説明

BACE阻害剤として有用な大環状化合物

本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】


(式中、全ての可変部は本明細書に定義のとおりである)
の新規な大環状化合物、それらの製造、医薬としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な大環状化合物、それらの製造、医薬としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬に関する。
【発明の概要】
【0002】
より具体的には、本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】

〔式中、
は−(CHN(R)Rであり、ここで
kは0、1または2であり;
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基であり;そして
【0003】
は(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで
(a)Rを担持する窒素原子に結合した炭素環員とは異なる(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、所望により、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、
(b)(C3−8)シクロアルキル基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択される1−4個の置換基で置換されており、そして
【0004】
(c)(C3−8)シクロアルキル基は所望により、2個の隣接する炭素環員で2個の置換基(これはそれらが結合する2個の隣接する炭素環員と一体となって(C3−8)シクロアルキル基を形成する)によって置換されており、
(i)前記2個の置換基が所望により結合している2個の隣接する炭素環員とは異なる、上記で形成された(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、そして
(ii)形成された(C3−8)シクロアルキル基は所望により、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1−4個の置換基で置換されており;
【0005】
は水素または(C1−8)アルキルであり;
は水素、(C1−8)アルキル、または所望により置換された(C1−8)アルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキルOC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、ヘテロアリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、(C1−4)アルキルC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルC(=O)NH、アリールC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルC(=O)NH、ヘテロアリールC(=O)NHもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルC(=O)NH基であり;
Uは結合、CF、CFCF、CHF、CHFCHF、シクロプロプ−1,2−イレン、(C1−3)アルキレンオキシ、(C1−3)アルキレンアミノ、(C1−8)アルキレン、NR、または芳香環もしくはヘテロ芳香環(当該環は所望によりハロゲン、(C1−8)アルコキシ、ヒドロキシまたは(C1−8)アルキルで置換されている)であり、ここでZとVは互いにオルト位またはメタ位に存在し、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
VはCH=CH、シクロプロプ−1,2−イレン、CHCH(OH)、CH(OH)CHまたはCRCRであり、ここで
各Rは独立して水素、フッ素または(C1−8)アルキルであり;
【0006】
は水素であり、そして
はヒドロキシであるか
または
とVは一体となってオキソであり;
Wは(C1−8)アルキレン、O、S、S(=O)、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(=O)NRまたはNRであり、ここで
は水素または(C1−8)アルキルであり;
Xは所望により置換された芳香環またはヘテロ芳香環であり、これにYおよびC(=O)NRがメタ位で互いに結合しており;
Yは結合、O、S(=O)、S(=O)NR、N(R)S(=O)、NR、C(R)OH、C(=O)NR、N(R)C(=O)、C(=O)N(R)OまたはON(R)C(=O)であり、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
ZはO、CH、CF、CHF、CH=CH、シクロプロプ−1,2−イレンまたは結合であり;そして
nは0から5であり、
大環状環に含まれる環原子の数は14、15、16または17個である〕
の化合物に関する。
【0007】
例えば、式Iの化合物に存在し得る1個または1個以上の不斉炭素原子のために、対応する式Iの化合物が純粋に光学的に活性な形態で、または光学異性体の混合物の形態で、例えばラセミ混合物の形態で存在する。全てのかかる純粋な光学異性体およびラセミ混合物を含む全てのそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0008】
式Iの化合物は遊離塩基形または酸付加塩形で存在し得る。全てのかかる遊離化合物および塩は本発明の一部である。
【0009】
式Iの化合物は互変異性型で存在していてもよい。全てのかかる互変異性体は本発明の一部である。
【0010】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0011】
アルキル、シクロアルキルまたは非芳香族性ヘテロシクリル基もしくは部分の所望による置換基は、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルスルファニル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、シアノ、オキソ、(C3−7)シクロアルキル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたアリール(C1−4)アルキル、所望により置換されたヘテロアリールおよび所望により置換されたヘテロアリール(C1−4)アルキルから独立して選択される1〜4個の基であり得る。
【0012】
クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン−5−イル、1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]オキセピン−5−イル、アリールもしくはヘテロアリール基もしくは部分、または芳香環もしくはヘテロ芳香環の所望による置換基は、ヒドロキシ、(C1−8)アルキル、(C1−6)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルキル、S(=O)(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールおよび所望により置換されたカルバモイルから独立して選択される1〜4個、とりわけ1〜3個の基であり得る。
【0013】
所望により置換されたアリールまたはヘテロアリール基もしくは部分、または芳香環もしくはヘテロ芳香環はまた、所望による置換基として、ベンジルオキシ、フェノキシ、S(=O)NH、N(H)S(=O)(C1−3)アルキル、カルボキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルバモイル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、ヒドロキシ(C1−4)アルキルおよび所望により置換されたアミノから選択される1〜3個の基を担持していてもよい。
【0014】
アミノ基または部分の所望による置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシカルボニル、アリール(C1−4)アルコキシカルボニルおよびヘテロアリール(C1−4)アルコキシカルボニルから独立して選択される1個または2個の基であってもよい。
【0015】
カルバモイル基または部分の所望による置換基は、(C1−4)アルキルおよび(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキルから選択される1個または2個の基であってもよい。
【0016】
アリールまたは芳香環はナフチルまたは好ましくはフェニルである。これはまた、シクロアルキルまたはヘテロ芳香環と縮合し得る(例えばキノリルまたはインドリル基を形成する)。
【0017】
ヘテロアリールまたはヘテロ芳香環は、1個、2個または3個の環原子がO、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である芳香族性5または6員環、例えばチアゾリル、ピリミジル、または好ましくは、オキサゾリル、イソキサゾリルまたはピリジルである。これはまた、シクロアルキルまたは芳香環もしくはヘテロ芳香環と縮合し得る(例えばキノリルまたはインドリル基を形成する)。
【0018】
非芳香族性ヘテロシクリル基または部分は、環構造中の1個、2個または3個の環員が窒素環員、酸素環員および硫黄環員から成る群から独立して選択されるヘテロ環員である非芳香族性5または6員環構造、例えばピロリニル、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニルまたはモルホリニルである。
【0019】
1個以上の炭素原子を有する基または部分を含む非環状炭素は、直鎖または分枝鎖状である。
【0020】
そうでないことが定義されていない限り、基、部分もしくは分子を含む炭素は、1〜8個、好ましくは1〜6個、好ましくは1〜4個、好ましくは1個または2個の炭素原子を含む。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好ましい態様において、本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の下記式Iの化合物に関する:
(1)Rが−(CHN(R)Rであり、ここで
kが0、1または2であり;
が水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基であり;そして
は(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで
(a)Rを担持する窒素原子に結合した炭素環員とは異なる(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、所望により、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、
(b)(C3−8)シクロアルキル基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択される1−4個の置換基で置換されており、そして
【0022】
(c)(C3−8)シクロアルキル基は所望により、2個の隣接する炭素環員で2個の置換基(これはそれらが結合する2個の隣接する炭素環員と一体となって(C3−8)シクロアルキル基を形成する)によって置換されており、
(i)前記2個の置換基が所望により結合している前記2個の隣接する炭素環員とは異なる、形成された(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、そして
(ii)形成された(C3−8)シクロアルキル基は所望により、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1−4個の置換基で置換されており;
【0023】
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基はハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシおよび所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
【0024】
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基は所望により置換されたアリールまたはヘテロアリール基でモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基は所望により置換されたフェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基によってモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基はフェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基によってモノ置換されており、当該フェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基はハロゲンまたは(C1−8)アルキルでモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
【0025】
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−6)シクロアルキル基であり、ここで(C3−6)シクロアルキル基は、好ましくは1位で、フェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基によってモノ置換されており、当該フェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基はハロゲンまたは(C1−7)アルキルでモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
がシクロプロピル基であり、ここでシクロプロピル基は、好ましくは1位で、フェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基によってモノ置換されており、当該フェニル、ピリジルまたはイソキサゾリル基はハロゲンまたは(C1−6)アルキルでモノ置換されている、
−(CHN(R)Rである;
【0026】
(2)Rが水素または(C1−8)アルキルであり;
好ましくは水素である;
(3)Rが水素、(C1−8)アルキル、または所望により置換された(C1−8)アルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキルOC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、ヘテロアリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、(C1−4)アルキルC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルC(=O)NH、アリールC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルC(=O)NH、ヘテロアリールC(=O)NHもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルC(=O)NH基であり;
好ましくは水素である;
【0027】
(4)Uが結合、CF、CFCF、CHF、CHFCHF、シクロプロプ−1,2−イレン、(C1−3)アルキレンオキシ、(C1−3)アルキレンアミノ、(C1−8)アルキレン、NR、または芳香族性もしくはヘテロ芳香環(当該環は所望によりハロゲン、(C1−8)アルコキシ、ヒドロキシまたは(C1−8)アルキルで置換されている)であり、ここでZとVは互いにオルト位またはメタ位に存在し、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
好ましくは結合または(C1−3)アルキレンオキシである;
(5)VがCH=CH、シクロプロプ−1,2−イレン、CHCH(OH)、CH(OH)CHまたはCRCRであり、ここで
各Rは独立して水素、フッ素または(C1−8)アルキルであり;
好ましくはCHCHである;
(6)Vが水素であり、そして
がヒドロキシであるか、
または
とVが一体となってオキソであり;
好ましくはVが水素であり、そしてVがヒドロキシである;
【0028】
(7)Wが(C1−8)アルキレン、O、S、S(=O)、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(=O)NRまたはNRであり、ここで
が水素または(C1−8)アルキルであり;
好ましくは(C1−8)アルキレンであり;
好ましくは(C1−4)アルキレンであり;
好ましくはCH(CH)である;
(8)Xが所望により置換された芳香環またはヘテロ芳香環であり、これに基YおよびC(=O)NRがメタ位で互いに結合しており;
好ましくは、ハロゲン、(C1−8)アルキル、(C1−6)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、ヘテロアリールおよびN,N−ジ[(C1−4)アルキル]アミノカルボニルから成る群から独立して選択される置換基で所望により置換されたフェニルまたはピリジル環であり;
好ましくは、ハロゲン、(C1−8)アルキル、(C1−6)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、オキサゾリルおよびN,N−ジ[(C1−4)アルキル]アミノカルボニルから成る群から独立して選択される置換基で所望によりモノ置換されたフェニルまたはピリジル環である;
【0029】
(9)Yが結合、O、S(=O)、S(=O)NR、N(R)S(=O)、NR、C(R)OH、C(=O)NR、N(R)C(=O)、C(=O)N(R)OまたはON(R)C(=O)であり、ここで
が水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
好ましくはOまたはNRであり、ここで
が水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
好ましくはOまたはNHであり、ここで
(10)ZがO、CH、CF、CHF、CH=CH、シクロプロプ−1,2−イレンまたは結合であり;
好ましくはCHまたはCH=CHであり;
(11)nが0〜5であり;
好ましくは0〜3であり;
好ましくは0または3である;
(12)大環状環に含まれる環原子の数は14、15、16または17個であり;
好ましくは16個である。
【0030】
好ましい態様(1)〜(12)は独立して、集合的に、または任意の組合せもしくはサブコンビネーションにおいて好ましい。
【0031】
とりわけ好ましい態様において、本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の後記実施例に記載の式Iの化合物の1個または1個以上に関する。
【0032】
さらなる局面において、本発明は遊離塩基形または酸付加塩形の式Iの化合物の製造方法であって、
a)RがN(R)Rであり、Vが水素であり、そしてVがヒドロキシである式Iの化合物の製造のために、式
【化2】

〔式中、R、R、U、V、W、X、Y、Zおよびnは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物を式
HN(R)R (III)
〔式中、RおよびRは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物と反応させる工程、または
