説明

A/D変換回路及び光ディスク装置

【課題】アシンメトリなアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【解決手段】A/D変換回路1において、再生RF信号のピーク値、ボトム値及び平均値を検波回路10で検波する。A/D変換特性演算部12は、これらの値に基づいて再生RF信号のアシンメトリを補正するような所望のA/D変換特性を演算し、D/Aコンバータ16に指示する。D/Aコンバータ16は所望のA/D変換特性となるようにコンパレータC1〜C255に与える基準電位を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はA/D変換回路及び光ディスク装置に関し、特に入力アナログ信号のアシンメトリあるいは上下非対称性の補正に関する。
【背景技術】
【0002】
HD DVDやBD(Blu-ray Disc)等の次世代光ディスクでは、ディスク上のピットとレーザスポット直径の関係から、再生信号は前後のピットから符号間干渉を受けることとなり、信号再生時にはこの干渉を積極的に利用してPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式で再生を行うことが提案されている。ここに、PRMLは、前後のピット間の干渉を前提とし、再生信号から最も確からしいデータを読み取る信号処理方式であり、波形干渉を抑えずに狭い周波数帯域のままデータを記録再生するPR検出と、1ビット毎に判別するのではなく複数の再生信号列から最も確からしいビット列を復号するML復号の複合技術である。
【0003】
HD DVDのPRクラスはメディアとピックアップ間の伝達特性からPR[1,2,2,2,1]とされているが、最短反転2T(Tは基準時間長)の変調コードが採用されており、PR[1,2,2,2,1]では、2T信号の振幅が得られない問題がある。光ディスクの再生方法としては一般にダイレクトスライス法が用いられるが、ピット長が2Tの場合は上記のように信号振幅が小さいため、ダイレクトスライス法では2T信号を抽出することが困難である。PRML法においては、再生信号に最も近い時間遷移をもつ目標信号を選択し、目標信号を生成するビット列をデコード結果として出力する。目標信号は指定したインパルスレスポンス(PRクラス)とビット列の畳み込みにより算出される。したがって、光ディスクの記録密度に応じた適切なPRクラスが選択される。PRクラスをPR[a,b]で表現するものとすると、PR[1,1]はインパルス応答が連続する2つの識別点に1:1の割合で出現する特性を示す。したがって、入力{0・・1・・・}に対する応答出力は{0・・11・・}となる。また、PR[1,2,1]はインパルス応答が連続する3つの識別点に1:2:1の割合で出現する特性を示す。したがって、入力{0・・1・・}に対する応答特性は{0・・121・・}となる。HD DVDの場合、PRクラスはPR[1,2,2,2,1]とされ、これはインパルス応答が連続する5個の識別点に1:2:2:2:1の割合で出現することを示す。
【0004】
しかしながら、PRML法では、上下対称のシンメトリな再生信号に対しては精度よくデコードできるが、上下に非対称のアシンメトリな再生信号に対しては非常に脆く、悪影響を及ぼすことがある。
【0005】
下記の特許文献1には、信号のアシンメトリの大小を検出し、アシンメトリが大きい場合にはスライサによる2値化を行い、アシンメトリが小さい場合にはPRMLで2値化を行うことが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、PRML方式のデータ再生チャネルに使用されるフラッシュ型A/D変換回路において、基準電圧の中心電圧レベルを調整するための調整回路を設けることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−279736号公報
【特許文献2】特開平8−83403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、アシンメトリが大きな再生信号の場合にはスライサによる2値化が行われるため、2T信号をデコードすることが困難で本質的な解決に至っていない。
【0009】
