3次元インダクタ及び変圧器
3次元オンチップインダクタ、変圧器、及び無線周波増幅器が開示される。無線周波増幅器は、一対の変圧器及びトランジスタを含む。変圧器は、少なくとも2つの誘導結合されたインダクタを含む。インダクタは、第1金属層の複数のセグメントと、第2金属層の複数のセグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部と、前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記第1金属層の複数のセグメント及び前記第2金属層の複数のセグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含む。インダクタは対称又は非対称な形状を有することができる。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層であり得る。第2金属層はチップの再分配層部分に配置され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、集積回路デバイスに関し、より具体的には、貫通ビアを用いて集積回路デバイスで実現されたインダクタ及び変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクタ及び変圧器は、無線周波(RF)集積回路用途を含む広範囲の集積回路用途で使用される。オンチップインダクタは、それを通過する電流によって作り出された磁場にエネルギーを貯蔵できる受動電気成分である。インダクタは、1つ又は複数の「巻き」を含むコイルとして形作られたコンダクタであり得る。巻きは、インダクタの巻き内の「誘導的な」領域におけるコンダクタの各巻きを通って流れる電流によって誘導された磁束を集中させる。巻き数及び巻きのサイズは、インダクタンスに影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3881244号明細書
【特許文献2】米国特許第4729510号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁束に結合された2つ(又は複数)のインダクタは、変圧器を形成する。変圧器は、1つの回路から別へと、誘導結合されたコンダクタ、通常コイル又は変圧器を形成するインダクタの巻きを通って、電気エネルギーを伝えるデバイスである。第1の又は「一次の」インダクタにおける電流の変化は、第2の又は「二次の」インダクタにおける電圧の変化を誘導する。負荷が二次インダクタに結合される場合、電流が二次インダクタに流れ、電気エネルギーが一次回路から変圧器を通って負荷へと流れる。
【0005】
集積回路ダイ及び回路パッケージで実現された従来のインダクタは、幾つかの欠点を有することがある。これらのインダクタは、インダクタの巻きを形成するために、導電層においてらせん形の(helical)又はらせん状の(spiral)配線(trace)を形成することによって作られ得る。ある場合には、より高いインダクタンスを達成するために、これらの配線は隣接層における配線に結合され得る。残念なことに、インダクタは金属層の源を過剰に消費することがあり、望ましくないスケーリングなしに十分な電流容量又は十分高い品質係数を提供することができないことがある。加えて、インダクタの誘導的な領域はパッケージ基板及び回路ダイにおける他の配線を有する層に対して実質的に平行であるため、それらは集積回路内の他の成分に対して不利な電磁干渉(EMI)効果を有することがあり、且つ/或いはそれらのインダクタ特性は基板又は回路ダイ内の隣接したコンダクタによって悪影響を受けることがある。
【0006】
図1は、3つの部分:再分配層(RDL、redistributed design layer)部分102、フロントエンドオブライン(FEOL)部分104、及びバックエンドオブライン(BEOL)部分106を含むCMOSテクノロジー100の断面図を示す。FEOL部分104は基板108を含み、BEOL部分106は複数の金属層M1−Mnを含む。FEOL部分104の高さ又は厚さ114は通常、BEOL部分106の高さ又は厚さ110よりはるかに大きい。基板108に近いBEOL部分106の金属層はデバイス間の相互接続に使用され、従来のインダクタは周囲の層への望ましくない結合を誘導し得る。それ故に、相互接続のための空間を提供し、従来のインダクタによって引き起こされる望ましくない結合を最小化するために、基板108から離れたBEOL部分106におけるインダクタが利用可能な高さ112は、BEOL部分106の全高さ110未満となる。従来、オンチップインダクタは通常、BEOL部分106での1つ又は複数の金属層M1−Mnにおける2次元形状を用いて製造される。
【0007】
2つの入力ポート202、204を有する例示である対称な1巻きインダクタ200の上面図が、図2に示される。対称なインダクタ200は、対称ライン206によって分けられることができ、対称ライン206の片側におけるインダクタの第1半部208は、対称ライン206の反対側におけるインダクタの第2半部210と同一の寸法を有する。しかしながら、インダクタンス値はインダクタを形成するのに用いられる金属ラインの全長さに比例するため、対称なインダクタ200の1巻きインダクタの形状は、単一の巻きのみ有することが原因で、不利なインダクタンスを有する。追加の巻き又は金属長さは、インダクタンス値を増加させることができる。
【0008】
従来のオンチップインダクタとトランジスタとの間の寸法比は、BEOL金属層におけるインダクタによって消費され得る金属層の源が比較的過剰であるという認識を提供することができる。従来のオンチップインダクタは、300μm×300μm又は90,000μm2の面積を占めることができる。対照的に、利用可能なフィーチャサイズを用いて、トランジスタは0.09μm2の面積を占めることができる。従って、インダクタとトランジスタとによって消費され得る空間の間のチップサイズ比は、1,000,000:1である。加えて、CMOSテクノロジーのスケーリングにより、能動デバイスのためのFEOLがスケーリングする一方で受動デバイスのためのBEOLはスケーリングしないため、mm2あたりのチップコストは増加し続ける。それ故に、インダクタ又は変圧器のチップコストは非常に高く、例えば45nm又は32nmなどのより進歩した技術ノードにおいて増加する可能性が高い。
【0009】
例示であるらせん状の多重巻きインダクタ300の上面図が、図3に示される。らせん状の構造は、インダクタンス値を増加させるために用いられることができる。らせん状の多重巻きインダクタ300は1巻きインダクタ200のような対称性を有しないが、それは増大した全体の連続金属長さにより増加されたインダクタンス値を有する。対称性の欠如は、インダクタ300の入力部に極性を与える。インダクタ300のインダクタンス値はインダクタ300を形成するのに用いられる全体の連続金属長さに比例するため、インダクタンス値はインダクタの巻きを形成する金属コンダクタの幅、巻き間の空間、金属コンダクタの直径、及びらせんにおける巻き数によって影響を受ける。インダクタ300に対する入力部は通常、インダクタ構造体の同側に引き出される。らせん状の多重巻きインダクタ300は、多重巻きらせん部分302、第1入力部304、及びらせん状の終点308からインダクタ300の第1入力部304と同側に引き出された第2入力部306を含む。リード310は、第2入力部306をインダクタ300のらせんの終点308から引き出すために使用される。この形態において、多重巻きインダクタ300は1巻きインダクタ200に対して幾つかの欠点を有する。多重巻きインダクタ300は2つの金属層を必要とする:第1入力部304及びインダクタンスを増加させるためのらせん部分302に対する1番目の金属層;並びに、らせんの終点308から第2入力部306を引き出すためのリード310に対する2番目の金属層。対照的に、1巻きインダクタ200は1つの金属層で実現され得る。らせん状の多重巻きインダクタ300はまた、その多重巻き部分302がリード310を横切ることにより重複領域312及び314を有するが、それらは層間の容量結合を引き起こし得る。これらの重複領域312、314のこれらの容量結合は、インダクタ300の性能を低下することがある。
【0010】
金属層M1−Mnはまた、デバイスとインダクタ200及び300などのインダクタを作る以外の目的物との間の相互接続のために使用されるため、インダクタの利用可能な高さ112はBEOL部分106の全高さ110未満である。これらのタイプのインダクタはまた、周囲の層への望ましくない結合を誘導する。基板への結合を低減するために、これらのタイプのインダクタは通常、上部の金属層に取り付けられる。加えて、インダクタ200又は300と同一の金属層における他のデバイス又は相互接続部は、インダクタと他のデバイス又は相互接続部との間の電磁結合を妨げるために、例えば100μmなどの隔離距離によってインダクタから離される。この隔離距離は、必要とされるインダクタ磁場からの回路の隔離によって決まり、それはインダクタによって消費される面積を増加させ、故にダイのコストを増加させる。
【0011】
インダクタ全体の金属長さを更に増加させる従来の方法は、金属の連続積層である。図4は、BEOL部分106の金属層M1−Mnに形成される3つの異なる金属層402、404、406を含むインダクタ400を示す。金属層402及び404は距離412によって離され、金属層404及び406は距離414によって離される。金属層402、404、406は、垂直コネクタ408及び410によって直列に接続される。3層インダクタ400は、金属層402上の第1入力部416及び金属層406上の第2入力部418を有する。第2入力部418は、図3に示されたリード310と類似の別の層上の金属リードを用いて、インダクタ構造体の第1入力部416と同側に引き出され得る。金属層402、404、406間の距離412、414は、それぞれの金属層402、404、406上のらせん形状の直径(例えば200μm)に比べて非常に小さい(例えば2−3μm)。従って、垂直コネクタ408及び410の長さは、全体のインダクタ長さに対してごく少量のみ寄与する。インダクタ400の全体の金属長さは、インダクタ300の全体の金属長さより略3倍大きい。しかしながら、全体のインダクタンスは多重層間の磁場キャンセルが原因で減少するため、3層インダクタ400は従来、インダクタ300のインダクタンス値の3倍未満であるインダクタンス値を有する。それ故に、金属積層を用いてインダクタンス値を増加させる能力は、BEOL部分106に対するプロセスの制約が原因で制限される。
【0012】
上記のインダクタ形態の何れに対しても、インダクタンスが全体の金属コンダクタ長さの関数であることに留意すべきである。従ってインダクタサイズはテクノロジーにかかわらず同一である。これらのインダクタに対して用いられる各金属層は代わりに、何十億又はそれ以上のトランジスタに対する空間を提供し得る。加えて、インダクタの誘導的な領域は他の配線を有する層に対して実質的に平行であるため、それらは集積回路内の他の成分に対して不利な電磁干渉(EMI)効果を有することがあり、且つ/或いはそれらのインダクタ特性は隣接したコンダクタによって悪影響を受けることがある。
【0013】
インダクタに対するこれらの課題は、2以上のインダクタで作られた変圧器の場合に増加する。チップのBEOL部分における変圧器500の実現例が図5に示される。チップは、変圧器500が実現されたBEOL部分502と、FEOL部分504とを含む。FEOL部分504は、基板506と、ドーピング及び他の目的のために基板506の上部に堆積され、チップの能動デバイスが通常配置される様々な上部層とを含む。変圧器500は、誘導結合された第1インダクタ510及び第2インダクタ512を含む。この実現において、BEOL部分502における金属層は、第1インダクタ512及び第2インダクタ512のインダクタンス値を調整するために、次第に厚くなる。明確性のために、図5の右側に象徴的な変圧器500を示す。第1インダクタ510は、チップ上の回路への接続のための第1入力部P1及びアース端子に結合された第2入力部を有する。第2インダクタ512は、チップ上の別の回路への接続のための第1入力部P2及び同様にアース端子に結合された第2入力部を有する。象徴的な描写はまた、変圧器500における第1インダクタ510と第2インダクタ512との間の誘導的な結合を示す。上記に示されたインダクタと同様に、この変圧器の実現は非常にコストの高い多量の面積を消費する。
【0014】
それ故に、より狭い空間でより高いインダクタンス値を作り出せ、より小さいフィーチャサイズへの進歩を利用でき、又は集積回路内の他の成分に対してより小さい電磁干渉効果を有する、変圧器及び集積回路で使用するための新しいタイプのインダクタを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
貫通シリコンビア(TSV)を用いた3次元オンチップインダクタは、集積回路及び変圧器で使用することができる。3次元オンチップインダクタは、より狭い空間においてより高いインダクタンスを作り出すことができ、故に多くの利用可能なオンチップの源を解放することができる。3次元オンチップインダクタは、より小さいフィーチャサイズへの進歩を利用でき、新しいテクノロジーとともに縮小することができる。3次元オンチップインダクタはTSVの統合により垂直面を有し、集積回路内の他の構成要素に対してより小さい電磁干渉効果を有することができる:3次元オンチップインダクタのTSVはまた、周囲の構成要素に対する電磁干渉効果を低減するために、遮蔽され得る。
【0016】
