説明

4級アンモニウム塩の製造方法

【課題】高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高効率、高収率で得ること。
【解決手段】3級アミン類を4級化後、その4級アンモニウム塩溶液を無機酸水溶液又は有機酸水溶液で中和処理することにより、得られた4級アンモニウム塩水溶液を10%〜60%の水分量になるよう濃縮し、次工程で溶媒を加え、再結晶により精製することを特徴とする4級アンモニウム塩の製造方法である。上記製造方法により得られた4級アンモニウム塩(A)を非水溶媒に溶解して電気二重層キャパシタ用電解液を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は4級アンモニウム塩の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4級アンモニウム塩は、電気二重層キャパシタ、電池、電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解質、界面活性剤、相関移動触媒、柔軟剤、洗剤等の帯電防止剤、アスファルト、セメント等の分散剤、殺菌剤、防腐剤、肥料や粒状物の抗ブロッキング剤、抗凝集剤等として幅広い分野で使用されている。
4級アンモニウム塩の製造方法としては、第一工程で3級アミン類をアルキルハライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート等で4級化し、次いで第二工程で無機酸や有機酸で中和処理することにより陰イオンを変化させた4級アンモニウム塩とする方法が従来から知られている。
例えば、3級アミンとジアルキルカーボネートの反応で得られた4級アンモニウム炭酸塩と無機酸を反応させる方法(例えば、特許文献1)、3級アミンとジアルキルルカーボネートの反応で得られた4級アンモニウム炭酸塩と有機酸を反応させる方法(例えば、特許文献2)、非対称4級アンモニウムハライドを陽イオン交換膜で電解して得られた4級アンモニウム水酸化物の水溶液とカルボン酸を反応させる方法(例えば、特許文献3)等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−284148
【特許文献2】特開昭63−280045
【特許文献3】特開平2−106915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの方法で得られた4級アンモニウム塩については、原料である4級アンモニウム炭酸塩が通常、水溶液若しくはアルコール溶液として流通しており、また、無機酸又は有機酸も水溶液であるので、通常は水溶液として得られる。
従って、4級アンモニウム塩の水溶液を蒸発させ、4級アンモニウム塩を固体として取り出し、必要に応じて再結晶により精製する方法が採用されていた。
しかし、4級アンモニウム塩の水溶液を工業的に蒸発させ、固体として取り出すには、水分を除去するのに長時間を要し、水分の除去にフィルムエバポレーター等を使用すれば、多大な設備投資となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記問題点を解決するもので、4級アンモニウム塩水溶液を蒸発乾固させず、その4級アンモニウム塩溶液を10%〜60%の水分量になるよう濃縮し、次工程で溶媒(a)を加え、再結晶により精製することを特徴とする4級アンモニウム塩の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法によると、高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高効率、高収率で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は以下の(1)〜(3)の工程を含む4級アンモニウム塩(A)の製造方法である。
(1)3級アミン類を溶媒(b)中でアルキルハライド、ジアルキル硫酸、及びジアルキルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種で4級化し、その4級アンモニウム塩溶液(S1)を無機酸(c1)水溶液又は有機酸(c2)水溶液で中和処理することにより、4級アンモニウム塩溶液(S2)を得る工程
(2)溶媒(b)を除去して4級アンモニウム塩溶液(S2)を濃縮することにより10〜60重量%の水分量に調整された4級アンモニウム塩溶液(S3)を得る工程
(3)4級アンモニウム塩溶液(S3)に溶媒(a)を加え、再結晶により精製することにより4級アンモニウム塩(A)を得る工程
【0008】
3級アミン類の例として以下の化合物が挙げられる。
・脂肪族アミン類
トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリ− n − プロピルアミン、トリ− n − ブチルアミン、トリ− n − オクチルアミン、ジエチル− i − プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなど。
・含窒素ヘテロ環式脂肪族アミン類
N − メチルピロリジン、N − エチルピロリジン、N − メチルピペリジン、N − エチルピペリジン、N − n − ブチルピペリジン、N − メチルヘキサメチレンイミン、N − エチルヘキサメチレンイミン、N − メチルモルホリン、N − ブチルモルホリン、N , N ’ − ジメチルピペラジン、N , N ’ − ジエチルピペラジン、1 − メチル− 1 , 4 , 5 , 6 − テトラヒドロピリミジン、1 , 2 − ジメチル− 1 , 4 , 5 , 6 − テトラヒドロピリミジン、1 , 5 −ジアザビシクロ〔4 . 3 . 0 〕− 5 − ノネン、1 , 8 − ジアザビシクロ〔5 . 4 . 0 〕−7 − ウンデセン、ピリジン、4 − ジメチルアミノピリジン、ピコリン類、キノリン、2 ,2 ’ − ビピリジルなど。
・イミダゾリン環を有する化合物
1 , 2 − ジメチルイミダゾリン、1 , 2 , 4 − トリメチルイミダゾリン、1 , 2 , 5 − トリメチルイミダゾリン、1 , 4 − ジメチル− 2 − エチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 −エチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 − ヘプチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 − ( 4 ’− ヘプチル) イミダゾリン、1 − メチル− 2 − ドデシルイミダゾリン、など。
・イミダゾール同族体
1 − メチルイミダゾール、1 − エチルイミダゾール、1 − エチル− 2 − メチルイミダゾール、1 , 2 − ジメチルイミダゾール、1 − メチル− 2 − エチルイミダゾール、1 , 4 − ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾールなど。
【0009】
