説明

20質量%以下の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離する方法

≦20質量%の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離するための本方法は、好ましくは≦70℃の温度及び<50MPaの圧力で、特に圧縮されたエタン、プロパン、ブタン又はこれらからなる任意の混合物の使用下に実施される。その際に出発物質として、≧10質量%の液体含量を有するペースト及びピューレ並びに水及び/又はアルコールを含有する液体、例えば特にジュース及びジュース製造の際に生じる水、しかしまたアルコール含有飲料及び蒸留酒が考慮の対象になる。このようにして特に分離される天然の、天然に一致した及び/又は合成の芳香物質は感覚的に高い品質で得られる。他方では、この方法を用いて、出発物質から望ましくない芳香物質を取り除く、すなわち脱臭することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、≦20質量%の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離する方法である。
【0002】
現代の食品製造学は、消費者に最新式の製品及び変化した食餌習慣に相応する製品を提供できるように、食品を加工するためのいろいろな方法を利用する。幾つかの処理工程の場合に、しかし出発物質の当初の芳香は生産技術に起因して変わり、しばしば負の影響も受ける、それというのも特に価値を付与する芳香物質が除去されるからである。しかしながらまさに製品の感覚(Sensorik)は決定的に重要な品質基準であるので、食品製造学は、処理技術的に制約された、製品のこれらの妨害を、芳香物質の意図的な添加により補うことに努めている。一層重大な消費者思考により、このためにとりわけ、天然の供給源から取得される天然の芳香物質は、天然に一致した又はそれどころか人工の芳香物質よりも好まれる。
【0003】
しかしながら、生産技術に起因する見地から、天然物からの芳香の取得はしばしば極めて問題となることが証明されている、それというのも、一方では実際の典型的な感覚器官への印象は個々の化合物の多数の相互作用により決定されるからであり、しかし他方では多くの芳香成分は、プロセス技術的に制約されており、かつ特に熱負荷により破壊されるか又はそれらの高い揮発性に基づいて意図せずに除去される化合物だからである。
【0004】
この問題点は、特に脂肪又は油含有の天然物から芳香を取得する際に極めて際立っている。付加的に、これらの原料の一部の場合に、できるだけ僅かに脂肪含分及び/又は油含分を含有する芳香フラクションを取得しようと努められており、例えばこれは特に一部は水溶性のインスタント調製物、例えばインスタントコーヒー又は低下された脂肪含量/油含量を有する製品、いわゆるライト製品の製造のためには不可欠の必要条件である。
【0005】
脂肪及び油含有の天然物から芳香を取得するためには既に多数の方法が公知である。伝統的な蒸留による方法、例えば分別蒸留又は水蒸気蒸留に加えて、多くの常用の溶剤法も使用される。
【0006】
最近、芳香物質の抽出が、圧縮ガスを用いて、特に超臨界二酸化炭素を用いて実施される多数の方法も記載されている。例示的にはここで欧州特許明細書EP 0 065 106を指摘することができ、該明細書には超臨界圧及び臨界未満の温度での二酸化炭素を用いる抽出による濃縮されたにおい−及びフレーバー抽出物の製造方法が記載されている。これらの方法は、目下、特にそれらの穏やかなプロセス条件及び溶剤の高い選択性に基づいて大いに興味深い、それというのも、それらを用いて質的に極めて価値の高い芳香が製造されることができるからである。
【0007】
この方法の場合に、芳香フラクションから脂肪/油−フラクションを分離するために多様なプロセス経路をたどることができる。一方では、異なる成分が逐次、異なるプロセスパラメーター、例えば圧力、温度又は共沸剤供給(Schleppmitteleinspeisung)により、天然物から抽出され、かつ別個に捕集されることによる分別抽出を提供する。他方では、多様な成分がまず最初に一緒に抽出されるけれども、しかしついで多様な条件下でガスから分離されることによる分別分離が考慮の対象になる。
【0008】
