1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置
【課題】単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置を得る。
【解決手段】複数の自己消弧形デバイスをブリッジ接続して構成され、交流端子が電力系統または負荷に接続されると共に直流端子が直流コンデンサに接続される1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置において、前記各自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、前記各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段とを備えて成る1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置。
【解決手段】複数の自己消弧形デバイスをブリッジ接続して構成され、交流端子が電力系統または負荷に接続されると共に直流端子が直流コンデンサに接続される1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置において、前記各自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、前記各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段とを備えて成る1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の自己消弧形デバイスをブリッジ接続して構成され、交流端子が電力系統または負荷に接続されると共に直流端子が直流コンデンサに接続される1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置に係り、特に各自己消弧形デバイスのゲートパターンの発生手法を改良して、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損防止を実現できるようにした1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の一例として、後述する例えば非特許文献1に記載されているような変換器がある。
【0003】
図24は、この種の従来の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の構成例を示す回路図である。
【0004】
図24において、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器は、環流ダイオ−ド2A、2B、2C、2Dが逆並列に接続された複数の自己消弧形デバイス1A、1B、1C、1Dをブリッジ接続して構成され、その交流端子が電力系統または負荷4に接続されると共に、直流端子が直流コンデンサ3に接続されている。
【0005】
なお、図24では、自己消弧形デバイス1A、1B、1C、1DのシンボルをIGBTとしているが、これはIGBTに限定されるものではなく、GTO、バイポーラトランジスタ、およびMOSFET等、自己消弧能力を持つデバイスであれば何でも構わない。
【0006】
かかる1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器を3台用いることにより、三相変換器を構成することが可能である。
【0007】
また、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器を多重化することにより、高調波を低減することが可能である。
【0008】
以上のように、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の適用範囲は広く、具体的には、直流送電、無効電力補償装置、および周波数変換装置に適用することが可能である。
【0009】
図25は、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器をワンパルス動作させた場合の、交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)とゲートパターンの一例を示す波形図である。
【0010】
図25において、上から1段目はUアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、2段目はXアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、3段目はVアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、4段目はYアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、5段目は交流端子出力電圧波形Voutである。
【0011】
なお、θは交流出力電圧の基本波位相であり、コサイン(cos)を基準としている。
【0012】
交流出力電圧の基本波実効値Voutは、次式で与えられる。
【数1】
【0013】
Vout:交流出力電圧の基本波実効値[V]
VDC:直流電圧[V]
α:交流出力電圧のパルス幅[rad]
【非特許文献1】「半導体電力変換回路」電気学会:半導体電力変換方式調査専門委員会編(オ−ム社)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上述したような1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器において、自己消弧形デバイスの破損を防止するためのスイッチング回数増加防止の方式についても、現在のところ提案されていない。
【0015】
本発明の目的は、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することが可能な1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、各自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段とを備えている。
【0017】
従って、請求項1に対応する発明の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置においては、各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に、一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止することにより、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置によれば、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)図1は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0021】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図1に示すように、パルス幅演算装置5と、位相変換装置7Aと、位相変換装置7Bと、ゲートパターン発生装置8Aと、ゲートパターン発生装置8Bと、加算器9と、減算器10と、反転器11Aと、反転器11Bと、比例器28と、比例器29とから構成し、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0022】
パルス幅演算装置5は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値から、所望のパルス幅を演算する。
【0023】
比例器28は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅に、ゲインAを乗じて出力する。
【0024】
比例器29は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅に、ゲイン(1−A)を乗じて出力する。
【0025】
ここで、Aは0以上、1以下の値である。
【0026】
加算器9は、比例器28からの出力を、上記交流出力電圧の位相に加算する。
【0027】
減算器10は、比例器29からの出力を、上記交流出力電圧の位相から減算する。
【0028】
位相変換装置7Aは、加算器9からの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0029】
位相変換装置7Bは、減算器10からの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0030】
ゲートパターン発生装置8Aは、位相変換装置7Aからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0031】
ゲートパターン発生装置8Bは、位相変換装置7Bからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0032】
反転器11Aは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0033】
反転器11Bは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0034】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅の一部を交流出力電圧の位相に加算し、一部を差し引いた残りのパルス幅を交流出力電圧の位相から減算して、各アームの位相指令値を演算し、当該各アームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する構成として、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0035】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図2を用いて説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0037】
図1において、パルス幅演算装置5では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutから、所望のパルス幅αを演算する。
【0038】
比例器28では、パルス幅演算装置5からの交流出力電圧のパルス幅αに、ゲインAを乗じる。
【0039】
比例器29では、パルス幅演算装置5からの交流出力電圧のパルス幅αに、ゲイン(1−A)を乗じる。
【0040】
加算器9では、比例器28からの出力を、交流出力電圧の位相θに加算する。
【0041】
減算器10は、比例器29からの出力を、交流出力電圧の位相θから減算する。
【0042】
位相変換装置7Aでは、加算器9から入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0043】
位相変換装置7Bでは、減算器10から入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0044】
例えば、3πが位相変換装置7A、7Bに入力された場合には、出力はπとなる。
【0045】
ゲートパターン発生装置8Aでは、位相変換装置7Aからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Uアームゲートパターン)。
【0046】
ゲートパターン発生装置8Bでは、位相変換装置7Bからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Vアームゲートパターン)。
【0047】
反転器11Aでは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する(Xアームゲートパターン)。
【0048】
反転器11Bでは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する(Yアームゲートパターン)。
【0049】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0050】
図2は、ゲインA=1/2の時の交流出力電圧とゲートパターンの波形を示している。
【0051】
また、これ以降の各実施の形態の説明では、ゲインA=1/2と仮定するが、これは何らゲインA=1/2と限定されるものではない。
【0052】
図2において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0053】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0054】
パルス幅αがゼロの時には、UアームとVアームのゲートパターンは、同期した180°オン、180°オフのパルスであり、交流出力電圧Voutはゼロを維持する。
【0055】
パルス幅αがゼロではなくなると、α/2を交流出力電圧の位相θに対して、Uアームの場合は加算し、Vアームの場合は減算する。
【0056】
すなわち、これは交流出力電圧の位相θに対して、Uアームのゲートパターン位相をα/2だけ進め、Vアームのゲートパターン位相をα/2だけ遅らせることを意味している。
【0057】
これにより、交流出力電圧Voutはパルス幅αの1パルスとなり、その位相は交流出力電圧の位相θに同期する。
【0058】
したがって、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を、高速かつ正確に制御することができる。
【0059】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能となる。
【0060】
(第2の実施の形態)図3は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0061】
すなわち、図3に示すように、本実施の形態によるパルス幅演算装置5は、比例器12と、リミッタ13と、sin-1(アークサイン)演算装置14と、比例器15とから構成し、所望のパルス幅を演算するようにしている。
【0062】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0063】
リミッタ13は、下限値が0で、上限値が1に設定されており、比例器12からの出力である変調率を制限する。
【0064】
sin-1演算装置14は、リミッタ13からの出力である制限された変調率から、パルス幅の2分の1を演算する。
【0065】
比例器15は、sin-1演算装置14からの出力に、ゲイン2を乗じてパルス幅を演算する。
【0066】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置5の動作について説明する。
【0067】
図3において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0068】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0069】
