説明

((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩

式(I)の化合物、その結晶形態、およびその溶媒和物と、薬学的有効量の式(I)の化合物、またはその結晶形態、もしくはその溶媒和物、および薬学的に許容される担体もしくは希釈剤を含む薬学的組成物と、E1活性化酵素、特にNAEを阻害することによって軽減することができる、癌を含む病理的状態に罹患するかまたは罹患しやすい患者を治療するための、式(I)の化合物、またはその結晶形態、もしくはその溶媒和物の使用とを開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2009年5月14日に出願された米国特許仮出願第61/216,221号の35U.S.C.§119(e)の下の利益を主張し、当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(I)の塩酸塩:
【0003】
【化1】

その結晶形態、およびその溶媒和物に関する。
【0004】
本発明は、式(I)の化合物の合成のためのプロセスにも関する。本発明は、E1活性化酵素阻害剤としての化合物、その結晶形態、および式(I)の化合物を含む薬学的組成物の薬学的使用にも関する。
【背景技術】
【0005】
ユビキチン様分子(ubl)によるタンパク質の翻訳後修飾は、細胞内の重要な調節プロセスであり、細胞分裂、細胞シグナル伝達、および免疫応答を含む多くの生物学的プロセスの制御で主要な機能を果たす。ublは、ublのC末端グリシンとのイソペプチド連結を介して、標的タンパク質上のリジンに共有結合される小タンパク質である。ユビキチン様分子は、標的タンパク質の分子表面を変化させて、タンパク質−タンパク質相互作用、酵素活性、安定性、および標的の細胞の局在化等の特性に影響を及ぼすことができる。
【0006】
ユビキチンおよび他のublは、ublのC末端グリシンとともにアシル−アデニル化中間体の形成を触媒する特定のE1酵素により活性化される。次いで、活性化されたubl分子は、チオエステル結合中間体の形成を通してE1酵素内の触媒性システイン残基に移送される。E1−ubl中間体とE2は結合し、ublがE2の活性部位であるシステインに移送される、チオエステル交換をもたらす。次いで、ublは、標的タンパク質のリジン側鎖のアミノ基とのイソペプチド結合形成を通して、直接またはE3リガーゼと組み合わせてのいずれかで、標的タンパク質に接合される。
【0007】
E1活性化酵素を標的とすることは、細胞分裂および細胞シグナル伝達の整合性を維持するために重要な種々の生化学経路に干渉する独特の機会を提供する。E1活性化酵素は、ubl接合経路の第1ステップで機能し、よって、E1活性化酵素の阻害は、ubl修飾の下流生物学的結果を特異的に調節する。したがって、これらの活性化酵素の阻害、およびubl接合の下流作用から得られる阻害は、細胞分裂、細胞シグナル伝達、および疾患の仕組みに重要な細胞生理機能のいくつかの態様の整合性に干渉する方法を表す。よって、多様な細胞機能の調節因子としての、UAE、NAE、およびSAE等のE1酵素は、疾患および障害の治療に対する新規アプローチの特定のために、可能性のある重要な治療標的である。
【0008】
参照によりその全体が本明細書に援用される、Langston S.らの特許文献1およびLangston S.らの特許文献2は、E1活性化酵素、特にNAEの効果的な阻害剤である化合物を開示する。この化合物は、生体外および生体内におけるE1活性の阻害に有用であり、細胞増殖の障害、特に癌、およびE1活性に関係する他の障害の治療に有用である。Langstonらに記載される化合物のクラスの1つは、4−置換((1S,2S,4R)−2−ヒドロキシ−4−{7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}シクロペンチル)スルファミン酸メチルである。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Armitage I.らの特許文献3は、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルを含む、((1S,2S,4R)−2−ヒドロキシ−4−{7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}シクロペンチル)スルファミン酸メチルの調製のための方法を開示する。この化合物は、選択的NAE阻害剤であることが報告されている。例えば、非特許文献1(ここでは化合物をMLN4924と呼ぶ)を参照のこと。
【0009】
これらの出願は、これらの化合物を含有する薬学的組成物、およびE1活性化酵素、特にNAEに関係する、癌等の増殖疾患を含む疾患、障害、または状態の治療または療法の方法をさらに開示する。
【0010】
((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(II)は、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載される。((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルのカリウム塩は、特許文献1および特許文献2に開示される。
【0011】
【化2】

薬学的組成物の大量生産は、化学者および化学技術者に多くの課題を投げかける。これらの課題の多くが、大量の試薬の取り扱い、および大規模な反応物の管理に関するが、最終生成物の取り扱いは、その最終活性生成物の性質に関連する特別な課題を引き起こす。生成物は、高収率で調製され、安定しており、容易に単離することができるだけでなく、生成物は、最終的に使用されるであろう薬学的調製物の種類に適する特性を有さなくてはならない。合成、単離、バルク保管、薬学的製剤、および長期保管を含む、製造プロセスの各ステップの間、薬学的調製物の活性成分の安定性を考慮しなければならない。これらのステップのそれぞれは、温度および湿度の種々の環境条件により影響を受け得る。
【0012】
薬学的組成物を調製するために使用される薬学的活性成分は、可能な限り純粋であるべきであり、長期保管におけるその安定性が、種々の環境条件下で確保されなければならない。これらの特性は、薬学的組成物中の意図されない分解生成物の出現を防止するために有用であり、その分解生成物は、毒性である可能性があるか、または単に組成物の効能の低下をもたらす可能性がある。
【0013】
薬学的化合物の大量生産の主要な関心は、一貫した処理パラメータおよび薬学的品質を確実にするように、活性成分が安定した結晶形態を有さなければならないことである。不安定な結晶形態が使用されると、その結晶形態は、製造中および/または保管中に変化する場合があり、品質管理の問題および製剤の不規則性をもたらす。そのような変化は、製造プロセスの再現性に影響を及ぼし、よって、薬学的組成物の製剤に課される高品質および厳密な要件を満たさない最終製剤をもたらす可能性がある。この点で、その物理的および化学的安定性を改善することができる、薬学的組成物の固体状態に対する任意の変化は、さほど安定しない形態の同じ薬物を超える著しい利点をもたらすことを一般に念頭に置くべきである。

