説明

4,5−ジフェニル−ピリミジニル−オキシ又は−メルカプト置換カルボン酸類、それらの製造方法及び医薬品としての使用

本発明は、4,5−ジフェニル−ピリミジニル−オキシ、又は−メルカプト置換カルボン酸類及び生理学的に許容されるその塩類に関する。本発明は、また式(I)、ここで、R1、R2、n、m、V、W、X及びYは、本明細書に引用された通りに定義される、化合物類、及び生理学的に許容されるそれらの塩に関する。該化合物は、例えば、糖尿病の治療に適切である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4,5−ジフェニルピリミジニルオキシ又は−メルカプト−置換カルボン酸類及び生理学的に許容されるそれらの塩に関する。
【背景技術】
【0002】
同様の構造を有する化合物は、先行文献で公表されている(国際公開公報第2004/029204号を参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、治療上利用可能な効果を示す化合物を提供する目的に基づく。本目的は、特に高血糖症、糖尿病の治療に適切な新規化合物を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、式I:
【化1】

式中、
R1、R2は、 互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2 OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;
nは、0、1、2、3、4又は5であり;
mは、0、1、2、3、4又は5であり;
Vは、O、S、SO又はSO2であり;
Wは、結合、(C1−C7)−アルキレン、(C2−C7)−アルケニレン又は(C2−C7)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
Xは、一、二、三環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり、ここで、シクロアルキル環は、R4で1回又はそれ以上置換されても良く;
Yは、結合、(C1−C4)−アルキレン、(C2−C4)−アルケニレン又は(C2−C4)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
R3は、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2、F、Cl、Br、CN、OH、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル又は(C2−C6)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;そして、
R4は、F、Cl、Br、CN、(C1−C4)−アルキル又はO−(C1−C4)−アルキルであり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそ
れ以上置換されても良い;
の化合物、及び生理学的に許容されるその塩に関する。
【0005】
好ましくは、式Iの化合物であって、1つ又はそれ以上の基が以下の意味:
R1、R2は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2、OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり、ここで、アルキルはF、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;
nは、0、1、2、3、4又は5であり;
mは、0、1、2、3、4又は5であり;
Vは、O、S又はSOであり;
Wは、結合、(C1−C7)−アルキレン、(C2−C7)−アルケニレン又は(C2−C7)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
Xは、一、二又は三環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり、ここで、シクロアルキル環は、R4で1回又はそれ以上置換されても良く;
Yは、結合、(C1−C4)−アルキレン、(C2−C4)−アルケニレン又は(C2−C4)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
R3は、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2、F、Cl、Br、CN、OH、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル又は(C2−C6)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;そして、
R4は、F、Cl、Br、CN、(C1−C4)−アルキル又はO−(C1−C4)−アルキルであり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良い;
を有する化合物、及び生理学的に許容されるそれらの塩である。
【0006】
特に好ましくは、式Iの化合物であって、1つ又はそれ以上の基が以下の意味:
R1、R2は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり;
nは、0、1、2、3、4又は5であり;
mは、0、1、2、3、4又は5であり;
Vは、O又はSであり;
Wは、結合又は(C1−C7)−アルキレンであり;
Xは、一、二又は三環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり、ここで、シクロアルキル環は、R4で1回又はそれ以上置換されても良く;
Yは、結合又は(C1−C4)−アルキレンであり;そして、
R4は、F、Cl、Br、CN、(C1−C4)−アルキル又はO−(C1−C4)−アルキルである;
を有する化合物、及び生理学的に許容されるそれらの塩である。
【0007】
更に特に好ましくは、式Iの化合物であって、1つ又はそれ以上の基が以下の意味:
R1、R2は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり;
nは0であり;
mは0であり;
Vは、O又はSであり;
Wは、結合又は(C1−C7)−アルキレンであり;
Xは、一、又は二環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり;そして、
Yは、結合又は(C1−C4)−アルキレンである;
を有する化合物、及び生理学的に許容されるそれらの塩である。
【0008】
式Iの化合物において、基又は置換基が2回以上現れる場合、それらは、全て互いに独立に、記載された意味を有し、同一であっても又は異なっていても良い。
【0009】
基W、Y、R1、R2、R3及びR4における、アルキル、アルキニル、アルキレン及びアルキニレン基は、直鎖状であっても、又は分枝鎖状であっても良い。
【0010】
本発明は、式Iの化合物であって、その塩、ラセミ体、ラセミ混合物及び純粋エナンチオマー及びジアステレオマー、並びにそれらの混合物の形態にある式Iの化合物に関する。
【0011】
生理学的に許容される塩は、その水に対する溶解度が、最初の又は基本化合物のそれより大きいので、医学用途に特に適切である。これらの塩は、生理学的に許容されるアニオン又はカチオンを有さなければならない。適切な生理学的に許容される本発明の化合物の酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、スルホン酸及び硫酸などの無機酸の塩、及び、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩である。塩素塩は、医学目的に特に好ましく用いられる。
【0012】
適切な生理学的に許容される塩基性塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、(ナトリウム及びカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム及びカルシウム塩など)、亜鉛塩、及びトロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リシン、アルギニン、コリン、メグルミン又はエチレンジアミンの塩である。
【0013】
生理学的に非許容性のアニオン又はカチオンとの塩も、また生理学的に許容される塩の製造又は精製用、及び/又は非治療用途、例えば、インビトロ用途での有用な中間体として、本発明の範囲内に含まれる。
【0014】
本発明の更なる態様は、本発明の化合物のプロドラッグである。その様なプロドラッグはインビボで代謝され、本発明の化合物を生成する。これらのプロドラッグは、それ自身活性であるか、そうでなくても良い。
【0015】
本発明の化合物は、また種々の多形体として、例えば、非晶性及び結晶性多形体として存在することもできる。本発明の化合物の全ての多形体は、本発明の範囲内に属し、そして本発明の更なる態様でもある。
【0016】
これ以降の「式(I)の化合物」に関する全ての言及は、本明細書に記載された式(I)の化合物、及び本明細書に記載されたそれらの塩及び溶媒和物を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
式(I)の化合物及び生理学的に許容されるその塩は、血中の脂質濃度の上昇、メタボリック症候群、糖尿病、インスリン耐性、LDL、HDL及びVLDLの異常調節又は心臓血管障害、及び脂質代謝障害特に高脂血症の治療のための理想的な薬剤を代表している。式(I)の化合物(類)は、また更なる活性成分と組み合わせて投与することができる。
【0018】
目的とする生物学的効果を得るために必要な式(I)の化合物の量は、多くの要因、例えば、選択された特定の化合物、使用する意図、投与方法及び患者の臨床状態に依存する。日用量は、一般に、1日当たり及び体重1キログラム当たり0.1mgから100mgの範囲(通常、0.1mgから50mg)であり、例えば、0.1〜10mg/kg/日である。錠剤又はカプセル剤には、例えば、0.01から100mg、通常は0.02から50mg含まれる。上記の状態を予防又は治療するためには、式(I)の化合物は、化合物そのものを使用しても良いが、それは許容される担体との医薬組成物の形態であることが好ましい。担体は、もちろん、組成物の他の成分との適合性があり、患者の健康には害を及ぼさないという意味において許容されるものでなければならない。担体は、固体若しくは液体又はその両者であってもよく、単回投与量分の化合物と製剤化され、例えば、0.05質量%から95質量%の活性成分を含有する錠剤として製剤化されるのが好ましい。式(I)の他の化合物を含めて、さらに他の薬学的に活性な物質が存在してもよい。本発明の医薬組成物は、基本的には、成分を薬理学的に許容される担体及び/又は賦形剤と混合することから成る、公知の製薬方法の1つによって製造することができる。