リミッタ13では、比例器12からの変調率kを制限する。
【0070】
sin-1演算装置14では、リミッタ13からの制限された変調率kから、パルス幅の2分の1を演算する。
【0071】
比例器15では、sin-1演算装置14からの出力に、ゲイン2を乗じてパルス幅αを演算する。
【0072】
すなわち、本実施の形態のパルス幅演算装置5は、前記図1に示す第1の実施の形態におけるパルス幅演算装置5の具体的な演算方法を提示するものであり、演算式は次式のようになり、これは前記(式1)をαについて解いた式である。
【0073】
本実施の形態のパルス幅演算装置5を用いることにより、実際の交流出力電圧の基本波実効値Voutが、指令値に原理的に一致するという利点が得られる。
【0074】
【数2】
【0075】
Vout:交流出力電圧の基本波実効値[V]
VDC:直流電圧[V]
α:交流出力電圧のパルス幅[rad]
上述したように、本実施の形態のパルス幅演算装置5を用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつより一層正確に制御することが可能となる。
【0076】
(第3の実施の形態)図4は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0077】
すなわち、図4に示すように、本実施の形態によるパルス幅演算装置5は、比例器12と、比例器16と、リミッタ17とから構成し、所望のパルス幅を演算するようにしている。
【0078】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0079】
比例器16は、比例器12からの出力である変調率に、ゲインKを乗じて出力する。
【0080】
リミッタ17は、下限値が0で、上限値がπに設定されており、比例器16からの出力を制限する。
【0081】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置5の動作について説明する。
【0082】
図4において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0083】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0084】
比例器16では、比例器12からの変調率に、ゲインKを乗じて出力する。
【0085】
リミッタ17では、比例器16からの出力を制限してパルス幅αを出力する。
【0086】
すなわち、本実施の形態のパルス幅演算装置5は、前記図1に示す第1の実施の形態におけるパルス幅演算装置5の具体的な演算方法を提示するものであり、前述したようなsin-1演算装置を使用していないことから、その実現がより一層容易であるという利点が得られるが、実際の交流出力電圧の基本波実効値Voutが、指令値に対して誤差を有する。
【0087】
ただし、閉ル−プ制御系の中で用いる場合には、当該誤差の影響が小さくなるため、実現の容易性の点から、本実施の形態のパルス幅演算装置5を採用する価値(有効性)がある。
【0088】
なお、比例器16のゲインKの一例としてπが考えられ、この時、実際の交流出力電圧の基本波実効値Voutが指令値と等しくなるのは、変調率kが0と1の場合である。
【0089】
上述したように、本実施の形態のパルス幅演算装置5を用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつより一層正確に制御することが可能となる。
【0090】
(第4の実施の形態)図5は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0091】
すなわち、図5に示すように、本実施の形態によるゲートパターン発生装置8A、8Bは、のこぎり波発生装置18と、比較器19とから構成し、各アームの位相指令値から所望のゲートパターンを発生するようにしている。
【0092】
のこぎり波発生装置18は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0093】
比較器19は、のこぎり波発生装置18により発生したのこぎり波と直流値とを比較して、各アームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0094】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置8A、8Bの動作について、図6を用いて説明する。
【0095】
図6は、本実施の形態の動作を示すのこぎり波とゲートパターンの波形図である。
【0096】
図5において、のこぎり波発生装置18では、アームのゲートパターン位相φに同期した振幅1ののこぎり波を発生する。
【0097】
比較器19では、入力される直流値とのこぎり波とを比較し、直流値の方がのこぎり波よりも大きい場合には1を出力し、逆の場合には0を出力する。
【0098】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0099】
このように、のこぎり波との比較によってゲートパターンを発生させることにより、ゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いていた回路を流用することができ、利点が多い。
【0100】
また、ゲートパターン発生装置8A、8Bをソフトウエアにより実現することも可能である。
【0101】
上述したように、本実施の形態のゲートパターン発生装置8A、8Bを用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能であり、またゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いている回路を流用することが可能となる。
【0102】
(第5の実施の形態)図7は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0103】
すなわち、図7に示すように、本実施の形態によるゲートパターン発生装置8A、8Bは、三角波発生装置20と、比較器19とから構成し、各アームの位相指令値から所望のゲートパターンを発生するようにしている。
【0104】
三角波発生装置20は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0105】
比較器19は、三角波発生装置20により発生した三角波と直流値とを比較して、各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0106】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置8A、8Bの動作について、図8を用いて説明する。
【0107】
図8は、本実施の形態の動作を示す三角波とゲートパターンの波形図である。
【0108】
図7において、三角波発生装置20では、アームのゲートパターン位相φに同期した振幅1の三角波を発生する。
【0109】
比較器19では、入力される直流値と三角波とを比較し、直流値の方が三角波よりも大きい場合には1を出力し、逆の場合には0を出力する。
【0110】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0111】
このように、三角波との比較によってゲートパターンを発生させることにより、ゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いていた回路を流用することができ、利点が多い。
【0112】
また、ゲートパターン発生装置8A、8Bをソフトウエアにより実現することも可能である。
【0113】
上述したように、本実施の形態のゲートパターン発生装置8A、8Bを用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能であり、またゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いている回路を流用することが可能となる。
【0114】
(第6の実施の形態)図9は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0115】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図9に示すように、比例器12と、sin演算装置21と、絶対値演算装置22と、ゲートパターン発生装置23と、反転器11Aと、反転器11Bとから構成し、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0116】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0117】
sin演算装置21は、交流出力電圧(1パルス電圧)の位相に同期した単位振幅の基本波周波数正弦波を発生する。
【0118】
絶対値演算装置22は、sin演算装置21からの出力である基本波周波数正弦波の絶対値を演算し出力する。
【0119】
ゲートパターン発生装置23は、比例器12からの出力である変調率と、絶対値演算装置22からの出力である基本波周波数正弦波の絶対値とを入力とし、当該各入力に基づいてゲートパターンを出力する。
【0120】
反転器11Aは、ゲートパターン発生装置23からの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0121】
反転器11Bは、ゲートパターン発生装置23からの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0122】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、交流出力電圧の位相と同期した単位振幅の基本波周波数正弦波の絶対値波形を発生し、当該正弦波絶対値波形と比例器12により演算された変調率とを比較して、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する構成として、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0123】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図10および図11を用いて説明する。
【0124】
図10は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0125】
図11は、本実施の形態のゲートパターンを決定するためのテーブルの一例を示す図である。
【0126】
図9において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0127】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0128】
sin演算装置21では、交流出力電圧の位相θに同期した単位振幅の基本波周波数正弦波を発生する。
【0129】
絶対値演算装置22では、sin演算装置21からの基本波周波数正弦波の絶対値aを演算する。
【0130】
ゲートパターン発生装置23では、比例器12からの変調率kと、絶対値演算装置22からの基本波周波数正弦波の絶対値aとの大小関係により、図11に示すテーブルにしたがってゲートパターンを発生する。
【0131】
図10において、上から1段目は正弦波絶対値aと変調率kの波形、2段目は交流出力電圧波形、3段目はUアームゲートパターン、4段目はXアームゲートパターン、5段目はVアームゲートパターン、6段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0132】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0133】
本実施の形態では、正弦波絶対値aと変調率kとを直接比較することで、全アームのゲートパターンを得ることにより、パルス幅αを前述のようなsin-1(アークサイン)の演算を行なって求める必要が無く、正弦波絶対値aと変調率kとの比較を行なってゲートパターンを決定することで、結果的にsin-1(アークサイン)の演算でパルス幅αを求めたことと等価になる。
【0134】
したがって、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を、高速かつ正確に制御することができる。
【0135】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能となる。
【0136】
(第7の実施の形態)図12は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0137】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図12に示すように、比例器12と、ゲートパターン発生装置23と、三角波発生装置24とから構成し、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0138】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0139】
三角波発生装置24は、交流出力電圧(1パルス電圧)の位相に同期した0から1の間を往復する基本波周波数の2倍の周波数の三角波を発生する。
【0140】
ゲートパターン発生装置23は、比例器12からの出力である変調率と、三角波発生装置24からの出力である三角波とを入力とし、当該各入力に基づいてゲートパターンを出力する。
【0141】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、交流出力電圧の位相と同期した基本波周波数の2倍の周波数の三角波を発生し、当該三角波と比例器12により演算された変調率とを比較して、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する構成として、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0142】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図13を用いて説明する。
【0143】
図13は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0144】
図12において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0145】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0146】
三角波発生装置24では、交流出力電圧の位相θに同期した0から1の間を往復する基本波周波数の2倍の周波数の三角波を発生する。
【0147】
