説明

Ah受容体アンタゴニスト

本発明は、アリール炭化水素受容体(Ah受容体;AhR)アンタゴニスト及びその使用の分野に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、アリール炭化水素受容体(Ah受容体;AhR)アンタゴニスト及びその使用の分野に関する。
皮膚は人体の最大の器官である。その最も重要な機能は、一方で水の無制御なエスケープに対して、他方で有害な化学薬品又は細菌、及び太陽放射線の浸透に対して体を保護することである。
ヒト皮膚を持続的に太陽照射にさらすと、多種の損傷を生じさせうる。ここで言及しうる例は、日焼け、光誘導性皮膚老化及び皮膚癌である。太陽光のこの有害な作用は、とりわけ、太陽光のスペクトルに含まれるUVB放射線(280〜320nm)に起因する。特にオゾン層の継続的破壊による太陽光のスペクトルのUVB成分の強度の最近の多大な増加に照らし、できるだけ包括的にUVB放射線から皮膚を保護することが必要である。
皮膚上に保護層を形成してUV放射線に対して防護するため、通常の日焼け止めは、280〜400nmの範囲の放射線を吸収及び/又は反射する物質(UVフィルター)を含む。このような光防護物質の例は、酸化亜鉛のような無機酸化物、又はケイ皮酸誘導体若しくはジベンゾイルメタン誘導体のような有機UV吸収剤である。しかし、これらの化合物の欠点は、それらが形成する保護層が物理的な摩擦、水又は洗浄剤によって容易に破壊されうることである。従って、前記UVフィルターのみならず、皮膚内部で保護作用を発生する物質をも利用できることが望ましい。
【0002】
この目的を達成するため、UVB放射線がヒト皮膚上に不健全な作用を引き起こす分子機構を知ることが基本的に重要である。適切な研究は、UVB放射線の生物学的作用は、部分的に、UVB放射線が皮膚細胞の核内のDNA分子に構造変化を引き起こすという事実に起因しうることを示した。従って、DNA修復酵素を用いて光防護を与える(Stege et al. (2000) PNAS 97, 1790)。
UVB放射線が細胞膜に変化を引き起こし、この変化が上皮成長因子受容体(EGF-R)等の成長受容体の活性化と、引き続く腫瘍形成に寄与することを実証することもできた(Ashida et al. (2003) Exp. Dermatol. 12, 445; Lirvall et al. (1996) Biosci. Rep. 16, 227)。抗酸化性酵素によってこのEGF-R活性化を阻害できる(Lirvall et al. (1996) Biosci. Rep. 16, 227)。
UVB及びUVA光は、シクロオキシゲナーゼ-2及びマトリックスメタロプロテイナーゼの発現をも誘導する(Pentland et al. (1999) Carcinogenesis 20(10), 1939-44)。シクロオキシゲナーゼは炎症反応の重要な酵素に属する。シクロオキシゲナーゼは、アラキドン酸からのいくつかの炎症媒介物(プロスタグランジン、プロスタサイクリン、トロンボキサン)の合成の第1段階を触媒する。2つの形態があり、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)は構成的な持続的に発現される形態であり、COX-2は細胞シグナルによる刺激後、例えば組織損傷又は炎症の結果としてのみ発現される。
【0003】
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)は、細胞外マトリックス(ECM)の巨大分子をタンパク質分解によって分解できる酵素である。MMPは、広くかつしばしば重なっている基質特異性を有し、併せて、細胞外マトリックスのすべてのタンパク質成分を分解できる。今までに約20のMMPが同定されている。特に、MMP-1(コラゲナーゼ-1)、MMP-2(ゼラチナーゼA)、MMP-9(ゼラチナーゼB)及びMMP-3は、ヒト皮膚で重要な役割を果たす。コラーゲン-1及びコラーゲン-3と異なり、MMP-1はPro-MMP-2及びPro-MMP-9をも分解し、ひいてはそれらを活性化する。MMP-2及びMMP-9はエラスチン-分解プロテアーゼに属する(A. Thibodeau, Cosmetics & Toiletries 2000, 115(11), 75-82)。
MMPの含量は、若い皮膚内より老皮膚内に顕著に多いことが分かった(J.H. Chung et al., J. Invest. Dermatol. 2001, 117, 1218-1224)。MMPは、外来因子による早期皮膚老化でも確固とした役割を果たす。その例として、光から防護して老化した皮膚内より、光で老化した皮膚内の高レベルのMMPを検出することもできた(J.H. Chung et al., J. Invest. Dermatol. 2001, 117, 1218-1224)。UVA及びUVB放射線と赤外線の両方についてマトリックスメタロプロテイナーゼの誘導が実証されている。この誘導を培養ヒト皮膚線維芽細胞上in vitro及びUV-刺激ヒト皮膚上in vivoの両方で観察することができた。タバコの煙による刺激もヒト皮膚線維芽細胞内でのMMP発現の上方制御をもたらした。
【0004】
アリール炭化水素受容体(AhR)(NCBI遺伝子受入番号BC0700800)は、外来混入物の解毒で中心的役割を有する。AhRは、ベンゾ[a]ピレン等の多環式芳香族炭化水素(PAH)及び2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(TCDD)等のハロゲン化PAHに対する生体応答を媒介する。AhRはリガンド-活性化転写因子であり、リガンドと結合後、細胞核内に転位置し、そこで別の転写因子とダイマー、すなわちアリール炭化水素受容体核トランスロケーター(ARNT)を形成し、制御遺伝子配列に結合して種々の遺伝子、例えばCYP1A1及びCYP1B1の転写を誘導する。AhR活性化の帰結が皮膚腫瘍(Shimizu et al. (2000) 97, 779)、刺激作用及び炎症の発生、アレルギー、アトピー性皮膚炎及び痒みの発生、並びに皮膚の完全性の混乱(Tauchi et al. (2005) Mol. Cell Biol. 25, 9360-8; Henley at al., Arch. Biochem. Biophys. (2004) 422, 42-51)、並びにMMP-1(コラゲナーゼ-1)の誘導(Murphy et al. (2004) J. Biol. Chem. 279, 25284-2593)である。
【0005】
UVB光は、ヒトのケラチノサイトとリンパ球及びマウスの肝癌細胞系Hepa-1内でCYP1A1発現を誘導する(Wei et al., Chem. Biol. Interact. (1999) 118, 127-40)。しかしながら、Hepa-1細胞についてCYP1A1誘導がAhR-依存性であることが実証されているだけであり、後述するように、AhR活性化は細胞型に依存するので、マウス肝癌細胞に及ぼす作用からヒト皮膚細胞に及ぼす作用を推定することはできない。さらに、CYP1A1はAhRと無関係な経路によっても誘導される(Guigal et al. (2001) Life Sci. 68(18), 2141-50; Tijet et al. (2006) Mol. Pharmacol. 69(1), 140-153)。従って、UVBと、ケラチノサイト内のAhR及びCYP1A1との間には必ずしも関係がない。
【0006】
WO 99/56737は、Ah受容体のリガンドとしてスチルベンを開示している。いくつかのスチルベンがAh受容体に結合すると言われているが、そのいずれもCYP1A1の誘導を果たさない。これらのスチルベンには、3,4,3′,5-テトラヒドロキシスチルベン、つまりピセアタンノール(piceatannol)、2,3′,4,5′-テトラヒドロキシスチルベン、つまりオキシリスベラトロール、及び3,5,4′-トリヒドロキシスチルベン、つまりリスベラトロール、特にtrans-リスベラトロールが含まれる。光防護作用、特にUVB放射線に対する光防護作用は記載されていない。スチルベンの欠点はスチルベンが感光性であり、頻繁に内分泌作用を刺激することである。例えば、リスベラトロールは抗アンドロゲンである(Mitchell et al. (1999) Cancer Res. 59, 5892-5895)。
【0007】
Henryら((1999) Mol. Pharmacol. 55, 716-25)は、肝臓細胞内の有効なAhRアンタゴニストとして、4-位に電子吸引性置換基を有する3-メトキシル化フラボンを開示している。Joiakimら((2003) Drug Metab. Dispos. 31, 1279-82)は、Jun N-末端キナーゼインヒビターであるアントラ[1,9-cd]ピラゾール-6(2H)-オンがヒトの乳房上皮細胞内の強力なAhRアゴニスト2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(TCDD)の作用を阻害できることを示した。
さらに、AhRへの結合は細胞型に依存する。Zhangら((2003) Environ. Health Perspec. 111, 1877-1882)は、例えばケルセチンはヒトの乳癌細胞系MCF-7内でAhRの作用を阻止するが、ヒトの肝癌細胞系HepG2には作用しないことを見出した。ルテオリンについては反対の作用が見られた。すなわち、ルテオリンはMCF-7細胞に作用しないが、HepG2細胞内でAhRインヒビターとして作用する。ヒト細胞とげっ歯類細胞の間では、AhRのリガンド親和性にも差異が見られた(Ema et al. (1994) J. Biol. Chem. 269, 27337-43; Zhang et al. (2003) Environ. Health Perspec. 111, 1877-1882)。
【0008】
ヒトの皮膚細胞内でAhRアンタゴニストとして機能する化合物はほとんど知られていない。クルクミンは、口のヒトケラチノサイト癌細胞内及びex vivo口粘膜内におけるタバコ発癌性物質ベンゾ[a]ピレン-7R-trans-7,8-ジヒドロジオールによるAhR活性化を阻害するが、クルクミンは、タバコ発癌性物質の非存在下でAhRの転位置を活性化するので(Rinaldi et al. (2002) Cancer Res. 62, 5451-5456)、本発明の見地からはAhRアンタゴニストでない。
さらにall-trans-レチノイン酸は、TCDDの非存在下でのAhR活性に影響を与えることなく、正常なヒトケラチノサイト内でTCDD-誘導AhR活性化を阻害することが知られている。all-trans-レチノイン酸は、MMP-1のTCDD-誘導発現をブーストするというかなりの欠点をも有し(Murphy et al. (2004) J. Biol. Chem. 279, 25284-25293)、かつ感光性である。
【0009】
従って、本発明の目的は、上述したような最新技術の欠点を示すことなく、Ah受容体アンタゴニストとして作用する物質を提供することである。
本発明の観点では、遺伝子は、割り当てられた誘導質の存在下で対応mRNAの濃度が有意に高い(p<0.05、スチューデントのt-検定)、すなわち該誘導質の非存在下におけるより少なくとも10%高い場合、誘導されたと称する。
【0010】
本発明により、下記一般(I)の化合物がAhRアンタゴニストとして有効であることが見出された。
【0011】
【化1】

