説明

4−フェニル置換テトラヒドロイソキノリン、ならびにそのノルエンピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン再取り込み遮断のための使用

本発明は、式IA〜IFの化合物を投与することによる疾患の処置方法に関する。これらの化合物は、以下の構造を有するテトラヒドロイソキノリンである:ここで、式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFのそれぞれの化合物に関するR1〜R8は、本明細書に記載する通りである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、様々な疾患の処置のための化合物、組成物、方法、および組み合わせ療法における該化合物の使用に関する。特に、本発明は、該化合物が、新規な4-フェニル置換テトラヒドロイソキノリン誘導体である、そのような化合物、組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
セロトニン、ドーパミンおよびノルエピネフリンは、脳内の神経インパルスの伝達に関与する重要な化学的メッセンジャーとして公知である。これらのメッセンジャーは、シナプス前細胞上の特定の部位で解放され、シナプス後細胞上の特定の部位で受容されて、インパルスの伝達が完了する。これらの効果は、次に、代謝により、またはシナプス前細胞内への取り込みにより終了する。脳内でこれら化学的メッセンジャーのいずれかの前シナプトソームによる取り込みを遮断することができる薬物は、これら化学的メッセンジャーレベルの低下に関連した疾患の緩和に有用である。例えば、公知のセロトニン再取り込み阻害剤であるデュロキセチンおよびフルオキセチンは、うつ病、肥満症および強迫性障害の処置に有用であることが見出されている(Wongら、米国特許第5,532,244号(特許文献1))。また、Moldtら、米国特許第5,444,070号(特許文献2)は、うつ病、パーキソニズム、薬物中毒および/または薬物乱用、コカインおよび/またはアンフェタミン中毒および/または乱用の処置におけるドーパミン再取り込み阻害剤の使用を開示している。またFreedmanら、米国特許第6,136,803号(特許文献3)は、患者のうつ病の処置に有用な、シナプス性ノルエピネフリンまたはセロトニン取り込み阻害剤を開示している。さらに、Norden、米国特許第5,789,449号(特許文献4)は、怒り、拒絶感受性および精神的または身体的エネルギーの欠如からなる精神症状の処置における、セロトニン再取り込み阻害剤の使用を開示している。また、Fosterら、米国特許第4,902,710号(特許文献5)は、ヒトの喫煙またはアルコール消費に対する願望の抑制に、セロトニンおよびノルエピネフリン取り込み阻害剤の使用を開示している。このように、ノルエピネフリン、ドーパミンまたはセロトニンの再取り込みを遮断する新規な化合物の開発が、今なお必要とされている。
【0003】
セロトニンまたはノルエピネフリンの再取り込みを阻害する化合物は、組み合わせ療法においても使用されてきた。例えば、Glattら、米国特許第6,121,261号(特許文献6)は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤またはノルエピネフリン取り込み阻害剤を、ニューロキニン-1受容体拮抗薬と組み合わせて、患者の注意欠陥障害の処置に使用することを開示している。
【0004】
また、Hohenwarter、米国特許第4,843,071号(特許文献7)は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤およびノルエピネフリン前駆体を、患者の肥満症、薬物乱用またはナルコレプシーの処置に使用することを開示している。さらに、Wongら、米国特許第5,532,244号(特許文献1)は、脳内のセロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの利用能を増加させるために、セロトニン再取り込み阻害剤を、セロトニン1A受容体拮抗薬と組み合わせて使用することを開示している。
【0005】
神経疾患および精神疾患の様々な処置法は、化合物が所定の神経化学物質を選択的に遮断し、それ以外を遮断できないことを原因とする多数の副作用により特徴付けられている。例えば、ADHDは、学齢の子供の3〜6%を侵す疾病であり、ある割合の成人にも認められる。学校および職場での妨害的行動とは別に、ADHDは続く不安障害、うつ病、行為障害および薬物乱用の発症の有意な危険因子である。現在の処置計画は、覚醒剤を必要とし、相当数(30%)の患者が、覚醒剤に耐性を有するか、またはそれらの副作用に耐えることができないため、ADHDを処置し、耐性または副作用の問題を有さない、新しい薬物または薬物のクラスが必要とされている。加えて、ADHD処置のための現在の薬物の選択肢であるメチルフェニデートは、多数の副作用を誘発し、それらには食欲不振、不眠および苛立ち、チックならびに交感神経系の活性化による高血圧および心拍数の増加が含まれる。しかしながら、メチルフェニデートは、ノルエピネフリン輸送体タンパク質と比較して、ドーパミン輸送体タンパク質に対する高い選択性も有しており(DAT/NET Ki比0.1)、これは嗜癖傾向に繋がり得、また最適な有効性を得るために1日複数投与を必要とする。従って、特定の選択比でノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン再取り込みを遮断する新規な化合物の開発が、依然として必要とされている。
【0006】
米国特許第3,947,456号(特許文献8)は、抗うつ剤として有用性があると言われているテトラヒドロイソキノリンを開示している。米国特許第3,666,763号(特許文献9)は、フェニルテトラヒドロイソキノリン誘導体の、抗うつ剤および抗低血圧剤としての使用を記載している。カナダ特許出願第2,015,114号(特許文献10)は、フェニルテトラヒドロイソキノリン誘導体の抗うつ剤としての使用を開示し;さらに、該明細書中でそれらがノルエピネフリン、セロトニンおよびドーパミン取り込みに関して、明らかに非選択的であることを記載している。英国特許出願第2,271,566号(特許文献11)は、フェニルテトラヒドロイソキノリン誘導体の抗HIV剤としての使用を開示している。国際公開公報第98/40358号(特許文献12)は、ブドウ糖代謝経路の疾患の処置に有用な、フェニルテトラヒドロイソキノリン誘導体の使用を開示している。国際公開公報第97/36876号(特許文献13)は、抗癌剤としてのフェニルテトラヒドロイソキノリン誘導体の使用を開示している。国際公開公報第97/23458号(特許文献14)もまた、ニューロンの欠損に関連した症状に有用な、NMDA受容体リガンドとしての4フェニル-置換テトラヒドロイソキノリンを記載している。フェニル−置換テトラヒドロイソキノリンはまた、Mondeshkaら、I1 Farmaco, 1994, 49 pp. 475-481(非特許文献1)にも記載されている。
【0007】
4フェニル-置換テトラヒドロイソキノリン誘導体であるNomofensine(登録商標)は、ドーパミンおよび他のカテコールアミンのニューロン取り込みを阻害することが知られており、ADHDに関する臨床的効果が示されている。しかしながら、Nomofensine(登録商標)の長期間投与は、致命的な免疫性溶血性貧血を招く。従って、ADHDを処置するが、Nomifensine(登録商標)または現在処方されている覚醒剤に関連した重大な副作用を有さない、新規な化合物を開発する必要が依然として存在する。
【0008】
本発明は、ノルエピネフリン、ドーパミンまたはセロトニンの再取り込みを遮断し、様々な疾患の処置において、メチルフェニデートおよび公知の覚醒剤の代替物として有用な、新規なアリールおよびヘテロアリール置換テトラヒドロイソキノリン誘導体化合物を開示する。
【0009】
本発明は、特許請求する化合物が、特定の選択比で、例えばドーパミン輸送体(DAT)タンパク質またはセロトニン輸送体(SERT)タンパク質と比較して、ノルエピネフリン輸送体(NET)タンパク質に対する高い選択性(DATおよびSERTと比較して、NETに関するKiがより低い)を伴って、ノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニンの再取り込みを遮断することを発見した。従って、該化合物は、嗜癖傾向プロファイルが低下されたADHD処置薬として有効であると仮定される。より詳細には、本発明の数種の化合物は、SERTタンパク質と比較してNETに対して驚くほどの、かつ特定の選択性を有し、従って選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)クラスの化合物の公知の副作用を伴わない化合物が提供される。
【0010】
【特許文献1】Wongら、米国特許第5,532,244号
【特許文献2】Moldtら、米国特許第5,444,070号
【特許文献3】Freedmanら、米国特許第6,136,803号
【特許文献4】Norden、米国特許第5,789,449号
【特許文献5】Fosterら、米国特許第4,902,710号
【特許文献6】Glattら、米国特許第6,121,261号
【特許文献7】Hohenwarter、米国特許第4,843,071号
【特許文献8】米国特許第3,947,456号
【特許文献9】米国特許第3,666,763号
【特許文献10】カナダ特許出願第2,015,114号
【特許文献11】英国特許出願第2,271,566号
【特許文献12】国際公開公報第98/40358号
【特許文献13】国際公開公報第97/36876号
【特許文献14】国際公開公報第97/23458号
【非特許文献1】Mondeshkaら、I1 Farmaco, 1994, 49 pp. 475-481
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明は、認知障害、全般性不安障害、急性ストレス障害、社会恐怖症、単純恐怖症、月経前不快気分性障害、社会不安障害、大うつ病性障害、摂食障害、肥満症、神経性食欲不振症、神経性過食症、大食症、物質乱用障害、薬物依存、ニコチン中毒、コカイン中毒、アルコール中毒、アンフェタミン中毒、レッシュ・ナイハン症候群、神経変性疾患、黄体期後期症候群、ナルコレプシー、精神症状の怒り、拒絶感受性、運動障害、錐体外路症候群、チック障害、不穏下肢症候群、遅発性ジスキネジア、睡眠関連摂食障害、夜食症候群、腹圧性尿失禁、偏頭痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症候群、慢性疲労症候群、性機能不全、早漏および男性インポテンスからなる群より選択される疾患の治療方法に関する。本方法は、そのような治療を必要とする患者に、下記式(IA〜IF)の化合物、またはそれらの酸化物、それらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物もしくはそれらのプロドラッグの治療的有効量を投与することを含む:

式中、
で指定された炭素原子は、R配置またはS配置にあり;
R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;
R2は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキルまたはC1-C6ハロアルキルであり;
R3は、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-S(O)nNR11R12、-CN、-C(O)R12、-C(O)NR11R12、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、ここで、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく、あるいはここで、R3がC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;ただし、式IAの化合物に関しては、R3は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;
ただし、式IBの化合物に関しては、R3は、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13または-S(O)nR12であり、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R4は、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-S(O)NR11R12、-CN、-C(O)R12、-C(O)NR11R12、-NR11R12、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、ここで、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく、ならびにここで、R4がC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;
ただし、式ICの化合物に関しては、R4は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、あるいはR5およびR6またはR6およびR7は、-O-C(R12)2-O-であってもよく;
ただし、式IDの化合物に関しては、R4は、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13、-NR11R12または-S(O)nR12であり、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFのそれぞれの化合物のR5、R6およびR7は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-CN、-C(O)R12、-NR11R12、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R12、-NR11C(O)2R12、-NR11C(O)NR12R13、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、ここで、R5、R6およびR7のそれぞれが、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、あるいはR5およびR6またはR6およびR7は、-O-C(R12)2-O-であってもよく;
ただし、式IEの化合物に関しては、R5もしくはR7の少なくとも一方は、フルオロ、クロロもしくはメチルであり;
あるいはR5およびR6は、それぞれ独立に、式IEの化合物の-O-C(R12)2-O-であり、しかしR7が、フルオロ、クロロもしくはメチルの場合に限られ;
あるいはR7およびR6も、独立に、式IEの化合物の-O-C(R12)2-O-であり得るが、しかしR5がフルオロ、クロロもしくはメチルの場合に限られ;
R8は、H、ハロゲンまたはOR11であり、ただし、式IFの化合物に関しては、R8はハロゲンであり;
R9およびR10は、それぞれ独立に、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R13、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、フェニルもしくはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
あるいはR9とR10は、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンもしくはチオモルホリンを形成し;
R11は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R13、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、R11が、C1-C4アルキル、フェニルもしくはベンジル基の場合、該基は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R12は、H、アミノ、C1-C4アルキル、(C1-C4アルキル)アミノ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、フェニルもしくはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
あるいはR11とR12は、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンもしくはチオモルホリンを形成し;
ただし、R9とR10またはR9とR10の一方のみが、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンまたはチオモルホリンを形成し;
R13は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはフェニルであり;
nは、0、1または2であり、かつ;
アリールは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシで1〜3回置換されてもよいフェニルである。
【0012】
これらの化合物は、参照により全体として本明細書に組み入れられる国際公開公報第01/32624号に完全に記載されている。
【0013】
発明の詳細な説明
上記に使用されているように、また本発明の記載全体を通して、以下の用語は、別に示さない限り、以下の意味を有すると理解すべきである。
【0014】
用語「アルキル」は、鎖内に約1〜約6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族炭化水素基を意味する。分岐鎖は、一つまたは複数の低級アルキル基、メチル、エチルまたはプロピルなどが、線状アルキル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよび3-ペンチルを含む。
【0015】
用語「アルケニル」は、炭素−炭素二重結合を含み、かつ鎖内に約2〜約6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族炭化水素を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖内に2〜約4個の炭素原子を有する。分岐鎖は、一つまたは複数の低級アルキル基、メチル、エチルまたはプロピルなどが、線状アルケニル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルケニル基は、エテニル、プロペニル、n-ブテニルおよびi-ブテニルを含む。
【0016】
用語「アルキニル」は、炭素−炭素三重結合を含み、かつ鎖内に約2〜約6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖内に2〜約4個の炭素原子を有する。分岐鎖は、一つまたは複数の低級アルキル基、メチル、エチルまたはプロピルなどが、線状アルキニル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルキニル基は、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニルおよびn-ペンチニルを含む。
【0017】
用語「アリール」は、6〜約14個の炭素原子、好ましくは6〜約10個の炭素原子の芳香族単環系または多環系を意味する。代表的なアリール基は、フェニルおよびナフチルである。
【0018】
用語「ヘテロアリール」は、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子の、環系内の一つまたは複数の原子が、炭素以外の元素、例えば、窒素、酸素または硫黄である、芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいヘテロアリールは、約5〜6個の環原子を含む。ヘテロアリールの前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも一つの窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN-オキシドに酸化されてもよい。代表的なヘテロアリールは、ピラジニル;フラニル;チエニル;ピリジル;ピリミジニル;イソオキサゾリル;イソチアゾリル;オキサゾリル;チアゾリル;ピラゾリル;フラザニル;ピロリル;ピラゾリル;トリアゾニル;1,2,4-チアジアゾリル;ピラジニル;ピリダジニル;キノキサリニル;フタラジニル;1(2H)-フタラジノニル;イミダゾ[1,2-a]ピリジン;イミダゾ[2,1-b]チアゾリル;ベンゾフラザニル;インドリル;アザインドリル;ベンゾイミダゾリル;ベンゾチエニル;キノリニル;イミダゾリル;チエノピリジル;キナゾリニル;チエノピリミジル;ピロロピリジル;イミダゾピリジル;イソキノリニル;ベンゾアザインドリル;アザベンゾイミダゾリル、1,2,4-トリアジニル;ベンゾチアゾリル等を含む。
【0019】
用語「アルコキシ」は、アルキル-O-基を意味し、ここで、アルキル基は本明細書に説明されている。例示的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシおよびヘプトキシを含む。
【0020】
用語「本発明の化合物」および等価な表現は、本明細書にて以前に記載した一般式(IA〜F)の化合物を包含することを意図し、該表現は、文脈により可能な場合、プロドラッグ、薬学的に許容される塩および溶媒和物、例えば水和物を含む。同様に、中間体の引用は、文脈により可能な場合、特許請求されているか否かに係わらず、それらの塩および溶媒和物を包含することを意図する。文脈により可能な場合、明白さのために、本発明中に特定の例を示すが、これらの例は単に説明的なものであり、文脈により可能な場合、他の例を除外するものではない。
【0021】
用語「シクロアルキル」は、約3〜約7個、好ましくは約5〜約7個の炭素原子からなる非芳香族の単環系または多環系を意味する。例示的な単環シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を含む。
【0022】
用語「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル−アルキル−基を意味し、シクロアルキルおよびアルキルは、本明細書に定義した通りである。例示的なシクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチルおよびシクロペンチルメチルを含む。
【0023】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0024】
用語「ハロアルキル」は、一つまたは複数のハロゲンで置換された分岐鎖および直鎖アルキルの両方を意味し、ここで、アルキル基は、本明細書に説明した通りである。
【0025】
用語「ハロアルコキシ」は、少なくとも一つのハロゲン原子で置換されたC1-4アルコキシ基を意味し、ここで、アルコキシ基は、本明細書に説明した通りである。
【0026】
用語、「置換された」または原子の「置換」は、指定された原子の正常な原子価を越えないことを条件として、指定された原子上の一つまたは複数の水素が、指定された群からの選択肢で代替されることを意味する。「非置換」原子は、その原子価により指定される全水素原子を支持する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が代替される。置換基および/または変数の組み合わせは、その組み合わせが安定な化合物を形成する場合のみ可能である;「安定な化合物」または「安定な構造」は、化合物が、反応混合物から有用な純度へ単離され、有効な治療剤へ処方される際に、これらを乗り切るに十分強固であることを意味する。
【0027】
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の比較的無毒な、無機および有機の酸基付加塩、ならびに塩基付加塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製中に、インサイチューで調製され得る。より詳細には、酸付加塩は、精製した化合物の遊離塩基形態を、適切な有機酸または無機酸と個々に反応させ、かように形成した塩を単離することにより調製し得る。例示的な酸付加塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、スルファミン酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、メチレン-ビス-b-ヒドロキシナフトエ酸塩、ゲンチシン酸塩、イソチオン酸塩、ジ-p-トルオイル酒石酸塩、メタン−スルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸およびキナ酸塩ラウリルスルホン酸塩等を含む(例えば、参照により本明細書に組み入れられるS. M. Berge, et al., 「Pharmaceutical Salts」 J. Pharm. Sci., 66: p. 1-19(1977)およびRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985, p.1418参照)。塩基付加塩もまた、精製した化合物の酸形態を、適切な有機酸または無機塩基と個々に反応させ、かように形成した塩を単離することにより調製し得る。塩基付加塩は、薬学的に許容される金属およびアミンの塩を含む。適切な金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩を含む。ナトリウム塩及びカリウム塩が好ましい。適切な無機塩基付加塩は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛を含む金属塩基から調製する。適切なアミン塩基付加塩は、安定な塩を形成するに十分な塩基性を有するアミンから調製され、また好ましくは、それらの低い毒性及び医学的用途への適合性により医薬品化学にしばしば使用されているアミン類:すなわちアンモニア、エチレンジアミン、N-メチル−グルカミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、例えばリシンおよびアルギニンならびにジシクロヘキシルアミン等を含むことが好ましい。
【0028】
本明細書に使用される用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、本発明に従った有用な化合物のプロドラッグを意味し、それらは堅実な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織と接触させる使用に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、理想的な利益/リスク比に見合い、またその意図される用途に関する有効性を有し、また可能な場合、本発明の化合物の両性イオン形態を含む。用語「プロドラッグ」は、インビボで急速に転換して、例えば血液中での加水分解により、上記の式の親化合物を与える化合物を意味する。インビボで代謝的切断により急速に転換し得る官能基は、本発明の化合物のカルボキシル基と反応する基のクラスを形成する。それらは、アルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブチリル等など)、非置換および置換アロイル(ベンゾイルおよび置換ベンゾイルなど)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルなど)、トリアルキルシリル(トリメチルシリルおよびトリエチルシリルなど)、ジカルボン酸(スクシニルなど)と共に形成されたモノエステル等を含むが、それらに限定されるわけではない。これら本発明に従った有用な化合物の代謝的切断可能な基は、インビボで容易に切断されるため、そのような基を支持する化合物は、プロドラッグとして作用する。代謝的切断可能な基を支持する化合物は、該代謝的切断可能な基の存在によって親化合物の溶解度および/または吸収速度が上昇し、その結果バイオアベイラビリティが上昇し得るという利点を有する。プロドラッグの完全な考察は、以下に提供される:Design of Prodrugs, H. Bundgaard, ed., Elsevier, 1985; Methods in Enzymology, K. Widderら、Ed., Academic Press, 42, p.309-396, 1985; A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard-Larsen and H. Bundgaard, ed., Chapter 5; "Design and Applications of Prodrugs" p.113-191, 1991; Advanced Drug Delivery Reviews, H. Bundgard, 8, p.1-38, 1992; Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, p.285, 1988; Chem. Pharm. Bull, N. Nakeyaら、32, p.692, 1984; Pro-drugs as Novel Delivery Systems, T. Higuchi and V.Stella, Vol.14 of the A.C.S. Symposium Series; およびBioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche, ed., American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987。これらは参照により本明細書に組み入れられる。プロドラッグの例は、本発明の化合物のアルコール官能基およびアミン官能基の酢酸、ギ酸および安息香酸誘導体を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0029】
用語「治療的有効量」は、シナプスにおけるセロトニン、ノルエピネフリンまたはドーパミンのレベルを上昇させ、かつしたがって所望の治療有効量を生産することにおいて有効な、本発明の化合物の量を記載することを意図する。そのような量は一般に、決定および説明のために本明細書の記載を鑑みた上で、当業者の関与の範囲内に含まれる多数の因子に従って変動する。それらは、特定の対象、その年齢、体重、身長、全身の健康状態および病歴;使用する特定の化合物、ならびに該化合物がその中に処方される担体および該化合物のために選択される投与経路;ならびに処置する状態の性質および重症度を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0030】
用語「薬学的組成物」は、式(IA〜F)の化合物、ならびに投与形態および剤形の性質に応じて、薬学的に許容される担体、希釈剤、補助剤、賦形剤またはビヒクル、例えば保存剤、充填剤、錠剤崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤からなる群より選択される少なくとも一種の成分を含有する組成物を意味する。懸濁剤の例は、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカントまたはこれら物質の混合物を含む。微生物の活動の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤および抗真菌剤により保証され得る。等張剤、例えば糖類、塩化ナトリウム等を含有することも望ましいと思われる。注入可能な医薬形態の持続吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンによりもたらされ得る。適切な担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール、それらの適切な混合物、植物油(オリーブ油など)、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルを含む。賦形剤の例は、乳糖(lactose)、乳糖(milk sugar)、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸塩を含む。錠剤崩壊剤の例は、澱粉、アルギン酸および所定のケイ酸塩複合体を含む。滑沢剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルクおよび高分子量ポリエチレングリコールを含む。
【0031】
用語「薬学的に許容される」は、それが、堅実な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の細胞と接触させる使用に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、理想的な利益/リスク比に見合うことを意味する。
【0032】
用語「薬学的に許容される剤形」は、本発明の化合物の剤形を意味し、例えば、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、縣濁剤を含む液体製剤、スプレー、吸入剤、錠剤、ロゼンジ、乳剤、液剤、顆粒剤、カプセル剤および坐剤、ならびにリポソーム製剤を含む注射用液体製剤を含む。技術および処方は、一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA最新版に見出し得る。
【0033】
好ましい態様
本発明の別の好ましい態様は、式(IA〜IF)の化合物であり、
式中、
で指定された炭素原子は、R配置またはS配置にある。
【0034】
本発明の別の態様は、式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0035】
本発明の別の態様は、式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R2は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキルまたはC1-C6ハロアルキルである。
【0036】
本発明の別の態様は、式IAの化合物であり、
式中、
R3は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0037】
本発明の別の態様は、式IBの化合物であり、
式中、
R3は、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13または-S(O)nR12であり、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0038】
本発明の別の態様は、式IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R3は、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-S(O)NR11R12、-CN、-C(O)R12、-C(O)NR11R12、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13または-S(O)nR12、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC4-C7シクロアルキルアルキルであり、ここで、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC4-C7シクロアルキルアルキルのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9、-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、ならびにここで、R3が、-O(フェニル)または-O(ベンジル)基の場合、該基は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0039】
本発明の別の態様は、式ICの化合物であり、
式中、
R4は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9、-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0040】
本発明の別の態様は、式IDの化合物であり、
式中、
R4は、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13、-NR11R12または-S(O)nR12であり、該-O(フェニル)または-O(ベンジル)は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0041】
本発明の別の態様は、式IA、IB、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R4は、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-S(O)NR11R12、-CN、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13、-OC(O)R12、-C(O)NR11R12、-NR11R12、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルおよびC4-C7シクロアルキルアルキルであり、ここで、R4が、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、ならびにここで、R4が、-(O)フェニルまたは-(O)ベンジルの場合、該基は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい。
【0042】
本発明の別の態様は、式IA、IB、IC、IDおよびIFの化合物であり、
式中、
R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-CN、-C(O)R12、-NR11R12、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R12、-NR11C(O)2R12、-NR11C(O)NR12R13、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、ここで、R5、R6およびR7のそれぞれが、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく、あるいはR5およびR6またはR6およびR7は、-O-C(R12)2-O-であってもよい。
【0043】
本発明の別の態様は、式IEの化合物であり、
式中、
R5がフルオロ、クロロまたはメチルの場合;R7およびR6は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-CN、-C(O)R12、-NR11R12、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R12、-NR11C(O)2R12、-NR11C(O)NR12R13、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、ここで、R7およびR6のそれぞれは、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキル基であり、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよいが、ただし、R7は、フルオロ、クロロまたはメチルではないことを条件とする。
【0044】
本発明の別の態様は、式IEの化合物であり、
式中、
R7が、フルオロ、クロロまたはメチルの場合、R5とR6は、一緒になって、-O-C(R12)2-O-であり得る。
【0045】
本発明の別の態様は、式IEの化合物であり、
式中、
R5が、フルオロ、クロロまたはメチルの場合、R7とR6は、一緒になって、-O-C(R12)2-O-であり得る。
【0046】
本発明の別の態様は、式IA〜IEの化合物であり、
式中、
R8は、H、ハロゲンまたはOR11である。
【0047】
本発明の別の態様は、式IFの化合物であり、
式中、
R8は、ハロゲンである。
【0048】
本発明の別の態様は、式IA〜Fの化合物であり、
式中、
R9およびR10は、それぞれ独立に、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R13、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、該フェニルもしくはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;あるいは
R9とR10は、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンもしくはチオモルホリン環を形成する。
【0049】
本発明の別の態様は、式IA〜Fの化合物であり、
式中、
R11は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R13、フェニルまたはベンジルであり、ここで、該フェニまたはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい。
【0050】
本発明の別の態様は、式IA〜Fの化合物であり、
式中、
R12は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、該フェニもしくはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;あるいは
R11とR12は、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンもしくはチオモルホリン環を形成する。
【0051】
本発明の別の態様は、式IA〜Fの化合物であり、
式中、
R13は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはフェニルであり;かつnは、0、1または2である。
【0052】
本発明の別の態様は、式IA〜Fの化合物であり、
式中、
置換基R1〜R8は、下記の表に示される。
【0053】
【表A】


【0054】
本発明の好ましい態様は、式IA〜IFの化合物であり、
式中、
R1は、C1-C3アルキルであり;
R2は、H、C1-C4アルキルまたはC1-C6ハロアルキルである。
【0055】
本発明の好ましい態様は、式IA、IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R3は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらの基のそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0056】
本発明の好ましい態様は、式IBの化合物であり、
式中、
R3は、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい。
【0057】
本発明の好ましい態様は、式IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R3は、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、かつハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい。
【0058】
本発明の好ましい態様は、式IC〜IFの化合物であり、
式中、
R3は、Hである。
【0059】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IC、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R4は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらの基のそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい。
【0060】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R4は、Hである。
【0061】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R4は、-NR11R12、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、これらアリール基のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい。
【0062】
本発明の好ましい態様は、式IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R3およびR4は、両方ともハロゲンである。
【0063】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IC、IDおよびIFの化合物であり、
式中、
R5、R6およびR7は、それぞれH、ハロゲン、-OR11、-NR11R12、C1-C6アルキルであるか、またはC1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよいC1-C6アルキルである。
【0064】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
R5は、フルオロ、クロロまたはメチルであり;
R6またはR7の一方は、Hであり;かつHではないR6またはR7の他方は、ハロゲン、-OR11、-NR11R12、C1-C6アルキルであるか、またはC1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよいC1-C6アルキルである。
【0065】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IC、IDおよびIEの化合物であり、
式中、
R8は、Hまたはハロゲンである。
【0066】
本発明の好ましい態様は、式IFの化合物であり、
式中、
R8は、ハロゲンである。
【0067】
本発明の好ましい態様は、式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFの化合物であり、
式中、
置換基R1〜R8は、下の表Bに示す通りである。
【0068】
【表B】

