説明

3D画像表示装置および3D画像表示装置の駆動方法画像表示装置

【課題】右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制して、品質の高い立体画像を表示する。
【解決手段】右目用フィールドと左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、サブフィールドのそれぞれの点灯または非点灯の組合せを示すサブフィールドコードを用いて階調を表示する3D画像表示装置であって、画像信号を入力し、階調を表示するための表示コードを出力する画像信号処理回路31を備え、画像信号処理回路31は、右目用フィールドおよび左目用フィールドのうち、一方のフィールドの画像信号の階調が高階調閾値以上であり、他方のフィールドの画像信号の階調が低階調閾値以下である画素を残光が発生する画素として検出する残光検出回路37と、残光検出回路が検出した画素に対する画像信号を、フィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯とする表示コードに変換するサブフィールドコード変換回路38とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ眼鏡を用いて立体視することができる右目用画像と左目用画像とを、点灯または非点灯の2値制御を組み合わせて階調を表示する画像表示装置に交互に表示する3D画像表示装置および3D画像表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点灯または非点灯の2値制御を行う表示装置として代表的なプラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が複数形成された前面基板と、複数の平行なデータ電極が形成された背面基板とを対向配置し、その間に多数の放電セルが形成されている。そして放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させる。
【0003】
点灯または非点灯の2値制御を組み合わせて階調を表示する方法としては、1フィールドを点灯輝度の異なる複数のサブフィールドに分割し、点灯させるサブフィールドの組み合わせによって所望の階調を表示する、いわゆるサブフィールド法が一般的である。各サブフィールドは書込み期間および維持期間を有する。書込み期間では画像信号に応じた書込みパルスをデータ電極に印加して点灯させるべき放電セルで書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対にあらかじめ定められた数の維持パルスを印加して壁電荷を形成した放電セルで維持放電を発生させ、維持パルスの数に応じた輝度で点灯させる。
【0004】
近年は、このようなパネルを用いて立体画像(3D画像)を表示する方法についても検討されている。その1つとして、右目用画像を表示するフィールドと左目用画像を表示するフィールドとを交互に配置し、それぞれのフィールドの最初のサブフィールドの書込み期間の開始に同期してシャッタ眼鏡のシャッタを開閉する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような方法によって立体視するためには、右目と左目とで異なった画像を見る必要がある。そのため、右目用シャッタおよび左目用シャッタを有するシャッタ眼鏡を用い、右目用画像を表示している期間では右目用シャッタを開き左目用シャッタを閉じて、左目で右目用画像を見えなくし、また左目用画像を表示している期間では左目用シャッタを開き右目用シャッタを閉じて、右目で左目用画像を見えなくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−112428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、パネルで用いられている蛍光体は概ね残光時間が長く、中には維持放電を終了した後も数ミリ秒の間は残光が持続するという特性をもつ蛍光体材料も存在する。そのため、右目用画像を表示する期間が終了した後もしばらくの間は右目用画像の残光が残像として表示される。そして右目用画像の残光が消える前に左目用画像を表示すると、左目用画像に右目用画像が混じる、いわゆるクロストークが発生し、立体視が困難になるといった課題があった。
【0008】
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制して、品質の高い立体画像を表示することができる3D画像表示装置および3D画像表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、サブフィールドのそれぞれの点灯または非点灯の組合せを示すサブフィールドコードを用いてサブフィールドのそれぞれで各画素の点灯・非点灯を制御して階調を表示する3D画像表示装置であって、画像信号を入力し、階調を表示するためのサブフィールドコードである表示コードを出力する画像信号処理回路を備え、画像信号処理回路は、右目用フィールドおよび左目用フィールドのうち、一方のフィールドの画像信号の階調が高階調閾値以上であり、他方のフィールドの画像信号の階調が低階調閾値以下である画素を残光が発生する画素として検出する残光検出回路と、残光検出回路が検出した画素に対する画像信号を、フィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯とする表示コードに変換するサブフィールドコード変換回路とを備えたことを特徴とする。この構成により、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制して、品質の高い立体画像を表示することができる3D画像表示装置を提供することができる。
【0010】
また本発明の3D画像表示装置のサブフィールドコード変換回路は、画像信号の階調よりも大きい階調をもつ所定のサブフィールドコードを生成する基底コード生成部と、画像信号に基づき前記所定のサブフィールドコードに非点灯サブフィールドを追加して新たにサブフィールドコードを生成するためのルールを生成するルール生成部と、前記所定のサブフィールドコードに前記ルールを適用して新たに生成できるサブフィールドコードの中から、画像信号の階調より大きくかつ最も近い階調をもつサブフィールドコードおよび画像信号の階調以下でかつ最も近い階調をもつサブフィールドコードをそれぞれ上階調コードおよび下階調コードとして生成する上下コード生成部と、画像信号の階調に所定の値を加算して表示すべき階調を求め、上階調コードおよび下階調コードのうち表示すべき階調に近い階調をもつサブフィールドコードを表示コードとして選択する表示コード選択部とを有することが望ましい。この構成により、論理回路を用いてサブフィールドコード変換回路が構成できる。
【0011】
また本発明の3D画像表示装置の前記所定のサブフィールドコードは、点灯するサブフィールドのうち最も階調重みの大きいサブフィールドの階調重みよりも小さい階調重みをもつ全てのサブフィールドが点灯するサブフィールドとなる基底コード、または基底コードからフィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯としたサブフィールドコードであることが望ましい。
【0012】
また本発明の3D画像表示装置の入力した画像信号の階調に加算する前記所定の値は、誤差拡散処理により拡散される誤差およびディザ処理により加算されるディザ値であることが望ましい。
【0013】
