説明

6−メルカプトプリンの遅効性製剤

本発明は、胃の通過の後、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を示す、6−メルカプトプリンの腸溶性被覆された製剤を提供する。任意には、製剤はまた、胃の通過に続いて一定期間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、さらなる遅延性を提供する遅延性被膜を、腸溶性被膜の他に含んで成る。そのような期間は、胃の通過後、少なくとも1時間である。腸溶性被膜及び任意の遅延性被膜により付与される遅延性によれば、製剤は、これまでの製剤よりも良好な生物学的利用能及び早い溶解性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、6−メルカプトプリンの改良された製剤の調製方法、及び6−メルカプトプリンが、胃を通して及び腸中ヘの前記組成物の通過の後、開放されるよう、6−メルカプトプリンの遅延された開放性を示す、6−メルカプトプリンの改良された製剤を含んで成る医薬組成物に関する。遅延された開放に続いて、前記組成物は、従来技術の製剤よりも、水性条件下で6−メルカプトプリンのより早い放出性を示し、そしてまた従来技術の製剤よりもより好ましい生物学的利用能プロフィールを示す。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
6−メルカプトプリン(6−MP)は、天然のプリン塩基の合成類似体である。身体中への吸収の後、それは特に活性S期における核酸生合成を妨げるヌクレオチドに転換される。それ自体、癌細胞の増殖を遅延するために使用される。6−MPは、成人及び子供の両者における急性リンパ球白血病の処理のために単一療法として及び組合せ療法の一部として示される(Physician's Desk Reference 57th Edition, 2003, page 1615-1618)。6−MPはまた、免疫抑制性質を示す。免疫抑制による処理が有益である疾病に関しては、表向きには示されていないが、6−MPは、いくつかのそのような病状、特にクローン病及び大腸炎に関して広く使用されて来た。
【0003】
6−MPは経口投与され、そして部分的及び種々の吸収及び生物学的利用能を有する。経口用量の約50%が吸収される。6−MPは、特にチオプリンメチルトランスフェラーゼにより、さらに代謝を受けやすい。
【0004】
6−MPの治療可能性を改良するための必要性は、長い間、知られて来た。中でも、アメリカ特許第4,443,435号及び第5,120,740号は、この有能な薬物の使用を改良する手段として、6−MPについてのプロドラッグの調製を記載している。この種類の研究は、アメリカ特許出願公開第20040013728号、第20030232760号、及び 第20020013287号に見出されるように、継続する。アメリカ特許第6,680,302号; 第6,576,438号; 及び第 6,355,623号は、6−MPの代謝物及び/又はチオプリンメチルトランスフェラーゼ活性をモニターし、そしてその結果に基づいて用量を設定することにより、白血病及び腸疾患、例えばクローン病又は大腸炎の6−MP処理の治療結果を改良する方法を記載する。
【0005】
アメリカ特許第6,692,771 号及び第6,680,068号及びアメリカ特許出願公開第20030077306号及び第 20020160049号は、6−MPの身体中への侵入を助けることができるエマルジョン製剤を記載し、そしてアメリカ特許第6,602,521 号及び第 6,372,254号、及びアメリカ特許出願公開第20030133976号及び第20020164371号は、6−MPの治療性を改良する薬物供給システムを記載する。それらの後者の特許のいずれも、6−MPによる改良された生物学的利用能又は治療結果を示すデータは示されていない。6−MPの生物学的利用能を改良する6−MPの改良された供給のための製剤についての必要性が存在する。6−MPの改良された供給のための製剤について必要性が存在する。
【0006】
標準の6−MP錠剤(Physician's Desk Reference 57th Edition, 2003, page 1615-1618に記載される)は、50rpmで回転する櫂を用いてのUSP型II溶解ユニットを用いて、酸溶解条件下で約1時間後、十分な溶解性に達する。50%の溶解度に、10〜15分で達する。この溶解速度は、所望されるほど早くはない。不十分な溶解性粉末の溶解速度を改良するための1つの方法は、それらを超微粉砕することである。6−MPの場合、超微粉砕は、標準の製剤に比較して、配合される錠剤の溶解速度をほとんど改良しない。改良される溶解速度の欠失は、標準の製剤に比較して、改良された生物学的利用能を示すためには、そのような錠剤を不可能にする。製剤へのさらなる改良性が明らかに必要とされる。
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明は、6−メルカプトプリンが投与形中に配合され、そして腸溶性被膜、例えばEUDRAGIT(商標)Lを含んで成る、6−メルカプトプリンの医薬組成物に関する。腸溶性被膜は、胃における6−メルカプトプリンの開放を実質的に妨げる。医薬組成物はまた、医薬組成物が胃を通過した後、一定に期間、6−メルカプトプリンの開放を遅延する遅延性被膜も有することができる。1つの態様においては、腸溶性被膜及び遅延性被膜は、用量形が胃を通過した後、少なくとも1時間、投与形からの薬物開放を遅延する。
【0008】
1つの態様においては、用量形は錠剤であり、そして腸溶性被膜は錠剤を被覆する。もう1つの態様においては、投与形は、カプセルにおける粉末、粒質物又はペレットであり、そして腸溶性被膜は、カプセルの外側を被覆する。もう1つの態様においては、投与剤はカプセルにおけるペレットであり、ここでペレットは腸陽性被覆により個々に被覆される。
本発明のもう1つの観点は、遅延の後、薬物をいっせいに開放する遅効性投与形に配合される6−メルカプトプリンの医薬組成物に関する。
【0009】
もう1つの態様においては、6−メルカプトプリンの医薬組成物は、投与形に配合され、そして腸溶性被膜及び任意には、遅延性被覆により被覆され、そして本明細書に記載される6−メルカプトプリンの医薬組成物のいずれか(すなわち、標準の製剤に比較して、増強された開放速度又は増強された生物学的利用能を付与するものとして本明細書において記載される、流動層又は他の装置における溶媒又は塩基性エタノール水からの噴霧粒質化された形のいずれか)である。他方では、6−メルカプトプリンの腸溶性被覆された製剤は、腸溶性被膜及び任意には、遅延性被膜を提供された標準の製剤であり得る。
【0010】
本発明の腸溶性被覆された組成物は、溶解槽において試験される場合、被覆の前、6−メルカプトプリンの改良された開放速度を付与する6−メルカプトプリンの組成物を包含する。6−メルカプトプリン及び医薬キャリヤーの溶液を粒質化し、そしてそれから錠剤を形成することにより、6−メルカプトプリンの溶解速度を改良する組成物が生成されることが見出された。6−メルカプトプリンの溶解速度の改良性が6−メルカプトプリンの生物学的利用能の改良性を導くことがさらに見出された。そのような組成物は、腸溶性被膜と組合され、その結果、改良された溶解性及び生物学的利用能が、遅延の後、例えば組成物が経口投与され、そして胃を通過した後に生じる。
【0011】
次に、腸溶性被膜は、腸において溶解し、そして次に、改良された開放特徴が示される。これは、遅延された、続く従来技術の製剤により適合され得ない改良された供給動力学の価値ある組合せを生成する。好ましい態様においては、組成物は、腸溶性被膜下に遅延性皮膜により供給され、その結果、6−メルカプトプリンの開放性が、組成物が胃に残存した後、一定の期間、遅延され、そして腸中に移動される。ある態様においては、前記一定の期間は、1,2,又は3時間であり得る。適切な遅延被膜の選択によれば、6−メルカプトプリンの開放の遅延が、所望する予定される時間まで設定され得る。
【0012】
腸溶被膜された医薬組成物及び製剤の次の記載においては、及び腸溶性被覆された医薬組成物の製造方法の記載においては、腸溶性被覆された医薬組成物及び製剤が、所望により、腸溶性被膜下に遅延性皮膜を供給され得ることが理解されるべきである。
【0013】
1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで被覆の前、試験される場合、医薬組成物は、6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物50mgを含んで成る錠剤の溶解が50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、7分以下で50%以上の6−メルカプトプリンの溶解度を示す。
【0014】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで被覆の前、試験される場合、6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められる。
【0015】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、医薬組成物が、標準の製剤に比較して、哺乳類に投与される場合、少なくとも15%改良される。
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン、及び医薬的に許容できる酸のカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム又はカルシウム塩を含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
【0016】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン、及び酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択された医薬的に許容できる酸のカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニア又はカルシウム塩を含んで成る、腸溶性被覆された医薬組成物に関する。ある態様においては、組成物は、被覆の前に試験される場合、標準の製剤に比較して、水性酸において増強された溶解性を示す。
【0017】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン及びクエン酸カリウムを含んで成る医薬組成物に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化されている、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
【0018】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から、流動層において行われる噴霧粒質化される、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記6−メルカプトプリンの溶液のための溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒を含んで成る。
【0019】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記6−メルカプトプリンの溶液のための溶媒が、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る。
【0020】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記6−メルカプトプリンの溶液のための溶媒が、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム及びエタノール/水酸化カリウムから成る群から選択された溶媒を含んで成る。
【0021】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記6−メルカプトプリンの溶液のための溶媒が、エタノール/水酸化カリウム、又はエタノール/水/水酸化カリウムを含んで成る。
【0022】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記医薬キャリヤー粉末は、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る。
【0023】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、ラクトース又は微晶性セルロースを含んで成る許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
【0024】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記医薬キャリヤー粉末は、その医薬キャリヤー粉末に適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウム又は他の医薬的に許容できる塩基のモル量よりも高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される。
【0025】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる医薬キャリヤー粉末上に溶液から6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関し、ここで前記医薬キャリヤー粉末は、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択される酸を含んで成る溶液により予備−噴霧される。
【0026】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる、クエン酸の溶液により予備−噴霧された医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化された、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、約3%〜約20%の6−メルカプトプリン及び約4%〜約30%のクエン酸カリウムを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
【0027】
もう1つの態様においては、本発明は、約8%の6−メルカプトプリン及び約5%のクエン酸カリウムを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが許容できる、クエン酸の溶液により予備−噴霧された医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化された、約3%〜約20%の6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物に関する。
【0028】
本発明のもう1つの観点においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリンの医薬組成物の製造方法に関する。
【0029】
もう1つの態様においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記6−メルカプトプリンは、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解される。
