説明

AC−DC両用LED駆動回路

【課題】外部のフォトカプラを接続することなしにパルス幅変調(PWM信号)のデューティ比を動的に調節できる交流・直流(AC−DC)両用発光ダイオード(LED)駆動回路を提供する。
【解決手段】LEDを駆動するためのAC−DC両用LED駆動回路であって、電流信号を出力する入力電源回路と、スイッチングトランジスタ及び一端がLEDに接続されたフィードバック抵抗を有し、電流信号を受信し当該駆動回路がLEDを駆動するための駆動信号を出力する昇降圧形コンバータと、スイッチングトランジスタ及びフィードバック抵抗の他端に接続された浮動接地端子を有し、スイッチングトランジスタを連続してオン・オフするための駆動信号に応じてPWM信号を出力するPWM信号コントローラとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)駆動回路に関し、特に、交流・直流(AC−to−DC)LED駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の意識の高まりとともに、エネルギーの節減方法が重要な話題となってきた。照明用装置に関して、LEDは、通常の発光源と比較すると、耐用年数が長く、低消費電力であり、簡単に破損しないという利点があるため、積極的に開発され日常生活において重要な役割を果たしている。
【0003】
LED駆動回路には、変圧器と、パルス幅変調(PWM)集積回路(IC)と、定電流回路と、フィードバック回路とが含まれる。変圧器は一次側及び二次側を含み、フィードバック回路は検出抵抗器及びフォトカプラを含む。PWM−ICは変圧器の一次側に電気的に接続され、定電流回路は変圧器の二次側に電気的に接続される。フィードバック回路は、検出抵抗器及びフォトカプラを流れる電流を通じてフィードバック信号をPWM−ICに対し結びつける。フォトカプラは二次側の光信号を受信してフィードバック信号を生成し、PWM−ICはフィードバック信号を受信してPWM信号のデューティ比を調節する。ここで、デューティ比とは、PWM信号の電圧レベルが、デューティサイクルにおいてハイレベル(ハイ状態の論理レベル)を維持しているPWM信号の持続時間のことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したLED駆動回路は、フォトカプラに対して、フィードバック信号をPWM−ICに対し結びつけることを要求することにより、PWM−ICから出力されるPWM信号のデューティ比を調節する。そのため、前述したLED駆動回路は、より多くの構成要素を採用しなければならず、より大型の収容スペースが必要となるため製造コストも増加する。
【0005】
従って、本発明の課題は、上記問題を解決するためのAC−DC両用LED駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決するための発明はAC−DC両用LED駆動回路であって、電流信号を出力する入力電源回路と、スイッチングトランジスタと、一端が前記LEDに接続されたフィードバック抵抗と、を有し、前記電流信号を受信し、当該AC−DC両用LED駆動回路が前記LEDを駆動するための駆動信号を出力する昇降圧形コンバータと、前記スイッチングトランジスタ及び前記フィードバック抵抗の他端に接続された浮動接地端子を有し、前記スイッチングトランジスタを連続してオン・オフするための前記駆動信号に応じてパルス幅変調(PWM)信号VPWMを出力するPWM信号コントローラと、を備えている。
【0007】
また、かかる発明において、前記入力電源回路は、AC信号を出力するAC信号源と、前記AC信号中のノイズを除去するフィルタと、前記フィルタを通る前記AC信号を受信し、前記電流信号を出力するブリッジ整流器と、を有することとしてもよい。
【0008】
また、かかる発明において、前記入力電源回路はDC信号源であることとしてもよい。
【0009】
前述した課題を解決するためのもう一つの発明はAC−DC両用LED駆動回路であって、電流信号を出力する入力電源回路と、スイッチングトランジスタと、フィードバック抵抗と、ローパスフィルタと、一端が前記ローパスフィルタに接続され他端が前記LEDに接続されたフリーホイールダイオードと、を有し、前記電流信号を受信し、前記AC−DC両用LED駆動回路が前記LEDを駆動するための駆動信号を出力する昇降圧形コンバータと、前記スイッチングトランジスタ及び前記ローパスフィルタに接続された浮動接地端子を有し、前記スイッチングトランジスタを連続してオン・オフにしたりするための前記ローパスフィルタを通るフィードバック信号に応じてPWM信号を出力するパルス幅変調(PWM)信号コントローラと、を備え、前記フィードバック抵抗の2つの端部は前記浮動接地端子及び前記ローパスフィルタにそれぞれ接続される。
