説明

CATVシステムの端末装置

【課題】自主放送のみを視聴対象とする端末ユニット10を使用して、緊急放送の放映機能を実現する。
【解決手段】同軸ケーブルのネットワークNを介して配信される一般放送を視聴可能なテレビ受像機TVと、ネットワークNを介して配信される自主放送を選択し、AV信号Sに変換してテレビ受像機TVに出力する端末ユニット10と、端末ユニット10に内蔵するリレー17とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地上波ディジタル放送などの高品位放送を含む一般放送の他、有料番組を含む自主放送を視聴することができるCATVシステムの端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルや旅館等の施設において広く実用されているCATVシステムは、テレビ受像機と端末ユニットとを組み合わせて構成する端末装置を使用することにより、ネットワークを介して配信される一般放送の他、同様にして配信される自主放送の番組を視聴することができる。
【0003】
端末ユニットは、一般放送、自主放送の全チャンネルを選択し得るチューナを内蔵しており、選択されたチャンネルのAV信号(映像信号と音声信号とを総称していう、以下同じ)を特定のチャンネルのテレビ放送信号に変換してテレビ受像機に出力する(たとえば特許文献1)。そこで、視聴者は、端末ユニットのチューナを選択操作することにより、テレビ受像機を介して全チャンネルの番組を視聴することができる。なお、自主放送の番組には、無料放送、有料放送の双方が含まれている。
【0004】
しかし、このような方式では、端末ユニットに内蔵するチューナは、地上波ディジタル放送などの高品位放送にも対応可能としなければならないので、端末ユニットのコストが過大になりがちである。そこで、テレビ受像機に内蔵のチューナを利用して高品位放送を含む一般放送を視聴させ、端末ユニットを自主放送の視聴に限定する方式も提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平8−223511号公報
【特許文献2】特開2006−148212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、端末ユニットは、火災や地震などの緊急事態の発生時に必要な緊急放送の放映機能を備えていないため、緊急放送の放映ニーズに応えることができないという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、自主放送のみを視聴対象とする端末ユニットを使用して、緊急放送の放映機能を容易に実現することができるCATVシステムの端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、同軸ケーブルのネットワークを介して配信される高品位放送を含む一般放送を視聴可能なテレビ受像機と、ネットワークを介して配信される自主放送を選択し、AV信号に変換してテレビ受像機の第1の外部入力端子に出力する端末ユニットと、端末ユニットに内蔵し、テレビ受像機の主電源をオンオフするリレーとを備えてなり、端末ユニットは、ネットワークを介して緊急放送の開始信号を受信すると、緊急放送用の緊急チャンネルを選択するとともに、リレーを介して、オフ中のテレビ受像機の主電源をオンし、またはオン中のテレビ受像機の主電源をオフしてオンすることをその要旨とする。
【0008】
なお、端末ユニットは、ネットワークを介して緊急放送の終了信号を受信すると、リレーを介して、テレビ受像機の主電源を緊急放送の開始信号の受信前の状態に復元することができ、テレビ受像機の主電源を復元するに先き立って、終了画像放送用の終了チャンネルを所定時間だけ選択することができる。
【0009】
第2発明(請求項4に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、同軸ケーブルのネットワークを介して配信される高品位放送を含む一般放送を視聴可能なテレビ受像機と、LANケーブルのネットワークを介し、要求に応じて配信される自主放送のデータをAV信号に変換してテレビ受像機の第1の外部入力端子に出力する端末ユニットと、端末ユニットに内蔵し、テレビ受像機の主電源をオンオフするリレーとを備えてなり、端末ユニットは、LANケーブルのネットワークを介して緊急放送の開始信号を受信すると、緊急放送の画像データを要求し、要求に応じて配信される画像データをAV信号に変換して出力するとともに、リレーを介して、オフ中のテレビ受像機の主電源をオンし、またはオン中のテレビ受像機の主電源をオフしてオンすることをその要旨とする。
【0010】