【0019】
最も適切な投与方法は、個々の症例において治療する疾患の性質及び重篤度、並びに個々の症例で使用される式(I)の化合物の性質に依存するが、本発明の医薬組成物は、経口及び口内(例えば舌下の) 投与に適切なものである。被覆製剤及び被覆徐放製剤もまた本発明の枠内に属する。酸耐性及び胃液耐性の製剤が好ましい。胃液耐性の適切な被覆剤には、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメタクリル酸並びにメチルメタクリレートのアニオン性ポリマーが含まれる。
【0020】
経口投与用の適切な医薬品は、例えば、カプセル剤、カシェ剤、可舐(suckable) 錠剤又は錠剤などの別々の単位の形態であってもよく、それらの各々は既定の量の式(I)の化合物を、粉末又は顆粒として、水性又は非水性液体の溶液又は懸濁液として、又は水中油若しくは油中水のエマルジョンとして含む。これらの組成物は、既に述べたように、活性成分と担体(1つ又はそれ以上の更なる成分から成ってもよい)を接触させる工程を含む如何なる適切な製薬方法によって製造してもよい。組成物は、一般に、活性成分と液体及び/又は微粉末化した固体の担体を均一且つ均質に混合することによって製造され、生成物はその後必要に応じて成形される。従って、例えば、錠剤は、本化合物の粉末又は顆粒を、必要に応じて1つまたはそれ以上の追加の成分と共に、圧縮又は成形することによって製造することができる。圧縮錠剤は、例えば、粉末又は顆粒などの自由流動性の形態の本化合物を、必要に応じて結合剤、流動促進剤、不活性な稀釈剤及び/又は1つ(又はそれ以上)の界面活性/分散剤と適切な機械で混合し、打錠することによって製造することができる。湿製錠剤は、粉末形態で且つ不活性な液体稀釈剤で加湿された本化合物を、適切な機械で成形することによって製造することができる。
【0021】
口内(舌下)投与に適切な医薬組成物には、式(I)の化合物と香味料、通常はショ糖及びアラビア又はトラガントゴムを含む可舐(suckable) 錠剤、及び本化合物がゼラチン及びグリセリン又はショ糖並びにアラビアゴムなどの不活性な基材に含まれているトローチ剤が含まれる。
【0022】
他の医薬品との組み合わせ
本発明の化合物は、単独で、又は、例えば、代謝障害若しくはしばしばそれに付随する疾患に有益な効果を有する1つ又はそれ以上の更なる薬理学的活性物質と組み合わせて投与することができる。その様な医薬品の例として、
1.血糖値を低下させる医薬品、抗糖尿病薬;
2.異常脂質血症の治療のための活性成分;
3.抗アテローム硬化性医薬品;
4.抗肥満薬;
5.抗炎症活性成分;
6.悪性腫瘍治療のための活性成分;
7.抗血栓活性成分;
8.高血圧の治療のための活性成分;
9.心不全の治療のための活性成分;及び
10.糖尿病又は糖尿病に関連して起こる合併症の治療及び/又は予防のための活性成分;
がある。
【0023】
これらは、特に効果を相乗的に改善するために、式Iの本発明の化合物と組み合わせることができる。活性成分の組み合わせの投与は、患者への活性成分の別々の投与によって、又は複数の活性成分が1つの医薬製剤中に存在する配合剤の形態の投与によって行うことができる。
【0024】
配合剤に適切な活性成分の更なる例は、具体的には、Rote Liste 2006(第12章)で述べられている全ての抗糖尿病薬;Rote Liste 2006(第1章)で述べられている全てのやせ薬/食欲抑制剤;Rote Liste 2006(第58章)で述べられている全ての脂質低下剤である。これらは、特に効果を相乗的に改善するために、式Iの本発明の化合物と組み合わせることができる。活性成分の組み合わせは、患者への活性成分の別々の投与によって、又は複数の活性成分が1つの医薬製剤中に存在する配合剤の形態で投与できる。以下に述べる活性成分の大部分は、USP Dictionary of USAN and International Drug Names,US Pharmacopeia, Rockville 2001に開示されている。
【0025】
抗糖尿病薬としては、インスリン及びインスリン誘導体の、例えば、Lantus(登録商標)(www.lantus.com を参照)又はHMR−1964若しくは国際公開公報第2005005477号(Novo Nordisk)に記載されているもの、速効性インスリン(米国特許第6,221,633号を参照)、吸入可能なインスリンの、例えば、Exubera(登録商標)など、又は経口インスリンの、例えば、IN−105(Nobex)若しくはOral-lynTM(Generex Biotechnology)など、GLP−1誘導体の、例えば、エキセナチド、リラグルチド又はNovo Nordisk A/Sの国際公開公報第98/08871号又は国際公開公報第2005027978号、Zealandの国際公開公報第01/04156号又はBeaufour-Ipsenの国際公開公報第00/34331号に開示されているものなど、酢酸プラムリンチド(Symlin;Amylin Pharmaceuticals)、及び経口で有効な血糖降下活性成分が挙げられる。
【0026】
経口で有効な血糖降下活性成分として、好ましくは、スルホニル尿素、ビグアニジン、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、グルコシダーゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、グルコキナーゼ活性化剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、グルコーストランスポーター4(GLUT4)の調節剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤、GLP−1アゴニスト、例えば、Novo Nordisk ASの国際公開公報第97/26265号及び同第99/03861号に開示されているようなカリウム・チャネル・オープナー、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、インスリン抵抗性改善剤、糖新生及び/又はグリコーゲン分解の促進に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコースの取り込み、グルコース輸送及びグルコース再吸収の調節剤、11β−HSD1の阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤、ナトリウム依存性グルコース輸送担体1又は2(SGLT1、SGLT2)の調節剤、抗高脂血症活性成分及び抗脂血症活性成分のような脂質代謝を変える化合物、食物摂取を減らす化合物、熱産生を高める化合物、PPAR及びRXR調節剤、そしてβ細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する活性成分が挙げられる。
【0027】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン又はL−659699のようなHMGCoA還元酵素阻害剤との組み合わせで投与される。
【0028】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、エゼチミブ、チクエシド、パマクエシド、FM−VP4(シトスタノール/カンペステロールアスコルビルホスフェート; Forbes Medi-Tech、国際公開公報第2005042692号)、MD−0727(Microbia Inc.、国際公開公報第2005021497号)などのコレステロール吸収阻害剤との組み合わせで、又は国際公開公報第2002066464号(Kotobuki Pharmaceutical Co. Ltd.)、国際公開公報第2005062824号(Merck & Co.)若しくは国際公開公報第2005061451号、及び国際公開公報第2005061452号(AstraZeneca AB)に記載されているような化合物との組み合わせで投与される。
【0029】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、Gl−262570、R−483又はCS−011(リボグリタゾン)などのPPARγアゴニストとの組み合わせで投与される。
【0030】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、GW−9578、GW−590735、K−111、LY−674、 KRP−101又はDRF−10945などのPPARαアゴニストとの組み合わせで投与される。
【0031】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ムラグリタザール、エサグリタザール、ナベグリタザール、LY−510929、ONO−5129、E−3030、AVE−8042、AVE−8134、AVE−0847、又はPCT米国特許第第00/11833号、PCT米国特許第第00/11490号及びドイツ特許第10142734.4号に記載されているもの、又はJ.P. Berger et al., TRENDS in Pharmacological Sciences 28(5), 244-251、2005に記載されているものなどの混合PPARα/γアゴニストとの組み合わせで投与される。
【0032】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、GW−501516のようなPPARδアゴニストとの組み合わせで投与される。
【0033】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、メタグリダセンとの組み合わせ、又はMBX−2044若しくは他の部分PPARγアゴニスト/アンタゴニストとの組み合わせで投与される。
【0034】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、フェノフィブラート、クロフィブラート又はベザフィブラートなどのフィブラートとの組み合わせで投与される。
【0035】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、インプリタピド、BMS−201038、R−103757又は国際公開公報第2005085226号に記載されているものなどのMTP阻害剤との組み合わせで投与される。