化合物が、溶液またはスラリーから結晶化される場合、「多形性」と称される性質である、異なる空間格子配列で結晶化する場合がある。結晶形態のそれぞれは、「多形体」である。所与の物質の多形体は、同一の化学組成物を有するが、それらは、溶解度、解離、真密度、溶解、融点、結晶形状、圧密挙動、流動性、および/または固体状態での安定性等の1つ以上の物理的性質に関して互いに異なる場合がある。
【0014】
概して上述するように、薬物の多形挙動は、製剤学および薬理学において非常に重要であり得る。多形体により示される物理的性質の相違は、保管の安定性、圧縮性、および密度(製剤および製品の製造において重要である)、ならびに溶解速度(生体利用性において重要な要因)等の実用的なパラメータに影響を及ぼす。安定性における相違は、化学反応性における変化(例えば、ある多形体である時、別の多形体である時よりも、投与形態がより急速に変色するような差次的酸化)、または力学的な変化(例えば、錠剤は、保存中、運動学的に好まれる多形体から熱力学的により安定した多形体に変換する際に砕ける)、または両方(例えば、一つの多形体の錠剤は、多湿でより分解しやすい)によって生じる可能性がある。加えて、結晶の物理的性質が処理において重要である場合があり、例えば、1つの多形体が固体形態を凝集させる溶媒和物を形成する可能性がより高く、固体の取り扱いをより困難にするか、または不純物を含まずないように濾過し、洗浄するのが困難である場合がある(すなわち、粒子形状および径分布が、一方の多形体と他との間で異なる場合がある)等である。
【0015】
改善された化学性質および物理性質を有する薬物の製剤が所望されるが、そのような製剤の既存分子の新規薬物形態(例えば、多形体)を調製するための予測可能な手段はない。これらの新規形態は、製造および組成物の使用で一般の様々な環境において、物理的性質に一貫性を提供するであろう。よって、生体外および生体内におけるE1活性の阻害に有用であり、細胞増殖、特に癌の障害、およびE1活性に関係する他の障害の治療に有用であり、かつ大量生産および製剤に適した性質を有する新規薬物形態が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際出願公開第07/092213号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0191293号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0036678号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Soucy,T.A.,et al.,Nature,2009,458,732−737
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、式(I)の((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩、その結晶形態、およびその溶媒和物に関する。これらの形態は、大量生産、薬学的製剤、および/または保管に有用である性質を有する。本発明は、前記塩酸塩、またはその結晶形態、またはその溶媒和物を含む薬学的組成物、および本明細書に記載される種々の疾患、障害、または状態の治療のための、前記塩酸塩、またはその結晶形態、またはその溶媒和物の使用方法にも関する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態は、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(I)の塩酸塩に関し、本塩酸塩は結晶形態であり、可能性のある結晶形態が本明細書に記載される。
【0020】
本明細書のいくつかの実施形態は、薬学的に許容される担体または希釈剤、および((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(I)の塩酸塩、またはその結晶形態、またはその溶媒和物を含む薬学的組成物に関する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は、前記薬学的組成物に関し、前記塩酸塩は結晶形態であり、可能性のある結晶形態が本明細書に記載される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、有効量の(1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(I)の塩酸塩、またはその結晶形態、またはその溶媒和物を投与することにより、E1活性化酵素阻害剤を必要とする対象、例えば、癌を有する対象を治療する方法に関する。本発明のいくつかの実施形態は、前記方法に関し、前記塩酸塩は結晶形態であり、可能性のある結晶形態が本明細書に記載される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態は、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(I)の塩酸塩、またはその結晶形態、またはその溶媒和物を調製する方法に関する。本発明のいくつかの実施形態は、前記方法を対象とし、前記塩酸塩は結晶形態であり、可能性のある結晶形態が本明細書に記載される。
【0024】
本発明は、以下の図面および以下の発明を実施するための形態を用いて、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の説明において、「XRPD」とは、X線粉末回折法を意味し、「DSC」とは、示差走査熱量測定を意味し、「TGA」とは、熱重量測定を意味する。
【図1】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1のXRPDパターンである。
【図2】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1のDSCプロファイルである。
【図3】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1のTGAプロファイルである。
【図4】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態2のXRPDパターンである。
【図5】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態2のDSC/TGAプロファイルである。
【図6】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3AのXRPDパターンである。
【図7】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3AのDSC/TGAプロファイルである。
【図8】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3BのXRPDパターンである。
【図9】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3BのDSC/TGAプロファイルである。
【図10】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3CのXRPDパターンである。
【図11】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3CのDSC/TGAプロファイルである。
【図12】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態5のXRPDパターンである。
【図13】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態5のDSC/TGAプロファイルである。
【図14】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態7のXRPDパターンである。
【図15】((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態7のDSC/TGAプロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
定義および略語
上記および説明の全体にわたり使用される以下の用語は、特に記載のない限り、以下の意味を有するように理解されるものとする。
【0027】
「塩酸塩」および「HCl塩」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル、HCl」という用語は、互換的に使用され、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩を説明し、これは式(I)の構造を有する。
【0028】
「形態1」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図1、2、および3に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩の形態1を説明する。
【0029】
「形態2」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態2」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩水和物」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図4および5に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩の水和物として、形態2を説明する。
【0030】
「形態3A」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩形態3A」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩エタノール溶媒和物」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図6および7に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩のエタノール溶媒和物として、形態3Aを説明する。
【0031】
「形態3B」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3B」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩酢酸エチル溶媒和物」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図8および9に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩の酢酸エチル溶媒和物として、形態3Bを説明する。
【0032】
「形態3C」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3C」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩メチルエチルケトン溶媒和物」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図10および11に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩のメチルエチルケトン溶媒和物として、形態3Cを説明する。
【0033】
「形態5」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態5」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩テトラヒドロフラン溶媒和物」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図12および13に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩のテトラヒドロフラン溶媒和物として、形態5を説明する。
【0034】
「形態7」および「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態7」ならびに「((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩ジオキサン溶媒和物」という用語は、互換的に使用され、いくつかの実施形態において、図14および15に示されるデータを特徴とする、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルの塩酸塩のジオキサン溶媒和物として、形態7を説明する。
【0035】
本明細書に使用される「結晶」とは、構成原子、分子、またはイオンが、規則的な順序で充填され、高度に規則的な化学構造を有する3次元パターンを反復する固体を指す。特に、結晶塩酸塩は、塩酸塩の1つ以上の結晶形態として生成され得る。本願の目的のために、「結晶形態」および「多形体」という用語は、同義語であり、本用語は、異なる性質(例えば、異なるXRPDパターン、異なるDSC走査結果)を有する、結晶を区別する。疑似多形体は、典型的に、異なる物質の溶媒和物であり、よって、それらの性質は互いに異なる。よって、塩酸塩のそれぞれの別個の多形体および疑似多形体は、本明細書において別個の結晶形態であるとみなす。
【0036】
「実質的に結晶」とは、少なくとも特定の重量パーセントの結晶である塩酸塩を指す。特定の重量パーセントは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、および99.9%を含む。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも70%が結晶である塩酸塩を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも80%が結晶である塩酸塩を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも85%が結晶である塩酸塩を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも90%が結晶である塩酸塩を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも95%が結晶である塩酸塩を指す。
【0037】
「溶媒和する、または溶媒和される」という用語は、本発明の化合物の1つ以上の溶媒分子の物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む。特定の例では、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合に、単離することができる。「溶媒和する、または溶媒和される」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の双方を包含する。代表的な溶媒和物には、例えば、水和物、エタノラート類、およびメタノラート類を含む。
【0038】
「溶媒和物」という用語は、溶媒分子が定義された化学量論的な量で存在するHOである溶媒和物を指し、例えば、半水和物、一水和物、二水和物、および三水和物を含む。
【0039】
「混合物」という用語は、組み合わせの位相状態に関わらず(例えば、液体、または液体/結晶)、混合物の組み合わされた要素を指す。
【0040】
「播種」という用語は、結晶化を開始させるための、結晶材料の溶液または混合物への添加を指す。
【0041】
一態様において、本発明は、化合物((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸の塩酸塩、またはその結晶形態、またはその溶媒和物に関する。したがって、本発明は、化合物(I):
【0042】
【化3】

またはその結晶形態、もしくはその溶媒和物を提供する。
【0043】
((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(I)の塩酸塩の結晶形態を説明するために、種々の特徴の情報を本明細書に提供する。しかしながら、そのような特定の形態が所与の組成物に存在することを決定するために、全てのそのような情報は、当業者にとって必要ではなく、特定の形態の決定は、当業者が特定の形態の存在を確立するために十分であると認識するであろう特徴の情報の任意の一部を使用して達成することができ、例えば、単一の特徴的なピークでも、当業者にとって、そのような特定の形態が存在することを理解するのに十分であり得ることを理解するべきである。
【0044】
本塩酸塩は、大規模な薬学的製剤の製造に適したものにする性質を有する。部分的にのみ結晶であることが認められている、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルのカリウム塩とは対照的に、塩酸塩は、本明細書に記載される明確な結晶形態で存在するため、物理的性質の一貫性を提供する。さらに、本塩酸塩の形態1および形態2は、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルのカリウム塩より、保管において増加した安定性を示す。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態は、本塩酸塩を対象とし、本塩酸塩の少なくとも特定の重量パーセントが結晶である。いくつかの実施形態において、本塩酸塩は、実質的に結晶である。結晶または実質的に結晶塩酸塩の非限定例としては、本塩酸塩の結晶形態または異なる結晶形態の混合物が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態は、塩酸塩を対象とし、その塩酸塩の少なくとも特定の重量パーセントが結晶であり、それは、塩酸塩の特定の重量パーセントからの1つ以上の指定された結晶形態を除く。特定の重量パーセントは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、および99.9%を含む。本塩酸塩の特定の重量パーセントが結晶である時、塩酸塩の残余は、本塩酸塩の非結晶形態である。
【0046】
本発明の他の実施形態は、結晶形態である、または実質的に結晶形態である本塩酸塩を対象とする。その結晶形態は、本結晶塩酸塩特定の重量パーセントである場合がある。特定の重量パーセントは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、および99.9%を含む。本塩酸塩の特定の重量パーセントが指定された結晶形態である時、塩酸塩の残余は、塩酸塩のいくつかの非結晶形態と、指定された結晶形態を除く、本塩酸塩の1つ以上の結晶形態の組み合わせである。いくつかの実施形態において、本塩酸塩は、少なくとも90重量%が結晶形態である。いくつかの実施形態において、本塩酸塩は、少なくとも95重量%が結晶形態である。いくつかの実施形態において、本塩酸塩は、少なくとも80重量%が結晶形態である。いくつかの実施形態において、本塩酸塩は、少なくとも85重量%が結晶形態である。
【0047】
本塩酸塩の以下の説明において、本発明の実施形態は、本明細書に記載される1つ以上の性質を特徴とする、本塩酸塩の特定の結晶形態を参照にして説明される場合がある。その結晶形態を特徴付けする説明は、結晶塩酸塩に存在する可能性がある異なる結晶形態の混合物を説明するためにも使用される場合がある。しかしながら、本塩酸塩の特定の結晶形態は、特定の結晶形態に関して、またはそれに関係なく、本発明に記載される多形体の特徴のうちの1つ以上も特徴とする場合がある。
【0048】
本明細書および請求項にわたって、本塩酸塩の結晶形態が角度2θとして示される1つ以上のXRPDピークを使用して特定される場合、2θ値のそれぞれは、所与の値±0.2度を意味することを理解されたい。
【0049】
本明細書および請求項にわたって、本塩酸塩の結晶形態がDSCプロファイルからの1つ以上の温度(例えば、吸熱転移、融解等)を使用して特定される場合、温度値のそれぞれは、所与の値±2℃を意味することを理解されたい。
【0050】
形態1
図1は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態1のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図1で識別されるピークは、表1に列挙されるものを含む。
【0051】
【表1】

いくつかの実施形態において、形態1は、9.6°、13.6°、および19.1°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、9.6°、13.6°、14.5°、19.1°、および23.7°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、7.3°、9.6°、13.6°、14.5°、14.8°、16.5°、17.0°、17.3°、18.0°、19.1°、20.1°、21.1°、21.7°、および23.7°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、実質的に図1に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0052】
図2は、本塩酸塩の形態1の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCグラフは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態1は、実質的に、図2に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0053】
図3は、本塩酸塩の形態1の熱重量分析(TGA)を示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態1は、実質的に、図3に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0054】
本明細書に記載される本塩酸塩の形態1は、水に約7.8mg/mLの溶解度を有する。得られた溶液は、約2.33のpHを有する。
【0055】
いくつかの実施形態において、形態1は、以下の特色(I−i)〜(I−iv)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(I−i)9.6°、13.6°、および19.1°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(I−ii)実質的に、図2に示されるDSCプロファイル、
(I−iii)実質的に、図3に示されるTGAプロファイル、
(I−iv)水中での約7.8mg/mLの溶解度。
【0056】
いくつかの実施形態において、形態1は、特色(I−i)〜(I−iv)のうちの少なくとも3つを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、特色(I−ii)〜(I−iv)のうちの少なくとも1つ、および特色(I−v)9.6°、13.6°、14.5°、19.1°、および23.7°の2θ角でピークを有するXRPDを特徴とする。
【0057】
形態2
図4は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態2のXRPDパターンを示す。図4で識別されるピークは、表2に列挙されるものを含む。
【0058】
【表2−1】