溶媒(b)の具体例としては、アルコール類( メタノール、エタノール、イソプロパノール等) 、ケトン類( アセトン、エチルメチルケトン、エチルイソブチルケトン等) 、エーテル類( テトラヒドロフラン、ジオキサン、1 , 2 − ジメトキシエタン等) 、ニトリル類( アセトニトリル等) 、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらのうち、反応後の溶媒除去が容易であるという観点から、メタノール、エタノール、アセトン、エチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1 , 2 − ジメトキシエタンが好ましい。
【0010】
4級化剤として使用されるアルキルハライドはメチルクロライド、エチルクロライド、ブチルクロライド等が挙げられる。ジアルキル硫酸は、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジブチル硫酸等が挙げられる。ジアルキルカーボネートはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。
【0011】
3級アミンの4級化反応の温度は、3級アミンおよび溶媒、4級化剤の種類により異なるが、通常50 〜 200℃ 、好ましくは100 〜 180 ℃ の範囲である。反応時間は、通常1〜 40 時間程度の範囲であり、好ましくは2 〜 20 時間程度の範囲である。
【0012】
無機酸(c1)水溶液としては、 下記の水溶液が挙げられる。リン酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ素酸など。
有機酸(c2)水溶液としては、下記の水溶液が挙げられる。アルキル( 炭素数1 〜 1 5 ) ベンゼンスルホン酸( p − トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など) 、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸、五フッ化エタンスルホン酸、七フッ化プロパンスルホン酸、三フッ化メタンスルホニルイミド、五フッ化エタンスルホニルイミド、七フッ化プロパンスルホニルイミドなど。
【0013】
中和処理の温度は、通常0 〜 100℃ 、好ましくは10 〜 50 ℃ の範囲である。反応時間は、通常0.1 〜 20 時間程度の範囲であり、好ましくは0.5 〜3 時間程度の範囲である。
【0014】
溶媒(b)を除去して4級アンモニウム塩溶液(S2)を濃縮することにより10〜60重量%の水分量に調整された4級アンモニウム塩溶液(S3)を得る。水分量は好ましくは20〜50重量%、さらに好ましくは30〜40重量%である。
溶媒(b)を除去して4級アンモニウム塩溶液(S2)を濃縮する際に水分量が10重量%未満の場合は4級アンモニウム塩の固体が析出するため、固体として取り出す必要が有る。60重量%を越える場合は再結晶時の収率が低下する。
【0015】
本発明における4級アンモニウム塩(A)は、カチオンとアニオンから成る。
カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウム系化合物、エチレンジアンモニウム系化合物、ピロリジニウム系化合物、ピペリジニウム系化合物、ヘキサメチレンイミニウム系化合物、モルホリニウム系化合物、ピペラジニウム系化合物、テトラヒドロピリミジニウム系化合物、ピリジニウム系化合物、ピコリニウム系化合物、イミダゾリニウム系化合物、イミダゾリウム系化合物、キノリニウム系化合物、ビピリジニウム系化合物、その他の脂環式アンモニウム類及び上記2種以上の混合物があげられる。これらの中でテトラアルキルアンモニウム系化合物が好ましい。
主な例として以下の化合物が挙げられる。
【0016】
・テトラアルキルアンモニウム系化合物
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、トリ−n−ブチルメチルアンモニウム、エチルトリ−n−ブチルアンモニウム、トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、エチルトリ−n−オクチルアンモニウム、ジエチルメチル−i−プロピルアンモニウムなど。
これらの中でエチルトリメチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・エチレンジアンモニウム系化合物
N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチルエチレンジアンモニウム、N,N’−ジエチル−N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアンモニウムなど。
【0017】
・ピロリジニウム系化合物
N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムなど。
・ピペリジニウム系化合物
N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム、N−n−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−エチル−N−n−ブチルピペリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムなど。
【0018】
・ヘキサメチレンイミニウム系化合物
N,N−ジメチルヘキサメチレンイミニウム、N−エチル−N−メチルヘキサメチルンイミニウム、N,N−ジエチルヘキサメチレンイミニウムなど。
など。
・モルホリニウム系化合物
N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム、N−エチル−N−ブチルモルホリニウムなど。
・ピペラジニウム系化合物
N,N,N’,N’−テトラメチルピペラジニウム、N−エチル−N,N’,N’−トリメチルピペラジニウム、N,N’−ジエチル−N,N’−ジメチルピペラジニウム、N,N,N’−トリエチル−N’−メチルピペラジニウム、N,N,N’,N’−テトラエチルピペラジニウムなど。
【0019】
・テトラヒドロピリミジニウム系化合物
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムなど。
・ピリジニウム系化合物
N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−メチル−4−ジメチルアミノピリジニウム、N−エチル−4−ジメチルアミノピリジニウムなど。
・ピコリニウム系化合物
N−メチルピコリニウム、N−エチルピコリニウムなど。
【0020】
・イミダゾリニウム系化合物
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウムなど。
【0021】
・イミダゾリウム系化合物
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムなど。これらの中で1,2,3−トリメチルイミダゾリウムが好ましい。
