説明

1/fゆらぎ信号発生回路

【課題】
複数出力の、且つそれぞれの出力が異なる値の1/fゆらぎ信号を発生させ、複数の白熱電球やLED素子の発光をそれぞれに接続された1/fゆらぎ信号によって駆動し、イルミネーション効果を実現する。
【解決手段】
複数段のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)で構成されたGold系列の乱数発生回路において、各LFSR段のシフトレジスタ中の任意のレジスタのビット出力の値を、排他的論理和素子で構成された複数の加算器で加算し、それぞれの加算器の出力をシリアル−パラレル変換器に入力し、パラレルビットの値として、複数の乱数値を同時に出力
し、複数のデジタル・フィルタに入力し、複数の個々異なる1/fゆらぎ信号を同時に発生させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
白熱電球やLED等による照明等に対し、“ゆらぎ”変調制御を行う回路に関する。
複数の乱数を、スペクトラム拡散信号として変調、復調に使用する通信回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具において1/fゆらぎ制御による点灯によるイルミネーション効果を出す目的でマイクロコンピュータとメモリで構成された装置が提案されている。特にメモリとしてのROM(Read Only Memory)に予め1/fゆらぎの時系列データを記憶させておき、マイクロコンピュータの実行時にその時系列データに基づいて照明素子を駆動する装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
また、1/fゆらぎ発生において、メモリ内に予め記憶されたデータを使用せず、その基になる信号をリアルタイムに発生する方法としては、ハードウェアとしてのシフトレジスタで構成される周知のM系列乱数発生器やGold系列乱数発生器を応用する方法がある。
この方法では乱数発生器の発生する乱数の順序列数が多数であることが求められるが、これを高速且つ多値にわたる乱数を発生する方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平2−44693号公報
【特許文献2】 特開平11−259276号公報
【背景技術】
【0004】
1/fゆらぎ発生回路としては、図2に示すように、周知のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)11−1によるM(Maximum length code)系列乱数発生回路111とその出力をシフトレジスタで構成されるシリアル−パラレル変換器22−1によって値として出力される乱数発生回路151、及び、積分関数の伝達特性をもつデジタルフィルタ161で構成されるものが考えられる。
【0005】
LFSR11−1は「1」と「0」を記憶する1ビットレジスタを任意の数だけ並べたシフトレジスタが基本であり、複数の任意のレジスタの出力を排他的論理和素子12−1−1〜12−1−Pで加算し、LFSR11−1を構成するシフトレジスタのシフト方向とは逆の最後段のレジスタ(ビットL−1)にフィードバックされる構成となっている。
【0006】
クロックパルスに従ってLFSR11−1の最後段のレジスタ(ビットL−1)の値は右隣のレジスタ(ビットL−2)に順次シフトされ、右端の最前段のレジスタ(ビット0)がその時点の符号系列値として出力される。この出力は任意の数(Nビット)の1ビットレジスタで構成されるシフトレジスタで構成されるシリアル−パラレル変換器22−1の最上位の段のレジスタ(ビットN−1)に入力される。
【0007】
シリアル−パラレル変換器22−1はLFSR11−1と同一のクロックパルスに従って最上位の段のレジスタ(ビットN−1)の値は右隣のレジスタ(ビットN−2)に順次シフトされ、右端の最下位の段のレジスタ(ビット0)まで到達する。この到達した時点でLFSR11−1の全レジスタのビット列による値を乱数発生回路151の出力131とする。
【0008】
シリアル−パラレル変換器22−1は任意のビット数Nで構成されたシフトレジスタであり、この出力131の取りうる範囲は0〜2^−1となる。
【0009】
出力131は積分関数の伝達特性Y(Z)をもつデジタルフィルタ161によって1/fゆらぎ信号出力141となる。
【0010】
この方式では1段のLFSRによるM系列乱数発生回路が基本の為、一系統の1/fゆらぎ信号しか出力できない。また、1/fゆらぎ信号ができるだけ自然なゆらぎである為には、M系列乱数発生回路の発生順序列に現れる乱数の数が多い必要があるが、単体のLFSRでは、実際上は少ない系列しか得られない。
【0011】
