換されているフェニルで置換されている二価の残基であり、前記残基の二価の結合は隣接する環の炭素原子上にあり、
は、−CO−又は−SO−であり、
【0045】
は、(i)各々が、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから独立して選択される1つから3つの置換基により置換されているフェニル、(ii)ピリジル、(iii)ピロリル、(iv)イミダゾリル、(iv)ナフチル、(vi)チエニル、(vii)キノリル、(viii)フリル、又は(ix)インドリルであり、
は、アラニル、アルギニル、グリシル、フェニルグリシル、ヒスチジル、ロイシル、イソロイシル、リシル、メチオニル、プロリル、サルコシル、セリル、ホモセリル、トレオニル、チロニル、チロシル、バリル、ベンズイミドール−2−イル、ベンゾキサゾール−2−イル、フェニルスルホニル、メチルフェニルスルホニル、又はフェニルカルバモイルであり、
nは、1、2、又は3の値を有する。他の代表的な環式アミド類としては、下記式の化合物が挙げられる。
【0046】
【化5】

【0047】
式中、Rは、(i)非置換、又は各々がニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから独立して各々が選択される1つから4つの置換基で置換されているo−フェニレン、又は(ii)二価の結合が隣接する環の炭素原子上にあるピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの二価の残基であり、
は、−CO−、−CH−、又は−SO−であり、
【0048】
は、(i)Rが−SO−である場合に水素原子、(ii)炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式アルキル、(iii)ピリジル、(iv)フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから、各々が他のものと独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル、(v)炭素原子1個から10個のアルキル、(vi)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロからなる群から選択される1つから3つの置換基により置換されているベンジル、(vii)ナフチル、(viii)ベンジルオキシ、又は(ix)イミダゾール−4−イルメチルであり、
12は、−OH、炭素原子1個から12個のアルコキシであるか、或いは
【0049】
【化6】

【0050】
であり、
nは、0、1、2、又は3の値を有し、
8’は、水素原子、又は炭素原子1個から10個のアルキルであり、及び
9’は、水素原子、炭素原子1個から10個のアルキル、R10が水素原子、炭素原子1個から10個のアルキルである−COR10、又は−SO10である。
他の代表的なイミド類としては、下記式の化合物が挙げられる。
【0051】
【化7】

【0052】
式中、Rは、(i)炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式アルキル、(ii)ピリジル、(iii)フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから、各々が他のものと独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル、(iv)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロからなる群から選択される1つから3つの置換基により置換されているベンジル、(v)ナフチル、(vi)ベンジルオキシ、又は(vii)イミダゾール−4−イルメチルであり、
12は、−OH、炭素原子1個から12個のアルコキシ、−O−CH−ピリジル、−O−ベンジル、又は
【0053】
【化8】

【0054】
であり、
式中、nは、0、1、2、又は3の値を有し、
8’は、水素原子、又は炭素原子1個から10個のアルキルであり、及び
9’は、水素原子、炭素原子1個から10個のアルキル、R10が水素原子、CH−ピリジル、ベンジル、炭素原子1個から10個のアルキルである−COR10或いは−SO10、又はフェニルである。
【0055】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、WO99/06041及び米国特許第6,214,857号に開示されているイミド及びアミド置換アルカノヒドロキサム酸類が挙げられ、それらの各々が、参照として本明細書に組み込まれている。このような化合物の例としては、限定はしないが、下記化合物、及びプロトン化できる窒素原子を含有する前記化合物の酸付加塩が挙げられる。
【0056】
【化9】

【0057】
式中、R及びRの各々は、互いに独立している場合、水素原子、低級アルキルであり、又はR及びRは、各々が結合している示された炭素原子と一緒になっている場合、非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々が独立して選択される1つから4つの置換基で置換されているo−フェニレン、o−ナフチレン、又はシクロヘキセン−1,2−ジイルであり、
は、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、炭素原子1個から10個のアルキルチオ、ベンジルオキシ、炭素原子3個から6個のシクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキリデンメチル、C〜C10−アルキリデンメチル、インダニルオキシ、及びハロからなる群から選択される1つから4つの置換基で置換されているフェニルであり、
は、水素原子、炭素原子1個から6個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、
4’は、水素原子、又は炭素原子1個から6個のアルキルであり、
は、−CH−、−CH−CO−、−SO−、−S−、又は−NHCO−であり、
nは、0、1、又は2の値を有する。
【0058】
本発明に用いられるさらなる具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、下記のものが挙げられる:
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−(1−オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−メトキシ−3−(1−オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
N−ベンジルオキシ−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−フタルイミドプロピオンアミド;
N−ベンジルオキシ−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−(3−ニトロフタルイミド)プロピオンアミド;
N−ベンジルオキシ−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−(1−オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−フタルイミドプロピオンアミド;
N−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−フタルイミドプロピオンアミド;
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−(3−ニトロフタルイミド)プロピオンアミド;
N−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(1−オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−(4−メチル−フタルイミド)プロピオンアミド;
3−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−フタルイミドプロピオンアミド;
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル)プロピオンアミド;
N−ヒドロキシ−3−{3−(2−プロポキシ)−4−メトキシフェニル}−3−フタルイミドプロピオンアミド;
3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−(3,6−ジフルオロフタルイミド)−N−ヒドロキシプロピオンアミド;
3−(4−アミノフタルイミド)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシプロピオンアミド;
3−(3−アミノフタルイミド)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシプロピオンアミド;
N−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(1−オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−3−(1−オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;及び
N−ベンジルオキシ−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−(3−ニトロフタルイミド)プロピオンアミドである。
【0059】
本発明に用いられるさらなる選択的サイトカイン阻害薬としては、フェニル基上にオキソイソインジン基により置換されている置換フェニルスルホン類が挙げられる。このような化合物の例としては、限定はしないが、米国特許第6,020,358号が挙げられ、参照として本明細書に組み込まれており、下記式を含む:
【0060】
【化10】

【0061】
式中、で指定された炭素原子は、キラル中心を構成しており、
Yは、C=O、CH、SO、又はCHC=Oであり、R、R、R、及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、ハロ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は−NRであり、或いは隣接する炭素原子上のR、R、R、及びRのうち任意の2つは、示されたフェニレン環と一緒になってナフチリデンであり、
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、シアノ、又は炭素原子18個までのシクロアルコキシであり、
は、ヒドロキシ、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、ベンジル、又はNR8’9’であり、
【0062】
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであるか、或いはR及びRの一方は水素原子であり、他方は−COR10又は−SO10であるか、或いはR及びRは一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又はXが−O−、−S−若しくは−NH−である−CHCHCHCH−であり、
8’及びR9’の各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであるか、或いはR8’及びR9’の一方は水素原子であり、他方は−COR10’又は−SO10’であるか、或いはR8’及びR9’は一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又はXが−O−、−S−若しくは−NH−である−CHCHCHCH−である。
【0063】
便宜上、上記の化合物は、フェネチルスルホン類として同定されるが、RがNR8’9’である場合、それらはスルホンアミド類を含むことが認識されるであろう。
このような化合物の具体的な基は、YがC=O又はCHのものである。
このような化合物のさらなる具体的な基は、R、R、R、及びRの各々が、他のものから独立して、水素原子、ハロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又はR及びRの各々が、他のものから独立して、水素原子又はメチルであるか、或いはR及びRの一方が水素原子であり、他方は−COCHである−NRであるものである。
【0064】
特定の化合物は、R、R、R、及びRのうちの1つが、−NHであり、R、R、R、及びRの残りは、水素原子であるものである。
特定の化合物は、R、R、R、及びRのうちの1つが、−NHCOCHであり、R、R、R、及びRの残りが水素原子であるものである。
特定の化合物は、R、R、R、及びRのうちの1つが、−N(CHであり、R、R、R、及びRの残りが水素原子であるものである。
【0065】
このような化合物のさらなる好ましい基は、R、R、R、及びRのうちの1つが、メチルであり、R、R、R、及びRの残りが水素原子であるものである。
特定の化合物は、R、R、R、及びRのうちの1つが、フルオロであり、
、R、R、及びRの残りが水素原子であるものである。
特定の化合物は、R及びRの各々が、他のものから独立して、水素原子、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロペントキシ、又はシクロヘキソキシであるものである。
【0066】
特定の化合物は、Rがメトキシであり、Rがモノシクロアルコキシ、ポリシクロアルコキシ、及びベンゾシクロアルコキシであるものである。
特定の化合物は、Rがメトキシであり、Rがエトキシであるものである。
特定の化合物は、Rがヒドロキシ、メチル、エチル、フェニル、ベンジル又はR8’及びR9’の各々が他のものから独立して、水素原子又はメチルであるNR8’9’であるものである。
【0067】
特定の化合物は、Rがメチル、エチル、フェニル、ベンジル又はR8’及びR9’の各々が他のものから独立して、水素原子又はメチルであるNR8’9’であるものである。
特定の化合物は、Rがメチルであるものである。
特定の化合物は、Rが、R8’及びR9’の各々が他のものから独立して、水素原子又はメチルであるNR8’9’であるものである。
【0068】
さらなる選択的サイトカイン阻害薬としては、2003年12月29日に出願された米国特許出願第10/748,085号に開示されているフルオロアルコキシ置換1,3−ジヒドロ−イソインドリル化合物が挙げられ、これは参照として本明細書に組み込まれている。代表的な化合物は、下記式のもの、又はその医薬として許容し得る塩、その溶媒和物、その水和物、その立体異性体、その包接化合物、又はそのプロドラッグである:
【0069】
【化11】

【0070】
式中、
Yは、−C(O)−、−CH、−CHC(O)−、−C(O)CH−、又はSOであり、
Zは、−H、−C(O)R、−(C0〜1−アルキル)−SO−(C1〜4−アルキル)、−C1〜8−アルキル、−CHOH、CH(O)(C1〜8−アルキル)又は−CNであり、
及びRは、各々独立して−CHF、−C1〜8−アルキル、−C3〜18−シクロアルキル、又は−(C1〜10−アルキル)(C3〜18−シクロアルキル)、であり、少なくともR及びRの少なくとも1つは、CHFであり、
は、−NR、−アルキル、−OH、−O−アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル、又は置換ベンジルであり、
及びRは、各々独立して−H、−C1〜8−アルキル、−OH、−OC(O)Rであり、
は、−C1〜8−アルキル、−アミノ(C1〜8−アルキル)、−フェニル、−ベンジル、又は−アリールであり、
【0071】
、X、X、及びXは、各々独立して−H、−ハロゲン、−ニトロ、−NH、−CF−、−C1〜6−アルキル、−(C0〜4−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、(C0〜4−アルキル)−NR、(C0〜4−アルキル)−N(H)C(O)−(R)、(C0〜4−アルキル)−N(H)C(O)N(R)、(C0〜4−アルキル)−N(H)C(O)O(R)、(C0〜4−アルキル)−OR、(C0〜4−アルキル)−イミダゾリル、(C0〜4−アルキル)−ピロリル、(C0〜4−アルキル)−オキサジアゾリル、又は(C0〜4−アルキル)−トリアゾリルであるか、或いはX、X、X、及びXのうち2つが、一緒に結合してシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環を形成できる(例えば、XとX、XとX、XとX、XとX、XとX、又はXとXは、3員環、4員環、5員環、6員環、又は芳香族であり得る7員環を形成でき、それによってイソインドリル環を有する二環式系を形成できる);
及びRは、各々独立してH、−C1〜9−アルキル、−C3〜6−シクロアルキル、−(C1〜6−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、(C1〜6−アルキル)−N(R)、(C1〜6−アルキル)−OR、フェニル、ベンジル、又はアリールである。
【0072】
さらなる選択的サイトカイン阻害薬としては、2003年3月19日に出願された米国特許出願第10/392,195号、2003年3月20日に出願された国際特許出願PCT/US第03/08737号、及びPCT/US第03/08738号、両方とも2003年1月7日に出願されたG.Mullerらの米国特許仮出願第60/438,450号、及び第60/438,448号、2003年3月5日に出願されたG.Mullerらの米国特許仮出願第60/452,460号、2003年11月17日に出願された米国特許出願第10/15,184号に開示されている鏡像異性的に純粋な化合物が挙げられ、これらは全て、参照として本明細書に組み込まれている。好ましい化合物としては、2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4−アセチルアミノイソインドリン−1,3−ジオンの鏡像異性体及び3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドの鏡像異性体が挙げられる。
【0073】
本発明に用いられる好ましい選択的サイトカイン阻害薬は、3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミド及びシクロプロパンカルボン酸{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニルエチル]−3−オキソ2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イル}−アミドであり、これらはニュージャージー州ワレン所在のCelgene社から入手できる。3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドは、下記の化学構造を有する:
【0074】
【化12】