【0030】
もう1つの態様においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記6−メルカプトプリンは、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解される。
【0031】
もう1つの態様においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記6−メルカプトプリンは、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムから成る群から選択される溶媒を含んで成る溶媒に溶解される。一定の態様においては、前記溶媒は、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムから実質的に成る。
【0032】
もう1つの態様においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記6−メルカプトプリンは、エタノール/水酸化カリウム、又はエタノール/水/水酸化ナトリウムに溶解される。
【0033】
もう1つの態様においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る。
【0034】
もう1つの態様においては、本発明は、ラクトース粉末又は微晶性セルロースを含んで成る、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関する。
【0035】
もう1つの態様においては、本発明は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、その医薬キャリヤーに適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウム又はたの医薬的に許容できる塩基のモル量よりも少なくともほぼわずかに高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される。
【0036】
もう1つの態様においては、本発明は、流動相グラヌレーターを用いての医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリン医薬組成物の製造方法に関する。
【0037】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関する。もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関する。
【0038】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解することを含んで成る。ある態様においては、前記溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物から実質的に成る。
【0039】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解することを含んで成る。ある態様においては、前記溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物から実質的に成る。
【0040】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解することを含んで成る。
【0041】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解することを含んで成る。
【0042】
ある態様においては、前記溶媒は、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、又はエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から実質的に成る。
【0043】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムから成る群から選択される溶媒を含んで成る溶媒に溶解することを含んで成る。
【0044】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム及びエタノール/水酸化カリウムから成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解することを含んで成る。ある態様においては、前記溶媒は、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムから実質的に成る。
【0045】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、エタノール/水酸化カリウム、又はエタノール/水/水酸化ナトリウムに溶解することを含んで成る。
【0046】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンを、エタノール/水酸化カリウム、又はエタノール/水/水酸化ナトリウムに溶解することを含んで成る。
【0047】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る。
【0048】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る。
【0049】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、ラクトース粉末を含んで成る。
【0050】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、ラクトース粉末、又は微晶性セルロースを含んで成る。
【0051】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、前記医薬キャリヤー粉末は、その医薬キャリヤー粉末に適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウム又は他の医薬的に許容できる塩基のモル量よりも高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される。
【0052】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、その医薬キャリヤーに適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウムのモル量よりも高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される。
【0053】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが、7分以内に50%以上の程度、0.1NのHClにおいて溶解するよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液を、流動相グラヌレーターを用いての噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関する。
【0054】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリン製剤の50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められるよう、増強された溶解性質を有する6−メルカプトプリンの製剤を製造するために医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を、流動相グラヌレーターを用いての噴霧粒質化し、続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆する方法に関する。
【0055】
本発明のもう1つの観点においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記方法は、6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物を腸溶性被覆することを含んで成る。
【0056】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物の製造方法に関し、ここで前記方法は、医薬キャリヤー上への6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を包含し、ここで前記6−メルカプトプリンは、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解される。ある態様においては、前記溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から実質的に成る。
【0057】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物(続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために腸溶性被覆される)の製造方法に関し、ここで前記6−メルカプトプリンは、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解される。ある態様においては、前記溶媒は、水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、又はエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から実質的に成る。
【0058】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物(続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために腸溶性被覆される)の製造方法に関し、ここで前記溶液は、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム及びエタノール/水酸化カリウムから成る群れから選択された溶媒を含んで成る溶媒に溶解された6−メルカプトプリンである。
【0059】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物(続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために腸溶性被覆される)の製造方法に関し、ここで前記溶液は、エタノール/水酸化カリウム、又はエタノール/水/水酸化ナトリウムに溶解された6−メルカプトプリンである。
【0060】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物(続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために腸溶性被覆される)の製造方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る。
【0061】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、ラクトースを含んで成る医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物の製造方法に関する。
【0062】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、6−メルカプトプリンの医薬組成物(続いて6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために腸溶性被覆される)の製造方法に関し、ここで前記医薬キャリヤーは、前記医薬キャリヤー粉末は、その医薬キャリヤー粉末に適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウム又は他の医薬的に許容できる塩基のモル量よりも高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される。
【0063】
もう1つの態様においては、本発明は、本発明の組成物を哺乳類に投与する場合、標準の製剤に比較して、生物学的利用能が少なくとも約15%改良されるよう、増強された生物学的利用能性質を有する、流動相グラニュレーターを用いて医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液の噴霧粒質化、続く6−メルカプトプリンの遅延された開放性を提供するために医薬組成物の腸溶性被覆を含んで成る、6−メルカプトプリンの医薬組成物の製造方法に関する。
【0064】
本発明のもう1つの観点は、遅延された開放性製剤に6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を、クローン病、関節炎又は大腸炎を有する患者に投与する方法である。
本発明の1つの観点においては、6−メルカプトプリンの開放性が、その投与形が胃を通過した後、少なくとも1時間、遅延される。
もう1つの観点においては、本発明は、標準の製剤に比較して、被覆の前、試験される場合、水性酸において増強された溶解性を示す、6−メルカプトプリンを含んで成る、腸溶性被覆された医薬組成物を、その必要な患者に投与する方法に関する。
【0065】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンが7分以内に50%以上の程度まで0.1NのHClに溶解し、又は6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、被覆の前、試験される場合、少なくとも約30%低められるよう、水性酸において増強された溶解性を示す、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、その必要な患者に投与する方法に関する。
【0066】
もう1つの態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、その必要な患者に投与する方法に関し、ここでその生物学的利用能は、標準の製剤に比較して、哺乳類に前記組成物を投与する場合、少なくとも15%改良される。
もう1つの態様においては、本発明は、標準の製剤に比較して、被覆の前、試験される場合、水性酸において増強された溶解性を示す、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、白血病又は他の癌を処理するために、その必要な患者に投与する方法に関する。
【0067】
もう1つの態様においては、本発明は、標準の製剤に比較して、被覆の前、試験される場合、水性酸において増強された溶解性を示す、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、クローン病、関節炎又は大腸炎を処理するために、その必要な患者に投与する方法に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、標準の製剤に比較して、被覆の前、試験される場合、哺乳類に投与する場合、その生物学的利用能が少なくとも15%改良される、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、白血病又は他の癌を処理するために、その必要な患者に投与する方法に関する。
