説明

2つの内レース及び内レースの分離継ぎ目を密封する密封装置を持つ転がり軸受

本発明は、少なくとも1つの外レース(2)及び複数部分から成る内レース(3,4)を持つ転がり軸受(1)であって、外レースと内レースとの間に転動体(5,6)が設けられ、隣接する2つの内レース(3,4)がその互いに向き合う軸線方向端面(25,26)で互いに当接し、内レース(3,4)の互いに向き合う端面(25,26)の範囲にある凹所(14,15)により形成されるこれら内レース(3,4)の共通な環状溝(16)に、密封環(12)が設けられているものに関する。安価にかつ材料を節約して製造可能で確実に密封を行う密封装置をこの転がり軸受において実現するため、本発明は、共通な環状溝(16)が、断面で見てその底(13)の範囲において、環状溝(16)の半径方向外側範囲におけるより大きい軸線方向長さを持っているようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの外レース及び複数部分から成る内レースを持つ転がり軸受であって、外レースと内レースとの間に転動体が設けられ、隣接する2つの内レースがその互いに向き合う軸線方向端面で互いに当接し、内レースの互いに向き合う端面の範囲にある凹所により形成されるこれら内レースの共通な環状溝に、密封環が設けられているものに関する。
【背景技術】
【0002】
このような転がり軸受は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19935104号明細書から公知である。この転がり軸受は4列円錐ころ軸受として構成され、軸受の複数の内レースと複数の外レースとの間に設けられている。円錐ころ軸受は、軸線方向及び半径方向に作用する密封手段を持ち、半径方向に作用する密封手段が、端面で互いに当接する2つの内レースの間の間隙を密封している。
【0003】
複数の実施例において密封環は、常に両方の内レースの半径方向内側で、両方の内レースの互いに向き合う端面の範囲にある凹所によって形成される共通な環状溝に設けられている。密封環を受入れるためこれらの凹所により形成される共通な環状溝は、それぞれ四角形の断面形状を持っている。
【0004】
軸受の内部空間と周囲との間の圧力平衡も可能にせねばならないか又はその換気を可能にする所望の密封特性を得るため、実施例において異なる構成を持つ密封環は、それぞれ1つの金属締付け素子を含み、この締付け素子が、環状溝を形成する内レースの方へ密封環に半径方向押圧力を及ぼして、この密封環を環状溝内に固定し、かつ圧力平衡を可能にする。その点で公知の密封環は、その構造のため転がり軸受の内部空間の気密を可能にしない比較的高価なゴム−金属部材である。
【0005】
国際公開第97/42425号明細書から更に2列円錐ころ軸受が公知であり、車両の車輪ボスに車輪軸受として組込まれている。この円錐ころ軸受の2つの部分から成る内レースは、車軸の範囲から例えば油のような望ましくない物質の侵入に対して、両方の内レースの互いに接する端面を覆いかつ軸受内部空間に設けられる密封装置により保護される。この密封装置は2つのOリングから成り、それぞれ1つのOリングがそれぞれの内レースの外周にある環状溝に設けられている。両方のOリングは更に金属環により包囲され、この金属環がOリングを対応する内レースへ密封するように押付ける。
【0006】
それと対比可能な構造を、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3915624号明細書から公知の4列転がり軸受が示しているけれども、そこではOリングではなく異なる構成の密封手段が使用されて、内レースにある断面が直角の共通な環状溝へ挿入され、板環により保持されている。
【0007】
最後にドイツ連邦共和国特許出願公開第3921381号明細書から2列転がり軸受が公知であり、複数部分から成る内レース及び外レースを持っている。この転がり軸受では外レースが間隔環により軸線方向に互いに隔てられ、内レースは断面U字状の取付け環により互いに結合され、取付け環の脚辺は内レースにある周囲溝にはまっている。
【0008】
