説明

2,2,4−三置換−1,3−ジオキソラン抗菌・抗カビ剤

【課題】抗微生物性を有し、且つカンジダアルビカンス(Candida albicans)の成育阻害に有効な1,3−ジオキソラン類抗菌・抗カビ剤の提供。
【解決手段】


式(I)で表される化合物、または該化合物のN−オキシド、薬学的に許容される酸付加塩もしくは立体化学的異性体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規2,4,4−三置換−1,3−ジオキソラン抗菌・抗カビ剤(antifungals)およびそれらの製法;更にそれらを含む組成物、並びにそれらの医薬としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は抗微生物性を有し、且つカンジダ アルビカンス(Candida albicans)の成育阻害に有効な2,2,4−三置換−1,3−ジオキソラン類を開示する。本発明の化合物類は、1,3−ジオキソラン環の置換形式に依ってそれらとは構造的に異なっている。
【0003】
特許文献2は抗菌・抗カビ活性を有するとされる2,4,4−三置換−1,3−ジオキソラン誘導体を開示する。本発明化合物は1,3−ジオキソラン環の2位における4−(4−フェニルピペラジニル)フェノキシメチル部分上の置換基の性質に依って、それらとは構造的に異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP−A−0,118,138
【特許文献2】WO88/05048
【発明の概要】
【0005】
本発明化合物は多様なカビ類、特に皮膚糸状菌類に対して有効であることが見出された。
【0006】
本発明は下式の新規化合物、
【0007】
【化1】

【0008】
またはそのN−オキシド、薬学的に許容される酸付加塩もしくは立体化学的異性体に関し、式中
nは0、1、2または3であり;
XはNまたはCHであり;
各Rは独立してハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、C1−4アルキル基、C1−4アルキルオキシ基、またはトリフルオロメチル基であり;
は水素;C3−7アルケニル基、C3−7アルキニル基、アリール基、C3−7シクロアルキル基、C1−6アルキル基またはヒドロキシ基、C1−4アルキルオキシ基、C3−7シクロアルキル基もしくはアリール基により置換されたC1−6アルキル基であり

およびRはそれぞれ独立して水素、C1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基またはアリール基であるか、あるいはRおよびRは一緒になって、式:
【0009】
【化2】

【0010】
ここで、R5a、R5b、R5c、R5dはそれぞれ独立して水素、C1−6アルキル基またはアリール基であり、そしてアリール基はフェニル基またはハロ、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、C1−4アルキル基、C1−4アルキルオキシ基もしくはトリフルオロメチル基から選ばれた1、2、または3個の置換基で置換されたフェニル基である、の−R−R−の2価の基を形成する。
【0011】
上記および以後に特定されたハロゲンの用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を示し;C1−4アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、2−ブチル基、2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルエチル基等の様な炭素原子1から4個を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を示し;C1−6アルキル基はC1−4アルキル基を初めとし、例えばペンチル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基等の様な炭素数5または6個を有するそれらの高級同族体を包含しなければならず;C3−6アルキル基は、例えばプロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルエチル基、ペンチル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基等の様な炭素原子3から6個の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を示し;C3−7アルケニル基は例えば2−プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−へキセニル基、2−へプテニル基等の様な二重結合1個を有し、炭素原子3から7個を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基等を示し;窒素原子に結合した前記C3−7アルケニル基の炭素原子は、好ましくは飽和されており;C3−7アルキニル基は例えば2−プロピニル基、3−ブチニル基、2−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−メチル−2−ブチニル基、2−へキシニル基、2−へプチニル基等の様な三重結合1個を有し、炭素原子3から7個を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を示し;窒素原子に結合した前記C3−7アルケニル基の炭素原子は、好ましくは飽和されており;C3−7シクロアルキル基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基の総称である。
【0012】
上記した薬学的に許容される酸付加塩は、式(I)の化合物が形成出来る治療的に有効な非毒性酸付加塩形態からなることを意味する。後者は塩基形態を無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸;硫酸;硝酸;リン酸等;または例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、(Z)−2−ブテン二酸、(E)−2−ブテン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−1、2,3−プロパン三カルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸等の様な適当な酸類で処理することに依って都合よく得られる。逆に、塩形態はアルカリで処理することにより遊離塩基形態に転換できる。
【0013】
付加塩の用語は式(I)の化合物が形成可能な水和物および溶媒付加形態をも含んでなる。この形態の例は、例えば水和物、アルコラート等である。
【0014】
本発明化合物のN−オキシド形態は1個または数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化された式(I)の化合物からなることを意味する。
【0015】
以降のすべてに用いられる用語「式(I)の化合物」は、それらのN−オキシド形態、それらの薬学的に許容される酸付加塩、およびそれらの立体化学的な異性体形態も含むことを意味する。
【0016】
化合物中の興味深い群は以下の1つ以上の条件が適用される式(I)の化合物である:1)nが1または2であり;
2)Rがハロであり;
3)RがC3−7シクロアルキル基またはC1−6アルキル基であり;
4)Rが水素またはC1−6アルキル基であり、そしてRが水素またはC1−6アルキル基であるか、あるいは;RとRとが式(a)、(b),(c),(d)または(e)の二価基−R−R−を形成し、かつそれらのRが水素またはC1−6アルキル基である。
【0017】
興味深い化合物はnが1または2であり、そして各Rが独立してハロであり、またより特別にはnが2であって、特にフッ素原子がフェニル環の2−および4−位に結合している双方のRがフッ素である式(I)の化合物である。
【0018】
同様に興味深いのは、XがNである式(I)の化合物である。
【0019】
その他の興味深い化合物は式(I)における、RとRとが式(a),(b),(c),(d)または(e)の二価基−R−R−を形成し、ここでR5a、R5b、R5c、R5dがそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基であり、特に−R−R−が式(c)の基であり、ここでR5aおよびR5bが水素であり、そしてR5cとR5dがそれぞれ独立して水素またはC1−6アルキル基であるか;または式(d)のR5aおよびR5bがC1−6アルキル基である基;または式(e)のR5aがC1−6アルキル基である基の式(I)の化合物である。
【0020】
更に別途に興味深い化合物群は式(I)におけるRがC3−7シクロアルキル基またはC1−6アルキル基であり、特にRがC1−6アルキル基であり、好ましくはアルキル鎖がα位で分岐するC3−6アルキル基である、式(I)の化合物である。前記の好ましいアルキル鎖は例えば1−メチルエチル基および1−メチルプロピル基を含む。
【0021】
好ましい化合物群は式(I)における1,3−ジオキソラン環の4位に結合したフェニル環が2,4―ジフルオロフェニル環であり;そしてRおよびRが式(c)の二価基−R−R−であって、式中R5aとR5bが共に水素であり、R5cとR5dが共にC1−6アルキル基であり;そしてRがC1−6アルキル基である、式(I)の化合物である。
【0022】
式(I)の化合物中好ましい化合物群は、1,3−ジオキソラン環の置換基がシス配置、特に鏡像異性体的に純品のシス異性体である。
【0023】
式(I)の化合物中より好ましい化合物は、1,3−ジオキソラン環の4−位に結合したフェニル環が2,4―ジフルオロフェニル環であり;RおよびRが式(c)の二価
基−R−R−を形成し、かつ式中R5a、R5b、R5cおよびR5dが水素であり、そしてRがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、1−メチルエチル基または1−メチルプロピル基、特に1−メチルエチル基である。
最も好ましくは、
1−(4−(4−(4−((4−(2,4―ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノン;そのN−オキシド、薬学的に許容される酸付加塩および立体化学的異性体である。
【0024】
以下の文節に於いて、式(I)の化合物の異なった製法を述べる。式(I)の化合物および、それらの製造に介在する中間体の構造式を簡略化する為に、2,4,4−三置換部分は以後記号Tで表す。
【0025】
【化3】

【0026】
式(I)の化合物は好都合には、式(III)の適当に置換されたフェノールを、式(II)のアルキル化剤に依るO−アルキル化で製造される。式(II)中および以降、Wは例えばハロまたはスルホニルオキシ基の様な適当な反応性脱離基を表す。
【0027】
【化4】

