CRTH2アンタゴニストの粒子
非晶質、又は結晶形態態の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子、これらの製造方法、これらを含む医薬組成物、及びCRTH2を媒介した障害、又は疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるためのこれらの使用方法を本明細書に提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
非晶質、及び結晶形態の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子、その製造方法、及び医薬組成物が、本明細書に提供される。また、CRTH2を媒介した障害、若しくは疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるためのこれらの使用方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
CRTH2は、Th2細胞、好酸球、及び好塩基球上に発現されるGタンパク質結合化学誘引物質受容体である(Nagataらの文献、J. Immunol. 1999, 162, 1278-1286;Hiraiらの文献、J. Exp. Med. 2001, 193, 255-261)。肥満細胞から産生される主要な炎症性メディエーターであるプロスタグランジンD2(PGD2)は、CRTH2のための天然のリガンドである。最近では、PGD2によるCRTH2の活性化が、Th2細胞、及び好酸球の遊走、並びに活性化を誘導することが示されており、CRTH2がアレルギー疾患における炎症誘発性の役割を果たし得ることを示唆している(Hiraiらの文献、J. Exp. Med. 2001, 193, 255-261;Gervaisらの文献、J. Allergy Clin. Immunol. 2001, 108, 982-988)。また、アトピー性皮膚炎患者において、疾患の重症度に相関するCRTH2を発現する循環T細胞の増大があることが示された(Cosmiらの文献、Eur. J. Immunol. 2000, 30, 2972-2979;Iwazakiらの文献、J. Investigative Dermatology 2002, 119, 609-616)。アレルギー性の炎症の開始、及び維持におけるPGD2の役割は、更に、PGD2シンターゼによる生体内でのPGD2の過剰産生が気道炎症を増悪することを示すことにより、喘息マウスモデルにおいて証明された(Fujitaniらの文献、J. Immunol. 2002, 168, 443-449)。従って、CRTH2アンタゴニストは、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、気管支収縮、アトピー性皮膚炎、又は全身性炎症性障害などのCRTH2を媒介した障害、又は疾患の治療のために、潜在的に有用である。
【発明の概要】
【0003】
(開示の概要)
(I)非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの、式I:
【化1】
を有する{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子が提供される。式Iの化合物は、CRTH2アンタゴニスト(WO2004/0022218)として同定された。
【0004】
一つの実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、実質的に図1に示したとおりのX線粉末回折パターン、又は実質的に図2に示したとおりの示差走査型熱量測定熱記録を有する、形態Iを有する。
【0005】
別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、実質的に図6に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する、形態IIを有する。
【0006】
更に別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、非晶質である。
【0007】
また、非晶質形態、結晶形態I、若しくはII、又はこれらの混合物の4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子と1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0008】
非晶質形態、結晶形態I、若しくはII、又はこれらの混合物の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子を投与することを含む、CRTH2を媒介した障害、若しくは疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるための方法が、更に提供される。
【0009】
加えて、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子を製造するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】結晶形態Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子のX線粉末(XRP)回折記録を示す。
【0011】
【図2】形態Iの式Iの酸の粒子の示差走査型熱量測定(DSC)熱記録を示す。
【0012】
【図3】形態Iの式Iの酸の粒子の熱重量計(TG)熱記録を示す。
【0013】
【図4】2,500(A);5,000(B);及び10,000(C)の拡大率での形態Iの式Iの酸の粒子の走査電子顕微鏡(SEM)撮影を示す。
【0014】
【図5】形態Iの式Iの酸の粒子の粒度分布グラフを示す
【0015】
【図6】形態IIの式Iの酸の粒子のXRP回折記録を示す。
【0016】
【図7】370(A);2,000(B);5,500(C);及び10,000(D)の拡大率での形態IIの式Iの酸の粒子のSEM写真を示す。
【0017】
【図8】形態I、及び形態IIの粒子間の相平衡を介して得られた式Iの酸の粒子のXRP回折を示す。
【0018】
【図9】非晶質形態の式Iの酸のXRP回折を示す。
【0019】
【図10】CRTH2-トランスフェクト細胞を使用する競合的放射性リガンド結合アッセイにおける式Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド)ベンジル)-ピリミジン-5-イル}酢酸についての用量反応曲線を示す。 dpiとともに、
【0020】
【図11】DP1-トランスフェクト細胞を使用する競合的放射性リガンド結合アッセイにおける、比較のための選択的アンタゴニストBWA 868C(■)と共に、式Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド)ベンジル)-ピリミジン-5-イル}酢酸(▲)についての用量反応曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な記載)
本明細書に記載した開示の理解を促進するために、多数の用語を下記に定義してある。
【0022】
本明細書に使用される、単数形「ある」、及び「該」は、他に特別に明示されなければ、複数の物をいう。一般に、本明細書に使用される命名法、並びに本明細書に記述した有機化学、医薬品化学、及び薬理学における検査法は、当該技術分野において周知のものであり、かつ一般に使用される。他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての専門的、及び科学的な用語は、一般に、この開示が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における用語のために複数の定義がある場合、特に明記しない限り、この節のものが勝る。
【0023】
「抗溶剤」という用語は、その溶媒における化合物の溶解度を減少させて、化合物の沈澱を生じさせるために溶媒に添加される液体をいう。
【0024】
「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含むが、限定されない、動物をいう。典型的には、「対象」、及び「患者」という用語は、本明細書において、例えば哺乳動物対象、特にヒト被験者に関して、同義的に使用される。
【0025】
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、障害、若しくは疾患、又は障害、若しくは疾患と関連する1つ以上の症候を軽減し、又は抑止すること、又は障害、若しくは疾患それ自体の原因(群)を軽減し、又は根絶することを含むことが意味される。