端面で互いに当接する2つの内レースを持つ今まで公知の転がり軸受は、転動体用受入れ空間の不充分な密封しか行わないのが、意に反して潤滑剤が転がり軸受から流出し、異物が進入する可能性がある。両方の場合転がり軸受の特性の悪化及び寿命の短縮が考えられる。若干の実施形態では両方の内レースの不充分な軸線方向相互締付けが不充分なので、その端面の間の分離継ぎ目の範囲において、異物がそこに設けられる密封片を乗り越えることができる。他の実施形態において、別個の板環又はゴム材料に合体される板環により、密封片が密封目的にとって充分な効果で内レースへ押付け可能である場合、この密封片は製造が比較的高価であると判断される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これから出発して本発明の基礎になっている課題は特に2つの内レースの間の端面の分離継ぎ目の範囲で異物の侵入及び/又は潤滑剤の流出に対して内部空間を気密に密封される転がり軸受を提供することである。その際転がり軸受が、密封装置に関して技術的に簡単であり、かつ有利な製造費の実現のためできるだけ僅かな個別部分を持っているようにする。
【0010】
転がり軸受が幾何学的に特別に構成される共通な受入れ溝を持ち、この受入れ溝が転がり軸受の内レースの互いに当接する端面の範囲に形成され、受入れ溝の特別な形状のため、密封環が自己保持しかつ自己密封するようにこの受入れ溝に受入れられる、という認識が本発明の基礎となっている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、与えられた課題は、少なくとも1つの外レース及び複数部分から成る内レースを持つ転がり軸受であって、外レースと内レースとの間に転動体が設けられ、隣接する2つの内レースがその互いに向き合う軸線方向端面で互いに当接し、内レースの互いに向き合う端面の範囲にある凹所により形成されるこれら内レースの共通な環状溝に、密封環が設けられているものにより解決される。
【0012】
更に本発明によれば、共通な環状溝が、断面で見てその底の範囲において、環状溝の半径方向外側範囲におけるより大きい軸線方向長さを持っている。
【0013】
従って本発明によれば、材料を節約して簡単に製造されかつ共通な環状溝のみによって、気密に密封しかつ自己保持する密封装置が転がり軸受に形成され、異物の侵入及び/又は内レースの互いに当接する端面を経て転動体が設けられている転がり軸受の空間へ又はこの空間からの潤滑剤の移動が、僅かな費用で確実に防止される。
【0014】
同じ有利な作用及び効果で、適当な反転で、本発明は2部分から成る外レースにおいても実現される。
【0015】
凹所の少なくとも1つ特に両方の凹所に、アンダカットが形成されているのが特に好ましい。密封環の組込みの際、このアンダカット又はこれらのアンダカット内で密封環が密封するように形成することができる。
【0016】
更に共通な環状溝が、断面で見て底の範囲において、その半径方向開口の範囲におけるより大きい軸線方向長さを持っているのがよい。
【0017】
これに関して転がり軸受の別の特徴は、共通な環状溝の狭くされた半径方向開口が、半径方向外側にあって軸線方向に向けられる環状突片により、内レースの凹所に形成されていることである。
【0018】
本発明による転がり軸受の別の有利な特徴は、密封環を受入れる共通な環状溝を形成するそれぞれの内レースの端面の範囲に、凹所がそれぞれ異なるように形成され、即ち異なる軸線方向及び半径方向長さ又は深さを持っている。この構造により特に異なる軸線方向長さの場合、両方の内レース上または共通な環状溝内への押しはめが容易になり、これについて具体的実施例に関して後述される。
【0019】
更に特に提案されているように環状溝の形状と共同作用する密封環の断面形状が援助するように作用する。
【0020】
少なくとも凹所の範囲で、密封環が内レースに接触し(この場合特に接触面がアンダカットの範囲に設けられている)、密封環の少なくとも1つの軸線方向端面が、密封環を共通な環状溝へ挿入する前に少なくとも接触範囲特にアンダカットの範囲に、半径方向外方へ延びる平らな面を持っているのが特に好ましい。
【0021】
更に密封環の両方の軸線方向端面が、密封環を共通な環状溝へ挿入する前に接触する範囲に、半径方向外方へ延びる平らな面を持っているようにすることができる。
【0022】
別の特徴は、密封環の端面で半径方向外方へ延びる平らな面が、同じ内レースにあるアンダカット又はアンダカットされた環状突片より少し大きく半径方向外方へ延びていることである。
【0023】
密封環の材料選択に関して、密封環がゴム弾性材料から成っているのがよい。それによりアンダカットへの密封環の特によいなじみが得られる。
【0024】