b)各場合においてオープン鎖の2個の末端の各々で炭素−炭素二重結合を担持している適切なオープン鎖前駆体化合物を、触媒、例えばルテニウム、タングステンもしくはモリブデン錯体の存在下でのメタセシスによって環化する工程、
次に各場合において所望により、得られた化合物の還元、酸化もしくは他の官能化、および/または所望により存在する任意の保護基の切断工程
そして上記工程によって得られた遊離塩基形または酸付加塩形の式Iの化合物を回収する工程を含む、方法に関する。
【0033】
反応を常套の方法によって、例えば実施例に記載のとおりに行うことができる。
【0034】
反応混合物の後処理および上記とおりに得た化合物の精製を、既知の方法に従って行うことができる。
【0035】
酸付加塩を遊離塩基からそしてその逆を、既知の方法で製造することができる。
【0036】
式Iの化合物はまた、さらなる常套の方法によって製造することができ、該方法は例えば実施例に記載の本発明のさらなる局面である。
【0037】
式IIおよび式IIIの出発物質、ならびに変法b)において用いるオープン鎖前駆体化合物は既知であるか、または常套の方法に従って、既知の化合物から出発して、例えば実施例に記載のとおりに製造することもできる。
【0038】
遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の式Iの化合物(以後「本発明の薬剤」と称することもある)は、インビトロまたはインビボで試験したとき、有用な薬理学的特徴を示し、したがって医薬として有用である。
【0039】
例えば、本発明の薬剤はアスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤であり、そしてかかる酵素による処理が関与する状態、疾患または障害の処置に用いることができる。とりわけ、本発明の薬剤はベータセクレターゼを阻害し、したがってベータアミロイドの精製および続くオリゴマーおよびフィブリルへの凝集を阻害する。
【0040】
本発明の薬剤のプロテアーゼ阻害特性は、例えば下記試験において評価することができる。
【0041】
試験1:ヒトBACEの阻害
組換えBACE(細胞外ドメイン、バキュロウイルスにおいて発現、標準的な方法を用いて精製した)を濃度0.1〜10nMで、様々な濃度の試験化合物と、1時間室温で、0.1% CHAPSを含む10〜100mM酢酸バッファーpH4.5中でインキュベートする。APPの配列由来であり、好適な蛍光消光対を含む合成蛍光消光ペプチド基質を最終濃度1〜5μMで加え、そして蛍光の増加を好適な励起/放出波長でマイクロプレートスペクトル蛍光光度計で5〜30分間、1分インターバルで記録する。IC50値をBACE活性の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0042】
試験2:ヒトBACE−2の阻害
組換えBACE−2(細胞外ドメイン、バキュロウイルスにおいて発現、標準的な方法を用いて精製した)を濃度0.1〜10nMで、様々な濃度の試験化合物と、1時間室温で、0.1% CHAPSを含む10〜100mM酢酸バッファーpH4.5中でインキュベートする。APPの配列由来であり、好適な蛍光消光対を含む合成ペプチド基質を最終濃度1〜5μMで加え、そして蛍光の増加を好適な励起/放出波長でマイクロプレートスペクトル蛍光光度計で5〜30分間、1分インターバルで記録する。IC50値をBACE−2活性の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0043】
試験3:ヒトカテプシンDの阻害
組換えカテプシンD(バキュロウイルスにおいてプロカテプシンDとして発現、標準的な方法を用いて精製、ギ酸ナトリウムバッファーpH3.7中でインキュベーションして活性化する)を様々な濃度の試験化合物と、1時間室温で、ギ酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムバッファー中、pH3.0〜5.0の範囲内の好適なpHでインキュベートする。合成ペプチド基質Mca−Gly−Lys−Pro−Ile−Leu−Phe−Phe−Arg−Leu−Lys(DNP)−D−Arg−NHを最終濃度1〜5μMで加え、そして蛍光の増加を励起波長325nm、放出波長400nmでマイクロプレートスペクトル蛍光光度計で5〜30分間、1分インターバルで記録する。IC50値をカテプシンD活性の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0044】
試験4:アミロイドペプチド1−40の細胞放出の阻害
チャイニーズハムスター卵巣細胞をアミロイド前駆体タンパク質の遺伝子でトランスフェクトする。細胞を8000細胞/ウェルの密度で96ウェルマイクロタイタープレートに播種し、10% FCSを含むDMEM細胞培養培地で24時間培養する。試験化合物を細胞に様々な濃度で加え、そして細胞を試験化合物の存在下、24時間培養する。上清を回収し、アミロイドペプチド1−40の濃度をサンドイッチELISAを用いて測定する。化合物の能力を、アミロイドペプチド放出の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0045】
少なくとも1つの上記試験において、本発明の化合物は50μM未満の濃度で活性を示す。
【0046】
具体的には、実施例7に記載の本発明の薬剤は、試験1において0.04μMのIC50値を示す。
【0047】
プロテアーゼに対するそれらの阻害特性のため、本発明の薬剤は例えば、ベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害、例えば神経変性状態、疾患または障害、例えばアルツハイマー病、ダウン症候群、記憶障害、認識機能障害、認知症、アミロイドニューロパシー、脳炎、神経の外傷、脳の外傷、血管アミロイド症またはアミロイド症による脳の出血の処置または予防に有用であり、あるいはペプシンタイプのアスパルチルプロテアーゼおよびベータセクレターゼの近縁なホモログであるBACE−2(ベータ部位APP切断酵素2)またはカテプシンDが関与する状態、疾患または障害、およびBACE−2またはカテプシンD発現と腫瘍細胞の腫瘍形成能または転移能の相関関係の予防または処置、腫瘍細胞に関与する転移プロセスの抑制に有用である。
【0048】
上記適応症について、適当な用量は例えば、活性医薬成分として使用する化合物、宿主、投与形態、状態、疾患もしくは障害の性質および重症度、または所望の効果に依存して変化する。しかし、一般的に、動物において満足のいく結果が、約0.1〜100mg/kg体重、好ましくは約1mg/kg体重〜約50mg/kg体重の1日用量で得られる。大型哺乳類、例えばヒトにおいて、適用される1日用量は本発明の薬剤約0.5mg〜約2000mg、好ましくは約2mg〜約200mgであり、簡便には例えば、1日4回までの分割用量で、または徐放形態で投与する。
【0049】
本発明の薬剤をあらゆる常套の経路、とりわけ経腸、好ましくは経口的に、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で、または非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形態で投与することができる。
【0050】
上記のとおり、さらなる局面において本発明は、例えばベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスを抑制するための医薬として使用する本発明の薬剤に関する。
【0051】
さらなる局面において本発明は、例えばベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスを抑制するための医薬における活性医薬成分としての本発明の薬剤の使用に関する。
【0052】
さらなる局面において、本発明は、活性医薬成分として本発明の薬剤を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。かかる組成物を常套の方法で、例えば成分を混合することによって製造することができる。単位投与形態は例えば、約0.1mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約500mgの本発明の薬剤を含む。
【0053】
本発明の薬剤を、単独の医薬成分として、またはベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防において、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスの抑制において有効な少なくとも1種の他の活性医薬成分との組合せとして投与することができる。かかる医薬組合せは、単位投与形態が所定の量の各少なくとも2種の活性成分を少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む単位投与形態の形態であり得る。あるいは、医薬組合せは少なくとも2種の活性成分を個別に含む、例えば別個にアレンジされた活性成分である少なくとも2種の活性成分の同時または個別投与のために適用されるパックまたはディスペンサーデバイスを含むパッケージの形態であり得る。さらなる局面において、本発明はかかる医薬組合せ剤に関する。
【0054】
さらなる局面において、本発明は、ベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防用、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスの抑制用医薬の製造のための、本発明の薬剤の使用に関する。
【0055】
さらなる局面において、本発明は、処置、予防または抑制を必要とする対象におけるベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスを抑制するため方法であって、当該対象に有効量の本発明の薬剤を投与することを含む方法に関する。
【0056】
下記実施例は本発明を説明するが、これを限定しない。
【実施例1】
【0057】
実施例
略語
AcCN アセトニトリル
AcOH 酢酸
aq. 水性
b.p. 沸点
BINAP (±)−1,1’−ビナフタリン−2,2’−ジイル−ビス−(ジフェニルホスフィン)
Boc tert−ブトキシカルボニル
Cbz−Cl クロロギ酸ベンジル
conc. 濃
DBU ジアザビシクロウンデセン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMPU N,N’−ジメチルプロピレンウレア
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC.HCl 1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−カルボジイミドヒドロクロライド
ES 電子スプレー
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Grubbs II
触媒 1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニル−メチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム
h 時間
H−NMR プロトン核磁気共鳴スペクトロメトリー
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
LDA リチウムジイソプロピルアミド
m.p. 融点
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析
NH 13.4N aq.アンモニア
PPTS ピリジニウム−パラ−トルエンスルホネート
Rf 保持係数(薄層クロマトグラフィー)
rt 室温
SK−CC02−A 2−(ジメチルアミノ)フェロセン−1−イル−パラジウム(II)クロライドジノルボルニルホスフィン錯体
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0058】
実施例1: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
a)(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニルアミノヒドロクロライド
[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル 709mg(2.32mmol)のDCM5ml溶液を0℃に冷却し、EtO(35mmol)中5M HCl 7.0mlを加える。混合物をrtで1.5時間撹拌する。溶媒を蒸発させて、所望の生成物を淡褐色粉末(566mg)として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
MS (LC/MS): 205.9 = [MH]+.
【0059】
b){3−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニルカルバモイル]−5−メトキシメチル−フェニル}−ペント−4−エニル−カルバミン酸ベンジルエステル
3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(A2)1.23g(3.2mmol)、HOBt.HO 693mg(4.48mmol)、DIPEA 0.559ml(3.2mmol)および1(S)−(2−クロロ−1(S)−ヒドロキシ−エチル)−3(R)−メチル−ヘプト−6−エニルヒドロクロライド 775mg(3.2mmol)のDCM16ml溶液に、氷冷下、EDC.HCl 751mg(3.84mmol)を加える。混合物をrtで17時間撹拌する。氷浴で冷却後、1.0M HCl 10.5mlを加え、層を分離する。有機層を1M重炭酸カリウム、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(トルエン/EtOH 97/3)、生成物を黄色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.15 (d, 1H), 7.66 (d, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.32-7.21 (m, 4H), 5.78-5.66 (m, 2H), 5.37 (d, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.97-4.80 (m, 4H), 4.43 (s, 2H), 4.11-4.02 (m, 1H), 3.69-3.59 (m, 4H), 3.49-3.42 (m, 1H), 3.29 (s, 3H), 2.04-1.95 (m, 4H), 1.65-1.38 (m, 5H), 1.35-1.17 (m, 3H), 0.83 (d, 3H).
【0060】
c)(E/Z)−(10R,12S)−12−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−14−オキソ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),6,15,17−テトラエン−2−カルボン酸ベンジルエステル
{3−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニルカルバモイル]−5−メトキシメチル−フェニル}−ペント−4−エニル−カルバミン酸ベンジルエステル1.18g(2.07mmol)のDCM10.4ml溶液を、1時間以内に還流下、Grubbs II触媒88mgのDCM207ml溶液に滴下する。混合物をさらに30分間還流し、ブチルビニルエーテル0.62mlを加え、撹拌を30分間続ける。混合物をシリカゲルに注ぎ、クロマトグラフに付して(DCMからDCM/MeOH 98/2)、生成物を褐色泡状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.13 (d, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.35-7.27 (m, 5H), 5.49-5.27 (m, 2H), 5.19 (d, 1H), 5.07 (d, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.06-3.97 (m, 1H), 3.92-3.81 (m, 1H), 3.70-3.64 (m, 1H), 3.63-3.54 (m, 1H), 3.50-3.44 (m, 1H), 3.28 (s, 3H), 2.12-1.89 (m, 4H), 1.71-1.38 (m, 5H), 1.34-1.19 (m, 3H), 0.74 (d, 3H).
【0061】
d)(10R,12S)−12−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
(E/Z)−(10R,12S)−12−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−14−オキソ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),6,15,17−テトラエン−2−カルボン酸ベンジルエステル895mg(1.65mmol)のEtOH 16.5ml溶液を、rt、10%Pd/C 330mgの存在下、水素雰囲気下で4時間撹拌する。触媒を濾取し、濾液を蒸発させる。残渣をEtOH/DCM(90/10)50mlに溶解させ、rt、10%Pd/C 330mgの存在下、水素雰囲気下で3時間撹拌する。触媒を濾取し、濾液を蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 99/1から98/2)、表題化合物を灰色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.99 (d, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 5.97-5.90 (m, 1H), 5.35 (d, 1H), 4.28 (s, 2H), 4.03-3.94 (m, 1H), 3.64-3.59 (m, 1H), 3.58-3.51 (m, 1H), 3.49-3.40 (m, 2H), 3.26 (s, 3H), 2.93-2.82 (m, 1H), 1.71-1.60 (m, 2H), 1.58-1.17 (m, 12H), 1.02-0.93 (m, 1H), 0.83 (d, 3H).
【0062】
e)(10R,12S)−17−メトキシメチル−10−メチル−12−(S)−オキシラニル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
(10R,12S)−12−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン 323mg(0.78mmol)のTHF1.6ml溶液に、0℃で水性1M水酸化ナトリウム1.6mlを滴下し、反応混合物を0℃で2時間撹拌する。半飽和塩化アンモニウム水溶液15.7mlを加え、混合物をDCMで抽出する。合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.09 (d, 1H), 6.79 (br s, 2H), 6.62 (s, 1H), 5.99-5.92 (m, 1H), 4.28 (s, 2H), 3.89-3.80 (m, 1H), 3.51-3.40 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.94-2.84 (m, 2H), 2.72-2.68 (m, 1H), 2.67-2.62 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 1H), 1.71-1.09 (m, 13H), 1.03-0.92 (m, 1H), 0.83 (d, 3H).
