説明

(1RS,3RS,6RS)−6−ジメチルアミノメチル−1−(3−メトキシ−フェニル)シクロヘキサン−1,3−ジオール塩酸塩の結晶形

本発明は、 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の固形結晶形A (1), 1を製造する方法, 1の使用方法, 1を鎮痛剤として使用する方法及び1を含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の固体結晶形A (1), 1を製造する方法, 1の使用方法, 1を鎮痛剤として使用する方法及び1を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛症状の治療は医療において極めて重要である。最近、更なる痛み治療が世界的に要求されている。患者に合った、目的にかなった疼痛症状の治療(但しこれは患者に対して効果があり、そして満足のいく痛みの治療として理解される)が強く要求されており、この要求は適用される鎮痛剤の分野で又は侵害受容に関する基礎研究の分野で最近発行されている多数の科学文献中に提示されている。
【0003】
本発明の基礎となる課題は、好ましくは痛みの治療に有用な(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の新規固体形を見出すことにある。
【0004】
米国特許第 RE 37355 E号明細書及び第5,733,936号明細書ならびに欧州特許第753 506 B1 号明細書に、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の物質及び合成が記載されている(例18)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、驚くべきことに (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩がいくつかの異なる結晶形で製造することができることを見出した。 本発明は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の新規形態の形 A, 形 B, 形 C, 形 D 及び 形 E を提供する。 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩のこれらの新規形は、医薬組成物を製造するのに有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この重要な医薬化合物の該当する多形体を入手できたのは初めてである。 多形体形は、この化合物の合成、安定性及び安全性の評価及びこの化合物から調製される医薬製剤の評価に重要である。 更に、それぞれの多形体形は、それぞれの多形体はそれらの特定の物理化学性質によって有利であるかもしれない、異なる医薬製剤化処理の点で重要である。
【0007】
化合物 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールは下記構造を有する:
【0008】
【化1】

又は異なる表記で下記のように表わされる:
【0009】
【化2】

新規結晶形を、X-線粉末回折によって同定することができる。 X-線粉末回折 (“XRPD”) パターンは 図 1, 図 3, 図 5, 図 7 及び 図 9に表1に示されたピークリストと共に示される。 環境温度及び室温は23±3℃として定義される。
【0010】
Cu Kα線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折測定で下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aを特徴づける強度の点で最も重要な X-線ライン (2-シータ値)は、12.9±0.2, 17.5±0.2, 19.0±0.2, 19.3±0.2, 21.0±0.2 及び25.3±0.2である。
【0011】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aとその他の形態を区別するために、X-線回折ダイアグラムで, すなわちたとえば2-シータ値で十分な強度を有するラインで特有のピークを示すことがより一層有利である。但し、そこでその他の変更は顕著な強度を有するラインを示さない。CuKα線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折パターンでの形Aに対する、このような特徴のX-線ライン (2-シータ値) は次の通りである: 11.0±0.2, 12.3±0.2, 12.9±0.2, 16.6±0.2, 17.9±0.2, 19.0±0.2 及び25.3±0.2。
【0012】
RAMAN法を、図 2に示されるように、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aを同定するために使用することもできる。レーザー波長 632 nm を用いて測定した場合、RAMANスペクトルで下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aを特徴づける強度の点で最も重要なラマン波長 (cm-1)は、227±4, 262±4, 643±4, 716±4, 813±4, 830±4, 970±4, 993±4, 1252±4, 2973±4 及び3273±4 cm-1である。
【0013】
別の観点で、本発明は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールの遊離塩基溶液を濃塩酸で沈殿させ, 攪拌し、液相を濾過し, 40-60 ℃、好ましくは45-55℃及び 300 mbar、好ましくは150 mbarよりも低い減圧で、20-40時間、好ましくは20-28時間、その固体を乾燥させ, その後温度を120-140℃、好ましくは125-135℃ に、60-80時間、好ましくは70-74 時間、150 mbarよりも低い圧力で維持し, ついで温度を50-70℃、好ましくは55-65℃に下げ、ついでもう20-60時間、好ましくは20-30時間、50-70℃、好ましくは55-65℃で、150 mbarよりも低い圧力で生成物を乾燥させる工程を包含する、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aを製造する方法に関する。
【0014】
極めて好ましい方法は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールの遊離塩基溶液から出発し, これを濃塩酸を用いて沈殿させ、ついで更に24 時間攪拌する。液相を濾過する。固体を50℃±5℃及び150 mbarよりも低い圧で24 時間乾燥させる。 その後、温度を130℃にもう72±10 時間、150 mbarよりも低い減圧で維持する。ついで温度を再び60℃に下げ、ついで生成物をもう24 時間 60℃及び150 mbarよりも低い圧で乾燥させる。得られた物質は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aである。
【0015】
更に、本発明は、ここに記載される方法の1つによって得られる (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A に関する。
