説明

1型および2型糖尿病を処置するためのSGLT1およびSGLT2阻害作用を有する3−アミノイミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体

式(I)


式中、W、T、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される新規な化合物は、抗糖尿病薬として適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】

式中
Wは、
【化2】

を示し、
【0002】
、X、X、X、X、Xは、各々、互いに独立して、C−R、NまたはC−Hetを示し、
Yは、O、S、N−RまたはN−Hetを示し、
、R、R、R、R、R、Rは、各々、互いに独立して、独立してH、A、OH、OA、NAA’、Hal、CN、NO、O(CHCONAA’、NA(CHCONAA’、(CHNAA’、O(CHNAA’、O(CHOA、O(C=O)(CHNAA’、(C=O)O(CHNAA’、NA(C=O)(CHNAA’、(C=O)NA(CHNAA’、CHO(CHNAA’、CHOAまたはCOOAを示し、
【0003】
A、A’、A’’は、各々、互いに独立して、H、1〜10個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NRR’、OH、CN、CONRR’および/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NR、−OCO−、−NRCONR’−、−NRCO−、−COO−、−CONR−、−C≡C−基により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜20個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NRR’、OH、CN、CONRR’および/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NR、−OCO−、−NRCONR’−、−NRCO−、−COO−、−CONR−、−C≡C−基により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよい環状アルキルにより置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜11個のH原子が、Fおよび/またはClにより置換されていてもよい、直鎖状または分枝状アルキルを示し、
【0004】
R、R’は、各々、互いに独立して、H、1〜10個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NH、OH、CN、CONHおよび/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NH、NCH、−OCO−、−NHCONH−、−NHCO−、−COO−、−CONH−、−NCHCO−、CONCH−、−C≡C−基により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜20個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NH、OH、CN、CONHおよび/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NH、NCH、−OCO−、−NHCONH−、−NHCO−、−COO−、−CONH−、−NCHCO−、CONCH−により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよい環状アルキルにより置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜11個のH原子が、Fおよび/またはClにより置換されていてもよい、直鎖状または分枝状アルキルを示し、
【0005】
Tは、ArまたはHetを示し、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、この各々は、非置換であるか、またはA、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOAおよび/またはSONAA’により単置換、二置換、三置換もしくは四置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、これは、A、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOA、SONAA’、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、1、2または3を示す、
で表される化合物ならびに、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、すべての比率でのこれらの混合物に関する。
【背景技術】
【0006】
本発明は、有用な特性を有する新規な化合物、特に医薬を製造するために用いることができる化合物を見出す目的に基づいた。
【発明の概要】
【0007】
式Iで表される化合物およびこれらの塩は、極めて有用な薬理学的特性を有し、一方良好に耐容されることが、見出された。これらは、SGLT1およびSGLT2(ナトリウム依存性グルコース共輸送体)阻害特性を示し、したがって1型および2型糖尿病に対抗し、これを防止するために用いることができる。
【0008】
小腸の刷子縁および腎臓の近位尿細管におけるグルコースの、濃度勾配に対する吸収は、上皮性ナトリウム依存性グルコース共輸送体(SGLT)を介して発生する。少なくとも2種の主な群のSGLTが、記載されている:SGLT1(例えば、Lee W.S. et al. (1994) The high-affinity Na+/Glucose co-transporter: re-evaluation of function and distribution of expression. J. Biol. Chem. 269, 12032-12039)およびSGLT2(例えば、Mackenzie B. et al. (1994) SAAT1 is a low-affinity Na+/glucose cotransporter and not an amino acid transporter. J. Biol. Chem. 269, 22488-22491)。
SGLT1は、腸におけるグルコースの吸収に重要であると考えられている一方、SGLT2は、恐らく腎臓において自由に濾過されたグルコースの再吸収に主に関与する。
【0009】
真性糖尿病における主な変化は、高血糖である。これは、疾患の徴候であるのみならず、多発性慢性糖尿病性微小血管性および大血管性合併症ならびにインスリン分泌および感受性の損傷をもたらす、可能性のある病原性要因でもある(Klein R. (1995), Hyperglycemia and microvascular and macrovascular disease in diabetes, Diabetes Care 18, 258-268; Rossetti L. (1995), Glucose toxicity: the implications of hyperglycemia in the pathophysiology of diabetes mellitus, Clin. Invest. Med. 18, 255-260)。したがって、糖尿病患者の場合における重要な治療的目的は、正常な範囲内での血糖値の排他的な調節である。これらの記載された機能により、SGLTの阻害の結果、グルコースの低下した吸収および増大した排泄ならびにその後の血糖値の低下がもたらされる。したがって、SGLTの抑制は、糖尿病の処置に適する代替であり得る。
【0010】
文献には、SGLT作用を有する多数の群の物質が記載されている。これらの構造すべてについてのモデルは、天然の生成物であるフロリジンであった。
【0011】
芳香族グリコシド誘導体は、WO 2004/052902およびWO 2004/052903から知られている。プロピオフェノングリコシド類は、WO 0280936、WO 0280935、特開2000−80041号公報およびEP 850948に記載されている。グルコピラノシルオキシベンジルベンゼン類は、WO 0244192、WO 0228872およびWO 0168660に記載されている。グルコピラノシルオキシピラゾール類は、WO 0268440、WO 0268439、WO 0236602およびWO 0116147から知られている。O−グリコシドベンズアミド類は、WO 0174835およびWO 0174834に開示されている。C−アリールグリコシド類は、WO 0127128およびUS 2002137903に記載されている。すべての既知の構造は、極めて重要な構造的要素としてグルコースを含む。さらに、US 2002/132807には、炎症疾患および免疫疾患を処置するためのジアリールスルフィド化合物が開示されている。EP 0 953 357 A1には、一般的に、腎臓薬物担体としてのグリコシド化合物が記載されており、WO 95/23780には、スキンライトナーとしての4−ヒドロキシフェノキシヘテロシクロアルキル化合物が記載されている。
【0012】
本発明の化合物は、SGLTからSGLTへの所望の親和性に関して、高い開裂を有する。
式Iで表される化合物は、グルコース代謝に対する好ましい作用により際立ち、特にこれらは、血糖レベルを低下させ、1型および2型糖尿病を処置するのに適する。したがって、当該化合物を、単独で、または他の血糖低下活性成分(抗糖尿病薬)と組み合わせて、用いることができる。
【0013】
式Iで表される化合物はさらに、糖尿病における後期の損傷、例えば腎症、網膜症、神経障害およびシンドロームX、肥満、心筋梗塞、心筋梗塞症、末梢動脈閉塞性疾患、血栓症、動脈硬化、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、例えばAIDS、喘息、骨粗鬆症、癌、乾せん、アルツハイマー病、統合失調症および感染性疾患の防止および処置、好ましくは1型および2型糖尿病の処置に、ならびに糖尿病、シンドロームXおよび肥満における15の後期の損傷の防止および処置に適する。
【0014】
式Iで表される化合物を、ヒトおよび獣医学的医薬における、特に1型および2型糖尿病の処置および防止のための医薬活性成分として、用いることができる。
【0015】
本発明は、式Iで表される化合物およびこれらの塩ならびに、式Iで表される化合物ならびに、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体の製造方法であって、
a)式II
【化3】