なお、端末ユニットは、LANケーブルのネットワークを介して緊急放送の終了信号を受信すると、リレーを介して、テレビ受像機の主電源を緊急放送の開始信号の受信前の状態に復元することができ、テレビ受像機の主電源を復元するに先き立って、終了画像のデータを要求し、要求に応じて配信される画像データをAV信号に変換して所定時間だけ出力することができる。
【発明の効果】
【0011】
かかる第1発明の構成によるときは、テレビ受像機は、それに内蔵するチューナを選択操作することにより、地上波ディジタル放送などの高品位放送を含む一般放送の全チャンネルを視聴することができる。一方、端末ユニットは、一般放送を除く自主放送だけを対象とし、テレビ受像機と共通のリモートコントローラ形の操作器を介して自主放送が選択されると、選択されたチャンネルのAV信号をテレビ受像機の第1の外部入力端子に出力するから、テレビ受像機を介し、端末ユニットにより選択された自主放送のチャンネルの番組を視聴することができる。ただし、テレビ受像機は、自主放送が選択されると同時に、リモートコントローラ形の操作器から一般放送のチャンネル選択、外部入力選択の各コードをこの順に送出することにより、外部入力モードが選択され、第1の外部入力端子が自動的に選択されるように設定されているものとする。
【0012】
また、端末ユニットは、ネットワークを介してセンタ装置から緊急放送の開始信号を受信すると、緊急放送用の緊急チャンネルを自動選択するとともに、内蔵のリレーを駆動制御することにより、オフ中のテレビ受像機の主電源を強制的にオンし、または、オン中のテレビ受像機の主電源を一時的にオフして再びオンすることにより、テレビ受像機を介して緊急放送の番組を視聴させ、緊急放送の放映機能を実現することができる。ただし、テレビ受像機は、主電源オンにより、外部入力モードが選択され、第1の外部入力端子が自動的に選択されるように設定されているものとする。なお、緊急放送の放送内容は、静止画像、動画像のいずれであってもよく、その組合せであってもよい。また、音声情報を伴っていてもよい。
【0013】
端末ユニットは、緊急放送の終了信号を受信すると、リレーを介してテレビ受像機の主電源を緊急放送の開始信号の受信前の状態に復元する。すなわち、テレビ受像機は、受信前に主電源オンであったか主電源オフであったかにより、その状態に自動的に復旧させることができる。なお、テレビ受像機の主電源を復元するに先き立って、端末ユニットは、終了画像放送用の終了チャンネルを選択することにより、たとえば緊急状態の解除メッセージを表示する終了画像をテレビ受像機から放映し、一層高度のサービスを提供することができる。ただし、終了画像は、静止画像、動画像のいずれであってもよく、音声情報を伴っていてもよい。
【0014】
第2発明の構成によるときは、高品位放送を含む一般放送は、同軸ケーブルのネットワークを介して配信され、自主放送は、センタに設置するサーバ装置から、LANケーブルのネットワークを介して、要求に応じてデータとして配信される。そこで、このときの端末ユニットは、緊急放送の開始信号を受信すると、緊急放送の画像データをサーバ装置に要求し、要求に応じて配信されるデータをAV信号に変換して出力することにより、テレビ受像機を介して視聴させ、緊急放送の放映機能を実現することができる。内蔵のリレーによるテレビ受像機の主電源のオンオフ制御の内容や、自主放送の選択時や主電源オンの際のテレビ受像機自体の設定動作は、第1発明におけると全く同様である。
【0015】
なお、端末ユニットは、第1発明と同様に、緊急放送の終了信号を受信した際に、テレビ受像機の主電源を復元し、主電源を復元するに先き立って、終了画像の表示機能を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0017】
CATVシステムの端末装置は、テレビ受像機TV、端末ユニット10、リモートコントローラ形の操作器20を備えてなり(図1)、CATVシステムを構成する同軸ケーブルのネットワークNに接続されている。
【0018】
テレビ受像機TVは、図示しないチューナを内蔵しており、ネットワークNを介して配信される一般放送の全チャンネルを視聴することができる。なお、ネットワークNは、図示しないセンタ装置から、地上波ディジタル放送などの高品位放送を含む一般放送の他、ネットワークNに固有の自主放送を配信するものとし、自主放送には、有料放送、無料放送が含まれるものとする。テレビ受像機TVのRF入力端子は、分配器N1 を介してネットワークNに接続されている。また、テレビ受像機TVは、操作器20からの光信号Lt を受光する受光部TVa を有し、操作器20により任意の必要な操作をすることができる。
【0019】