【0022】
・キノリニウム系化合物
N−メチルキノリニウム、N−エチルキノリニウムなど。
・ビピリジニウム系化合物
N−メチル−2,2’−ビピリジニウム、N−エチル−2,2’−ビピリジニウムなど。
・その他の脂環式アンモニウム類
1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−イウム、1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イウム、1−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−イウム、1−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イウムなど。
【0023】
アニオンは対応する無機酸水溶液および有機酸水溶液を4級化後の4級アンモニウム塩と中和処理することより、合成できる。
無機酸水溶液から合成されるものとして、例えばテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエチルスルホネート、n−ヘプタフルオロプロピルスルホネート、n−ノナフルオロブチルスルホネート、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエタンスルホニルイミド、トリストリフルオロメタンスルホニルメサイド、トリスペンタフルオロエチルスルホニルメサイド、ヘキサフルオロアーセネート、クロライド、ブロマイド、ヨーダイド等を挙げることができる。
有機酸水溶液から合成されるものとして、以下のようなものを例示することができる。
脂肪族モノカルボン酸類:ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート、カプロエート、エナンテート、カプリレート、ペラルゴナート、カプレート、ウンデシレート、ラウレート、トリデカネート、ミリステート、ペナデカネート、パルミテート、ヘプタデカネート、ステアレート、ノナデカネート、アラキデート、イソブチレート、イソバレレート、イソカプロエート、エチルブチレート、メチルバレレート、イソカプリレート、プロピルバレレート、エチルカプロエート、イソカプリレート、ツベルキュロステアレート、ピバレート、2,2−ジメチルブチレート、2,2−ジメチルペンタエート、2,2−ジメチルヘキサネート、2,2−ジメチルヘプタネート、2,2−ジメチルオクタネート、2−メチル−2−エチルブタネート、2−メチル−2−エチルペンタネート、2−メチル−2−エチルヘキサネート、2−メチル−2−エチルヘプタネート、2−メチル−2−プロピルペンタネート、2−メチル−2−プロピルヘキサネート、2−メチル−2−プロピルヘプタネート、アクリレート、クロトネート、イソクロトネート、3−ブテネート、ペンテネート、ヘキセネート、ヘプテネート、オクテネート、ノネネート、デセネート、ウンデセネート、ドデセネート、ツズイネート、フィステレート、ゴシュユエート、パルミドレエート、ペトロセリネート、オレエート、エライジネート、バクセネート、ガドレイネート、メタクリレート、3−メチルクロトネート、チグリネート、メチルペンテネート、シクロペンタンカルボキシレート、シクロヘキサンカルボキシレート、トリフロロアセテート、フェニルアセテート、クロロアセテート、グリコレート、ラクテート等。
【0024】
脂肪族ジカルボン酸類(片方又は両方がイオンとなったものがある):オキシレート、マロネート、サクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバケート、ウンデカンジカルボキシレート、ドデカンジカルボキシレート、トリデカンジカルボキシレート、テトラデカンジカルボキシレート、ペンタデカンジカルボキシレート、ヘキサデカンジカルボキシレート、ヘプタデカンジカルボキシレート、オクタデカンジカルボキシレート、ノナデカンジカルボキシレート、エイコサンジカルボキシレート、メチルマロネート、エチルマロネート、プロピルマロネート、ブチルマロネート、ペンチルマロネート、ヘキシルマロネート、ジメチルマロネート、メチルエチルマロネート、ジエチルマロネート、メチルプロピルマロネート、メチルブチルマロネート、エチルプロピルマロネート、ジプロピルマロネート、エチルブチルマロネート、プロピルブチルマロネート、ジブチルマロネート、メチルサクシネート、エチルサクシネート、2,2−ジメチルサクシネート、2,3−ジメチルサクシネート、2−メチルグルタレート、3−メチルグルタレート、3−メチル−3−エチルグルタネート、3,3−ジエチルグルタレート、マレエート、シトラコネート、イタコネート、メチレングルタレート、1,5−オクタンジカルボキシレート、5,6−デカンジカルボキシレート、1,7−デカンジカルボキシレート、4,6−ジメチル−4−ノネン−1,2−ジカルボキシレート、1,7−ドデカンジカルボキシレート、5−エチル−1,10−デカンジカルボキシレート、6−メチル−6−ドデセン−1,12−ジカルボキシレート、6−メチル−1,12−ドデカンジカルボキシレート、6−エチレン−1,12−ドデカンジカルボキシレート、6−エチル−1,12−ドデカンジカルボキシレート、7−メチル−7−テトラデセン−1,14−ジカルボキシレート、7−メチル−1,14−テトラデセンジカルボキシレート、3−ヘキシル−4−デセン−1,2−ジカルボキシレート、3−ヘキシル−1,2−デカンジカルボキシレート、6−エチレン−9−ヘキサデセン−1,16−ジカルボキシレート、6−エチル−1,16−ヘキサデカンジカルボキシレート、6−フェニル−1,12−ドデカンジカルボキシレート、7,12−ジメチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボキシレート、7,12−ジメチル−1,18−オクタデカンジカルボキシレート、6,8−ジフェニル−1,14−テトラデカンジカルボキシレート、1,1−シクロペンタンジカルボキシレート、1,2−シクロペンタンジカルボキシレート、1,1−シクロヘキサンジカルボキシレート、1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシレート、マラート、グルタメート、タートレート等。
【0025】
脂肪族ポリカルボン酸類(一個又は複数がイオンとなったものがある):サイトレート等。芳香族モノカルボン酸類(o,m,p−各異性体を含む):ベンゾエート、トルエート、エチルベンゾエート、プロピルベンゾエート、イソプロピルベンゾエート、ブチルベンゾエート、イソブチルベンゾエート、sec−ブチルベンゾエート、tert−ブチルベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、アニセート、エトキシベンゾエート、プロポキシベンゾエート、イソプロポキシベンゾエート、ブトキシベンゾエート、イソブトキシベンゾエート、sec−ブトキシベンゾエート、tert−ブトキシベンゾエート、アミノベンゾエート、N−メチルアミノベンゾエート、N−エチルアミノベンゾエート、N−プロピルアミノベンゾエート、N−イソプロピルアミノベンゾエート、N−ブチルアミノベンゾエート、N−イソブチルアミノベンゾエート、N−sec−ブチルアミノベンゾエート、N−tert−ブチルアミノベンゾエート、N,N−ジメチルアミノベンゾエート、N,N−ジエチルアミノベンゾエート、ニトロベンゾエート、フルオロベンゾエート、レゾルシレート等。