式中、
およびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物を、
【0016】
式III
【化4】

式中、
、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と、および式IV
O=CH−W−T IV
式中、WおよびTは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と反応させるか、
または
【0017】
b)ラジカルTを、他のラジカルTに、チオセミカルバジド誘導体を環化することにより変換して、オキサジアゾール誘導体を得、
かつ/または
式Iで表される塩基もしくは酸を、この塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
【0018】
本発明はまた、これらの化合物の光学的に活性な形態(立体異性体)、鏡像異性体、ラセミ化合物、ジアステレオマーならびに水和物および溶媒和物に関する。用語「化合物の溶媒和物」は、これらの相互の引力のために形成される、化合物上への不活性溶媒分子のアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば、一もしくは二水和物またはアルコラートである。
【0019】
用語「薬学的に使用可能な誘導体」は、例えば、本発明の化合物の塩およびまたいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと解釈される。
用語「プロドラッグ誘導体」は、例えばアルキルもしくはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾され、生物体中で迅速に切断されて本発明の活性な化合物を形成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されているように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
【0020】
本発明はまた、本発明の式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物に関する。
これらは、特に好ましくは、立体異性体化合物の混合物である。
【0021】
本発明の化合物はまた、種々の多形相、例えばアモルファスおよび結晶性多形相であり得る。本発明の化合物のすべての多形相は、本発明の範囲内に属し、本発明のさらなる観点である。
【0022】
1回よりも多く出現するすべての基について、これらの意味は、互いに独立している。
本明細書中、基またはパラメーターW、T、R、R、R、R、RおよびRは、他に明確に示さない限り、式Iの下に示した意味を有する。
【0023】
A、A’、A’’は、好ましくは、各々の場合において互いに独立してアルキルを示し、非分枝状(直線状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくは、メチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを示す。
A、A’、A’’は、極めて特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。
【0024】
環状アルキルまたはシクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
【0025】
、Rは、好ましくは、各々の場合において互いに独立して、H、A、OA、OH、Hal、CN、NO、CONHまたはCNを示す。
、Rは、特に好ましくは、各々の場合において互いに独立して、HまたはHalを示す。
、Rは、好ましくは、各々の場合において互いに独立して、H、F、Cl、メチル、CFまたはメトキシを示す。
、Rは、特に好ましくは、各々の場合において互いに独立して、HまたはHalを示す。
、Rは、好ましくは、各々の場合において互いに独立して、H、Hal、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、CF、メトキシまたはエトキシを示す。
、Rは、特に好ましくは、各々の場合において互いに独立して、HまたはHalを示す。
【0026】
Arは、例えば、非置換フェニル、さらに、好ましくは例えばA、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOAおよび/またはSONAA’により単置換、二置換または三置換されているフェニルを示す。
【0027】
Arは、特に好ましくは、非置換フェニル、さらに、好ましくは例えばメチル、エチル、プロピル、F、Cl、メトキシ、エトキシ、OH、SCH、ジメチルアミノ、SOCH、SOCH、NO、CN、COOCH、COOH、CHO、アセチル、SOH、OCOCH、CON(CH、N(CH)COCH、N(CH)CON(CH、N(CH)SOCHおよび/またはSON(CHにより単置換、二置換または三置換されているフェニルを示す。
【0028】
他の置換基とは関係なく、Hetは、例えば、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−もしくは−5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−もしくは−5−イル、3−もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、4−もしくは5−イソインドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、5−もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルを示す。
【0029】
複素環式基はまた、部分的に水素化されていてもよい。
Hetは、したがって、例えばまた、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−イソキノリル、さらに好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは−6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたはまた3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニルもしくは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを示すことができる。
【0030】
芳香族または不飽和環系は、好ましくは、A、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOA、SONAA’、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されている。
【0031】
Hetは、特に好ましくは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し、これは、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよい。
Hetは、極めて特に好ましくは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、この各々は、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよい。
【0032】
Het’は、好ましくは、1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環、例えばピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示す。
Halは、好ましくは、F、ClまたはBr、しかしまたIを示す。
mは、好ましくは、1または2を示す。
【0033】
式Iで表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有することができ、したがって種々の立体異性体形態で存在し得る。式Iは、すべてのこれらの形態を包含する。
【0034】
したがって、本発明は特に、少なくとも1つの前述の基が前に示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。いくつかの好ましい群の化合物を、以下の従属式Ia〜Ioにより表すことができ、これは、式Iに適合し、ここで、一層詳細に表していない基は、式Iの下に示した意味を有するが、ここで、
【0035】
Iaにおいて、A、A’、A’’は、各々、互いに独立して、1、2、3、4、5または6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、Fにより置換されていてもよく、
または3〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示し;
【0036】
Ibにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、H、A、OA、OH、Hal、CN、NO、CONHまたはCNを示し;
Icにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、H、F、Cl、メチル、CFまたはメトキシを示し;
Idにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、H、Hal、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、CF、メトキシまたはエトキシを示し;
【0037】
Ieにおいて、
Wは、
【化5】

を示し、
、Xは、各々、互いに独立して、N、CH、CHal、C−メチル、C−エチル、CCN、CCF、CO−メチルまたはCO−エチルを示し、
、Xは、各々、互いに独立して、N、CH、CHal、C−メチル、C−エチル、CCN、CCF、CO−メチル、CO−エチル、CHetまたはCRを示し;
【0038】
Ifにおいて、Arは、非置換であるか、またはA、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOAおよび/またはSONAA’により単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示し;
【0039】
Igにおいて、Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、A、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOA、SONAA’、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよい、単環式または二環式不飽和または芳香族複素環を示し;
【0040】
Ihにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、HまたはHalを示し;
Iiにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、HまたはHalを示し;
Ijにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、メチルまたはHalを示し;
【0041】
Ikにおいて、
Wは、
【化6】

を示し、
、Xは、各々、互いに独立して、NまたはCRを示し、
、Xは、各々、互いに独立して、N、CRまたはCHet’を示し、
は、H、OH、OA、HalまたはAを示し、
Tは、ArまたはHetを示し、
Arは、非置換であるか、またはCOOHもしくはCOOAにより単置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し、これは、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく、
Het’は、1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し;
【0042】
Ilにおいて、Wは、
【化7】

を示し、
、Xは、各々、互いに独立して、NまたはCRを示し、
、Xは、各々、互いに独立して、N、CRまたはCHet’を示し、
Yは、O、S、NRまたはNHet’を示し、
は、H、OH、OA、HalまたはAを示し、
Tは、ArまたはHetを示し、
Arは、非置換であるか、またはCOOHもしくはCOOAにより単置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し、これは、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく、
Het’は、1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し;
【0043】
Imにおいて、Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、
この各々は、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく;
【0044】
Inにおいて、Het’は、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し;
【0045】
Ioにおいて、
Wは、
【化8】