3次元オンチップインダクタは、第1金属層の複数のセグメントと、第2金属層の複数のセグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部と、前記第1金属層の複数のセグメント及び前記第2金属層の複数のセグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含む。複数の貫通シリコンビア及びセグメントは、前記第1インダクタ入力部と及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成する。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層であり得る。第2金属層はチップの再分配層に配置され得る。
【0017】
3次元オンチップインダクタは、対称又は非対称な形状を有することができる。対称な形状では、第1及び第2インダクタ入力部は第1金属層及び第2金属層の一方に配置され、オンチップインダクタは第1及び第2インダクタ入力部の間を通過する対称ラインに対して対称な形状を有する。非対称な形状では、第1インダクタ入力部は第1金属層及び第2金属層の一方に配置され、第2インダクタ入力部は別の金属層に配置される。
【0018】
複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布する。貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンは、複数の接地された貫通シリコンビアを含むペリメータによって囲まれることができ、複数の接地された貫通シリコンビアはアース端子に結合される。これらの接地された貫通シリコンビアはチップにおける周囲のデバイス上のインダクタによって、電磁干渉を著しく低減できる。
【0019】
3次元オンチップ変圧器がまた開示される。3次元オンチップ変圧器は、第1オンチップインダクタ及び第2オンチップインダクタを含む。第1及び第2オンチップインダクタのそれぞれは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第1インダク入力部と、第2インダクタ入力部と、第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために複数の第1セグメント及び複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、含む。第1オンチップインダクタは第2オンチップインダクタに誘導結合され、第1オンチップインダクタはアース端子でのみ第2オンチップインダクタに物理的に結合される。第1及び第2インダクタ入力部は第1金属層及び第2金属層の一方に配置され得る。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層の一つであり得る。第2金属層はチップの再分配層に配置され得る。第1オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布することができ、第2オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布することができる。貫通シリコンビアはまた、周囲のデバイスにおける電磁干渉を低減するために遮蔽され得る。
【0020】
3次元オンチップ無線周波増幅器がまた開示される。3次元オンチップ無線周波増幅器は、第1オンチップ変圧器と、第2オンチップ変圧器と、第1オンチップトランジスタとを含む。第1オンチップ変圧器は、第1オンチップインダクタ及び第2オンチップインダクタを含む。第2オンチップ変圧器は、第3オンチップインダクタ及び第4オンチップインダクタを含む。第1オンチップインダクタは、ゲート、ドレイン、及びソースを含む。第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタのそれぞれは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部と、第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために複数の第1セグメント及び複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含む。第1オンチップインダクタは第2オンチップインダクタに誘導結合され、第3オンチップインダクタは第4オンチップインダクタに誘導結合され、第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタはアース端子でのみ互いに物理的に結合される。第2オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタのゲートに結合される。第3オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は第1オンチップトランジスタのドレインに結合される。第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタの第2インダクタ入力部はアース端子に結合される。オンチップトランジスタのソースはアース端子に結合される。第1及び第2インダクタ入力部は、第1金属層及び第2金属層の一方に配置され得る。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層であり得る。第2金属層はチップの再分配層に配置され得る。それぞれのオンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布することができ、遮蔽されることができる。
【0021】
3次元オンチップ増幅器はまた、第5インダクタと、第6インダクタと、ゲート、ドレイン、及びソースを含む第2オンチップトランジスタとを含むことができる。第2オンチップトランジスタのゲートは第1オンチップトランジスタのドレインに結合されることができる;第2オンチップトランジスタのドレインは第3オンチップインダクタの第1インダクタ入力部に結合されることができ、第2オンチップトランジスタのソースはアース端子に結合されることができる;第5及び第6オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は供給電圧に結合されることができる;第5インダクタの第2インダクタ入力部は第1オンチップトランジスタのドレインに結合されることができる;第6インダクタの第2インダクタ入力部は第2オンチップトランジスタのドレインに結合されることができる。第5及び第6オンチップインダクタのそれぞれは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第5及び第6インダクタそれぞれの第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、複数の第1セグメント及び複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含むことができる。第5インダクタの第1及び第2インダクタ入力部は、第1金属層及び第2金属層の一方に配置される。第6インダクタの第1及び第2インダクタ入力部は、第1金属層及び第2金属層の一方に配置される。
【0022】
本開示のより完全な理解のために、以下の詳細な説明及び添付の図面がここで参照される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】CMOSデバイスの概略断面図である。
【図2】対称な2次元インダクタの概略上面図である。
【図3】らせん状で非対称な2次元インダクタの概略上面図である。
【図4】3層のらせん状で非対称な2次元インダクタの概略斜視図である。
【図5】変圧器を含むCMOSデバイスの概略断面図である。
【図6】バックエンドオブライン部分の第1金属層における導電性セグメントをRDL部分における導電性セグメントに接続する貫通シリコンビアを示すCMOSデバイス断面の概略正面図である。
【図7】対称な3次元オンチップインダクタの概略上面図である。
【図8】その対称性を示す図7の対称な3次元インダクタを簡易化した2次元上面図である。
【図9】図7の対称な3次元オンチップインダクタの概略斜視図である。
【図10】チップの基板における回路へのその結合を示す対称な3次元オンチップインダクタの概略斜視図である。
【図11】2つのダイを相互に接続する3次元ダイ積層技術を示す図面である。
【図12】変圧器を示す図面である。
【図13】3次元オンチップ変圧器の概略斜視図である。
【図14】無線周波増幅器を示す図面である。
【図15】3次元オンチップ無線周波増幅器の概略斜視図である。
【図16】3次元インダクタ及び3次元変圧器の両方が実現され得る2段増幅器を示す図面である。
【図17】3次元インダクタ変圧器又はそれをベースとした他のデバイスが有利に使用され得る例示的な無線通信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1と同様に、図6は、3つの部分:再分配層(RDL)部分602、フロントエンドオブライン(FEOL)部分604、及びバックエンドオブライン(BEOL)部分606を含むCMOSテクノロジー600の断面図を示す。FEOL部分604は能動デバイスのための幾つかの上部層を有する基板608を含み、BEOL部分606はその中の一部分610が従来のインダクタに対して利用可能である複数の金属層M1−Mnを含む。FEOL部分604の高さは、BEOL部分606におけるインダクタに対して利用可能な高さ610よりはるかに大きい。非限定的である例示的な一実施形態では、FEOL部分604は200μm程度の高さを有することができ、一方、BEOL部分606におけるインダクタに対して利用可能な高さ610は10μm程度であることができる。
【0025】
図6はまた、統合された複数の垂直貫通シリコンビア(TSV)622を含むインダクタ620の例示的な実施形態の分解組立正面図を示す。インダクタ620は最初にCMOSテクノロジー600のFEOL部分604に配置され、以下で説明するようにRDL部分602及びBEOL部分606に延伸する。TSV622は基板608を貫通し、RDL部分602とBEOL部分606のM1層とを結合する。TSV高さ630はBEOL部分606におけるインダクタの利用可能な高さ610より50倍大きいことがある。インダクタの直列長さ(serialized-length)はインダクタンス値に正比例するため、TSV622はインダクタ620の全長さを増加させ、それはインダクタンス値を増加させる。図6に示すように、3次元形状においては、各TSVの上部はM1金属層における金属セグメント626で他のTSVと結合され、各TSVの底部はRDL部分602における金属セグメント624で他のTSVと結合され得る。
【0026】
インダクタ200、300及び400などの従来の2次元オンチップインダクタの設計は、BEOLにおける金属層間の距離がごくわずかであるため、インダクタ面積を増加させることによってインダクタンス密度を増加させることに制限される。例えば、金属層402、404、406間の距離412、414は2から3μmであり得、一方、それぞれの金属層402、404、406のらせん形状の直径は200から300μmであり得る。それ故に、従来のインダクタの設計は、2次元の最適化に効果的に制限される。インダクタの設計におけるTSVの統合ととともに、例えば200μmであるTSVの垂直高さと、例えば20μmであるTSVを接続するセグメントの水平ピッチとの両方が重要になり得る。それ故に、TSVインダクタは3次元で設計され、最適化され得る。
【0027】
TSVインダクタはまた、実質的に対称な形状で表示することができる。図7は例示的なインダクタ700の上面図を示す。インダクタ700は、基板を貫通する複数のTSV702、BEOL部分のM1層における複数のM1セグメント704、及びRDL部分における複数のRDLセグメント706を含む。インダクタ700はまた、一対のインダクタ入力部708、710を含む。インダクタ700が3次元で設計されること;つまりM1セグメント704とRDLセグメント706とが、TSV702が貫通するFEOL部分604の厚さ又は高さによって垂直に離されていること、に留意すべきである。インダクタ700は対称な設計を有する。図8はインダクタ700の簡易化した2次元形状800を示し、インダクタ入力部708、710の間を通過する中心線に対するインダクタ700の対称性を示す。
【0028】
この3次元TSVインダクタは故に、インダクタンス密度及び対称な形状に利点を与えることができる。3次元インダクタは、規則的なTSVアレイとRDL及びM1相互接続部との対称な接続、並びにインダクタ入力部の対称な配置によって、対称な構造体を有することができる。インダクタンス密度はまた、TSVの垂直高さによって増加される。
【0029】
図9はインダクタ700の3次元図面を示し、基板を貫通する複数のTSV702、BEOL部分のM1層における複数のM1セグメント704、RDL部分における複数のRDLセグメント706、及び一対のインダクタ入力部708、710を含む。TSV高さ及びセグメント長さが縮尺通りではないないことに留意すべきである。例示的なTSV高さは50μm又は200μmを含むことができ、例示的なコネクタ長さは20μm又は50μmであり得る。周囲のデバイスとの干渉を最小化するために、インダクタ700は、同様の間隔で配置され、アース端子に結合された四角いTSVによって囲まれることができる。電磁干渉を最小化するのに知られた他の方法もまた使用することができる。
【0030】