【0059】
【表2−2】

いくつかの実施形態において、形態2は、8.7°、18.2°、および23.8°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態2は、8.7°、18.2°、19.4、23.8、24.3、および27.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態2は、8.7°、11.3°、11.9°、12.5°、14.9°、15.5°、17.3°、18.2°、18.5°、18.7°、19.4°、20.0°、20.1°、20.3°、21.4°、21.7°、22.6°、23.3°、23.8°、24.0°、24.3°、25.0°、25.3°、25.6°、26.8°、27.5°、28.3°、28.9°、29.6°、30.0°、31.1°、および32.8°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図4に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0060】
図5は、本塩酸塩の形態2のDSCプロファイルを示す。DSCグラフは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態2は、161.6℃での融解を伴う、151℃の開始温度の吸熱転移後、169℃での融解を伴う小さな吸熱転移を特徴とするDSCプロファイルを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図5に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0061】
図5は、本塩酸塩の形態2のTGAプロファイルも示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図5に示される重量損失は、温度が25℃から125℃に変化した時の、試料の重量の約3.4%の損失を示す。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図5に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0062】
本発明の別の実施形態において、形態2は、以下の特色(II−i)〜(II−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(II−i)8.7°、18.2°、および23.8の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(II−ii)実質的に、図5に示されるDSCプロファイル、
(II−iii)実質的に、図5に示されるTGAプロファイル。
【0063】
いくつかの実施形態において、形態2は、特色(II−i)−(II−iii)の3つ全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態2は、特色(II−ii)および(II−iii)のうちの少なくとも1つ、ならびに特色(II−iv)8.7°、18.2°、19.4°、23.8°、24.3°、および27.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0064】
形態3A
図6は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態3AのXRPDパターンを示す。識別されるピークは、表3に列挙されるものを含む。
【0065】
【表3−1】

【0066】
【表3−2】

いくつかの実施形態において、形態3Aは、10.9°、14.6°、19.5°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Aは、10.9°、14.6°、16.9°、19.5°、24.0°、および25.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Aは、7.0°、8.7°、10.9°、12.0°、13.0°、13.9°、14.6°、16.9°、17.2°、17.5°、19.5°、20.7°、21.0°、22.3°、22.8°、23.1°、24.0°、24.6°、25.5°、25.9°、28.1°、28.5°、28.7°、29.1°、29.4°、32.0°、32.7°、34.1°、および34.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Aは、実質的に、図6に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0067】
図7は、本塩酸塩の形態3AのDSCプロファイルを示す。DSCグラフは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態3Aは、108.8℃での融解を伴う、99.9℃の開始温度を有する吸熱転移を特徴とするDSCプロファイルを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Aは、実質的に、図7に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0068】
図7は、本塩酸塩の形態3AのTGAプロファイルも示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。重量損失は、温度が25℃から220℃に変化した時の、試料の重量の約9.2%の損失を示す。これは、約1.1モルのエタノールの損失に相当し、形態3Aが溶媒和物であることを示す。いくつかの実施形態において、形態3Aは、実質的に、図7に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0069】
いくつかの実施形態において、形態3Aは、以下の特色(III−i)〜(III−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(III−i)10.9°、14.6°、19.5°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(III−ii)実質的に、図7に示されるDSCプロファイル、
(III−iii)実質的に、図7に示されるTGAプロファイル。
【0070】
いくつかの実施形態において、形態3Aは、特色(III−i)〜(III−iii)の3つ全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Aは、特色(III−ii)および(III−iii)のうちの少なくとも1つ、ならびに特色(III−iv)10.9°、14.6°、16.9°、19.5°、24.0°および25.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0071】
形態3B
図8は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態3BのXRPDパターンを示す。図8で識別されるピークは、表4に列挙されるものを含む。
【0072】
【表4−1】

【0073】
【表4−2】

いくつかの実施形態において、形態3Bは、10.8°、16.9°、23.7°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において形態3Bは、10.8°、14.5°、16.9°、19.3、21.2、23.7、24.0、および28.8°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Bは、7.0°、8.8°、10.8°、11.9°、13.0°、14.0°、14.5°、16.9°、17.3°、17.5°、19.3°、20.6°、20.9°、21.2°、22.2°、22.5°、23.0°、23.3°、23.7°、24.0°、24.5°、25.6°、25.7°、27.6°、28.3°、28.8°、29.2°、30.0°、34.5°、および40.6°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Bは、実質的に、図8に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0074】
図9は、本塩酸塩の形態3BのDSCプロファイルを示す。DSCグラフは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態3Bは、実質的に、図9に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0075】
図9は、本塩酸塩の形態3BのTGAプロファイルも示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。重量損失は、温度が25℃から250℃に変化した時の、試料の重量の約15.7%の損失を示す。これは、約1モルの酢酸エチルの損失に相当し、形態3Bが溶媒和物であることを示す。いくつかの実施形態において、形態3Bは、実質的に、図9に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0076】
いくつかの実施形態において、形態3Bは、以下の特色(IV−i)〜(IV−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(IV−i)10.8°、16.9°、23.7°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(IV−ii)実質的に、図9に示されるDSCプロファイル、
(IV−iii)実質的に、図9に示されるTGAプロファイル。
【0077】
いくつかの実施形態において、形態3Bは、特色(IV−i)〜(IV−iii)の3つ全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Bは、特色(IV−ii)および(IV−iii)のうちの少なくとも1つ、ならびに特色(IV−iv)10.8°、14.5°、16.9°、19.3°、21.2°、23.7°、24.0°、および28.8°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0078】
形態3C
図10は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態3CのXRPDパターンを示す。図10で識別されるピークは、表5に列挙されるものを含む。
【0079】
【表5−1】

【0080】
【表5−2】

いくつかの実施形態において、形態3Cは、11.0°、12.2°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Cは、11.0°、12.2°、14.9°、19.8°、24.0°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Cは、8.9°、11.0°、12.2°、13.4°、14.1°、14.9°、17.0°、17.3°、17.5°、17.7°、19.8°、20.0°、21.4°、22.8°、23.3°、24.0°、24.4°、26.2°、および29.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Cは、実質的に、図10に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0081】
図11は、形態3CのDSCプロファイルを示す。DSCグラフは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態3Cは、133.0℃での融解を伴う、116.0℃の開始温度を有する吸熱転移を特徴とするDSCプロファイルを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Cは、実質的に、図11に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0082】
図11は、形態3CのTGAプロファイルも示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。重量損失は、温度が25℃から250℃に変化した時の、試料の重量の約11.5%の損失を示す。これは、約0.9モルのメチルエチルケトンの損失に相当し、形態3Cが溶媒和であることを示す。いくつかの実施形態において、形態3Cは、実質的に、図11に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0083】
いくつかの実施形態において、形態3Cは、以下の特色(V−i)〜(V−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(V−i)11.0°、12.2°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(V−ii)実質的に、図11に示されるDSCプロファイル、
(V−iii)実質的に、図11に示されるTGAプロファイル。
【0084】
いくつかの実施形態において、形態3Cは、特色(V−i)〜(V−iii)の3つ全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3Cは、特色(V−ii)および(V−iii)のうちの少なくとも1つ、ならびに特色(V−iv)11.0°、12.2°、14.9°、19.8°、24.0°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0085】
形態5
図12は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態5のXRPDパターンを示す。図12で識別されるピークは、表6に列挙されるものを含む。
【0086】
【表6−1】

【0087】
【表6−2】

いくつかの実施形態において、形態5は、16.7°および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、16.7°、17.2°、18.1°、および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、3.7°、9.2°、10.8°、11.5°、12.8°、14.1°、14.7°、16.7°、17.2°、18.1°、18.9°、19.3°、21.0°、22.9°、23.7°、24.6°、25.0°、および28.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に図12に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0088】
図13は、本塩酸塩の形態5のDSCプロファイルを示す。DSCプロファイルは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態5は、2つの吸熱転移を特徴とするDSCプロファイルを特徴とし、第1の吸熱転移は、82.3℃での融解を伴う、64.1℃の開始温度を有し、第2の吸熱転移は幅広く、116.8℃の開始温度を有する。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に、図13に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0089】
図13は、本塩酸塩の形態5のTGAプロファイルも示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。重量損失は、温度が25℃から250℃に変化した時の、試料の重量の約18.3%の損失を示す。これは、約1.5モルのテトラヒドロフランの損失に相当し、形態5が溶媒和物であることを示す。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に、図13に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0090】
いくつかの実施形態において、形態5は、以下の特色(VI−i)〜(VI−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(VI−i)16.7°および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(VI−ii)実質的に、図13に示されるDSCプロファイル、
(VI−iii)実質的に、図13に示されるTGAプロファイル。
【0091】
いくつかの実施形態において、形態5は、特色(VI−i)〜(VI−iii)の3つ全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、特色(VI−ii)および(VI−iii)のうちの少なくとも1つ、ならびに特色(VI−iv)16.7°、17.2°、18.1°、および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0092】
形態7
図14は、CuKα放射線を使用して得た本塩酸塩の形態7のXRPDパターンを示す。図14で識別されるピークは、表7に列挙されるものを含む。
【0093】
【表7−1】