を示し、
、Xは、各々、互いに独立して、NまたはCRを示し、
、Xは、各々、互いに独立して、N、CRまたはCHet’を示し、
は、H、OH、OA、HalまたはAを示し、
Tは、ArまたはHetを示し、
Arは、非置換であるか、またはCOOHもしくはCOOAにより単置換されているフェニルを示し、
【0046】
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、
この各々は、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく、
Het’は、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、
【0047】
、Rは、各々、互いに独立して、HまたはHalを示し、
、Rは、各々、互いに独立して、HまたはHalを示し、
、Rは、各々、互いに独立して、メチルまたはHalを示し、
A、A’は、各々、互いに独立して、1、2、3、4、5または6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、Fにより置換されていてもよく、
または3〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す;
ならびに、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体であり、すべての比率でのこれらの混合物を含む。
【0048】
式Iで表される化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には、周知の、前述の反応に適する反応条件の下で、製造される。また、ここで、自体公知であるが、ここでは一層詳細には述べない変法を用いてもよい。
【0049】
所望により、出発物質をまた、これらが反応混合物から単離されずに、代わりに直ちにさらに式Iで表される化合物に変換されるように、in situで生成することができる。
式II、IIIおよびIVで表される出発化合物は、一般的に周知である。しかし、これらが新規である場合には、これらを、自体公知の方法により調製することができる。
【0050】
式Iで表される化合物は、好ましくは、式IIで表される化合物を式IIIおよびIVで表される化合物と反応させることにより、得ることができる。
反応を、H. Bienayme et al., Angew. Chem. 1998, 110, 2349と同様にして行う。
【0051】
反応を、一般的には不活性溶媒中で、活性化剤、好ましくは過塩素酸の存在下で行う。
用いられる条件に依存して、反応時間は、数分〜14日間の間であり、反応温度は、約0℃〜150℃、通常5℃〜90℃、特に好ましくは10℃〜70℃である。
【0052】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である;エタノールが、特に好ましい。
【0053】
式IVで表されるアルデヒド類は、例えば、対応するボロン酸およびAr/Het臭化物類から、クロスカップリング反応、例えばSuzuki反応により得られる(例えば、A.Fuerstner, V. Manabe, JOC 2002, 67,6264-6267)。
【0054】
式Iで表される化合物を、さらに、チオセミカルバジド誘導体を環化してオキサジアゾール誘導体を得ることにより、得ることができる。
当該反応を、一般的には、不活性溶媒、例えばメタノール中で、好ましくは酢酸水銀(II)の存在下で行う。
用いられる条件に依存して、反応時間は、数分〜14日間の間であり、反応温度は、約0℃〜150℃、通常5℃〜90℃、特に好ましくは10℃〜100℃である。
【0055】
さらに、5−アミノ[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル誘導体を、ベンゾヒドラジド誘導体を臭化シアンと反応させることにより、得ることができる。反応を、好ましくは、水中で、例えば炭酸水素ナトリウムの存在下で行う。用いられる条件に依存して、反応時間は、数分〜14日間の間であり、反応温度は、約0℃〜150℃、通常5℃〜90℃、特に好ましくは10℃〜100℃である。
【0056】
薬学的塩および他の形態
式Iで表される前述の化合物を、これらの最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、これらの化合物を、当該分野において公知の手順により、種々の有機および無機酸類および塩基類から由来し得るこれらの薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、慣用の方法により調製される。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含む場合には、この好適な塩の1種を、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることにより、生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
【0057】
式Iで表される化合物のアルミニウム塩は、同様に包含される。式Iで表される数種の化合物の場合において、酸付加塩を、これらの化合物を薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびこれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびこれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することにより、生成することができる。
【0058】
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエイト(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは、限定を表すものではない。
【0059】
さらに、式Iで表される化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。
【0060】
薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、式Iで表される化合物の塩には、第一、第二および第三アミン類、置換アミン類、天然発生置換アミンルイもまた含む、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミノ樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0061】
塩基性窒素含有基を含む本発明の式Iで表される化合物を、剤、例えば(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C〜C)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。式Iで表される水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて調製することができる。
【0062】
好ましい前述の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0063】
式Iで表される塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用の方法で塩の生成を生じることにより、調製する。遊離塩基を、塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することにより、再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、これらの対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のために、当該塩は、他の点では、これらのそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
【0064】
述べたように、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0065】
式Iで表される酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用の方法で塩の生成を生じることにより、調製する。遊離酸を、塩形態を酸と接触させ、慣用の方法で遊離酸を単離することにより、再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、これらの対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のために、当該塩は、他の点では、これらのそれぞれの遊離酸形態に相当する。
【0066】
式Iで表される化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を生成することができる1つよりも多い基を含む場合には、式Iはまた、多重塩(multiple salt)を包含する。典型的な多重塩形態には、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0067】
上記で述べたことに関して、本文脈における用語「薬学的に許容し得る塩」は、特に、この塩形態が活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、式Iで表される化合物をこの塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが、明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、この活性成分に、初めて、前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を付与することができ、さらに、身体におけるこの治療的有効性に関して、この活性成分の薬力学に対する正の影響を有することができる。
【0068】
これらの分子構造のために、本発明の式Iで表される化合物は、キラルであり得、したがって種々の鏡像体形態で存在し得る。したがって、これらは、ラセミ体または光学的に活性な形態で存在し得る。
【0069】
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性が、異なり得るため、鏡像体を用いるのが望ましい場合がある。これらの場合において、最終生成物またはさらには中間体を、鏡像体化合物に、当業者に公知の化学的もしくは物理的手段により分離するかまたは、さらには、それ自体で合成において用いることができる。
【0070】
ラセミ体アミン類の場合において、ジアステレオマーが混合物から、光学的に活性な分割剤との反応により生成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適なN保護アミノ酸類(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)または種々の光学的に活性な樟脳スルホン酸類のR体およびS体である。また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースもしくは炭水化物の他の誘導体またはシリカゲル上に固定された、キラル的に誘導体化されたメタクリレートポリマー類)の補助によるクロマトグラフィー鏡像体分割である。この目的に適する溶離剤は、水性またはアルコール性溶媒混合物、例えば、82:15:3の比率での、ヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルである。
【0071】
本発明はさらに、式Iで表される化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩の、医薬(医薬組成物)の、特に非化学的方法による製造のための使用に関する。この場合において、これらを、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体補形剤または補助剤と共に、および随意に1種または2種以上の他の活性成分と組み合わせて、好適な投薬形態に変換することができる。
【0072】
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iで表される化合物および/または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体(すべての比率でのこれらの混合物を含む)、ならびに任意に補形剤および/または補助剤を含む医薬に関する。
これらの組成物を、ヒト医学または獣医学における医薬として用いることができる。
【0073】
医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で、投与することができる。このような単位は、処置される疾患状態、投与の方法ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含むことができるか、または医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。好ましい投与単位処方物は、前に示したように、毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性成分のこの対応する部分である。さらに、このタイプの医薬処方物を、薬学分野において周知の方法を用いて製造することができる。