ゲートパターン発生装置23では、比例器12からの変調率kと、三角波発生装置24からの三角波aとの大小関係により、前記図11に示すテーブルにしたがってゲートパターンを発生する。
【0148】
図13において、上から1段目は三角波aと変調率kの波形、2段目は交流出力電圧波形、3段目はUアームゲートパターン、4段目はXアームゲートパターン、5段目はVアームゲートパターン、6段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0149】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0150】
本実施の形態では、三角波aと変調率kとを直接比較することで、全アームのゲートパターンを得る。
【0151】
したがって、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を、高速かつ正確に制御することができる。
【0152】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能となる。
【0153】
(第8の実施の形態)図14は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0154】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図14に示すように、パルス幅演算装置5と、比例器6Aと、比例器6Bと、加算器9Aと、加算器9Bと、減算器10Aと、減算器10Bと、位相変換装置7Aと、位相変換装置7Bと、ゲートパターン発生装置8Aと、ゲートパターン発生装置8Bと、反転器11Aと、反転器11Bとから構成し、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0155】
パルス幅演算装置5は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値から、所望のパルス幅を演算する。
【0156】
比例器6Aは、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅に、ゲイン1/2を乗じて出力する。
【0157】
比例器6Bは、交流出力電圧(1パルス電圧)に直流成分を重畳する図示しない手段からのパルス幅調整値に、ゲイン1/2を乗じて出力する。
【0158】
加算器9Aは、比例器6Aからの出力を、上記交流出力電圧の位相に加算する。
【0159】
加算器9Bは、比例器6Bからの出力を、加算器9Aからの出力に加算する。
【0160】
減算器10Aは、比例器6Aからの出力を、上記交流出力電圧の位相から減算する。
【0161】
減算器10Bは、比例器6Bからの出力を、減算器10Aからの出力から減算する。
【0162】
位相変換装置7Aは、加算器9Bからの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0163】
位相変換装置7Bは、減算器10Bからの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0164】
ゲートパターン発生装置8Aは、位相変換装置7Aからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0165】
ゲートパターン発生装置8Bは、位相変換装置7Bからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0166】
反転器11Aは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0167】
反転器11Bは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0168】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅を所定のパルス幅だけ調整し、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器における直流成分高電位側アームの上段自己消弧形デバイスのオン期間を広げ、同じ幅で直流成分低電位側アームの上段自己消弧形デバイスのオン期間を狭め、直流成分高電位側アームの上段自己消弧形デバイスのオン開始タイミングを広げたパルス幅の2分の1だけ進め、直流成分低電位側アームの上段デバイスのオン開始タイミングを狭めたパルス幅の2分の1だけ遅らせるように、交流出力電圧の基本波実効値および位相を制御する構成として、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0169】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図15を用いて説明する。
【0170】
図15は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0171】
図14において、パルス幅演算装置5では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutから、所望のパルス幅αを演算する。
【0172】
比例器6Aでは、パルス幅演算装置5からの交流出力電圧のパルス幅αに、ゲイン1/2を乗じる。
【0173】
比例器6Bでは、交流出力電圧に直流成分を重畳する図示しない手段からのパルス幅調整値△αに、ゲイン1/2を乗じる。
【0174】
加算器9Aでは、比例器6Aからの出力を、交流出力電圧の位相θに加算する。
【0175】
加算器9Bでは、比例器6Bからの出力を、加算器9Aからの出力に加算する。
【0176】
減算器10Aでは、比例器6Aからの出力を、交流出力電圧の位相θから減算する。
【0177】
減算器10Bでは、比例器6Bからの出力を、減算器10Aからの出力から減算する。
【0178】
位相変換装置7Aでは、加算器9Bから入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0179】
位相変換装置7Bでは、減算器10Bから入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0180】
例えば、3πが位相変換装置7A、7Bに入力された場合には、出力はπとなる。
【0181】
ゲートパターン発生装置8Aでは、位相変換装置7Aからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Uアームゲートパターン)。
【0182】
ゲートパターン発生装置8Bでは、位相変換装置7Bからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Vアームゲートパターン)。
【0183】
反転器11Aでは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する(Xアームゲートパターン)。
【0184】
反転器11Bでは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0185】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0186】
図15において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0187】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0188】
本実施の形態では、交流出力電圧の基本波成分実効値および位相を変化させずに、直流成分を重畳することができ、特に変換器用変圧器の偏磁抑制制御等を行なう場合に適用することが可能である。
【0189】
図14では、Uアームを直流成分高電位側、Vアームを直流成分低電位側と仮定している。
【0190】
ただし、パルス幅調整値△αを負の値とすれば、直流成分の高電位側と低電位側は逆になる。
【0191】
Uアームのオン期間を△α広げ、Vアームのオン期間を△α狭めている。
【0192】
さらに、基本波成分の位相が変化しないように、Uアームのゲートパターン位相を△α/2進め、Vアームのゲートパターン位相を△α/2遅らせている。
【0193】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することができ、特に変換器用変圧器の偏磁抑制制御等を行なう場合に適用することが可能となる。
【0194】
(第9の実施の形態)図16は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図14と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0195】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図16に示すように、前記図14に、比例器25と、比例器26とからなるパルス幅調整値演算装置を付加して、所定のパルス幅調整値を演算する構成とし、交流端子より所望の直流成分を出力するようにしている。
【0196】
比例器25は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)に重畳する直流成分電圧指令値に、ゲイン1/VDCを乗じて直流成分変調率を演算する。
【0197】
比例器26は、比例器25からの出力である直流成分変調率に、ゲインπを乗じてパルス幅調整値を演算する。
【0198】
すなわち、交流出力電圧に重畳させる直流成分電圧指令値を1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の直流電圧で除して、当該値を直流成分の変調率とし、かつ当該変調率値にπを乗じた値を、各アームのパルス幅調整値として求める構成として、交流端子より所望の直流成分を出力するようにしている。
【0199】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅調整値演算装置の動作について説明する。
【0200】
図16において、比例器25では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧に重畳する直流成分電圧指令値Voffsetに、ゲイン1/VDCを乗じて直流成分変調率koffsetを演算する。
【0201】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器25のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0202】
比例器26では、比例器25からの直流成分変調率koffsetに、ゲインπを乗じてパルス幅調整値△αを演算する。
【0203】
すなわち、本実施の形態のパルス幅調整値演算装置の演算により求められたパルス幅調整値△αでパルス幅αを調整することにより、実際の交流出力電圧直流成分の基本波1周期平均値が、直流成分電圧指令値Voffsetと等しくなるという利点が得られる。
【0204】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、より一層精度の高い制御を行なうことが可能となり、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる。
【0205】
(第10の実施の形態)図17は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図14および図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0206】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図17に示すように、前記図14および図16に、のこぎり波発生装置18Aと、のこぎり波発生装置18Bと、比較器19Aと、比較器19Bと、比例器27とを付加して、所望のゲートパターンを発生する構成とし、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0207】
のこぎり波発生装置18Aは、前記位相変換装置7Aからの出力であるUアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0208】
のこぎり波発生装置18Bは、前記位相変換装置7Bからの出力であるVアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0209】
比較器19Aは、のこぎり波発生装置18Aにより発生したのこぎり波と前記比例器25からの出力である直流成分変調率とを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0210】
比例器27は、比例器25からの出力である直流成分変調率に、ゲイン−1を乗じて出力する。
【0211】
比較器19Bは、のこぎり波発生装置18Bにより発生したのこぎり波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0212】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生し、当該のこぎり波と直流値とを比較して、各アームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生し、当該のこぎり波と比較する直流値を、一方のアームでは直流成分変調率とし、もう一方のアームでは直流成分変調率の符号を反転した値として、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0213】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図18および図19を用いて説明する。
【0214】
図18は、本実施の形態における直流成分変調率=0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0215】
図19は、本実施の形態における直流成分変調率≠0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0216】
図17において、のこぎり波発生装置18Aでは、位相変換装置7AからのUアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0217】
のこぎり波発生装置18Bでは、位相変換装置7BからのVアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0218】
比較器19Aでは、のこぎり波発生装置18Aからののこぎり波と比例器25からの直流成分変調率koffsetとを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0219】
比例器27では、比例器25からの直流成分変調率koffsetに、ゲイン−1を乗じる。
【0220】
比較器19Bでは、のこぎり波発生装置18Bからののこぎり波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0221】