【0069】
本発明のより好ましい態様は、
式中、
R1は、C1-C3アルキルであり;
R2は、HまたはC1-C3アルキルであり;
R3は、H、C1-C4アルキル、-O(フェニル)であるか、または置換されてもよい-O(フェニル)、より好ましくはハロゲンであり;
R4は、H、C1-C4アルキル、-O(フェニル)であるか、または置換されてもよい-O(フェニル)、より好ましくはハロゲンであり;
R5は、F、ClまたはMeであるか、より好ましくは-OR11であり、ここで、R11はC1-C3アルキルであり;
R6は、Hであるか、またはより好ましくはCl、F、C1-C3アルキル、ハロ−置換C1-C3アルキルもしくは-OR11、R11は、C1-C3アルキルまたは-NR11R12であり;
R7は、Hであるか、またはより好ましくはCl、F、C1-C3アルキルもしくは-OR11であり、ここで、R11はC1-C3アルキルである、化合物である。
【0070】
本発明のなおより好ましい態様は、
式中、
R1は、CH3であり;
R2は、HまたはCH3であり;
R3は、H、CH3または-O(フェニル)もしくは-O-CH2-(フェニル)であり、該-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R4は、H、F、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)CH3、-O(フェニル)または-O-CH2-フェニルであり、ここで該-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R5は、H、CH3、OCH3、FまたはClであり;
R6は、H、CH3、-OCH3、F、ClまたはCF3であり;
R7は、H、F、Cl、CH3またはOCH3であり;および
R8は、ハロゲンである、化合物である。
【0071】
本発明のなおより好ましい態様は、式IA〜IFの化合物であり、
式中、
R1〜R8は、下記のようなものである。
【0072】
【表C】


【0073】
すなわち、特に好ましい化合物は、下記である:
2,7-ジメチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-メトキシ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(4-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(3-フルオロ)フェニル-l,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジクロロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-エチル-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-エチル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(3-フルオロ-4-メトキシ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-2-メチル-l,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-7-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-シアノ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-フェニル-7-トリフルオロメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-フェニル-1,2,7-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-1,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-1,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-フェニル-2,7,8-トリフルオロメチル-l,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-8-フルオロ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-7-フルオロ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-8-メトキシ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-8-ヒドロキシ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-フェニル-7-トリフルオロメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-7-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-7-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-メトキシ-4-(3-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-7-フェノキシ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-(4-メトキシ)フェノキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-ベンジルオキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-ヒドロキシ-2-メチル-4-(3-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-7-ヒドロキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-7-ヒドロキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-ヒドロキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-シアノ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(3-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジクロロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-メトキシ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-シアノ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-8-(N-メチルアミノ)メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
8-(ヒドロキシ)メチル-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-フェニル-8-スルホンアミド-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-8-(N-メチル)スルホンアミド-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
8-メトキシ-2-メチル-4-(4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジクロロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-5-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-5-フルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-シアノ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-アセトアニリド)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-4-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
(3,5-ジフルオロ)-4-フェニル-1,2,7-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
(8-フルオロ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミン;
(2-メチル-4-フェニル-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミン;
N-メチル(2-メチル-4-フェニル-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミン;
8-ヒドロキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリンカルボニトリル;
(2-メチル-4-フェニル-l,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリニル)メタノール;および
2-エチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;または
それらの酸化物、それらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物もしくはそれらのプロドラッグ。
【0074】
本発明のなおより好ましい化合物は、表Dから選択される、式IA〜IFの化合物の(+)エナンチオマーを含む。
【0075】
【表D】