【0026】
芳香族多価カルボン酸類(一個又は複数がイオンとなったものがある):フタレート、イソフタレート、テレフタレート、ニトロフタレート、トリメリテート、ヘルメリテート、トリメシネート、ピロメリテート等。フェノール類:フェノラート、p−フルオロフェノラート、β−ナフトラート、o−ニトロフェノラート、p−アミノフェノラート、カテコラート、レゾルシネート、2−クロロフェノラート、2,4−ジクロロフェノラート、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノラート類等。
【0027】
カチオンとアニオンから成る4級アンモニウム塩(A)の具体例としては、アルキルアンモニウムのBF塩、PF塩、イミダゾリウムのBF塩及びPF塩等である。これらのうち、テトラエチルアンモニウム・BF塩、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩、ジエチルジメチルアンモニウム・BF塩(以下、DEDMA・BFと記載)、エチルトリメチルアンモニウム・BF塩(以下、ETMA・BFと記載)、1、2、3−トリメチルイミダゾリウム・BF塩(以下、TMI・BFと記載)等が挙げられる。
【0028】
溶媒(a)は、アルコール類、アルコール類の混合溶媒、アルコール類とアルコール類以外の溶媒との混合溶媒、アルコール類以外の溶媒、又はアルコール類以外の溶媒とアルコール類以外の混合溶媒である。これらのなかで、アルコール類の混合溶媒、又はアルコール類とアルコール類以外の溶媒との混合溶媒が好ましい。
【0029】
アルコール類としては、炭素数1〜8のアルコールが挙げられ、具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサンメタノールが挙げられる。これらのなかで炭素数1〜3のアルコールであるメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
【0030】
アルコール類以外の溶媒としては、炭素数1〜8のハロゲン化炭化水素、炭素数4〜8のエーテル、炭酸数3〜8のケトン、炭素数3〜8の炭酸エステル、および炭素数3〜8のエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒が好ましく、ジメチルカーボネートがより好ましい。
【0031】
なお、溶媒(a)の使用量は、水性溶液中の水100重量部に対して、通常、10〜1000重量部、好ましくは50〜500重量部である。4級アンモニウム塩の量に見合った溶媒(a)量と水の最適量を予め求めておき、蒸留により系内の水分を所定量まで減らした後、そこに溶媒(a)を追加した溶媒組成で4級アンモニウム塩を再結晶させる。
溶媒を追加する温度は0℃〜沸点が好ましく、20〜40℃がより好ましい。再結晶時の冷却温度は−40℃〜30℃が好ましく、−20℃〜20℃がより好ましい。冷却時間は2時間〜60時間が好ましく、5時間〜20時間がより好ましい。
再結晶により精製された4級アンモニウム塩(A)の乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下、150℃で加熱)して、水、溶媒を蒸発させて除去する方法が挙げられる。
【0032】
上記の製造方法により得られた4級アンモニウム塩(A)を非水溶媒(d)に溶解することにより電気二重層キャパシタ用電解液を製造することができる。
非水溶媒の具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのうち2種類以上を併用することも可能である。
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・鎖状エステル類:酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類:アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリル、ベンゾニトリルなど。
・環状炭酸エステル類:プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2、3−ブチレンカーボネートなど
・鎖状炭酸エステル類:ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・鎖状スルホン類:ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルn−プロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン
・環状スルホン類:スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ類:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・ベンゼン類:トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンなど。
・複素環式類:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:アセトン、2,5ヘキサンジオン、シクロヘキサンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
【0033】
これらのうち好ましくは、環状炭酸エステル類、鎖状炭酸エステル類、ラクトン類、鎖状エステル類、ニトリル類、鎖状スルホン類、環状スルホン類、およびそれらの混合溶媒であり、特に好ましくはプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、およびスルホランと鎖状スルホンの混合溶媒である。スルホランと鎖状スルホンの混合溶媒においては電気化学的安定性が高く、沸点が高いスルホン系の特長を有したまま、凝固点が比較的低く、電導度が比較的高い点で好ましい。スルホランと鎖状スルホンの好ましい重量比は60〜80:20〜40である。
【0034】
本発明の電解液は、非水溶媒(d)と4級アンモニウム塩を混合し、調製することができ、電解液中の4級アンモニウム塩の濃度は、0.5〜2.0mol/Lが好ましく、0.7〜1.7mol/Lがより好ましく、0.8〜1.5mol/Lが最も好ましい。濃度が0.5mol/L以上では、電解液の電導度が十分であり、また、2.0mol/L以下では、低温特性が良好であるとともに、経済性に優れる。
【0035】
本発明の方法で得られる電解液中の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した4級アンモニウム塩と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの脱水剤を使用する方法等が挙げられる。
