6葉式2軸容積回転ポンプ
【課題】ロータの1回転あたりの容量を多くして大流量が得られる小型であって、自給性能を向上させた6葉式2軸容積回転ポンプを提供すること。
【解決手段】吸込口2と吐出口3を設けたケーシング1内に一対のロータ5を収め、各ロータ5のロータ軸6をケーシング1の両側に夫々固定されたハウジング15,16によって回転自由に支持した2軸容積回転ポンプpであって、ロータ5は、ロータ軸6を中心として等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根7が形成されていて、各羽根7の回転方向における厚さ(t)を一定に形成すると共に当該羽根7の頂部7aと谷部7bとの間隔寸法(h)を厚さ(t)の3〜5倍に設け、ロータ軸6の回転中心(o)同士を結ぶ仮想線(v)が垂直方向、水平方向又は所定角度で斜め方向の何れかに設定されるようにケーシング1及びロータ5,5を配設した。
【解決手段】吸込口2と吐出口3を設けたケーシング1内に一対のロータ5を収め、各ロータ5のロータ軸6をケーシング1の両側に夫々固定されたハウジング15,16によって回転自由に支持した2軸容積回転ポンプpであって、ロータ5は、ロータ軸6を中心として等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根7が形成されていて、各羽根7の回転方向における厚さ(t)を一定に形成すると共に当該羽根7の頂部7aと谷部7bとの間隔寸法(h)を厚さ(t)の3〜5倍に設け、ロータ軸6の回転中心(o)同士を結ぶ仮想線(v)が垂直方向、水平方向又は所定角度で斜め方向の何れかに設定されるようにケーシング1及びロータ5,5を配設した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所・製鉄所等から排出される二酸化炭素(CO2)ガスの回収装置、河川や湖沼等の閉鎖水域における汚染水及び浄化槽から放出される汚水の水質改善を行なう装置等に利用可能な6葉式2軸容積回転ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
水、オイル、燃料等の液体・気体等の流体を移送するためのポンプとして、ギヤポンプやベーンポンプが用いられている。
【0003】
特許文献1には、流体用の入口部及び出口部と加圧面を有するハウジングと、チャンバ内に加圧面に対して所定の隙間を持って噛み合い状態で回転可能に収められた一対のギヤ(平歯車)と、ギヤと加圧面との隙間を調整する装置を備えたギヤポンプが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、環状ロータと波形ロータの一対をケーシング内に噛み合い状態で回転可能に収め、環状ロータの半径方向に形成された6つのシリンダ口に、底部に遊挿されたベーンがバネを介して押し出されるように板状のピストンを夫々挿入し、両端をケーシングに固定された支軸を環状ロータの回転軸線と平行させて当該ロータ内に通し、その支軸の周面にベーンの先端を弾接させるように設けたベーンポンプが開示されている。
【0005】
ところで、特許文献1においては、上部及び下部ハウジングの間に装着されて摺動可能な中央ハウジングのチャンバ内面の第1ローブ・第2ローブと、一対のギヤとの空間が大きいことから、ポンプ効率が良くない。また、ギヤポンプの分解や部品交換をすることなく前記隙間を調整ネジによって調整することができるとされているが、その調整作業は容易ではない。特許文献2においては、ピストンやベーンが環状ロータに入り込んでしまってスムーズに出没動作をしない状態が生ずることがある。このときに、流体の逆流現象が加圧室内部で発生するのでポンプの機能は低下する。
【0006】
従来のギヤポンプやベーンポンプでは、ギヤ又はロータの1回転あたりの容量が少なく、容量を多くするために毎分1000回転以上の高速運転を行なうと振動が大きくなる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−129589号公報
【特許文献2】特開平6−498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ロータの1回転あたりの容量を多くして大流量が得られる小型であって、自給性能を向上させた6葉式2軸容積回転ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に記載した発明は、吸込口と吐出口を設けたケーシング内に一対のロータを収め、各ロータのロータ軸を該ケーシングの両側に夫々固定されたハウジングによって回転自由に支持した2軸容積回転ポンプであって、
前記ロータは、前記ロータ軸を中心として等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根が形成されていて、各羽根の回転方向における厚さを一定に形成すると共に当該羽根の頂部と谷部との間隔寸法を該厚さの3〜5倍に設けたことを特徴とする。
【0010】