【0063】
f)(10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
(10R,12S)−17−メトキシメチル−10−メチル−12−(S)−オキシラニル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン 79mg(0.2mmol)および1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン 145mg(0.76mmol)のDCM0.66mlおよびDMF0.1ml溶液を、80℃に温める。DCMを蒸発させた後、撹拌を8時間続ける。反応混合物をMeOHに溶解させ、分取HPLCで精製する(Xterra RP18、19×150mm、5μm、10−100%AcCN(20分)、25ml/分)。粗生成物をシリカゲルの分取薄層クロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 90/10)、無色固体を得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.27 (d, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.06 (dd, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.60 (s, 1H), 5.93-5.87 (m, 1H), 4.75 (d, 1H), 4.26 (s, 2H), 3.99-3.90 (m, 1H), 3.52-3.40 (m, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.91-2.81 (m, 1H), 2.68-2.52 (m, 2H), 1.71-1.60 (m, 2H), 1.58-1.11 (m, 15H), 1.22 (s, 9H), 1.01-0.90 (m, 3H), 0.82 (d, 3H).
【0064】
実施例1a: (10R,12S)−12−((R)−2−{1−[5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−イル]−シクロプロピルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例1と同様に、工程f)において1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC1)に代えて1−[5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−イル]−シクロプロピルアミン(構造ブロックC5)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.92 (d, 1H), 6.80 (br s, 2H), 6.61 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.91 (dd, 1H), 4.51 (d, 1H), 4.28 (s, 2H), 3.97-3.88 (m, 1H), 3.51-3.41 (m, 1H), 3.38-3.33 (m, 1H), 3.27 (s, 3H), 2.91-2.81 (m, 1H), 2.77-2.69 (m, 1H), 2.66-2.55 (m, 2H), 2.54 (s, 2H), 1.68-1.59 (m, 2H), 1.56-1.15 (m, 12H), 1.07-0.89 (m, 5H), 0.87 (s, 9H), 0.81 (d, 3H).
【0065】
実施例2: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10−メチル−17−オキサゾール−2−イル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸(構造ブロックA3)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.26 (d, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.08 (d, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.04 (dd, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.32-6.25 (m, 1H), 4.79 (d, 1H), 4.02-3.92 (m, 1H), 3.58-3.42 (m, 2H), 2.97-2.86 (m, 1H), 2.70-2.53 (m, 2H), 1.75-1.61 (m, 2H), 1.59-1.11 (m, 15H), 1.18 (s, 9H), 1.04-0.91 (m, 3H), 0.84 (d, 3H).
【0066】
実施例3: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10−メチル−17−オキサゾール−2−イル−2−オキサ−13−アザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて3−オキサゾール−2−イル−5−ペント−4−エニルオキシ−安息香酸(構造ブロックA4)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.26 (d, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.04 (dd, 1H), 4.87 (d, 1H), 4.64-4.54 (m, 1H), 4.14-3.93 (m, 3H), 3.52-3.45 (m, 1H), 2.71-2.53 (m, 2H), 1.85-1.65 (m, 2H), 1.60-1.11 (m, 15H), 1.17 (s, 9H), 1.04-0.92 (m, 3H), 0.84 (d, 3H).
【0067】
実施例4: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10−メチル−14−オキソ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−17−カルボン酸ジメチルアミド
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて5−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−N,N−ジメチル−イソフタラミド酸(構造ブロックA5)を用い、そして工程f)において1−(4−tert−ブチル−ピリジン−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC1)に代えて1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC3)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.98 (d, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.15-7.11 (m, 2H), 7.01-6.90 (m, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.12-6.06 (m, 1H), 4.63-4.55 (m, 1H), 3.96-3.87 (m, 1H), 3.55-3.34 (m, 3H), 2.95 (br s, 3H), 2.89 (br s, 3H), 2.48-2.43 (m, 1H), 1.68-1.18 (m, 16H), 1.24 (s, 9H), 1.01-0.83 (m, 4H), 0.81 (d, 3H).
【0068】
実施例4a: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10−メチル−14−オキソ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−17−カルボン酸ジメチルアミド
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて5−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−N,N−ジメチル−イソフタル酸(構造ブロックA5)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.26 (d, 1H), 8.02 (d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.05 (dd, 1H), 6.91 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.11-6.06 (m, 1H), 4.83-4.75 (m, 1H), 4.00-3.91 (m, 1H), 3.54-3.41 (m, 3H), 2.94 (br s, 3H), 2.88 (br s, 3H), 2.66-2.61 (m, 1H), 2.58-2.52 (m, 1H), 1.72-1.11 (m, 16H), 1.22 (s, 9H), 1.02-0.89 (m, 4H), 0.82 (d, 3H).
【0069】
実施例5: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10−メチル−14−オキソ−2−オキサ−13−アザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−17−カルボン酸ジメチルアミド
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えてN,N−ジメチル−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(構造ブロックA6)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.25 (d, 1H), 8.16 (d, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.04 (dd, 1H), 6.93 (s, 1H), 4.84 (d, 1H), 4.59-4.49 (m, 1H), 4.08-3.91 (m, 2H), 3.50-3.43 (m, 1H), 2.95 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 2.67-2.51 (m, 2H), 1.82-1.63 (m, 2H), 1.57-1.11 (m, 15H), 1.20 (s, 9H), 1.02-0.90 (m, 3H), 0.82 (d, 3H).
【0070】
実施例5a: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(5−ブロモ−ピリド−3−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10−メチル−14−オキソ−2−オキサ−13−アザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−17−カルボン酸ジメチルアミド
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えてN,N−ジメチル−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(構造ブロックA6)を用い、そして工程f)において1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC1)に代えて1−(5−ブロモ−ピリド−3−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC4)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.46-8.43 (m, 2H), 8.17 (d, 1H), 7.91-7.89 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.95-6.93 (m, 1H), 4.71 (d, 1H), 4.57-4.49 (m, 1H), 4.09-3.91 (m, 2H), 3.43-3.37 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 2.71-2.66 (m, 1H), 1.82-1.73 (m, 2H), 1.69-1.18 (m, 15H), 1.07-0.93 (m, 4H), 0.83 (d, 3H).
【0071】
実施例6: (10R,12S)−17−クロロ−12−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(4−イソプロピル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−10−メチル−2−オキサ−13,18−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて2−クロロ−6−ペント−4−エニルオキシ−イソニコチン酸(構造ブロックA7)を用い、そして工程f)において1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC1)に代えて1−(4−イソプロピル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC2)を用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.46 (d, 1H), 8.26 (d, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.96 (dd, 1H), 4.88 (d, 1H), 4.57-4.49 (m, 1H), 4.26-4.16 (m, 1H), 4.01-3.93 (m, 1H), 3.51-3.44 (m, 1H), 2.84-2.76 (m, 1H), 2.65-2.52 (m, 2H), 1.77-1.11 (m, 16H), 1.14 (d, 6H), 1.02-0.93 (m, 4H), 0.83 (d, 3H).
【0072】
実施例7: (10R,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシ−10−メチル−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例1と同様に、工程b)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて3−メトキシ−5−ペント−4−エニルアミノ−安息香酸(構造ブロックA8)を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.27 (d, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.06 (dd, 1H), 6.52 (s, 1H), 6.38 (s, 1H), 5.89-5.82 (m, 1H), 4.79-4.74 (m, 1H), 3.98-3.89 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.51-3.40 (m, 2H), 2.90-2.77 (m, 1H), 2.68-2.53 (m, 2H), 1.71-1.59 (m, 2H), 1.56-1.11 (m, 15H), 1.23 (s, 9H), 1.02-0.89 (m, 3H), 0.82 (d, 3H).
【0073】
実施例8: (10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
a)((1S,3S)−5−アリルオキシ−3−メチル−1−(S)−オキシラニル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(1S,3S)−5−アリルオキシ−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(構造ブロックB1)3.71g(11mmol)のTHF22ml溶液に、氷冷下、水性1M水酸化ナトリウム(22mmol)22mlを滴下すると、溶液が懸濁する。MeOH 11ml添加後、透明な反応混合物を0℃で2.5時間撹拌する。混合物を半飽和塩化アンモニウム水溶液220mlで希釈し、有機溶媒を蒸発させ、残留溶液をDCMで抽出する。合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。生成物を褐色油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO, 100 ℃): 6.27 (d, 1H), 5.92-5.82 (m, 1H), 5.24-5.07 (m, 2H), 3.90 (d, 2H), 3.42 (t, 2H), 3.34-3.27 (m, 1H), 2.81-2.78 (m, 1H), 2.64-2.61 (m, 1H), 2.57-2.55 (m, 1H), 1.71-1.61 (m, 1H), 1.59-1.51 (m, 2H), 1.44-1.26 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 0.86 (d, 3H).
【0074】
b)((1S,3S)−5−アリルオキシ−1−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−3−メチル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
((1S,3S)−5−アリルオキシ−3−メチル−1−(S)−オキシラニル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル 1.65g(5.5mmol)のEtOH 27.5ml溶液に、1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC3)1.46g(7.72mmol)を加え、混合物を50℃に44時間加熱する。溶媒を蒸発させ、残渣を2連続シリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(シクロヘキサン/EtOAc 60/40)、表題化合物を淡褐色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.32 (br s, 1H), 7.17-7.15 (m, 2H), 7.02-6.99 (m, 1H), 6.41 (d, 1H), 5.90-5.80 (m, 1H), 5.23-5.08 (m, 2H), 4.48 (d, 1H), 3.88 (d, 2H), 3.39-3.33 (m, 2H), 3.27-3.21 (m, 2H), 2.40-2.32 (m, 2H), 1.56-1.23 (m, 6H), 1.33 (s, 9H), 1.28 (s, 9H), 0.92-0.81 (m, 4H), 0.79 (d, 3H).
【0075】
c)((2R,3S,5S)−7−アリルオキシ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル−ヘプチル)−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル
((1S,3S)−5−アリルオキシ−1−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−3−メチル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル 886mg(1.81mmol)のDCM14.5ml溶液にクロロギ酸ベンジル0.295ml(1.99mmol)を加え、混合物を2時間撹拌する。30分ごとにクロロギ酸ベンジル0.054ml(0.38mmol)を加える(3回)。最終添加の30分後、反応混合物を0℃に冷却し、2Mアンモニア水溶液22mlを加え、層を分離し、そして水相をDCMで抽出する。合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(シクロヘキサン/EtOAc 90/10から80/20)、表題化合物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO, 121 ℃): 7.30-7.19 (m, 5H), 7.17-7.11 (m, 3H), 6.87-6.83 (m, 1H), 5.91-5.82 (m, 2H), 5.24-5.03 (m, 3H), 4.29 (d, 1H), 3.89 (d, 2H), 3.74-3.67 (m, 1H), 3.63-3.57 (m, 1H), 3.44-3.39 (m, 3H), 3.22-3.15 (m, 2H), 1.77-1.69 (m, 1H), 1.65-1.13 (m, 7H), 1.37 (s, 9H), 1.24 (s, 9H), 1.11-1.03 (m, 1H), 0.86 (d, 3H).
【0076】
d)((2R,3S,5S)−7−アリルオキシ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル−ヘプチル)−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−カルバミン酸ベンジルエステルヒドロクロライド
((2R,3S,5S)−7−アリルオキシ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル−ヘプチル)−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−カルバミン酸ベンジルエステル 2.05g(3.29mmol)のDCM25ml溶液に、氷冷下、EtO中7.1M HCl 4.75ml(33.7mmol)を加え、混合物をrtに温めながら混合物を4時間撹拌する。溶媒を蒸発させて表題化合物を黄色泡状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO, 121℃): 7.69 (br s, 3H), 7.29-7.11 (m, 8H), 6.91-6.88 (m, 1H), 5.93-5.82 (m, 1H), 5.25-5.02 (m, 4H), 4.10-4.05 (m, 1H), 3.91 (d, 2H), 3.61 (d, 1H), 3.43 (t, 2H), 3.29-3.24 (m, 1H), 3.18-3.14 (m, 1H), 1.79-1.67 (m, 2H), 1.64-1.20 (m, 6H), 1.24 (s, 9H), 1.12-1.06 (m, 1H), 0.87 (d, 3H).