図18および図19において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0222】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0223】
本実施の形態では、のこぎり波と比較する直流値を直流成分変調率koffsetとすることにより、交流出力電圧に直流成分を重畳することができる。
【0224】
特に、ゲートパターン発生装置としてのこぎり波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0225】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる。
【0226】
特に、本構成は、ゲートパターン発生装置としてのこぎり波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0227】
(第11の実施の形態)図20は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図14および図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0228】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図20に示すように、前記図14および図16に、三角波発生装置20Aと、三角波発生装置20Bと、比較器19Aと、比較器19Bと、比例器27とを付加して、所望のゲートパターンを発生する構成とし、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0229】
三角波発生装置20Aは、前記位相変換装置7Aからの出力であるUアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0230】
三角波発生装置20Bは、前記位相変換装置7Bからの出力であるVアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0231】
比較器19Aは、三角波発生装置20Aにより発生した三角波と前記比例器25からの出力である直流成分変調率とを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0232】
比例器27は、比例器25からの出力である直流成分変調率に、ゲイン−1を乗じて出力する。
【0233】
比較器19Bは、三角波発生装置20Bにより発生した三角波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0234】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生し、当該三角波と直流値とを比較して、各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生し、当該三角波と比較する直流値を、一方のアームでは直流成分変調率とし、もう一方のアームでは直流成分変調率の符号を反転した値として、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0235】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図21および図22を用いて説明する。
【0236】
図21は、本実施の形態における直流成分変調率=0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0237】
図22は、本実施の形態における直流成分変調率≠0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0238】
図20において、三角波発生装置20Aでは、位相変換装置7AからのUアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0239】
三角波発生装置20Bでは、位相変換装置7BからのVアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0240】
比較器19Aでは、三角波発生装置20Aからの三角波と比例器25からの出力である直流成分変調率koffsetとを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0241】
比例器27では、比例器25からの直流成分変調率koffsetに、ゲイン−1を乗じて出力する。
【0242】
比較器19Bでは、三角波発生装置20Bからの三角波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0243】
図21および図22において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0244】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0245】
本実施の形態では、三角波と比較する直流値を直流成分変調率koffsetとすることにより、交流出力電圧に直流成分を重畳することができる。
【0246】
特に、ゲートパターン発生装置として三角波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0247】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる。
【0248】
特に、本構成は、ゲートパターン発生装置としてのこぎり波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0249】
(第12の実施の形態)本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、前記各アームの自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、当該各アームの自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段とを備えて構成している。
【0250】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図23を用いて説明する。
【0251】
図23は、本実施の形態の動作を示すゲートパターンの波形図である。
【0252】
自己消弧形デバイスは、スイッチング状態が変化してから一定の期間内に再度スイッチング状態が変化すると、破損する可能性がある。
【0253】
本実施の形態では、このような自己消弧形デバイスの破損を防止することを目的として、スイッチング状態が変化してから一定の期間、スイッチングを禁止する。
【0254】
図23では、前述の期間をスイッチング禁止期間として示している。
【0255】
キャリア比較PWMのような多パルスの場合には、三角波キャリアの半周期にスイッチングが1度しか発生しないようにする等の方法が行なわれてきているが、ワンパルスの場合には、本実施の形態のように、スイッチング禁止期間を設けるのが最適な方法である。
【0256】
これにより、自己消弧形デバイスの破損を防止することができる。
【0257】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することが可能となる。
【0258】
(その他の実施の形態)尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた作用効果を得ることができる。さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明を抽出することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0259】
【図1】本発明の第1の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図2】同第1の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図3】本発明の第2の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明の第3の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図。
【図5】本発明の第4の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図。
【図6】同第4の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の動作を示すのこぎり波とゲートパターンの波形図。
【図7】本発明の第5の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図。
【図8】同第5の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の動作を示す三角波とゲートパターンの波形図。
【図9】本発明の第6の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図10】同第6の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図11】同第6の実施の形態のゲートパターンを決定するためのテーブルの一例を示す図。
【図12】本発明の第7の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図13】同第7の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図14】本発明の第8の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図15】同第8の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図16】本発明の第9の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図17】本発明の第10の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図18】同第10の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率=0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図19】同第10の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率≠0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図20】本発明の第11の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図21】同第11の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率=0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図22】同第11の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率≠0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図23】本発明の第12の実施の形態の動作を示すゲートパターンの波形図。
【図24】従来の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の構成例を示す回路図。
【図25】1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器をワンパルス動作させた場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【符号の説明】
【0260】
1A…自己消弧形デバイス
1B…自己消弧形デバイス
1C…自己消弧形デバイス
1D…自己消弧形デバイス
2A…環流ダイオ−ド
2B…環流ダイオ−ド
2C…環流ダイオ−ド
2D…環流ダイオ−ド
3…直流コンデンサ
4…電力系統または負荷
5…パルス幅演算装置
6…比例器(ゲイン:1/2)
6A…比例器(ゲイン:1/2)
6B…比例器(ゲイン:1/2)
7A…位相変換装置(位相を0〜2πに変換)
7B…位相変換装置(位相を0〜2πに変換)
8A…ゲートパターン発生装置
8B…ゲートパターン発生装置
9…加算器
9A…加算器
9B…加算器
10…減算器
10A…減算器
10B…減算器
11A…反転器
11B…反転器
12…比例器(ゲイン:π/(2√2VDC)、VDC:直流電圧)
13…リミッタ(下限値:0、上限値:1)
14…sin-1(アークサイン)演算装置
15…比例器(ゲイン:2)
16…比例器(ゲイン:K)
17…リミッタ(下限値:0、上限値:π)
18…のこぎり波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
18A…のこぎり波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
18B…のこぎり波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
19…比較器
19A…比較器
19B…比較器
20…三角波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
21…sin演算装置
22…絶対値演算装置
23…ゲートパターン発生装置
24…三角波発生装置(基本波周波数の2倍の周波数、0〜1)
25…比例器(ゲイン:1/VDC、VDC:直流電圧)
26…比例器(ゲイン:π)
27…比例器(ゲイン:−1)
28…比例器(ゲイン:A)
29…比例器(ゲイン:1−A)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の自己消弧形デバイスをブリッジ接続して構成され、交流端子が電力系統または負荷に接続されると共に直流端子が直流コンデンサに接続される1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置に係り、特に各自己消弧形デバイスのゲートパターンの発生手法を改良して、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損防止を実現できるようにした1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の一例として、後述する例えば非特許文献1に記載されているような変換器がある。
【0003】
図24は、この種の従来の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の構成例を示す回路図である。