【0036】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、トルセトラピブ又はJTT−705のようなCETP阻害剤との組み合わせで投与される。
【0037】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、HMR−1741又はドイツ特許第102005033099.1号及びドイツ特許第102005033100.9号に記載されているものなどの胆汁酸吸収阻害剤(例えば、米国特許第6,345,744号、米国特許第6,221,897号又は国際公開公報第00/61568号を参照)との組み合わせで投与される。
【0038】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、コレスチラミン又はコレセベラムのようなポリマー性胆汁酸吸着体との組み合わせで投与される。
【0039】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、HMR−1171、HMR−1586又は国際公開公報第2005097738号に記載されているものなどのLDL受容体誘導因子(米国特許第6342512号を参照)との組み合わせで投与される。
【0040】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、Omacor(登録商標)(ω−3脂肪酸;高度に濃縮されたエイコサペンタエン酸のエチルエステル及びドコサヘキサエン酸のエチルエステル)との組み合わせで投与される。
【0041】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、アバシミブのようなACAT阻害剤との組み合わせで投与される。
【0042】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、OPC−14117、プロブコール、トコフェロール、アスコルビン酸、β−カロチン又はセレンなどの抗酸化剤との組み合わせで投与される。
【0043】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ビタミンB6又はビタミンB12などのビタミンとの組み合わせで投与される。
【0044】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、イブロリピム(NO−1886)のようなリポタンパク質リパーゼ調節剤との組み合わせで投与される。
【0045】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、SB−204990のようなATPクエン酸リアーゼ阻害剤との組み合わせで投与される。
【0046】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、BMS−188494又は国際公開公報第2005077907号に記載のようなスクアレン合成酵素阻害剤との組み合わせで投与される。
【0047】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ゲムカベン (CI−1027)のようなリポタンパク質 (a)アンタゴニストとの組み合わせで投与される。
【0048】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ニコチン酸のようなHM74A受容体アゴニストとの組み合わせで投与される。
【0049】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、オルリスタット又はセチリスタット(ATL−962)のようなリパーゼ阻害剤との組み合わせで投与される。
【0050】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、インスリンとの組み合わせで投与される。
【0051】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド又はグリメピリドなどのスルホニル尿素との組み合わせで投与される。
【0052】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、メトホルミンのようなビグアニドとの組み合わせで投与される。
【0053】
本発明の別の実施態様では、式Iの化合物は、例えば、レパグリニド又はナテグリニドのようなメグリチニドとの組み合わせで投与される。
【0054】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又はDr. Reddy's Research Foundationの国際公開公報第97/41097号に開示されている化合物、具体的には5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンなどのチアゾリジンジオンとの組み合わせで投与される。
【0055】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ミグリトール又はアカルボースのようなα−グルコシダーゼ阻害剤との組み合わせで投与される。
【0056】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド又はレパグリニドのようなβ細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する活性成分との組み合わせで投与される。
【0057】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、前記の2つ以上の化合物との組み合わせで、例えば、スルホニル尿素とメトホルミン、スルホニル尿素とアカルボース、レパグリニドとメトホルミン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチンなどとの組み合わせで投与される。
【0058】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、PSN−357若しくはFR−258900、又は国際公開公報第2003084922号、国際公開公報第2004007455号、国際公開公報第2005073229−31号若しくは国際公開公報第2005067932号に記載されているものの様なグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤との組み合わせで投与される。
【0059】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、A−770077、NNC−25−2504又は国際公開公報第2004100875号若しくは国際公開公報第2005065680号に記載されている様なグルカゴン受容体アンタゴニストとの組み合わせで投与される。
【0060】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、RO−4389620、LY−2121260(国際公開公報第2004063179号)、PSN−105、PSN−110、GKA−50、又は、例えば、Prosidionの国際公開公報第2004072031号、国際公開公報第2004072066号、国際公開公報第05103021号若しくは国際公開公報第06016178号に記載されているもの、Rocheの国際公開公報第00058293号、国際公開公報第00183465号、国際公開公報第00183478号、国際公開公報第00185706号、国際公開公報第00185707号、国際公開公報第01044216号、英国特許第02385328号、国際公開公報第02008209号、国際公開公報第02014312号、国際公開公報第0246173号、国際公開公報第0248106号、ドイツ特許第10259786号、国際公開公報第03095438号、米国特許第04067939号若しくは国際公開公報第04052869号に記載されているもの、Novo Nordiskの欧州特許第1532980号、国際公開公報第03055482号、国際公開公報第04002481号、国際公開公報第05049019号、国際公開公報第05066145号若しくは国際公開公報第05123132号に記載されているもの、Merck/Banyuの国際公開公報第03080585号、国際公開公報第03097824号、国際公開公報第04081001号、国際公開公報第05063738号若しくは国際公開公報第05090332号に記載されているもの、Eli Lillyの国際公開公報第04063194号に記載されているもの、又はAstra Zenecaの国際公開公報第01020327号、国際公開公報第03000262号、国際公開公報第03000267号、国際公開公報第03015774号、国際公開公報第04045614号、国際公開公報第04046139号、国際公開公報第05044801号、国際公開公報第05054200号、国際公開公報第05054233号、国際公開公報第05056530号、国際公開公報第05080359号、国際公開公報第05080360号若しくは国際公開公報第05121110号に記載されているものなどのグルコキナーゼ活性化剤との組み合わせで投与される。
【0061】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、FR−225654のような糖新生阻害剤との組み合わせで投与される。
【0062】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、CS−917のようなフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPase)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0063】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、KST−48(D. -O. Lee et al., Arzneim. -Forsch. Drug Res. 54(12), 835(2004))のようなグルコーストランスポーター4(GLUT4)の調節剤との組み合わせで投与される。