【0028】
前記O−アルキル化反応は好都合には適当な塩基の存在下に、適当な不活性溶媒中で、任意に例えば酸素不含のアルゴンまたは窒素ガスの様な不活性雰囲気中で行うことが出来る。適当な溶媒は例えば炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルカノール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、双極性非プロトン性溶媒またはこれらの溶媒の混合物である。反応経過中に遊離される酸は適当な塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等;またはアミン例えばトリエチルアミンに依って捕捉してよい。場合に依っては置換されたフェノール(III)は、先ずその金属塩、例えば水素化ナトリウム等の様な金属塩基と(III)との反応に依ってナトリウム塩に変換され、前記金属塩は、次いで(II)との反応に用いられる。反応混合物は反応速度を促進する為に、撹拌し、加熱してもよい。
【0029】
本方法および以下の製法に於いて、反応生成物は媒体から単離されてよく、もし必要なら更に例えば抽出、結晶化、粉砕およびクロマトグラフィーの様な当該技術分野に通常公知の方法に依って精製される。
【0030】
或いは、前記O−アルキル化は相間移動触媒反応の当該技術分野に公知の条件を適用することでも行うことができる。前記条件は反応物を適当な塩基と共に、任意に上記に特定した不活性雰囲気中で、適当な相間移動触の存在下で撹拌することからなる。若干上昇させた温度は反応速度を促進するに適するであろう。
【0031】
式(I)の化合物は式(V)のアセタールと式(IV)の1,2―ジオールとを適当な反応に不活性の溶媒中で適当な酸触媒の存在下で撹拌することによるアセタール交換に依っても製造することができる。
【0032】
【化5】

【0033】
式(V)および以降に於いて、各Rは独立してアルキル基を表すか、または両基が一緒になって、例えば1,2−エタンジイル基、1,3−プロパンジイル基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基等の様な二価のアルカンジイル基を形成出来る。適当な酸触媒は、例えば塩酸および臭化水素酸、硫酸等、またはスルホン酸である。適当な反応に不活性な溶媒は、例えば芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル類またはこれらの混合物である。前記アセタール交換反応は好都合には約0℃からほぼ室温の温度範囲で行うことができる。しかしながら、場合に依っては、本反応は平衡を式(I)のアセタール方向へ移動させる為に、若干高められた温度で行うことができる。アセタール交換反応の経過中に遊離されるアルコールまたはジオールは、反応混合物より当該技術に公知の方法、例えば蒸留に依って除去できる。
【0034】
式(I)の化合物は式(VI)または(IX)の中間体を、それぞれ式(VII)または(VIII)のアミンと環化することに依っても得ることができる。
【0035】
【化6】

【0036】
前記環化反応は好都合には反応物を、場合によって反応に不活性の溶媒、例えば水、芳香族溶媒、アルカノール、ケトン、エステル、エーテル、双極性非プロトン性溶媒またはこの種の溶媒の混合物中で混合することにより行うことができる。適当な塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド等、または有機塩基、例えばトリエチルアミンの添加は、場合によって反応経過中に生成される酸を捕捉する為に用いてもよい。或る場合には、ヨウ化カリウムの様なヨウ化物;またはクラウンエーテル例えば1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカンの添加が適するかも知れない。撹拌および若干上昇させた温度は反応速度を促進する可能性がある。
【0037】
式(I)の化合物は、式(X)の化合物を式R−W(XI)、式中RおよびWは上記に特定したアルキル化剤に依るN−アルキル化でも得ることができる。
【0038】
【化7】

【0039】
式(I)の化合物中、Rが水素であって式(I−a)で表される化合物は、式(XVII)の中間体をイソシアナートR−N=C=Oと、反応に不活性の溶媒、例えばジクロロメタン中で反応させて製造できる。
【0040】
【化8】

【0041】
が水素、C1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基およびアリール基から選ばれる式(I)の化合物中、前記RがR4’で、前記化合物が式(I−b)で表される化合物は、式中Lが例えばフェノキシ基、トリクロロメトキシ基、クロロ基またはイミダゾリル基の様な適当な脱離基である、式(XVIII)の中間体と、中間体NHR4’とを反応に不活性の溶媒、例えばテトラヒドロフランまたはジクロロメタン中で、例えばトリエチルアミンの様な適当な塩基の存在下に反応させて製造出来る。R中に反応性アミノ基が存在する場合には、例えばC1−4アルキルオキシカルボニル基の様な保護基Pで保護される。適当には、反応性アミノ基は次いで当該技術に公知の脱保護技法を用いて脱保護して所望の式(I−b)の化合物に至り得る。
【0042】
【化9】

【0043】
式(I)の化合物は当該技術に公知の交換方法で相互に変換することができる。
【0044】
式(I)の化合物は、当該技術に公知の三価の窒素をそのN−オキシドに変換する方法で対応するN−オキシドに変換することもできる。前記N−酸化反応は、一般的には式(I)の出発物質を適当な有機または無機過酸化物と反応させることで行ってもよい。適当な無機過酸化物は、例えば過酸化水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムから成り;適当な有機過酸化物は、例えばベンゼンカルボペルオキソ酸またはハロ置換ベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロペルオキシド例えばtert−ブチルヒドロペルオキシドの様な過酸からなることができる。適当な溶媒は、例えば水、低級アルカノール類、例えばエタノール等、炭化水素、例えばトルエン、ケトン類、例えば2−ブタノン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、およびこの様な溶媒の混合物である。
【0045】
前記の製法で用いられる多数の中間体および出発物質は公知であり、一方その他は、前記または類似化合物の製法に公知の方法に従って製造出来る。中間体(II)の製造はWO88/050482開示されており、化合物(III)、(VII)および(IX)の製造は米国特許第4,619,931号、米国特許第4,861,879号および/またはEP−A−0,331,232号に記載されている。
【0046】
特に、式(II)の中間体は、式(IV)の中間体と式(XII)のアセタール類とより、式(IV)および(V)から式(I)の化合物の製法に上記されたアセタール交換方法(trans−acetalization)に従って製造出来る。アセタール化のジアステレオ選択性(diastereoselectivity)はWがヒドロキシ基を表す場合には、シス立体異性体に有利に進行出来る。
【0047】
【化10】

【0048】
式(IV)の中間体はアセタール(XIII)から1H−イミダゾールまたは1,2,4−トリアゾールのN−アルキル化、次いでアセタール(XIV)の酸性水性媒体中の加水分解に依って得ることができる。或いは、アセタール(XIII)の加水分解は1H−イミダゾールまたは1,2,4−トリアゾールによるN−アルキル化に先だって行っても良い。
【0049】
【化11】

【0050】
中間体(XIII)は順次式(XV)の2−プロパノン誘導体から適当な式(XVI)の置換グリニャール試薬に依る処理、次いで塩基の誘発するエポキシド形成および例えば塩化スズ(IV)の様なルイス酸の存在下にケトンのアセタール化に依って製造可能である。
【0051】
【化12】

【0052】
式(XVII)の中間体で式中Rが水素である化合物、式(XVII−a)で表される前記中間体は、式(XIX−a)の中間体で、式中NPが保護されたアミノ基であり、Pが例えばC1−4アルキルオキシカルボニル基、または例えばニトロ基の様なNP
の能的誘導体である化合物と式(II)の中間体とを、中間体(II)と中間体(III)との反応に記述されたと同様に反応させて製造できる。こうして得られた式(XIX−b)の中間体は当該技術に公知の脱保護方法に従って脱保護され得る。NPがニトロ基の場合、例えば活性炭を担体とするパラジウム触媒の存在下に水素を用いる還元を、式(XVII−a)の中間体を得るのに用いてもよい。式(XVII)の中間体で式中RがC1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基またはアリール基の場合、R3’で示されるRおよび式(XVII−b)で示される前記中間体は、式(XVII−a)の中間体と、中間体W−R3’との反応、またはR3’がメチル基の場合、パラホルムアルデヒドの様な機能的誘導体とナトリウムメタノラートとを、例えばメタノールの様に反応に不活性な溶媒中で、例えば水素化ホウ素ナトリウムの様な適当な還元剤の存在下の反応に依って製造できる。
【0053】
【化13】