【0004】
図24において、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器は、環流ダイオ−ド2A、2B、2C、2Dが逆並列に接続された複数の自己消弧形デバイス1A、1B、1C、1Dをブリッジ接続して構成され、その交流端子が電力系統または負荷4に接続されると共に、直流端子が直流コンデンサ3に接続されている。
【0005】
なお、図24では、自己消弧形デバイス1A、1B、1C、1DのシンボルをIGBTとしているが、これはIGBTに限定されるものではなく、GTO、バイポーラトランジスタ、およびMOSFET等、自己消弧能力を持つデバイスであれば何でも構わない。
【0006】
かかる1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器を3台用いることにより、三相変換器を構成することが可能である。
【0007】
また、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器を多重化することにより、高調波を低減することが可能である。
【0008】
以上のように、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の適用範囲は広く、具体的には、直流送電、無効電力補償装置、および周波数変換装置に適用することが可能である。
【0009】
図25は、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器をワンパルス動作させた場合の、交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)とゲートパターンの一例を示す波形図である。
【0010】
図25において、上から1段目はUアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、2段目はXアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、3段目はVアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、4段目はYアームの自己消弧形デバイスのゲートパターン波形、5段目は交流端子出力電圧波形Voutである。
【0011】
なお、θは交流出力電圧の基本波位相であり、コサイン(cos)を基準としている。
【0012】
交流出力電圧の基本波実効値Voutは、次式で与えられる。
【数1】
【0013】
Vout:交流出力電圧の基本波実効値[V]
VDC:直流電圧[V]
α:交流出力電圧のパルス幅[rad]
【非特許文献1】「半導体電力変換回路」電気学会:半導体電力変換方式調査専門委員会編(オ−ム社)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上述したような1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器において、自己消弧形デバイスの破損を防止するためのスイッチング回数増加防止の方式についても、現在のところ提案されていない。
【0015】
本発明の目的は、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することが可能な1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、各自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段とを備えている。
【0017】
従って、請求項1に対応する発明の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置においては、各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に、一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止することにより、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置によれば、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)図1は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0021】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図1に示すように、パルス幅演算装置5と、位相変換装置7Aと、位相変換装置7Bと、ゲートパターン発生装置8Aと、ゲートパターン発生装置8Bと、加算器9と、減算器10と、反転器11Aと、反転器11Bと、比例器28と、比例器29とから構成し、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0022】
パルス幅演算装置5は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値から、所望のパルス幅を演算する。
【0023】
比例器28は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅に、ゲインAを乗じて出力する。
【0024】
比例器29は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅に、ゲイン(1−A)を乗じて出力する。
【0025】
ここで、Aは0以上、1以下の値である。
【0026】
加算器9は、比例器28からの出力を、上記交流出力電圧の位相に加算する。
【0027】
減算器10は、比例器29からの出力を、上記交流出力電圧の位相から減算する。
【0028】
位相変換装置7Aは、加算器9からの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0029】
位相変換装置7Bは、減算器10からの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0030】
ゲートパターン発生装置8Aは、位相変換装置7Aからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0031】
ゲートパターン発生装置8Bは、位相変換装置7Bからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0032】
反転器11Aは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0033】
反転器11Bは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0034】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅の一部を交流出力電圧の位相に加算し、一部を差し引いた残りのパルス幅を交流出力電圧の位相から減算して、各アームの位相指令値を演算し、当該各アームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する構成として、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0035】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図2を用いて説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0037】
図1において、パルス幅演算装置5では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutから、所望のパルス幅αを演算する。
【0038】
比例器28では、パルス幅演算装置5からの交流出力電圧のパルス幅αに、ゲインAを乗じる。
【0039】
比例器29では、パルス幅演算装置5からの交流出力電圧のパルス幅αに、ゲイン(1−A)を乗じる。
【0040】
加算器9では、比例器28からの出力を、交流出力電圧の位相θに加算する。
【0041】
減算器10は、比例器29からの出力を、交流出力電圧の位相θから減算する。
【0042】
位相変換装置7Aでは、加算器9から入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0043】
位相変換装置7Bでは、減算器10から入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0044】
例えば、3πが位相変換装置7A、7Bに入力された場合には、出力はπとなる。
【0045】
ゲートパターン発生装置8Aでは、位相変換装置7Aからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Uアームゲートパターン)。
【0046】
ゲートパターン発生装置8Bでは、位相変換装置7Bからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Vアームゲートパターン)。
【0047】
反転器11Aでは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する(Xアームゲートパターン)。
【0048】
反転器11Bでは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する(Yアームゲートパターン)。
【0049】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0050】
図2は、ゲインA=1/2の時の交流出力電圧とゲートパターンの波形を示している。
【0051】
また、これ以降の各実施の形態の説明では、ゲインA=1/2と仮定するが、これは何らゲインA=1/2と限定されるものではない。
【0052】
図2において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0053】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0054】
パルス幅αがゼロの時には、UアームとVアームのゲートパターンは、同期した180°オン、180°オフのパルスであり、交流出力電圧Voutはゼロを維持する。
【0055】
パルス幅αがゼロではなくなると、α/2を交流出力電圧の位相θに対して、Uアームの場合は加算し、Vアームの場合は減算する。
【0056】
すなわち、これは交流出力電圧の位相θに対して、Uアームのゲートパターン位相をα/2だけ進め、Vアームのゲートパターン位相をα/2だけ遅らせることを意味している。
【0057】
これにより、交流出力電圧Voutはパルス幅αの1パルスとなり、その位相は交流出力電圧の位相θに同期する。
【0058】
したがって、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を、高速かつ正確に制御することができる。
【0059】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能となる。
【0060】
(第2の実施の形態)図3は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0061】
すなわち、図3に示すように、本実施の形態によるパルス幅演算装置5は、比例器12と、リミッタ13と、sin-1(アークサイン)演算装置14と、比例器15とから構成し、所望のパルス幅を演算するようにしている。
【0062】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0063】
リミッタ13は、下限値が0で、上限値が1に設定されており、比例器12からの出力である変調率を制限する。
【0064】
sin-1演算装置14は、リミッタ13からの出力である制限された変調率から、パルス幅の2分の1を演算する。
【0065】
比例器15は、sin-1演算装置14からの出力に、ゲイン2を乗じてパルス幅を演算する。
【0066】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置5の動作について説明する。
【0067】
図3において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0068】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0069】
リミッタ13では、比例器12からの変調率kを制限する。
【0070】
sin-1演算装置14では、リミッタ13からの制限された変調率kから、パルス幅の2分の1を演算する。
【0071】
比例器15では、sin-1演算装置14からの出力に、ゲイン2を乗じてパルス幅αを演算する。
【0072】
すなわち、本実施の形態のパルス幅演算装置5は、前記図1に示す第1の実施の形態におけるパルス幅演算装置5の具体的な演算方法を提示するものであり、演算式は次式のようになり、これは前記(式1)をαについて解いた式である。
【0073】
本実施の形態のパルス幅演算装置5を用いることにより、実際の交流出力電圧の基本波実効値Voutが、指令値に原理的に一致するという利点が得られる。
【0074】
【数2】
【0075】
Vout:交流出力電圧の基本波実効値[V]
VDC:直流電圧[V]
α:交流出力電圧のパルス幅[rad]
上述したように、本実施の形態のパルス幅演算装置5を用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつより一層正確に制御することが可能となる。
【0076】
(第3の実施の形態)図4は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0077】
すなわち、図4に示すように、本実施の形態によるパルス幅演算装置5は、比例器12と、比例器16と、リミッタ17とから構成し、所望のパルス幅を演算するようにしている。
【0078】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0079】
比例器16は、比例器12からの出力である変調率に、ゲインKを乗じて出力する。
【0080】
リミッタ17は、下限値が0で、上限値がπに設定されており、比例器16からの出力を制限する。
【0081】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置5の動作について説明する。
【0082】
図4において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0083】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0084】
比例器16では、比例器12からの変調率に、ゲインKを乗じて出力する。
【0085】
リミッタ17では、比例器16からの出力を制限してパルス幅αを出力する。