【0094】
【表7−2】

いくつかの実施形態において、形態7は、15.4°、17.3°、19.6°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、10.0°、15.4°、16.6°、17.3°、18.0°、18.3°、19.6°、22.0°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、9.0°、10.0°、13.5°、14.1°、15.4°、15.9°、16.6°、17.3°、18.0°、18.3°、19.6°、20.1°、20.8°、22.0°、22.5°、23.4°、23.9°、24.3°、24.6°、26.9°、27.4°、27.8°、および28.3°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に図14に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0095】
図15は、本塩酸塩の形態7のDSCプロファイルを示す。DSCプロファイルは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は、約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態7は、65.5℃での開始温度、および86.8℃での融解を伴う、弱い吸熱転移を特徴とするDSCプロファイルを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に、図15に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
【0096】
図15は、本塩酸塩の形態7のTGAプロファイルも示す。TGAプロファイルは、温度の関数として、試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。重量損失は、温度が25℃から250℃に変化した時の、試料の重量の約23.6%の損失を示す。これは、約1.7モルのジオキサンの損失に相当し、形態7は溶媒和物であることを示す。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に、図15に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
【0097】
いくつかの実施形態において、形態7は、以下の特色(VII−i)〜(VII−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする:
(VII−i)15.4°、17.3°、19.6°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(VII−ii)実質的に、図15に示されるDSCプロファイル、
(VII−iii)実質的に、図15に示されるTGAプロファイル。
【0098】
いくつかの実施形態において、形態7は、特色(VII−i)〜(VII−iii)の全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、特色(VII−ii)および(VII−iii)のうちの少なくとも1つ、ならびに特色(VII−iv)10.0°、15.4°、16.6°、17.3°、18.0°、18.3°、19.6°、22.0°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態は、結晶形態が、各結晶形態について上述の特徴の組み合わせを特徴とし得る、結晶形態に関する。いくつかの実施形態において、結晶形態は、以下の特色(VIII−i)−(VIII−iv)のうちの1つ以上を特徴とし得る:
(VIII−i)TGAプロファイルにより決定される、指定された温度範囲と関連する重量損失、
(VIII−ii)TGAプロファイルにより決定される、特定の重量損失が始まる温度、
(VIII−iii)DSCプロファイルにより決定される、熱流転移中の最大熱流と関連する温度、
(VIII−iv)DSCプロファイルにより決定される、試料が熱流転移を受け始める温度。
【0100】
いくつかの実施形態において、結晶形態は、特色(VIII−i)〜(VIII−iv)のうちの2つ以上を特徴とする。いくつかの実施形態において、結晶形態は、特色(VIII−i)〜(VIII−iv)のうちの3つ以上を特徴とする。いくつかの実施形態において、結晶形態は、特色(VIII−i)〜(VIII−iv)のうちの4つ全てを特徴とする。いくつかの実施形態において、結晶形態は、特色(VIII−i)〜(VIII−iv)のうちの1つ以上、ならびに特色(VIII−v)対応するXRPDパターンにおける主ピークのうちの少なくとも1つの位置を特徴とする。
【0101】
上述の特徴の組み合わせを、本明細書に記載される塩酸塩の結晶形態のいずれをも(例えば、形態1、2、3A、3B、3C、5、または7)を説明するために使用することができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態は、上述の異なる結晶形態のうちの2つ以上の混合物を含む、結晶塩酸塩に関する。そのような実施形態において、本結晶塩酸塩は、それが含有する異なる結晶形態のそれぞれの前述の特徴の組み合わせを特徴とする。特徴は、特定の結晶形態について上述される、XRPD、TGA、およびDSC特徴のうちの1つ以上の任意の組み合わせによる。
【0103】
いくつかの実施形態において、形態5を脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、約70℃から100℃の間の温度で、形態5を脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態5を脱溶媒和して、形態1および形態5の混合物を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態5を脱溶媒和して、約5日間、周囲条件に置くことにより、形態1および形態5の混合物を得ることができる。
【0104】
いくつかの実施形態において、形態7を脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、約70℃から90℃の間の温度で、形態7を脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態7を脱溶媒和して、形態1および形態7の混合物を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態7を脱溶媒和して、約3日間、周囲条件に置くことにより、形態1および形態7の混合物を得ることができる。
【0105】
いくつかの実施形態において、形態3Aを脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態3Aを脱溶媒和して、形態1および形態3Aの混合物を得ることができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、形態3Bを脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態3Bを脱溶媒和して、形態1および形態3Bの混合物を得ることができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、形態3Cを脱溶媒和して、形態1を得ることができる。いくつかの実施形態において、形態3Cを脱溶媒和して、形態1および形態3Cの混合物を得ることができる。
【0108】
薬学的組成物および方法
式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物は、E1酵素活性の有用な阻害剤である。特に、式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物は、NAEの阻害剤として有用である。阻害剤は、ublの標的タンパク質への接合におけるE1酵素の促進作用を低減する(例えば、ユビキチン化、nedd化の低減)、ubl接合により媒介される細胞内シグナル伝達を低減する、および/またはubl接合により媒介されるタンパク質分解を低減する(例えば、カリン依存性ユビキチン化およびタンパク質分解(例えば、ユビキチン−プロテアソーム経路)の阻害)化合物を含むことが意図される。よって、式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物は、本明細書にさらに詳細に提供される方法、または当該分野に公知の方法によって、生体外もしくは生体内、または細胞、または動物モデルにおいて、E1酵素を阻害するその能力についてアッセイすることができる。式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物は、直接、E1酵素を結合する、または媒介するその能力について評価することができる。代替的に、式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物の活性は、E1阻害の下流作用の阻害(例えば、カリン依存性ユビキチン化およびタンパク質分解の阻害)を評価するために、間接的な細胞アッセイ、またはE1活性化の下流作用を測定するアッセイを通して評価することができる。例えば、活性は、ubl抱合基質(例えば、ubl抱合E2s、neddy化カリン、ユビキチン化基質)の検出、下流タンパク質基質安定化(例えば、p27の安定化、IкBの安定化)の検出、UPP活性の阻害の検出、タンパク質E1阻害および基質安定化の下流作用の検出(例えば、リポーターアッセイ、例えば、NFкBリポーターアッセイ、p27リポーターアッセイ)により評価することができる。活性を評価するためのアッセイは、当該分野において公知である。
【0109】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物、および薬学的に許容される担体もしくは希釈剤を含む、薬学的組成物に関する。本発明の薬学的組成物は、好ましくは、受給者である対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに投与するのに適した形態である。本明細書に使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、受給者である対象と適合性があり、製剤の活性を終結させることなく、標的部位に活性剤を送達するのに適した物質を指す。担体に付随した毒性または有害作用は、存在する場合、好ましくは、活性剤の目的用途に対する合理的なリスク/利益比に相応する。
【0110】
本発明の薬学的組成物は、従来の整粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセス等の当該技術分野において公知の方法によって製造することができる。顆粒、沈殿剤、または微粒、粉末(凍結乾燥した、回転乾燥、またはスプレー乾燥した粉末を含む)、非晶質粉末、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、座薬、注射、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤、または溶剤等を含む、種々の剤形で、組成物を生成し得る。製剤は、任意に、安定剤、pH調節剤、界面活性剤、可溶化剤、生体利用能修飾因子、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0111】
これらの組成物に使用され得る薬学的に許容される担体は、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸もしくは炭酸、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩類、または電解質類、例えば、プロタミン硫酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン遮断ポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂を含むが、これらに限定されない。
【0112】
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトへの薬学的な投与用に製剤化される。本発明のこのような薬学的組成物は、経口、非経口で、吸入噴霧的、局所的、経直腸的、経鼻的、経頬的、経腟的に、または埋め込み容器を経由して投与され得る。本明細書に使用される、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝内、病巣内、および頭蓋内の注射または注入法を含む。組成物は、経口的、非経口的、または皮下に投与されることが好ましい。本発明の製剤は、短時間作用型、高速放出、または長時間作用型であるように設計され得る。さらにまた、化合物は、腫瘍部位での投与(例えば、注射による)等の、全身的手段ではなく、局所的に投与することができる。
【0113】
薬学的製剤は、限定されないが、油、水、アルコール、およびこれらの組み合わせ等の、液体を使用して液状の懸濁剤または溶剤として調製することが可能である。β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルおよびヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを含む、シクロデキストリン等の可溶化剤を含めることができる。製剤に存在する他の賦形剤は、クエン酸またはクエン酸ナトリウムを含む。薬学的に適切な界面活性剤、懸濁剤、または乳化剤を、経口または非経口投与用に添加することができる。懸濁液は、ピーナッツ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、およびオリーブ油等の油類を含むことができるが、これらに限定されない。懸濁調製物は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、およびアセチル化脂肪酸グリセリド等の脂肪酸のエステル類も含有し得るが、これらに限定されない。懸濁製剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、およびプロピレングリコール等のアルコール類を含み得るが、これらに限定されない。これに限定されないが、ポリ(エチレングリコール)等のエーテル類、鉱油およびワセリン等の石油系炭化水素、ならびに水も、懸濁製液に使用され得る。
【0114】
本発明の組成物の無菌注射形態は、水性または油性懸濁液であってもよい。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当該分野において公知の技法によって製剤化することが可能である。無菌注射用調合物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒における、無菌注射用溶液、または懸濁液であってもよい。採用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、および等張食塩水である。加えて、従来、無菌の固定油が、溶媒または懸濁媒体として採用されている。この目的のために、合成のモノ−またはジグリセリドを含む、任意の刺激のない固定油を採用することができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体等の脂肪酸は、オリーブ油またはひまし油等の、特に、それらのポリオキシエチル化形態の、天然の薬学的に許容される油類と同様に、注射液の調製に有用である。これらの油状溶液または懸濁液は、エマルジョンおよび懸濁液を含む、通常、薬学的に許容される投与形態の製剤化に使用されるカルボキシメチルセルロースまたは類似する分散剤等の、長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含有することができる。薬学的に許容される固体、液体、または他の投与形態の製造に一般的に使用される、Tweens、Spans、および他の乳化剤等の、他の一般的に使用される界面活性剤、または生体利用能賦活剤も、製剤の目的に使用することができる。化合物は、ボーラス注射または連続注入による等の、注射による非経口投与用に製剤化することができる。注射用の単位投与形態は、アンプルまたは多回用量容器であり得る。
【0115】
本発明の薬学的組成物は、限定されないが、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含む、任意の経口的に許容される投与形態で、経口的に投与することができる。経口使用に水性懸濁液が必要である場合、活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。所望される場合、特定の甘味剤、風味剤、または着色剤も添加することができる。カプセル形態での経口投与において、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。経口使用のための錠剤の場合において、一般的に使用される担体は、ラクトースおよびコーンスターチを含む。典型的に、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤も添加される。コーティング剤は、種々の目的、例えば、味を遮蔽するために、溶解もしくは吸収の部位に影響を及ぼすために、または薬物作用を延長させるために使用することができる。コーティング剤は、錠剤、またはカプセルに使用するための顆粒状粒子に適用され得る。
【0116】
代替的に、本発明の薬学的組成物は、直腸投与用に座剤の形態で投与することができる。これらは、室温で固体であるが、直腸温度で液体であり、よって直腸で融解し、薬物を放出する、適切な刺激のない賦形剤と製剤を混合することにより調製することができる。そのような物質は、ココアバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールを含む。
【0117】
本発明の薬学的組成物は、特に、治療の標的が、眼、皮膚、または下部の消化管の疾患を含む、局所適用により容易にアクセス可能である領域または臓器を含む時に、局所的にも投与することができる。適切な局所用製剤は、それぞれのこれらの領域または臓器用に容易に調製される。
【0118】