同様の目的を達成するために請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプにおいて、前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したフローティングシートと、そのロータ軸に装着したシールリングの対向部同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とするものである。
【0011】
軸封部は、ハウジング側に固定したフローティングシートと、ロータ軸に装着したシールリングの対向部同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造とされ、吸入する流体に混入する繊維等の夾雑物がハウジング室に侵入しても、夾雑物は円形カッターによって裁断されて低圧側の吸込み作用によってケーシング内へ戻されて流体と一緒に排出される。この軸封部を備えたポンプは、流体が主に液体の場合でウォータポンプに適する。
【0012】
同様の目的を達成するために請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプにおいて、前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したオイルシールの内縁部と、そのロータ軸に装着したスリーブの外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とするものである。
【0013】
軸封部は、ハウジング側に固定したオイルシールの内縁部と、ロータ軸に装着したスリーブの外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造とされ、吸入する流体に混入するゴミ等の夾雑物がハウジング室に進入しても、夾雑物は円形カッターによって切断されてオイルシール内への侵入が防止される。この軸封部を備えたポンプは、流体が主に気体の場合でブロワに適する。
【0014】
同様の目的を達成するために請求項4に記載した発明は、請求項1から3の何れかに記載の6葉式2軸容積回転ポンプにおいて、前記ロータ軸の回転中心同士を結ぶ仮想線が垂直方向、水平方向又は所定角度で斜め方向の何れかに設定されるように前記ケーシング及びロータを配設したことを特徴とするものである。
【0015】
ロータ軸の配置により吸入口や吐出口の位置を変えることができることから、様々な用途に合わせて本発明に係るポンプを設計することができる。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1の発明)
この6葉式2軸容積回転ポンプは、ロータの1回転あたりの容量を多くして大流量が得られる小型構造とされ、低速運転ができることから騒音や振動が少なく、ウォータポンプ、空気ブロワ、湿式ブロワ等の様々な用途に利用可能である。さらに、ウォータポンプに使用した場合には、吸込水量に対して50%以上の吸込空気量を得ることができ、自給性能が低下しないという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプの正面図
【図2】同、側面図
【図3】ロータの回転角度を変化させて連続的に表した説明図
【図4】メカニカルシール構造の軸封部の説明図
【図5】オイルシール構造の軸封部の説明図
【図6】本発明に係るポンプの利用例1
【図7】本発明に係るポンプの利用例2
【図8】本発明に係るポンプの性能試験結果を示すグラフ
【図9】二酸化炭素ガス溶存量の測定結果を示すグラフ(1)
【図10】二酸化炭素ガス溶存量の測定結果を示すグラフ(2)
【図11】本発明に係るポンプと比較例における二酸化炭素ガスの溶解量の測定結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の最良の形態例を図面に基づいて説明する。
【0019】
本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプ(以下、本発明に係るポンプともいう)pは、吸込口2と吐出口3を設けたケーシング1内に一対のロータ5,5を収め、各ロータ5のロータ軸6をケーシング1の両側に夫々固定されたハウジング15,16に夫々装着されたベアリング17によって回転自由に支持するように設けられている。ハウジング15から突出する下方のロータ軸6には、プ−リ20を取り付けて別途モータ装置により駆動するように設けている。ハウジング16から突出するロータ軸6,6には、タイミングギヤ21を夫々固定して当該ギヤ同士を噛合させるように設ける。22はハウジング16の外端面に取り付けたギヤカバーである。
【0020】
この実施例におけるケーシング1及びロータ5,5については、図2に示すように、ロータ軸6,6の回転中心(o)同士を結ぶ仮想線(v)を所定角度、ここでは45度で斜め方向に設定するように配置されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明に係るポンプpの吸入口や吐出口の位置を限定することにより様々な設置状態に対応可能であることから、仮想線(v)が斜め方向に限らず、垂直方向又は水平方向の何れかに設定する場合もある。
【0021】