また本発明は、階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、前記サブフィールドのそれぞれの点灯または非点灯の組合せを示すサブフィールドコードを用いてサブフィールドのそれぞれで各画素の点灯・非点灯を制御して階調を表示する3D画像表示装置の駆動方法であって、右目用フィールドおよび左目用フィールドのうち、一方のフィールドの画像信号の階調が高階調閾値以上であり、他方のフィールドの画像信号の階調が低階調閾値以下である画素を残光が発生する画素として検出するステップと、残光検出回路が検出した画素に対する画像信号を、フィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯とするサブフィールドコードに変換するステップとを備えたことを特徴とする。この方法により、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制して、品質の高い立体画像を表示することができる33D画像表示装置の駆動方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制して、品質の高い立体画像を表示することができる3D画像表示装置および3D画像表示装置の駆動方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における画像表示装置に用いるパネルの分解斜視図である。
【図2】同画像表示装置に用いるパネルの電極配列図である。
【図3】同画像表示装置に用いるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図である。
【図4】同画像表示装置のサブフィールド構成を示す模式図である。
【図5】1フィールド期間を5個のサブフィールドで構成した場合のコードセットの一例を示す図である。
【図6】同画像表示装置の回路ブロック図である。
【図7】同画像表示装置の画像信号処理回路のブロック図である。
【図8】同画像表示装置の残光検出回路の回路ブロック図である。
【図9A】同画像表示装置の基底コードセットの一例を示す図である。
【図9B】同画像表示装置の準基底コードセットの一例を示す図である。
【図10A】同画像表示装置のルールにより生成される中間コードセットの一例を示す図である。
【図10B】同画像表示装置のルールにより生成される中間コードセットの一例を示す図である。
【図10C】同画像表示装置のルールにより生成される中間コードセットの一例を示す図である。
【図10D】同画像表示装置のルールにより生成される中間コードセットの一例を示す図である。
【図11A】同画像表示装置で使用するディザパターンの一例を示す図である。
【図11B】同画像表示装置で使用するディザパターンの一例を示す図である。
【図12】同画像表示装置における誤差拡散部の誤差拡散係数を示す図である。
【図13A】同画像表示装置の画像信号処理回路の動作説明で用いる画像信号の一例と、そのときの見え方を示す図である。
【図13B】同画像表示装置の画像信号処理回路の動作説明で用いる画像信号の一例と、そのときの見え方を示す図である。
【図13C】従来の画像信号処理回路の動作説明で用いる画像信号の一例と、そのときの見え方を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における画像表示装置の画像信号処理回路の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態における画像表示装置について、プラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置を例に、図面を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における画像表示装置に用いるパネル10の分解斜視図である。ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とからなる表示電極対14が複数形成されている。そして表示電極対14を覆うように誘電体層15が形成され、その誘電体層15上に保護層16が形成されている。背面基板21上にはデータ電極22が複数形成され、データ電極22を覆うように誘電体層23が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁24が形成されている。そして、隔壁24の側面および誘電体層23上には赤色、緑色および青色の各色に点灯する蛍光体層25が設けられている。
【0018】
これら前面基板11と背面基板21とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対14とデータ電極22とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁24によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極22とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが点灯することにより画像が表示される。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態における画像表示装置に用いるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極12およびn本の維持電極13が配列され、列方向に長いm本のデータ電極22が配列されている。そして1対の走査電極12および維持電極13と1つのデータ電極22とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
【0020】
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。プラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち階調重みの定められた複数のサブフィールドで1フィールドを構成し、サブフィールドのそれぞれで各画素の点灯・非点灯を制御して階調を表示する。本実施の形態においては、複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返して表示した画像を、右目用フィールドおよび左目用フィールドに同期したシャッタ眼鏡99を用いて立体視する。そしてフリッカのない立体画像を表示するために、フィールド周波数を通常の2倍の120Hzに設定している。
【0021】
右目用フィールドと左目用フィールドとは表示する画像信号が異なるだけであり、フィールドを構成するサブフィールドの数、各サブフィールドの階調重み、サブフィールドの配列等、フィールドの構成は同じであるので、まず1つのフィールドの構成と各電極に印加する駆動電圧波形について説明する。
【0022】
各フィールドは複数のサブフィールドを有し、それぞれのサブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間を備える。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。このときの初期化動作には、それまでの放電の有無にかかわらず強制的に初期化放電を発生させる強制初期化動作と、直前の書込み期間において書込み放電を行った放電セルのみで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み期間では、発光させるべき放電セルで書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、階調重みに応じた数の維持パルスを表示電極対14に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
【0023】
本実施の形態においては、1フィールドを5つのサブフィールド(SF1、SF2、SF3、SF4、SF5)に分け、フィールドの最初に配置されたサブフィールドSF1の初期化期間では強制初期化動作を行い、それ以降に配置されたサブフィールドSF2〜SF5の初期化期間では選択初期化動作を行う。またサブフィールドのそれぞれは(1、10、6、3、2)の階調重みをもつ。このように、フィールドの最初に階調重みの最も小さいサブフィールドを配置し、次に階調重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は階調重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、フィールドの最後には階調重みが2番目に小さいサブフィールドを配置している。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態における画像表示装置のパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図であり、サブフィールドSF1〜SF3までの駆動電圧波形を示している。