【0064】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第2004101528号に記載されているようなグルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0065】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ビルダグリプチン(LAF−237)、シタグリプチン(MK−0431)、サクサグリプチン(BMS−477118)、GSK−823093、PSN−9301、SYR−322、SYR−619、TA−6666、TS−021、GRC−8200、GW−825964X、又は国際公開公報第2003074500号、国際公開公報第2003106456号、国際公開公報第200450658号、国際公開公報第2005058901号、国際公開公報第2005012312号、国際公開公報第2005012308号、PCT欧州特許第2005/007821号、PCT欧州特許第2005/008005号、PCT欧州特許第2005/008002号、PCT欧州特許第2005/008004号、PCT欧州特許第2005/008283号、ドイツ特許第10 2005 012874.2号若しくはドイツ特許第102005012873.4号に記載されているようなジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0066】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、BVT−2733、又は、例えば国際公開公報第200190090−94号、国際公開公報第200343999号、国際公開公報第2004112782号、国際公開公報第200344000号、国際公開公報第200344009号、国際公開公報第2004112779号、国際公開公報第2004113310号、国際公開公報第2004103980号、国際公開公報第2004112784号、国際公開公報第2003065983号、国際公開公報第2003104207号、国際公開公報第2003104208号、国際公開公報第2004106294号、国際公開公報第2004011410号、国際公開公報第2004033427号、国際公開公報第2004041264号、国際公開公報第2004037251号、国際公開公報第2004056744号、国際公開公報第2004065351号、国際公開公報第2004089367号、国際公開公報第2004089380号、国際公開公報第2004089470−71号、国際公開公報第2004089896号、国際公開公報第2005016877号若しくは国際公開公報第2005097759号に記載されているもののような、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11β−HSD1)阻害剤との組み合わせで投与される。
【0067】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第200119830−31号、国際公開公報第200117516号、国際公開公報第2004506446号、国際公開公報第2005012295号、PCT欧州特許第2005/005311号、PCT欧州特許第2005/005321号、PCT欧州特許第2005/007151号、PCT欧州特許第2005/号又はドイツ特許第102004060542.4号に記載されているような、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0068】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、KGA−2727、T−1095、SGL−0010、AVE−2268及びSAR−7226、又は、例えば、国際公開公報第2004007517号、国際公開公報第200452903号、国際公開公報第200452902号、PCT欧州特許第2005/005959号、国際公開公報第2005085237号、日本特許第2004359630号に記載されている、若しくはA.L.HandlonによってExpart Opin. Ther. Patents (2005) 15(11), 1531-1540に記載されているような、ナトリウム依存性グルコーストランスポーター1又は2(SGLT1、SGLT2)の調節剤との組み合わせで投与される。
【0069】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第2005073199号に記載されているような、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0070】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第199946262号、国際公開公報第200372197号、国際公開公報第2003072197号又は国際公開公報第2005044814号に記載されているような、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0071】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第2004074288号に記載されているような、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0072】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、米国特許第2005222220号、国際公開公報第2005085230号、PCT欧州特許第2005/005346号、国際公開公報第2003078403号、国際公開公報第2004022544号、国際公開公報第2003106410号、国際公開公報第2005058908号、米国特許第2005038023号、国際公開公報第2005009997号、米国特許第2005026984号、国際公開公報第2005000836号、国際公開公報第2004106343号、欧州特許第1460075号、国際公開公報第2004014910号、国際公開公報第2003076442号、国際公開公報第2005087727号又は国際公開公報第2004046117号に記載されているような、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(GSK−3β)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0073】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ルボキシスタウリンのような、プロテインキナーゼCβ(PKCβ)の阻害剤との組み合わせで投与される。
【0074】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、アボセンタン(SPP−301)のようなエンドセリンA受容体アンタゴニストとの組み合わせで投与される。
【0075】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第2001000610号、国際公開公報第2001030774号、国際公開公報第2004022553号又は国際公開公報第2005097129号に記載されているような「I−κBキナーゼ」の阻害剤(IKK阻害剤)との組み合わせで投与される。
【0076】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、国際公開公報第2005090336号に記載されているような、グルココルチコイド受容体の調節剤との組み合わせで投与される。
【0077】
本発明の更なる実施態様では、式Iの化合物は:
CART調節剤(“Cocaine-amphetamine-regulated transcript influences energy metabolism, anxiety and gastric emptying in mice”, Asakawa,A. et al.: Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558を参照);
例えば、ナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド・塩酸塩(CGP−71683A)の様な、NPYアンタゴニスト;
例えば、CJC−1682(ヒト血清アルブミンがCys34を介して結合したPYY3−36)、CJC−1643(インビボで血清アルブミンと結合するPYY3−36の誘導体)又は国際公開公報第2005080424号に記載されたものなどの、ペプチドYY3−36(PYY3−36)若しくは類縁化合物;
例えば、リモナバント、SR−147778、又は、例えば、欧州特許第0656354号、国際公開公報第00/15609号、国際公開公報第02/076949号、国際公開公報第2005080345号、国際公開公報第2005080328号、国際公開公報第2005080343号、国際公開公報第2005075450号、国際公開公報第2005080357号、国際公開公報第200170700号、国際公開公報第2003026647−48号、国際公開公報第200302776号、国際公開公報第2003040107号、国際公開公報第2003007887号、国際公開公報第2003027069号、米国特許第6,509,367号、国際公開公報第200132663号、国際公開公報第2003086288号、国際公開公報第2003087037号、国際公開公報第2004048317号、国際公開公報第2004058145号、国際公開公報第2003084930号、国際公開公報第2003084943号、国際公開公報第2004058744号、国際公開公報第2004013120号、国際公開公報第2004029204号、国際公開公報第2004035566号、国際公開公報第2004058249号、国際公開公報第2004058255号、国際公開公報第2004058727号、国際公開公報第2004069838号、米国特許第20040214837号、米国特許第20040214855号、米国特許第20040214856号、国際公開公報第2004096209号、国際公開公報第2004096763号、国際公開公報第2004096794号、国際公開公報第2005000809号、国際公開公報第2004099157号、米国特許第20040266845号、国際公開公報第2004110453号、国際公開公報第2004108728号、国際公開公報第2004000817号、国際公開公報第2005000820号、米国特許第20050009870号、国際公開公報第200500974号、国際公開公報第2004111033−34号、国際公開公報第200411038−39号、国際公開公報第2005016286号、国際公開公報第2005007111号、国際公開公報第2005007628号、米国特許第20050054679号、国際公開公報第2005027837号、国際公開公報第2005028456号、国際公開公報第2005063761−62号、国際公開公報第2005061509号若しくは国際公開公報第2005077897号に記載されたものなどの、カンナビノイド受容体1アンタゴニスト;