【0026】
「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、疾患、及び/若しくはその付随する症候の発病を遅延し、若しくは妨げ、対象が疾患になることをなくし、又は対象が疾患になるリスクを減少させる方法をいう。
【0027】
「治療上有効量」という用語は、投与されたときに、治療される状態、又は障害の症候の1つ以上の発症を予防し、又はある程度に軽減するのに十分である化合物の量をいう。「治療上有効量」という用語は、また、研究者、獣医師、医学博士、又は臨床医によって探求される組織、系、動物、若しくはヒトにおいて生物学的、又は医学的反応を誘発するであろう化合物の量をいう。
【0028】
「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」という用語は、液体、若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬として許容し得る材料、組成物、又は媒体をいう。それぞれの成分は、医薬品製剤のその他の成分と適合性であるという意味において「医薬として許容され」なければならない。また、過剰の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又はその他の問題、若しくは合併症を伴わずに、ヒト、及び動物の組織、又は器官との接触に使用するために適して、合理的な利益/危険比で釣り合っていなければならない。
【0029】
「天然に存在する」、又は「天然の」という用語は、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞、等などの生物材料に関連して使用されるときに、天然に見いだされ、かつヒトによって操作されていない材料をいう。同様に、「天然に存在しない」、又は「非天然の」とは、天然に見いだされないか、又はヒトによって構造的に修飾され、若しくは合成された材料をいう。
【0030】
「CRTH2」という用語は、インビトロ、又はインビボでPGD2への細胞反応を媒介することができるCRTH2受容体タンパク質、又はその変異体をいう。CRTH2変異体は、天然のCRTH2に実質的に相同的なタンパク質、すなわち、天然のCRTH2のアミノ酸配列と比較して、1つ以上の天然に、若しくは非天然に存在するアミノ酸欠失、挿入、又は置換を有するタンパク質(例えば、CRTH2誘導体、相同体、及び断片)を含む。CRTH2変異体のアミノ酸配列は、天然のCRTH2と少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0031】
「その他のPGD2受容体」という用語は、インビボ、又はインビトロでPGD2への細胞反応を媒介することができる、CRTH2以外のプロスタノイド受容体タンパク質、又はその変異体をいう。「その他のPGD2受容体」は、PGD2、例えばDP、又はその他の1つ以上のその他のプロスタノイドに対して選択的であってもよい。「その他のPGD2受容体」変異体は、CRTH2以外の対応する天然のプロスタノイド受容体に実質的に相同的なタンパク質、すなわち1つ以上の天然に、若しくは非天然に存在するアミノ酸欠失、挿入、又は置換を有するタンパク質(例えば、CRTH2以外の天然のプロスタノイド受容体の誘導体、相同体、及び断片)を含む。天然の「その他のPGD2受容体」変異体のアミノ酸配列は、対応する天然の「その他のPGD2受容体」と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0032】
「CRTH2アンタゴニスト」という用語は、例えば、CRTH2活性、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体の活性を部分的、若しくは完全に遮断し、減少させ、妨げ、阻害し、又はダウンレギュレートする化合物をいう。また、「CRTH2アンタゴニスト」という用語は、CRTH2、又は1つ以上のその他のPGD2受容体に結合し、その活性化を遅延させ、不活性化し、又は除感作する化合物をいう。CRTH2アンタゴニストは、CRTH2、又は1つ以上のその他のPGD2受容体とPGD2の相互作用を妨げることによって作用し得る。
【0033】
「CRTH2を媒介した障害、又は疾患」、及び「CRTH2によって媒介される状態、障害、又は疾患」という用語は、不適当な、例えば正常CRTH2活性よりも少ない、若しくは高いCRTH2活性によって特徴づけられる状態、障害、又は疾患をいう。不適当なCRTH2機能活性は、通常CRTH2を発現しない細胞におけるCRTH2発現、例えば炎症性、及び免疫に関連した障害、若しくは疾患を引き起こすCRTH2発現の増加、又はその程度の細胞内活性化;又はCRTH2発現の減少の結果として生じるかもしれない。CRTH2を媒介した状態、障害、又は疾患は、不適当なCRTH2活性によって、完全に、又は部分的に媒介されてもよい。特に、CRTH2を媒介した状態、障害、又は疾患は、CRTH2、又は1つ以上のその他のPGD2受容体の調整により根底にある状態、又は障害に対していくらかの効果を生じるものであり、例えばCRTH2アンタゴニスト、又はアゴニストは、治療される患者の少なくともいくらかにおいていくらかの改善を生じる。
【0034】
「たたいた後の容積密度」という用語は、容器の底面に軽い衝撃を与えるように繰り返して予め定められた高さから試料で満たされた容器を落とすことなど、軽くたたくことを用いて、高密度に満たされた状態下の容積密度をいう。たたいた後の容積密度は、例えば、粉末検査器PT-D(Hosokawa Micron Corporation、Osaka、Japan)を使用して決定することができる。
【0035】
「均等係数」という用語は、粒子の粒度分布の均一性の程度を示すパラメーターをいい、粒子分布曲線から得られる60パーセンタイルにおける粒径を10パーセンタイルにおける粒径で割ることで得られる値として定義される。粒子粒度分布が、均一になるほど、均等係数は、1に近づく。
【0036】
(粒子)
非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子が本明細書に提供される。式Iの酸の粒子は、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、顕微鏡観察(例えば、走査電子顕微鏡検査(SEM))、熱分析(例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱的重量分析(TGA)、及びホットステージ顕微鏡検査)、及び分光法(例えば、赤外線、ラマン、固体状態核磁気共鳴)を含む、当業者に公知の多数の方法を使用して特徴づけてもよい。粒径、及び粒度分布は、レーザー光散乱技術などの従来法によって決定してもよい。式Iの酸の粒子の純度は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び質量分析(MS)などの標準的分析法によって決定してもよい。
【0037】
一つの実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、結晶形態Iである。一つの実施態様において、形態Iの粒子は、実質的に図1に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する。別の実施態様において、形態Iの粒子は、およそ9.8、13.1、22.0、及び26.4°の2θ角度に特徴的XRP回折ピークを有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、およそ9.8、13.1、22.0、又は26.4°の2θ角度に特徴的XRP回折ピークを有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、およそ22.0°の2θ角度に特徴的なXRP回折ピークを有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、実質的に図2に示したとおりの示差走査型熱量測定熱記録を有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、約224℃のピーク温度、及び約220℃のオンセット温度で吸熱をもつDSC熱記録を有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子の晶癖は、実質的に針状である(図4)。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、室温で約3μg/mLの水溶解度を有する。
【0038】