【0016】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aは、極めて高い水溶性を有する点で有利であり、そして容易に薬剤に製剤化されうる。更に形Aは無水形であるので, 水分 (水)含量は 製剤化の間考慮する必要はない。更に、形A は室温で長期間, 少なくとも3週まで60 % 相対湿度まで、耐水吸収性である。 形A 、また有機媒体、たとえばクロロホルム, ジオキサン, 酢酸エチル, ヘキサン, テトラヒドロフラン, トルエン中で室温又はたとえばクロロホルム及びへキサン中で、より高い温度 (たとえば 40℃まで)で安定である。
【0017】
本発明は更に(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の新規結晶形Bに関する。
【0018】
結晶形 Bを医薬組成物中に有効成分として使用することができる。
【0019】
したがって、更に本発明は、有効成分として本発明の結晶形 Bの (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩及び少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する医薬組成物に関する。
【0020】
Cu Kα線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折測定で下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bを特徴づける強度の点で最も重要な X-線ライン (2-シータ値)は、9.7±0.2, 13.6±0.2, 14.6±0.2, 16.3±0.2, 20.6±0.2及び29.6±0.2である。
【0021】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bとその他の形態を区別するために、X-線回折ダイアグラムで, すなわちたとえば2-シータ値で十分な強度を有するラインで特有のピークを示すことがより一層有利である。但し、そこでその他の変更は顕著な強度を有するラインを示さない。CuKα 線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折パターンでの形Bに対する、このような特徴のX-線ライン (2-シータ値) は次の通りである:: 9.7±0.2, 10.5±0.2, 13.6±0.2, 14.6±0.2, 20.6±0.2, 21.6±0.2, 27.2±0.2 及び29.6±0.2。
【0022】
RAMAN 法を、図 4に示されるように(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B の同定に使用することもできる。 特に、800 cm-1〜200 cm-1の範囲 をRAMAN マイクロスコピーによって使用するのも有利である。レーザー波長 632 nm を用いて測定した場合、RAMANスペクトルで下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bを特徴づける強度の点で最も重要なラマン波長 (cm-1)は、633±4, 720±4, 836±4, 995±4, 1109±4, 1600±4, 2921±4, 及び2944±4 cm-1である。
【0023】
更に、本発明は、結晶形Aをエタノール及び(又は)水, 超音波処理に溶解させ、ついで室温で大気圧で蒸発させる工程を含む、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bの製造方法に関する。
【0024】
別の観点で、本発明は、結晶形Aをエタノール及び(又は)水(エタノール:水の好ましい比率範囲 9,5:0,5 〜0,5:9,5(重量/重量), 極めて好ましくはエタノール:水の比率 9:1(重量/重量))に溶解させ, 超音波処理し, 濾過し, ついで室温で大気圧によって蒸発させる工程を含む、結晶形 B の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の製造方法に関する。
【0025】
好ましい方法は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aから出発する。 その方法の1つの実施態様において、結晶形 B の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩は、30-50 mgの結晶形Aの (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩を、約100 μLの エタノール と水の混合物 (重量/重量 9 : 1) (HPLC grade)に溶解させることによって製造される。溶解を助ける超音波処理後, 溶液をスリンジに取り付けられた0.2 ミクロンフィルターによって、シンチレーションバイアル中に環境温度で濾過する。溶剤を環境温度で、大気圧で蒸発させる。残存する物質は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bである。
【0026】
あるいは、エタノール と 水 (w : w; 9 : 1)の混合物の代わりに、エタノールと水の混合物 (w:w; 6:1 及びHPLC grade)を使用することができる。
【0027】
あるいは、エタノールと水 (w : w; 9 : 1)の混合物の代わりに、HPLC gradeの水を使用することができる。
【0028】
別の観点で、本発明は、ここに記載されるような方法によって得られる (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bに関する。
【0029】
結晶形 B (水和形)は、高い湿度下でさえも別の多形体に変換されない利点を有する。したがって、この結晶形は、医薬工業で広く使用される湿式造粒法に特に適する。
【0030】
更に、本発明は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の新規結晶形Cに関する。
【0031】
結晶形 Cを医薬組成物中に有効成分として使用することができる。
【0032】
したがって、更に本発明は、有効成分として本発明の結晶形Cの(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩及び少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する医薬組成物に関する。
【0033】
Cu Kα線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折測定で下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Cを特徴づける強度の点で最も重要な X-線ライン (2-シータ値)は、14.1±0.2, 17.4±0.2, 19.5±0.2, 20.0±0.2, 23.4±0.2 及び 26.6±0.2である。
【0034】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Cとその他の形態を区別するために、X-線回折ダイアグラムで, すなわちたとえば2-シータ値で十分な強度を有するラインで特有のピークを示すことがより一層有利である。但し、そこでその他の変更は顕著な強度を有するラインを示さない。CuKα 線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折パターンでの形Cに対する、このような特徴のX-線ライン(2-シータ値) は次の通りである: 11.9±0.2, 12.2±0.2, 12.6±0.2, 15.4±0.2, 17.3±0.2, 22.3±0.2, 及び23.4±0.2.