【0077】
e)アリル−{3−[1S,3S)−5−アリルオキシ−1−((R)−2−{ベンジルオキシカルボニル−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ペンチルカルバモイル]−5−メトキシメチル−フェニル}−カルバミン酸ベンジルエステル
((2R,3S,5S)−7−アリルオキシ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル−ヘプチル)−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−カルバミン酸ベンジルエステルヒドロクロライド 587mg(1.05mmol)、3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(A2)410mg(1.15mmol)およびHOBt.HO 227mg(1.47mmol)のDCM6ml溶液に、氷冷下、DIPEA 0.183ml(1.05mmol)およびEDC.HCl 246mg(1.26mmol)を加え、混合物をrtで17時間撹拌する。反応混合物をEtOH 1mlで希釈し、1M水性炭酸水素カリウム、0.5M水性HClおよび反飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、そして残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(シクロヘキサン/EtOAc 95/5から55/45)、生成物を黄色樹脂として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO, 121 ℃): 7.67 (d, 1H), 7.61 (d, 2H), 7.31-7.18 (m, 11H), 7.14-7.09 (m, 3H), 6.84 (m, 1H), 5.91-5.77 (m, 2H), 5.18-5.02 (m, 8H), 4.47 (d, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.29 (d, 2H), 4.07-3.99 (m, 1H), 3.89-3.84 (m, 3H), 3.68-3.63 (m, 1H), 3.41 (t, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.28-3.22 (m, 1H), 1.77-1.72 (m, 1H), 1.69-1.35 (m, 6H), 1.29-1.17 (m, 1H), 1.20 (s, 9H), 1.09-1.03 (m, 1H), 0.88 (d, 3H).
【0078】
f)(E/Z)−(10S,12S)−12−((R)−2−{ベンジルオキシカルボニル−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−14−オキソ−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),4,15,17−テトラエン−2−カルボン酸ベンジルエステル
アリル−{3−[1S,3S)−5−アリルオキシ−1−((R)−2−{ベンジルオキシカルボニル−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ペンチルカルバモイル]−5−メトキシメチル−フェニル}−カルバミン酸ベンジルエステル 774mg(1.0mmol)のDCM10ml溶液を、30分以内に還流下、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)−ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシル−ホスフィン)ルテニウム](Grubbs II触媒)42mgのDCM80ml溶液に滴下する。TLCおよびLC−MSによる反応制御は出発物質が残留していないことを示し、ブチルビニルエーテル0.6mlを加え、撹拌を30分間続ける。反応混合物を体積10mlに蒸発させ、シリカゲルカラムに注ぎ、クロマトグラフに付して(シクロヘキサン/EtOAc 80/20から40/60)、生成物を無色泡状物として得る。
MS (ES+): 832.5 = [M+H]+
【0079】
g)(10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
(E/Z)−(10S,12S)−12−((R)−2−{ベンジルオキシカルボニル−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−14−オキソ−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),4,15,17−テトラエン−2−カルボン酸ベンジルエステル458mg(0.55mmol)のMeOH 10ml溶液に13.4N水性アンモニア0.5mlおよびラネー−Ni 300mgを加え、反応混合物を水素雰囲気下で23時間撹拌する。触媒を濾過で除去し、有機溶媒を蒸発させて水相を13.4N水性アンモニアで塩基性にし、DCMで抽出する。合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。反応が不完全であるため、残渣をMeOH 100mlに溶解させ、13.4N水性アンモニア15mlおよびラネー−Ni 500mgを加え、混合物を水素雰囲気下、1.75時間撹拌する。第1の水素化に記載のとおりに後処理した後、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(EtOAcからEtOAc/EtOH 95/5)生成物を無色泡状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.81 (d, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.19-7.11 (m, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.73 (d, 2H), 6.58 (s, 1H), 5.95 (t, 1H), 4.54 (d, 1H), 4.27 (s, 2H), 3.95-3.87 (m, 1H), 3.59-3.24 (m, 9H), 3.26 (s, 3H), 2.94-2.84 (m, 1H), 1.93-1.72 (m, 2H), 1.71-1.59 (m, 2H), 1.49-1.21 (m, 5H), 1.25 (s, 9H), 0.98-0.87 (m, 3H), 0.85-0.78 (m, 1H), 0.80 (d, 3H).
【0080】
実施例9: (10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例8と同様に、工程b)において1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC3)に代えて1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC1)を用い、そして工程g)においてラネー−NiによるEtOH中での二重結合の水素化、次にEtOH中での10%Pd−CによるCbzの除去によって製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.27 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.67 (br s, 1H), 7.06 (dd, 1H), 6.76 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.58 (s, 1H), 5.95 (t, 1H), 4.73 (d, 1H), 4.26 (s, 2H), 3.98-3.90 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 2H), 3.47-3.28 (m, 4H), 3.25 (s, 3H), 2.94-2.85 (m, 1H), 2.69-2.55 (m, 2H), 1.93-1.60 (m, 4H), 1.50-1.12 (m, 8H), 1.23 (s, 9H), 1.00-0.89 (m, 2H), 0.81 (d, 3H).
【0081】
実施例10: (10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−7−オキサ−2,13,18−トリアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例8と同様に、工程e)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて2−アリルアミノ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸(構造ブロックA10)を用い、そして工程g)においてラネー−NiによるEtOH中での二重結合の水素化、次にEtOH中での10%Pd−CによるCbzの除去によって製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO, 120 ℃): 7.57 (d, 1H), 7.36-7.33 (m, 1H), 7.17-7.14 (m, 2H), 7.07-7.03 (m, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.53 (s, 1H), 6.19-6.15 (m, 1H), 4.27 (s, 2H), 4.07-4.03 (m, 1H), 3.97-3.90 (m, 1H), 3.57-3.50 (m, 2H), 3.47-3.33 (m, 3H), 3.36 (s, 3H), 3.11-3.02 (m, 1H), 2.63-2.52 (m, 2H), 1.85-1.71 (m, 2H), 1.68-1.26 (m, 8H), 1.29 (s, 9H), 0.99-0.86 (m, 4H), 0.84 (d, 3H).
【0082】
実施例11: (10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10,17−ジメチル−7−オキサ−2,13,18−トリアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
a)(10S,12S)−2−アセチル−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10,17−ジメチル−7−オキサ−2,13,18−トリアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例8と同様に、工程e)において3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸(構造ブロックA2)に代えて2−(アセチル−アリル−アミノ)−6−メチル−イソニコチン酸(構造ブロックA9)を用い、そして工程g)においてラネー−NiによるEtOH中での二重結合の水素化、およびCbzの除去によって製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.26 (d, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.35-7.31 (m, 2H), 7.18-7.12 (m, 2H), 7.00-6.97 (m, 1H), 4.70 (d, 1H), 3.97-3.85 (m, 2H), 3.50-3.37 (m, 4H), 3.30-3.24 (m, 2H), 2.60-2.54 (m, 1H), 2.48-2.41 (m, 1H), 1.98 (s, 3H), 1.71-1.63 (m, 2H), 1.61-1.29 (m, 8H), 1.23 (s, 9H), 0.96-0.79 (m, 4H), 0.77 (d, 3H).
【0083】
b)(10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10,17−ジメチル−7−オキサ−2,13,18−トリアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン
(10S,12S)−2−アセチル−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10,17−ジメチル−7−オキサ−2,13,18−トリアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),15(19),16−トリエン−14−オン 69mg(0.12mmol)のEtOH 5ml溶液に、2M水性水酸化ナトリウム0.6mlを加え、混合物を撹拌し、60℃に2時間加熱する。反応混合物を水30mlで希釈し、DCMで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルの分取薄層クロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH/NH3 90/9/1)、無色樹脂を得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO, 120 ℃): 7.49 (d, 1H), 7.36-7.33 (m, 1H), 7.17-7.13 (m, 2H), 7.07-7.03 (m, 1H), 6.49 (s, 1H), 6.42 (s, 1H), 6.07-6.02 (m, 1H), 4.07-4.02 (m, 1H), 3.96-3.87 (m, 1H), 3.56-3.29 (m, 5H), 3.10-2.99 (m, 1H), 2.62-2.52 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 1.85-1.70 (m, 2H), 1.68-1.23 (m, 8H), 1.29 (s, 9H), 0.99-0.85 (m, 4H), 0.83 (d, 3H).
【0084】
実施例12: (10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−10,17−ジメチル−7−オキサ−2,13,18−トリアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン−14−オン
表題化合物を実施例11と同様に、工程b)において1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC3)に代えて1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン(構造ブロックC1)を用い、そして実施例8)の合成のとおり、工程g)においてラネー−NiによるEtOH中での二重結合の水素化、およびCbzの除去によって製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.28 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H) 6.62-6.57 (m, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.78 (d, 1H), 3.95-3.88 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 2H), 3.46-3.34 (m, 3H), 2.99-2.88 (m, 1H), 2.69-2.52 (m, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.84-1.58 (m, 4H), 1.49-1.13 (m, 7H), 1.23 (s, 9H), 1.01-0.92 (m, 2H), 0.81 (d, 3H).
【0085】
実施例13: (E/Z)−(10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),4,15(19),16−テトレン−14−オン
(E/Z)−(10S,12S)−12−((R)−2−{ベンジルオキシカルボニル−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピル]−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−17−メトキシメチル−10−メチル−14−オキソ−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(19),4,15,17−テトラエン−2−カルボン酸ベンジルエステル 250mg(0.3mmol)のDCM5ml溶液にヨードトリメチルシラン0.88ml(6.0mmol)を加え、そして反応混合物を10分間撹拌し、さらに30分後、MeOH 3mlを加える。13.4N水性アンモニアおよび水の添加後、混合物をDCMで抽出し、合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をMeOHに溶解させ、分取HPLCで精製する(Xterra RP18、19×150mm、5μm、10−100%AcCN(20分)、25ml/分)、無色固体を得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.70 (d, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.15-7.11 (m, 2H), 7.02-6.99 (m, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.16 (t, 1H), 6.05-5.97 (m, 1H), 5.49-5.41 (m, 1H), 4.62 (d, 1H), 4.29 (s, 2H), 3.95-3.79 (m, 3H), 3.78-3.69 (m, 2H), 3.53-3.38 (m, 2H), 3.26 (s, 3H), 2.48-2.42 (m, 2H), 1.58-1.20 (m, 5H), 1.23 (s, 9H), 0.94-0.77 (m, 4H), 0.82 (d, 3H).
【0086】
実施例13a: (E/Z)−(10S,12S)−12−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−17−メトキシメチル−10−メチル−7−オキサ−2,13−ジアザ−ビシクロ[13.3.1]ノナデカ−1(18),4,15(19),16−テトラエン−14−オン
表題化合物を実施例9と同様に、工程g)において実施例13に記載の条件を適用し、次に分取薄層クロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH=90/9/1)で精製することによって製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.27 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 6.91 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 5.93-5.84 (m, 1H), 5.76-5.72 (m,1H), 5.59-5.52 (m, 1H), 4.30 (s, 2H), 4.15-3.77 (m, 4H), 3.61-3.46 (m, 4H), 3.38-3.33 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 2.74-2.64 (m, 2H), 1.65-1.11 (m, 7H), 1.28 (s, 9H), 1.02-0.95 (m, 2H), 0.87 (d, 3H).
【0087】
構造ブロックA1: 3−(アリル−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸
a)3−ヒドロキシメチル−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
モノメチル−5−ニトロイソフタレート(22.5g、100mmol、1当量)およびトリエチルアミン(16.7ml、120mmol、1.2当量)をTHF(200ml)に溶解させて、0℃で撹拌する。トルエン中イソプロピルクロロギ酸(140ml、トルエン中1N、140mmol、1.4当量)を30分以内に加える。90分間0℃で撹拌後、反応混合物を氷および0.1M水性HCl 50mlに注ぎ、次にTBMEで希釈する。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物をTHF 300mlに溶解させ、室温で撹拌する。水素化ホウ素ナトリウム(12.5g、330mmol、3.3当量)を氷水100mlに溶解させ、15分以内に加える。反応物を1時間、室温で撹拌し、混合物をTBMEおよび水で希釈する。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 8.80 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 4.93 (s, 2H), 4.01 (s, 3H).
【0088】
b)3−メトキシメチル−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
3−ヒドロキシメチル−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(8.0g、37.9mmol、1当量)をDMF80mlに溶解させた。水素化ナトリウム(2.15g、49.3mmol、1.3当量)を0℃で加えた。懸濁液を30分間室温で撹拌し、次にヨウ化メチル(4.57ml、49.3mmol、1.3当量)を加えた。反応物を3時間室温で撹拌し、次に1M HClおよびTBMEを加えてクエンチした。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(EtOAc/ヘキサンを比1:3で用いた)、生成物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 8.80 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.52 (s, 3H).
【0089】
c)3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−メトキシメチル−安息香酸メチルエステル
3−メトキシメチル−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(3.80g、16.9mmol、1当量)をEtOH(80ml)に溶解させる。塩化スズ(II)2水和物(1.58g、7mmol、7当量)を加え、反応物を75℃に90分間加熱する。反応混合物をEtOAcおよび水性重炭酸ナトリウムで希釈し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得る。粗生成物をTHFに溶解させ、CbzCl(0.4ml、1.30mmol、1.2当量)を、次に水性重炭酸ナトリウムを反応混合物に加える。反応混合物を1時間室温で撹拌する。有機層をEtOAcで希釈し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(EtOAc/ヘキサンを比1:4で用いる)、生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.94 (s, 1H), 7.84-7.70 (m, 2H), 7.46-7.38 (m, 5H), 6.82 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 4.52 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.42 (s, 3H).