経験が示すように、しかしながら双方の処理法はしばしば欠点を背負っている:例えば、圧縮された二酸化炭素を用いる分別抽出の場合にしばしば、効果的に脂肪もしくは油を芳香物質から別個に抽出することはうまくいかない、それというのも双方の物質クラスは同じ条件下で二酸化炭素中への類似の溶解度を示すからである。分別分離の場合にも、脂肪及び油からの芳香物質の有効な分離がしばしば劣悪にのみ実施されうることが当てはまる、それというのも、圧縮された二酸化炭素中への双方の物質クラスの溶解度挙動は違わなさすぎるからである。確かに、付加的な処理技術的措置、例えばエキストラクトセトラー中への助剤の装入により改善が達成されうるが、しかししばしば芳香成分の満足のいく豊富化は達成されない、それというのもこれらは依然として顕著な量で親油性マトリックス中に存在するからである。特に即席飲料又はライト製品の芳香付けに適している低い脂肪含量及び/又は油含量を有する芳香の製造は、故に、そのようにして取得された芳香フラクションを用いてしばしば極めて不十分に可能であるに過ぎない。
【0009】
故に、天然の芳香物質を取得するために純CO2抽出に先んじて液体のプロパン及び/又はブタンを用いる抽出を行い、こうしてとりわけ感覚的に極めて重要な油成分及び脂肪成分を選択的に分離し、かつ次にはじめて実際の芳香抽出を実施することも試みられた(ドイツ連邦共和国特許出願公開(DE-OS)第44 40 644号明細書)。
【0010】
第一段階において≦70℃の温度で及び≦50Mpaの圧力で実施されるこの方法で、しかし大工業的に実現する場合、専ら固体を用い、そのうえ天然の芳香物質を大きな濃度で含有する天然物の場合にのみ実施されることができることが分かった。しかしながら液体及び半液体の(粘稠な)出発物質及び僅かな芳香物質含量を有する出発物質の効果的な芳香抽出は、この二段階法を用いて不可能である。
【0011】
故に、公知技術水準のこれらの欠点から本発明には、とりわけ易揮発性の芳香物質を出発物質から、優先的に芳香物質が高度に濃縮されかつ感覚的に高い品質で得られるようにして分離し、しかしまた他方では出発物質から不都合な芳香ノートを有する揮発性物質を除去することを可能にする、≦20質量%の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離する方法を提供するという課題が課され、その際に使用すべき方法は全体として工業的に単純に実現されうるべきであり、かつ分離された芳香物質もしくは脱芳香された出発物質の後接続されたさらなる精製が不要になった。
【0012】
この課題は、圧縮されたC2−〜C4−炭化水素を用いて実施されることにより特徴付けられる、≦20質量%の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離する方法を用いて解決される。
【0013】
まったく意外にも、大工業的規模における本発明による方法の転換の場合に、脂肪成分及び/又は油成分に対して炭化水素の公知の選択的性質にもかかわらず、揮発性芳香物質が(半)液体の出発物質から選択的に得られ、そのうえ分離された芳香物質は、いわゆるWONF-基準("他の天然フレーバーなし;without other natural flavour")に近いか又はこれにそれどころか相当する品質で得られることが分かった。考えられる油及び/又は脂肪に類似した芳香異種成分は、この分離方法の場合に完全に区別され、かつ出発物質中に選択的に取り残される。他方では、この単純な方法を用いて(半)液体の、すなわちより高粘稠及び高粘稠な出発物質から、不都合な感覚的な印象を残す芳香ノートも取り除かれることができ、それにより出発物質は質的に評価が高められることができることは意外であった。
【0014】
それゆえ、本発明による方法を用いて、液体又は半液体の出発物質から所望の芳香物質を取得すること並びに液体又は半液体の出発物質から望ましくない芳香物質を分離することが可能である。
【0015】
さらに、この方法を用いて、揮発性芳香物質をアルコール含有液体から選択的に分離することも可能であるということが加わり、このことは特にワイン及びワイン含有飲料を用いて極めて良好に可能であり、このことは故にとりわけ予想されることができなかった、それというのも、アルコールは炭化水素の親油性成分として通常極めて良好に溶解され、ひいては実際に芳香フラクションと共に分離されるはずだからである。しかしまたこれは本発明による方法を用いて予想に反して行われない:アルコール成分は95%を上回り抽出された材料中に残留し、取得された芳香物質はそれらの分離後にほぼアルコール不含である。利点の全部は、技術水準からのこれまで公知の経験から予想されることはできなかった。