RAMAN 法を、図 6に示されるように(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Cの同定に使用することもできる。レーザー波長 632 nm を用いて測定した場合、RAMANスペクトルで下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Cを特徴づける強度の点で最も重要なラマン波長 (cm-1)は、239±4, 305±4, 448±4, 502±4, 537±4, 722±4, 830±4, 992±4, 1094±4, 1243±4, 2928±4 及び2945±4 cm-1である。
【0035】
本発明は、遊離塩基 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールをイソプロパノールに室温以上の温度で溶解させる工程を含む、更に(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Cの製造方法に関する。
【0036】
別の観点で、本発明は、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールの遊離塩基を、イソプロパノールに40℃〜 xx ℃ (xxは所定の条件下でのイソプロパノールの沸点(環境条件下で約 82℃)である。)の温度で溶解させ、冷却し、ついで得られた溶液を塩化水素で処理する工程を含む、結晶形Cの(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の製造方法に関する。
【0037】
極めて好ましい方法は、遊離塩基 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール (結晶形 A)から出発する。約20 gをイソプロパノールに高められた温度 (約 45℃以上) で溶解させ、完全に溶解させる。サンプルを、ガス状塩化水素で処理する前に環境温度に冷却させる。窒素の一定のパ−ジを、攪拌しながら 澄明な溶液を通して泡立てる。 無水塩化水素を、パージ流を通してシステムに導入する。沈殿が認められたら、塩化水素の添加を停止する。形成直後に、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩形C を減圧濾過によって回収する。
【0038】
別の観点で、本発明は、結晶形 Aを液状媒体に懸濁させ、得られた懸濁液を攪拌し、ついで液体を濾過する工程を含む、形Cの製造方法に関する。
【0039】
液状媒体は、アセトニトリル, アセトニトリルと水の混合物, エタノール, 及びテトラヒドロフランとメタノールの混合物より成る群から選ばれるのが好ましい。温度は、15-75℃, より好ましくは15-60℃, 更により好ましくは20-45℃, 最も好ましくは20-26℃で維持するのが好ましい。
【0040】
その観点のもうひとつにおいて、本発明はここに記載されたような方法によって得られる(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Cに関する。
【0041】
多形体 Cは、すべての公知の多形体形うち最低の吸湿性を有するという利点がある。 更に、これは15-60℃, 特に15-35℃の温度で、公知の多形体形の最高の熱力学的安定性を有する。これらの特性は、多形体Cが特に医薬組成物及び薬剤に製剤化されるのを有効にする。
【0042】
熱力学的特性は、それぞれの温度範囲、たとえば15-60℃ 及び特に15-35℃での平衡溶解度を測定することによって及びW. Higuchi 等, J. Pharm. Sci. 1963, 52, 150-153 及び S.R. Byrn., Solid State Chemistry of drugs, 2nd edition, SSCI Inc., 1999の文献に記載されているようにvan`t Hoff Plot (溶解度 vs. 1/T)による結果のグラフ評価によって評価することができる。記載のそれぞれのパートを参考として本明細書に組み込まれ、本発明の詳細な説明の部分を形成する。
【0043】
本発明は更に (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の新規結晶形Dに関する。
【0044】
結晶形Dを、有効成分として医薬組成物中に使用することができる。
【0045】
したがって、本発明は、有効成分として本発明の結晶形Dの(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩及び少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する医薬組成物に関する。
【0046】
Cu Kα線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折測定で下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Dを特徴づける強度の点で最も重要な X-線ライン (2-シータ値)は、17.9±0.2, 18.6±0.2, 19.0±0.2, 19.9±0.2 及び 25.7±0.2である。
【0047】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Dとその他の形態を区別するために、X-線回折ダイアグラムで, すなわちたとえば2-シータ値で十分な強度を有するラインで特有のピークを示すことがより一層有利である。但し、そこでその他の変更は顕著な強度を有するラインを示さない。CuKα 線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折パターンでの形Cに対する、このような特徴のX-線ライン (2-シータ値) は次の通りである: 10.3±0.2, 12.7±0.2, 13.0±0.2, 13.5±0.2, 18.6±0.2, 25.7±0.2 and 28.7±0.2。
【0048】
RAMAN 法を、図8に示されるように(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D の同定に使用することもできる。
【0049】
更に、本発明は、結晶形Bを少なくとも160℃の温度に加熱する工程を含む、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Dの製造方法に関する。
【0050】
別の観点で、本発明は、形Bを160〜185℃, 好ましくは175〜185℃に, 20〜50分間, 好ましくは30〜40分間加熱し, ついで室温に冷却することを含む、結晶形Dの(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の製造方法に関する。
【0051】