【0010】
前述した発明のAC−DC両用LED駆動回路はLEDの駆動に適している。つまり、このAC−DC両用LED駆動回路によれば、昇降圧形コンバータ及び共通接地を有するPWM信号コントローラが構成されていることによって、当該発明のAC−DC両用LED駆動回路が外部のフォトカプラを接続することなくPWM信号のデューティ比を動的に調節できる。
また、例えば入力電源回路がAC信号源を有する場合、当該発明のAC−DC両用LED駆動回路の力率を改善できる。ここで、力率とは、皮相電力に対する有効電力の比のことである。
或いは、例えば入力電源回路がDC信号源を有する場合、このDC信号源の電圧の出力端子の電圧(第2のコンデンサの電圧)に対する高・低に関わらず、LEDを駆動するための電流(駆動信号)を一定に維持できる。
尚、入力電源回路が以上述べたAC信号源又はDC信号源の何れを有するかに関わらず、フリーホイールダイオードを通る変換信号IDの高周波数信号はローパスフィルタによって除去され、そしてPWM信号コントローラはフィードバック信号を受信して該当するPWM信号を出力できる。
【発明の効果】
【0011】
PWM信号のデューティ比の調節を可能としつつコンパクト且つ低製造コストのAC−DC両用LED駆動回路が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態のAC−DC両用LED駆動回路の概略を示す回路ブロック図である。
【図2】図1の回路のうちの第1の実施の形態の回路の概略を示す回路図である。
【図3】図2の回路の一部の詳細である誤差増幅端子、補償端子、フィードバック端子、及び制御端子の回路の概略を示す回路図である。
【図4】(A)は図2の回路のAC信号の信号波形図であり、(B)は図2の回路の電流信号の信号波形図であり、(C)は図2の回路の第1の電流(電流)の信号波形図であり、(D)は図2の回路のPWM信号の信号波形図であり、(E)は図2の回路の駆動信号の信号波形図である。
【図5】図1の回路のうちの第2の実施の形態の回路の概略を示す回路図である。
【図6】本実施の形態のもう一つのAC−DC両用LED駆動回路の概略を示す回路ブロック図である。
【図7】(A)は図6の回路の電流信号の信号波形図であり、(B)は図6の回路の第1の電流の信号波形図であり、(C)は図6の回路のPWM信号の信号波形図であり、(D)は図6の回路の駆動信号の信号波形図であり、(E)は図6の回路の変換信号の信号波形図であり、(F)は図6の回路のフィードバック信号の信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下に示す明細書の詳細な説明から更により完全に理解されるが、その詳細な説明は単なる例示に過ぎず、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0014】
図1は、本実施の形態(後述する第1の実施の形態及び第2の実施の形態)のAC−DC両用LED駆動回路100の概略を示す回路ブロック図である。同図に例示されるように、AC−DC両用LED駆動回路100は5つのLED50を駆動するのに適した回路である。図1のLED50の数は5つであり直列に接続されている。但し、本実施の形態は本発明を限定することを意図するものではなく、LED50の数は例えば10でもよいし、LED50は例えば並列に接続されてもよく、様々な要件に応じて調節可能である。
【0015】
本実施の形態のAC−DC両用駆動回路100は、入力電源回路10と、昇降圧形コンバータ108と、PWM信号コントローラ110と、を含む。昇降圧形コンバータ108はスイッチングトランジスタ30及びフィードバック抵抗32を含む。フィードバック抵抗32の一端は5つのLED50のうちの1つに接続され、PWM信号コントローラ110の浮動接地端子GNDFはスイッチングトランジスタ30とフィードバック抵抗32の他端とに接続される。
【0016】
図1の例示によれば、入力電源回路10が電流信号ICを出力し、昇降圧形コンバータ108が当該電流信号ICを受信して駆動信号IOを出力する。AC−DC両用LED駆動回路100は駆動信号IOを通じて5つのLED50を駆動する。PWM信号コントローラ110は、スイッチングトランジスタ30を連続してオン・オフするための駆動信号IOに応じてPWM信号VPWMを出力する。PWM信号コントローラ110は、本実施の形態では、電圧モードの制御回路であるが、これに限定されるものではない。