限定的ではなく一例として、インダクタ700の構造を有する例示的なインダクタは、100μmのTSV高さ、20μmのTSV直径、及び長さ20μmのM1及びRDLセグメントを有することができる。インダクタ700は、64のTSV、32のM1セグメント、及び31のRDLセグメントを有する。故に、上記の例示的な寸法を有する実施形態は、64×100+(32+31)×20μm=7.66mmの全インダクタ長さを有することができ、略90μm×90μmの水平断面積を有することができる。この実施形態のインダクタンス値は略12nHである。対照的に、200μm×200μmの例示的な水平断面積を有する図3におけるらせん状インダクタ300は3次元TSVインダクタ面積の4倍を超える面積を占め、配線の厚さ及び間隔にもよるが、典型的に略0.64nHのインダクタンスを有することができる。
【0031】
図10は、代替的な非対称インダクタ1000の3次元図面を示す。インダクタ1000は、複数のTSV1002、BEOL部分(底部)のM1層における複数のM1セグメント1006、及びRDL部分(上部)における複数のRDLセグメント1004を含む。インダクタ1000はまた、第1インダクタ入力部1008及び第2インダクタ入力部1010をBEOL部分に含む。図10の上部はチップから取り除かれたインダクタ1000を示し、図の底部はインダクタ入力部1008、1010への接続部を示す。第1インダクタ入力部1008はTSV1012に結合され、第2インダクタ入力部1010はTSV1014に結合される。インダクタ1000が非対称ならせん形状を有することに留意すべきである。インダクタ入力部1008、1010は、基板1016において電気回路1018に結合される。TSV1002はまた、基板1016を貫通する。M1セグメント1006はBEOL部分におけるM1層にあり、少なくとも中心のTSV1014に結合されたインダクタ入力部1010はBEOL部分における別の金属層にある。電気回路1018は次いで、BEOL部分における1つ又は複数の金属層に結合されることができる。
【0032】
図11は、更に高い密度を得るためのインダクタ及び変圧器を有する3次元ダイの積層方法を示す。このダイ積層技術は、図11の左上のブロック100における第1ダイ1100と、図11の右側のブロック105における第2ダイ1150とから始まる。
【0033】
第1ダイ1100は、BEOL部分1102及びFEOL部分1104を含む。FEOL部分1104は、基板1108と複数の能動デバイスが実現される上部層1110とを含む。BEOL部分1102は複数の金属層を含み、それは基板1108に最も近い第1金属層1112と基板1108から最も遠い上部金属層1106とを含み、少なくとも1つの金属層がインダクタを含む。BEOL部分1102は第1ダイ1100の正面(FS)にあり、FEOL部分1104の基板1108は一般的に第1ダイ1100の裏面(BS)にある。
【0034】
ブロック101は、FEOL部分1104の上部層1110及び基板1108の一部分を通って掘られた貫通シリコンビア(TSV)1120を示す。このブロックでは、基板1108は厚さt1を有する。TSV1120の上部は、BEOL部分1102における第1金属層1112に結合される。
【0035】
ブロック102は、基板の薄化後の第1ダイ1100を示す。基板薄化プロセスは、基板1108の厚さを厚さt1から厚さt2まで低減させる。基板薄化プロセスは、基板1108の底部でTSV1120の末端を露出させる。
【0036】
ブロック103は、基板1108の底部でのRDL層1130の追加後の第1ダイ1100を示す。RDL部分1130はここで、第1ダイ1100の裏面にある。RDL部分1130は、ダイ1100の裏面でTSV1120の末端を信号入力部1132に結合させるコンダクタを含み、信号入力部1132からRDL部分1130及びTSV1120を通ってBEOL部分1102における第1金属層1112まで導電パスを形成する。
【0037】
ブロック104は第1ダイ1100の反転段階を示し、従って第1ダイ1100の正面におけるBEOL部分1102の金属層はここでは底部にあり、第1ダイ1100の裏面におけるRDL部分1130はここでは上部にある。
【0038】
ブロック105は、BEOL部分1152及びFEOL部分1154を含む第2ダイ1150を示す。BEOL部分1152は、基板1158から最も遠い上部金属層1156を含む複数の金属層を含み、少なくとも1つの金属層がインダクタを含む。FEOL部分1154は、基板1158と複数の能動デバイスが実現される上部層1160とを含む。BEOL部分1152は、第2ダイ1150の正面(FS)にあり、FEOL部分1154の基板1158は第2ダイ1150の裏面(BS)にある。
【0039】
ブロック106は第2ダイ1150の反転段階を示し、従って第2ダイ1150の正面におけるBEOL部分1152の金属層はここでは底部にあり、第2ダイ1150の裏面における基板1158はここでは上部にある。
【0040】
ブロック107は、マイクロバンプ1140を用いて第2ダイ1150の正面を第1ダイ1100の裏面に接続する段階を示す。マイクロバンプ1140は、第1ダイ1100の裏面におけるRDL部分1130の信号入力部1132を第2ダイ1150の正面におけるBEOL部分1152の上部金属層1156に結合する導電パスを提供する。
【0041】
故にこの3次元ダイ積層技術は、第2ダイ1150の上部金属層1156におけるインダクタ又は変圧器を第1ダイ1100の第1金属層1110に、金属バンプ1140を通って、且つRDL部分1130及び第1ダイ1100のTSV1120を通って結合するのに使用され得る導電パスを提供する。
【0042】
図12は、第1インダクタ1202及び第2インダクタ1204を含む変圧器1200を示す。インダクタンス値は主にインダクタ長さに比例し、変圧器は2つのインダクタに加えて電磁結合構造体のためのより大きなチップ領域を必要とする。第1インダクタ1202は第1入力部1208及び第2入力部1210を有する;第1入力部1208は一次回路(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1210はアース端子に結合される。第2インダクタ1204は第1入力部1212及び第2入力部1214を有する;第1入力部1212は負荷(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1214はアース端子に結合される。第1インダクタ1202は、2つのインダクタ間の電磁結合1206を促進できるように第2インダクタ1204から物理的に分離され、それは第1インダクタ1202における様々な電流が第2インダクタ1204において様々な電圧を誘導するほどであり、一次回路から変圧器1200を通って負荷にエネルギーをもたらす。異なる物質、例えば強磁性物質が、変圧器1200内の結合係数を高めるために使用され得る。結合係数を高めることができる幾つかの例示的な強磁性物質は、ニッケル、コバルト、鉄、及びミューメタルを含む。
【0043】
図13は、貫通シリコンビア(TSV)を含むインダクタを用いた変圧器1300の実現例を示す。変圧器1300は、第1インダクタ1310及び第2インダクタ1320を含む。第1インダクタ1310及び第2インダクタ1320のそれぞれは、チップの基板を貫通する複数のTSV1302(例えば図6参照)を含むが、それは連続パスを形成するために、BEOL部分のM1層におけるM1セグメント1306によって上端で結合され、RDL部分におけるRDLセグメント1304によって下端で結合される。第1インダクタ1310は第1入力部1312及び第2入力部1314を有する;第1入力部1312は一次回路(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1314はアース端子に結合される。第2インダクタ1320は第1入力部1322及び第2入力部1324を有する;第1入力部1322は負荷(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1324はアース端子に結合される。第1インダクタ1310は、2つのインダクタ間の電磁結合を促進する方法で、第2インダクタ1320から誘電材料によって物理的に離される。基板を貫通するTSVは、インダクタンス値を増加させるインダクタ長さを増加させる。連続パスでのRDL及びM1セグメントによるTSVの代替的な接続はオンチップインダクタを形成し、これらのTSVインダクタの一対は変圧器を形成する。
【0044】
変圧器の例示的な用途は、図14に示すような無線周波(RF)増幅器1400であり、それはRF集積回路で使用され得る。RF増幅器1400は、トランジスタ1406によって連結された第1変圧器1402及び第2変圧器1404を含む。トランジスタ1406は、ゲート1410、ソース1412、及びドレイン1414を有する。トランジスタ1406のソース1412は、アース端子に結合される。
【0045】
第1変圧器1402は、第2インダクタ1422に誘導結合された第1インダクタ1420を含む。第1インダクタ1420は、第1入力部1424及び第2入力部1426を有する;第1入力部1424はRF入力部に結合されることができ、第2インダクタ入力部1426はアース端子に結合される。第2インダクタ1422は、第1入力部1428及び第2入力部1430を有する;第1入力部1428はトランジスタ1406のゲート1410に結合され、第2インダクタ入力部1430はアース端子に結合される。
【0046】
第2変圧器1404は、第4インダクタ1442に誘導結合された第3インダクタ1440を含む。第3インダクタ1440は、第1入力部1444及び第2入力部1446を有する;第1インダクタ入力部1444はトランジスタ1406のドレイン1414に結合され、第2インダクタ入力部1446はアース端子に結合される。第4インダクタ1442は、第1入力部1448及び第2入力部1450を有する;第1入力部1448はRF出力部として使用されることができ、第2インダクタ入力部1450はアース端子に結合される。変圧器1402及び1404は、それらのインダクタ間の巻き比率により、信号結合及びインピーダンス変換の役割を果たす。
【0047】
図15は、貫通シリコンビア(TSV)を含むインダクタを用いたRF増幅器1500の実現例を示す。RF増幅器1500は、トランジスタ1506によって連結された第1変圧器1502及び第2変圧器1504を含む。トランジスタ1506は、ゲート1510、ソース1512、及びドレイン1514を有する。トランジスタ1506のソース1512は、アース端子に結合される。
【0048】
第1変圧器1502は、第2インダクタ1522に誘導結合された第1インダクタ1520を含む。第1インダクタ1520及び第2インダクタ1522のそれぞれは、チップの基板を貫通する複数のTSVを含み、そこで連続パスを形成するために、TSVはBEOL部分のM1層におけるセグメントによって上端で結合され、RDL部分におけるセグメントによって下端で結合される(例えば、図12参照)。第1インダクタ1520は、第1入力部1524及び第2入力部1526を有する;第1入力部1524はRF入力部に結合されることができ、第2入力部1526はアース端子に結合される。第2インダクタ1522は、第1入力部1528及び第2入力部1530を有する;第1入力部1528はトランジスタ1506のゲート1510に結合され、第2インダクタ入力部1530はアース端子に結合される。
【0049】
第2変圧器1504は、第4インダクタ1542に誘導結合された第3インダクタ1540を含む。第3インダクタ1540及び第4インダクタ1542のそれぞれは、チップの基板を貫通する複数のTSVを含み、そこで連続パスを形成するために、TSVはBEOL部分のM1層におけるセグメントによって上端で結合され、RDL部分におけるセグメントによって下端で結合される(例えば、図13参照)。第3インダクタ1540は、第1入力部1544及び第2入力部1546を有する;第1入力部1544はトランジスタ1506のドレイン1514に結合され、第2入力部1546はアース端子に結合される。第4インダクタ1542は、第1入力部1548及び第2入力部1550を有する;第1入力部1548はRF出力部として使用されることができ、第2入力部1550はアース端子に結合される。
【0050】
TSVを用いたインダクタ及び変圧器は様々な他の用途で使用されることができ、別の例示は図16に示すような2段増幅器1600である。増幅器1600は第1変圧器1602及び第2変圧器1604を含み、それらの両方が上記のようなTSVインダクタを含むことができる。第1変圧器1602及び第2変圧器1604は、第1トランジスタ1606及び第2トランジスタ1608を通って連結される。第1トランジスタ1606は、ゲート1662、ドレイン1664、及びソース1666を含む。第2トランジスタ1608は、ゲート1682、ドレイン1684、及びソース1686を含む。第1トランジスタ1606のドレイン1664は第1インダクタ1610を通って供給電圧VDDに結合され、第2トランジスタ1608のドレイン1684は第2インダクタ1612を通って供給電圧VDDに結合される。第1インダクタ1610又は第2インダクタ1612はまた、上記のようなTSVインダクタであり得る。
【0051】
第1変圧器1602は、第2インダクタ1622に誘導結合された第1インダクタ1620を含む。第1インダクタ1620は、第1入力部1624及び第2入力部1626を有する。第2インダクタ1622は、第1入力部1628及び第2入力部1630を有する。第1インダクタ1620の第1入力部1624は、増幅器1600に対する信号入力部に結合される。第2インダクタ1624の第1入力部1628は、第1キャパシタ1632を通って第1トランジスタ1606のゲート1662に結合される。第1インダクタ1620の第2インダクタ入力部1626及び第2インダクタ1622の第2入力部1630はともに、アース端子に結合される。
【0052】
第1トランジスタ1606のゲート1662はまた、レジスタ1634を通って供給電圧VDDに結合される。第2トランジスタ1608のゲート1682は、第1トランジスタ1606のドレイン1664に結合される。第1トランジスタ1606のソース1666及び第2トランジスタ1608のソース1686はともに、アース端子に結合される。