一つの実施態様において、形態Iの粒子は、約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲の平均粒径を有してもよい。別の実施態様において、形態Iの粒子は、約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲である、均等係数によって測定される、一様な粒度分布を有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲である、たたいた後の容積密度を有する。
【0039】
このような粒子特性をもつ粒子は、本明細書に記述した製造方法によって直接製造してもよい。或いは、このようなサイズの粒子は、また、製粉、微粉化、又は顆粒化などの任意の従来の粒子処理方を使用して製造してもよい。本明細書に提供される形態Iの粒子は、治療製品としての式Iの酸の直接製造のために適しており、従って、製造方法が単純になり、かつ望まれない多形変換などの従来の粒子処理方法に関連したリスクを排除する。
【0040】
特定の実施態様において、形態Iの式Iの酸の粒子は、式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。また、粒子は、形態Iの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。
【0041】
特定の実施態様において、形態Iの式Iの酸の粒子は、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有していてもよい。
【0042】
特定の実施態様において、形態Iの式Iの酸の粒子は、約100,000ppm以下、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、又は約100ppm以下の残留メタノール含量を有していてもよい。
【0043】
別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、結晶形態IIである。形態IIの粒子は、実質的に図6に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する。形態Iの粒子は、およそ31.7°の2θ角度に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0044】
一つの実施態様において、形態IIの粒子は、約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約1〜約5μm、又は約2〜約5μmの範囲である平均粒径であってもよい。別の実施態様において、形態IIの粒子は、約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲である、均等係数によって測定される、均一な粒度分布を有してもよい。更に別の実施態様において、形態IIの粒子は、約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲である、たたいた後の容積密度を有してもよい。
【0045】
このような粒子特性の粒子は、本明細書に記述した製造方法によって直接製造してもよい。或いは、このようなサイズの粒子は、また、製粉、微粉化、又は顆粒化などの任意の従来の方法を使用して製造してもよい。
【0046】
特定の実施態様において、形態IIの式Iの酸の粒子は、式Iの酸の酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。また、粒子は、形態IIの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。
【0047】
特定の実施態様において、形態IIの式Iの酸の粒子は、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有してもよい。
【0048】
更に別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、非晶質である。非晶質の粒子は、形態I、及び/又は形態IIの粒子に関する特徴的XRP回折ピークを欠いている、実質的に図9に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する。一つの実施態様において、非晶質の粒子は、式Iの酸の酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。別の実施態様において、粒子は、また、非晶質の粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。
【0049】
特定の実施態様において、式Iの酸の非晶質の粒子は、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有してもよい。
【0050】
X線粉末回折パターンのピークの数値は、機械間、又は試料間でわずかに変化し得るし、そして、引用される値は、絶対的として解釈されず、米国薬局方(ページ:387-389, 2007)において推奨される0.1°などの許容可能な変動をもつことを理解すべきである。
【0051】
(製造方法)
また、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの式Iの酸の粒子を製造するための方法が提供される。本方法は、式Iの酸を溶媒と接触させる工程を含み、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの式Iの酸の粒子を、溶液から、又は一つの固体形態から別の物に変換する。本方法は、単離工程を更に含んでいてもよく、粒子は、濾過、及び遠心分離、続く溶媒での洗浄、次いで乾燥(例えば、真空オーブン乾燥、風乾、又はデシケータ乾燥)などの従来法によって単離されていてもよい。
【0052】
非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの粒子の製造に使用するための適切な溶媒は、以下を含むが、限定されない:石油エーテル、ペンタン、ヘキサン(類)、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、及びクメンを含む炭化水素;ジクロロメタン(DCM)、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンを含む塩化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、及びエチレングリコールを含むアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、及びアニソールを含むエーテル;アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)を含むケトン;酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、及び酢酸ブチルを含むエステル;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンを含むカルボナート;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN,N-ジメチルアセトアミドを含むアミド;アセトニトリル(ACN)を含むニトリル;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド;スルホランなどのスルホン;ニトロメタン、及びニトロベンゼンなどのニトロ化合物;N-メチルピロリドン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、及びピリジンなどの複素環;酢酸、トリクロロ酢酸、及びトリフルオロ酢酸などのカルボン酸;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリンアミド;硫化炭素;水、及びこれらの混合物。
【0053】
結晶形態Iの式Iの酸の粒子は、冷却、チリング、溶媒蒸発、又は抗溶剤の添加を含むが、限定されない従来法を使用して、溶媒中の式Iの酸の溶液、又はスラリーから製造することができる。
【0054】
一つの実施態様において、形態Iの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて形態Iの粒子を精製する工程を含む。また、形態Iの粒子の形成を促進するために、本方法は、工程(b)に先行して、又はその間に、形態Iの結晶で溶液をシーディングすることによるシーディング工程を含んでいてもよい。本方法は、本明細書に記述したとおりの単離工程を更に含んでいてもよい。
【0055】
