説明

ALIP型電子部品実装用噴流波形成装置

【課題】ALIP型電磁ポンプのメンテナンスや交換を容易に行うこと。また、溶融はんだの送給を安定化して噴流波の時間変動を解消し、電子部品のはんだ付け実装品質を一層安定化させること。
【解決手段】R−ALIP型電磁ポンプ300をはんだ槽101の外側に設け、特に外部コア301aと移動磁界発生用コイル301bとが一体に形成された駆動体301を挿抜自在に設ける。また、R−ALIP型電磁ポンプ300の内部コア303には、その軸芯に沿って円錐状の反転流路304を設ける。さらに、円錐状の反転流路304の開口と吹き口体102に設けられた流入口107とを連繋して、吹き口体104に送給される溶融はんだの流れを安定化させる構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板に電子部品をはんだ付け実装するための電子部品実装用噴流波形成装置であって、ALIP型電磁ポンプを用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送給するべき媒体に直接に電磁力を作用させて推力を発生させ、これをポンプの吐出力および吸い込み力とする電磁ポンプ(LEP:linear electromagnetic pump)には、大別して誘導型(induction type)と伝導型(conduction type) とがある。一般的に、送給するべき媒体への通電が不要な誘導型が多く使用されている例が多い。
【0003】
この誘導型の電磁ポンプには、大別してフラットリニア型(FLIP型:flat linear induction pump)とアニュラリニア型(ALIP型:annular linear induction pump)、そしてヘリカル型(HIP型:helical induction pump)とがあり、それぞれ固有の構成を有している。
【0004】
ALIP型電磁ポンプを使用した電子部品実装用噴流波形成装置の技術として、特許文献1の技術がある。この技術は、ALIP型電磁ポンプそのものを溶融はんだ内で稼働・運転できるように構成し、エネルギー損失を無くしさらに電子部品へのダメージを解消している等々のところに特徴を有している。
【0005】
なお、ALIP型電磁ポンプの例としては、特許文献2が参考になる。
【0006】
誘導型電磁ポンプを使用した電子部品実装用噴流波形成装置は、溶融はんだの噴流状態を安定に維持できると供に溶融はんだを送給するパラメータの再現性と安定性が極めて良好で、いつでも同じ条件のはんだ付け実装が可能になって安定したはんだ付け品質を得ることができる特徴を有している。
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、はんだ内にALIP型電磁ポンプを設けているために、該電磁ポンプのメンテナンスや交換の際には、はんだが溶融している状態で電磁ポンプを引き上げなければならないという問題点があった。
【0008】
そこで、特許文献3に開示されているように、このALIP型電磁ポンプをはんだ槽の槽壁の外側に設けることが考えられた。これにより、はんだ槽の槽壁の外側に位置することになった推力発生流路に溶融はんだを吸い込ませ、その後、吐出する溶融はんだをはんだ槽内に送給する構成となり、はんだ槽の外側に位置するALIP型電磁ポンプのメンテナンスや交換が容易になった。
【特許文献1】特開2003−142819号公報
【特許文献2】特開平5−260719号公報
【特許文献3】特開2005−205479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、この構成は、ALIP型電磁ポンプの内部コアの軸芯に沿って反転流路を形成する構成であるために、この反転流路の横断面積が小さくなり易く、それに理由として溶融はんだの流れに時間的に見て不規則に変動する流れの成分が増大することがわかった。この変動の増大は、噴流波の流速や流れ方向さらに噴流波高の変動を生じさせて、電子部品のはんだ付け実装品質を変動させることがある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ALIP型電磁ポンプのメンテナンスや交換を容易に行うことができると供に、溶融はんだの送給を安定化して噴流波の時間変動を解消し、電子部品のはんだ付け実装品質を一層安定化させる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、反転流路を円錐状の形状に構成して、送給される溶融はんだの流れを安定化したところに特徴がある。
【0012】
(1)アニュラリニア型(ALIP型:annular linear induction pump)電磁ポンプの推力パイプの一端を封止して該封止端を頂部とする円錐状のキャップ形状に構成すると供にこの推力パイプの内側に挿入される内部コアが前記推力パイプの外形と相似の円錐状の外形状に構成する。また、前記内部コアにはその軸芯に沿って前記推力パイプの円錐状の外形状と相似の円錐状の反転流路を設ける。