端末ユニット10は、分配器N1 を介してネットワークNに接続されている。端末ユニット10の出力は、AV信号Sとして、テレビ受像機TVの複数の外部入力端子のうち、第1の外部入力端子に入力されている。なお、端末ユニット10は、操作器20からの光信号Lを受光する受光部11を有し、操作器20により、任意の必要な操作をすることができる。
【0020】
テレビ受像機TVの主電源用のコンセントTVb は、端末ユニット10に付設するリセプタクル18に接続されている。なお、端末ユニット10には、リレー17が内蔵されており(図1、図2)、リセプタクル18は、リレー17の接点17aを介して外部の商用電源ACに接続されている。商用電源ACは、端末ユニット10の電源としても分岐使用されている。
【0021】
端末ユニット10には、チューナ13が内蔵されている。チューナ13の入力側は、分配器16を介して分配器N1 に接続されており、出力側は、ビデオ処理部14を介し、AV信号Sとして外部に出力されている。また、受光部11の出力は、制御部12を介してチューナ13、ビデオ処理部14に個別に接続されている。制御部12は、モデム15を介して分配器16に双方向に接続されており、リレー17は、制御部12に接続されている。
【0022】
操作器20の表面には、電源キーK1 が装備され(図3)、データ放送用のキー群K2 、地上波アナログ放送の一般放送のチャンネル選択用のキー群K3 、地上波ディジタル放送、BS放送の高品位放送のチャンネル選択用のキー群K4 、有料放送を含む自主放送のチャンネル選択用のキー群K5 が配列されている。なお、キー群K3 には、音量キーが含まれている。操作器20上の各キーを操作すると、対応する光信号L、Lt が発光部21から送出され、それぞれテレビ受像機TV、端末ユニット10に対し、必要な操作を実行させることができる。
【0023】
テレビ受像機TVは、操作器20のキー群K3 、K4 に属する各キーを操作することにより、内蔵のチューナを介し、高品位放送を含む一般放送の任意のチャンネルを選択して視聴することができる。なお、このとき、電源キーK1 、キー群K3 に属する音量キー、キー群K2 に属する各キーが有効であり、キー群K2 に属するキーを操作することにより、双方向のデータ放送を楽しむこともできる。操作器20は、これらの各キーを操作することにより、テレビ受像機TVに対し、光信号Lt を介して所定のコードを送出することができるからである。なお、テレビ受像機TVは、電源キーK1 により、端末ユニット10のリレー17を介して主電源をオンオフさせることができる。また、テレビ受像機TVは、RF入力端子が無信号になっても、主電源オフの状態に自動的に移行しないものとする。
【0024】
一方、キー群K5 に属する各キーを操作すると、操作器20は、端末ユニット10に対し、光信号Lを介して自主放送のチャンネル選択のコードを送出する。そこで、端末ユニット10の制御部12は、光信号Lのコードを解読し、チューナ13を介して指定のチャンネルを選択するから、ビデオ処理部14は、指定のチャンネルのテレビ放送信号をAV信号Sに変換して出力する。よって、このときのテレビ受像機TVは、外部入力モードに選択して第1の外部入力端子に入力されるAV信号Sを再生することにより、端末ユニット10によって選択された自主放送が視聴可能となる。
【0025】
テレビ受像機TVの画面上には、ビデオ処理部14のオンスクリーンディスプレイ(OSD)機能により、必要に応じて制御部12によって選択するメッセージを併せて表示することができる。また、端末ユニット10には、有料放送が選択されたとき、ネットワークNを介して所定の課金制御信号をセンタ装置に送出するために、双方向のモデム15、分配器16が組み込まれている。ただし、有料放送視聴の課金処理は、たとえばプリペイドカードによって端末ユニット10側だけで課金金額を精算し、精算情報のみをセンタ装置に送出してもよい。
【0026】
操作器20は、自主放送のチャンネルのいずれかが選択されると、テレビ受像機TVを外部入力モードとし、第1の外部入力端子からのAV信号Sを再生させるために、たとえば図4のプログラムフローチャートに従って、テレビ受像機TV、端末ユニット10に対してそれぞれ光信号Lt 、Lを送出する。
【0027】
すなわち、プログラムは、自主放送のチャンネルのいずれかが選択されることにより起動し、まず、テレビ受像機TVに対し、光信号Lt を介して一般放送のチャンネル選択のコードを送出する(図4のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)。つづいて、プログラムは、端末ユニット10に対し、光信号Lを介して、自主放送のチャンネル選択のコードを送出する(2)。
【0028】