下部の消化管用の局所適用は、直腸用座剤製剤(上記を参照)、または適切な浣腸製剤で達成することができる。局所的経皮パッチも使用することができる。局所適用において、薬学的組成物は、1つ以上の担体に懸濁された、またはそれに溶解された活性成分を含む適切な軟膏に製剤化することができる。本発明の化合物の局所投与用の担体は、鉱油、液状ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋、および水を含むが、これらに限定されない。代替的に、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体に懸濁された、またはそれに溶解された活性成分を含む、適切なローションもしくはクリームに製剤化することができる。適切な担体は、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステル蝋、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水を含むが、これらに限定されない。
【0119】
眼科的使用において、薬学的組成物は、塩化ベンジルアルコニウム等の防腐剤を用いて、またはそれを用いない、いずれかで、等張pH調節無菌生理食塩水中の微細懸濁液として、または好ましくは、等張pH調節無菌生理食塩水中の溶液として製剤化することができる。代替的に、眼科的使用において、薬学的組成物は、ワセリン等の軟膏に製剤化することができる。
【0120】
本発明の薬学的組成物は、鼻腔エアロゾルまたは吸入によっても投与することができる。そのような組成物は、薬学的製剤の分野において周知の技法により調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、生体利用能を強化するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の従来の溶剤もしくは分散剤を採用する、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0121】
本発明の薬学的組成物は、本明細書に記載される障害(例えば、増殖障害、例えば、癌、炎症、神経変性障害)に関する治療用途に特に有用である。好ましくは、組成物は、治療される関連障害を有する、またはそれを発症するリスクのある、またはそれを再発した患者に投与するために製剤化される。本明細書で使用される、「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを意味する。本発明の好ましい薬学的組成物は、経口、静脈内、または皮下投与用に製剤化されたものである。しかしながら、治療有効量の本発明の化合物を含有する、上記の投薬形態のうちのいずれも、十分に日常的な実験の範囲内であり、したがって、十分に本発明の範囲内である。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、別の治療剤をさらに含む場合がある。好ましくは、そのような他の治療剤は、一般に、治療される障害、疾患、または状態を有する患者に投与されるものである。
【0122】
「治療有効量」とは、単回または多回用量投与により、E1酵素活性および/または治療される障害または疾患の状態の重症度において検出可能な低下をもたらすのに十分である化合物または組成物の量を意味する。「治療有効量」は、細胞を治療する、治療される障害または疾患状態の進行を延長する、または防止する(例えば、癌のさらなる腫瘍成長を防止する、さらなる炎症応答を防止する)、そのような治療の不在において予測を超えた対象の障害の症状を回復させる、緩和する、軽減する、または改善するのに十分な量を含むことも意図される。必要とされるE1酵素阻害剤の量は、与えられた特定の組成物の化合物、治療される障害の種類、投与経路、および障害を治療するのに必要な時間の長さに依存する。また、いずれの特定の患者に必要とされる特効薬および治療レジメンも、採用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、患者の食生活、投与時間、排出率、薬の併用、治療にあたる医師の判断、および治療を受ける特定の疾患の重症度を含む、種々の要因によることが理解されるべきである。阻害剤が別の製剤と併用して投与される特定の態様において、本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、典型的に、唯一の活性剤としてその治療剤を含む組成物中において、通常投与されるであろう量を超えない。好ましくは、さらなる治療剤の量は、唯一の治療活性剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜約100%の範囲である。
【0123】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、もしくはその結晶形態、もしくはその溶媒和物、または式(I)の化合物、もしくはその結晶形態、もしくはその溶媒和物を含む組成物と試料を接触させることを含む、試料中のE1酵素活性を阻害する、または低下させる方法に関する。本明細書に使用される試料とは、精製された、または部分的に精製されたE1酵素、培養細胞もしくは細胞培養物の抽出物、哺乳動物から得た生検細胞もしくは流体、またはその抽出物、および体液(例えば、血液、血清、唾液、尿、便、精液、涙)もしくはその抽出物を含む試料を含むがこれらに限定されない。試料中のE1酵素活性の阻害は、生体外もしくは生体内、セルロース内もしくは原位置で行うことができる。
【0124】
別の実施形態において、本発明は、障害を有する、障害の症状を有する、障害を発症するリスクのある、または障害を再発した患者を治療するための方法を提供し、本発明に従う薬学的組成物を患者に投与することを含む。治療は、障害、障害の症状、または障害にかかりやすい傾向を回復させる、治癒する、軽減する、緩和する、変更する、矯正する、回復させる、和らげる、改善する、またはそれに影響を及ぼすことであり得る。理論によって拘束されるつもりはないが、治療は、生体外または生体内において、細胞または組織の成長の阻害、その切断、もしくはその死滅をもたらす、またはさもなければ、障害、例えば、本明細書に記載される障害(例えば、増殖障害、例えば、癌、炎症障害)を媒介する細胞または組織(例えば、異常細胞、患部組織)の能力を低下させると考えられる。本明細書に使用される、細胞もしくは組織(例えば、増殖性細胞、腫瘍組織)の「成長を阻害する」または「成長の阻害」とは、その成長および転移を遅らせる、遮断する、抑止する、または停止させることを指すが、必ずしも成長の完全排除を示すものではない。
【0125】
いくつかの実施形態において、本発明は、癌の治療に使用するための、式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物を含む、癌を治療するための薬学的組成物(上述の通り)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、癌を治療するための薬学的組成物(上述の通り)を調製するために、式(I)の化合物、または、その結晶形態、またはその溶媒和物の使用を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、癌を治療するために、有効量の式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物の使用を提供する。
【0126】
疾患適用は、E1酵素活性の阻害が、患部細胞もしくは組織の生存および/または拡大にとって有害である(例えば、細胞がE1阻害に感受性である、E1活性の阻害が疾患の仕組みを乱す、E1活性の低下が疾患の仕組みの阻害剤であるタンパク質を安定させる、E1活性の低下が疾患の仕組みの活性化因子であるタンパク質の阻害をもたらす)、それらの障害を含む。疾患適用は、有効なカリンおよび/もしくはユビキチン化活性を必要とする任意の疾患、障害、または状態を含むことが意図され、その活性は、E1酵素活性(例えば、NAE活性)を減少させることにより調節することができる。
【0127】
例えば、本発明の方法は、疾患状態の維持および/または進行のために、有効なカリン依存性ユビキチン化およびタンパク質分解経路(例えば、ユビキチンプロテアソーム経路)を必要とする障害を含むが、これらに限定されない、細胞増殖を含む障害の治療に有用である。本発明の方法は、E1活性(例えば、NAE活性)により調節されるタンパク質(例えば、NFкB活性化、p27Kip活性化、p21WAF/CIP1活性化、p53活性化)を介して媒介される障害の治療に有用である。関連障害には、増殖性疾患、最も特記すべきは、癌、および炎症性疾患(例えば、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、変形性関節症、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)、血管増殖性疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、再狭窄)、自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、組織および臓器の拒絶反応)、ならびに感染と関連した炎症(例えば、免疫反応)、神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、神経因性疼痛、トリプレットリピート病、星状細胞腫、およびアルコール性肝臓疾患の結果としての神経変性)、虚血性傷害(例えば、脳梗塞)、ならびに悪液質(例えば、種々の生理学的および病理的状態(例えば、神経傷害、絶食、発熱、アシドーシス、HIV感染、癌の苦痛、および特定の内分泌障害)を伴う促進筋肉タンパク質分解)が含まれる。
【0128】
式(I)の化合物、またはその結晶形態、またはその溶媒和物、および本発明の薬学的組成物は、癌の治療に特に有用である。本明細書に使用される、「癌」という用語は、制御されていない、または調節されていない細胞増殖、細胞分化の減少、周囲組織に侵入する不適切な能力、および/または異所で新しい増殖を構築する能力を特徴とする、細胞障害を指す。「癌」という用語には、固形腫瘍および血液媒介の腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。「癌」という用語は、皮膚、組織、臓器、骨、軟骨、血液、および血管の疾患を包含する。「癌」という用語は、原発性癌および転移性癌をさらに含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、癌は固形腫瘍である。本発明の方法により治療され得る固形腫瘍の例としては、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、転移性乳癌を含む乳癌、アンドロゲン依存性およびアンドロゲン非依存性前立腺癌を含む前立腺癌、腎臓癌(例えば、転移性腎細胞癌を含む)、肝細胞癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、および細気管支肺胞上皮癌(BAC)を含む)、肺の腺癌、卵巣癌(例えば、進行性上皮癌または原発性腹膜癌を含む)、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部の扁平上皮細胞癌を含む)、メラノーマ、転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、未分化希突起グリオーマ、成人多形成グリア芽細胞腫、および成人未分化星細胞腫を含む)、骨肉種、ならびに軟部組織の肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
いくつかの他の実施形態において、癌は、血液学的悪性腫瘍である。血液学的悪性腫瘍の例としては、急性骨髄性白血病(AML)、進行性CMLおよびCML急性転化期(CML−BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ホジキン病(HD)、濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫(MM)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)(過剰な芽球を伴う不応性貧血(RAEB))、および移行期RAEB(RAEB−T)を含む骨髄異形成症候群(MDS)、ならびに骨髄増殖性症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物または組成物は、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌、乳癌、胃癌、前立腺癌、および膵癌からなる群から選択される癌を有する、またはその発症のリスクにある、またはそれを再発した患者を治療するために使用される。特定の好ましい実施形態において、癌は、肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、および血液学的癌からなる群から選択される。
【0132】
治療される特定の疾患または状態により、いくつかの実施形態において、本発明のE1酵素阻害剤は、さらなる治療剤または製剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、治療される障害または状態を有する患者に一般的に投与されるものである。本明細書に使用される、特定の障害または状態を治療するために一般的に投与されるさらなる治療剤は、「治療される障害または状態に適切である」として知られる。他の治療剤は、本発明のE1阻害剤の投与前、それと同時に、または投与後に投与することができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、もしくはその結晶形態、もしくはその溶媒和物、または本発明の本発明の薬学的組成物は、増殖障害および癌の治療に適した細胞障害剤、放射線療法、および免疫療法からなる群から選択される治療剤と組み合わせて投与される。本発明のE1酵素阻害剤と組み合わせて使用するのに適した細胞障害剤の非限定例としては、代謝拮抗剤(例えば、カペシタビン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシルもしくは5−フルオロウラシル/ロイコボリン、フルダラビン、シタラビン、チオグアニン、チオグアニン、ペントスタチン、およびメトトレキサートを含む)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、ドキソルビシン、およびダウノルビシンを含む)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチンを含む)、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセルを含む)、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチンを含む)、抗生物質(例えば、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、アドリアマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ドキソルビシン、およびペグ化リポソームドキソルビシンを含む)、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イフォスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、およびシクロホスファミド等のアルキル化剤、サリドマイドおよび関連類似物質(例えば、CC−5013およびCC−4047を含む)、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブメシレートおよびゲフィチニブを含む)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブを含む)、抗体(例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、およびベバシズマブを含む)、ミトキサントロン、デキサメタゾン、プレドニゾン、ならびにテモゾロミドが挙げられる。
【0134】
本発明の阻害剤が組み合わされ得る他の薬剤の例としては、副腎皮質ステロイド、TNF遮断薬、Il−1RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびスルファサラジン等の抗炎症剤、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、副腎皮質ステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、およびスルファサラジン等の免疫調節剤および免疫抑制剤、抗菌剤および抗ウイルス剤、ならびにドネペジル、ガランタミン、メマンチン、およびリバスチグミン等のアルツハイマー病の治療のための製剤が挙げられる。
【0135】
一般的な合成方法
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物である形態1は、式(II)の化合物から、式(II)の化合物のエタノール性溶液をエタノールまたはジエチルエーテルのいずれか中のHCl溶液で処理することにより合成される。いくつかの実施形態において、HCl溶液のモル濃度は、約0.9M〜約1.3Mである。いくつかの実施形態において、エタノール性HCl溶液を使用する場合、HCl溶液を添加する前に、式(II)の化合物のエタノール性溶液は、約45℃〜約55℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、ジエチルエーテルHCl溶液を使用する場合、式(II)の化合物のエタノール性溶液は、ジエチルエーテルHCl溶液を添加しながら、約25℃未満の温度で攪拌される。
【0136】
形態2、3A、3B、3C、5、および7は、式(I)の非結晶化合物を適切な溶媒で処理することにより合成することができる。いくつかの実施形態において、結晶形態は、適切な溶媒を用いて、式(I)の非結晶化合物の加熱/冷却サイクルを使用して成熟させることにより生成される。いくつかの実施形態において、結晶形態は、式(I)の非結晶化合物から生成された得られたスラリーと適切な溶媒を攪拌した後、過剰溶媒を蒸発させるか、または結晶物質を濾過することにより生成される。いくつかの実施形態において、結晶形態は、式(I)の非結晶化合物から生成された得られたスラリーと適切な溶媒を、室温で、または一晩冷凍庫に放置した後、過剰溶媒を蒸発させるか、または結晶物質を濾過することにより生成される。
【実施例】
【0137】
【化4】

