説明

ACアダプタ

【課題】電源プラグを回動させることで収納部から電源プラグを引き起こす構造のACアダプタにおいて、感電への安全性を確保・向上し、製品を小型にできるACアダプタを提供することを目的とする。
【解決手段】電源プラグがACアダプタ本体に配設された収納部に収納されて、電源プラグを回動させることで収納部から電源プラグを引き起こす構造のACアダプタにおいて、電源プラグのツバを電源プラグの回動と連動して可動させることで、栓刃に指などが触れることによる感電に対する安全性を確保・向上すると共に、製品小型化に寄与した電源プラグを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型電子機器等に電源を供給するダイレクトプラグインタイプの電源プラグを備えたACアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型電子機器等に電源を供給するACアダプタにおいて、その多くが、携帯性を確保・向上するために、AC商用電源との接続をダイレクトプラグインタイプの電源プラグによって行なっている。
【0003】
しかしながら、AC商用電源との接続を行なわない時には、一部に鋭利な部分もある角張った金属製の栓刃が機器本体の外郭部から突出していると、金属製の栓刃が他の機器を傷つける恐れがあり携帯に不向きであった。
【0004】
上記の課題を解決するために、図7に示されるように、機器本体31に栓刃収納溝32を配設し、電源プラグ33を使用しない時に機器本体31に配設された栓刃収納溝32に電源プラグ33を収納するようにした構造になっており、電源プラグ33を収納状態から引き起こす時には、電源プラグ33を回動させて引き起こすものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−275264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記前述した従来技術において、プラグモールドの端から指などが電源プラグの栓刃に触れることよる感電に対する安全性を向上するため、電源プラグの栓刃からプラグモールドの端までの間にツバなどによって距離を確保することが望ましい。これによると、電源プラグの高さは栓刃の幅、及び、栓刃の周囲に配設されたツバの長さによって決まるため、電源プラグの高さに制約が生じることとなる。更に電源プラグを収納するための収納部の深さにも制約を与えることになり、しいてはACアダプタ本体の製品高さに大きな制約を与え、製品小型化の障害になるという課題があった。
【0006】
本発明は、この様な課題を解決するものであり、電源プラグの栓刃への接触による感電に対する安全性を向上し、かつ製品を小型化できるACアダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前述した課題を解決するために、AC商用電源と接続するためのダイレクトプラグインタイプの電源プラグを備え、前記AC商用電源と未接続時には電源プラグを回動させることにより、前記電源プラグを本体ケースの外郭面から突出しないように収納し、前記電源プラグのモールド部に前記電源プラグの栓刃と前記電源プラグの外郭端との距離を確保するための可動式のツバが配設されていることを特徴とするACアダプタである。
【0008】
また、前記ACアダプタにおいて、前記ツバの側面に前記ツバを可動させるための突起が配設され、前記本体ケースに前記突起の動きをガイドする溝を配設したり、ACアダプタにおいて、前記電源プラグを前記本体ケースに対して垂直、及び、水平の位置に回動させた状態で、前記ツバが前記栓刃と前記外郭端との距離を基準値以上にする。
【0009】
前記ACアダプタにおいて、前記電源プラグを前記本体ケースに収納した状態で、前記
ツバが前記栓刃の方向へ可動し、前記電源プラグがコンパクトになるようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は前述した課題を解決するために、電源プラグがACアダプタ本体に配設された収納部に収納されて、電源プラグを回動させることで収納部から電源プラグを引き起こす構造のACアダプタにおいて、電源プラグを回動させた時に、電源プラグのツバ部が可動するように配設する。また、指などが栓刃に触れることによる感電に対する安全性を向上するために、電源プラグの栓刃がACアダプタ本体及び電源プラグの外郭面から4mm以上の距離を確保する。さらに、電源プラグを収納部に収納した時にACアダプタ本体の外郭面から電源プラグが突出することなく収納できるよう、ツバ部に可動構造を設ける。
【0011】
以上のことから、電源プラグのツバ部が可動するように配設することで、電源プラグの栓刃に指などが接触することによる感電に対する安全性を向上すると共に、小型のACアダプタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、本発明の一例を図1〜図6を参照しながら説明する。図1において、本発明の一例のACアダプタ10には、本体ケース11と、ACアダプタ10にAC商用電源を供給するための電源プラグ12が備えられてる。図1及び図2に示すように、ACアダプタ10において、ACアダプタ10の外殻を成す外殻ケース13、ACアダプタへ入力電力を供給するための電源プラグ12が備えられている。前記外殻ケース13の一側面には、前記電源プラグ12が収納される電源プラグ収納部14が備えられており、前記電源プラグ収納部14の側面部15に、係合溝16が配設される。
