説明

(1)パンニング、製菓、食物/医薬用粘着とコーティング、(2)フレーバーのカプセル化/噴霧乾燥フレーバーおよび可食フィルム、および(3)リソグラフィーにおけるアラビアガム代替品

食用、医療用、および産業用等の様々なアプリケーションに用いるアラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物を準備する方法が開示される。一態様では、本発明は、パンニング、キャンディ、コーティングおよび粘着アプリケーションで用いるアラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物を準備する方法に関する。この方法は、総組成の約0.1%と約10%の間の、天然のおよび/または加工された多糖類の強力な(キー)被膜形成剤、または完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される上記被膜形成剤を選択するステップを含む。


【発明の詳細な説明】
【関連出願の表示】
【0001】
このアプリケーションは2008年7月25日に出願の米国仮特許出願第61/083808号の利益を要求し、その開示のすべてを、すべての目的のために、当該明細書に参照により援用する。
【技術分野】
【0002】
この開示は、概してアラビアガム代替品に関する。このアラビアガム代替品は、これらの分野には限定されるものではないが、(1)パンニング(パンコーティング)、製菓、食物/医薬用粘着とコーティング、(2)フレーバーのカプセル化/噴霧乾燥フレーバーおよび可食フィルム、および(3)リソグラフィーまたは印刷への適用を含む、3つの主要な適用分野における使用を目的とし、例えば、(1)チューイングガムおよびパンニングされたピーナッツ、チョコレートまたはガム・ボールのコーティングの糖結合剤および強化剤、各種ナッツ、チョコレート、麦ボールなどの油を含む中心部(センター)のためのシーラントおよび酸素バリア、トローチや飴玉の成形用硬化剤、パンニングされた製品、シリアル、錠剤その他の製品の光沢仕上げ剤、そして、グラノーラ・バー、シリアル・クラスタ、種用の粘着剤、(2)噴霧乾燥用フレーバー油の乳化剤およびカプセル化剤、および、小片に分裂して食用ラメになる被膜形成剤、そして、(3)リソグラフィーに用いる湿潤剤および油/インク除去剤といった、アラビアガムから抽出される様々な機能性を達成する。
【背景技術】
【0003】
アラビアガムは、世界の熱帯および亜熱帯の領域でマメ科のアカシア属の木のいろいろな種から得られる滲出液を乾燥させたものである。アラビアガムには、食物、医薬用、産業用として複数のアプリケーションがある。現在、商業的に使われるアカシアは二種類ある。食用および医薬用に使用されるアカシア・セネガル種とアカシア・セイヤル種である。しかし、産業アプリケーションとしては、特にリソグラフィーでは、コンブレタムと呼ばれる別の木滲出液が代替品のスタンダートとなりつつある。これらの種の主たる産出国はスーダン共和国、チャド、エリトレア、ナイジェリアその他の近隣諸国を含むアフリカのサヘル地域にある。アフリカのこの地域における政治的混乱により、アラビアガムの不足は珍しいことではない。
【0004】
食用および医薬用アプリケーションのためのアラビアガムへのニーズは非常に大きい。パンニング用単独でも、アラビアガムの世界的な需要は1年につき約2000万パウンドあると見積もられる。近年、アラビアガムの供給は、その供給元であるアフリカ地域における政治的不安定が原因で非常に変動しやくす予測不能である。このため、アラビアガムの供給が十分でないことの危険性への懸念が高まりつつある。
【0005】
アラビアガムは粘度が並外れて低い高分子量多糖類である。そして、35%濃度まではニュートン液体としてふるまう。そして、55%〜60%濃度で溶解し、濃いシロップとなる。この低い粘性はその構造分岐性に起因し、アラビアガムはこの分岐性により球状分子となっている。直鎖状ガムと違って、この分岐性はミセル形成を防ぎ、水中で水和させると分子間水素結合を最小限に抑える。その結果、弱い膜が形成される。また、溶液は高濃度で粘度性が増すが、乾燥すると脆いテクスチャーになる。独特のパターンのひびがある表面に塗工すると光沢膜を形成する。200万ダルトンを超える超高分子量グリコプロテイン複合体を形成する多糖画分のある部分に共有結合してリンクされるタンパク質の存在に起因する乳化特質を有する。
【0006】
アラビアガムはチューイングガムのハードパンニングやチョコレートでパンニングされた製菓に用いられ、砂糖または糖アルコール類から成るシェル・コートを結合させ強化する。また、中心部に噴霧したり大きなスプーンですくってかけるといったシロップ製法に加えられる。アラビアガムは、コスト上の理由で、パンニング処理の初期の段階にだけ使われるか、あるいはシロップ投入の全ての段階(シロップチャージ)で、特に、砂糖を用いない製法においてチューイングガム中心部のまわりに強いシェル層の形成を補助するに用いられる。コーティング時やシロップ塗布(engrossing)時における結合性を良くする必要があるのは、直接的には規模拡大の結果であり、生産力向上のためにより大きなコーティングパンを使いたいという要望による。その結果、パンの中で中心部が転がり回ることによりシェル・コートの破損が増加する。また、ひび割れは、梱包時、完成品の輸送時や、消費者が包装容器を振ったときに生じる場合も多々ある。通常の糖パンニングにおいても、大きなパンコーティング器を使うので、コーティング処理においてシェルの強度を上げる必要性が顕著になっている。マルトデキストリンは通常のシロップ・コーティングにおいて糖結合に用いられるより安価な代用品であるが、コーティング用のパンが小さくバッチサイズが少なければ問題なく機能するかもしれないが、結晶がより弱く、砕けやすいために、より大きなコーティングパンとバッチサイズを用いる場合には、アラビアガムの代替品としては失格である。
【0007】
アカシア・セネガルは、高級なアラビアガムであり、主に、飲料の乳化、風味付け用フレーバーの乳化や噴霧乾燥フレーバー用いられる自然の乳化剤である。アカシア・セイヤルは、乳化剤としては限られた特性を有するが費用が安い構造を有する、アラビアガムの一等級である。乳化が二次的であり、さほど重要でないアプリケーションではアカシア・セイヤルはセネガルの替わりに用いられてきた。飲料の乳化におけるアカシア・セネガルの代用としての使用は開発され商業化されている。例えば、各種の乳化用澱粉や、米国特許第6,455,512号に開示されている、アカシア・セイヤルから作られたOSA加工されたアカシア・ガム等がある。フレーバーのカプセル化や噴霧乾燥フレーバーでは、アカシア・セイヤルそのまま、アカシア・セイヤルと加工アラビアガムのブレンド、およびマルトデキストリンで乳化した澱粉のブレンドが、部分的に、アカシア・セネガルに代用されるようになっている。本願発明の実施の形態はこれらの現在の代替方法とは異なり、様々なアプリケーションにおけるアラビアガムの主要な特性に合致するように、あるいは、いくつかの場合においては、コスト面でより安価または同等でありながらも、アラビアガムの機能を超える代替品機能を向上させるように、その貢献度に応じて評価され選択された材料で組成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,455,512号公報
【0009】