【0017】
図2に例示されるように、図1に例示される前述した実施の形態のうちの第1の実施の形態では、入力電源回路10は、AC信号源102、第1のフィルタ(フィルタ)104、及びブリッジ整流器106を含む。第1のフィルタ104はフィルタインダクタ80及び第1のフィルタコンデンサ82を含む。フィルタインダクタ80は、AC信号源102に対し直列又は並列の何れで接続されてもよい。第1の実施の形態では、スイッチングトランジスタ30は、Nチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)である。しかしながら、第1の実施の形態は本発明を限定することを意図するものではなく、例えばスイッチングトランジスタ30は、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)やPチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)等であってもよい。PWM信号コントローラ110は、浮動接地端子GNDF、フィードバック端子VFB、及び制御端子VGを含む。フィードバック抵抗32の一端はLED50に接続され、浮動接地端子GNDFはスイッチングトランジスタ30(即ちNMOSFETのソースS)とフィードバック抵抗32の他端とに接続される。制御端子VGはスイッチングトランジスタ30のゲートGに接続され、スイッチングトランジスタ30のドレインDはブリッジ整流器106に接続される。
【0018】
また、第1の実施の形態では、AC信号源102はAC信号IACを第1のフィルタ104に出力し、第1のフィルタ104はAC信号IACのノイズを除去する。ブリッジ整流器106は、第1のフィルタ104を流れるAC信号IACを受信して、電流信号ICを出力する。昇降圧形コンバータ108は電流信号ICを受信して駆動信号IOを出力し、AC−DC両用LED駆動回路100は駆動信号IOを通じて5つのLED50を駆動する。PWM信号コントローラ110は、スイッチングトランジスタ30(即ちNMOSFET)を連続してオン・オフするための駆動信号IOに応じてPWM信号VPWMを出力する。第1の実施の形態のAC−DC両用LED駆動回路100の動作プロセスの詳細については後述する。
【0019】
また、第1の実施の形態では、AC−DC両用LED駆動回路100は、電力制御部112を更に含み、この電力制御部112を用いてPWM信号コントローラ110に電力を供給する。第1の実施の形態の電力制御部112は、始動抵抗器70、第2のフィルタコンデンサ72、及び第1のダイオード96を含む。始動抵抗器70の一端はブリッジ整流器106に接続され、始動抵抗器70の他端は回路電圧端子VDDに接続される。第2のフィルタコンデンサ72の一端は回路電圧端子VDDに接続され、第2のフィルタコンデンサ72の他端は浮動接地端子GNDFに接続され、第1のダイオード96の出力端子は回路電圧端子VDDに接続される。回路電圧端子VDDは、PWM信号コントローラ110の動作電力を受信するために用いられる。
【0020】
また、第1の実施の形態では、第2のフィルタコンデンサ72の電圧(即ち回路電圧端子VDDの電圧)がPWM信号コントローラ110の使用電力にまだ達していない場合、ブリッジ整流器106から出力された電流信号ICは、始動抵抗器70を介して第2のフィルタコンデンサ72に充電される。第2のフィルタコンデンサ72の電圧(即ち回路電圧端子VDDの電圧)がPWM信号コントローラ110の使用電圧に達すると、PWM信号コントローラ110は、スイッチングトランジスタ30(即ちNMOSFET)を連続してオン・オフするために、PWM信号VPWMを出力し始める。始動抵抗器70を介して電力制御部112によって電力が供給された後、PWM信号コントローラ110には、第1のダイオード96を介して電力制御部112によって電力が供給される。昇降圧形コンバータ108は、第1のインダクタ90、第2のコンデンサ94、第2のダイオード98、及び検出抵抗器99を更に含む。第1のインダクタ90の一端は接地されるとともに第1のダイオード96の入力端子及び第2のダイオード98の入力端子に接続され、第1のインダクタ90の他端は検出抵抗器99に接続される。第2のダイオード98の出力端子は第2のコンデンサ94の一端に接続され、第2のコンデンサ94の他端は浮動接地端子GNDFに接続される。検出抵抗器99の一端は浮動接地端子GNDFに接続される。PWM信号コントローラ110は、第1のインダクタ90を流れる第1の電流(電流)IL1を検出し、スイッチングトランジスタ30及び第2のダイオード98を保護するために検出抵抗器99を介して第1の電流IL1の値を制限する。