溶液は、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはII)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほぼ飽和した溶液として製造してもよい。飽和、又はほぼ飽和した溶液は、第1の温度より高い温度にて溶媒に式Iの酸の十分な量を溶解することによって製造することができ、その結果、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほぼ飽和した溶液が得られる。式Iの酸の十分な量は、第1の温度における溶媒中の形態Iの粒子の溶解度に基づいて見積もることができ、これは、当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0056】
第1の温度は、室温〜おおよその溶媒の沸点、例えば、約20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃の範囲であってもよい。第2の温度は、-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃の範囲であってもよい。第1の温度は、第2の温度よりも高くても、若しくは低くてもよく、又は同じでもよい。本方法の収率、及び効率を最大にするために、第2の温度は、通常、第1の温度よりも低く設定される。
【0057】
一つの実施態様において、形態Iの粒子は、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって形成される。溶媒蒸発は、熱、及び/又は真空を溶液に適用することによって促進することができる。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、又はこれらの混合物である。
【0058】
別の実施態様において、形態Iの粒子は、溶液を第2の温度に冷却することによって形成される。この場合、第2の温度は、第1の温度よりも低く設定される。一つの実施態様において、溶媒は、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、又はこれらの混合物である。
【0059】
更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、第2の温度にて溶液に抗溶剤を添加することによって形成される。
【0060】
適切な抗溶剤には、以下を含むが、限定されない:石油エーテル、ペンタン、ヘキサン(類)、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、及びクメンを含む炭化水素;ジクロロメタン(DCM)、1,2‐ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンを含む塩化炭化水素;イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、1-ブタノール、2‐ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-エトキシエタノール、及びエチレングリコールを含むアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、及びアニソールを含むエーテル;ブタノン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)を含むケトン;酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、及び酢酸ブチルを含むエステル;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンを含むカルボナート;ニトロメタン、及びニトロベンゼンを含むニトロ化合物;複素環;硫化炭素;水;並びにこれらの混合物。
【0061】
2つの溶媒が溶媒/抗溶剤対として使用されるときに、式Iの酸は、抗溶剤中よりも溶媒中においてより高い溶解度を有する。任意に、溶媒/抗溶剤対における溶媒、及び抗溶剤は、少なくとも部分的に混和性である。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、THF/水、DMF/MTBE、又はDMF/水である。
【0062】
更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、第2の温度にて抗溶剤に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、酢酸イソプロピル、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、THF/水、2-メトキシエタノール/ヘキサン、DMSO/水、又はDMF/水である。
【0063】
別の実施態様において、形態Iの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度にスラリーを曝露することによって形態Iの粒子を生成する工程を含む。スラリーは、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。本方法は、本明細書に記述したとおりのシーディング工程、及び/又は単離工程を更に含んでいてもよい。
【0064】
第1、及び第2の温度、及び溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、又はこれらの混合物である。
【0065】
更に別の実施態様において、形態Iの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;(b)第2の温度に溶液を冷却することによってスラリーを形成する工程;及び(c)1つ以上の加熱冷却サイクルにスラリーを曝露することによって形態Iの粒子を生成する工程を含む。本方法は、本明細書に記述したとおりのシーディング工程、及び/又は単離工程を更に含んでいてもよい。
【0066】
第1、及び第2の温度、及び溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、2-メトキシエタノール、MIBK、アセトン、1-ブタノール、エタノール、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水/THF(3:7、v/v)、又はこれらの混合物である。加熱冷却サイクルは、約-50〜約120℃、約-50〜約100℃、約-20〜約80℃、約0〜約80℃、約10〜約80℃、約20〜約80℃、約20〜約60℃、又は約20〜約50℃の間の温度範囲で行ってもよい。
【0067】
結晶形態IIの式Iの酸の粒子は、冷却、チリング、溶媒蒸発、又は抗溶剤の添加を含むが、限定されない従来法を使用して、溶媒中の式Iの酸の溶液、又はスラリーから製造することができる。
【0068】
一つの実施態様において、形態IIの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて形態IIの粒子を生成する工程を含む。形態IIの粒子の形成を促進するために、本方法は、また、工程(b)に先行して、又は間に、形態IIの結晶で溶液をシーディングすることによるシーディング工程を含んでいてもよい。本方法は、本明細書に記述したとおりの単離工程を更に含んでいてもよい。
【0069】
溶液は、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほぼ飽和した溶液として製造してもよい。飽和、又はほぼ飽和した溶液は、第1の温度よりも高い温度にて溶媒中に式Iの酸の十分な量を溶解することによって製造してもよく、その結果、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほぼ飽和した溶液が得られる。式Iの酸の十分な量は、第1の温度における溶媒中の形態IIの粒子の溶解度に基づいて見積もることができ、これは、当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0070】
一つの実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって形成される。溶媒蒸発は、熱、及び/又は真空を溶液に適用することによって促進することができる。一つの実施態様において、溶媒は、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、又はこれらの混合物である。
【0071】
別の実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度に溶液を冷却することによって形成される。
【0072】
更に別の実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度にて溶液に抗溶剤を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。
