説明

鼻表皮持ち上げ機構

【課題】鼻孔を介した肺への空気流量を増やすための快適で効果的な装置を提供すること。
【解決手段】鼻表皮持ち上げ機構は、中央部分(70)およびその両側の第1、第2端部分(60)を提供する少なくとも1片の細長い弾性材料(50)と、この細長い弾性材料の中を通して延長する複数個の弾性体のバネ構造(20、22、24)と、これら要素の下側に設けた粘着性の物質(40)と、中央部分の重要な一部を構成するフラップ機構(80)と、第1および第2端部分に形成したスリット(66)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に治癒技術とそれに関連する技術に使用することができる装置に関するものである。より詳細に説明すると、本発明は、創傷の包帯(dressings)、帯具(bandages)、薬剤付与システム、表皮持ち上げ機構、そして、人体および/または動物の皮膚の表皮層を所定の様式で位置付けするための位置付け機構を含むが、これに制限されないさまざまな目的に使用できる装置に関するものである。したがって、本発明は医学および獣医学に適用できるものと思われる。
【0002】
本発明のいくつかの形式は、表皮持ち上げ機構および体内への空気の流量を増やす方法に関するものであり、さらに詳細に述べると、鼻孔を介してより多くの酸素を通過させる結果、肺への酸素の吸い込み量と肺からの空気の吐き出し量を共に増加させるための表皮持ち上げ機構とその方法に関するものである。したがって、本発明の実施例はまた、鼻孔拡張装置と呼ばれる一群の装置にも関するものでもある。本発明は、鼻孔を介した肺への空気流量を増やすための快適で効果的な装置を提供する。
【0003】
また、本発明を使用すると、創傷および/または切開の縫合または洗浄のために傷口の両端をくっつけておくか離しておくことが可能な点で、本発明は帯具および縫合補助の分野を改良したものでもある。さらに、本発明の装置は、創傷または切開に薬剤または抗生物質を付与するのにも使用し得る。また、本発明のいくつかの実施例を用いれば、創傷または火傷を無菌環境に隔離する一方で、創傷の洗浄などの目的で創傷にアクセスし得る。さらに、本発明のいくつかの実施例は、創傷または火傷のまわりの皮膚が身体の動きによって伸びることがないように、創傷または火傷部位を固定するために用い得、その結果、治癒過程における創傷へのさらなる損傷を防止し、創傷または火傷をより効果的に治癒し得る。
【発明の開示】
【0004】
本発明は多くの目的に適用することができる。本発明は一般に次に列挙するような活動を補助するための構造体として説明され得る。たとえば、鼻孔拡張装置など鼻孔を介しての空気の流量(息の吸い込みと吐き出し)を増やすため、人体の鼻梁の両側の所定の表皮領域に持ち上げ力を与えるための表皮持ち上げ装置として、また切開を開いたままにしておくための補助構造として説明され得る。また洗浄のために創傷を開いたままにしておくための補助構造として説明され得る。創傷、火傷または切開に一様な圧力を加えることによって必要な治療部位を治癒させるため、または縫合し閉じておくことができる結果、瘢痕組織の形成が最小限に抑えられるように、切開または創傷の端または縁を平らにきれいに閉じておくための補助構造としてもまた、説明され得る。または、人体または動物の表皮上の創傷またはその他の好適な部位に薬剤を付与するための装置としての表皮位置付け機構として説明され得る。
包帯としての本発明の適用に関しては、本発明は一般に、第1部、第2部および第3部を有するものとして説明され得る。これらの3部のうち、第1部は第2部に連結され、第2部は第3部に連結されている。第2部は、弾性材料(elastic material)からなり、第1部と第3部はそれぞれ第1面を有する。また、第1面の所定の部分はその表面に粘着性の物質を含んでいる。本発明の第2部には、所定のサイズと所定の形状を持つ複数個の穴を設けてもかまわない。
穴の所定の形状または所定の穴は、所定の方法で互いに対して空間的に構成し得ることが認識される。この理由は、本発明の1実施例において、第2部が第1部と第3部の間にあり、好適には弾性材料を含むからである。弾性材料の所定の位置に穴を設けることにより、弾性材料が引っ張られる時の弾性材料の強度を変化させ得、その結果、弾性材料の応力分布を変化させ得る。また、穴の形状は弾性材料の伸びの程度に応じて変化するため、使用者は穴を使用して、第2部に加えられる応力の大きさについてや、その部が十分に伸びているか伸び過ぎていないかについて、視覚的に参照することができる。たとえば、創傷に所定の大きさの圧力を加えることが望ましい場合、そのような視覚的参照は医療従事者にとって有用である。
さらに、第2部は第1周縁部(第2部が丸い場合は、少なくとも第2部の周囲の少なくとも一部分近くに構造的に1個だけの環状の周縁部がある)と第2周縁部を含む。第1部は第1周縁部で第2部に組み込まれるか、第2部に連結させることができる。また第3部は第2周縁部で第2部に組み込まれるか、第2部に連結させることができる。
必要ではないが、好適には、第1部と第3部は第1層と第2中間層と第3層からなるラミネートされた材料がよい。第3層は、粘着性の材料で被膜され且つシリコン遊離ライナーで使用前の保護がなされている第1面を含む。第2部は第1周縁部と第2周縁部を含む。第1部は、第1周縁部を受けるため第1部の第1層と第3層との間に存在する第1溝を含む。第2部は、第2周縁部を受けるため第2部の第1層と第3層の間に存在する第2溝を含む。第2中間層は粘着性の物質からなる。第2部の第1周縁部と第2周縁部はそれぞれ少なくとも1つの穴を含み、且つ第1周縁部は第1溝で第2中間層に係合され、第1周縁部の穴を通して粘着性の物質が広がっている。また、第2周縁部は第2溝で第2中間層に係合され、第2周縁部の穴を通して粘着性の物質が広がっている。
いくつかの実施例では、第1部の第1層と第3層および第3部の第1層と第3層は非弾性体の材料であることが望ましい。非弾性体の材料としては、TYVEC の商標の材料など適当な材料ならいずれを使用してもかまわない。
別の実施例として、包帯機構は第1部、第2部と第3部を有し、第1部は第2部に連結され、第2部は第3部に連結されているとして説明することができる。第1部と第3部は弾性材料を有し、第1部と第3部はそれぞれ第1面を有し、また第1面の所定の部分はその表面に粘着性の物質を含む。
さらに、第2部分は少なくとも1つの所定のサイズの穴を含み、第1部と第3部はそれぞれ少なくとも1つの所定の形状の穴を含む。前述のように、所定の形状の穴は、互いに対して所定の様式で空間的に構成されている。
また、第2部は少なくとも1つの縁部を含み、第1部と第3部はそれぞれ周縁部を有する。第1部の周縁部は、第2部の周縁部の第1の所定の部分で第2部に連結されている。第3部の周縁部は、第2部の周縁部の第2の所定の部分で第2部に連結されている。
好適には、第2部は少なくとも第1層と第2中間層と第3層を有するラミネートされた材料がよい。第3層は第1面を有する。第1部と第3部は第1周縁部と第3周縁部を含む。第1部の周縁部と第3部の周縁部はいずれも、弾性材料で構成されている。第2部は、第2部の第1層と第3層との間の第2部の周縁部に存在し、且つ第1部と第3部の周縁部を受けるための少なくとも1本の溝を含む。第2中間層は粘着性の材料を含む。第1部周縁部と第3部周縁部はそれぞれ少なくとも1つの穴を含み、且つ第1部と第3部の周縁部は、第1の所定の周縁領域と第2の所定の周縁領域において溝の中で第2中間層に係合している。これは第1部と第3部の周縁部を構成する材料に形成された穴を通して、粘着性の材料が広がるようにするためである。この実施例では、第2部の第1層と第3層は非弾性体材料からなる。非弾性体材料はポリエステルでもよい。
さらに、創傷または火傷を空気にさらすため、または視覚的に観察するため、第2部は少なくとも1つの穴か、一般に少なくとも1つの透明部を含む。さらに、包帯を取り去らずに創傷または火傷を洗浄したり処置できるようにするため、第2部を改変して帯具の下に創傷または火傷の洗浄用の機構を含め得る。また、第2部の少なくとも片側は、コロイド状の粘着性の物質を使用して創傷の周囲に殺菌剤の障壁を作りだすことにより、創傷を清浄な環境に隔離しておくことができるように設計したり、または創傷または火傷に薬を直接付与できるようにするため創傷または火傷に接触できるように設計したりすることも可能である。
表皮持ち上げ機構としての本発明の特徴に関しては、表皮持ち上げ機構は一般に第1面と第2面を有する少なくとも1つの細長片からなるものとして説明され得る。細長片はさらに第1端部分と第2端部分を含んでいる。第1面と第2面の間には1枚またはそれ以上の所定の材料層がある。