【0025】
サブフィールドSF1の初期化期間Tiの前半部では、データ電極22に電圧0(V)を印加し、維持電極13に電圧0(V)を印加する。そして走査電極12には電圧Vi1から電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。すると走査電極12と維持電極13とデータ電極22との間で微弱な初期化放電が起こる。そして走査電極12上に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極22上および維持電極13上には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
【0026】
初期化期間Tiの後半部では、維持電極13に正の電圧Veを印加し、走査電極12には電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると走査電極12と維持電極13とデータ電極22との間で微弱な初期化放電が起こる。そして走査電極12上の負の壁電圧および維持電極13上の正の壁電圧が弱められ、データ電極22上の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して強制的に初期化放電を行う強制初期化動作が終了する。
【0027】
続く書込み期間Twでは、維持電極13に電圧Veを印加し、走査電極12には電圧Vcを印加する。
【0028】
次に、1番目の走査電極12に負の電圧Vaの走査パルスを印加する。そして1行目に点灯させるべき放電セルのデータ電極22に正の電圧Vdの書込みパルスを印加する。するとデータ電極22と走査電極12との間および維持電極13と走査電極12との間に書込み放電が起こり、走査電極12上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極13上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極22上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルスを印加しなかったデータ電極22と走査電極12との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
【0029】
以下同様に、走査電極12について、順次、書込み動作を行う。
【0030】
続く維持期間Tsでは、まず走査電極12に電圧Vsの維持パルスを印加するとともに維持電極13に電圧0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは走査電極12と維持電極13との間に維持放電が起こり、放電セルが点灯する。そして走査電極12上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極13上に正の壁電圧が蓄積される。またデータ電極22上にも正の壁電圧が蓄積される。ただし書込み放電を起こさなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間Tiの終了時における壁電圧が保たれる。
【0031】
続いて、走査電極12には電圧0(V)を、維持電極13には電圧Vsの維持パルスをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは再び維持放電が起こり放電セルが点灯する。そして維持電極13上に負の壁電圧が蓄積され走査電極12上に正の壁電圧が蓄積される。このようにして階調重みに応じた数の維持パルスを走査電極12と維持電極13とに交互に印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して発生させて放電セルを点灯させる。
【0032】
そして、維持期間の最後には電圧Vrに向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を走査電極12に印加して、データ電極22上の正の壁電圧を残したまま、走査電極12上および維持電極13上の壁電圧を弱める。こうして維持動作が終了する。
【0033】
サブフィールドSF2の初期化期間Tiでは、維持電極13に電圧Veを、データ電極22に電圧0(V)をそれぞれ印加し、走査電極12には電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると直前のサブフィールドSF1で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極12上および維持電極13上の壁電圧が弱められる。またデータ電極22に対しては、直前の維持放電によってデータ電極22上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、直前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電圧が保たれる。こうして、直前のサブフィールドで維持動作を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行う選択初期化動作が終了する。
【0034】
続く書込み期間Twの動作はサブフィールドSF1の書込み期間Tiの動作と同様であるため説明を省略する。続く維持期間Tsの動作も、維持パルスの数を除いてサブフィールドSF1の維持期間の動作と同様である。続くサブフィールドSF3〜SF5の動作は、維持パルスの数を除いてサブフィールドSF2の動作と同様である。
【0035】
なお、本実施の形態において各電極に印加する電圧値は、例えば、電圧Vi1=150(V)、電圧Vi2=340(V)、電圧Vi3=190(V)、電圧Vi4=−160(V)、電圧Va=−180(V)、電圧Vc=−30(V)、電圧Vs=190(V)、電圧Vr=190(V)、電圧Ve=120(V)、電圧Vd=60(V)である。ただしこれらの値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネル10の特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【0036】
次に本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のサブフィールド構成について再度説明する。図4は、本発明の実施の形態における画像表示装置のサブフィールド構成を示す模式図である。本実施の形態においては立体画像を表示するために、フィールド周波数を通常の2倍の120Hzに設定し、右目用フィールドと左目用フィールドとを交互に配置する。また本実施の形態においては1例として、1つのフィールドには、5つのサブフィールド(SF1、SF2、SF3、SF4、SF5)が配置されており、サブフィールド(SF1、SF2、SF3、SF4、SF5)のそれぞれは(1、10、6、3、2)の階調重みをもつものとして説明する。
【0037】
シャッタ眼鏡は以下のように制御される。シャッタ眼鏡の右目用液晶シャッタは、右目用フィールドのSF1の書込み期間の開始に同期してシャッタを開き、左目用フィールドのSF1の書込み期間の開始に同期してシャッタを閉じる。また左目用液晶シャッタは、左目用フィールドのSF1の書込み期間の開始に同期してシャッタを開き、右目用フィールドのSF1の書込み期間の開始に同期してシャッタを閉じる。
【0038】
このようにサブフィールドを配置するとともにシャッタ眼鏡を制御する理由について説明する。
【0039】