【0068】
もう1つの態様においては、本発明は、標準の製剤に比較して、被覆の前、試験される場合、哺乳類に投与する場合、その生物学的利用能が少なくとも15%改良される、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、クローン病、関節炎又は大腸炎を処理するために、その必要な患者に投与する方法に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、投与される用量が、少なくとも約15%低められ、そして標準の製剤と同じ生物学的利用能を達成する、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、白血病又は他の癌を処理するためにその必要な患者に投与する方法に関する。
【0069】
もう1つの態様においては、本発明は、投与される用量が、少なくとも約15%低められ、そして標準の製剤と同じ生物学的利用能を達成する、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、クローン病、関節炎又は大腸炎を処理するためにその必要な患者に投与する方法に関する。
本発明のもう1つの観点は、6−メルカプトプリンの遅延された開放性製剤により、クローン病、関節炎、又は大腸炎を有する患者を処理する方法である。
【0070】
本発明の1つの態様においては、6−メルカプトプリンの開放性は、その投与形が胃を通過した後、少なくとも1時間、遅延される。
本発明のもう1つの態様においては、6−メルカプトプリンの方法は、その投与形が胃を通過した後、少なくとも1時間、遅延され、そしてその開放は、その後、短時間にわたって生じる(いっせいの開放)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
好ましい態様の記載
本発明は、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を示す6−メルカプトプリンの腸溶性被覆された組成物に向けられる。遅延された開放性は、腸における6−メルカプトプリンの高い局部濃度を提供する。
ある態様においては、本発明は、6−メルカプトプリンの腸溶性被覆された組成物に向けられ、ここで被覆されていない組成物は、溶解槽において試験される場合、改良された溶解速度を提供し、そして哺乳類に投与される場合、改良された生物学的利用能特徴を示す。
【0072】
本明細書において使用される場合、“標準の製剤”とは、商品名PURINETHOL(商標)としてアメリカ合衆国において市販されているPhysician's Desk Reference, 57th edition, 2003, pages 1615-1618に記載される製剤である。
本明細書において使用される場合、本発明の材料又は組成物の用語“増強された溶解性質”又は“増強された溶解性”とは、標準の製剤に比較して、本発明の材料又は組成物の改良された溶解速度又は改良された溶解性の程度を意味する。
【0073】
本明細書において使用される場合、用語“改良された生物学的利用能”とは、同一の条件下で標準の製剤からの体液における薬物の濃度に比較して、本発明の組成物により供給される体液における薬物の濃度の上昇を言及する。薬物生物学的利用能は、ヒト又は動物において薬物動力学試験により測定される場合、時間に対する血液又は血漿に見出される薬物の濃度の曲線下の合計面積(AUC)に比例し、そして典型的には、それにより測定される。
【0074】
AUCは、AUCt、すなわち最後に測定された時点までの曲線下の面積として、又はAUCI、すなわち無限時点までの外挿される曲線下の面積として表され得る。生物学的利用能の改良度は、薬物の標準の製剤の投与により得られる同じ対象の平均AUCに比較して、改良された製剤を投与する場合、この試験における対象の平均AUCの%上昇率により測定される。他方では、対照製剤のAUC(AUCr)に対する試験製剤(AUCf)のAUC比率が、対象当に基づいて計算され、そして次に、平均が取られる。次に、100%以上の平均比率(AUCf/AUCr)の%が、生物学的利用能の改良性である。
【0075】
本明細書において使用される場合、用語“わずかな理論量的過剰”とは、モル%によれば、約0.1%〜約30%、好ましくは約0.5%〜約15%、より好ましくは約1%〜約5%の理論量的過剰を意味する。
本明細書において使用される場合、“予備−噴霧される”とは、酸−噴霧される医薬キャリヤーが6−メルカプトプリンの溶液と接触される前、酸により医薬キャリヤー粉末を噴霧することを意味する。
【0076】
本明細書において使用される場合、“粉末”とは、材料に依存して、1〜800ミクロン、より好ましくは2〜500ミクロン及び最も好ましくは2〜100ミクロン又は50〜400ミクロンのサイズ範囲を有する医薬キャリヤーの粒子を意味する。
本明細書において使用される場合、“6−MP”は、6−メルカプトプリンを意味する。
【0077】
本明細書において使用される場合、6−メルカプトプリンの開放性が、胃を通しての組成物の通過の前、実質的に生じない“とは、組成物における、約10%以下、好ましくは約5%以下、及びより好ましくは約1%以下の6−メルカプトプリンが、胃を通しての組成物の通過の前、開放されることを意味する。言い換えれば、組成物における、少なくとも90%、好ましくは少なくとも約95%及びさらに好ましくは少なくとも約99%の6−メルカプトプリンが、組成物が胃を通過した後、開放される。
【0078】
本明細書において使用される場合、“6−メルカプトプリンの開放性が、胃を通しての組成物の通過の後、少なくともほぼ予定された期間まで実質的に生じない”とは、組成物における、約10%以下、好ましくは約5%以下及びさらに好ましくは約1%以下の6−メルカプトプリンが、胃を通しての組成物の通過の後、予定された期間の前、開放されることを意味する。言い換えれば、組成物における、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも、約95%、及びさらにより好ましくは少なくとも99%の6−メルカプトプリンが、組成物が胃を通過した後、予定された期間の後、開放される。
【0079】
腸溶性被膜は、酸に不溶性であり、そして酸に対して不透過性であるが、しかしほぼ中性pHで溶解し、そして/又は透過性である性質を有する、錠剤、カプセル、ペレット又は粒質物に適用される被膜である。そのような被膜の例は、メタクリル酸及びアクリル酸又はメタクリル酸エステルの十分に重合されたコポリマーであり、そしてEUDRAGIT(商標)L及びEUDRAGIT(商標)S、並びにセルロースアセテートフタレートとして知られているメタクリル酸コポリマーNEである。
【0080】
腸溶性被膜は、水分散体又は有機溶媒における溶液として適用され、そしてエタノール又はイソプロパノールが好ましい有機溶媒である。典型的には、腸溶性被膜は、溶液における可塑剤により適用され、その結果、フィルムは、可塑剤を含み、そして一定程度の柔軟性を維持する。典型的な可塑剤は、ポリエチレングリコール(PEG)及びトリエチルシトレートである。本発明の1つの態様においては、可塑剤含有率は、ポリマーの重量に基づいて、5%〜50%、より好ましくは10%〜30%の範囲であり得る。製剤は、任意には、加工の間、一緒に粘着することから錠剤を妨げるのを助けるために、タルクを含む。1つの最も好ましい態様においては、6−MPの錠剤に適用される溶液は、約6%のEUDRAGIT(商標)L、約0.6%のトリエチルシトレート、約3%のタルク、約5%の水及び85.4%のイソプロパノールを含んだ。
【0081】
1つの態様においては、被覆される投与形は、錠剤の形で存在する。錠剤を被覆する場合、20〜30mgの被膜が、通常胃における薬物開放を妨げるのに十分であり、そして小腸の開始での薬物開放の促進を可能にする。本発明の1つの態様においては、錠剤が胃を通過し、そして小腸を下方に移動した後、少なくとも1時間、薬物の開放を遅延することが所望される。1つの態様においては、投与形は、腸溶性被膜下で遅延性被膜により被覆される。腸溶性被膜は、胃における薬物開放を妨げ、そして遅延性被膜は、小腸への侵入に基づいて誘発され、そして所望する遅延性を付与する。
【0082】
好ましい態様においては、遅延性被膜は、腸溶性被膜自体のもう1つの層、又はより厚い層である。1つの好ましい態様においては、錠剤に適用される腸溶性被膜の重量は、約100mgであった。被膜のこの重量は、刺激された胃液において薬物の開放を与えず、そしてpH6.8の刺激された小腸緩衝液において試験される場合、75〜90分の薬物開放の遅延性を付与した。約120mgにより被膜された錠剤は、同様に約120分の遅延性を付与したが、ところが約180mgにより被膜された錠剤は、刺激された腸緩衝液において試験される場合、180分の遅延性を付与した。6−メルカプトプリンを含むいずれの投与形でも、腸溶性被膜により被膜され得る。
【0083】
もう1つの態様においては、投与形は、カプセルに充填される、粉末、粒質物又はペレットであり、そして腸溶性被膜がカプセルの外側を被膜する。当業者は、所望する遅延性を達成するためにカプセルの外側に適用される被膜の量を容易に決定することができる。もう1つの態様においては、投与形は、カプセルにおけるペレットであり、ここでペレット自体が腸溶性被膜により被覆されている。最も好ましい形は、胃の通過の後、薬物の約2時間の遅延性を付与する、10%の可塑剤を含む、約120mgの腸溶性被膜を含む腸溶性被膜された錠剤である。
【0084】
本発明の1つの態様においては、腸溶性被膜される6−メルカプトプリンの医薬組成物は、PRDに見られるように標準の6−メルカプトプリン製剤である。腸溶性被膜を含んで成る6−メルカプトプリン投与形のより好ましい態様は、本明細書に記載される6−メルカプトプリンの医薬組成物のいずれか(すなわち、増強された開放速度又は増強された生物学的利用能を付与するものとして本明細書において記載される、流動層又は他の装置における溶媒又は塩基性エタノール水からの噴霧粒質化された形のいずれか)である。
【0085】
最も好ましい態様は、任意には、結合剤、例えばPVPを含む塩基性エタノール−水溶液から流動層ドライヤーにおいて噴霧粒質化された、30〜50mgの6−メルカプトプリンを含む製剤上に10%トリエチルシトレートを含んで成るEUDRAGIT(商標)L被膜を含んで成り、ここで前記組成物は、わずかに過剰の理論量のクエン酸により予備−負荷されたラクトース又は超微晶性セルロース上に噴霧粒質化され、そしてさらに、配合され、そして錠剤は加工される。被膜レベルは、最も好ましくは、錠剤当たり約120mgである。
【0086】
本発明の1つの態様は、有機溶媒に6−MPをまず溶解することにより、粒質物中に配合される6−MPを含んで成る、6−MPの遅延された開放性を提供する、6−MPの腸溶性被覆された製剤に向けられる。さらなる加工のために医薬粉末に溶液を適用できるのに十分な程度、6−MPを溶解するために使用され得る溶媒の例は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物である。ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースは、この粒質化のための粉末として使用され得る医薬的に許容できる粉末の例である。他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。より好ましくは態様においては、6−MPの有機溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末上に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることによる。
【0087】
より好ましい態様においては、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そしてさらにより好ましい態様は、粒質化溶液を形成するためにジメチルホルムアミドを使用する。本発明のより好ましい態様においては、重量/重量(w/w)に基づいて、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約13%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして500mgのおおよその錠剤に関して、0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に配合され、そして約50mgの用量が最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましい粒質物のいずれかを用いて、錠剤の重量を変えることにより調節され得る。
【0088】
6−MPのそれらの製剤を含んで成る錠剤は、改良された溶解性質を有する。50rpmで回転する櫂を用いて、USP装置II溶解テスターにおいて、37℃で900mlの0.1NのHClにおいてそれらの錠剤を試験する場合、溶解速度は、標準の製剤に比較して、高く増強される。50%の溶解度に達する時間は、7分以下、より好ましくは5分以下であり、そして標準の製剤に比較して、50%溶解度に達する時間の30%以上の低下、より好ましくは50%の溶解度に達する時間の50%以上の低下を示す。
【0089】
本発明のより好ましい態様は、少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール、少なくともほぼ理論量の塩基を含む水、又は少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール/水の混合物に6−MPをまず溶解することにより、粒質物中に配合される6−MPを含んで成る腸溶性被覆された6−MP製剤に向けられる。塩基は、いずれかの医薬的に許容できる塩基、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニア又はカルシウムの水酸化物又は炭酸塩から選択され、そして水酸化カリウムが好ましい。任意には、結合剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)が前記溶液に添加され得る。6−MPのこの塩基性溶液が、ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースから成る群から選択された医薬キャリヤー上で粒質化される。
【0090】
他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。好ましい態様においては、6−MPの塩基性溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることにより実施される。より好ましい態様は、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。もう1つのより好ましい態様においては、超微晶性セルロースが、6−MPが粒質化される医薬粉末として使用され、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。塩基性粒質物が、わずかに理論量的過剰のいずれかの医薬的に許容できる酸により中和される。そのような酸の例は、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸である。
【0091】