極めて好ましい方法は、新たに製造された(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩形Bから出発する。少量のサンプルをXRPD ガラスキャピラリー中で180℃に 約35分間加熱する。環境温度に冷却後、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩形Dを回収する。
【0052】
その観点のもうひとつにおいて、本発明はここに記載されたような方法によって得られる(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Dに関する。
【0053】
更に、本発明は (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の新規結晶形Eに関する。結晶形Eを有効成として医薬組成物中に使用することができる。
【0054】
したがって、本発明は、有効成分として本発明の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形E及び少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する医薬組成物に関する。
【0055】
Cu Kα線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折測定で下記値の1つ又は組み合わせを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Dを特徴づける強度の点で最も重要な X-線ライン (2-シータ値)は、9.7±0.2, 14.9±0.2, 16.6±0.2, 19.2±0.2, 21.4±0.2 及び27.3±0.2である。
【0056】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Eとその他の形態を区別するために、X-線回折ダイアグラムで, すなわちたとえば2-シータ値で十分な強度を有するラインで特有のピークを示すことがより一層有利である。但し、そこでその他の変更は顕著な強度を有するラインを示さない。CuKα 線を用いて環境温度で測定した場合、粉末回折パターンでの形Dに対する、このような特徴のX-線ライン (2-シータ値) は次の通りである: 10.7±0.2, 14.9±0.2, 21.4±0.2, 22.4±0.2, 24.2±0.2 及び28.9±0.2。
【0057】
RAMAN 法を、図10に示されるように(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Eの同定に使用することもできる。
【0058】
更に、本発明は、結晶形Bを少なくとも80〜100℃の温度に加熱する工程を含む、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Eの製造方法に関する。
【0059】
別の観点で、本発明は、形Bを80〜100℃, 好ましくは85〜95℃に20〜40分間, 好ましくは25〜35分間加熱することを含む、結晶形Eの(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の製造方法に関する。
【0060】
極めて好ましい方法は、新たに製造された(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩形Bから出発する。少量のサンプルをXRPD ガラスキャピラリー中で90℃に 約30分間加熱する。この温度で、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩形Eを回収する。
【0061】
あるいは 形Eを、新たに製造された(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩形Bを60 ℃で環境相対湿度で2〜6週間乾燥させることによって製造する。
【0062】
その観点のもうひとつにおいて、本発明はここに記載されたような方法によって得られる(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Eに関する。
好ましい結晶形は、形 Aである。
好ましい結晶形は、形 Bである。
好ましい結晶形は、形 Cである。
好ましい結晶形は、形 Dである。
好ましい結晶形は、形 Eである。
【0063】
極めて好ましい結晶形はA, B, Cであり、特に好ましい形はCである。
【0064】
本発明の別の課題は、また形A, B, C, D, Eから選ばれる1種以上を含む種々の混合物である。
【0065】
本発明の別の目的は、本発明の結晶形混合物、好ましくは形A, B, Cより成る群から選ばれた1種以上の形を含む結晶形混合物, 極めて好ましくは形 Cを含む組成物である。
【0066】
本発明の別の目的は、有効成分として、好ましくは本発明の結晶形又は1種以上の結晶形の混合物、好ましくは1種の結晶形を含有し、そして好ましくは少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する、医薬組成物である。
【0067】
本発明の別の目的は、好ましくは本発明の結晶形又は1種以上の結晶形の混合物、好ましくは1種の結晶形を痛みの治療用薬剤の製造に使用することである。その痛みは、急性の痛み, 慢性の痛み, 内臓痛, 神経障害性疼痛及び炎症性痛覚より成る群から選ばれるの好ましく,より好ましくは急性又は慢性の痛みから選ばれる。
【0068】
本発明の医薬組成物は、好ましくは結晶形 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩に加えて,1種以上の適当な添加物及び(又は)助剤物質、たとえばキャリヤー材料, 増量剤, 溶剤, 希釈剤, 着色剤及び(又は)結合剤を含有することができ,液状薬剤調合物として、注射用溶液, 滴剤又は液剤の形で, 半固形又は固形薬剤調合物として顆粒, 錠剤, ペレット, パッチ, カプセル, 硬膏剤又はエアゾールの形で投与することができる。
【0069】
助剤の選択及びその使用される量は、その医薬が経口、皮下、腸管外、静脈内、腹腔内、経皮、筋肉内、鼻腔内、バッカル、直腸又は局所に、たとえば皮膚に、粘膜に及び眼に投与されねばならないかどうかに依存する。経口投与に適する調合物は、錠剤、糖衣錠、カプセル、顆粒、滴剤、液剤及びシロップの形にあり、一方、非経口、外用及び吸入投与に適する形態は、溶液、懸濁液、容易に再構成可能な乾燥調製物並びにスプレーである。多微粒子形、たとえばペレット又は結晶を、たとえば錠剤に圧縮するか, カプセルに充填するか又は適当な液体に懸濁させることができる。場合により皮膚浸透を促進する剤の添加下にデポ剤としての、溶解された形での又は硬膏剤としての結晶形は、適当な経皮適用調合物である。経口又は経皮投与可能な調合物形態は、本発明の結晶形の遅延された放出を提供することができる。原則的に、本発明の薬剤/医薬組成物に、当業者に周知のその他の有効物質を更に添加することができる。
【0070】