【0013】
また、これらにより、前記円錐状の推力パイプと前記円錐状の内部コアとの間に推力発生流路を形成しかつ前記内部コア内に形成した円錐状の反転流路とにより送給流路を形成し、前記推力パイプに外部コアと移動時間発生用コイルとを一体に形成した駆動体を環挿して流路反転型のアニュラリニア型(R−ALIP型:return through type annular linear induction pump)電磁ポンプを形成する。
【0014】
そして、前記推力パイプがはんだ槽の槽壁にその開口を該はんだ槽の内側に望ませて設けられ、また、前記反転流路が形成された内部コアの円錐状の反転流路の開口と溶融はんだをその吹き口から噴流することで噴流波を形成する吹き口体の流入口とが連繋して構成されたALIP型電子部品実装用噴流波形成装置である。
【0015】
これにより、推力発生流路から送出される溶融はんだは円錐形状の反転流路すなわちその流れ方向に沿ってその縦断面積が拡大するホーン形状の流路を流れて吹き口体へ溶融はんだが送給される。したがって、この反転流路を流れる溶融はんだの流れは徐々に減速してその流れが整えられ、吹き口体に供給する溶融はんだの流れに不規則な変動を生じることがない。したがって、パラメータが安定で再現性のある噴流波を形成することができるようになる。
【0016】
(2)前記(1)の構成において、推力パイプの封止された一端の内面形状が放物面または双曲面に形成されて成るALIP型電子部品実装用噴流波形成装置である。
【0017】
これにより、推力発生流路から反転流路へ流れ方向を反転する溶融はんだの流れに不規則な変動を生じることが少なくなり、一層安定した噴流波を形成することかできるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ALIP型電磁ポンプがはんだ槽の外側に設けられ、特に移動磁界発生用コイルが挿抜自在に設けられるので、該電磁ポンプのメンテナンスや交換等の作業を容易に行うことができる。
【0019】
また、溶融はんだの送給を安定化して噴流波の不規則な変動を解消し、電子部品のはんだ付け実装品質を再現性良く、そして安定化させることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明におけるALIP型電子部品実装用噴流波形成装置の構成例を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態を示すALIP型電子部品実装用噴流波形成装置の構成の一例を説明する図であり、はんだ槽部分は縦断面で示し、制御系の構成をブロック図で示してある。
【0022】
図2は、本発明のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置の全容を説明する斜視図である。
【0023】
図3は、本発明のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置のはんだ槽に設けられる推力パイプと、この推力パイプ内に挿入される内部コアと、推力パイプに挿抜(環挿)自在に設けられる外部コアおよび移動磁界発生用コイルの挿抜関係を説明する分解斜視図である。なお、図1〜図3では、同一のものには同一の符号を付してある。
【0024】
〔ハードウェア構成〕
まず、図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態を示すALIP型電子部品実装用噴流波形成装置の構成について説明する。
【0025】
101ははんだ槽である。このはんだ槽101内には槽底や槽壁に沿ってヒータ109が設けてあり、該はんだ槽101内に収容されたはんだ100を加熱して溶融させ、目的とする温度に保持するように構成されている。
【0026】
201は温度制御装置であり、はんだ100の温度を制御する。この温度制御装置201は、温度センサ106の温度検出結果を参照し、はんだ100の温度が予め指示された温度になるようにヒータ109に供給する電力を制御する仕組みである。
【0027】
また、はんだ槽101の槽底の推力パイプ取り付け孔108には、ALIP型電磁ポンプ300の推力パイプ302が設けてある。この推力パイプ302は、槽底の推力パイプ取り付け孔108に溶接やねじ込み等の方法で取り付けてある。
【0028】
また、この推力パイプ302内に、その中心軸に反転流路304を設けたパイプ状の内部コア303を挿抜自在に挿入する構成となっている。そして、この内部コア303の反転流路304と吹き口体102の流入口107が連繋するように構成されている。なお、推力パイプ303の一端は、放物面形状または双曲面形状に封止されている。