より好ましい態様においては、選択される酸は、クエン酸である。より好ましい態様においては、医薬的に許容できる酸は、それが、6−MPの塩基性有機溶液による粒質化に使用される前、わずかに理論量的過剰で医薬的に許容できるキャリヤー上に予備被覆される。より好ましい態様においては、医薬的に許容できるキャリヤーは、ラクトースであり、そしてわずかに理論量的過剰に予備負荷される医薬的に許容できる酸は、クエン酸である。酸を適用するためのより好ましい態様は、噴霧粒質化であり、そして最も好ましい方法は流動層グラニュレーターを使用する。本発明の好ましい態様においは、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。
【0092】
本発明のもう1つの好ましい態様においては、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成る超微晶性セルロース粒質物が形成される。それらの粒質物はさらに、医薬的に許容できる酸の塩、より好ましくは酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸又は酒石酸のナトリウム又はカリウム塩、及び最も好ましくはクエン酸のカリウム塩を含んで成る。クエン酸カリウムは、6−MPに比較して、ほぼ理論量で存在する。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして650mgの合計重量の錠剤に関して0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に形成され、そして約50mgの用量の6−MPが最も好ましい。
【0093】
他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましくは粒質物のいずれかを用いて錠剤の重量を変えることにより調節される。もう1つの態様においては、最終用量形は、約3%〜約20%の6−メルカプトプリン、及び約2%〜約30%のクエン酸カリウム、及びより好ましくは約5%〜約15%の6−MP及び約2%〜約20%のクエン酸カリウム、及び最も好ましくは約8%の6−メルカプトプリン及び5%のクエン酸カリウムを含んで成る。
【0094】
6−MPのそれらの腸溶性被覆された製剤を含んで成る錠剤は、存在する場合、腸溶性被膜及び遅延性被膜により付与される遅延性に従って、改良された溶解性質を有する。50rpmで回転する櫂を用いて、USP装置II溶解テスターにおいて、37℃で900mlの0.1NのHClにおいてそれらの錠剤(被覆されていない形)を試験する場合、溶解速度は、標準の製剤に比較して、高く増強される。50%の溶解度に達する時間は、7分以下、より好ましくは5分以下であり、そして標準の製剤に比較して、50%溶解度に達する時間の30%以上の低下、より好ましくは50%の溶解度に達する時間の50%以上の低下を示す。
【0095】
標準の配合物6−MP錠剤は、50rpmで回転する櫂を用いてのUSP型II溶解ユニットを用いて、酸性溶解条件下で約1時間後十分な溶解度に達する。50%の溶解度は、10〜15分で達する。改良された溶解速度は、標準の製剤に比較して、約7分以下か又は約7分に等しく、より好ましくは約5分以下か又は約5分に等しい、50%の溶解度に達する時間として、又は50%溶解度に達する時間の30%以上の低下、より好ましくは、50%の溶解度に達する時間の50%以上は又は50%に等しい低下として本明細書において定義される。
【0096】
本発明の1つの観点は、6−MPを有機溶媒にまず溶解することにより、6−MPを粒質物に粒質化することを含んで成る、腸溶性被覆された6−MP製剤の形成方法である。さらなる加工のために医薬粉末に溶液を適用できるのに十分な程度、6−MPを溶解するために使用され得る溶媒の例は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物である。ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースは、この粒質化のための粉末として使用され得る医薬的に許容できる粉末の例である。
【0097】
他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。より好ましくは態様においては、6−MPの有機溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末上に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることによる。より好ましい態様においては、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そしてさらにより好ましい態様は、粒質化溶液を形成するためにジメチルホルムアミドを使用する。
【0098】
本発明のより好ましい態様においては、重量/重量(w/w)に基づいて、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約13%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして500mgのおおよその錠剤に関して、0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に配合され、そして約50mgの用量が最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましい粒質物のいずれかを用いて、錠剤の重量を変えることにより調節され得る。上記のように粒質物の形成の後、その粒質物は腸溶性被膜、及び任意には遅延性被膜を供給される。
【0099】
6−MPのそれらの製剤を含んで成る錠剤は、改良された溶解性質を有する。50rpmで回転する櫂を用いて、USP装置II溶解テスターにおいて、37℃で900mlの0.1NのHClにおいて、被覆されていない形でのそれらの錠剤を試験する場合、溶解速度は、標準の製剤に比較して、高く増強される。50%の溶解度に達する時間は、7分以下、より好ましくは5分以下であり、そして標準の製剤に比較して、50%溶解度に達する時間の30%以上の低下、より好ましくは50%の溶解度に達する時間の50%以上の低下を示す。
【0100】
本発明のより好ましい態様は、少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール、少なくともほぼ理論量の塩基を含む水、又は少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール/水の混合物に6−MPをまず溶解することにより、粒質物中に6−MPを粒質化することを含んで成る腸溶性被覆された6−MP製剤の製造方法に向けられる。塩基は、いずれかの医薬的に許容できる塩基、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニア又はカルシウムの水酸化物又は炭酸塩から選択され、そして水酸化カリウムが好ましい。
【0101】
任意には、結合剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)が前記溶液に添加され得る。6−MPのこの塩基性溶液が、ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースから成る群から選択された医薬キャリヤー上で粒質化される。他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。次に、そのようにして形成された粒質物は、、腸溶性被膜、及び任意には遅延性被膜を供給される。
【0102】
好ましい態様においては、6−MPの塩基性溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることにより実施される。より好ましい態様は、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。もう1つのより好ましい態様においては、超微晶性セルロースが、6−MPが粒質化される医薬粉末として使用され、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。塩基性粒質物が、わずかに理論量的過剰のいずれかの医薬的に許容できる酸により中和される。そのような酸の例は、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸である。
【0103】
より好ましい態様においては、選択される酸は、クエン酸である。より好ましい態様においては、医薬的に許容できる酸は、それが、6−MPの塩基性有機溶液による粒質化に使用される前、わずかに理論量的過剰で医薬的に許容できるキャリヤー上に予備被覆される。より好ましい態様においては、医薬的に許容できるキャリヤーは、ラクトースであり、そしてわずかに理論量的過剰に予備負荷される医薬的に許容できる酸は、クエン酸である。酸を適用するためのより好ましい態様は、噴霧粒質化であり、そして最も好ましい方法は流動層グラニュレーターを使用する。本発明の好ましい態様においは、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。
【0104】
本発明のもう1つの好ましい態様においては、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成る超微晶性セルロース粒質物が形成される。それらの粒質物はさらに、医薬的に許容できる酸の塩、より好ましくは酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸又は酒石酸のナトリウム又はカリウム塩、及び最も好ましくはクエン酸のカリウム塩を含んで成る。クエン酸カリウムは、6−MPに比較して、ほぼ理論量で存在する。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして650mgの合計重量の錠剤に関して0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に形成され、そして約50mgの用量の6−MPが最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましくは粒質物のいずれかを用いて錠剤の重量を変えることにより調節される。
【0105】
もう1つの態様においては、最終用量形は、約3%〜約20%の6−メルカプトプリン、及び約2%〜約30%のクエン酸カリウム、及びより好ましくは約5%〜約15%の6−MP及び約2%〜約20%のクエン酸カリウム、及び最も好ましくは約8%の6−メルカプトプリン及び5%のクエン酸カリウムを含んで成る。上記のようにして形成された錠剤は、腸溶性被膜、及び任意には遅延性被膜を供給される。
【0106】
この方法により製造された6−MPの腸溶性被覆された製剤を含んで成る錠剤は、遅延性が腸溶性被膜、及び任意の遅延性被膜により付与された後、改良された溶解性質を有する。50rpmで回転する櫂を用いて、USP装置II溶解テスターにおいて、37℃で900mlの0.1NのHClにおいてそれらの錠剤を試験する場合、溶解速度は、標準の製剤に比較して、高く増強される。50%の溶解度に達する時間は、7分以下、より好ましくは5分以下であり、そして標準の製剤に比較して、50%溶解度に達する時間の30%以上の低下、より好ましくは50%の溶解度に達する時間の50%以上の低下を示す。
【0107】
本発明のもう1つの観点は、標準の製剤に比較して、増強された生物学的利用能を提供する、6−メルカプトプリンの腸溶性被覆された組成物の生成方法である。増強された生物学的利用能は、約5%又はそれ以上、好ましくは約15%又はそれ以上、及び最も好ましくは20%又はそれ以上のAUCt又はAUCIの平均上昇率であり得る。他方では、試験及び参照製剤についての個々のAUCt値の平均比は、約1.05又はそれ以上、好ましくは1.15又はそれ以上、及び最も好ましくは1.20又はそれ以上である。本発明のこの観点の1つの態様は、6−MPを有機溶媒にまず溶解することにより、6−MPを粒質物に粒質化することを含んで成る、6−MP製剤の製造方法である。
【0108】
さらなる加工のために医薬粉末に溶液を適用できるのに十分な程度、6−MPを溶解するために使用され得る溶媒の例は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物である。ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースは、この粒質化のための粉末として使用され得る医薬的に許容できる粉末の例である。他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。より好ましくは態様においては、6−MPの有機溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末上に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることによる。
【0109】
より好ましい態様においては、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そしてさらにより好ましい態様は、粒質化溶液を形成するためにジメチルホルムアミドを使用する。本発明のより好ましい態様においては、重量/重量(w/w)に基づいて、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約13%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして500mgのおおよその錠剤に関して、0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に配合され、そしてその錠剤における約50mgの6−MPが最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましい粒質物のいずれかを用いて、錠剤の重量を変えることにより調節され得る。次に、上記のようにして形成された錠剤は腸溶性被膜、及び任意には遅延性被膜を供給される。
【0110】
本発明のより好ましい態様は、少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール、少なくともほぼ理論量の塩基を含む水、又は少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール/水の混合物に6−MPをまず溶解することにより、粒質物中に配合される6−MPを含んで成る腸溶性被覆された6−MP製剤に向けられる。塩基は、いずれかの医薬的に許容できる塩基、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニア又はカルシウムの水酸化物又は炭酸塩から選択され、そして水酸化カリウムが好ましい。任意には、結合剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)が前記溶液に添加され得る。6−MPのこの塩基性溶液が、ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースから成る群から選択された医薬キャリヤー上で粒質化される。
【0111】