【0075】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、米国特許第5,728,844号、米国特許第5,728,845号、米国特許第5,968,945号、米国特許第6,180,644号、米国特許第6,518,281号、WO97/08143及びWO97/23457のシクロアルキルアミド類及びシクロアルキルニトリル類が挙げられ、その各々は、参照として本明細書に組み込まれている。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0076】
【化13】

【0077】
式中、R及びRの一方はR−X−であり、他方は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、又はR−X−であり、
は、炭素原子18個までのモノシクロアルキル、ビシクロアルキル、又はベンゾシクロアルキルであり、
Xは、炭素−炭素結合、−CH−、又は−O−であり、
は、(i)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、或いは非置換又は低級アルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アシルアミノ、又は低級アルコキシから独立して各々が選択される1つから3つの置換基により置換されているo−フェニレン;(ii)二価の結合が隣接する環の炭素原子上にある、ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの隣接した二価の残基;(iii)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はフェニルからなる群から各々が独立して選択される1つから3つの置換基により置換されている炭素原子4〜10個の隣接した二価のシクロアルキル又はシクロアルケニル;(iv)低級アルキルによりジ置換されているビニレン;又は(v)非置換、又は低級アルキルによりモノ置換或いはジ置換されているエチレンであり、
は、−CO−、−CH−、又は−CHCO−であり、
Yは、−COZ、−C≡N、−OR、低級アルキル、又はアリールであり、
Zは、−NH、−OH、−NHR、−R、又は−ORであり、
は、水素原子又は低級アルキルであり、
は、低級アルキル又はベンジルであり、
nは、0、1、2、又は3の値を有する。
【0078】
他の実施態様において、R及びRの一方はR−X−であり、他方は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、又はR−X−であり、
は、炭素原子10個までのモノシクロアルキル、炭素原子10個までのポリクロアルキル、又は炭素原子10個までのベンゾ環式アルキルであり、
Xは、−CH−、又は−O−であり、
は、(i)二価の残基の2つの結合が隣接する環の炭素原子上にある、ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの隣接した二価の残基;
(ii)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群から各々が独立して選択される1つから3つの置換基により置換されている炭素原子4〜10個の隣接した二価のシクロアルキル;
(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロにより置換されているジ置換ビニレン;
(iv)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロからなる群から各々が独立して選択される1つから2つの置換基により置換されているエチレンであり、
は、−CO−、−CH−、又は−CHCO−であり、
Yは、−COX、−C≡N、−OR、炭素原子1個から5個のアルキル、又はアリールであり、
Xは、−NH、−OH、−NHR、−R、−OR、又は炭素原子1個から5個のアルキルであり、
は、水素原子又は低級アルキルであり、
は、アルキル又はベンジルであり、
nは、0、1、2、又は3の値を有する。
【0079】
他の実施態様において、R及びRの一方はR−X−であり、他方は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、HFCO、FCO、又はR−X−であり、
は、炭素原子18個までのモノシクロアルキル、ビシクロアルキル、ベンゾシクロアルキル、テトラヒドロピラン、又はテトラヒドロフランであり、
Xは、炭素−炭素結合、−CH−、−O−、又は−N=であり、
は、(i)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、或いは非置換又は低級アルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アシルアミノ、又は低級アルコキシから独立して各々が選択される1つから3つの置換基により置換されているo−フェニレン;(ii)二価の結合が隣接する環の炭素原子上にある、ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの隣接した二価の残基;(iii)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はフェニルからなる群から独立して各々が選択される1以上の置換基により置換されている炭素原子4〜10個の隣接した二価のシクロアルキル又はシクロアルケニル;(iv)低級アルキルによりジ置換されているビニレン;又は(v)非置換、又は低級アルキルによりモノ置換或いはジ置換されているエチレンであり、
は、−CO−、−CH−、又は−CHCO−であり、
Yは、−COX、−C≡N、−OR、炭素原子1個から5個のアルキル、又はアリールであり、
Xは、−NH、−OH、−NHR、−R、−OR、又は炭素原子1個から5個のアルキルであり、
は、水素原子又は低級アルキルであり、
は、低級アルキル又はベンジルであり、
nは、0、1、2、又は3の値を有する。
他の代表的な化合物は、下記式を有する。
【0080】
【化14】

【0081】
式中、Yは、−C≡N又はCO(CHCHであり、
mは、0、1、2、又は3であり、
は、(i)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロから各々が独立して選択される1つから3つの置換基により置換されているo−フェニレン;(ii)二価の結合が隣接する環の炭素原子上にある、ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの隣接した二価の残基;(iii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、フェニル又はハロからなる群から各々が独立して選択される1以上の置換基により置換されている炭素原子4〜10個の二価のシクロアルキル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロにより置換されているジ置換ビニレン;又は(v)非置換、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロからなる群から各々が独立して選択される1つから2つの置換基により置換されているエチレンであり、
は、−CO−、−CH−、−CHCO−、又は−SO−であり、
【0082】
は、(i)炭素原子1個から12個の直鎖状又は分枝状アルキル;(ii)炭素原子1個から12個の環式又は二環式アルキル;(iii)ピリジル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個の直鎖状、分枝状、環式又は二環式アルキル、炭素原子1個から10個の直鎖状、分枝状、環式又は二環式アルコキシ、Rが炭素原子1個から10個の環式又は二環式アルキルであるCHR、又はハロから、各々が他のものと独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル;(v)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロからなる群から独立して各々が選択される1つから3つの置換基により置換されているベンジル;(vi)ナフチル;又は(vii)ベンジルオキシであり、
nは、0、1、2、又は3の値を有する。
他の実施態様において、具体的な選択的サイトカイン阻害薬は、下記式を有する。
【0083】
【化15】

【0084】
式中、Rは、(i)二価の結合が隣接する環の炭素原子上にある、ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの二価の残基;(ii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、フェニル又はハロからなる群から他のものから各々が独立して選択される1以上の置換基により置換されている炭素原子4〜10個の二価のシクロアルキル;(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロにより置換されているジ置換ビニレン;又は(iv)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロからなる群から各々が独立して選択される1つから2つの置換基により置換されているエチレンであり、
は、−CO−、−CH−、−CHCO−、又は−SO−であり、
【0085】
は、(i)炭素原子4個から12個の環式又は二環式アルキル;(ii)ピリジル;(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個の直鎖状、分枝状、環式又は二環式アルキル、炭素原子1個から10個の直鎖状、分枝状、環式又は二環式アルコキシ、Rが炭素原子1個から10個の環式又は二環式アルキルであるCHR、又はハロから各々が他のものと独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロからなる群から各々が独立して選択される1つから3つの置換基により置換されているベンジル;(v)ナフチル;又は(vi)ベンジルオキシであり、
Yは、COX、−C≡N、−OR、炭素原子1個から5個のアルキル、又はアリールであり、
Xは、−NH、−OH、−NHR、−R、−OR、又は炭素原子1個から5個のアルキルであり、
は、水素原子又は低級アルキルであり、
は、アルキル又はベンジルであり、
nは、0、1、2、又は3の値を有する。
【0086】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、米国特許第5,801,195号、米国特許第5,736,570号、米国特許第6,046,221号、及び米国特許第6,284,780号のアリールアミド類(例えば、N−ベンゾイル−3−アミノ−3−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−プロパンアミドである実施態様)が挙げられ、それらの各々は、参照として本明細書に組み込まれている。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0087】
【化16】

【0088】
式中、Arは、(i)炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式非置換アルキル;(ii)炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式置換アルキル;(iii)フェニル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル;(v)ヘテロ環;又は(vi)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているヘテロ環であり、
Rは、−H、炭素原子1個から10個のアルキル、CHOH、CHCHOH、又はZが炭素原子1個から10個のアルコキシであるCHCOZ、ベンジルオキシ、又はRがH又は炭素原子1個から10個のアルキルであるNHRであり、
Yは、i)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル環或いはヘテロ環式環、又はii)ナフチルである。具体的な化合物の例は、下記式を有する。
【0089】
【化17】

【0090】
式中、Arは、各々の置換基が他のものから独立して、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから選択される3,4−ジ置換フェニルであり、
Zは、−H、炭素原子1個から10個のアルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、又は炭素原子1個から10個のアルキルアミノであり、
Yは、(i)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル、又は(ii)ナフチルである。
【0091】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第5,703,098号に開示されているイミド/アミドエーテル類及びアルコール類(例えば、3−フタルイミド−3−(3’,4’−ジメトキシフェニル)プロパン−1−オール)が挙げられる。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0092】
【化18】

【0093】
式中、Rは、(i)炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式非置換アルキル;(ii)炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式置換アルキル;(iii)フェニル;又は(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子3個から10個のシクロアルキル、炭素原子5個から12個のビシクロアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、炭素原子3個から10個のシクロアルコキシ、炭素原子5個から12個のビシクロアルコキシ、及びハロからなる群から各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル;
は、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、ベンジル、ピリジルメチル、又はアルコキシメチルであり、
【0094】
は、(i)エチレン、(ii)ビニレン、(iii)炭素原子3個から10個の分枝状アルキレン、(iv)炭素原子3個から10個の分枝状アルケニレン、(v)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から6個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から6個のアシルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されている炭素原子4個から9個のシクロアルキレン、(vi)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から6個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から6個のアシルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から12個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されている炭素原子4個から9個のシクロアルケニレン、(vii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から6個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から6個のアシルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から12個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されているo−フェニレン、(viii)ナフチル、或いは(ix)ピリジルであり、
は、−CX−、−CH又は−CHCX−であり、
Xは、O又はSであり、
nは、0、1、2、又は3である。
【0095】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第5,658,940号に開示されているスクシンイミド類及びマレイミド類(例えば、メチル3−(3’,4’,5’,6’−ペトラヒドロフタルイミド)−3−(3”,4”−ジメトキシフェニル)プロピオネート)が挙げられる。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0096】
【化19】

【0097】
式中、Rは、−CH−、−CHCO−、又は−CO−であり、
及びRは一緒になって、(i)非置換、又は炭素原子1個から10個のアルキルにより置換されているエチレン又はフェニル、(ii)炭素原子1個から10個のアルキル及びフェニルからなる群から各々が他のものから独立して選択される2つの置換基で置換されているビニレン、又は(iii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、非置換か、又は1〜3個の炭素原子により置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、ノルボルニル、フェニル又はハロからなる群から各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されている炭素原子5〜10個の二価のシクロアルキルであり、
【0098】
は、(i)炭素原子4個から8個の直鎖状又は分枝状非置換アルキル;(ii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個の分枝状、直鎖状又は環式アルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、フェニル又はハロからなる群から各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されている炭素原子5〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル;(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、炭素原子3個から10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、炭素原子3個から10個のシクロアルコキシ、又はビシクロアルコキシ、フェニル又はハロからなる群から各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル;又は(iv)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、フェニル又はハロからなる群から他のものと独立して各々が選択される1以上の置換基で置換されているピリジン又はピロリジンであり、
は、−COX−、−CN、−CHCOX、炭素原子1個から5個のアルキル、アリール、−CHOR、−CHアリール、又は−CHOHであり、
式中Xが、NH、OH、NHR、又はORであり、
Rが、低級アルキルであり、
が、アルキル又はベンジルである。
【0099】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第6,429,221号に開示されている置換イミド類(例えば、2−フタルイミド−3−(3’,4’−ジメトキシフェニル)プロパン)が挙げられる。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0100】
【化20】