【0074】
医薬処方物を、すべての所望の好適な方法による、例えば口腔内(頬側もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(頬側、舌下もしくは経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与のために適合させることができる。このような処方物を、薬学分野において公知のすべての方法を用いて、例えば活性成分を補形剤(1種もしくは2種以上)または補助剤(1種もしくは2種以上)と混ぜ合わせることにより、製造することができる。
【0075】
経口投与に適合する医薬処方物を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油液体エマルジョンもしくは油中水液体エマルジョンとして、投与することができる。
【0076】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性補形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。粉末を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、これを同様にして粉砕した薬学的補形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することにより、製造する。風味剤、保存剤、分散剤および染料が、同時に存在してもよい。
【0077】
カプセルを、上記のように粉末混合物を調製し、成形したゼラチン殻をこれで充填することにより、製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に粉末混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に加えて、カプセルを服用した後の医薬の有用性を改善することができる。
【0078】
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどが含まれる。これらの投与形態において用いられる潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定されずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。錠剤を、例えば粉末混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることにより、処方する。
【0079】
粉末混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および随意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することにより、調製する。粉末混合物を、これを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アカシア粘液またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、これをふるいを通して押圧することにより、顆粒化することができる。顆粒化の代替として、粉末混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、これを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
【0080】
顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることにより潤滑化して、錠剤流延型への粘着を防止することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して、錠剤を得る。活性成分をまた、自由流動の不活性補形剤と混ぜ合わせ、次に圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮工程を行わずに錠剤を直接得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。染料を、これらのコーティングに加えて、異なる投与単位間を区別することができるようにすることができる。
【0081】
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投与単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適な風味剤と共に溶解することにより調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることにより、処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
【0082】
経口投与用の投与単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物をまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなど中にコーティングするかまたは包埋することにより、調製することができる。
【0083】
式Iで表される化合物および塩、溶媒和物およびこれらの生理学的な官能性誘導体および他の活性成分をまた、リポソーム送達系、例えば小さい単層のベシクル(small unilamellar vesicles)、大きい単層のベシクル(large unilamellar vesicles)および多層のベシクル(multilamellar vesicles)の形態で、投与することができる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成することができる。
【0084】
式Iで表される化合物および塩、溶媒和物およびこれらの生理学的な官能性誘導体および他の活性成分をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。化合物をまた、標的とする医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。このようなポリマーは、パルミトイル基により置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパラートアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリシンを包含することができる。化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋、または両親媒性のブロックコポリマーに結合することができる。
【0085】
経皮的投与用に適合する医薬処方物を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、総括的にPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所的投与用に適合する医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として処方することができる。
【0086】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を処方して、水中油クリームベースまたは油中水ベースを有するクリームを得ることができる。
【0087】
目への局所的適用に適合する医薬処方物には、点眼剤が含まれ、ここで、活性成分を、好適な担体、特に水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させる。
口における局所的適用に適合する医薬処方物は、薬用キャンデー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与に適合する医薬処方物を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
【0088】
担体物質が固体である鼻腔内投与に適合する医薬処方物は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗末を含み、これを、嗅ぎタバコを服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した粉末を含む容器からの鼻孔を介しての迅速な吸入により、投与する。担体物質としての液体を有する鼻腔内スプレーまたは鼻腔内ドロップとしての投与に適する処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
【0089】
吸入による投与に適合する医薬処方物は、微細な粒子状ダストまたはミストを包含し、これは、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーにより作成し得る。
膣内投与に適合する医薬処方物を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
【0090】
非経口投与に適合する医薬処方物には、処方物が処置されるべきレシピエントの血液と等張になる酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性の、および非水性の無菌注射溶液;ならびに懸濁媒体および増粘剤を含むことができる水性の、および非水性の無菌懸濁液が含まれる。処方物を、単一用量または多重用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与し、凍結乾燥した(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵し、したがって使用の直前の、無菌の担体液体、例えば注射目的での水の添加のみが必要であるようにすることができる。
レシピに従い製造する注射溶液および懸濁液を、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0091】
上で特定的に述べた構成成分に加えて、処方物はまた、処方物の特定のタイプに関して当該分野において通例の他の剤を含むことができることは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
【0092】
式Iで表される化合物および他の活性成分の治療的有効量は、例えば、動物の年齢および体重、処置が必要である正確な疾患状態、ならびにこの重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの要因に依存し、最終的には、処置する医師または獣医師により決定される。しかし、化合物の有効量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳類)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳類についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日あたり個別の用量として、または通常には1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分または6回分)において投与し、したがって合計の毎日の用量が同一であるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物の、またはこの生理学的な官能性誘導体の有効量を、化合物自体の有効量の比として決定することができる。
【0093】
本発明はさらに、式Iで表される化合物の、少なくとも1種の他の医薬活性成分と組み合わせての、好ましくは1型および2型糖尿病の処置のための、特に血糖を低下させるための使用に関する。
【0094】
組み合わせ製剤に適する他の活性成分は、以下のものである:
Rote Liste [Red List] 2001, Chapter 12において述べられているすべての抗糖尿病薬。これらを、本発明の式Iで表される化合物と組み合わせて、特に作用を相乗的に増強することができる。活性成分の組み合わせを、活性成分を患者に別個に投与することにより、または複数の活性成分を単一の医薬組成物中に含む組み合わせ製剤の形態で、投与することができる。以下に列挙する活性成分のほとんどは、USP Dictionary of USAN and International Drug Names, US Pharmacopeia, Rockville 2001中に開示されている。抗糖尿病薬には、インスリンおよびインスリン誘導体、例えばLantus(登録商標)(www.lantus.comを参照)またはHMR 1964、迅速に作用するインスリン(US 6,221,633を参照)、GLP−1誘導体、例えばNovo Nordisk A/SによりWO 98/08871中に開示されたもの、ならびに経口的に有効な低血糖活性成分が含まれる。
【0095】