【0054】
式(XVIII)の中間体は式(XVII)の中間体と、例えばクロル蟻酸フェニルエステルまたはクロル蟻酸トリクロロメチルエステル、ビス(トリクロロメチル)炭酸エステルの様なクロル蟻酸エステル、もしくは、例えば1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールの様なその機能的誘導体との反応に依って製造出来る。
【0055】
【化14】

【0056】
式(XVIII)の中間体およびその後に式(I−b)の化合物の製造を同じ反応混合物中で行うのが好都合であるかも知れない。
【0057】
上記に用いられた“立体化学的な異性体形態”の用語は、式(I)の化合物がとり得るすべての可能な異性体形態を特定している。式(I)から、本発明化合物がその構造中に少なくとも2個の、即ちジオキソラン核の2−位および4−位に位置する不斉炭素原子を有することが明らかである。置換基RからRの性質に依って、式(I)の化合物は第3番目またはそれ以上の不斉炭素原子を有する可能性がある。従って、式(I)の化合物には異なった立体化学的異性体形態で存し得る。特に指摘または指示がなければ、化合物の化学的名称はすべての可能な立体化学的異性体形態の混合物を示し、前記混合物は基本分子構造の全ジアステレオ異性体および鏡像異性体を含む。
【0058】
本明細書に示した化合物および中間体の純品な立体異性体形態は、前記化合物または中
間体の同じ基本分子構造の、その他の鏡像異性体またはジアステレオ異性体を実質的に含まない異性体として特定される。特に、「立体異性体的に純粋」の用語は少なくとも立体異性体的に80%を超える化合物または中間体に関する(即ち1個の異性体が最小量90%で、その他の可能な異性体が最大量10%であり)、立体異性体的に100%にまで(即ち1個の異性体が100%で、他方が含まれない)、より特別には、立体異性体的に90%を超えて100%にまで至る化合物または中間体であり、更に特別には立体異性体的に94%を超えて100%までを有し、最も特別には立体異性体的に97%を超えて100%までを有する。「鏡像異性体的に純品」および「ジアステレオ異性体的に純品」の用語は同様な態様にあると理解すべきであるが、問題とされる鏡像異性体的な過剰に関し、それぞれ混合物のジアステレオ異性体的な過剰を意味する。
【0059】
各不斉中心の絶対配置は立体化学の記述語RおよびSに依って示され、このRおよびSの記号は、Pure Appl.Chem.,1976,45,11−30に記載された規則に対応する。シスおよびトランスの用語はここではケミカル アブストラクツ(Chemical Abstract)命名法(J.Org.Chem.,1970,35(9),2849−に867)に従って用いられ、式(I)の化合物の環部分の置換基の位置、より特別にはジオキソラン環の置換基の位置に関する。例えば、ジオキソラン環のシスおよびトランス配置を確定する際に、ジオキソラン環の2位に存する炭素原子に最高の優先順位を有する置換基を、およびジオキソラン環の4位に存する炭素原子に最高の優先順位を有する置換基を考慮に入れた[置換基の優先順位はカーン−インゴールド−プレローグ(Cahn−Ingold−Prelog)配列規則に従って決定した]。前記2個の最高順位の置換基が環の同一面に存した際は、配置はシスと決定し、そうでなければ配置はトランスと決定した。
【0060】
例えば、実施例B.3以降に記載の化合物51、即ち(2S−シス)−1−[4−[4−[4−[[4−(2、4―ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−i−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノンの不斉炭素原子の絶対配置は以下に示すとおりである。従って、本化合物中のジオキソラン環の第2番炭素原子はSは位置を、第4番炭素原子はR配置を有する。
【0061】
【化15】