その後、プログラムは、テレビ受像機TVに対し、光信号Lt を介して外部入力選択のコードを送出する(3)。そこで、テレビ受像機TVは、図4のプログラムステップ(1)、(3)により、一般放送のチャンネル選択のコード、外部入力選択のコードをこの順に受光することによって、外部入力モードが選択され、第1の外部入力端子に入力されるAV信号Sを再生するように動作する一方、端末ユニット10は、プログラムステップ(2)により、操作器20によって選択された自主放送のチャンネルのテレビ放送信号をAV信号Sとしてテレビ受像機TVの第1の外部入力端子に入力させる。すなわち、このときのテレビ受像機TVは、選択された自主放送のチャンネルの番組が視聴可能である。
【0029】
なお、図4のプログラムステップ(1)、(3)において、光信号Lt は、操作器20上のキーの操作時間に拘らず、それぞれのコードを長時間(たとえば0.2〜1秒間、好ましくは0.5秒間程度)繰り返して送出することが好ましい。テレビ受像機TVの動作モードの切替を一層確実にするためである。また、図4のプログラムステップ(2)は、プログラムステップ(1)に先き立って実行してもよく、プログラムステップ(3)の後に実行してもよい。さらに、図4のプログラムステップ(1)〜(3)を実行するに際し、操作器20からの光信号Lt 、Lは、それぞれテレビ受像機TV、端末ユニット10の受光部TVa 、11の双方に確実に受光されるものとする。そのため、テレビ受像機TV、端末ユニット10の相対位置関係や、受光部TVa 、11の各受光指向性、操作器20の発光部21の発光強度、発光指向性などを適切に設定するものとする。
【0030】
端末ユニット10は、ネットワークNを介して図示しないセンタ装置から緊急放送の開始信号を受信すると、たとえば図5のプログラムフローチャートに従って作動する。ただし、緊急放送の開始信号は、分配器N1 を介して端末ユニット10に到達し、分配器16、モデム15を介して制御部12に入力されるから、制御部12は、図5のプログラムフローチャートに従って動作することができる。
【0031】
図5において、プログラムは、まず、テレビ受像機TVの主電源がオフであるか否か、すなわち、リレー17がオフであるか否かを確認する(図5のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)。テレビ受像機TVの主電源がオフであるときは(1)、リレー17をオンさせてテレビ受像機TVの主電源をオンするが(2)、テレビ受像機TVの主電源が既にオン中であるときは(1)、リレー17を一旦オフにしてオンさせることにより、テレビ受像機TVの主電源をオフしてオンする(3)。なお、テレビ受像機TVは、主電源をオンすることにより、外部入力モードに選択され、第1の外部入力端子が自動的に選択されるように設定されている。そこで、以後、チューナ13を介して緊急放送用の緊急チャンネルを選択すれば(4)、テレビ受像機TVは、ネットワークNを介してセンタ装置から緊急チャンネルを通して送出される緊急放送の画像を放映して視聴させることができる(図6)。
【0032】
端末ユニット10の制御部12は、ネットワークNを介してセンタ装置から緊急放送の終了信号を受信すると、たとえば図7のプログラムフローチャートに従って作動する。
【0033】
プログラムは、まず、チューナ13を介し、終了画像放送用の終了チャンネルを選択する(図7のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)。そこで、このときのテレビ受像機TVは、終了チャンネルを通してセンタ装置から送出される終了画像を放映して視聴させることができる(図8)。つづいて、プログラムは、適切な所定時間の経過を待った上(2)、チューナ13を介し、案内画像放送用の案内チャンネルを選択することにより(3)、テレビ受像機TVを介して、ホテルなどの施設からの案内メッセージを表示する案内画像を所定時間だけ放映して視聴させる((4)、図9)。その後、プログラムは、リレー17をオンまたはオフにすることにより、緊急放送の開始信号の受信前の状態にテレビ受像機TVの主電源を復元して(5)、終了する。
【0034】
図5、図7の一連の動作をまとめて図示すると、図10のとおりである。また、図6、図8、図9は、それぞれ緊急放送の画像、終了画像、案内画像の静止画像の一例であるが、これらの全部または一部は、動画像としてもよく、音声情報を伴うものであってもよい。さらに、図5において、プログラムステップ(4)は、プログラムステップ(1)の前に移動し、テレビ受像機TVの主電源をオンオフ制御するに先き立って実行してもよく、図7において、プログラムステップ(1)、(2)、プログラムステップ(3)、(4)の各組は、いずれか一方の組を省略し、他方の組のみとしてもよい。また、図7において、プログラムステップ(3)、(4)の組を省略するときは、センタ装置から、CATVシステム内の端末装置の全部または一部に対して案内開始信号を送出することにより、図5の緊急放送の画像の表示手順に倣って、またはビデオ処理部14のOSD機能を利用して、必要な案内画像をテレビ受像機TVに表示させることも可能である。