蛍光体の残光の強さは、蛍光体の発光時の輝度に比例し、一定の時定数で減衰するという特性を示す。維持期間における発光輝度は階調重みの大きいサブフィールドほど高いので、残光を弱くするためにはフィールドの早い時期に階調重みの大きいサブフィールドを配置することが望ましい。したがって、クロストークの抑制のみを考慮するのであれば、階調重みの最も大きいサブフィールドから順にサブフィールドを配置することが望ましい。
【0040】
一方、書込み放電の安定性について考えると、明るい階調を表示する放電セルでは複数のサブフィールドで維持放電を発生するので、これらの維持放電にともなう十分な量のプライミングが供給され、安定した書込み放電を発生させることができる。しかし暗い階調、特に最も階調重みの小さいフィールドのみで発光させるべき放電セルではプライミングが不足して書込み放電が不安定となりやすい。そのため、初期化期間において強制初期化動作を行うサブフィールドSF1に階調重みの最も小さいサブフィールドを配置している。これにより強制初期化動作で生じたプライミングが残存する間に書込み放電を発生させることができるので、最も階調重みの小さいサブフィールドのみで発光させる放電セルであっても安定した書込み放電を発生させることができる。
【0041】
このようにしてサブフィールド法においては、1フィールドをあらかじめ階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し、放電セルを点灯させるサブフィールドの組合せにより階調を表示している。以下、サブフィールドのそれぞれの点灯または非点灯の組合せを「サブフィールドコード」または単に「コード」と呼び、複数のコードの集合を「コードセット」と呼ぶ。
【0042】
なお説明を簡単にするために、黒を表示したときの階調を「0」とし、階調重み「N」に対応する階調を「N」と表記する。
【0043】
図5は、1フィールド期間を5個のサブフィールドで構成した場合のコードセットの一例を示す図である。ここで最も左の列に示した数値は階調を示し、その右側にはその階調を表示する際に各サブフィールドで放電セルを点灯させるか否か、すなわちサブフィールドコードを示している。ここで空欄「 」は非点灯、「1」は点灯を示す。例えば図5において、階調「1」を表示するためには、サブフィールドSF1でのみ放電セルを点灯させればよく、この場合のサブフィールドコードは「10000」である。また階調「16」を表示するためには、サブフィールドSF1、SF2、SF4およびSF5で放電セルを点灯させればよく、この場合のサブフィールドコードは「11011」である。
【0044】
図6は、本発明の実施の形態における画像表示装置30の回路ブロック図である。画像表示装置30は、パネル10と、パネル10を駆動する駆動回路とを備えている。駆動回路は、画像信号処理回路31、データ電極駆動回路32、走査電極駆動回路33、維持電極駆動回路34、タイミング発生回路35および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。また画像表示装置30は、視聴者が使用するシャッタ眼鏡99のシャッタを開閉するためのシャッタ制御信号を出力する制御信号出力部36を備えている。
【0045】
画像信号処理回路31は、階調を表示するためのサブフィールドコードである表示コードを出力する。すなわち、右目用画像信号と左目用画像信号とをフィールド毎に交互に入力し、右目用画像信号を右目用の表示コードに変換し、左目用画像信号を左目用の表示コードに変換する。詳細は後述するが、本実施の形態においては画像信号から表示コードへの変換を、変換テーブルを用いるのではなく、論理計算を用いて実行している。
【0046】
データ電極駆動回路32は、右目用サブフィールドコードおよび左目用サブフィールドコードをデータ電極22のそれぞれに対応する書込みパルスに変換し、データ電極22のそれぞれに印加する。
【0047】
タイミング発生回路35は、水平および垂直の同期信号をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。またシャッタ眼鏡99のシャッタの開閉を制御するシャッタ制御信号を制御信号出力部36に出力する。制御信号出力部36は、例えばLED等の発光素子を用いて、シャッタ制御信号を赤外線の信号に変換してシャッタ眼鏡99に供給する。
【0048】
走査電極駆動回路33はタイミング発生回路35からのタイミング信号にもとづいて走査電極22のそれぞれに駆動電圧波形を印加し、維持電極駆動回路34もタイミング信号にもとづいて維持電極23に駆動電圧波形を印加する。
【0049】
シャッタ眼鏡99は、画像表示装置30の制御信号出力部36から出力されたシャッタ制御信号を受信する受信部と、右目用シャッタ99Rおよび左目用シャッタ99Lとを有し、シャッタ制御信号にもとづき右目用シャッタ99Rおよび左目用シャッタ99Lを開閉する。右目用シャッタ99Rおよび左目用シャッタ99Lは、例えば液晶を用いて構成されている。
【0050】
図7は、本発明の実施の形態における画像表示装置30の画像信号処理回路31のブロック図である。画像信号処理回路31は、残光検出回路37とサブフィールドコード変換回路38とを有する。
【0051】
残光検出回路37は、右目用フィールドおよび左目用フィールドのうち、一方のフィールドの画像信号の階調が高階調閾値以上であり、他方のフィールドの画像信号の階調が低階調閾値以下である画素を残光が発生する画素として検出する。
【0052】
図8は、本発明の実施の形態における画像表示装置30の残光検出回路37の回路ブロック図である。残光検出回路37は、1垂直帰線期間遅延器(1Vディレイ)44、現フィールド用コンパレータ45、次フィールド用コンパレータ46、ANDゲート47を有する。
【0053】
1Vディレイ44は、入力した画像信号を1垂直帰線期間だけ遅延する。したがって1Vディレイ44から出力される画像信号を当該フィールド(現フィールド)の画像信号とすると、入力した画像信号は当該フィールドの1フィールド後の画像信号、すなわち次フィールドの画像信号である。ここで、現フィールドの画像信号が右目用画像信号であれば次フィールドの画像信号は左目用画像信号であり、現フィールドの画像信号が左目用画像信号であれば次フィールドの画像信号は右目用画像信号である。
【0054】
現フィールド用コンパレータ45は、現フィールドの画像信号である1Vディレイ44から出力される画像信号と高階調閾値C1とを画素毎に比較する。そして、現フィールドの画像信号が高階調閾値C1以上であればハイレベル(以下、「H」と表記する)を出力し、高階調閾値C1未満であればローレベル(以下、「L」と表記する)を出力する。
【0055】
高階調閾値C1は、通常の駆動で残光が発生する可能性のある階調に設定されている。したがって現フィールド用コンパレータ45の出力が「H」であれば現フィールドで残光が発生し次フィールドでクロストークが発生する可能性があることを示しており、「L」であれば現フィールドで残光が発生せず次フィールドでクロストークが発生する可能性がないことを示している。本実施の形態においては、高階調閾値C1は「10」に設定されているものとして説明する。
【0056】
次フィールド用コンパレータ46は、次フィールドの画像信号である入力した画像信号と低階調閾値C2とを画素毎に比較する。そして、次フィールドの画像信号が低階調閾値C2以下であれば「H」を出力し、低階調閾値C2より大きければ「L」を出力する。
【0057】
低階調閾値C2は、輝度が低くクロストークが視認しやすい階調に設定されている。したがって次フィールド用コンパレータ46の出力が「H」であれば次フィールドでクロストークが目立ちやすいことを示しており、「L」であれば次フィールドでクロストークが目立たないことを示している。本実施の形態においては、低階調閾値C2は「0」に設定されているものとして説明する。したがって次フィールド用コンパレータ46は、次フィールドの画像信号の階調が「0」であり黒を表示する場合にのみ「H」を出力する。
【0058】