他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。好ましい態様においては、6−MPの塩基性溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることにより実施される。より好ましい態様は、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。もう1つのより好ましい態様においては、超微晶性セルロースが、6−MPが粒質化される医薬粉末として使用され、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。
【0112】
塩基性粒質物が、わずかに理論量的過剰のいずれかの医薬的に許容できる酸により中和される。そのような酸の例は、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸である。より好ましい態様においては、選択される酸は、クエン酸である。より好ましい態様においては、医薬的に許容できる酸は、それが、6−MPの塩基性有機溶液による粒質化に使用される前、わずかに理論量的過剰で医薬的に許容できるキャリヤー上に予備被覆される。より好ましい態様においては、医薬的に許容できるキャリヤーは、ラクトースであり、そしてわずかに理論量的過剰に予備負荷される医薬的に許容できる酸は、クエン酸である。
【0113】
酸を適用するためのより好ましい態様は、噴霧粒質化であり、そして最も好ましい方法は流動層グラニュレーターを使用する。本発明の好ましい態様においは、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。本発明のもう1つの好ましい態様においては、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成る超微晶性セルロース粒質物が形成される。それらの粒質物はさらに、医薬的に許容できる酸の塩、より好ましくは酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸又は酒石酸のナトリウム又はカリウム塩、及び最も好ましくはクエン酸のカリウム塩を含んで成る。クエン酸カリウムは、6−MPに比較して、ほぼ理論量で存在する。
【0114】
次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして650mgの合計重量の錠剤に関して0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に形成され、そして約50mgの用量の6−MPが最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましくは粒質物のいずれかを用いて錠剤の重量を変えることにより調節される。もう1つの態様においては、最終用量形は、約3%〜約20%の6−メルカプトプリン、及び約2%〜約30%のクエン酸カリウム、及びより好ましくは約5%〜約15%の6−MP及び約2%〜約20%のクエン酸カリウム、及び最も好ましくは約8%の6−メルカプトプリン及び5%のクエン酸カリウムを含んで成る。次に、上記のようにして形成された錠剤は、腸溶性被膜、及び任意には遅延性被膜を供給される。
【0115】
この方法により製造される6−MPの製剤を含んで成る錠剤は、腸溶性被膜、及び任意の遅延性被膜により付与される開放性の遅延に従って改良された溶解性質及び改良された生物学的利用能を有する。被覆されていない錠剤の溶解性質及び生物学的利用能は、ビーグル犬において試験される場合、5%以上、好ましくは15%以上、及び最も好ましくは20%以上改良される。
【0116】
1つの態様においては、本発明は、
6−メルカプトプリンを含んで成るコアー;及び
腸溶性被覆を含んで成る医薬投与形を提供し、ここで前記腸溶性被膜が、胃を通しての前記投与形の通過の後、6−メルカプトプリンの開放が生じるよう、前記投与形の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する。
【0117】
ある態様においては、投与形は、その投与形の胃の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの開放性が実質的に生じないよう、6−メルカプトプリンの開放のさらなる遅延性を付与する遅延性被膜を含んで成る。ある態様においは、その予定された時間は、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である。
ある観点においては、6−メルカプトプリンの開放は、投与形が胃を通過する前、実質的に生じない。
【0118】
ある態様においては、前記コアーは、
(a)6−メルカプトプリン、及び医薬的に許容できる酸のカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム又はカルシウム塩;又は
(b)医薬キャリヤー粉末上での6−メルカプトプリンの均等な被膜を含んで成る。
ある態様においては、前記コアーは、
(a)6−メルカプトプリン、及び医薬的に許容できる酸のカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム又はカルシウム塩;又は
(b)医薬キャリヤー粉末上での6−メルカプトプリンの均等な被膜を含んで成る。
ある態様においては、コアーは、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択された医薬的に許容できる酸を含んで成る。ある態様においては、コアーは、クエン酸カリウムを含んで成る。
【0119】
ある態様においては、前記6−メルカプトプリンは、医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化され、前記医薬キャリヤー粉末上に6−メルカプトプリンの均等膜が形成される。噴霧粒質化は、流動層において行われ得る。前記6−メルカプトプリンの溶液は、
(a)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒;又は
(b)水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る。
【0120】
ある態様においては、前記溶媒は、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムを含んで成る。そのような態様においては、前記医薬キャリヤー粉末は、その医薬キャリヤー粉末に適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムのモル量よりも高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される。
ある態様においては、前記医薬キャリヤー粉末は、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る。
【0121】
ある態様においては、前記コアーは、腸溶性被覆の前、次の特徴:
(a)6−メルカプトプリンの溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、7分以内に50%以上であり;
(b)6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められ;又は
(c)6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、医薬コアーが、標準の製剤に比較して、哺乳類に投与される場合、少なくとも15%改良されることを有する。
【0122】
ある態様においては、コアーを含んで成る錠剤の溶解性は、上記パート(a)又はパート(b)において測定される。ある態様においては、錠剤は、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る。
ある態様においては、腸溶性被覆の前、測定される場合、コアー中の6−メルカプトプリンの溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、5分以内に50%以上である。
【0123】
ある態様においては、前記改良された生物学的利用能は、約5%、又は約15%、又は約20%の平均AUCt又はAUCIの上昇率である。他の態様においては、前記生物学的利用能は、約1.05、又は約1.15、又は約1.20の、標準の製剤に比較して、医薬組成物についての個々のAUCt値の平均比率の上昇である。
ある態様においては、コアーは、約3%〜約20%の6−メルカプトプリン及び約2%〜約30%のクエン酸カリウムを含んで成り、そしてコアーは、標準の製剤に比較して、水性酸において、増強された溶解性を示す。ある態様においては、コアーは、約8%の6−メルカプトプリン及び5%のクエン酸カリウムを含んで成る。
【0124】
本発明は、6−メルカプトプリンを含んで成るコアー;及び腸溶性被膜を含んで成る医薬投与形を投与することを含んで成る、6−メルカプトプリンによる処理の必要な患者に6−メルカプトプリンを投与する方法を提供し、ここで前記6−メルカプトプリンは、ソン投与形の胃の通過の後、少なくとも1時間の延長の後に開放される。
【0125】
本発明は、6−メルカプトプリンが、腸溶性被覆された医薬組成物が胃を通過した後、少なくとも1時間の遅延の後に開放される、6−メルカプトプリンを含んで成るコアー;及び腸溶性被覆を含んで成る医薬投与形を、白血病又は他の癌、クローン病、関節炎の又は潰瘍性大腸炎を有するか、又は有すると思われる患者に投与することを含んで成る、前記白血病又は他の癌、クローン病、関節炎又は潰瘍性大腸炎の処理方法を提供する。
コアーを被覆する腸溶性被膜が、メタクリル酸及びアクリル又はメタクリル酸エステルのコポリマー、例えばEUDRAGIT(商標)L又はEUDRAGIT(商標)Sであり得るか、又はセルロースアセテートフタレートであり得る。
【0126】
本発明のもう1つの観点は、6−MPの腸溶性被覆された製剤を6−MPによる処理の必要な患者に投与することによるそのような患者の処理方法である。腸溶性被膜、及び任意の遅延性被膜により付与される6−MPの開放性の遅延に従って、それらの製剤は、腸における高い6−メルカプトプリン局部濃度を提供する。ある態様においては、それらの製剤は、標準の製剤に比較して、増強された生物学的利用能を有する。6−MPのよる処理の必要な患者の例は、細胞毒性薬物が有益であるいずれかの疾病、例えば白血病、特に急性リンパ球性白血病、又は他の癌を有する患者、及び免疫抑制薬物が有益であるいずれかの疾病、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎又は関節炎を有する患者である。
【0127】
増強された生物学的利用能は、約5%又はそれ以上、好ましくは約15%又はそれ以上、及び最も好ましくは20%又はそれ以上のAUCt又はAUCIの平均上昇率であり得る。他方では、試験及び参照製剤についての個々のAUCt値の平均比は、約1.05又はそれ以上、好ましくは1.15又はそれ以上、及び最も好ましくは1.20又はそれ以上である。本発明のこの観点の1つの態様は、6−MPを有機溶媒にまず溶解することにより生成される粒質物を含んで成る、6−MP製剤を、哺乳類に投与する方法である。さらなる加工のために医薬粉末に溶液を適用できるのに十分な程度、6−MPを溶解するために使用され得る溶媒の例は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物である。
【0128】
ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースは、この粒質化のための粉末として使用され得る医薬的に許容できる粉末の例である。他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。より好ましくは態様においては、6−MPの有機溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末上に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることによる。より好ましい態様においては、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そしてさらにより好ましい態様は、粒質化溶液を形成するためにジメチルホルムアミドを使用する。
【0129】
本発明のより好ましい態様においては、重量/重量(w/w)に基づいて、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約13%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして500mgのおおよその錠剤に関して、0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に配合され、そして約50mgの用量が最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましい粒質物のいずれかを用いて、錠剤の重量を変えることにより調節され得る。
【0130】
本発明の医薬組成物を含んで成る錠剤を配合するために使用され得る他の錠剤賦形剤は、結合剤、希釈剤、砕解剤、滑剤、着色剤及び味覚マスキング剤を包含する。適切な結合剤は、超微晶性セルロース、変性されたセルロース、及びポビドンを包含する。適切な希釈剤は、リン酸水素カルシウム(CaHPO4)、無水ラクトース及びマンニトールを包含する。適切な砕解剤は、ナトリウムスターチグリコレート(タイプA)、ナトリウムスターチグリコレート(タイプB)及びクロスポビドンを包含する。適切な滑剤は、ナトリウムステアリルフマレート、ジメチコン、macrogol 6000、水素化されたヒマシ油及びステアリン酸を包含する。次に、上記のようにして形成された錠剤は、腸溶性被膜、及び任意の遅延性被膜を供給される。
【0131】
本発明のより好ましい態様は、少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール、少なくともほぼ理論量の塩基を含む水、又は少なくともほぼ理論量の塩基を含むエタノール/水の混合物に6−MPをまず溶解することにより生成される粒質物を含んで成る、6−MP製剤を、哺乳類に投与する方法である。塩基は、いずれかの医薬的に許容できる塩基、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニア又はカルシウムの水酸化物又は炭酸塩から選択され、そして水酸化カリウムが好ましい。任意には、結合剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)が前記溶液に添加され得る。6−MPのこの塩基性溶液が、ラクトース、スターチ、超微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール又はスクロースから成る群から選択された医薬キャリヤー上で粒質化される。他の医薬賦形剤粉末は、当業界において知られており、そしてまた、使用され得る。
【0132】
好ましい態様においては、6−MPの塩基性溶媒溶液が、均等な被膜を形成するために粉末に噴霧粒質化される。この噴霧粒質化の好ましい実施方法は、流動層グラニュレーターを用いることにより実施される。より好ましい態様は、6−MPが粒質化される医薬粉末としてラクトースを使用し、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。
【0133】