(I)
【0012】
(式中、
R1及びR2は、相互独立に水素又はC1-C12-アルキルであり、
R3〜R11は、相互独立に水素、C1-C12-アルキル、ヒドロキシル又はC1-C12-アルコキシであり、かつ
破線は、二重結合又は2個の水素のどちらかを表す。)
【0013】
特に、本発明により、R1もR2もHではない一般式(I)の物質が初めて提供される。
下記式:
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、
X=C1-3-アルキレン、CO、O、S、C1-2-オキシアルキレン又はC1-2-チオアルキレン、
R=OH、アルコキシ、アルケニルオキシ、アラルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニル、かつ
n=1〜3)
の物質は、JP-O4,134,043(1992)からUV吸収剤として既知であるが、AhRアンタゴニストとしては既知でない。
【0016】
驚くべきことに、式(I)の化合物は非常に有効なAh受容体アンタゴニストであることが判明した。ヒト皮膚細胞内において、本化合物は、AhRの細胞質から細胞核内へのUVB誘導転位置を阻止できる。本化合物は、ヒト皮膚細胞内(特にケラチノサイト内)におけるAhR-誘導性遺伝子のAhR媒介誘導、特にCYP1A1の誘導を大きく低減する。本化合物は例えばクルクミン及びall-trans-レチノイン酸とは対照的に、光安定性であり、かつAhR-活性化物質、特にAhR誘導質、例えば多環式芳香族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、特にTCDD、又は皮膚細胞(ケラチノサイト等)内で形成されるAhR誘導質、例えば6-ホルミルインドロ[3,2-b]カルバゾール(FICZ)の非存在下では、AhR-誘導性遺伝子の誘導を引き起こさず、ヒト皮膚細胞の細胞質から核内へのAhRの転位置をも誘発しない。
驚くべきことに、式(I)の化合物、特に式(Ia)及び(Ib)の当該化合物は、皮膚ライトニング作用をも有する。
【0017】
従って、式(I)の化合物は、特に(特にUVB-誘導)皮膚刺激、皮膚損傷、皮膚炎症、痒み、アトピー性皮膚炎、皮膚老化及び皮膚癌を治療又は予防するため、及び/又は皮膚のMMP含量を低減するための薬物として特に好適である。さらに、薬物として又は非薬物形態(特に化粧品形態)で、本化合物は、AhRの細胞核内への転位置を低減若しくは阻止し、又はUVB-誘導遺伝子発現を低減若しくは阻止し、及び/又はAhRアゴニストによって誘導される遺伝子発現を低減若しくは阻止するために好適である。この点で、式(I)の化合物は、特にAhR誘導質、例えば多環式芳香族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、特にTCDD、又は皮膚細胞内で形成されるAhR誘導質、例えば6-ホルミルインドロ[3,2-b]カルバゾール(FICZ)に関連して、環境毒素から皮膚細胞(特にケラチノサイト)を保護するため、及び解毒のために好適である。式(I)の化合物は日焼け止めとして、特にUVBフィルターとしても好適である。
【0018】
例えば、適切なインダノンを芳香族アルデヒドと反応させることによって(アルドール縮合)、本発明の式(I)の化合物を調製できる。この反応は、好ましくは塩基の存在下、特に好ましくは強い無機塩基、例えばLiOH、NaOH又はKOHの存在下で行われる。インダノンは、例えばDE 100 55 940(WO 02/38537に対応)又はWO 03/076379に記載されている合成経路と同様に得られる。以下の反応スキームは、本発明の式(I)の化合物の調製の好ましい合成経路を例示する。
【0019】
【化3】

【0020】
ここで、基R1〜R11は上記定義通りである(又は後述する特定の好ましい意味を有する)。
本発明の好ましい化合物は、式中、R1及びR2が相互独立にメチルである当該化合物である。好ましくは、R1とR2が同時に両方ともメチルである。他の好ましい化合物は、式中、基R3〜R11の多くて4個が水素でなく、基R3〜R11の少なくとも1個、かつ最大4個が相互独立に好ましくはヒドロキシル、C1-C4-アルキル(分岐若しくは不分岐)又はC1-C4-アルコキシである当該化合物である。好ましい実施形態では、前記基の1個がヒドロキシル又はC1-C4-アルコキシの場合、残りの基、すなわち最高3個の基はH又はC1-C4-アルキル(分岐若しくは不分岐)でよく、さらに好ましくはR1とR2が両方とも同時にメチルである。このように置換されている化合物が特に有効なAhRアンタゴニストであることが判った。
特に好ましい化合物は、(E)及び/又は(Z)異性体として存在しうる下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の当該化合物である。
【0021】
【化4】