ロータ5は、ロータ軸6を中心として(60度の)等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根(葉片)7が一体状に形成され、各羽根7の回転方向における厚さ(t)を一定に形成して側面から見て直線形とすると共に当該羽根7の頂部7aと谷部7bとの間隔寸法(h)を厚さ(t)の3〜5倍に設けられる。そして、ロータ5は、羽根7の頂部7aとケーシング1の内面1aとの隙間を0.3mm程度に保って互いに反対方向に回転するように設けられている。
【0022】
ロータ5の回転角度を10度毎に変化させて連続的に表した状態を図3に示す。
吸込側と吐出側の間におけるケーシング1の内面1aに対して最大で4つの羽根7が同時に閉じて3つの室が生ずることから、室間における流体の内部漏れが少ない。これにより、本発明に係るポンプpの効率は、ルーツポンプに比べて高い。
【0023】
図2において、一方のロータ5の羽根7の頂部7aと他方のロータ5の谷部7bとの隙間は、最大で5mm程度となる。これにより、本発明に係るポンプpは、ルーツポンプに見られるロータ間における流体の閉じ込み現象が発生しなくなり、1000rpm以上の高速回転をしても振動が少ない。また、2つの羽根7の頂部7aによりケーシング1の内面1aを閉じたときに生ずる室の容積が大きいことから、ロータの1回転当たりの容量が多くなり、小型で大流量を得ることができる。参考として、同一軸間寸法・外形寸法とした各種ロータ形状の1回転当たりの概略容量を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
ロータ軸6の軸封部については、流体が主に液体の場合でウォータポンプに適するメカニカルシール構造、又は流体が主に気体の場合でブロワに適するオイルシール構造の何れかを採用する。以下に、各シール構造について述べる。
【0026】
(メカニカルシール構造)
図4において、ロータ軸6の各側面には、外周に平行な凹凸部25aが連続して形成された円形カッター25を固定し、ケーシング1に連通するハウジング室18の内周面と該カッター25の凹凸部25aとの間に僅かな隙間(c)を生ずるように設けている。ロータ軸6には、ウレタン製ショックゴム26とシールリング27とが円形カッター25の端面に密着するように順に装着されている。27aはシールリング27の端面に周設された金属製シール部である。ベアリング17の外輪側には、オイルシール30が内装されたカラー部材29を嵌着し、そのカラー部材29の奥にフローティングシート31を嵌着している。31aはフローティングシート31の端面に周設された金属製シール部である。32はフローティングシート31の段部に装着されてカラー部材29に密着するように設けられたOリング、33はベアリング17の外方でハウジング15に装着されたダストシールである。18aはハウジング室に溜まるドレンを排出するためのドレン孔である。
【0027】
しかして、ハウジング15側に固定したフローティングシート31と、ロータ軸6に装着したシールリング27の対向部同士、即ちシール部31a,27a同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造が構成される。また、ハウジング16側についても、同様のメカニカルシール構造の軸封を施すものとする。
【0028】
(オイルシール構造)
ロータ軸6には、ケーシング1内からハウジング室18に浸入する水等を遠心力作用によって吹き飛ばす振り切りリング36を挟み込むように前後にスリーブ35,35を装着している。ハウジング16側には、各スリーブ35に夫々対応するように前方(奥)に2個、後方に1個のオイルシール38が固定されている。39はベアリング17の外方でハウジング15に装着されたダストシールである。18aはハウジング室18に溜まるドレンを排出するためのドレン孔である。
【0029】
なお、ロータ軸6の各側面に円形カッター25を固定する点に関しては、メカニカルシール構造の場合と変わらないので説明を省く。
【0030】
しかして、ハウジング15側に固定したオイルシール38の内縁部38aと、ロータ軸6に装着したスリーブ35の外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造が構成される。なお、ハウジング16側についても、同様のオイルシール構造を施すものとする。
【0031】
以上により、ロータ5,5の回転により吸込口2から吸い込まれる流体を圧縮して吐出口3から吐出する本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプpが構成される。
【0032】
(ポンプの利用例)
本発明に係るポンプpの利用例を図面に基づいて説明する。
図6に示す二酸化炭素ガス回収装置は、発電所等から排出される二酸化炭素(CO2)ガスを本発明に係るポンプpにより吸い込まれる水に混合させて水中に放出し溶存させることにより回収を行なうために使用される。機台51上には、本発明に係るポンプpと、このポンプを駆動するためのモータ装置52が設置されている。ポンプpの吸込口2には、先端にストレーナ54を取り付けた吸入管53を接続し、吐出口3には排出管57を接続している。吸入管53には、二酸化炭素ガスを導入するためのガス導入管55が接続されている。60は補給管61から補給される水を溜める第1水槽、62は二酸化炭素ガスを溶存させるための第2水槽である。