【0101】
式中、Rは、(i)炭素原子1個から12個の直鎖状,分枝状,又は環式アルキル、(ii)フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個の直鎖状又は分枝状アルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル、(iii)ベンジル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているベンジル、又は(iv)Yが、炭素原子1個から12個の直鎖状、分枝状、又は環式アルキルであり、Phが、フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はハロから各々が他のものから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニルである−Y−Phであり、
【0102】
は、−H、炭素原子1個から10個の直鎖状又は分枝状アルキル、フェニル、ピリジル、ヘテロ環、−CH−アリール、又は−CH−ヘテロ環であり、
は、i)エチレン、ii)ビニレン、iii)炭素原子3個から10個の分枝状アルキレン、iv)炭素原子3個から10個の分枝状アルケニレン、v)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロから各々が独立して選択される1つから2つの置換基で置換されている炭素原子4個から9個のシクロアルキレン、vi)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロから各々が独立して選択される1つから2つの置換基で置換されている炭素原子4個から9個のシクロアルケニレン、又はvii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、又はハロから各々が独立して選択される1つから2つの置換基で置換されているo−フェニレンであり、及び
は、−CX、又は−CH−であり、
Xは、O又はSである。
【0103】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第6,326,388号に開示されている置換1,3,4−オキサジアゾール類(例えば、2−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)エチル]−5−メチルイソインドリン−1,3−ジオン)が挙げられる。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0104】
【化21】

【0105】
式中、で指定された炭素原子は、キラル中心を構成しており、
Yは、C=O、CH、SO、又はCHC=Oであり、
Xは、水素原子、又は炭素原子1個から4個のアルキルであり、
、R、R、及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、ハロ、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子1個から8個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−CHNR、−(CHNR、又は−NRであるか;或いは
隣接する炭素原子上のR、R、R、及びRのうち任意の2つは、示されたベンゼン環と一緒になってナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、ベンゾジオキソール又は2−ヒドロキシベンズイミダゾールであり、
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、炭素原子18個までのシクロアルコキシ、炭素原子18個までのビシクロアルコキシ、炭素原子18個までのトリシクロアルコキシ、又は炭素原子18個までのシクロアルキルアルコキシであり、
【0106】
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から8個の直鎖状又は分枝状アルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであるか、或いはR及びRの一方は水素原子であり、他方は−COR10又は−SO10であるか、或いはR及びRは一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、−CH=NCH=CH−、又はXが−O−、−S−若しくは−NH−である−CHCHCHCH−であり、
10は、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、シクロアルキル、炭素原子6個までのシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、−NR1112、CH1415、又はNR1112であり、
14及びR15は、互いに独立して、水素原子、メチル、エチル、又はプロピルであり、
11及びR12は、互いに独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、及び
プロトン化し易い窒素を含有する前記化合物の酸付加塩類である。
具体的な化合物の例は、下記式を有する。
【0107】
【化22】

【0108】
式中、で指定された炭素原子は、キラル中心を構成しており、
Yは、C=O、CH、SO又はCHC=Oであり、
Xは、水素原子、又は炭素原子1個から4個のアルキルであり、
(i)R、R、R、及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、ハロ、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子1個から8個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、−CHNR、−(CHNR、又は−NRであるか;或いは
(ii)隣接する炭素原子上のR、R、R、及びRのうち任意の2つは、示されたベンゼン環と一緒になってナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、ベンゾジオキソール又は2−ヒドロキシベンズイミダゾールであり、
【0109】
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、炭素原子18個までのシクロアルコキシ、炭素原子18個までのビシクロアルコキシ、炭素原子18個までのトリシクロアルコキシ、又は炭素原子18個までのシクロアルキルアルコキシであり、
(i)R及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであるか、或いは
(ii)R及びRの一方は水素原子であり、他方は、R10が、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、シクロアルキル、6個までのシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチルである−COR10、又は−SO10、R11及びR12が互いに独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、R14及びR15が互いに独立して、水素原子、メチル、エチル、又はプロピルであるNR1112、又はCHNR1415であるか;又は
(iii)R及びRは一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、−CH=NCH=CH−、又はXが−O−、−S−若しくは−NH−である−CHCHCHCH−である。
【0110】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、それらの各々が、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第5,929,117号、米国特許第6,130,226号、米国特許第6,262,101号、及び米国特許第6,479,554号に開示されている置換スチレン類のシアノ及びカルボキシ誘導体(例えば、3,3−ビス−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリロニトリル)が挙げられる。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0111】
【化23】

【0112】
式中、(a)Xは、−O−又はnが0、1、2、又は3の値を有する−(C2n)−であり、Rは、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子10個までのモノシクロアルキル、炭素原子10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子10個までのベンゾ環式アルキルであるか、或いは
(b)Xは、−CH=であり、Rは、炭素原子10個までのアルキリデン、炭素原子10個までのモノシクロアルキリデン、炭素原子10個までのビシクロアルキリデンであり、
は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルキリデンメチル、低級アルコキシ、又はハロであり、
【0113】
は、(i)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から5個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子10個までのアルキル、炭素原子10個までのシクロアルキル、炭素原子10個までのアルコキシ、炭素原子10個までのシクロアルコキシ、炭素原子10個までのアルキリデンメチル、炭素原子10個までのシクロアルキリデンメチル、フェニル、又はメチレンジオキシから各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル;(ii)ピリジン、置換ピリジン、ピロリジン、イミジゾール、ナフタレン、又はチオフェン;(iii)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、1個から炭素原子10個までのアルキル、1個から10個までのアルコキシ、フェニルからなる群から各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されている炭素原子4〜10個のシクロアルキルであり、
及びRの各々は、個々に水素原子であるか、或いはR及びRは一緒になって、炭素−炭素結合であり、
Yは、−COZ、−C≡N、又は炭素原子1個から5個の低級アルキルであり、
Zは、−OH、−NR、−R、又は−ORであり、Rは、水素原子又は低級アルキルであり、Rは、アルキル又はベンジルである。具体的な化合物の例は、下記式を有する。
【0114】
【化24】

【0115】
式中、(a)Xは、−O−又はnが0、1、2、又は3の値を有する−(C2n)−であり、Rは、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子10個までのモノシクロアルキル、炭素原子10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子10個までのベンゾ環式アルキルであるか、或いは
(b)Xは、−CH=であり、Rは、炭素原子10個までのアルキリデン、炭素原子10個までのモノシクロアルキリデン、又は炭素原子10個までのビシクロアルキリデンであり、
は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルキリデンメチル、低級アルコキシ、又はハロであり、
【0116】
は、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はフェニルから各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されているピロリジン、イミダゾール又はチオフェンであり、
及びRの各々は、個々に水素原子であるか、或いはR及びRは一緒になって、炭素−炭素結合であり、
Yは、−COZ、−C≡N、又は炭素原子1個から5個の低級アルキルであり、
Zは、−OH、−NR、−R、又は−ORであり、Rは、水素原子又は低級アルキルであり、Rは、アルキル又はベンジルである。
特に好ましいニトリル類は、下記式を有する。
【0117】
【化25】

【0118】
式中、(a)Xは、−O−又はnが0、1、2、又は3の値を有する−(C2n)−であり、Rは、炭素原子10個までのアルキル、炭素原子10個までのモノシクロアルキル、炭素原子10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子10個までのベンゾ環式アルキルであるか、或いは
(b)Xは、−CH=であり、Rは、炭素原子10個までのアルキリデン又は炭素原子10個までのモノシクロアルキリデンであり、
は、水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はハロであり、
【0119】
は、(i)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル又は炭素原子1個から3個のアルキルにより置換されているカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から5個のアルキルにより置換されているアミノ、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はシクロアルコキシから各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニル又はナフチル;又は(ii)非置換、又はニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群から各々が独立して選択される1以上の置換基で置換されている炭素原子4個から10個のシクロアルキルである。
特に好ましいニトリルは、下記式を有する。
【0120】
【化26】

【0121】
他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれているWO01/34606及び米国特許6,667,316号に開示されている、2位をα−(3,4−ジ置換フェニル)アルキル基で、及び4位及び/又は5位を窒素含有基で置換されているイソインドリン−1−オン及びイソインドリン−1,3−ジオンが挙げられる。代表的な化合物は、下記式のものであり、かつその医薬として許容し得る塩類及びその立体異性体を含む。
【0122】
【化27】

【0123】
式中、
X及びX’の一方は=C=O又は=SOであり、X及びX’の他方は、=C=O、=CH、=SO又は=CHC=Oであり、
nは、1、2又は3であり、
及びRは、各々独立して(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、シアノ、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C18)シクロアルコキシ、又は(C〜C18)シクロアルキル−メトキシであり、
は、SO−Y、COZ、CN又は(C〜C)ヒドロキシアルキルであり、式中、
Yは、(C〜C)アルキル、ベンジル又はフェニルであり、
Zは、−NR、(C〜C)アルキル、ベンジル又はフェニルであり、
は、H、(C〜C)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、ベンジル又はフェニルであり、それらの各々は、場合によってはハロ、アミノ又は(C〜C)アルキル−アミノで置換されていてもよく;
は、H又は(C〜C)アルキルであり、
及びRは、一緒になって−NH−CH−R−、NH−CO−R−、又は−N=CH−R−を提供し;
は、CH、O、NH、CH=CH、CH=N、又はN=CHであるか;又は
及びRの一方はHであり、R及びRの他方は、イミダゾイル、ピロリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、又は式(A)の構造であり、
【0124】
【化28】

【0125】
式中、
zは、0又は1であり、
は、H;(C〜C)アルキル、(C〜C18)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、又はハロ、アミノ、(C〜C)アルキル−アミノ、又は(C〜C)ジアルキル−アミノで場合によっては置換されている(C〜C)シクロアルカノイル、;フェニル; ベンジル;ベンゾイル;(C〜C)アルコキシカルボニル;(C〜C)アルコキシアルキルカルボニル;N−モルホリノカルボニル;カルバモイル;(C〜C)アルキルにより置換されているN−置換カルバモイル;又はメチルスルホニルであり、
10は、H、(C〜C)アルキル、メチルスルホニル、又は(C〜C)アルコキシアルキルカルボニルであるか;又は
及びR10は、一緒になって−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−N=CH−、場合によってはアミノで置換されている(C〜C)アルキリデン、(C〜C)アルキル−アミノ、又は(C〜C)ジアルキル−アミノを提供するか;又は
及びRは、双方とも式(A)の構造である。
【0126】
一実施態様において、(i)Rが、−SO−Y、−COZ、又は−CNであり、(ii)R及びRの一方が水素原子である場合、zは0ではない。他の実施態様において、R及びR10は一緒になって、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−N=CH−、又はアミノにより置換されている(C〜C)アルキリデン、(C〜C)アルキル−アミノ、又は(C〜C)ジアルキル−アミノである。他の実施態様において、R及びRは、双方とも式(A)の構造である。
具体的な化合物は、下記式のもの、及びその鏡像異性体である:
【0127】
【化29】