【0053】
第2変圧器1604は、第2インダクタ1642に誘導結合された第1インダクタ1640を含む。第1インダクタ1640は、第1入力部1644及び第2入力部1646を有する。第2インダクタ1642は、第1入力部1648及び第2入力部1650を有する。第1インダクタ1640の第1入力部1644は、第2キャパシタ1636を通って第2トランジスタ1608のドレイン1684に結合される。第2インダクタ1642の第1入力部1648は、2段増幅器1600の出力部として使用されることができる。第1インダクタ1640の第2入力部1646及び第2インダクタ1642の第2入力部1650はともに、アース端子に結合される。変圧器1602及び1604は、それらのインダクタ間の巻き比率により、信号結合及びインピーダンス変換の役割を果たす。
【0054】
図17は、複数の貫通シリコンビア(TSV)を用いて実現されたインダクタ又は変圧器の実施形態が有利に使用され得る例示的な無線通信システム1700を示し、そこでTSVは、ダイのBEOL部分の金属層における導電性セグメント及びRDL部分における導電性セグメントを用いて連続的な導電パスを形成するために、内部で結合される。TSVを用いて実現されたインダクタは、対称又は非対称な形状を有することができる。説明のために、図17は、3つの遠隔ユニット1720、1730、及び1750、並びに2つの基地局1740を示す。典型的な無線通信システムは、より多くの遠隔ユニット及び基地局を有することができるということが認められよう。遠隔ユニット1720、1730、及び1750の何れかは、本明細書で開示されたようなメモリパワー操作システムをサポートする多数のパワーモードを含むことができる。図17は、基地局1740並びに遠隔ユニット1720、1730、及び1750からの上りリンク信号1780、並びに遠隔ユニット1720、1730、及び1750から基地局1740への下りリンク信号1790を示す。
【0055】
図17では、遠隔ユニット1720は、携帯電話として示され、遠隔ユニット1730は、ポータブルコンピュータとして示され、遠隔ユニット1750は、無線ローカルループシステム内の固定位置遠隔ユニットとして示される。例えば、遠隔ユニットは、セル方式の携帯無線電話、携帯用パーソナル通信システム(PCS)ユニット、携帯データ端末などの携帯型データユニット、又はメータ読み出し装置などの固定位置データユニットであり得る。図17は、本明細書で開示されたようなメモリパワー操作システムをサポートする多数のパワーモードを含むことができる任意の例示的な遠隔ユニットを示すが、メモリパワー操作システムはこれらの例示的に図示されたユニットに限定されない。実施形態は、メモリパワー操作システムをサポートする多数のパワーモードが望まれる任意の電子デバイスで、適切に使用されることができる。
【0056】
本発明の原理を組み入れた例示的な実施形態が上記で開示されたが、本発明は開示された実施形態に限定されない。代わりに本願は、その一般的な原理を用いた本発明の任意の変化、使用、又は適合を含めることを目的とする。更に、本願は、本発明が関連する技術分野で既知又は通常の実施に近づくような本開示からの逸脱を含めることを目的とし、それは添付の特許請求の範囲の制限内に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
600 CMOSテクノロジー
602 RDL部分
604 FEOL部分
606 BEOL部分
608 基板
610 インダクタに対して利用可能な高さ
620 インダクタ
622、702 TSV
624、706 RDL部分における金属セグメント、RDLセグメント
626、704 M1金属層における金属セグメント、M1セグメント
630 TSV高さ
708、710 インダクタ入力部
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、集積回路デバイスに関し、より具体的には、貫通ビアを用いて集積回路デバイスで実現されたインダクタ及び変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクタ及び変圧器は、無線周波(RF)集積回路用途を含む広範囲の集積回路用途で使用される。オンチップインダクタは、それを通過する電流によって作り出された磁場にエネルギーを貯蔵できる受動電気成分である。インダクタは、1つ又は複数の「巻き」を含むコイルとして形作られたコンダクタであり得る。巻きは、インダクタの巻き内の「誘導的な」領域におけるコンダクタの各巻きを通って流れる電流によって誘導された磁束を集中させる。巻き数及び巻きのサイズは、インダクタンスに影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3881244号明細書
【特許文献2】米国特許第4729510号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁束に結合された2つ(又は複数)のインダクタは、変圧器を形成する。変圧器は、1つの回路から別へと、誘導結合されたコンダクタ、通常コイル又は変圧器を形成するインダクタの巻きを通って、電気エネルギーを伝えるデバイスである。第1の又は「一次の」インダクタにおける電流の変化は、第2の又は「二次の」インダクタにおける電圧の変化を誘導する。負荷が二次インダクタに結合される場合、電流が二次インダクタに流れ、電気エネルギーが一次回路から変圧器を通って負荷へと流れる。
【0005】
集積回路ダイ及び回路パッケージで実現された従来のインダクタは、幾つかの欠点を有することがある。これらのインダクタは、インダクタの巻きを形成するために、導電層においてらせん形の(helical)又はらせん状の(spiral)配線(trace)を形成することによって作られ得る。ある場合には、より高いインダクタンスを達成するために、これらの配線は隣接層における配線に結合され得る。残念なことに、インダクタは金属層の源を過剰に消費することがあり、望ましくないスケーリングなしに十分な電流容量又は十分高い品質係数を提供することができないことがある。加えて、インダクタの誘導的な領域はパッケージ基板及び回路ダイにおける他の配線を有する層に対して実質的に平行であるため、それらは集積回路内の他の成分に対して不利な電磁干渉(EMI)効果を有することがあり、且つ/或いはそれらのインダクタ特性は基板又は回路ダイ内の隣接したコンダクタによって悪影響を受けることがある。
【0006】
図1は、3つの部分:再分配層(RDL、redistributed design layer)部分102、フロントエンドオブライン(FEOL)部分104、及びバックエンドオブライン(BEOL)部分106を含むCMOSテクノロジー100の断面図を示す。FEOL部分104は基板108を含み、BEOL部分106は複数の金属層M1−Mnを含む。FEOL部分104の高さ又は厚さ114は通常、BEOL部分106の高さ又は厚さ110よりはるかに大きい。基板108に近いBEOL部分106の金属層はデバイス間の相互接続に使用され、従来のインダクタは周囲の層への望ましくない結合を誘導し得る。それ故に、相互接続のための空間を提供し、従来のインダクタによって引き起こされる望ましくない結合を最小化するために、基板108から離れたBEOL部分106におけるインダクタが利用可能な高さ112は、BEOL部分106の全高さ110未満となる。従来、オンチップインダクタは通常、BEOL部分106での1つ又は複数の金属層M1−Mnにおける2次元形状を用いて製造される。
【0007】
2つの入力ポート202、204を有する例示である対称な1巻きインダクタ200の上面図が、図2に示される。対称なインダクタ200は、対称ライン206によって分けられることができ、対称ライン206の片側におけるインダクタの第1半部208は、対称ライン206の反対側におけるインダクタの第2半部210と同一の寸法を有する。しかしながら、インダクタンス値はインダクタを形成するのに用いられる金属ラインの全長さに比例するため、対称なインダクタ200の1巻きインダクタの形状は、単一の巻きのみ有することが原因で、不利なインダクタンスを有する。追加の巻き又は金属長さは、インダクタンス値を増加させることができる。
【0008】
従来のオンチップインダクタとトランジスタとの間の寸法比は、BEOL金属層におけるインダクタによって消費され得る金属層の源が比較的過剰であるという認識を提供することができる。従来のオンチップインダクタは、300μm×300μm又は90,000μm2の面積を占めることができる。対照的に、利用可能なフィーチャサイズを用いて、トランジスタは0.09μm2の面積を占めることができる。従って、インダクタとトランジスタとによって消費され得る空間の間のチップサイズ比は、1,000,000:1である。加えて、CMOSテクノロジーのスケーリングにより、能動デバイスのためのFEOLがスケーリングする一方で受動デバイスのためのBEOLはスケーリングしないため、mm2あたりのチップコストは増加し続ける。それ故に、インダクタ又は変圧器のチップコストは非常に高く、例えば45nm又は32nmなどのより進歩した技術ノードにおいて増加する可能性が高い。
【0009】
例示であるらせん状の多重巻きインダクタ300の上面図が、図3に示される。らせん状の構造は、インダクタンス値を増加させるために用いられることができる。らせん状の多重巻きインダクタ300は1巻きインダクタ200のような対称性を有しないが、それは増大した全体の連続金属長さにより増加されたインダクタンス値を有する。対称性の欠如は、インダクタ300の入力部に極性を与える。インダクタ300のインダクタンス値はインダクタ300を形成するのに用いられる全体の連続金属長さに比例するため、インダクタンス値はインダクタの巻きを形成する金属コンダクタの幅、巻き間の空間、金属コンダクタの直径、及びらせんにおける巻き数によって影響を受ける。インダクタ300に対する入力部は通常、インダクタ構造体の同側に引き出される。らせん状の多重巻きインダクタ300は、多重巻きらせん部分302、第1入力部304、及びらせん状の終点308からインダクタ300の第1入力部304と同側に引き出された第2入力部306を含む。リード310は、第2入力部306をインダクタ300のらせんの終点308から引き出すために使用される。この形態において、多重巻きインダクタ300は1巻きインダクタ200に対して幾つかの欠点を有する。多重巻きインダクタ300は2つの金属層を必要とする:第1入力部304及びインダクタンスを増加させるためのらせん部分302に対する1番目の金属層;並びに、らせんの終点308から第2入力部306を引き出すためのリード310に対する2番目の金属層。対照的に、1巻きインダクタ200は1つの金属層で実現され得る。らせん状の多重巻きインダクタ300はまた、その多重巻き部分302がリード310を横切ることにより重複領域312及び314を有するが、それらは層間の容量結合を引き起こし得る。これらの重複領域312、314のこれらの容量結合は、インダクタ300の性能を低下することがある。
【0010】
金属層M1−Mnはまた、デバイスとインダクタ200及び300などのインダクタを作る以外の目的物との間の相互接続のために使用されるため、インダクタの利用可能な高さ112はBEOL部分106の全高さ110未満である。これらのタイプのインダクタはまた、周囲の層への望ましくない結合を誘導する。基板への結合を低減するために、これらのタイプのインダクタは通常、上部の金属層に取り付けられる。加えて、インダクタ200又は300と同一の金属層における他のデバイス又は相互接続部は、インダクタと他のデバイス又は相互接続部との間の電磁結合を妨げるために、例えば100μmなどの隔離距離によってインダクタから離される。この隔離距離は、必要とされるインダクタ磁場からの回路の隔離によって決まり、それはインダクタによって消費される面積を増加させ、故にダイのコストを増加させる。
【0011】
インダクタ全体の金属長さを更に増加させる従来の方法は、金属の連続積層である。図4は、BEOL部分106の金属層M1−Mnに形成される3つの異なる金属層402、404、406を含むインダクタ400を示す。金属層402及び404は距離412によって離され、金属層404及び406は距離414によって離される。金属層402、404、406は、垂直コネクタ408及び410によって直列に接続される。3層インダクタ400は、金属層402上の第1入力部416及び金属層406上の第2入力部418を有する。第2入力部418は、図3に示されたリード310と類似の別の層上の金属リードを用いて、インダクタ構造体の第1入力部416と同側に引き出され得る。金属層402、404、406間の距離412、414は、それぞれの金属層402、404、406上のらせん形状の直径(例えば200μm)に比べて非常に小さい(例えば2−3μm)。従って、垂直コネクタ408及び410の長さは、全体のインダクタ長さに対してごく少量のみ寄与する。インダクタ400の全体の金属長さは、インダクタ300の全体の金属長さより略3倍大きい。しかしながら、全体のインダクタンスは多重層間の磁場キャンセルが原因で減少するため、3層インダクタ400は従来、インダクタ300のインダクタンス値の3倍未満であるインダクタンス値を有する。それ故に、金属積層を用いてインダクタンス値を増加させる能力は、BEOL部分106に対するプロセスの制約が原因で制限される。
【0012】