経口的に有効な低血糖活性成分には、好ましくは、スルホニル尿素類、ビグアニジン類、メグリチジド類(meglitinides)、オキサジアゾリジンジオン類、チアゾリジンジオン類、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、GLP−1アゴニスト、カリウムチャネルオープナー、例えばNovo Nordisk A/SによりWO 97/26265およびWO 99/03861に開示されているもの、インスリン感受性改善薬、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコース取り込みモジュレーター、脂肪代謝を改変する化合物、例えば抗高脂血症(antihyperlipidaemic)活性成分および抗脂血症(antilipidaemic)活性成分、食物の摂取を低減させる化合物、PPARおよびPXRアゴニスト、ならびにベータ細胞のATP依存性カリウムチャネルに対して作用する活性成分が含まれる。
【0096】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、HMGCoA還元酵素阻害剤、例えばシンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチンと組み合わせて投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミブ、チクエシド(tiqueside)、パマクエシドと組み合わせて投与する。
【0097】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、PPARガンマアゴニスト、例えばロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、GI 262570と組み合わせて投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、PPARアルファアゴニスト、例えばGW 9578、GW 7647と組み合わせて投与する。
【0098】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、混合PPARアルファ/ガンマアゴニスト、例えばGW 1536、AVE 8042、AVE 8134、AVE 0847、AVE 0897と組み合わせて、またはWO 00/64888、WO 00/64876、WO 03/20269に記載されているように、投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、フィブラート、例えばフェノフィブラート、クロフィブラート、ベザフィブラートと組み合わせて投与する。
【0099】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、MTP阻害剤、例えばインプリタピド(implitapide)、BMS−201038、R−103757と組み合わせて投与する。本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、胆汁酸吸収阻害剤(例えば、US 6,245,744またはUS 6,221,897を参照)、例えばHMR 1741と組み合わせて投与する。
【0100】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、CETP阻害剤、例えばJTT−705と組み合わせて投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、ポリマー胆汁酸吸着剤、例えばコレスチラミン、コレセベラムと組み合わせて投与する。
【0101】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、LDLレセプター誘発剤(US 6,342,512を参照)、例えばHMR1171、HMR1586と組み合わせて投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、ACAT阻害剤、例えばアバシミブ(avasimibe)と組み合わせて投与する。
【0102】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、酸化防止剤、例えばOPC−14117と組み合わせて投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、例えばNO−1886と組み合わせて投与する。
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤、例えばSB−204990と組み合わせて投与する。
【0103】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、スクアレンシンセターゼ阻害剤、例えばBMS−188494と組み合わせて投与する。本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、例えばCI−1027またはニコチン酸と組み合わせて投与する。本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、リパーゼ阻害剤、例えばオーリスタットと組み合わせて投与する。
【0104】
本発明の一態様において、式Iで表される化合物を、インスリンと組み合わせて投与する。
一態様において、式Iで表される化合物を、スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジドまたはグリメピリドと組み合わせて投与する。
【0105】
一態様において、式Iで表される化合物を、ビグアニド、例えばメトホルミンと組み合わせて投与する。
他の態様において、式Iで表される化合物を、メグリチニド、例えばレパグリニドと組み合わせて投与する。
【0106】
一態様において、式Iで表される化合物を、チアゾリジンジオン、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンまたはWO 97/41097中のDr. Reddy’s Research Foundationにより開示されている化合物、特に5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンと組み合わせて投与する。
【0107】
一態様において、式Iで表される化合物を、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトールまたはアカルボースと組み合わせて投与する。
一態様において、式Iで表される化合物を、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャネルに対して作用する活性剤、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリドまたはレパグリニドと組み合わせて投与する。
【0108】
一態様において、式Iで表される化合物を、1種より多い前述の化合物と組み合わせて、例えばスルホニル尿素およびメトホルミン、スルホニル尿素およびアカルボース、レパグリニドおよびメトホルミン、インスリンおよびスルホニル尿素、インスリンおよびメトホルミン、インスリンおよびトログリタゾン、インスリンおよびロバスタチンなどと組み合わせて投与する。
【0109】
他の態様において、式Iで表される化合物を、CARTモジュレーター(“Cocaine-amphetamine-regulated transcript influences energy metabolism, anxiety and gastric emptying in mice” Asakawa, A, et al., M.:Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558を参照)、NPYアンタゴニスト、例えばナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド;塩酸塩(CGP 71683A))、MC4アゴニスト(例えば1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド;(WO 01/91752))、
【0110】
オレキシンアンタゴニスト(例えば1−(2−メチルベンゾキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素;塩酸塩(SB−334867−A))、H3アゴニスト(3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オンシュウ酸塩(WO 00/63208));TNFアゴニスト、CRFアンタゴニスト(例えば[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO 00/66585))、CRF BPアンタゴニスト(例えばウロコルチン)、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト(例えば1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール;塩酸塩(WO 01/83451))、MSH(メラニン形成細胞刺激ホルモン)アゴニスト、CCK−Aアゴニスト(例えば{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩(WO 99/15525));セロトニン再取り込み阻害剤(例えばデクスフェンフルラミン)、混合セロトニン化合物およびノルアドレナリン作動性化合物(例えばWO 10 00/71549)、
【0111】
5HTアゴニスト、例えば1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO 01/09111)、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン(例えばヒト成長ホルモン)、成長ホルモン放出化合物(6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチル(WO 01/85695))、TRHアゴニスト(例えばEP 0 462 884を参照)、脱共役タンパク質2もしくは3モジュレーター、レプチンアゴニスト(例えばLee, Daniel W.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya-Arena, Marina; Grasso, Patricia. Leptin agonists as a potential approach to the treatment of obesity, Drugs of the Future (2001), 26(9), 873-881を参照)、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えばWO 00/40569)、PPARモジュレーター(例えばWO 00/78312)、RXRモジュレーターまたはTRβ−アゴニストと組み合わせて投与する。
【0112】
本発明の一態様において、追加の活性成分は、レプチンである;例えば、“Perspectives in the therapeutic use of leptin”, Salvador, Javier; Gomez Ambrosi, Javier; Fruhbeck, Gema, Expert Opinion on Pharmacotherapy (2001), 2(10), 1615-1622を参照。
一態様において、追加の活性成分は、デキサンフェタミンまたはアンフェタミンである。
【0113】
一態様において、追加の活性成分は、フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンである。
尚他の態様において、追加の活性成分は、シブトラミンである。
一態様において、追加の活性成分は、オーリスタットである。
一態様において、追加の活性成分は、マジンドールまたはフェンテルミンである。
【0114】
一態様において、式Iで表される化合物を、粗飼料、好ましくは不溶性粗飼料(例えば、Carob/Caromax(登録商標)(Zunft H J; et al., Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia, ADVANCES IN THERAPY (2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6.)を参照。Caromaxは、Nutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Industriepark Hoechst, 65926 Frankfurt/Mainからのイナゴマメ含有製品である)と組み合わせて投与する。Caromax(登録商標)との組み合わせを、単一の組成物において、または式Iで表される化合物およびCaromax(登録商標)を別個に投与することにより、行うことができる。これに関連して、Caromax(登録商標)を、食物の形態において、例えばパン、菓子類製品またはミューズリーバーにおいて投与することもできる。
【0115】
本発明の化合物と前述の化合物の1種または2種以上および随意に1種または2種以上の他の薬理学的に活性な物質との各々の好適な組み合わせは、本発明の保護の範囲内にあると見なされることは、言うまでもない。
【0116】
【化9】