【0128】
さらなる具体的な化合物は、下記式を有する。
【0129】
【化30】

【0130】
さらなる例としては、限定はしないが、下記のものが挙げられる:2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)2−メチルスルホニルエチル]−4,5−ジニトロイソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4,5−ジアミノイソインドリン−1,3−ジオン;7−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−3−ピロリノ[3,4−e]ベンゾイミダゾール−6,8−ジオン;7−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]ヒドロ−3−ピロリノ[3,4−e]ベンゾイミダゾール−2,6,8−トリオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−3−ピロリノ[3,4−f]キノキサリン−1,3−ジオン;シクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミド;2−クロロ−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;2−アミノ−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;2−N,N−ジメチルアミノ−N−{2−[−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}メトキシカルボキサミド;4−[1−アザ−2−(ジメチルアミノ)ビニル]−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]イソインドリン−1,3−ジオン;4−[1−アザ−2−(ジメチルアミノ)プロパ−1−エニル]−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]イソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4−ピロリルイソインドリン−1,3−ジオン;4−(アミノメチル)−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−イソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4−(ピロリルメチル)イソインドリン−1,3−ジオン;N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1R−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1R−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1S−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1S−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;4−アミノ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチルイソインドリン−1,3−ジオン;4−アミノ−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]イソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−4−ピロリルイソインドリン−1,3−ジオン;2−クロロ−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドール−4−イル}アセトアミド;2−(ジメチルアミノ)−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;4−アミノ−2−[1R−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチル]イソインドリン−1,3−ジオン;4−アミノ−2−[1R−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]イソインドリン−1,3−ジオン;2−[1R−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−4−ピロリルイソインドリン−1,3−ジオン;2−(ジメチルアミノ)−N−{2−[1R−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;シクロペンチル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)カルボキサミド;3−(ジメチルアミノ)−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}プロパンアミド;2−(ジメチルアミノ)−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}プロパンアミド;N−{2−[(1R)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド;N−{2−[(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド;4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]ピロリル}−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1,3−ジオン;シクロプロピル−N−{2−[(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミド;2−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−4−ピロリルイソインドリン−1,3−ジオン;N−{2−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド;シクロプロピル−N−{2−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミド;シクロプロピル−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミド;2−(ジメチルアミノ)−N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;シクロプロピル−N−{2−[(1S)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル}カルボキサミド;シクロプロピル−N−{2−[(1R)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−オキソイソインドリン−4−イル)カルボキサミド;(3R)−3−[7−(アセチルアミノ)−1−オキソイソインドリン−2−イル]−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド;(3R)−3−[7(シクロプロピルカルボニルアミノ)−1−オキソイソインドリン−2−イル]−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド;3−{4−[2−(ジメチルアミノ)アセチルアミノ]−1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル}−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド;(3R)−3−[7−(2−クロロアセチルアミノ)−1−オキソイソインドリン−2−イル]−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド;(3R)−3{4−[2−(ジメチルアミノ)アセチルアミノ]−1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル}−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド;3−(1,3−ジオキソ−4−ピロリルイソインドリン−2−イル)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−4−(イミダゾリル−メチル)イソインドリン−1,3−ジオン;N−({2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル)アセトアミド;2−クロロ−N−({2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}メチル)アセトアミド;2−(ジメチルアミノ)−N−({2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル)アセトアミド;4−[ビス(メチルスルホニル)アミノ]−2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−2−(メチルスルホニル)エチル]−4−[(メチルスルホニル)アミノ]イソインドリン−1,3−ジオン;N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシペンチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソペンチル]1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;2−[(1R)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチル]−4−(ピロリルメチル)イソインドリン−1,3−ジオン;2−[(1R)−1−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−4−(ピロリルメチル)イソインドリン−1,3−ジオン;N−{2−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;N−{2−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル}アセトアミド;2−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキソブチル]−4−ピロリルイソインドリン−1,3−ジオン;2−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−オキソブチル]−4−[ビス(メチルスルホニル)アミノ]イソインドリン−1,3−ジオン;及びこれらの医薬として許容し得る塩類、溶媒和物、及び立体異性体が挙げられる。
【0131】
さらに他の具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれているWO01/45702及び米国特許第6,699,899号に開示されている、イミド及びアミド置換アシルヒドロキサム酸類(例えば、(3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−3−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)プロパノイルアミノ)が挙げられる。代表的な化合物は、下記式を有する。
【0132】
【化31】

【0133】
式中、で指定された炭素原子は、キラル中心を構成しており、
は、水素原子又は−(C=O)−R12であり、
及びR12の各々は、互いに独立して炭素原子1個から6個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジルメチル、ピリジル、イミダゾイル、イミダゾリルメチル、又は
CHR(CHNRであり、
式中、R及びRは、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から6個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジルメチル、ピリジル、イミダゾイル、イミダゾリルメチル、n=0、1、又は2であり、
は、C=O、CH、CH−CO−、又はSOであり、
及びRの各々は、他のものから独立してニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から6個のアルキル、炭素原子1個から6個のアルコキシ、炭素原子3個から8個のシクロアルコキシ、ハロ、炭素原子18個までのビシクロアルキル、炭素原子18個までのトリシクロアルコキシ、1−インダニルオキシ、2−インダニルオキシ、C〜C−シクロアルキリデンメチル、又はC〜C10−アルキリデンメチルであり、
【0134】
、R、R10及びR11の各々は、他のものから独立して、
(i)水素原子、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、ハロ、又は
(ii)R、R、R10及びR11のうちの1つは、低級アルキルを含むアシルアミノであり、R、R、R10及びR11の残りは水素原子であるか、或いは
(iii)R及びRが一緒になって、ベンゾ、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、ベンゾジオキソール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、メチレンジオキシ、ジアルコキシ、又はジアルキルである場合、水素原子であるか、或いは
(iv)R10及びR11が一緒になって、ベンゾ、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、ベンゾジオキソール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、メチレンジオキシ、ジアルコキシ、又はジアルキルである場合、水素原子であるか、或いは
(v)R及びR10が一緒になってベンゾである場合、水素原子である。
【0135】
さらに具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれている2004年3月12日に出願されている米国特許出願第10/798,317号に開示されている、アミド−イソインドリル化合物が挙げられる。代表的な化合物は、下記式のもの、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグである:
【0136】
【化32】

【0137】
式中、
Yは、−(CO)−、−CH、−CHC(O)−又はSOであり、
Xは、Hであり、
Zは、(C0〜4−アルキル)−C(O)R、C1〜4−アルキル、(C0〜4−アルキル)−OH、(C1〜4−アルキル)−O(C1〜4−アルキル)、(C1〜4−アルキル)−SO(C1〜4−アルキル)、(C0〜4−アルキル)−SO(C1〜4−アルキル)、(C0〜4−アルキル)−NH、(C0〜4−アルキル)−N(C1〜8−アルキル)、(C0〜4−アルキル)−N(H)(OH)、又はCHNSO(C1〜4−アルキル)であり、
及びRは、独立してC1〜8−アルキル、シクロアルキル、又は(C1〜4−アルキル)シクロアルキルであり、
は、NR、OH,又はO−(C1〜8−アルキル)であり、
は、Hであり、
は、−OH、又は−OC(O)Rであり、
は、C1〜8−アルキル、アミノ−(C1〜8−アルキル)、(C1〜8−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、C3〜6−シクロアルキル、フェニル、ベンジル、又はアリールである。或いは下記式のもの、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグである:
【0138】
【化33】

【0139】
式中、
Yは、−C(O)−、−CH、−CHC(O)−又はSOであり、
Xは、ハロゲン、−CN、−NR、−NO、又は−CFであり、
Zは、(C0〜4−アルキル)−SO(C1〜4−アルキル)、−(C0〜4−アルキル)−CN、−(C0〜4−アルキル)−C(O)R、C1〜4−アルキル、(C0〜4−アルキル)OH、(C0〜4−アルキル)O(C1〜4−アルキル)、(C0〜4−アルキル)SO(C1〜4−アルキル)、(C0〜4−アルキル)NH、(C0〜4−アルキル)N(C1〜8−アルキル)、(C0〜4−アルキル)N(H)(OH)、(C0〜4−アルキル)−ジクロロピリジン又は(C0〜4−アルキル)NSO(C1〜4−アルキル)であり、
Wは、−C3〜6−シクロアルキル、−(C1〜8−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、−(C0〜8−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)−NR、(C0〜8−アルキル)−NR、(C0〜4アルキル)−CHR−(C0〜4アルキル)−NRであり、
【0140】
及びRは、独立してC1〜8−アルキル、シクロアルキル、又は(C1〜4−アルキル)シクロアルキルであり、
は、C1〜8−アルキル、NR、OH,又はO−(C1〜8−アルキル)であり、
及びRは、独立してH、C1〜8−アルキル、(C0〜8−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、OH、又は−OC(O)Rであり、
は、C1〜8−アルキル、(C0〜8−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、アミノ−(C1〜8−アルキル)、フェニル、ベンジル、又はアリールであり、
及びRは、各々独立してH、C1〜8−アルキル、(C0〜8−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、フェニル、ベンジル、アリールであるか、或いはそれらが結合する原子と一緒になって3員から7員のヘテロシクロアルキル環又はヘテロアリール環を形成でき;
は、C1〜4アルキル、(C0〜4アルキル)アリール、(C0〜4アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、(C0〜4アルキル)−ヘテロ環である。他の実施態様において、Wは、下記式のものである:
【0141】
【化34】

【0142】
他の実施態様において、代表的な化合物は、下記式のもの、及びその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグである:
【0143】
【化35】

【0144】
式中、
、R及びRの少なくとも1つがHではないという条件で、R、R及びRは、独立してH又はC1〜8−アルキルである。
【0145】
さらに具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、各々が参照として本明細書に組み込まれている2003年3月12日に出願されている米国特許出願第60/454,149号、及びManらにより2004年3月12日に出願されており、米国出願番号が決定される予定である「N−アルキル−ヒドロキサム酸−イソインドリル化合物及びそれらの医薬品使用」の標題でその米国非仮特許出願に開示されている、N−アルキル−ヒドロキサム酸−イソインドリル化合物が挙げられる。代表的な化合物は、下記式のもの、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグである:
【0146】
【化36】

【0147】
式中、
Yは、−C(O)−、−CH、−CHC(O)−又はSOであり、
及びRは、独立してC1〜8−アルキル、CFH、CF、CHCHF、シクロアルキル、又は(C1〜8−アルキル)シクロアルキルであり、
は、H、C1〜6−アルキル、−NH、−NR又はORであり、
は、H、又はC(O)Rであり、
、X、X及びXは、各々独立してH、ハロゲン、NO、OR、CF、C1〜6−アルキル、(C0〜4アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、(C0〜4−アルキル)−N−(R)、(C0〜4−アルキル)−NHC(O)−(R)、(C0〜4−アルキル)−NHC(O)CH(R)(R)、(C0〜4−アルキル)−NHC(O)N(R)、(C0〜4−アルキル)−NHC(O)O(R)、(C0〜4−アルキル)−O−R、(C0〜4−アルキル)−イミダゾリル、(C0〜4−アルキル)−ピロリル、(C0〜4−アルキル)オキサジアゾリル、(C0〜4−アルキル)−トリアゾリル又は(C0〜4−アルキル)−ヘテロ環であり、
【0148】
、R及びRは、各々独立してH、C1〜6−アルキル、O−C1〜6−アルキル、フェニル、ベンジル、又はアリールであり、
及びRは、独立してH又はC1〜6−アルキルであり、
及びRは、各々独立してH、C1〜9−アルキル、C3〜6−シクロアルキル、(C1〜6−アルキル)−(C3〜6−シクロアルキル)、(C0〜6−アルキル)−N(R)、(C1〜6−アルキル)−OR、フェニル、ベンジル、アリール、ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、ピロリジニル、モルホリノ、又はC3〜7−ヘテロシクロアルキルであるか;及び
【0149】
さらに具体的な選択的サイトカイン阻害薬としては、限定はしないが、参照として本明細書に組み込まれている2004年3月5日に出願されている米国特許出願第10/794,931号に開示されている、ジフェニルエチレン化合物が挙げられる。代表的な化合物は、下記式のもの、及びその医薬として許容し得る塩類、溶媒和物又は水和物である:
【0150】
【化37】