【0021】
また、第1の実施の形態では、昇降圧形コンバータ108は第1のコンデンサ92を含み、第1のコンデンサ92は、その一端が接地され、その他端はスイッチングトランジスタ30のドレインDに接続される。第1のコンデンサ92を用いて電流信号ICにおけるノイズを除去しているが、この第1の実施の形態は本発明をこのように限定することを意図するものではない。
【0022】
また、第1の実施の形態では、PWM信号コントローラ110は、補償器74、第3のフィルタコンデンサ76、誤差増幅端子VEAO、補償端子VComp、光調節端子VDIM、及び保護端子VCSを更に含む。補償器74は、その一端が誤差増幅端子VEAOに接続され、その他端が補償端子VCompに接続される。第3のフィルタコンデンサ76は、その一端が光調節端子VDIMに接続され、その他端が浮動接地端子GNDFに接続される。保護端子VCSは第1のインダクタ90と検出抵抗器99の他端とに接続される。
【0023】
図3に例示されるように、第1の実施の形態では、PWM信号コントローラ110は、誤差増幅部20、コンパレータ22、のこぎり波発生器24、及びオペレーション抵抗器26を更に含む。誤差増幅部20の正入力端子は、基準電圧Vref2に接続される。誤差増幅部20の負入力端子は補償端子VComp及びオペレーション抵抗器26の一端に接続される。オペレーション抵抗器26の他端はフィードバック端子VFBに接続される。誤差増幅部20の出力端子はコンパレータ22の正入力端子に接続され、のこぎり波発生器24はコンパレータ22の負入力端子に接続され、コンパレータ22の出力端子は制御端子VGに接続される。
【0024】
図4(A)乃至(E)に例示されるように、第1の実施の形態では、AC信号源102は、AC信号IACを第1のフィルタ104に出力し、第1のフィルタ104はAC信号IACのノイズを除去する。ブリッジ整流器106は、第1のフィルタ104を流れるAC信号IACを受信し、電流信号ICを昇降圧形コンバータ108へ出力し、昇降圧形コンバータ108は、電流信号ICを受信し、5つのLED50を駆動するように駆動信号IOを出力する。PWM信号コントローラ110は、フィードバック端子VFBを介して駆動信号IOを受信する。そして、第1の実施の形態では、誤差増幅信号Verrを出力するべく、駆動信号IOと、誤差増幅端子VEAO及び補償端子VCompが受信する信号とを計算するために、誤差増幅オペレーションプログラムが、オペレーション抵抗器26、誤差増幅部20、及び補償器74によって実行される。そして、PWM信号VPWM(VPWMのサイクルはTs)を出力するべく、誤差増幅信号Verrと、のこぎり波発生器24によって発生させた信号とを比較する比較プロセスがコンパレータ22によって実行される。
【0025】
PWM信号VPWMがハイレベル(ハイ状態の論理レベル)である(即ちVPWMが期間ton内にある)場合、スイッチングトランジスタ30がオンになるので、第1のインダクタ90を流れる第1の電流IL1は線形となり時間に比例する。PWM信号VPWMがローレベル(ロー状態の論理レベル)であり期間tDSC内である場合、スイッチングトランジスタ30がオフになるので、第2のダイオード98がオンになり、第1のインダクタ90が、第2のコンデンサ94及びLED50に電力を供給し、第1のインダクタ90を流れる第1の電流IL1は線形となり時間に対して反比例となる。PWM信号VPWMがローレベルであり期間toff内である場合、スイッチングトランジスタ30はオフの状態を維持し、第1のインダクタ90を流れる第1の電流IL1はリセットされるので、第2のダイオード98がオフになる。よって、第1の実施の形態では、保護端子VCSが受信した信号(即ち第1のインダクタ90を流れる第1の電流IL1)は不連続電流モード(DCM)であるが、これに限定されるものではない。
【0026】
第1の実施の形態では、PWM信号VPWMは、一定の期間Tsを有する(即ちPWM信号VPWMが一定の周波数を有する)が、これは本発明を限定することを意図するものではない。実施の形態によっては、PWM信号VPWMの周波数は一定でなくてもよいし、PWM信号VPWMの周波数はのこぎり波発生器24の周波数に関係していてもよい。
【0027】