【0090】
d) 3−(アリル−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸メチルエステル
3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−メトキシメチル−安息香酸メチルエステル(1.98g、6mmol、1当量)をDMF25mlに溶解させる。水素化ナトリウム(327mg、55%、7.5mmol、1.25当量)を反応混合物に加え、該混合物を40分間0℃で撹拌する。臭化アリル(653μl、7.5mmol、1.25当量)を加え、反応混合物を30分間室温で撹拌する。混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出する。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(EtOAc/ヘキサンを比1:4で用いる)、生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.92-7.88 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.40-7.30 (m, 5H), 6.00-5.87 (m, 1H), 5.20-5.17 (m, 4H), 4.50 (s, 2H), 4.34 (d, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.40 (s, 3H).
【0091】
e)3−(アリル−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸
3−(アリル−ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸メチルエステル(1.10g、2.68mmol、1当量)をメタノール(40ml)および1N水性水酸化リチウム(6ml)に溶解させる。反応物を1時間室温で撹拌する。反応混合物を1M aq.HClおよびDCMで希釈し、合併した有機溶媒を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.94 (s, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.40-7.20 (m, 5H), 6.00-5.88 (m, 1H), 5.22-5.18 (m, 4H), 4.53 (s, 2H), 4.37 (d, 2H), 3.40 (s, 3H).
【0092】
構造ブロックA2:3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−メトキシメチル−安息香酸
表題化合物を構造ブロックA1と同様に、工程d)において臭化アリルに代えて5−ブロモ−ペント−1−エンを用いて製造する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.70 (br s, 1H), 7.64 (br s, 1H), 7.33-7.22 (m, 6H), 5.77-5.66 (m, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.95-4.87 (m, 2H), 4.42 (s, 2H), 3.64 (t, 2H), 1.97 (q, 2H), 1.57-1.50 (m, 2H).
【0093】
構造ブロックA3:3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸
a)3−ニトロ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸メチルエステル
モノ−メチル−5−ニトロイソフタレート 20g(87.9mmol)のトルエン300ml懸濁液に、DMF300μlおよび塩化チオニル12.93ml(175.9mmol)を加え、反応混合物を80℃で7時間撹拌する。反応混合物を濃縮して白色結晶を得る。結晶をスルホラン200mlに溶解させて、トリアゾール13.4g(194mmol)、次に炭酸カリウム12.3g(88.0mmol)を加える。反応混合物を90℃で16時間撹拌する。反応混合物を濾過し、ジエチルエーテルおよび0.1N aq.HCl溶液で希釈する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(アセトンとヘキサンを比1/6で用いる)、生成物をえる。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 9.10 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 4.03 (s, 3H).
【0094】
b)3−ニトロ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸
3−ニトロ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸メチルエステル(2.50g、10.0mmol、1当量)をMeOH(130ml)、THF(50ml)および水(40ml)に溶解させる。水酸化リチウム1水和物(3.25g、76.7mmol、7.69当量)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌する。反応混合物をEtOAcおよびaq.1N HCl溶液で希釈し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.83 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.58 (s, 1H).
【0095】
c)3−アミノ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸
3−ニトロ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸(1g、4.23mmol、1当量)をMeOH(50ml)とTHF(25ml)の混合物に溶解させる。Pdチャコールを加え(100mg、Engelhard 4505)、反応物を4時間室温で、水素1barで撹拌する。反応混合物を濾過し、濃縮して生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.20 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 5.70 (bs, 2H).
【0096】
d)3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸
3−アミノ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸(800mg、3.38mmol、1当量)をTHF(50ml)に懸濁する。トルエン中カルボベンズオキシクロライド(1.47ml、50%、4.40mmol、1.3当量)、次に飽和aq.重炭酸ナトリウムを加える。反応物を室温で20時間撹拌する。水性2N HClおよびEtOAcを加え、層を分離する。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(EtOAc/ヘキサン/AcOHを比50/49/1で用いる)、生成物を得る。
MS: 339 (M+H)+, 337 (M-H)+
【0097】
e)3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸メチルエステル
塩化チオニル(2.11ml、28.7mmol、7当量)のMeOH(20ml)およびTHF(10ml)溶液に、3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸(1.4g、4.10mmol、1当量)のMeOH(10ml)溶液をゆっくりと、0℃で加える。反応混合物を20時間撹拌して、EtOAcおよびaq.重炭酸ナトリウムで希釈する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
MS: 353 (M+H)+, 351 (M-H)+
【0098】
f)3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸メチルエステル
3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸メチルエステル 0.2g(0.57mmol)、炭酸カリウム 0.158mg(1.14mmol)および5−ブロモ−1−ペンテン 0.17ml(1.14mmol)のDMF3ml混合物を16時間撹拌する。水を加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルのクロマトグラフィーに付す(ヘキサン/EtOAc 4:1)。
MS(ES+): 421 = [M+H]+
【0099】
g)3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸
3−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−5−オキサゾール−2−イル−安息香酸メチルエステル 3.3g(7.87mmol)のMeOH 30ml溶液を、1N 水酸化ナトリウム15.7mlで処理する。出発物質が消滅したとき、混合物を1N HCl(pH3)で中和し、DCMで抽出する。合併した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 8.79 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.40-7.26 (m, 5H), 5.83-5.72 (m, 1H), 5.21 (s, 2H), 5.03-4.95 (m, 2H), 3.81 (t, 2H), 2.15-2.06 (m, 2H), 1.77-1.70 (m, 2H).
【0100】
構造ブロックA4: 3−オキサゾール−2−イル−5−ペント−4−エニルオキシ−安息香酸
a)5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸ジメチルエステル
5−ヒドロキシ−イソフタル酸ジメチルエステルのアセトン200ml溶液に炭酸カリウム17.97g(130mmol)および5−ブロモ−1−ペンテン 12.51ml(17.88g、120mmol)を加え、混合物を還流温度に16時間加熱する。さらに5−ブロモ−1−ペンテン 6.25(8.94g、60mmol)および炭酸カリウム9.67g(70mmol)を加え、還流を8時間続ける。混合物にDCM130mlおよび1M HCl 130mlを加え、層を分離する。水相をDCMで抽出し、合併した有機層を半飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を黄色油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.03 (s, 1H), 7.63 (s, 2H), 5.90-5.80 (m, 1H), 5.06-4.96 (m, 2H), 4.07 (t, 2H), 3.86 (s, 6H), 2.18 (q, 2H), 1.85-1.79 (m, 2H).
【0101】
b)5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸モノメチルエステル
5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸ジメチルエステル 20.6g(74mmol)のTHF/MeOH(1/2)243ml溶液に、水性1M 水酸化ナトリウム81ml(81mmol)を0℃で加え、混合物を0℃で2時間、そしてrtで2時間撹拌する。1M HCl 85mlを加えて反応混合物をpH3に酸性化し、有機溶媒を蒸発させる。残留溶液をTBMEおよびDCMで抽出し、合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 98/2から80/20)、生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.04 (t, 1H), 7.64-7.63 (m, 1H), 7.60-7.59 (m, 1H), 5.90-5.80 (m, 1H), 5.07-4.96 (m, 2H), 4.07 (t, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.18 (q, 2H), 1.86-1.79 (m, 2H).
【0102】
c)N−(2,2−ジメトキシ−エチル)−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフラミド酸メチルエステル
5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸モノメチルエステル 6.61g(25mmol)のDCM 250ml溶液に、塩化オキサリル 2.41ml(3.56g、27.5mmol)およびDMF0.01mlを加え、混合物をrtで4時間撹拌する。アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール 3.06ml(2.98g、27.5mmol)のDCM50ml溶液、次に1M炭酸ナトリウム水溶液165mlを0℃で加えて、撹拌をrtで1時間続ける。反応混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液125mlを加え、層を分離し、水相をDCMで抽出し、合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 99/1から95/5)、生成物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.74 (t, 1H), 8.01 (t, 1H), 7.64 (dd, 1H), 7.54 (dd, 1H), 5.91-5.81 (m, 1H), 5.08-4.96 (m, 2H), 4.51 (t, 1H), 4.07 (t, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.35 (t, 2H), 3.28 (s, 6H), 2.19 (q, 2H), 1.86-1.80 (m, 2H).
【0103】
d)N−(2−オキソ−エチル)−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル
N−(2,2−ジメトキシ−エチル)−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル 5.2g(14.8mmol)のTHF29.6ml溶液に2M HCl 14.8mlを加え、混合物をrtで7時間、次に50℃で30分間撹拌し、層を分離し、水相をDCMで抽出して、合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。生成物を濃厚油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 9.51 (s, 1H), 9.10 (t, 1H), 8.05 (t, 1H), 7.68 (dd, 1H), 7.57 (dd, 1H), 5.91-5.81 (m, 1H), 5.07-4.97 (m, 2H), 4.12-4.04 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.84 (t, 2H), 2.19 (q, 2H), 1.87-1.78 (m, 2H).
【0104】
e)3−オキサゾール−2−イル−5−ペント−4−エニルオキシ−安息香酸メチルエステル
N−(2−オキソ−エチル)−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル 4.71g(14.8mmol)のAcCN 220ml溶液に、ヘキサクロロエタン7.36g(29.5mmol)、トリフェニルホスフィン7.86g(29.5mmol)、ピリジン4.23ml(4.15g、59.1mmol)を加え、混合物をrtで16時間撹拌する。DCM450mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液300mlを加えた後層を分離し、水層をDCMで抽出し、合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(シクロヘキサン/EtOAc 90/10)、生成物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.25 (s, 1H), 8.09-8.07 (m, 1H), 7.69-7.68 (m, 1H), 7.54-7.52 (m, 1H), 7.41 (s, 1H), 5.91-5.81 (m, 1H), 5.07-4.97 (m, 2H), 4.11 (t, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.20 (q, 2H), 1.88-1.81 (m, 2H).
【0105】
f)3−オキサゾール−2−イル−5−ペント−4−エニルオキシ−安息香酸
3−オキサゾール−2−イル−5−ペント−4−エニルオキシ−安息香酸メチルエステル 1.37g(4.77mmol)のTHF/MeOH(1/1)20.8ml溶液に、水性1M水酸化ナトリウム5.2mlを加え、混合物を72時間撹拌し、rtに温める。有機溶媒を蒸発させ、残留水溶液をTBMEで洗浄し、1M HClを加えてpH2に酸性化し、DCM/EtOH(80/20)で抽出する。合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 13.37 (br, 1H), 8.23 (d, 1H), 8.07 (t, 1H), 7.63 (dd, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 5.91-5.81 (m, 1H), 5.08-4.97 (m, 2H), 4.10 (t, 2H), 2.19 (q, 2H), 1.88-1.81 (m, 2H).
【0106】
構造ブロックA5: 5−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−N,N−ジメチル−イソフタル酸
a)5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−イソフタル酸モノメチルエステル
モノメチル−5−ニトロイソフタレート(50g、220mmol、1当量)をMeOH650mlとTHF350mlの混合物に溶解させる。Pd/C 3gを加え、反応物を水素1barで一晩水素化する。反応混合物を濾過し、濃縮してアミンを粗生成物として得て、これをTHF(200ml)と水性重炭酸ナトリウム(400ml)の混合物に溶解させる。CbzCl(62ml、トルエン中50%、184mmol、0.9当量)を反応混合物に加え、反応物を1時間撹拌する。CbzCl(31ml、トルエン中50%、92mmol、0.45当量)を加え、反応物を一晩撹拌する。白色固体を摩砕し、水およびジエチルエーテルで洗浄して生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, dmso-d6): 8.40 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.50-7.37 (m, 5H), 5.21 (s, 2H), 3.92 (s, 3H).
【0107】
b)5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N,N−ジメチル−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル
塩化チオニル10mlに5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−イソフタル酸モノメチルエステル 3.29g(9.99mmol)を加え、混合物を還流温度に1時間加熱し、過剰の塩化チオニルを蒸発させて、残渣をDCM20mlに溶解させる。ジメチルアミン1.36g(30mmol)のTHF30ml溶液を0℃で滴下し、次に混合物をrtで1時間撹拌する。反応混合物にDCM80mlおよび半飽和塩化アンモニウム水溶液100mlを加える。層を分離し、水層をDCMで抽出し、合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで2回精製して(シクロヘキサン/EtOAc 80/20からEtOAc)、生成物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 10.13 (s, 1H), 8.16 (t, 1H), 7.69 (t, 1H), 7.52 (t, 1H), 7.42-7.30 (m, 5H), 5.16 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 2.97 (br s, 3H), 2.86 (br s, 3H).