【0151】
式中、
は、−CN、低級アルキル、−COOH、−C(O)−N(R、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−ベンジル、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)O−ベンジルであり、
は、−H、−NO、シアノ、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アルコキシ、ハロゲン、−OH、−C(O)(R10、−COOH、−NH、−C(O)−N(R10であり、
は、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アルコキシ、或いは置換又は非置換アルケニルであり、
Xは、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換ピリジン、置換又は非置換ピロリジン、置換又は非置換イミジゾール、置換又は非置換ナフタレン、置換又は非置換チオフェン、或いは置換又は非置換シクロアルキルであり、
の各出現は、独立して−H又は置換又は非置換低級アルキルであり、
10の各出現は、独立して−H又は置換又は非置換低級アルキルである。他の実施態様において、代表的な化合物は、下記式のもの、及びその医薬として許容し得る塩類、溶媒和物又は水和物である:
【0152】
【化38】

【0153】
式中、
及びRは、独立して−H、−CN、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、−COOH、−C(O)−低級アルキル、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−N(R、置換又は非置換アリール、或いは置換又は非置換ヘテロ環であり、
、R、R及びRの各出現は、独立して−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)−R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであり、
【0154】
は、−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)−R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであるか、或いはRは、R又はRと一緒になって−O−C(R1617)−O−又は−O−(C(R1617))−O−であり、
は、−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであり、
【0155】
は、−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであり、
は、−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであり、
【0156】
は、−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)−R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであり、
は、−H、置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロ環、置換又は非置換低級シクロアルキル、置換又は非置換低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NO、−OH、−OPO(OH)、−N(R、−OC(O)−R10、−OC(O)−R10−N(R10、−C(O)N(R10、−NHC(O)−R10、−NHS(O)−R10、−S(O)−R10、−NHC(O)NH−R10、−NHC(O)N(R10、−NHC(O)NHSO−R10、−NHC(O)−R10−N(R10、−NHC(O)CH(R10)(N(R)又は−NHC(O)−R10−NHであるか、或いは、Rは、Rc又はRと一緒になって−O−C(R1617)−O−又は−O−(C(R1617))2−O−であり、
【0157】
の各出現は、独立して−H又は置換又は非置換低級アルキル、又は置換又は非置換低級シクロアルキルであり、
10の各出現は、独立して置換又は非置換低級アルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換低級ヒドロキシアルキルであるか、或いはR10及び結合している窒素は、置換又は非置換ヘテロ環を形成するか、又は適切な場合、R10は−Hであり、
16及びR17の各出現は、独立して−H又はハロゲンである。
【0158】
本発明の化合物は、商品として購入できるか、或いは本明細書に開示されている特許又は特許公告に記載されている方法に従って調製できる。さらに、光学的に純粋な組成物は、不斉合成できるか、或いは公知の分割剤又はキラルカラムを用いて分割でき、並びに他の標準的な有機化学技法を用いて合成できる。
【0159】
他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「医薬として許容し得る塩」は、この用語が適用される化合物の非毒性酸及び塩基付加塩類を包含している。許容できる非毒性酸付加塩類としては、例えば、塩酸、臭化水素原子酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、塞栓酸(embolic acid)、エナント酸などを含む当業界に知られた有機及び無機酸類又は塩基類に由来するものが挙げられる。
【0160】
性質が酸性である化合物は、種々の医薬として許容し得る塩基類と塩類を形成できる。このような酸性化合物の医薬として許容し得る塩基付加塩類を調製するために使用できる塩基類は、非毒性塩基付加塩類、すなわち、限定はしないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩などの医薬として許容し得るカチオン類を含有する塩類を形成するものである。好適な有機塩基類としては、限定はしないが、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカミン)、リジン、及びプロカインが挙げられる。
【0161】
他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「プロドラッグ」とは、当該化合物を提供するために、加水分解、酸化、さもなければ、生物学的条件(インビトロ又はインビボ)下で反応できる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、限定はしないが、生体加水分解可能なアミド類、生体加水分解可能なエステル類、生体加水分解可能なカルバメート類、生体加水分解可能なカルボネート類、生体加水分解可能なウレイド類、及び生体加水分解可能なホスフェート類縁体などの生体加水分解可能な部分を含む選択的サイトカイン阻害薬の誘導体が挙げられる。プロドラッグの他の例としては、−NO部分、−NO部分、−ONO部分、又は−ONO部分を含む選択的サイトカイン阻害薬の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery、172-178、949-982 (Manfred E. Wolff編集、第5版、1995年)、及びDesign of Prodrugs (H. Bundgaard編集、Elselvier、ニューヨーク所在、1985年)に記載されているものなど、周知の方法を用いて典型的に調製できる。
【0162】
他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「生体加水分解可能なアミド」、「生体加水分解可能なエステル」、「生体加水分解可能なカルバメート」、「生体加水分解可能なカルボネート」、「生体加水分解可能なウレイド」、及び「生体加水分解可能なホスフェート」とは、1)当該化合物生物学的活性を妨害しないが、取り込み、作用時、又は作用発現など、インビボで有利な性質を化合物に付与できるか、2)生物学的に不活性であるが、インビボで生物学的に活性な化合物に変換される、化合物のアミド、エステル、カルバメート、カルボネート、ウレイド、又はホスフェートをそれぞれ意味する。生体加水分解可能なエステル類の例としては、限定はしないが、低級アルキルエステル類、低級アシルオキシアルキルエステル類(アセトキシメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチルエステル類など)、ラクトニルエステル類(フタリジル及びチオフタリジルエステル類など)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル類(メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステル類など)、アルコキシアルキルエステル類、コリンエステル類、及びアシルアミノアルキルエステル類(アセトアミドメチルエステル類)が挙げられる。生体加水分解可能なアミド類の例としては、限定はしないが、低級アルキルアミド類、α−アミノ酸アミド類、アルコキシアシルアミド類、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミド類が挙げられる。生体加水分解可能なカルバメート類の例としては、限定はしないが、低級アルキルアミン類、置換エチレンジアミン類、アミノ酸類、ヒドロキシアルキルアミン類、ヘテロ環式並びにヘテロ芳香族アミン類、及びポリエーテルアミン類が挙げられる。
【0163】
種々の選択的サイトカイン阻害薬は、1以上のキラル中心を含み、鏡像異性体のラセミ混合物及びジアステレオマー混合物として存在できる。本発明は、このような化合物の立体異性的に純粋な形体の使用並びにこれら形体の混合物の使用を包含している。例えば、選択的サイトカイン阻害薬の等量又は不等量の鏡像異性体を含む混合物は、本発明の方法及び組成物に使用することができる。本明細書に開示された具体的な化合物の純粋な(R)又は(S)鏡像異性体は、実質的にその他の鏡像異性体の無い状態で用いることができる。
【0164】
他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「立体異性的に純粋な」とは、化合物の1つの立体異性体を含み、実質的にその化合物の他の立体異性体の無い組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、実質的に該化合物の逆の鏡像異性体が無いことになる。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、実質的に該化合物の他のジアステレオマーが無いことになる。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、該化合物の1つの立体異性体が約80重量%超で、該化合物の他の立体異性体が約20重量%未満、より好ましくは、該化合物の1つの立体異性体が約90重量%超で、該化合物の他の立体異性体が約10重量%未満、さらにより好ましくは、該化合物の1つの立体異性体が約95重量%超で、該化合物の他の立体異性体が約5重量%未満、最も好ましくは、該化合物の1つの立体異性体が約97重量%超で、該化合物の他の立体異性体が約3重量%未満を含む。
【0165】
他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「立体異性的に富む」とは、化合物の1つの立体異性体が約60重量%超、好ましくは、約70重量%超、より好ましくは、化合物の1つの立体異性体が約80重量%超を含む組成物を意味する。
他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「鏡像異性的に純粋な」とは、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語の「鏡像異性的に富む」とは、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に富んだ組成物を意味する。
【0166】
示された構造とその構造に付与された名称との間に差異がある場合、示された構造に重きをおく必要があることに注意すべきである。さらに、構造の立体化学又は構造の一部が、例えば、太線又は点線で示されない限り、その構造又はその構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものとして解釈すべきである。
【0167】
(4.2 第2の活性剤)
第2の活性剤は、選択的サイトカイン阻害薬と共に本発明の方法及び組成物に用いることができる。好ましい実施態様において、第2の活性剤は、黄斑損傷病態を阻止又は軽減でき、抗血管新生効果或いは抗炎症効果、又は患者の快適性を確保するようにする。
【0168】
前記第2の活性剤の例としては、限定はしないが、ステロイド類、光増感剤類、インテグリン類、抗酸化剤類、インターフェロン類、キサンチン誘導体、成長ホルモン類、ニュートロトロフィック因子、血管新生の調節剤類、抗VEGF抗体類、プロスタグランジン類、抗生物質類、植物エストロゲン類、抗炎症性化合物又は抗血管新生化合物、MDの症状を阻止又は軽減することが公知の他の療法、それらの医薬として許容し得る塩類、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、プロドラッグ及び薬理学的に活性な代謝物が挙げられる。特定の実施態様において、第2の活性剤は、ベルテポルフィン、プルリチン、血管新生抑制ステロイド、rhuFab、インターフェロン−2α又はペントキシフィリンである
【0169】
光増感剤類の例としては、限定はしないが、ベルテポルフィン、スズエチオプルプリン、及びモテキサフィンルテチウムが挙げられる。ベルテポルフィンは、ウェットMDを治療するために使用できる。Cour, M.ら、Drugs Aging 19: 101-133 (2002)。ベルテポルフィンは、注射により投与できる血管遮断光反応性色素である。
キサンチン誘導体の例としては、限定はしないが、ペントキシフィリンが挙げられる。
抗VEGF抗体類の例としては、限定はしないが、rhuFabが挙げられる。
【0170】
ステロイド類の例としては、限定はしないが、9−フルオロ−11,21−ジヒドロキシ−16,17−1−メチルエチリジンビス(オキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンが挙げられる。
プロスタグランジンFa誘導体の例としては、限定はしないが、ラタノプロスト(参照としてその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,225,348号を参照)が挙げられる。
【0171】
抗生物質類の例としては、限定はしないが、テトラサイクリン及びその誘導体、リファマイシン及びその誘導体、マクロライド類、及びメトロニダゾール類(参照としてそれらの全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,218,369号、及び米国特許第6,015,803号を参照)が挙げられる。
【0172】
植物エストロゲン類の例としては、限定はしないが、ゲニステイン、ゲニスチン、6’−O−Malゲニスチン、6’−O−Acゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、6’−O−Malダイジン、6’−O−Acダイジン、グリシテイン、グリシチン、6’−O−Malグリシチン、ビオカニンA、ホルモノネチン、及びそれらの混合物(参照としてその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,001,368号を参照)が挙げられる。
抗炎症剤の例としては、限定はしないが、トリアンシノロンアセトミド及びデキサメタゾン(参照としてその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第5,770,589号を参照)が挙げられる。
【0173】
抗血管新生化合物の例としては、限定はしないが、サリドマイド及び免疫調節化合物(IMiDs(商標)、Celgene社、ニュージャージー州所在)が挙げられる。
インターフェロンの例としては、限定はしないが、インターフェロン−2αが挙げられる。
他の実施態様において、第2の活性剤は、グルタチオンである(参照としてその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第5,632,984号を参照)。
【0174】
成長ホルモン類の例としては、限定はしないが、塩基性フィブロブラスト成長因子(bFGF)及び形質転換成長因子(TGF−b)が挙げられる。
神経栄養因子の例としては、限定はしないが、脳由来神経栄養因子(BDNF)が挙げられる。
血管新生調節剤の例としては、限定はしないが、プラスミノーゲン活性化因子タイプ2(PAI−2)が挙げられる。
MD治療に使用できるさらなる薬物としては、限定はしないが、EYE101(Eyetech Pharmaceuticals)、LY333531(Eli Lilly)、Miravant及びRETISERTインプラント(Bausch & Lomb)が挙げられる。
【0175】
(4.3 治療法及び予防法)
本発明は、種々のタイプのMDを予防、治療及び/又は管理する方法を包含する。
他に特定されない限り、本明細書に用いられる用語の「MDを予防すること」、「MDを治療すること」及び「MDを管理すること」とは、限定はしないが、MDに伴う1以上の症状の重症度を阻止すること又は軽減することを含む。MD及び関連症候群に伴う症状としては、限定はしないが、基底部における晶洞円形白黄色点、黄斑下円板状瘢痕組織、脈絡膜血管新生、網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮萎縮、脈絡膜(網膜のすぐ下の血管に富んだ組織層)から生じる異常血管、視覚のぶれ又は歪み領域、中心盲点、色素異常性、ブルック膜の内部に沈着した微細な顆粒物質の連続層、並びにブルック膜の肥厚及び透過性の減少が挙げられる。
【0176】
他に特定されない限り、本明細書に用いられる用語の「MDを治療すること」とは、MD症状の発生後、化合物又は他のさらなる活性剤の投与を称し、一方、「予防すること」とは、症状の発生前に、特にMDの危険性のある患者への投与を称す。MDの危険性のある患者の例としては、限定はしないが、60才を超える高齢者、限定はしないが糖尿病及びハンセン病(例えば、ENL)などの疾患を患っている患者が挙げられる。MDの家族歴のある患者もまた、予防措置のために優先される候補者である。他に指定されない限り、本明細書に用いられる用語の「MDを管理すること」とは、MDを患っている患者におけるMDの再発を防ぎ、及び/又はMDを患っている患者が寛解を維持する時間を延長させることを包含する。
【0177】
本発明は、限定はしないが、ウェットMD,ドライMD、加齢黄斑変性症(ARM)、脈絡膜血管新生(CNVM)、網膜色素上皮剥離(PED)、及び網膜色素上皮萎縮症(RPE)と称されるものなど、種々の段階及び特定のタイプの疾患患者においてMD及び関連症候群を治療、予防、及び管理する方法を包含する。本発明はさらに、以前にMDの治療を受け、標準的薬物及び非薬物ベースのMD治療に非応答性である患者、並びに以前にMD治療を受けなかった患者を治療する方法を包含する。MD患者は、不均一な臨床的症状発現及び臨床的変動結果を有するので、患者が受けた治療は、彼/彼女の予後に依って変動し得る。当業臨床医は、過度に実験することなく具体的な第2の薬剤及び個々の患者を治療するために効果的に使用できる治療を容易に判断できるであろう。