図5に例示されるように、図1に例示される前述した実施の形態のうちの第2の実施の形態では、入力電源回路10はDC信号源である。昇降圧形コンバータ108はDC信号源から出力された電流信号ICを受信して駆動信号IOを出力し、AC−DC両用LED駆動回路100は駆動信号IOを通じて5つのLED50を駆動する。PWM信号コントローラ110は、スイッチングトランジスタ30を連続してオン・オフするための駆動信号IOに応じてPWM信号VPWMを出力する。第2の実施の形態のPWM信号コントローラ110によるPWM信号VPWMの出力方法は、図2に例示される前述した第1の実施の形態で説明した出力方法と同様であるため、繰り返しの説明を省略する。
【0028】
図6は、本実施の形態のもう一つのAC−DC両用LED駆動回路100(以後「本実施の形態のもう一つ」を単に「本実施の形態」と称する)の概略を示す回路ブロック図である。同図に例示されるように、AC−DC両用LED駆動回路100は5つのLED50を駆動するのに適した回路である。図6のLED50の数は5つであり直列に接続されている。但し、本実施の形態は本発明を限定することを意図するものではなく、LED50の数は例えば10でもよいし、LED50は例えば並列に接続されてもよく、様々な要件に応じて調節可能である。
【0029】
本実施の形態のAC−DC両用駆動回路100は、入力電源回路10と、昇降圧形コンバータ108と、PWM信号コントローラ110と、を含む。尚、入力電源回路10は、前述した図2又は図5における入力電源回路と同じであってもよい。図2の昇降圧形コンバータ108に採用されるスイッチングトランジスタ30、フィードバック抵抗32、第1のインダクタ90、第2のコンデンサ94、検出抵抗器99、及び第1のコンデンサ92に加えて、図6の昇降圧形コンバータ108はローパスフィルタ44及びフリーホイールダイオード42を更に含む。フリーホイールダイオード42の一端はローパスフィルタ44に接続され、フリーホイールダイオード42の他端は5つのLED50のうちの1つに接続される。PWM信号コントローラ110の浮動接地端子GNDFはスイッチングトランジスタ30及びローパスフィルタ44の両方に接続される。フィードバック抵抗32の2つの端部は浮動接地端子GNDF及びローパスフィルタ44にそれぞれ接続される。
【0030】
本実施の形態では、ローパスフィルタ44は第2のフィルタコンデンサ46及びフィルタ抵抗器48を含む。第2のフィルタコンデンサ46の一端は浮動接地端子GNDFに接続され、第2のフィルタコンデンサ46の他端はフィルタ抵抗器48の一端に接続される。フィルタ抵抗器48の他端はフィードバック抵抗32及びフリーホイールダイオード42の両方に接続される。
【0031】
入力電源回路10が電流信号ICを出力し、昇降圧形コンバータ108が当該電流信号ICを受信して駆動信号IOを出力する。AC−DC両用LED駆動回路100は駆動信号IOを通じて5つのLED50を駆動する。ローパスフィルタ44は、フリーホイールダイオード42を流れる変換信号IDを受信すると、駆動信号と同様にフィルタされた変換信号IDつまりフィードバック信号VBを生成するべく変換信号ID中の高周波数信号を除去する。PWM信号コントローラ110は、フィルタされた変換信号IDをフィードバック端子VFBを介して受信し、その後、スイッチングトランジスタ30を連続してオン・オフするために、PWM信号VPWMを出力する。本実施の形態では、PWM信号コントローラ110は電圧モードの回路であるが、これに限定されるものではない。
尚、図6に例示される入力電源回路10は、前述した図2に例示される入力電源回路10と同一であるが、これは、本発明の入力電源回路をこのように限定することを意図するものではない。
【0032】
図7(A)乃至(F)に例示されるように、本実施の形態では、昇降圧形コンバータ108は、図6に例示される入力電源回路10から電流信号ICを受信し、5つのLED50を駆動するための駆動信号IOを出力する。第2のフィルタコンデンサ72の電圧がPWM信号コントローラ110の使用電圧に到達するまで、当該第2のフィルタコンデンサ72に対し、入力電源回路10から出力され始動抵抗器70を流れる電流信号ICが充電される。第2のフィルタコンデンサ72の電圧がPWM信号コントローラ110の使用電力に達した後、フィードバック端子VFBが受信した信号つまりフィードバック信号VB並びに誤差増幅端子VEAO及び補償端子VCompが受信した信号は、誤差増幅オペレーションを行うオペレーション抵抗器26、誤差増幅部20、及び補償器74によって処理されて、誤差増幅信号Verrが生成される。その後、誤差増幅信号Verrは、のこぎり波発生器24と、比較を行うコンパレータ22とによって処理され、PWM信号VPWMがスイッチングトランジスタ30、即ちNMOSFETを連続してオン・オフするために生成される。ここで、VPWMの期間はTSである。電力制御部112がPWM信号コントローラ110に電力を供給したときから、電力制御部112からのPWM信号コントローラ110への電力の供給には第1のダイオード96が用いられる。