一般方法
プロトン核磁気共鳴スペクトルは、300MHzで、Varian Mercury300分光計で得る。
【0138】
X線粉末回折(XRPD):試料のX線粉末回折パターンは、以下のいずれかで取得される。
【0139】
Cu Kα放射線(40kV、40mA)、θ−2θ角度計、ならびにV4の発散および受光スリットを使用するBrukerD8回折計、Geモノクロメータ、ならびにLynxeye検出器。機器は、検証されたCorundum基準(NIST1976)を使用して性能チェックされる。データ収集に使用されるソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.5.0であり、データは、Diffrac Plus EVA v11,0.0.2またはv13.0.0.2を使用して、分析および提示される。試料は周囲条件下で操作される。約30mgの試料を、研磨された、ゼロ背景(510)シリコンウエハに切断された空洞の中にそっと充填する。試料をカプトンフィルムで覆い、分析中の機器のあらゆる汚染を防止する。フィルムは、物質に含有される溶媒の蒸発も低減する。分析中、試料をその自身の平面で回転させる。データを2〜42゜2θの角度範囲で収集し、0.05゜の2θのステップサイズ、および0.5秒のステップ−1収集時間である。
【0140】
Cu Kα放射線(40kV、40mA)を使用するSiemensD5000回折計、θ−θ角度計V20の発散および受光スリット、黒鉛二次モノクロメータ、ならびにシンチレーション計数器。機器は、検証されたCorundum基準(NIST1976)を使用して性能チェックされる。データ収集に使用されるソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.3.1であり、データは、Diffrac Plus EVA v 11,0.0.2またはv13.0.0.2を使用して、分析、提示される。試料は、平板試料として、周囲条件下で行われる。約35mgの試料を、研磨された、ゼロ背景(510)シリコンウエハに切断された空洞の中にそっと充填する。分析中、試料をその自身の平面で回転させる。データを2〜42゜の2θの角度範囲で収集し、0.05゜の2θのステップサイズ、および4秒のステップ−1収集時間である。
【0141】
XRPDは、Bruker D8Advanceでも収集することができる。データは、0.05°の2θのステップサイズおよび2秒のステップ時間を用いて、連続スキャンモードにおいて、2.9°から29.6°の2θの角度範囲にわたって、収集される。試料は、周囲条件下で操作し、粉砕することなく受容される場合、粉末を用いて、平板試料として調製される。制御ソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Comander v2.3.1であり、分析ソフトウェアは、Diffrac Plus EVA v9.0.0.2である。試料は、周囲条件下で、静止または回転のいずれかで操作される。
【0142】
示差走査熱量測定(DSC):示差走査熱量測定(DSC)データは、50ポジションオートサンプラーを備えたMettler DSC 823eか、または50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q100示差走査熱量計、またはTA Instruments Q200示差走査熱量計のいずれかで収集される。エネルギーおよび温度較正の基準は、インジウムである。試料は、典型的に、25℃〜250°もしくは300℃の間で、毎分10℃の速度で加熱される。毎分50mL/分で流れる窒素浄化を、走査中、試料上に維持する。0.5mg〜3mgの試料を分析する。試料は、溶媒蒸気によって蓄積した圧力を軽減するために、針穴がある気密密封されたアルミニウム皿か、または針穴のない気密密封されたアルミニウム皿のいずれかに圧着される。
【0143】
熱重量分析(TGA):熱重量分析(TGA)データは、以下のいずれかで収集される。
i)34位置のオートサンプラーを備えたMettler TGA/SDTA 851e、検証されたインジウムを用いた較正。典型的に、5〜30mgの各試料を予め計量したアルミニウムるつぼに入れ、周囲温度から250℃まで、10℃/分で加熱する。毎分50mLで流れる窒素浄化を、試料上に維持する。
ii)TA Instruments Q500熱重量分析、Nickel/Alumelを用いて較正され、毎分10℃の走査速度で操作される。毎分60mLで流れる窒素浄化を、測定中、サンプル上に維持する。一般に、10mg〜15mgの試料を、予め風袋を量った(pre−tared)白金るつぼに入れた。
【0144】
実施例1):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1の合成
ステップ1:(1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンタノールの調製
ジャケット付き反応槽に、(1S,2S,4R)−4−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンタノール(30.8Kg、115.05mol)、2−ブタノール(198.5Kg)、(S)−(+)−1−アミノインダン(16.95Kg、127.26mol)、およびジイソプロピルエチルアミン(19.45Kg、150.50mol)を入れた。混合物を55±5℃に加熱した後、可動槽に移した。次いで、反応槽を、55±5℃の2−ブタノール(15.6Kg)ですすぎ、それを可動槽に移した。次いで、可動槽の内容物を圧力反応槽に移し、2−ブタノール(51L)を使用して、可動槽をすすいだ。次いで、反応混合物を135±5℃に加熱し、8barの圧力に調節した。次いで、HPLC分析により反応が完了するまで、混合物を攪拌した。混合物を30±10℃に冷却し、平板濾過器を介して可動槽に移した。圧力反応槽を2−ブタノール(43.1L)ですすいだ。次いで、可動槽の内容物を、インラインフィルタを介してジャケット付き反応槽に入れ、2−ブタノール(39.2Kg)で槽をすすいだ。混合物を50±5℃に加熱し、減圧下で、約50Lに濃縮した。混合物を20±5℃に冷却した後、約3時間にわたってジクロロメタン(256Kg)を添加した。混合物をさらに9.5時間攪拌し、その後、0±5℃にさらに冷却し、約4時間攪拌した。固体生成物を濾過により単離し、0±5℃のジクロロメタン(82Kg)で洗浄した。次いで、固体を40±5℃の減圧下で一定の重量に乾燥させた。反応槽に水(371Kg)および乾燥させた固体を入れ、混合物を、約14.5時間、20±5℃で攪拌した。固体生成物を濾過により単離し、水(371Kg)で洗浄した。次いで、固体を50±5℃の減圧下で乾燥させ、白色固体として標記化合物(32.4Kg)を得た。H NMR(300MHz,DMSO,δ):8.15(s,1H)、7.71(d,1H)、7.07−7.29(m,5H)、6.61(d,1H)、5.88(dd,1H)、5.24−5.38(m,1H)、4.60(d,1H)、4.26−4.37(m,2H)、3.53−3.65(m,1H)、3.35−3.46(m,1H)、2.90−3.04(m,1H)、2.75−2.90(m,1H)、2.33−2.56(m,2H)、2.04−2.14(m,2H)、1.88−2.03(m,2H)、1.74−1.87(m,1H)。
【0145】
ステップ2:((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(II)の調製
ジャケット付き反応槽に、(1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−(ヒドロキシメチル)シクロペンタノール(15.1Kg、41.43mol)、アセトニトリル(86.2Kg)、およびスルファミン化試薬を入れ、以下に記載するように調製した(36.7Kg、83.4mol)。混合物を46±6℃に加熱し、HPLC分析により、反応が完了するまで反応物を攪拌した。混合物を20±5℃に冷却し、温度を25℃以下に維持しながら、0.5N水性塩酸(83.95Kg)の溶液を添加した。HPLC分析により、副産物の消費が完了するまで、混合物を激しく攪拌した。次いで、層を分離し、水相をtert−ブチルメチルエーテル(56.2Kg)で抽出した。有機相を合わせ、さらにtert−ブチルメチルエーテル(18.1Kg)を添加した。次いで、有機相を水(151.3L)で洗浄した。アセトニトリル(119.3Kg)を添加し、次いで、減圧下で、混合物を約190Lに濃縮した。さらにアセトニトリル(77.6Kg)を添加し、混合物を、減圧下で、再び約190Lに濃縮した。次いで、混合物を−2.5±2.5℃に冷却し、温度を5℃未満に維持しながら、濃縮された塩酸(53.0Kg)をゆっくり添加した。その後、混合物を15±5℃に温め、HPLC分析により、反応(脱保護)が完了するまで攪拌した。温度を25℃未満に維持しながら、水(151.1L)を添加した後、重炭酸ナトリウム(46.0Kg)を少しずつ添加した。次いで、混合物を20±5℃で1.5時間加熱した。酢酸エチル(137.1Kg)を添加し、混合物を1時間攪拌した。層を分離し、有機相を水(150.7L)で洗浄した。次いで、有機相を5%水性塩化ナトリウム溶液(2x159Kg)で洗浄した。その後、混合物を、減圧下で、約100Lに濃縮した。酸洗浄された活性炭(11.1Kg)の床を、酢酸エチル(48.3Kg)で平衡化した。次いで、有機混合物を木炭床(真空および圧力を利用)に通し、続いて、インラインフィルタに通した(あらゆる木炭を除去するため)。次いで、木炭床を酢酸エチル(245.2Kg)で洗浄した。その後、温度を40℃未満に維持しながら、混合物を、減圧下で、約40Lに濃縮した。酢酸エチル(87.7Kg)を添加し、温度を40℃未満に維持しながら、混合物を、減圧下で、約40Lに濃縮した。酢酸エチル(91.3Kg)を添加し、温度を40℃未満に維持しながら、混合物を、減圧下で、約40Lに濃縮した。酢酸エチル(88.6Kg)を添加し、温度を40℃未満に維持しながら、混合物を、減圧下で、約40Lに濃縮した。酢酸エチル(94.7Kg)を添加し、温度を40℃未満に維持しながら、混合物を、減圧下で、約40Lに濃縮した。次いで、混合物を50±5℃に加熱し、温度を50±5℃に維持する速度で、ジクロロメタン(89.7Kg)を添加した。次いで、標記化合物(55g)で混合物を播種し、温度を45±5℃に維持しながら、4時間にわたって、さらにジクロロメタン(502.6Kg)を添加した。さらに30分間攪拌した後、混合物を20±5℃に冷却し、16時間攪拌した。次いで、混合物を2.5±2.5℃に冷却し、8時間攪拌した。固体生成物を濾過により単離し、2.5±2.5℃のジクロロメタン(1×50.1Kgおよび1×49.8Kg)で洗浄した。次いで、固体を35℃以下の減圧下で乾燥させ、白色固体として標記化合物(6.1Kg)を得た。H NMR(300MHz,DMSO,δ):8.15(s,1H)、7.73(d,1H)、7.40(s,2H)、7.06−7.29(m,5H)、6.61(d,1H)、5.88(dd,1H)、5.26−5.42(m,1H)、4.90(d,1H)、4.26−4.35(m,1H)、4.14−4.25(m,1H)、3.95−4.07(m,1H)、2.90−3.04(m,1H)、2.75−2.89(m,1H)、2.62−2.74(m,1H)、2.40−2.55(m,1H)、1.97−2.18(m,3H)、1.83−1.96(m,2H)。