【0178】
本発明により包含されている方法は、1種又は複数の選択的サイトカイン阻害薬、又はそれらの医薬として許容し得る塩類、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを、MDを患っているか、又は患い易い患者に投与することを含む。
【0179】
一実施態様において、選択的サイトカイン阻害薬の推奨される毎日の投与量範囲は、1日当たり1回の単回投与量として、又は好ましくは1日全体の分割投与量として与えられる、1日当たり約1mgから約10,000mgである。より具体的には、毎日の投与量は、等しく分割された投与量で1日2回投与される。具体的な毎日の投与量範囲は、1日当たり約1mgから約5,000mg、1日当たり約10mgから約2,500mg、1日当たり約100mgから約800mg、1日当たり約100mgから約1,200mg、又は1日当たり約25mgから約2,500mgである。患者の管理において、この療法は、より低い投与量、恐らく約1mgから約2,500mgで開始すべきであり、必要ならば、患者の全般的な応答に依って単回投与量又は分割投与量として1日当たり約200mgから約5,000mgまで増加すべきである。特定の実施態様において、3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドは、2回に分割された投与量で1日、約400mg、800mg、1,200mg、2,500mg、5,000mg又は10,000mgの量で投与される。この治療は、所望の治療効果が達成されるまでか、又は所望の効果を長期に維持するように、約2週から約20週、約4週から約16週、約8週から約12週続く。
【0180】
(4.3.1 第2の活性剤との併用療法)
本発明の具体的な方法は、第2の活性剤又は活性成分と併用して、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを投与することを含む。選択的サイトカイン阻害薬の例は、本明細書に開示されており(例えば、4.1節を参照)、第2の活性剤の例もまた、本明細書に開示されている(例えば、4.2節を参照)。
【0181】
選択的サイトカイン阻害薬及び場合によっては第2の活性剤の患者への投与は、同じ投与経路又は異なる投与経路により同時に又は連続的に生じることができる。特定の活性剤に使用される特定の投与経路の適合性は、活性剤自体(例えば、それが血流に入る前に分解することなく経口投与できるかどうか)及び治療を受ける疾患に依存する。選択的サイトカイン阻害薬にとって好ましい投与経路は、経口又は眼である。本発明の第2の活性剤又は活性成分の好ましい投与経路は、例えば、Physicians' Desk Reference (第57版、2003年)における、通常の当業者に公知である。
【0182】
一実施態様において、第2の活性剤は、経口的、静脈内、筋肉内、皮下、粘膜、局所的、又は経皮的に、約1mgから約2,500mg、約1mgから約2,000mg、約10mgから約1,500mg、約50mgから約1,000mg、約100mgから約750mg、又は約250mgから約500mgの量で、1日、1回又は2回投与される。
【0183】
さらなる実施態様において、第2の活性剤は、週1回、月1回、2ヶ月に1回又は年1回投与される。第2の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は予防されるMDのタイプ、MDの重症度及び段階、及び場合によっては、選択的サイトカイン阻害薬量並びに患者に同時に投与される任意の他の薬剤(1種又は複数種)に依存し得る。特定の実施態様において、第2の活性剤は、ステロイド、光増感剤、インテグリン、抗酸化剤、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、ニュートロトロフィック因子、血管新生の調節剤、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物エストロゲン、抗炎症性化合物又は抗血管新生化合物、又はそれらの組合せである。
【0184】
(4.3.2 外科的介入との使用)
本発明は、外科的介入(例えば、介入前、介入時、介入後)と連結して、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを投与することを含む、MDを治療、予防及び/又は管理する方法を包含する。外科的介入の例としては、限定はしないが、光療法又はレーザー療法、放射線療法、網膜色素上皮移植、及び中心窩移動が挙げられる。
【0185】
該選択的サイトカイン阻害薬と外科的介入との組合せ使用は、特定の患者において予想外にも有効であり得るユニークな治療措置を提供する。理論に制限されることなく、選択的サイトカイン阻害薬を、外科的介入と同時に投与されると、相加的又は相乗的効果を提供できる。
【0186】
具体的実施態様において、本発明は、MDを治療、予防及び/又は管理する方法であって、光療法又はレーザー療法と組み合わせて、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグの有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を包含する。光療法又はレーザー療法の例としては、限定はしないが、レーザー光凝固術療法又は光力学療法が挙げられる。
【0187】
選択的サイトカイン阻害薬は、外科的介入と同時に又は連続的に投与できる。一実施態様において、選択的サイトカイン阻害薬は、光又はレーザー療法前に投与される。他の実施態様において、選択的サイトカイン阻害薬は、光又はレーザー療法後に投与される。一実施態様において、選択的サイトカイン阻害薬は、光又はレーザー療法時に投与される。約12〜16週の全治療期間で、化合物は、レーザー手術の少なくとも4週前、2週前、1週前、又は手術直前、或いは手術時に又は手術直後に投与できる。
【0188】
(4.3.3 サイクリング療法)
特定の実施態様において、予防薬又は治療薬は、患者に繰り返し投与される。サイクリング療法は、ある期間中に第1の薬剤の投与、次いである期間中に該薬剤及び/又は第2の薬剤投与並びにこの連続投与の反復を含む。サイクリング療法は、1以上の療法に対する耐性発現を軽減でき、療法のうちの1つの副作用を回避又は軽減でき、及び/又は治療有効性を改善する。
【0189】
一具体的実施態様において、予防薬又は治療薬を、約6カ月のサイクルで、1日、1回又は2回投与する。1サイクルは、予防薬又は治療薬の投与及び少なくとも1週又は3週の休止を含むことができる。投与されるサイクル数は、約1サイクルから約12サイクル、約2サイクルから約10サイクル、又は約2サイクルから約8サイクルであり得る。
【0190】
(4.4 医薬組成物及び1回単位剤形)
医薬組成物は、個々の1回単位剤形の調製に使用できる。本発明の医薬組成物及び剤形は、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを含む。本発明の医薬組成物及び剤形は、さらに1種又は複数の賦形剤を含むことができる。
【0191】
本発明の医薬組成物及び剤形はまた、1種又は複数のさらなる活性剤を含むことができる。したがって、本発明の医薬組成物及び剤形は、本明細書に開示されている活性剤(例えば、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び第2の活性剤)を含む。場合によっては用いられるさらなる活性剤の例は、本明細書明細書に開示されている(例えば、4.2節を参照)。
【0192】
本発明の1回単位剤形は、患者に対する経口投与、粘膜投与(例えば、鼻、舌下、膣、頬側、又は直腸)、又は非経口投与(例えば、皮下、静脈内、大量瞬時投与、筋肉内、又は動脈内)、局所投与(例えば、点眼)、眼投与、経皮投与又は経皮的投与に好適である。剤形の例としては、限定はしないが、錠剤;キャプレット(caplet)剤;軟弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;舐剤;分散剤;座薬;散剤;エアロゾル剤(例えば、経鼻スプレー又は吸入器);点眼剤;ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁剤、水中油乳液剤、又は油中液水乳液剤)、液剤、及びエリキシル剤など、患者への経口又は粘膜投与に好適な液体剤形;患者への非経口投与に好適な液体剤形;及び患者への非経口投与に好適な液体剤形を提供するために再構成できる無菌固体(例えば、結晶又は不定形固体)が挙げられる。
【0193】
本発明の組成物、形状、及び剤形タイプは、典型的にはそれらの用途に依って変え得る。例えば、ある疾患の急性治療に用いられる剤形は、同一疾患の長期治療に用いられる剤形よりも多い量の、その剤形が含む1種又は複数の活性剤を含有することができる。同様に、非経口剤形は、同一疾患を治療するために用いられる経口用剤形よりも少ない量の、その剤形が含む1種又は複数の活性剤を含有することができる。これら及び本発明により包含される具体的な剤形を互いに変え得る他の方法は、当業者にとって容易に明白となろう。例えば、ペンシルバニア州イーストン所在、Mack Publishing出版のRemington's Pharmaceutical Sciences、第18版(1990)を参照されたい。
【0194】
典型的な医薬組成物及び剤形には、1種又は複数の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、製薬業界の当業者によく知られており、好適な賦形剤の非限定例は、本明細書に提供されている。特定の賦形剤が、医薬組成物又は剤形への組み込みに好適であるかどうかは、限定はしないが、該剤形が患者に投与される様式など、当業界によく知られた種々の因子に依る。例えば、錠剤などの経口用剤形は、非経口用剤形の使用には相応しくない賦形剤を含有することができる。特定の賦形剤の適合性もまた、剤形中の具体的な活性剤に依存し得る。例えば、幾つかの活性剤の分解は、乳糖などの幾つかの賦形剤により、又は水に曝されると促進され得る。第一級又は第二級アミン類を含む活性剤は、このような分解促進を特に受け易い。したがって、本発明は、含有するとしても少量の乳糖他、単糖類又は二糖類を含有する医薬組成物及び剤形を包含する。本明細書に用いられる用語の「乳糖の無い」とは、乳糖量が、存在するとしても活性剤の分解速度を実質的に増加させるには不十分であることを意味する。
【0195】
本発明の乳糖の無い組成物は、当業界に周知の賦形剤を含むことができ、例えば、U. S. Pharmacopeia (USP) 25-NF20(2002)に記載されている。一般に、乳糖の無い組成物は、製薬的に適合性の量及び医薬として許容し得る量の活性剤、結合剤/充填剤、及び潤滑剤を含む。好ましい乳糖の無い剤形は、活性剤、微結晶性セルロース、アルファ化澱粉、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0196】
水は幾つかの化合物の分解を促進し得ることから、本発明はさらに、無水医薬組成物及び剤形を包含する。例えば、水(例えば、5%)の添加は、保存寿命又は経時的な製剤の安定性などの特性を判定するために長期貯蔵をシミュレートする手段として製薬業界に広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen、Drug Stability: Principles & Practice、第2版、ニューヨーク州ニューヨーク所在のMarcel Dekker、379-80頁、1995年を参照されたい。実際、水と熱により、一部の化合物の分解が促進される。このように、製剤の製造時、取扱い時、包装時、貯蔵時、輸送時、及び使用時に通常水分及び/又は湿度に遭遇することから、製剤に対する水の作用は非常に重要なものとなり得る。
【0197】
本発明の無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を用いて調製できる。乳糖と第一級又は第二級アミンを含む少なくとも1種の活性剤とを含む医薬組成物及び剤形は、製造時、包装時、及び/又は貯蔵時に、水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合、無水であることが好ましい。
【0198】
無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように調製及び貯蔵されるべきである。したがって、無水組成物は、好適な製剤キットに含めることができるなど、水への曝露を防止することが公知の材料を用いて包装されることが好ましい。好適な包装の例としては、限定はしないが、気密密封フォイル類、プラスチック類、単位用量容器類(例えば、バイアル類)、ブリスタパック類、及びストリップパック類が挙げられる。
【0199】
本発明はさらに、活性剤が分解する速度を減少させる1種又は複数の化合物を含む医薬組成物及び剤形を包含する。本明細書で「安定化剤」と称されるこのような化合物としては、限定はしないが、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤が挙げられる。
【0200】
賦形剤のタイプ及び量と同様に、剤形中の活性剤の量及び具体的なタイプは、限定はしないが、患者に投与される経路などの因子に依って変わり得る。しかしながら、典型的な剤形は、約1mgから約10,000mgの量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを含む。典型的な剤形は、約1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg、400mg、800mg、1,200mg、2,500mg、5,000mg又は10,000mgの量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを含む。特定の一実施態様において、好ましい剤形は、約400mg、800mg又は1,200mgの3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドを含む。典型的な剤形は、約1mgから約2,500mg、約1mgから約2,000mg、約10mgから約1,500mg、約50mgから約1,000mg、約100mgから約750mg、又は約250mgから約500mgの量の第2の活性剤を含む。もちろん、第2の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理を受けるMDタイプ、選択的サイトカイン阻害薬の量(1つ又は複数)、場合によっては患者に同時投与される活性剤に依存する。
【0201】
(4.4.1 経口用剤形)
経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、限定はしないが、錠剤(例えば、咀嚼錠)、カプレット剤、カプセル剤、及び液剤(例えば、風味シロップ剤)などの個別の剤形として提供できる。このような剤形は、予め決められた量の活性剤を含有し、当業者によく知られた製薬方法により調製できる。一般に、ペンシルバニア州イーストン所在、Mack Publishing出版のRemington's Pharmaceutical Sciences、第18版(1990)を参照されたい。
【0202】
典型的な経口用剤形は、従来の製薬配合法に従って、均質混合物中の活性剤と少なくとも1種の賦形剤とを組み合わせることによって調製される。賦形剤は、投与に望ましい製剤形態に依って多種多様の形態をとり得る。例えば、経口用液体剤形又はエアロゾール剤形の使用に好適な賦形剤としては、限定はしないが、水、グリコール類、油類、アルコール類、風味剤、保存剤、及び着色剤が挙げられる。固体経口用剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びキャプレット剤)の使用に好適な賦形剤の例としては、限定はしないが、澱粉類、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられる。
【0203】
投与の簡便性の理由から、錠剤及びカプセル剤は、最も有利な経口用単位剤形となり、その場合、固体賦形剤が使用される。所望の場合、錠剤は、標準的な水性又は非水性技法によりコーティングできる。このような剤形は、任意の製薬方法により調製できる。一般に、医薬組成物及び剤形は、該活性剤を、液体担体、微粉固体担体、又は双方と均一かつ均質に混合してから、必要ならば、所望の表現型に製造物を形状化することにより調製される。
【0204】
例えば、錠剤は、圧縮又は成形により調製できる。圧縮錠剤は、好適な機械において、場合によって賦形剤と混合して粉末又は顆粒などの自由流動形態の活性剤を圧縮することにより調製できる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤によって湿潤化した粉末化合物の混合物を、好適な機械において成形することにより製造できる。
【0205】
経口用剤形に使用できる賦形剤の例としては、限定はしないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び潤滑剤が挙げられる。医薬組成物及び剤形の使用に好適な結合剤としては、限定はしないが、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、又は他の澱粉、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩類、粉末トラガカントゴム、グアーゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)などの天然及び合成ゴム類、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、番号2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0206】
微結晶性セルロースの好適な形態としては、限定はしないが、AVICEL-PH-101、AVICEL−PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(ペンシルバニア州所在のFMC社、American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook)として販売されている材料、及びそれらの混合物が挙げられる。具体的な結合剤には、AVICEL RC-581として販売されている微結晶性セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物がある。好適な無水又は低水分賦形剤又は添加物としては、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500LMが挙げられる。
【0207】
本明細書に開示されている医薬組成物及び剤形の使用に好適な充填剤の例としては、限定はしないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート類、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、澱粉、アルファ化澱粉、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、典型的には医薬組成物又は剤形の約50重量パーセントから約99重量パーセントで存在する。
【0208】