MC4アゴニスト(例えば、1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジルl−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド(国際公開公報第01/91752号));又はLB−53280、LB−53279、LB−53278、又はTHIQ、MB−243、RY−764、CHIR−785、PT−141、又は国際公開公報第2005060985号、国際公開公報第2005009950号、国際公開公報第2004087159号、国際公開公報第2004078717号、国際公開公報第2004078716号、国際公開公報第2004024720号、米国特許第20050124652号、国際公開公報第2005051391号、国際公開公報第2004112793号、国際米国特許第20050222014号、米国特許第20050176728号、米国特許第20050164914号、米国特許第20050124636号、米国特許第20050130988号、米国特許第20040167201号、国際公開公報第2004005324号、国際公開公報第2004037797号、国際公開公報第2005042516号、国際公開公報第2005040109号、国際公開公報第2005030797号、米国特許第20040224901号、国際公開公報第200501921号、国際公開公報第200509184号、国際公開公報第2005000339号、欧州特許第1460069号、国際公開公報第2005047253号、国際公開公報第2005047251号、欧州特許第1538159号、国際公開公報第2004072076号若しくは国際公開公報第2004072077号に記載されているもの;
オレキシン受容体アンタゴニスト(例えば、1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素・塩酸塩(SB−334867−A)、又は、例えば、国際公開公報第200196302号、国際公開公報第200185693号、国際公開公報第2004085403号若しくは国際公開公報第2005075458号に記載されているもの);
ヒスタミンH3受容体アゴニスト(例えば、3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オン・シュウ酸塩(国際公開公報第00/63208号) 、又は国際公開公報第200064884号、国際公開公報第2005082893号に記載されているもの);
CRFアンタゴニスト(例えば、[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(国際公開公報第00/66585号));
CRF−BPアンタゴニスト(例えば、ウロコルチン);
ウロコルチンアゴニスト;
β3アゴニスト(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール・塩酸塩(国際公開公報第01/83451号));
MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト;
MCH(メラニン濃縮ホルモン)受容体アンタゴニスト(例えば、NBI−845、A−761、A−665798、A−798、ATC−0175、T−226296、T−71、GW−803430、 又は国際公開公報第2003/15769号、国際公開公報第2005085200号、国際公開公報第2005019240号、国際公開公報第2004011438号、国際公開公報第2004012648号、国際公開公報第2003015769号、国際公開公報第2004072025号、国際公開公報第2005070898号、国際公開公報第2005070925号、国際公開公報第2004039780号、国際公開公報第2003033476号、国際公開公報第2002006245号、国際公開公報第2002002744号、国際公開公報第2003004027号若しくはフランス特許第2868780号に記載されている様な化合物);
CCK−Aアゴニスト(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸・トリフルオロ酢酸塩(国際公開公報第99/15525号)、SR−146131(国際公開公報第0244150号)又はSSR−125180など);
セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、デクスフェンフルラミン);
混合セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物(例えば、国際公開公報第00/71549号);
5−HT受容体アゴニスト、例えば、1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジン・シュウ酸塩(国際公開公報第01/09111号);
5−HT2C受容体アゴニスト(例えば、APD−356、BVT−933、又は国際公開公報第200077010号、国際公開公報第20077001−02号、国際公開公報第2005019180号、国際公開公報第2003064423号、国際公開公報第200242304号若しくは国際公開公報第2005082859号に記載されているもの);
例えば、国際公開公報第2005058858号に記載されている様な5−HT6受容体アンタゴニスト;
ボンベシン受容体アゴニスト(BRS−3アゴニスト);
ガラニン受容体アンタゴニスト;
成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン又はAOD−9604);
成長ホルモン放出化合物(第三級ブチル6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピル−アミノエチルエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボキシラート(国際公開公報第01/85695号));
例えば、A−778193又は国際公開公報第2005030734号に記載されているものなどの、成長ホルモン分泌促進剤受容体アンタゴニスト (グレリンアンタゴニスト);
TRHアゴニスト(例えば、欧州特許第0462884号を参照);
脱共役タンパク質2又は3調節剤;
レプチンアゴニスト(例えば、Lee, Daniel W.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya-Arena, Marina;Grasso, Patricia. Leptin agonist as a potential approach to the treatment of obesity, Drug of the Future (2001), 26(9), 873-881を参照);
DAアゴニスト(ブロモクリプチン又はドプレキシン(Doprexin));
リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、国際公開公報第00/40569号に記載されているもの);
例えば、米国特許第2004/0224997号、国際公開公報第2004094618号、国際公開公報第200058491号、国際公開公報第2005044250号、国際公開公報第2005072740号、日本特許第2005206492号又は国際公開公報第2005013907号に記載されている様な、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤;
例えば、C75、又は国際公開公報第2004005277号に記載されているものの様な、脂肪酸合成酵素(FAS)の阻害剤;
オキシントモジュリン;
例えば、KB−2115、又は国際公開公報第20058279号、国際公開公報第200172692号、国際公開公報第200194293号、国際公開公報第2003084915号、国際公開公報第2004018421号若しくは国際公開公報第2005092316号に記載されているものの様な、オレオイル−エストロン又は甲状腺ホルモン受容体アゴニスト;
との組み合わせで投与される。
【0078】
本発明の1つの実施態様において、更なる活性成分はレプチンである;例えば、“Perspectives in the therapeutic use of leptin”, Salvador, Javier; Gomez-Ambrosi, Javier; Fruhbeck, Gema, Expert Opinion on Pharmacotherapy (2001), 2(10), 1615-1622 を参照。
【0079】
本発明の1つの実施態様において、更なる活性成分はデクスアンフェタミン又はアンフェタミンである。
【0080】
本発明の1つの実施態様において、更なる活性成分はフェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンである。
【0081】
本発明の別の実施態様において、更なる活性成分はシブトラミンである。
【0082】
本発明の1つの実施態様において、更なる活性成分はマジンドール又はフェンテルミンである。
【0083】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、充填剤、好ましくは不溶性の充填剤(例えば、イナゴマメ/Caromax(登録商標)(Zunft H J; et al., Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia(高コレステロール血症治療用のイナゴマメ・パルプ製剤),ADVANCES IN THERAPY(2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6)を参照);Caromaxは、Nutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Industriepark Hochst, 65926 Frankfurt/Mainが提供しているイナゴマメ含有製品である)との組み合わせで投与される。Caromax(登録商標)との組み合わせは、1つの製剤内に入れることもできるし、又は式Iの化合物及びCaromax(登録商標)を別々に投与することによっても可能である。これに関連して、Caromax(登録商標)は、例えば、ベーカリー製品又はミューズリーバーのような食品の形態で投与することもできる。
【0084】
本発明の化合物と、1つ又はそれ以上の前記の化合物、及び場合により、更に1つ又はそれ以上の薬理学的に活性な物質との全ての適切な組み合わせは、本発明により与えられた保護の範囲内にあるものとみなされることは理解されるであろう。
【0085】
【化2】