もう1つのより好ましい態様においては、超微晶性セルロースが、6−MPが粒質化される医薬粉末として使用され、そして最も好ましい態様は、エタノール/水の溶媒混合物、及び塩基としての水酸化カリウムを使用する。塩基性粒質物が、わずかに理論量的過剰のいずれかの医薬的に許容できる酸により中和される。そのような酸の例は、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸である。より好ましい態様においては、選択される酸は、クエン酸である。より好ましい態様においては、医薬的に許容できる酸は、それが、6−MPの塩基性有機溶液による粒質化に使用される前、わずかに理論量的過剰で医薬的に許容できるキャリヤー上に予備被覆される。
【0134】
より好ましい態様においては、医薬的に許容できるキャリヤーは、ラクトースであり、そしてわずかに理論量的過剰に予備負荷される医薬的に許容できる酸は、クエン酸である。酸を適用するためのより好ましい態様は、噴霧粒質化であり、そして最も好ましい方法は流動層グラニュレーターを使用する。本発明の好ましい態様においは、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP、及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成るラクトース粒質物が形成される。本発明のもう1つの好ましい態様においては、1〜35%の6−MP、より好ましくは5〜20%の6−MP及び最も好ましくは約11%の6−MPを含んで成る超微晶性セルロース粒質物が形成される。
【0135】
それらの粒質物はさらに、医薬的に許容できる酸の塩、より好ましくは酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸又は酒石酸のナトリウム又はカリウム塩、及び最も好ましくはクエン酸のカリウム塩を含んで成る。クエン酸カリウムは、6−MPに比較して、ほぼ理論量で存在する。次に、それらの粒質物は、他の錠剤賦形剤と共に混合され、そして650mgの合計重量の錠剤に関して0.5mg〜150mgの6−MPを含んで成る錠剤に形成され、そして約50mgの用量の6−MPが最も好ましい。他方では、6−MPの用量は、好ましい、より好ましい又は最も好ましくは粒質物のいずれかを用いて錠剤の重量を変えることにより調節される。
【0136】
もう1つの態様においては、最終用量形は、約3%〜約20%の6−メルカプトプリン、及び約2%〜約30%のクエン酸カリウム、及びより好ましくは約5%〜約15%の6−MP及び約2%〜約20%のクエン酸カリウム、及び最も好ましくは約8%の6−メルカプトプリン及び5%のクエン酸カリウムを含んで成る。次に、上記のようにして形成された錠剤は、腸溶性被膜、及び任意の遅延性被膜を供給される。
【0137】
1つの態様においては、前記処理の必要な患者は、標準の製剤により与えられる用量に類似する用量により処理され、それにより、増強された効能を達成される。もう1つの態様においては、処理の用量は、標準の処理と同じ生物学的利用能を有するよう低められるが、しかし低い用量の薬物によっても達成される。処理の結果は、有能な薬物への低い暴露及び改良された副作用プロフィールを伴って、標準の製剤と同じ効能である。
【0138】
本発明のもう1つの観点は、6−メルカプトプリンの遅延された開放製剤によりクローン病又は大腸炎を有する患者を処理する方法である。6−メルカプトプリン又はプロドラッグチオプリンは典型的には、クローン病の緩解の維持に使用される。緩解の誘発のためには、それらの現在の製剤におけるそれらの薬物はしばしば、それらはゆっくりと作用し、典型的には効果を示すのに3ヶ月以上かかるので、不適切である。それらは、クローン病における病巣に対して応答できるが、免疫細胞の増殖を抑制することにより、免疫抑制剤として作用すると思われる。
【0139】
アザチオプリン及び6−MPの両者は現在、全身的に投与されている。全身性投与は全体的に生物を処理するが、腸における病巣の局部部位での薬物の濃度は低い。遅延された開放性製剤により処理し、そして続いて、腸における比較的高い濃度で可溶性形での薬物を開放することにより、免疫系の局部病巣の高濃度処理により高く改良された効能を得ることができる。この局部投与は、緩解の誘発のための6−MPの使用を可能にし、そしてそれは、緩解の維持のための良好な薬物である。
【0140】
本発明の1つの態様においては、患者は、6−メルカプトプリンの開放が、その投与形が胃を通過した後、少なくとも1時間、遅延される投与形により処理される。この目的を達成する容易な手段は、胃において薬物開放を妨げ、そしてまた、腸溶性被膜下に遅延性皮膜を有する投与形上に腸溶性被膜を用いることによる。より好ましい態様においては、遅延性被膜は、腸溶性被膜のもう1つの層又はより厚いそうである。好ましい態様においては、薬物は、少なくとも約1時間の遅延の後、いっせいに開放され、高い局部濃度の薬物を供給する。
【0141】
1つの態様においては、6−メルカプトプリン用量は、10〜100mg、より好ましくは25〜50mg、及び最も好ましくは約35〜40mgである。最も好ましい態様においては、胃を通過した後、少なくとも1時間の遅延性を有する投与形は、増強された開放速度又は増強された生物学的利用能を付与するものとして本明細書に記載されている、溶媒又は塩基性エタノール水から、流動層又は他の装置により噴霧粒質化されるいずれかの形である。
【0142】
本発明のもう1つの観点は、遅延された開放性製剤に6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を、クローン病又は大腸炎を有する患者に投与する方法である。この目的を達成する容易な手段は、胃において薬物開放を妨げ、そしてまた、腸溶性被膜下に遅延性皮膜を有する投与形上に腸溶性被膜を用いることによる。より好ましい態様においては、遅延性被膜は、腸溶性被膜のもう1つの層又はより厚いそうである。好ましい態様においては、薬物は、少なくとも約1時間の遅延の後、いっせいに開放され、高い局部濃度の薬物を供給する。
【0143】
1つの態様においては、6−メルカプトプリン用量は、10〜100mg、より好ましくは25〜50mg、及び最も好ましくは約35〜40mgである。最も好ましい態様においては、胃を通過した後、少なくとも1時間の遅延性を有する投与形は、増強された開放速度又は増強された生物学的利用能を付与するものとして本明細書に記載されている、溶媒又は塩基性エタノール水から、流動層又は他の装置により噴霧粒質化されるいずれかの形である。
【0144】
6−メルカプトプリンの製造方法は当業界において知られている。例えば、6−メルカプトプリンは、G.H. Hitchings, G.B. Elion, アメリカ特許第2,697,702号、又は G.B. Elion , など., J. Am. Chem. Soc. 74,411 (1952)に記載される方法に従って製造され得る。
【実施例】
【0145】
例1:ジメチルホルムアミド溶液から噴霧粒質化されたメルカプトプリン
6−メルカプトプリン(6−MP、Orion-Fermion, 13.2g)を、30分間、撹拌しながら、ジメチルホルムアミド(DMF、Merck, 1.25L)に溶解した。ラクトース(DMV, 85g)を、流動層乾燥機/グラニュレーター(FBD)中に充填し、そして気流により懸濁した。空気入口温度は70℃であった。6−MPのDMF溶液を、前記懸濁液された流動層中に、36℃の層温度を維持する速度で噴霧した。合計噴霧時間は6時間であった。粒質化されたラクトースを続いて、FBDにおいて、70℃で1時間、乾燥し、そして1.0mmのスクリーンを通して篩い分けした。
【0146】
乾燥粒質物(13.2gの6−MPを含む、100mg)を、ジャガイモスターチ(AVEBE、25.9g)、超微晶性セルロース(Avicel 101, FMC, 13.2g)及びクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol, FMC, 3.7g)と共に8分間混合した。ステアリン酸マグネシウム(Brenntag, 0.5g)を添加し、そして粉末をさらに1分間、混合した。粉末を、銘刻ψβ571を有する12mmの平面の丸型ポンチを用いて、Korsch 106回転錠剤プレスにより、錠剤に圧縮した。最終錠剤の重量は542mgであり、そして6−MP含有量は50mgであった(6−MP−IBバッチ131−016−1)。
【0147】
溶解分析を、37℃で維持され、そして50rpmで撹拌される、900mgの0.1NのHClを用いてのUSPタイプII溶解槽(VanKel)において行った。サンプルを、5, 10, 15, 30, 45及び60分で採取した。PURINETHOL(商標) (バッチGSK03C04A)を、同一の条件下で試験した。サンプル中の6−MP含有量を、標準曲線に対して、325nmでUV分光計により測定した。測定の結果は、表1に与えられ、そして図1にグラフにより示される。
【0148】
【表1】

【0149】
溶解の結果は、DMF噴霧粒質化された6−MP錠剤が、標準錠剤よりも、0.1NのHClにおいて、より早く溶解することを示す。50%溶解度に達する時間は半減され、そして5分で80%の溶解度及び10分で91%の溶解度であった。生成物の改良された溶解速度は、インビボで改良された生物学的利用能を導くことが予測される。
【0150】
例2:エタノール/水/KOH溶液から噴霧粒質化されたメルカプトプリン
クエン酸(Merck, 4.6g)を、69mlのエタノール/水(70:30)に溶解した。この溶液を、次の条件を用いて、FBDグラニュレーターにより懸濁されたラクトース(DMV、80g)の層上に噴霧した:55℃の入口空気温度、28℃の層温度。6−メルカプトプリン(Orion−Fermion, 11.4g)を、前溶解された水酸化カリウム(Merck, 4.0g)を含む、430mlのエタノール/水(80:20)に溶解した。次に、6−MP溶液を、次の条件を用いて、FBD中、ラクトース/クエン酸層上に噴霧した:55℃の入口温度、28℃の層温度。層を55℃で30分間、現場乾燥した。
【0151】
乾燥された粒質物を、1.6mmの篩に通した。乾燥され、そして篩い分けされた粒質物(100g)を、ジャガイモスターチ(AVEBE、26g)、超微晶性セルロース(Avicel 101, FMC, 11.4g)、クロスポビドン(ISP Global Tech, 7.5g)及びコロイド状二酸化珪素(Degussa, 0.5g)と共に8分間混合した。ステアリン酸マグネシウム(Brenntag, 2.2g)を添加し、そして粉末をさらに2分間、混合した。粉末を、銘刻ψβ571を有する12mmの平面の丸型ポンチを用いて、Korsch 106回転錠剤プレスにより、錠剤に圧縮した。最終錠剤の重量は647mgであり、そして6−MP含有量は50mgであった(6−MP−IBバッチ131−018−6)。
【0152】
溶解分析を、37℃で維持され、そして50rpmで撹拌される、900mgの0.1NのHClを用いてのUSPタイプII溶解槽(VanKel)において行った。サンプルを、5, 10, 15, 30, 45及び60分で採取した。PURINETHOL(商標) (バッチGSK03C04A)を、同一の条件下で試験した。サンプル中の6−MP含有量を、標準曲線に対して、325nmでUV分光計により測定した。測定の結果は、表2に与えられ、そして図2にグラフにより示される。
【0153】
【表2】

【0154】
溶解の結果は、塩基性エタノール−水噴霧粒質化された6−MP錠剤が、標準錠剤よりも、0.1NのHClにおいて、より早く溶解することを示す。50%溶解度に達する時間は半減され、そして5分で67%の溶解度及び10分で90%の溶解度であった。生成物の改良された溶解速度は、インビボで改良された生物学的利用能を導くことが予測される。
【0155】
例3:超微晶化セルロース又はラクトース上に被覆された6−MPの錠剤
この例は、6−MPが超微晶性セルロース又はラクトースのいずれか上に被覆されている錠剤からのデータを表す。表3は、両噴霧段階において、50体積%(44.4重量%)のエタノールを用いて、錠剤当たり40mgの6−MP を有する錠剤(523mg)についてのバッチ配合を示す。
【0156】
【表3】

【0157】
製造方法
溶液A:
アルコール(変性された又はUSP)(4)を、精製水(5)と共に混合し、添加し、そしてクエン酸(3)を溶解する。
被覆段階I(Aeromatic Strea 1):
ラクトース一水和物(1)又は超微晶性セルロース(MCC)(2)上に溶液Aを噴霧する。
加工パラメーター:
噴霧空気:1バール
ノズル :1.0mm
入口温度:55℃
排出温度:約24℃
噴霧速度:約9〜10g/分
気流速度:約54m3/時
【0158】
溶液B:
アルコール(変性されたUSP)(9)を、精製水(10)と共に混合し、添加し、そして水酸化カリウム(7)を溶解する。6−眼ルカプロプリン(6)を添加し、そして溶解する。任意には、PVP K30(8)を、この溶液に溶解する(ラクトース又はMCCのいずれかと共に−ここにおいては、MCCと共に示されている)。
被覆段階II(Aeromatic Strea 1):
溶液Bを、クエン酸又はMCC、及び被覆段階Iのクエン酸と共にラクトース一水和物上に噴霧する。
【0159】
プロセスパラメーター:
噴霧空気:1バール
ノズル :1.0mm
入口温度:55℃
排出温度:約24℃
噴霧速度:約10〜11g/分
気流速度:約54〜80m3/時
【0160】
乾燥:
ラクトース/クエン酸/水酸化カリウム/6−メルカプトプリン混合物又はMCC/クエン酸/水酸化カリウム/PVP/6−メルカプトプリン混合物を乾燥する。
プロセスパラメーター:
入口温度:55℃
排出温度:約34℃
気流速度:約54〜80m3/時
【0161】
篩い分けI:
1.0mmの篩に、ラクトース/クエン酸/水酸化カリウム/6−メルカプトプリン混合物又はMCC/クエン酸/水酸化カリウム/PVP/6−メルカプトプリン混合物を通す。
1.0mmの篩に、コロイド状二酸化珪素(11)を通す。
混合I:
ラクトース/クエン酸/水酸化カリウム/6−メルカプトプリン混合物又はMCC/クエン酸/水酸化カリウム/PVP/6−メルカプトプリン混合物を、コロイド状二酸化珪素と共にタンブラーにおいて2分間ブレンドする。
【0162】
篩い分けII:
1.0mmの篩に、ジャガイモスターチ(12)、クロスポビドン(13)、超微晶性セルロース(14)及びPVP K30(15)を通す。
混合II:
ラクトース/クエン酸/水酸化カリウム/6−メルカプトプリン混合物又はMCC/クエン酸/水酸化カリウム/PVP/6−メルカプトプリン混合物を、ジャガイモスターチ、クロスポビドン、超微晶性セルロース及びPVP K30と共に、タンブラーにおいて8分間ブレンドする。
【0163】
篩い分けIII :
1.0mmの篩に、ステアリン酸マグネシウム(16)を通す。
混合III :
混合段階IIの混合物を、ステアリン酸マグネシウムと共にタンブラーにおいて2分間ブレンドする。
【0164】
錠剤化:
最終混合物を、錠剤重量523mgの錠剤(12mm、丸型凸面、R=9.5)に圧縮する。5〜7Kgの破砕耐性、脆砕:最大1.0%、砕解時間<5分。
この例において調製された6−MP錠剤の900mlの0.1NのHClにおける37℃及び50rpmでの溶解の結果が図4に示されている。
【0165】
例4:ビーグル犬における6−メルカプトプリンの新規経口製剤−対−PURINETHOL(商標)の比較生物学的利用能研究
研究目的 6−MP−IBについての改良された生物学的利用能を示すために、個々の製剤の経口摂取に続いての血漿における6−メルカプトプリンの薬物動学プロフィール(AUCt及びAUCI、Cmax, Tmax及び半減期)を決定すること。
