説明

4−オキソプロリン誘導体の製造方法

【課題】金属含有触媒を使用することなく、カルボキシル基を有する4-オキソプロリン誘導体を製造し得る方法の提供。
【解決手段】4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基を、溶媒中、N−オキシラジカル化合物の存在下で、一電子酸化剤により酸化する、式(III):


(式中、Xは−CO−O−R1基(R1は炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)又は−CH2−R2基(R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)を示す。)で表される4-オキソプロリン誘導体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高血圧、心臓血管障害、疼痛、炎症及び神経変性の処置における該化合物又はその医薬組成物、不妊、早産、未熟児分娩、月経困難症、心疾患、腎低酸素症、肝炎、神経変性疾患、虚血、喘息、アテローム性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アルツハイマー病、自己骨髄移植、ある種の中毒性神経炎、免疫に基づく神経炎、接触皮膚過敏症、潰瘍性大腸炎、クーロン病等の炎症性腸疾患、髄膜炎、多発性硬化症、多発性骨髄腫、心筋炎、肺線維症、乾癬、再閉窄、腫瘍転移、網膜炎、慢性関節リウマチ、敗血症性関節炎、卒中ブドウ膜炎、糖尿病治療及び予防薬、角質剥離促進による手のひらのざらつき改善剤又は低減化剤、化粧のり改善剤、面皰や角栓、毛穴のざらつきの予防改善剤、キメ改善剤、小じわ改善剤用に良好な角質剥離促進剤等に用いられる4-オキソプロリン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カルボキシル基を有する4-オキソプロリン誘導体は、4-オキソプロリン誘導体のカルボキシル基を利用した反応を次工程で行う場合、そのエステルに比べて、保護、脱保護の工程が不要な点において有用である。
【0003】
特許文献1では、酸化ルテニウム等のルテニウム含有触媒の存在下、過ヨウ素酸ナトリウムや次亜塩素酸ソーダを酸化剤として用い、カルボキシル基を有する4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基を酸化して、4-オキソプロリン誘導体を製造している。しかしながら、触媒である酸化ルテニウムにより4-オキソプロリン誘導体が着色するため、精製するために煩雑な操作が必要となり、収率も低下する。
【0004】
特許文献2では、三酸化クロムを触媒として用い、カルボキシル基を有する4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基を酸化して、4-オキソプロリン誘導体を比較的高収率で製造している。
【0005】
しかしながら、環境への影響、及び経済的な利点を考慮すると、金属含有触媒の使用は回避することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−526265号公報
【特許文献2】特表2003−528854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、金属含有触媒を使用することなく、カルボキシル基を有する4-オキソプロリン誘導体を製造し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式(I):
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Xは−CO−O−R1基(R1は炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)又は−CH2−R2基(R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)を示す。)
で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基を、溶媒中、式(II):
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、Yは、水素原子、水酸基、−NH−CO−CH3基、又は−O−CO−C65基を示す)
で表されるN-オキシラジカル化合物の存在下で、一電子酸化剤により酸化する、式(III):
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、Xは前記と同じ)
で表される4-オキソプロリン誘導体の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の方法により、金属含有触媒を使用することなく、カルボキシル基を有する4-オキソプロリン誘導体を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、式(I):
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、Xは−CO−O−R1基(R1は炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)又は−CH2−R2基(R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)を示す。)
で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基を、溶媒中、式(II):
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、Yは、水素原子、水酸基、−NH−CO−CH3基、又は−O−CO−C65基を示す)
で表されるN-オキシラジカル化合物の存在下で、一電子酸化剤により酸化する、式(III):
【0021】
【化6】

【0022】
(式中、Xは前記と同じ)
で表される4-オキソプロリン誘導体を製造する方法である。
【0023】
式(I)において、Xは−CO−O−R1基(R1は炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)又は−CH2−R2基(R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)を示す。Xとしては、酸化剤に安定で脱保護が簡便である観点から、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基等が好ましく、tert−ブトキシカルボニル基がより好ましい。
【0024】
本発明において、式(II)で表されるN-オキシラジカル化合物は触媒として作用する。式(II)で表されるN-オキシラジカル化合物のなかでは、反応性、選択性が高いという観点から、Yが−O−CO−C65基である化合物、即ち、式(IIa):
【0025】
【化7】