【0036】
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下、100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。
【0037】
電解液に調製後、電解質である4級アンモニウム塩中の不純物が析出するケースがある。再結晶による精製時、4級アンモニウム塩と溶解度が類似であり、再結晶により除去できず、電解液溶媒にその不純物が溶解しないケースである。
調製された電解液は低温にするほど不純物の溶解性が低下するため、純度が上がる。調製された電解液はさらに0℃〜−20℃に冷却し、析出した不純物をろ過することにより除去し精製することが好ましい。0℃以下であると不純物の析出量が多く、−20℃以上であると電解質である4級アンモニウム塩が析出しないため、好ましい。
4級アンモニウム塩中の不純物としてはテトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
なお、テトラメチルアンモニウム塩は4級アンモニウム塩であるが、溶媒に対する溶解性が低い理由から電解液としては使用できないものである。
【実施例】
【0038】
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
4級アンモニウム塩の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。トータル面積と主成分の面積から純度を算出できる。HPLCの条件は、カラム:ポリマーコート型充填剤を充填したもの、移動相:リン酸緩衝液(pH2〜3)、流速:0.5ml/min、検出器:UV、温度:40℃である(例えば、機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:Develosil C30−UG(4.6mmφ×25cm)メーカー(野村化学)、移動相:リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、注入量:20μl、カラム温度:40℃)である。
【0039】
4級アンモニウム塩の化学構造は、通常の有機化学的手法で特定することができ、例
えば、1H−NMR(例えば機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶
媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)、19F−NMR(例えば機
器:XL−300(バリアン製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:30
0MHz)及び13C−NMR(例えば機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素
化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)等によって特定することができる。
水分はカールフィシャー電量滴定法により測定した。
【0040】
実施例1
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1、2−ジメチルイミダゾール(東京化成社製)を97部、ジメチル炭酸(東京化成社製)270部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物600部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)208部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この反応溶液の水分は15%であった。この反応液を単蒸留装置に移し、常圧80℃、4時間でメタノールを除去した。フラスコ内には、黄褐色透明水溶液が315部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下TMI・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は98%であった。水分量は38%であった。この溶液にメタノール60部とジメチルカーボネート240部を加えた。この溶液のTMI・BF、水、メタノール、ジメチルカーボネートの含有量はそれぞれ32%、20%、10%、39%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水、メタノールとジメチルカーボネートを留去し、190gのTMI・BFを得た。収率は95%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は150ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したプロピレンカーボネート(東京化成社製)1000gに溶解させ、1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
【0041】
実施例2
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにジエチルメチルアミン(東京化成社製)87部、ジメチル炭酸(東京化成社製)180部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、ジエチルジメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。得られた反応混合物500部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)205部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この反応溶液の水分は17%であった。反応液を単蒸留装置に移し、常圧80℃、4時間でメタノールを除去した。フラスコ内には、黄褐色透明水溶液が315部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、ジエチルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(以下DEDMA・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は98%であった。この溶液の水分量は34%であった。この溶液にイソプロピルアルコールを300部加えた。この溶液のDEDMA・BF、水、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ32%、19%、48%であった。−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水、イソプロピルアルコールを留去し、190gのDEDMA・BFを得た。収率は95%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は150ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したガンマブチロラクトン(三菱化学社製)1000gに溶解させた。その後2時間で−10℃まで冷却し、γ−ブチロラクトンに不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。DEDMA・BFの純度は99.9%となった。なおγ−ブチロラクトンに不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0042】