【0033】
PWM信号VPWMがハイレベルである(即ちVPWMが期間ton内にある)場合、スイッチングトランジスタ30がオンになるので、第1のインダクタ90を流れる第1の電流IL1は線形となり時間に比例する。PWM信号VPWMがローレベルであり期間tDSC内である場合、スイッチングトランジスタ30がオフとなり、フリーホイールダイオード42がオンとなり、第1のインダクタ90が第2のコンデンサ94及びLED50に電力を供給するので、フリーホイールダイオード42を流れる第1の電流IL1は線形となり時間に対して反比例となるとともに、フリーホイールダイオード42を流れる変換信号IDも線形となり時間に対して反比例となる。PWM信号VPWMがローレベルであり期間toff内である場合、スイッチングトランジスタ30はオフ状態を維持し、第1のインダクタ90を流れる第1の電流IL1はリセットされるので、フリーホイールダイオード42がオフになる。よって、本実施の形態では、保護端子VCSが受信した信号(即ち第1のインダクタ90を流れる第1の電流信号IL1)は不連続電流モード(DCM)であるが、これに限定されるものではない。
【0034】
本実施の形態では、PWM信号VPWMは一定の期間Tsを有する(即ちPWM信号VPWMが一定の周波数を有する)が、これは、本発明を限定することを意図するものではない。実施の形態に応じてPWM信号VPWMの周波数は一定でなくてもよい。また、PWM信号VPWMの周波数はのこぎり波発生器の周波数に関係していてもよい。本実施の形態のAC−DC両用LED駆動回路はLEDを駆動するのに適している。昇降圧形コンバータ108及び基準点(即ち浮動接地)を有するPWM信号コントローラを構成することによって、AC−DC両用LED駆動回路は、外部のフォトカプラを接続することなくPWMのデューティ比を動的に調節できる。PWM信号のデューティ比は、LEDを駆動するための駆動信号の大きさに関連している。入力電源回路がAC信号源を含む場合、AC−DC両用LED駆動回路の力率を改善できる。ここで、力率とは、皮相電力に対する有効電力の比である。入力電源回路がDC信号源である場合、DC信号源の電圧が出力端子のもの(第2のコンデンサの電圧)に対する高・低に関わりなく、LEDを駆動するための電流(駆動信号)は一定のままである。入力電源回路がAC信号源を含むかDC信号源を含むかに関わりなく、フリーホイールダイオードを流れる変換信号IDの高周波数信号はローパスフィルタによって除去される。その後、PWM信号コントローラは、フィードバック信号を受信して、対応するPWM信号を出力する。
【0035】
前述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0036】
10・・・・・・入力電源回路
30・・・・・・スイッチングトランジスタ
32・・・・・・フィードバック抵抗
100・・・・・AC−DC両用LED駆動回路
108・・・・・昇降圧形コンバータ
110・・・・・PWM信号コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)を駆動するための交流・直流(AC−DC)両用LED駆動回路であって、
電流信号を出力する入力電源回路と、
スイッチングトランジスタと、一端が前記LEDに接続されたフィードバック抵抗と、を有し、前記電流信号を受信し、当該AC−DC両用LED駆動回路が前記LEDを駆動するための駆動信号を出力する昇降圧形コンバータと、
前記スイッチングトランジスタ及び前記フィードバック抵抗の他端に接続された浮動接地端子を有し、前記スイッチングトランジスタを連続してオン・オフするための前記駆動信号に応じてパルス幅変調(PWM)信号を出力するPWM信号コントローラと、
を備えたことを特徴とするAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項2】
前記入力電源回路は、
AC信号を出力するAC信号源と、
前記AC信号中のノイズを除去するフィルタと、
前記フィルタを通る前記AC信号を受信し、前記電流信号を出力するブリッジ整流器と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項3】