【0033】
図7に示す微細気泡発生装置は、河川や湖沼等の特に閉鎖水域の汚染された水に微細気泡を吹き込むことにより水質を改善するために使用される。この装置は、前記二酸化炭素ガス回収装置の構成とほぼ同じ構成とされており、同じ構成要素については記号を流用して図面に記載した。吸入管53には、外気を導入するための空気導入管56が接続されている。65は河川や湖沼等の閉鎖水域である。
【0034】
本発明に係るポンプpは、水と、二酸化炭素ガス又は空気を同時に吸引することによって各羽根7の回転方向の背面側に吸込負圧による局部真空が発生すると共に吐出側の圧力により瞬間的に室内に閉じ込められた気泡が微細化される。そこで、かかるポンプを上記装置に使用した場合にポンプから放出されて水中に溶解する二酸化炭素ガス又は空気は、微細気泡となって長期間拡散しないことが出願人の実験により確かめられている。
【0035】
(実験1)
本発明に係るポンプについて、水100%から空気100%に至る吸込み性能試験を行なった。その結果を図8のグラフに示す。
(実験条件)
本発明に係るポンプ
口径:50mm
回転速度:450rpm
モータ装置
出力:1.5Kw
【0036】
実験の結果、水100%から空気100%の全領域においてキャビテーションの発生もなく、安定して運転できることが確認された。
【0037】
(実験2)
本発明に係るポンプについて、吸引した水に30%濃度の二酸化炭素ガスを混入させるように調整し、ポンプの吐出口から水中に放出された後の二酸化炭素ガスの溶存量を測定した。その結果を図9のグラフに示す。
また、水中の二酸化炭素ガスの溶存量に関し、ポンプの吐出口直後で排水を採取して瞬時値を測定した。その結果を図10のグラフに示す。
(実験条件)
本発明に係るポンプ
口径:50mm
回転速度:250rpm
モータ装置
出力:0.75Kw
吸込水量:200リットル/分
吸込二酸化炭素ガス量:20リットル/分
吸込空気量:47リットル/分
水槽容積:950リットル
水温:30℃
【0038】
実験の結果、水中における二酸化炭素ガスの溶存量は、30分経過後に約480mg/Lとなり、二酸化炭素ガスが効果的に溶存することが確認された。また、二酸化炭素ガスの瞬時値に関しては、僅か10秒経過で約230mg/L、30秒経過で約270mg/Lとなり、以後変化が少なく、短時間でも多量の二酸化炭素ガスが溶存することが確認された。
【0039】
(実験3)
本発明に係るポンプと比較例の2葉式ルーツポンプについて、吸込み水量と吸込み二酸化炭素ガス量との混合比率を変えつつポンプの吐出口直後の二酸化炭素ガスの水中への溶解量を比較する実験を行なった。その結果を図11に示す。
(実験条件)
本発明に係るポンプ
口径:50mm
回転速度:250rpm
モータ装置
出力:0.75Kw
比較例の2葉式ルーツポンプ
口径:50mm
回転速度:700rpm
モータ装置
出力:1.5Kw
【0040】
実験の結果、本発明に係るポンプは比較例のルーツポンプよりも多くの二酸化炭素ガスを溶解させることが確認された。このことは、本発明に係るポンプでは、ケーシング内で二酸化炭素ガスと水の混合する回数が比較例よりも多いことに起因すると考えられる。
【符号の説明】
【0041】
p・・・本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプ
(0)・・・回転中心
(v)・・・仮想線
(h)・・・間隔寸法
(t)・・・羽根の厚さ
(c)・・・隙間
1・・・ケーシング
2・・・吸込口 3・・・吐出口
5・・・ロータ
6・・・ロータ軸
7・・・羽根
7a・・・頂部 7b・・・谷部
15,16・・・ハウジング
25・・・円形カッター
25a・・・凹凸部
27・・・シールリング
31・・・フローティングシート
35・・・スリーブ
38・・・オイルシール
38a・・・内縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所・製鉄所等から排出される二酸化炭素(CO2)ガスの回収装置、河川や湖沼等の閉鎖水域における汚染水及び浄化槽から放出される汚水の水質改善を行なう装置等に利用可能な6葉式2軸容積回転ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
水、オイル、燃料等の液体・気体等の流体を移送するためのポンプとして、ギヤポンプやベーンポンプが用いられている。
【0003】
特許文献1には、流体用の入口部及び出口部と加圧面を有するハウジングと、チャンバ内に加圧面に対して所定の隙間を持って噛み合い状態で回転可能に収められた一対のギヤ(平歯車)と、ギヤと加圧面との隙間を調整する装置を備えたギヤポンプが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、環状ロータと波形ロータの一対をケーシング内に噛み合い状態で回転可能に収め、環状ロータの半径方向に形成された6つのシリンダ口に、底部に遊挿されたベーンがバネを介して押し出されるように板状のピストンを夫々挿入し、両端をケーシングに固定された支軸を環状ロータの回転軸線と平行させて当該ロータ内に通し、その支軸の周面にベーンの先端を弾接させるように設けたベーンポンプが開示されている。