【0146】
スルファミン化試薬の調製
クロロスルホニルイソシアネート(45.2Kg、319.4mol)をトルエン(194.2Kg)に添加し、得られた溶液を約0〜6℃の間に冷却した。温度を約0〜6℃の間に維持しながら、トルエン(48.0Kg)中のtert−ブチルアルコール(23.6Kg、318.4mol)の溶液を90分にわたって添加した。その後、tert−ブチルアルコールの消費が完了するまで(約80分)、混合物を攪拌した。次いで、温度を約0〜6℃の間に維持しながら、トルエン(293.0Kg)中のトリエチレンジアミン(DABCO、71.4Kg、636.5mol)の溶液を2.5時間にわたり混合物に添加した。次いで、混合物を20〜25℃に温め、8時間攪拌した。固体生成物を、窒素雰囲気下で遠心濾過により単離し、トルエン(180.8Kg)、次いで、tertブチルメチルエーテル(51.0ガロン)で洗浄し、排出される液体がそれ以上観察されなくなるまで(約60分)回転させた。その後、固体を真空下でさらに乾燥させ、132.9Kgのスルファミン化試薬を得た。
【0147】
ステップ3:((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1の合成
反応槽に、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(13.4Kg、30.2mol)、および200プルーフのエタノール(106.2Kg)を入れた。混合物を加熱還流し、透明な溶液を得た。混合物を50±5℃に冷却し、カートリッジフィルタに通した。200プルーフのエタノール(8.9Kg)を使用してフィルタをすすいだ。50±5℃の温度を維持する速度で、カートリッジフィルタを介して、エタノール(10.2Kg)中の1.27M塩化水素を添加した。次いで、混合物を形態1(67g)で播種した。50±5℃の温度を維持する速度で、カートリッジフィルタを介して、さらに1.27M HCl(10.2Kg)を添加した。次いで、混合物を50±5℃で、約3時間攪拌した。その後、約3時間にわたって、混合物を20±5℃に冷却した後、約2.5時間攪拌した。次いで、固体生成物を濾過により単離し、200プルーフのエタノール(1×20.4Kgおよび1×21.2Kg)で洗浄した。収集される上澄みが観察されなくなるまで、固体をフィルタ上で吸引により乾燥させた後、30℃以下の減圧下でさらに乾燥させ、XRPDにより形態1であることが決定された標記化合物(12.2Kg)を白色固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO,δ):9.83(s,1H)、8.34(s,1H)、7.62(s,1H)、7.44(s,2H)、7.30(m,3H)、7.22(t,1H)、7.07(s,1H)、5.86(dd,1H)、5.42(m,1H)、4.32(m,1H)、4.21(dd,1H)、4.02(dd,1H)、3.04(m,1H)、2.88(m,1H)、2.67(m,2H)、2.15(m,2H)、2.08(m,2H)、1.94(m,1H)。形態1のXRPDデータを図1および表1に示し、DSCデータを図2に示し、形態1のTGAデータを図3に示す。
【0148】
((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1の代替的調製
反応槽に、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(1当量)およびエタノール(投入材料に対して15容量)を添加し、混合物を20〜25℃で攪拌した。エタノール(入力材料に対して1当量)中の1.0M塩化水素を、25℃以下の温度を維持する速度で添加した。次いで、混合物を20±5℃で、最低4時間攪拌した。固体生成物を濾過により単離し、エタノール(投入材料に対して2×2.5容量)で洗浄した。その後、生成物をフィルタ上で吸引により乾燥させた後、30±5℃の温度の減圧下で標記化合物を得た。
【0149】
((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1の代替的調製
フラスコに、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル(25g、56.4mmol)および200プルーフのエタノール(300mL)を入れた。混合物を70〜75℃に加熱し、透明な溶液を得た。混合物を50±5℃に冷却した。エタノール(25mL、31mmol)中の1.25M塩化水素を50±5℃の温度を維持する速度で、速やかに添加した。次いで、混合物を形態1で播種した。50±5℃の温度を維持しながら、さらに1.25MのHCl(25mL、31mmol)を60分にわたって添加した。次いで、混合物を50±5℃で、約2時間攪拌した。その後、混合物を約2時間にわたって20±5℃に冷却した後、約17時間攪拌した。次いで、固体生成物を濾過して単離し、200プルーフのエタノール(50mL)で洗浄した。固体をフィルタ上で吸引により約5時間乾燥させ、その後、30〜35℃の減圧下でさらに乾燥させ、白色固体として標記化合物(22.5g)を得た。
【0150】
実施例2):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態2の合成
8容量のHOを非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(100mg)に添加し、それを、振蘯させながら3日間、4時間の加熱/冷却サイクル(室温〜40℃)を使用して成熟させた。得られた固体を、さらに乾燥させることなく真空下で濾過した。形態2のXRPDデータを図4および表2に示し、形態2のDSCおよびTGAデータを図5に示す。
【0151】
実施例3):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3Aの合成
8容量のEtOHを、4mLのバイアル中の非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(44mg)に添加した。30分間、冷蔵庫に放置した後、得られたスラリーをガラス製のスライド上に設置し、過剰溶媒を蒸発させ、形態3Aを得た。形態3AをXRPD、DSC、およびTGAにより分析した。形態3AのXRPDデータを図6および表3に示し、DSCおよびTGAデータを両方とも図7に示す。
【0152】
実施例4):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3Bの合成
20容量のEtOAcを、バイアル中の非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(120mg)に添加し、10℃で一晩攪拌した後、冷凍庫で保持した。過剰溶媒をスラリーから蒸発させ、得られた結晶物質である形態3BをXRPD、DSC、およびTGAにより分析した。形態3BのXRPDデータを図8および表4に示し、DSCおよびTGAデータを両方とも図9に示す。
【0153】
実施例5):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態3Cの合成
12容量のMEKを、4mLのバイアル中の非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(110mg)に添加し、室温で一晩攪拌した後、−20℃の冷凍庫で保持した。その後、スラリーを濾過し、得られた結晶物質である形態3CをXRPD、DSC、およびTGAにより分析した。形態3CのXRPDデータを図10および表5に示し、DSCおよびTGAのデータを両方とも図11に示す。
【0154】
実施例6):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態5の合成
3容量のTHFを、4mLのバイアル中の非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(192mg)に添加した。得られたスラリーを室温で一晩攪拌した。さらに3容量のTHFを添加した後、スラリーを−20℃の冷凍庫で保持した。スラリーを濾過し、得られた結晶物質をさらに乾燥させることなく分析した。形態5のXRPDデータを図12および表6に示し、DSCおよびTGAのデータを両方とも図13に示す。
【0155】
実施例7):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態7の合成
10容量のジオキサンを、4mLのバイアル中の非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(68mg)に添加し、室温で一晩、その後、冷凍庫で攪拌した。スラリーを試料ホルダー上に設置し、過剰溶媒を蒸発させた後、XRPDにより分析した。形態7のXRPDデータを図14および表7に示し、DSCおよびTGAのデータを両方とも図15に示す。
【0156】
実施例8):非結晶((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩の合成
((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩(1.14g)を70%w/wのtert−ブチルアルコール/HO(70重量倍)に溶解し、0.45ミクロンフィルタを通して濾過された、透明な溶液を得た。次いで、溶液をドライアイス/アセトン混合物を用いて凍結させ、一晩、凍結乾燥させて、標記化合物を得た。
【0157】
実施例9):((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1の製剤の調製
クエン酸およびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(Captisol(登録商標)、CyDex,Lenexa,Kansas)を注射用蒸留水に溶解する。溶液を得たら、((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチル塩酸塩形態1(塩酸塩の形態1)を添加し、溶解する。2Nの水酸化ナトリウムを用いて、pHを3.30.2に調節する。最初に清澄フィルタ0.45μM)、次いで減菌フィルタ(0.2μM)を通して、混合物を濾過する。その後、自動システムを使用して、混合物をバイアルに無菌充填した後、アルミニウムシールの付いたFlip−Off(登録商品)キャップで蓋をした。製剤の組成を、以下の表8に示す。
【0158】
【表8】