【0073】
更に別の実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度にて抗溶剤に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、及びこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、及びこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、DMF/MTBEである。
【0074】
別の実施態様において、形態IIの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度にスラリーを曝露することによって形態IIの粒子を生成する工程を含む。スラリーは、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。本方法は、本明細書に記述したとおりのシーディング工程、及び/又は単離工程を更に含んでいてもよい。
【0075】
第1、及び第2の温度、並びに溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン(類)、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、又はこれらの混合物である。
【0076】
式Iの酸の非晶質の粒子は、冷却、チリング、溶媒蒸発、又は抗溶剤の添加を含むが、限定されない、従来法を使用して、溶媒中の式Iの酸の溶液、又はスラリーから製造することができる。
【0077】
一つの実施態様において、式Iの酸の非晶質の粒子を製造するための方法は(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて非晶質の粒子を生成する工程を含む。また、本方法は、本明細書に記述したとおりの単離工程を含んでいてもよい。
【0078】
溶液は、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほぼ飽和した溶液として製造してもよい。飽和、又はほぼ飽和した溶液は、第1の温度よりも高い温度にて溶媒中に式Iの酸の十分な量を溶解することによって製造してもよく、その結果、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほぼ飽和した溶液が得られる。式Iの酸の十分な量は、第1の温度における溶媒中の非晶質の粒子の溶解度に基づいて見積もることができ、これは、当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0079】
一つの実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって形成される。溶媒蒸発は、熱、及び/又は真空を溶液に適用することによって促進することができる。一つの実施態様において、溶媒は、ギ酸エチル、酢酸イソブチル、MTBE、又はこれらの混合物である。
【0080】
別の実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度に溶液を冷却することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、MEKである。
【0081】
更に別の実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度にて溶液に抗溶剤を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、又はDMSO/水である。
【0082】
更に別の実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度にて抗溶剤に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、又はDMSO/水である。
【0083】
更に別の実施態様において、式Iの酸の非晶質の粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度にて相変化を介して非晶質の粒子を生成する工程を含む。スラリーは、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。第1、及び第2の温度、並びに溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、クロロホルム、ヘキサン(類)、MTBE、ギ酸エチル、ヘプタン、IPA、水、又はこれらの混合物である。
【0084】
また、噴霧乾燥、ローラー乾燥、凍結乾燥、及び融解物結晶化を含む、その他の粒子形成方法を、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの式Iの酸の粒子を製造するために適用してもよい。
【0085】
(医薬組成物)
また、活性な医薬品成分として非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸、又はその医薬として許容し得る水和物、若しくは溶媒和物の粒子を、1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与の様式、活性成分の溶解度、及び安定性に対する賦形剤の効果、並びに剤形の性質などの要因に依存する。
【0086】
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形、又は複数剤形で提供してもよい。本明細書に使用される単位剤形とは、ヒト、及び動物対象に対する投与のために適しており、かつ当技術分野において公知のように個々にパックされた物理的に別々の単位をいう。それぞれの単位用量は、必要とされる薬剤担体、又は賦形剤に付随して、所望の治療効果を生じるのに十分な活性成分の予め定められた量を含む。単位剤形の例には、アンプル、注射器、並びに個々にパックされた錠剤、及びカプセルを含む。単位剤形は、その一部分、又はその複数個で投与してもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与される単一の容器にパッケージされた複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例は、バイアル、錠剤、若しくはカプセルの瓶、又はパイント、若しくはガロンの瓶を含む。
【0087】
本明細書に提供される式Iの酸の粒子は、単独で、又は本明細書に提供される1つ以上のその他の化合物、1つ以上のその他の活性成分と組み合わせて、投与してもよい。本明細書に提供される医薬組成物は、経口、非経口的、及び局所的投与のための種々の剤形で製剤化してもよい。また、医薬組成物は、遅延性、長期間、延長性、持続性、パルス状、制御された、促進性、及び迅速、ターゲットされた、プログラムされた放出、並びに胃保持剤形を含む、調整された放出剤形として製剤化してもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来法、及び技術に従って製造することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記; 調整された放出薬物送達技術(Modified-Release Drug Deliver Technology)、Rathboneらの文献、編、薬物、及び医薬品科学(Drugs and the Pharmaceutical Science)、Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2002; Vol. 126を参照されたい)。
【0088】
本明細書に提供される医薬組成物は、すぐに、又は間隔をおいて複数回で投与してもよい。正確な投薬量、及び治療の期間は、治療される患者の年齢、重量、及び状態により変化し得るし、公知の試験プロトコルを使用して経験的に、又はインビボ、若しくはインビトロ試験、又は診断データからの推定によって決定してもよいことが理解される。任意の特定の個体について、具体的な投与計画は、個々の必要性、及び製剤を投与し、又は投与を監督する人の専門の判断に従って、時間とともに調整されるべきであることが更に理解される。
【0089】
A.経口投与