これらの材料層は、シリコンで被われた遊離ライナー、表皮持ち上げ機構を鼻に接着させておく接着システム、材料の最上層、そしてバネ機構を含むが、これに限定されない。言うまでもなく、遊離ライナーは表皮持ち上げ機構を鼻梁に貼る前に取り除かれる。接着システムは包帯機構用の接着システムと同様、圧力に敏感な低刺激性のアクリル材料かハイドロコロイド材料を含めることができるが、適切ならどのような接着システムでも使用することができる。材料の最上層は不織布の材料か、または0.003 インチの厚さのポリウレタン膜のようなある程度の伸縮性を持つ材料のいずれかを使用することができる。バネ機構はスパンボンデッドのポリエステル材料にラミネートされたポリエステル膜を含んでもよい(厚さは通常 0.002〜0.008 インチだが、適切ならどのような範囲の厚さでもよく、別の厚さとして 0.001〜0.015 インチなどが適切である。しかし用途と耐久性に応じてどのような厚さでも使用してよい)。スパンボンド・ポリエステル材料は、圧力に敏感な粘着性の物質で被膜を施しても施さなくてもよい。バネ機構は共にラミネートされた複数個の材料を含んでもよい。
本機構は一体になっているが、1対の鼻ポッド(nose pod)と鼻梁部の部材を有する。鼻ポッドは、鼻の両側の皮膚に接着される露出した粘着性の表面を含む。本装置の鼻梁部は、鼻梁に貼ったとき鼻梁に位置するような少なくとも1つの支点を持ち、且つ鼻梁全体をカバーする。
しかし、本発明はまた本装置の鼻梁部分を鼻梁の頂点で終わらせ、そこに接着させれば、鼻の片方だけに適用できることにも留意されたい。あるいは、鼻梁部分は単に1片の細長い弾性材料からなり、粘着性物質の使用によって一方の端が使用者の頬に貼付され、鼻ポッドがもう一方の端で鼻孔側に貼付されているものでもよい。
鼻ポッドには馬蹄形のスリットまたはカットがあることが望ましいことにも留意されたい。このスリットまたはカットは、接着層を貫いて材料の最上層に開けられたもので、鼻に適用したときバネ作用によって吸盤のような様式で一様な持ち上げ力を生み出すと同時に、スリット構造が存在するため接着層そのものに持ち上げ力よりもむしろ剪断力が加わる。その結果、持ち上げ点から粘着点までの間に可撓性を生み出すことができる。接着層上の持ち上げ力(引き剥がし力)を減少させることにより、接着層と皮膚間の接着の安定性が大幅に増し、顔面の運動中の鼻孔拡張装置の可撓性がさらに高まる。したがって、鼻孔拡張装置は使用者が激しい運動をしている最中も、鼻孔拡張装置以外に適用される場合にも、所定の位置に快適に留まる。
表皮持ち上げ機構の鼻梁部分に隣接して取り付けられている1対のフラップは、鼻梁(支点1)と粘着性の物質との間にもう1対の支点(支点2)を作り出し、これにより、鼻孔の外側表皮の拡張力を増加させる。支点をさらに増やすには、表皮持ち上げ機構の下側の鼻梁部分に隣接するフラップを折り畳むことで、各フラップの粘着部分が表皮持ち上げ機構の鼻梁部分の下の粘着部分に密着され、表皮持ち上げ機構をそこに固定させることによって達成することが可能である。フラップは折畳みが容易なようにミシン目を含んでいる。
上述したように、1対のフラップで支点をもう1つ作ることができる。さらに、フラップは折り畳まれたとき鼻梁のためのクッション領域を提供し、表皮持ち上げ機構の下側の粘着性の物質をカバーする。そのため、数時間経たあとで取り除いたとき、鼻梁の皮膚組織に対する不快感が解消される。
上層と下層のバネの重ね合わせを共にラミネートし、表皮持ち上げ機構を鼻に適用するとき、重ね板バネ機構の曲げは単層バネより鼻孔の拡張力を増加させる。1つのバネ材層をもう1つのバネ材層の上に重ねることで、板バネ作用を作りだすことができる。支点上で曲げるとき、上層に引張り力が導入されるため、同じ厚さの単層バネに比べて一段と強力なバネ作用が生れる。さらに、支点上または複数の支点上で曲げることにより、バネ作用がさらに強化される。
さらに、最下層のバネに可撓性を与えるためおよび/または鼻ポッドがそれを適用する鼻または表皮層の不定形表面に順応するよう、さまざまな形状の鼻ボッドを使用することができる。
本機構の主要な利点は、人が心拍数を増加させるようなあらゆる身体活動に従事している場合に、本機構はより多量の酸素を肺に送り込むことができる点である。さらに、本機構はより多量の空気を効果的に吐き出させるため、空気の吸い込みと吐き出しの両方が増強され、その結果、全体的な呼吸の効率性が高まる。
あるいは、本発明は鼻孔を介した空気の流量を増加させる方法として説明することができる。この方法は表皮持ち上げ機構を適用するステップからなり、それは、鼻ポッドの粘着性物質が鼻の両側にしっかりと接着するように鼻梁上でバネ材を曲げ、次に鼻ポッドが遊離されることによってバネが機構的に鼻表面を持ち上げることになり、その結果、鼻孔サイズが増加するステップである。
あるいは、本発明は鼻孔拡張装置として使用される構造であって、2つの離れた部分からなり、各部分が互いに関係なく作用する鼻孔拡張装置であってもよい。各部分は少なくとも1つの鼻ポッドを持ち、弾性の部材または細長片がその鼻ポッドに取り付けられている。弾性の部材または細長片は第1端部分と第2端部分を持ち、第1端部分には鼻ポッドが付いている。弾性の部材は、アンカー機構に取り付けられた第2端部分を持つ。鼻ポッドは前述の鼻ポッドとしての構造を持つ。アンカー機構は、弾性の部材に連結されている鼻ポッドが人体の鼻孔の周りの外側表面または表皮に適用され、且つ弾性の部材がアンカー機構と鼻ポッドを引き寄せるため鼻の側面の表皮が持ち上げられる結果、鼻孔が拡張されるように、人体の鼻の側面から十分離した頬の所定の領域に適用する。
したがって、本発明は、第1端部分と第2端部分に連結された弾性材料を有する表皮位置付け機構として考えることができる。第1端部分と第2端部分はそれぞれ少なくとも粘着性の物質を付与した1つの面を持つ。必要ではないが、本発明の適用によっては、少なくとも1つの端部分がアンカー構造または機構であり、もう1つの端部分が持ち上げるための機構として作用するものも好適である。
さらに、本発明は鼻孔拡張装置としての用途だけに使用する必要はなく、前述のように、外科的処置または創傷若しくは切開の洗浄など医学的治療のため創傷または切開を開いたままにしておくことで、または創傷の縫合を補助するため創傷の端を接近させ閉じておくか、または単に創傷または切開の両端を合わせて保持しておくための縫合機構として使用することで、創傷および切開を治療するための表皮配置装置としても使用することができる。
さらに、本発明の装置を創傷の上に使用すれば、帯具として適用することができる。たとえば、弾性または伸縮性の材料は、創傷または切開領域の上および隣りに配置された少なくとも1つの面を有する。創傷または切開領域の上または隣に配置されたこの面には、医薬が付与されていてもよい。この医薬は、たとえば、クロム酸亜鉛またはアルギン酸カルシウム若しくはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩でよい。これらの薬剤にはそれぞれ抗菌および凝血増強作用を有する。特定のユーザーの希望する目標または結果によっては、本発明の装置を使用して他の医薬を付与したり、または医薬以外の物質を付与することもできる。
本発明の表皮的配置機構を帯具として用いる場合、帯具構造が少なくとも第1端部分と第2端部分を持ち、第1端部分と第2端部分は弾性材料に連結されていて、さらに弾性材料の一部にはアンカー構造が連結されているような方法で、帯具構造と本発明を結び付けられることに留意されたい。これにより、帯具構造に連結されていない弾性または伸縮性の材料の端に少なくとも2つのアンカー点ができる。この方法では、アンカー構造の一方を所定の位置で皮膚に接着させ、次に弾性または伸縮性の材料を引っ張ることにより帯具構造を創傷または切開の上に配置し、続いてもう一方のアンカー構造を所定のもう1つの位置で皮膚に接着させることができる。この方法では、弾性材料が収縮するため、帯具材料を創傷に一段と確実に接触させる効果を生み出す結果、帯具材料の効果が一段と高まる。目的に応じて、創傷または切開表面に近接させた帯具材料の表面に医薬を付与することができる。
かかる使用におけるアンカー構造は当然、所定の位置で弾性材料に連結された少なくとも2つの端片からなり、この端片には、それを接着させる表皮または皮膚に接し合うアンカー端片面に粘着性の物質が付与されている。帯具構造には、弾性材料に関して前述したように医薬を付与することができる。