パンニングと製菓のような他のアプリケーションでは、アラビアガムの主な代替品としては、アカシア・セネガルの代わりにアカシア・セイヤルが使用されているが、アラビアガムの切迫した不足問題を解決するものではない。砂糖(例えば、蔗糖、ブドウ糖、フルクトースまたはブドウ糖シロップ)を使用、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトールまたは水素化された澱粉加水分解物を含んでいる無糖組成物を使用した、食用または医薬用組成物のハードパンニングまたはコーティングには、シェルまたは封止の結合と強化にアラビアガムの使用がほぼ必ず必要となる。核部(コア)にコーティングを施す方法は、一般的には、回転するパンの中で、所望の速度と温度で核部を転がし、液状のコーティングを複数回投入し、皮膜処理の合間にコーティングを乾燥する。このコーティング処理はシェル・コートが所望の厚み、製品重量の約30〜33%になるまで繰り返される。このプロセスの各種バリエーションが開発されている。
【0010】
食用フィルムやラメの場合には、粘度、透明度、および特定のひび割れパターンと、成型ベルトへの粘着/ベルトからの解放が重大であるため、アラビアガムは、依然として、この目的のために現在も唯一使われているガム素材である。
【0011】
リソグラフィーでは、油とアラビアガムは、滑らかな表面(例えば石灰岩または金属プレート)を、インクを受け入れる疎水性の領域と、インクを拒絶することにより背景となる親水性の領域とに分割するのに用いられる。画像は印刷プレートの表面に脂肪または油系媒体(疎水性)で描画される。この媒体は図面が見えるように色素を含むようにしてもよい。広範囲にわたる油系媒体が利用できるが、石の上の画像の耐久性は、使用する材料の脂質含有量と、耐水および耐酸力とに依存する。画像を描画した後に、硝酸でわずかに酸性化させたアラビアガムの水溶液が石に塗られる。この溶液の機能は、すべての非画像面領域上に硝酸カルシウム塩とアラビアガムの親水性層をつくることである。ガム溶液は石の孔に浸透するか、金属プレートの表面に接着することにより、印刷用インクを受け入れない親水性層でオリジナル画像を完全に囲む。リソグラフィーテレビンを使って、プリンターは余分な油脂性の描画資材を取り除くが、疎水性の分子フィルムは石の表面に強固に残存しアラビアガムと水を拒絶する一方、油性インクを受け入れる準備ができる。印刷の際には、石は水で濡れた状態が保持される。当然、水は酸洗浄によって生成されるガムと塩の層に引きつけられる。例えば、顔料が入った亜麻仁油やニスといった乾性油を含む印刷用インクが、表面の上を転がされる。水は油脂性インクをはじくが、最初描画材料によって残った疎水性の領域は水を受け入れる。疎水性の画像にインクが付加されると、石と紙は表面の上に均等の圧力を印加するプレスに通され、これにより、インクが石を離れて紙に転写される。このアプリケーションでは、低粘性セルロース・ガムまたはカルボキシメチルセルロース、およびコンブレタムと呼ばれる別の木滲出液が、水性印刷手法おいて、部分的に、アラビアガムの代用として用いられている。しかし、上述の開示から明らかなように、開示された組成物の代替は異なる。
【0012】
アラビアガムは独特な特性を有しているために、食品、医薬、および産業的適用といった様々なアプリケーションにおいてアラビアガムを代替する関連技術に乏しい。このため、アラビアガムの代替品へのニーズがある。
【発明の概要】
【0013】
そこで、本発明はアラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張代替品に関し、これらを、いろいろなアプリケーション(例えば、食品業界、製薬産業、その他)に用いることにより、関連分野における欠点やデメリットに起因した課題の少なくとも1つを除去することを目的としている。
【0014】
本発明の利点のひとつは、輸入アラビアガムに対する依存を減らし、地元で入手可能な材料を使ったアラビアガム代替品を提供することにある。
【0015】
本発明の別の利点は、アラビアガムより優位性かあり、より安価な構造のアラビアガム代替品を供給することにある。
【0016】
本発明の他の利点は、パンニングに用いた場合には色がより白く速乾性が高いことや、酸化に対する被膜バリアと保護が改善するといった、特定のアプリケーションにおける付加的な改良にある。
【0017】
本発明の更なる特徴および効果は以下の説明に記載されており、当該説明からある程度明らかであり、発明の実行によって理解されるかもしれない。発明のこれらの特徴と他の利点は、添付の実施だけでなく説明とクレームで特に示される構造から認識され、達成されるであろう。
【0018】
本発明の実施の形態は、パンニング、キャンディ、コーティングと粘着アプリケーションで用いる、アラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物を準備する方法に関する。この方法は、総組成の約0.1%と約10%の間の、天然および/または加工多糖類の強力な(キー)被膜形成剤であって、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される前記被膜形成剤を選択するステップを有する。
【0019】
本発明の別の実施の形態は、アラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、糖または糖アルコール・シェル・コート、中心部を内包するシールオイルを結合強化剤、キャンディの強化剤、ならびに種およびシリアル片の粘着剤として用いる方法に関する。この方法は、アラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、糖または糖アルコール・シェル・コート、中心部を内包するシールオイルの結合強化剤、キャンディの強化剤、および種およびシリアル片の粘着剤として用いるステップを有する。この実施形態の組成物は、総組成の約0.1%と約10%の間の天然のおよび/または加工されたガムの強力な(キー)被膜形成剤、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%までに相当するレベルで使用される前記被膜形成剤を用いる。任意的に、上記組成物は、低粘度のひび割れ剤と、粘着性修飾剤と、高速結晶剤とをさらに含む。例えば、低粘度のひび割れ剤は、総組成の約0%と約99.9%の間であるか、あるいは、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜99.9%に相当するレベルで使用される。粘着性修飾剤は、総組成の約0%と約10%の間を構成してもよく、あるいは、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜10%に相当するレベルで使用される。高速結晶剤は総組成の約0%と約99.8%の間を占めてもよく、あるいは、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜99.8%に相当するレベルで使用される。
【0020】
さらに別の実施の形態は、アラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、噴霧乾燥フレーバーのカプセル化剤として、又は食用フィルムとして準備する方法に関する。当該方法は、総組成の約0.1%と約10%の間の天然のおよび/または加工された多糖類の強力な(キー)被膜形成剤、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される前記被膜形成剤を選ぶステップを有する。当該方法は、生成から少なくとも4〜6時間の間、安定したフレーバーエマルジョンを提供する、天然のおよび/または加工された乳化剤であって、食用ラメにおいてアラビアガムを代替するときの選択材料となることができ、総組成の約0.1%〜約25%である乳化剤を加えるステップも有する。さらに、総組成の約50%〜約99.9%の低粘性多糖類であって、35〜40度ブリックス(Brix)濃度において、摂氏25度で約10cPから約2000cPの粘性を持つ低粘性多糖類を加えるステップを有する。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態は、リソグラフィーまたは印刷アプリケーションにアラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を用いる方法に関する。当該方法は、総組成の0.1%〜約10%の陰イオン多糖類であって、キサン・ガム、セルロース・ガム、アルギン酸塩、ガッチ、カラヤとその組合せからなる群から選択される陰イオン多糖類を選択するステップを有する。当該方法は、さらに、総組成の0.1%〜約25%の乳化剤および表面粘着修飾子を加えるステップを含む。上記乳化剤および表面粘着修飾子は、プロピレングリコール・アルギン酸塩、OSA加工ガム、高有効ガムアカシア乳化剤、トラガカントガムおよびその組合せからなる群から選ばれる。当該方法は、マルトデキストリン、カラマツ・ガム、イヌリン、ポリ・ブドウ糖およびその組合せからなる群から選ばれ、総組成の約65%〜約99.8%の低粘性耐溶剤性多糖類を加えるステップも有する。その構成は、約14度ボーメ(Baume)の濃度において摂氏25度で約10cP〜の約900cPの粘度を有する。
