説明

(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法

【課題】 イミペネム(imipenem)の補助剤として用いられるシラスタチン(cilastatin)製造の主要中間体である(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の新規製造方法を提供すること。
【解決手段】 エチル7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートのE、Z異性体の混合物から、酸を用いてエチル(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートを選択的に加水分解し、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートをアルカリ加水分解した後、精製することからなる、(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミペネム(imipenem)の補助剤として用いられるシラスタチン(cilastatin)製造の主要中間体である、下記構造式(1)の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の新規製造方法に関する。
【0002】
【化1】

【背景技術】
【0003】
上記構造式(1)の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸又はその無機塩の製造のための従来の方法は、下記特許文献1〜3等に記載されている。特許文献2には、下記反応式のように、構造式(2)のエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートが略85〜90%、構造式(3)の(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸エステルが略10〜13%含まれる異性体混合物を調製し、この混合物を当量以下のアルカリと混合して、部分的アルカリ加水分解を誘導し、(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸アルカリ金属塩水溶液として抽出し、これを濃縮した後、有機溶媒から結晶化して精製することが可能であることが記載されている。
【0004】
【化2】

【0005】
しかし、上述の方法では、アルカリ加水分解反応の選択性が低いため、当量以下のアルカリを加えて加水分解を誘導しても、相当量の(E)異性体が(Z)異性体と共に加水分解され、その結果、相当量の(E)異性体を含有した(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸アルカリ金属塩水溶液が得られる。大部分の水を濃縮除去し、適当な有機溶媒を加えて結晶化を行えば、更に精製された(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸アルカリ金属塩を得ることができるが、こうした厳しい条件に比して、得られる製品の純度は非常に低い。
【0006】
他方、特許文献3等には、シラスタチンの製造において(E)異性体を除去するために、(E)異性体を多量含有する(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸混合物をそのまま用いて粗シラスタチンを製造し、これを酸水溶液下で加熱反応することによって精製を行ったことが報告されている。
【0007】
しかし、この方法によれば、酸水溶液下の加熱反応に伴う加水分解により、未知の不純物が生成する他、相当量の(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド等に分解されるが、実際にはこれらは除去しにくい。このようなことは特許文献2にも記載されている。
【0008】
本発明は、シラスタチンを効率よく製造するために必要となる高純度の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸を効率よく製造することが可能な方法を開発しようとして研究した結果完成したものである。
【0009】
【特許文献1】ヨーロッパ特許公報第48301号
【特許文献2】WO2006/022511
【特許文献3】米国特許第5,147,868号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の問題等に鑑みてなされたものであり、その目的は、イミペネム(imipenem)の補助剤として用いられるシラスタチン(cilastatin)の主要中間体である(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の新規製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、99%以上の高純度(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸を効率よく製造することが可能な新規製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の製造方法は、
a)下記構造式(2)のエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートと、下記構造式(3)のエチル(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートとの混合物から、エチル(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートを選択的に酸に加水分解する段階と、
b)前記段階a)の酸溶液をアルカリで中和し、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートをアルカリ加水分解させ、下記構造式(1)の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸のアルカリ水溶液を調製した後、水溶液層を分離する段階と、
c)前記段階b)から分離した水溶液を中和し、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥した後、濃縮して結晶化し、濾過分離し、精製された下記構造式(1)の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸を得る段階と、からなることを特徴とする。
【0013】
本発明の製造方法は下記反応式で示される。
【化3】