本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、又は液体剤形で提供してもよい。また、本明細書に使用される経口投与には、頬側、舌、及び舌下の投与を含む。適切な経口投与形態は、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ロゼンジ、パステル、カシェ剤、ペレット、医薬用チューインガム、顆粒、混合散剤、発泡性、若しくは非発泡性の粉末、又は顆粒、溶液、乳剤、懸濁液、溶液、ウエハ、スプリンクル、エリキシル、及びシロップを含むが、限定されない。医薬組成物は、活性成分(類)に加えて、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、色素移動阻害剤、甘味料、及び香料を含むが、限定されない1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤を含んでいてもよい。
【0090】
結合剤、又は造粒剤は、圧縮後に、錠剤が完全な状態のままであることを保証するために、錠剤に凝集性を与える。適切な結合剤、又は造粒剤には、以下を含むが、限定されない:コーンスターチ、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖などの糖;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイルランドコケ抽出物、Panwarゴム、ガッチゴム、イサゴール外皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツ(larch arabogalactan)、トラガント粉末、及びガーゴムなどの天然、及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp., Marcus Hook, PA)などの微結晶性セルロース;並びにこれらの混合物。適切な充填剤には、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物を含むが、限定されない。結合剤、又は充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物の重量の約50〜約99%で存在してもよい。
【0091】
適切な希釈剤は、ジカルシウムホスフェート、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖を含むが、限定されない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、スクロース、及びイノシトールなどの特定の希釈剤は、十分な量で存在するときに、いくつかの圧縮錠剤に対して咀嚼により口内での崩壊を可能にする特性を与えることができる。このような圧縮錠剤は、咀嚼錠として使用することができる。
【0092】
適切な崩壊剤は、以下を含むが、限定されない:寒天;ベントナイト;メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木製品;天然スポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ガーゴム、及びVeegum HVなどのゴム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋重合体;架橋デンプン;炭酸カルシウム;ナトリウムデンプングリコラートなどの微結晶性セルロース;ポラクリリン(polacrilin)カリウム;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;アライン(align);及びこれらの混合物。本明細書に提供される医薬組成物における崩壊剤の量は、製剤のタイプにより変化し、当業者には容易に認識可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、崩壊剤の重量の約0.5〜約15%、又は約1〜約5%を含んでいてもよい。
【0093】
適切な潤滑剤には、以下を含むが、限定されない:ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール、及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む水素付加された植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co., Baltimore, MD)、及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)などのシリカ、又はシリカゲル;並びにこれらの混合物。本明細書に提供される医薬組成物は、潤滑剤の重量の約0.1〜約5%を含んでいてもよい。
【0094】
適切な流動促進剤は、コロイド性二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、及び石綿を含まないタルクを含む。着色剤には、任意の、承認され、認可された、水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD&C色素、及び着色レーキ、並びにこれらの混合物を含む。着色レーキは、重金属の水和酸化物に対する水溶性色素の吸着による組み合わせであり、不溶性形態の色素を生じる。香料は、果実などの植物から抽出された天然の香味、及びペパーミント、及びサリチル酸メチルなどの楽しい味覚を生じる化合物の合成の混合物を含む。甘味料には、スクロース、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン、及びアスパルテームなどの人工甘味剤を含む。適切な乳化剤には、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、並びにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(Tween(登録商標)80)、及びトリエタノールアミンオレアートなどの界面活性物質を含む。懸濁剤、及び分散剤には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、ナトリウムカルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。保存剤には、グリセリン、メチル、及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、及びアルコールを含む。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウリアート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含む。乳剤に利用される非水溶液体の例には、鉱油、及び綿実油を含む。有機酸には、クエン酸、及び酒石酸を含む。二酸化炭素の供与源には、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウムを含む。
【0095】
多くの担体、及び賦形剤は、同じ製剤内でさえ、いくつかの機能を担い得ることが理解されるはずである。
【0096】
本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮錠、擦り込み錠剤、咀嚼ロゼンジ、迅速溶解錠、多重圧縮錠、又は腸溶コーティング錠、糖衣錠、若しくはフィルム被覆錠として提供してもよい。腸溶コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが、小腸で溶解し、又は崩壊する物質で被覆されており、従って、胃の酸性環境から活性成分を保護する圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、脂肪酸、脂肪、フェニルサリチラート、ろう、セラック、アンモニア処理されたセラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、限定されない。糖衣錠は、糖衣によって囲まれた圧縮錠剤であり、いやな味、又は臭気を包み隠すのに、及び錠剤を酸化から保護するのに有益であろう。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層、又はフィルムでカバーされた圧縮錠剤である。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴を与える。多重圧縮錠は、層をなした錠剤、及び押圧被覆、又は乾燥被覆された錠剤を含む複数の圧縮サイクルによって作製される圧縮錠剤である。
【0097】
錠剤剤型は、粉末状、結晶性、又は顆粒状の形態の活性成分から単独で、又は結合剤、崩壊剤、制御放出重合体、潤滑剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む本明細書に記述した1つ以上の担体、又は賦形剤と組み合わせて製造してもよい。香味料、及び甘味料は、特に咀嚼錠、及びロゼンジの形成に有用である。
【0098】