【0062】
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、技術上公知の方法を適用して得られる。例えば、鏡像異性体は光学的に活性の酸とのジアステレオ異性体塩の選択的結晶化に依ってお互いに分割され得る。或いは、鏡像異性体はキラル固定相を用いるクロマトグラフィー技術に依って分割可能である。前記の純粋な立体化学的異性体形態も、適当な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態から、反応が立体特異的に生じることを前提に誘導出来る。好ましくは、もしある特定の立体異性体が所望なら、前記化合物は立体特異的な製法に依って合成される。これらの方法は、好都合には鏡像異性体的に純粋
な出発物質を用いる。式(I)の化合物の立体化学的異性体形態は、明らかに本発明の範囲内に含まれるものと意図されている。
【0063】
式(I)のジアステレオラセミ体は通常の方法で別個に得られる。有利に用いられる適当な物理的分離方法は、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー,例えばカラムクロマトグラフィーである。
【0064】
立体化学的配置が既に多くの中間体化合物で確定しているから、例えば式(II)、(VI)、(VIII)および(X)の中間体、および若干のそれらのそれぞれの前駆体では、これらの段階の1つでシスおよびトランス形態に分離可能である。この種の中間体のシスおよびトランス形態への分離は、式(I)の化合物のシスおよびトランス形態の分離の為に上記した通常の方法に依って行える。(I)の対応するジアステレオ形態は、先に示した方法で、これらから導かれる
シスおよびトランスラセミ体は、更にそれらの光学的異性体、それぞれシス(+)およびシス(−)、トランス(+)およびトランス(−)異性体に、公知方法の適用に依って分割され得る。上記した中間体および/または化合物に更に不斉中心が存する場合、得られた立体異性体の混合物は、先に示された方法に依って更に分割され得る。好ましくは、もし特定の立体化学的形態が所望なら、前記化合物は立体選択的な製法に依って合成され、好都合には鏡像異性体的に純粋な出発物質が用いられるであろう。
【0065】
式(I)の化合物、それらの薬学的に許容される酸付加塩および立体化学的異性体形態は生体内で菌・カビの防除剤に有用な薬剤である。本化合物は多様な、カンジダ(Candida)種、例えばカンジダ アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ グラブラ(Candida glabrata)、カンジダ クルゼイ(Candida krusei)、カンジダ パラシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ ケフィル(Candida kefyr)、カンジダ トロピカリス(Candida tropicalis);アスペルギルス(Aspergillus)種、例えばアスペルギルス フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス フラブス(Aspergillus flavus);クリプトコッカス ネオフォルマンス(Cryprtococcus neoformans);スポロスリックス シェンキイ(Sporothrix schenckii);エピデルモフィトン フロッコスム(Epidermophyton floccosum);ミクロスポルム カニス(Microsporum canis);トリコフィトン(Trichophyton)種、例えば、トリコフィトン メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン ルブルム(Trichophyton rubrum)、トリコフィトン キンケアヌム(Trichophyton quinckeanum);および数種の暗色不完全糸状菌類に対して有効であることが見出された。
【0066】
本発明の化合物は若干の分離菌・カビ類に対して強力な抗菌・抗カビ活性および良好な経口有用性を示す。例えばカンジダおよび分離した皮膚糸状菌に就いての本化合物の菌・カビ類感受性の決定、およびカンジダ アルビカンスおよびトリコフィトン メンタグロフィテスのステロール合成に及ぼす本化合物の効果の決定の様な試験管内実験は、これら化合物の抗菌・抗カビ強度を示した。数種のマウス、モルモット、およびラットモデルに於ける生体内実験、例えばトリコフィトン キンケアヌムまたはミクロスポルム カニスに感染させたマウスへの試験化合物の経口投与は、本化合物が強力な抗菌・抗カビ剤であることを示した。以下の実施例は本化合物のカンジダ ケフィルおよびトリコフィトン ルブルムに対する試験管内抗菌・抗カビ活性を示す。
【0067】
式(I)の化合物の有用性の観点から、菌・カビ類に感染したヒトを含む温血動物の治療方法が提供される。前記方法は式(I)の化合物、それらのN−オキシド、薬学的に許容される酸付加塩または可能な立体異性体の有効量をヒトを含む温血動物への全身投与からなる。従って、式(I)の化合物は医薬としての用途、特に菌・カビ類の感染治療に有用な医薬の製法に式(I)の化合物の使用が提供される。
【0068】
一般的に、治療的に有効な1日量は0.05mg/kgから20mg/kg体重が意図される。
【0069】
本発明は、また式(I)の化合物の治療的有効量および薬学的に許容される担体または希釈剤からなる菌・カビ感染症の治療または予防の為の組成物も提供する。
【0070】
これらの化合物の有用な薬理学的性質の観点から、対象化合物は全身的または局所的投与目的の為に種々の製剤形態に製剤化され得る。
【0071】
本発明の薬学的組成物の調製には、有効成分として特定の化合物の治療的有効量の、塩基または酸付加塩形態を、投与に必要な製剤の形態に依って多様な形態をとり得る薬学的に許容される担体と充分に混合して結合させる。これらの薬学的組成物は好ましくは経口、経直腸、経皮、または非経口注射の為に好適な単位用量である。
【0072】
例えば、経口用量形態の組成物の調製には、例えば水、グリコール類、油類、アルコール類等の様なすべての通常の薬学的媒体が、懸濁剤、シロップ剤、エリキシール剤および溶液類の様な経口液体製剤に;澱粉、糖類、カオリン、滑沢剤、結合材、崩壊剤等の様な固形担体が粉末剤、ピル、カプセルおよび錠剤の場合に用いられる。投与が容易であるので、錠剤およびカプセル剤が経口投与単位形態に最も有利であり、この場合固形の薬学的担体が明らかに用いられる。局所投与に適当な組成物としては例えばクリーム、ゲル、包帯剤、シャンプー、チンキ剤、ペースト剤、軟膏、膏薬、粉末剤等の局所投与の為の薬剤に通常用いられるすべての組成物が挙げられる。特に、本化合物は爪への薬剤送達に特に適した局所投与組成物に製剤化され得る。経皮投与に適した組成物では、担体は任意に浸透促進剤および/または適当な湿潤剤から成り、任意に少量比率のあらゆる性状の、皮膚に顕著な悪影響を及ぼさない適当な添加剤と組み合わされる。前記添加物は皮膚への投与を容易にしおよび/または所望の組成物の調製に役立つ。これらの組成物は種々な投与経路、例えば経皮パッチ、スポット・オン(spot−on)薬剤、軟膏として投与される。非経口組成物では、担体は通常少なくとも大部分は滅菌水からなる。注射用溶液は、例えば生理食塩液、グルコース溶液または生理食塩液とグルコース溶液の混合物からなる担体で製造される。注射用懸濁液も適当な液体担体、懸濁剤等が用いられて調製される。
【0073】
薬学的組成物の式(I)の化合物の溶解性および/または安定性を増加する為には、α−、β−またはγ−シクロデキストリン類またはそれらの誘導体が有利に用いられる。アルコール類の様な補助溶媒は、薬学的組成物中の式(I)の化合物の溶解性および/または安定性を増加することができる。水性組成物の調製に於いては、対象化合物の付加塩がそれらの水溶性の向上の為に明らかに好適である。
【0074】
適当なシクロデキストリン類はα−、β−、γ−シクロデキストリン類またはそれらのエーテルおよび混合エーテル類であって、ここでは、シクロデキストリンのアンヒドログルコース単位のヒドロキシ基の1個以上がC1−6アルキル基、特にメチル基、エチル基またはイソプロピル基で置換された、例えば無作為にメチル化されたβ−CDであり;ヒドロキシC1−6アルキル基、特にヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基またはヒドロキシブチル基;カルボキシC1−6アルキル基、特にカルボキシメチル基またはカルボキシエチル基;C1−6アルキルカルボニル基、特にアセチル基;C1−6アルキルオ
キシカルボニルC1−6アルキル基またはカルボキシC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基、特にカルボキシメトキシプロピル基またはカルボキシエトキシプロピル基;C1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基、特に2−アセチルオキシプロピル基に依って置換されたものである。特に複合体形成剤(complexants)および/または可溶化剤として注目すべきは、β−CD、無作為にメチル化されたβ−CD、2、6−ジメチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−γ−CD、2−ヒドロキシプロピル−γ−CDおよび(2−カルボキシメトキシ)プロピル−β−CD、および特に2−ヒドロキシプロピル−β−CD(2−HP−β−CD)である。
【0075】
混合エーテルの用語は少なくとも2個のシクロデキストリンのヒドロキシ基が、例えばヒドロキシプロピル基およびヒドロキシエチル基の様な異なった基でエーテル化されたシクロデキストリン誘導体を示す。
【0076】