【0005】
ところで、特許文献1においては、上部及び下部ハウジングの間に装着されて摺動可能な中央ハウジングのチャンバ内面の第1ローブ・第2ローブと、一対のギヤとの空間が大きいことから、ポンプ効率が良くない。また、ギヤポンプの分解や部品交換をすることなく前記隙間を調整ネジによって調整することができるとされているが、その調整作業は容易ではない。特許文献2においては、ピストンやベーンが環状ロータに入り込んでしまってスムーズに出没動作をしない状態が生ずることがある。このときに、流体の逆流現象が加圧室内部で発生するのでポンプの機能は低下する。
【0006】
従来のギヤポンプやベーンポンプでは、ギヤ又はロータの1回転あたりの容量が少なく、容量を多くするために毎分1000回転以上の高速運転を行なうと振動が大きくなる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−129589号公報
【特許文献2】特開平6−498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ロータの1回転あたりの容量を多くして大流量が得られる小型であって、自給性能を向上させた6葉式2軸容積回転ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に記載した発明は、吸込口と吐出口を設けたケーシング内に一対のロータを収め、各ロータのロータ軸を該ケーシングの両側に夫々固定されたハウジングによって回転自由に支持した2軸容積回転ポンプであって、
前記ロータは、前記ロータ軸を中心として等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根が形成されていて、各羽根の回転方向における厚さを一定に形成すると共に当該羽根の頂部と谷部との間隔寸法を該厚さの3〜5倍に設けたことを特徴とする。
【0010】
同様の目的を達成するために請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプにおいて、前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したフローティングシートと、そのロータ軸に装着したシールリングの対向部同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とするものである。
【0011】
軸封部は、ハウジング側に固定したフローティングシートと、ロータ軸に装着したシールリングの対向部同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造とされ、吸入する流体に混入する繊維等の夾雑物がハウジング室に侵入しても、夾雑物は円形カッターによって裁断されて低圧側の吸込み作用によってケーシング内へ戻されて流体と一緒に排出される。この軸封部を備えたポンプは、流体が主に液体の場合でウォータポンプに適する。
【0012】
同様の目的を達成するために請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプにおいて、前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したオイルシールの内縁部と、そのロータ軸に装着したスリーブの外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とするものである。
【0013】
軸封部は、ハウジング側に固定したオイルシールの内縁部と、ロータ軸に装着したスリーブの外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造とされ、吸入する流体に混入するゴミ等の夾雑物がハウジング室に進入しても、夾雑物は円形カッターによって切断されてオイルシール内への侵入が防止される。この軸封部を備えたポンプは、流体が主に気体の場合でブロワに適する。
【0014】
同様の目的を達成するために請求項4に記載した発明は、請求項1から3の何れかに記載の6葉式2軸容積回転ポンプにおいて、前記ロータ軸の回転中心同士を結ぶ仮想線が垂直方向、水平方向又は所定角度で斜め方向の何れかに設定されるように前記ケーシング及びロータを配設したことを特徴とするものである。
【0015】
ロータ軸の配置により吸入口や吐出口の位置を変えることができることから、様々な用途に合わせて本発明に係るポンプを設計することができる。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1の発明)
この6葉式2軸容積回転ポンプは、ロータの1回転あたりの容量を多くして大流量が得られる小型構造とされ、低速運転ができることから騒音や振動が少なく、ウォータポンプ、空気ブロワ、湿式ブロワ等の様々な用途に利用可能である。さらに、ウォータポンプに使用した場合には、吸込水量に対して50%以上の吸込空気量を得ることができ、自給性能が低下しないという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプの正面図