【0022】
式(Ia)及び(Ib)の化合物が特に好ましく、(Ia)の化合物が非常に特に好ましい。これらの化合物は特に光安定性であり、非常に低濃度で使用した場合でさえ、Ah受容体の強力な阻害を与え、かつ低濃度でさえ、AhR-誘導性遺伝子、特にCYP1A1のAhR-媒介誘導を阻止又は低減する。さらに、式(I)の化合物、特に式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の当該化合物、特に式(Ia)及び(Ib)の化合物は、UVB放射線及び/又はAhR誘導質、特に多環式芳香族炭化水素及びそのハロゲン化誘導体などのAhR誘導質、特にTCDD、又は皮膚細胞(ケラチノサイト等)内で形成されるAhR誘導質、例えば6-ホルミルインドロ[3,2-b]カルバゾール(FICZ)の非存在下では、それ自体AhR-誘導性遺伝子、特にCYP1A1を誘導せず、これらの条件下で細胞質から細胞核内へのAhRの転位置をも誘導しない。従って、式(Ia)及び(Ib)の化合物は、AhRアンタゴニストの上記使用に特に好適であり、かつ薬物として特に好ましい。
【0023】
さらに、本発明により、式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の少なくとも1種の化合物を含む製剤が提供される。便宜上、式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物は、本発明の製剤中に、(a)AhRの細胞核内への転位置を低減若しくは阻止するため、(b)UVB-誘導遺伝子発現を低減若しくは阻止するため、及び/又は(c)TCDD-誘導遺伝子発現を低減若しくは阻止するために十分な量で存在する。
【0024】
本発明の製剤は、式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物を、全組成に基づいて、好ましくは少なくとも0.00001wt.%の濃度で含む。この濃度において、特に(Ia)の化合物の場合、AhR受容体の皮膚細胞の核内への転位置の低減を既に観察することができ、かつAhR-誘導性遺伝子、特にCYP1A1のAhRアゴニスト、例えばTCDDによる誘導も既に有意に減少する。
【0025】
好ましくは、式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物の濃度は、各場合、全組成に基づいて0.0001〜10wt.%、特に好ましくは0.001〜5wt.%、特に0.01〜1wt.%である。これらの濃度で皮膚に適用すると、式(I)の化合物は、AhRの細胞核内への転位置を阻止又は低減し、特に、UVB-誘導遺伝子発現、特にCYP1A1のUVB-誘導遺伝子発現を低減又は阻止するという点で強力なAhR-拮抗作用を発生する。
【0026】
製剤は、特に化粧用製剤でよく、特に好ましくは日焼け止め製剤、皮膚保護ローション及びアフターサン製剤(例えば、サンクリーム及びアフターサンローション)でよい。
本発明の化粧用及び治療用製剤は、それ自体既知の常法によって調製される。常法では、式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物を、通常の組成の化粧用又は皮膚科用製剤に組み入れる。また、その皮膚ライトニング及び毛髪ライトニング作用とは別に、皮膚又は毛髪を処理し、ケアし、及びきれいにするために使用することもできる。
【0027】
本発明の製剤は、調製法及び成分によって、好ましくはエマルション、例えばW/O(油中水)型、O/W(水中油)型、W/O/W(水中油中水)型又はO/W/O(油中水中油)型、PITエマルション、ピカリング(Pickering)エマルション、低油含量のエマルション、又はマイクロエマルション若しくはナノエマルション、溶液(例えば油(脂肪油又は脂肪酸エステル、特にC6-C32脂肪酸C2-C30エステル)又はシリコーン油中)、分散液、懸濁液、クリーム、ローション又はミルク、ゲル(ヒドロゲル、水系分散液ゲル、オレオゲルを含む)、スプレー(例えば、ポンプスプレー又は噴霧剤を有するスプレー)の形態、そうでなければフォーム又は美容組織用の含浸液、洗浄製品、例えば石鹸、合成洗剤、液体洗剤、シャワー若しくは浴用製剤、浴用製品(カプセル、油、錠剤、塩、バスソルト、石鹸など)、発泡製剤、皮膚ケア製品、例えばエマルション(上述したような)、軟膏、ペースト、ゲル(上述したような)、油、トナー、バルサム、セラム又はパウダー(例えば、フェイスパウダー、ボディパウダー)、マスク、ペンシル、スティック、ロールオン、ポンプ、エアロゾル(起泡性、非-起泡性又は後-起泡性)、脱臭剤及び/又は制汗剤、うがい薬又はマウスウォッシュ、フットケア製品(角質溶解薬、脱臭剤を含む)、昆虫忌避薬、日焼け止め、自己日焼け製品及び/又はアフターサン製剤、皮膚トナー、髭剃り製品、髭剃り後バルム、髭剃り前若しくは髭剃り後ローション、脱毛剤、ヘアケア製品、例えばシャンプー(2-イン-1シャンプー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、乾燥頭皮用シャンプー、シャンプー濃縮液)、コンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアトニック、ヘアリンス、スタイリングクリーム、ポマード、パーマ製品又は定着液、ヘアセットローション(スプレー)、スタイリング助剤(例えばゲル又はワックス)、ヘアスムージング製品(ストレイテナー(straightener)、縮毛矯正剤(relaxer))、漂白剤、ヘア着色剤、例えば、一時的な直接ヘア着色剤、半永久的なヘア着色剤又は永久的なヘア着色剤、ヘアトナー、ヘアライトナー(lightener)、ヘアコンディショナー、ヘアムース、アイケア製品、メーキャップ、メーキャップリムーバー又はベビー製品の形態を取る。
【0028】
式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物を、例えば、ゼラチン、ワックス材料、リポソーム又はセルロースカプセル内の封入形態で投与することも有利である。
特に好ましくは、本発明の製剤は、エマルション、特にW/O、O/W、W/O/W又はO/W/O型、PITエマルション、ピカリングエマルション、低油含量のエマルション、又はマイクロエマルション若しくはナノエマルション、ゲル(ヒドロゲル、水系分散液ゲル、オレオゲルを含む)、溶液(例えば油(脂肪油又は脂肪酸エステル、特にC6-C32脂肪酸C2-C30エステル)又はシリコーン油中)、又はスプレー(例えば、ポンプスプレー又は噴霧剤を有するスプレー)の形態を取る。
【0029】
本発明の(特に局所)化粧用又は治療用製剤は、好ましくは化粧用及び/又は皮膚科用補助物質及び添加剤、例えば該製剤で常用されているもの、例えば冷却剤、加温剤、日焼け止め(特にUVフィルター及び/又はUV-フィルタリング顔料)、染料、着色作用のある顔料、抗酸化剤、保存剤、抗刺激剤、軟化剤、モイスチャライザー及び/又は保湿剤(水分保持調節剤、例えばグリセロール又は尿素)、浸透圧調節物質、抗菌剤(例えば、抗細菌剤、殺細菌剤、殺真菌剤)、殺ウイルス剤、脱臭剤(例えば、制汗剤)、表面活性物質(界面活性剤)、乳化剤、昆虫忌避薬(例えばDEET、IR 3225、Dragorepel)、植物抽出物、抗炎症薬、瘢痕形成薬性(例えばキチン又はキトサン及びキトサン誘導体)、ゲル化薬、膜形成物質(例えばポリビニルピロリドン又はキトサン若しくはキトサン誘導体)、定着剤、皮膚スムージング物質、しわ防止物質、例えばオートムギ、ブラックベリーエキス若しくはダイズエキス由来のβ-グルカゴン、ビタミン(例えばビタミンCと誘導体、トコフェロールと誘導体、ビタミンAと誘導体)、2-ヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、リンゴ酸、L-、D-若しくはDL-乳酸)、皮膚着色剤(例えばクルミエキス又はジヒドロキシアセトン)、皮膚ケア及び修復剤(例えばコレステロール、セラミド、偽セラミド、クレアチン及びクレアチンエステル)、皮膚鎮静剤、過脂肪剤、蛍光増粘剤、潤沢剤、光沢剤、脂肪、油、飽和脂肪酸とその塩、一不飽和若しくは多不飽和脂肪酸とその塩、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸若しくはその誘導体(例えばリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸又はアラキドン酸及びその天然若しくは合成エステル)、リン脂質、ワックス又は化粧用若しくは皮膚科用製剤の他の通常の構成成分、例えばアルコール、アルカンジオール、ポリオール、ポリマー、電解質、有機溶媒、シリコーン、シリコーン誘導体又はキレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸と誘導体)、フケ防止剤(例えばクライムアゾール、ケトコナゾール、ピロクトノールアミン(piroctonoleamine)、ジンクピリチオン)、ヘアケア剤、ヘア変形剤、ヘアスムージング剤、脱毛剤、香料、エーテル油、泡立て剤、泡安定剤、泡ブースター、消泡剤、増粘剤、結合剤、植物の一部(例えば繊維)及び植物エキス(例えばアルニカ、アロエ、サルオガセ科、ツタ、イラクサ、ニンジン、ヘンナ、カミツレ、マリーゴールド、ローズマリー、セージ、トクサ又はタイム)、動物エキス、例えばローヤルゼリー、プロポリス、タンパク質若しくはタンパク質加水分解産物、酵母エキス、ホップとコムギエキス、ぺプチド又は胸腺エキス、研磨剤、緩衝液及び酵素をも含みうる。
【0030】
式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物が併用できる構成成分(補助物質及び添加剤)は以下のものが特に好ましい:研磨剤、フケ防止剤、抗炎症薬、抗酸化剤、制汗剤、結合剤、緩衝液、キレート剤、脱毛剤、表面活性物質、乳化剤、酵素、エーテル油、植物エキス、繊維、膜形成剤、固定液、泡立て剤、泡安定剤、消泡剤、泡ブースター、ゲル化薬、ヘアケア剤、ヘア変形剤、ヘアスムージング剤、スキン及びヘアライトナー、モイスチャライザー、保湿剤、昆虫忌避薬、蛍光増粘剤、潤沢剤、光沢剤、ポリマー、タンパク質、過脂肪剤、皮膚鎮静剤、皮膚スムージング剤、しわ防止剤、日焼け止め、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸とその塩、一不飽和若しくは多不飽和脂肪酸とその塩、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、ポリオール、アルカンジオール、シリコーン又はシリコーン誘導体。
補助物質及び添加剤は、製剤の総質量に基づいて5〜99wt.%、好ましくは10〜80wt.%の量で存在しうる。当業者は、簡単な試行錯誤を用いて、個々の製品タイプに従って各場合に使用すべき化粧用又は皮膚科用の補助物質と添加剤及び香料の量を容易に決定できる。
製剤は、該製剤の総質量に基づいて99.99wt.%まで、好ましくは5〜80wt.%の量の水を含有することもできる。
【0031】
本発明の化粧用又は治療用製剤は、好ましくは以下の製剤:
エマルション、溶液、分散液、懸濁液、クリーム、ローション、ミルク、ゲル、スプレー、フォーム、美容組織用の含浸液、洗浄製品、石鹸、合成洗剤、洗浄製剤、シャワー製剤、浴用製剤、浴用製品、発泡性製剤、スキンケア製品、軟膏、ペースト、油、トナー、バルサム、セラム、パウダー、マスク、ペンシル、スティック、ロールオン、ポンプ、エアロゾル、脱臭剤、制汗剤、うがい薬、マウスウォッシュ、フットケア製品、昆虫忌避薬、日焼け止め、自己日焼け製品、アフターサン製剤、皮膚トナー、髭剃り製品、髭剃り後バルム、髭剃り前ローション、髭剃り後ローション、脱毛剤、ヘアケア製品、シャンプー、コンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアトニック、ヘアリンス、スタイリングクリーム、ポマード、パーマ製品、定着液、ヘアセットローション、スタイリング助剤、ヘアスムージング製品、漂白剤、ヘア着色剤、ヘアトナー、ヘアライトナー、ヘアコンディショナー、ヘアムース、アイケア製品、メーキャップ、メーキャップリムーバー及びベビー製品
を含む群から選択され、
及び/又は
式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物に加え、以下の補助物質及び添加剤:
研磨剤、フケ防止剤、抗炎症薬、抗酸化剤、制汗剤、結合剤、緩衝液、キレート剤、脱毛剤、表面活性物質、乳化剤、酵素、エーテル油、植物エキス、繊維、膜形成剤、固定液、泡立て剤、泡安定剤、消泡剤、泡ブースター、ゲル化薬、ヘアケア剤、ヘア変形剤、ヘアスムージング剤、スキン及びヘアライトナー、モイスチャライザー、保湿剤、昆虫忌避薬、蛍光増粘剤、潤沢剤、光沢剤、ポリマー、タンパク質、過脂肪剤、皮膚鎮静剤、皮膚スムージング剤、しわ防止剤、日焼け止め、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸とその塩、一不飽和若しくは多不飽和脂肪酸とその塩、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、ポリオール、アルカンジオール、シリコーン及びシリコーン誘導体
を含む群から選択される1種以上の補助物質及び添加剤を含み、
及び/又は
毛髪及び/又は皮膚への適用を意図した製剤である。
【0032】
使うため、通常、化粧及び皮膚製剤にとって十分な量で、かつ通例の様式で、皮膚及び/又は毛髪に式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物を含有する製剤を適用する。さらに1種以上の日焼け止め(UV吸収剤、UVフィルター)を含む本発明の化粧用、皮膚科用及び/又は治療用製剤が特に有利である。
【0033】
稀なケースでは、本発明の式(I)の化合物を含有する製剤、又は本発明に従って使用する製剤は、特に製剤が水-アルコール又は純粋なアルコール溶液である場合、変色及び/又は不安定を経験することがある。驚くべきことに、今や、UVフィルターが本発明の製剤中の式(I)の化合物の安定性を改善できることが分かった。特に、UVフィルターは、太陽光又は他の光による式(I)の化合物の変色を阻止又は遅延させうる。特に化粧製剤では両方とも重要である。従って、本発明により、UVフィルターを用いて式(I)の化合物を安定化する。特に、本発明の製剤中の式(I)の化合物を安定化するのに十分な量で1種以上のUVフィルター、好ましくは後述する(好ましいとして)UVフィルターを用いる。この文脈では、本発明のさらなる特徴は、式(I)の化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)、特に式(Ia)及び/又は(Ib)の化合物を安定化する量の1種以上のUVフィルターの存在下で皮膚及び/又は毛髪を明るくするための式(I)の1種以上の化合物の化粧的又は治療的使用に関する。ここで、この場合も当然に適用する置換基の選択についての詳細はすべて上述した。安定化の目的のため、UVフィルターの総量は、該製剤の総質量に基づいて好ましくは0.1〜2wt.%、特に0.2〜1wt.%の範囲である。
【0034】
本発明による式(I)の化合物、又は本発明に従って使用すべき式(I)の化合物の総質量比率に対するUVフィルターの総質量比率の比は、好ましくは100:1〜1:100、特に好ましくは10:1〜1:10、非常に特に好ましくは5:1〜1:5の範囲である。
1種以上のUVフィルター(日焼け止め、UV吸収剤)を含有する本発明の製剤は、該製剤の総質量に基づいて好ましくは0.1〜30wt.%、特に好ましくは0.2〜20wt.%、非常に特に好ましくは0.5〜15wt.%の範囲の総比率のUVフィルターを有する。特に好ましくは、本発明の製剤は、特に後述するタイプの1種以上のUVBフィルターを含有する。本発明の式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)特に式(Ia)及び/又は(Ib)の物質は、有利には、UVBフィルターと相互作用して、UVB誘導皮膚損傷、皮膚変化及び皮膚癌を阻止することが分かった。
【0035】
特に好ましくは、本発明の式(I)の化合物、又は本発明に従って使用すべき式(I)の化合物、特に式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の当該化合物を水溶性UVフィルターと併用し;1つの好ましい実施形態では、フェニレンビスベンゾイミダゾリル四スルホン酸二ナトリウム(Neo Heliopan(登録商標)AP)及び/又は2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩と併用する。
別の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、本発明の製剤が2以上(好ましくは5以上)の光防護係数を有するような総量で、日焼け止め、すなわち特にUVフィルター及び/又は無機顔料(UV-フィルタリング顔料)を含有する。本発明のこのような製剤は、特に皮膚及び毛髪を保護するために好適である。
【0036】
さらに1種以上の日焼け止め(UVフィルター、UV吸収剤)を含む本発明の製剤は、例えば日焼け止め製剤で常用されている当該形態のような種々の形態を取りうる。例えば、該製剤は、水中油(O/W)型のエマルション、ゲル、水系分散液又はエアロゾルの形態でよい。
有利には、本発明の製剤は、少なくとも1種のUVAフィルター及び/又は少なくとも1種のUVBフィルター及び/又は広帯域フィルター及び/又は少なくとも1種の無機顔料を含む。本発明の製剤は、好ましくは少なくとも1種のUVBフィルター又は広帯域フィルターを含み、特に好ましくは少なくとも1種のUVAフィルターと少なくとも1種のUVBフィルターを含む。
【0037】
好適なUVフィルターの例は、4-アミノ安息香酸と誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、アクリル酸ジフェニル、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸とそのエステル、ベンゾフラン誘導体、ベンジリデンマロン酸誘導体、1個以上のケイ素-有機基を含有する高分子UV吸収剤、ケイ皮酸誘導体、カンファー誘導体、トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体とその塩、アントラニル酸メンチル、ベンゾトリアゾール誘導体及びインドール誘導体を含む分類の有機UV吸収剤である。
本発明の目的のため使用可能な以下に挙げるUVフィルターが好ましいが、当然、限定するものではない。
【0038】
有利なUVフィルターは以下の通り:
UVBフィルター、例えば
・p-アミノ安息香酸
・エトキシル化p-アミノ安息香酸エチル(25モルのEO)(INCI名:PEG-25 PABA)
・p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル
・N-プロポキシル化p-アミノ安息香酸エチル(2モルのPO)
・p-アミノ安息香酸グリセリル
・サリチル酸ホモメンチル(ホモサレート)(Neo Heliopan(登録商標) HMS)
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標) OS)
・サリチル酸トリエタノールアミン
・サリチル酸4-イソプロピルベンジル
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標) MA)
・ジイソプロピルケイ皮酸エチル
・p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標) AV)
・ジイソプロピルケイ皮酸メチル
・p-メトキシケイ皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標) E 1000)
・p-メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン
・p-メトキシケイ皮酸イソプロピル
・2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸と塩(Neo Heliopan(登録商標) Hydro)
・メチルスルホン酸3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン2-オン
・β-イミダゾール-4(5)-アクリル酸(ウロカニン酸)
・3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン2-オンと塩
・3-(4'-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー(Neo Heliopan(登録商標) MBC)
・3-ベンジリデン-D,L-カンファー
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチルアミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシル) (Uvasorb(登録商標) HEB)
・ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標) SLX)
・グリセリル エチルヘキサノエート ジメトキシシナメート
・ジプロピレングリコール サリチレート
・トリス(2-エチルヘキシル) 4,4′,4′′-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリベンゾエート(=2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン)(Uvinul(登録商標) T150)
【0039】
広帯域フィルター、例えば
・2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標) 303)
・2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリル酸エチル
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標) BB)
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸
・ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン
・2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン
・テトラヒドロキシベンゾフェノン
・2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン
・2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン
・2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン
・ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム
・二ナトリウム 2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5,5’-ジスルホ-ベンゾフェノン
・2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピルフェノール(Mexoryl(登録商標) XL)
・2,2'-メチレンビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)(Tinosorb(登録商標) M)
・2,4-ビス[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinosorb(登録商標) S)
・2,4-ビス[{(4-(3-スルホナト)-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン ナトリウム塩
・2,4-ビス[{(3-(2-プロポキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-[4-(2-メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(3-(2-プロポキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-[4-(2-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-トリス(トリメチルシロキシシリルプロポキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2''-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルシロキシ-2''-メチルプロポキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
UVAフィルター、例えば
・4-イソプロピルジベンゾイルメタン
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸と塩(Mexoryl(登録商標) SX)
・4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン(avobenzone))(Neo Heliopan(登録商標) 357)
・フェニレンビスベンゾイミダジル四スルホン酸二ナトリウム(Neo Heliopan(登録商標) AP)
・2,2'-(1,4-フェニレン)ビス(1H-ベンゾイミダゾール-4,6-ジスルホン酸)一ナトリウム
・2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(Uvinul(登録商標) A Plus)
・DE 100 55 940(=WO 02/38537)に記載のインダニリデン化合物。
【0040】
以下のUVフィルターは、併用に特に好適である。
・p-アミノ安息香酸
・メチルスルホン酸3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン2-オン
・サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標) HMS)
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標) BB)
・2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標) Hydro)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸と塩(Mexoryl(登録商標) SX)
・4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Neo Heliopan(登録商標) 357)
・3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン2-オンと塩
・2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標) 303)
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標) AV)
・エトキシル化p-アミノ安息香酸エチル(25モルのEO)(INCI名:PEG-25 PABA)
・p-メトキシケイ皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標) E1000)
・2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標) T150)
・2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピルフェノール(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル]フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシル)(Uvasorb HEB)
・3-(4'-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー(Neo Heliopan(登録商標) MBC)
・3-ベンジリデンカンファー
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標) OS)
・4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル(Padimate O)
・ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸とNa塩
・2,2'-メチレンビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)(Tinosorb(登録商標) M)
・フェニレンビスベンゾイミダジル四スルホン酸二ナトリウム(Neo Heliopan(登録商標) AP)
・2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinosorb(登録商標) S)
・ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標) SLX)
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標) MA)
・2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(Uvinul(登録商標) A Plus)
・DE 100 55 940(=WO 02/38537)に記載のインダニリデン化合物
【0041】
任意に疎水化されていてもよい粒状UVフィルター又は無機顔料、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化マンガン(例えばMnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)及び酸化セリウム(例えばCe2O3)等の酸化物及び/又はその混合物を使用することもできる。
本発明の製剤、特に皮膚科用製剤は、特に装飾用化粧品の分野で使用される場合、有利には染料及び/又は着色顔料をも含有しうる。化粧品規制によって承認されている適切なリスト又は化粧品用着色剤のECリストから染料及び着色顔料を選択することができる。多くの場合、染料及び着色顔料は食品で使うために許可されている染料と同一である。有利な着色顔料の例は、二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えば Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH))及び酸化スズである。有利な染料の例は、カーミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー及び/又はマンガンバイオレットである。
【0042】