さらに、本発明の機構は、弾性または伸縮性の材料に連結されたアンカー/持ち上げ部分を持ち、且つその部分には接着面が含まれる表皮持ち上げ機構として説明することができる。アンカー/持ち上げ部分はどこに適用するかによって、各部分がアンカー部分として作用したり、または持ち上げ部分として作用したりする。アンカー/持ち上げ部分には、所定の形状のスリットまたはカットが複数個設けられていて、各アンカー/持ち上げ部分を複数個の接着部分に分ける。アンカー/持ち上げ部分を複数個の接着部分に分けるこの分割により、アンカー/持ち上げ部分の接着部分を次のように分けることが可能になる。すなわち、第1アンカー/持ち上げ部分を希望の表皮領域に適用したあと、その第1アンカー/持ち上げ機構の第1の所定の部分を剥ぎ取り、カットまたはスリットが複数個あるせいで所定の形状を持つ第2の所定の部分はその表皮部分に残すといったように接着部分を分けることができる。次いで、弾性材料を介して第1のアンカー/持ち上げ部分に連結されている第2のアンカー/持ち上げ部分を、弾性材料を希望の長さに引っ張るようにして第2の所定のかまたは希望する表皮領域に適用することができる。第2のアンカー/持ち上げ部分が第1のアンカー/持ち上げ部分に実質的に似ている場合は、第2のアンカー/持ち上げ部分の第1の所定の部分を剥ぎ取り、カットまたはスリットが複数個あるために所定の形状を持つ第2の所定の部分は表皮領域に残しておくといったように表皮に適用することができる。したがって、第1と第2のアンカー/持ち上げ部分は、別々のアンカー点および持ち上げ点として、または別々のアンカー点または持ち上げ点として作用し、また弾性材料はアンカー点か持ち上げ点間に単に張力を提供するものとして使用するため、または薬剤などを2点の間の表皮に付与するため、または張力を提供すると同時に2点間に薬剤を付与するため、といったように使用することができる。
さらに、本発明は1部分と第2部分と第3部分からなることを特徴とする包帯機構を使用する方法として説明することができる。第1部分は第2部分に連結され、第2部分は第3部分に連結されている。第1部分と第3部分は弾性材料を含む。第1部分と第3部分はそれぞれ第1面を持ち、且つ第1面の所定の部分はその表面に粘着剤を含む。したがって、本方法は、第1に、第1部分を第1の所定の表皮領域に適用すること、第2に、第3部分を第2の所定の表皮領域の方に引っ張ること、第3に、第3部分を第2の所定の表皮領域に適用することからなる。
あるいは、本方法は、複数個のアンカー構造と治療部分と弾性材料からなる包帯を使用する方法として説明することができる。弾性材料はアンカー構造から治療部分まで延長している。弾性材料は第1の連結部分で少なくとも1つのアンカー構造に連結され、また第2の連結部分で治療部分に連結されている。本方法は、治療部分を所定の第1の表皮領域に配置すること、少なくとも1つのアンカー構造を所定の第2の表皮領域に適用すること、そして、もう1つのアンカー構造を所定の第3の表皮領域に適用するステップからなる。
【実施例】
【0005】
本明細書の開示は、本技術に熟練した者であれば本発明を実用化できるように正確で詳細にわたっているが、この文書に開示されている物理的な実施態様は、発明を単に例示しただけであり、他の特定の構造でも実用化し得る。本明細書では好適な実施態様を説明しているが、請求の範囲で定義している本発明から逸脱することなく、詳細は変更し得る。
【0006】
本発明は、鼻孔を介した空気の流量を増やすため、鼻梁のような所定の表皮領域に持ち上げ力を与えるための表皮持ち上げ機構を有し、以下の詳細な説明では一般に 10 として参照される。
図1および図1A は、従来技術の装置を示している。図1に示した従来技術の装置は、現在ミネソタ州チャンハセン市の CNS 社が BREATHE RIGHT の商標で販売している。図1A にも同じ装置を示しているが、図1A の装置は以下にその構造および利点を詳しく説明する本発明のフラップを含んでいることである。
【0007】
本発明 10 は、図2に示すように2層部分からなる重ね板バネ 20 を含む。2層部分からなる重ね板バネ 20 は1対のバネラミネート 22 および 24 を有する。各バネ・ラミネート 22 および 24 は、スパンボンド・ポリエステル材料にラミネートされた(薄片を重ね合わせた)0.002〜0.008 インチの厚さのポリエステル膜で製造される。スパンボンド・ポリエステル材料は、圧力に敏感な粘着性の物質で被膜を施しても施さなくてもよい。バネラミネート 22 および 24 は共にラミネートされている。
【0008】
図3に示すように、上層24 と下層 22 のバネラミネートが共にラミネートされ、本発明 10 を支点 26 に示すように鼻梁に適用するとき、重ね板バネ 20 の曲げは、単層バネに比べて鼻孔の拡張力を増す。
1層のバネ材 24 をもう1層のバネ材 22 の上に重ねることにより、板バネ作用が生じる。支点上で曲げたとき、上層 24 に引張り力が導入されるため、同じ厚さの単層バネに比べて一段と強力なバネ作用が生じる。さらに、支点上で曲げることにより、さらなる強力なバネ作用が作り出される。
【0009】
図4を参照すると、本発明 10 の材料層は、シリコンで被われた遊離ライナー30、表皮持ち上げ機構 10 を鼻に接着させる接着システム 40、最上層の材料 50、そして2層バネのラミネート 20 を含む。最上層 50 は材料 50A および 50B の2層で構成され、その間に図 18 に示すようにバネ 24 および 22 を含んでいる。遊離ライナー 30 は機構 10 を鼻梁に配置する前に除去される。接着システム 40 は、圧力に敏感な低刺激性のアクリルまたはハイドロコロイド材料のいずれかであり得る。最上層の材料 50 は不織布の材料か、0.003 インチ厚さのポリウレタン膜のような伸縮性の特徴を備えた材料のいずれかであり得る。
【0010】
本発明 10 の好適な実施例を図7に示す。本構造は一体になっているが、1対のポッド 60 および鼻梁部分 70 の部材を有する。ポッド 60 は、鼻の両側の皮膚に接着される露出した粘着性の表面を含む。ポッド 60 の構成により、可撓性の下バネ 22 を鼻の不定形な表面に順応させることができる。本装置の鼻梁部分 70 は、図3に示すように少なくとも1つの支点を持ち、図 15 に示すように鼻梁全体をカバーする。
図6に示すように、ポッド60 は接着層 40 を貫いて最上層の材料 50 に開けられた馬蹄形のカット 64 を含んでいるため、鼻に適用したとき、バネ作用によって吸盤のような様式で一様な持ち上げ力を生じさせると同時に、接着層自体には引き剥がし力よりもむしろ剪断力が加わる。その結果、持ち上げ点から接着点までの間に可撓性を生みだすことができる。この原理を図5に示した。接着層 40 上の引き剥がし力 42 を減少させることにより、接着層 40 と皮膚間の接着力が大幅に増し、顔面の運動中の表皮持ち上げ装置 10 のさらなる可撓性を得ることができる。剪断力を 44 に示す。
【0011】
図7を再び参照すると、本発明 10 の鼻梁部分 70 に隣接させて取り付けられる1対のフラップ 80 を含めることにより、本発明 10 はさらに改良され得る。フラップ 80 を鼻梁部分 70 の接着層 40 の下または上に折り曲げ、本発明 10 を人体の鼻に適用するとき、鼻梁(支点2)とポッド 60 の間の線 82 に沿ってもう1対の支点が作り出される。したがって、フラップ 80 は折り曲げられたとき、鼻孔の外側表皮に加わる拡張力を増加させる機能を果たす。
より詳細に述べると、フラップ 80 を鼻梁部分 70 の下に折り曲げることにより、別の支点 82 がさらに作り出され、各フラップ 84 の接着部分を鼻梁部分 70 の下に接着させることができる結果、フラップを所定の場所に固定させることができる。フラップ 80 はさらに折り曲げやすいようにミシン目 86 を含んでいる。
【0012】
前述のように、1対のフラップ 80 は支点をさらに追加する。その結果、フラップ 80 を折り曲げたとき、鼻梁のいずれかの側に位置する線 82 に沿った端部が形成される。線 82 に沿った各端部分は鼻梁以外の支点として作用する結果、本発明の支点の数と力学的な持ち上げ機能が増加する。さらに、折り曲げたとき鼻梁のためのクッション部分を提供し、鼻梁部分 70 の底面の粘着性の物質 40 をカバーする。そのため、数時間適用した後に取り除いたとき、フラップにより形成された障壁のせいで接着部分が鼻梁に接着していないため、鼻梁の皮膚組織への不快感が大きく減少するか解消される。
本発明 10 の材料層を図8に示す。先と同様に、材料層はシリコンの被膜を施した遊離ライナー30、表皮持ち上げ機構 10 を鼻に接着させるための接着システム 40、第1バネラミネート 22、第2バネラミネート 24、および最上層の材料 50 からなる。
【0013】
本発明 10 の別の実施例を図9から図 14 までに示す。図9では、ポッド 60 の形状は円形ではなく四角形を示している。図 10 では、馬蹄形のカット 64 がなくなり、スリット 66 および 66A が加えられている。この実施例では、フラップ 80 が折り曲げられないとき、スリット 66A が力学的に引き剥がしを剪断へ変える結果、所定の表皮領域への接着力が大いに増強される。そのうえ本実施例では、本発明 10 を部分13 および 15 に分けるため、線 100 に沿ってカットすることができる。この場合、部分 13 は廃棄し、部分 15 を人体の鼻の片方だけの拡張装置として使用することができる。さらに、部分 15 を2つ併用して人体の鼻のいずれかの側に適用することにより、各鼻孔を別々に拡張させることもできる。さらに、本実施例は図3および図 18 に示すように、異なる長さのバネ 24 および 22 を含む。線 83 および 83A に示すように、バネの端はバネ 24 および 22 が元の位置に戻ろうとする力によって生じる主な持ち上げ力を提供する。したがって、バネ24 とバネ 22 の力学的関係により、バネの端 83 と 83A に加わる持ち上げ力が増強されることになる。