平均モル置換(molar substitution、M.S.)はアンヒドログルコース1モル当たりのアルコキシ単位の平均モル数の尺度として用いられる。M.S.値は核磁気共鳴(NMR)、マススペクトル測定(MS)および赤外線スペクトル測定(IR)のような種々の分析方法に依って決定され得る。使用した技術に依って、僅かに異なった値が分析された1種のシクロデキストリン誘導体に就いて得ることができる。好ましくは、マススペクトル測定で測定された際に、M.S.は0.125から10の範囲である。平均置換度(substitution degree、D.S.)はアンヒドログルコース単位当たりの置換したヒドロキシル基の平均数に相当する。D.S.値は核磁気共鳴(NMR)、マススペクトル測定(MS)および赤外線スペクトル測定(IR)のような種々の分析方法に依って決定され得る。使用した技術に依って、僅かに異なった値が分析された1種のシクロデキストリン誘導体に就いて得られる。好ましくは、マススペクトル測定で測定された際に、D.S.は0.125から3の範囲である。
【0077】
本化合物とシクロデキストリンまたはその誘導体とを組み合わせる製剤化の興味深い方法が、EP−A−721,337に開示されている。そこに記載された製剤は特に経口投与に好適で、抗菌・抗カビ剤を有効成分として、シクロデキストリンまたはその誘導体の充分量を可溶化剤として、水性酸性媒体を原料液体担体としておよび組成物の調製を非常に簡略化するアルコール性補助溶媒とからなる。前記製剤化は薬学的に許容される甘味剤および/または香料の添加に依ってより服用を容易にしてもよい。
【0078】
薬学的組成物に於いて本発明化合物の溶解性を高めるその他の便宜な方法が、WO−94/05263、PCT出願番号PCT/EP98/01773、EP−A−499,299およびWO97/44014に開示されている。
【0079】
より特別には、本化合物は(a)式(I)の化合物、および(b)単独または複数の薬学的に許容される水溶性高分子からなる固形分散体が構成する微粒子の治療的有効量からなる薬学的組成物に製剤化することができる。
【0080】
「固形分散体(solid dispersion)」の用語はそのうち1成分が他の単独または複数の成分中にだいたい均等に分散されている、少なくとも2成分からなる(液状またはガス状状態に対して)固体状態にある系と特定される。前記成分の分散が、この系が化学的および物理的に全体が均一または一様であるか、または熱力学的に特定された単一相を形成する様であれば、この様な固形物の分散は「固溶体」とされる。固溶体はその中の成分が通常投与された生物体に容易に生物学的に利用されるので、好ましい物理的系である。
【0081】
「固形分散」の用語は固溶体全体に就いて均一性がより低い分散からも成っている。この様な分散は全体が化学的および物理的に均一ではなく、複数相から成っている。
【0082】
微粒子中の水溶性高分子は、20℃で2%水溶液とした際には、見かけの密度が1から100mPa.Sの高分子である。
【0083】
好ましい水溶性高分子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース即ち、HPMCである。HPMCはメトキシ置換度が約0.8から約2.5で、ヒドロキシプロピルモル置換が約0.05から3.0では通常水溶性である。メトキシ置換度はセルロース分子のアンヒドログルコース単位当たりに存するメチルエーテル群の平均数に相当する。ヒドロキシ−プロピルのモル置換はセルロース分子の各アンヒドログルコース単位と反応するプロピレンオキシドの平均モル数に相当する。
【0084】
上記に特定した微粒子は、先ず成分の固形分散体を調製し、次いで場合によって、分散物をすり砕くか挽きつぶして調製出来る。溶融押出、噴霧乾燥および溶液蒸発を含む固形分散の調製には種々の技法が存し、溶融押出が好ましい。
【0085】
本アゾール抗菌・抗カビ剤を、1000nm未満の有効平均微粒子径を維持するに充分な量で表面に吸収させた表面変性剤(surface modifier)を有するナノ微粒子の形で製剤するのが更に便宜である。有用な表面変性剤は抗菌・抗カビ剤の表面に物理的に接着するが、化学結合はしない物質を含むと考えられる。
【0086】
好適な表面変性剤は好ましくは公知の有機および無機の薬学的添加物から選択される。この様な添加物は種々の高分子、低分子量のオリゴマー、天然物および界面活性剤を含む。好ましい表面変性剤は非イオン性および陰イオン性界面活性剤を含む。
【0087】
更に別の本化合物の製剤化に興味ある方法には、本抗菌・抗カビ剤が親水性高分子に取り込まれ、この混合物を多数の小形態ビーズ上にフィルム被覆して、好都合に製造可能で、経口投与の薬学的用量形態を調製するに適した、良好な生物学的利用能を有する組成物が得られる。
【0088】
前記ビーズは(a)中心にある円形または球形の核、(b)親水性高分子および抗菌・抗カビ剤の被覆フィルム、および(c)密閉被覆高分子層からなる。
【0089】
ビーズの核としての使用に適した材料は、前記材料が薬学的に許容されて、適当な容積と硬度を有することを前提とするマニフォールド(manifold)である。この様な材料の例は高分子、無機物質、有機物質、並びに糖質およびそれらの誘導体である。
【0090】
前記ビーズの核早くに50μMに相当する約60メッシュまたはそれ以上の直径を有する。25〜30メッシュ(600〜70μm)の核を有する特定のビーズはWO−94/05263に開示されている。PCT/EP98/01773は核の直径が役に50から約600μm(30〜60メッシュ)のビーズを開示する。
【0091】
上記の薬学的組成物を投与に容易で用量の均一な単位用量形で製剤化するのは特に好都合である。本明細書および請求の範囲に用いられる用量単位形態は、単位用量として好適な物理的に分散した単位に相当し、各単位は、必要な薬学的担体と共に、所望の治療効果を生じる様に有効成分の予め定めた量を含有する。この様な用量単位形態の例は(割線入りまたは被覆錠剤を含む)錠剤、カプセル、ピル、粉末分包、オブラート剤、注射用溶液または懸濁液、茶匙量剤、食卓匙量剤等、およびこれらの分割複合剤である。
【0092】
また本抗菌・抗カビ化合物を、その他の例えばアゾール含有抗菌・抗カビ剤、例えばビホコナゾール(bifoconazole)、クロコナゾール(croconazole)、クロトリマゾール(clotrimazole)、エベルコナゾール(eberconazole)、エコナゾール(econazole)、フェンチコナゾール(fenticonazole)、フルコナゾール(fluconazole)、フルトリマゾール(flutrimazole)、イソコナゾール(isoconazole)、イトラコナゾール(itraconazole)、ケトコナゾール(ketoconazole)、ラノコナゾール(lanoconazole)、ミコナゾール(miconazole)、ネチコナゾール(neticonazole)、オモコナゾール(omoconazole)、オキシコナゾール(oxiconazole)、サペルコナゾール(saperconazole)、SCH39304、セルタコナゾール(sertaconazole)、スルコナゾール(sulconazole)、チコナゾール(ticonazole)、ボリコナゾール(voriconazole);または非−アゾール抗菌・抗カビ剤、例えばアモロルフィン(amorolfine)、ブテナフィン(butenafine)、シクロピロックス(ciclopirox)、シオテロネル(cioteronel)、ナフチジン(naftidine)、イソトレチノイン(isotretinoin)、リモプロギン(rimoprogin)、テルビナフィン(terbinafine)と合わせるのが好都合であり得る。本化合物をその他の皮膚科の抗菌・抗カビ剤と結合するのが特に有用である。
【0093】
抗菌・抗カビ化合物と式(I)の化合物との組み合わせは医薬品として用いることができる。従って、本発明は(a)式(I)の化合物、および(b)その他の抗菌・抗カビ化合物とを、抗菌・抗カビ治療に同時、別個または逐次的使用の為の複合製剤として含有する製品にも関する。
【0094】
この様な製品中の異なった薬剤は、薬学的に許容される担体と共に単一製剤に組み合わせ得る。或いは、この様な製品は、例えば式(I)の化合物を含む適当な組成物の容器と、その他の抗菌・抗カビ化合物を含む適当な組成物の別の容器とからなるキットからなることも出来る。このような製品は治療すべき患者の診断を基準に、各成文の適量並びにその投与順序および時期を医師が選択出来る利点を有する。
【0095】
以下の実施例は本発明を具体的に説明することを意図している。
【実施例】
【0096】
式(I)の若干の化合物について、その複数存することもある立体形成性(stereogenic)の炭素原子の絶対的立体配置は実験的に決定されたものではない。これらの場合は、最初に単離された立体化学的な異性体形態を“A”と定め、2番目を“B”とし、実際の立体化学的配置には更に論及しない。
【0097】
以後に用いられる様に、“DMF”はN、N−ジメチルホルムアミドと、“EtOAc”は酢酸エチルと、“DIPE”はジイソプロピルエーテルとして示される。
【0098】
1.中間体の製造
実施例A−1
1)2−クロロ−1−(2、4―ジフルオロフェニル)−1−エタノン(30g)、クロロヨードメタン(56.4g)およびテトラヒドロフラン(267ml)の混合液をかき混ぜながら冷却し(−78℃)、メチルリチウム−臭化リチウム複合物の6%時エチルエーテル溶液(215ml)を滴下した。反応混合物を徐々に室温まで加温し、次いで塩化アンモニウムで加水分解した。水酸化ナトリウム水溶液を加えて、混合物を1時間かき混ぜた。有機層を分離、洗浄、乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲル上
(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル98/2)で精製し、所望の分画の溶媒を留去して2−(クロロメチル)−2−(2、4―ジフルオロフェニル)オキシラン11g(16.8%)を得た(中間体1)。
【0099】