本発明の枠組内で好ましく使用される特定の冷却剤を以下に列挙する。当業者は、このリストに多数の他の冷却剤を加えることができ;列挙される冷却剤を相互に組み合わせて使用することもできる:L-メントール、D-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標) MGA)、乳酸メンチル(商標名:Frescolat(登録商標) ML;乳酸メンチルは好ましくは乳酸L-メンチル、特にL-乳酸L-メンチルである)、置換メンチル-3-カルボキサミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、ヒドロキシカルボン酸メンチルエステル(例えば3-ヒドロキシ酪酸メンチル)、コハク酸モノメンチル、2-メルカプトシクロデカノン、2-ピロリジン-5-オンカルボン酸メンチル、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル-3,6-ジ-及び-トリオキサアルカノエート、メトキシ酢酸3-メンチル及びイチリン。
【0043】
好ましい冷却剤は、L-メントール、D-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標) MGA)、乳酸メンチル(好ましくは乳酸L-メンチル、特にL-乳酸L-メンチル(商標名:Frescolat(登録商標) ML)、置換メンチル-3-カルボキサミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート及びイソプレゴールである。
【0044】
特に好ましい冷却剤は、L-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標) MGA)、乳酸メンチル(好ましくは乳酸L-メンチル、特にL-乳酸L-メンチル(商標名:Frescolat(登録商標) ML)、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート及び2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネートである。
非常に特に好ましい冷却剤は、L-メントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標) MGA)及び乳酸メンチル(好ましくは乳酸L-メンチル、特にL-乳酸L-メンチル(商標名:Frescolat(登録商標) ML)である。
物質によって、使用すべき冷却剤の使用濃度は、完成した(すぐに使える)、好ましくは局所用の化粧用又は治療用(医薬)製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt.%、特に好ましくは0.1〜5wt.%の範囲である。
【0045】
本発明の製剤は、好ましくは、化粧(例えば皮膚科用)及び/又は治療用途に適した(他の)皮膚及び毛髪ライトニング化合物を含有しうる。この文脈で有利な皮膚及び毛髪ライトニング化合物はコウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピラノン、コウジ酸誘導体、例えばコウジ酸ジパルミテート、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、イオウ含有分子、例えばグリタチオン又はシステイン、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)とその誘導体、N-アセチルチロシンと誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、4-アルキルレゾルシノール、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン、クロモン誘導体、例えばアロエシン、フラボノイド、チモール誘導体、1-アミノエチルホスホン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド(ナイアシンアミド)、亜鉛塩、例えば塩化亜鉛又はグルコン酸塩、ツジャプリシンと誘導体、トリテルペン、例えばマスリン酸、ステロール、例えばエルゴステロール、ベンゾフラノン、例えばセンキュノリド、ビニル-及びエチルグアヤコール、二酸、例えばオクタデセン二酸及びアゼライン酸、酸化窒素合成のインヒビター、例えばL-ニトロアルギニンとその誘導体、2,7-ジニトロインダゾール又はチオシトルリン、金属キレーター(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、フミン酸、没食子酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体)、レチノイド、豆乳と大豆エキス、セリンプロテアーゼインヒビター若しくはリポ酸、又は他の合成若しくは天然の皮膚及び毛髪ライトニング化合物であり、天然化合物は、植物エキス、例えばクマコケモモエキス、イネエキス、パパイヤエキス、甘草エキス又はそれから例えば濃縮によって得られる化合物、例えばグラブリジン又はリコカルコンA、パンノキエキス、ルメックス(Rumex)及びラミュラス(Ramulus)種属のエキス、マツ種属(Pinus)のエキス及びブドウ(Vitis)種属のエキス、又はそれから濃縮によって得られるスチルベン誘導体、及びユキノシタ、桑の実、タツナミソウ(Scutelleria)及び/又はブドウエキスの形態でも使用される。
本発明の製剤中の上述した典型的な(他の)皮膚及び毛髪ライトニング化合物(1種以上の化合物)の量は、該製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.005〜30wt.%、特に好ましくは0.01〜20wt.%、非常に特に好ましくは0.01〜5wt.%である。
【0046】
本発明の製剤(特に顔面への適用を意図する場合)の染料について、有利には、下記群から1種以上の物質を選択することができる:2,4-ジヒドロキシアゾベンゼン、1-(2'-クロロ-4'-ニトロ-1'-フェニルアゾ)-2-ヒドロキシナフタレン、セレス(ceres)レッド、2-(4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-1-ナフトール-4-スルホン酸、2-ヒドロキシ-1,2'-アゾナフタレン-1'-スルホン酸カルシウム、1-(2-スルホ-4-メチル-1-フェニルアゾ)-2-ナフチルカルボン酸のカルシウム及びバリウム塩、1-(2-スルホ-1-ナフチルアゾ)-2-ヒドロキシナフタレン-3-カルボン酸のカルシウム塩、1-(4-スルホ-1-フェニルアゾ)-2-ナフトール-6-スルホン酸のアルミニウム塩、1-(4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸のアルミニウム塩、1-(4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸、4-(4-スルホ-1-フェニルアゾ)-1-(4-スルホフェニル)-5-ヒドロキシピラゾロン-3-カルボン酸のアルミニウム塩、4,5-ジブロモフルオレッセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、2,4,5,7-テトラブロモフルオレッセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、3',4',5',6'-テトラクロロ-2,4,5,7-テトラブロモフルオレッセインとそのアルミニウム塩、2,4,5,7-テトラヨードフルオレッセインのアルミニウム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミニウム塩、インジゴジスルホン酸のアルミニウム塩、赤及び黒色酸化鉄(カラーインデックス番号(Colour Index Number)(CIN):77491(赤)及び77499(黒))、水和酸化鉄(CIN:77492)、二リン酸マンガンアンモニウム及び二酸化チタン。
他の有利な染料は、油溶性の天然染料、例えばパプリカエキス、β-カロテン又はコチニールである。
【0047】
真珠光沢顔料を含有する皮膚科用製剤も本発明の目的のために有利である。以下に列挙するタイプの真珠光沢顔料が特に好ましい。
1.天然の真珠光沢顔料、例えば
−パールエッセンス(魚のうろこ由来のグアニジン/ヒポキサンチン混晶)及び
−真珠母貝(グランウドイガイ(ground mussel)の殻)
2.単結晶真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化ビスマス(BiOCl)
3.シート顔料、例えばマイカ/金属酸化物
【0048】
真珠光沢顔料は、例えばオキシ塩化ビスマス及び/又は二酸化チタンの粉末顔料若しくはヒマシ油分散液並びにマイカ上のオキシ塩化ビスマス及び/又は二酸化チタンをベースとする。例えば、CIN 77163でリストされる光沢顔料が特に有利である。
当然、真珠光沢顔料の上記リストは限定を意味するものではない。本発明の目的のために有利な真珠光沢顔料は、それ自体既知の多くの方法で得られる。例えばマイカ以外の基材、例えばシリカ等を他の金属酸化物でコーティングすることもできる。例えば、Merckによって市販され、かつ特に微細なしわの視覚的減少に特に好適な、TiO2とFe2O3でコーティングしたSiO2粒子(「Ronaspheres」)は有利である。
さらに、マイカのような基材と完全に調剤することが有利だろう。マイカを使用せずに調製する鉄の真珠光沢顔料を与えることが特に好ましい。このような顔料は、例えばBASFから商標名Sicopearl Kupfer 1000で得られる。
Flora Techから商標名Metasomes Standard/Glitterで異なる色(黄、赤、緑、青)で得られる有効な顔料も特に有利である。ここで、Glitter粒子は、種々の補助物質及び染料(例えばCIN 19140、77007、77289、77491の染料)との混合物の形態を取る。
染料及び顔料は個々に存在するか又は混合物で存在してよく、相互にコーティングしてよく、通常、異なるコーティング厚によって異なる色彩効果が生じる。染料と着色顔料の総量は、有利には、各場合、(化粧)製剤の総量に基づいて、0.1wt.%〜30wt.%、好ましくは0.5〜15wt.%、特に好ましくは1.0〜10wt.%の範囲内で選択される。
【0049】
本発明の製剤は、(追加の)抗酸化剤又は保存剤を含むこともできる。化粧(例えば皮膚科用)及び/又は治療用途に好適又は習慣的ないずれの抗酸化剤も抗酸化剤又は保存剤として使用することができる。
【0050】
本発明の目的のため、抗酸化剤は、細胞及び組織内のフリーラジカルの量を減らすいずれかの物質である。有利には、抗酸化剤は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)とその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)とその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンとその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコピン)とその誘導体、リポ酸とその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルと他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンとそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、グリセリル及びオリゴグリセリルエステル)及びその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸とその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)及びスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-及びヘプタチオニンスルホキシイミン)(非常に低い許容しうる用量(例えばpmol〜μmol/kg)で)、また、(金属)キレーター(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸、胆汁エキス、タンニン、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAとその誘導体)、不飽和脂肪酸とその誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸とその誘導体、ユビキノン及びユビキノールとその誘導体、ビタミンCと誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、リン酸アスコルビルMg、アスコルビルアセテート、アスコルビルグルコシド)、トコフェロールと誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAと誘導体(ビタミンAパルミテート)及びベンゾイン由来のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸とその誘導体、フラボノイドとそのグリコシル化前駆体、特にケルセチンとその誘導体、例えばα-グルコシルルチン、ロズマリン酸、カルノソール、カルノソル酸、リスベラトロール、コーヒー酸とその誘導体、シナピン酸とその誘導体、フェルラ酸とその誘導体、クルクミノイド(curcuminoid)、クロロゲン酸とその誘導体、レチノイド、ウルソル酸、レブリン酸(levulic acid)、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤシン酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸とその誘導体、マンノースとその誘導体、亜鉛とその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンとその誘導体(例えばセレニウムメチオニン)、スーパーオキシドジスムターゼ、スチルベンとその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)並びに本発明に好適な前記活性物質の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)、又は抗酸化作用のある植物エキス若しくはフラクション、例えば緑茶、ルイボス、ハニーブッシュ(honeybush)、ブドウ、ローズマリー、セージ、メリッサ(melissa)、タイム、ラベンダー、オリーブ、カラスムギ、カカオ、イチョウ、ニンジン、甘草、スイカズラ、ソフォラ属(Sophora)、クズ属(Pueraria)、マツ属、柑橘類、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus emblica)又はセント・ジョーンズ・ワート(St John's wort)、ブドウの種、コムギ胚芽及びフィランサス・エンブリカ
を含む群から選択される。
【0051】
他の好適な抗酸化剤は補酵素、例えば補酵素Q10、プラストキノン、メナキノン、ユビキノール1-10、ユビキノン1-10又はこれらの物質の誘導体である。
本発明の製剤中の抗酸化剤(1種以上の化合物)の量は、該製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt.%、特に好ましくは0.05〜10wt.%、非常に特に好ましくは0.2〜5wt.%である。
抗酸化剤がビタミンE及び/又はその誘導体から成る場合、製剤の総質量に基づいて、それらのそれぞれ0.001〜10wt.%の範囲の濃度を選択することが有利である。
抗酸化剤がビタミンA若しくはビタミンA誘導体、又はカロテン若しくはその誘導体から成る場合、製剤の総質量に基づいて、それらのそれぞれ0.001〜10wt.%の範囲の濃度を選択することが有利である。
【0052】
本発明の製剤は、保存剤を含むこともできる。使用可能な保存剤は、化粧(例えば皮膚科)及び/又は治療用途に好適又は習慣的ないずれかの抗酸化剤、伝統的な保存剤(例えばホルムアルデヒド、グルタルジアルデヒド、パラベン(例えばメチル-、エチル-、プロピル-及びブチルパラベン)、ジブロモジシアノブタン、イミダゾリジニル尿素(「Germall」)、イソチアゾリノン(「Kathon」)、メチルクロロチアゾリジン、メチルチアゾリジン、有機酸(例えば安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸)とその塩及びエステル、プロピオン酸及びギ酸とその塩、グリコール、例えばプロピレングリコール、並びに1,2-ジヒドロキシアルカン)及び植物ベース保存助剤、例えばランタジン(lantadin)A、カリオフィレン、ヘスペリジン、ジオスミン、フェランドレン、ピゲニン(pigenin)、ケルセチン、ヒペリシン(hypericin)、アウクビン、ジオスゲニン、プルンバギン(plumbagin)、コルリラギン(corlilagin)等である。
【0053】
また、本発明の製剤では抗刺激剤の使用が有利だろう。考えられる抗刺激剤は、化粧(例えば皮膚科)及び/又は治療用途に好適又は習慣的ないずれかの抗炎症性又は発赤軽減及びかゆみ軽減物質である。好ましい物質は、細胞及び組織内のサイトカイン、インターロイキン、プロスタグランジン及び/又はロイコトリエンの量を減らす当該すべての物質である。
【0054】
使用する抗炎症性又は発赤軽減及びかゆみ軽減物質は、有利にはコルチコステロイド型のステロイド性抗炎症性物質、例えばヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、メチルプレドニソロン又はコルチゾンであり、他のステロイド性抗炎症薬でリストを拡張できる。非ステロイド性抗炎症薬を使用することもできる。ここで言及すべき例は、オキシカム(oxicam)、例えばピロキシカム又はテノキシカム(tenoxicam);サリチレート、例えばアスピリン、ジサルシド(disalcid)、ソルプリン(solprin)又はフェンドサール;酢酸誘導体、例えばジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン又はクリンダナク;フェナム酸、例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸又はニフルミン酸;プロピオン酸誘導体、例えばイブプロフェン、ナプロキセン又はベノキサプロフェン(benoxaprofen)、又はピラゾール、例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾン又はアザプロパゾンである。代わりに天然の抗炎症性又は発赤軽減及びかゆみ軽減物質を使用可能である。植物エキス、特別高活性の植物エキスフラクション及び植物エキスから単離した高純度の活性物質を使用できる。カミツレ、アロエベラ、コンミフォラ種属、アカネ種属、エキネシア種属、ヤナギ、ヤナギラン(willow-herb)、カラスムギ、紅茶、緑茶、イチョウ、コーヒー、コショウ、スグリ、トマト、バニラ、アーモンド由来のエキス、フラクション及び活性物質、並びに純粋物質、例えば、とりわけビサボロール、アピゲニン-7-グルコシド、ボスウェリア酸、植物ステロール、グリチルリジン酸、グラブリジン又はリコカルコンAを与えることが特に好ましい。
本発明の製剤中の抗刺激剤(1種以上の化合物)の量は、該製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt.%、特に好ましくは0.03〜10wt.%、非常に特に好ましくは0.05〜5wt.%である。
【0055】
本発明の製剤(特に局所化粧製剤)は保湿調節物質及び浸透圧調節物質をも含有しうる。以下の物質が、使用する保湿調節物質(モイスチャライザー)の例である:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール(特に1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール及びその混合物)、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチン又はヒアルロン酸、ジアシルアジペート、ペトロラタム、エクトイン、ウロカニン酸、レシチン、パンテノール(pantheol)、フィタントリオール(phytantriol)、リコピン、藻類エキス、セラミド、コレステロール、グリコールリピド、キトサン、コンドロイチン硫酸、ポリアミノ酸及びポリアミノ糖、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)及びその誘導体、糖(例えばイノシトール)、α-ヒドロキシ脂肪酸、植物ステロール、(化合物)トリテルペン酸、例えばベツリン酸又はウルソル酸、及び藻類エキス。使用可能な浸透圧調節物質の例は、糖アルコール(ミオイノシトール、マンニトール、ソルビトール)、四級アミン、例えばタウリン、コリン、ベタイン、ベタイングリシン、エクトイン、リン酸ジグリセロール、ホスホリルコリン、グリセロホスホリルコリン、アミノ酸、例えばグルタミン、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸又はプロリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、無機リン酸塩、並びに前記化合物のポリマー、例えばタンパク質、ペプチド、ポリアミノ酸及びポリオール。
【0056】
本発明の製剤(例えば局所化粧製剤)は、有利には抗菌物質をも含有する。例として以下の物質を挙あげることができる:
C2〜C40の鎖長を有する脂肪アルコール、アルデヒド及び酸(アリール置換又はアリールオキシ置換され、不分岐又はモノアルキル分岐及びポリアルキル分岐した飽和又は一不飽和〜五不飽和(混合エン/イン化合物を含め、5個までの二重結合又は三重結合))。
C2〜C40、特に好ましくはC4〜C12の鎖長を有するアルカンジオール、ジアルデヒド及びジカルボン酸(アリール置換又はアリールオキシ置換され、不分岐又はモノアルキル分岐及びポリアルキル分岐した飽和又は一不飽和〜五不飽和(混合エン/イン化合物を含め、5個までの二重結合又は三重結合))。
【0057】
C2〜C40の鎖長を有する脂肪アルコール、脂肪酸、アルカンジオール及びジカルボン酸(アリール置換又はアリールオキシ置換され、不分岐又はモノアルキル分岐及びポリアルキル分岐した飽和又は一不飽和〜五不飽和(混合エン/イン化合物を含め、5個までの二重結合又は三重結合))のモノ-及びオリゴグリセリド(4個までのグリセロール単位)であって、それぞれ脂肪アルコールのモノ-及びオリゴグリセリド(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエーテル)、脂肪酸のモノ-及びオリゴグリセリド(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエステル)、アルカンジオールのモノ-及びオリゴグリセリド(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエーテル;ビス(モノ-/オリゴグリセリル)アルキルジエーテル)及びジカルボン酸のモノ-及びオリゴグリセリド(モノ-及びオリゴグリセロールモノアルキルエステル;ビス(モノ-/オリゴグリセリル)アルキルジエステル)。
C2〜C40の鎖長を有するカルボン酸(不分岐又はモノアルキル分岐及びポリアルキル分岐した飽和又は一不飽和〜五不飽和(混合エン/イン化合物を含め、5個までの二重結合又は三重結合)、かつ任意にアリール置換又はアリールオキシ置換されていてもよい)と、C2〜C40の鎖長を有する一価〜六価脂肪アルコール(不分岐又はモノアルキル分岐及びポリアルキル分岐した飽和又は一不飽和〜五不飽和(混合エン/イン化合物を含め、5個までの二重結合又は三重結合)、かつ任意にアリール置換又はアリールオキシ置換されていてもよい)との脂肪酸エステル。
【0058】
C2〜C40の鎖長を有する脂肪アルコール、アルデヒド及び酸(不分岐又はモノアルキル分岐及びポリアルキル分岐した飽和又は一不飽和〜五不飽和(混合エン/イン化合物を含め、5個までの二重結合又は三重結合))を含有する植物性及び動物性脂肪酸留分(例えばココナツ脂肪酸、パーム核脂肪酸、羊毛蝋酸)。
ラノリン、ラノリンアルコール及びラノリン酸のモノグリセリド及びオリゴグリセリド(例えばラノリン酸グリセリル、ネオセライト(neocerite))、グリシルレチン酸と誘導体(例えばステアリン酸グリシルレチニル)、天然及び合成カルデノリド(例えばジギトキシン、ジゴキシン、ジゴキシゲニン(digoxygenin)、ギトキシゲニン(gitoxygenin)、ストロファンチン及びストロファンチジン)、天然及び合成ブファジェノリド(例えばシラレンA、シラレニン(scillarenin)及びブフォタリン、サポゲニン及びステロイドサポゲニン(例えばアミリン、オレアノール酸、ジギトニン、ギトゲニン(gitogenin)、チゴゲニン(tigogenin)及びジオスゲニン)、及び植物及び動物起源のステロイドアルカロイド例えばトマチジン(tomatidine)、ソラニン、ソラニジン(solanidine)、コッセイン(conessine)、バトラコトキシン及びホモバトラコトキシン)。
モノハロゲン化及びポリハロゲン化ニトリル、ジニトリル、トリニトリル又はテトラニトリル。
C2〜C24の鎖長を有するモノ-及びオチゴヒドロキシ脂肪酸(例えば乳酸、2-ヒドロキシパルミチン酸)、そのオリゴマー及び/又はポリマー並びにそれらを含有する植物性及び動物性素材。
【0059】
非環式テルペン炭化水素(例えばオシメン(ocimene)、ミルセン(myrcene))、テルペンアルコール(例えばゲラニオール、リナロール、シトロネロール(citronellol))、テルペンアルデヒド及びケトン(例えばシトラール、プソイドイオノン(pseudoionone)、β-イオノン);単環式テルペン:テルペン炭化水素(例えばテルピネン、テルピノレン、リモネン)、テルペンアルコール(例えばテルピネオール、チモール、メントール)、テルペンケトン(例えばプレゴン、カルボン);二環式テルペン:テルペン炭化水素(例えばカラン(carane)、ピナン、ボルナン)、テルペンアルコール(例えばボルネオール、イソボルネオール)、テルペンケトン(例えばカンファー);セスキテルペン:非環式セスキテルペン(例えばファルネソール、ネロリドール)、単環式セスキテルペン(例えばビサボロール)、二環式セスキテルペン(例えばカルジネン(cardinene)、セリネン(selinene)、ヴェチバズレン(vetivazulene)、グアイアズレン(guaiazulene))、三環式セスキテルペン(例えばサンタレン(santalene))、ジテルペン(例えばフィトール)、三環式ジテルペン(例えばアビエチン酸)、トリテルペン(スクアレノイド(squalenoids)、例えばスクアレン)、テトラテルペン。
C2〜C40の鎖長と1〜150個のEO及び/又はPO単位を有する、化粧用のエトキシル化、プロポキシル化又は混合エトキシル化/プロポキシル化脂肪アルコール、脂肪酸及び脂肪エステル。
【0060】
4〜200のアミノ酸数を有する抗菌性ペプチド及びタンパク質、例えば皮膚抗菌ペプチド(skin antimicrobial peptide)(SAP)、舌抗菌ペプチド(lingual antimicrobial peptide)(LAP)、ヒトβ-デフェンシン(特にh-BD1及びh-BD2)、ラクトフェノリン及びそれらの加水分解物、並びにそれらから得られるペプチド、殺菌性/透過性亢進タンパク質(bactericidal/permeability-increasing protein(BPI)、カチオン性抗菌タンパク質(cationic microbial protein)(CAP)、リゾチーム。
【0061】
適切な炭化水素又は「炭化水素誘導体」(「炭化水素」とも略記される)は、糖及び置換糖又は糖残基を含有する化合物である。糖として、特にデオキシ及びジデオキシ形態、N-アセチルガラクトースアミン-、N-アセチルグルコースアミン-及びシアリン酸-置換誘導体、並びに糖エステル及びエーテルが挙げられる。以下のものが好ましい:
a)単糖、特にペントース及びヘキソース、
b)二糖、特にスクロース、マルトース及びラクトビオース、
c)オリゴ糖、特に三糖及び四糖、並びに
d)多糖、特にデンプン、グリコーゲン、セルロース、デキストラン、ツニシン(tunicin)、イヌリン、キチン、特にキトサン、キチン加水分解物、アルギン酸とアルギナート、植物ゴム、粘液、ペクチン、マンナン、ガラクタン、キシラン、アラバン、ポリオース(polyose)、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸及びグリコサミノグリカン、ヘミセルロース、置換セルロース及び置換デンプン、特にそれぞれヒドロキシアルキル-置換多糖。
【0062】
アミロース、アミロペクチン、キサンタン及びα-、β-及びγ-デキストリンが特に好ましい。多糖は例えば4〜1,000,000、特に10〜100,000の単糖から成りうる。各場合に選択される鎖長は、好ましくは該活性物質が確実に問題の製剤内で可溶性であるか又は問題の製剤中に組み入れることができるような鎖長である。
スフィンゴ脂質、例えばスフィンゴシン;N-モノアルキル化スフィンゴシン;N,N-ジアルキル化スフィンゴシン;スフィンゴシン-1-ホスフェート;スフィンゴシン-1-スルフェート;サイコシン(スフィンゴシンβ-D-ガラクトピラノシド);スフィンゴシルホスホリルコリン(sphingosylphosphorylcholine);リソスルファチド(lysosulfatide)(スフィンゴシルガラクトシルスルフェート(sphingosyl galactosylsulfate);リソセレブロシドスルフェート(lysocerebroside sulfate);レシチン;スフィンゴミエリン;スフィンガニン(sphinganin)。
【0063】
いわゆる「天然」抗菌物質をも使用でき、その多くはエーテル油である。抗菌作用のある典型的な油の例は、アニス、レモン、オレンジ、ローズマリー、ウィンターグリーン、クローブ、タイム、レベンダー、ホップ、シトロネラ、コムギ、レモングラス、セダーウッド、シナモン、ゼラニウム、ビャクダン、バイオレット、ユーカリ、ペパーミント、安息香、バジル、ウイキョウ、メントール及びオクメア-オレガヌム(Ocmea origanum)、ヒダスティス-カラデンシス(Hydastis carradensis)、メギ科(Berberidaceae daceae)、ラタニア(Ratanhiae)又はウコン(Curcuma longa)由来の油である。
エーテル油中で見つかる抗菌作用のある重要な物質は、例えばアネトール、カテコール、カンフェン(camphene)、カルバクロール、オイゲノール、ユーカリプトール、フェルラ酸、ファルネソール、ヒノキチオール、トロポロン、リモネン、メントール、サリチル酸メチル、チモール、テルピネオール、ベルベノン、ベルベリン、クルクミン、カリオフィレンオキシド、ネロリドール(nerolodol)及びゲラニオールである。
前記活性系又は活性物質の混合物、並びにこれらの活性物質を含有する配合物を使用することもできる。
製剤中の抗菌物質の量は、該製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt.%、特に好ましくは0.05〜10wt.%である。
【0064】