【発明の効果】
【0014】
イミペネム等の重要な抗生剤の補助剤であるシラスタチンの製造において、異性体不純物の除去方法は非常に重要な位置を占めているところ、本発明は、シラスタチン製造の主要中間体である(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造過程で、簡単な選択的酸加水分解により大部分のE異性体不純物を除去し、高純度の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸を提供することによって、高純度のシラスタチンを容易に製造することを可能とするものであり、産業上の有用性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
上記段階a)における、上記構造式(2)のエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートと、上記構造式(3)の(E)異性体との混合物は、上記特許文献1に記載の方法により容易に調製される。この混合物から(E)異性体を選択的に加水分解するために用いる溶媒としては、反応が起こりやすく、且つ、作業性の良好な溶媒、例えば、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、スルホキシド類、ケトン類、アミド類、塩化炭素類、芳香族有機溶媒類、又はこれらの混合溶媒が挙げられるが、好ましくは、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、1,4−ジオキサン(dioxan)、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン若しくはジクロロエタン、又はこれらの混合溶媒、或いはこれらの水溶液を用いる。
【0017】
上記段階a)において構造式(3)のエチル(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートの選択的加水分解のために用いる酸としては、塩酸、臭素酸、硫酸、燐酸のような無機酸;酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸のような有機酸;メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸のようなスルホン酸;三フッ化ホウ素(trifluoroborane)等が挙げられる。酸の使用量は0.05当量以上、好ましくは0.5〜1.5当量である。
【0018】
上記段階a)において、反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜40℃であり、反応は、ガスクロマトグラフィー分析で、構造式(2)の(Z)異性体と構造式(3)の(E)異性体との比率が100:1以上、好ましくは150:1以上、更に好ましくは200:1以上になった時点で終結させる。
【0019】
上記段階b)で用いるアルカリとしては、NaOH、NaCO、KOH、KCO、LiOH等が挙げられる。アルカリの使用量は1当量以上、好ましくは1〜2当量であり、反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜40℃である。
【0020】
上記段階c)で中和のために用いる酸としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、燐酸のような無機酸;及び酢酸、蟻酸のような有機酸が挙げられる。
【0021】
上記段階c)における抽出有機溶媒としては、エチルアセテート、ブチルアセテートのようなエステル類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテルのようなエーテル類;ベンゼン、トルエンのような芳香族有機溶媒類;ジクロロメタン、ジクロロエタンのような塩化炭素類;又はこれらの混合溶媒、或いはこれらと混合可能な有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明する。但し、以下の実施例は、本発明の例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0023】
(参考例1:エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)の製造)
上記特許文献1に記載の方法を参照して、エチル7−クロロ−2−オキソヘプテノエート(oxoheptanoate)250gと、(S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド141gとの反応を行い、これを濃縮し、ガスクロマトグラフィー分析でエチル(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(3)が10.5%含有されたエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)372.4gを得た。
【0024】
(実施例1:(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸(1)の製造)
参考例1で得られたエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)200g(0.66モル)にジクロロメタン600mlを加えて溶解させ、4−トルエンスルホン酸126gを加えた。次いで、20℃で攪拌しながら、ガスクロマトグラフィー分析で、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)とエチル(E)−7−クロロ((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(3)との比率が略200:1になった時点で反応を終結させた。そして、攪拌しながら0.5N苛性ソーダ水溶液を加えてpHを8〜9に調節した後、有機層を分離した。有機層を減圧濃縮し、残渣にアセトニトリル1,000mlを加え、更に0.65N苛性ソーダ水溶液1,420ml(0.925モル)を加えて、室温で攪拌し、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)が全て消耗されるまで反応させた。減圧下で大部分のアセトニトリルを蒸発させた後、ジクロロメタン270mlで水層を洗浄し、水層を塩酸でpH3.5に調節した。そして、ジクロロメタン670mlを加えて抽出し、有機層に無水硫酸マグネシウム70gを加えて攪拌した後、濾過し、減圧濃縮した。残渣をエチルアセテートとn−ヘキサンとの略1:4の比率の混合溶媒から結晶化して濾過し、40℃で10時間熱風乾燥して、(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸(1)101.4gを得た。
【0025】
HPLC(C18、40%アセトニトリル水溶液)純度99.1%、(Z)/(E)=910.
H NMR(CDCl、500MHz)ppm:0.82〜0.84(dd、1H)、1.15〜1.23(s、7H)、1.43〜1.46(dd、1H)、1.61〜1.67(m、2H)、1.78〜1.83(m、2H)、2.19〜2.23(m、2H)、3.53〜3.56(t、2H)、6.77〜6.79(t、1H)、6.99(s、1H).
【0026】
(実施例2:(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸(1)の製造)
参考例1で得られたエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)100g(0.33モル)にトルエン300mlを加えて溶解させ、メチルスルホン酸47gを加えた。次いで、30℃で攪拌しながら、ガスクロマトグラフィー分析で、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)とエチル(E)−7−クロロ((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(3)との比率が略120:1になった時点で反応を終結させた。そして、攪拌しながら0.5N苛性ソーダ水溶液を加えてpHを8〜9に調節した後、有機層を分離した。有機層を減圧濃縮し、残渣にエタノール300mlを加え、更に1.2N苛性ソーダ水溶液380ml(0.46モル)を加えて、室温で攪拌し、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)が全て消耗されるまで反応させた。減圧下で大部分のエタノールを蒸発させた後、ジクロロメタン150mlで水層を洗浄し、水層にイソプロピルエーテル1,500mlを加え、35%塩酸水溶液でpH3.5に調節した。そして、層分離し、有機層に無水硫酸マグネシウム100gを加えて攪拌した後、濾過した。濾液を減圧濃縮して結晶化し、更に濾過した後、40℃で10時間熱風乾燥して、(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸(1)50.5gを得た。
【0027】
HPLC(C18、40%アセトニトリル水溶液)純度99.3%、(Z)/(E)=540.
H NMR(CDCl、500MHz)ppm:0.82〜0.84(dd、1H)、1.15〜1.23(s、7H)、1.43〜1.46(dd、1H)、1.61〜1.67(m、2H)、1.78〜1.83(m、2H)、2.19〜2.23(m、2H)、3.53〜3.56(t、2H)、6.77〜6.79(t、1H)、6.99(s、1H).
【0028】
(実施例3:シラスタチン水溶液の製造)
L−システイン塩酸塩20gを4.5N苛性ソーダ116mlで溶かした水溶液に、実施例1で得られた(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸(1)34.4gを加えて溶解させる。常温で攪拌しながら、高速液体クロマトグラフィー分析でエチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエート(2)が消耗されるまで反応を行うと、高速液体クロマトグラフィー分析でE異性体がほとんど検出されない高純度のシラスタチン水溶液を得ることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチル7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートのE、Z異性体の混合物から、酸を用いてエチル(E)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートを選択的に加水分解し、エチル(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテノエートをアルカリ加水分解した後、精製することからなる、(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法。
【請求項2】
(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸が、Z異性体のE異性体に対するモル比が200/1以上の純度で得られることを特徴とする、請求項1に記載の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法。
【請求項3】
酸加水分解に用いられる溶媒が、エーテル類、ニトリル類、スルホキシド類、ケトン類、アミド類、塩化炭素類、アルコール類若しくは芳香族有機溶媒類、又はこれらの混合溶媒、或いはこれらの水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法。
【請求項4】
酸加水分解に用いられる溶媒が、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン若しくはジクロロエタン、又はこれらの混合溶媒、或いはこれらの水溶液であることを特徴とする、請求項3に記載の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法。
【請求項5】
酸加水分解に用いられる酸が、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸及び三フッ化ホウ素からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の製造方法により得られる(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸を用いてシラスタチンを製造する方法。
【請求項7】
Z異性体のE異性体に対するモル比が200/1以上の純度の(Z)−7−クロロ−((S)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸。

【公開番号】特開2008−143883(P2008−143883A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106379(P2007−106379)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(507123534)ウィスケム カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】