本発明の目的は、上下に非対称のアシンメトリな信号が入力された場合でも的確に2値化を行うことができるA/D変換回路及び光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、入力アナログ信号と基準電位とを比較するコンパレータを有するA/D変換回路であって、前記入力アナログ信号のピーク値、ボトム値及び平均値を検出する検出回路と、前記ピーク値、ボトム値、及び平均値に応じ、所望のA/D変換特性となるように基準電位を設定する調整回路とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記所望のA/D変換特性は、前記ボトム値をデジタル値の最小値、前記ピーク値をデジタル値の最大値、前記平均値をデジタル値の中間値に変換し、前記ボトム値と前記平均値との間は入力電圧値に応じてリニアにデジタル値が変化し、前記平均値と前記ピーク値との間は入力電圧値に応じてリニアにデジタル値が変化するような特性とする。
【0012】
また、本発明の他の実施形態では、前記所望のA/D変換特性は、前記ボトム値をデジタル値の最小値、前記ピーク値をデジタル値の最大値、前記平均値をデジタル値の中間値に変換し、前記ボトム値と前記平均値との間、及び前記平均値と前記ピーク値との間はいずれも入力電圧値に応じて非リニアにデジタル値が変化するような特性とする。
【0013】
本発明のA/D変換回路は、並列型、インターポレーション型、パイプライン型、カスケード型、サブレンジング型、フォールディング型のいずれでもよい。
【0014】
本発明のA/D変換回路は、光ディスクに対してデータを記録しあるいは再生する光ディスク装置に組み込むことができる。光ディスク装置は、光ディスクから読み出した再生RF信号をA/D変換回路でデジタル信号に変換して復調する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で非リニアなA/D特性を実現することができる。したがって、このようなA/D変換回路を用いることで、上下に非対称な、あるいはアシンメトリな再生RF信号も的確にデジタル信号に変換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0017】
<第1実施形態>
図1に、HD DVDやBD(Blu-ray Disc)等の次世代光ディスクを再生する光ディスク装置に用いられるA/D変換回路1の構成を示す。光ディスク装置の光ピックアップにより光ディスクから読み出された再生RF信号は、イコライザにより等化処理された後、A/D変換回路1によりA/D変換され、PRML処理部にてPRML処理されデコードされる。従来の光ディスク装置では、A/D変換回路としてリニアなA/D変換特性を有するが、図1に示すA/D変換回路1は、入力RF信号のアシンメトリを解消するために非リニアな特性を有する。
【0018】
図1に示すA/D変換回路1の説明に先立ち、まず比較のため、リニアな変換特性を有する従来のA/D変換回路について説明する。
【0019】
図5に、従来のA/D変換回路1を示す。再生RF信号を8ビットのデジタル信号に変換する回路である。A/D変換回路1は、再生RF信号が供給されるコンパレータC1〜C255を有する。コンパレータC1〜C255のそれぞれの非反転入力端子(+)に再生RF信号が供給される。また、コンパレータC1〜C255のそれぞれの反転入力端子(−)に基準電位が供給される。基準電位は、複数の基準抵抗Rの両端に所定の上限電位Vref1、下限電位Vref2を供給し、基準抵抗Rにより等分割されて与えられる。コンパレータC1〜C255は、再生RF信号と等分割された基準電圧とを比較し、それぞれエンコーダ50に出力する。エンコーダ50は、各コンパレータC1〜C255の出力を符号化して8ビットデータとして出力する。
【0020】
一方、図1のA/D変換回路1は、図5に示すA/D変換回路1に対して、各コンパレータC1〜C255に与える基準電位の設定方法が異なる。すなわち、複数の抵抗Rにより等分割するのではなく、所望のA/D変換特性が得られるように基準電位を設定する調整回路を有する。
【0021】
調整回路は、検波回路10、A/D変換特性演算部12、CPU14及びD/Aコンバータを含む。検波回路10は、再生RF信号のピーク値Vrfpk、ボトム値Vrfbtm、及び平均値Vrfaveを検出してA/D変換特性演算部12に供給する。A/D変換特性演算部12は、ピーク値Vrfpk、ボトム値Vrfbtm、及び平均値Vrfaveに基づいて、所望のA/D変換特性を演算する。ここに、所望のA/D変換特性は入力アナログ信号のレベルに対して非リニアな変換特性であり、例えばピーク値Vrfpkをデジタル値FFh、ボトム値Vrfbtmをデジタル値00h、平均値Vrfaveをデジタル値80hに設定し、横軸に入力電圧、縦軸にデジタル値を用いた場合の2次元座標平面において、(Vrfbtm,00h)と(Vrfave,80h)とを直線で接続し、(Vrfave,80h)と(Vrfpk,FFh)とを直線で接続することで、全体として非リニアな特性となるように設定したものである。CPU14はA/D変換特性演算部12のタイミング制御を行う。A/D変換特性演算部12をCPU14で構成してもよい。