上記のインダクタ形態の何れに対しても、インダクタンスが全体の金属コンダクタ長さの関数であることに留意すべきである。従ってインダクタサイズはテクノロジーにかかわらず同一である。これらのインダクタに対して用いられる各金属層は代わりに、何十億又はそれ以上のトランジスタに対する空間を提供し得る。加えて、インダクタの誘導的な領域は他の配線を有する層に対して実質的に平行であるため、それらは集積回路内の他の成分に対して不利な電磁干渉(EMI)効果を有することがあり、且つ/或いはそれらのインダクタ特性は隣接したコンダクタによって悪影響を受けることがある。
【0013】
インダクタに対するこれらの課題は、2以上のインダクタで作られた変圧器の場合に増加する。チップのBEOL部分における変圧器500の実現例が図5に示される。チップは、変圧器500が実現されたBEOL部分502と、FEOL部分504とを含む。FEOL部分504は、基板506と、ドーピング及び他の目的のために基板506の上部に堆積され、チップの能動デバイスが通常配置される様々な上部層とを含む。変圧器500は、誘導結合された第1インダクタ510及び第2インダクタ512を含む。この実現において、BEOL部分502における金属層は、第1インダクタ512及び第2インダクタ512のインダクタンス値を調整するために、次第に厚くなる。明確性のために、図5の右側に象徴的な変圧器500を示す。第1インダクタ510は、チップ上の回路への接続のための第1入力部P1及びアース端子に結合された第2入力部を有する。第2インダクタ512は、チップ上の別の回路への接続のための第1入力部P2及び同様にアース端子に結合された第2入力部を有する。象徴的な描写はまた、変圧器500における第1インダクタ510と第2インダクタ512との間の誘導的な結合を示す。上記に示されたインダクタと同様に、この変圧器の実現は非常にコストの高い多量の面積を消費する。
【0014】
それ故に、より狭い空間でより高いインダクタンス値を作り出せ、より小さいフィーチャサイズへの進歩を利用でき、又は集積回路内の他の成分に対してより小さい電磁干渉効果を有する、変圧器及び集積回路で使用するための新しいタイプのインダクタを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
貫通シリコンビア(TSV)を用いた3次元オンチップインダクタは、集積回路及び変圧器で使用することができる。3次元オンチップインダクタは、より狭い空間においてより高いインダクタンスを作り出すことができ、故に多くの利用可能なオンチップの源を解放することができる。3次元オンチップインダクタは、より小さいフィーチャサイズへの進歩を利用でき、新しいテクノロジーとともに縮小することができる。3次元オンチップインダクタはTSVの統合により垂直面を有し、集積回路内の他の構成要素に対してより小さい電磁干渉効果を有することができる:3次元オンチップインダクタのTSVはまた、周囲の構成要素に対する電磁干渉効果を低減するために、遮蔽され得る。
【0016】
3次元オンチップインダクタは、第1金属層の複数のセグメントと、第2金属層の複数のセグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部と、前記第1金属層の複数のセグメント及び前記第2金属層の複数のセグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含む。複数の貫通シリコンビア及びセグメントは、前記第1インダクタ入力部と及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成する。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層であり得る。第2金属層はチップの再分配層に配置され得る。
【0017】
3次元オンチップインダクタは、対称又は非対称な形状を有することができる。対称な形状では、第1及び第2インダクタ入力部は第1金属層及び第2金属層の一方に配置され、オンチップインダクタは第1及び第2インダクタ入力部の間を通過する対称ラインに対して対称な形状を有する。非対称な形状では、第1インダクタ入力部は第1金属層及び第2金属層の一方に配置され、第2インダクタ入力部は別の金属層に配置される。
【0018】
複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布する。貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンは、複数の接地された貫通シリコンビアを含むペリメータによって囲まれることができ、複数の接地された貫通シリコンビアはアース端子に結合される。これらの接地された貫通シリコンビアはチップにおける周囲のデバイス上のインダクタによって、電磁干渉を著しく低減できる。
【0019】
3次元オンチップ変圧器がまた開示される。3次元オンチップ変圧器は、第1オンチップインダクタ及び第2オンチップインダクタを含む。第1及び第2オンチップインダクタのそれぞれは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第1インダク入力部と、第2インダクタ入力部と、第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために複数の第1セグメント及び複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、含む。第1オンチップインダクタは第2オンチップインダクタに誘導結合され、第1オンチップインダクタはアース端子でのみ第2オンチップインダクタに物理的に結合される。第1及び第2インダクタ入力部は第1金属層及び第2金属層の一方に配置され得る。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層の一つであり得る。第2金属層はチップの再分配層に配置され得る。第1オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布することができ、第2オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布することができる。貫通シリコンビアはまた、周囲のデバイスにおける電磁干渉を低減するために遮蔽され得る。
【0020】
3次元オンチップ無線周波増幅器がまた開示される。3次元オンチップ無線周波増幅器は、第1オンチップ変圧器と、第2オンチップ変圧器と、第1オンチップトランジスタとを含む。第1オンチップ変圧器は、第1オンチップインダクタ及び第2オンチップインダクタを含む。第2オンチップ変圧器は、第3オンチップインダクタ及び第4オンチップインダクタを含む。第1オンチップインダクタは、ゲート、ドレイン、及びソースを含む。第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタのそれぞれは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部と、第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために複数の第1セグメント及び複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含む。第1オンチップインダクタは第2オンチップインダクタに誘導結合され、第3オンチップインダクタは第4オンチップインダクタに誘導結合され、第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタはアース端子でのみ互いに物理的に結合される。第2オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタのゲートに結合される。第3オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は第1オンチップトランジスタのドレインに結合される。第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタの第2インダクタ入力部はアース端子に結合される。オンチップトランジスタのソースはアース端子に結合される。第1及び第2インダクタ入力部は、第1金属層及び第2金属層の一方に配置され得る。第1金属層はチップのバックエンドオブライン部分における金属層であり得る。第2金属層はチップの再分配層に配置され得る。それぞれのオンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアは規則的なアレイパターンに分布することができ、遮蔽されることができる。
【0021】
3次元オンチップ増幅器はまた、第5インダクタと、第6インダクタと、ゲート、ドレイン、及びソースを含む第2オンチップトランジスタとを含むことができる。第2オンチップトランジスタのゲートは第1オンチップトランジスタのドレインに結合されることができる;第2オンチップトランジスタのドレインは第3オンチップインダクタの第1インダクタ入力部に結合されることができ、第2オンチップトランジスタのソースはアース端子に結合されることができる;第5及び第6オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は供給電圧に結合されることができる;第5インダクタの第2インダクタ入力部は第1オンチップトランジスタのドレインに結合されることができる;第6インダクタの第2インダクタ入力部は第2オンチップトランジスタのドレインに結合されることができる。第5及び第6オンチップインダクタのそれぞれは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第5及び第6インダクタそれぞれの第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、複数の第1セグメント及び複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含むことができる。第5インダクタの第1及び第2インダクタ入力部は、第1金属層及び第2金属層の一方に配置される。第6インダクタの第1及び第2インダクタ入力部は、第1金属層及び第2金属層の一方に配置される。
【0022】
本開示のより完全な理解のために、以下の詳細な説明及び添付の図面がここで参照される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】CMOSデバイスの概略断面図である。
【図2】対称な2次元インダクタの概略上面図である。
【図3】らせん状で非対称な2次元インダクタの概略上面図である。
【図4】3層のらせん状で非対称な2次元インダクタの概略斜視図である。
【図5】変圧器を含むCMOSデバイスの概略断面図である。
【図6】バックエンドオブライン部分の第1金属層における導電性セグメントをRDL部分における導電性セグメントに接続する貫通シリコンビアを示すCMOSデバイス断面の概略正面図である。
【図7】対称な3次元オンチップインダクタの概略上面図である。
【図8】その対称性を示す図7の対称な3次元インダクタを簡易化した2次元上面図である。
【図9】図7の対称な3次元オンチップインダクタの概略斜視図である。
【図10】チップの基板における回路へのその結合を示す対称な3次元オンチップインダクタの概略斜視図である。
【図11】2つのダイを相互に接続する3次元ダイ積層技術を示す図面である。
【図12】変圧器を示す図面である。
【図13】3次元オンチップ変圧器の概略斜視図である。
【図14】無線周波増幅器を示す図面である。
【図15】3次元オンチップ無線周波増幅器の概略斜視図である。
【図16】3次元インダクタ及び3次元変圧器の両方が実現され得る2段増幅器を示す図面である。
【図17】3次元インダクタ変圧器又はそれをベースとした他のデバイスが有利に使用され得る例示的な無線通信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1と同様に、図6は、3つの部分:再分配層(RDL)部分602、フロントエンドオブライン(FEOL)部分604、及びバックエンドオブライン(BEOL)部分606を含むCMOSテクノロジー600の断面図を示す。FEOL部分604は能動デバイスのための幾つかの上部層を有する基板608を含み、BEOL部分606はその中の一部分610が従来のインダクタに対して利用可能である複数の金属層M1−Mnを含む。FEOL部分604の高さは、BEOL部分606におけるインダクタに対して利用可能な高さ610よりはるかに大きい。非限定的である例示的な一実施形態では、FEOL部分604は200μm程度の高さを有することができ、一方、BEOL部分606におけるインダクタに対して利用可能な高さ610は10μm程度であることができる。
【0025】
図6はまた、統合された複数の垂直貫通シリコンビア(TSV)622を含むインダクタ620の例示的な実施形態の分解組立正面図を示す。インダクタ620は最初にCMOSテクノロジー600のFEOL部分604に配置され、以下で説明するようにRDL部分602及びBEOL部分606に延伸する。TSV622は基板608を貫通し、RDL部分602とBEOL部分606のM1層とを結合する。TSV高さ630はBEOL部分606におけるインダクタの利用可能な高さ610より50倍大きいことがある。インダクタの直列長さ(serialized-length)はインダクタンス値に正比例するため、TSV622はインダクタ620の全長さを増加させ、それはインダクタンス値を増加させる。図6に示すように、3次元形状においては、各TSVの上部はM1金属層における金属セグメント626で他のTSVと結合され、各TSVの底部はRDL部分602における金属セグメント624で他のTSVと結合され得る。
【0026】