【他の実施の形態】
【0035】
CATVシステムの端末装置は、同軸ケーブルのネットワークNを介して配信される一般放送を視聴可能なテレビ受像機TVと、LANケーブルのネットワークLNを介し、要求に応じて配信される自主放送のデータをAV信号Sに変換して出力する端末ユニット10とを組み合わせて構成することができる(図11、図12)。なお、ネットワークNは、図示しないセンタ装置に接続されており、ネットワークLNは、図示しないセンタ側のサーバ装置に接続されている。また、テレビ受像機TV、リモートコントローラ形の操作器20の構成、動作は、図1、図2のそれと基本的に同一である。
【0036】
端末ユニット10は、チューナ13に代えてコンテンツデコーダ13aを備えており、モデム15、分配器16に代えて、双方向のLANインタフェース15aを備えている。その他の点は、図1、図2に示すものと同一である。なお、制御部12、コンテンツデコーダ13aは、映像複合ICとして、いわゆるメディアプロセッサを形成していてもよい。
【0037】
テレビ受像機TVは、ネットワークNを介して配信される一般放送の全チャンネルを視聴することができる。一方、操作器20を介して自主放送のチャンネルが選択されると、テレビ受像機TVは、図4のプログラムステップ(1)、(3)に従って、外部入力モードに選択された上、第1の外部入力端子が選択される。また、端末ユニット10の制御部12は、図4のプログラムステップ(2)に呼応して、LANインタフェース15a、ネットワークLNを介し、選択された自主放送のチャンネル相当のデータをサーバ装置に対して要求する。
【0038】
そこで、制御部12は、要求に応じてサーバ装置からネットワークLNを介して配信される自主放送のデータを受信すると、コンテンツデコーダ13aを介してデコードし、ビデオ処理部14を介してAV信号Sに変換してテレビ受像機TVの第1の外部入力端子に出力することにより、テレビ受像機TVを介して自主放送の番組を視聴させることができる。なお、必要な課金処理については、図1、図2におけると同様にして、サーバ装置において処理し、または管理することができる。
【0039】
端末ユニット10の制御部12は、ネットワークLN、LANインタフェース15aを介してサーバ装置から緊急放送の開始信号を受信すると、図13のプログラムフローチャートに従って作動する。プログラムは、まず、テレビ受像機TVの主電源のオンオフ状態をチェックし(図13のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)、リレー17を介してテレビ受像機TVの主電源をオンオフ制御することにより((2)、(3))、テレビ受像機TVを外部入力モードに選択するとともに第1の外部入力端子を選択させる。つづいて、プログラムは、サーバ装置に対して緊急放送の画像データを要求し(4)、要求に応じて配信される画像データをAV信号に変換して出力することにより(5)、テレビ受像機TVを介して緊急放送の画像を視聴させる。
【0040】
また、端末ユニット10の制御部12は、サーバ装置からの緊急放送の終了信号を受信すると、図14のプログラムフローチャートに従って作動する。すなわち、プログラムは、まず、サーバ装置に対して緊急放送の終了画像のデータを要求し(図14のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)、要求に応じて配信される終了画像のデータをAV信号Sに変換して出力することにより(2)、所定時間だけテレビ受像機TVを介して終了画像を視聴させる(3)。その後、サーバ装置に対して案内画像のデータを要求し(4)、要求に応じて配信される案内画像のデータをAV信号Sに変換して出力することにより(5)、所定時間だけテレビ受像機TVを介して視聴させた上(6)、リレー17を介し、テレビ受像機TVの主電源を緊急放送の受信前の状態に復元して(7)、終了する。
【0041】