【図2】同、側面図
【図3】ロータの回転角度を変化させて連続的に表した説明図
【図4】メカニカルシール構造の軸封部の説明図
【図5】オイルシール構造の軸封部の説明図
【図6】本発明に係るポンプの利用例1
【図7】本発明に係るポンプの利用例2
【図8】本発明に係るポンプの性能試験結果を示すグラフ
【図9】二酸化炭素ガス溶存量の測定結果を示すグラフ(1)
【図10】二酸化炭素ガス溶存量の測定結果を示すグラフ(2)
【図11】本発明に係るポンプと比較例における二酸化炭素ガスの溶解量の測定結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の最良の形態例を図面に基づいて説明する。
【0019】
本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプ(以下、本発明に係るポンプともいう)pは、吸込口2と吐出口3を設けたケーシング1内に一対のロータ5,5を収め、各ロータ5のロータ軸6をケーシング1の両側に夫々固定されたハウジング15,16に夫々装着されたベアリング17によって回転自由に支持するように設けられている。ハウジング15から突出する下方のロータ軸6には、プ−リ20を取り付けて別途モータ装置により駆動するように設けている。ハウジング16から突出するロータ軸6,6には、タイミングギヤ21を夫々固定して当該ギヤ同士を噛合させるように設ける。22はハウジング16の外端面に取り付けたギヤカバーである。
【0020】
この実施例におけるケーシング1及びロータ5,5については、図2に示すように、ロータ軸6,6の回転中心(o)同士を結ぶ仮想線(v)を所定角度、ここでは45度で斜め方向に設定するように配置されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明に係るポンプpの吸入口や吐出口の位置を限定することにより様々な設置状態に対応可能であることから、仮想線(v)が斜め方向に限らず、垂直方向又は水平方向の何れかに設定する場合もある。
【0021】
ロータ5は、ロータ軸6を中心として(60度の)等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根(葉片)7が一体状に形成され、各羽根7の回転方向における厚さ(t)を一定に形成して側面から見て直線形とすると共に当該羽根7の頂部7aと谷部7bとの間隔寸法(h)を厚さ(t)の3〜5倍に設けられる。そして、ロータ5は、羽根7の頂部7aとケーシング1の内面1aとの隙間を0.3mm程度に保って互いに反対方向に回転するように設けられている。
【0022】
ロータ5の回転角度を10度毎に変化させて連続的に表した状態を図3に示す。
吸込側と吐出側の間におけるケーシング1の内面1aに対して最大で4つの羽根7が同時に閉じて3つの室が生ずることから、室間における流体の内部漏れが少ない。これにより、本発明に係るポンプpの効率は、ルーツポンプに比べて高い。
【0023】
図2において、一方のロータ5の羽根7の頂部7aと他方のロータ5の谷部7bとの隙間は、最大で5mm程度となる。これにより、本発明に係るポンプpは、ルーツポンプに見られるロータ間における流体の閉じ込み現象が発生しなくなり、1000rpm以上の高速回転をしても振動が少ない。また、2つの羽根7の頂部7aによりケーシング1の内面1aを閉じたときに生ずる室の容積が大きいことから、ロータの1回転当たりの容量が多くなり、小型で大流量を得ることができる。参考として、同一軸間寸法・外形寸法とした各種ロータ形状の1回転当たりの概略容量を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
ロータ軸6の軸封部については、流体が主に液体の場合でウォータポンプに適するメカニカルシール構造、又は流体が主に気体の場合でブロワに適するオイルシール構造の何れかを採用する。以下に、各シール構造について述べる。
【0026】
(メカニカルシール構造)
図4において、ロータ軸6の各側面には、外周に平行な凹凸部25aが連続して形成された円形カッター25を固定し、ケーシング1に連通するハウジング室18の内周面と該カッター25の凹凸部25aとの間に僅かな隙間(c)を生ずるように設けている。ロータ軸6には、ウレタン製ショックゴム26とシールリング27とが円形カッター25の端面に密着するように順に装着されている。27aはシールリング27の端面に周設された金属製シール部である。ベアリング17の外輪側には、オイルシール30が内装されたカラー部材29を嵌着し、そのカラー部材29の奥にフローティングシート31を嵌着している。31aはフローティングシート31の端面に周設された金属製シール部である。32はフローティングシート31の段部に装着されてカラー部材29に密着するように設けられたOリング、33はベアリング17の外方でハウジング15に装着されたダストシールである。18aはハウジング室に溜まるドレンを排出するためのドレン孔である。
【0027】