【0013】
図3及び図4に示すように、前記電源プラグ12は、電源プラグ本体部21と、ツバ部22と、前記ツバ部22を前記電源プラグ本体部21に係合させるための係合軸23を備え、前記ツバ部22には、前記係合溝と係合するし前記ツバ部22を可動させるための係合軸23と、前記ツバ部22を前記電源プラグ本体部21と嵌合させるための嵌合軸24が配設される。前記電源プラグ12には、AC商用電源と接続するための一対の栓刃25を備える。
【0014】
図5及び図6に示すように、前記電源プラグ12は、前記係合軸23を前記側面部15に備えられた前期係合溝16へ係合し、前記電源プラグ12を回動させることで、前記係合軸23は前記係合溝16に沿って可動し、前記ツバ部22を可動させて、前記電源プラグ12を引出した時に、前記電源プラグ12の外郭端面及び前記本体ケース11の外郭端部から前記栓刃24に指などが触れて感電しないようにするための距離を確保するように形成される。可動式のツバ部22は、感電に対する安全性を向上させるために、前記栓刃25から4mm以上の距離を確保するように可動することが望ましい。
【0015】
更に、前記電源プラグ12を前記収納部14に収納した状態で、前記ツバ部22が前記係合溝16によって可動され、前記電源プラグ12が前記本体ケース11の外郭面から突出しないように収納させることで、前記電源プラグ12を収納するためのスペースを小さくすることが可能となる。
【0016】
このように、前記ツバ部22を前記電源プラグ12の回動により前記係合溝16、及び、前記係合軸23を介して可動させることで、前記電源プラグ12を収納する時には小さくすることができ、かつ、前記電源プラグ12を使用する時には、前記栓刃25に指などが触れることによる感電に対する安全性を向上すると共に、製品を小型化することを可能とした。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記側面部15に前記可動式のツバ部22を可動するための目的であれば、前記係合溝16、及び、前記係合軸23の形状を、凹凸に限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によるACアダプタは、機器本体に設けられた係合溝に電源プラグに設けられたツバ部、及び、係合軸を連結させる構造とすることで、電源プラグ構造への制約を最小限にすることを実現し、感電に対する安全性を向上させることをも可能とし、利便性、安全性向上に寄与したACアダプタを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一例における機器本体を示す斜視図
【図2】本発明の一例における機器本体の一部斜視図
【図3】本発明の一例における電源プラグの斜視図
【図4】本発明の一例における電源プラグのA−A断面図
【図5】本発明の一例における電源プラグが収納された状態の要部断面図
【図6】本発明の一例における電源プラグが引出された状態の要部断面図
【図7】従来のACアダプタの斜視図
【符号の説明】
【0020】
10 ACアダプタ
11 本体ケース
12 電源プラグ
13 外殻ケース
14 電源プラグ収納部
15 側面部
16 係合溝
21 電源プラグ本体部
22 ツバ部
23 係合軸
24 嵌合軸
25 一対の栓刃
31 機器本体
32 栓刃収納溝
33 電源プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC商用電源と接続するためのダイレクトプラグインタイプの電源プラグを備え、前記AC商用電源と未接続時には電源プラグを回動させることにより、前記電源プラグを本体ケースの外郭面から突出しないように収納し、前記電源プラグのモールド部に前記電源プラグの栓刃と前記電源プラグの外郭端との距離を確保するための可動式のツバが配設されていることを特徴とするACアダプタ。
【請求項2】
前記ACアダプタにおいて、前記ツバの側面に前記ツバを可動させるための突起が配設され、前記本体ケースに前記突起の動きをガイドする溝が配設されたことを特徴とする請求項1記載のACアダプタ。
【請求項3】
前記ACアダプタにおいて、前記電源プラグを前記本体ケースに対して垂直、及び、水平の位置に回動させた状態で、前記ツバが前記栓刃と前記外郭端との距離を基準値以上にしたことを特徴とする請求項1記載のACアダプタ。
【請求項4】
前記ACアダプタにおいて、前記電源プラグを前記本体ケースに収納した状態で、前記ツバが前記栓刃の方向へ可動し、前記電源プラグがコンパクトになることを特徴とする請求項1記載のACアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−187818(P2008−187818A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18902(P2007−18902)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】