【0076】
本発明のより好ましい別の局面は、式(IA〜F)の化合物の混合物であり、ここで、式(IA〜F)の化合物は、放射性標識され、すなわち記載する原子の一つまたは複数が、その原子の放射性同位体で代替されている(例、Cは14Cで代替され、Hは3Hで代替されている)。このような化合物は、多様な潜在的用途、例えば神経伝達物質タンパク質に結合して、潜在的医薬の能力を測定する際の標準および試薬としての用途を有する。
【0077】
本発明の別の局面は、治療的有効量の式(IA〜F)の化合物および薬学的に許容される担体である。
【0078】
本発明の別の局面は、セロトニン、ノルエピネフリンまたはドーパミンの有効性の低下によって作り出される、または該有効性の低下に依存した疾患の処置方法であり、該方法は、そのような処置を必要とする患者に、治療的有効量の式(IA〜F)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を投与する段階を含む。
【0079】
本発明の別の局面は、セロトニン、ノルエピネフリンまたはドーパミンの有効性の低下によって作り出される、または該有効性の低下に依存した疾患の処置方法であり、該方法は、そのような処置を必要とする患者に、治療的有効量の式(IA〜F)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、およびセロトニン1A受容体拮抗薬の治療的有効量、またはそれらの薬学的に許容される塩を投与する段階を含む。
【0080】
本発明の別の局面は、上述した態様に挙げた疾患の処置方法であり、ここで、疾患は、認知障害、全般性不安障害、急性ストレス障害、社会恐怖症、単純恐怖症、月経前不快気分性障害、社会不安障害、大うつ病性障害、摂食障害、肥満症、神経性食欲不振症、神経性過食症、大食症、物質乱用障害、薬物依存、ニコチン中毒、コカイン中毒、アルコール中毒、アンフェタミン中毒、レッシュ・ナイハン症候群、神経変性疾患、黄体期後期症候群、ナルコレプシー、精神症状の怒り、拒絶感受性、運動障害、錐体外路症候群、チック障害、不穏下肢症候群、遅発性ジスキネジア、睡眠関連摂食障害、夜食症候群、腹圧性尿失禁、偏頭痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症候群、慢性疲労症候群、性機能不全、早漏および男性インポテンスの群より選択される。
【0081】
本発明の別の局面は、式(IA〜F)の化合物の(+)立体異性体が使用される、本明細書に記載する治療方法である。
【0082】
本発明の別の局面は、式(IA〜F)の化合物の(-)立体異性体が使用される、本明細書に記載する治療方法である。
【0083】
明白さのために、別個の態様の文脈中に説明される本発明の所定の特徴は、また一つの態様中に組み合わせて提供し得ることが理解される。逆に、簡潔さのために、一つの態様中に記載される本発明の様々な特徴も、また別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供し得る。
【0084】
本発明の化合物の調製
本発明に従った化合物、例えば出発物質、中間体または生成物は、本明細書に記載するように、または従来使用されている方法もしくは文献に記載されている方法を意味する公知の方法の適用または適合により調製される。
【0085】
本発明に従った有用な化合物は、従来使用されている方法、または文献に記載されている方法例えばR. C. Larock記載のComprehensive Organic Transformations, VCH publishers, 1989の方法等を意味する公知の方法の適用または適合により調製し得る。
【0086】
一つまたは複数の窒素環原子を有する基を含む式(IA〜F)の化合物は、対応する化合物に転換され、ここで、基の一つまたは複数の窒素環原子は、好ましくは過酸、例えば酢酸中の過酢酸、または例えばジクロロメタンなどの不活性溶媒中のm-クロロペルオキシ安息香酸と、ほぼ室温から還流温度にて、好ましくは高温において反応させることにより、N-オキシドに酸化される。
【0087】
本明細書に以後記載する反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシル基を、これらを最終生成物に所望される場合、これらの反応への望ましくない関与を避けるために保護する必要があり得る。従来の保護基を、例えばT.W. GreenおよびP.G.M. Wutsの「Protective Groups in Organic Chemistry」John Wiley and Sons, 1991; J.F.W. McOmieの「Protective Groups in Organic Chemistry」Plenum Press, 1973参照の標準的な実践に従って使用してもよい。
【0088】
本明細書に提供する化合物は、例えば以下に記載する方法(スキーム1〜4)を、合成有機化学の当業者に公知の方法、または当業者に認識されているその変形と共に使用して合成する。好ましい方法は、以下に記載する方法を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0089】
本発明の式(IA〜F)の化合物は、例えばスキーム1に従って調製する。任意で置換された式(II)のアセトフェノンを、通常の臭化剤、それらに限定されるわけではないが、臭素、NBSまたは三臭化テトラブチルアンモニウムなどで処理して、所望の式(III、X=Br)の臭化アセトフェノンを容易に与える。これらの反応は、三臭化試薬のための共溶媒として用いるメタノールと伴に、酢酸または塩化メチレン中で、室温または室温未満の反応温度で最適に実施される。本方法論の別の態様は、式(III、X=Cl)の化合物を含むであろう。
【0090】
式(II)のアセトフェノンは、商業源から入手可能であり、またはJorgenson, M.J. (Organic Reactions, 1970, 18, pg.1)の概説に完全に記載されているように、対応する安息香酸中間体を、化学両論的に等価な2つのメチルリチウムにより処理することを含む、数種の周知の方法により都合良く得られる。または、Larock, R.C. (Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, New York, 1989, p.604)に示されているように、対応するベンズアルデヒドを、アルキル−グリニャール(例えば、MeMgBr)またはアルキル−リチウム(例えば、MeLi)求核試薬で処理した後、通常の酸化によりケトンを得てもよい。
【0091】
式(III)の中間体を、式(R3、R4-Ph)-CH(R2)-NHR1の中間体で処理すると、式(V)のアルキル化生成物が明らかに生成する。アルキル化反応は、有機合成の当業者になじみのある多様な条件下で進行し得る。典型的な溶媒には、アセトニトリル、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、およびエタノールを含む低級アルキルアルコールが含まれる。反応は、0℃から、使用する溶媒の沸点までの範囲の温度で首尾よく進行し得る。反応の進行は、従来通り、標準的なクロマトグラフィーおよび分光学的方法により測定する。アルキル化反応は、任意で非求核性有機塩基、それらに限定されるわけではないが、ピリジン、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどを加えて進行される。
【0092】
式(R3、R4-Ph)-CH(R2)-NHR1のR1-置換N-ベンジルアミンは、商業源から購入し得るか、または、単純な還元的アミノ化プロトコールから得ることができる。従って、カルボニルを含む式(IV、スキーム1)の化合物を、低級アルキルアルコール溶媒(好ましくはメタノール)中、室温または室温未満の温度で、H2N-R1により処理し得る。得られたイミンを、最も一般的には、アルカリ土類金属のホウ化水素(好ましくは水素化ホウ素ナトリウム)で還元して、所望のアミン中間体を提供し得る。
【0093】
式(V)の化合物の、式(VI)のベンジルアルコールへの還元は、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、ボラン、水素化ジイソブチルアルミニウムおよび水素化リチウムアルミニウムを含む多種の還元剤により進行する。還元は、室温または使用する溶媒の還流温度までの高温で、1時間〜3日間の間に行われる。ボランを使用する場合、ボランは、例えば、それに限定されるわけではないが、ボラン−メチルスルフィド複合体、ボラン−ピペリジン複合体、ボラン−テトラヒドロフラン複合体の複合体として使用され得る。当業者は、必要な還元剤および反応条件の最適な組み合わせを理解し、またはLarock, R.C. (Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, New York, 1989, p.527)から手引きを求めるであろう。
【0094】
式(VI)の化合物は、強酸を用いた短時間の処理により、本発明の式(IA〜IF)の目的化合物に環化し得る。適切な酸は、濃硫酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸を含むが、それらに限定されるわけではない。反応は、ニートで、または任意で、例えば塩化メチレンもしくは1,2-ジクロロメタンなどの共溶媒の存在下で進行される。環化は、0℃から使用する溶媒の還流温度までの範囲の温度で行われ得る。複素環化学の当業者は、これらの条件を容易に理解し、またはMondeshkaら、(Il Farmaco, 1994, 49, 475-480)もしくはVenkovら、(Synthesis, 1990, 253-255)の教示を求めるであろう。環化は、例えば、典型的に、ハロゲン化溶媒、例えば塩化メチレン中で、例えば三塩化アルミニウム等の強ルイス酸を用いて、式(VI)の化合物を処理することによっても行える。当業者は、Kaiserら、(J.Med. Chem., 1984, 27, 28-35)およびWyrickら、(J.Med. Chem., 1981, 24, 1013-1015)による以前の教示に精通しているであろう。
【0095】
式(IA〜IF)の化合物は、当業者に周知のように、キラル塩を用いた結晶化により、エナンチマー的に純粋な(R)および(S)形で得ることができ、または、市販されているキラルカラムを用いたキラルHPLCにより単離することができる。
【0096】
または、式(V)および(VI)の化合物は、スキーム2に記載したように到達し得る。従って、式のハロアセトフェノンを、上述した(前記参照)ように、アルキル化条件下で、式H2N-R1の単純なアミンで処理して式(VII)の化合物を提供し得る。次に、式(VIII)の試薬を用いて第二アルキル化を行って、通常の式(V)の中間体を獲得し得、ここでXは、例えば、非限定的にハロゲン、メシラートまたはトシラートのような脱離基を表す。式(VIII)の試薬は、還元(前記参照)および活性化を介して、適切に置換された式(IV)のカルボニル化合物から順次使用可能である。
【0097】
脱離基Xの活性化は、アルコールを、非限定的に、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、ピリジンまたはトリエチルアミンなどの非求核塩基の存在下、塩化メタンスルホニルまたは塩化p-トルエンスルホニルで処理して達成される。反応は通常、例えば塩化メチレンのハロゲン化有機溶媒中、-78℃から使用する溶媒の沸点までの温度で実施される。脱離基Xのベンジル活性化は、SO2Cl2、Cl2、PCl5、Br2、CuBr2、NBSおよびCBr4などのハロゲン化試薬を用いた処理によっても達成され得る。この転換を行う際に必要な様々な条件は、有機化学の当業者には容易に明らであると思われ、また、ベンジル活性化に関するさらなる参照は、Larock, R.C. (Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, New York, 1989, p.313)から探すことができる。
【0098】
合成の柔軟性は、さらに一連の代表的な反応により示され、ここで、(VII)を還元し得(前記参照)、i)上記のように(VIII)でアルキル化して(VI)を与えるか、またはii)(IV)と縮合させた後、インサイチューでイミン還元して、同様に(VI)を与えるかのいずれかである。R5=R6=R7=Hの場合、および(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール誘導体は、商業源から獲得し得る。
【0099】
本発明の式IA〜IFの化合物は、スキーム3に従っても調製し得る。適切に置換された2-ヨードベンズアルデヒド(または2-ブロモベンズアルデヒド)(X)を、低級アルキルアルコール溶媒中で、アミンH2N-R1により処理した後、得られたイミンを上記のスキーム1(前記参照)に記載したように還元して中間体(2-IまたはBr)、R2、R3-PhCH2-NH-R1を与え、これを任意で置換された臭化アセトフェノンで処理すると(スキーム1、(V)の合成について記載したように)、アルキル化生成物(XI)を与える。
【0100】
式(XI)の化合物を、非限定的に、低級アルキル(C1-6)リチウム塩基(好ましくはt-BuLiまたはn-buLi)などの強塩基で処理して、予期したハロゲン−金属交換を行い、続く分子内Barbier環化により、式(IA〜IE、R8=OH)の化合物を生成する。ジアルキルエーテル(好ましくはジエチルエーテル)、環状エーテル(好ましくはテトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン)等などの不活性溶媒が必須であり、反応温度を低温(-78℃〜25℃)に保持して、副生物を回避する。または、ハロゲン−金属交換は、N,N-ジアルキルホルムアミド(好ましくはジメチルホルムアミド)が理想的な溶媒として働くゼロ価ニッケルの存在下でも達成し得る。有機合成の当業者は、条件の最適な組み合わせを理解し、またさらなる参照を、Kiharaら、(Tetrahedron, 1992, 48, 67-78)およびBlombergら、(Synthesis, 1977, p.18-30)から見い出すであろう。加えて、式(IA〜E、R8=OH)の化合物は、容易にアルキル化(前記参照)されて、式(IA〜E、R8=OR11)の化合物を与え得る。最後に、さらに式(IA〜E、R8=OH)の化合物を、ハロゲン化試薬、または具体的にはフッ素化試薬、非限定的に、ジエチルアミノ硫黄トリフロリド(DAST)などで処理して、式(IA〜F、R8=F)の化合物を容易に提供する。さらなる参照は、Hudlicky (Organic Reactions, 1985, 35, p.513-637)の概説から得ることができる。
【0101】
本発明の式IA〜Fの化合物は、スキーム4に従っても調製し得る。4-ブロモイソキノリン(XII)を、不活性溶媒中で、塩基を伴うかまたは伴わない金属触媒の存在下、アリールボロン酸またはアリールボロン酸エステルで処理して、式(XIII)のイソキノリン化合物を与え得、ここで、Yは、B(OH)2またはB(ORa)(ORb)に相当する(式中、RaおよびRbは、低級アルキル、すなわちC1-C6であるか、またはRaおよびRbは一緒になって、低級アルキレン、すなわちC2-C12である)。金属触媒は、Cu、PdまたはNiの塩またはホスフィン複合体(例、Cu(OAc)2、PdCl2(PPh3)2、NiCl2(PPh3)2)を含むが、それらに限定されるわけではない。塩基は、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物(好ましくは、水素化ナトリウム)、アルカリ金属アルコキシド(好ましくは、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシド)、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属ビス(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは、ジイソプロピルエチルアミンもしくはトリエチルアミン)または芳香族アミン(好ましくはピリジン)を含むが、それらに限定されるわけではない。不活性溶媒は、アセトニトリル、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環状エーテル(好ましくは、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン)、N,N-ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、N,N-ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼンもしくはトルエン)またはハロアルカン(好ましくは、塩化メチレン)を含み得るが、それらに限定されるわけではない。好ましい反応温度は、室温から、使用する溶媒の沸点までの範囲に亘る。反応は、従来のガラス製品内、または市販されている多数のパラレル合成装置の構成単位内で進行し得る。市販されていないボロン酸またはボロン酸エステルは、Gaoら、(Tetrahedron, 1994, 50, 979-988)に記載されているように、対応する、任意で置換されたハロゲン化アリールから獲得し得る。
【0102】
式(XIII)の化合物は、二工程手順を経て、式の目的のテトラヒドロイソキノリンに転換される。最初に、試薬R1-LGによりアミン四級化を行い、ここで、LGは、I、Br、O-トリフレート、O-トシラート、O-メタンスルホネート等などの適切な脱離基を表す。反応は、ハロアルカン(好ましくは塩化メチレン)、ジアルキルエーテル(好ましくはジエチルエーテル)、環状エーテル(好ましくはテトラヒドロフランもしくは1,4-ジオキサン)または他の不活性溶媒中で最適に実施される。反応は、室温または室温未満で最適に実施され、反応時間は、10分間から24時間の間で異なる。連続反応の第二工程は、式IA〜Fのテトラヒドロイソキノリンへの還元を含む。最適には、酸触媒の存在下、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの穏やかな還元剤を使用して、反応を促進する。この化学反応を効果的に実施するためのさらなる手引きは、Millerら、(Synthetic Communications, 1994, 24, 1187-1193)およびTerashimaら、(Heterocycles, 1987, 26, 1603-1610)の研究に見出し得る。
【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】
本発明に従った有用な化合物は、不斉中心を含み得ることが理解されよう。これら不斉中心は、独立に、R配置またはS配置のいずれかであり得、かつこのような化合物は、施光計内で偏光面を回転させることが可能である。該偏光面が、化合物により反時計回りに回転される場合、化合物は、該化合物の(-)立体異性体と称される。該偏光の面が、化合物により時計回りに回転される場合、化合物は、該化合物の(+)立体異性体と称される。本発明に従った有用な所定の化合物は、幾何異性も示し得ることが等業者に明らかであろう。本発明は、上記した式(IA〜F)の化合物の個々の幾何異性体および立体異性体、ならびにラセミ混合物を含むそれらの混合物を含むことを理解するべきである。これらの異性体はそれらの混合物から、公知の方法、例えばクロマトグラフィー法および再結晶法の適用または適合により分離され得、またはその中間体の適切な異性体から個々に調製される。
【0108】
本発明の放射性標識化合物は、当業者周知の多数の手段、例えば、一つまたは複数の放射性同位体を組み込んだ出発物質を使用することにより合成する。
【0109】
本発明は、本明細書に記載した化合物を含有する組成物、特に、治療的有効量の化合物および薬学的に許容される担体とを含有する薬学的組成物を提供する。
【0110】
本発明のさらなる目的は、複数の活性成分を有し(担体を伴う、または伴わない)、これらを纏めて本発明の新規な組み合わせ治療法を実施する際に効果的に使用し得るキットを提供することにある。
【0111】
本発明の別の目的は、有益な組み合わせ治療法に使用するに有効な、また本発明に従って使用し得る複数の活性成分を含むため、それ自体が組み合わせ療法に有効な、新規な薬学的組成物を提供することにある。
【0112】
本発明はまた、本明細書に記載した疾患の処置に有用な、2種またはそれより多い活性成分を組み合わせたキットまたは単一パッケージを提供する。キットは、(単独で、または薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と組み合わせて)、式(IA〜F)の化合物、ならびにセロトニン1A受容体拮抗薬、選択的ニューロキニン-1受容体拮抗薬およびノルエピネフリン前駆体から選択されるさらなる活性成分(単独で、または希釈剤もしくは担体と組み合わせて)を提供し得る。
【0113】
実施の際には、本発明の化合物は、一般に、非経口、静脈内、皮下、筋内、経結腸、鼻腔内、腹腔内、経直腸または経口により投与され得る。
【0114】
本発明に従った生成物は、最も適切な経路で投与することができる剤形で存在し得、および本発明は、ヒトまたは獣医薬における使用に適した、本発明に従った少なくとも一種の生成物を含有する薬学的組成物にも関する。これらの組成物は、一種または複数の薬学的に許容される補助剤または賦形剤を用いて、慣習的な方法に従って調製され得る。補助剤は、とりわけ、希釈剤、無菌水性媒体および様々な無毒性有機溶媒を含む。組成物は、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、水性液剤もしくは縣濁剤、注射剤、エリキシル剤またはシロップ剤の剤形で存在し得、また甘味剤、風味剤、着色剤または安定剤からなる群より選択される一種または複数の薬剤を含有し得て、薬学的に許容される製剤が得られる。
【0115】
ビヒクルの選択、およびビヒクル中の活性物質の含有量の選択は、一般に、製品の溶解度および化学的性質、特定の投与形態、ならびに薬務にて順守すべき規定に従って決定される。例えば、ショ糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、および、澱粉、アルギン酸および所定のケイ酸塩複合体などの崩壊剤を、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤と組み合わせて、錠剤の調製に使用してもよい。カプセルの調製には、ショ糖および高分子量ポリエチレングリコールを使用することが有利である。水性縣濁液を使用する場合、これらは乳化剤または縣濁を容易にする薬剤を含んでもよい。ショ糖、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールおよびクロロホルムなどの希釈剤、またはそれらの混合物も使用し得る。
【0116】
非経口投与用には、植物油、例えばゴマ油、ラッカセイ油もしくはオリーブ油、または、水およびプロピレングリコールなどの水性有機溶液、オレイン酸エチルなどの注射用有機エステル、ならびに薬学的に許容される塩の無菌水溶液を用いる、本発明に従った生成物の乳剤、縣濁剤または液剤が使用される。本発明に従った生成物の塩の溶液は、筋内または皮下注入による投与に特に有用である。水溶液はまた、純蒸留水中の塩の溶液も含み、そのpHが適切に調整され、慎重に緩衝され、十分な量のブドウ糖または塩化ナトリウを用いて等張等浸透圧にされ、加熱、照射または精密濾過により滅菌されていることを条件として、静脈内投与に使用され得る。
【0117】
本発明の化合物を含有する適切な組成物は、従来の手段により調製し得る。例えば、本発明の化合物は、適切な担体中に溶解または懸濁されて、噴霧器内でもしくは縣濁剤もしくは液剤噴霧剤にて使用され得、または適切な固体担体上に吸収もしくは吸着されて、乾燥粉末吸入器内で使用され得る。
【0118】
経直腸投与のための固体組成物は、公知の方法に従って処方され、かつ少なくとも一種の式(IA〜F)化合物を含有する坐剤を含む。
【0119】
本発明の組成物中の活性成分の割合は、変動し得、適切な投与量が得られるような比を構成している必要がある。明らかに、ほぼ同時に数種の単位剤形が投与され得る。使用する投与量は、医師により決定され、所望の治療効果、投与経路および処置期間、ならびに患者の状態に依存するであろう。成人では、投与量は一般に、吸入により1日当たり約0.01〜約100、好ましくは約0.01〜約10mg/kg体重であり、経口投与により約0.01〜約100、好ましくは0.1〜70、より詳細には1日当たり0.5〜10mg/kg体重であり、および静脈内投与により1日当たり約0.01〜約50、好ましくは0.01〜10mg/kg体重である。各特定の場合において、投与量は、処置するべき患者に特有の因子、例えば年齢、体重、全身の健康状態、および医薬製品の有効性に影響を与え得る他の特性に従って決定されるであろう。
【0120】
本発明に従った製品は、所望の治療効果を得るために、必要に応じた頻度で投与され得る。ある患者は、高投与量または低投与量に対して素早く反応し得、また遙かに弱い維持量で十分であることが見出され得る。他の患者に関しては、特定の各患者の生理的要求に従って、1日当たり1〜4回の投与量で長期に亘る処置が必要であり得る。一般に、活性生成物は、経口により1日1〜4回投与され得る。勿論、他の患者においては、1日1または2以下の投与量を処方する必要があるであろう。
【0121】
本発明は、シナプス性ノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン取り込みを阻害し、従ってセロトニン、ノルエピネフリンまたはドーパミンの有効性の低下によって作り出される、または有効性の低下に依存した疾患の処置に有用であると想定される。式(IA〜F)の化合物は、シナプス性ノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン取り込みを阻害するが、化合物のこれらの阻害的効果は、任意の個人に同一または非常に異なる濃度または投与量で現れ得る。その結果、式(IA〜F)の数種の化合物は、そのような疾患を、シナプス性ノルエピネフリン取り込みは実質的に阻害し得るが、セロトニン取り込みまたはドーパミン取り込みは実質的に阻害しない投与量で、またはその反対の投与量で、処置するのに有用である。同様に、式(IA〜F)の数種の化合物は、そのような疾患を、シナプス性ドーパミンン取り込みは実質的に阻害し得るが、シナプス性ノルエピネフリン取り込みまたはセロトニン取り込みは実質的に阻害しない投与量で、またはその反対の投与量で、処置するのに有用である。また、逆に、式(IA〜F)の数種の化合物は、そのような疾患を、シナプス性セロトニン取り込みは実質的に阻害し得るが、ノルエピネフリン取り込みまたはドーパミン取り込みは実質的に阻害しない投与量で、またはその反対の投与量で、処置するのに有用である。式(IA〜F)の他の化合物は、そのような疾患を、シナプス性ノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン取り込みを実質的に阻害する投与量で、処置するのに有用である。
【0122】
試験化合物が、シナプス性ノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン取り込みを阻害する濃度または投与量は、当業者に周知のおよび評価されている標準的なアッセイおよび技術の使用により、容易に決定される。例えば、ラットにおける特定の投与量の阻害の程度は、参照により組み入れられる、Dudleyら、J. Pharmacol. Exp. Ther. 217, 834-840(1981)の方法により決定し得る。
【0123】
治療的有効な阻害投与量は、シナプス性ノルエピネフリン取り込み、シナプス性ドーパミン取り込みもしくはシナプス性セロトニン取り込みを実質的に阻害するか、またはノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニン取り込みの2つもしくはそれより多いシナプス性取り込みを実質的に阻害するのに有効な投与量である。治療的有効な阻害投与量は、従来の範囲測定技術および上述した試験システムで得られた類似する結果を用いて、当業者により容易に決定し得る。
【0124】
本発明の化合物は、同様の疾患の処置に有用な他の化合物と比較して、特に有益な治療係数を提供する。理論に制限されることを意図せずに、これは、少なくとも一部は、数種の化合物が、ノルエピネフリン輸送体タンパク質(「NET」)に対して、他の神経化学物質の輸送体、例えばドーパミン輸送体タンパク質(「DAT」)およびセロトニン輸送体タンパク質(「SERT」)よりも高い結合親和性、例えば選択する能力を有することに起因すると考えられる。
【0125】
結合親和性は、以下の実施例セクションに記載するものを含むが、これらに限定されるわけではない当業者周知の多数の手段により示される。すなわち、例えば、輸送体タンパク質を発現する細胞、例えばHEK293E細胞からのタンパク質含有抽出物を、タンパク質の放射性標識リガンドと共にインキュベートする。タンパク質に対する放射性リガンドの結合は、他のタンパク質リガンド、例えば本発明の化合物の存在下で可逆的であり;該可逆性は、以下に記載するように、化合物のタンパク質に対する結合親和性(Ki)を測定する手段を提供する。化合物のより高いKi値は、該化合物が、より低いKiの化合物と比較して、タンパク質に対する結合親和性が低いことを示し;逆に、より低いKi値は、より高い結合親和性を示す。
【0126】
従って、タンパク質に対する化合物の選択性の相違は、化合物がより高い選択性を有するタンパク質に対するより低いKi、および化合物がより低い選択性を有するタンパク質に対するより高いKiにより示される。従って、化合物のKi値における比がタンパク質Aに対して、タンパク質Bと比較してより高ければ高い程、化合物の後者に対する選択性が、前者と比較してより高い(その化合物に関して、前者はより高いKiを有し、後者はより低いKiを有する)。本明細書に提供する化合物は、他の輸送体タンパク質、例えばDATおよびSERTに対する結合のKiと比較したNETに対する結合のKiの比で示されるように、ノルエピネフリン輸送体タンパク質に対する選択性を原因として、治療的使用中に誘発される副作用がより少ない。一般に、本発明の数種の化合物は、少なくとも約2:1のDAT/NETのKi比を有し;一般に、少なくとも約20:1のSERT/NET比も有する。
【0127】
さらに、NEおよびDA輸送体における化合物の活性のインビボでの評価は、例えば、それらのテトラベナジン(TBZ)の鎮静効果を防止する能力により測定される(例えば、その内容が参照により本明細書に組み入れられるG. Stille, Arzn. Forsch 14:534-537, 1964を参照)。無作為化およびコード化した投与量の試験化合物を、マウスに投与し、次いで同様の投与量のテトラベナジンを投与する。次いで、薬物投与後の、テトラベナジン誘導による動物の探索行動の損失および眼瞼下垂の拮抗作用を、特定の時間間隔にて評価する。探索行動における活性は、例えば、動物を輪の中心に配置した後、動物が輪の周囲を横切るのに要する時間の量−一般に、動物が横切るために要する時間が長ければ長い程、探索行動における活性の損失がより大きい−を測定することにより評価する。さらに、動物は、その眼瞼が少なくとも50%閉じている場合に、眼瞼下垂を有すると考慮される。95%より多い対照(ビヒクル処理)マウスが、探索行動損失および眼瞼下垂を示すと予想され;次に、化合物関連の活性を、テトラベナジンチャレンジ投与量に応答しないマウスの百分率として計算する。治療的により有効な化合物は、探索的挙動の損失および眼瞼下垂をより低下させることが予想される。
【0128】
従って、本発明は、様々な疾患に苦しむ対象を、該対象に本明細書に提供する投与量の薬学的組成物を投与することにより処置する方法を提供する。該疾患は、認知障害、全般性不安障害、急性ストレス障害、社会恐怖症、単純恐怖症、月経前不快気分性障害、社会不安障害、大うつ病性障害、摂食障害、肥満症、神経性食欲不振症、神経性過食症、大食症、物質乱用障害、薬物依存、ニコチン中毒、コカイン中毒、アルコール中毒、アンフェタミン中毒、レッシュ・ナイハン症候群、神経変性疾患、黄体期後期症候群、ナルコレプシー、精神症状の怒り、拒絶感受性、運動障害、錐体外路症候群、チック障害、不穏下肢症候群、遅発性ジスキネジア、睡眠関連摂食障害、夜食症候群、腹圧性尿失禁、偏頭痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症候群、慢性疲労症候群、性機能不全、早漏および男性インポテンスを含むが、それらに限定されるわけではない。本明細書に提供する化合物は、少なくとも一部は、所定の神経化学物質のための輸送体タンパク質に対するより高い親和性を伴う選択的結合能力が、他の神経化学物質のための輸送体タンパク質に対する選択的結合能力と比較してより大きいことを要因として、これらおよび他の疾患の処置に特に有用である。
【0129】
本発明の化合物、その調製方法および生物活性は、単に説明として記載され、本発明の範囲を限定するものと考慮すべきでない以下の実施例から、より明白となるであろう。
【0130】
実施例
下の表1に列挙した化合物は、上記に説明した工程に従って製造された。2,7-ジメチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例1)、2,7-ジメチル-4-(3-フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例4)、2,7-ジメチル-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例6)、2,7-ジメチル-8-フルオロ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例28)、4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例70)、4-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例78)および4-(3,5-ジフルオロフェニル)-2メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(実施例80)の調製のための特定の反応条件および工程条件を、以下の表に示す。
【0131】