【0026】
で表される4-ベンゾイルオキシテンポ([2,2,6,6-テトラメチル-4-(ベンゾイルオキシ)ピペリジノオキシ]ラジカル)が好ましい。
【0027】
N-オキシラジカル化合物の使用量は、式(I)で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体1モルに対して、0.001〜10モルが好ましく、0.005〜0.2モルがより好ましい。
【0028】
一電子酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、m-メタクロロ過安息香酸、過酢酸、次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸ナトリウム、三塩化セレン、tert-ブチルヒドロペルオキシド、酢酸セリウム(III)一水和物等が挙げられる。これらの中では、経済性や環境負荷低減の可能性の観点から、次亜塩素酸ナトリウム及び過酸化水素が好ましく、反応性の点から、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。これらの一電子酸化剤は10〜12重量%程度の濃度の水溶液として用いることが好ましい。次亜塩素酸ナトリウムは、臭化ナトリウムとともに用いることもできる。
【0029】
一電子酸化剤の使用量は、式(I)で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基1当量に対して、0.4〜10当量が好ましく、過剰に使用すると生成した4-オキソプロリン誘導体が副反応を起こすことから1.0〜1.8当量がより好ましい。
【0030】
溶媒としては、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、及び、酢酸エチル等のエステル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の直鎖アルカン、及びi-ペンタン、ネオペンタン、tert-ペンタン、i-ヘキサン等の分岐アルカン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル、又は塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等が挙げられ、これらのなかでは、4-ヒドロキシプロリン誘導体の溶解性、水への相溶性、及び環境への配慮等の観点から、酢酸及び酢酸エチルが好ましい。これらは水との混合溶媒であってもよい。
【0031】
溶媒の使用量は、式(I)で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体の0.1〜20重量倍が好ましく、1〜2重量倍がより好ましい。
【0032】
式(I)で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体の酸化は、例えば、溶媒に、式(I)で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体とN-オキシラジカル化合物を溶解させた溶液に、一電子酸化剤を添加することにより行うことができる。一電子酸化剤は、副生成物の抑制の観点から、徐々に滴下しながら添加することが好ましい。反応温度は、4-オキソプロリン誘導体を生成とともに析出させる場合には、0℃付近、即ち-5〜5℃程度、より好ましくは0〜5℃の温度条件下で行うことが好ましい。反応は室温でも行うことができるが、発熱反応であり、室温より温度が高いと一電子酸化剤の分解や生成した4-オキソプロリン誘導体の分解が起きるため冷却することが好ましい。また、反応液の固化を抑制する観点から、-5℃以上が好ましい。
【0033】
また、4-ヒドロキシプロリン誘導体の酸化を、酢酸等を使用して酸性条件下で行うことにより、生成した4-オキソプロリン誘導体を析出させることができる。次亜塩素酸ソーダ等のアルカリ性の一電子酸化剤を使用する場合には、一電子酸化剤の滴下により反応液が徐々に中性に戻るため、希塩酸、希硝酸、希硫酸等の鉱酸や、酢酸等の有機酸を添加し、pHを調整することもできる。
【0034】
反応時間は、一電子酸化剤の滴下剤の滴下時間に依存するため、使用する4-ヒドロキシプロリン誘導体の使用量で変わるが、一電子酸化剤の滴下直後に触媒が活性になることから、一電子酸化剤の滴下終了とともに反応を終了することができる。
【0035】
反応の際の雰囲気は特に限定されず、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下であっても、大気中であってもよい。
【0036】
反応の進行及び終点は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により確認することができる。
【0037】