【0086】
【化3】

【0087】
【化4】

【0088】
【化5】

【0089】
【化6】

【0090】
本発明は、更に、式Iの立体異性体の混合物及び式Iの純粋な立体異性体並びに式Iのジアステレオマーの混合物及び純粋なジアステレオマーに関する。混合物の分離はクロマトグラフィーで行われる。
【0091】
以下詳細に記述する実施例は、本発明を説明するために提供されるものであるが、それを限定するものではない。
【0092】
【表1】

【0093】
化合物の活性は以下のように試験した:
GPCR−GPR40を発現する組み換え細胞によるインビトロFLIPRアッセイ
機能検定のアッセイは、FLIPR方法(「Fluorescence Imaging Plate Reader」(Molecular Devices Corp.))を用いて行った。このため、GPCR−GPR40を発現する組み換えHEK293細胞における、アゴニストで誘起される細胞内Ca2+濃度の変化を測定した。
その検討のため、細胞を96ウェルのマイクロタイタープレートに播種(60,000細胞/ウェル)し、一夜生育させた。培地を除去し、細胞を、蛍光色素fluo-4を含む緩衝液中でインキュベートした。この色素負荷の後、細胞を洗浄し、被験物質を添加して細胞内Ca2+濃度の変化をFLIPR機器で測定した。結果は、コントロール(0%:被験物質無添加;100%:10μMの対照アゴニストのリノール酸添加)と対比したパーセント変化として示した。
【0094】
【表2】

【0095】
表から明らかなように、式Iの化合物は、GPR40受容体を活性化し、従って、高血糖症及び糖尿病の治療に極めて適切である。インスリン放出は、式Iの化合物によって増加する(Itoh et al., Nature 2003, 422, 173-176を参照)。
【0096】
式Iの化合物は、GPR120受容体に対しても対応する効果を示す可能性がある。
【0097】
式Iの化合物は、式II:
【化8】

式中、
LGは、例えば、ハロゲン、O−メシラート、O−トシラート、O‐トリフラート又はSO2Meなどの脱離基であり;そして、
n、m、R1及びR2は、上記の意味を有する;
の適切な出発物質を、式III:
【化8】

式中、
OR5は適切なエステル保護基であり;
Vは酸素又は硫黄原子であり;そして、
W、X及びYは、上記の意味を有する;
の化合物と、例えば、Na2CO3、Cs2CO3、K2CO3、NaH、DBU、DBN又はカリウムtert−ブトキシドなどの適切な無機及び有機塩基の影響下、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン又はテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で反応させ、式IV:
【化9】

の化合物を得ることにより製造することができる。
【0098】
Vが硫黄原子である一般式IVの化合物は、文献で公知の方法により、スルホキシド又はスルホンに酸化することができる。
エステル保護基がこの反応条件下で脱離されない場合は、引き続いてエステル保護基を文献で公知の方法により脱離して、式Iの化合物を得ることができる。
【0099】
Vが酸素原子である式Iの化合物は、また式V:
【化10】

式中、
R1及びR2は、上記の意味を有する;
の適切な出発物質(合成は文献で十分公知である)を、一般式VI:
【化11】

のアルコールと、Mitsunobu反応条件下(O. Mitsunobu, Synthesis 1981, 1-28)で反応させて、Vが酸素原子である一般式IVの化合物を得る。Mitsunobu反応条件は、またその後の文献(S. Dandapani, D.P. Curran, Tetrahedron 2002, 58 (20), 3855-3864)にのみ開示されているペルフルオロ化トリフルオロホスフィン及びペルフルオロアゾジカルボキシラート変形体の使用をも意味する。続いてエステルを切断して式Iの化合物を得ることは、文献で公知の方法により実施される。
【0100】
更に、一般式IIの化合物を一般式IX:
【化12】

の化合物と、例えば、Na2CO3、Cs2CO3、K2CO3、NaH、DBU、DBN又はカリウムtert−ブトキシドの様な適切な塩基の存在下、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン又はテトラヒドロフランの様な適切な溶媒中で反応させて、式X:
【化13】

の化合物を得ることができる。
【0101】
一般式Xの化合物を、例えば、ジ、トリ及びテトラクロロメタンの様な塩素化溶媒中、ルテニウム又はモリブデン含有メタセシス触媒の存在下、一般式XI:
【化14】

のアクリル酸エステルと反応させ、一般式XII:
【化15】

の化合物を得ることができる。
【0102】
アクリル酸エステルのシクロプロパン化は、文献で公知の方法により行うことができ、例えば、ジメチルスルホキシド中のトリメチルスルホオキソニウム・ヨージド及び塩基としての水素化ナトリウムを用いて、一般式XIII:
【化16】