【0014】
図 11 に示す実施例は、スリット 66 および2つの部分からなるポッド 60 をさらに含んでいる。ポッド 60 はポッドの上半分 68 とポッドの下半分 69 を有する。ポッドの半分 68 および 69 並びにスリット66 は、使用者の鼻表面のポッド 60 の可撓性を大いに高める。
図 12 に示す実施例は、鼻梁部分 70 が拡大されている以外は図 10 に示すものと類似している。図 13 の実施例は、広い鼻梁部分 70 と四角形のポッド 60 を含む。ポッド 60 の外側付近には別のスリット 67 がある。このスリット 67 は、ポッド 60 に引き剥がし力(適用された表皮からポッド 60 を引き剥がそうとする力)の代わりに剪断力(適用された表皮に対しポッド 60 を横方向にずらそうとする力)が加わるように、力の方向を変えるために設けたものである。
図 14 に示す実施例は、同じ表皮持ち上げ機構 10 に異なるポッド 60 形状を用いることができる原理を実証している。左側に示したポッド 60 は鼻の側面への接着を良くするため斜めになった側を持つ。
【0015】
図 15 から図 17 までは、本発明 10 が使用者の鼻に利用されているところを示している。図 15 は、表皮持ち上げ機構 10 が鼻梁上に好適に配置されているところを示しているが、図 16 では、表皮持ち上げ機構 10 が鼻の高すぎる位置に配置されており、図 17 では低すぎる位置へ配置されている。しかし、図 16 および図17 に示した位置は好適ではないにもかかわらず機能的である。その理由は、本発明 10 の構造により使用者は本発明 10 を比較的広い表皮領域に利用できるため、本発明の有効性が大いに増強されるからである。本発明は、一般に図 15 から図17 に示した全ての位置において効果的に作用する。
あるいは、本発明 10 は鼻孔を通しての空気の流量を増やす方法として説明することができる。この方法は、遊離ライナー30 を取り除いたあと、本発明 10 を使用者の快適度に応じて図 15 に示すようにまたは図 16 や図 17 に示すように配置するステップからなる。
【0016】
図 19 は、本発明 10 の別の実施例の上平面図であり、端 111 および 112 を有する弾性の中央部 110 を有することが示され得る。端 111 および 112 はポッド部分 60 に連結されている。本実施例は弾性部 110 を除いてバネ機構を全く含んでいない。弾性部 110 がバネ機構に代わっている。弾性部分 110 の復元力により、弾性の部材が収縮するとき、2つの鼻ポッド 60 が近くに引き寄せられる。もしこれが鼻梁のような支点上で行われる場合、鼻孔を拡張させる結果になり、図 26 に示すように鼻孔拡張装置として使用することができる。
【0017】
さらに、図 19 の機構は、創傷または切開 17 を閉じておくため図 24 および図25 に示すようにも使用され得る。図 24 は治癒の補助を目的とした場合、図 25 は縫合の補助を目的とした場合を示す。ポッド 60 を創傷のいずれかの側の表皮に接着させ、弾性の部材 110 を創傷を横切って引き伸ばすと、弾性の部材 110 が収縮して2つのポッド 60 が互いの方向へ引き寄せられる結果、創傷が効果的に閉じられる。さらに、この方法で創傷を閉じると、手術者または医師の両手が自由になり、創傷または切開 17 に沿って縫合 115 を行うことができる。この方法は、創傷または切開が大きい場合に特に有用である。
図 19 に示す本発明の実施例について、U形の切り込み 64 が図示されていることに留意されたい。先と同様に、これらの切り込みはどのような形状でもかまわないが、U形が好適である。しかし、図 19 に開示した実施例は、これらのU形カットまたは切り込み 64 がなくても機能する。
【0018】
図 20 は、鼻孔拡張装置として用いるための本発明の別の実施例を示している。本実施例において、図 20 には示されていないが、図 18 に示すバネが含まれている。この実施例は図 10 の実施例と同様な様式で機能するが、本発明の鼻孔拡張装置が人体の鼻 19 の片側のみに適用できることを図示しただけである。
図 21 は、本発明の別の実施例の上平面図を示すもので、部材 110 の端 112 でポッド 60 に連結し、もう1方の端 111 でアンカー120 に連結している弾性の部材 110 を図示している。アンカー120 には、ポッド 60 に付与されている粘着性の物質と同様な様式で粘着性の物質が付与されている。図 21 に示す本発明 10 の実施例は、図 23 に示すように、手術または洗浄の目的で切開または創傷を開いておくため、または図 22 に示すように、人体の鼻の片側だけに適用するための鼻孔拡張装置として使用される。
図 22 は、ポッド 60 が人体の鼻の側面 19 に適用されたところを示しているが、弾性の部材 110 が引っ張られて、アンカー120 が人体の顔の側面 19A に適用されているのがわかる。そのため、弾性の部材 110 は収縮し、ポッド 60 とアンカー120 を互いの方向へ引き寄せようとする。しかしアンカー120 は、ほとんど動かない人体の顔の表皮領域に配置されているため、動きの大部分はポッド 60 で起こることになり、ポッドが貼付されている表皮領域を外方向へ引っ張る結果、鼻孔が拡張されることになる。
図 23 は、図 21 に開示された実施例の作用により、切開 17 が開かれた状態に保たれていることを示している。アンカー120 を実質的に静止した表皮領域に適用したあと、弾性の部材 110 を引っ張り、ポッド 60 を創傷または切開のいずれかの側に配置して、創傷または切開を開いた状態に保持する。こうすることで切開部を通して創傷を洗浄し得、または手術を行い得るとともに、医師の両手も自由になる。
図 21 に示した本発明 10 の実施例で、U形のカット 64 が開示されていることに留意されたい。これらのU形のカットは好適であるが、本発明の実用化に必要だとは考えられていない。
【0019】
図 28、図 29 および図 30 を参照する。図28 は鼻 19 および鼻孔 119 の断面図である。図 28 の鼻孔は開かれているが、鼻孔拡張装置は使用されていない。図 29 は同じ断面図を示しているが、鼻孔 119 を通じての空気の流れが比較的に少ない状態における鼻 19 および、特に鼻孔 119 が示されている。図 30 は、本発明 10 の鼻孔拡張装置が用いられている断面図を示している。ここでは、鼻 19 の鼻孔119 は著しく拡張されて保持され、鼻孔 119 を通した空気の流れが増加している。
【0020】
明らかに、図 19 および図 21 に示した別の実施例もまた上記に開示された方法に従って実用化することが可能である。特に、図 19 の実施例は前述した構造を使用した方法として具体化できるが、この場合、図 19 に開示した実施例が適用できる。それにはまず、鼻ポッド部分 60 の1つを創傷 17 の一方側に貼付し、創傷 17 の上を通って弾性の部材 110 を引っ張り、次にもう1つの鼻ポッド部分 60 を創傷または切開 17 のもう一方側または反対側に貼付する。これにより創傷または切開 17 は閉じた状態に保持される。さらに、創傷または切開 17 に隣接した弾性の部材 110 の表面の一部に医薬を付与できるため、創傷の治癒を補助できることに留意されたい。そのような医薬として、クロム酸亜鉛またはアルギン酸カルシウム若しくはアルギン酸ナトリウムなどの化合物が挙げられる。
あるいは、図 21 の実施例は、引っ張りたいか、または持ち上げたい表皮の領域にポッド 60 を貼付する方法としても利用され得る。この表皮領域は、切開または創傷 17 のすぐ隣でもまたは人体の鼻 19 の側面の表皮でもよい。弾性の部材110 を引っ張り、アンカー部分 120 の接着面を比較的に静止した表皮領域に適用する。すると、弾性の部材 110 は収縮するため、その接着面を介してポッド 60 を接着した皮膚を持ち上げるか引っ張るか引き上げる結果になる。
【0021】