本発明の製剤(特に皮膚科用製剤といった化粧用製剤)は脱臭剤、すなわち脱臭作用と制汗作用のある物質を含有しうる。これには、例えば臭気マスキング剤、例えば通常の芳香成分、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛塩を基礎とする制汗剤、臭気吸収剤、例えばGerman Offenlegungsschrift DE-P 40 09 347に記載されている層状珪酸塩(特にモンモリロナイト、カオリナイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト及びスメクタイトが挙げられる)、及び例えばリシノール酸の亜鉛塩も含まれる。また、殺菌性又は静菌性脱臭物質、例えばヘキサクロロフェン、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(Irgasan)、1,6-ジ(4-クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(クロルヘキシジン)、3,4,4'-トリクロロカルバニリド、並びにGerman Offenlegungsschriften DE-37 40 186、DE-39 38 140、DE-42 04 321、DE-42 29 707、DE-42 29 737、DE-42 37 081、DE-43 09 372及びDE-43 24 219に記載されている活性剤が挙げられ、並びにカチオン性物質、例えば四級アンモニウム塩及び臭気吸収剤、例えばGrillocin(登録商標)(リシノール酸亜鉛と種々の添加剤の組合せ)又はクエン酸トリエチル(任意にイオン交換樹脂と併用してよい)を含む。
製剤中の脱臭及び/又は制汗物質の量は、該製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt.%、特に好ましくは0.05〜10wt.%である。
【0065】
本発明の製剤(特に化粧用製剤)は、特に結晶性又は微結晶性固体、例えば無機の微小顔料を製剤中に組み入れる場合、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び/又は両性界面活性剤をも含有しうる。
アニオン性界面活性剤は、一般的に官能基としてカルボン酸、硫酸又はスルホン酸基を含む。水溶液では、アニオン性界面活性剤は、酸性又は中性媒体中で負に荷電した有機イオンを形成する。カチオン性界面活性剤は、事実上排他的に四級アンモニウム基の存在によって特徴づけられる。水溶液では、カチオン性界面活性剤は、酸性又は中性媒体中で正に荷電した有機イオンを形成する。両性界面活性剤は、アニオン基とカチオン基の両方を含有するので、水溶液中では、pHによってアニオン性又はカチオン性界面活性剤のように振舞う。両性界面活性剤は、強酸媒体中では正電荷を有し、アルカリ性媒体中では負電荷を有する。一方、中性のpH範囲では、双性イオン性である。ポリエーテル鎖は非イオン性界面活性剤の典型である。非イオン性界面活性剤は水性媒体中ではイオンを形成しない。
【0066】
A. アニオン性界面活性剤
有利に使用できるアニオン性界面活性剤は、アシルアミノ酸(及びその塩)、例えば
-アシルグルタメート、例えばナトリウムアシルグルタメート、ジ-TEAパルミトイルアスパルテート及びナトリウムカプリル酸/カプリン酸グルタメート、
-アシルペプチド、例えばパルミトイル-加水分解乳タンパク質、ナトリウムココイル-加水分解大豆タンパク質及びナトリウム/カリウムココイル-加水分解コラーゲン、
-サルコシネート、例えばミリストイルサルコシン、TEAラウロイルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート及びナトリウムココイルサルコシネート、
-タウレート、例えばナトリウムラウロイルタウレート及びナトリウムメチルココイルタウレート、
-アシルラクチレート、ラウロイルラクチレート及びカプロイルラクチレート、
-アラニネート;
カルボン酸と誘導体、例えば
-ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、マグネシウムアルカノレート及びウンデシレン酸亜鉛、
-エステル-カルボン酸、例えばカルシウムテアロイルラクチレート、ラウレス-6シトレート及びナトリウムPEG-4ラウラミド(lauramido)カルボキシレート、
-エーテル-カルボン酸、例えばナトリウムラウレス-13カルボキシレート及びナトリウムPEG-6コカミドカルボキシレート;
リン酸エステルと塩と塩、例えばDEオレス-10ホスフェート、ジラウレス-4ホスフェート及びセチルホスフェート誘導体(例えばWO 2004/075868に記載のもの);
スルホン酸と塩、例えば
-アシルイセチオネート、例えばナトリウム/アンモニウムココイルイセチオネート、
-アルキルアリールスルホネート、
-アルキルスルホネート、例えば ナトリウムココモノグリセリドスルフェート、ナトリウムC12-14-オレフィンスルホネート、ナトリウムラウリルスルホアセテート及びマグネシウムPEG-3コカミドスルフェート、
-スルホスクシネート、例えばナトリウムジオクチルスルホスクシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート、二ナトリウムラウリルスルホスクシネート及び二ナトリウムMEAウンデシレンアミドスルホスクシネート;
並びに
硫酸エステル、例えば
-アルキルエーテルスルフェート、例えばナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、MIPA及びTIPAラウレススルフェート、ナトリウムミレス(myreth)スルフェート及びナトリウムC12-13パレス(pareth)スルフェート、
-アルキルスルフェート、例えばナトリウム、アンモニウム及びTEAラウリルスルフェート。
【0067】
B. カチオン性界面活性剤
有利に使用できるカチオン性界面活性剤は、以下の通りである。
-アルキルアミン、
-アルキルイミダゾール、
-エトキシル化アミン及び
-四級界面活性剤:
RNH2CH2CH2COO-(pH 7で)
RNHCH2CH2COO- B+(pH 12で)、B+=任意のカチオン、例えばNa+
-エステルクアット
【0068】
四級界面活性剤は、4個のアルキル又はアリール基に共有結合している少なくとも1個のN原子を含む。このN原子がpHと関係なく正電荷を生成する。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシスルファイン(sulfaine)が有利である。使用するカチオン性界面活性剤を、四級アンモニウム化合物、特にベンジルトリアルキルアンモニウム クロリド又はブロミド、例えばベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、及びアルキルトリアルキルアンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート、アルキルピリジニウム塩、例えばラウリル又はセチルピリミジニウムクロリド、イミダゾリン誘導体及びカチオン性の化合物、例えばアミンオキシド、例えばアルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドを含む群から有利に選択することができる。セチルトリメチルアンモニウム塩を特に有利に使用できる。
【0069】
C. 両性界面活性剤
有利に使用できる両性界面活性剤は、以下の通りである
-アシル-/ジアルキルエチレンジアミン、例えばナトリウムアシルアンホアセテート、二ナトリウムアシルアンホジプロピオネート、二ナトリウムアルキルアンホジアセテート、ナトリウムアシルアンホヒドロキシプロピルスルホネート、二ナトリウムアシルアンホジアセテート及びナトリウムアシルアンホプロピオネート、
-N-アルキルアミノ酸、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、ナトリウムアルキルイミドジプロピオネート及びラウロアンホカルボキシグリシネート(glycinate)。
【0070】
D. 非イオン性界面活性剤
有利に使用できる非イオン性界面活性剤は以下の通りである。
-アルコール、
-アルカノールアミド、例えばコカミド(cocamide)MEA/DEA/MIPA、
-アミンオキシド、例えばコカミドプロピルアミンオキシド、
-カルボン酸とエチレンオキシド、グリセロール、ソルビタン又は他のアルコールとのエステル化によって形成されるエステル、
-エーテル、例えばエトキシル化/プロポキシル化アルコール、エトキシル化/プロポキシル化エステル、エトキシル化/プロポキシル化グリセロールエステル、エトキシル化/プロポキシル化コレステロール、エトキシル化/プロポキシル化トリグリセリドエステル、エトキシル化/プロポキシル化ラノリン、エトキシル化/プロポキシル化ポリシロキサン、プロポキシル化POEエーテル、及びアルキルポリグリコシド、例えばラウリルグルコシド、デシルグリコシド及びココグリコシド、
-スクロースエステル及びエーテル、
-ポリグリセロールエステル、ジグリセロールエステル及びモノグリセロールエステル、
-ヒドロキシ酸のメチルグルコースエステル及びエステル。
アニオン性及び/又は両性界面活性剤と1種以上の非イオン性界面活性剤の併用も有利である。
本発明の製剤中に、表面活性物質(界面活性剤)又は表面活性物質の組合せは、該製剤の総質量に基づいて、1〜98wt.%の濃度で存在しうる。
【0071】
本発明の式(I)の化合物を含有するか又は本発明に従って使用する化粧(例えば皮膚科)用又は治療用製剤は、エマルションの形態を取ることもできる。
本発明の製剤(特に局所化粧製剤)中の油相(脂質相)は、有利には下記物質群から選択される:
-鉱油(有利にはパラフィン油)及び鉱蝋;
-脂肪油、脂肪、蝋並びに他の天然及び合成脂肪物質、好ましくは脂肪酸と低C数のアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール若しくはグリセロールとのエステル、又は脂肪アルコールと低C数のアルカン酸又は脂肪酸とのエステル;
-アルキルベンゾエート(例えばn-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル又はn-ペンタデシルベンゾエートの混合物);
-環式又は直鎖シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン及びその混合形。
【0072】
(天然又は合成)エステル、特に(a)3〜30のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルカンカルボン酸と、3〜30のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルコールとのエステル、及び(b)芳香族カルボン酸と、3〜30のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルコールとのエステルを使用すると有利である。好ましいエステル油はミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、ラウリン酸n-デシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、3,5,5-トリメチルヘキサン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、3,5,5-トリメチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸セテアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、2,6-ナフタレンジオレイン酸ジ-2-エチルヘキシル並びに該エステルの合成、半合成及び天然混合物、例えばホホバ油である。
【0073】
さらに、分岐及び不分岐炭化水素及び蝋、シリコーン油、ジアルキルエーテルを含む群、飽和又は不飽和の分岐又は不分岐アルコールを含む群、及び8〜24、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルカンカルボン酸の脂肪酸トリグリセリド、特にトリグリセロールエステルから有利に油相を選択できる。脂肪酸トリグリセリドは、有利には、合成、半合成及び天然油、例えばトリグリセリドs of カプリン酸又はカプリル酸、杏仁油、アボカド油、綿実油、ルリジサ種子油、アザミ油、落花生油、γ-オリザノール、バラの実油、麻油、ハシバミの実油、スグリ種子油、ココナツ油、サクランボ核油、サーモン油、亜麻仁油、トウモロコシ油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、マツヨイグサ油、ミンク油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ベカンナッツ油、モモ核油、ピスタチオナッツ油、菜種油、米胚芽油、ヒマシ油、べニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、茶の木油、ブドウ種子油又は小麦胚芽油などを含む群から選択される。該油及び蝋成分の任意の混合物も有利に使用できる。ある場合には、油相の唯一の脂質成分として蝋、例えばパルミチン酸セチルを使用することも有利であり;有利には、油相はイソステアリン酸2-エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、2-エチルヘキシルココエート(cocoate)、C12-15-アルキルベンゾエート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド及びジカプリリルエーテルを含む群から選択される。C12-15-アルキルベンゾエートとイソステアリン酸2-エチルヘキシルの混合物、C12-15-アルキルベンゾエートとイソノナン酸イソトリデシルの混合物並びにC12-15-アルキルベンゾエート、イソステアリン酸2-エチルヘキシル及びイソノナン酸イソトリデシルの混合物が特に有利である。炭化水素パラフィン油、スクアラン及びスクアレンも有利に使用できる。有利には、油相はさらに環式若しくは直鎖シリコーン油を含み、或いは全体的に該油から成りうるが、シリコーン油に加えて他の油相成分を使用することが好ましい。シリコーン油としてシクロメチコーン(例えばデカメチルシクロペンタシロキサン)を有利に使用できる。しかし、他のシリコーン油、例えばウンデカメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン及びポリ(メチルフェニルシロキサン)も有利に使用できる。さらに、シクロメチコーンとイソノナン酸イソトリデシルの混合物及びシクロメチコーンとイソステアリン酸2-エチルヘキシルの混合物が特に有利である。
【0074】
エマルションの形態を取る本発明の製剤(特に局所化粧製剤)は、有利には低C数のアルコール、ジオール又はポリオール、並びにそのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル若しくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル若しくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル若しくはモノエチルエーテル及び類似製品、並びに低C数のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2-プロパンジオール及びグリセロール、及び特に1種以上の増粘剤(該増粘剤は、有利には二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、例えばベントナイト、多糖類又はその誘導体、例えばヒアルロン酸、グアー核粉末、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はアルロース(allulose)誘導体を含む群から選択され、特に有利にはポリアクリレート、好ましくはいわゆるカルボポール、例えばタイプ980、981、1382、2984及び5984のカルボポールを含む群(各場合それら単独又は組合せ)、又はポリウレタンを含む群から選択される)、及びα-若しくはβ-ヒドロキシ酸、好ましくは乳酸、クエン酸又はサリチル酸を含み、並びに有利にはイオン性、非イオン性、ポリマー、ホスフェート含有及び双性イオン性乳化剤を含む群から選択される乳化剤を含みうる。
【0075】
エマルションの形態を取る本発明の製剤は、有利には1種以上の乳化剤を含む。O/W乳化剤は、例えば、ポリエトキシル化又はポリプロポキシル化又はポリエトキシル化かつポリプロポキシル化製品を含む群から選択され、例えば以下の通り:
-脂肪アルコールエトキシレート(ethoxylate)、
-エトキシル化羊毛蝋アルコール、
-一般式R-O-(-CH2-CH2-O-)n-R'のポリエチレングリコールエーテル、
-一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n-Hの脂肪酸エトキシレート
-一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n-R'のエーテル化脂肪酸エトキシレート、
-一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n-C(O)-Rのエステル化脂肪酸エトキシレート、
-ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、
-エトキシル化ソルビタンエステル、
-コレステロールエトキシレート、
-エトキシル化トリグリセリド、
-一般式R-COO-(-CH2-CH2-O-)n-OOH(式中、nは5〜30の数)のアルキルエーテルカルボン酸、
-ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
-一般式R-O-(-CH2-CH2-O-)n-SO3-Hのアルキルエーテルスルフェート、
-一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-Hの脂肪アルコールプロポキシレート、
-一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-R'のポリプロピレングリコールエーテル、
-プロポキシル化羊毛蝋アルコール、
-エーテル化脂肪酸プロポキシレートR-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-R'、
-一般式R-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-C(O)-R'のエステル化脂肪酸プロポキシレート、
-一般式R-COO-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-Hの脂肪酸プロポキシレート
-ポリプロピレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、
-プロポキシル化ソルビタンエステル、
-コレステロールプロポキシレート、
-プロポキシル化トリグリセリド、
-一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-CH2-COOHのアルキルエーテルカルボン酸、
-一般式R-O-(-CH2-CH(CH3)-O-)n-SO3-Hのアルキルエーテルスルフェート、又はこれらのスルフェートを基礎とする酸、
-一般式R-O-Xn-Ym-Hの脂肪アルコールエトキシレート/プロポキシレート、
-一般式R-O-Xn-Ym-R'のポリプロピレングリコールエーテル、
-一般式R-COO-Xn-Ym-R'のエーテル化脂肪酸プロポキシレート、
-一般式R-COO-Xn-Ym-Hの脂肪酸エトキシレート/プロポキシレート。
【0076】
本発明によれば、使用するポリエトキシル化又はポリプロポキシル化又はポリエトキシル化及びポリプロポキシル化O/W乳化剤は、該O/W乳化剤が飽和基R及びR'を含む場合、11〜18のHLB値、非常に特に有利には14.5〜15.5のHLBを有する物質を含む群から特に有利に選択される。該O/W乳化剤が不飽和基R及び/又はR'を含むか或いはイソアルキル誘導体が存在する場合、該乳化剤の好ましいHLB値は、より低いか又は高くてもよい。
【0077】
エトキシル化ステアリルアルコール、セチルアルコール及びセチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)を含む群から脂肪アルコールエトキシレートを選択することが有利である。以下のものが特に好ましい:
ポリエチレングリコール(n)ステアリルエーテル(ステアレス-n)(n=13〜20)、
ポリエチレングリコール(n)セチルエーテル(セテス-n)(n=13〜20)、
ポリエチレングリコール(n)イソセチルエーテル(イソセテス-n)(n=13〜20)、
ポリエチレングリコール(n)セチルステアリルエーテル(セテアレス-n)(n=13〜20)、
ポリエチレングリコール(m)イソステアリルエーテル(イソステアレス-m)(m=12〜20)、
ポリエチレングリコール(k)オレイルエーテル(オレス-k)(k=12〜15)、
ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス-12)、
ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス-12)。
【0078】
下記群から脂肪酸エトキシレートを選択すると有利である:
ポリエチレングリコール(n)ステアレート(n=20〜25)、
ポリエチレングリコール(m)イソステアレート(m=12〜25)、
ポリエチレングリコール(k)オレエート(k=12〜20)。
エトキシル化アルキルエーテルカルボン酸又はその塩としてナトリウムラウレス-11カルボキシレートを有利に使用できる。アルキルエーテルスルフェートとしてナトリウムラウレス1-4スルフェートを有利に使用できる。エトキシル化コレステロール誘導体としてポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルを有利に使用できる。ポリエチレングリコール(25)ソヤステロールも有用であると判明した。
エトキシル化トリグリセリドとしてポリエチレングリコール(60)マツヨイグサグリセリドを有利に使用できる。
【0079】
ポリエチレングリコール(n)グリセリルラウレート(n=20〜23)、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプリレート/カプレート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート及びポリエチレングリコール(18)グリセリルオレエート/ココエートを含む群からポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルを選択されることも有利である。
同様にポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート及びポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートを含む群からソルビタンエステルを選択することが好ましい。
【0080】
有利なW/O乳化剤として以下のものを使用できる:8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24のC原子、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24のC原子、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24のC原子、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルコールのモノグリセロールエーテル、8〜24のC原子、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルコールのジグリセロールエーテル、8〜24のC原子、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、及び8〜24のC原子、特に12〜18のC原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は不分岐アルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
【0081】
特に有利なW/O乳化剤は、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノステアレート、ジグリセリルモノイソステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノイソオレエート、スクロースジステアレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス-2)、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノカプレート及びグリセリルモノカプリレートである。
前記活性系の混合物をも使用できる。
【0082】
本発明の製剤中の式(I)の化合物、UV吸収剤及び(他の)皮膚-ライトニング物質の総量は、該製剤の総質量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt.%、特に好ましくは0.05〜15wt.%である。
使用のため、本発明の局所製剤、特に皮膚及び毛髪を明るくするための製剤は、化粧製剤にとって十分な量かつ慣習的方法で皮膚及び/又は毛髪に適用される。
他の好ましい混合物、特に化粧製剤又は医薬製剤は、相乗的に活性量で以下の物質を含有するものである:(a)AhRの細胞核内への転位置を低減又は阻止するため、(b)UVB-誘導遺伝子発現を低減又は阻止するため、(c)多環式芳香族炭化水素、好ましくはTCDDによって誘導されるか又は誘導可能な遺伝子発現を低減又は阻止するため、及び/又は(d)UVB-誘導されるか又はUVB-誘導可能な皮膚損傷、特に皮膚癌、皮膚老化、皮膚炎症及び日焼けを低減又は阻止するため、或いはUV防護をブーストするためか又は皮膚を明るくするための1種以上のUVB及び/又はUVAフィルター、1種以上の抗酸化剤、1種以上の皮膚ライトナー或いは2種以上のこれらの物質の混合物。
以下、実施例の助けを借りて本発明をさらに詳細に述べる。ここで、実施例は、請求項によって定義される保護の範囲を制限することを意図しない。特に断らない限り、すべてのデータは質量による。本発明の(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の化合物を調製するために使用するインダノンは、DE 100 55 940と同様に調製される。
【実施例】
【0083】
実施例1:化合物(Ia)
11g(0.17mol)の固体水酸化カリウムを100gのジエチレングリコールジメチルエーテルに懸濁させ、89g(0.40mol)の3,3-ジメチル-5,6-ジメトキシ-1-インダノンを加える。80℃に加熱後、65g(0.60mol)のベンズアルデヒドを1時間にわたって計り入れて混合物を前記温度でさらに3時間撹拌する。これをRTに冷まし、400gの氷水に加えて30gの10%の塩酸で中性にする。400gのメチルtert-ブチルエーテルで抽出後、生成物をメタノールから再結晶させる。収率:理論の76%(E/Z混合物)。反復再結晶によって純粋な(E)異性体を単離できた。
【0084】
実施例2:化合物(Ib)
出発原料として3,3-ジメチル-1-インダノンと3,4-ジメトキシベンズアルデヒドを用いて実施例1と同様に調製する。収率:理論の50%(E/Z混合物)。
【0085】
実施例3:化合物(Ic)
出発原料として3,3-ジメチル-1-インダノンとアニスアルデヒドを用いて実施例1と同様に調製する。収率:理論の50%(E/Z 混合物)。
【0086】
実施例4:化合物(Id)
出発原料として3,3,6-トリメチル-5-ブトキシ-1-インダノンとアニスアルデヒドを用いて実施例1と同様に調製する。収率:理論の70%(E/Z混合物)。
【0087】
実施例5:
〔細胞培養及び刺激〕
10%の胎児ウシ血清を含有するDMEM中でHaCaTケラチノサイトを培養した。PBS(リン酸緩衝食塩水)中UVBで細胞を刺激した。UVBによる刺激のため、我々は4本の平行管(Philips, Eindhoven, The Netherlands)を含み、かつUVB範囲(290〜320nm)内でそのエネルギーの大部分を発光するTL20W/12RSランプを用いた。ランプの発光ピークは少なくとも310nmである。コントロール細胞を同じ処理に供したが、刺激しなかった。AhRを阻害するため、刺激の1時間前に試験物質で細胞を処理した。
【0088】
〔プラスミドpEGFP-AhRによるHaCaT細胞のトランスフェクション〕
区画化した顕微鏡スライドガラス上に5×104細胞/区画の細胞密度でHaCaT細胞を蒔いた。いくつかを試験物質で1時間前処理した。24時間後、FuGene6トランスフェクション試薬(Roche, Mannheim, Germany)を製造業者の使用説明書に従って用いてこれらをプラスミドpEGFP-AhRでトランスフェクトした。さらに24時間後、トランスフェクトされた細胞を100J/m2のUVBで刺激した。40分後、細胞を10分間4%のパラホルムアルデヒドで固定してPBSで洗浄した。スライドガラスを乾燥させてVectashield封入剤(Vector Laboratories, Burlingame, CA, USA)で覆った。蛍光顕微鏡(Olympus, Hamburg, Germany)を利用してGFP-結合AhRを可視化し、ColorView XSデジタルカメラ(Olympus)で撮影した。
【0089】
〔RNA調製、cDNA合成及び実時間RT-PCR〕
100J/m2のUVBでHaCaT細胞を刺激した。刺激1時間前に試験物質でいくつかの細胞を前処理した。4時間後、RNeasyキット(Qiagen, Hilden, Germany)で製造業者の使用説明書に従ってRNAを調製した。記載通りに逆転写を行った(Arch. Toxicol. (2005) PMID 16205913)。LightCycler(Roche, Mannheim, Germany)で実時間PCRを用いてPCRフラグメントを増幅した。PCRミックスは、最終体積20μl中、体積で1/10のQuantiTect(登録商標)SYBR Green PCR Master Mix(Qiagen, Hilden, Germany)、0.5μmol/lの適切なプライマー、2μlのcDNA及びDEPC-処理(ジエチルピロカーボネート処理)したH2Oで構成された。15分間95℃で加熱してDNAポリメラーゼを活性化することによってPCRが開始した。PCR条件は以下の通りだった:40サイクル(変性のため94℃で15秒、プライマー付着のため60℃で25秒、伸展のため72℃で30秒及び蛍光測定のため72℃で2秒)。ヒトCYP1A1用のPCRプライマーは以下の配列を有し:フォワードプライマーでは5′-TAGACACTGATCTGGCTGCAG及びリバースプライマーでは5′-GGGAAGGCTCCATCAGCATC(Cancer Res. 1990, 50, 4315)、増幅後146bpフラグメントを形成した。LightCyclerソフトウェア3を用い、フラグメント特異性検量線によりPCR産物を数量化した。102〜106のCYP1A1 cDNAコピー/μlで検量線を確立し、上述したように増幅した。
【0090】
〔結果〕
1)蛍光顕微鏡
標準的な3-メトキシ-4-ニトロフラボンは、UVB光の存在下及び非存在下でAhRの細胞核内への転位置を阻害したので、文献によって予測される作用を示した。
2)CYP1A1-mRNAの定量によるAhR阻害の数量化
【0091】
表1