【0022】
図2に、A/D変換特性を示す。横軸は入力電圧、縦軸はA/D変換後のデジタル値である。図5に示す従来のA/D変換回路1では、各コンパレータに上限電位Vref1と下限電位Vref2の間の電位差を抵抗Rで等分割して得られる電位を与えているので、下限電位Vref2(ボトム値に対応)を00h、上限電位Vref1(ピーク値に対応)をFFhとし、この間を直線で接続したようなリニアな特性100となる。これに対し、本実施形態では、ボトム値と平均値を直線で接続し、平均値とピーク値を直線で接続する特性とするので、非リニアな特性200となる。
【0023】
図3に、図2に示す非リニアな特性200となるように各コンパレータC1〜C255に与えるべき基準電位の設定方法を示す。基準電位は、A/D変換特性演算部12で設定される所望のA/D変換特性に基づき、D/Aコンバータ16でA/D変換特性演算部12から指示されるデジタル値をアナログ電位に変換することで得られる。図3において、横軸にD/Aコンバータ16で生成される基準電位を示し、縦軸にデジタル値を示す。00h〜80hまでは、直線200−1で示される特性に従ってアナログ電位に変換され、各コンパレータに供給される。例えば、00hをD/A変換して得られる電位はコンパレータC1に供給され、80hをD/A変換して得られる電位は中間のコンパレータC128に供給される。また、80h〜FFhまでは、直線200−1と傾きが異なる直線200−2で示される特性に従ってアナログ電位に変換され各コンパレータに供給される。図2と図3とを比較することで、中間のコンパレータC128には常に再生RF信号の平均値電位が基準電位として与えられ、再生RF信号の平均電位は従来のA/D変換特性では他のデジタル値に変換されてしまう(80hより小さい値)ところ、本実施形態では常にフルスケールの中間点(80h)に変換されることが理解されよう。このように所望のA/D変換特性が得られるように基準電位を設定することで、再生RF信号は非リニアなA/D変換特性によりデジタル信号に変換され、再生RF信号の平均値より下のレベルの信号と上のレベルの信号に対してA/D変換の分解能を等しく与えることができる。本実施形態では、上記のように再生RF信号の平均値のA/D変換結果は、常にA/D変換フルスケールの中点値を得ることになり、再生RF信号のアシンメトリが効果的に補正される。
【0024】
本実施形態の検波回路10は、ピーク検波回路、ボトム検波回路、平均値検出回路で構成されるが、それぞれの時定数は再生RF信号帯域のノイズを除去すべく、十分に低く設定するのがよい。例えば、回転周波数程度の周波数帯域(DVDの標準速度では内周側で20Hz前後、外周側で10Hz程度)とする。また、平均値検出回路は例えばローパスフィルタで構成できるが、可変抵抗VRとキャパシタで構成し、可変抵抗VRの値を光ディスクの回転周波数に応じて設定する。再生RF信号の平均値はアシンメトリの度合いを示すが、アシンメトリの変動周波数は光ディスクの回転周波数に応じて変動する。一般に、光ディスクの回転周波数が増大するほどアシンメトリの変動周波数は増大する。そこで、光ディスクの回転周波数に応じて可変抵抗VRの値を設定することで平均値を確実に抽出できる。
【0025】
また、本実施形態ではA/D変換特性演算部12で所望のA/D変換特性、つまり再生RF信号のアシンメトリを補正するような特性を決定しているが、アシンメトリは記録条件の変化により現れ、その量も変化する。例えば、温度による記録パワーの変化や記録感度の面内バラツキ、多層ディスクにおける層毎の感度ムラや球面収差による記録感度の相違によりアシンメトリが変化する。このため、所望のA/D変換特性も固定的なものではなくアシンメトリに応じて動的に変化させてもよい。アシンメトリの変化に追従して所望のA/D変換特性を変化させるには、例えば以下の方法がある。
(1)光ディスク回転開始時あるいは再生開始時において、再生開始点の再生RF信号のピーク値、ボトム値、平均値検波を行い、アシンメトリ補正に最適なA/D変換特性を得る。以後、データ再生を行いつつデータ再生品質、例えばエラーレートを測定し、エラーレートが劣化し一定水準を超えた場合に再生RF信号のピーク値、ボトム値、平均値検波を再び実行し、アシンメトリ補正に最適なA/D変換特性を再度取得する。