崩壊剤は、水性環境に曝された場合に崩壊する錠剤を提供するために本発明の組成物に用いられる。崩壊剤の含有が多過ぎる錠剤は、貯蔵中に崩壊する可能性があるが、一方、崩壊剤の含有が少な過ぎるものは、所望の速度で又は所望の条件下で崩壊し得ない。したがって、本発明の固体経口用剤形を形成するためには、活性剤の放出を不利に変化させないように多過ぎず又は少な過ぎない十分な量の崩壊剤を使用すべきである。使用される崩壊剤の量は、剤形タイプに基づいて変化し、当業者に容易に認識できる。典型的な医薬組成物は、約0.5重量パーセントから約15重量パーセントの崩壊剤、好ましくは約1重量パーセントから約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0209】
医薬組成物及び剤形に使用できる崩壊剤としては、限定はしないが、寒天−寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、ナトリウム澱粉グリコレート、ジャガイモ又はタピオカ澱粉、他の澱粉、アルファ化澱粉、他の澱粉、粘土、他のアルギン類、他のセルロース類、ゴム類、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0210】
医薬組成物及び剤形に使用できる潤滑剤としては、限定はしないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール類、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素原子化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、寒天、及びそれらの混合物が挙げられる。さらなる潤滑剤としては、例えば、シロイドシリカゲル(メリーランド州ボルチモア所在、W. R. Grace社により製造されているAEROSIL200)、合成シリカの凝固エアロゾール(テキサス州プラノ所在のDegussa社により市販)、CAB−O−SIL(マサチューセッツ州ボストン所在のCabot社により販売されている発熱性二酸化シリコン製品)及びそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤が使用される場合は、それらを組み込む医薬組成物又は剤形の約1重量パーセント未満の量で典型的に用いられる。
【0211】
好ましい固体経口用剤形は、選択的サイトカイン阻害薬、無水乳糖、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。
【0212】
(4.4.2 遅延放出剤形)
本発明の活性剤は、当業者に周知の制御放出手段又は送達装置により投与できる。例としては、限定はしないが、米国特許第3,845,770号、米国特許第3,916,899号、米国特許第3,536,809号、米国特許第3,598,123号、及び米国特許第4,008,719号、米国特許第5,674,533号、米国特許第5,059,595号、米国特許第5,591,767号、米国特許第5,120,548号、米国特許第5,073,543号、米国特許第5,639,476号、米国特許第5,354,556号、及び米国特許第5,733,566号に記載されているものが挙げられ、これらの各々は、参照として本明細書に組み込まれている。このような剤形は、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス類、ゲル類、透過性膜類、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム類、ミクロスフェア類、又はそれらの組合せを用いて1種又は複数の活性剤の緩徐放出又は制御放出を提供し、割合を変えて所望の放出プロフィルを提供できる。本明細書に記載されているものなど、通常の当業者に公知の好適な制御放出製剤は、本発明の活性剤との使用のため容易に選択できる。したがって本発明は、限定はしないが、制御放出に適合する錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤、及びキャプレット剤などの経口投与に好適な1回単位剤形を包含する。
【0213】
制御放出製薬製品は全て、それらの非制御対応品により達成される薬物療法よりも改善するという共通の目標を有している。理想的には、医療において最適にデザインされた制御放出製剤の使用は、最少の時間で病態を治癒又は制御するために最少量の薬物が使用されることを特徴とする。制御放出製剤の利点としては、薬物の活性延長、投与頻度の減少、及び患者コンプライアンスの増加が挙げられる。さらに、制御放出製剤を使用して、作用発現時間又は薬物の血中濃度などの他の特性に影響を及ぼすことができ、したがって副(例えば、有害)作用の発生に影響を及ぼすことができる。
【0214】
大部分の制御放出製剤は、最初に所望の治療効果を即座に生じる薬物(活性剤)量を放出させ、次いで徐々にかつ連続的に別の量の薬物を放出させ、長時間に亘ってこの濃度の治療効果又は予防効果を維持するようにデザインされる。体内においてこの一定の薬物濃度を維持するために、薬物は、体内で代謝され、排泄される薬物量と置き換わる速度で剤形から放出されなければならない。活性剤の制御放出は、限定はしないが、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件又は化合物など、種々の条件により刺激できる。
【0215】
(4.4.3 非経口剤形)
非経口剤形は、限定はしないが、硝子体内、皮下、静脈内(大量瞬時投与を含む)、筋肉内、及び動脈内など、種々の経路により患者に投与できる。それらの投与は、典型的に汚染物に対する患者の自然防御を回避するので、非経口剤形は、滅菌であるか、或いは患者への投与前に滅菌できることが好ましい。非経口剤形の例としては、限定はしないが、即時注射液、医薬として許容し得る注射用媒体に即時溶解又は懸濁できる乾燥製品、即時注射用懸濁液、及び乳剤が挙げられる。
【0216】
本発明の非経口用剤形を提供するために用いることができる好適な媒体は、当業者に周知のものである。例としては、限定はしないが:USP注射用水;限定はしないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースと塩化ナトリウム注射液、及び乳酸加リンゲル注射液などの水性媒体;限定はしないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの水溶性媒体;及び限定はしないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどの非水媒体が挙げられる。
【0217】
本明細書に開示されている1種又は複数の活性剤の溶解度を増加させる化合物もまた、本発明の非経口剤形に組み込むことができる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体は、選択的サイトカイン阻害薬及びその誘導体の溶解度を増加させるために使用できる。例えば、参照として本明細書に組み込まれている、米国特許第5,134,127号を参照されたい。
【0218】
(4.4.4 局所及び粘膜用剤形)
本発明の局所及び粘膜用剤形としては、限定はしないが、点眼剤、スプレー剤、エアロゾール剤、液剤、乳剤、懸濁剤、又は当業者に公知の他の形態が挙げられる。ペンシルバニア州イーストン所在、Mack Publishing出版のRemington's Pharmaceutical Sciences、第16版及び第18版(1980 & 1990);及びフィラデルフィア所在、Lea & FebigerのIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第4版(1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織の治療に好適な剤形は、含嗽剤又は経口用ゲル剤として製剤化できる。
【0219】
好適な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)及び本発明により包含されている局所及び粘膜用剤形を提供するために提供できる他の材料は、製薬業界の当業者によく知られており、所与の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織に依存する。そのことを考慮して、典型的な賦形剤としては、限定はしないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びそれらの混液が挙げられ、非毒性で医薬として許容し得る液剤、乳剤又はゲル剤を形成する。所望ならば、加湿剤又は湿潤剤もまた、医薬組成物及び剤形に添加できる。このような添加成分の例は、当業者に周知のものである。ペンシルバニア州イーストン所在、Mack Publishing出版のRemington's Pharmaceutical Sciences、第16版及び第18版(1980 & 1990)を参照されたい。
【0220】
医薬組成物又は剤形のpHもまた、1種又は複数の活性剤の送達を改善するために調整できる。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張度を、送達改善のために調整できる。ステアリン酸塩類などの化合物もまた、送達を改善するために医薬組成物又は剤形に添加して、1種又は複数の活性剤の親水性又は親油性を有利に変更できる。この点において、ステアリン酸塩類は、製剤用の脂質媒体、乳化剤又は界面活性剤、及び送達促進剤又は透過促進剤として役立ち得る。生じる組成物の性質をさらに調整するために、該活性剤の種々の塩類、水和物又は溶媒和物を使用できる。
【0221】
(4.4.5 キット類)
典型的には、本発明の複数種の活性剤は、同時に又は同じ投与経路で患者に投与されないことが好ましい。したがって本発明は、医師によって用いられる場合、患者に対する適量の複数種の活性剤投与を簡便化できるキット類を包含する。
【0222】
本発明の典型的なキットは、選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、プロドラッグ、又は包接化合物を含む。本発明により包含されているキット類は、1種又は複数の追加活性剤又はそれらの組合せをさらに含むことができる。追加活性剤の例は、本明細書に開示されている(例えば、4.2節を参照)。
【0223】
本発明のキット類は、活性剤を投与するために用いられる医療用具をさらに含むことができる。このような医療用具の例としては、限定はしないが、シリンジ類、点滴用バッグ類、パッチ類、及び吸入器類が挙げられる。本発明のキットは、MDの検出又は診断に有用なアムスラーグリッドをさらに含むことができる。
【0224】
本発明のキット類は、1種又は複数の活性剤を投与するために用いることができる医薬として許容し得る媒体をさらに含むことができる。例えば、活性剤が、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供される場合、キットは、該活性剤が、溶解して非経口投与に好適である微粒子の無い滅菌溶液を形成できる好適な媒体の密封容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例としては、限定はしないが:USP注射用水;限定はしないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースと塩化ナトリウム注射液、及び乳酸加リンゲル注射液などの水性媒体;限定はしないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの水溶性媒体;及び限定はしないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどの非水媒体が挙げられる。
【実施例】
【0225】
(5.実施例)
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明をさらに例証することが意図されている。
【0226】
(5.1 インビトロ薬理学試験)
選択的サイトカイン阻害薬により典型的に発揮された生物学的作用の1つは、TNF−α合成の減少である。具体的な選択的サイトカイン阻害薬は、TNF−αmRNAの分解を増強させる。TNF−αは、黄斑変性症において病理学的役割を演じていると考えられる。
【0227】
具体的実施態様において、3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドの薬理学的性質が、インビトロ試験において特性化される。試験により、種々のサイトカイン類の産生に対する化合物の効果を調べる。ヒトPBMC及びヒト全血のLPS刺激後の該化合物によるTNF−α産生阻害が、インビトロで調べられる。インビトロ試験により、3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドの薬理学的活性プロフィルは、サリドマイドよりも5倍から50倍の効力のあることが示唆されている。3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドの薬理学的効果は、炎症性サイトカイン類の発生阻害剤としての作用に由来すると考えられる。
【0228】
(5.2 MD患者の臨床試験)
本発明の選択的サイトカイン阻害薬は、1日、約20mgから約1,200mgの量で黄斑変性症患者に投与される。具体的な実施態様において、臨床試験は、40人の黄斑変性症患者を2群に分けて実施される。第1群は、ベルテポルフィンによる光力学療法によって脈絡膜管の漏れ(この疾患の特徴)を閉鎖する従来の治療を受ける。Ophthalmol 1999 (117): 1329-1345。第2群は、ベルテポルフィンによる同じ従来の療法並びにアジュバントとして約20mg/日の量の(+)−2−[1−(3−エトキシ−4メトキシ−フェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4アセチルアミノイソインドリン1,3−ジオンによる20週間の療法を受ける。
【0229】
新生血管カスケードは、(+)−2−[1−(3−エトキシ−4メトキシ−フェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4アセチルアミノイソインドリン1,3−ジオンを受ける群では十分に妨げられ、光力学療法の作用が無期限に延長される。しかしながら、(+)−2−[1−(3−エトキシ−4メトキシ−フェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4アセチルアミノイソインドリン1,3−ジオンの無い第1群は、治療数週後に切断された管の進行性再灌流を体験する。その後、光力学療法の反復が必要とされる視力喪失を伴う。
【0230】
他の好ましい実施態様において、(+)−2−[1−(3−エトキシ−4メトキシ−フェニル)−2−メチルスルホニルエチル]−4アセチルアミノイソインドリン1,3−ジオンは、約1mg/日から約200mg/日、好ましくは約10mg/日から約50mg/日の量で、又はそれ以上の用量で、1日おきの投与で一般に1日、約1.5回から2.5回投与される。アジュバント療法は、限定はしないが、レーザー光凝固法を含む外科的介入などのMDを治療又は予防するために使用される他のタイプの従来の療法に適用できる。
【0231】
本明細書に開示された本発明の実施態様は、本発明の範囲を単に例示するものである。多数の引用文献が本明細書中に引用されており、参照としてそれらの全体が本明細書に組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黄斑変性症を治療、予防、又は管理する方法であって、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体を、前記治療、予防、又は管理を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
治療的又は予防的有効量の第2の活性剤を、患者に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の活性剤が、ステロイド、光増感剤、インテグリン、抗酸化剤、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、ニュートロトロフィック因子、血管新生の調節剤、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物エストロゲン、抗炎症性化合物、又は抗血管新生化合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の活性剤が、サリドマイド、ベルテポルフィン、プルリチン、血管新生抑制ステロイド、rhuFab、インターフェロン−2α、又はペントキシフィリン、或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記抗血管新生化合物が、サリドマイドである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記黄斑変性症が、湿性黄斑変性症、乾性黄斑変性症、加齢黄斑変性症、加齢性黄斑症、脈絡膜血管新生、網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮萎縮症、ベスト病、卵黄様、シュタルガルト病、若年型黄斑ジストロフィー、黄色斑眼底、ベール病、ソーズビー病、ドイン病、蜂巣状ジストロフィー、又は黄斑損傷状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、立体異性的に純粋である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
黄斑変性症を治療、予防、又は管理する方法であって、治療的又は予防的有効量の3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミド、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体を、前記治療、予防、又は管理を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
前記3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドが、鏡像異性的に純粋である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
黄斑変性症を治療、予防、又は管理する方法であって、治療的又は予防的有効量のシクロプロパンカルボン酸{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニル−エチル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イル−アミド、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体を、前記治療、予防、又は管理を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
前記シクロプロパンカルボン酸{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニル−エチル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イル}−アミドが、鏡像異性的に純粋である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、式(I)を有する、請求項1に記載の方法:
【化1】