【0029】
ここに用いられるALIP型電磁ポンプ300は、その推力パイプ302や内部コア303そして反転流路304の形状が、円錐状で相似の形状を構成している。したがって、図1や図3からもわかるように、反転流路304の縦断面積が、溶融はんだの流れ方向(矢印B)に沿って拡大する構成になっている。
【0030】
また、推力発生流路305は、内部コア303の外表面と推力パイプ302の内表面ひいては駆動体301(外部コア301aおよび移動磁界発生用コイル301b)との間に構成され、この推力発生流路305の隙間(間隔)は、融はんだの流れ方向(矢印A)に沿って一定の値に構成されている。なお、推力パイプ302と内部コア303とを相似の円柱状に構成し、反転流路304のみを円錐状に形成しても良い。
【0031】
吹き口体102は、その内部に溶融はんだの流れを整える整流板105を有し、その吹き口103がはんだ液面上に位置している。すなわち、この吹き口103から溶融はんだを噴流させると該吹き口上に噴流波110が形成されて、該吹き口103に隣接して設けられた案内板104を流れ下る仕組みとなっている。
【0032】
なお、内部コア303や吹き口体102は、図示しないサポート手段により、はんだ槽101に取り付け/取り外しが可能に固定されている。
【0033】
また、推力パイプ302の外側には、内部コア303との間に移動磁界を発生させる外部コア301aと移動磁界発生用コイル301bとが一体に形成された駆動体301が、回転可能かつ挿抜可能に設けられている。この駆動体301(外部コア301aおよび移動磁界発生コイル301b)により、推力パイプ302と内部コア303との間に推力発生流路305が形成され、この推力発生流路305から送出される溶融はんだ100は、内部コア303の反転流路304を通って吹き口体102へ送給される。
【0034】
なお、駆動体301を回転可能にすることで推力パイプ302への密着性を向上させることができると供に、最適な磁界分布を選択して推力を安定させることができる。この構成のALIP型電磁ポンプ300を、流路反転型のアニュラリニア型(R−ALIP型:return throgh type annular linear induction pump)電磁ポンプと呼称する。
【0035】
なお、ALIP型電磁ポンプ300は、外部コア301aの形状を円柱状(円錐柱状)に形成することができるため、通常はその外観も円柱状(円錐柱状)である。また、その内部コア303も円柱状(円錐柱状)であり、該外部コア301aと内部コア303との環状の空間すなわち流路に移動磁界を発生させ、該流路のはんだに推力を与えて移動させ、吐出力および吸い込み力を発生させる。なお、〔背景技術〕の欄で示した特許文献1に開示されるALIP型の電磁ポンプは、ポンプ内の流路が直線状であることから、ストレートスルー型と呼称されている。
【0036】
このR−ALIP型電磁ポンプ(以下ALIP型電磁ポンプと総称する)は、多相交流電源装置202(例えば、VVVF型3相インバータ電源装置)と接続され、多相交流電力を電磁ポンプの磁界発生用コイル301bに供給する。
【0037】
このように、本発明では、図1のように、ALIP型電磁ポンプ300を、はんだ槽101の槽壁の外側に設け、はんだ槽101の槽壁の外側に位置することになった推力発生流路305に溶融はんだを吸い込ませ、その後、吐出する溶融はんだをはんだ槽内に送給する構成とした。よって、はんだ槽101の外側に位置するALIP型電磁ポンプ300のメンテナンスや交換が容易になった。
【0038】
なお、この多相交流電源装置202は、制御装置203との通信によりその出力電圧や周波数、電力等々が任意に調節され制御される構成である。
【0039】
制御装置203は、コンピュータシステムで構成され、キーボード等の指示操作部204とLCD等の表示部205と、図示しないCPU,ROM,RAM,ハードディスク等を備えている。そして、制御装置203内のCPUがハードディスクに格納されたプログラムをRAM上に読み込んで実行することにより各種制御を行うことができる。
【0040】
制御装置203は、指示操作部204からの指示により上述の多相交流電源装置202の作動を制御する構成である。また、上述の温度制御装置201も制御装置203との通信によりヒータ109への供給電力や温度またPID等の制御特性が任意に調節され制御される構成である。
【0041】
なお、はんだの融点は、はんだの種類により異なる。例を挙げると、従来から使用されてきた錫−鉛はんだ(例えば鉛37%で残部が錫)では約183℃である。また、鉛フリーはんだの錫−亜鉛はんだ(例えば亜鉛9%で残部が錫)では約199℃である。さらに、錫−銀−銅はんだ(例えば銀約3.5%,銅約0.7%,残部が錫)では約220℃である。
【0042】