あるいは、図 31、図 32 および図 33 に示すように、本発明の機構は、弾性または伸縮性の材料 110 を介して連結されていて、且つ接着面 121 を含むアンカー/持ち上げ部分 120 を有する表皮持ち上げ機構として説明することができる。アンカー/持ち上げ部分120 は、適用する領域に応じて、各部分 120 がアンカー部分 120 として作用したり、または持ち上げ部分 120 として作用するようになっている。アンカー/持ち上げ部分 120 には、複数個の所定の形状(例:図 31〜図 33 に示すU形)の切り込みまたはカット 64 が設けられているため、各アンカー/持ち上げ部分 120 を複数個の接着領域 121a および 121b に分割する。アンカー/持ち上げ部分 120 を複数個の接着領域 121 に分割することにより、第1アンカー/持ち上げ部分 123 を所望される表皮位置に適用したあと、第1アンカー/持ち上げ部分 120 の第1の所定の部分 121c を剥ぎ取り、そして複数個のカットまたは切り込み 64 のために所定の形状を持つ第2の所定の部分 121d を表皮領域に残しておくといったように、アンカー/持ち上げ部分の接着領域 121 を分けることが可能になる。次いで、弾性材料 110 を介して第1のアンカー/持ち上げ部分123 に連結されている第2アンカー/持ち上げ部分 125 を、弾性材料 110 を必要量だけ引き伸ばすようにして第2の所定のまたは所望する表皮位置に適用する。第2アンカー/持ち上げ部分 125 が第1のアンカー/持ち上げ部分 123 に実質的に類似していれば、それを剥離し、そして複数個のカットまたは切り込み 64 のせいで所定の形状を有する第2の所定の部分 121d を、表皮領域に残したままにしておくといったように、表皮に適用し得る。したがって、第1および第2の所定の部分 123 および 125 は、別々のアンカー点および持ち上げ点として作用するか、または別々のアンカー点または持ち上げ点として作用し得、また弾性材料 110 は単に点 123 と点 125 の間に張力を与えるために用いられ得、または2点間に横たわる表皮に薬剤などの材料を付与するために用いられ得、または張力を与えて2点間に材料を付与するといったように用いられ得る。この別の実施例の目的は、本デザインを用いて作り出される多数の剪断点 200 を利用することにより、アンカー/持ち上げ部分 120 が好適な領域に正しく接着されるよう、好適な表皮位置に対する本実施例の接着力を増強させることである。
【0022】
図 35 および図 36 は、本発明の別の実施例を示している。包帯構造 300 は、アンカー部分 301 および 303 が多数の層またはラミネート材料 302 からなり、中央部の第2部 325 はラテックス・ゴム 321 からなる。ラミネート材料は TYVEC の商標の材料からなる上表面 315 を含み、下表面 319 も同じ材料からなるが、低刺激性のアクリル粘着性の物質 327 で被膜が施され、シリコンの遊離ライナーで被われている。アンカー部分 301 および 303 は、表皮 11 に接着させるための粘着性の下層 311 を持つ。ラミネート材料 302 は、ラテックス・ゴム 321 の縁部 317 と係合されている溝またはスリット 313 を持つ。縁部 317 は穴 304 を含み、また溝313 は下 319 から上 315 まで穴 304 を通して広がる粘着性の物質 327 を含む。これにより、栓のように作用する一連の粘着性の穴 304 が作り出される。この栓作用は穴 304 を通して広がっていて、ラテックス材料 321 が溝 313 に効果的にロックされ、引っ張られたときの張力によっても容易に離れないように、上層315 と下層 319 を効果的に結合させ、非弾性の材料TYVEC を共に保持している。したがって、縁部 317 はロック部 317a によりアンカー部 301 および 303 に固定されている。
【0023】
図 35 および図 36 についてもう少し説明すると、中央部分 325 は TYVEC の商標の材料を含み得、部分 323 を固定させていることを理解し得る。この部分 323 は、粘着性の物質 327 を含んだラテックス 321 内で、穴 316 を介してガーゼパッド314 に接合されている。粘着性の物質 327 は、パッド 314 から固定部分 323 まで、栓のような作用をしながら広がっている。これにより、ラテックス 321 によってアンカー部分 301 と 303 の間に懸垂された帯具または包帯構造が作り出される。さらに、図 51 および図 52 に示すように、TYVEC の最上層 323 の形状は四角形である必要はなく、たとえば円形などどのような形状でもかまわない。本実施例が、創傷にまたは表皮の所定の他の領域 11 に適用されるとき、ラテックス材料 321 は2つのアンカー部分 301 と 303 の間で引っ張られるため、ラテックス 321 は板バネのように作用し、パッド 314 を通して下方に確実な圧力を印加する。その結果、本装置 300 が適用される創傷は正の圧力を受ける。救急処置では創傷に加えられる圧力が出血を減少させることは公知である。それゆえに、本発明は効果的な帯具を提供すると同時に、創傷からの出血を効果的に制限する。さらに、下方へかかる正の圧力により、表皮 11 の周囲の動きにもかかわらず、パッド 314 を創傷または所定の領域に効果的に接触させておける。
【0024】
図 35 および図 36 についてさらに述べると、本発明が商業に利用される場合、使用前に包帯構造 300 を比較的に硬質の状態に保持するための材料を提供することが望ましいと現在考えられていることを図示するため、固定用の細長片 310 を含めたことに留意されたい。細長片 310 は、使用前に材料 302 をミシン目 308 に沿って切り取って除去する。細長片 310 は、ギャップ 318 によってラテックス321 から離されている。また図 36 は、本包帯構造 300 が適用されるとき、ラテックス 321 全体に一様な圧力が印加されるようにするため、ひずみを軽減すると思われるカーブ 320 を示している。
穴 312(図 37 および図 38 にも示している)にも留意されたい。穴 312 はラテックス 321 の張力調整部分 412 に配置されている。穴 312 が何個あるか、または穴がまったくないか次第で、ラテックス 321 に加わる張力は異なる。さらに、包帯構造 300 を適用するためにラテックス 321 の張力調整部 412 が引き伸ばされるに従って、穴 312 はゆがむ。引張り力が強くなればなるほど、ラテックス部分 321 に印加される張力は大きくなる。その結果、本明細書中に開示した包帯構造を利用するとき、ラテックス部分 321 に加わる張力を視覚的に観察され得る。これにより、包帯 300 またはひと続きの包帯 300 の利用者は、ラテックス 321 を引っ張ることによって生じる圧力が、比較的に一定に保たれるような方法で包帯 300 を適用することができる。あるいは、この包帯により、利用者は好適な治療領域全体にさまざまな圧力を加える包帯 300 を適用することが可能になる。
図 37 および図 38 は、図 35 および図 36 に示した別の実施例であり、ここでは弾性部 322 だけが残され、パッド 314 および非弾性体の材料 323 は組み込まれていないことがわかる。
【0025】
図 41 および図 42 ならびに図 45 および図 46 は、本発明の別の実施例を示している。この実施例は、さらに2つのアンカー部分 305 および 307 が加えられている以外は、図 35 および図 36 に開示したものと実質的に同じ構造である。また、固定部分 323 は四角形ではなく円形の形状を有している。パッド 314 は前述のように固定部分に結合されている。図 40 および図 41 は、張力調整部分412 が同量の張力を全体に加える必要がないこと、または全体が同様に引っ張られる必要がないことを示している。さらに、アンカー部分 301、303、305 および 307 は、互いに相対的に動かせられる一方、中央部分 325 は、好適な治療領域上にその位置を保持しておける。その結果、本発明がひじ、ひざ、手といった動きに供される人体領域に適合される場合、中央部分 325 はその位置を創傷上にまたは処置を所望する領域上に保持することができる。
【0026】
図 39 および図 40 は、別の実施例を示している。この実施例では、穴 312 は任意であり、本発明の具体化に必要な構造体ではないことを図示するため、穴 312 は消去されている。
さらに、図 40 に開示する固定部分は、図 82 に見られるように、TYVEC の商標の材料の最上層 323、接着層 327、穴 304 を有するラテックス層 321、および軟膏 390 が付与されているパッド 314 で構成されている。パッド 314 は、粘着性の物質 327 を介して材料 323 に結合されていて、この粘着性の物質は穴 304 を通してラテックス 321 中に広がっている。
図 39 に開示される固定部分は、図 81 に見られるように、TYVEC の商標の材料の最上層 323、接着層 327、穴 304 を有するラテックス層 321、およびパッド 314 で構成されている。パッド 314 は、粘着性の物質 327 を介して材料 323 に結合されていて、この粘着性の物質は穴 304 を通してラテックス 321 中に広がっている。
【0027】