【0022】
前述の一般的な説明および後述の詳細な説明のいずれもが例示的および説明的であり、特許請求の範囲に記載された発明の追加的な説明の提供を目的とすることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付の図面は、発明の更なる理解をもたらし、この明細書に援用されてその一部を構成するものであり、発明の実施の形態を例示し、かつ、説明と共に発明の原理を説明する役目を果たす。
図面において、
【図1A】本発明の一例による、アカシア・セイヤル・アラビアガムのフィルムひび割れパターンを示す。
【図1B】本発明の別の一例による、アカシア・セネガル・アラビアガムのフィルムひび割れパターンを示す。
【図2】図1Aと図1Bのアラビアガム組成物の粘性プロファイルを示す。
【図3A】本発明の別の一例による、CMCまたはセルロース・ガムフィルムを示す。
【図3B】本発明の別の一例による、メチルセルロース・ガムフィルムを示す。
【図3C】本発明の別の一例による、ペクチンフィルムを示す。
【図3D】本発明の別の一例による、寒天フィルムを示す。
【図3E】本発明の別の一例による、アルギン酸ナトリウムフィルムを示す。
【図3F】本発明の別の一例による、イナゴマメ・ガムフィルムを示す。
【図3G】本発明の別の一例による、キサンフィルムを示す。
【図3H】本発明の別の一例による、カラゲーニンフィルムを示す。
【図4A】本発明の別の一例による、イヌリンフィルムを示す。
【図4B】本発明の別の一例による、カラマツ・ガムフィルムを示す。
【図4C】本発明の別の一例による、低い粘性澱粉フィルムを示す。
【図4D】本発明の別の一例による、マルトデキストリンフィルムを示す。
【図5A】本発明の別の一例による、Replacement 1 Std.(代替品1スタンダード)のフィルムひび割れパターンを示す。
【図5B】本発明の別の一例による、Replacement 1 All Natural(代替品1オールナチュラル)のフィルムひび割れパターンを示す。
【図6】本発明の別の一例による、粘性プロファイルを示す。
【図7】本発明の別の一例による、異なるフレーク・パターンを有する3つの異なるフィルムを示す。
【図8A】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するアカシア・セイヤル・アラビアガムフィルムを示す。
【図8B】本発明のもう一つの例によるフレーク・パターンを有するアカシア・セイヤルとアカシア・セネガルのブレンド比が50対50のアラビアガムフィルムを示す。
【図8C】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するアカシア・セネガルフィルムを示す。
【図8D】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有する1つのアカシア・セイヤルReplacement 1 Std.フィルムを示す;
【図8E】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するアカシア・セイヤルフィルムを示す。
【図8F】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するアカシア・セネガルフィルムを示す。
【図8G】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するアカシア・セネガルフィルムを示す。
【図8H】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するReplacement 1 Fast(代替品1ファスト)フィルムを示す。
【図8I】本発明の別の一例によるフレーク・パターンを有するReplacement 1 All Naturalフィルムを示す。
【図9A】本発明の別の一例による、異なる時間間隔における、アカシア・セイヤル・アラビアガムのタービスキャンのプロファイルを示す。
【図9B】本発明の別の一例による、異なる時間間隔における、アカシア・セネガル・アラビアガムのタービスキャンのプロファイルを示す。
【図9C】本発明のもう一つの例による、異なる時間間隔における、OSAガムを乳化剤として用いた場合のReplacement 2のタービスキャンのプロファイルを示す。
【図9D】本発明の別の一例による、異なる時間間隔における、OSA澱粉乳化剤を用いた場合のReplacement 2(代替品2)のタービスキャンのプロファイルを示す。
【図9E】本発明の別の一例による、異なる時間間隔における、天然乳化剤を用いた場合のReplacement 2のタービスキャンのプロファイルを示す。
【図9F】本発明の別の一例による、異なる時間間隔における、乳化剤を用いなかった場合の分離エマルジョンReplacement 2のタービスキャンのプロファイルを示す。
【図10A】本発明の一例による、アカシア・セイヤル食用ラメを示す。
【図10B】本発明の別の一例による、OSA加工ガム食用ラメを用いたReplacement 2を示す。
【図10C】本発明の別の一例による、Replacement 2 All Natural(代替品2オールナチュラル)乳化剤食用ラメを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態は、(1)パンニング、製菓、食物、製薬粘着とコーティング、(2)フレーバーのカプセル化/噴霧乾燥フレーバー、および食用フィルム、(3)リソグラフィーまたは印刷アプリケーションの3つの主要なカテゴリーのアプリケーションで使用するためのアラビアガム代替品に関する。もちろん、アラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、多くの他のアプリケーション(例えば、食物、製薬および産業アプリケーション)に用いてもよい。実施の形態はチューイングガム、製菓、フレーバーカプセル化、食用フィルムとリソグラフィー産業などの大小のユーザーが地元で入手可能な材料を用いたアラビアガム代替品に関し、これにより、価格および供給不足への懸念を最小限にする。
【0025】
アラビアガムの性質は、連続フィルムを生成可能な材料と連続フィルムを生成不能な材料との間にある。本発明の実施の形態では、強力な被膜形成剤、ひび割れ剤、高速結晶剤、および乳化剤などのキー成分をコントロールすることによって、フィルム形成の両極間にある材料の形成を可能とする。
【0026】