【0108】
c)5−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−N,N−ジメチル−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル
5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N,N−ジメチル−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル 803mg(2.25mmol)のDMF4.5ml溶液に、水素化ナトリウム(油中60%)177mg(4.06mmol)および5−ブロモ−1−ペンテン 0.412ml(519mg、3.38mmol)を0℃で加え、混合物をrtに温め、rtで2時間撹拌する。反応混合物にトルエン45mlおよび飽和塩化アンモニウム水溶液45mlを加え、層を分離し、水層をトルエンで抽出する。合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで2回精製して(シクロヘキサン/EtOAc 90/10から50/50)、生成物を無色樹脂として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.86 (t, 1H), 7.76 (t, 1H), 7.61 (t, 1H), 7.33-7.23 (m, 5H), 5.76-5.66 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.95-4.87 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.71 (t, 2H), 2.97 (br s, 3H), 2.81 (br s, 3H), 2.01-1.95 (m, 2H), 1.58-1.51 (m, 2H).
【0109】
d)5−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−N,N−ジメチル−イソフタル酸
5−(ベンジルオキシカルボニル−ペント−4−エニル−アミノ)−N,N−ジメチル−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル 509mg(1.20mmol)のTHF/MeOH(1/1)7.2ml溶液に、水性1M 水酸化ナトリウム 1.8mlを0℃で加え、混合物をrtで3時間撹拌する。1M HClを加えて混合物をpH3に酸性化し、有機溶媒を蒸発させる。残留水溶液をDCM/EtOH(80/20)で抽出し、合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 13.32 (br, 1H), 7.83 (t, 1H), 7.74 (t, 1H), 7.53 (br s, 1H), 7.33-7.23 (m, 5H), 5.77-5.67 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.95-4.87 (m, 2H), 3.69 (t, 2H), 2.96 (br s, 3H), 2.81 (br s, 3H), 1.98 (q, 2H), 1.58-1.51 (m, 2H).
【0110】
構造ブロックA6: N,N−ジメチル−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸
a)N,N−ジメチル−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル
塩化チオニル12.6mlに5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸モノメチルエステル(構造ブロックA4参照)3.33g(12.5mmol)を加え、混合物を還流温度に1時間加熱し、過剰の塩化チオニルを蒸発させ、残渣をDCM26mlに溶解させる。ジメチルアミン1.72g(37.8mmol)のTHF38ml溶液を0℃で滴下し、次に混合物をrtで1時間撹拌する。反応混合物にDCM80mlおよび半飽和塩化アンモニウム水溶液100mlを加える。層を分離し、水層をDCMで抽出し、合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 99.5/0.5から95/5)、生成物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.47-7.45 (m, 2H), 7.20 (dd, 1H), 5.91-5.81 (m, 1H), 5.08-4.97 (m, 2H), 4.06 (t, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.98 (br s, 3H), 2.88 (br s, 3H), 2.18 (q, 2H), 1.86-1.79 (m, 2H).
【0111】
b)N,N−ジメチル−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸
N,N−ジメチル−5−ペント−4−エニルオキシ−イソフタル酸(isophthalamic acid)メチルエステル 5 2.2g(7.57mmol)のTHF/MeOH(1/1)16.6ml溶液に、水性1M水酸化ナトリウムを0℃で加え、混合物をrtで3時間撹拌する。1M HClを加えて混合物をpH3に酸性化し、有機溶媒を蒸発させる。残留水溶液をDCMで抽出し、合併した有機層を半飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 13.18 (br, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.14 (t, 1H), 5.90-5.80 (m, 1H), 5.07-4.95 (m, 2H), 4.04 (t, 1H), 2.97 (br s, 3H), 2.88 (br s, 3H), 2.17 (q, 2H), 1.85-1.78 (m, 2H).
【0112】
構造ブロックA7: 2−クロロ−6−ペント−4−エニルオキシ−イソニコチン酸
2,6−ジクロロイソニコチン酸2.35g(12.0mmol)の4−ペンテン−1−オール 25ml溶液に、水素化ナトリウム(55%)1.1g(25.2mmol)を少量ずつ加え、混合物を120℃に17時間加熱する。さらに水素化ナトリウム(55%)314mg(7.2mmol)を加え、120℃で7時間後、水素化ナトリウム(55%)157mg(3.6mmol)を加え、撹拌を120℃で16時間続ける。反応混合物をrtに冷却後、水192mlをゆっくりと加え、混合物をTBMEで抽出する。水相を4M HCl 15.6mlでpH1に酸性化し、EtOAcで抽出する。合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH/NH3 85/13.5/1.5)、生成物を褐色泡状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.22 (s, 1H), 7.18 (br, 1H), 6.97 (s, 1H), 5.90-5.76 (m, 1H), 5.07-4.93 (m, 2H), 4.18 (t, 2H), 2.15 (q, 2H), 1.82-1.75 (m, 2H).
【0113】
構造ブロックA8: 3−メトキシ−5−ペント−4−エニルアミノ−安息香酸
a)3−メトキシ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
3−ヒドロキシ−5−ニトロ安息香酸12.82g(68.6mmol)のDMF70ml溶液に粉末炭酸カリウム28.7g(206mmol)を加え、混合物を0℃に冷却し、ヨウ化メチル9.46ml(151mmol)を加える。反応混合物をrtに温め、撹拌を16時間続ける。水350mlを加え、混合物をトルエンで抽出する。合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を黄色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.19 (dd, 1H), 7.95 (t, 1H), 7.81 (q, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.91 (s, 3H).
【0114】
b) 3−アミノ−5−メトキシ−安息香酸メチルエステル
3−メトキシ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル 13.2g(61.0mmol)のMeOH 915ml溶液を、rtで10%Pd/C 2.64gの存在下、水素雰囲気下で3時間撹拌する。触媒を濾取し、濾液を蒸発させて生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 6.81 (t, 1H), 6.61 (dd, 1H), 6.35 (t, 1H), 5.38 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.69 (s, 3H).
【0115】
c)3−メトキシ−5−ペント−4−エニルアミノ−安息香酸メチルエステル
3−アミノ−5−メトキシ−安息香酸メチルエステル 544mg(3.0mmol)のMeOH 30ml溶液に、氷酢酸0.035ml(0.6mmol)および4−ペンテナール0.367ml(3.6mmol)を加える。15分間rtで撹拌後、混合物を0℃に冷却し、シアノホウ化水素ナトリウム273mg(3.9mmol)を加え、撹拌を16時間続けて反応混合物を室温に温める。1M HClを加えてpHを7に調節し、有機溶媒を蒸発させ、混合物をDCMで抽出する。合併した有機層を半飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(DCM)、生成物を無色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 6.79 (t, 1H), 6.63 (dd, 1H), 6.31 (t, 1H), 5.94 (t, 1H), 5.89-5.79 (m, 1H), 5.06-4.95 (m, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.00 (q, 2H), 2.12 (q, 2H), 1.66-1.58 (m, 2H).
【0116】
d)3−メトキシ−5−ペント−4−エニルアミノ−安息香酸
3−メトキシ−5−ペント−4−エニルアミノ−安息香酸メチルエステル 420mg(1.68mmol)のTHF/MeOH(1/1)11ml溶液に、水性1M水酸化ナトリウム3.7ml(3.7mmol)を0℃で加え、16時間撹拌しながら混合物をrtに温める。1M HClを加えてpHを3に調節し、有機溶媒を蒸発させ、混合物をDCMで抽出する。合併した有機層を半飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて生成物を黄色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 12.64 (br s, 1H), 6.76 (t, 1H), 6.62 (dd, 1H), 6.26 (t, 1H), 5.88-5.77 (m, 2H), 5.05-4.94 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 2.99 (q, 2H), 2.10 (q, 2H), 1.65-1.57 (m, 2H).
【0117】
構造ブロックA9: 2−(アセチル−アリル−アミノ)−6−メチル−イソニコチン酸
a)2−(N’−イソプロピリデン−ヒドラジノ)−6−メチル−イソニコチン酸エチルエステル
2−クロロ−6−メチル−イソニコチン酸7.35g(42.86mmol)、ヒドラジン水和物10.75g(250mmol)および水性4N 水酸化ナトリウム10.7mlの混合物を125℃で24時間撹拌する。混合物を蒸発乾固させ、水35ml、EtOH35mlおよびアセトン50ml中に取り、1時間撹拌する。混合物を1回以上濃縮し、塩化チオニル20mlのEtOH 200ml溶液中で還流する。1.5時間後、混合物を冷却し、濾過する。濾液を酢酸エチルで希釈し、10%aq.重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。水相をEtOAc/アセトン(4:1)で3回抽出する。合併した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカのクロマトグラフィーに付し(EtOAc/ヘキサン=1:2)、褐色油状物を得て、これをEtOH/水から結晶化する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 8.05 (br, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 4.39 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 1.93 (s, 3H), 1.41 (t, 3H).
【0118】
b)2−アミノ−6−メチル−イソニコチン酸エチルエステル
2−(N’−イソプロピリデン−ヒドラジノ)−6−メチル−イソニコチン酸エチルエステル 8.37g(35.6mmol)のEtOH 150ml溶液を11時間、80℃、水素6barで、ラネー−Ni 25gの存在下で水素化する。冷却後、混合物をセライトで濾過し、蒸発させる。生成物をEtOH/水から結晶化して、白色固体を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.08 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 4.61 (br, 2H), 4.19 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.41 (t, 3H).
【0119】
c)2−アセチルアミノ−6−メチル−イソニコチン酸エチルエステル
2−アミノ−6−メチル−イソニコチン酸エチルエステル 4.50g(25mmol)、無水酢酸30mlおよびピリジン40mlの混合物を60時間撹拌する。混合物を蒸発させ、表題化合物を白色固体として単離し、さらに精製することなく使用する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 8.54 (s, 1H), 8.2 (br, 1H), 7.50 (s, 1H), 4.42 (q, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.42 (t, 3H).
【0120】
d)2−(アセチル−アリル−アミノ)−6−メチル−イソニコチン酸
2−アセチルアミノ−6−メチル−イソニコチン酸エチルエステル 5.0g(22.5mmol)、炭酸カリウム4.7g(33.7mmol)および臭化アリル3.8ml(45mmol)の混合物をDMF20ml中で撹拌する。15時間後、反応はTLC分析によると完了していない。臭化アリル(1.9ml、22.5mmol)、炭酸セシウム(7.3g、22.5mmol)およびテトラブチルヨウ化アンモニウム(8.3g、22.5mmol)を加え、混合物を2日間撹拌する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルのクロマトグラフィーに付す(グラジエント トルエン/TBME 8〜2:1)。分離できなかった10%アリルエステルで汚染されたエチルエステルの収量5.79g。生成物をMeOH50mlに溶解させ、水性1N 水酸化ナトリウム26.5mlで処理する。出発物質が消滅したとき、混合物を1N HClで中和し(pH3)、酢酸エチルで抽出する。生成物を蒸発させ、水性MeOHから結晶化して表題化合物を白色結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.73 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 5.93-5.82 (m, 1H), 5.16-5.07 (m, 2H), 4.52-4.46 (m, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.07 (s, 3H).
【0121】
構造ブロックA10: 2−アリルアミノ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸
a)2−クロロ−6−メチル−1−オキシ−イソニコチン酸
2−クロロ−6−メチル−イソニコチン酸(6.86g、40mmol、1当量)をAcOH(40ml)に溶解させる。過酸化水素(水中35%)2mlを反応混合物に加え、反応物を76時間95℃で撹拌する。反応時間中、過酸化水素(水中35%)2mlを5回、一定間隔で加える。反応混合物を濃縮し、トルエンと共蒸発させて生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, dmso-d6): 8.05 (d, 1H), 7.96 (d, 1H), 2.46 (s, 3H).