図 43 および図 44 は、本発明の別の実施例を示している。この実施例も、4つのアンカー部が各々のロック部 317a により結合されていることを図示している。この実施例では、アンカー部分 301、303、305、および 307 の間にラテックス材料 321 だけが広がっている。ラテックス材料 321 にはカーブ 330 が設けられ、材料が一様に伸びるようになっている。またミシン目 308 は、包帯 300 の使用前にアンカー部分 301、303、305、および 307 を相互につないでおくために提供されている。ミシン目は本実施例の包帯 300 を使用したいときに切り離される。
図 47 および図 48 について述べると、包帯 300 のラテックス部分 321 が、複数の方向に伸ばされまたは延長されていることを再び示している。これにより、さまざまな表面に多角的に利用することができる。
【0028】
図 49 および図 50 は、本発明の別の実施例を開示している。ここでは穴 312 が、本明細書中に開示された発明の原理から逸脱することなく、必要に応じて張力調整部分 312a から消去され得ることを示している。
図 53 は、本発明の非常に簡単な装置を示している。この実施例では、包帯 300 は2つの端を持つ1片のラテックス 321 からなり、2つの端には接着剤を用いてアンカー301 および 303 がそれぞれ取付けられている。ラテックス 321 の端は、単に層 315 と319 との間に挟持されている。図示されるように1片の硬化材323 がラテックス 321 の中間部分の全体に接着されていて、且つパッド 314 は図のようにラテックス 321 の下側に接着されている。各アンカー部分 301 および 303 の下側には、粘着性の物質 327 が付与されている。
図 54 は、包帯 300 全体に一連の穴 383 を開けた図 53 の実施例を示している。穴 383 が開けられた材料に応じて穴の機能は異なる。ラテックス 321 に開けられた穴 312 は、ラテックスの弾力性を変化させるように作用する。穴 383a は応力点を作り出すため、包帯 300 をそのアンカー301 と 303 の間に真っ直ぐに位置合わせした状態に保ちやすくなる。穴 383b は、治療部位が空気にさらされるようにするためである。
【0029】
図 55、図 56、図 57、図 58、図 59および図 60 は、図 37 および図 38 に開示した実施例に類似した包帯 300 の別の実施例を示している。この実施例では、ラテックス部分 321 全体が本質的に、穴 312 を有する張力調整部分 412 で構成されている。アンカー301 および 303 は前述のように機能する。図 55 のラテックス 321は、図 53 に示したように保持されている一方、図 56 のラテックス 321 は、図35 および図 36 に関して説明したように、穴 304 を通して広がっている粘着性の物質 327 によって所定の位置に保持されている。図 57 から図 60 は、図 57 に示すように、この実施例を切開 17 の上に配置して、ステッチ 17a で縫合するためのガイドとして活用できること、または図 58 に示すように、これらの実施例を切開 17 のいずれかの側に配置して切開を開いたままにしておくために利用できること、または図 59 に示すように、穴 312 は静脈注射用の管 307 を固定させるために利用できること、または図 60 に示すように、包帯 300 を単に使用して、ステッチ 17a の縫合に頼ることなく切開 17 を閉じたままにしておくことができることを示している。
【0030】
図 61 から図 66 および、図 70 から図 76 は、包帯 300 の別の多様なデザインを示している。開示した包帯 300 のすべては前述の包帯と同じ原理で作動するが、これらの包帯 300 は、本文に説明する発明から逸脱することがないかぎり、ラテックス 321 の形状および穴 312 をさまざまに変化させてもかまわないことを説明するために示したものである。また、パッド 314 および材料 323 もそのサイズと形状をさまざまに変化させることができることを示している。さらに、ラテックス 321 全体に張力を一様に分布させるため、半径またはアーチ形の部分 330 の形状をさまざまに変化させることができる。
図 67 から図 69 は本発明のもう1つの実施例を示している。この実施例では、ラテックス 321 は材料 323 からなる輪部分 347 を含んでいる。輪部分 347 に結合されているのはラテックス 321 および医療用に適したタイプの透明なウレタン材料 345 である。希望する適用に従って、空気を通す適切な材料など別の材料を使用することもできる。図 68 に示すように、輪部分 347 はTYVEC ブランドの材料層 323、接着層 327、穴 304 と同じように機能する穴 316 を持つラテックス層321、もう1つの接着層 327、もう1つの TYVEC ブランド層 323、透明材料 345、そしてコロイド粘着性の物質 349 からなる。この構造は、希望する領域の上に安定したスペース 351 を作り出すとともに、コロイド 349 がその領域を隔離し、スペース 351 の下で表皮 11 が伸びることを防止する。これは創傷または希望する領域が隔離された環境に保たれるためである。この隔離環境は材料 345 を通して観察できる。コロイド 349 および材料 345 は、創傷を外部の感染源から隔離させることが可能である。
【0031】
図 85 および図 86 は、本発明の別のデザインを示している。この実施例では、中央部分は普通、包帯の用途に使用される空気を通すタイプの膜 372 で出来ている。ミシン目 308 により、包帯を分割して、複数のアンカー部分 301 を形成することができる。膜 372 の引裂きを防止するため、構成部分 372 に穴 373 を設けている。また前述したロック部分 317a も備えている。図 78 および図 79 の横断構成は、材料 323 の最上層、接着剤 327、穴 304 を含むラテックス321、接着剤327、材料 323、空気を通す膜 372、接着剤 327 およびコロイド粘着性の物質 349 を含んでいることが観察される。包帯 300 は表皮 11 の希望領域をカバーすることができ、またその領域を外部の汚染から実質的に隔離することができる。
【0032】
図 83、図 84 および図 77 は、空気を通す膜 372 が除去されて穴 370 しか存在しない以外は、図 85 および図 86 並びに図 78 および図 79 に示したものと同じ構造を示している。この包帯 300 は、表皮の創傷または火傷領域が空気にさらされることが望ましい場合に利用できると思われる。ラテックス 321 のバネ作用によって、穴 370 内の創傷または火傷を取り囲む表皮領域に圧力が加えるられるため、創傷または火傷を持ち上げる結果になり、創傷または火傷が最大限に空気にさらされるものと思われる。
図 80 は図 78 に開示した構造に類似した別の実施例であるが、異なっているのは、空気を通す膜372 が、IVタイプの液体を保持するために一般に使用されるウレタンのようなシールされた膜 399 と置き換えられている点である。この膜 399 を通して延長しているのは注入口と排出口である。この包帯 300 は、創傷を外部の汚染からシールするのに使用できる一方、創傷の洗浄、薬剤の付与、または組織検体の採取にも使用することが可能である。
図 87 および図 88 は、再シール可能なクロージャ 380 を示している別の実施例である。クロージャまたはジッパー380 は包帯を二分してもよいし、または包帯 300 の一部分にのみ延伸してもよい。クロージャ 380 は、帯具を取り除いて再び貼る必要なく創傷または火傷にアクセスできるように設けたものである。
図 89 から図 93 は本文に説明した包帯 300 を人体に対してさまざまに適用している図を示している。
【0033】
これまで述べたことは本発明の原理を説明しただけである。本技術の熟練者によってさらに多くの変更や変化が容易に案出されると思われるため、本発明をここに図示し説明したものとまったく同様の構造および操作に限定するのは望ましくない。以上好適な実施例を説明してきたが、請求の範囲で規定される本発明から逸脱しない限り、詳細については変更してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来技術による鼻用細長片の上平面図である。
【図1A】本発明のフラップを含めた図1の従来技術による鼻用細長片の平面図である。
【図2】弛緩状態の多層バネの側面図である。
【図3】支点上で緊張している多層バネの側面図である。
【図4】層になった部材を示している表皮持ち上げ機構の側面図である。
【図5】表皮持ち上げ機構の概略的側面図である。ここで矢印は剪断力および引き剥がし力を表す。
【図6】表皮持ち上げ機構の端部分の上平面図である。
【図7】表皮持ち上げ機構の下平面図である。
【図8】表皮持ち上げ機構の主な層を表わす側面図である。