反応終了後、反応中に結晶が析出した場合には濾別して単離することができる。また、反応に用いた有機溶媒中に4-オキソプロリン誘導体が溶解している場合には、濃縮、回収して単離することができる。4-オキソプロリン誘導体が有機溶媒中に溶解しており、一電子酸化剤が残留している場合、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤で反応液を洗浄することにより残留した一電子酸化剤を除くことができる。さらに、晶析、カラムクロマトグラフィ、ゲル浸透クロマトグラフィ、昇華精製、吸着剤の使用による精製等により、得られた4-オキソプロリン誘導体を、精製してもよい。
【0038】
晶析は、反応終了後濾別した結晶中に、次亜塩素酸ナトリウム等の一電子酸化剤が含まれている場合、結晶の着色が経時で確認されるため、反応終了後速やかに行うことが好ましい。ただし、この着色は、活性炭処理により除去することができる。また、得られた結晶をチオ硫酸ナトリウム水溶液等の還元剤で洗浄することにより着色を防ぐこともできる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0040】
実施例1
温度計及び攪拌翼を装備した3リットル容のフラスコに、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(N-BHP)350.1g(1.51モル)、触媒として乾燥4-ベンゾイルオキシテンポ21.0g(75.7ミリモル、N-BHP 1モルに対して0.05モル)及び溶媒として酢酸490.0g(N-BHPの1.4重量倍)を投入し、攪拌した。内容物が溶解したのを確認した後、0〜5℃に冷却した水浴にフラスコを入れ、フラスコの内温が水浴と同程度になるまで冷却した。
【0041】
送液ポンプに、12重量%次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水溶液1448.5g(N-BHPのOH基 1当量に対してNaOCl 1.65当量)を準備し、1時間に、N-BHPのOH基に対して0.48当量となる速さで、反応温度を0〜5℃に維持しながら、送液ポンプからNaOCl水溶液297.97gを滴下した。滴下に伴い、反応液内に白色の結晶が析出し始め、送液ポンプに準備したNaOCl水溶液の全量を滴下した時点で、反応を終了した。
【0042】
ブフナー漏斗に濾紙を敷き、減圧下で反応液を濾過した(ゲージ圧:-0.02MPa)。
【0043】
濾過により分別した結晶を、10℃程度に冷却した水331.07g(N-BHP 100重量部に対して95重量部)を用いて洗浄した。さらに、10℃程度に冷却した水248.0g(N-BHP 100重量部に対して70重量部)を用いて、洗浄し、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-オキソ-L-プロリン(N-BOP)の白色の結晶194.9g(純分144.9g、収率:42%)を得た。
【0044】
実施例2
温度計及び攪拌翼を装備した3リットル容のフラスコに、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(N-BHP)42g、触媒として乾燥4-ベンゾイルオキシテンポ2.5g(N-BHP 1モルに対して0.05モル)及び溶媒として酢酸57g(N-BHPの1.36重量倍)を投入し、攪拌した。内容物が溶解したのを確認した後、2〜4℃に冷却した水浴にフラスコを入れ、フラスコの内温が水浴と同程度になるまで冷却した。
【0045】
反応温度を2〜4℃に維持しながら、送液ポンプから、12重量%次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水溶液を、1時間に、N-BHPのOH基に対して0.34当量となる速さで滴下した。反応液をサンプリングしながら、HPLCでN-BOPの増加が停滞したのを確認し滴下を終了した。
【0046】
ブフナー漏斗に濾紙を敷き、減圧下で反応液を濾過した(ゲージ圧:-0.02MPa)。
【0047】
濾過により分別した結晶を、10℃程度に冷却した水を用いて洗浄した。さらに、10℃程度に冷却した水を用いて、洗浄し、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-オキソ-L-プロリン(N-BOP)の白色の結晶を得た。結晶の収率は46.2%であった。反応液に含まれるN-BOPの収率は18.7%であった。表1において、反応液、洗浄液に含まれるN-BOPの収率は、高速液体クロマトグラフィーにより分析し、定量した。
【0048】
実施例3〜10
表1に記載の条件で、実施例2に準じた方法により、N-BOPを得た。なお、pH調整が「有(酸性)」では、NaOCl水溶液を滴下する際に、随時10重量%塩酸を添加してpHを調整した。また、「有(塩基性)」では、NaOCl水溶液を滴下する際に、随時5重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを調整した。
【0049】
【表1】