* コントロール(試験物質のないPBS、0.1%のDMSO含有、UVBで刺激した)に対して
** コントロール(試験物質のないPBS、0.1%のDMSO含有、刺激なし)に対して
【0092】
式(Ia)及び(Ib)の化合物は、UVB光の存在下及び非存在下におけるAhRの活性化の結果としてのCYP1A1の誘導を阻害した。
〔光安定性試験〕
(手順)
式(I)の各試験化合物の低揮発性溶媒(例えばミリスチン酸イソプロピル、ミグリオール(miglyol)又はグリセロール)中の1〜3wt.%溶液20μlをピペットで顕微鏡スライドガラス上に一様に分散させる。これらを載せたスライドガラスを太陽シミュレーター内40W/m2の強度で刺激する(各場合2時間又は4時間)。
刺激が終了したら、有機溶媒(メタノール、イソプロパノール等)を含有するガラス皿内にスライドガラスをそれぞれ別々に置き、その上に存在する有機物質を超音波浴内で引き離す。結果として生じた溶液をそれぞれ10ml又は25mlのメスフラスコに移して目盛線まで溶媒で補う。参照として非刺激スライドガラスを同様に処理する。
(評価)
サンプル(それぞれのメスフラスコの中身)をHPLC定量化によって評価する。これらの値を非刺激参照値と比較し、刺激中の分解速度を、合計[E異性体+Z異性体]に対して単位時間当たりの[wt.%]で記録する。
(実施例)
【0093】