本発明の医薬製剤/薬剤を、たとえば"Remington's Pharmaceutical Sciences", A.R. Gennaro (ed.), 17th edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa. (1985), 特にTeil 8, Kapitel 76-93 に記載されているように、医薬製剤の先行技術に十分知られている材料、手段、装置及び方法を用いて製造することができる。記載のそれぞれのパートはここに参考文献として組み込まれ、そして詳細な詳細な説明の部分を形成する。
【0071】
患者に投与すべき有効成分の量は、患者の体重、投与の種類、症状及び病態の重さにしたがって変化する。通常、本発明の結晶形を体重1kgあたり 0.005 〜1000mg, 好ましくは 0.05 〜 5 mgを投与する。
【0072】
本発明の結晶形は痛みの治療に使用されるのが好ましい。この場合その痛みは慢性の痛み, 急性の痛み, 内臓痛, 神経障害製造疼痛及び炎症性痛覚から選ばれるのが好ましい。より好ましくは痛みは 慢性の痛み又は急性の痛みである。
【0073】
更に、本発明は、疾患の治療に、好ましくは痛み, 尿失禁, うつ病又は不安, 好ましくは痛み, より好ましくは慢性の痛み, 急性の痛み, 内臓痛, 神経障害性疼痛及び炎症性痛覚より成る群から選ばれる痛みの治療に, 更により好ましく慢性の痛み又は急性の痛みの治療に本発明の結晶形の十分な量を用いて治療する方法に関する。
【0074】
更に、本発明を下記の実施例によって説明するが、本発明なこれに限定されない。
【実施例】
【0075】
例 1: 形A, B 及び Cの粉末回折パターン
粉末データ収集を、曲線ゲルマニウム単色光分光器及び線状位置検知形検出器を備えた STOE Stadi P 粉末回折装置を用いて行う。 サンプルをフラット(falt)サンプルとして調製する。光線源として、50 kV 及び 30 mAで発生した、単色光分光化された Cu Kα1 (λ= 1.54051 オングストローム) 線を有する銅 X-線チューブを使用する。測定のための 2θ 域は 2°- 50°である。使用されるステップ幅は、0.05度である。 データを23±1℃の温度で集めた。
【0076】
形 A のX-線粉末パターン を 図 1に示し, 形 B のX-線粉末パターンを 図3に示し、そして形C のX-線粉末パターンを 図5に示す。
【0077】
データを表1に示す。
例 2: 形D 及び Eの粉末回折 パターン
粉末データ収集を、Shimadzu XRD-6000 X-線粉末回折計でCu Kα線を用いて実施する。この装置は、ファインフォーカスX-線チュ−ブを備えている。このチュ−ブ電圧及びアンペアを40 kV 及び40 mAにそれぞれ設定する。発散及び散乱スリットを1° で設定し、受信スリットを0.15分で設定する。 回折線をNaI シンチレーション検出器によって検出する。 3°/分 (0.4 秒/0.02°ステップ) 2.5〜 40°2θの1シータ-2シータ 連続スキャンを使用する。珪素スタンダードを毎日分析し、計器アライメントを調べる。データを 23±1℃の温度で収集する。
【0078】
形D のX-線粉末パターン を 図7に示し, そして形 E のX-線粉末パターンを 図9に示す。
【0079】
データを表1に示す。
表1:
ピーク 及び 相対強度リスト (o2θ, 10 以上のI/I1 値を有するピーク)
【0080】
【表1】

例 3: 形A, B及び CのRAMAN スペクトル
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の多形体を、RAMAN マイクロスコピーを用いて調べる。使用されるRAMAN スペクトロメータはJobin Yvon Horiba Labramである。 マイクロスコピーはOlympus BX40 System, 100x Obj., ダイオードレーザー 632 nmである。ラマン マイクロスコピーは、形A, B, C及びDを区別することができる。2つの形のスペクトル間の相異は、全スペクトル域に現れる (3500-150 cm-1)。
【0081】
形Aに対する結果を図 2に,形Bに対する結果を図 4に, 形Cに対する結果を図6にを示す。
【0082】
例 4: 形D 及び EのRAMAN スペクトル
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の多形体を、RAMAN スペクトロスコピーを用いて調べる。
【0083】
RAMANスペクトルを、Nicolet Magna 960 フーリエ変換IR 分光計に適合されたRaman アクセサリでInGaAs 検出器を用いて得る。 アクセサリは、劣起波長1064 nm 及び約 0.45 WのNd:YAG レーザー出力を利用する。スペクトルは、4 cm-1リソルーションで得られる256共付加(co-added)スキャンを示す。サンプルを、5-mm直径のガラスチューブに一部を入れ、ついでこのチューブを分光計に置くことによって、分析の準備をする。分光計を、硫黄及びシクロヘキサンを用いて使用時間で 目盛(波長)を決める。
【0084】
形Dに対する結果を図 8に, 形Eに対する結果を図 10に示す。
【0085】
例 5: 可変温度X-線粉末回折実験
可変温度粉末回折データ収集を、Shimadzu XRD-6000 X-線粉末回折計でCu Kα線を用いて実施する。この装置は、ファインフォーカスX-線チュ−ブを備えている。このチュ−ブ電圧及びアンペアを40 kV 及び40 mAにそれぞれ設定する。発散及び散乱スリットを 1°で設定し、受信スリットを 0.15分で設定する。 回折線をNaI シンチレーション検出器によって検出する。 3°/分 (0.4 秒/0.02°ステップ) 2.5〜 40°2θの1シータ-2シータ 連続スキャンを使用する。珪素スタンダードを毎日分析し、計器アライメントを調べる。この装置はAnton Paar HTK 1200 高温ステージ及びセラミックサンプルホルダーを備える。
【0086】
可変温度X-線粉末回折実験を形E を形Bから製造することによって行う。形B は実験中、30分後に90℃で形 Eに変換される。
【0087】
例 6:
数ミリグラムの結晶形 Aをアセトニトリルに室温で懸濁させ、ついでこの温度で数時間攪拌する。このようにして得られた結晶形 Cの残留物を濾過する。
【0088】
例 7:
a)
数ミリグラムの結晶形 A を、アセトニトリルと水の混合物 (99:1 重量/重量)に室温で懸濁させ、ついでこの温度で数時間攪拌する。このようにして得られた結晶形 Cの残留物を濾過する。
b)
処理を60℃で実施した場合、結晶形 Cも得られる。
【0089】
例 8:
a)
数ミリグラムの結晶形 Aをエタノールに室温で懸濁させ、ついでこの温度で数時間攪拌する。このようにして得られた結晶形 Cの残留物を濾過する。
b)
処理を60℃で実施した場合、結晶形 Cも得られる。
【0090】
例 9:
数ミリグラムの結晶形 Aをテトラヒドロフラン とメタノールの混合物 (95:5 重量/重量)に室温で懸濁させ、ついでこの温度で数時間攪拌する。このようにして得られた結晶形 Cの残留物を濾過する。
【0091】