【0050】
比較例1
温度計及び攪拌翼を装備した100ミリリットル容のフラスコに、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(N-BHP)3.50g(0.016モル)、触媒として二酸化ルテニウム30.2mg(0.23ミリモル、N-BHP 1モルに対して0.015モル)及び溶媒として酢酸17.5g(N-BHPの5重量倍)を投入し、攪拌した。内容物が溶解したのを確認した後、12重量%次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水溶液を2.82g(37.8ミリモル、N-BHP 1モルに対して2.5モル)を、2時間かけて滴下した。反応液をサンプリングしながら、高速液体クロマトグラフで反応の停滞が確認された時点で攪拌を終了した。反応収率は77%であった。
【0051】
攪拌が終了した時点で溶液は黒色であり、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-オキソ-L-プロリン(N-BOP)の析出は見られなかった。
この溶液からN-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-オキソ-L-プロリン(N-BOP)を精製するため、酢酸と当量の水を加えて固形分を析出させ、更に結晶を水で洗浄した。
固形分(3.0g)は褐色であり、低純度であったため(HPLC純度:81.9%)、再結晶を行った。固形分を酢酸エチル(20g)に60℃で溶解させ、0〜5℃に冷却して析出した結晶を、
実施例1と同様の方法で濾別した。
しかしながら、1回目での晶析では脱色できず、同様の晶析を2回行った。
その結果、減圧乾燥後、N-tert-ブトキシカルボニル(BOC)-4-オキソ-L-プロリン(N-BOP)の白色結晶(0.84g)を、収率24%で得た。
【0052】
実施例で得られるN-BOPの結晶は白色を呈しており、不純物や触媒の含有も少なく、そのまま濾過して水で掛け洗いし、乾燥することで結晶を単離できる。これに対し、酸化ルテニウムを使用した比較例1では、生成したN-BOPと黒色の酸化ルテニウムとの親和性が高く、析出結晶は酸化ルテニウムの含有により褐色となる。白色結晶を得るために、再結晶が2〜3回必要で、再結晶によるロスが増えるため、再結晶ろ液からの回収作業も必要となる。さらに、金属含有触媒である酸化ルテニウムは非常に高価であり、実施例で使用した4-ベンゾイルオキシテンポ等を使用することにより、安価に4-オキソプロリン誘導体を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の方法により得られる4-オキソプロリン誘導体は、高血圧、心臓血管障害、疼痛、炎症及び神経変性の処置における該化合物又はその医薬組成物、不妊、早産、未熟児分娩、月経困難症、心疾患、腎低酸素症、肝炎、神経変性疾患、虚血、喘息、アテローム性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アルツハイマー病、自己骨髄移植、ある種の中毒性神経炎、免疫に基づく神経炎、接触皮膚過敏症、潰瘍性大腸炎、クーロン病等の炎症性腸疾患、髄膜炎、多発性硬化症、多発性骨髄腫、心筋炎、肺線維症、乾癬、再閉窄、腫瘍転移、網膜炎、慢性関節リウマチ、敗血症性関節炎、卒中ブドウ膜炎、糖尿病治療及び予防薬、角質剥離促進による手のひらのざらつき改善剤又は低減化剤、化粧のり改善剤、面皰や角栓、毛穴のざらつきの予防改善剤、キメ改善剤、小じわ改善剤用に良好な角質剥離促進剤等に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、Xは−CO−O−R1基(R1は炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)又は−CH2−R2基(R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)を示す。)
で表される4-ヒドロキシプロリン誘導体の水酸基を、溶媒中、式(II):
【化2】

(式中、Yは、水素原子、水酸基、−NH−CO−CH3基、又は−O−CO−C65基を示す)
で表されるN-オキシラジカル化合物の存在下で、一電子酸化剤により酸化する、式(III):
【化3】

(式中、Xは前記と同じ)
で表される4-オキソプロリン誘導体の製造方法。
【請求項2】
酸化を0〜5℃の温度条件下で行う、請求項1記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−116793(P2012−116793A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268427(P2010−268427)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000205638)大阪有機化学工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】