2)中間体(1)(22g)、2−プロパノン(158ml)および触媒量のトリフルオロ[1、1’−オキシビス(エタン)]ホウ素の混合物を室温で一夜かき混ぜた。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、生成物を塩化メチレンで抽出した。抽出物を水洗、乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲル上(溶離液:ヘキサン)で精製した。所望の分画の溶媒を留去して、4−(クロロメチル)−4−(2、4―ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン21g(74.3%)を得た(中間体2)。
【0100】
同様な方法で以下の化合物を製造した:
4−(クロロメチル)−4−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(中間体3);および4−(クロロメチル)−4−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(中間体4)。
【0101】
実施例A−2
1)中間体(2)(55g)、メタノール(395ml)、水(100ml)および塩酸(6.35ml)の混合物をかき混ぜながら一夜還流した。冷却後、反応混合物は炭酸水素ナトリウムで中和し、溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルに溶解させ、この溶液を塩化ナトリウムで洗浄、乾燥、濾過し、次いで溶媒を蒸発させて3−クロロ−2−(2、4―ジフルオロフェニル)−1、2−プロパンジオール45g(96.5%)(中間体5)を得た。
【0102】
2)1H−1,2,4−トリアゾール(1.37g)、鉱物油に分散させた水素化ナトリウム(50%)(0.6ミリリットル)およびDMF(47ml)の混合物を80℃で3時間かき混ぜた。中間体(5)(1.5g)を添加して、混合物を80℃で1時間かき混ぜた。溶媒を留去して、残留物をシリカゲル上(クロロフォルム/メタノール(98/2)で精製した。所望の分画の溶媒を留去して2−(2、4―ジフルオロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1、2−プロパンジオール0.7g(40.9%)(中間体6;mp.132.3℃)を得た。
【0103】
3)メタンスルホン酸(100ml)および塩化メチレン(1,000ml)中の中間体(6)(0.16モル)の混合物を氷浴上でかき混ぜた。1−ブロモ2,2―ジエトキシエタン(0.2モル)を10℃で滴加した。混合物を室温となるまで放置して、一夜かき混ぜ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。有機層を分離、乾燥、濾過し、溶媒を留去した。残留物はシリカゲル上(溶離液:塩化メチレン/メタノール比100/0から98/2)で精製した。所望の分画を集めて溶媒を留去した。残留物を別個に実施した同じ反応で得た残留物と合した。合併した残留物は更に精製してキラルセル(Chiralcel)OD上のキラルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/エタノール75/25)で鏡像異性体に分割した。純粋な分画群を集めて、その溶媒を留去して,(2R−シス)−1−[[2−(フロモメチル)−4−(2,4―ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール45.4g;α20=−4.26°(c=28.2mg/DMF3ml)(中間体7)および(2S−シス)−1−[[2−(ブロモメチル)−4−(2,4―ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール36.3g;α20=+5.83°(c=16.46mg/DMF2ml)(中間体8)を得た。
【0104】
実施例A−3
1)かき混ぜた水素化ナトリウムの50%ジエチルエ−テル分散物(25ml)およびDMF(900ml)の混合物を、DMF(225ml)中の1H−1,2,4−トリアゾール(40g)溶液に滴加した。更に3時間60℃でかき混ぜた。中間体(3)(50g)のDMF(225ml)溶液を130℃で滴加して、混合物を一夜かき混ぜた。溶媒を留去して残留物はシリカゲル上(溶離液:クロロホルム/メタノール98/2)で精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去して1−[[4−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール 38g(68.5%)(中間体9)を得た。
【0105】
2)中間体(9)(38g)、メタノール(320ml)、水(200ml)および濃塩酸(60ml)との混合物をかき混ぜながら一夜還流した。冷却後、反応混合物は炭酸水素ナトリウム水溶液中に注いだ。溶媒を留去して、残留物を酢酸エチル中でかき混ぜた。沈殿物を濾別して濾液を乾燥、濾過、留去して2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1,2−プロパンンジオール 25.5g(78.4%)(中間体10)を得た。
【0106】
3)中間体(10)(25g)、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(20.6g)およびメタンスルホン酸(225g)の混合物を室温で2時間かき混ぜた。反応混合物は炭酸水素ナトリウム水溶液中に滴下した。混合物はクロロフォルムで抽出した。抽出物は水洗、乾燥、濾過し、次いで溶媒を留去した。残留物はシリカゲル上(溶離液:クロロフォルム/酢酸エチル/ヘキサン50/30/20)で精製した。所望の分画を集めて溶媒を留去した。残留物は4−メチル−2−ペンタノン中で塩酸塩に変換した。この塩を濾取して乾燥し、シス−1−[[2−(ブロモメチル)−4−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール1塩酸塩 7g(17.6%)(中間体11)を得た。
【0107】
同様な方法で以下の化合物を製造した:
シス−1−[[2−(ブロモメチル)−4−(4−クロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(中間体12);
シス−1−[[2−(ブロモメチル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(中間体13);
シス−1−[[2−(ブロモメチル)−4−(4−クロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−1H−1,2,4−イミダゾール(中間体14);および
シス−1−[[2−(ブロモメチル)−4−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−1H−1,2,4−イミダゾール(中間体15)。
【0108】
実施例A−4
1)2,2−ジメチルマロン酸クロリド(0.057モル)をテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド(200ml)中のN−[4−[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]フェニル]尿素(0.057モル)溶液に加えた。15分間かき混ぜた後に、反応混合物を40℃で3時間、次いで50℃で2時間加熱した。反応混合物は25℃で一夜放置した。生成物はジエチル エーテルで沈殿させて、粉末化して結晶化した。生成物は2−プロパノールより再結晶して、1−[4−[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]フェニル]−5,5−ジメチル−2,4,6−(1H,3H,5H)ピリミジントリオン 20.1g(中間体16)を得た。
【0109】
2)80%水素化ナトリウム(0.0174モル)をヘキサンで洗浄して油分を除いた。DMF(70ml)をアルゴン雰囲気中で加えた。中間体(16)(0.0166モル)を加えて、混合物を30分間かき混ぜた。ヨードエタン(0.0182モル)を加えて混
合物を80〜90℃で3時間加熱した。反応混合物を水に注いで、生成物を塩化メチレンで抽出した。抽出物を乾燥して、溶媒を留去した。残留物は塩基性酸化アルミニウム上で精製した(溶離液:塩化メチレン)。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物をアセトニトリルより結晶化させて、1−エチル−3−[4−[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]フェニル]−5,5−ジメチルピリミジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン 3.0gを得た(中間体17)。
【0110】
3)中間体(17)(0.0068モル)の臭化水素酸(60ml、48%)および酢酸(30ml)溶液を5時間還流した。反応混合物を炭酸カリウム溶液中に注ぎ、生成物を塩化メチレンで抽出した。抽出物を乾燥、濾過し、溶媒を留去した。残留物をアセトニトリル、2−プロパノンより結晶化させ、更にシリカゲル上(溶離液:メタノール/塩化メチレン 2/98)で精製した。残留物をアセトニトリルから結晶化させて、1−エチル−3−[4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ピペラジニル]フェニル]−5,5−ジメチルピリミジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン 1.2g(40%)を得た(中間体18)。
【0111】
実施例A.5