【0117】
本発明はまた、
(a)式Iで表される化合物および/または、この薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体(すべての比率でのこの混合物を含む)の有効量、
ならびに
(b)有効量の他の医薬活性成分
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
【0118】
このセットは、好適な容器、例えば箱またはカートン、個別のビン、袋またはアンプルを含む。このセットは、例えば、個別のアンプルを含んでいてもよく、各々は、有効量の式Iで表される化合物および/または、この薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのこの混合物を含む)、ならびに、溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、有効量の他の医薬活性成分を含む。
【0119】
化合物を、SGLT1およびSGLT2を発現するBHK細胞により、これらのSGLT阻害特性に関して試験することができる。細胞の産生および試験を、以下に記載するようにして行うことができる。
【0120】
BHK細胞におけるSGLT1の構造および発現
SGLT1発現ベクター(KL225)を構成するために、SLC5A1遺伝子(NM_000343に相同)を、cDNAライブラリーから、標準的なPCR技術を用いて増幅し、ネオマイシンを選択マーカーとして含むcDNA3.1発現ベクター(Invitrogen)中にNheI/XhoI部位にわたりクローン化した。このベクター中で、転写は、ヒトサイトメガロウイルスのエンハンサー/プロモーターを用いる。
【0121】
最終的なベクターKL225を、選択マーカーとしてジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子を含む追加のベクターと共に、細胞中に導入した。10%胎児ウシ血清(FCS)および20mMのグルタミンを補足したDMEM培地(GIBCO/BRL)中で培養したBHK21細胞(ATCC CCL−10)への形質移入を、5〜20μgの未切断プラスミドを10個の細胞について用いて、Graham, F.L. and van der Ebb, A.J. (1973), Virology 52: 456に従って、リン酸カルシウム形質移入を用いて行った。好適な形質移入体を、1mg/mlのG418(GIBCO/BRL)および20〜5000nMのメトトレキセートを最終濃度として含む培地中で選択し、ここでネオマイシン遺伝子を発現し、dhfr遺伝子を過剰発現した細胞のみが、増殖することができた。2〜3週間にわたる増殖の後、細胞をクローン化し(0.5細胞/ウェル)、クローンを、放射活性取り込み試験においてSGLT発現について調査した。
【0122】
BHK細胞におけるSGLT2の構造および発現
SGLT2発現ベクター(KL224)を構成するために、SLC5A2遺伝子(NM_003041に相同)を、cDNAライブラリーから、標準的なPCR技術を用いて増幅し、ネオマイシンを選択マーカーとして含むPCI−neo発現ベクター(Promega)中にNheI/XhoI部位にわたりクローン化した。このベクター中で、転写は、ヒトサイトメガロウイルスのエンハンサー/プロモーターおよびSV40ポリアデニル化シグナルを用いる。
【0123】
最終的なベクターKL224を、選択マーカーとしてジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子を含む追加のベクターと共に、細胞中に導入した。10%胎児ウシ血清(FCS)および20mMのグルタミンを補足したDMEM培地(GIBCO/BRL)中で培養したBHK21細胞(ATCC CCL−10)への形質移入を、5〜20μgの未切断プラスミドを10個の細胞について用いて、Graham, F.L. and van der Ebb, A.J. (1973), Virology 52: 456に従って、リン酸カルシウム形質移入を用いて行った。好適な形質移入体を、1mg/mlのG418(GIBCO/BRL)および20〜5000nMのメトトレキセートを最終濃度として含む培地中で選択し、ここでネオマイシン遺伝子を発現し、dhfr遺伝子を過剰発現した細胞のみが、増殖することができた。2〜3週間にわたる増殖の後、細胞をクローン化し(0.5細胞/ウェル)、クローンを、放射活性取り込み試験においてSGLT発現について調査した。
【0124】
SGLT1/2活性測定の方法
例えば、対応するcRNAを注射したXenopus卵母細胞における14C−α−メチル−D−グルコピラノシド(AMG)の取り込みは、原理的に記載されている(例えばWen-Sen Lee et al. (1994), J. Biol. Chem. 269, 12032-12039; Guofeng You et al. (1995), J. Biol. Chem. 270, 29365-29371)。
【0125】
96ウェルの細胞に基づくアッセイを開発し、HTS要件に適合させた:
BHK細胞(SGLT1またはSGLT2で形質移入した)を、96ウェルマイクロタイタープレート(Cultureplates, Perkin Elmer)中に蒔いた。少なくとも24時間後、培地を除去し、細胞層を、アッセイ緩衝液(140mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのCaCl、1mMのMgCl、10mMのHEPES、5mMのTris、1MのKOHでpH7.4に調整した)で洗浄した。40μlのアッセイ緩衝液、50μlのAMG(SGLT1について50μM、SGLT2について2mM)を化合物の存在下で、または不在下で加えた後、細胞を、100μlの合計容積において37℃で90分間インキュベートした。上清液を、吸引により除去し、廃棄した。細胞を洗浄し、50μlの水を加えることにより溶解した。室温にて10分後、200μlのMicroscint 40 (Perkin Elmer)を加えた。放射活性を、Topcountマイクロプレートシンチレーションカウンター(Perkin Elmer)において計測した。非特異的な取り込みが、ナトリウム非含有アッセイ緩衝液(266mMのスクロース、2mMのKCl、1mMのCaCl、1mMのMgCl、10mMのHEPES、5mMのTris、1MのKOHを用いてpH7.4に調整した)において決定された。
【0126】
本明細書中、すべての温度を、℃で示す。以下の例において、「慣用のワークアップ」は、以下のことを意味する:所要に応じて水を加え、pHを所要に応じて、最終生成物の構成に依存して2〜10の値に調整し、混合物を、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、および/または結晶化により精製する。シリカゲル上でのRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール9:1。
質量分析法(MS):EI(電子衝撃イオン化)M
FAB(高速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)(他に示さない限り)
【0127】
HPLC方法:
以下の特徴を有するHewlett Packard HP 1100シリーズシステム:
イオン源:エレクトロスプレー(正のモード);
走査:100〜1000m/e;フラグメンテーション電圧:60V;ガス温度:300℃、DAD:220nm。
流量:2.4ml/分。用いたスプリッターにより、MSについての流量が、DADの後に0.75ml/分に減少した。
【0128】
カラム:Chromolith SpeedROD RP-18e 50-4.6
溶媒:Merck KgaAからのLiChrosolvグレード
溶媒A:HO(0.01%のTFA)
溶媒B:CHCN(0.008%のTFA)
勾配:
20%のB 100%のB:0分〜2.8分
100%のB:2.8分〜3.3分
100%のB 20%のB:3.3分〜4分
「極性」状態についての勾配
5%のB 100%のB:0分〜3分
100%のB:3分〜3.5分
100%のB 5%のB:3.5分〜3.6分
【0129】
例1
(2,6−ジメチルフェニル)−[6−フルオロ−2−(2−チアゾール−2−イルフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]アミン(「A1」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う:
【化10】