次に、これを改善すべく、図3に示すように、LFSR11−1とLFSR11−2による2段構成のLFSRのそれぞれの出力21−1と21−2を排他的論理和素子231で加算した周知のGold系列乱数発生回路とその出力をNビットのシリアル−パラレル変換器22−1によって値として出力される乱数発生回路251、及び、積分関数の伝達特性Y(Z)をもつデジタルフィルタ261で構成される周知のGold系列による乱数発生回路の方式が考えられる。
【0012】
この方式は各LFSRの右端のレジスタ(ビット0)からの出力221−1と221−2の排他的論理和を排他的論理和素子231により得、それをシリアル−パラレル変換器22−1に入力し、Nビットの出力271を得る。さらに積分関数の伝達特性Y(Z)をもつデジタルフィルタ261を経由してNビットの1/fゆらぎ信号281を出力する。
【0013】
この方法は、単一段のLFSRで構成される図2に示した乱数発生回路151の出力131及び1/f信号出力141よりもはるかに多数の順序列が得られる利点がある。
【0014】
しかし、この方式でも、一系統の出力のGold系列乱数発生回路が基本の為、一系統出力の1/fゆらぎ信号しか出力できない。
【0015】
また、2段のLFSRを対としてのGold系列を複数段で構成し、それぞれの出力をパラレル−シリアル変換器でシリアルに変換して出力する構成の乱数発生回路も提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0016】
しかし、この方式でも、一系統の出力の乱数発生回路が基本の為、一系統出力の1/fゆらぎ信号しか出力できない。
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記、単段のLFSRで構成されたM系列乱数発生回路、及び2段のLFSRで構成されたGold系列乱数発生回路、また特許文献2に示される回路を乱数発生源とした1/fゆらぎ発生回路では、異なるゆらぎを発生する複数の1/fゆらぎ信号を同時に発生させることはできない。
【0018】
本発明は、多数の系列順序が得られるGold系列乱数発生回路を乱数発生源とした1/fゆらぎ発生回路に於いて、効率よく、複数の、それぞれ異なるゆらぎの1/fゆらぎ信号を出力する回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記従来回路の問題点を解決するべく請求項1記載の発明は、複数段のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)で構成されたGold系列の乱数発生回路において、各LFSR段のシフトレジスタ中の任意のレジスタのビット出力の値を、排他的論理和素子で構成された複数の加算器で加算し、それぞれの加算器の出力を複数ビット列のシフトレジスタで構成されるシリアル−パラレル変換器に入力し、パラレルビットの値として、複数の乱数値を同時に出力することができる。
【0020】
また、これらの出力を請求3記載の積分関数の伝達特性をもつ複数のデジタルフィルタに入力し、複数の個々異なる1/fゆらぎ信号を同時に発生させることができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、複数段のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)で構成されたGold系列の乱数発生回路において、各LFSR段のシフトレジスタ中の任意のレジスタのビット出力の値を、排他的論理和素子で構成された複数の加算器で加算し、それぞれの加算器の出力は単一ビットのパルス長として複数の乱数値を同時に出力することができる。
【0022】
また、これらの出力を請求4記載のパルスが値「0」の場合と値「1」の場合に任意にその値を特定のパラレルビットの値として変換し、その値をそれぞれ、積分関数の伝達特性をもつ複数のデジタルフィルタに入力し、複数の個々異なる1/fゆらぎ信号を同時に出力させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
請求項に係る発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る複数出力の1/fゆらぎ信号発生回路の構成を図1に基づいて説明する。図1は本発明の1/fゆらぎ信号発生回路の構成ブロック図である。この構成ブロックは、複数出力の乱数発生回路51とデジタルフィルタ61で構成される。
【0024】
複数出力の乱数発生回路51は、LFSR11−1〜LFSR11−MのM個のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)と、この構成ブロックの出力数と同一の数で配置されるK個の加算器21−1〜21−K、およびK個のシリアル−パラレル変換器22−1〜22−Kで構成される。
【0025】