ANDゲート47は、現フィールド用コンパレータ45の出力と次フィールド用コンパレータ46の出力との論理積を出力する。したがってANDゲート47は、現フィールドの画像信号が高階調閾値C1以上であり、かつ次フィールドの画像信号が低階調閾値C2以下であれば「H」を出力し、それ以外では「L」を出力する。言い換えると、残光検出回路37は、現フィールドで残光が発生しかつ次フィールドでクロストークが目立ちやすい場合に「H」を出力し、現フィールドで残光が発生しない場合あるいは現フィールドで残光が発生しても次フィールドでクロストークが目立ち難い場合には「L」を出力する。
【0059】
サブフィールドコード変換回路38は、残光検出回路37が検出した画素に対する画像信号を、フィールドの最後に配置したサブフィールドSF5を非点灯とする表示コードに変換する。本実施の形態においてサブフィールドコード変換回路38は、属性検出部41と、1垂直帰線期間遅延部(1V遅延部)42と、基底コード生成部50と、ルール生成部61と、上下コード生成部70と、表示コード選択部80とを有する。
【0060】
1V遅延部42は、残光検出回路37の出力と位相を合わせるために設けている。すなわち残光検出回路37の1Vディレイ44から出力される画像信号を現フィールドの画像信号として扱うために設けている。
【0061】
属性検出部41は、画像信号とそれを表示する画素の位置との関係を特定するとともに、各画素に対応する画像信号の時間微分、空間微分等に基づき、動画領域・静止画領域の検出、明るさが変化する画像の輪郭部の検出等を行う。そしてそれらを各画素に対応する画像信号の属性として出力する。
【0062】
基底コード生成部50は、入力した画像信号の階調(以下、「入力階調」と呼称する)よりも大きい階調をもつ所定のサブフィールドコードを上階調基底コードとして生成する。本実施の形態においては、所定のサブフィールドコードは、点灯するサブフィールドのうち最も階調重みの大きいサブフィールドの階調重みよりも小さい階調重みをもつ全てのサブフィールドが点灯するサブフィールドとなる基底コードまたは基底コードからフィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯とした準基底コードである。したがって基底コード生成部50は、入力階調よりも大きくかつ最も近い階調をもつ基底コードまたは準基底コードを上階調基底コードとして生成し出力する。基底コードはサブフィールドコードの基本となるコードであって、階調重みの小さいサブフィールドを順にひとつずつ点灯させて生成したコードである。またこのようにして生成したコードセットを基底コードセットと呼ぶ。また準基底コードのコードセットを準基底コードセットと呼ぶ。
【0063】
図9A、図9Bは、本発明の実施の形態における画像表示装置で用いる基底コードセットおよび準基底コードの一例を示す図である。図9Aは、通常の画像信号に対して用いる基底コードセットである。この基底コードセットは、階調重みの最も小さいサブフィールドを先頭に配置し、次に階調重みの最も大きいサブフィールドを配置し、以降は階調重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配列する。そして最も階調重みの小さいサブフィールドから順にひとつずつ点灯させて生成したコードセットである。
【0064】
また図9Bは、クロストークの発生しやすい画像信号に対して用いる準基底コードセットである。この準基底コードセットは図9Aに示した基底コードセットと同様に、階調重みの最も小さいサブフィールドを先頭に配置し、次に階調重みの最も大きいサブフィールドを配置し、以降は階調重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配列する。しかし図9Aに示した基底コードセットとは異なり、最後に配置したサブフィールドSF5を非点灯サブフィールドとし、最後に配置したサブフィールドSF5を除いて、階調重みの小さいサブフィールドから順にひとつずつ点灯させて生成したコードセットである。
【0065】
本実施の形態においては、基底コード生成部50は、基底コードセット選択部52と基底コード選択部54とを有する。
【0066】
基底コードセット選択部52は、図9Aに示した基底コードセットおよび図9Bに示した準基底コードセットと、それぞれのコードセットの各サブフィールドコードの表示する階調とを記憶している。そして残光検出回路37の出力が「L」であれば図9Aに示した基底コードセットを選択し、出力が「H」であれば図9Bに示した準基底コードセットを選択する。
【0067】
基底コード選択部54は、基底コードセット選択部52が選択した基底コードセットまたは準基底コードセットに含まれるコードのそれぞれの階調と入力階調とを比較して、入力階調を超えかつ最も近い階調のコードを選択し、上階調基底コードとして出力する。
【0068】
ルール生成部61は、入力した画像信号に基づき前記所定のサブフィールドコードに非点灯サブフィールドを追加して新たにサブフィールドコードを生成するためのルールを生成する。
【0069】
本実施の形態においては、選択した上階調基底コードに非点灯サブフィールドを追加して画像表示に用いるコードの数を増やすためのルールを、画像信号および画像信号に付随する属性に基づき生成する。しかし無制限に非点灯サブフィールドを追加することはできない。例えば全てのサブフィールドを非点灯サブフィールドとして生成されたコードの階調は「0」となるが、このようなルールは許されない。また階調重みの大きいサブフィールドに多くの非点灯サブフィールドを追加することはできない。
【0070】
ルール生成部61で生成が許されるルールは、上階調基底コードの階調以下であって、入力階調以下でありかつ最も近い階調の基底コードの階調(下階調基底コード)以上の階調をもつコードを生成するルールである。ルール生成部61で生成されるルールは、詳細は後述するが、1つめに追加する非点灯サブフィールドに関するルール、2つめに追加する非点灯サブフィールドに関するルール、非点灯を禁止するサブフィールドに関するルールで記述される。
【0071】
上下コード生成部70は、前記所定のサブフィールドコードおよび前記ルールを適用して新たに生成できるサブフィールドコードの中から、入力階調より大きくかつ最も近い階調をもつサブフィールドコードおよび入力階調以下でかつ最も近い階調をもつサブフィールドコードをそれぞれ上階調コードおよび下階調コードとして生成する。
【0072】
本実施の形態においては、基底コード生成部50で生成した上階調基底コードにルール生成部61で生成したルールを適用して、入力階調より大きくかつ最も近い階調をもつ上階調コード、および入力階調以下でかつ最も近い階調をもつ下階調コードを生成する。
【0073】
本実施の形態においては、上下コード生成部70は、中間コード生成部72と、上下コード選択部74とを有する。
【0074】
中間コード生成部72は、上階調基底コードに非点灯サブフィールドを追加して画像表示に使用するコードを生成する。こうして生成されたコードを「中間コード」と呼称する。また中間コードにもとの上階調基底コードを加えたテーブルを「中間コードセット」と称する。
【0075】
図10A〜図10Dは、本発明の実施の形態における画像表示装置のルールにより生成される中間コードセットの一例を示す図である。図10Aは、1つめに追加する非点灯サブフィールドに関するルール「非点灯サブフィールドを1つ追加する」というルールを図9Aに示した基底コード「10111」に適用して生成した中間コードセットを示す図である。この例では基底コードに4つの点灯サブフィールドSF1、SF3〜SF5が存在するので、このうちの1つを非点灯サブフィールドに変更することにより4個の中間コードが得られる。ただし中間コード「10011」は基底コードに等しく、それ以外の3個のコードが新たに生成された中間コードである。
【0076】
図10Bは、1つめに追加する非点灯サブフィールドに関するルール「非点灯サブフィールドを1つ追加する」に加えて、2つめに追加する非点灯サブフィールドに関するルール「新たに生成された中間コードのうちで階調の最も小さいコードのサブフィールドSF5に非点灯サブフィールドを追加する」というルールを、基底コード「10111」に適用して生成した中間コードセットを示す図である。この例では4個の中間コードが新たに生成される。