そのため、使用されるはんだの種類により、被はんだ付けワークである電子部品のはんだ付け実装に際して使用されるはんだの温度は異なるが、プリント配線板に搭載される電子部品の耐熱温度が考慮されるため、約220℃〜260℃程度の範囲で使用される例が最も多い。
【0043】
〔作動〕
ALIP型電子部品実装用噴流波形成装置を始動させると、ヒータ109および温度センサ106そして温度制御装置201とにより、はんだ100が加熱されて溶融し、予め決めた所定の温度に維持される。はんだが所定温度に達したら、多相交流電源装置202からALIP型電磁ポンプ300に電力を供給して推力を発生させる。すると、図1の矢印Aに示すように推力発生流路305に溶融はんだが吸い込まれ、推力パイプ302の先端で流れ方向が反転して内部コア303内の反転流路304に送出された後に、吹き口体102に送給され、整流板105で流れを整えられた後に、吹き口103から噴流して噴流波110が形成される。
【0044】
推力発生流路305から送出される溶融はんだは、封止された推力パイプ302の先端で流れ方向を変えて(矢印Aから矢印Bに反転して)反転流路304内へ送出される。この際に、推力パイプ302の先端の内表面形状が放物面または双曲面に構成してあるので、損失も少なくかつ安定した流れを維持しつつ、その流れ方向を反転することができる。
【0045】
そして、その流れ方向(矢印B)に沿って縦断面積が拡大する円錐状(ホーン状)の形状であるから、溶融はんだの流速が徐々に低下し、その過程で流れが整えられて安定する。
【0046】
したがって、不規則な流れ成分が減衰して安定した溶融はんだの流れを得ることができるようになり、吹き口体102の吹き口103に形成される噴流波110の流速や流れ方向そして波高等が安定する。
【0047】
その結果、安定で再現性のある噴流波が得られ、これに接触される電子部品ひいてはプリント配線板の接触状態も安定し、良好なはんだ付け実装品質が得られると供に、いつも同じ状態ではんだ付け実装を行うことができるようになる。
【0048】
なお、推力パイプ302や内部コア303の外形状を円柱状に構成し、内部コア303の軸芯に沿って形成される反転流路304の形状のみを円錐状に形成した場合には、ALIP型電磁ポンプ300の送給能力が若干低くなるが、前記の流れを整える作用は同様である。
【0049】
また、このように、推力パイプ302の形状を円錐形状にすることで、環挿される外部コア301aおよび移動磁界発生用コイル302bの該推力パイプヘの密着性が良くなり、エアギャップを生じることによる損失を低減することも可能になる。したがって、電磁ポンプ300の効率も向上させることができるようになる。
【0050】
以上の構成により、ALIP型電磁ポンプのメンテナンスや交換を容易に行うことができると供に、溶融はんだの送給を安定化して噴流波の時間変動を解消し、電子部品のはんだ付け実装品質を一層安定化させることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態の変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0052】
以上説明したように、本発明のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置は、反転流路を円錐状の形状に構成して、送給される溶融はんだの流れを安定化したところに特徴がある。
【0053】
まず、アニュラリニア型(ALIP型:annular linear induction pump)電磁ポンプ300の推力パイプ302の一端を封止して該封止端を頂部とする円錐状のキャップ形状に構成すると供に、この推力パイプ302の内側に挿入される内部コア303が、推力パイプ302の外形と相似の円錐状の外形状に構成する。また、内部コア303には、その軸芯に沿って推力パイプ302の円錐状の外形状と相似の円錐状の反転流路304を設ける。
【0054】
また、これらにより、円錐状の推力パイプ302と円錐状の内部コア303との間に推力発生流路305を形成し、且つ、この推力発生流路305と反転流路304とにより送給流路を形成し、推力パイプ302に外部コア301aと移動時間発生用コイル301bとを一体に形成した移動体301を環挿して流路反転型のアニュラリニア型(R−ALIP型:return through type annular linear induction pump)電磁ポンプを形成する。
【0055】
そして、推力パイプ302が、はんだ槽101の槽壁にその開口を該はんだ槽101の内側に望ませて設けられ、また、反転流路304が形成された内部コア303の円錐状の反転流露304の開口と溶融はんだをその吹き口103から噴流することで噴流波を形成する吹き口体102の流入口107とが連繋して構成されたALIP型電子部品実装用噴流波形成装置である。
【0056】