【表I】



実施例の塩形態のための表1の脚注
a - 一塩酸塩
b - 一マレイン酸塩
c - 一塩酸塩・0.2水和物
d - 一フマル酸塩
e - 遊離塩基−質量スペクトルは、分子イオンを示す
f - 一塩酸塩・0.25水和物
g - 一塩酸塩・0.10水和物
h - 一塩酸塩・0.75水和物
I - 1.5フマル酸塩・0.25水和物
j - 一フマル酸塩・0.5ジエチルエーテル
k - 一臭化水素酸塩・0.25水和物
l - 一塩酸塩・0.33水和物
m - 一フマル酸塩・0.25水和物
n - 一臭化水素酸塩
o - 一マレイン酸塩・0.25水和物
p - 一塩酸塩・0.5水和物
q - 0.25水和物
r - 一マレイン酸塩・0.25水和物・0.13エタノール
s - 一硫酸塩
t - 二塩酸塩・0.5水和物
u - ビスマレイン酸塩
【0132】
実施例1 - 2,7-ジメチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: シアノホウ化水素ナトリウム(784mg、12.5mmol)を少しずつ加えながら、m-トルアルデヒド(500mg、4.16mmol)およびγ-(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール(630mg、4.16mmol)および酢酸(0.5ml)の溶液を、窒素下、0℃にてメタノール(16ml)中で撹拌した。反応混合物を0℃で5分間、周囲温度で2日間撹拌した。反応混合物を2N水酸化ナトリウムでpH 12にし、水で希釈し、ジエチルエーテル(3X)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、所望の中間体(1.24g)を得た。

【0133】
工程B: 工程Aからの生成物(1.24g、4.90mmol)を、塩化メチレン(208ml)中で撹拌し、濃硫酸(98%、10ml)を3分間かけ滴下して処理した。20分間撹拌した後、反応物を氷片で希釈し、25%水酸化アンモニウム水溶液で塩基性にした。反応混合物を、塩化メチレン(3X)で抽出し、有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル(5/1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のテトラヒドロイソキノリン(0.23g)を得た。

【0134】
工程C: 工程Bからの生成物 (0.23g)を、メタノール(5ml)中のエーテル性HClで処理し、沈殿物を得た。溶媒および過剰量のHClを減圧下で除去し、得られた固体をエタノール/ジエチルエーテルから再結晶化して、目標のHCl塩(0.21g)を、白色の固体として得た。融点245-250℃;

【0135】
実施例4 - 2,7-ジメチル-4-(3-フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: m-トルアルデヒド(1.66g、14.0mmol)を、メタノール(20ml)中のメチルアミン(40%水溶液、1.39ml、18.0mmol)で室温にて処理した。反応物を20分間撹拌し、水素化ホウ素ナトリウム(0.26g、7.0mmol)の少量ずつで処理した。反応物を1時間撹拌し、3'-フルオロ-2-ブロモアセトフェノン(3.0g、14.0mmol)で処理し、続いて室温で45分間撹拌した。反応物を最後に水素化ホウ素ナトリウム(0.52g、14.0mmol)の少量ずつで処理し、一晩絶えず撹拌した。反応物を水(100ml)で希釈し、塩化メチレン(3 X 100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、続いて濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル(3/1)で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、アミノアルコール(4.3g)を、黄色の油状物として得た;

【0136】
工程B: 工程Aからの生成物(1.0g、4.0mmol)を、塩化メチレン(100ml)中で撹拌し、濃硫酸(98%、7.0ml)を3分間かけて滴下して処理した。1時間撹拌した後、反応物を氷片で希釈し、25%水酸化アンモニウム水溶液で塩基性にした。反応混合物を塩化メチレン(3 X 100ml)で抽出し、有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル(3/1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のテトラヒドロイソキノリンを、黄色の油状物として得た。

【0137】
工程C: 工程Bからの生成物を、溶離のために、ヘキサン類/イソプロパノール(9/1)で溶離するChiral Technologies Chiracel(登録商標)ADカラム(5cm X 50cm)を用いるキラルHPLC分離に付して、(R)、[a]25D -16.3 (c=0.498、MeOH)および(S)、[α]25D +16.3 (C=0.476、MeOH)の鏡像異性体を得た。(S)-(+)鏡像異性体を、マレイン酸(1.0当量)で処理し、得られたマレイン酸塩を濾過し、恒量まで乾燥した。(S)-(+)-2,7-ジメチル-4-(3-フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、マレイン酸塩:融点172〜173.5℃。
【0138】
実施例6 - 2,7-ジメチル-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: m-トルアルデヒド(4.0g、33.0mmol)を、メタノール(40ml)中のメチルアミン(40%水溶液、3.36ml、43.0mmol)で室温にて処理した。反応物を20分間撹拌し、水素化ホウ素ナトリウム(0.64g、33.0mmol)の少量ずつで処理した。反応物を1時間撹拌し、4'-フルオロ-3'-メチル-2-ブロモアセトフェノン(7.69g、33.0mmol)で処理し、続いて室温で45分間撹拌した。反応物を最後に水素化ホウ素ナトリウム(1.0g、33mmol)の少量ずつで処理し、撹拌を一晩続けた。反応物を水(100ml)で希釈し、塩化メチレン(3 X 100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、続いて濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル(2/1)で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して。アミノアルコール(65.3g)を、黄色の油状物として得た;CI MS m/z=286 [C18H22NFO+H]+
【0139】
工程B: 工程Aからの生成物(0.52g、2.0mmol)を、塩化メチレン(20ml)に溶解し、濃硫酸 (98%、3ml)を滴下して処理した。反応物を室温で一晩撹拌し、次に氷片で希釈し、25%水酸化アンモニウム水溶液で塩基性にした。反応混合物を塩化メチレン(3 X 50 ml)で抽出し、有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル(3/1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のテトラヒドロイソキノリン(0.08g)を得た。

【0140】
実施例28 - 2,7 ジメチル-8-フルオロ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: アセトニトリル(45ml)中のγ-(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール(745mg、4.9mmol)およびトリエチルアミン(0.79ml、5.66mmol)の溶液を、窒素下、0℃で2-フルオロ-3-臭化メチルベンジル(1.0g、4.9mmol、アセトニトリル(25ml)中の溶液として)を滴下して処理した。反応物を0℃で1時間、室温で1.5時間撹拌し、続いて水で希釈し、塩化メチレン(3X)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、アルキル化生成物(1.35g)を得た。

【0141】
工程B: 工程Aからの生成物(0.5g、1.8mmol)を、硫酸(3.7ml)で処理し、実施例1、工程Bのため記載されたカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(0.33g)を油状物として得た。

【0142】
工程C: 工程Bからの生成物(0.33g、1.3mmol)を、実施例1、工程Cに記載されたようにエーテル性HClで処理して、予期した塩酸塩(0.30g)を得た。融点215〜216℃;

【0143】
実施例70 - 4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: 臭化メチルマグネシウムを、無水テトラヒドロフラン(100ml)中の4-クロロ-3-フルオロベンズアルデヒド(10.86g、68.5mmol)の撹拌した溶液に、-78℃で窒素下、5分間かけて滴下した。15分間撹拌した後、冷却浴を取り外し、溶液を室温まで温めた。3時間撹拌した後、溶液を撹拌しながら飽和塩化アンモニウム(100ml)にゆっくりと注ぎ、次に水(50ml)で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を水および飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、ベンジル酸アルコ−ル(11.89g)を、澄明な黄色の油状物として得た。

【0144】
工程B: 無水塩化メチレン(60ml)中の工程Aからの生成物(9.0g、52.0mmol)を窒素下、無水塩化メチレン(150ml)中のクロロクロム酸ピリジニウム(16.7g、77.0mmol)とけいそう土(15g)の撹拌した懸濁液に、0℃で窒素下、カニューレを介して加えた。26時間撹拌した後、不均質な混合物をジエチルエーテル(300ml)で希釈し、1時間撹拌し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、揮発性生成物を、ヘキサン類/酢酸エチル(9/1)で溶離するシリカゲル(60g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のアセトフェノンを、定量粗収率で得た。

【0145】
工程C: 工程Bからの生成物(52mmol)を、メタノール/塩化メチレン(1/3、240ml)中の三臭化テトラブチルアンモニウム(25.5g、52.9mmol)で窒素下、処理した。室温で3日間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をジエチルエーテル(200ml)に溶解し、水 (4 X 50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル(30/1)で溶離するシリカゲル(120g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のγ-ブロモアセトフェノン(6.23g)を、結晶質固体として得た。

【0146】
工程D: メチルアミン(40wt%水溶液、18.0mmol)を、メタノール(20ml)中のベンズアルデヒド(1.8g、17mmol)の撹拌した溶液に窒素下、加えた。室温で10分間撹拌した後、溶液を0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.32g、8.5mmol)の少量ずつで処理した。反応を15分間撹拌し、室温まで温め、さらに1時間撹拌し、そこに工程Cからの生成物(4.3g、17mmol)を加えた。反応物を1時間撹拌し、0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.32g、8.5mmol)で再び処理し、室温まで温めながら一晩撹拌した。溶液を水(100ml)で希釈し、塩化メチレン(3 X 50ml)で抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、所望の生成物を、澄明な黄色の油状物(1.77g)として得た。

【0147】
工程E: 工程Dからの生成物(1.77g、6.0mmol)を、濃硫酸(4.0ml)および塩化メチレン(40ml)中で15分間室温で撹拌した。反応物を氷の上に注ぎ、濃水酸化アンモニウムでアルカリ性にし、ジエチルエーテルで抽出した。合わせたエーテル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を、濁った黄色の油状物(1.7g)として得た。

【0148】
工程F: 工程Eからの生成物(1.7g、6.0mmol)を、メタノール(20ml)中のエーテル性HCl(1.0M、12.0ml、12.0mmol)で処理して、沈殿物を得た。溶媒および過剰量のHClを減圧下除去し、得られた固体を、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化して、目的のHCl塩(1.1g)を、白色の固体として得た。融点230〜235℃;