密封環のこの提案された形状は、共通な環状溝の本発明による形状との共同作用で、一方では非常によい密封特性を生じ、他方では環状溝内におけるその自己保持を行うので、最初にあげた公知の転がり軸受とは異なり、密封環を半径方向において包囲する付加的な板環又は金属環を一体化された密封環を使用する必要がない。
【0025】
両方の内レースを互いに軸線方向に止めるため、軸受内部空間から離れるように向く内レースの側にクランプ状板環が取付け可能であり、互いに当接する内レースの環状溝へ半径方向にはまっている。
【0026】
本発明による転がり軸受の構造において具体的な実施形態では、密封環が、右の環状突片及び左の環状突片を持つ半径方向内側区域と、右の環状突片及び左の環状突片を持つ半径方向外側区域とを持ち、これらの環状突片の間に、それぞれ1つの右及び左の溝に類似な狭隘部が形成され、半径方向内側環状突片の大部分が、隣接する内レースの端面の凹所へ軸線方向に挿入されている。半径方向内側環状突片の凹所から突出する部分を更に設けることができる。
【0027】
本発明により構成される転がり軸受の実施形態によれば、転がり軸受が、O配置又はX配置の傾斜した転動体を持つ複列円錐ころ軸受として構成され、かつ少なくとも1つの外レース(2つの外レースを設けることもできる)及び2つの内レースを持ち、内レースが環状クランプにより軸線方向に保持されている。環状クランプがU字状断面を持ち、そのそれぞれの脚辺が、それぞれの内レースの転動体から遠い方にある側及び密封環から遠い方にある側で、それぞれ1つの周囲溝へ挿入されているのがよい。
【0028】
クランプの材料選択に関して、クランプが金属材料から成っているのがよい。
【0029】
端面で当節する2つの外レース及びそこに設けられるか又は構成される密封片を持つ転がり軸受の別の構成も、同様に技術的に可能である。その場合クランプは両方の外レースの半径方向外側に取付けられて、これらの外レースを互いに止める。
【0030】
最後に指摘しておくことは、本発明による転がり軸受が、転動体用受入れ空間を軸線方向に密封する公知の密封手段を利用できることである。
【0031】
本発明が、添付図面により実施例について以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 2列円錐ころ軸受の概略断面図を示す。
【図2】 密封環を受入れるため図1の細部Zによる円錐ころ軸受の環状溝を示す。
【図3】 密封環の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1に示す転がり軸受1は2列円錐ころ軸受として構成されているが、少なくとも1つの外レース2及び端面で密に当接する2つの内レース3,4を持つ別の種類の転がり軸受であってもよい。
【0034】
これらのレース2,3,4により形成されて、ゴム及び板構造の公知の密封手段9,10により異物の侵入及び潤滑剤の流出を防止されて軸線方向に密封されている受入れ空間27内に、円錐ころとして構成される転動体5,6が設けられ、各列の転動体5,6は別個の保持器7,8内に保持されている。
【0035】
両方の内レース3,4は、その互いに向き合う端面25,26の範囲で、半径方向内側に、従って転動体5,6用転動路から離れた所に、それぞれ半径方向溝を持ち、これらの半径方向溝へ環状クランプ11としてU字状板環の脚辺が挿入されている。このクランプ11は両方の内レース3及び4をほぼ軸線方向に互いに結合しているので、これらの内レースは、円錐状転動体5,6の軸線方向力成分の作用を受けても、互いに離れるように動くことができない。
【0036】
特に図1の範囲Zの部分拡大が図2において明らかにするように、半径方向にクランプ11により上で両方の内レース3及び4の対向する半径方向外側に、従って転動体5及び6を受入れる受入れ空間27内で内レース3,4の互いに向き合う端面25,26の範囲に、軸線方向に異なる長さのそれぞれ1つの凹所14又は15が形成され、図3に示す密封環12を受入れる共通な環状溝16を形成している。
【0037】
図2から明らかなように、共通な環状溝16は、その半径方向内側の底3の範囲に、半径方向外側範囲において狭くされる開口より大きい軸線方向長さを持っている。共通な環状溝16の前記の狭い個所は、凹所14又は15の半径方向外方へ延びる端部にあって軸線方向にアンダカットされるそれぞれ1つの環状突片17又は18により形成される。
【0038】