(実施例10).以下の表は、固体状態の((1S,2S,4R)−4−{4−[(1S)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−ヒドロキシシクロペンチル)スルファミン酸メチルについて得られた安定性データ(ピーク面積%は、HPLCにより測定された)を要約する。
【0159】
【表9−1】

【0160】
【表9−2】

前述の本発明は、明確さおよび理解の目的のために詳細に説明されたが、これらの特定の実施形態は例証としてであり、制限的なものではないものとする。当業者には、形式および詳細の種々の変更が、本発明の正しい範囲から逸脱することなくなされ得、本発明の正しい範囲は特定の実施形態ではなく添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることが理解されよう。
【0161】
本明細書で参照される特許および科学文献は、当業者に利用可能である知識を確立する。別途定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的かつ科学的用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される交付済みの特許、特許出願、および参照文献は、それぞれが具体的かつ単独に参考によって組み込まれることが示されるのと同じ程度で、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む、本開示が優先される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化5】

の化合物、またはその結晶形態、もしくはその溶媒和物。
【請求項2】
少なくとも85重量%が結晶形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
少なくとも95重量%が結晶形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記結晶形態は形態1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
形態1は、9.6°、13.6°、および19.1°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
形態1は、9.6°、13.6°、14.5°、19.1°、および23.7°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
形態1は、(I−i)〜(I−iv)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項4に記載の化合物:
(I−i)9.6°、13.6°、および19.1°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(I−ii)実質的に、図2に示されるDSCプロファイル、
(I−iii)実質的に、図3に示されるTGAプロファイル、
(I−iv)水中で約7.8mg/mLの溶解度。
【請求項8】
前記結晶形態は形態2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
形態2は、8.7°、18.2°、および23.8°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
形態2は、8.7°、18.2°、19.4°、23.8°、24.3°、および27.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
形態2は、(II−i)〜(II−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項8に記載の化合物:
(II−i)8.7°、18.2°、および23.8の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(II−ii)実質的に、図5に示されるDSCプロファイル、
(II−iii)実質的に、図5に示されるTGAプロファイル。
【請求項12】
前記結晶形態は形態3Aである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
形態3Aは、10.9°、14.6°、19.5°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
形態3Aは、10.9°、14.6°、16.9°、19.5°、24.0°、および25.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
形態3Aは、(III−i)〜(III−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項12に記載の化合物:
(III−i)10.9°、14.6°、19.5°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(III−ii)実質的に、図7に示されるDSCプロファイル、
(III−iii)実質的に、図7に示されるTGAプロファイル。
【請求項16】
前記結晶形態は形態3Bである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
形態3Bは、10.8°、16.9°、23.7°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
形態3Bは、10.8°、14.5°、16.9°、19.3°、21.2°、23.7°、24.0°、および28.8°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
形態3Bは、(IV−i)〜(IV−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項16に記載の化合物:
(IV−i)10.8°、16.9°、23.7°、および24.0°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(IV−ii)実質的に、図9に示されるDSCプロファイル、
(IV−iii)実質的に、図9に示されるTGAプロファイル。
【請求項20】
前記結晶形態は形態3Cである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
形態3Cは、11.0°、12.2°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
形態3Cは、11.0°、12.2°、14.9°、19.8°、24.0°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
形態3Cは、(V−i)〜(V−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項20に記載の化合物:
(V−i)11.0°、12.2°、および24.4°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(V−ii)実質的に、図11に示されるDSCプロファイル、
(V−iii)実質的に、図11に示されるTGAプロファイル。
【請求項24】
前記結晶形態は形態5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
形態5は、16.7°および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
形態5は、16.7°、17.2°、18.1°、および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項24に記載の化合物。
【請求項27】
形態5は、(VI−i)〜(VI−iv)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項24に記載の化合物:
(VI−i)16.7°および22.9°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(VI−ii)実質的に、図13に示されるDSCプロファイル、
(VI−iii)実質的に、図13に示されるTGAプロファイル。
【請求項28】
前記結晶形態は形態7である、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
形態7は、15.4°、17.3°、19.6°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
形態7は、10.0°、15.4°、16.6°、17.3°、18.0°、18.3°、19.6°、22.0°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターンを特徴とする、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
形態7は、(VII−i)〜(VII−iii)のうちの少なくとも2つを特徴とする、請求項28に記載の化合物:
(VII−i)15.4°、17.3°、19.6°、および22.5°の2θ角でピークを有するXRPDパターン、
(VII−ii)実質的に、図15に示されるDSCプロファイル、
(VII−iii)実質的に、図15に示されるTGAプロファイル。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれかに記載の化合物と、薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項33】
治療を必要とする患者における癌の治療に使用するための、請求項1〜31のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
前記癌は、白血病またはリンパ腫である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
治療を必要とする患者における癌を治療するための薬学的組成物であって、活性成分として請求項1〜31のいずれかに記載の化合物と、薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項36】
前記癌は、白血病またはリンパ腫である、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
癌の治療のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜31のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項38】
前記癌は、白血病またはリンパ腫である、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
治療を必要とする患者における癌の治療のための、有効量の請求項1〜31のいずれかに記載の化合物の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2012−526808(P2012−526808A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510795(P2012−510795)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/001415
【国際公開番号】WO2010/132110
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(500287639)ミレニアム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (98)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】