LFSR11−1〜LFSR11−MはそれぞれL個(ビットL−1〜0)のレジスタで構成されるシフトレジスタを基本としている。ひとつのLFSRに於いて、例えばLFSR11−1を例にすると、右端のレジスタ(ビット0)の出力と、LFSR11−1内の各レジスタの出力の中から任意に選ばれた複数のレジスタの出力との排他的論理和を排他的論理和素子12−1−1〜12−1−Pで得る。この排他的論理和出力をLFSR11−1の左端のレジスタ(ビットL−1)に入力に入力し、クロックの立上り(或いは立下り)のタイミングでLFSR11−1を構成するシフトレジスタを右へ一段シフトする。
【0026】
シフトされた結果で排他的論理和素子12−1−1〜12−1−Pの出力値は新しい値としてLFSR11−1の左端のレジスタ(ビットL−1)に入力される。LFSR11−1内の各レジスタ(ビット)列の値は順次異なるレジスタ(ビット)値が現れることになる。K個の加算器21−1〜21−Kには、LFSR11−1〜LFSR11−Mを構成する各シフトレジスタ内部の任意に選ばれた一つのレジスタからの出力が加算される。
【0027】
例えば、21−2には、LFSR11−1内のレジスタ(ビット2)の出力とLFSR11−2内のレジスタ(ビットL−3)の出力と、途中段のLFSRの任意のレジスタ(ビット)及び最後のLFSR−Mのレジスタ(ビット2)の出力が加算されて出力される。
【0028】
加算器21−1〜21−Kの出力はそれぞれNビットのシリアル−パラレル変換器22−1〜22−Kの左端のレジスタに入力され、それぞれNビットのパラレル値の出力31−1〜31−Kとなる。
【0029】
これらのシリアル−パラレル変換器22−1〜22−Kの出力31−1〜31−Kはそれぞれ次段のデジタルフィルタ61に入力され、積分関数の伝達特性(Y(Z))をもって1/fゆらぎ信号に変換され、それぞれNビットの1/fゆらぎ信号出力41−1〜41−Kとなる。
【0030】
図4は図1に示したデジタルフィルタ61の入力31−1と出力41−1を例としてグラフに表したものであり、入力331が図1の31−1に、出力341が図1の41−1に相当する。図1のデジタルフィルタ61の伝達特性は基本的には積分関数に基づいている。
【0031】
図4におけるデジタルフィルタの入力331はNビットで表される値として入力され、その時系列T、Tn+1、−−−−−Tn+mに沿ってデジタルフィルタの伝達特性によって1/fゆらぎ信号に変換され、出力341となる。
【0032】
図1及び図4では、Nビットの乱数出力をデジタルフィルタで1/fゆらぎに変換する例であるが、請求項3に係る図5は、図1の複数出力の乱数発生回路51からシリアル−パラレル変換器22−1〜22−Kを省いた構成であり、複数出力の単一ビットのパルス長出力の乱数発生回路451と、請求項4に係る、単一ビットのパルス長としての乱数出力431−1〜431−Kを、パルス値である「0」と「1」を、「0」と「2^−1」に変換して処理するデジタルフィルタ461に入力し、その積分関数の伝達特性でもって、1/fゆらぎ信号に変換し、それぞれNビットで表される出力41−1〜41−Kとなる。
【0033】
図6は図5に示したデジタルフィルタ461の入力431−1と出力41−1を例としてグラフに表したものであり、入力531が図5の431−1に、出力551が図5の41−1に相当する。
【0034】
図6のデジタルフィルタの入力531は、「0」と「1」だけの2値のパルスである。図5のデジタルフィルタ461の内部においてこの2値を、「1」の場合は、値2^−1、「0」の場合は値0に変換された値が図6の541である。
【0035】
この541を真の入力として積分関数の伝達特性で処理し、1/fゆらぎ信号としての出力551を得る。この方法は図1の方式と同様の1/fゆらぎ信号出力が得られ、図1の方式に比べ、回路規模も縮小される利点がある。
【0036】
図7は本発明を含むLED照明用を例とした全体構成図である。この図7は4つの1/fゆらぎ信号を発生する例である。図7の左端に本発明である複数出力の乱数発生回路615、その出力611−1〜611−4はデジタルフィルタ625に入力され、1/fゆらぎの信号出力621−1〜621−4となる。
【0037】
デジタルフィルタ625は先の図1と図5で説明したように、Nビットの値か、或いは「0」と「1」の2値のみのパルス信号の2種類の入力方式であり、そのどちらかの構造とする。
【0038】
デジタルフィルタ625からの出力621−1〜621−4はそれぞれNビット値であり、インターポーレータ635に入力される。
【0039】
図7の複数出力の乱数発生回路615の出力611−1〜611−4、及びデジタルフィルタ625の出力621−1〜621−4の出力タイミングの周期はゆらぎ方の感覚的な仕様により外部から任意に調整されるが、長い周期を必要とする場合、その1周期到達後の急激な変化を和らげるために1周期内を等間隔で区分した細かいタイミングで1周期間の差分値を等間隔差分値で補完した出力である必要がある。
【0040】
図8にて図7のインターポーレータ635の入力と出力を説明する。