インダクタ200、300及び400などの従来の2次元オンチップインダクタの設計は、BEOLにおける金属層間の距離がごくわずかであるため、インダクタ面積を増加させることによってインダクタンス密度を増加させることに制限される。例えば、金属層402、404、406間の距離412、414は2から3μmであり得、一方、それぞれの金属層402、404、406のらせん形状の直径は200から300μmであり得る。それ故に、従来のインダクタの設計は、2次元の最適化に効果的に制限される。インダクタの設計におけるTSVの統合ととともに、例えば200μmであるTSVの垂直高さと、例えば20μmであるTSVを接続するセグメントの水平ピッチとの両方が重要になり得る。それ故に、TSVインダクタは3次元で設計され、最適化され得る。
【0027】
TSVインダクタはまた、実質的に対称な形状で表示することができる。図7は例示的なインダクタ700の上面図を示す。インダクタ700は、基板を貫通する複数のTSV702、BEOL部分のM1層における複数のM1セグメント704、及びRDL部分における複数のRDLセグメント706を含む。インダクタ700はまた、一対のインダクタ入力部708、710を含む。インダクタ700が3次元で設計されること;つまりM1セグメント704とRDLセグメント706とが、TSV702が貫通するFEOL部分604の厚さ又は高さによって垂直に離されていること、に留意すべきである。インダクタ700は対称な設計を有する。図8はインダクタ700の簡易化した2次元形状800を示し、インダクタ入力部708、710の間を通過する中心線に対するインダクタ700の対称性を示す。
【0028】
この3次元TSVインダクタは故に、インダクタンス密度及び対称な形状に利点を与えることができる。3次元インダクタは、規則的なTSVアレイとRDL及びM1相互接続部との対称な接続、並びにインダクタ入力部の対称な配置によって、対称な構造体を有することができる。インダクタンス密度はまた、TSVの垂直高さによって増加される。
【0029】
図9はインダクタ700の3次元図面を示し、基板を貫通する複数のTSV702、BEOL部分のM1層における複数のM1セグメント704、RDL部分における複数のRDLセグメント706、及び一対のインダクタ入力部708、710を含む。TSV高さ及びセグメント長さが縮尺通りではないないことに留意すべきである。例示的なTSV高さは50μm又は200μmを含むことができ、例示的なコネクタ長さは20μm又は50μmであり得る。周囲のデバイスとの干渉を最小化するために、インダクタ700は、同様の間隔で配置され、アース端子に結合された四角いTSVによって囲まれることができる。電磁干渉を最小化するのに知られた他の方法もまた使用することができる。
【0030】
限定的ではなく一例として、インダクタ700の構造を有する例示的なインダクタは、100μmのTSV高さ、20μmのTSV直径、及び長さ20μmのM1及びRDLセグメントを有することができる。インダクタ700は、64のTSV、32のM1セグメント、及び31のRDLセグメントを有する。故に、上記の例示的な寸法を有する実施形態は、64×100+(32+31)×20μm=7.66mmの全インダクタ長さを有することができ、略90μm×90μmの水平断面積を有することができる。この実施形態のインダクタンス値は略12nHである。対照的に、200μm×200μmの例示的な水平断面積を有する図3におけるらせん状インダクタ300は3次元TSVインダクタ面積の4倍を超える面積を占め、配線の厚さ及び間隔にもよるが、典型的に略0.64nHのインダクタンスを有することができる。
【0031】
図10は、代替的な非対称インダクタ1000の3次元図面を示す。インダクタ1000は、複数のTSV1002、BEOL部分(底部)のM1層における複数のM1セグメント1006、及びRDL部分(上部)における複数のRDLセグメント1004を含む。インダクタ1000はまた、第1インダクタ入力部1008及び第2インダクタ入力部1010をBEOL部分に含む。図10の上部はチップから取り除かれたインダクタ1000を示し、図の底部はインダクタ入力部1008、1010への接続部を示す。第1インダクタ入力部1008はTSV1012に結合され、第2インダクタ入力部1010はTSV1014に結合される。インダクタ1000が非対称ならせん形状を有することに留意すべきである。インダクタ入力部1008、1010は、基板1016において電気回路1018に結合される。TSV1002はまた、基板1016を貫通する。M1セグメント1006はBEOL部分におけるM1層にあり、少なくとも中心のTSV1014に結合されたインダクタ入力部1010はBEOL部分における別の金属層にある。電気回路1018は次いで、BEOL部分における1つ又は複数の金属層に結合されることができる。
【0032】
図11は、更に高い密度を得るためのインダクタ及び変圧器を有する3次元ダイの積層方法を示す。このダイ積層技術は、図11の左上のブロック100における第1ダイ1100と、図11の右側のブロック105における第2ダイ1150とから始まる。
【0033】
第1ダイ1100は、BEOL部分1102及びFEOL部分1104を含む。FEOL部分1104は、基板1108と複数の能動デバイスが実現される上部層1110とを含む。BEOL部分1102は複数の金属層を含み、それは基板1108に最も近い第1金属層1112と基板1108から最も遠い上部金属層1106とを含み、少なくとも1つの金属層がインダクタを含む。BEOL部分1102は第1ダイ1100の正面(FS)にあり、FEOL部分1104の基板1108は一般的に第1ダイ1100の裏面(BS)にある。
【0034】
ブロック101は、FEOL部分1104の上部層1110及び基板1108の一部分を通って掘られた貫通シリコンビア(TSV)1120を示す。このブロックでは、基板1108は厚さt1を有する。TSV1120の上部は、BEOL部分1102における第1金属層1112に結合される。
【0035】
ブロック102は、基板の薄化後の第1ダイ1100を示す。基板薄化プロセスは、基板1108の厚さを厚さt1から厚さt2まで低減させる。基板薄化プロセスは、基板1108の底部でTSV1120の末端を露出させる。
【0036】
ブロック103は、基板1108の底部でのRDL層1130の追加後の第1ダイ1100を示す。RDL部分1130はここで、第1ダイ1100の裏面にある。RDL部分1130は、ダイ1100の裏面でTSV1120の末端を信号入力部1132に結合させるコンダクタを含み、信号入力部1132からRDL部分1130及びTSV1120を通ってBEOL部分1102における第1金属層1112まで導電パスを形成する。
【0037】
ブロック104は第1ダイ1100の反転段階を示し、従って第1ダイ1100の正面におけるBEOL部分1102の金属層はここでは底部にあり、第1ダイ1100の裏面におけるRDL部分1130はここでは上部にある。
【0038】
ブロック105は、BEOL部分1152及びFEOL部分1154を含む第2ダイ1150を示す。BEOL部分1152は、基板1158から最も遠い上部金属層1156を含む複数の金属層を含み、少なくとも1つの金属層がインダクタを含む。FEOL部分1154は、基板1158と複数の能動デバイスが実現される上部層1160とを含む。BEOL部分1152は、第2ダイ1150の正面(FS)にあり、FEOL部分1154の基板1158は第2ダイ1150の裏面(BS)にある。
【0039】
ブロック106は第2ダイ1150の反転段階を示し、従って第2ダイ1150の正面におけるBEOL部分1152の金属層はここでは底部にあり、第2ダイ1150の裏面における基板1158はここでは上部にある。
【0040】
ブロック107は、マイクロバンプ1140を用いて第2ダイ1150の正面を第1ダイ1100の裏面に接続する段階を示す。マイクロバンプ1140は、第1ダイ1100の裏面におけるRDL部分1130の信号入力部1132を第2ダイ1150の正面におけるBEOL部分1152の上部金属層1156に結合する導電パスを提供する。
【0041】
故にこの3次元ダイ積層技術は、第2ダイ1150の上部金属層1156におけるインダクタ又は変圧器を第1ダイ1100の第1金属層1110に、金属バンプ1140を通って、且つRDL部分1130及び第1ダイ1100のTSV1120を通って結合するのに使用され得る導電パスを提供する。
【0042】
図12は、第1インダクタ1202及び第2インダクタ1204を含む変圧器1200を示す。インダクタンス値は主にインダクタ長さに比例し、変圧器は2つのインダクタに加えて電磁結合構造体のためのより大きなチップ領域を必要とする。第1インダクタ1202は第1入力部1208及び第2入力部1210を有する;第1入力部1208は一次回路(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1210はアース端子に結合される。第2インダクタ1204は第1入力部1212及び第2入力部1214を有する;第1入力部1212は負荷(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1214はアース端子に結合される。第1インダクタ1202は、2つのインダクタ間の電磁結合1206を促進できるように第2インダクタ1204から物理的に分離され、それは第1インダクタ1202における様々な電流が第2インダクタ1204において様々な電圧を誘導するほどであり、一次回路から変圧器1200を通って負荷にエネルギーをもたらす。異なる物質、例えば強磁性物質が、変圧器1200内の結合係数を高めるために使用され得る。結合係数を高めることができる幾つかの例示的な強磁性物質は、ニッケル、コバルト、鉄、及びミューメタルを含む。
【0043】
図13は、貫通シリコンビア(TSV)を含むインダクタを用いた変圧器1300の実現例を示す。変圧器1300は、第1インダクタ1310及び第2インダクタ1320を含む。第1インダクタ1310及び第2インダクタ1320のそれぞれは、チップの基板を貫通する複数のTSV1302(例えば図6参照)を含むが、それは連続パスを形成するために、BEOL部分のM1層におけるM1セグメント1306によって上端で結合され、RDL部分におけるRDLセグメント1304によって下端で結合される。第1インダクタ1310は第1入力部1312及び第2入力部1314を有する;第1入力部1312は一次回路(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1314はアース端子に結合される。第2インダクタ1320は第1入力部1322及び第2入力部1324を有する;第1入力部1322は負荷(図示せず)に結合されることができ、第2インダクタ入力部1324はアース端子に結合される。第1インダクタ1310は、2つのインダクタ間の電磁結合を促進する方法で、第2インダクタ1320から誘電材料によって物理的に離される。基板を貫通するTSVは、インダクタンス値を増加させるインダクタ長さを増加させる。連続パスでのRDL及びM1セグメントによるTSVの代替的な接続はオンチップインダクタを形成し、これらのTSVインダクタの一対は変圧器を形成する。
【0044】
変圧器の例示的な用途は、図14に示すような無線周波(RF)増幅器1400であり、それはRF集積回路で使用され得る。RF増幅器1400は、トランジスタ1406によって連結された第1変圧器1402及び第2変圧器1404を含む。トランジスタ1406は、ゲート1410、ソース1412、及びドレイン1414を有する。トランジスタ1406のソース1412は、アース端子に結合される。
【0045】
第1変圧器1402は、第2インダクタ1422に誘導結合された第1インダクタ1420を含む。第1インダクタ1420は、第1入力部1424及び第2入力部1426を有する;第1入力部1424はRF入力部に結合されることができ、第2インダクタ入力部1426はアース端子に結合される。第2インダクタ1422は、第1入力部1428及び第2入力部1430を有する;第1入力部1428はトランジスタ1406のゲート1410に結合され、第2インダクタ入力部1430はアース端子に結合される。
【0046】
第2変圧器1404は、第4インダクタ1442に誘導結合された第3インダクタ1440を含む。第3インダクタ1440は、第1入力部1444及び第2入力部1446を有する;第1インダクタ入力部1444はトランジスタ1406のドレイン1414に結合され、第2インダクタ入力部1446はアース端子に結合される。第4インダクタ1442は、第1入力部1448及び第2入力部1450を有する;第1入力部1448はRF出力部として使用されることができ、第2インダクタ入力部1450はアース端子に結合される。変圧器1402及び1404は、それらのインダクタ間の巻き比率により、信号結合及びインピーダンス変換の役割を果たす。
【0047】
図15は、貫通シリコンビア(TSV)を含むインダクタを用いたRF増幅器1500の実現例を示す。RF増幅器1500は、トランジスタ1506によって連結された第1変圧器1502及び第2変圧器1504を含む。トランジスタ1506は、ゲート1510、ソース1512、及びドレイン1514を有する。トランジスタ1506のソース1512は、アース端子に結合される。
【0048】
第1変圧器1502は、第2インダクタ1522に誘導結合された第1インダクタ1520を含む。第1インダクタ1520及び第2インダクタ1522のそれぞれは、チップの基板を貫通する複数のTSVを含み、そこで連続パスを形成するために、TSVはBEOL部分のM1層におけるセグメントによって上端で結合され、RDL部分におけるセグメントによって下端で結合される(例えば、図12参照)。第1インダクタ1520は、第1入力部1524及び第2入力部1526を有する;第1入力部1524はRF入力部に結合されることができ、第2入力部1526はアース端子に結合される。第2インダクタ1522は、第1入力部1528及び第2入力部1530を有する;第1入力部1528はトランジスタ1506のゲート1510に結合され、第2インダクタ入力部1530はアース端子に結合される。