(2)光ディスク回転開始時あるいは再生開始時において、光ディスクを複数エリアに分割し(例えば各層の内周エリア、中周エリア、外周エリアに分割)、それぞれのエリアで再生RF信号のピーク値、ボトム値、平均値検波を行い、アシンメトリ補正に最適なA/D変換特性を得る。以後、再生時には再生エリアに応じて取得したA/D変換特性で再生を行い、エリアが変わったら当該エリアのA/D変換特性に切り替えて再生する。
(3)上記の(1)と(2)とを併用する。すなわち、各エリア毎に最適なA/D変換特性を取得し、再生時には再生エリアに応じたA/D変換特性を用いる一方、エラーレートが一定水準を超えた場合にA/D変換特性を再度取得する。
【0026】
また、本実施形態では、所望のA/D変換特性として、(入力電圧,デジタル値)=(RF信号のボトム値,00h)、(RF信号の平均値,80h)、(RF信号のピーク値,FFh)の3点をそれぞれ直線で接続して得られる特性としたが、これら3点を通る近似曲線を算出して所望のA/D変換特性としてもよい。近似曲線は例えば2次曲線であるが任意の近似式を用いることができる。
【0027】
図4に、3点を2次曲線で近似して得られる所望のA/D変換特性300を示す。比較のため、従来のリニアなA/D変換特性100も併せて示す。A/D変換特性演算部12はピーク値、ボトム値及び平均値から特性300を演算してD/Aコンバータ16に指示する。
【0028】
さらに、本実施形態では、並列型A/D変換回路を例にとり説明したが、他の型のA/D変換回路、例えばカスケード型、インターポレーション型、パイプライン型、サブレンジング型、フォールディング型にも同様に適用することができる。インターポレーション型A/D変換回路は並列型の変形であり、コンパレータの前段にコンパレータの数より少ないプリアンプを設け、隣接するプリアンプ出力間に電圧を補間する抵抗ストリングを接続し、そのタップ電圧をコンパレータに供給する。通常、プリアンプには基準電位差を等分割した電位が与えられるが、図1と同様に再生RF信号のピーク値、ボトム値、及び平均値を検出してA/D変換特性演算部12にて所望のA/D変換特性を演算しD/Aコンバータ16に指示し、D/Aコンバータ16から基準電位をプリアンプに供給すればよい。また、パイプライン型A/D変換回路やカスケード型A/D変換回路はMSBからLSBまで1ビットずつ順番にA/D変換を行う、つまり最初のステージでA/D変換してMSBをまず決定し、その量子化誤差を次段のステージでA/D変換して2ビット目を決定し、同様の処理を繰り返してLSBまで決定するのであるが、所望のA/D変換特性となるようにD/Aコンバータ16から基準電位を各段のコンパレータ及びD/A変換器に供給すればよい。サブレンジング型あるいはフォールディング型A/D変換回路は、並列型を2つ設け、それぞれに上位ビットと下位ビットのA/D変換を分担させて2ステージでA/D変換するものであるが、所望のA/D変換特性となるようにD/Aコンバータ16から上位ビットステージ及び下位ビットステージの基準電位をそれぞれ与えればよい。
【0029】
図6に、8ビットのサブレンジング型A/D変換回路を示す。サブレンジング型A/D変換回路は、まず上位ビットをA/D変換し、続いて残差分の下位ビットをA/D変換する。上位ビットをA/D変換するためのコンパレータ基準電位は、図1と同様に再生RF信号のピーク値、ボトム値及び平均値を検波回路10で検出し、A/D変換特性演算部12で演算されてD/Aコンバータ16から供給される。D/Aコンバータ16は15チャネルのコンバータであり、Vc1〜Vc15の基準電位を出力し、各コンパレータC1〜C15に基準電位を与える。また、A/D変換特性演算部12は、コンパレータ基準電位Vc1〜Vc15により得られた上位4ビットを参照し、下位4ビット用のコンパレータ基準電位Vc16〜Vc30を演算してD/Aコンバータ76に供給する。一方、上位4ビットの結果は上位4ビット用のA/D変換と同様の変換特性を有するD/Aコンバータ70でD/A変換し、差分器72で再生RF信号からD/A変換結果を差し引くことで残差分を求める。この残差分が下位4ビット用のA/D変換の入力として各コンパレータC16〜C30に供給される。なお、残差分はもとの再生RF信号に比べてダイナミックレンジが1/16程度になっているため、ダイナミックレンジを揃えるためにアンプ74で16倍した上で各コンパレータC16〜C30に供給するのが好適である。