しかして、ハウジング15側に固定したフローティングシート31と、ロータ軸6に装着したシールリング27の対向部同士、即ちシール部31a,27a同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造が構成される。また、ハウジング16側についても、同様のメカニカルシール構造の軸封を施すものとする。
【0028】
(オイルシール構造)
ロータ軸6には、ケーシング1内からハウジング室18に浸入する水等を遠心力作用によって吹き飛ばす振り切りリング36を挟み込むように前後にスリーブ35,35を装着している。ハウジング16側には、各スリーブ35に夫々対応するように前方(奥)に2個、後方に1個のオイルシール38が固定されている。39はベアリング17の外方でハウジング15に装着されたダストシールである。18aはハウジング室18に溜まるドレンを排出するためのドレン孔である。
【0029】
なお、ロータ軸6の各側面に円形カッター25を固定する点に関しては、メカニカルシール構造の場合と変わらないので説明を省く。
【0030】
しかして、ハウジング15側に固定したオイルシール38の内縁部38aと、ロータ軸6に装着したスリーブ35の外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造が構成される。なお、ハウジング16側についても、同様のオイルシール構造を施すものとする。
【0031】
以上により、ロータ5,5の回転により吸込口2から吸い込まれる流体を圧縮して吐出口3から吐出する本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプpが構成される。
【0032】
(ポンプの利用例)
本発明に係るポンプpの利用例を図面に基づいて説明する。
図6に示す二酸化炭素ガス回収装置は、発電所等から排出される二酸化炭素(CO2)ガスを本発明に係るポンプpにより吸い込まれる水に混合させて水中に放出し溶存させることにより回収を行なうために使用される。機台51上には、本発明に係るポンプpと、このポンプを駆動するためのモータ装置52が設置されている。ポンプpの吸込口2には、先端にストレーナ54を取り付けた吸入管53を接続し、吐出口3には排出管57を接続している。吸入管53には、二酸化炭素ガスを導入するためのガス導入管55が接続されている。60は補給管61から補給される水を溜める第1水槽、62は二酸化炭素ガスを溶存させるための第2水槽である。
【0033】
図7に示す微細気泡発生装置は、河川や湖沼等の特に閉鎖水域の汚染された水に微細気泡を吹き込むことにより水質を改善するために使用される。この装置は、前記二酸化炭素ガス回収装置の構成とほぼ同じ構成とされており、同じ構成要素については記号を流用して図面に記載した。吸入管53には、外気を導入するための空気導入管56が接続されている。65は河川や湖沼等の閉鎖水域である。
【0034】
本発明に係るポンプpは、水と、二酸化炭素ガス又は空気を同時に吸引することによって各羽根7の回転方向の背面側に吸込負圧による局部真空が発生すると共に吐出側の圧力により瞬間的に室内に閉じ込められた気泡が微細化される。そこで、かかるポンプを上記装置に使用した場合にポンプから放出されて水中に溶解する二酸化炭素ガス又は空気は、微細気泡となって長期間拡散しないことが出願人の実験により確かめられている。
【0035】
(実験1)
本発明に係るポンプについて、水100%から空気100%に至る吸込み性能試験を行なった。その結果を図8のグラフに示す。
(実験条件)
本発明に係るポンプ
口径:50mm
回転速度:450rpm
モータ装置
出力:1.5Kw
【0036】
実験の結果、水100%から空気100%の全領域においてキャビテーションの発生もなく、安定して運転できることが確認された。
【0037】
(実験2)
本発明に係るポンプについて、吸引した水に30%濃度の二酸化炭素ガスを混入させるように調整し、ポンプの吐出口から水中に放出された後の二酸化炭素ガスの溶存量を測定した。その結果を図9のグラフに示す。
また、水中の二酸化炭素ガスの溶存量に関し、ポンプの吐出口直後で排水を採取して瞬時値を測定した。その結果を図10のグラフに示す。
(実験条件)
本発明に係るポンプ
口径:50mm
回転速度:250rpm
モータ装置
出力:0.75Kw
吸込水量:200リットル/分
吸込二酸化炭素ガス量:20リットル/分
吸込空気量:47リットル/分
水槽容積:950リットル
水温:30℃
【0038】
実験の結果、水中における二酸化炭素ガスの溶存量は、30分経過後に約480mg/Lとなり、二酸化炭素ガスが効果的に溶存することが確認された。また、二酸化炭素ガスの瞬時値に関しては、僅か10秒経過で約230mg/L、30秒経過で約270mg/Lとなり、以後変化が少なく、短時間でも多量の二酸化炭素ガスが溶存することが確認された。
【0039】
(実験3)
本発明に係るポンプと比較例の2葉式ルーツポンプについて、吸込み水量と吸込み二酸化炭素ガス量との混合比率を変えつつポンプの吐出口直後の二酸化炭素ガスの水中への溶解量を比較する実験を行なった。その結果を図11に示す。
(実験条件)
本発明に係るポンプ
口径:50mm
回転速度:250rpm
モータ装置
出力:0.75Kw
比較例の2葉式ルーツポンプ
口径:50mm
回転速度:700rpm
モータ装置