【0077】
図10Cは、1つめに追加する非点灯サブフィールドに関するルール「非点灯サブフィールドを1つ追加する」に加えて、非点灯を禁止するサブフィールドに関するルール、「サブフィールドSF1の非点灯を禁止する」というルールを基底コード「10111」に適用して生成した中間コードセットを示す図である。この例では2個の中間コードが新たに生成される。
【0078】
図10Dは、「非点灯サブフィールドを1つ追加する」というルールおよび「サブフィールドSF1の非点灯を禁止する」というルールを、図9Bに示した準基底コード「11110」に適用して生成した中間コードセットを示す図である。この例では2個の中間コードが新たに生成される。
【0079】
このように中間コード生成部72は、基底コード生成部50が生成した上階調基底コードにルール生成部61で生成されたルールを適用して中間コードセットを生成する。
【0080】
上下コード選択部74は、中間コード生成部72で生成した中間コードセットに含まれるコードそれぞれの階調と入力階調とを比較して、入力階調より大きくかつ最も近い階調をもつコードを上階調コードとして選択し出力する。また入力階調以下でかつ最も近い階調をもつコードを下階調コードとして選択し出力する。
【0081】
表示コード選択部80は、入力階調に所定の値を加算して表示すべき階調を求め、上階調コードおよび下階調コードのうち表示すべき階調に近い階調をもつサブフィールドコードを表示コードとして選択する。
【0082】
本実施の形態においては、入力階調に加算する前記所定の値は、誤差拡散処理により拡散される誤差およびディザ処理により加算されるディザ値である。したがって表示コード選択部80は、入力階調に、誤差およびディザ成分を加算して表示すべき階調を求め、上階調コードおよび下階調コードのうち表示すべき階調に近い階調重みをもつコードを表示コードとして選択する。加えて、その差を誤差として周辺画素に拡散する。
【0083】
表示コード選択部80は、ディザ選択部82と、誤差拡散部84と、表示コード決定部86とを有する。
【0084】
ディザ選択部82は、画像信号およびその属性に基づき、記憶している複数のディザパターンの中から1つのディザパターンを選択する。また対応する画像信号の画素の位置に基づき、選択したディザパターンの対応するディザ要素を選択して出力し、さらに選択したディザ要素に上階調コードの階調と下階調コードの階調との差を乗じてディザ値を求める。
【0085】
図11A、図11Bは、本発明の実施の形態における画像表示装置で使用するディザパターンの一例を示す図である。図11Aは、最も単純な2値ディザを示す図であり、ディザ要素「+0.25」と「−0.25」とが市松状に配列されている。また図11Bは、4値ディザの一例を示す図であり、2画素×2画素のブロックのそれぞれにディザ要素「+0.375」、「+0.125」、「−0.375」、「−0.125」が配列されている。
【0086】
誤差拡散部84は、対応する画素に加算するための誤差を表示コード決定部86に出力すると共に、表示コード決定部86から出力される誤差を周辺画素に拡散する。
【0087】
図12は、本発明の実施の形態における画像表示装置における誤差拡散部84の誤差拡散係数を示す図である。図12の中心に示した画素(注目画素)には、左上の画素で発生した誤差に係数k1をかけた値が拡散され、上の画素で発生した誤差に係数k2をかけた値が拡散され、右上の画素で発生した誤差に係数k3をかけた値が拡散され、左の画素で発生した誤差に係数k4をかけた値が拡散される。また注目画素で発生した誤差に係数k4をかけた値を右の画素に拡散し、注目画素で発生した誤差に係数k3をかけた値を左下の画素に拡散し、注目画素で発生した誤差に係数k2をかけた値を下の画素に拡散し、注目画素で発生した誤差に係数k1をかけた値を右下の画素に拡散する。
【0088】
本実施の形態においては、各係数の値を、k1=1/16、k2=4/16、k3=3/16、k4=8/16と設定するか、または、k1=3/16、k2=4/16、k3=1/16、k4=8/16と設定する。何れの値に設定するかは乱数を用いて決定している。
【0089】
表示コード決定部86は、入力階調と、ディザ選択部82から出力されたディザ値と、誤差拡散部84から出力された誤差とに基づき、実際の表示に用いる表示コードを上階調コードおよび下階調コードのいずれかに決定する。
【0090】
本実施の形態においては、入力階調とディザ値と誤差とを加算して表示すべき階調を算出する。そして上階調コードおよび下階調コードのうち、表示すべき階調に近いほうのコードを表示コードとして選択する。このとき表示すべき階調と選択した表示コードの階調との差を求め、新たに発生した誤差として誤差拡散部84に出力する。
【0091】
次に、画像信号処理回路31の動作について説明する。図13A、図13Bは、以下の説明で用いる画像信号の一例と、そのときの見え方を示す図である。図13Aは現フィールドの画像信号であり、右目用フィールドで表示する右目用画像である。また図13Bは次フィールドの画像信号であり、左目用フィールドで表示する左目用画像である。
【0092】
仮に、残光を考慮せずに、図13Aに示した右目用画像に続けて図13Bに示した左目用画像を表示したと仮定すると、図13Aに示した右目用画像の残光が残像としてパネルに残り、図13Bに示した左目用画像に重畳される。このとき左目用画像の輝度の高い「A」点では残像は視認されないが、左目用画像の輝度の低い「B」点では図9Cに示したように、残像の影響で立体視が困難になるおそれがある。
【0093】
しかし本実施の形態においては、以下のように残光を考慮した画像信号処理を行うことで残像の影響を抑制している。
【0094】
図14は、本発明の実施の形態における画像表示装置の画像信号処理回路31の動作を示すフローチャートである。
【0095】
(ステップS41)1つの画素に対応する画像信号を入力し、属性検出部41がその画像信号に付随する属性を検出する。
【0096】
本実施の形態において、例えば「A」点の画素および「B」点の画素に対応する画像信号の階調値(入力階調)がともに「11」であったとする。
【0097】
(ステップS43)残光検出回路37が入力した画像信号に基づき、1つの画素に対応する現フィールドの画像信号、および同画素に対する次フィールドの画像信号をそれぞれ比較する。そして現フィールドの画像信号が高階調閾値C1以上であり、次フィールドの画像信号が低階調閾値C2以下であれば「H」を出力し、それ以外では「L」を出力する。
【0098】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては、現フィールドの画像信号が高階調閾値C1以上であり、次フィールドの画像信号も低階調閾値C2より大きいので、残光検出回路37は「L」を出力する。また「B」点の画素に対しては、現フィールドの画像信号が高階調閾値C1以上であり、次フィールドの画像信号も低階調閾値C2以下であるので、残光検出回路37は「H」を出力する。
【0099】
(ステップS52)基底コードセット選択部52が、残光検出回路37の出力に基づきコードセットを選択する。
【0100】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては残光検出回路37の出力が「L」であるので、基底コードセット選択部52は図9Aに示した基底コードセットを選択する。また、「B」点の画素に対しては残光検出回路37の出力が「H」であるので、基底コードセット選択部52は図9Bに示した準基底コードセットを選択する。
【0101】
(ステップS54)基底コード選択部54が、画像信号に対する上階調基底コードを選択する。
【0102】
基底コード選択部54は、基底コードセット選択部52が選択したコードセットのコードそれぞれの階調と入力階調とを比較して、入力階調よりも大きくかつ最も近い階調をもつコードを上階調基底コードとして選択し出力する。