D/Aコンバータ76もD/Aコンバータ16同様に15チャネルのD/Aコンバータであり、A/D変換特性演算部12で決定された特性によりコンパレータ基準電位Vc16〜Vc30を生成して各コンパレータC16〜C30に供給する。各コンパレータC16〜C30は残差分をそれぞれ基準電位と比較し、比較結果をエンコーダ78で符号化して下位4ビットを出力する。エンコーダ50からの上位4ビットとエンコーダ78からの下位4ビットを併せた全8ビットを出力する。図6では、A/D変換特性演算部12がD/Aコンバータ70の特性を制御し、かつ、D/Aコンバータ70の特性を制御し、かつ、D/Aコンバータ16,76のD/A特性を指示しているが、これらの特性は相互に関連性を有するため単一のCPUで構成することが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態の構成図である。
【図2】実施形態の所望のA/D変換特性図である。
【図3】所望のA/D変換特性を得るためのD/Aコンバータの特性図である。
【図4】他の実施形態における所望のA/D変換特性図である。
【図5】従来のA/D変換回路の構成図である。
【図6】さらに他の実施形態のA/D変換回路の構成図である。
【符号の説明】
【0031】
1 A/D変換回路、10 検波回路、12 A/D変換特性演算部、14 CPU、16 D/Aコンバータ、50 エンコーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力アナログ信号と基準電位とを比較するコンパレータを有するA/D変換回路であって、
前記入力アナログ信号のピーク値、ボトム値及び平均値を検出する検出回路と、
前記ピーク値、ボトム値、及び平均値に応じ、所望のA/D変換特性となるように基準電位を設定する調整回路と、
を有することを特徴とするA/D変換回路。
【請求項2】
請求項1記載の回路において、
前記所望のA/D変換特性は、前記ボトム値をデジタル値の最小値、前記ピーク値をデジタル値の最大値、前記平均値をデジタル値の中間値に変換し、前記ボトム値と前記平均値との間は入力電圧値に応じてリニアにデジタル値が変化し、前記平均値と前記ピーク値との間は入力電圧値に応じてリニアにデジタル値が変化するような特性とすることを特徴とするA/D変換回路。
【請求項3】
請求項1記載の回路において、
前記所望のA/D変換特性は、前記ボトム値をデジタル値の最小値、前記ピーク値をデジタル値の最大値、前記平均値をデジタル値の中間値に変換し、前記ボトム値と前記平均値との間、及び前記平均値と前記ピーク値との間はいずれも入力電圧値に応じて非リニアにデジタル値が変化するような特性とすることを特徴とするA/D変換回路。
【請求項4】
請求項1記載の回路において、
前記入力アナログ信号は、光ディスクからの再生RF信号であり、
前記所望のA/D変換特性は、前記再生RF信号に基づくデータ再生品質に応じて更新されることを特徴とするA/D変換回路。
【請求項5】
請求項1記載の回路において、
前記入力アナログ信号は、光ディスクからの再生RF信号であり、
前記所望のA/D変換特性は、前記光ディスクの再生エリア毎に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の回路において、
前記調整回路はD/A変換回路を含み、前記D/A変換回路は、所望のA/D変換特性となるようにデジタル値からアナログ基準電位を生成することを特徴とするA/D変換回路。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の回路において、
前記A/D変換回路は、並列型、インターポレーション型、パイプライン型、カスケード型、サブレンジング型、フォールディング型のいずれかであることを特徴とするA/D変換回路。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のA/D変換回路を有し、光ディスクから読み出したアナログ信号をデジタル信号に変換して復調する光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−90947(P2008−90947A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−271747(P2006−271747)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】