【0130】
118mg(1.0mmol)の2−アミノ−5−フルオロピリジンおよび189mg(1.0mmol)の2−チアゾール−2−イルベンズアルデヒドを、連続的に5mlのエタノールにRTにて不活性ガスの下で溶解する。次に、137mg(1.0mmol)の2,6−ジメチルフェニルイソシアニドを加え、0.043mlの70%過塩素酸を滴加し、混合物を、RTにてさらに20時間撹拌する。その後、10mlの石油エーテルを加え、沈殿した固体を吸引しながら濾別する。これを、少量の酢酸エチルで粉砕し、再び吸引しながら濾別し、177mg(43%)の(2,6−ジメチルフェニル)−[6−フルオロ−2−(2−チアゾール−2−イルフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]アミン(「A1」)を固体として得る;MS−FAB(M+H)=415.7;R(極性法):1.98分;
【0131】
【化11】

【0132】
以下の化合物が、同様にして得られる。
【化12】

【0133】
【化13】

【0134】
【化14】

【0135】
例2
{2−[2−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル}−(2,6−ジメチルフェニル)アミン(「B1」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う:
【化15】

【0136】
2.1 0.802g(6.8mmol)の2−アミノ−5−フルオロピリジンおよび0.946g(6.3mmol)の2−ホルミル安息香酸を、連続的に20mlのエタノールにRTにて不活性ガスの下で溶解する。次に、0.929g(6.8mmol)の2,6−ジメチルフェニルイソシアニドを加え、0.291ml(3.4mmol)の70%過塩素酸を滴加し、混合物を、RTにてさらに20時間撹拌する。その後、50mlの石油エーテルを加え、沈殿した固体を吸引しながら濾別し、少量の酢酸エチルで洗浄し、1.900g(74%)の2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]安息香酸が固体として得られる;MS−FAB(M+H)=376.6;R(HPLC、極性法):1.61分。これを、さらに精製せずに次の段階において用いる。
【0137】
2.2 250mg(0.666mmol)の2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]安息香酸、88mg(0.666mmol)のtert−ブチルカルバゼート(carbazate)、153mg(0.800mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(DAPECI)を、1mlのDMFに溶解し、RTにて5時間撹拌する。その後、混合物を水に加え、沈殿した固体を吸引しながら濾別し、乾燥し、187mg(57%)のN’−{2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]ベンゾイル}ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルが固体として得られる;MS−FAB(M+H)=490.8;R(HPLC、極性法):1.47分。これを、さらに精製せずに次の段階において用いる。
【0138】
2.3 167mg(0.341mmol)のN’−{2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]ベンゾイル}ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルを、5mlの4NのHCl/ジオキサン中で1時間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、凍結乾燥し、114mg(78%)の2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]ベンゾヒドラジドが塩酸塩として得られる;MS−FAB(M+H)=390.8;R(HPLC、極性法):1.00分。これを、さらに精製せずに次の段階において用いる。
【0139】
2.4 16.9mg(0.160mmol)の臭化シアンを、60mg(0.141mmol)の2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]ベンゾヒドラジド塩酸塩および29.4mg(0.350mmol)の炭酸水素ナトリウムを10mlの水に溶解した溶液に加え、混合物を、RTにて2時間撹拌する。沈殿した生成物を、吸引しながら濾別し、乾燥し、分取薄層クロマトグラフィーにより精製し、10mg(17%)の{2−[2−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル}−(2,6−ジメチルフェニル)アミン(「B1」)を固体として得る;MS−FAB(M+H)=415.8;R(HPLC、極性法):1.07分;
【0140】
【化16】

【0141】
以下のものが、同様にして得られる。
【化17】

【0142】
例3
(2,6−ジメチルフェニル)−{6−フルオロ−2−[2−(5−メチルアミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル}アミン(「C1」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う:
【化18】

【0143】
3.1 200mg(0.533mmol)の2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]安息香酸、56mg(0.533mmol)の4−メチル−3−チオセミカルバジドおよび125mg(0.650mmol)のDAPECIを、1mlのDMFに溶解し、RTにて2時間撹拌する。その後、混合物を水に加え、沈殿した固体を吸引しながら濾別し、乾燥し、117mg(47%)の1−{2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]ベンゾイル}−4−メチル−3−チオセミカルバジドを固体として得る;MS−FAB(M+H)=463.7;R(HPLC、極性法):1.69分。これを、さらに精製せずに次の段階において用いる。
【0144】
3.2 117mg(0.253mmol)の1−{2−[3−(2,6−ジメチルフェニルアミノ)−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]ベンゾイル}−4−メチル−3−チオセミカルバジドおよび96mg(0.300mmol)の酢酸水銀(II)を、密閉したねじ口ビン中で10mlのメタノール中で80℃にて1時間加温する。混合物を、珪藻土を介して濾過し、MeOHでリンスし、濾液を蒸発乾固させる。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)による精製により、28mgの(2,6−ジメチルフェニル)−{6−フルオロ−2−[2−(5−メチルアミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル}アミンが得られ、これは、26%の収率に相当する;MS−FAB(M+H)=429.8;R(HPLC、極性法):1.58分。
【0145】
以下の化合物が、同様にして得られる。
【化19】

【0146】
【化20】

【0147】
【化21】

【0148】
【化22】

【0149】
薬理学的データ
レセプターに対する親和性
表1
【表1】

IC50:10nM〜1μM=A
1μM〜10μM=B
>10μM=C
【0150】
以下の例は、医薬組成物に関する:
例A:注射バイアル
100gの式Iで表される活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0151】
例B:座剤
20gの式Iで表される活性成分の100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0152】
例C:溶液
1gの式Iで表される活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
【0153】
例D:軟膏
500mgの式Iで表される活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0154】
例E:錠剤
1kgの式Iで表される活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0155】
例F:被覆錠剤
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0156】
例G:カプセル
2kgの式Iで表される活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に、慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
【0157】
例H:アンプル
1kgの式Iで表される活性成分を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
Wは、
【化2】