【0086】
すなわち、本実施の形態のパルス幅演算装置5は、前記図1に示す第1の実施の形態におけるパルス幅演算装置5の具体的な演算方法を提示するものであり、前述したようなsin-1演算装置を使用していないことから、その実現がより一層容易であるという利点が得られるが、実際の交流出力電圧の基本波実効値Voutが、指令値に対して誤差を有する。
【0087】
ただし、閉ル−プ制御系の中で用いる場合には、当該誤差の影響が小さくなるため、実現の容易性の点から、本実施の形態のパルス幅演算装置5を採用する価値(有効性)がある。
【0088】
なお、比例器16のゲインKの一例としてπが考えられ、この時、実際の交流出力電圧の基本波実効値Voutが指令値と等しくなるのは、変調率kが0と1の場合である。
【0089】
上述したように、本実施の形態のパルス幅演算装置5を用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつより一層正確に制御することが可能となる。
【0090】
(第4の実施の形態)図5は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0091】
すなわち、図5に示すように、本実施の形態によるゲートパターン発生装置8A、8Bは、のこぎり波発生装置18と、比較器19とから構成し、各アームの位相指令値から所望のゲートパターンを発生するようにしている。
【0092】
のこぎり波発生装置18は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0093】
比較器19は、のこぎり波発生装置18により発生したのこぎり波と直流値とを比較して、各アームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0094】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置8A、8Bの動作について、図6を用いて説明する。
【0095】
図6は、本実施の形態の動作を示すのこぎり波とゲートパターンの波形図である。
【0096】
図5において、のこぎり波発生装置18では、アームのゲートパターン位相φに同期した振幅1ののこぎり波を発生する。
【0097】
比較器19では、入力される直流値とのこぎり波とを比較し、直流値の方がのこぎり波よりも大きい場合には1を出力し、逆の場合には0を出力する。
【0098】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0099】
このように、のこぎり波との比較によってゲートパターンを発生させることにより、ゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いていた回路を流用することができ、利点が多い。
【0100】
また、ゲートパターン発生装置8A、8Bをソフトウエアにより実現することも可能である。
【0101】
上述したように、本実施の形態のゲートパターン発生装置8A、8Bを用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能であり、またゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いている回路を流用することが可能となる。
【0102】
(第5の実施の形態)図7は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0103】
すなわち、図7に示すように、本実施の形態によるゲートパターン発生装置8A、8Bは、三角波発生装置20と、比較器19とから構成し、各アームの位相指令値から所望のゲートパターンを発生するようにしている。
【0104】
三角波発生装置20は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0105】
比較器19は、三角波発生装置20により発生した三角波と直流値とを比較して、各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0106】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置8A、8Bの動作について、図8を用いて説明する。
【0107】
図8は、本実施の形態の動作を示す三角波とゲートパターンの波形図である。
【0108】
図7において、三角波発生装置20では、アームのゲートパターン位相φに同期した振幅1の三角波を発生する。
【0109】
比較器19では、入力される直流値と三角波とを比較し、直流値の方が三角波よりも大きい場合には1を出力し、逆の場合には0を出力する。
【0110】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0111】
このように、三角波との比較によってゲートパターンを発生させることにより、ゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いていた回路を流用することができ、利点が多い。
【0112】
また、ゲートパターン発生装置8A、8Bをソフトウエアにより実現することも可能である。
【0113】
上述したように、本実施の形態のゲートパターン発生装置8A、8Bを用いたパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能であり、またゲートパターン発生装置8A、8Bをハ−ドウエアで構成することが可能となり、高速にスイッチングタイミングを決定することができると共に、従来のPWM方式で用いている回路を流用することが可能となる。
【0114】
(第6の実施の形態)図9は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0115】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図9に示すように、比例器12と、sin演算装置21と、絶対値演算装置22と、ゲートパターン発生装置23と、反転器11Aと、反転器11Bとから構成し、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0116】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0117】
sin演算装置21は、交流出力電圧(1パルス電圧)の位相に同期した単位振幅の基本波周波数正弦波を発生する。
【0118】
絶対値演算装置22は、sin演算装置21からの出力である基本波周波数正弦波の絶対値を演算し出力する。
【0119】
ゲートパターン発生装置23は、比例器12からの出力である変調率と、絶対値演算装置22からの出力である基本波周波数正弦波の絶対値とを入力とし、当該各入力に基づいてゲートパターンを出力する。
【0120】
反転器11Aは、ゲートパターン発生装置23からの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0121】
反転器11Bは、ゲートパターン発生装置23からの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0122】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、交流出力電圧の位相と同期した単位振幅の基本波周波数正弦波の絶対値波形を発生し、当該正弦波絶対値波形と比例器12により演算された変調率とを比較して、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する構成として、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0123】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図10および図11を用いて説明する。
【0124】
図10は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0125】
図11は、本実施の形態のゲートパターンを決定するためのテーブルの一例を示す図である。
【0126】
図9において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0127】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0128】
sin演算装置21では、交流出力電圧の位相θに同期した単位振幅の基本波周波数正弦波を発生する。
【0129】
絶対値演算装置22では、sin演算装置21からの基本波周波数正弦波の絶対値aを演算する。
【0130】
ゲートパターン発生装置23では、比例器12からの変調率kと、絶対値演算装置22からの基本波周波数正弦波の絶対値aとの大小関係により、図11に示すテーブルにしたがってゲートパターンを発生する。
【0131】
図10において、上から1段目は正弦波絶対値aと変調率kの波形、2段目は交流出力電圧波形、3段目はUアームゲートパターン、4段目はXアームゲートパターン、5段目はVアームゲートパターン、6段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0132】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0133】
本実施の形態では、正弦波絶対値aと変調率kとを直接比較することで、全アームのゲートパターンを得ることにより、パルス幅αを前述のようなsin-1(アークサイン)の演算を行なって求める必要が無く、正弦波絶対値aと変調率kとの比較を行なってゲートパターンを決定することで、結果的にsin-1(アークサイン)の演算でパルス幅αを求めたことと等価になる。
【0134】
したがって、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を、高速かつ正確に制御することができる。
【0135】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能となる。
【0136】
(第7の実施の形態)図12は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0137】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図12に示すように、比例器12と、ゲートパターン発生装置23と、三角波発生装置24とから構成し、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0138】
比例器12は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値に、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率を演算する。
【0139】
三角波発生装置24は、交流出力電圧(1パルス電圧)の位相に同期した0から1の間を往復する基本波周波数の2倍の周波数の三角波を発生する。
【0140】
ゲートパターン発生装置23は、比例器12からの出力である変調率と、三角波発生装置24からの出力である三角波とを入力とし、当該各入力に基づいてゲートパターンを出力する。
【0141】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、交流出力電圧の位相と同期した基本波周波数の2倍の周波数の三角波を発生し、当該三角波と比例器12により演算された変調率とを比較して、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する構成として、所望の基本波実効値と位相の交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0142】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図13を用いて説明する。
【0143】
図13は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0144】
図12において、比例器12では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutに、ゲインπ/(2√2VDC)を乗じて変調率kを演算する。
【0145】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器12のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0146】
三角波発生装置24では、交流出力電圧の位相θに同期した0から1の間を往復する基本波周波数の2倍の周波数の三角波を発生する。
【0147】
ゲートパターン発生装置23では、比例器12からの変調率kと、三角波発生装置24からの三角波aとの大小関係により、前記図11に示すテーブルにしたがってゲートパターンを発生する。
【0148】
図13において、上から1段目は三角波aと変調率kの波形、2段目は交流出力電圧波形、3段目はUアームゲートパターン、4段目はXアームゲートパターン、5段目はVアームゲートパターン、6段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0149】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0150】
本実施の形態では、三角波aと変調率kとを直接比較することで、全アームのゲートパターンを得る。
【0151】
したがって、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を、高速かつ正確に制御することができる。
【0152】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧の基本波実効値および位相を高速かつ正確に制御することが可能となる。
【0153】
(第8の実施の形態)図14は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0154】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図14に示すように、パルス幅演算装置5と、比例器6Aと、比例器6Bと、加算器9Aと、加算器9Bと、減算器10Aと、減算器10Bと、位相変換装置7Aと、位相変換装置7Bと、ゲートパターン発生装置8Aと、ゲートパターン発生装置8Bと、反転器11Aと、反転器11Bとから構成し、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0155】
パルス幅演算装置5は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)の基本波実効値から、所望のパルス幅を演算する。
【0156】