1)1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(200ml)中の中間体(8)(0.048モル)混合物を、窒素気流中で15分間かき混ぜた。水酸化ナトリウム(3ml;50%)を加えた。混合物を30分間かき混ぜた。4−[4−(4−ニトロフェニル)−1−ピペラジニル]フェノール(0.04モル)、次いで水酸化ナトリウム(2.4g:固形)を加えた。混合物を70℃窒素気流中で9時間、次いで室温で一夜かき混ぜ、その後水中に注ぎ1時間かき混ぜた。沈殿物を濾取して、塩化メチレンに溶解した。有機溶液を洗浄、乾燥、濾過して溶媒を留去した。残留物をシリカゲル上カラム クロマトグラフィー(溶離液:塩化メチレン/メタノール/酢酸エチル/ヘキサン48/2/30/20)で精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルから結晶化させた。沈殿物を濾取して乾燥して、(2S−シス)−1−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン9gを得た(中間体19)。
【0112】
2)テトラヒドロフラン(250ml)中の中間体(19)(0.0155モル)混合物をパラジウム活性炭(2g;10%)を触媒としてチオフェン溶液(1ml)の存在下に50℃で水素化した。水素(3当量)の吸収後、触媒を濾別して濾液を蒸発させた。残留物を2−プロパノール中で粉砕した。沈殿物を濾取、乾燥して(2S−シス)−4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]ベンゼンアミン8g(94%)を得た[中間体20;mp.180℃;α20=+20.45°(c=26.16mg/DMF 5ml)]。
【0113】
3)中間体(20)(0.0033モル)、パラホルムアルデヒド(0.0066モル)およびメタノール(50ml)中のナトリウムメトキシド(0.022モル)の混合物をかき混ぜながら4時間還流した。水素化ホウ素ナトリウム(0.008モル)を加えた。混合物をかき混ぜて1時間還流し、次いで冷却した。水を加えた。沈殿物を濾別して乾燥した。残留物をガラスフィルター上シリカゲルで精製した(溶離液:塩化メチレン/メタノール/酢酸エチル/n−ヘキサン 48/2/30/20)。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物は2−プロパノール中で粉砕し、濾取、乾燥して(B−シス)−4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]ベンゼンアミン 1.2g(64%)を得た[中間体21;mp.
181℃;α20=+20.63°(c=24.96mg/DMF 5ml)]。
【0114】
2.式(I)の化合物の製造
実施例B.1
DMF(50ml)中の中間体(18)(0.0114モル)の混合物を室温、窒素気流中でかき混ぜた。ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド(0.012モル)を加えた。混合物を10分間かき混ぜた。中間体(7)(0.015モル)を加えた。混合物を60℃で6時間かき混ぜ、次いで冷却し、水中に注いで、塩化メチレンで抽出した。有機層を分離し、水洗、乾燥、濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲル上カラム クロマトグラフィー(溶離液:塩化メチレン/メタノール/酢酸エチル/n−ヘキサン 49/1/30/20および47/3/30/20)で精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物はエタノールから結晶化させた。沈殿物は濾取、乾燥して(2R−シス)−1−エチル−3−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−5,5−ジメチル−2,4,6−(1H,3H,5H)ピリミジントリオン2.2g(27%)を得た;α20=−13.92°(c=20.11mg/DMF 2ml)(化合物48;mp.126.1℃)。
【0115】
実施例B.2
1−エチル−3−[4−[4−[(4−ヒドロキシフェニル)−1−ピペラジニル]フェニル]−5−プロピル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン(0.011モル)をDMF(40ml)およびトルエン(10ml)中に窒素気流中で溶解した。水素化ナトリウム(0.11モル)を加えた。混合物を室温でかき混ぜ、次いでDMF(20ml)中の中間体(8)(0.015モル)の混合物に70℃で滴加した。混合物を70℃で5時間かき混ぜ、次いで冷却し、水中に注いで塩化メチレンで抽出した。有機層を分離、水洗、乾燥、濾過し、溶媒を留去した。残留物はシリカゲル上カラム クロマトグラフィー(溶離液:塩化メチレン/メタノール/酢酸エチル/ヘキサン 49/1/30/20および48/2/30/20)で精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物はエタノールから結晶化させた。沈殿物は濾取し、乾燥し、(2S−シス)−1−エチル−3−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−5−プロピル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン3.28g(40%)を得た;α20=+15.73°(c=19.96mg/DMF2ml)(化合物47;mp.158.8℃)。
【0116】
実施例B.3
1)DMF(500ml)中の1−[4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノン(0.037モル)および水酸化ナトリウム(0.165モル)の混合物を、50℃、窒素気流中で1時間かき混ぜた。DMF(100ml)中の中間体(8)(0.055モル)混合物を滴加した。混合物は50℃、窒素気流中で一夜かき混ぜた。溶媒を留去した。残留物を塩化メチレンに溶解した。有機溶液を洗浄、乾燥、濾過し次いで溶媒を留去した。残留物はシリカゲル上(溶離液:塩化メチレン/ヘキサン/酢酸エチル 50/20/30)カラムクロマトグラフィーで2回精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物をDIPEおよび酢酸エチル中で粉砕し、濾取、乾燥して(2S−シス)−1−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノン14.97
g(62.5%)を得た;α20=+17.54°(c=25.37mg/DMF5ml)(化合物51;mp.177.8℃)。
【0117】
2)化合物(51)(0.0045モル)を沸騰した2−プロパノール(200ml)に溶解した。塩化水素2−プロパノール(0.0048モル)溶液を加えて混合物を容量100mlに濃縮し、放置して結晶化させた。沈殿物を濾取し、乾燥して塩酸(2S−シス)−1−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノン(1:1)(化合物52)1.5g(48%)を得た。
【0118】
実施例B.4
シス−1−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルプロピル)−2−イミダゾリジノンを実施例B.3に記載したと同様な方法で製造したが、更に触媒量のヨウ化カリウムを用いた(化合物21;mp.155.1℃)。
【0119】
実施例B.5
イソシアン酸イソプロピル(0.008モル)を塩化メチレン(100ml)中の中間体(20)(0.0055モル)にかき混ぜながら加えた。混合物は1時間かき混ぜた。イソシアン酸イソプロピル(0.114モル)を再度加えた。混合物は4時間かき混ぜた。溶媒を留去した。残留物はシリカゲル上のカラム クロトマトグラフィー(溶離液:塩化メチレン/メタノール 99/1および98/2)で精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物をエタノール中で沸騰させた。混合物を冷却した。沈殿物を濾取、乾燥して(2S−シス)−N−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−N’−(1−メチルエチル)尿素 2.6g(74%)(化合物53;mp.196℃;α20=+18.64°(c=24.68mg/DMF 5ml)を得た。
【0120】
実施例B.6
1)テトラヒドロフラン(100ml)中の中間体(20)(0.0055モル)混合物にかき混ぜながら1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(0.006モル)を加えた。混合物を室温で3時間かき混ぜた。N−メチル−2−プロパンアミン(0.0073モル)およびトリエチルアミン(0.01モル)を加えた。混合物を室温で一夜かき混ぜた。水を加えた。沈殿物を濾別して乾燥した。残留物はシリカゲル上のカラム クロマトグラフィー(溶離液:塩化メチレン/メタノール 98/2)で精製した。純粋な分画を集めて溶媒を留去した。残留物はエタノール中で沸騰させた。混合物を冷却した。沈殿物を濾取、乾燥して、(B−シス)−N−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−N−メチル−N−(1−メチルエチル)尿素 1.8g(50%)(化合物54;mp.186℃;α20=+18.27°(c=24.08mg/DMF 5ml)を得た。
【0121】
2)(B−シス)−N−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−N,N−ジメチル−N−(1−メチルエチル)尿素(化合物56)を、化合物54と同様に製造したが、塩
化メチレン中クロル蟻酸トリクロロメチルを、テトラヒドロフラン中の1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールの代わりに用いた。
【0122】
第1表に列挙した化合物は上記した実施例の1つと同様な方法で製造した。
【0123】
【表1】