を示し、
、X、X、X、X、Xは、各々、互いに独立して、C−R、NまたはC−Hetを示し、
Yは、O、S、N−RまたはN−Hetを示し、
、R、R、R、R、R、Rは、各々、互いに独立して、独立してH、A、OH、OA、NAA’、Hal、CN、NO、O(CHCONAA’、NA(CHCONAA’、(CHNAA’、O(CHNAA’、O(CHOA、O(C=O)(CHNAA’、(C=O)O(CHNAA’、NA(C=O)(CHNAA’、(C=O)NA(CHNAA’、CHO(CHNAA’、CHOAまたはCOOAを示し、
A、A’、A’’は、各々、互いに独立して、H、1〜10個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NRR’、OH、CN、CONRR’および/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NR、−OCO−、−NRCONR’−、−NRCO−、−COO−、−CONR−、−C≡C−基により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜20個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NRR’、OH、CN、CONRR’および/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NR、−OCO−、−NRCONR’−、−NRCO−、−COO−、−CONR−、−C≡C−基により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよい環状アルキルにより置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜11個のH原子が、Fおよび/またはClにより置換されていてもよい、直鎖状または分枝状アルキルを示し、
R、R’は、各々、互いに独立して、H、1〜10個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NH、OH、CN、CONHおよび/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NH、NCH、−OCO−、−NHCONH−、−NHCO−、−COO−、−CONH−、−NCHCO−、CONCH−、−C≡C−基により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜20個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有し、非置換であるか、または=S、=NR、=O(カルボニル酸素)、NH、OH、CN、CONHおよび/またはNOにより単置換、二置換もしくは三置換されており、ここで1つ、2つまたは3つのCH基が、互いに独立してO、S、SO、SO、NH、NCH、−OCO−、−NHCONH−、−NHCO−、−COO−、−CONH−、−NCHCO−、CONCH−により、および/または−CH=CH−基により置換されていてもよい環状アルキルにより置換されていてもよく、かつ/またはさらに、1〜11個のH原子が、Fおよび/またはClにより置換されていてもよい、直鎖状または分枝状アルキルを示し、
Tは、ArまたはHetを示し、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、この各々は、非置換であるか、またはA、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOAおよび/またはSONAA’により単置換、二置換、三置換もしくは四置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、これは、A、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOA、SONAA’、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、1、2または3を示す、
で表される化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項2】
A、A’、A’’が、各々、互いに独立して、1、2、3、4、5または6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子が、Fにより置換されていてもよく、
または3〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示す、
請求項1に記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項3】
、Rが、各々、互いに独立して、H、A、OA、OH、Hal、CN、NO、CONHまたはCNを示す、請求項1または2に記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項4】
、Rが、各々、互いに独立して、H、F、Cl、メチル、CFまたはメトキシを示す、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項5】
、Rが、各々、互いに独立して、H、Hal、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、CF、メトキシまたはエトキシを示す、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項6】
Wが、
【化3】

を示し、
、Xが、各々、互いに独立して、N、CH、CHal、C−メチル、C−エチル、CCN、CCF、CO−メチルまたはCO−エチルを示し、
、Xが、各々、互いに独立して、N、CH、CHal、C−メチル、C−エチル、CCN、CCF、CO−メチル、CO−エチル、CHetまたはCRを示す、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項7】
Arが、非置換であるか、またはA、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOAおよび/またはSONAA’により単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示す、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項8】
Hetが、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、A、Hal、OA、OH、SA、NAA’、SOA、SOA、NO、CN、COOA、COOH、CHO、COA、SOH、OCOA、CONAA’、NA’COA、NACONA’A’’、NA’SOA、SONAA’、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよい、単環式または二環式不飽和または芳香族複素環を示す、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項9】
、Rが、各々、互いに独立して、HまたはHalを示す、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項10】
、Rが、各々、互いに独立して、HまたはHalを示す、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項11】
、Rが、各々、互いに独立して、メチルまたはHalを示す、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項12】
Wが、
【化4】

を示し、
、Xが、各々、互いに独立して、NまたはCRを示し、
、Xが、各々、互いに独立して、N、CRまたはCHet’を示し、
が、H、OH、OA、HalまたはAを示し、
Tが、ArまたはHetを示し、
Arが、非置換であるか、またはCOOHもしくはCOOAにより単置換されているフェニルを示し、
Hetが、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し、これは、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく、
Het’が、1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示す、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項13】
Wが、
【化5】

を示し、
、Xは、各々、互いに独立して、NまたはCRを示し、
、Xは、各々、互いに独立して、N、CRまたはCHet’を示し、
Yは、O、S、NRまたはNHet’を示し、
は、H、OH、OA、HalまたはAを示し、
Tは、ArまたはHetを示し、
Arは、非置換であるか、またはCOOHもしくはCOOAにより単置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示し、これは、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく、
Het’は、1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式芳香族複素環を示す、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項14】
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、
この各々が、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよい、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項15】
Het’が、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示す、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項16】
Wが、
【化6】

を示し、
、Xが、各々、互いに独立して、NまたはCRを示し、
、Xが、各々、互いに独立して、N、CRまたはCHet’を示し、
が、H、OH、OA、HalまたはAを示し、
Tが、ArまたはHetを示し、
Arが、非置換であるか、またはCOOHもしくはCOOAにより単置換されているフェニルを示し、
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、
この各々が、A、CONH、NO、NH、NHAおよび/またはNAA’により単置換または二置換されていてもよく、
Het’が、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルを示し、
、Rが、各々、互いに独立して、HまたはHalを示し、
、Rが、各々、互いに独立して、HまたはHalを示し、
、Rが、各々、互いに独立して、メチルまたはHalを示し、
A、A’が、各々、互いに独立して、1、2、3、4、5または6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子が、Fにより置換されていてもよく、
または3〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを示す、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項17】
以下の群
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

から選択される、請求項1に記載の化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の式Iで表される化合物または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩もしくは立体異性体の製造方法であって、
a)式II
【化13】

式中、
およびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物を、
式III
【化14】

式中、
、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と、および式IV
O=CH−W−T IV
式中、WおよびTは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と反応させるか、
または
b)ラジカルTを、他のラジカルTに、チオセミカルバジド誘導体を環化することにより変換して、オキサジアゾール誘導体を得、
かつ/または
式Iで表される塩基もしくは酸を、この塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれかに記載の式Iで表される少なくとも1種の化合物および/または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、すべての比率でのこれらの混合物、ならびに、任意に補形剤および/または補助剤を含む、医薬。
【請求項20】
請求項1〜17のいずれかに記載の式Iで表される少なくとも1種の化合物および/または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、すべての比率でのこれらの混合物、ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む、医薬。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれかに記載の化合物および/または生理学的に許容し得る塩、これらの塩および溶媒和物の、1型および2型糖尿病を処置するための医薬を製造するための使用。
【請求項22】
請求項1〜17のいずれかに記載の化合物および/または生理学的に許容し得る塩、これらの塩および溶媒和物の、血糖を低下させるための医薬を製造するための使用。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれかに記載の化合物および/または生理学的に許容し得る塩、これらの塩および溶媒和物ならびに他の医薬活性成分の、1型および2型糖尿病を処置するための医薬を製造するための使用。
【請求項24】
(a)請求項1〜17のいずれかに記載の式Iで表される化合物および/または、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、すべての比率でのこれらの混合物の有効量、
ならびに
(b)有効量の他の医薬活性成分
の個別のパックからなる、セット(キット)。
【請求項25】
請求項1〜17のいずれかに記載の化合物および/または生理学的に許容し得る塩、これらの塩および溶媒和物ならびに他の医薬活性成分の、血糖を低下させるための医薬を製造するための使用。

【公表番号】特表2010−506863(P2010−506863A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532697(P2009−532697)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008424
【国際公開番号】WO2008/046497
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】