実施例3
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにジメチルエチルアミン(東京化成社製)73部、ジメチル炭酸(東京化成社製)180部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、エチルトリメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。得られた反応混合物490部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)200部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。この反応溶液の水分は18%であった。反応液を単蒸留装置に移し、常圧85℃、4時間でメタノールを除去した。フラスコ内には、黄褐色透明溶液が302部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、エチルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(以下ETMA・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は98%であった。この溶液の水分量は40%であった。この溶液にメタノール(東京化成社製)100部とイソプロピルアルコール(和光純薬社製)を200部加えた。この溶液のETMA・BF、水、メタノール、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ31%、20%、16%、33%であった。−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水、メタノールとイソプロピルアルコールを留去し、170gのETMA・BFを得た。収率は94%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は150ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したプロピレンカーボネート1000g(東京化成社製)に溶解させた。その後、2時間で−20℃まで冷却し、プロピレンカーボネートに不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。ETMA・BFの純度は99.9%となった。なおプロピレンカーボネートに不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0043】
実施例4
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1、2−ジメチルイミダゾール(東京化成社製)を97部、ジメチル炭酸(東京化成社製)270部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物600部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)208部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この反応溶液の水分は15%であった。この反応液を単蒸留装置に移し、常圧80℃、4時間でメタノールを除去した。次に常圧100℃2時間で水を90部留出させた。フラスコ内には、黄褐色透明水溶液が220部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下TMI・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は98%であった。水分量は12%であった。この溶液にメタノール60部とジメチルカーボネート240部を加えた。この溶液のTMI・BF、水、メタノール、ジメチルカーボネートの含有量はそれぞれ37%、6%、11%、46%であった。この溶液を0℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水、メタノールとジメチルカーボネートを留去し、180gのTMI・BFを得た。収率は91%であり、HPLC分析より、純度は99.2%であった。水分は150ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したプロピレンカーボネート(東京化成社製)1000gに溶解させ、1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
【0044】
実施例5
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1、2−ジメチルイミダゾール(東京化成社製)を97部、ジメチル炭酸(東京化成社製)270部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物600部をフラスコにとり、撹拌下において純度26%のホウフッ化水素酸水溶液(三菱マテリアル社製)338部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この反応溶液の水分は26%であった。この反応液を単蒸留装置に移し、常圧80℃、4時間でメタノールを除去した。フラスコ内には、黄褐色透明水溶液が440部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下TMI・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は97%であった。水分量は56%であった。この溶液にメタノール60部とジメチルカーボネート240部を加えた。この溶液のTMI・BF、水、メタノール、ジメチルカーボネートの含有量はそれぞれ26%、33%、8%、33%であった。この溶液を−20℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、140℃で減圧下、水、メタノールとジメチルカーボネートを留去し、178gのTMI・BFを得た。収率は91%であり、HPLC分析より、純度は99.8%であった。水分は180ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したプロピレンカーボネート(東京化成社製)1000gに溶解させ、1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