図8は図7のインターポーレータ635の入力621−1と出力631−1を例としてグラフに表したものであり、入力721が図7の621−1に、出力731が図7の631−1に相当する。
【0041】
図7のインターポーレータ635の入力621−1は、図8に示す721(T)、721(Tn+1)〜721(Tn+m)はT、Tn+1〜Tn+mのタイミングで入力される。
【0042】
この間を図8の例ではTとTn+1の時間差を4等分し、出力731(T)、731(Tn+1/4)、731(Tn+2/4)、731(Tn+3/4)、731(Tn+1)をタイミングT、、Tn+1/4、Tn+2/4、Tn+3/4、で出す。図8は一次関数補間の例であり、出力731(Tn+1/4)と731(Tn+2/4)の値の差は、出力731(T)と731(Tn+1)の値の差の4分の1である。出力731(Tn+1/4)〜731(Tn+3/4)は順次この等分差で変化する。この出力補間機能によりゆらぎ信号の変化を滑らかにすることができる。
【0043】
図7のインターポーレータ635の出力631−1〜631−4は図7の調整回路645に入力される。
調整回路645では、ゆらぎの振幅及び輝度の調整は外部から任意の値が設定され、それに対応する値になるようにデジタル演算が施され、出力641−1〜641−4となる。
【0044】
図7の調整回路645の出力641−1〜641−4はそれぞれNビットの値であり、パルス幅変調回路655に入力される。パルス幅変調回路655ではそれらの値をそれぞれパルス幅変調された出力651−1〜651−4に変換する。
【0045】
パルス幅変調回路655の動作について図9で説明する。
図9は図7のパルス幅変調回路655の入力641−1と出力651−1を例としてグラフに表したものであり、入力841が図7の641−1に、出力851が図7の651−1に相当する。
入力841はNビットの値であり、0〜2^−1の範囲の値で入力される。その変化のタイミングは図8に示すようにT〜Tn+mのそれぞれの中間の時間的タイミングとし、入力841はT〜Tn+mのそれぞれのタイミングで取り込まれるとする。
【0046】
出力851は、「0」と「1」の2値のみのパルスであり、T〜Tn+1、Tn+1〜Tn+2の区間を周期とする。これらの周期はどの区間においても任意の一定値とする。
図9における入力841(T)の値の取り得る範囲は、0〜2^−1であり、出力851(T)の値が周期区間T〜Tn+1で「1」を占める時間は「数1」で表せる。
【0047】
【数1】

【0048】
区間T〜Tn+1内の「1」値の占める時間851(T)が、図7のLED675−1〜975−4を点灯させる時間に相当し、その時間は区間T〜Tn+1内で最少(Tn+1−T)/2^〜最大(Tn+1−T)変化することになる。
【0049】
図7のパルス幅変調回路655の出力651−1〜651−4が定電流駆動回路665に入力され、その電流出力661−1〜661−4がそれぞれLED675−1〜975−4を上述の「数1」で定義される時間だけ周期的に点灯させる。
【0050】
周期が人の目には認識できない程の短い時間の場合、上述の方法によって、周期的に異なる時間分だけLEDを点灯させることで点灯の明るさをゆらぎとして変化させることができる。
【0051】
このことにより、図7の複数出力の乱数発生回路615の出力611−1〜611−4は、デジタルフィルタ625、インターポーレータ635、調整回路645、パルス幅変調回路655、定電流駆動回路665を経由して、LED675−1〜675−4を1/fゆらぎで点灯させることができる。
【0052】
請求項5は請求項1に係る複数段のLFSRで構成された複数出力の乱数発生回路において、図1の加算器21−1〜21−Kに入力される各LFSRの任意のビットの位置を任意の時間差が生じる配置、例えば図10に示すように、加算器21−1にはLFSR11−1〜11−MのそれぞれのビットL−1、加算器21−2にはLFSR11−1〜11−MのそれぞれのビットL−2と順次時系列的に一定時間遅延するビットを選び接続することで、出力31−1〜31−Kが時系列的に遅延するような連動を実現できる。つまり、複数のLEDのそれぞれの点灯の明るさを時間差をもって変化させる効果を得る。
【0053】
請求項6は請求項5に絡む複数の1/fゆらぎ信号発生回路の出力をもって、図7の定電流駆動回路665のそれぞれの電流出力661−1〜661−4に発光色の異なるLEDを接続し、時間差連動したゆらぎでイルミネーションを行う技術である。
【発明の効果】
【0054】
請求項1の記載の発明によれば、複数段のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)で構成された複数出力の乱数発生回路において、各LFSRの任意のレジスタ(ビット)の値を複数の加算器で加算し、それぞれの加算器の出力をシリアル−パラレル変換器に入力し、パラレルビットの値として、複数の乱数値を同時に出力する乱数発生回路としているので、少数段数のLFSRによる乱数発生機構から多数の独立した乱数系列を得ることができる。