本発明の実施の形態は、被膜形成力、低粘度性、糖結合特質、乾燥時間への影響、結晶化パターン、粘着度のレベル、クランチ等のアラビアガムのパラメータまたは特徴も考慮する。アラビアガムのこれらのパラメータまたは特徴は最終用途アプリケーションで優れたパフォーマンスを提供する一方、乾燥時間、シェル強度、クランチ、および最適化された粘着性などの特定の特徴については改善が望まれる。さらに、最終製品の輸送中のひび割れが問題であることから、ひび割れしない、又は砕けないアラビアガム代替品への要求もある。
【0027】
パンニングを目的としたナッツ、チョコレート、麦ボールその他の油を含む中心部を密封するためにアラビアガムが選択されるのは、40%でコーティング・シロップとしての使用を可能とするその独特な低粘性のためであり、また、油に封をする油バリアとして、および酸化と酸敗臭を防止する酸素バリアの両方として機能する被膜形成特質にも因る。アラビアガムは高濃度において粘着性があり接着性もあるため、種、シリアル・クラスタ、グラノーラ・バーおよび関連した製品の粘着に好適である。チョコレートでパンニングした製菓の艶出し剤として用いたり、錠剤にコーティングしたり、チョコレート・バーや他の製菓に噴霧すると、光沢がある被膜となる。アラビアガムは、トローチその他の飴玉の強度を増し、結晶化砂糖キャンディの脆性を減少させるのにも用いられる。
【0028】
アラビアガムは、伝統的に、フレーバー油を酸化から保護するために、フレーバーカプセル化または噴霧乾燥フレーバーでも使われる。多くの他のガム多糖類と比較してそれほど良い被膜形成剤ではないが、噴霧乾燥用の乳化剤の粘度を最低限度だけ増した製法をハイソリッド(すなわち、より少ない水分で乾燥)で使用できるので、アラビアガムの低粘性はこのアプリケーションにおける被膜形成剤としては理想的である。同時に、カプセル化理論では、カプセル化すべき油1部に対して4部のカプセル化材料が最適比率として要求される。このため、相当優れた被膜形成特質を有する他のガムでさえも、4:1の最適用法と比較してかなり少なく用いても粘度が過度になるため、適さない。フレーバーのカプセル化では、アラビアガムの特性として必要とされる、被膜形成性と低粘性とは別の特性として乳化特性がある。アラビアガムのいずれの等級(アカシア・セイヤルとアカシア・セネガル)も、このアプリケーションにおいては同程度に機能することがわかっている。アカシア・セイヤルは比較的弱い乳化特性のために安定飲料エマルジョンを生成しないが、噴霧乾燥が意図されたフレーバーエマルジョンを乳化するには十分である。したがって、このアプリケーションでアラビアガムを代替するには、乳化剤は、前述のアプリケーションでは必要とされないが、当該組成では必要な材料である。
【0029】
約40%の溶液が表面(通常、ステンレス鋼ベルト)に塗工され乾燥した場合のアラビアガムのひび割れパターンは、食用フィルムラメとしては完璧である。弱い被膜性と低粘性はここでも重要なプロパティであるが、加えて、透明度、光沢、濡れているときの粘着特性と、被膜が乾燥したときの剥がれ易さは、このアプリケーションにおいてアラビアガムの質属性としては等しく重要である。
【0030】
リソグラフィーでは、水溶液におけるアラビアガムの主要な機能は、すべての非画像面領域で硝酸カルシウム塩とアラビアガムの親水性層をつくることである。したがって、リソグラフィーで重要なアラビアガムの特性は、水溶液における完全な可溶性と安定性、表面の粘着力/湿潤および被膜形成を含む。
【0031】
本発明の実施の形態は、様々な異なるアプリケーションで使用可能な、アラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物を準備することを目的としている。アラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物は、2段階のプロトコルに従う。2段階のプロトコルは第1フェーズと第2フェーズを含み、第1フェーズは、粘性、被膜形成特徴、コーティング、光沢、結晶化、ひび割れおよび可溶性等のアラビアガムの特性を研究することを目的とする。第2段階は、食物、製薬、産業アプリケーション等の特定の最終用途におけるアラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物の試験を目的としている。
【0032】
ここで、第1フェーズに言及すると、粘性、被膜形成性、コーティング、光沢、結晶化、ひび割れならびに、水に対する可溶性および高ブリックスのシロップに対する可溶性について、基本的なアラビアガムの研究が行われた。いろいろな濃度のアラビアガム(アカシア・セイヤルとアカシア・セネガルのいずれについても)が10%〜50%濃度の間で準備され、粘性が計測された。
【0033】
図1Aは、アカシア・セイヤル・アラビアガムのフィルムひび割れパターンを示す。図1Bは、アカシア・セネガル・アラビアガムのフィルムひび割れパターンを示す。図2は、図1Aと図1Bのアラビアガム組成の粘性プロパティを示す。
【0034】
図1Aを参照すると、アカシア・セイヤル・アラビアガム水中水型(w/w)乳剤でひび割れパターンが形成された。その組成は、約35% w/w、すなわち、アカシア・セイヤル・アラビアガム・シロップであった。この組成は、厚さが約10〜40milの間のガラスのプレートの上に10milの厚さで塗工され、乾燥され、結晶化とひび割れパターンが観察された。その結果生じたフィルムは、図1Aで示されるひび割れパターンを形成した。
【0035】
図1Bを参照すると、アカシア・セネガル・アラビアガム水中水型(w/w)乳剤でひび割れパターンが形成された。その組成は、約35% w/w、すなわち、アカシア・セネガル・アラビアガム・シロップであった。この組成は、厚さが約10〜40milの間のガラスプレートの上に10milの厚さで塗工され、乾燥され、結晶化とひび割れパターンが観察された。その結果生じたフィルムは、図1Bで示されるひび割れパターンを形成した。
【0036】
図1Aと図1Bを比較すると、セイヤルとセネガルの間では、ひび割れの数や、小片の大きさ等、そのパターンがかなりの程度相違しており、前者は、多数のひび割れと小さな破片を生成しており、後者は、より少数のひび割れとより大きなサイズ小片を生成している。
【0037】
図2は、図1Aと図1Bにおけるアラビアガム組成の粘性プロパティを示す。図2を参照すると、同図は異なる濃度における水中のアラビアガムの水和性および粘性を示す。セイヤルとセネガルのプロファイルはほぼ一致している。個々のガムについても、粘性に応じて必要に応じ濃度を変えて、被膜形成性またはひび割れが同じように研究された。この研究の結果から、ひとつの要素のアラビアガム代替品ではこれらの評価におけるアラビアガムの特性に匹敵することは不可能であることが判った。
【0038】
図3Aは、本発明の別の一例による、CMCまたはセルロース・ガムフィルムを示す。図3Bは、本発明の別の一例による、メチルセルロース・ガムフィルムを示す。図3Cは、本発明の別の一例による、ペクチンフィルムを示す。図3Dは、本発明の別の一例による、寒天フィルムを示す。図3Eは、本発明の別の一例による、アルギン酸ナトリウムフィルムを示す。図3Fは、本発明の別の一例による、イナゴマメ・ガムフィルムを示す。図3Gは、本発明の別の一例による、キサン・ガムフィルムを示す。図3Hは、本発明の別の一例による、カラゲーニンフィルムを示す。
【0039】
図4Aは、本発明の別の一例による、イヌリンフィルムを示す。図4Bは、本発明の別の一例による、カラマツ・ガムフィルムを示す。図4Cは、本発明の別の一例による、低粘性澱粉フィルムを示す。図4Dは、本発明の別の一例による、マルトデキストリンフィルムを示す。
【0040】
図3A〜4Dを参照すると、いろいろな特性と特徴が例示され得る。つまり、図3A〜3Hは、それぞれ、図4Cと4Dで示すマルトデキストリンフィルムと低粘性澱粉フィルムを含む、塗工に適した濃度で準備される食品等級ガム多糖類の被膜形成プロパティが表されたものである。
【0041】