の化合物を得ることができる。
【0103】
標準的な方法によるそれぞれのエステル基の切断により、一般式XIV:
【化17】

の化合物を得ることができる。
【0104】
いくつかの実施例の製造を以下に詳細に説明するが、その他の式Iの化合物も同様にして得られた。
【0105】
実験の部:
〔実施例1〕
(1S,3R)−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシメチル)
シクロヘキサンカルボン酸
水素化ナトリウム(油中の懸濁液)(94mg、2.34mmol)を、(1S,3R)−3−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルボン酸メチル(178mg、1.03mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に0℃で加えた。30分後、2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジン(250mg、0.94mmol)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加えた。反応混合物を室温まで温め、そして60℃で2時間加熱した。溶媒を高真空下で濃縮し、残留物を水及びジクロロメタンと混合した。1NのHClで酸性にした後、水相をジクロロメタンで抽出し、乾燥し、濃縮した。未精製の混合物をシリカゲル上でのヘプタン/酢酸エチル(傾斜溶離液:0〜25%、40分間、次いで定組成溶離液、20分間)溶出で精製した。所望の生成物(55mg、15%)を得た。
MS:m/z=775.6(2M−H)。
【0106】
〔実施例2〕
cis−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸
cis−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸を、cis−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸メチル及び2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジンから実施例1と類似の方法で得た。
MS:m/z=775.6(2M−H)。
【0107】
〔実施例3〕
cis−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシメチル)シクロペンタンカルボン酸
F−36009−136−A
cis−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシメチル)シクロペンタンカルボン酸を、cis−3−ヒドロキシメチルシクロペンタン−1−カルボン酸メチル及び2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジンから、実施例1と類似の方法で得た。
MS:m/z=747.5(2M−H)。
【0108】
〔実施例4〕
cis/trans−4−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸
F−36141−087−1
cis/trans−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルボン酸(316mg、2mmol)をジオキサン(5ml)に溶解し、そして水素化ナトリウム(120mg、3mmol、60%)を加えた。室温で30分後、2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジン(266mg、1mmol)を加えた。90℃で48時間後、混合物を蒸発させ、酢酸エチルに溶解した。溶液を半飽和の重炭酸ナトリウム溶液、及びリン酸二水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル上で、ヘプタンからヘプタン/酢酸エチル(1:1)の傾斜溶出液で精製した。所望の生成物(30mg、8%)を得た。
MS:m/z=389.2(M+H)。
【0109】
〔実施例5〕
[3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)アダマンタン−1−イル]酢酸
F−36141−090−1
(3−メルカプトアダマンタン−1−イル)酢酸(125mg、0.55mmol)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液を、DBU(123μl、0.83mmol)及び2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジン(72mg、0.27mmol)と混合し、そして70℃で4時間、90℃で2時間撹拌した。
混合物を分取型HPLC(方法A)で精製した。所望の生成物(55mg、45%)を得た。
MS:m/z=457.4(M+H)。
【0110】
〔実施例6〕
(1S)−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)シクロヘキサンカルボン酸
(1S)−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)シクロヘキサンカルボン酸メチル
ジフェニルペルフルオロデシルホスフィン(1.5g、2.12mmol)を、(1S,3R)−3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸メチル(280mg、1.76mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に加えた。30分後、4,5−ジフェニルピリミジン−2−オール(525mg、2.12mmol)及びテトラヒドロフラン(2ml)を加え、その混合物を再び30分間撹拌した。
アゾジカルボン酸ビス(ペルフルオロノニル)(1.77g、2.12mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を徐々に滴下して加え(発熱反応)、そして室温で2時間撹拌した。懸濁液にジメチルホルムアミド(1ml)を加えて、懸濁液を溶液に転換することはできなかった。反応混合物を吸引濾過した(沈澱物は4,5−ジフェニルピリミジン−2−オール(408mg)であった)。濾液をFluoroFlash カートリッジを通して2回濾過し、メタノール/水=4/1で洗浄し、濾液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上で(ヘプタン/酢酸エチル;100%ヘプタン:10分間;0%〜45%酢酸エチル傾斜溶離液:45分間)分離し、所望の生成物(28mg、4%)を得た。
MS:m/z=389.1(M+H)。
(1S)−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)シクロヘキサンカルボン酸
(1S)−3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)シクロカルボン酸メチル(28mg、0.07mmol)を、テトラヒドロフラン(360μl)及び1Nの水酸化リチウム水溶液(360μl)と混合し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、硫酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。所望の生成物(17mg、64%)を得た。
MS:m/z=375.5(M+H)。
【0111】
〔実施例7〕
2−[5−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸
チオ酢酸S−6−ヘプテニル
6−ヘプテニル−1−ブロミド(3.4 g、19.2mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)溶液に、チオ酢酸カリウム(2.4g、21mmol)を混合し、室温で2時間撹拌した。混合物をMTBE(50ml)中に取り込み、飽和のNaCl溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮し、残留物を精製をせずに次の工程で用いた。
2−ヘプタ−6−エニルスルファニル−4,5−ジフェニルピリミジン
チオ酢酸S−6−ヘプテニルの未精製生成物をメタノール(80ml)に溶解し、脱気した。炭酸カリウム(2.7mg、20mg)を加え、次いで室温で3時間撹拌し、全ての揮発性成分を減圧下で濃縮した。2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジン(3.2g、12mmol)を、脱気したジメチルホルムアミド(45ml)に溶解し、残留物に添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、混合物をMTBE(200ml)中に取り込み、飽和のNaCl溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮し、残留物をシリカゲル上でヘプタン/酢酸エチル(10:1)を用いて精製した。所望の生成物(2.9mg、67%)を得た。
MS:m/z=361.5(M+H)。
8−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)オクタ−2−エン酸tert−ブチル
2−ヘプタ−6−エニルスルファニル−4,5−ジフェニルピリミジン(361mg、1mmol)及びアクリル酸tert−ブチル(384mg、3mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液を注意深く脱気し、Grubbs II触媒(80mg)と混合し、室温で18時間撹拌した。揮発性成分を蒸発させた後、シリカゲル上で、ヘプタン/酢酸エチル(10:1)を用いて精製した。所望の生成物(346mg、75%)を得た。
MS:m/z= 461.6(M+H)。
2−[5−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)ペンチル]
シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル
トリメチルスルホオキソニウム・ヨージド(148mg、0.675mmol、1.35当量)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を、水素化ナトリウム(26mg、60%)と混合し、室温で1時間撹拌した。ジメチルスルホキシド(1ml)に溶解した8−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)オクタ−2−エン酸tert−ブチルを加え、そして室温で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチルに溶解し、飽和のNaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。残留物を、シリカゲル上で、ヘプタン/酢酸エチル(10:1)を用いて精製した。所望の生成物(96mg、40%)を得た。
MS:m/z=475.7(M+H)。
2−[5−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸
2−[5−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル(96mg、0.2mmol)を、ジクロロメタン(2ml)及びTFA(2ml)の混合物に溶解し、室温で2時間撹拌した。全ての揮発性成分を減圧下で除去した後、分取型HPLC(方法A)で精製した。所望の生成物(60mg、87%)を得た。
MS:m/z=419.14(M+H)。
【0112】
〔実施例8〕
2−[5−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸
F−36341−084−1
2−[5−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルスルファニル)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸を、5−ヘキセニル−1−ブロミド及び2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジンから実施例7と同様の方法で得た。