【0122】
b)2−クロロ−6−ヒドロキシメチル−イソニコチン酸
2−クロロ−6−メチル−1−オキシ−イソニコチン酸(7.3g、39mmol、1当量)を酢酸無水物に溶解させ、反応混合物を100℃で2時間撹拌する。反応混合物を40℃に冷却し、水(40ml)を2時間にわたって加える。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH/AcOHを比360:39:1で用いる)、アセチル化生成物を得る。該アセチル化生成物をMeOH(50ml)に溶解させ、水性2N 水酸化ナトリウム(25ml)を加えた。反応物を4時間撹拌し、2N HClで希釈した。混合物を濃縮し、そしてDCMで希釈した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
MS (ES-): 186 = [M-H]-
【0123】
c)2−クロロ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸
2−クロロ−6−ヒドロキシメチル−イソニコチン酸(4.6g、24.5mmol、1当量)をDMF100mlに溶解させる。水素化ナトリウム(3.53g、73.5mmol、3当量)を0℃で加える。反応混合物を1時間、10℃で撹拌し、次にヨウ化メチル(7.63ml、123mmol、5当量)を15分以内に加える。反応物を室温で4時間撹拌し、これを水性4N 水酸化ナトリウム10mlでクエンチする。反応混合物を4N HClで希釈し、濃縮する。残渣をDCM/MeOH 9:1で希釈し、有機層を濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(DCM/EtOH/AcOHを比180:19:1で用いる)、生成物を得る。
MS (ES+): 202 = [M+H]+
【0124】
d)2−クロロ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸tert−ブチルエステル
2−クロロ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸(3.48g、15.5mmol、1当量)をトルエン(60ml)に溶解させ、80℃で加熱する。N,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tertブチルアセタール(7.53ml、31mmol、2当量)を少量ずつ8時間にわたって加える。反応混合物をTBMEで希釈し、水性重炭酸ナトリウムで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
MS (ES+): 258 = [M+H]+
【0125】
e)2−アリルアミノ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸tert−ブチルエステル
Pd(OAc)2(97mg、0.42mmol、0.05当量)、(+/−)−BINAP(269mg、0.42mmol、0.05当量)、tertブタノレートナトリウム(1.66g、17mmol、2当量)およびアリルアミン(784mg、12.7mmol、1.5当量)をトルエン(80ml)に溶解させ、50℃で20分間撹拌する。2−クロロ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸tert−ブチルエステル(1.38g、5.4mmol、1当量)をトルエン(20ml)に溶解させて、反応混合物に50℃で20分以内に加える。反応物を50℃で1時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、氷およびTBME(200ml)に注ぐ。塩化アンモニウム4gを加え、混合物を20分間撹拌する。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.18 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.02-5.92 (m, 1H), 5.37-5.19 (m, 2H), 4.88-4.82 (m, 1H), 4.47 (s, 2H), 4.01-3.97 (m, 2H), 3.50 (s, 3H), 1.62 (s, 9H).
【0126】
f) 2−アリルアミノ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸
2−アリルアミノ−6−メトキシメチル−イソニコチン酸tert−ブチルエステル(270mg、0.97mmol、1当量)をジオキサン中4N HCl(4.9ml)に溶解させる。反応物を83時間、室温で撹拌する。反応混合物を濃縮し、トルエンと共蒸発させて生成物を得る。
MS (ES+): 223 = [M+H]+
【0127】
構造ブロックB1: [(1S,3S)−5−アリルオキシ−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
a)4−アリルオキシ−酪酸
γ−ブチロラクトン13.77g(160mmol)および水性4N 水酸化ナトリウム40mlの混合物を10分間還流し、蒸発させる。残留白色固体を80℃、高真空下で乾燥させる。生成物を無水DMSO 200ml中に取り、続いて無水塩化リチウム 6.3g(150mmol)およびtert−ブトキシドリチウム 12g(150mmol)を加える。臭化アリル25.4ml(300mmol)を氷冷下、反応温度が35℃を超えないような速度で加える。混合物を3時間撹拌する。水性2N 水酸化ナトリウム(300ml)を加える。1時間撹拌後、混合物をTBME 100mlで洗浄し、6N HClおよび氷で酸性化し、そしてEtOAcで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させる。蒸留によって生成物を、無色液体として得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 6.00-5.87 (m, 1H), 5.30 (dt, 1H), 5.21 (dt, 1H), 4.00 (m, 2H), 3.54 (t, 2H), 2.53 (t, 2H), 1.96 (q, 2H).
【0128】
b)(R)−3−((R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチリル)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン
4−アリルオキシ−酪酸13.78g(95.66mmol)のTHF400ml溶液に、−30℃で撹拌下、塩化ピバロイル11.54g(95.66mmol)およびトリエチルアミン34.7ml(248.7mmol)を加える。混合物を1.5時間、−20℃で撹拌し、(R)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン 26.9g(95.66mmol)、次に塩化リチウム 4.66g(110mmol)を加える。混合物を一晩、温度を20℃にゆっくりと上昇させながら撹拌する。10%塩化アンモニウム水溶液(300ml)およびTBME 300mlを加える。有機相を1N HCl、水性1N 水酸化ナトリウムおよび塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をTBME/ヘキサン中に取り、1時間撹拌後、(R)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン 1.68gを濾過によって除去する。生成物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.53-7.30 (m, 10H), 5.95-5.85 (m, 1H), 5.41 (d, 1H), 5.26 (dt, 1H), 5.18 (dt, 1H), 3.92 (d, 2H), 3.42 (t, 2H), 309-2.99 (m, 1H), 2.91-2.82 (m, 1H), 2.05-1.83 (m, 3H), 0.92 (d, 3H), 0.89 (d, 3H).
【0129】
c)(R)−3−((R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチリル)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン
(R)−3−((R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチリル)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン 34.2g(84mmol)のTHF250ml溶液に、1M ナトリウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液100ml(100mmol)を、−70℃で30分間にわたって加える。混合物を1.5時間、−70℃で撹拌し、ヨードメタン26.2ml(420mmol)を加える。混合物を冷却浴から取り出すことなく、ゆっくりと温めながら撹拌する。2時間後、TLC分析によると反応が完了し、そして10%塩化アンモニウム水溶液400mlおよびTBME300mlに注ぐ。有機相を5%クエン酸および大量の水で洗浄する。全溶媒の除去後、(R)−3−((R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチリル)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オンを無色油状物として得て、これはさらなる変換のために十分純粋である。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.56-7.29 (m, 10H), 5.77-5.67 (m, 1H), 5.46 (d, 1H), 5.15 (dt, 1H), 5.09 (dt, 1H), 3.83-3.75 (m, 1H), 3.64-3.56 (m, 2H), 3.22-3.16 (m, 1H), 3.09-3.02 (m, 1H), 2.04-1.88 (m, 2H), 1.61-1.53 (m, 1H), 1.30 (d, 3H), 0.91 (d, 3H), 0.80 (d, 3H).
【0130】
d)(R)−4−アリルオキシ−2−メチル−酪酸メチルエステル
(R)−3−((R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチリル)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン 36g(85.5mmol)のTHF180mlおよびMeOH450mlの溶液に、無水臭化リチウム35.7g(410mmol)を10℃で加える。5分後、混合物が均一になり、そしてDBU 13g(85.5mmol)を加える。5時間後、冷却下で10%塩化アンモニウム水溶液180mlおよび水500mlを加える。混合物を濾過し、濾過ケーキを水およびTBMEで洗浄する。キラル補助基13.4gを回収する。濾液をTBMEで2回抽出し、合併した有機層を1N HClおよび塩水で洗浄する。生成物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、1mmHg、bp.40−41℃で無色液体として蒸留する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 5.99-5.87 (m, 1H), 5.29 (dt, 1H), 5.20 (dt, 1H), 3.98 (d, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.51-3.45 (m, 2H), 2.71-2.62 (m, 1H), 2.08-1.98 (m, 1H), 1.76-1.67 (m, 1H), 1.21 (d, 3H).
【0131】
e)(R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブタン−1−オール
(R)−4−アリルオキシ−2−メチル−酪酸メチルエステル 12.9g(75mmol)のジエチルエーテル10ml溶液を水素化アルミニウムリチウム2.85g(75mmol)のジエチルエーテル100ml懸濁液に、還流下、滴下する。混合物を1時間室温で撹拌する。注意深く水2.9ml、水性4N 水酸化ナトリウム2.9mlおよび水6.5mlを加えて、過剰の水素化アルミニウムリチウムを破壊する。室温で1時間撹拌後、混合物を濾過し、蒸発させて表題化合物を無色液体として得て、これはさらなる変換のために十分純粋である。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 6.00-5.89 (m, 1H), 5.32 (dt, 1H), 5.22 (dt, 1H), 4.03 (d, 2H), 3.62-3.45 (m, 2H), 1.90-1.58 (m, 3H), 0.98 (d, 3H).
【0132】
f)2−((S)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチル)−マロン酸ジエチルエステル
塩化トシル21.9g(115mmol)を(R)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブタン−1−オール 15.2g(105mmol)の無水ピリジン150ml溶液に、+10℃で少量ずつ加える。混合物を室温で一晩撹拌する。過剰のTsClを水0.5mlを加えて破壊し、1時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、TLC分析によって全てのピリジンが除去されるまで5%水性クエン酸で洗浄する。続いて水(4×)で洗浄し、蒸発させて粗トシレート28.35gをわずかに着色した油状物として得る。この生成物をTHF10ml中に取り、そしてナトリウムジエチルマロネートの溶液(THF100ml中ジエチルマロネート21.6ml(142mmol)および水素化ナトリウム5.68g(142mmol、鉱油中60%)から製造)に撹拌下、加える。該均一溶液にテトラブチルヨウ化アンモニウム1g(2.7mmol)およびDMF35mlを加える。混合物を75℃で一晩加熱する。反応の間、ナトリウムトシルスルホネートが沈殿する。冷却後、混合物を5%塩化アンモニウムで希釈し、EtOAcで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させる。過剰のジエチルマロネートを高真空下で蒸留して除去し、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(EtOAc/ヘキサン=1:20;1:8および1:3)、表題化合物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 6.00-5.89 (m, 1H), 5.29 (dt, 1H), 5.20 (dt, 1H), 4.22 (q, 4H), 3.99 (d, 2H), 3.48 (q, 2H), 2.05-1.98 (m, 1H), 1.78-1.60 (m, 2H), 1.53-1.47 (m, 1H), 1.30 (t, 6H) 0.97 (d, 3H).
【0133】
g(S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル
金属ナトリウム2.01g(87.4mmol)のEtOH75ml溶液に、2−((S)−4−アリルオキシ−2−メチル−ブチル)−マロン酸ジエチルエステル 25g(87.4mmol)を加える。混合物を−20℃に冷却し、亜硝酸イソアミル12.2ml(87.4mmol)を加える。出発物質が消滅するまで混合物を−10℃で撹拌する。水を加え、混合物を2N HClでpH5に酸性化し、EtOAcで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて粗(S)−6−アリルオキシ−2−[(Z)−ヒドロキシイミノ]−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル 18.2gを得る。中間体オキシムをAcOH250ml中Zn粉末20g(306mmol)で処理する。反応は発熱性であり、温度が45℃に上昇する。混合物を室温で一晩撹拌し、セライトで濾過し、蒸発させ、速やかに酸無水物23gおよびトリエチルアミン31mlで処理する。2時間後、混合物をEtOH/水200mlで希釈し、1時間撹拌する。混合物をEtOAcで抽出し、有機相を10%水性炭酸ナトリウム、5%水性クエン酸および塩水で洗浄する。シリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:2;1:1)後、表題化合物をジアステレオマーの1:1混合物として得る。
MS(ES+): 272 = [M+H]+
【0134】
h)(2S,4S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル
(2S,4R/S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル 15.87g(58.48mmole)のリン酸バッファーpH7.5 60g懸濁液を、Alcalase Typ DX(Lot: PMNO466)160μlでpH維持(pH-stat)条件下で処理する。変換が49.1%に達したとき、反応混合物をpH8に調節し、DCMで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して望ましくない異性体を黄色油状物として得る。
(2R,4S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル
92.92%d.e.(HPLC Chiralpak AD-H 1192、250×4.6mm、5μl、ヘキサン/EtOH/MeOH 96/2/2、1ml/分)保持時間=12.53分(2R,4S)、17.63分(2S,4S).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 1.00 (d, 3H),1.30 (t, 3H), 1.40-1.80 (m, 5H), 2.00 (s, 3H), 3,45 (m, 2H), 3.95 (d, 2H), 4.20 (q, 2H), 4.60 (q,1H), 5.20 (dd, 2H), 5.90 (m, 2H), 6.10 (d, 1H).
【0135】
生成物を含む水溶液をさらに精製することなく次の工程に用いる。
(2S,4S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル
Rf: (AcCN/EtOH/酢酸/H2O = 70/20/5/5): 0.67.
【0136】
i)(2S,4S)−6−アリルオキシ−2−アミノ−4−メチル−ヘキサン酸
(2S,4S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステルを含む水相に、CoClを加えて最終濃度10−4モルとする。Acylase Amano(Lot: ACV12502)250mlを加えた後、(2S,4S)−2−アセチルアミノ−6−アリルオキシ−4−メチル−ヘキサン酸エチルエステルが完全に消失するまで混合物を室温で撹拌する。この溶液をさらに精製することなく次の工程に使用する。
Rf: (AcCN/EtOH/酢酸/H2O = 70/20/5/5): 0.21.