【0094】
図1は、(E)又は(Z)異性体の形態で別々に各化合物(Ia)のUV吸収スペクトルを示す(エタノール中1%溶液、1cm路程)。
図2は、(E)又は(Z)異性体の形態で別々に各化合物(Ib)のUV吸収スペクトルを示す(エタノール中1%溶液、1cm路程)。
【0095】
実施例6(脱色作用)
B16Vマウスメラノーマ細胞を96-ウェル微量定量プレート内に5×103細胞/ウェルの濃度で接種する。10%の胎児ウシ血清で富化したRPMI培地内で24時間37℃及び5%のCO2にて培養後、種々の濃度の試験物質、0.3mMのチロシン及び10nMのα-MSH(α-メラニン細胞刺激ホルモン)を加えてインキュベーションを96時間続ける。標準物質をチロシン及びα-MSHと共に、0.01mM、0.1mM及び1mMの濃度のコウジ酸とインキュベートする。コントロールにはチロシンとα-MSHだけを加える。インキュベーション後、ナトリウムラウリルスルフェート及び水酸化ナトリウム溶液(最終濃度:それぞれ1mM及び1M)を培養基に添加し、3時間後に400nmにおける吸収(A)を測定する。
試験化合物又はコウジ酸の存在下における色素沈着の阻害を下記式を用いて計算した。
色素沈着の阻害(%)=100−[(A試験化合物/Aコントロール)×100]
いくつかの希釈度の試験化合物における色素沈着の阻害(%)を用いて各試験化合物のIC50を計算する。これは、色素沈着が50%阻害されるときの試験化合物の濃度である。
【0096】
表2