【0049】
第2変圧器1504は、第4インダクタ1542に誘導結合された第3インダクタ1540を含む。第3インダクタ1540及び第4インダクタ1542のそれぞれは、チップの基板を貫通する複数のTSVを含み、そこで連続パスを形成するために、TSVはBEOL部分のM1層におけるセグメントによって上端で結合され、RDL部分におけるセグメントによって下端で結合される(例えば、図13参照)。第3インダクタ1540は、第1入力部1544及び第2入力部1546を有する;第1入力部1544はトランジスタ1506のドレイン1514に結合され、第2入力部1546はアース端子に結合される。第4インダクタ1542は、第1入力部1548及び第2入力部1550を有する;第1入力部1548はRF出力部として使用されることができ、第2入力部1550はアース端子に結合される。
【0050】
TSVを用いたインダクタ及び変圧器は様々な他の用途で使用されることができ、別の例示は図16に示すような2段増幅器1600である。増幅器1600は第1変圧器1602及び第2変圧器1604を含み、それらの両方が上記のようなTSVインダクタを含むことができる。第1変圧器1602及び第2変圧器1604は、第1トランジスタ1606及び第2トランジスタ1608を通って連結される。第1トランジスタ1606は、ゲート1662、ドレイン1664、及びソース1666を含む。第2トランジスタ1608は、ゲート1682、ドレイン1684、及びソース1686を含む。第1トランジスタ1606のドレイン1664は第1インダクタ1610を通って供給電圧VDDに結合され、第2トランジスタ1608のドレイン1684は第2インダクタ1612を通って供給電圧VDDに結合される。第1インダクタ1610又は第2インダクタ1612はまた、上記のようなTSVインダクタであり得る。
【0051】
第1変圧器1602は、第2インダクタ1622に誘導結合された第1インダクタ1620を含む。第1インダクタ1620は、第1入力部1624及び第2入力部1626を有する。第2インダクタ1622は、第1入力部1628及び第2入力部1630を有する。第1インダクタ1620の第1入力部1624は、増幅器1600に対する信号入力部に結合される。第2インダクタ1624の第1入力部1628は、第1キャパシタ1632を通って第1トランジスタ1606のゲート1662に結合される。第1インダクタ1620の第2インダクタ入力部1626及び第2インダクタ1622の第2入力部1630はともに、アース端子に結合される。
【0052】
第1トランジスタ1606のゲート1662はまた、レジスタ1634を通って供給電圧VDDに結合される。第2トランジスタ1608のゲート1682は、第1トランジスタ1606のドレイン1664に結合される。第1トランジスタ1606のソース1666及び第2トランジスタ1608のソース1686はともに、アース端子に結合される。
【0053】
第2変圧器1604は、第2インダクタ1642に誘導結合された第1インダクタ1640を含む。第1インダクタ1640は、第1入力部1644及び第2入力部1646を有する。第2インダクタ1642は、第1入力部1648及び第2入力部1650を有する。第1インダクタ1640の第1入力部1644は、第2キャパシタ1636を通って第2トランジスタ1608のドレイン1684に結合される。第2インダクタ1642の第1入力部1648は、2段増幅器1600の出力部として使用されることができる。第1インダクタ1640の第2入力部1646及び第2インダクタ1642の第2入力部1650はともに、アース端子に結合される。変圧器1602及び1604は、それらのインダクタ間の巻き比率により、信号結合及びインピーダンス変換の役割を果たす。
【0054】
図17は、複数の貫通シリコンビア(TSV)を用いて実現されたインダクタ又は変圧器の実施形態が有利に使用され得る例示的な無線通信システム1700を示し、そこでTSVは、ダイのBEOL部分の金属層における導電性セグメント及びRDL部分における導電性セグメントを用いて連続的な導電パスを形成するために、内部で結合される。TSVを用いて実現されたインダクタは、対称又は非対称な形状を有することができる。説明のために、図17は、3つの遠隔ユニット1720、1730、及び1750、並びに2つの基地局1740を示す。典型的な無線通信システムは、より多くの遠隔ユニット及び基地局を有することができるということが認められよう。遠隔ユニット1720、1730、及び1750の何れかは、本明細書で開示されたようなメモリパワー操作システムをサポートする多数のパワーモードを含むことができる。図17は、基地局1740並びに遠隔ユニット1720、1730、及び1750からの上りリンク信号1780、並びに遠隔ユニット1720、1730、及び1750から基地局1740への下りリンク信号1790を示す。
【0055】
図17では、遠隔ユニット1720は、携帯電話として示され、遠隔ユニット1730は、ポータブルコンピュータとして示され、遠隔ユニット1750は、無線ローカルループシステム内の固定位置遠隔ユニットとして示される。例えば、遠隔ユニットは、セル方式の携帯無線電話、携帯用パーソナル通信システム(PCS)ユニット、携帯データ端末などの携帯型データユニット、又はメータ読み出し装置などの固定位置データユニットであり得る。図17は、本明細書で開示されたようなメモリパワー操作システムをサポートする多数のパワーモードを含むことができる任意の例示的な遠隔ユニットを示すが、メモリパワー操作システムはこれらの例示的に図示されたユニットに限定されない。実施形態は、メモリパワー操作システムをサポートする多数のパワーモードが望まれる任意の電子デバイスで、適切に使用されることができる。
【0056】
本発明の原理を組み入れた例示的な実施形態が上記で開示されたが、本発明は開示された実施形態に限定されない。代わりに本願は、その一般的な原理を用いた本発明の任意の変化、使用、又は適合を含めることを目的とする。更に、本願は、本発明が関連する技術分野で既知又は通常の実施に近づくような本開示からの逸脱を含めることを目的とし、それは添付の特許請求の範囲の制限内に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
600 CMOSテクノロジー
602 RDL部分
604 FEOL部分
606 BEOL部分
608 基板
610 インダクタに対して利用可能な高さ
620 インダクタ
622、702 TSV
624、706 RDL部分における金属セグメント、RDLセグメント
626、704 M1金属層における金属セグメント、M1セグメント
630 TSV高さ
708、710 インダクタ入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属層の複数のセグメントと、
第2金属層の複数のセグメントと、
第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部と、
前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記第1金属層の複数のセグメント及び前記第2金属層の複数のセグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、
を含む、3次元オンチップインダクタ。
【請求項2】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項3】
前記第2金属層が前記チップの再分配層部分に配置されている、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項4】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項3に記載のオンチップインダクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2インダクタ入力部が前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、前記オンチップインダクタが前記第1及び第2インダクタ入力部の間を通過する対称ラインに対して対称な形状を有する、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項6】
前記オンチップインダクタが非対称な形状を有する、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項7】
前記第1インダクタ入力部が前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、前記第2インダクタ入力部が第3金属層に配置されている、請求項6に記載のオンチップインダクタ。
【請求項8】
前記複数の貫通シリコンビアが規則的なアレイパターンに分布している、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項9】
前記貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンが、アース端子に結合された複数の貫通シリコンビアを含むペリメータによって囲まれている、請求項8に記載のオンチップインダクタ。
【請求項10】
第1オンチップインダクタと、第2オンチップインダクタとを含み、前記第1及び第2オンチップインダクタのそれぞれが、
第1金属層における複数の第1セグメントと、
第2金属層における複数の第2セグメントと、
前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置された第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部と、
前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含み、
前記第1オンチップインダクタが前記第2オンチップインダクタに誘導結合され、前記第1オンチップインダクタはアース端子でのみ前記第2オンチップインダクタに物理的に結合されている、3次元オンチップ変圧器。
【請求項11】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項10に記載のオンチップ変圧器。
【請求項12】
前記第2金属層が前記チップの再分配層部分に配置されている、請求項10に記載のオンチップ変圧器。
【請求項13】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項12に記載のオンチップ変圧器。
【請求項14】
前記第1オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアが規則的なアレイパターンに分布し、前記第2オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアが規則的なアレイパターンに分布している、請求項10に記載のオンチップ変圧器。
【請求項15】
前記第1及び第2オンチップインダクタの貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンの外側がアース端子に結合された複数の貫通シリコンビアを含むペリメータによって囲まれ、前記第1及び第2オンチップインダクタの貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンの外側が前記第1及び第2オンチップインダクタの間の誘導結合から離れた前記第1及び第2オンチップインダクタの側面にある、請求項14に記載のオンチップ変圧器。
【請求項16】
第1オンチップインダクタ及び第2オンチップインダクタを含む第1オンチップ変圧器と、
第3オンチップインダクタ及び第4オンチップインダクタを含む第2オンチップ変圧器と、
ゲート、ドレイン、及びソースを含む第1オンチップトランジスタと、を含む3次元オンチップ無線周波増幅器であって、
前記第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタのそれぞれが、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部とを含み、前記第1及び第2インダクタ入力部が前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、複数の貫通シリコンビアが前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合し、
前記第1オンチップインダクタは前記第2オンチップインダクタに誘導結合され、前記第3オンチップインダクタは前記第4オンチップインダクタに誘導結合され、前記第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタはアース端子でのみ互いに物理的に結合され、
前記第1オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記オンチップ無線周波増幅器の入力部に結合され、前記第2オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタの前記ゲートに結合され、前記第3オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタの前記ドレインに結合され、前記第4オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記オンチップ無線周波増幅器の出力部に結合され、前記第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタの前記第2インダクタ入力部はアース端子に結合され、前記第1オンチップトランジスタの前記ソースはアース端子に結合されている、3次元オンチップ無線周波増幅器。