【図9】表皮持ち上げ機構の別の実施例の上平面図である。
【図10】表皮持ち上げ機構の別の実施例の上平面図である。
【図11】表皮持ち上げ機構の別の実施例の上平面図である。
【図12】表皮持ち上げ機構の別の実施例の上平面図である。
【図13】表皮持ち上げ機構の別の実施例の上平面図である。
【図14】表皮持ち上げ機構の別の実施例の上平面図である。
【図15】鼻梁上に正しく配置された表皮持ち上げ機構を示す側面図である。
【図16】鼻梁上の高い位置に間違って配置された表皮持ち上げ機構を示す側面図である。
【図17】鼻梁上の低い位置に間違って配置された表皮持ち上げ機構を示す側面図である。
【図18】本発明の好適な実施例の分解図である。
【図19】弾性の細長片を含めた本発明の好適な実施例の上平面図である。
【図20】人体の鼻の片側だけ用に、または表皮層の所定の部分を持ち上げるために利用できる実施例を示す本発明の別の実施例の上平面図である。
【図21】ポッドに連結されている第1端と人体または動物の表皮の選択部位へ適用するためのアンカー機構に連結されている第2端とを有する、弾性の部材を示す本発明の別の実施例の上平面図である。
【図22】アンカー機構が人体の頬に適用され、ポッドが人体の鼻の側面に適用されている図21の実施例を示す側面図である。例えば、アンカー機構は、人体の頬に適用され得、ポッドが鼻孔の穴を拡張するために人体の鼻表皮に応用される。
【図23】切開を開いておくために使用されている図21の実施例を示す上平面図である。
【図24】切開を閉じておくために使用されている図21の実施例を示す上平面図である。
【図25】切開の縫合を補助する目的で、切開の両端を正しく揃えて切開を閉じておくために使用されている図19の実施例を示す上平面図である。
【図26】図21または図19のいずれかが、呼吸量を増やすための鼻孔拡張装置として人体の鼻に使用されている実施例を示す側面図である。図19の実施例が図21の実施例に比べて好適だと思われるが、この目的にはいずれも使用することができる。
【図27】一般的な人体の鼻を示している透視図である。
【図28】鼻孔拡張装置を付けていない鼻を示した図27の鼻の断面図である。
【図29】鼻孔を通しての空気の流量が比較的に少ない状態の鼻を示した図27の鼻の断面図である。
【図30】本発明の鼻孔拡張装置を適用している図27の鼻の断面図で、鼻孔を通して相当な量の空気の流れがあることを示している。
【図31】本発明の別の実施例の上平面図である。
【図32】本発明の別の実施例の上平面図であって、本実施例が製造され、剥離され粘着性の物質部分が露出されている領域を示し、続いて後方に曲げられ、図33に示すように適用された図を示している。
【図33】表皮の表面に適用されている図32に示した実施例の上平面図で、剪断力が加わる点、粘着性の物質、そして弾性または伸縮性の材料を示している。
【図34】図19に示した実施例を別の構造にした上平面図である。
【図35】本発明の別の構造の透視図である。
【図36】図35に開示した実施例の上平面図である。
【図37】本発明の別の構造の透視図である。
【図38】図37に開示された実施例の上平面図である。
【図39】本発明の別の実施例を示す透視図である。
【図40】図39に開示した実施例の上平面図である。
【図41】本発明の別の実施例を示す透視図で、実施態様の図を2つ重ねることにより、本発明の実施例を示している。透視線はラテックス部分が引き伸ばされていない休止状態の実施例を示し、実線はラテックス部分が引き伸ばされ、一様でない張力がさまざまなアンカー部分にかかっているにもかかわらず、中央または第2部分が治療部位上にその位置を維持している図を示している。
【図42】図41に示した実施例の上平面図であり、中央部に印加された応力または圧力を調整するため、第2中央部分の配置方法やアンカー部分のさまざまな配置方法を示している。
【図43】本発明の別の実施例を示す透視図である。
【図44】図43に開示した実施例の上平面図である。
【図45】本発明の別の構造の透視図である。
【図46】図45に開示した実施例の上平面図である。
【図47】本発明の特定の実施例において、力が2つの方向にどのように分配され得るかを示す上平面図である。
【図48】本発明の特定の実施例において、力が4つの方向にどのように分配され得るかを示す上平面図である。
【図49】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図50】図49に開示した構造の上平面図である。
【図51】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図52】図51に開示した構造の上平面図である。
【図53】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図54】図53に開示した構造の別の実施例を示す上平面図である。
【図55】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図56】図55に示した別の構造の別の実施例を示す上平面図である。
【図57】創傷の上に適用され、創傷縫合用の補助具として作用している図55に開示された構造体を示す上平面図である。
【図58】図55に開示された2つの構造が創傷を開いておくために使用されているところを示す上平面図である。
【図59】静脈注射用の管を導き、且つ該管を所定の位置に保持するために使用されている図55に開示された構造を示す透視図である。
【図60】創傷または切開の縁を共に保持している図55に開示された構造を示す上平面図である。
【図61】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図62】図61に開示された構造の上平面図である。
【図63】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図64】図63に開示された構造の上平面図である。
【図65】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図66】図65に開示された構造の上平面図である。
【図67】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図68】図69の実線68−68で切断した断面図である。
【図69】図67に開示された構造の上平面図である。
【図70】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図71】図70に開示された構造の上平面図である。
【図72】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図73】図74に開示された構造の上平面図である。
【図74】本発明の別の構造を示す上平面図である。
【図75】本発明の別の構造を示す透視図である。
【図76】図75に開示された構造の上平面図である。
【図77】図84の点線77−77で切断した断面図である。
【図78】図86の実線78−78で切断した断面図である。
【図79】図86の実線79−79で切断した断面図である。
【図80】創傷を洗浄するため、または所定の領域に薬剤を付与するために使用し得る注入口と排出口の使用を示す図86に開示された構造の断面図である。
【図81】図39の実線81−81で切断した断面図である。
【図82】図40の実線82−82で切断した断面図である。
【図83】本発明の別の構造を示す上平面図である。
【図84】図83に開示された本発明の別の構造を示す透視図である。
【図85】本発明の別の構造を示す上平面図である。
【図86】図85に開示された本発明の別の構造を示す透視図である。
【図87】本発明の別の実施例を示す上平面図である。
【図88】本発明の別の実施例を示す上平面図である。
【図89】図70に開示された実施例が、激しい動きに供される人体の領域にどのように使用できるかを示す図である。
【図90】本発明の別の実施例が激しい動きに供される人体の領域にどのように使用できるかを示す図である。
【図91】本発明の別の実施例が鼻孔拡張装置としてどのように使用され得るかを示す図である。
【図92】図91に示した本発明の別の実施例が鼻孔拡張装置として使用され得る別の方法を示している。
【図93】図91に示した実施例が皮膚の垂れた部分(この例では人体の耳)を保持しておくため、どのように使用され得るかを示している。これは、皮膚の重なりや垂れた部分で治療領域へのアクセスが邪魔され、そこでの作業が難しかったり厄介なとき、その領域への容易なアクセスが望ましい場合に役に立つ。
【符号の説明】
【0035】
10 鼻表皮持ち上げ機構
20、22、24 バネ材
40 接着層
50 最上層の材料
60 ポッド
66、66A スリット
70 鼻梁部分
80 フラップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表皮表面への適用に使用するための表皮持ち上げ機構であって、該表皮持ち上げ機構は、