これらの結果から、他のいかなる材料も単独ではアラビアガムの代わりとなることはなく、アプリケーションに応じた代替品(または複数の代替品)だけが、慎重にデザインされた組成であれば達成可能であることが発見された。また、研究した加糖類には、イヌリンフィルム(図4A)や15DEマルトデキストリンフィルム(図4D)の場合のように、被膜を形成せず、こすると粉状になるものから、その他のセルロース・ガムフィルム(図3A)、メチルセルロースフィルム(図3B)、ペクチンフィルム(図3C)、寒天フィルム(図3D)、アルギン酸ナトリウムフィルム(図3E)、イナゴマメ・ガムフィルム(図3F)、キサンタンフィルム(図3G)やカラゲーニンフィルム(図3H)のように塗工して乾燥すると強い粘着性がある被膜で一枚に剥がれるといったものまで、広範囲である。アカシア・セイヤルとアカシア・セネガルのいずれの場合にも、各種アプリケーションでアラビアガムを代替するのに必要な要素は、(1)全てのアプリケーションにおいてある最小限程度で必要で強力な(キー)被膜形成剤、(2)低粘度のひび割れ剤、および/または(3)乳化剤、および/または(4)粘着性修飾剤、および/または高速結晶剤であり、それぞれが完成したアプリケーションに応じて必要になることがわかった。
【0042】
数多くの組成について、アラビアガムよりも競争力があるか、より優れた費用構造を有するかについて研究した結果、アプリケーションの3つの主要なカテゴリーでアラビアガムに機能的に等しい代替品を生成する3種類の代替方法が得られた。これらは以下の通りである。(1)Replacement Method 1(代替方法1)は、これらには限られないが、砂糖または無糖パンニング、成果、粘着およびコーティングのアプリケーションでの使用を目的とする。(2)Replacement Method 2(代替方法2)はフレーバーカプセル化/噴霧乾燥フレーバー、および食用フィルムとラメで用いるのにより適したアラビアガム代替品である。これは、パンニングや製菓アプリケーションでも機能する。(3)Replacement Method 3(代替方法3)は、これに限られないが、リソグラフィー/印刷アプリケーションにより適したアラビアガム代替品であって、湿潤および油/インク除去特性において、機能的にアラビアガムに等しい。
【0043】
方法1は代替組成を以下のように生成する。
1.カラゲーニン、ペクチン、アルギン酸塩、ジェラン、寒天、こんにゃく、キサンタン、グアー、イナゴマメ・ガム、タラ、コロハ、澱粉、セルロース・ガム、メチルセルロース、HPMC、プロピレングリコール・アルギン酸塩またはその組み合わせを含む、これらに限定されない、天然よび加工された多糖類のリストから選んだ強力な(キー)被膜形成剤であって、アラビアガムを代替するときに約0.1%〜10%で、または、(アラビアガムが使われるか否かにかかわらず)完成したアプリケーションにおいてアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される被膜形成剤を選択する。かかるキー被膜形成剤は、分子量と粘度で異なっていてもよい。
【0044】
2.機能性の向上のため、必要に応じて、上記1のキー被膜形成剤の粘性を標準化し、結晶化およびひび割れパターンを修正する低粘性のひび割れ材料であって、そして、アプリケーションが無糖であるか加糖であるかに応じて選ばれた、マルトデキストリン、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、カラマツ・ガム、ポリ・ブドウ糖またはその組合せを含む、これらに限られないひび割れ材料。かかる材料またはその組み合わせは0%から99.9%の濃度で使用してもよい。
【0045】
3.アカシア・セイヤルの機能を向上させ、またはアカシア・セネガルに相当するように、必要に応じて、イヌリン、エリトリトール、低DEマルトデキストリン、ラクトースまたはその組合せ(0%〜99.9%で使用)から成る、これらに限定されない高速結晶化材料であって、ひび割れ剤としても可能し得るものを追加する。
4.パンニング・アプリケーションにおいて機能性を向上させるため、必要に応じて、澱粉、グアーガム、イナゴマメ・ガムまたはその組合せから成る、これらに限定されない、粘着性修飾剤を約0%〜10%で加える。ただし、そのような材料は分子量と粘度で異なっていてもよい。
【0046】
方法2は、代替組成を以下のように生成する。
1.カラゲーニン、ペクチン、アルギン酸塩、ジェラン、寒天、こんにゃく、キサンタン、グアー、イナゴマメ・ガム、タラ、コロハ、澱粉、セルロース・ガム、メチルセルロース、HPMC、プロピレングリコール・アルギン酸塩またはその組み合わせを含む、これらに限定されない、天然よび加工された多糖類のリストから選んだ強力な(キー)被膜形成剤であって、アラビアガムを代替するときに約0.1%〜10%で、または、(アラビアガムが使われるか否かにかかわらず)完成したアプリケーションにおいてアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される被膜形成剤を選択する。かかるキー被膜形成剤は、分子量と粘度で異なっていてもよい。
【0047】
2.プロピレングリコール・アルギン酸塩、乳化澱粉、OSA加工ガム、モノおよびジグリセリド、大豆レシチン、タンパク質またはその組合せ等の乳化剤を約0.1%〜25%で加える。
3.50%〜99.9%の濃度で使われ、アラビアガムとしての一時的な使用またはアラビアガムに相当する機能によって、影響が少ないアプリケーションいくつかにおける使用の削減を達成すべく、マルトデキストリン、カラマツ・ガム、ポリ・ブドウ糖、イヌリン、またはその組合せ等の低粘性多糖類を加える。
【0048】
方法3は、アラビアガム代替組成を以下のように生成する。
1.約0.1%〜10%のキサン、セルロース・ガム、カラゲーニン、アルギン酸塩、ガッチ、カラヤガムまたはその組合せなどの、これらに限られない陰イオン多糖類を選択する。
2.約0.1%〜25%のプロピレングリコール・アルギン酸塩、OSA加工ガム、高有効アラビアガム乳化剤、大豆レシチンまたはその組合せ等の乳化剤および表面粘着力修飾子を加える。
3.約65%〜99.8%のマルトデキストリン、カラマツ・ガム、イヌリン、ポリ・ブドウ糖またはその組合せ等の低粘性耐溶剤性多糖類を加える。
【0049】
第2フェーズでは、アラビアガム代替組成について特定の最終用途における試験を行った。(1)アカシア・セイヤルに一致するものとしてReplacement 1 Std.、Replacement 1 Fast、Replacement 1 All Naturalと呼ばれる方法1による代替組成は、チューイングガムの無糖パンニング、ピーナッツの封止および通常の糖パンニング、そしてトローチにも使用された。(2)Replacement 2とラベル付けした方法2による代替組成は、フレーバーのカプセル化と食用ラメのアプリケーションでテストされた。(3)Replacement 3とラベル付けした方法3による代替組成は、安定化用のリソグラフィー溶液の水性段階でテストされた。
【0050】
表1が作成され、この表は40度ブリックスのアカシア・セイヤル、アカシア・セネガル、セイヤル−セネガルのブレンドと方法1からのガム代替品が5〜10milの厚さで塗工された場合の小片の大きさを含む。
【表1】

【0051】
無糖チューイングガム・パンニングの例:
この例では、アラビアガムはReplacement 1 Std.およびReplacement 1 Fastと比較された。無糖シロップ製法は、64.5%のマルチトール、3.5%の結合剤(アラビアガム対照またはアラビアガム代替品)と32%の水を含み、まずガムを水に入れて、約摂氏82度まで加熱した後にマルチトール粉を加えた。そして、シロップを沸騰させ、摂氏60度と摂氏25度で粘度を測定したときに70度ブリックス、68度ブリックスおよび60度ブリックスになるように調整した。18インチのパンコーティング器を用いて、アラビアガムまたは代替品を含んだ60度ブリックスのシロップをパンニングで用いて、粘性/粘着性および乾燥特性について比較された。約32.4〜32.6%のシェル・コートが施された完成したチューイングガムは、摂氏35度および12%RHで約16時間、湿気室で平衡化され、複製として50個のチューイングガムについて、TA XT Plus Texture Analyzer(TA XT Plusテクスチャーアナライザー)、針状プローブで、1mm/秒のテスト速度でシェル強度がテストされた。
【0052】
無糖シロップの粘度は、表2で示すように、アラビアガムと代替品とですべて互いに一致している。表2は、摂氏25度と60度の温度と、異なるブリックス値で適用したときのアラビアガムおよび代替品を含むマルチトール シロップのシロップ粘度を示す。また、シロップの粘度が高いと、中心部同士が接着したり、表面が凸凹になる可能性があるため、好ましくないことが判明した。このため、異なる代替組成が、アラビアガムと同じ粘性と粘着性を有するように全て標準化された。ただし、例外として、Replacement 1 Fastでは、パンニングしやすいように粘着性を低くした。
【表2】

【0053】
表3および表3−2は18インチのパンコーティング器を使った無糖チューイングガム・パンニングの実験的なバッチ記録を含む(1000gのバッチサイズ、粉剤はマルチトールである。シロップ温度は摂氏60度、中心部のサイズは、1.0cm×2.1cmである。フリーフロー後の乾燥時間は2.5分であった)。表4は18インチのパンコーティング器を使った無糖チューイングガム・パンニングの実験的なバッチ記録を含む(700gのバッチサイズ、粉剤はマルチトールである。シロップ温度は摂氏60度、中心部のサイズは、1.2cm×1.9cmである。フリーフロー後の乾燥時間は2.5分である)。表3および表3の2、および表4で示すように、Replacement 1 Std.は、アラビアガムと同じ乾燥時間を示す。高速結晶剤を含むReplacement 1 Fastは、シロップチャージごとで早く乾燥することがわかった。よって、標準的な代替組成に基づいたパンニング・シロップの結晶化と乾燥は、必要に応じて、アラビアガムを上回るように操作し改善できることが証明された。パンニングのように時間がかかる処理では、投入ごとに乾燥に要する時間は短いほど望ましく、オープン・パンコーティング器を用いた場合には5%〜10%の間で高速化されると推定される。同時に、いずれも白色の代替品を用いることにより、色の改善が達成された。アラビアガムは、特にチューイングガムを無色でパンニングするとシェル・コーティングに天然褐色がかった色素が現れる。
【表3】

【表3−2】

【表4】

【0054】
表5は、アラビアガム(アカシア・セイヤル)とReplacement 1 Std.とReplacement 1 Fastでチューイングガム糖シェルの硬度を比較したものである。表5のチューイングガム糖シェルの硬度は、代替品がアラビアガムに匹敵またはアラビアガムよりも高い破砕強度値を示す。高速結晶化剤を含むReplacement 1 Fastは、アラビアガムの2/3使用した場合でさえ、ガム中心部#1に匹敵するシェル強度を示す。同じ用法でチューイングガム中心部#2に用いた場合、Replacement 1 Fastは、アラビアガムとReplacement 1 Std.と比較してかなり高い破砕強度、つまり、基本組成を操作することで得られた機能面での改良をもたらした。
【表5】

*シロップの2/3使用
【0055】
ピーナッツ封止例:
この例では、アラビアガム代替品は、油および酸素バリアを提供するピーナッツの封止についてテストされた。この例では、シロップを40度ブリックスで3回、粉剤有りと粉剤無し(ただし、シロップ投入の間で乾燥)を適用した。これらのシロップの粘度は表6に示され、アラビアガムとReplacement 1とReplacement 2を比較した、40度ブリックスにおける封止シロップの粘度が例示されている。粘度はアカシア・セイヤルとアカシア・セネガルにとてもよく似ている。使用した粉剤は、ココアと小麦粉の50:50のブレンドであった。乾燥時間が比較され、封止したピーナッツは蓋のついたプラスチック・ジャーで2ヵ月の保管の後、官能検査を受けた。
【表6】

【0056】
表7は、ピーナッツ中心部の封止について、アラビアガムとReplacement 1を比較している。Replacement 1は、1000gのバッチ重量、10gのシロップチャージ、および、ココア:小麦粉の比が50:50の粉剤10gを用いる。表7を参照すると、乾燥時間は、アラビアガムとReplacement 1 Std.の間で似ている。しかし、Replacement 1 Fastは、高速結晶化成分を含んでいるので、かなり速い乾燥時間を示す。さらに、Replacement 1 Fastは酸化と酸敗臭からピーナッツを保護したので、より優れた被膜形成剤であったことを示している。
【表7】







【0057】
トローチ例:
この例では、トローチキャンディーを、下記の処方を用いて、ガム無し、アラビアガム(アカシア・セイヤル)有り、Replacement 1 Std.、Replacement 1 Fast、およびReplacement 1 All Naturalで準備した。表8にトローチの処方を記載する。
【表8】

【0058】
この例では、水とコーンシロップを料理用鍋にまず加え、砂糖とガムシステムを乾燥ブレンドして、混ぜ合わせながらバッチに加えた。それから、混合物を摂氏約148〜150Cまで加熱したところで火を消し、酸とフレーバーを加えた。まだ液状で熱いうちに、キャンディシロップを型へ注いだ。キャンディが結晶化すると、約12%の相対湿度(RH)で一晩中湿気室に置き、梱包し、水滴がつくのを防止するために冷蔵した。キャンディの硬度は、テクスチャーアナライザー(TA XT Texture Analyzer)を使って計測された。
【0059】
Replacement 1 Std.、Replacement 1 Fast、およびReplacement 1 All Naturalは、ガムが加えられていない対照よりも、アラビアガム(アカシア・セイヤル)と同程度か、わずかに高程度で、キャンディの硬度を増加させた。色に関しては、アラビアガムは各代替品よりも褐色化させると思われる。表9は、アラビアガムと各代替品で作ったトローチのキューブのキャンディの硬度値を、糖だけで作った対照キャンディと比較したものを示す。平均2回の試行、1回の試行につき6〜20個の複製を用いた。
【0060】
キャンディを割るのに必要なグラム強度という意味でのキャンディの強度が表に入力された。表9を参照すると、糖のみでガムを用いない対照キャンディの硬度値が最も低い。Replacement 1 Std.、Replacement 1 Fastで作ったキャンディは、アラビアガムと比較して同程度またはわずかに高い硬度値を示した。
【表9】

【0061】
フレーバー封入例:
この例では、160グラムのアラビアガムまたは代替品3および4を240グラムの水に溶かし2時間混ぜることによりオレンジ油エマルジョンを準備した。次に、油を35グラム加えて5分間混ぜ、Ross Mixer(ロスミキサー)ME100Lモデルを使って約2000RPMで3分間混ぜ、粗エマルジョンを作った。エマルジョンの安定性は、Tarbiscan Lab Expert(タービスキャン・ラボ・エクスパート)(Formulaction社)を使って最高16時間モニターされ、油滴および/または水層と油層の分離の経時変化や水と油層の分離を観察した。噴霧乾燥されるフレーバーエマルジョンの場合には、準備から噴霧乾燥までの間(約4時間になり得る)、エマルジョンが安定している必要がある。よって、6〜16時間分離しなかったエマルジョンは、その乳化機能が十分に働いていることを示す。噴霧乾燥研究において、エマルジョンはRoss混合の直後噴霧乾燥された。エマルジョン粘度はすべて相互に一致しており、噴霧乾燥の間バッチは機械的に同じように振る舞った。完成した粉は、官能検査を使って比較された。