【0149】
工程G: 工程Eからの生成物を、溶離するために、ヘキサン類/イソプロパノール(9/1)で溶離するChiral Technologies Chiracel(登録商標)ODカラム(2cm X 20cm)を用いるキラルHPLC分離に付して、(S)および(R)の鏡像異性体を得た。各鏡像異性体を、マレイン酸(1.0当量)で処理し、得られたマレイン酸塩を濾過し、恒量まで乾燥した。(S)-(+)-4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、マレイン酸塩:融点171-172℃;[α]25D + 16.0 (c=0.200、MeOH)。(R)-(-)-4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、マレイン酸塩:融点171〜172℃;[α]25D -15.5 (c=0.200、MeOH)。
【0150】
実施例78 - 4-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: 3,4-ジフルオロアセトフェノン(25.0g、160.0mmol)を、酢酸(250ml)および臭素(8.23ml、160.0 mmol、酢酸13ml中の溶液)で室温にて窒素下、処理した。反応物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、酢酸を除去した。残渣を飽和炭酸ナトリウムに懸濁し、塩化メチレンで数回抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで濾過し、減圧下で乾燥し、濃縮して、所望のブロモアセトフェノン誘導体 (37.0g)を、黄色の結晶質固体として得た。

【0151】
工程B: 工程Aからの生成物(37.0g、158.0mmol)を、塩化メチレン(290ml)に溶解し、塩化メチレン(312ml)中のN-ベンジル-N-メチルアミン(20.3ml、158.0mmol)およびトリエチルアミン(22.0ml、158.0mmol)の溶液に滴下した。添加を45分間かけて0℃で実施し、室温まで温め、さらに4時間撹拌した。反応物を水(300ml)で希釈し、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をヘキサン類/酢酸エチル(7/3)で溶離するシリカゲル(600g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のアルキル化生成物を、澄明で、明褐色の油状物(30.2g)として得た。

【0152】
工程C: 工程Bからの生成物(15.0g、54.0mmol)を、メタノール(65ml)に溶解し、氷浴で冷やし、水素化ホウ素ナトリウム(1.38g、36.0mmol)で処理した。反応物を0℃で1時間、室温で1時間撹拌し、続いて水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、純粋なベンジルアルコール(14.4g)を、黄色の油状物として直接得た。

【0153】
工程D: 工程Cからの生成物(14.4g、52.0mmol)を、濃硫酸(27.0ml)および塩化メチレン(333ml)中で室温にて15分間撹拌した。反応物を氷の上に注ぎ、濃水酸化アンモニウムでアルカリ性にし、ジエチルエーテルで抽出した。合わせたエーテル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン類/酢酸エチル(1/1)で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋なテトラヒドロイソキノリン(11.4g)を得た。

【0154】
工程E: 工程Dからの生成物(0.8g、3.0mmol)を、実施例1、工程Fに記載されたようにエーテル性HClで処理して、予期した塩酸塩(0.6g)を得た。融点200℃(昇華);

【0155】
工程F: 工程Dからの生成物を、溶離するために、ヘキサン類/イソプロパノール(9/1)で溶離するChiral Technologies Chiracel(登録商標)ODカラム(2cm X 20cm)を用いたキラルHPLC分離に付して、(S)および(R)の鏡像異性体を得た。各鏡像異性体を、マレイン酸(1.0当量)で処理し、得られたマレイン酸塩を濾過し、恒量まで乾燥した。(S)-(-)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、マレイン酸塩:融点138〜139℃;[α]25D-2.6 (c=0.366、MeOH)。(R)-(+)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、マレイン酸塩:138〜139℃;[α]25D + 2.5 (c=0.386、MeOH)。
【0156】
実施例80 - 4-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: 三臭化テトラブチルアンモニウム(18.6g、38.6mmol)を、メタノール/塩化メチレン(1/3、180ml)中の3,5-ジフルオロアセトフェノン(6.0g、38.6mmol)の撹拌した溶液に窒素下、加えた。室温で72時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジエチルエーテル(200ml)に溶解し、水(4 X 50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、α-ブロモアセトフェノンと対応するジメチルケタールとの混合物(9.0g)を得た。

【0157】
工程B: 塩化メチレン(15ml)中の工程Aから(3.5g、14.7mmol)とN-メチル-N-ベンジルアミン(1.8g、14.7mmol)との生成混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(3.0ml、17mmol)を加えた。反応物を室温で5.5時間撹拌し、次に水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、減圧下で濃縮した後、物質を、ヘキサン類/酢酸エチル/トリエチルアミン(9/1/0.1)で溶離するシリカゲル(140g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のアルキル化生成物(1.2g)を、橙色の油状物として得た。

【0158】
工程C: 工程Bからの生成物(1.1g、4.0mmol)をメタノールに溶解し、氷浴中で冷やし、水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、2.7mmol)で処理した。反応物を0℃で1時間、室温で1時間撹拌し、続いて水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ベンジルアルコール(0.8g)を、橙色の油状物として得た。

【0159】
工程D: 工程Cからの生成物(0.4g、1.4mmol)を、濃硫酸(1.5ml)および塩化メチレン(10ml)中で15分間室温で撹拌した。反応物を氷の上に注ぎ、濃水酸化アンモニウムでアルカリ性にし、ジエチルエーテルで抽出した。合わせたエーテル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン類/酢酸エチル/トリエチルアミン(9/1/0.1)で溶離するシリカゲル(15g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的物(70mg)を得た。

【0160】
工程E: 工程Dからの生成物(70mg、0.27mmol)を、メタノール(1.4ml)中のエーテル性HCl(1.0M、0.6ml、0.6mmol)で処理して、沈殿物を得た。溶媒および過剰量のHClを減圧下で除去し、得られた固体をメタノール/ジエチルエーテルから再結晶化して、目的のHCl塩(53mg)を、白色の固体として得た。融点230〜233℃;

【0161】
実施例85 - (3,5-ジフルオロ)-4-フェニル-1,2,7-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: ニトロメタン(1.6mL、30mmol)を、乾燥THF(20mL)中のフッ化テトラブチルアンモニウム(7.5mmol)の氷冷溶液に滴下した。乾燥THF(5mL)中の3,5-ジフルオロベンズアルデヒド(2.85g、20.1mmol)の溶液を滴下した。次にトリエチルアミン(2.8mL、20mmol)を滴下した。乾燥THF(15mL)中のtert-塩化ブチルジメチルシリル(4.54g、30.1mmol)を滴下すると、白色の沈殿物が形成された。反応物を0℃で30分間撹拌し、次に濾過した。固体をエーテル/ヘキサン類で洗浄した。濾液を水で洗浄した(2x)。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色の油状物が残った。黄色の油状物を、30% EtOAc/ヘキサン類で溶離するシリカゲル(300g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物の生成物(2.65g、65%)を、無色の油状物として得た。

【0162】
工程B: 無水エタノール(20mL)中の工程Aからの生成物(2.35g、11.6mmol)および酸化白金(0.20g)のスラリーを、40psigで4時間水素化した。反応物をCeliteのプラグで濾過し、それをさらなる無水エタノールで洗浄した。溶媒を減圧下で除去してアミン生成物(1.97g、98%)が、白色の固体として残った:融点54〜58℃;

【0163】
工程C: トルエン(20mL)中の3-メチルアセトフェノン(1.36g、10.1mmol)および工程Bからの生成物(1.75g、10.1mmol)の溶液を、水を共沸除去しつつ、窒素下で4時間、加熱還流した。トルエンを減圧下で除去し、橙色の油状物が残った。メタノール(10mL)中の橙色の油状物の氷冷溶液に、NaBH4(0.44g、12mmol)を加えた。反応物を0℃で1時間撹拌し、次に4時間かけて室温までゆっくりと温めた。反応物を減圧下で濃縮した。残渣を水に取り、エーテルで抽出した(3 x)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物である、ジアステレオマーの混合物(3.00g、>100%)を、黄色の油状物として得た。

【0164】
工程D: 濃H2SO4(12.0mL)を、CH2Cl2(105mL)中の工程Cからの粗生成物(3.00g、10.3mmol)の撹拌した氷冷溶液に加えた。15分間撹拌した後、混合物を氷の上に注ぎ、過剰量の濃のNH4OHで強アルカリ性にし、Et2Oで抽出した(2 x)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣(1.75g)を、1%Et3Nを含有する10% EtOAc/ヘキサン類で溶離する、次に1%Et3Nを含有する20% EtOAc/ヘキサン類で溶離する、シリカゲル(145g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物をジアステレオマーの混合物(426mg、15%)を、黄色の油状物として得た。

【0165】
工程E: ホルムアルデヒド(37wt%、0.70ml、9.4mmol)を、メタノール(16mL)中の工程Dからの生成物(426mg、1.56mmol)の溶液に加えた。1.5時間後、ラネーニッケル(0.51g)を加え、反応物を35psigで21時間水素化した。反応物をCeliteパッドで濾過し、それをメタノールで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発し、乳白色の液体が残り、それをエーテルで抽出した。エーテル抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣(392mg)を、1%Et3Nを含有する10% EtOAc/ヘキサン類で溶離するシリカゲル(150g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物(82mg、18%)を、無色の油状物として得た。

【0166】
工程F: エーテル(1.0mL、1.0mmol)中の1M HCl溶液を、メタノール(3mL)中の工程Eからの生成物(82mg、0.28mmol)の撹拌した溶液に滴下した。30分後、溶媒および過剰量のHClを減圧下で除去し、残渣をエーテルから沈殿させ、30分間超音波処理した。オフホワイトの固体を濾過により単離し、次に減圧下、室温で24時間乾燥して、生成物(78mg、83%)を、オフホワイトの固体として得た。融点194〜197℃(分解を伴なう);

【0167】
実施例89 - (8-フルオロ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミンの調製例
工程A: メチルアミン(15.3mL、40%水溶液、177mmol)を、MeOH(150mL)中の3-フルオロベンズアルデヒド(20.0g、161mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。6時間撹拌した後、反応物を0℃まで冷却し、次にNaBH4(6.10g、161mmol)を少量ずつ加えた。冷却浴を取り外し、反応物を室温まで温め、16.5時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、2N HClで注意深く酸性化し、次にCH2Cl2で抽出した(3 x)。次に水相を、6N NaOHを使用して塩基性にし、次にCH2Cl2で抽出した(4 x)。後者の有機抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(21.51g、96%)を、澄明な油状物として得た。

【0168】
工程B: トリエチルアミン(8.40mL、60.0mmol)を、CH2Cl2(200mL)中の工程Aからの生成物(8.35g、60.0mmol)および臭化フェナシル(11.94g、60.0mmol)の撹拌した溶液に、N2下、室温で加えた。18時間撹拌した後、反応物をH2O/6N NaOH(33mL)の10:1の混合物でクエンチし、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発して、粗生成物(17.08g、理論値=15.44g)を、黄色の油状物として得た。

この物質は、さらなる処置をせずに使用した。
【0169】
工程C: 水素化ホウ素ナトリウム(4.54g、120mmol)を、MeOH(150mL)中の工程Bからの生成物(17.1g、約60.0mmol)の撹拌した溶液に少しずつ加え、N2下、0℃まで冷却した。室温で4.5時間撹拌した後、反応物をH2O(300mL)で希釈し、CH2Cl2で抽出(4 x)した。有機抽出物を合わせ、飽和NaClで洗浄し、Na2SO4で濾過し、溶媒を減圧下で蒸発した。残留の黄色の油状物(15.81g)を、シリカ(200g)および溶離剤の50% EtOAc/ヘキサン類を使用するクロマトグラフィーにより、生成物(14.81g、2工程を経て95%)を、黄色の油状物として得た。

【0170】
工程D: 濃硫酸(24mL)を、CH2Cl2(280mL)中の工程Cからの生成物(14.8g、57.1mmol)の撹拌した溶液に滴下し、氷-水浴を使用して0℃まで冷却した。添加が完了した後、冷却浴を取り外し、反応物を20分間室温で激しく撹拌した。次に反応物を氷/水の混合物(400mL)に注ぎ、得られた混合物を濃NH4OH溶液でpH約10まで塩基性にした。水層をCH2Cl2で抽出した(3 x)。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl/1N NaOHの2:1の混合物で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣 (13.91g)を、シリカ(450g)および溶離剤の33%EtOAc/ヘキサン類のクロマトグラフィーに付して、生成物(12.66g、92%)を、黄色の油状物として得た。

【0171】
工程E: t-ブチルリチウム(30mL、ペンタン中の1.7M、50.5mmol)を、Et2O(120mL)中の工程Dからの生成物(5.50g、22.8mmol)およびTMEDA(7.6mL、50.2mmol)の撹拌した溶液に、滴下し、N2下、-60℃まで冷却した。45分間撹拌した後、DMF(7.0mL、91.2mmol)を加え、反応混合物を-60℃で1.5時間撹拌した。反応物をMeOH (10mL)でクエンチし、室温で温め、次にH2O(200mL)で希釈し、水層をCH2Cl2で抽出した(4 x)。合わせたCH2Cl2抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(9.05g)を、シリカ(350g)および溶離剤の33%EtOAc/ヘキサン類のクロマトグラフィーに付して、生成物(1.21g、20%)を、褐色の油状物として得た。

【0172】
工程F: メチルアミン(0.05mL、40%水溶液、0.62mmol)を、MeOH(3mL)中の不純なアルデヒド147(0.15g、約0.57mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。6時間撹拌した後、反応物を0℃まで冷却し、次にNaBH4(0.022g、0.57mmol)を加えた。冷却浴を取り外し、反応物を室温まで温め、18時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、CH2Cl2で抽出した(4 x)。有機抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(0.18g)を、シリカ(10g)および溶離剤のCHCl3:MeOH:濃NH4OH 88:12:1を使用するクロマトグラフィーに付して、メチルアミン147(0.10g)を、褐色の油状物として得た。

【0173】
工程G: エーテル性HCl溶液(1.80mL、1N、1.80mmol)を、MeOH(0.5mL)およびEt2O(5mL)中の工程Fからの生成物(0.10g、0.35mmol)の溶液に、室温で加え、オフホワイトの固体の形成を得た。固体を単離し、次にMeOH/Et2O(3x)から再結晶化し、固体を減圧下(54℃)で乾燥して、塩(0.083g、66%)を、明緑色の固体として得た。融点185〜205℃;