図3は密封環12の構成を示している。
【0039】
図3に示すように、密封環12は、断面がほぼ四角形の形状を持ち、両側に軸線方向狭隘部19,20を持っている。それにより密封環12において、右のまっすぐな環状突片21及び左のまっすぐな環状突片22を持つ半径方向内側区域と、右の環状突片22及び左の環状突片24を持つ半径方向外側区域とが形成される。
【0040】
密封環12の半径方向内側のまっすぐな軸線方向環状突片21及び22により、密封環12は、非常によく密封しかつ失われないように、内レース3,4の凹所14,15又は内レース3,4のアンダカットされる環状突片17,18のアンダカット30,31へ挿入されることができ、その際その半径方向下の範囲において、密封環12のまっすぐな接触面が、それぞれのアンダカット30,31へ、密封しかつ自己保持するようになじむ。更に密封環12の端面にあって半径方向外方へ延びる平らな面21,22は、少なくとも一部だけ、アンダカット30,31より半径方向外方へ更に突出している。
【0041】
両方の内レース3及び4がクランプ11により互いに結合されるよりなるべく前に、密封環12の挿入が行われるので、内レース3の軸線方向に長い底区域が、転がり軸受1の引続く組立て段階のため内レース3上へ軸線方向に押しはめた後の密封環12に、確実な保持を与える。
【0042】
それから第2の内レース4が、その端面25を内レース3の端面26へ当てられ、クランプ11の挿入により軸線方向に止められると、密封環12は共通な環状溝16内に失われないように存在する。なぜならば、環状溝16の下の範囲において、密封環12の半径方向内側の軸線方向環状突片21,22が、その平らな面37,38で、内レース3,4に形成されるアンダカット30,31又は内レース3,4の環状突片17,18へなじむからである。
【0043】
転がり軸受1の上述した構造は、特にその密封装置に関して、両方の内レース3,4の互いに当接する端面25,26の間の間隙を通って、転動体5,6用受入れ空間へ異物が侵入し、また潤滑剤がこの受入れ空間から漏れるのを、材料を節約しながら比較的少ない技術的出費で確実に防止する。
【0044】
転がり軸受1が商用車両の後車軸にある車輪軸受として使用される具体的な使用事例において、転動体用受入れ空間27へ後車軸伝動装置から油が侵入するのを確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 転がり軸受
2 外レース
3 第1の内レース
4 第2の内レース
5,6 転動体
7,8 保持器
9,10 軸線方向密封手段
11 環状室
12 密封環
13 密封溝16の底
14 内レース3にある凹所
15 内レース4にある凹所
16 共通な環状溝
17 内レース4にあるアンダカットされた環状突片
18 内レース3にあるアンダカットされた環状突片
19 密封手段又は密封環12にある右の狭隘部
20 密封手段又は密封環12にある左の狭隘部
21 密封環12の半径方向内側にある右のまっすぐな環状突片
22 密封環12の半径方向内側にある左のまっすぐな環状突片
23 密封環の半径方向外側にある右の環状突片
24 密封環の半径方向外側にある左の環状突片
25 内レース4の端面
26 内レース3の端面
27 転動体用の受入れ空間
30 内レース3又はアンダカットされた環状突片18にあるアンダカット
31 内レース4又はアンダカットされた環状突片17にあるアンダカット
32 密封環12に対する内レース3の接触部又は接触面
33 密封環12に対する内レース4の接触部又は接触面
35 密封環12の第1の軸線方向端面
36 密封環12の第2の軸線方向端面
37 端面35にあって半径方向外方へ延びる平らな面
38 端面36にあって半径方向外方へ延びる平らな面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの外レース(2)及び複数部分から成る内レース(3,4)を持つ転がり軸受(1)であって、外レースと内レースとの間に転動体(5,6)が設けられ、隣接する2つの内レース(3,4)がその互いに向き合う軸線方向端面(25,26)で互いに当接し、内レース(3,4)の互いに向き合う端面(25,26)の範囲にある凹所(14,15)により形成されるこれら内レース(3,4)の共通な環状溝(16)に、密封環(12)が設けられているものにおいて、共通な環状溝(16)が、断面で見てその底(13)の範囲において、環状溝(16)の半径方向外側範囲におけるより大きい軸線方向長さを持っていることを特徴とする、転がり軸受。