比例器6Aは、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅に、ゲイン1/2を乗じて出力する。
【0157】
比例器6Bは、交流出力電圧(1パルス電圧)に直流成分を重畳する図示しない手段からのパルス幅調整値に、ゲイン1/2を乗じて出力する。
【0158】
加算器9Aは、比例器6Aからの出力を、上記交流出力電圧の位相に加算する。
【0159】
加算器9Bは、比例器6Bからの出力を、加算器9Aからの出力に加算する。
【0160】
減算器10Aは、比例器6Aからの出力を、上記交流出力電圧の位相から減算する。
【0161】
減算器10Bは、比例器6Bからの出力を、減算器10Aからの出力から減算する。
【0162】
位相変換装置7Aは、加算器9Bからの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0163】
位相変換装置7Bは、減算器10Bからの出力を入力とし、当該入力された位相を0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0164】
ゲートパターン発生装置8Aは、位相変換装置7Aからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0165】
ゲートパターン発生装置8Bは、位相変換装置7Bからの出力を入力とし、当該入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する。
【0166】
反転器11Aは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0167】
反転器11Bは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0168】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、パルス幅演算装置5により演算された交流出力電圧のパルス幅を所定のパルス幅だけ調整し、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器における直流成分高電位側アームの上段自己消弧形デバイスのオン期間を広げ、同じ幅で直流成分低電位側アームの上段自己消弧形デバイスのオン期間を狭め、直流成分高電位側アームの上段自己消弧形デバイスのオン開始タイミングを広げたパルス幅の2分の1だけ進め、直流成分低電位側アームの上段デバイスのオン開始タイミングを狭めたパルス幅の2分の1だけ遅らせるように、交流出力電圧の基本波実効値および位相を制御する構成として、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0169】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図15を用いて説明する。
【0170】
図15は、本実施の形態の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0171】
図14において、パルス幅演算装置5では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧の基本波実効値Voutから、所望のパルス幅αを演算する。
【0172】
比例器6Aでは、パルス幅演算装置5からの交流出力電圧のパルス幅αに、ゲイン1/2を乗じる。
【0173】
比例器6Bでは、交流出力電圧に直流成分を重畳する図示しない手段からのパルス幅調整値△αに、ゲイン1/2を乗じる。
【0174】
加算器9Aでは、比例器6Aからの出力を、交流出力電圧の位相θに加算する。
【0175】
加算器9Bでは、比例器6Bからの出力を、加算器9Aからの出力に加算する。
【0176】
減算器10Aでは、比例器6Aからの出力を、交流出力電圧の位相θから減算する。
【0177】
減算器10Bでは、比例器6Bからの出力を、減算器10Aからの出力から減算する。
【0178】
位相変換装置7Aでは、加算器9Bから入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0179】
位相変換装置7Bでは、減算器10Bから入力された位相を、0から2πの範囲に変換してアームの位相指令値を演算する。
【0180】
例えば、3πが位相変換装置7A、7Bに入力された場合には、出力はπとなる。
【0181】
ゲートパターン発生装置8Aでは、位相変換装置7Aからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Uアームゲートパターン)。
【0182】
ゲートパターン発生装置8Bでは、位相変換装置7Bからの入力が、0以上πよりも小さい場合は1のゲートパターンを出力し、π以上2πよりも小さい場合は0のゲートパターンを出力する(Vアームゲートパターン)。
【0183】
反転器11Aでは、ゲートパターン発生装置8Aからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する(Xアームゲートパターン)。
【0184】
反転器11Bでは、ゲートパターン発生装置8Bからの出力を入力とし、当該入力を反転して出力する。
【0185】
なお、自己消弧形デバイスは、ゲートパターンが1の時にオンし、0の時にオフする。
【0186】
図15において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0187】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0188】
本実施の形態では、交流出力電圧の基本波成分実効値および位相を変化させずに、直流成分を重畳することができ、特に変換器用変圧器の偏磁抑制制御等を行なう場合に適用することが可能である。
【0189】
図14では、Uアームを直流成分高電位側、Vアームを直流成分低電位側と仮定している。
【0190】
ただし、パルス幅調整値△αを負の値とすれば、直流成分の高電位側と低電位側は逆になる。
【0191】
Uアームのオン期間を△α広げ、Vアームのオン期間を△α狭めている。
【0192】
さらに、基本波成分の位相が変化しないように、Uアームのゲートパターン位相を△α/2進め、Vアームのゲートパターン位相を△α/2遅らせている。
【0193】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することができ、特に変換器用変圧器の偏磁抑制制御等を行なう場合に適用することが可能となる。
【0194】
(第9の実施の形態)図16は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図14と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0195】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図16に示すように、前記図14に、比例器25と、比例器26とからなるパルス幅調整値演算装置を付加して、所定のパルス幅調整値を演算する構成とし、交流端子より所望の直流成分を出力するようにしている。
【0196】
比例器25は、前記1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧(1パルス電圧)に重畳する直流成分電圧指令値に、ゲイン1/VDCを乗じて直流成分変調率を演算する。
【0197】
比例器26は、比例器25からの出力である直流成分変調率に、ゲインπを乗じてパルス幅調整値を演算する。
【0198】
すなわち、交流出力電圧に重畳させる直流成分電圧指令値を1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の直流電圧で除して、当該値を直流成分の変調率とし、かつ当該変調率値にπを乗じた値を、各アームのパルス幅調整値として求める構成として、交流端子より所望の直流成分を出力するようにしている。
【0199】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅調整値演算装置の動作について説明する。
【0200】
図16において、比例器25では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流端子に出力される交流出力電圧に重畳する直流成分電圧指令値Voffsetに、ゲイン1/VDCを乗じて直流成分変調率koffsetを演算する。
【0201】
ここで、VDCは直流電圧であり、当該直流電圧VDCの変動に応じて比例器25のゲインを変化させることにより、より一層精度の高い制御を行なうことができる。
【0202】
比例器26では、比例器25からの直流成分変調率koffsetに、ゲインπを乗じてパルス幅調整値△αを演算する。
【0203】
すなわち、本実施の形態のパルス幅調整値演算装置の演算により求められたパルス幅調整値△αでパルス幅αを調整することにより、実際の交流出力電圧直流成分の基本波1周期平均値が、直流成分電圧指令値Voffsetと等しくなるという利点が得られる。
【0204】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、より一層精度の高い制御を行なうことが可能となり、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる。
【0205】
(第10の実施の形態)図17は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図14および図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0206】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図17に示すように、前記図14および図16に、のこぎり波発生装置18Aと、のこぎり波発生装置18Bと、比較器19Aと、比較器19Bと、比例器27とを付加して、所望のゲートパターンを発生する構成とし、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0207】
のこぎり波発生装置18Aは、前記位相変換装置7Aからの出力であるUアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0208】
のこぎり波発生装置18Bは、前記位相変換装置7Bからの出力であるVアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0209】
比較器19Aは、のこぎり波発生装置18Aにより発生したのこぎり波と前記比例器25からの出力である直流成分変調率とを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0210】
比例器27は、比例器25からの出力である直流成分変調率に、ゲイン−1を乗じて出力する。
【0211】
比較器19Bは、のこぎり波発生装置18Bにより発生したのこぎり波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0212】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生し、当該のこぎり波と直流値とを比較して、各アームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生し、当該のこぎり波と比較する直流値を、一方のアームでは直流成分変調率とし、もう一方のアームでは直流成分変調率の符号を反転した値として、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0213】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図18および図19を用いて説明する。
【0214】
図18は、本実施の形態における直流成分変調率=0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0215】
図19は、本実施の形態における直流成分変調率≠0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0216】
図17において、のこぎり波発生装置18Aでは、位相変換装置7AからのUアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0217】
のこぎり波発生装置18Bでは、位相変換装置7BからのVアームの位相指令値に同期した基本波周波数のこぎり波を発生する。
【0218】
比較器19Aでは、のこぎり波発生装置18Aからののこぎり波と比例器25からの直流成分変調率koffsetとを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0219】
比例器27では、比例器25からの直流成分変調率koffsetに、ゲイン−1を乗じる。
【0220】
比較器19Bでは、のこぎり波発生装置18Bからののこぎり波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0221】
図18および図19において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0222】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0223】
本実施の形態では、のこぎり波と比較する直流値を直流成分変調率koffsetとすることにより、交流出力電圧に直流成分を重畳することができる。
【0224】
特に、ゲートパターン発生装置としてのこぎり波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0225】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる。
【0226】
特に、本構成は、ゲートパターン発生装置としてのこぎり波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0227】
(第11の実施の形態)図20は、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図であり、図14および図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0228】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、図20に示すように、前記図14および図16に、三角波発生装置20Aと、三角波発生装置20Bと、比較器19Aと、比較器19Bと、比例器27とを付加して、所望のゲートパターンを発生する構成とし、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0229】