【0103】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては入力階調が「11」であるので、図9Aに示した基底コードセットの中から階調「12」をもつ基底コード「10111」が上階調基底コードとして選択される。また「B」点の画素に対しては入力階調が「11」であるので、図9Bに示した準基底コードセットの中から階調「20」をもつ準基底コード「11110」が上階調基底コードとして選択される。
【0104】
(ステップS61)ルール生成部61が中間コードセット生成のためのルールを生成する。
【0105】
本実施の形態においては、ルール生成部61は、「A」点の画素および「B」点の画素に対してともに、「非点灯サブフィールドを1つ追加する」という基本的なルールに加えて、「サブフィールドSF1の非点灯を禁止する」というルールを追加するとして説明する。
【0106】
(ステップS72)中間コード生成部72がルール生成部61が生成したルールに従って中間コードセットを生成する。
【0107】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては基底コード「10111」のサブフィールドSF3〜SF5を非点灯サブフィールドに置き換えることにより、3つの中間コード「10011」、「10101」、「10110」を生成する。こうして図10Cに示した中間コードセットが得られる。また「B」点の画素に対しては準基底コード「11110」のサブフィールドSF2〜SF4を非点灯サブフィールドに置き換えることにより、3つの中間コード「10110」、「11010」、「11100」を生成する。こうして図10Dに示した中間コードセットが得られる。
【0108】
(ステップS74)上下コード選択部74が上階調コードと下階調コードを選択する。
【0109】
上下コード選択部74は、中間コードセットの各コードの階調と入力階調とを比較して、入力階調よりも大きくかつ最も近い階調をもつコードを上階調コードとして選択する。また入力階調以下であってかつ最も近い階調をもつコードを下階調コードとして選択する。
【0110】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては図10Cに示した中間コードセットの中から、上階調コードとして階調「12」をもつコード「10111」を選択する。また下階調コードとして階調「10」をもつコード「10110」を選択する。また「B」点の画素に対しては図10Dに示した中間コードセットの中から、上階調コードとして階調「14」をもつコード「11010」を選択する。また下階調コードとして階調「10」をもつコード「10110」を選択する。
【0111】
(ステップS82)ディザ選択部82がディザ要素を選択する。
【0112】
本実施の形態においては、ディザ選択部82は、「A」点の画素および「B」点の画素に対してともに図11Aに示した2値ディザパターンを選択するとして説明する。また画像信号の対応する画素の位置により2値ディザパターンのディザ要素を選択する。こうして選択したディザ要素は「A」点の画素および「B」点の画素に対してともに「0.25」であったとする。
【0113】
(ステップS83)ディザ選択部82がディザ値を算出する。
【0114】
ディザ選択部82は、選択したディザ要素に、上階調コードの階調と下階調コードの階調との差を乗じてディザ値を算出する。
【0115】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対してはディザ要素「0.25」に上階調コードの階調と下階調コードの階調との差「2」を乗じてディザ値「0.5」が求まる。また「B」点の画素に対してはディザ要素「0.25」に上階調コードの階調と下階調コードの階調との差「4」を乗じてディザ値「1.0」が求まる。
【0116】
(ステップS86)表示コード決定部86が表示すべき階調を算出する。
【0117】
表示コード決定部86は、入力階調にディザ値を加算し、さらに誤差拡散部84から出力された誤差を加算して、対応する画素で表示すべき階調を算出する。
【0118】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては、入力階調が「11」、ディザ値が「0.5」であり、出力された誤差が例えば「0.4」であれば、表示すべき階調は「11.9」である。また「B」点の画素に対しては、入力階調が「11」、ディザ値が「1.0」であり、出力された誤差が例えば「0.4」であれば、表示すべき階調は「12.4」である。
【0119】
(ステップS87)表示コード決定部86が表示に使用する表示コードを決定する。
【0120】
表示コード決定部86は、表示すべき階調と上階調コードの階調および下階調コードの階調とを比較する。そして表示すべき階調が上階調コードの階調に近い場合は、実際の表示に用いる表示コードとして上階調コードを出力する。また表示すべき階調が下階調コードの階調に近い場合は、実際の表示に用いる表示コードとして下階調コードを出力する。
【0121】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては表示すべき階調が「11.9」であるので、表示コード決定部86は表示コードとして階調「12」をもつコード「10111」を出力する。また「B」点の画素に対しては表示すべき階調が「12.4」であるので表示コードとして階調「14」をもつコード「11010」を出力する。
【0122】
(ステップS88)表示コード決定部86が表示すべき階調から表示コードの階調を減じた値を新たに発生した誤差として誤差拡散部84に出力する。
【0123】
本実施の形態においては、「A」点の画素に対しては表示すべき階調が「11.9」であり表示コードの階調が「12」であるので、表示コード決定部86は誤差「−0.1」を誤差拡散部84に出力する。また、「B」点の画素に対しては表示すべき階調が「12.4」であり表示コードの階調が「14」であるので誤差「−1.6」を誤差拡散部84に出力する。
【0124】
そしてステップS41に戻る。
【0125】
このように画像信号処理回路31の残光検出回路37は、「A」点の画素に対しては現フィールドで残光が発生しても次フィールドでクロストークが目立ち難いために「L」を出力し、「B」点の画素に対しては現フィールドで残光が発生しかつ次フィールドでクロストークが目立ちやすいので「H」を出力する。そして画像信号処理回路31は、「A」点の画素に対してはすべてのサブフィールドSF1〜SF5を用いて表示コードを生成する。しかし「B」点の画素に対しては最後に配列されたサブフィールドSF5を非点灯とする表示コードを生成する。そのためサブフィールドSF4で維持放電を発生しても以後は残光の減衰が始まるので、次フィールドまでに残光は抑制される。したがって次フィールドの輝度が低くてもクロストークが目立ち難くなる。
【0126】
このように本実施の形態においては、当該フィールド(現フィールド)で高階調閾値C1以上の階調を表示し、かつ次フィールドで低階調閾値C2以下の階調を表示する画素に対しては、現フィールドの最後に配列されたサブフィールドを非点灯とする表示コードを生成する。これにより、通常駆動でクロストークが発生する可能性のある画素に対して残光の減衰を早めて次フィールドのクロストークの発生を抑制して、品質の高い立体画像を表示している。
【0127】
次のフィールドでは、現フィールドの画像信号が左目用画像信号であり、次フィールドの画像信号が右目用画像信号となる。この場合も信号処理回路31は、上述の説明の左右を入れ替えたように動作して、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制する。
【0128】