【0045】
実施例6
実施例2で得た190gのDEDMA・BFを、モレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とメチルエチルスルホン(住友精密化学社製)の重量比7:3の混合溶媒に溶解させ、全体で0.7Lとした。
その後3時間で−10℃まで冷却し、スルホランとメチルエチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。DEDMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとメチルエチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0046】
実施例7
実施例2で得た190gのDEDMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とジメチルスルホン(住友精密化学社製)の重量比8:2の混合溶媒に溶解させ、全体で1Lとした。その後4時間で−10℃まで冷却し、スルホランとジメチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。DEDMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとジメチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0047】
実施例8
実施例2で得た190gのDEDMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とエチルn−プロピルスルホン(住友精密化学社製)の重量比8:2の混合溶媒に溶解させ、全体で1Lとした。その後2時間で−10℃まで冷却し、スルホランとエチルn−プロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。DEDMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとエチルn−プロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0048】
実施例9
実施例2で得た190gのDEDMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とエチルイソプロピルスルホン(住友精密化学社製)の重量比7:3の混合溶媒に溶解させ、全体で0.7Lとした。その後2時間で−10℃まで冷却し、スルホランとエチルイソプロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。DEDMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとエチルイソプロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0049】
実施例10
実施例3で得た170gのETMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とメチルエチルスルホン(住友精密化学社製)の重量比7:3の混合溶媒に溶解させ、全体で1Lとした。その後3時間で−10℃まで冷却し、スルホランとメチルエチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。ETMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとメチルエチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0050】
実施例11
実施例3で得た170gのETMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とジメチルスルホン(住友精密化学社製)の重量比8:2の混合溶媒に溶解させ、全体で1Lとした。その後2時間で−10℃まで冷却し、スルホランとジメチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。ETMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとジメチルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0051】
実施例12
実施例3で得た170gのETMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とエチルn−プロピルスルホン(住友精密化学社製)の重量比8:2の混合溶媒に溶解させ、全体で1Lとした。その後3時間で−10℃まで冷却し、スルホランとエチルn−プロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。ETMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとエチルn−プロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0052】
実施例13
実施例3で得た170gのETMA・BFをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したスルホラン(住友精密化学社製)とエチルイソプロピルスルホン(住友精密化学社製)の重量比7:3の混合溶媒に溶解させ、全体で1Lとした。その後2時間で−10℃まで冷却し、スルホランとエチルイソプロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物を1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。ETMA・BFの純度は99.9%となった。なおスルホランとエチルイソプロピルスルホンの混合溶媒に不溶の不純物は1H−NMR分析によりテトラメチルアンモニウム・BFであった。
【0053】
比較例1