【請求項17】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項16に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項18】
前記第2金属層が前記チップの再分配層部分に配置されている、請求項16に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項19】
第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部を含む第5インダクタと、
第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部を含む第6インダクタと、
ゲート、ドレイン、及びソースを含む第2オンチップトランジスタと、をさらに含み、
前記第2オンチップトランジスタの前記ゲートは前記第1オンチップトランジスタの前記ドレインに結合され、前記第2オンチップトランジスタの前記ドレインは前記第3オンチップインダクタの前記第1インダクタ入力部に結合され、前記第2オンチップトランジスタの前記ソースはアース端子に結合され、前記第5及び第6オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は供給電圧に結合され、前記第5オンチップインダクタの第2インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタの前記ドレインに結合され、前記第6オンチップインダクタの第2インダクタ入力部は前記第2オンチップトランジスタの前記ドレインに結合されている、請求項16に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項20】
前記第5オンチップインダクタは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、前記第5インダクタの前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含み、前記第5インダクタの前記第1及び第2インダクタ入力部は前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、
前記第6オンチップインダクタは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、前記第6インダクタの前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含み、前記第6インダクタの前記第1及び第2インダクタ入力部は前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置されている、請求項19に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項1】
第1金属層の複数のセグメントと、
第2金属層の複数のセグメントと、
第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部と、
前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記第1金属層の複数のセグメント及び前記第2金属層の複数のセグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、
を含む、3次元オンチップインダクタ。
【請求項2】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項3】
前記第2金属層が前記チップの再分配層部分に配置されている、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項4】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項3に記載のオンチップインダクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2インダクタ入力部が前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、前記オンチップインダクタが前記第1及び第2インダクタ入力部の間を通過する対称ラインに対して対称な形状を有する、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項6】
前記オンチップインダクタが非対称な形状を有する、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項7】
前記第1インダクタ入力部が前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、前記第2インダクタ入力部が第3金属層に配置されている、請求項6に記載のオンチップインダクタ。
【請求項8】
前記複数の貫通シリコンビアが規則的なアレイパターンに分布している、請求項1に記載のオンチップインダクタ。
【請求項9】
前記貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンが、アース端子に結合された複数の貫通シリコンビアを含むペリメータによって囲まれている、請求項8に記載のオンチップインダクタ。
【請求項10】
第1オンチップインダクタと、第2オンチップインダクタとを含み、前記第1及び第2オンチップインダクタのそれぞれが、
第1金属層における複数の第1セグメントと、
第2金属層における複数の第2セグメントと、
前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置された第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部と、
前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含み、
前記第1オンチップインダクタが前記第2オンチップインダクタに誘導結合され、前記第1オンチップインダクタはアース端子でのみ前記第2オンチップインダクタに物理的に結合されている、3次元オンチップ変圧器。
【請求項11】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項10に記載のオンチップ変圧器。
【請求項12】
前記第2金属層が前記チップの再分配層部分に配置されている、請求項10に記載のオンチップ変圧器。
【請求項13】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項12に記載のオンチップ変圧器。
【請求項14】
前記第1オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアが規則的なアレイパターンに分布し、前記第2オンチップインダクタの複数の貫通シリコンビアが規則的なアレイパターンに分布している、請求項10に記載のオンチップ変圧器。
【請求項15】
前記第1及び第2オンチップインダクタの貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンの外側がアース端子に結合された複数の貫通シリコンビアを含むペリメータによって囲まれ、前記第1及び第2オンチップインダクタの貫通シリコンビアの規則的なアレイパターンの外側が前記第1及び第2オンチップインダクタの間の誘導結合から離れた前記第1及び第2オンチップインダクタの側面にある、請求項14に記載のオンチップ変圧器。
【請求項16】
第1オンチップインダクタ及び第2オンチップインダクタを含む第1オンチップ変圧器と、
第3オンチップインダクタ及び第4オンチップインダクタを含む第2オンチップ変圧器と、
ゲート、ドレイン、及びソースを含む第1オンチップトランジスタと、を含む3次元オンチップ無線周波増幅器であって、
前記第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタのそれぞれが、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、第1インダクタ入力部と、第2インダクタ入力部とを含み、前記第1及び第2インダクタ入力部が前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、複数の貫通シリコンビアが前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合し、
前記第1オンチップインダクタは前記第2オンチップインダクタに誘導結合され、前記第3オンチップインダクタは前記第4オンチップインダクタに誘導結合され、前記第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタはアース端子でのみ互いに物理的に結合され、
前記第1オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記オンチップ無線周波増幅器の入力部に結合され、前記第2オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタの前記ゲートに結合され、前記第3オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタの前記ドレインに結合され、前記第4オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は前記オンチップ無線周波増幅器の出力部に結合され、前記第1、第2、第3、及び第4オンチップインダクタの前記第2インダクタ入力部はアース端子に結合され、前記第1オンチップトランジスタの前記ソースはアース端子に結合されている、3次元オンチップ無線周波増幅器。
【請求項17】
前記第1金属層が前記チップのバックエンドオブライン部分に配置されている、請求項16に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項18】
前記第2金属層が前記チップの再分配層部分に配置されている、請求項16に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項19】
第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部を含む第5インダクタと、
第1インダクタ入力部及び第2インダクタ入力部を含む第6インダクタと、
ゲート、ドレイン、及びソースを含む第2オンチップトランジスタと、をさらに含み、
前記第2オンチップトランジスタの前記ゲートは前記第1オンチップトランジスタの前記ドレインに結合され、前記第2オンチップトランジスタの前記ドレインは前記第3オンチップインダクタの前記第1インダクタ入力部に結合され、前記第2オンチップトランジスタの前記ソースはアース端子に結合され、前記第5及び第6オンチップインダクタの第1インダクタ入力部は供給電圧に結合され、前記第5オンチップインダクタの第2インダクタ入力部は前記第1オンチップトランジスタの前記ドレインに結合され、前記第6オンチップインダクタの第2インダクタ入力部は前記第2オンチップトランジスタの前記ドレインに結合されている、請求項16に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【請求項20】
前記第5オンチップインダクタは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、前記第5インダクタの前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含み、前記第5インダクタの前記第1及び第2インダクタ入力部は前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置され、
前記第6オンチップインダクタは、第1金属層における複数の第1セグメントと、第2金属層における複数の第2セグメントと、前記第6インダクタの前記第1インダクタ入力部及び前記第2インダクタ入力部の間に連続的で交差しないパスを形成するために、前記複数の第1セグメント及び前記複数の第2セグメントを結合する複数の貫通シリコンビアと、を含み、前記第6インダクタの前記第1及び第2インダクタ入力部は前記第1金属層及び前記第2金属層の一方に配置されている、請求項19に記載のオンチップ無線周波増幅器。
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1】
【図5】
【図6】
【図11】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1】
【図5】
【図6】
【図11】
【公表番号】特表2013−507774(P2013−507774A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533326(P2012−533326)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051868
【国際公開番号】WO2011/044392
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051868
【国際公開番号】WO2011/044392
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】
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