(式中、nは、1、2、又は3の値を有し、
は、非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルキル、及びハロからなる群から各々が独立して選択された、1つから4つの置換基で置換されているo−フェニレンであり、
は、(i)フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々他のものと独立して選択された、1以上の置換基で置換されているフェニル、(ii)非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から選択された、1つから3つの置換基で置換されているベンジル、(iii)ナフチル、並びに(iv)ベンジルオキシであり、
12は、−OH、炭素原子1個から12個のアルコキシ、又は
【化2】

であり、
は、水素原子、又は炭素原子1個から10個のアルキルであり、かつ
は、水素原子、炭素原子1個から10個のアルキル、R10が水素原子、炭素原子1個から10個のアルキルである−COR10、若しくは−SO10、又はフェニルである。)。
【請求項13】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、鏡像異性的に純粋である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、式(II)を有する、請求項1に記載の方法:
【化3】

(式中、R及びRの各々は、互いに独立している場合、水素原子、低級アルキルであり、又はR及びRは、各々が結合している示された炭素原子と一緒になっている場合、非置換、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、及びハロからなる群から各々が独立して選択される1つから4つの置換基で置換されているo−フェニレン、o−ナフチレン、又はシクロヘキセン−1,2−ジイルであり、
は、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子1個から10個のアルキル、炭素原子1個から10個のアルコキシ、炭素原子1個から10個のアルキルチオ、ベンジルオキシ、炭素原子3個から6個のシクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキリデンメチル、C〜C10−アルキリデンメチル、インダニルオキシ、及びハロからなる群から選択された、1つから4つの置換基で置換されているフェニルであり、
は、水素原子、炭素原子1個から6個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、
4’は、水素原子、又は炭素原子1個から6個のアルキルであり、
は、−CH−、−CH−CO−、−SO−、−S−、又は−NHCO−であり、
nは、0、1、又は2の値を有する。)。
【請求項15】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、鏡像異性的に純粋である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、式(III)を有する、請求項1に記載の方法:
【化4】

(式中、で指定された炭素原子は、キラル中心を構成しており、Yは、C=O、CH、SO、又はCHC=Oであり、
、R、R、及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、ハロ、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は−NRであり、或いは隣接する炭素原子上のR、R、R、及びRのうち任意の2つは、示されたフェニレン環と一緒になってナフチリデンであり、
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から4個のアルキル、炭素原子1個から4個のアルコキシ、シアノ、又は炭素原子18個までのシクロアルコキシであり、
は、ヒドロキシ、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、ベンジル、又はNR8’9’であり、
及びRの各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであるか、或いはR及びRの一方は水素原子であり、他方は−COR10又は−SO10であるか、或いはR及びRは一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又はXが−O−、−S−若しくは−NH−である−CHCHCHCH−であり、
8’及びR9’の各々は、他のものから独立して、水素原子、炭素原子1個から8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであるか、或いはR8’及びR9’の一方は水素原子であり、他方は−COR10’又は−SO10’であるか、或いはR8’及びR9’は一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又はXが−O−、−S−若しくは−NH−である−CHCHCHCH−である。)。
【請求項17】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、鏡像異性的に純粋である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
黄斑変性症を治療、予防、又は管理する方法であって、治療的又は予防的有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体を、患者における黄斑変性症の症状を軽減又は回避することを対象とする外科的介入の前、介入時又は介入後に、前記治療、予防、又は管理を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項19】
前記外科的介入が、光療法、レーザー療法、放射線療法、網膜色素上皮移植、又は中心窩移動である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
選択的サイトカイン阻害薬、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体、及び黄斑変性症の症状を軽減又は回避させることのできる第2の活性剤を含む、医薬組成物。
【請求項21】
前記第2の活性剤が、ステロイド、光増感剤、インテグリン、抗酸化剤、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、ニュートロトロフィック因子、血管新生の調節剤、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物エストロゲン、抗炎症性化合物又は抗血管新生化合物である請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記第2の活性剤が、サリドマイド、ベルテポルフィン、プルリチン、血管新生抑制ステロイド、rhuFab、インターフェロン−2α、又はペントキシフィリン、或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体である請求項20に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2007−509932(P2007−509932A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537956(P2006−537956)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/013253
【国際公開番号】WO2005/044269
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(591120033)セルジーン・コーポレーション (84)
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
【Fターム(参考)】