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1、2−ジメチルイミダゾール(東京化成社製)を97部、ジメチル炭酸(東京化成社製)270部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物600部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)208部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この反応溶液の水分は15%であった。この反応液をフラスコに移し、フィルムエバポレーターで、減圧130℃、8時間でメタノールおよび水を蒸発乾固させた。水分は1%であった。フラスコ内には、黄褐色透明固体が190部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下TMI・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は98%であった。この固体にメタノール60部とジメチルカーボネート240部を加えた。この溶液のTMI・BF、メタノール、ジメチルカーボネートの含有量はそれぞれ40%、20%、12%、48%であった。この溶液を0℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水、メタノールとジメチルカーボネートを留去し、160gのTMI・BFを得た。収率は83%であり、HPLC分析より、純度は99.1%であった。水分は150ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したプロピレンカーボネート(東京化成社製)1000gに溶解させ、1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
【0054】
比較例2
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1、2−ジメチルイミダゾール(東京化成社製)を97部、ジメチル炭酸(東京化成社製)270部、及びメタノール(東京化成社製)240部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物600部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)208部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この反応溶液の水分は15%であった。この反応液を単蒸留装置に移し、常圧80℃、4時間でメタノールを除去した。フラスコ内には、黄褐色透明水溶液が315部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下TMI・BFと略す)であり、HPLC分析より、純度は98%であった。水分量は38%であった。さらにこの溶液に水分を120部加え、水分量を70%とした。この溶液にメタノール60部とジメチルカーボネート240部を加えた。この溶液のTMI・BF、水、メタノール、ジメチルカーボネートの含有量はそれぞれ20%、50%、6%、24%であった。この溶液を−20℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、140℃で減圧下、水、メタノールとジメチルカーボネートを留去し、155gのTMI・BFを得た。収率は78%であり、HPLC分析より、純度は99.2%であった。水分は200ppmであった。これをモレキュラーシーブにより水分を30ppmまで脱水したプロピレンカーボネート(東京化成社製)1000gに溶解させ、1μmのフィルターでろ過し、電気二重層キャパシタ用電解液を調製した。
【0055】
本発明の実施例1〜13の4級アンモニウム塩の製造方法は、比較例1の4級アンモニウム塩の製造方法と比較し、4級アンモニウム塩水溶液を蒸発乾固させず、その4級アンモニウム塩溶液を10%〜60%の水分量になるよう濃縮し、次工程で溶媒を加え、再結晶により精製するため、工業的に多大な設備投資を伴うフィルムエバポレーターなどでの蒸発乾固工程が不要となり、高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高効率、高収率で得ることができる。
また比較例2の4級アンモニウム塩の製造方法と比較し、高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高収率で得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の製造方法により、高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高効率、高収率で得ることができるため、電気二重層キャパシタ、電池、電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解質などに適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(3)の工程を含む4級アンモニウム塩(A)の製造方法。
(1)3級アミン類を溶媒(b)中でアルキルハライド、ジアルキル硫酸、及びジアルキルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種で4級化し、その4級アンモニウム塩溶液(S1)を無機酸(c1)水溶液又は有機酸(c2)水溶液で中和処理することにより、4級アンモニウム塩溶液(S2)を得る工程
(2)溶媒(b)を除去して4級アンモニウム塩溶液(S2)を濃縮することにより10〜60重量%の水分量に調整された4級アンモニウム塩溶液(S3)を得る工程
(3)4級アンモニウム塩溶液(S3)に溶媒(a)を加え、再結晶により精製することにより4級アンモニウム塩(A)を得る工程
【請求項2】
無機酸(c1)がHBFであり、溶媒(a)が、炭素数1〜3のアルコール、炭素数1〜8のハロゲン化炭化水素、炭素数4〜8のエーテル、炭素数3〜8のケトン、炭素数3〜8の炭酸エステル、および炭素数3〜8のエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
溶媒(a)が、メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコール、ジメチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
4級アンモニウム塩(A)が、テトラアルキルアンモニウム塩(A1)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
テトラアルキルアンモニウム塩(A1)がエチルトリメチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
4級アンモニウム塩(A)が1,2,3−トリメチルイミダゾリウム塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた4級アンモニウム塩(A)を非水溶媒に溶解する電気二重層キャパシタ用電解液の製造方法。
【請求項8】
さらに0℃〜−20℃に冷却し、析出した不純物をろ過することにより除去する請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項7及び8に記載の方法で製造された電気二重層キャパシタ用電解液を使用する電気二重層キャパシタの製造方法。

【公開番号】特開2012−176935(P2012−176935A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−290267(P2011−290267)
【出願日】平成23年12月29日(2011.12.29)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】