【0174】
実施例90 - (2-メチル-4-フェニル-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミンの調製例
工程A: メチルアミン(40wt%水溶液、2.6mL、30mmol)を、MeOH (30mL)中の3-ブロモベンズアルデヒド(5.44g、29.4mmol)の撹拌した溶液に、N2下、加えた。1時間撹拌した後、無色の溶液を0℃まで冷却し、次にNaBH4(0.60g、16mmol)を少量ずつ加えた。1時間撹拌した後、冷却浴を取り外した。90分間撹拌した後、反応物を0℃まで冷却し、次に臭化フェナシル(5.90g、29.6mmol)を30分間かけて少量ずつ加えた。反応物を室温まで温めた。室温で2時間撹拌した後、溶液を0℃まで冷却し、次にNaBH4(1.20g、31.7mmol)を10分間かけて少量ずつ加えた。溶液を24時間撹拌し、その間、温度を0℃から25℃に上げた。溶液をH2O(400mL)で希釈し、エーテル抽出した(4 x)。エーテル抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、生成物(9.21g、98%)を、黄色の油状物として得た。

【0175】
工程B: 濃H2SO4(40.0mL)を、CH2Cl2(300mL)中の工程Aからの生成物(9.18g、28.7mmol)の撹拌した溶液に、15分間かけて滴下した。45分間撹拌した後、混合物を氷の上に注ぎ、過剰量の濃NH4OHで強アルカリ性にし、Et2Oで抽出した(3 x)。エーテル抽出物を、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、残渣(7.29g)を、1%Et3Nを含有する10% EtOAc/ヘキサン類で溶離するシリカゲル(300g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(2.05g、24%)を、橙色の油状物として得た。

【0176】
工程C: 乾燥DMF(5mL)中の工程Bからの生成物(1.15g、3.81mmol)、シアン化亜鉛(271mg、2.31mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(266mg、0.230mmol)の臭化物のスラリーを、83℃で24時間加熱した。反応物を室温まで冷却した後、反応物をトルエンで希釈し、2N NaOHで洗浄した。トルエン抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(1.20g)を、1%Et3Nを含有する20% EtOAc/ヘキサン類で溶離するシリカゲル(95g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(673mg、71%)を、黄色の固体として得た。融点103〜104℃;

【0177】
工程D: 乾燥THF(4mL)中の工程Cからの生成物(201mg、0.809mmol)の溶液を、乾燥THF(2mL)中の水素化アルミニウムリチウム(61mg、1.6mmol)の氷冷スラリーに滴下した。反応物を冷却しながら90分間撹拌し、次に室温まで温めた。反応物を5時間撹拌し、次にEtOAcで、次に飽和Na2SO4溶液でクエンチした。反応物をエーテルで希釈し、固体Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、1%濃NH4OHを含有する12%メタノール/クロロホルムで溶離するシリカゲル(26g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(134mg、66%)を、無色の油状物として得た。

【0178】
工程E: 無水EtOH(10mL)中の工程Dからの生成物(53mg、0.21mmol)およびマレイン酸(25mg、0.22mmol)のスラリーを、すべての固体が溶解してしまうまで、40℃の水浴中で加熱した。1時間後、反応物を減圧下で濃縮した。残渣を、エタノール/エーテルから再結晶化して、ビスマレイン酸塩(43mg、42%)を、緑色の固体として生成した:融点176〜177℃(分解を伴なう);

【0179】
実施例91 - N-メチル(2-メチル-4-フェニル-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミンの調製例
工程A: エーテル(3.0mL、3.0mmol)中の1M HCl溶液を、メタノール(6mL)中の工程C、実施例90からの生成物(82mg、0.32mmol)の溶液に滴下した。溶媒および過剰量のHClを減圧下で除去して、緑色の固体が残った。メタノール(1mL)およびアセトン(6mL)中のこの緑色の固体、炭酸カリウム(199mg、1.44mmol)およびクロロギ酸エチル(0.20mL、2.1mmol)のスラリーを、50℃で20時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、反応物をブラインで希釈し、EtOAcで抽出した(4 x)。合わせた有機抽出物を固体Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、カルバミン酸生成物(99mg、88%)を、橙色の油状物として残した。

【0180】
工程B: 水素化アルミニウムリチウム(60mg、1.6mmol)を、乾燥THF(5mL)中の工程Aからの生成物(99mg、0.30mmol)の溶液に、少しずつ加えた。反応物を6時間加熱還流し、次に室温まで冷却した。反応物をEtOAcで、次に飽和Na2SO4溶液でクエンチした。反応物をエーテルで希釈し、固体Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(81mg)を、1%濃NH4OHを含有する12%メタノール/クロロホルムで溶離するシリカゲル(8g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物の生成物(49mg、61%)を、無色の油状物として得た。

【0181】
工程C: 無水EtOH (5mL)中の工程Bからの生成物(20mg、0.075mmol)およびマレイン酸(9mg、0.08mmol)のスラリーを、すべての固体が溶解してしまうまで40℃の水浴中で加熱した。2時間後、反応物を減圧下で濃縮した。残渣を、エタノール/エーテルから再結晶化して、ビスマレイン酸生成物(13mg、35%)を、黄褐色の固体として生成した:融点160〜163℃(分解を伴なう);

【0182】
実施例92 - 8-ヒドロキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリンカルボニトリルの調製例
工程A: ジクロロメタン(100mL)中のN-メチル-2-メトキシアミン(8.00g、52.9mmol)およびトリエチルアミン(5.40g、53.0mmol)の溶液を、氷水浴中で冷却した。2-ブロモアセトフェノン(10.5g、53.0mmol)を加え、反応を室温まで温めた。反応混合物を水(200mL)およびMTBE (200mL)で希釈した。層を分離し、有機層をH2Oおよびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、赤色の油状物を得て、それをクロマトグラフィー(SiO2、20% EtOAc/ヘキサン類)に付して、所望のアミノケトンを、黄色の油状物(12.6g、89%)として得た。

【0183】
工程B: 工程Aからの生成物(12.6g、46.8mmol)を、メタノール(120mL)に取り、氷-水浴中で冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(1.76g、46.8mmol)を少量ずつ加えた。反応物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を原体積の半分になるまで濃縮した。水(100mL)を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した(3 x)。合わせた有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、所望のアミノアルコールを、明黄色の油状物(10.0g、79%)として得た。

【0184】
工程C: メタンスルホン酸(47.7mL、735mmol)を、ジクロロメタン(250mL)中の工程Bからの生成物(4.20g、13.7mmol)の溶液に周囲温度で加えた。反応混合物を窒素下、室温で24時間撹拌した。反応が完了した後、反応物を2N NaOHで塩基性(pH約11)にし、塩化メチレンで抽出した(3 x)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、クロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン類、2/3)により精製し、所望の生成物を、黄色の油状物(5.67g、61%)として得た。

【0185】
工程D: 48%臭化水素酸(60mL)中の工程Cからの生成物(5.60g、22.1mmol)の溶液を、100℃で3時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、エタノールから再結晶化して、所望の生成物(4.74g、67)を得た。

【0186】
工程E: トリフルオロ酢酸(50mL)中の工程Dからの生成物(4.79g、14.7mmol)とヘキサメチレンテトラアミン(2.06g、14.7mmol)との混合物を、80℃まで7時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次に水(100mL)で希釈した。溶液を固体Na2CO3で塩基性にした。得られた溶液をエチルエーテルで抽出し(3 x)、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン類、4/1)により精製して、所望の生成物を、オフホワイトの固体(2.47mg、49%)として得た。

【0187】
工程F: 工程Eからの生成物(1.00g、2.87mmol)を、水(20mL)に溶解した後、硫酸ナトリウム(100mg)およびヒドロキシルアミンスルホナート(0.32mg 2.87mmol)で処理した。反応物を2時間撹拌した。反応物を氷-水浴中で冷却し、CH2Cl2(20mL)で処理した。重炭酸ナトリウム(600mg)を加え、反応物を周囲温度まで温めた。固体をを濾別し、有機層と合わせた。 混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン類、1/1)に付した。2種類の化合物が同時に溶離した。混合物をエタノール(5mL)で処理し、濾過した。濾液を濃縮して、所望のニトリルを、オフホワイトの粉末(130mg、17%)として得た。融点234〜238℃(分解);

【0188】
実施例93 - (2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリニル)メタノールの調製例
工程A: 乾燥トルエン(13mL)中の工程C、実施例90(127mg、0.511mmol)の溶液を、-16℃まで冷却し、次にトルエン(1.7mL、1.7mmol)中の1M DIBAL-Hを滴下した。反応物を冷却しながら45分間撹拌し、次にEtOAc(1.1mL)を加えた。反応物を室温まで温めた。反応物を45分間撹拌し、次に1N H2SO4(12mL)を加えた。反応物を30分間加熱還流した。反応物を室温まで冷却した後、反応物を水で希釈し、2N NaOHで塩基性にし、CH2Cl2で抽出した(2 x)。CH2Cl2抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、所望の生成物(112mg、87%)を、黄色の油状物として得た。

【0189】
工程B: メタノール(20mL)中の工程Aからの生成物(110mg、0.438mmol)の氷冷溶液に、NaBH4(36mg、0.95mmol)を加えた。反応物を室温まで一晩ゆっくりと温めた。反応物を水およびブラインでクエンチし、次にCH2Cl2抽出した(3 x)。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(106mg)を、EtOAcで溶離するシリカゲル(31g)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望のアルコール(44mg、40%)を、黄色の油状物として得た。

【0190】
工程C: エーテル(1.0mL、1.0mmol)中の1M HCl溶液を、MeOH(2mL)中の工程Bからの生成物(44mg、0.17mmol)の撹拌した溶液に滴下した。溶媒および過剰量のHClを減圧下で除去し、残渣をMeOH-Et2Oから再結晶化して、塩(32mg、62%)を、緑色の固体として得た。融点237〜240℃(分解を伴なう);

【0191】
実施例94 - 2-エチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製例
工程A: エチレングルコールジメチルエーテル(20mL)および2N Na2CO3(12.2mL)を、N2でスパージャして、4-ブロモイソキノリン(2g、9.6mmol)、フェニルボロン酸(1.76g、14.4mmol)およびPd(PPh3)4(1.11g、0.96mmol)とを含有する丸底フラスコに仕込んだ。すべての溶液をN2でスパージャした。得られた反応混合物をN2下、一晩加熱還流した。溶液を冷却し、飽和NaHCO3 (230mL)でクエンチし、エチルエーテルで5回抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、橙色の油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサン類)により、純粋なイソキノリンを、黄色の油状物として得て、それを冷凍すると、すぐに結晶化(2.21g)した。

【0192】
工程B: エチルトリフラート(383mg、2.15mmol)を、CH2Cl2 (24mL)中の工程Aからの生成物(400mg、1.95mmol)の溶液に、N2下、0℃で滴下した。溶液を室温で15分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、イソキノリンのトリフラート塩を、白色の固体(420mg、収率56%)として得た。トリフラート塩(420mg、1.09mmol)をMeOH (16mL)に溶解し、NaCNBH3 (159mg、2.53mmol)を溶液に加えた。得られた反応混合物を5分間撹拌し、MeOH中のブロモクレゾールグリーンの数滴を加えた。黄色の色が観察されるまでメタノールHClを溶液に加えた。黄色の色を維持する必要に応じてメタノールHClを加えながら、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物をH2O (100mL)でクエンチし、青色の色が観察されるまで、5%NaOHで塩基性にした。得られた溶液をエチルエーテルで4回抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、テトラヒドロイソキノリン生成物を、澄明な油状物(140mg、収率30%)として得た。
【0193】
工程C: マレイン酸塩を、マレイン酸(68mg、0.59mmol)およびEtOH(2mL)を工程Bからの生成物に加えることにより調製した。冷凍し、EtOHを除去した後、白色の固体(130mg)を得た、融点=172〜174℃。遊離塩基:

【0194】
結合アッセイ
主要な結合アッセイ:
様々な化合物のNE、DAおよび5HT輸送体に対する相対的な親和性を評価するために、HEK293E細胞株を、3種のヒト輸送体をそれぞれ発現するように開発した。ヒト脳ライブラリーからの、各輸送体の完全コード領域を含むcDNAを、PCRにより増幅した。pCRIIベクターに含まれるcDNAの配列決定を行ってその同一性を確認し、次いでエプスタイン・バーウイルスベースの発現プラスミドにサブクローニングした(E. Shen, GM Cooke, RA Horlick, Gene 156:235-239, 1995)。ヒト輸送体の一つのコード化配列を含むこのプラスミドを、HEK293E細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの成功は、トリチウム標識されたNE、DAまたは5HTの取り込みを阻害する、公知の再取り込み遮断薬の能力により確認した。
【0195】
結合に関しては、細胞をホモジナイズし、遠心分離にかけ、次いでインキュベーション緩衝液(50mM Tris、120mM NaCl、5mM KCl、pH7.4)中に再懸濁した。次いで、適切な放射性リガンドを加えた。NET結合に関しては、[3H]ニソキセチン(86.0Ci/mmol, NEN/DuPont)を、約5nMの最終濃度まで加えた。DAT結合に関しては、15nMの[3H]WIN 35,428 (84.5Ci/mmol)を加えた。5HTT結合に関しては、1nMの[3H]Citolapram (85.0Ci/mmol)を加えた。次いで、様々な濃度(10-5〜10-11M)の関心対象の化合物を加えて、放射性リガンドを置換した。96ウェルプレート内で、室温にてインキュベーションを1時間行った。インキュベーション後、プレートをハーベスター上に配置し、(50mM tris、0.9% NaCl、pH7.4)で4回素早く洗浄して、結合した放射性標識を含む細胞膜を、Whatman GF/Bフィルター上に捕捉した。フィルターにシンチレーションカクテルを加えた後、Packard TopCountで計数した。関心対象の化合物の結合親和性は、GraphPad Prism 2.01ソフトウエアを使用した非線形曲線回帰により決定した。非特異的結合は、マジンドール10マイクロモルによる置換により測定した。
【0196】
TBZアッセイ
化合物のNEおよびDA輸送体に対するインビボでの活性を評価するために、それらのテトラベナジン(TBZ)の鎮静効果を阻止する能力測定した(G. Stille, Arzn. Forsch 14:534-537, 1964)。試験時の体重18〜25gmの雄のCFIマウス(Charles River Breeding Laboratories)を、最低6日間、注意深く制御した環境条件下(22.2+1.1C;平均湿度50%;12時間明周期/24時間)に収容する。試験に先立ち、マウスを一夜断食させる(16〜22時間)。マウスを透明なポリカーボネート製の「靴」箱(17cm×28.5cm×12cm)内に配置する。無作為化およびコード化した投与量の試験化合物を、経口投与する。投与量45mg/kgのテトラベナジンを、スコアリングの30分間前に腹腔内投与する。全化合物は、0.1ml/10gm体重の容積で投与する。薬物投与後、特定の時間間隔において、動物を、テトラベナジン誘導による探索行動の損失および眼瞼下垂の拮抗作用について評価する。指定した時間間隔において、マウスを、探索行動活動および眼瞼下垂の徴候について検査する。探索行動活動は、動物を5インチの輪の中心に配置することにより評価する。動物が動いて周囲を横切るための15秒間が許可される。これをテトラベナジンの拮抗作用と考慮して、スコア0を付与する。円周から離脱しなかった場合、探索行動の損失と見なして、スコア4を付与する。動物は、その瞼が少なくとも50%閉鎖している場合、眼瞼下垂と考慮し、完全に閉鎖した場合、スコア4を付与する;全く閉鎖しない場合、スコア0を付与する。95%を越える対照(ビヒクル処置)マウスが、探索行動損失および眼瞼下垂を示すと予想される。薬物活性は、テトラベナジンチャレンジ投与量に応答しないマウスの百分率として計算する。
【0197】
統計的評価
有効投与量(ED50s)の中央値および95%信頼限界は、Thompson(1947)およびLitchfieldおよびWilcoxon(1949)の方法により、数値的に決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知障害、全般性不安障害、急性ストレス障害、社会恐怖症、単純恐怖症、月経前不快気分性障害、社会不安障害、大うつ病性障害、摂食障害、肥満症、神経性食欲不振症、神経性過食症、大食症、物質乱用障害、薬物依存、ニコチン中毒、コカイン中毒、アルコール中毒、アンフェタミン中毒、レッシュ・ナイハン症候群、神経変性疾患、黄体期後期症候群、ナルコレプシー、精神症状の怒り、拒絶感受性、運動障害、錐体外路症候群、チック障害、不穏下肢症候群、遅発性ジスキネジア、睡眠関連摂食障害、夜食症候群、糖尿病性神経障害、線維筋痛症候群、慢性疲労症候群、性機能不全、早漏および男性インポテンスからなる群より選択される疾患の処置方法であって、そのような処置を必要とする患者に、下記の構造を有する式IA〜IFの化合物、またはそれらの酸化物、それらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物もしくはそれらのプロドラッグの治療的有効量を投与する段階を含む方法:

式中、
で指定された炭素原子は、R配置またはS配置にあり;
R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;
R2は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキルまたはC1-C6ハロアルキルであり;
R3は、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-S(O)nNR11R12、-CN、-C(O)R12、-C(O)NR11R12、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、ここで、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく、あるいはここで、R3が、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;ただし、式IAの化合物に関しては、R3は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10からよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;
ただし、式IBの化合物に関しては、R3は、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13または-S(O)nR12であり、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R4は、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-S(O)NR11R12、-CN、-C(O)R12、-C(O)NR11R12、-NR11R12、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-O(フェニル)または-O(ベンジル)であり、ここで-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく、ならびにここで、R4が、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;ただし、式ICの化合物に関しては、R4は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、置換されてもよく;
ただし、式IDの化合物に関しては、R4は、-O(フェニル)、-O(ベンジル)、-OC(O)R13、-NR11R12または-S(O)nR12であり、-O(フェニル)および-O(ベンジル)のそれぞれは、置換されてもよく;
式IA、IB、IC、ID、IEおよびIFのそれぞれの化合物のR5、R6およびR7は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、-OR11、-S(O)nR12、-CN、-C(O)R12、-NR11R12、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R12、-NR11C(O)2R12、-NR11C(O)NR12R13、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、ここで、R5、R6およびR7のそれぞれが、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキル基の場合、該基は、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、あるいはR5およびR6またはR6およびR7は、-O-C(R12)2-O-であってもよく;
ただし、式IEの化合物に関しては、R5もしくはR7の少なくとも一方は、フルオロ、クロロもしくはメチルであり;
あるいはR5およびR6は、それぞれ独立に、式IEの化合物の-O-C(R12)2-O-であり、しかしR7が、フルオロ、クロロもしくはメチルの場合に限られ;
あるいはR7およびR6も、独立に、式IEの化合物の-O-C(R12)2-O-であり得るが、しかしR5が、フルオロ、クロロもしくはメチルの場合に限られ;
R8は、H、ハロゲンまたはOR11であり、ただし、式IFの化合物に関しては、R8はハロゲンであり;
R9およびR10は、それぞれ独立に、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R13、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、フェニルもしくはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
あるいはR9とR10は、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンもしくはチオモルホリンを形成し;
R11は、H、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R13、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、R11が、C1-C4アルキル、フェニルもしくはベンジル基の場合、該基は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R12は、H、アミノ、C1-C4アルキル、(C1-C4アルキル)アミノ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはベンジルであり、ここで、フェニルもしくはベンジルは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
あるいはR11とR12は、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンもしくはチオモルホリンを形成し;
ただし、R9とR10またはR9とR10の一方のみが、それらが結合する窒素と一緒になって、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリンまたはチオモルホリンを形成し;
R13は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはフェニルであり;
nは、0、1または2であり、かつ;
アリールは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルおよびC1-C4アルコキシで1〜3回置換されてもよいフェニルである。
【請求項2】
R1がC1-C3アルキルである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
R1がCH3である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
R2が、H、C1-C4アルキルまたはC1-C6ハロアルキルである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
R2が、HまたはCH3である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
R3がHであるか、またはR3がC1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、またはR3が、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい-O(フェニル)もしくは-O(ベンジル)である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
R3が、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
R3が、-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい、請求項6記載の方法。
【請求項9】
R3がHである、請求項6記載の方法。
【請求項10】
R4がHであるか、またはR4が-NR11R12であるか、またはR4が、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは置換されてもよいか、またはR4が、-O(フェニル)もしくは-O(ベンジル)であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい、請求項1記載の方法。
【請求項11】
R4が、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
R4が、-O(フェニル)もしくは-O-(CH2)フェニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよい、請求項10記載の方法。
【請求項13】
R4がHである、請求項10記載の方法。
【請求項14】
R3およびR4が、それぞれHであるか、またはR3およびR4が、それぞれハロゲンである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
R3およびR4の一方がHであり、かつ他方がCH3である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
R5、R6およびR7が、それぞれH、ハロゲン、-OR11、-NR11R12、C1-C6アルキルおよび置換C1-C6アルキルである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
R5、R6およびR7が、それぞれHである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
R5またはR7の一方が、F、ClまたはMeであり、かつR5またはR7の他方およびR6が、H、ハロゲン、-OR11、-NR11R12または置換されてもよいC1-C6アルキルである、請求項16記載の方法。
【請求項19】
R5が、F、ClまたはMeであり、かつR7がHである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
R5が、F、ClまたはMeであり、かつR6がHである、請求項18記載の方法。
【請求項21】
R8がハロゲンである、請求項1記載の方法。
【請求項22】
R8がフルオロである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
R1がC1-C3アルキルであり;
R2が、H、C1-C4アルキルまたはC1-C6ハロアルキルであり;
R3が、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは置換されてもよく、またはR3が、-O(フェニル)もしくは-O(ベンジル)であり、これらのそれぞれは置換されてもよく、またはR3がHであり;
R4が、H、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキルもしくはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれは、C1-C3アルキル、ハロゲン、アリール、-CN、-OR9および-NR9R10よりそれぞれが生じるときに、独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく、またはR4が、-NR11R12、-O(フェニル)もしくは-O(ベンジル)であり、ここで、該-O(フェニル)もしくは-O(ベンジル)は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルもしくはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
またはR3およびR4が、それぞれハロゲンであり;
R5、R6およびR7が、それぞれH、ハロゲン、-OR11、-NR11R12、置換されてもよいC1-C6アルキルであるか、またはR5およびR7の一方が、Cl、FもしくはMeであり、かつR5およびR7の他方ならびにR6が、H、ハロゲン、-OR11、-NR11R12、C1-C6アルキルもしくは置換C1-C6アルキルである、請求項1記載の方法。
【請求項24】
R1が、CH3であり;
R2が、HまたはCH3であり;
R3が、H、F、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)であり、ここで、該-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R4が、H、F、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)であり、ここで、該-O(フェニル)または-O-CH2-(フェニル)は、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキルまたはC1-C4アルコキシよりそれぞれが生じるときに、独立して選択される置換基で1〜3回置換されてもよく;
R5、R6およびR7が、それぞれHであるか、またはR5が、F、ClもしくはMeであるか、またはR6もしくはR7の一方が、Hであり、かつR6およびR7の他方が、ハロゲン、-OR11、-NR11R12もしくは置換されてもよいC1-C6アルキルである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
R8がハロゲンである、請求項23記載の方法。
【請求項26】
で指定された炭素原子が、R配置である、請求項1記載の方法。
【請求項27】
で指定された炭素原子が、S配置である、請求項1記載の方法。
【請求項28】
で指定された炭素原子が、S配置またはR配置である、請求項1記載の方法。
【請求項29】
化合物が下記からなる群より選択される、請求項1記載の方法:
2,7-ジメチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-メトキシ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(4-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(3-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジクロロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-エチル-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-エチル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(4-メトキシ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(3-フルオロ-4-メトキシ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-フルオロ-4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-7-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-シアノ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-フェニル-7-トリフルオロメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-フェニル-1,2,7-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-1,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-1,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-フェニル-2,7,8-トリフルオロメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-8-フルオロ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-7-フルオロ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-8-メトキシ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,7-ジメチル-8-ヒドロキシ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-フェニル-7-トリフルオロメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-7-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-7-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-メトキシ-4-(3-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-7-フェノキシ-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-(4-メトキシ)フェノキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-ベンジルオキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
7-ヒドロキシ-2-メチル-4-(3-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-7-ヒドロキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-7-ヒドロキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-7-ヒドロキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-シアノ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(3-フルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジクロロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-メトキシ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-シアノ)フェニル-2,8-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-トリフルオロメチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2,8-ジメチル-4-(4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-8-(N-メチルアミノ)メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
8-(ヒドロキシ)メチル-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-フェニル-8-スルホンアミド-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-8-(N-メチル)スルホンアミド-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
8-メトキシ-2-メチル-4-(4-メチル)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジクロロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-8-メトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-5-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,5-ジフルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-5-フルオロ)フェニル-2,7-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
2-メチル-4-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-フルオロ-4-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-フルオロ-3-メチル)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3,4-ジフルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ-3-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(3-シアノ)フェニル-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-アセトアニリド)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
4-(4-クロロ)フェニル-4-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
(3,5-ジフルオロ)-4-フェニル-1,2,7-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
(8-フルオロ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミン;
(2-メチル-4-フェニル-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミン;
N-メチル(2-メチル-4-フェニル-7-イソキノリニル)-N-メチルメタンアミン;
8-ヒドロキシ-2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリンカルボニトリル;
(2-メチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-7-イソキノリニル)メタノール;および
2-エチル-4-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;ならびに
それらの酸化物、それらの薬学的に許容される塩、それらの溶媒和物もしくはそれらのプロドラッグ。
【請求項30】
化合物が表Cより選択される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
鏡像異性体が表Dより選択される、請求項1記載の方法。
【請求項32】
化合物が(+)立体異性体である、請求項30記載の方法。
【請求項33】
化合物が(-)立体異性体である、請求項30記載の方法。
【請求項34】
化合物が薬学的に許容される担体と共に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項35】
疾患が認知障害である、請求項1記載の方法。
【請求項36】
疾患が全般性不安障害である、請求項1記載の方法。
【請求項37】
疾患が急性ストレス障害である、請求項1記載の方法。
【請求項38】
疾患が社会恐怖症である、請求項1記載の方法。
【請求項39】
疾患が単純恐怖症である、請求項1記載の方法。
【請求項40】
疾患が月経前不快気分性障害である、請求項1記載の方法。
【請求項41】
疾患が社会不安障害である、請求項1記載の方法。
【請求項42】
疾患が大うつ病性障害である、請求項1記載の方法。
【請求項43】
疾患が摂食障害である、請求項1記載の方法。
【請求項44】
疾患が肥満症である、請求項1記載の方法。
【請求項45】
疾患が神経性食欲不振症である、請求項1記載の方法。
【請求項46】
疾患が神経性過食症である、請求項1記載の方法。
【請求項47】
疾患が大食症である、請求項1記載の方法。
【請求項48】
疾患が物質乱用障害である、請求項1記載の方法。
【請求項49】
疾患が薬物依存である、請求項1記載の方法。
【請求項50】
疾患がニコチン中毒である、請求項1記載の方法。
【請求項51】
疾患がコカイン中毒である、請求項1記載の方法
【請求項52】
疾患がアルコール中毒である、請求項1記載の方法。
【請求項53】
疾患がアンフェタミン中毒である、請求項1記載の方法。
【請求項54】
疾患がレッシュ・ナイハン症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項55】
疾患が神経変性疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項56】
疾患が黄体期後期症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項57】
疾患がナルコレプシーである、請求項1記載の方法。
【請求項58】
疾患が精神症状の怒りである、請求項1記載の方法。
【請求項59】
疾患が拒絶感受性である、請求項1記載の方法。
【請求項60】
疾患が運動障害である、請求項1記載の方法。
【請求項61】
疾患が錐体外路症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項62】
疾患がチック障害である、請求項1記載の方法
【請求項63】
疾患が不穏下肢症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項64】
疾患が遅発性ジスキネジアである、請求項1記載の方法。
【請求項65】
疾患が睡眠関連摂食障害である、請求項1記載の方法。
【請求項66】
疾患が夜食症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項67】
疾患が糖尿病性神経障害である、請求項1記載の方法。
【請求項68】
疾患が線維筋痛症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項69】
疾患が慢性疲労症候群である、請求項1記載の方法。
【請求項70】
疾患が性機能不全である、請求項1記載の方法。
【請求項71】
疾患が早漏である、請求項70記載の方法。
【請求項72】
疾患が男性インポテンスである、請求項70記載の方法。

【公表番号】特表2008−520720(P2008−520720A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543337(P2007−543337)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/042110
【国際公開番号】WO2006/057950
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(506190544)エーエムアール テクノロジー インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】