【0137】
j)(2S,4S)−6−アリルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−ヘキサン酸
(2S,4S)−6−アリルオキシ−2−アミノ−4−メチル−ヘキサン酸の水溶液に、THF100ml、次に炭酸ナトリウム7.9g(57.1mmol)およびBocO 9.4g(43.7mmol)を0℃で加える。一晩rtで撹拌後、THFを真空下で除去し、水性反応混合物をDCMで3回洗浄する。pHを3に調節し、水溶液をDCMで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、生成物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 1.00 (d, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.50-1.80 (m, 4H), 3.50 (m, 2H), 4.00 (d, 2H), 4.30 (m, 1H), 5.00 (d, 1H), 5.25 (m, 2H), 5.90 (m, 1H)
【0138】
k)(2S,4S)−6−アリルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−ヘキサン酸メチルエステル
(2S,4S)−6−アリルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−ヘキサン酸 5.3g(17.2mmol)のDMF17.2ml溶液を0℃に冷却し、炭酸カリウム(粉末)4.81g(34.5mmol)およびヨウ化メチル1.73ml(3.94g、27.7mmol)を加え、混合物を2.5日間、rtに温めながら撹拌する。水85mlを加えた後、混合物をトルエンで抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて無色油状物として生成物を得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.19 (d, 1H), 5.91-5.82 (m, 1H), 5.25-5.19 (m, 1H), 5.13-5.09 (m, 1H), 4.04-3.97 (m, 1H), 3.91-3.88 (m, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.39 (t, 2H), 1.66-1.48 (m, 3H), 1.43-1.30 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 0.84 (d, 3H).
【0139】
l)[(1S,3S)−5−アリルオキシ−1−(2−クロロ−アセチル)−3−メチル−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(2S,4S)−6−アリルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−ヘキサン酸メチルエステル 315mg(1.00mmol)のTHF 10ml溶液を−78℃で冷却し、クロロヨード−メタン0.30ml(4.0mmol)を加える。反応混合物の温度が−73℃を超えないように、0.84M LDA(5.94ml、5.0mmol)のTHF溶液を滴下し、混合物をさらに30分間撹拌する。温度が−65℃を超えないように、反応を氷酢酸1.1ml(19.2mmol)で注意深くクエンチする。−75℃で15分間撹拌後、混合物を0℃に温め、半飽和塩化ナトリウム水溶液15mlを加える。混合物をTBMEで抽出し、有機層を水性1M 重炭酸ナトリウムおよび1M 亜硫酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。生成物をさらに精製することなく次の工程に使用する。
MS (LC/MS): 355.8 = [M+Na]+
【0140】
m)[(1S,3S)−5−アリルオキシ−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
水素化ホウ素ナトリウム 77mg(2.0mmol)のEtOH22ml溶液を−78℃に冷却し、粗[(1S,3S)−5−アリルオキシ−1−(2−クロロ−アセチル)−3−メチル−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル 605mg(1.00mmol)のEtOH 6ml溶液を、内部温度が−75℃を超えないように滴下する。撹拌を−78℃で30分間続けた後、内部温度が−70℃を超えないように、0.5M HCl 4.0mlを滴下する。混合物をrtに温め、pHを7に調節し、EtOHを蒸発させる。残渣をEtOAcに取り、半飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して(シクロヘキサン/EtOAc 90/10から80/20)、生成物を淡褐色アモルファス固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 6.56 (d, 1H), 5.90-5.80 (m, 1H), 5.24-5.18 (m, 2H), 5.12-5.08 (m, 1H), 3.90-3.86 (m, 2H), 3.56 (d, 1H), 3.47-3.40 (m, 2H), 3.37 (t, 2H), 1.61-1.42 (m, 2H), 1.40-1.28 (m, 4H), 1.36 (s, 9H), 0.81 (d, 3H).
【0141】
下記化合物を対応するニトリルから、既知の方法と同様に得ることができる。ニトリルは商業的に入手可能であるか、または既知の方法と同様に製造することができる。
【0142】
構造ブロックC1: 1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.26 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.08 (dd, 1H), 1.29 (s, 9H), 1.21-1.16 (m, 2H), 0.95-0.91 (m, 2H).
【0143】
構造ブロックC2: 1−(4−イソプロピル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.23 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 6.95 (dd, 1H), 2.19-2.80 (m, 1H), 1.21 (d, 6H), 1.17 (q, 2H), 0.91 (q, 2H).
【0144】
構造ブロックC3: 1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.40-7.37 (m, 1H), 7.28-7.26 (m, 2H), 7.16-7.12 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 1.10-1.06 (m, 2H), 1.02-0.98 (m, 2H).
【0145】
構造ブロックC4: 1−(5−ブロモ−ピリド−3−イル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.42 (t, 2H), 7.94 (t, 1H), 1.01 (d, 4H).
【0146】
構造ブロックC5: 1−[5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−イル]−シクロプロピルアミン
a)(Z)−2−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−4−オキソ−ヘプト−2−エン酸エチルエステル
ナトリウムエタノレート(128.5g、1.79mol)のEtOH(2500ml)溶液に、氷冷下、窒素雰囲気下で4,4−ジメチル−ペンタン−2−オン(195.0g、1.71mol)を加える。30分後、オキサル酸ジエチルエステル(231.5g、1.71mol)を加える。rtで24時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、6N aq塩酸でpH2に酸性化する。混合物を約1Lに濃縮し、DCMで抽出する。合併した抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して生成物を褐色液体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 6.32 (s, 1H), 4.35 (q, 2H), 2.33 (s, 2H), 1.60 (t, 3H), 1.04 (s, 9H).
【0147】
b)5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−カルボン酸
(Z)−2−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−4−オキソ−ヘプト−2−エン酸エチルエステル(298.5g、1.39mol)のEtOH(1600ml)溶液に、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(106.5g、1.53mol)を加え、そして得られた溶液を室温で24時間撹拌する。2N aq水酸化ナトリウム(1740ml、3.48mol)を該反応物に加え、得られた溶液をrtで2時間撹拌する。反応混合物を6N aq塩酸で酸性化し、約3Lに濃縮し、EtOAc(2000ml)で抽出する。合併した有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。得られた固体をエーテルで洗浄し、乾燥させて生成物を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO- d6): 6.61 (s, 1H), 2.72 (s, 2H), 0.94 (s, 9H).
【0148】
c)5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−カルボン酸tert−ブチルアミド
5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−カルボン酸(125.4g、0.685mol)のTHF(1500ml)およびMeCN(1500ml)溶液に、HOBT(101.75g、0.753mol)およびEDCI(144.3g、0.753mol)を加える。30分間撹拌後、tert−ブチルアミン(86.7ml、0.821mol)を窒素雰囲気下で滴下し、反応物をrtで1.5時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をDCM(2000ml)中に取る。混合物を飽和aq重炭酸ナトリウム(500ml×2)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカのクロマトグラフィーで精製して(DCM)、生成物を白色固体として得る。
MS (LC/MS): 239 = [M+H]+
【0149】
d)5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−カルボニトリル
5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−カルボン酸tert−ブチルアミド(58.0g、0.243mol)およびオキシ塩化リン(III)(156ml、1.70mol)の混合物を窒素雰囲気下で還流温度で2時間加熱する。反応混合物をrtに冷却し、濃縮して過剰のオキシ塩化リン(III)を除去する。残渣をDCM(2000ml)で希釈し、飽和aq重炭酸ナトリウム(500ml×2)で洗浄する。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカのクロマトグラフィーで精製して(DCM/ヘキサン 1/1)、標的化合物を黄色液体として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 6.36 (s, 1H), 2.74 (s, 2H), 1.00 (s, 9H).
【0150】
e)1−[5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−イル]−シクロプロピルアミン
5−(2,2−ジメチル−プロピル)−イソキサゾール−3−カルボニトリル 5g(30.4mmol)およびチタニウム(IV)イソプロポキシド10.1ml(34.1mmol)の無水ジエチルエーテル150ml混合物に、臭化エチルマグネシウム溶液(ジエチルエーテル中3M、66.0mmol)22mlを−70℃で加える。反応混合物を2時間以内にrtに到達させ、ボロントリフルオライド−ジエチルエーテレート 7.6ml(60.6mmol)を加え、撹拌を1時間続ける。1M aq塩酸90mlおよびジエチルエーテル450mlを加えた後、2つの透明な相が得られ、これらを10% aq水酸化ナトリウム300mlで処理する。水相をジエチルエーテルで抽出する。合併した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて暗橙色油状物を得る。C18-結合溶出カラム(Varian)でTHF/MeCNを用いて濾過した後、油状物をHPLCで精製する(テトロヒドロフラン6mlに溶解、25インジェクション、XBridge C18 カラム、19×150mm、5μM、グラジエント 水中95%MeCNから水中10% MeCN、0.02%水酸化アンモニウムを含む)。合併した生成物フラクションを濃縮し、生成物をDCMで抽出して生成物を橙色固体として得る。
1H-NMR (360 MHz, CDCl3): 5.50 (s, 1H), 2.50 (s, 2H), 1.80 (br s, 2H), 1.10-1.05 (m, 2H), 0.95-0.90 (m, 2H), 0.90 (s, 9H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】

〔式中、
は−(CHN(R)Rであり、ここで
kは0、1または2であり;
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基であり;そして
は(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで
(a)Rを担持する窒素原子に結合した炭素環員とは異なる(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、所望により、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、
(b)(C3−8)シクロアルキル基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択される1−4個の置換基で置換されており、そして
(c)(C3−8)シクロアルキル基は所望により、2個の隣接する炭素環員で2個の置換基(これはそれらが結合する2個の隣接する炭素環員と一体となって(C3−8)シクロアルキル基を形成する)によって置換されており、
(i)前記2個の置換基が所望により結合している前記2個の隣接する炭素環員とは異なる、形成された(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、そして
(ii)形成された(C3−8)シクロアルキル基は所望により、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1−4個の置換基で置換されており;
は水素または(C1−8)アルキルであり;
は水素、(C1−8)アルキル、または所望により置換された(C1−8)アルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキルOC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、ヘテロアリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、(C1−4)アルキルC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルC(=O)NH、アリールC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルC(=O)NH、ヘテロアリールC(=O)NHもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルC(=O)NH基であり;
Uは結合、CF、CFCF、CHF、CHFCHF、シクロプロプ−1,2−イレン、(C1−3)アルキレンオキシ、(C1−3)アルキレンアミノ、(C1−8)アルキレン、NR、または芳香環もしくはヘテロ芳香環(当該環は所望によりハロゲン、(C1−8)アルコキシ、ヒドロキシまたは(C1−8)アルキルで置換されている)であり、ここでZとVは互いにオルト位またはメタ位に存在し、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
VはCH=CH、シクロプロプ−1,2−イレン、CHCH(OH)、CH(OH)CHまたはCRCRであり、ここで
各Rは独立して水素、フッ素または(C1−8)アルキルであり;
は水素であり、そして
はヒドロキシであるか
または
とVは一体となってオキソであり;
Wは(C1−8)アルキレン、O、S、S(=O)、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(=O)NRまたはNRであり、ここで
は水素または(C1−8)アルキルであり;
Xは所望により置換された芳香環またはヘテロ芳香環であり、これにYおよびC(=O)NRがメタ位で互いに結合しており;
Yは結合、O、S(=O)、S(=O)NR、N(R)S(=O)、NR、C(R)OH、C(=O)NR、N(R)C(=O)、C(=O)N(R)OまたはON(R)C(=O)であり、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
ZはO、CH、CF、CHF、CH=CH、シクロプロプ−1,2−イレンまたは結合であり;そして
nは0から5であり、
大環状環に含まれる環原子の数は14、15、16または17個である〕
の化合物。
【請求項2】
遊離塩基形または酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物の製造方法であって、
a)RがN(R)Rであり、Vが水素であり、そしてVがヒドロキシである式Iの化合物の製造のために、式
【化2】

〔式中、R、R、U、V、W、X、Y、Zおよびnは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物を式
HN(R)R(III)
〔式中、RおよびRは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物と反応させる工程、または
b)各場合においてオープン鎖の2個の末端の各々で炭素−炭素二重結合を担持している好適なオープン鎖前駆体化合物を、触媒、例えばルテニウム、タングステンもしくはモリブデン錯体の存在下でのメタセシスによって環化する工程、
次に各場合において所望により、得られた化合物の還元、酸化もしくは他の官能化、および/または所望により存在する任意の保護基の切断工程
そして上記工程によって得られた遊離塩基形または酸付加塩形の式Iの化合物を回収する工程を含む、方法。
【請求項3】
医薬として使用するための、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物。
【請求項4】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害の処置に使用するための、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物。
【請求項5】
有効成分として遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物、および薬学的担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害の処置用医薬としての、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物の使用。
【請求項7】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害の処置用医薬の製造のための、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物の使用。
【請求項8】
処置を必要とする対象におけるベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害を処置する方法であって、当該対象に治療上有効量の遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物を投与することを含む方法。
【請求項9】
治療上有効量の遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物と第2の薬剤物質を含む、同時、または個別投与のための組合せ剤。

【公表番号】特表2009−544599(P2009−544599A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519995(P2009−519995)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057540
【国際公開番号】WO2008/009750
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】