例 10:
オープンガラス容器中の結晶形 Bを、湿度室に相対湿度35 % 及び室温で保存する。 サンプルを保存前及びこれらの条件下で 保存の4, 14, 19 及び21日後に採取する。多くの場合、サンプルを結晶形 Bだけであることが分かった。
【0092】
例 11:
オープンガラス容器中の結晶形 Bを、湿度室に相対湿度60 % 及び室温で保存する。 サンプルを保存前及びこれらの条件下で 保存の7, 17 及び22日後に採取する。多くの場合、サンプルを結晶形 Bだけであることが分かった。
【0093】
例 12:
オープンガラス容器中の結晶形 Bを、湿度室に相対湿度75 % 及び室温で保存する。 サンプルを保存前及びこれらの条件下で 保存の6, 13 及び 23日後に採取する。多くの場合、サンプルを結晶形 Bだけであることが分かった。
【0094】
例 13:
数ミリグラムの結晶形 Aを、エタノールと水の混合物 (95:5; 61.5:1; 18.3:1, 8.3:1, 3.8:1 及び1: 2.8, それぞれ場合において重量/重量)に室温で懸濁させ、ついでこの温度で数時間攪拌する。ついでエタノール/水混合物を減圧下に除去する。このようにして得られた結晶形 Cの残留物を濾過する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、本願発明の化合物の結晶形AのX-線粉末回折パターンを示す。
【図2】図2は、本願発明の化合物の結晶形Aのラマンスペクトルを示す。
【図3】図3は、本願発明の化合物の結晶形BのX-線粉末回折パターンを示す。
【図4】図4は、本願発明の化合物の結晶形Bのラマンスペクトルを示す。
【図5】図5は、本願発明の化合物の結晶形CのX-線粉末回折パターンを示す。
【図6】図6は、本願発明の化合物の結晶形Cのラマンスペクトルを示す。
【図7】図7は、本願発明の化合物の結晶形DのX-線粉末回折パターンを示す。
【図8】図8は、本願発明の化合物の結晶形Dのラマンスペクトルを示す。
【図9】図9は、本願発明の化合物の結晶形EのX-線粉末回折パターンを示す。
【図10】図10は、本願発明の化合物の結晶形Eのラマンスペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu Ka 線を用いて12.9±0.2, 17.5±0.2, 19.0±0.2, 19.3±0.2, 21.0±0.2 及び 25.3±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A。
【請求項2】
Cu Ka 線を用いて11.0±0.2, 12.3±0.2, 16.6±0.2 及び17.9±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で更に少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、請求項1記載の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A。
【請求項3】
実質的に図1におけるようなCu Ka 線を用いて測定した場合、 粉末回折でX-線パターン (2-シータ値)を示す、 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A。
【請求項4】
レーザー波長 632 nmを用いて 227±4, 262±4, 643±4, 716±4, 813±4, 830±4, 970±4, 993±4, 1252±4, 2973±4 及び3273±4 cm-1で測定した場合、RAMANスペクトルで少なくとも上記バンドによって特徴づけられる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A。
【請求項5】
実質的に図2におけるようなレーザー波長 632 nmを用いて測定した場合、 RAMANスペクトルを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A。
【請求項6】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールの遊離塩基溶液を塩酸で沈殿させ, このようにして得られた固体を単離し, 40-60 ℃及び 300 mbarよりも低い減圧で 20-40時間、その固体を乾燥させ, その後150 mbarよりも低い圧力で温度を60-80 時間120-140℃ に維持し, ついで温度を50-70℃に下げ、そして150 mbarよりも低い圧力で生成物をもう20-60時間 50-70℃で乾燥させる工程を包含する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aの製造方法。
【請求項7】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールの遊離塩基溶液を塩酸で沈殿させ, 攪拌し、ついでろ過し, このようにして得られた固体を45-55℃及び150 mbarよりも低い減圧で20-28時間乾燥させ, その後150 mbarよりも低い圧力で温度を70-74時間125-135℃に維持し, ついで温度を55-65℃に下げ, そして150 mbarよりも低い圧力でもう20-30時間生成物を55-65℃で乾燥させる工程を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールの遊離塩基溶液を濃塩酸で沈殿させ, 24時間攪拌し, 液相を濾過し, このようにして得られた固体を45-55℃及び150 mbarよりも低い減圧で24時間乾燥させ, 温度を62-82 時間130 ℃に維持し、ついで温度を60℃に下げ、そしてもう24 時間 60℃及び150 mbarよりも低い減圧で乾燥させる工程を含む、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1つに記載の方法によって得られる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形A。
【請求項10】
Cu Ka 線を用いて9.7±0.2, 13.6±0.2, 14.6±0.2, 16.3±0.2, 20.6±0.2 及び 29.6±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B。
【請求項11】
Cu Ka 線を用いて10.5±0.2, 21.6±0.2及び27.2±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で更に少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、請求項10記載の (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B。
【請求項12】
実質的に図3におけるようなCu Ka 線を用いて測定した場合、粉末回折で X-線パターン(2-シータ値)を示す、 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B。