前記入力電源回路はDC信号源であることを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項4】
前記PWM信号の周波数は一定ではないことを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項5】
前記PWM信号の周波数は一定であることを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項6】
前記PWM信号コントローラは、前記駆動信号を受信するためのフィードバック端子及び前記PWM信号を出力するための制御端子を更に有することを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用駆動回路。
【請求項7】
前記PWM信号コントローラは電圧モードの制御回路であることを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項8】
前記昇降圧形コンバータは第一のインダクタを更に有し、前記第一のインダクタを流れる電流は不連続電流モード(DCM)であることを特徴とする請求項1に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項9】
発光ダイオード(LED)を駆動するための交流・直流(AC−DC)両用LED駆動回路であって、
電流信号を出力する入力電源回路と、
スイッチングトランジスタと、フィードバック抵抗と、ローパスフィルタと、一端が前記ローパスフィルタに接続され他端が前記LEDに接続されたフリーホイールダイオードと、を有し、前記電流信号を受信し、前記AC−DC両用LED駆動回路が前記LEDを駆動するための駆動信号を出力する昇降圧形コンバータと、
前記スイッチングトランジスタ及び前記ローパスフィルタに接続された浮動接地端子を有し、前記スイッチングトランジスタを連続してオン・オフするための前記ローパスフィルタを通るフィードバック信号に応じてPWM信号を出力するパルス幅変調(PWM)信号コントローラと、を備え、
前記フィードバック抵抗の2つの端部は前記浮動接地端子及び前記ローパスフィルタにそれぞれ接続される
ことを特徴とするAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項10】
前記入力電源回路は、
AC信号を出力するAC信号源と、
前記AC信号中のノイズを除去するフィルタと、
前記フィルタを通る前記AC信号を受信し、前記電流信号を出力するブリッジ整流器と、を有する
ことを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用駆動回路。
【請求項11】
前記入力電源回路はDC信号源であることを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項12】
前記PWM信号の周波数は一定ではないことを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項13】
前記PWM信号の周波数は一定であることを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項14】
前記PWM信号コントローラは、前記フィードバック信号を受信するためのフィードバック端子及び前記PWM信号を出力するための制御端子を更に有することを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用駆動回路。
【請求項15】
前記PWM信号コントローラは電圧モードの制御回路であることを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用LED駆動回路。
【請求項16】
前記昇降圧形コンバータは、第1のインダクタを更に含み、前記第1のインダクタを流れる電流は不連続電流モード(DCM)であることを特徴とする請求項9に記載のAC−DC両用LED駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−256841(P2012−256841A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27298(P2012−27298)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(501271516)聚積科技股▲ふん▼有限公司 (20)
【Fターム(参考)】