【0016】
好ましくは、本発明による方法は、圧縮されたガス状又は/及び超臨界のC2〜C4−炭化水素を用いて実施される。圧縮されたC2〜C4−炭化水素は、標準状態(T=0℃、p=101325Pa)でそれらのそれぞれの密度よりも大きい、特に少なくとも1%大きい、より好ましくは少なくとも5%大きい、さらにより好ましくは少なくとも10%大きい及び最も好ましくは少なくとも50%大きい密度を有する。
【0017】
特に有利であるとして、本発明による方法は≦70℃、特に≦50℃及び≧0℃、特に≧10℃の温度及び<40Mpa、特に<30Mpa及び>0.2MPaの圧力で実施されることができ、その際に、温度が20〜35℃に及び圧力が0.5〜10MPaに調節される場合に特に好都合であることが示されている。
【0018】
圧縮されたエタン、プロパン、例えばn−プロパン、イソプロパン、ブタン、例えばn−ブタン、イソブタン、t−ブタン又はこれらからなる任意の混合物は特に適している炭化水素であることが判明しており、その際に本発明はまた、ついで好ましくは0.5〜50質量%、好ましくは2〜20質量%の含分で炭化水素に添加される共沸剤、例えばジメチルエーテル又はアルコールの使用も提供する。全体として連続的な方法実施が好まれうる。
【0019】
考慮の対象となる出発物質の中からは、≧10質量%、好ましくは≧20質量%及び特に≧30質量%の液体含量を有する出発物質及び特にペースト、ピューレ、スラリー、プレス残留物及びフィルター残留物並びに水及び/又はアルコール含有の液体が特に適していることが示されており、その際に(果物−及び野菜−)ジュース及び果実加工及び野菜加工の際に生じる水、例えば低酒精液(Lutterwaesser)及び蒸気水(Bruedenwaesser)、アルコール含有飲料及び蒸留酒、例えばワイン、ラム及びウイスキー並びにブランデー(Edelbraende)が特に好ましいとみなされうる。
【0020】
本発明による液体もしくは半液体の出発物質は好ましくは18℃で、少なくとも0.01、特に少なくとも0.1及びより好ましくは少なくとも0.5及び100000まで、特に10000まで及びより好ましくは1000mPa・sまでの動的粘度を有する。
【0021】
単一相で(半)液体であることは、出発物質が唯一の液相のみを有し、その中に場合により固体が分散されて又は含まれていてよいことを意味する。
【0022】
分離すべき揮発性芳香物質に関して、本発明は特に天然の、天然に一致した及び/又は合成の芳香物質を包含する。これに関連して液体の形又はペースト状の形で又は粉末として得られる芳香物質が特に好ましいとみなされうる。
【0023】
本発明による方法を用いて分離されることができる揮発性芳香物質は特に、水の揮発性より大きい、好ましくはエタノールの揮発性より大きい揮発性を有する。20℃での揮発性芳香物質の蒸気圧は、好ましくは≧25mbar、特に≧100mbar、より好ましくは≧200mbar、好ましくは≧300mbar及びさらにより好ましくは≧400mbarである。
【0024】
本発明は、分離された揮発性芳香物質が最終的に溶解され、これは好ましくはアルコール中で行われることによる特別な変法も考慮する。
【0025】
既に述べたように、本発明による方法を用いて、揮発性芳香物質を価値のある生成物として選択的に分離するだけでなく、不都合な芳香ノートを有する揮発性芳香物質を出発物質から意図的に除去することも可能である。この理由から本発明はまた、出発物質が脱芳香及び/又は脱臭された状態で、ひいては質的に評価が高められて得られることも提供する。後者は特に、相応して適している半液体の融成物を用いて良好に実施可能であり、それらの脂肪/油−含有成分の含分は≦20質量%に調節されている。
【0026】
運転方式に関して本発明は、特許の保護が請求された方法が分離塔中で、好ましくは向流原理に従って、又はしかし他の圧力容器中で実施されることを考慮する。
【0027】
揮発性芳香物質を分離するためにさらなる好ましい変法によれば分離塔はセトラーに接続されていてよく、かつ抽出された芳香物質は、好ましくは圧力低下及び/又は温度上昇により分離されることができる。
【0028】
最後に本発明は、揮発性芳香物質を分離するために使用される炭化水素が循環されることも提供する。
【0029】