これにより、推力発生流路305から送出される溶融はんだは、円錐形状の反転流路304すなわちその流れ方向に沿ってその縦断面積が拡大するホーン形状の流路を流れて吹き口体102へ溶融はんだが送給される。したがって、この反転流路304を流れる溶融はんだの流れは、徐々に減速してその流れが整えられ、吹き口体102に供給する溶融はんだの流れに不規則な変動を生じることがない。したがって、パラメータが安定で再現性のある噴流波を形成することができるようになる。
【0057】
さらに、上述の構成のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置において、推力パイプ302の封止された一端の内面形状が放物面または双曲面に形成されて成るALIP型電子部品実装用噴流波形成装置である。
【0058】
これにより、推力発生流路305から反転流路304へ流れ方向を反転する溶融はんだの流れに不規則な変動を生じることが少なくなり、一層安定した噴流波を形成することかできるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明にかかるALIP型電子部品実装用噴流波形成装置は、電子部品をプリント配線板にはんだ付け実装する際に使用される。安定かつ再現性のある噴流波を形成できるようになるので、微細な被はんだ付け部を多数有し、極めて安定な噴流波の形成が求められるマイクロソルダリングを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態を示すALIP型電子部品実装用噴流波形成装置の構成の一例を説明する図である。
【図2】本発明のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置の全容を説明する斜視図である。
【図3】本発明のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置のはんだ槽に設けられる推力パイプと、この推力パイプ内に挿入される内部コアと、推力パイプに挿抜(環挿)自在に設けられる外部コアおよび移動磁界発生用コイルの挿抜関係を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
100 はんだ
101 はんだ槽
106 温度センサ
109 ヒータ
201 温度制御装置
202 多相交流電源装置
203 制御装置
204 指示操作部
300 反転式ALIP型電磁ポンプ
301 駆動体
301a 外部コア
301b 移動磁界発生用コイル
302 推力パイプ
303 内部コア
304 反転流路
305 推力発生流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ槽内に収容された溶融はんだにアニュラリニア型電磁ポンプにより吐出力を与えて吹き口体の吹き口から溶融はんだを噴流させて、該吹き口上に噴流波を形成させる電子部品実装用噴流波形成装置であって、
前記アニュラリニア型電磁ポンプは、該アニュラリニア型電磁ポンプの推力パイプの一端を封止してキャップ形状に構成すると供に、この推力パイプの内側に挿入される内部コアの軸芯に沿って円錐状の反転流路を設けることで、前記推力パイプと前記内部コアとの間に推力発生流路を形成し、この推力発生流路と前記円錐状の反転流路とにより送給流路を形成した流路反転型のアニュラリニア型電磁ポンプであり、さらに、前記推力パイプは、はんだ槽の槽壁に設けられた穴に連繋され、また、この推力パイプに外部コアと移動磁界発生用コイルとを一体に形成した駆動体が環挿して設けられ、そして、前記円錐状の反転流路の開口と前記吹き口体に設けられた流入口とが連繋されたことを特徴とするALIP型電子部品実装用噴流波形成装置。
【請求項2】
前記推力パイプは、該推力パイプの封止端を頂部とする円錐状のキャップ形状に構成するものであり、
前記内部コアは、前記推力パイプの外形と相似の円錐状の外形状に構成され、この内部コアには、その軸芯に沿って前記推力パイプの円錐状の外形状と相似の円錐状の反転流路を設けることを特徴とする請求項1記載のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置。
【請求項3】
前記推力パイプの封止された一端の内面形状が、放物面または双曲面に形成されたことを特徴とする請求項2記載のALIP型電子部品実装用噴流波形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−95919(P2007−95919A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282014(P2005−282014)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000232450)日本電熱計器株式会社 (25)
【Fターム(参考)】