【0062】
表10は、噴霧乾燥用のオレンジ油エマルジョンに関し、アラビアガムと異なる乳化剤を用いたアラビアガム代替品とを比較している。つまり、表10は、アラビアガム対照、OSA加工ガム乳化剤を用いたReplacement 2、乳化澱粉を用いたReplacement 2、天然乳化剤を用いたReplacement 4で生成されたエマルジョンの粘性と視覚的な外観を示す。すべてのエマルジョンが視覚的に分離徴候を示すというわけではなかった。Tarbiscanプロファイルが図9A〜9Fに示される。これらのプロファイルにより、すべてのサンプルが最初の5〜6時間以内は安定であることが確認できた。図9Fにおいてグラフ上でサンプル・チューブの底周辺(>0mm〜10mm)では時間とともに屈折率が急激に縮小または変動したのに反して水分離を示さなかった。同様に、図9Fに示すように40mm付近で上下変動があったが、クリーミングは発生しなかった。
【0063】
OSA加工ガムのエマルジョンおよび乳化澱粉についてのタービスキャンプロファイルでは2時間以内に顕著な変動が見られるが、オイルコアレッシングではなく、泡または気泡の破裂が原因であると思われる。約18時間の時点で、アカシア・セイヤル対照は、サンプル・チューブの上の約40mmまたは表層においてタービスキャンプロファイルの上下変動により明示されるように、クリーミングの兆候を示した。一方、アカシア・セネガルと代替品はかかる兆候を示さなかった。しかし、噴霧乾燥は約4時間以内に起こるので、技術的な見解からは、アラビアガムおよび各種Replacement 2を用いたエマルジョンは全て安定性テストにパスした。
【表10】

【0064】
食用フィルムラメの例:
この例では、食用ラメが準備された。準備された食用ラメはアカシア・セイヤル・アラビアガムを含み、方法2による代替品組成は食用ラメ製法で用いられた。この製法は40%のアラビアガムまたは代替品組成、0.8%のグリセリンおよび59.2%の水を含む。ガムは1時間、室温で、水とグリセリンで溶解し、10milの厚さで塗工し、12%RHで湿度制御オーブン内乾燥、削りとってから梱包された。
【0065】
アラビアガムと代替品組成を用いたスケールアップ試行を、リリース・エージェントとしてステアリン酸添加カリウムを用いて行った。塗工したフィルムはアカシア・セイヤル、OSA加工ガム乳化剤を用いたReplacement 2、およびReplacement 2 All Naturalについて同じようなひび割れパターンを示した。
【0066】
図10Aは、本発明の例による、アカシア・セイヤル食用ラメを示す。図10Bは、本発明の別の例による、OSA加工ガム食用ラメを用いたReplacement 2を示す。図10Cは、本発明の別の例による、Replacement 2 All Natural乳化剤食用ラメを示す。図10A〜10Cを参照すると、結果として生成されたラメは光沢と破片の寸法においてかなりの程度で互いに似ている。スケールアップ試行においても、アラビアガムとReplacementsとで同様の処理振る舞いを示した。
【0067】
リソグラフィーの例:
この例では、リソグラフィー溶液、アラビアガム[アカシア・セイヤル]および方法3による様々な代替品が、例えば、1)粉(7.58%)をリソグラフィー溶液(92.42%)に直接加える、2)14度ボーメスケール溶液を準備して、これ(28.6%)をリソグラフィー溶液(71.4%)に加える、といった2つの取り込み方法を使用して比較された。溶液は1日後〜10日後に分離がモニターされた。
【0068】
水性リソグラフィー溶液または給湿液で、互換性または安定性を有するガムや多糖類は殆どなく、容器の上か底で1日以内にコロイド層を作るだろう。OSAガム乳化剤を含む他の負荷電ガムのうち、安定性が最も高いガムは、キサンタンやセルロース・ガムのような陰イオンガムである。取り込み方法に関係なく、方法3を使った代替品組成では、10日後に分離は見られなかった。
【0069】
本発明の開示は、ある程度の具体性において記載および例示されているが、当該開示は単なる例示であり、当該開示の精神および範囲から逸脱しない範囲内において当業者によって条件や処理の順序に数々の変更されうることは理解されるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンニング、製菓、コーティング、及び接着用に用いられるアラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物を準備する方法であって、
総組成の約0.1%と約10%との間の天然のおよび/または加工された多糖類の強力な(キー)被膜形成剤、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される前記被膜形成剤を選ぶステップを有する方法。
【請求項2】
アラビアガムを1対1で代替する低粘度のひび割れ剤を追加するステップをさらに有し、
前記低粘度のひび割れ剤は総組成の約0%と約99.9%の間であり、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜99.9%に相当するレベルで使用され、
前記組成物は、約35度〜40度ブリックス濃度において摂氏25度で約10cPから約2000cPの粘度を有し、5mil〜10milで塗工されたフィルムは乾燥するとフレーク状に砕け、連続したフィルムを形成可能な材料と結晶化されてフィルムを全く形成しない材料との間にある、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
粘着性修飾剤を追加するステップをさらに有し、
当該粘着性修飾剤は総組成の約0%と約10%の間であるか、または、完成品において、アラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜10%に相当するレベルで使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
高速結晶剤を加えるステップを更に含み、
前記高速結晶剤は総組成の約0%と約99.9%の間にあるか、あるいは、完成品において、アラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜99.9%に相当するレベルで使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
天然のおよび/または加工された多糖類の前記強力な(キー)被膜形成剤は、セルロース・ガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、プロピレングリコール・アルギン酸塩、カラゲーニン、ペクチン、アルギン酸塩、ジェラン、寒天、こんにゃく、キサンタン、コロハ、グアー、タラ、イナゴマメ・ガム、澱粉とその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記低粘度のひび割れ剤は、マルトデキストリン、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、カラマツ・ガム、ポリ・ブドウ糖およびその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記粘着性修飾剤は、澱粉、グアーガム、イナゴマメ・ガムおよびその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記高速結晶剤は、イヌリン、エリトリトール、低DEマルトデキストリン、ラクトース、およびその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