所定の形状の第1端部分と、所定の形状の第2端部分、および該第1端部分を該第2端部分に連結する中間部分を有する細長材料であって、
該第1端部分と該第2端部分のそれぞれが粘着性の物質を含む面を有し、
該第1端部分と該第2端部分の少なくとも1つの面が、その部分を貫いて延伸している複数個のスリット構造をさらに含み、
該面が周囲縁部構造を含み、
該スリット構造が実質的に該周囲縁部構造の所定の部分内に位置される、材料の細長片を含む、表皮持ち上げ機構。
【請求項2】
表皮を位置付ける表皮位置づけ機構であって、
第1端片と第2端片とに連結される弾性材料であって、
該第1端片と該第2端片のそれぞれが粘着性の材料を含む少なくとも1つの面を有する、弾性材料を含む、表皮位置づけ機構。
【請求項3】
前記第1および第2端片の少なくとも1つの端片が第1面と第2面と有し、
前記粘着性の材料が該第1面に位置され、
第1面が所定の形状を有する複数個のスリットをさらに含む、請求項2に記載の表皮位置づけ機構。
【請求項4】
前記スリットの所定の形状がU形状である、請求項3に記載の表皮位置づけ機構。
【請求項5】
前記第1および第2端片の少なくとも1つの端片がアンカー機構である、請求項2に記載の表皮位置づけ機構。
【請求項6】
前記第2端片が持ち上げ端片である、請求項2に記載の表皮位置づけ機構。
【請求項7】
前記弾性材料がその表面に医薬を有する少なくとも1つの面を有する、請求項2に記載の表皮位置付け機構。
【請求項8】
少なくとも第1端および第2端を有する帯具構造と、
該第1端に連結される第1の弾性材料および、該帯具構造の該第2端に連結される第2の弾性材料と、
該第1の弾性材料の少なくとも一部分に連結される第1アンカー構造および、該第2の弾性材料の少なくとも一部分に連結される第2アンカー構造とを含む、表皮位置付け機構。
【請求項9】
前記第1アンカー構造および前記第2アンカー構造の各々が、各々の所定の位置で、前記第1および前記第2の弾性材料にそれぞれ連結される端片を含み、
該端片がその上に粘着性の物質を含む、請求項8に記載の表皮位置付け機構。
【請求項10】
前記帯具構造がその上に医薬を有する少なくとも1つの面を含む、請求項8に記載の表皮位置付け機構。
【請求項11】
前記医薬はクロム酸亜鉛を含む、請求項10に記載の表皮位置付け機構。
【請求項12】
前記医薬はハイドロコロイド材料に染み込ませたクロム酸亜鉛を含む、請求項10に記載の表皮位置付け機構。
【請求項13】
前記医薬はアルギン酸塩を含む、請求項10に記載の表皮位置付け機構。
【請求項14】
前記アルギン酸塩はアルギン酸カルシウムおよびアルギン酸ナトリウムからなる群のうちの1つを含む、請求項13に記載の表皮位置付け機構。
【請求項15】
第1部と第2部分および第3部分を有する包帯機構であって、該第1部は該第2部に連結され且つ該第2部は該第3部に連結され、該第2部は弾性材料を含み、該第1部と該第3部のそれぞれが第1面を有し、該第1面の所定の部分がその表面上に粘着剤を含む、包帯機構。
【請求項16】
前記第2部が複数個の穴を有する、請求項15に記載の包帯機構。
【請求項17】
前記穴が所定のサイズである、請求項16に記載の包帯機構。
【請求項18】
前記穴が所定の形状である、請求項16に記載の包帯機構。
【請求項19】
前記所定の形状の穴が、所定の様式で互いに対して空間的に構成される、請求項18に記載の包帯機構。
【請求項20】
前記第2部が第1周縁部および第2周縁部を有し、前記第1部が該第1周縁部において該第2部に組み込まれ、前記第3部が該第2周縁部において該第2部に組み込まれる、請求項15に記載の包帯機構。
【請求項21】
前記第1部および前記第3部がラミネート材料であり、該ラミネート材料が第1層と第2中間層および第3層からなり、該第3層が前記第1面を含む、請求項15に記載の包帯機構。
【請求項22】
前記第2部が第1周縁部および第2周縁部を含み、前記第1部が該第1周縁部を受けるために前記第1部の前記第1層と前記第3層との間に位置する第1溝を含み、該第2部が該第2周縁部を受けるために該第2部の該第1層と該第3層との間に位置する第2溝を含み、前記第2中間層が粘着性の材料からなり、該第1周縁部と該第2周縁部がそれぞれ少なくとも1つの穴を含み、該第1周縁部が第1溝で該第2中間層に係合し且つ該第1周縁部の穴を通して該粘着性の材料が広がっており、そして、該第2周縁部が第2溝で該第2中間層に係合し且つ第2縁部の穴を通して粘着性の物質が広がっている、請求項21に記載の包帯機構。
【請求項23】
前記第1部の前記第1および第3層並びに前記第3部の前記第1および第3層が非弾性材料を含む、請求項22に記載の包帯機構。
【請求項24】
前記非弾性材料がポリエステルである、請求項23に記載の包帯機構。
【請求項25】
第1部と第2部および第3部を有する包帯機構であって、該第1部が該第2部に連結され且つ該第2部が該第3部に連結され、該第1部および該第3部が弾性材料を含み、該第1部および該第3部がそれぞれ第1面を有し、該第1面の所定の部分がその表面に粘着剤を有する、包帯機構。
【請求項26】
前記第2部が少なくとも1つの穴を含む、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項27】
前記穴が所定のサイズである、請求項26に記載の包帯機構。
【請求項28】
前記第1部および前記第3部がそれぞれ所定の形状を含む少なくとも1つの穴を含む、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項29】
前記所定の形状の穴が所定の様式で互いに対して空間的に構成されている、請求項28に記載の包帯機構。
【請求項30】
前記第2部が少なくとも1つの周縁部を含み、前記第1部が該周縁部において該第2部に組み込まれ、該第3部が該周縁部で第2部に組み込まれる、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項31】
前記第2部が少なくとも第1層と第2中間層および第3層を含むラミネート材料であり、該第3層が前記第1面を含む、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項32】
前記第1部および前記第3部が第1部周縁部および第3部周縁部を含み、前記第2部が該周縁部を受けるため該第2部の該第1層と該第3層との間に位置する少なくとも1つの溝を含み、前記第2中間層が粘着性の材料を含み、該第1部周縁部および該第3部周縁部がそれぞれ少なくとも1つの穴を含み、該周縁部が該溝で該第2中間層に係合し且つ該粘着性の材料が該周縁部の穴を通して広がっている、請求項31に記載の包帯機構。
【請求項33】
前記第2部の前記第1層および前記第3層が非弾性材料を含む、請求項32に記載の包帯機構。
【請求項34】
前記非弾性材料がポリエステルである、請求項33に記載の包帯機構。
【請求項35】
前記第2部が少なくとも1つの穴を含む、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項36】
前記第2部が少なくとも1つの概して透明な部を含む、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項37】
前記第2部が少なくとも1つの創傷洗浄機構を含む、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項38】
前記第2部が第1面および第2面を含み、該第2面が創傷に接触可能である、請求項25に記載の包帯機構。
【請求項39】
前記第2面が医薬を含む、請求項38に記載の包帯機構。
【請求項40】
前記医薬がクロム酸亜鉛を含む、請求項39に記載の包帯機構。
【請求項41】
前記医薬がハイドロコロイド材料に染み込ませたクロム酸亜鉛を含む、請求項39に記載の包帯機構。
【請求項42】
前記医薬がアルギン酸塩を含む、請求項39に記載の包帯機構。
【請求項43】
前記アルギン酸塩がアルギン酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムからなる群のうちの1つを含む、請求項42に記載の包帯機構。


【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【公開番号】特開2008−302243(P2008−302243A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233172(P2008−233172)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【分割の表示】特願2005−338802(P2005−338802)の分割
【原出願日】平成9年1月17日(1997.1.17)
【出願人】(505435925)
【Fターム(参考)】