本明細書に提供される医薬組成物は、軟、又は硬カプセルとして提供してもよく、これは、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作製することができる。硬カプセルは、乾燥充填カプセル(DFC)としても知られ、一方が他方をはめ込んで覆い、従って、完全に活性成分を封入する2つの部分からなる。軟弾性カプセル剤(SEC)は、軟らかい、ゼラチンシェルなどの球状シェルであり、これは、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化される。軟ゼラチンシェルには、微生物の増殖を防止するために、保存剤を含んでいてもよい。適切な防腐剤は、メチルパラベン、及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む、本明細書に記述したとおりのものである。本明細書に提供される液体、半固体、及び固体の剤形は、カプセルにカプセル化してもよい。適切な液体、及び半固体剤形には、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の溶液、及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載されているように製造することができる。また、カプセルは、活性成分の溶解を修飾し、又は持続するために、当業者に知られているように被覆されていてもよい。
【0099】
本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、エリキシル、及びシロップを含む液体、及び半固体剤形で提供してもよい。乳剤は、一方の液体が別の液体の全体にわたって小さな小球の形態で散在されている二相系であり、これは、水中油型、又は油中水型であることができる。乳剤には、医薬として許容し得る非水溶液体、又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含んでいてもよい。懸濁液は、医薬として許容し得る懸濁剤、及び保存剤を含んでいてもよい。水性アルコール溶液には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタールなどの医薬として許容し得るアセタール(「低級」という用語は、1〜6炭素原子を有するアルキルを意味する)、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール;並びにプロピレングリコール、及びエタノールなどの1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性の溶媒を含んでいてもよい。エリキシルは、透明な、加糖され、及び水アルコール性(hydroalcoholic)溶液である。シロップは、糖、例えばスクロースの濃縮された水溶液であり、また保存剤を含んでいてもよい。液体剤形については、例えば、投与のために都合よく測定されるように、ポリエチレングリコール中の溶液を、医薬として許容し得る液体担体、例えば水の十分な量で希釈してもよい。
【0100】
その他の有用な液体、及び半固体剤形は、本明細書に提供される活性成分、並びに1,2-ジメトキシメタン、ダイグライム、トリグライム、テトラグライム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化されたモノ、又はポリ-アルキレングリコールを含むが、限定されず、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量をいう。これらの製剤は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニゾール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸、及びそのエステル、並びにジチオカルバメートなどの1つ以上の抗酸化剤を更に含んでいてもよい。
【0101】
また、経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、微粒子、又はナノ系の形態で提供してもよい。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されているように製造することができる。
【0102】
本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成させるための、非発泡性、又は発泡性の、顆粒、及び粉末として提供してもよい。非発泡性の顆粒、又は粉末に使用される医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでいてもよい。発泡性の顆粒、又は粉末に使用される医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、有機酸、及び二酸化炭素の供与源を含んでいてもよい。
【0103】
着色料、及び香料は、上記の剤形の全てにおいて使用することができる。
【0104】
本明細書に提供される医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス状、制御された、ターゲットされた、プログラムされた放出を含む即時、又は調整された放出剤形として製剤化してもよい。
【0105】
本明細書に提供される医薬組成物は、所望の治療作用を障害しないその他の活性成分と共に、又は制酸剤、プロトンポンプ阻害剤、及びH2受容体アンタゴニストなどの所望の作用を補う物質と共に、共に製剤化してもよい。
【0106】
B.非経口投与
本明細書に提供される医薬組成物は、局部的、又は全身投与のために、注射、輸液、又は移植によって非経口的に投与してもよい。本明細書に使用される非経口投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、及び皮下投与を含む。
【0107】
本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、ミセル、リポソーム、微粒子、ナノ系、及び注射前に液体の溶液、又は懸濁液のために適した固体形態を含む、非経口投与のために適した任意の剤形に製剤化してもよい。このような剤形は、医薬品科学の当業者に公知の従来法に従って製造することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。
【0108】
非経口投与のために意図される医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水溶媒体、微生物の増殖に対する抗菌薬、又は防腐剤、安定剤、溶解度エンハンサー、等張薬、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤、及び分散剤、湿潤剤、又は乳化剤、錯化剤、隔離剤、又はキレート剤、凍結保護物質、リオプロテクタント(lyoprotectant)、糊料、pH調整剤、並びに不活性ガスを含むが、限定されない、1つ以上の医薬として許容し得る担体、及び賦形剤を含んでいてもよい。
【0109】
適切な水性媒体には、水、食塩水、生理食塩水、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張性デキストロース注射、滅菌水注射、デキストロース、及び乳酸化されたリンゲル注射を含むが、限定されない。非水溶媒体には、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ハッカ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、水素付加された植物油、水素付加されたダイズ油、及びヤシ油の中鎖トリグリセリド、並びにパーム種子油を含むが、限定されない。水混和性媒体には、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300、及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、限定されない。
【0110】