MS:m/z=405.13(M+H)。
【0113】
〔実施例9〕
2−[4−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)ブチル]シクロプロパンカルボン酸
F−36341−088−1
2−ヘキサ−5−エニルオキシ−4,5−ジフェニルピリミジン
ジオキサン(30ml)に溶解した5−ヘキセン−1−オール(1.50g、15mmol)を、水素化ナトリウム(60%、600mg、15mmol)と室温で30分間撹拌した。2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジン(1.7g、7.5mmol)を加え、次いで室温で6時間撹拌した。MTBEに溶解し、飽和のNaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲル上で、ヘプタン/酢酸エチル(15:1)を用いて精製した。所望の生成物(1.93mg、77%)を得た。
MS:m/z=331.1(M+H)。
2−[4−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)ブチル]シクロプロパンカルボン酸を、更に、実施例7と同様の方法で得た。
MS:m/z=389.1(M+H)。
【0114】
〔実施例10〕
2−[3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸
F−36341−095−1
2−[3−(4,5−ジフェニルピリミジン−2−イルオキシ)ペンチル]シクロプロパンカルボン酸を、6−ヘプテン−1−オール及び2−クロロ−4,5−ジフェニルピリミジンから実施例9と同様の方法で得た。
MS:m/z=403.6(M+H)。
方法A:
固定相:Col YMC Jsphere 33×2;
傾斜溶離液: (ACN+0.05%:TFA):(H2O+0.05%:TFA);5:95(0分)〜95:5(3.4分)〜95:5(4.4分);流量:1ml/min。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
R1、R2は、 互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2 OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;
nは、0、1、2、3、4又は5であり;
mは、0、1、2、3、4又は5であり;
Vは、O、S、SO又はSO2であり;
Wは、結合、(C1−C7)−アルキレン、(C2−C7)−アルケニレン又は(C2−C7)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
Xは、一、二、三環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり、ここで、シクロアルキル環は、R4で1回又はそれ以上置換されても良く;
Yは、結合、(C1−C4)−アルキレン、(C2−C4)−アルケニレン又は(C2−C4)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
R3は、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2、F、Cl、Br、CN、OH、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル又は(C2−C6)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;そして、
R4は、F、Cl、Br、CN、(C1−C4)−アルキル又はO−(C1−C4)−アルキルであり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良い]
の化合物、及び生理学的に許容されるその塩。
【請求項2】
R1、R2は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2 OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;
nは、0、1、2、3、4又は5であり;
mは、0、1、2、3、4又は5であり;
Vは、O、S又はSOであり;
Wは、結合、(C1−C7)−アルキレン、(C2−C7)−アルケニレン又は(C2−C7)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンはR3で1回又はそれ以上置換されても良く;
Xは、一、二、三環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり、ここで、シクロアルキル環は、R4で1回又はそれ以上置換されても良く;
Yは、結合、(C1−C4)−アルキレン、(C2−C4)−アルケニレン又は(C2−C4)−アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンは、R3で1回又はそれ以上置換されても良く;
R3は、NH2、NH(C1−C4)−アルキル、N[(C1−C4)−アルキル]2、F、Cl、Br、CN、OH、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル又は(C2−C6)−アルキニルであり、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良く;そして、
R4は、F、Cl、Br、CN、(C1−C4)−アルキル又はO−(C1−C4)−アルキルであり、ここで、アルキルは、F、Cl、Br又はCNで1回又はそれ以上置換されても良い;
請求項1に記載の式Iの化合物、及び生理学的に許容されるその塩。
【請求項3】
R1、R2は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3又はOCH3であり;
nは、0、1、2、3、4又は5であり;
mは、0、1、2、3、4又は5であり;
Vは、O又はSであり;
Wは、結合又は(C1−C7)−アルキレンであり;
Xは、一、二、三環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり、ここで、シクロアルキル環はR4で1回又はそれ以上置換されても良く;
Yは、結合又は(C1−C4)−アルキレンであり;そして、
R4は、F、Cl、Br、CN、(C1−C4)−アルキル又はO−(C1−C4)−アルキルである;
請求項1又は2に記載の式Iの化合物、及び生理学的に許容されるその塩。
【請求項4】
R1、R2は、互いに独立に、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、OH、CN、F、Cl、Br、O−フェニル、CF3、OCF3 又はOCH3であり;
nは、0であり;
mは、0であり;
Vは、O又はSであり;
Wは、結合又は(C1−C7)−アルキレンであり;そして、
Xは、一又は二環の(C3−C12)−シクロアルキル環であり;そして、
Yは、結合又は(C1−C4)−アルキレンである;
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物、及び生理学的に許容されるその塩。
【請求項5】
調合薬として使用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
1つ又はそれ以上の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を含む調合薬。
【請求項7】
1つ又はそれ以上の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、及び少なくとも1つの更なる活性成分を含む調合薬。
【請求項8】
更なる活性成分として1つ又はそれ以上の抗糖尿病薬、血糖降下活性成分、HMGCoA還元酵素阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、PPARγアゴニスト、PPARαアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARδアゴニスト、フィブラート、MTP阻害剤、胆汁酸吸収阻害剤、CETP阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着体、LDL受容体誘導因子、ACAT阻害剤、抗酸化剤、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、リポタンパク質 (a)アンタゴニスト、HM74A受容体アゴニスト、リパーゼ阻害剤、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤、β細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する活性成分、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、グルコキナーゼの活性化剤、糖新生の阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、グルコーストランスポーター4(GLUT4)の調節剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼの阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1の阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ1Bの阻害剤、ナトリウム依存性グルコーストランスポーター1又は2の調節剤、ホルモン感受性リパーゼの阻害剤、アセチル−CoAカルボキシラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの阻害剤、プロテインキナーゼCβの阻害剤、エンドセリンA受容体アンタゴニスト、IκBキナーゼの阻害剤、グルココルチコイド受容体の調節剤、CARTアゴニスト、NPYアゴニスト、MC4アゴニスト、オレキシンアゴニスト、H3アゴニスト、TNFアゴニスト、CRFアゴニスト、CRF−BPアンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、CB1受容体アンタゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、CCKアゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、混合セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物、5HTアゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRHアゴニスト、脱共役タンパク質2又は3調節剤、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPAR調節剤、RXR調節剤若しくはTR−βアゴニスト又はアンフェタミンを含む、請求項7に記載の調合薬。
【請求項9】
血糖を降下させる医薬品を製造するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
糖尿病を治療する医薬品を製造するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
インスリン放出を増加させる医薬品を製造するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の1つ又はそれ以上を含む調合薬の製造方法であって、活性成分を薬学的に適切な担体と混合し、そしてこの混合物を投与に適切な形態に変換することを含む製造方法。

【公表番号】特表2009−536626(P2009−536626A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508190(P2009−508190)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003803
【国際公開番号】WO2007/131619
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】