まとめると、本発明による方法を用いて、揮発性芳香物質を半液体又は液体の出発物質から選択的に分離する方法が存在し、その際にことによると出発物質中に含まれている油及び/又は脂肪のような成分は、使用された圧縮された炭化水素により一緒に分離されるのではなくて、むしろ出発物質中に残留することが確認されている。このようにして、一方では芳香物質は濃縮された及び質的に極めて高い形で得られ、しかしまた他方では、出発物質から不都合と感じられる芳香物質を取り除くことも可能である。いずれにせよ、特に食品工業、医薬工業及び化粧品工業において使用されることができる高価値の生成物が得られる。
【0030】
関心を引くのは、とりわけ本発明による方法を用いてもたらされる可能性である:
目下例えば典型的な揮発性芳香物質は、アルコール含有飲料、例えばワイン又はビールからまず最初に分離されることができ、ついで残留される液体から常法によりアルコールが取り除かれ、最終的には脱アルコールされた液体に典型的な芳香物質が再び添加されることができる。
【0031】
しかしまた、ワイン又は発泡酒から芳香物質が分離され、ついでこれらは例えばオレンジジュースから得られた芳香物質と、沸騰散と一緒に混合されることによるアルコール不含のインスタント製品を調製することが可能である。このようにして、典型的な発泡酒−/オレンジ芳香を有する迅速溶解性及びアルコール不含の清涼飲料が入手可能である。
【0032】
最後に、熟成容器及び貯蔵容器、飲料管路及び飲料詰替え設備の清浄化の際に並びに果物及び野菜の洗浄及び蒸気処理の際に生じる清浄化水及びすすぎ水から混合芳香が選択的に取得されることができる。
【0033】
≦20質量%の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離するための本方法は、好ましくは≦70℃の温度及び<50MPaの圧力で、特に圧縮されたエタン、プロパン、ブタン又はこれらからなる任意の混合物の使用下に実施される。その際に、出発物質として≧10質量%の液体含量を有するペースト及びピューレ並びに水及び/又はアルコール含有の液体、例えば特にジュース及びジュース製造の際に生じる水、しかしまたアルコール含有飲料及び蒸留酒が考慮の対象になる。このようにして特に分離される天然の、天然に一致した及び/又は合成の芳香物質は、感覚的に高い品質で得られる。他方では、この方法を用いて、出発物質から望ましくない芳香物質を取り除く、すなわち脱臭することも可能である。
【0034】
次の例は、揮発性芳香物質を選択的に分離するための本発明による方法の記載された利点を証明する。
【実施例】
【0035】
1.クロスグリ(schwarze Johannisbeere)の低酒精液からのクロスグリの芳香の分離
クロスグリジュースの濃縮物製造からの低酒精液10kgを、30bar及び30℃で全部で10kgの液体プロパンを用いて塔中で向流で抽出した。抽出物を圧力低下後に8bar及び46℃で分離し、それにより油状の褐色抽出物100mgが得られた。この抽出物を無水エタノール100g中に溶解させた。溶解された抽出物の感覚は、クロスグリジュースの芳香と同一である果実に典型的なにおいをもたらした:
芳香評価の結果
出発物質:低酒精液(典型的なにおい)
低酒精液を脱芳香する:乳酸のような(milchsauer)、同定不能かつ定義不能
抽出物を1000倍に希釈する:初めは定義不能、濃いウッディ−グリーンの方向、2〜3分後に著しい、少し酸っぱい芳香、より長い時間後に新鮮な果実様の軽い、果実に典型的なにおい、ジュースと同一の芳香。
【0036】
2.イチゴジュースからのイチゴ芳香の分離
むっとする調理ノート(dumpfe Kochnote)及び濃い甘味(粗悪な品質)を有するイチゴジュース5kgを35bar及び30℃で全部で3.5kgの液体プロパンを用いて塔中で向流で抽出した。抽出物を圧力低下後に6bar及び48℃で分離し、それにより無色の、澄明で油状の抽出物170mgが得られた。この抽出物を無水エタノール10g中に取った。感覚的な評価は、濃い甘味を有さずかつ調理風味(Kochgeschmack)を有しない典型的なイチゴ芳香をもたらした。この芳香は極めて長く持続し、イチゴジュースよりも強力でかつ純粋である
芳香評価の結果:
出発物質:長く貯蔵しすぎたジュース:むっとする、調理ノート、濃く甘ったるい
ジュースを脱芳香する:乳酸のような、軽いイチゴ臭を有する
抽出物を50倍に希釈する:最初に定義不能、ついで甘ったるい果実様の、軽いウッディ(グリーン)、3〜4分後に調理風味を有さないますます果実に典型的、5〜6分後に 濃い甘味を有さない典型的なイチゴ、極めて長く持続する芳香;イチゴジュースよりも良好な芳香。
【0037】