研究企画 1つのセンター、1回の用量、ランダム化されていない、開放した標識(分析者に対しては隠された)、2回の処理、2種の期間を通しての比較生物学的利用能研究。
対象 6匹の雌のビーグル犬、生後2〜3年、9〜11kgの体重。
【0166】
研究管理
1)PURINETHOL(商標) (GSK):6-メルカプトプリンの50mg錠剤の半分(すなわち25g)、ロット番号A067350。
2)6−MP−IBバッチ131−018−6:6−メルカプトプリンの50mg錠剤の半分(すなわち、25mg)。
ビーグル犬は、絶食された状態(12時間の絶食)で半分の錠剤を受けた。錠剤を、犬の咽喉の後ろに配置した。約10mlの水を、注射器により口に注射し、飲み込みを促進した。錠剤が飲み込まれたことを確めるために、口を試験した。
【0167】
血液採取及び取扱
血液サンプルを0時間及び投与後、0.25, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0及び6.0時間で、頚静脈に挿入された内在性カテーテルから採取した。7mlの血液を、個々の時点で集めた。血液を、採取後すぐ急冷した。採血の2分以内に、血液を、EDTAを含む管に移した。血液を、1時間以内に処理し、血漿を得た。この血漿を、ジチオトレイトールにより安定化し、そして-80℃に凍結した。
【0168】
分析
血漿における6−MPの分析を、確認されているLC/MS/MS法によりAnapharm Laboratoriesで行った。
研究期間
研究セッション間の2週間の洗浄を伴っての2回の研究セッション。
【0169】
結果
すべての犬についての血漿における6−MPの分析の結果が、対照PURINETHOL(商標)に関して表4に、及び試験製剤6−MP−IBに関して表5に与えられている。
濃度データからの計算された薬物動力学パラメーターの結果を、表6に集め、そして犬当たりの比率分析の結果を表7に与える。個々の処理に関するすべての6匹の犬についての平均薬物動力学プロフィールが図3に与えられている。
【0170】
平均AUCt及びAUCIが、標準の製剤に比較される場合、試験製剤(すなわち、本発明の組成物)に関して、両者とも約20%高いことを表6から見出すことができる。Cmaxは、ほとんど70%高い。個々の犬がそれ自体対照である、表7に示される比率分析においては、試験−対−参照製剤の生物学的利用能において1.26又は26%の平均比率上昇が存在する。
図3は、生物学的利用能における、より早い溶解製剤の利点が早い時点で存在し、そしてより高いTmax(個々の犬に対して平均を取られた)は、2種の製剤に関して同じである事実にもかかわらず、対照に比較して、試験製剤に関して短い。
【0171】
結論
本発明により提供される製剤は、等用量の標準の製剤に比較される場合、6−メルカプトプリンの生物学的利用能においてインビボで20%以上の上昇率を付与することが示されている。改良された生物学的利用能は、改良された治療結果を可能にすることが予測される。
【0172】
【表4】

【0173】
【表5】

【0174】
【表6】

【0175】
【表7】

【0176】
例5:腸溶性被膜及び遅延された開放性
ラクトース基材の錠剤を、約100mgのEUDRAGIT(商標)L100により被覆した(コアー重量526.5mg、被覆された錠剤重量625.1mg)。
被膜の組成:
【0177】
【表8】

【0178】
溶解試験の結果:
被膜された錠剤を、胃液において120分間、試験した。錠剤は、砕解、亀裂、軟化又は薬物開放の証拠を示さなかった。
錠剤を、腸液におけるそれらの溶解速度について試験した(リン酸カリウム緩衝液、pH6.8)。
結果(n=3)は、下記表に示される。
【0179】
【表9】

【0180】
MCC基材の6−MP錠剤の腸溶性被覆:
MCC基材の6−MP錠剤の腸溶性被覆を上記のようにして行った。バッチの一部を、120mgのEUDRAGIT(商標)Lの層により被覆し(バッチID131.038)、他の部分を、錠剤当たり180mgのEUDRAGIT(商標)Lにより被覆した(バッチID131.038.1)。それらの錠剤の溶解結果が図5に示されている。
図5は、錠剤当たり120mgのEUDRAGIT(商標)Lの被覆が腸緩衝液において約2時間の遅延性を提供し、そして180mgの被覆が、同じ緩衝液において約3時間の遅延性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】図1は、0.1NのHClにおける被覆されていない6−メルカプトプリン組成物(6−MP−IB)対PURINETHOL(商標)の溶解性を示す(例1を参照のこと)。
【図2】図2は、0.1NのHClにおける被覆されていない6−メルカプトプリン組成物(6−MP−IBバッチ)対PURINETHOL(商標)の溶解性を示す(例2を参照のこと)。
【図3】図3は、被覆されていない6−メルカプトプリン組成物(6−MP−IBバッチ)対PURINETHOL(商標)についての平均の薬物動力学プロフィールを示す(例4を参照のこと)。
【図4】図4は、例3におけるようにして調製された被覆されていない6−メルカプトプリン錠剤の溶解性を示す。−〔黒三角〕−=PURINETHOL(商標);−◆−=超微晶性セルロースにより調製された錠剤;−〔黒四角〕−=ラクトースにより調製された錠剤;−X−=ラクトース錠剤、70%エタノール、30%水、n=3(3文の平均)。
【図5】図5は、120mg(−◆−)又は180mg(−〔黒四角〕−)の被膜により提供される溶解性の遅延時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、腸溶性被膜が6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物。
【請求項2】
6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、腸溶性被膜が6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する、6−メルカプトプリン、及び医薬的に許容できる酸のカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム又はカルシウム塩を含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物。
【請求項3】
胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜をさらに含んで成る請求項1記載の腸溶性被覆された医薬組成物。
【請求項4】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項3記載の腸溶性被覆された医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬的に許容できる酸が、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択される請求項3記載の医薬組成物。
【請求項6】
クエン酸カリウムを含んで成る請求項3記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記6−メルカプトプリンが、医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化され、前記医薬キャリヤー粉末上に6−メルカプトプリンの均等膜が形成される請求項3記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記噴霧粒質化が、流動層において行われる請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記6−メルカプトプリンの溶液が、
(a)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒;又は
(b)水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る請求項7記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記溶媒が、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムを含んで成る請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬キャリヤー粉末が、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る請求項7記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬キャリヤー粉末が、ラクトース又は微晶性セルロースを含んで成る請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記医薬キャリヤー粉末が、その医薬キャリヤー粉末に適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウムのモル量よりも高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される請求項10記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記酸が、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択される請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記酸がクエン酸である請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
(a)6−メルカプトプリンの溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、7分以内に50%以上であり;
(b)6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められ;又は
(c)6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、医薬組成物が、標準の製剤に比較して、哺乳類に投与される場合、少なくとも15%改良され、
ここで前記医薬組成物が、6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により被覆されることを特徴とする6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物。
【請求項17】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜をさらに含んで成る請求項16記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記被覆されていない組成物中の6−メルカプトプリンの溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、5分以内に50%以上である請求項16記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記6−メルカプトプリンが、医薬キャリヤー粉末上に均等な膜を形成する請求項16記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記6−メルカプトプリンが、医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化され、前記医薬キャリヤー粉末上に6−メルカプトプリンの均等膜が形成される請求項21記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記噴霧粒質化が、流動層において行われる請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記6−メルカプトプリンの溶液が、
(a)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒;又は
(b)水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る請求項22記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記溶媒が、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムを含んで成る請求項24記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記医薬キャリヤー粉末が、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る請求項22記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記医薬キャリヤー粉末が、ラクトース又は微晶性セルロースを含んで成る請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記6−メルカプトプリンが、医薬キャリヤー粉末上に、水酸化カリウムを含む溶液から噴霧粒質化され、そしてさらに、前記医薬キャリヤー粉末が、その医薬キャリヤー粉末に噴霧粒質化される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウムのモル量よりも少なくともほぼわずかに高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される請求項22記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記酸が、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択される請求項28記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記酸がクエン酸である請求項29記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記改良された生物学的利用能が、約5%、又は約15%、又は約20%の平均AUCt又はAUCIの上昇率である請求項16記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記改良された生物学的利用能が、約1.05、又は約1.15、又は約1.20の、標準の製剤に比較して、医薬組成物についての個々のAUCt値の平均比率の上昇である請求項16記載の医薬組成物。
【請求項33】
医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解性が、パート(a)又はパート(b)において測定される請求項16記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記錠剤が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
約3%〜約20%の6−メルカプトプリン及び約2%〜約30%のクエン酸カリウムを含んで成り、標準の製剤に比較して、増強された溶解性を示し、そして6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により被覆される医薬組成物。
【請求項36】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項35記載の医薬組成物。