また画像信号処理回路31は、入力階調よりも大きくかつ最も近い階調をもつ上階調基底コードを生成して出力する基底コード生成部50、画像信号およびその属性に基づき上階調基底コードに非点灯サブフィールドを追加して中間コードを生成するためのルールを生成して出力するルール生成部61、上階調基底コードにルールを適用して中間コードを生成し、入力階調より大きくかつ最も近い階調をもつ上階調コード、および入力階調以下でかつ最も近い階調をもつ下階調コードを選択して出力する上下コード生成部70、誤差およびディザ成分を入力階調に加算して表示すべき階調を求め、上階調コードおよび下階調コードのうち表示すべき階調に近い階調をもつコードを表示コードとして選択するとともに、その差を誤差として拡散する表示コード選択部80を備えている。これにより、画像信号から表示コードへの変換を、変換テーブルを用いるのではなく、論理計算を用いて実行している。
【0129】
なお本実施の形態においては、1V遅延部42の出力を現フィールドとすることで画像の表示までに1フィールドの遅延を有する構成について説明した。しかし本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば1V遅延部42の入力を現フィールドとし1V遅延部42の出力を仮の次フィールド相当画像として画像の表示を1フィールド早めてもよい。ただしこの場合、真の次フィールド画像とは時間的なずれがあるため、動画領域では残光が残ることがある。
【0130】
また本実施の形態においては、基底コード生成部50は、基底コードセット選択部52を有し、基底コードセット選択部52に基底コードセットおよび準基底コードセットがあらかじめ記憶されている構成について説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではない。例えばコードセット生成ルールがあらかじめ定められており、残光検出回路37の出力およびコードセット生成ルールに基づき順次生成されるコードの階調と入力階調とを比較する構成であってもよい。
【0131】
また本実施の形態においては、上下コード生成部70は、中間コード生成部72で中間コードセットを生成した後に、上下コード選択部74で上階調コードおよび下階調コードを選択する構成について説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではない。例えば、階調が大きくなる順に中間コードを生成すると同時に入力階調と比較する構成であってもよい。
【0132】
また本実施の形態においては、表示コード選択部80がディザ選択部82と誤差拡散部84とを有する構成について説明した。しかし本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えばディザ処理を行わない場合にはディザ選択部82を省略してもよく、誤差拡散処理を行わない場合には誤差拡散部84を省略してもよい。ただし誤差拡散処理を省略すると階調表示の忠実性が損なわれる恐れがあり注意が必要である。
【0133】
また、本実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、画像表示装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制して、品質の高い立体画像を表示することができ、3D画像表示装置および3D画像表示装置の駆動方法として有用である。
【符号の説明】
【0135】
10 パネル
12 走査電極
13 維持電極
22 データ電極
30 画像表示装置
31 画像信号処理回路
37 残光検出回路
38 サブフィールドコード変換回路
41 属性検出部
42 1V遅延部
44 1Vディレイ
45 現フィールド用コンパレータ
46 次フィールド用コンパレータ
47 ANDゲート
50 基底コード生成部
52 基底コードセット選択部
54 基底コード選択部
61 ルール生成部
70 上下コード生成部
72 中間コード生成部
74 上下コード選択部
80 表示コード選択部
82 ディザ選択部
84 誤差拡散部
86 表示コード決定部
99 シャッタ眼鏡
C1 高階調閾値
C2 低階調閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、前記サブフィールドのそれぞれの点灯または非点灯の組合せを示すサブフィールドコードを用いてサブフィールドのそれぞれで各画素の点灯・非点灯を制御して階調を表示する3D画像表示装置であって、
画像信号を入力し、階調を表示するためのサブフィールドコードである表示コードを出力する画像信号処理回路を備え、前記画像信号処理回路は、
右目用フィールドおよび左目用フィールドのうち、一方のフィールドの画像信号の階調が高階調閾値以上であり、他方のフィールドの画像信号の階調が低階調閾値以下である画素を残光が発生する画素として検出する残光検出回路と、
前記残光検出回路が検出した画素に対する画像信号を、フィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯とする表示コードに変換するサブフィールドコード変換回路と、
を備えたことを特徴とする3D画像表示装置。
【請求項2】
前記サブフィールドコード変換回路は、
前記画像信号の階調よりも大きい階調をもつ所定のサブフィールドコードを生成する基底コード生成部と、
前記画像信号に基づき前記所定のサブフィールドコードに非点灯サブフィールドを追加して新たにサブフィールドコードを生成するためのルールを生成するルール生成部と、
前記所定のサブフィールドコードに前記ルールを適用して新たに生成できるサブフィールドコードの中から、前記画像信号の階調より大きくかつ最も近い階調をもつサブフィールドコードおよび前記画像信号の階調以下でかつ最も近い階調をもつサブフィールドコードをそれぞれ上階調コードおよび下階調コードとして生成する上下コード生成部と、
前記画像信号の階調に所定の値を加算して表示すべき階調を求め、前記上階調コードおよび前記下階調コードのうち前記表示すべき階調に近い階調をもつサブフィールドコードを前記表示コードとして選択する表示コード選択部とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記所定のサブフィールドコードは、点灯するサブフィールドのうち最も階調重みの大きいサブフィールドの階調重みよりも小さい階調重みをもつ全てのサブフィールドが点灯するサブフィールドとなる基底コード、または前記基底コードからフィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯としたサブフィールドコードであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
入力した前記画像信号の階調に加算する前記所定の値は、誤差拡散処理により拡散される誤差およびディザ処理により加算されるディザ値であることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項5】
階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、階調重みの定められた複数のサブフィールドで構成し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、前記サブフィールドのそれぞれの点灯または非点灯の組合せを示すサブフィールドコードを用いてサブフィールドのそれぞれで各画素の点灯・非点灯を制御して階調を表示する3D画像表示装置の駆動方法であって、
右目用フィールドおよび左目用フィールドのうち、一方のフィールドの画像信号の階調が高階調閾値以上であり、他方のフィールドの画像信号の階調が低階調閾値以下である画素を残光が発生する画素として検出するステップと、
前記残光検出回路が検出した画素に対する画像信号を、フィールドの最後に配置したサブフィールドを非点灯とするサブフィールドコードに変換するステップと、
を備えたことを特徴とする3D画像表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−150333(P2012−150333A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9642(P2011−9642)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】