3.赤ワインからのワイン芳香の分離
赤ワイン8kgを30bar及び25℃で液体プロパン5kgを用いて塔中で向流で抽出した。抽出物を圧力低下後に10bar及び48℃で分離し、それによりさらっとした淡緑色油3.8gが得られた。この抽出物を無水エタノール100g中に溶解させた。溶解させた抽出物の感覚は極めて強力でかつ純粋な香調(reintoenig)であった。芳香の分類は一義的である。
芳香評価の結果:
出発物質:スペインからの赤ワイン(Navarra)
抽出物を25倍に希釈する:極めて強力でかつ純粋な香調に同定される、
瓶詰替え(詰替え設備による典型的なにおい)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
≦20質量%の脂肪含量及び/又は油含量を有する単一相の(半)液体の出発物質から揮発性芳香物質を選択的に分離する方法において、
前記方法を、圧縮されたC2〜C4−炭化水素を用いて実施することを特徴とする、揮発性芳香物質を選択的に分離する方法。
【請求項2】
≦70℃の温度及び<50MPaの圧力で実施する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
温度を20〜35℃に及び圧力を0.5〜10MPaに調節する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
圧縮されたエタン、プロパン、ブタン又はこれらからなる混合物を使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
圧縮された炭化水素に共沸剤、例えばジメチルエーテル又はアルコールを、好ましくは0.5〜50質量%の含分で添加する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
連続的に実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
≧10質量%の液体含量を有する出発物質及び特にペースト、ピューレ、スラリー、プレス残留物及びフィルター残留物並びに水及び/又はアルコール含有の液体を使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
ジュース及び果実加工及び野菜加工の際に生じる水、例えば低酒精液及び蒸気水、アルコール含有飲料及び蒸留酒、例えばワイン、ビール及び発泡酒並びにブランデーを使用する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
天然の、天然に一致した及び/又は合成の芳香物質を得る、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
芳香物質を、液体の形又はペースト状の形で又は粉末として得る、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
最終的に芳香物質を好ましくはアルコール中に溶解させる、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
出発物質を、脱芳香及び/又は脱臭された状態で得る、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
分離塔中で、好ましくは向流原理に従って、又は他の圧力容器中で実施する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
分離塔がセトラーと接続されており、かつ抽出される芳香物質を好ましくは圧力低下及び/又は温度上昇により分離する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
炭化水素を循環させる、請求項13又は14のいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2006−505663(P2006−505663A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550956(P2004−550956)
【出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012466
【国際公開番号】WO2004/043168
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【Fターム(参考)】