【請求項37】
胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜をさらに含んで成る請求項35記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項37記載の医薬組成物。
【請求項39】
約8%の6−メルカプトプリン及び約5%のクエン酸カリウムを含んで成る請求項38記載の医薬組成物。
【請求項40】
(a)前記6−メルカプトプリンが医薬キャリヤー粉末上に溶液から噴霧粒質化され;そして
(b)前記医薬キャリヤー粉末がクエン酸の溶液により予備−噴霧され、その結果、6−メルカプトプリンが医薬キャリヤー粉末上に均等な被膜を形成する請求項39記載の医薬組成物。
【請求項41】
ラクトース粒質物の表面上に均等な被膜、又は微晶性セルロース粒質物の表面上に均等な被膜に1〜35%(w/w)の6−メルカプトプリンを含んで成る、6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により被覆される物質の組成物。
【請求項42】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項41記載の医薬組成物。
【請求項43】
胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜をさらに含んで成る請求項41記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項43記載の医薬組成物。
【請求項45】
6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物の製造方法であって、医薬キャリヤー上に6−メルカプトプリンの溶液を被覆し、その結果、6−メルカプトプリンが医薬キャリヤー上に均等な膜を形成し、それにより、標準の製剤に比較して、水性酸において増強された6−メルカプトプリン溶解性質を示す6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を形成し、そして6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により、前記医薬組成物を被覆することを含んで成る方法。
【請求項46】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項45記載の方法物。
【請求項47】
胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜を、腸溶性被膜下にさらに提供することを含んで成る請求項45記載の方法。
【請求項48】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項47記載の方法。
【請求項49】
医薬キャリヤー上に、6−メルカプトピリンの溶液を噴霧粒質化することを含んで成る請求項45記載の方法。
【請求項50】
前記6−メルカプトプリンが、医薬キャリヤー粉末上に、水酸化カリウムを含む溶液から噴霧粒質化され、そしてさらに、前記医薬キャリヤーが、その医薬キャリヤーに適用される6−メルカプトプリン溶液における水酸化カリウムのモル量よりも少なくともほぼわずかに高いモル量で、医薬的に許容できる酸の溶液により予備−噴霧される請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記噴霧粒質化が、流動層グラニュレーターを使用する請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記被覆されていない医薬組成物における6−メルカプトプリンが、0.1NのHClにおいて、7分以内に50%以上の程度、溶解する請求項45記載の方法。
【請求項53】
前記被覆されていない組成物における6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められる請求項45記載の方法。
【請求項54】
前記被覆されていない医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解が測定される請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記錠剤が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記6−メルカプトプリンの溶液が、
(a)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合物から成る群から選択された溶媒;又は
(b)水及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、エタノール及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基、及びエタノール/水混合物及び少なくともほぼ理論量の医薬的に許容できる塩基から成る群から選択された溶媒を含んで成る請求項51記載の方法。
【請求項57】
前記溶媒が、エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムから成る群から選択される請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物;エタノール/水/水酸化カリウム、エタノール/水/水酸化ナトリウム又はエタノール/水酸化カリウムから実質的に成る請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記医薬キャリヤーが、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る請求項56記載の方法。
【請求項60】
前記医薬キャリヤーが、ラクトース粉末又は微晶性セルロースを含んで成る請求項59記載の方法。
【請求項61】
6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、標準の製剤に比較して、哺乳類に前記被覆されていない組成物を投与する場合、少なくとも15%改良される請求項47記載の方法。
【請求項62】
6−メルカプトプリンが、腸溶性被覆された医薬組成物が胃を通過した後、少なくとも1時間の遅延の後に開放される、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物をその必要な患者に投与することを含んで成る、6−メルカプトプリンによる処理の必要な患者への6−メルカプトプリンの投与方法。
【請求項63】
6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を、6−メルカプトプリンによる処理の必要な患者に投与することを含んで成る、6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を前記患者に投薬する方法であって、ここで
(a)前記医薬組成物が、標準の製剤に比較して、水性酸において増強された6−メルカプトプリン溶解性を示し;又は
(b)医薬組成物における6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、標準の製剤に比較して、前記組成物が哺乳類に投与される場合、少なくとも15%改良され;
そして前記医薬組成物が、6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により被覆されることを特徴とする方法。
【請求項64】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記医薬組成物が、胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜を、腸溶性被膜下にさらに提供することを含んで成る請求項63記載の方法。
【請求項66】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項64記載の方法。
【請求項67】
前記被覆されていない組成物における6−メルカプトプリンが、0.1NのHClにおいて、7分以内に50%以上の程度、溶解する請求項63記載の方法。
【請求項68】
前記組成物における6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められる請求項63記載の方法。
【請求項69】
被覆されていない医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解性が測定される請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記錠剤が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る請求項69記載の方法。
【請求項71】
前記哺乳類が、患者の少なくとも1つである請求項65記載の方法。
【請求項72】
6−メルカプトプリンが、腸溶性被覆された医薬組成物が胃を通過した後、少なくとも1時間の遅延の後に開放される、6−メルカプトプリンを含んで成る腸溶性被覆された医薬組成物を、白血病又は他の癌、クローン病、関節炎の又は潰瘍性大腸炎を有するか、又は有すると思われる患者に投与することを含んで成る、前記白血病又は他の癌、クローン病、関節炎又は潰瘍性大腸炎の処理方法。
【請求項73】
白血病又は他の癌、クローン病、関節炎又は潰瘍性大腸炎を有するか又は有すると思われる患者に、6−メルカプトプリンを含んで成る医薬組成物を投与することを含んで成る、前記疾病の処理方法であって、
(a)前記医薬組成物が、標準の製剤に比較して、水性酸において増強された6−メルカプトプリン溶解性を示し;
(b)医薬組成物における6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、標準の製剤に比較して、前記組成物が哺乳類に投与される場合、少なくとも15%改良され;又は
(c)医薬組成物中の6−メルカプトプリンの用量が、標準の製剤に比較して、少なくとも15%低められるが、標準の製剤と同じ生物学的利用能を達成し;そして
前記医薬組成物が、6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその組成物の通過の後に生じるよう、医薬組成物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により被覆されることを特徴とする方法。
【請求項74】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項71記載の方法。
【請求項75】
前記医薬組成物が、胃を通しての組成物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜を、腸溶性被膜下にさらに提供することを含んで成る請求項74記載の方法。
【請求項76】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記白血病が、急性リンパ性白血病である請求項72記載の方法。
【請求項78】
前記被覆されていない組成物における6−メルカプトプリンが、0.1NのHClにおいて、7分以内に50%以上の程度、溶解する請求項73記載の方法。
【請求項79】
前記被覆されていない組成物における6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められる請求項73記載の方法。
【請求項80】
被覆されていない医薬組成物を含んで成る錠剤の溶解性が測定される請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記錠剤が、50mgの6−メルカプトプリンを含んで成る請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記哺乳類が、患者の少なくとも1つである請求項75記載の方法。
【請求項83】
6−メルカプトプリンにより被覆された医薬キャリヤー粉末の粒子を含んで成る、投与量形の6−メルカプトプリンを調製するための粒質物であって、6−メルカプトプリンの開放が胃を通してのその粒質物の通過の後に生じるよう、粒質物の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与する腸溶性被膜により被覆されることを特徴とする粒質物。
【請求項84】
胃を通しての組成物の通過の前、6−メルカプトプリンの実質的な開放性が生じない請求項83記載の粒質物。
【請求項85】
前記粒質物が、胃を通しての粒質物の通過の後、予定された時間まで、6−メルカプトプリンの実質的な開放が生じないよう、6−メルカプトプリンの開放性のさらなる遅延を付与する遅延性被膜を、腸溶性被膜下にさらに提供することを含んで成る請求項83記載の粒質物。
【請求項86】
前記予定された時間が、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、又は少なくとも約3時間である請求項85記載の粒質物。
【請求項87】
前記医薬キャリヤー粉末が、ラクトース、スターチ、微晶性セルロース、リン酸カルシウム、粉末化されたセルロース、ソルビトール及びスクロースから成る群から選択された粉末を含んで成る請求項83記載の粒質物。
【請求項88】
前記医薬キャリヤー粉末が、ラクトース又は微晶性セルロースを含んで成る請求項87記載の粒質物。
【請求項89】
6−メルカプトプリンを含んで成るコアー;及び
腸溶性被覆を含んで成る医薬投与形であって、
前記腸溶性被膜が、胃を通しての前記投与形の通過の後、6−メルカプトプリンの開放が生じるよう、前記投与形の経口投与に続いて、6−メルカプトプリンの開放の遅延性を付与することを特徴とする医薬投与形。
【請求項90】
前記コアーが、
(a)6−メルカプトプリン、及び医薬的に許容できる酸のカリウム、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム又はカルシウム塩;又は
(b)医薬キャリヤー粉末上での6−メルカプトプリンの均等な被膜を含んで成る請求項89記載の医薬投与形。
【請求項91】
前記コアーが、次の特徴:
(a)6−メルカプトプリンの溶解度が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、7分以内に50%以上であり;
(b)6−メルカプトプリンの50%溶解度に達する時間が、50rpmで回転する櫂を用いて、USP型II装置において37℃で900mlの0.1NのHClにおいて測定される場合、標準の製剤に比較して、少なくとも約30%低められ;又は
(c)6−メルカプトプリンの生物学的利用能が、医薬コアーが、標準の製剤に比較して、哺乳類に投与される場合、少なくとも15%改良されることを有する請求項89記載の医薬投与形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−530693(P2007−530693A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506315(P2007−506315)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/011113
【国際公開番号】WO2005/099666
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】