出力:1.5Kw
【0040】
実験の結果、本発明に係るポンプは比較例のルーツポンプよりも多くの二酸化炭素ガスを溶解させることが確認された。このことは、本発明に係るポンプでは、ケーシング内で二酸化炭素ガスと水の混合する回数が比較例よりも多いことに起因すると考えられる。
【符号の説明】
【0041】
p・・・本発明に係る6葉式2軸容積回転ポンプ
(0)・・・回転中心
(v)・・・仮想線
(h)・・・間隔寸法
(t)・・・羽根の厚さ
(c)・・・隙間
1・・・ケーシング
2・・・吸込口 3・・・吐出口
5・・・ロータ
6・・・ロータ軸
7・・・羽根
7a・・・頂部 7b・・・谷部
15,16・・・ハウジング
25・・・円形カッター
25a・・・凹凸部
27・・・シールリング
31・・・フローティングシート
35・・・スリーブ
38・・・オイルシール
38a・・・内縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と吐出口を設けたケーシング内に一対のロータを収め、各ロータのロータ軸を該ケーシングの両側に夫々固定されたハウジングによって回転自由に支持した2軸容積回転ポンプであって、
前記ロータは、前記ロータ軸を中心として等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根が形成されていて、各羽根の回転方向における厚さを一定に形成すると共に当該羽根の頂部と谷部との間隔寸法を該厚さの3〜5倍に設けたことを特徴とする6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項2】
前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したフローティングシートと、そのロータ軸に装着したシールリングの対向部同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項3】
前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したオイルシールの内縁部と、そのロータ軸に装着したスリーブの外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項4】
前記ロータ軸の回転中心同士を結ぶ仮想線が垂直方向、水平方向又は所定角度で斜め方向の何れかに設定されるように前記ケーシング及びロータを配設したことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項1】
吸込口と吐出口を設けたケーシング内に一対のロータを収め、各ロータのロータ軸を該ケーシングの両側に夫々固定されたハウジングによって回転自由に支持した2軸容積回転ポンプであって、
前記ロータは、前記ロータ軸を中心として等角度間隔で放射方向に延びる6つの羽根が形成されていて、各羽根の回転方向における厚さを一定に形成すると共に当該羽根の頂部と谷部との間隔寸法を該厚さの3〜5倍に設けたことを特徴とする6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項2】
前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したフローティングシートと、そのロータ軸に装着したシールリングの対向部同士を接触させることにより軸封を施すメカニカルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項3】
前記ロータ軸の軸封部が、前記ハウジング側に固定したオイルシールの内縁部と、そのロータ軸に装着したスリーブの外周面とを接触させることにより軸封を施すオイルシール構造とされ、外周に凹凸部が形成された円形カッターを該ロータ軸の各側面に固定し、前記ハウジング室の内周面と該カッターの凹凸部との間に隙間を生ずるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の6葉式2軸容積回転ポンプ。
【請求項4】
前記ロータ軸の回転中心同士を結ぶ仮想線が垂直方向、水平方向又は所定角度で斜め方向の何れかに設定されるように前記ケーシング及びロータを配設したことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の6葉式2軸容積回転ポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−87663(P2012−87663A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234245(P2010−234245)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000127123)株式会社アンレット (41)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000127123)株式会社アンレット (41)
【Fターム(参考)】
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