なお、図13、図14の動作は、図15のようにまとめることができる。また、図13のプログラムステップ(5)による緊急放送の画像、図14のプログラムステップ(2)、(5)による終了画像、案内画像は、それぞれ図6、図8、図9に例示するとおりであり、図1、図2の端末ユニット10について述べたように、適宜変更してよいものとする。さらに、図13のプログラムステップ(4)、(5)は、プログラムステップ(1)の前に移動してもよく、図14のプログラムステップ(1)〜(3)、プログラムステップ(4)〜(6)の各組は、いずれか一方の組を省略してもよい。また、図14において、プログラムステップ(4)〜(6)の組を省略するときは、サーバ装置から、CATVシステム内の端末装置の全部または一部に対して案内開始信号を送出することにより、図13の緊急放送の画像の表示手順に倣って、またはビデオ処理部14のOSD機能を利用して、必要な案内画像をテレビ受像機TVに表示させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】全体構成ブロック系統図
【図2】要部詳細ブロック系統図
【図3】操作器の表面図
【図4】プログラムフローチャート(1)
【図5】プログラムフローチャート(2)
【図6】緊急放送の画像の例図
【図7】プログラムフローチャート(3)
【図8】終了画像の例図
【図9】案内画像の例図
【図10】総合動作フロー図
【図11】他の実施の形態を示す図1相当図
【図12】他の実施の形態を示す図2相当図
【図13】他の実施の形態を示す図4相当図
【図14】他の実施の形態を示す図7相当図
【図15】他の実施の形態を示す図10相当図
【符号の説明】
【0043】
N…同軸ケーブルのネットワーク
LN…LANケーブルのネットワーク
TV…テレビ受像機
S…AV信号
10…端末ユニット
17…リレー

特許出願人 北菱電興株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルのネットワークを介して配信される高品位放送を含む一般放送を視聴可能なテレビ受像機と、前記ネットワークを介して配信される自主放送を選択し、AV信号に変換して前記テレビ受像機の第1の外部入力端子に出力する端末ユニットと、該端末ユニットに内蔵し、前記テレビ受像機の主電源をオンオフするリレーとを備えてなり、前記端末ユニットは、前記ネットワークを介して緊急放送の開始信号を受信すると、緊急放送用の緊急チャンネルを選択するとともに、前記リレーを介して、オフ中の前記テレビ受像機の主電源をオンし、またはオン中の前記テレビ受像機の主電源をオフしてオンすることを特徴とするCATVシステムの端末装置。
【請求項2】
前記端末ユニットは、前記ネットワークを介して緊急放送の終了信号を受信すると、前記リレーを介して、前記テレビ受像機の主電源を緊急放送の開始信号の受信前の状態に復元することを特徴とする請求項1記載のCATVシステムの端末装置。
【請求項3】
前記端末ユニットは、前記テレビ受像機の主電源を復元するに先き立って、終了画像放送用の終了チャンネルを所定時間だけ選択することを特徴とする請求項2記載のCATVシステムの端末装置。
【請求項4】
同軸ケーブルのネットワークを介して配信される高品位放送を含む一般放送を視聴可能なテレビ受像機と、LANケーブルのネットワークを介し、要求に応じて配信される自主放送のデータをAV信号に変換して前記テレビ受像機の第1の外部入力端子に出力する端末ユニットと、該端末ユニットに内蔵し、前記テレビ受像機の主電源をオンオフするリレーとを備えてなり、前記端末ユニットは、前記LANケーブルのネットワークを介して緊急放送の開始信号を受信すると、緊急放送の画像データを要求し、要求に応じて配信される画像データをAV信号に変換して出力するとともに、前記リレーを介して、オフ中の前記テレビ受像機の主電源をオンし、またはオン中の前記テレビ受像機の主電源をオフしてオンすることを特徴とするCATVシステムの端末装置。
【請求項5】
前記端末ユニットは、前記LANケーブルのネットワークを介して緊急放送の終了信号を受信すると、前記リレーを介して、前記テレビ受像機の主電源を緊急放送の開始信号の受信前の状態に復元することを特徴とする請求項4記載のCATVシステムの端末装置。
【請求項6】
前記端末ユニットは、前記テレビ受像機の主電源を復元するに先き立って、終了画像のデータを要求し、要求に応じて配信される画像データをAV信号に変換して所定時間だけ出力することを特徴とする請求項5記載のCATVシステムの端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−92245(P2008−92245A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270302(P2006−270302)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000242530)北菱電興株式会社 (10)
【Fターム(参考)】