アラビアガム代替品、部分的な代替品、または拡張組成物 は、パンニング、キャンディ、コーティング、粘着アプリケーションに使われる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
アラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、糖または糖アルコール・シェル・コート、中心部を内包するシールオイルを結合強化剤、キャンディの強化剤、および種およびシリアル片の粘着剤として用いる方法であって、
水性のアラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、糖または糖アルコール・シェル・コート、中心部を内包するシールオイルの結合強化剤、キャンディの強化剤、および種およびシリアル片の粘着剤として用いるステップを有し、
当該組成物は、
総組成の約0.1%と約10%の間の天然のおよび/または加工されたガムの強力な(キー)被膜形成剤、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%までに相当するレベルで使用される前記被膜形成剤と、
必要に応じて、総組成の約0%と約99.9%の間、又は、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜99.9%に相当するレベルで使用される低粘度のひび割れ剤と、
必要に応じて、総組成の約0%と約10%の間、又は、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜10%に相当するレベルで使用される粘着性修飾剤と、
必要に応じて、総組成の約0%と約99.8%の間、又は、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0〜99.8%に相当するレベルで使用される高速結晶剤と
を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
天然のおよび/または加工されたガムの強力な(キー)被膜形成剤は、セルロース・ガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、プロピレングリコール・アルギン酸塩、カラゲーニン、ペクチン、アルギン酸塩、ジェラン、寒天、こんにゃく、キサンタン、コロハ、グアー、タラ、イナゴマメ・ガム、澱粉とその組合せとからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記低粘度のひび割れ剤は、マルトデキストリン、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、カラマツ・ガム、ポリ・ブドウ糖とその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記粘着性修飾剤は、澱粉、グアーガム、イナゴマメ・ガムおよびその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記高速結晶剤は、イヌリン、エリトリトール、低DEのマルトデキストリン、ラクトース、およびその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
アラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を、噴霧乾燥フレーバーのカプセル化剤として、又は食用フィルムとして準備する方法であって、
総組成の約0.1%と約10%の間の天然のおよび/または加工された多糖類の強力な(キー)被膜形成剤、または、完成品において、アラビアガムが使われるか否かにかかわらずアラビアガムが一般的に使われるであろうものの約0.1〜10%に相当するレベルで使用される前記被膜形成剤を選ぶステップと、
生成から少なくとも4〜6時間の間、安定したフレーバーエマルジョンを提供する、天然のおよび/または加工された乳化剤であって、食用ラメにおいてアラビアガムを代替するときの選択材料となることができ、総組成の約0.1%〜約25%である乳化剤を加えるステップと、
総組成の約50%〜約99.9%の低粘性多糖類であって、35〜40度ブリックス濃度において、摂氏25度で約10cPから約2000cPの粘性を持つ低粘性多糖類を加えるステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項16】
前記天然のおよび/または加工された多糖類の強力な(キー)被膜形成剤は、セルロース・ガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、プロピレングリコール・アルギン酸塩、カラゲーニン、ペクチン、アルギン酸塩、ジェラン、寒天、こんにゃく、キサンタン、コロハ、グアー、タラ、イナゴマメ・ガム、澱粉とその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記天然のおよび/または加工された乳化剤は、プロピレングリコール・アルギン酸塩乳化澱粉、OSA加工ガム、ガッチ、トラガカントガム、高い有効性ガムアカシア乳化剤、大豆レシチン、モノグリセリド、ジグリセリド、タンパク質とその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記低粘性多糖類は、マルトデキストリン、イヌリン、カラマツ・ガム、ポリ・ブドウ糖とその組合せからなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
リソグラフィーまたは印刷アプリケーションにアラビアガム代替品、部分的な代替品または拡張組成物を用いる方法であって、
総組成の0.1%〜約10%の陰イオン多糖類であって、キサン・ガム、セルロース・ガム、アルギン酸塩、ガッチ、カラヤとその組合せからなる群から選択される陰イオン多糖類を選択するステップと、
総組成の0.1%〜約25%の乳化剤および表面粘着修飾子であって、前記乳化剤および表面粘着修飾子は、プロピレングリコール・アルギン酸塩、OSA加工ガム、高有効ガムアカシア乳化剤、トラガカントガムおよびその組合せからなる群から選ばれる乳化剤および表面粘着修飾子を加えるステップと、
マルトデキストリン、カラマツ・ガム、イヌリン、ポリ・ブドウ糖およびその組合せからなる群から選ばれ、総組成の約65%〜約99.8%の低粘性耐溶剤性多糖類であって、その構成が約14度ボーメの濃度において摂氏25度で約10cP〜の約900cPの粘度を有する低粘性耐溶剤性多糖類を加えるステップと、
を有することを特徴とする方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公表番号】特表2011−529089(P2011−529089A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520250(P2011−520250)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/051865
【国際公開番号】WO2010/012000
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(503322261)ティーアイシー ガムズ インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】TIC GUMS,INC.
【住所又は居所原語表記】4609 Richlynn Drive,Belcamp,Maryland 21017,USA
【Fターム(参考)】