【0097】
これらのデータは、本発明の化合物(Ia)がB16Vメラノーマに及ぼす脱色効果がコウジ酸の効果の約170倍高いことを示す。
製剤1:UVA/B広帯域防護のある「油中水」エマルション
製剤2:UVA/B広帯域防護のある「水中油」エマルション
製剤3:UVA/B広帯域防護のある「水中油」エマルション
製剤4:UVA/B広帯域防護のあるオイルフリーサンスプレー
製剤5:UVA/UVB防護のあるバルム
製剤6:UVA/UVB防護のあるエアロゾルフォーム
製剤7:非エアロゾルフォーム
製剤8:細胞のUVB防護のあるシャンプー
製剤9:UVB/UVA防護のあるヘアコンディショナー
製剤10:細胞のUVB防護のあるO/W昼用クリーム
製剤11:細胞のUVB防護のあるW/O夜用クリーム
【0098】
表3:本発明の製剤の組成(実施例1〜11)

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】

【0108】

【0109】

【0110】

【0111】

【0112】

【0113】

【0114】

【0115】

【0116】

【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】(E)又は(Z)異性体の形態で別々に各化合物(Ia)のUV吸収スペクトルを示す。
【図2】(E)又は(Z)異性体の形態で別々に各化合物(Ib)のUV吸収スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物としての下記式(I)の化合物。
【化1】

(I)
(式中、
R1及びR2は、相互独立に水素又はC1-C12-アルキルであり、
R3〜R11は、相互独立に水素、C1-C12-アルキル、ヒドロキシル又はC1-C12-アルコキシであり、かつ
破線は、二重結合又は2個の水素のどちらかを表す。)
【請求項2】
薬物としての下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)の化合物。
【化2】

【請求項3】
R1及びR2が相互独立にC1-C12-アルキルである、式(I)の化合物。
【請求項4】
R1及びR2がメチルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の請求項3に記載の化合物。
【化3】

【請求項6】
(a)AhRの細胞核内への転位置を低減又は阻止するため、(b)UVB-誘導遺伝子発現を低減又は阻止するため、(c)多環式芳香族炭化水素、好ましくはTCDDによって誘導されるか又は誘導可能な遺伝子発現を低減又は阻止するため、及び/又は(d)UVB-誘導されるか又はUVB-誘導可能な皮膚損傷、特に皮膚癌、皮膚老化、皮膚炎症及び日焼けを低減又は阻止するため十分な量の式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物を含む製剤。
【請求項7】
1種以上のUVフィルター、特に1種以上のUVBフィルター及び/又は1種以上のUVAフィルターをも含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項8】
式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)若しくは(Id)の化合物、又は請求項6若しくは7に記載の製剤の、皮膚保護剤、光防護剤及び/又はAhRアンタゴニストとしての使用。
【請求項9】
式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)若しくは(Id)の化合物、又は請求項6若しくは7に記載の製剤の、薬物の調製のための使用。
【請求項10】
式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物の、(a)AhRの細胞核内への転位置を低減又は阻止するため、(b)UVB-誘導遺伝子発現を低減又は阻止するため、(c)多環式芳香族炭化水素、好ましくはTCDDによって誘導されるか又は誘導可能な遺伝子発現を低減又は阻止するため、及び/又は(d)UVB-誘導されるか又はUVB-誘導可能な皮膚損傷、特に皮膚癌、皮膚老化、皮膚炎症及び日焼けを低減又は阻止するための製剤の調製のための使用。
【請求項11】
皮膚を保護する化粧方法であって、保護すべき皮膚に、式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)若しくは(Id)の化合物、又は請求項6若しくは7に記載の製剤を適用することを特徴とする方法。
【請求項12】
式(I)、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)の化合物の調製方法であって、以下の工程:
下記スキーム
【化4】

(式中、基R1〜R10は請求項1の定義通り)
に従うインダンと芳香族アルデヒドの反応を含んでなる方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536933(P2009−536933A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508326(P2009−508326)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054203
【国際公開番号】WO2007/128723
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】