【0055】
請求項2の記載の発明によれば、請求項1の複数の出力の乱数出力をそれぞれ単一ビットのパルス長として得る回路であり、請求項1の記載のパラレル出力化の為のシフトレジスタを必要とせず、請求項4の記載のデジタルフィルタと相まって回路規模を縮小できる効果がある。
【0056】
請求項3の記載の発明によれば、請求項1記載の発明である複数出力の乱数発生回路と組合せて、複数のそれぞれ個別のゆらぎを発生する1/fゆらぎ信号を発生できる。
【0057】
請求項4は請求項2記載の発明である複数の出力の乱数出力をそれぞれ単一ビットのパルス長として出力する回路と組み合わせて、複数のそれぞれ個別のゆらぎを発生する1/fゆらぎ信号を発生でき、請求項1記載の発明と請求項3記載の発明の組合せによる1/fゆらぎ信号発生回路よりも規模を縮小できる効果がある。
【0058】
請求項5記載の発明によれば、平面基板或いは立体的ベースに並べられた白熱電球やLED素子等の発光素子の光が平面的に或いは立体的に移動して見える“炎のゆらぎ”的な発光によるイルミネーション効果を作り出すことができる。
【0059】
請求項6記載の発明によれば、異なる色の白熱電球やLED素子等の発光素子の発光色のゆらぎによる組み合わせでイルミネーション効果を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明である複数出力が可能な1/fゆらぎ発生回路のブロック図である。
【図2】従来の技術としての単一段のLFSRによる1/fゆらぎ発生回路のブロック図である。
【図3】従来の技術としてのGold系列による1/fゆらぎ発生回路のブロック図である。
【図4】デジタルフィルタの入出力を説明する為の図である。
【図5】単一ビットのパルス長としての乱数出力回路による1/fゆらぎ発生回路を説明する為のブロック図である。
【図6】単一ビットのパルス長を入力するデジタルフィルタの入出力を説明する為の図である。
【図7】本発明を適用したLED照明の制御の一実施の形態を示すブロック図である。
【図8】図7のインターポーレータの入出力を説明する為の図である。
【図9】図7のパルス幅変調回路の入出力を説明する為の図である。
【図10】複数の1/fゆらぎ信号が時系列的に遅延するような連動を実現する為の配線を説明する為のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)で構成されたGold系列の乱数発生回路において、各LFSRの任意のビットの値を複数の加算器で加算し、それぞれの加算器の出力を複数ビットのシフトレジスタに入力し、パラレルビットの値として、複数の乱数値を同時に出力する乱数発生回路。
【請求項2】
請求項1の複数の乱数出力がそれぞれの値に相応する単一ビットのパルス長出力として複数出力される乱数発生回路。
【請求項3】
請求項1の複数の乱数出力をそれぞれに対応する、積分関数の伝達特性をもつ複数のデジタルフィルタに入力し、複数の個々異なる1/fゆらぎ信号を同時に発生する回路。
【請求項4】
請求項2の複数の乱数出力がそれぞれの値に相応する単一ビットのパルス長出力に対応するために、パルスが値「0」の場合と値「1」の場合に任意にその値を特定のパラレルビットの値として変換し、その値をそれぞれ、積分関数の伝達特性をもつ複数のデジタルフィルタに入力し、複数の個々異なる1/fゆらぎ信号を同時に発生する回路。
【請求項5】
請求項1の複数段のLFSR(リニアフィードバックシフトレジスタ)で構成されたGold系列の乱数発生回路において、各LFSRの任意のビットの位置を、複数の乱数出力に相関関係を持たせるように設定することにより、それぞれの出力に接続された白熱電球やLED等の駆動回路を時間差連動で駆動し、平面基板上に平面に並べられた或いは立体的ベースの上に立体的に並べられた白熱電球やLEDの光が平面的或いは立体的に移動する“炎のゆらぎ”的な発光によるイルミネーション効果を作り出す回路や機器。
【請求項6】
請求項5に係る複数の異なる1/fゆらぎ信号を出力することにより、それぞれの出力に異なる発光色の白熱電球やLED等の発光素子を接続し、発光色のゆらぎによる組み合わせでイルミネーション効果を作り出す回路や機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−97545(P2011−97545A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266794(P2009−266794)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(508366363)合同会社リーデ (1)
【Fターム(参考)】