【0124】
【表2】

【0125】
【表3】

【0126】
【表4】

【0127】
3.薬理学的実施例
実施例C.1:試験管内抗菌・抗カビ活性の測定
試験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)中に10−2M濃度に溶解して、CYG培地(Odds,F.C.Antimicrobial Agents and Ch
emotherapy 1992;36:1727−1737)に最終濃度25μMおよび殆どの試験では5μMとなる様に希釈した。若干の化合物では試験は100、10、1.0および0.1μMで行った。培地にはカンジダ ケフィル(Candida kefyr)を初期濃度10/mlに、又トリコフィトン ルブルム(Trychophyton rubrum)を混濁度に依って定めた等濃度に接種した。培地は微量希釈平板のウェル(well)中で、37℃で48時間(C.kefyr)および30℃で5〜7日間(T.rubrum)培養した。試験化合物を含有するウェル中の成育は、化合物を含まない対照群中の成育比率および分離微生物の成育阻害が対照群の35%未満の化合物の最低濃度を最低有効用量(LAD)として記録した。
【0128】
【表5】

【0129】
4.組成物実施例
これらの実施例を通じて用いられた「有効成分」(A.I.)は、式(I)の化合物、それらの薬学的に許容される付加塩または立体化学的異性体に関する。
【0130】
実施例D.1:ナノ微粒子懸濁液
注射用水とプルロニックTM(Pluronic)F108(540g)との溶液を調製した。粉砕媒体、酸化マグネシウムで安定化した酸化ジルコニウムおよび微粒子形態の有効成分(A.I.)(540g)を添加した。得られた懸濁液を回転粉砕器を用いて室温で14日間分散させた。粉砕媒体を懸濁液から分離して、注射用水で総容量54Lに希釈した。すべての操作は米国食品医薬品庁(FDA)およびヨーロッパ指針書に従って無菌的に実施した。
【0131】
実施例D.2:溶融押出錠剤
有効成分(A.I.)(21.74kg)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 5mPa.s(1)、即ちHPMC 2910 5mPa.s(32.11kg)の40/60(w/w)混合物は、共に篩過し、衛星歯車混合器で混合物が均一となる迄混合した。本混合物1,500gを以下の運転変数を有するAPV−Baker MP19 L/D 15形態2連スクリュー溶融押出器に供給した:第1室温度245℃、第2室温度265℃、2連スクリューの回転速度20〜300回転/分および120分間で押出。押し出された製品はフィッツミル(Fitzmill)形態ハンマー粉砕器、篩目0.125インチおよび回転速度1,640回/分に供給した。粉砕された押出製品は再度ハンマー粉砕器に、今回は篩目0.063インチおよび回転速度1,640回/分に供給した。その後、微結晶セルロース[351g、21%(w/w)]クロスポビドン(Crospovidone)[117g、7%(w/w)]、エロジル[Aerosil(コロイド状二酸化珪素)][5g、0.3%(w/w)]およびステロテックス[(Sterotex)8g、0.5%(w/w)]および粉砕した押出製品[1,169g、71%(w/w)]とを衛星歯車混合器で均一な混合物が得られるまで篩過し混合した。本混合物を長円形、両凸2分割錠剤を製造する為に用いた。
【0132】
実施例D.3:経口溶液
プロピレングリコール100mlに濃塩酸3,76mlを加えてかき混ぜ若干加温した。有効成分(A.I.)10gを加えて均一となるまでかき混ぜた。別の容器にヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 400gを蒸留水 400mlに溶解した。A.I.溶液をシクロデキストリン溶液にかき混ぜながら徐々に加えた。ソルビトール(70%)非結晶化溶液(190ml)を加えて均一となるまでかき混ぜた。サッカリンナトリウム(0.6g)を蒸留水 50mlに溶解して、この混合物に加えた。混合物のpHは10N水酸化ナトリウム溶液でpH2.0±0.1に調整した。得られた溶液を蒸留水で希釈して1Lとした。先の溶液を濾過して薬学的な投与形態として、適当な容器、例えばねじ蓋付100mlガラス瓶に充填した。
【0133】
実施例D.4:2%局所用ゲル
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(200mg)の精製水溶液に、A.I.(20mg)をかき混ぜながら加えた。完全に溶解する迄塩酸を加えて、水酸化ナトリウムをpH=6.0となる迄加えた。本溶液を、プロピレングリコール(50mg)中のカラゲナンPJ(10mg)分散液にかき混ぜながら加えた。本混合物を穏やかにかき混ぜながら50℃に加熱し、約35℃になるまで放置冷却し、エタノール(95%、50mg)を加えた。精製水を1gとなるまで適量加えて、混合物を均一になる迄かき混ぜた。
【0134】
実施例D.5:2% クリーム
ステアリルアルコール(75mg)、セチルアルコール(20mg)、モノステアリン酸ソルビタン(20mg)およびミリスチン酸イソプロピル(10mg)を2重壁ジャケット付容器に入れて、混合物が完全に溶融するまで加熱した。本混合物を別途調製して70〜75℃とした精製水、プロピレングリコール(200mg)およびポリソルベート60(15mg)混液に、液体用ホモジナイザーを用いて加えた。得られた混合物を25℃未満になる迄かき混ぜながら冷却した。A.I.(20mg)、ポリソルベート80(1mg)および精製水を1gとなるまで適量加えた溶液、および精製水中の無水亜硫酸ナトリウム(2mg)溶液を、次いで乳液にかき混ぜながら加えた。このクリームを均質化して適当なチューブに充填した。
【0135】
実施例D.6 2% クリーム
A.I.微粒子(2g)、ホスファチジルコリン(20g)、コレステロール(5g)およびエチルアルコール(10g)の混合物をかき混ぜて完全な溶液となる迄55〜60℃に加熱し、パラヒドロキシ安息香酸メチル(0.2g)、パラヒドロキシ安息香酸プロピル(0.02g)、エデト酸二ナトリウム(0.15g)および塩化ナトリウム(0.3g)の精製水(100g迄)の溶液に、均一化しながら加えた。精製水中のヒドロキシプロピルメチルセルロース(1.5g)を加えて膨潤が完了するまで混合を続けた。
【0136】
実施例D.7 ビーズ製剤
アイノックス(inox)容器に塩化メチレン(375kg)および変性エタノール(250kg)を、濾過器(5μ)を通して入れた。A.I.(21.74kg)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース 2910 5mPa.s(32.61kg)をかき混ぜながら加えた。完全に溶解する迄かき混ぜ続けた。
【0137】
別のアイノックス(inox)容器に塩化メチレン(21.13kg)およびポリエチレングリコール20000(3.913kg)をかき混ぜながら入れた。変性エタノール(14.09kg)を加えて、この噴霧溶液を均一となる迄かき混ぜた。
【0138】
18インチ ワースター(Wurster、底部噴霧)挿入器を備えた流動床顆粒製造器に25〜30メッシュ(600〜700μm)球状蔗糖(41.74kg)を入れた。球状蔗糖は50〜55℃の乾燥空気で加温した。流動空気容量は空気放出バルブを、最初は最大の約50%に開き、噴霧工程終了時に60%となる様に開いて調整した。予め製造した噴霧溶液を装置内で揺動している球状蔗糖に、最初の供給速度を約600〜700g/分に、噴霧空気圧を約3.5kg/cm(0.343Mpa)として噴霧した。噴霧溶液の約30%を供給した後に、供給速度を700〜800g/分にあげた。噴霧工程が完了した際に、被覆した球状蔗糖は、更に50〜55℃の乾燥空気を約10分間供給して乾燥した。被覆した球状蔗糖は、次いで装置内で20〜25℃の乾燥空気を約10〜20分間供給して冷却した。
【0139】
d) 中間乾燥
被覆した球状蔗糖を減圧タンブラー形態乾燥器に入れて、少なくとも24時間、好ましくは約36時間、約80℃、約200〜300mbar(20〜30kPa)圧で乾燥した。タンブラー形態乾燥器は最低回転数(2〜3回転/分)で運転した。乾燥した被覆球状蔗糖を篩[スウェコ(Sweco)S24C;篩目幅1.14mm]で篩過した。
【0140】
e)封入被覆工程
乾燥した被覆球状蔗糖を再度ワースター(Wurster)挿入器を備えた流動床顆粒製造器に入れて50〜55℃の乾燥空気で加温した。先に調製した封入被覆噴霧液を装置内で揺動している被覆球状蔗糖に噴霧した。噴霧液は供給測度400〜500g/分の噴霧速度、噴霧空気圧を約2.5バール(0.25Mpa)として噴霧した。噴霧工程が完了した際に、ビーズは更に50〜55℃の乾燥空気を10分間供給しながら乾燥した。被覆した球状蔗糖は次いで装置内で20〜25℃の乾燥空気を15分間供給しながら冷却した。ビーズを装置から取り出して適当な容器内に保存した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
nは0、1、2または3であり;
XはNまたはCHであり;
各Rは独立してハロ、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、C1−4アルキル基、C1−4アルキルオキシ基またはトリフルオロメチル基であり;
は水素;C3−7アルケニル基;C3−7アルキニル基、アリール基;C3−7シクロアルキル基;C1−6アルキル基;またはヒドロキシ基、C1−4アルキルオキシ基、C3−7シクロアルキル基もしくはアリールで置換されたC1−6アルキル基であり;
およびRはそれぞれ独立して水素、C1−6アルキル基、C3−7シクロアルキル基またはアリール基であるか、あるいはRとRとが一緒になって下記式(a)、(b)、(c)、(d)または(e)
【化2】

(式中、R5a、R5b、R5c、R5dはそれぞれ独立して水素、C1−6アルキル基またはアリール基であり、かつ、アリール基はフェニル基またはハロ、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、C1−4アルキル基、C1−4アルキルオキシ基もしくはトリフルオロメチル基から選ばれた1、2または3個の置換基で置換されたフェニル基である)
で表される二価の基−R−R−を形成するが、但し、
nが2であり、XがNまたはCHであり、各Rが2および4位に結合するフッ素原子であり、Rがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、1−メチルエチル基または1−メチルプロピル基であり、かつ、RおよびRが一緒になって二価の基−CH−CH−である、で表される化合物は除かれる〕
で表される化合物、または該化合物のN−オキシド、薬学的に許容される酸付加塩もしくは立体化学異性体。
【請求項2】
nが1または2であり、そして各Rが独立してハロである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
およびRが一緒になって、式(a)、(b)または(c)の二価の基−R−R−を形成する請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
がC3−7シクロアルキル基またはC1−6アルキル基である請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
1、3−ジオキソラン環の置換基がシス配置である請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
菌・カビ感染症の治療の為の医薬の製造に請求項1から5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項7】
薬学的に許容される担体、および請求項1から5のいずれかに記載の化合物の治療的有効量を有効成分として含む薬学的組成物。

【公開番号】特開2010−132666(P2010−132666A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239(P2010−239)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【分割の表示】特願平11−508129の分割
【原出願日】平成10年7月7日(1998.7.7)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】