【請求項13】
レーザー波長 632 nmを用いて633±4, 720±4, 836±4, 995±4, 1109±4, 1600±4, 2921±4 及び2944±4 cm-1で測定した場合、RAMANスペクトルで少なくとも上記バンドによって特徴づけられる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B。
【請求項14】
レーザー波長 632 nmを用いて測定した場合、実質的に図4におけるようなRAMANスペクトルを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B。
【請求項15】
結晶形 Aをエタノール及び(又は)水に溶解させ, 超音波処理し、ついで大気圧下室温で蒸発させる工程を含む、請求項10〜14のいずれか1つに記載の (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Bの製造方法。
【請求項16】
結晶形Aをエタノール及び(又は)水(エタノール:水の好ましい比率範囲 9,5:0,5 〜0,5: 9,5, 極めて好ましくはエタノール:水の比率 9:1)に溶解させ, 超音波処理し, 濾過し, ついで室温で大気圧によって蒸発させる工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
結晶形 Aをエタノールと水の混合物(比率 9:1)に溶解させ, 超音波処理し, 濾過し, ついで室温で大気圧によって蒸発させる工程を含む、請求項15 又は16記載の方法。
【請求項18】
30-50 mgの(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Aを、約100 μLの エタノール と水の混合物 (重量/重量 9 : 1) (HPLC grade)の混合物に溶解させ、 超音波処理し,スリンジに取り付けられた0.2 ミクロンフィルターによって、シンチレーションバイアル中に環境温度で混合物を濾過し、そして溶剤を環境温度及び大気圧で蒸発させる工程を含む、請求項15〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか1つに記載の方法によって得られる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形B 。
【請求項20】
Cu Ka 線を用いて14.1±0.2, 17.4±0.2, 19.5±0.2, 20.0±0.2, 23.4±0.2 及び 26.6±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、
(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形C。
【請求項21】
Cu Ka 線を用いて 11.9±0.2, 12.2±0.2, 12.6±0.2, 15.4±0.2, 17.3±0.2及び22.3±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で更に少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、請求項20記載の (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形C。
【請求項22】
実質的に図5におけるようなCu Ka 線を用いて測定した場合、粉末回折で X-線パターン(2-シータ値)を示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形C。
【請求項23】
レーザー波長 632 nmを用いて測定した場合、RAMANスペクトルで少なくとも次のバンド:239±4, 305±4, 448±4, 502±4, 537±4, 722±4, 830±4, 992±4, 1094±4, 1243±4 , 2928±4 及び 2945±4 cm-1によって特徴づけられる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形C。
【請求項24】
実質的に図6におけるようにレーザー波長 632 nmを用いて測定した場合、RAMANスペクトルを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形C。
【請求項25】
遊離塩基 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールをイソプロパノールに室温以上の温度で溶解させる工程を含む、請求項20〜24のいずれか1つに記載の形Cの製造方法。
【請求項26】
遊離塩基 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールを、イソプロパノールに40℃〜xx℃(xxは所定の条件下でのイソプロパノールの沸点である。)の温度で溶解させ、冷却し、ついで得られた溶液を塩化水素で処理する工程を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
遊離塩基 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオールをイソプロパノール に45℃〜xx℃(xxは所定の条件下でのイソプロパノールの沸点である。)の温度で溶解させ、得られた溶液を環境温度に冷却し、ついでその溶液をガス状, 無水塩化水素で処理する工程を含む、請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
結晶形 A を液状媒体に懸濁させ, 得られた懸濁液を攪拌して、濾過する工程を含む、請求項20〜24のいずれか1つに記載の形Cの製造方法。
【請求項29】
液状媒体がアセトニトリル, アセトニトリルと水の混合物, エタノール、又はテトラヒドロフランとメタノールの混合物である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
15〜75℃, 好ましくは15〜60℃, 更に好ましくは20〜45℃, 更により好ましくは20〜26℃の温度で実施する、請求項28又は 29記載の方法。
【請求項31】
請求項25〜30のいずれか1つに記載の方法によって得られる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形C。
【請求項32】
Cu Kα線を用いて17.9±0.2, 18.6±0.2, 19.0±0.2, 19.9±0.2 及び25.7±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D。
【請求項33】