【請求項2】
凹所(14,15)の少なくとも1つ特に両方の凹所(14,15)に、アンダカット(30,31)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
共通な環状溝(16)が、断面で見て底(13)の範囲において、その半径方向開口の範囲におけるより大きい軸線方向長さを持っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項4】
共通な環状溝(16)の狭くされた半径方向開口が、半径方向外側にあって軸線方向に向けられる環状突片(17,18)により、内レース(3,4)の凹所(14,15)に形成されていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項5】
少なくとも凹所(14,15)の範囲で、密封環(12)が内レース(3,4)に接触(32,33)し、密封環(12)の少なくとも1つの軸線方向端面(35,36)が、密封環(12)を共通な環状溝(16)へ挿入する前に少なくとも接触範囲に、半径方向外方へ延びる平らな面(37,38)を持っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項6】
密封環(12)の両方の軸線方向端面(35,36)が、密封環(12)を共通な環状溝(16)へ挿入する前に接触する範囲に、半径方向外方へ延びる平らな面を持っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項7】
密封環(12)が、右の環状突片(21)及び左の環状突片(23)を持つ半径方向内側区域と、右の環状突片(23)及び左の環状突片(24)を持つ半径方向外側区域とを持ち、これらの環状突片(21,22;23,24)の間に、それぞれ1つの右及び左の狭隘部(19,20)が形成され、半径方向内側環状突片(21,22)の大部分が、隣接する内レース(3,4)の端面の凹所(14,15)へ軸線方向に挿入されていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項8】
密封環(12)がゴム弾性材料から成っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項9】
転がり軸受(1)が、O配置又はX配置の傾斜した転動体(5,6)を持つ複列円錐ころ軸受として構成され、かつ少なくとも1つの外レース(2)及び2つの内レース(3,4)を持ち、内レース(3,4)が環状クランプ(11)により軸線方向に保持されていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項10】
特に金属材料から成る環状クランプ(11)がU字状断面を持ち、そのそれぞれの脚辺が、それぞれの内レース(3,4)の転動体から遠い方にある側及び密封環から遠い方にある側で、それぞれ1つの周囲溝へ挿入されていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項11】
それぞれの内レース(3,4)の端面にある凹所(14,15)が、異なる軸線方向及び/又は半径方向長さ又は深さを持っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。
【請求項12】
転がり軸受(1)が、転動体(5,6)用受入れ空間(27)を軸線方向に密封する密封手段(9,10)を持っていることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−540253(P2009−540253A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516869(P2009−516869)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000977
【国際公開番号】WO2007/140750
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(506420843)シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Fターム(参考)】