三角波発生装置20Aは、前記位相変換装置7Aからの出力であるUアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0230】
三角波発生装置20Bは、前記位相変換装置7Bからの出力であるVアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0231】
比較器19Aは、三角波発生装置20Aにより発生した三角波と前記比例器25からの出力である直流成分変調率とを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0232】
比例器27は、比例器25からの出力である直流成分変調率に、ゲイン−1を乗じて出力する。
【0233】
比較器19Bは、三角波発生装置20Bにより発生した三角波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0234】
すなわち、本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、各アームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生し、当該三角波と直流値とを比較して、各アーム自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生し、当該三角波と比較する直流値を、一方のアームでは直流成分変調率とし、もう一方のアームでは直流成分変調率の符号を反転した値として、所望の基本波実効値と位相に所望の直流成分を重畳した交流出力電圧(1パルス電圧)を交流端子より出力するようにしている。
【0235】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図21および図22を用いて説明する。
【0236】
図21は、本実施の形態における直流成分変調率=0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0237】
図22は、本実施の形態における直流成分変調率≠0の場合の動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図である。
【0238】
図20において、三角波発生装置20Aでは、位相変換装置7AからのUアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0239】
三角波発生装置20Bでは、位相変換装置7BからのVアームの位相指令値に同期した基本波周波数の三角波を発生する。
【0240】
比較器19Aでは、三角波発生装置20Aからの三角波と比例器25からの出力である直流成分変調率koffsetとを比較して、Uアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0241】
比例器27では、比例器25からの直流成分変調率koffsetに、ゲイン−1を乗じて出力する。
【0242】
比較器19Bでは、三角波発生装置20Bからの三角波と比例器27からの出力とを比較して、Vアームの自己消弧形デバイスのゲートパターンを発生する。
【0243】
図21および図22において、上から1段目は交流出力電圧波形、2段目はUアームゲートパターン、3段目はXアームゲートパターン、4段目はVアームゲートパターン、5段目はYアームゲートパターンをそれぞれ示している。
【0244】
なお、各アームの回路図上での位置を、前記図24に示している。
【0245】
本実施の形態では、三角波と比較する直流値を直流成分変調率koffsetとすることにより、交流出力電圧に直流成分を重畳することができる。
【0246】
特に、ゲートパターン発生装置として三角波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0247】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の交流出力電圧に、基本波成分の実効値と位相を変化させること無く、直流成分を重畳することが可能となる。
【0248】
特に、本構成は、ゲートパターン発生装置としてのこぎり波比較を採用している場合に容易に適用することができる。
【0249】
(第12の実施の形態)本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置は、前記各アームの自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、当該各アームの自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段とを備えて構成している。
【0250】
次に、以上のように構成した本実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の動作について、図23を用いて説明する。
【0251】
図23は、本実施の形態の動作を示すゲートパターンの波形図である。
【0252】
自己消弧形デバイスは、スイッチング状態が変化してから一定の期間内に再度スイッチング状態が変化すると、破損する可能性がある。
【0253】
本実施の形態では、このような自己消弧形デバイスの破損を防止することを目的として、スイッチング状態が変化してから一定の期間、スイッチングを禁止する。
【0254】
図23では、前述の期間をスイッチング禁止期間として示している。
【0255】
キャリア比較PWMのような多パルスの場合には、三角波キャリアの半周期にスイッチングが1度しか発生しないようにする等の方法が行なわれてきているが、ワンパルスの場合には、本実施の形態のように、スイッチング禁止期間を設けるのが最適な方法である。
【0256】
これにより、自己消弧形デバイスの破損を防止することができる。
【0257】
上述したように、本実施の形態のパルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置では、スイッチング状態が変化した後における、スイッチング回数増加による自己消弧形デバイスの破損を防止することが可能となる。
【0258】
(その他の実施の形態)尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた作用効果を得ることができる。さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明を抽出することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0259】
【図1】本発明の第1の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図2】同第1の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図3】本発明の第2の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明の第3の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるパルス幅演算装置の構成例を示すブロック図。
【図5】本発明の第4の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図。
【図6】同第4の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の動作を示すのこぎり波とゲートパターンの波形図。
【図7】本発明の第5の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の構成例を示すブロック図。
【図8】同第5の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置におけるゲートパターン発生装置の動作を示す三角波とゲートパターンの波形図。
【図9】本発明の第6の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図10】同第6の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図11】同第6の実施の形態のゲートパターンを決定するためのテーブルの一例を示す図。
【図12】本発明の第7の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図13】同第7の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図14】本発明の第8の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図15】同第8の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図16】本発明の第9の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図17】本発明の第10の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図18】同第10の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率=0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図19】同第10の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率≠0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図20】本発明の第11の実施の形態による1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置の構成例を示すブロック図。
【図21】同第11の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率=0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図22】同第11の実施の形態の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置における動作を示す直流成分変調率≠0の場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【図23】本発明の第12の実施の形態の動作を示すゲートパターンの波形図。
【図24】従来の1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の構成例を示す回路図。
【図25】1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器をワンパルス動作させた場合の交流出力電圧とゲートパターンの波形図。
【符号の説明】
【0260】
1A…自己消弧形デバイス
1B…自己消弧形デバイス
1C…自己消弧形デバイス
1D…自己消弧形デバイス
2A…環流ダイオ−ド
2B…環流ダイオ−ド
2C…環流ダイオ−ド
2D…環流ダイオ−ド
3…直流コンデンサ
4…電力系統または負荷
5…パルス幅演算装置
6…比例器(ゲイン:1/2)
6A…比例器(ゲイン:1/2)
6B…比例器(ゲイン:1/2)
7A…位相変換装置(位相を0〜2πに変換)
7B…位相変換装置(位相を0〜2πに変換)
8A…ゲートパターン発生装置
8B…ゲートパターン発生装置
9…加算器
9A…加算器
9B…加算器
10…減算器
10A…減算器
10B…減算器
11A…反転器
11B…反転器
12…比例器(ゲイン:π/(2√2VDC)、VDC:直流電圧)
13…リミッタ(下限値:0、上限値:1)
14…sin-1(アークサイン)演算装置
15…比例器(ゲイン:2)
16…比例器(ゲイン:K)
17…リミッタ(下限値:0、上限値:π)
18…のこぎり波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
18A…のこぎり波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
18B…のこぎり波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
19…比較器
19A…比較器
19B…比較器
20…三角波発生装置(基本波周波数、−1〜1)
21…sin演算装置
22…絶対値演算装置
23…ゲートパターン発生装置
24…三角波発生装置(基本波周波数の2倍の周波数、0〜1)
25…比例器(ゲイン:1/VDC、VDC:直流電圧)
26…比例器(ゲイン:π)
27…比例器(ゲイン:−1)
28…比例器(ゲイン:A)
29…比例器(ゲイン:1−A)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自己消弧形デバイスをブリッジ接続して構成され、交流端子が電力系統または負荷に接続されると共に直流端子が直流コンデンサに接続される1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置において、前記各自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、前記各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段と、
を備えて成ることを特徴とする1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置。
【請求項1】
複数の自己消弧形デバイスをブリッジ接続して構成され、交流端子が電力系統または負荷に接続されると共に直流端子が直流コンデンサに接続される1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置において、前記各自己消弧形デバイスのゲートパルスを発生する手段と、前記各自己消弧形デバイスのオンとオフの状態が変化した時に一定の期間再度オンとオフの状態が変化するのを禁止する手段と、
を備えて成ることを特徴とする1パルス単相ブリッジ電圧形自励式変換器の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−49900(P2007−49900A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318897(P2006−318897)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【分割の表示】特願2002−73206(P2002−73206)の分割
【原出願日】平成14年3月15日(2002.3.15)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【分割の表示】特願2002−73206(P2002−73206)の分割
【原出願日】平成14年3月15日(2002.3.15)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]