Cu Ka 線を用いて10.3±0.2, 12.7±0.2, 13.0±0.2, 13.5±0.2 及び 28.7±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で更に少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、請求項32記載の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D。
【請求項34】
実質的に図7におけるようなCu Kα線を用いて測定した場合、粉末回折で X-線ライン (2-シータ値)を示す、 (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D。
【請求項35】
実質的に図8におけるようなレーザー波長 632 nmを用いて測定した場合、RAMANスペクトルを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D。
【請求項36】
結晶形 B を少なくとも 160℃の温度に加熱する 工程を含む、請求項32〜35のいずれか1つに記載の (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D の製造方法。
【請求項37】
形Bを 160〜185℃, 好ましくは175〜185℃に 20〜50分, 好ましくは30〜40分間加熱し, ついで室温に冷却する工程を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
形B を175〜185℃に 30-40分間加熱し, ついで室温に冷却する工程を含む、請求項36又は37記載の方法。
【請求項39】
請求項36〜38のいずれか1つに記載の方法によって得られる、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形D。
【請求項40】
Cu Kα 線を用いて9.7±0.2, 14.9±0.2, 16.6±0.2, 19.2±0.2, 21.4±0.2及び27.3±0.2 で測定した場合、粉末回折パターン中で少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形E。
【請求項41】
Cu Kα 線を用いて10.7±0.2, 14.9±0.2, 21.4±0.2, 22.4±0.2, 24.2±0.2及び28.9±0.2で測定した場合、粉末回折パターン中で更に少なくとも X-線ライン (2-シータ値)を示す、請求項40記載の (1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形E。
【請求項42】
実質的に図9におけるようなCu Kα線を用いて測定した場合、粉末回折で X-線パターン(2-シータ値)を示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形E。
【請求項43】
実質的に図10におけるようなレーザー波長 632 nmを用いて測定した場合、RAMANスペクトルを示す、(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形E。
【請求項44】
結晶形 Bを 80-100℃に加熱する工程を含む工程を含む、請求項40〜43のいずれか1つに記載の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Eの製造方法。
【請求項45】
結晶形 Bを80〜100℃に, 好ましくは 85-95℃に20-40分間, 好ましくは25-35分間加熱する工程を含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
結晶形 Bを85-95℃ に25〜35分間加熱する工程を含む, 請求項44又は 45記載の方法。
【請求項47】
結晶形 Bを 60℃で環境相対湿度で 2〜6週間乾燥させる工程を含む、請求項40〜43のいずれか1つに記載の(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形Eの製造方法。
【請求項48】
結晶形 Bを新たに製造する、請求項44〜47のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
請求項44〜48のいずれか1つに記載の方法によって得られる(1RS,3RS,6RS)-6-ジメチルアミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)シクロヘキサン-1,3-ジオール塩酸塩の結晶形E。
【請求項50】
請求項1〜5, 9〜14, 19〜24, 31〜35, 39〜43 又は49のいずれか1つに記載の、1種以上の結晶形の混合物、好ましくはA,B,Cの群から選ばれたメンバー1種以上を含む結晶形の混合物を含有する組成物, より好ましくは形Aを含む組成物。
【請求項51】
有効成分として、請求項1〜5, 9〜14, 19〜24, 31〜35, 39〜43 又は49のいずれか1つに記載の、結晶形又は1種以上の結晶形の混合物、好ましくは1種の結晶形(a or a mixture of, preferred a, crystalline form(s))を含有し、そして好ましくは少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する、医薬組成物。
【請求項52】
有効成分として、請求項1〜5, 9〜14, 19〜24, 31〜35, 39〜43 又は49のいずれか1つに記載の、結晶形又は1種以上の結晶形の混合物、好ましくは1種の結晶形を含有し、そして好ましくは少なくとも1種の適当な添加物及び(又は)助剤物質を含有する、薬剤。
【請求項53】
痛み, 尿失禁, うつ病及び不安より成る群から選ばれた1種以上の疾患の治療及び(又は)予防のための請求項25記載の薬剤。
【請求項54】
痛みが慢性の痛み, 急性の痛み, 神経障害性痛み, 内臓痛及び 炎症性痛覚より成る群から選ばれ, より好ましくは痛みが慢性の痛み又は急性の痛みである、請求項53記載の薬剤。
【請求項55】
請求項1〜5, 9〜14, 19〜24, 31〜35, 39〜43 又は49のいずれか1つに記載の、結晶形又は1種以上の結晶形の混合物、好ましくは1種の結晶形を、痛み, 尿失禁, うつ病又は不安の治療用薬剤の製造に使用する方法。
【請求項56】
痛みが慢性の痛み, 急性の痛み, 神経障害性痛み, 内臓痛及び 炎症性痛覚より成る群から選ばれ, より好ましくは痛みが慢性の痛み又は急性の痛みである、請求項55記載の使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−531511(P2008−531511A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556543(P2007−556543)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001548
【国際公開番号】WO2006/089708
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】