適切な抗菌薬、又は保存剤には、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシベンズアート、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含むが、限定されない。適切な等張薬には、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、限定されない。適切な緩衝剤には、ホスフェート、及びシトラートを含むが、限定されない。適切な抗酸化剤には、本明細書に記述したとおりの亜硫酸水素、及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。適切な局所麻酔薬には、塩酸プロカインを含むが、限定されない。適切な懸濁剤、及び分散剤には、本明細書に記述したとおりのナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。適切な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む本明細書に記述したものを含む。適切な隔離剤、又はキレート薬には、EDTAを含むが、限定されない。適切なpH調整薬には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、限定されない。適切な錯化剤には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標), CyDex, Lenexa, KS)を含む、シクロデキストリンを含むが、限定されない。
【0111】
本明細書に提供される医薬組成物は、単一、又は複数回の投薬量の投与のために製剤化してもよい。単一投薬製剤は、アンプル、バイアル、又は注射器にパックされる。複数回投薬非経口的製剤は、静菌、又は静真菌濃度で抗菌薬を含まなければならない。全ての非経口的製剤は、当該技術分野において知られており、かつ実践されるように、無菌でなければならない。
【0112】
一つの実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌液として提供される。別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、凍結乾燥粉末、及び皮下注射用錠剤を含む無菌の乾燥可溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌懸濁液として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、無菌の乾燥不溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌の乳剤として提供される。
【0113】
本明細書に提供される医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス状、制御された、ターゲットされた、プログラムされた放出形態を含む即時、又は調整された放出剤形として製剤化してもよい。
【0114】
医薬組成物は、移植されたデポ剤として投与するための懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロピックな液体として製剤化してもよい。一つの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、固体の内部マトリックスに散在されており、これは、体液に不溶性であるが、医薬組成物中の活性成分を散在して通すことができる外側の高分子膜によって囲まれている。
【0115】
適切な内部マトリックスには、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化、又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボナート共重合体、アクリル酸、及びメタクリル酸のエステルなどの親水性重合体、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、並びに架橋部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルのヒドロゲルを含む。
【0116】
適切な外側高分子膜には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルと塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体を含む。
【0117】
C.局所投与
本明細書に提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜に局所的に投与してもよい。本明細書に使用される局所投与には、経皮(内)、結膜内、内角膜、眼内、経眼、耳介、経皮、経鼻、膣、尿道、呼吸器、及び直腸の投与を含む。
【0118】
本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、散布剤、包帯剤、エリキシル、ローション、懸濁液、チンキ、ペースト、泡、フィルム、エアロゾル、洗浄、スプレー、坐薬、包帯、皮膚用パッチを含む局部的、又は全身性の効果のための、局所投与のために適している任意の剤形に製剤化してもよい。また、本明細書に提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、微粒子、ナノ系、及びこれらの混合物を構成してもよい。
【0119】
本明細書に提供される局所製剤に使用するために適した医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、水性媒体、水混和性媒体、非水溶媒体、微生物の増殖に対する抗菌薬、又は防腐剤、安定剤、溶解度エンハンサー、等張薬、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤、及び分散剤、湿潤剤、又は乳化剤、錯化剤、隔離剤、又はキレート剤、浸透増強剤、凍結保護物質、リオプロテクタント(lyoprotectant)、糊料、並びに不活性ガスを含むが、限定されない。
【0120】
また、医薬組成物は、電気穿孔法、イオン泳動、フォノフォレシス、ソノフォレシス、並びにPOWDERJECT(商標)(Chiron Corp., Emeryville, CA)、及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies Inc., Tualatin, OR)などの極微針、又は針なし注射によって局所的に投与してもよい。
【0121】
本明細書に提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム、及びゲルの形態で提供してもよい。適切な軟膏媒体には、以下を含む:豚脂、ベンゾイン化された(benzoinated)豚脂、オリーブ油、綿実油、及びその他の油、白色ワセリンなどを含む油性の、又は炭化水素基剤;親水ワセリン、ヒドロキシステアリンサルフェート、及び脱水ラノリンなどの乳化基剤、又は吸収基剤;親水軟膏などの水除去可能な基剤;分子量を変化させるポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏基剤;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、及びステアリン酸を含む、油中水型(W/O)乳剤、又は水中油型(O/W)乳剤のいずれかの乳剤性基剤(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。これらの媒体は、皮膚軟化薬であるが、一般に抗酸化剤、及び防腐剤の添加を必要とする。
【0122】
適切なクリーム基剤は、水中油型、又は油中水型であることができる。クリーム媒体は、水洗可能であっても、及び油相、乳化剤、及び水相を含んでいてもよい。また、油相は、「内」相とも呼ばれ、これは、一般にワセリン、及びセチル、又はステアリルアルコールなどの脂肪アルコールで構成される。水相は、通常必ずしも必要ではないが、容積において油相を上回り、一般に湿潤薬を含む。クリーム製剤における乳化剤は、非イオン性の、陰イオン性の、陽イオン性の、又は両性の界面活性物質であってもよい。
【0123】
ゲルは、半固体の、懸濁液型の系である。単相ゲルは、液体担体の全体にわたって一様に実質的に分配された有機巨大分子を含む。適切なゲル化剤には、以下を含む:カルボマー、カルボキシポリアルキレン、カルボポール(登録商標)などの架橋アクリル酸重合体;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリビニルアルコールなどの親水性重合体;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩、及びメチルセルロースなどのセルロース重合体;トラガカント、及びキサンタンガムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;並びにゼラチン。一様なゲルを製造するために、アルコール、又はグリセリンなどの分散剤を添加することができ、又はゲル化剤は、倍散、機械的混合、及び/又は撹拌によって分散することができる。
【0124】
本明細書に提供される医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー、湿布、又はパップ剤、ペースト、粉末、包帯剤、クリーム、硬膏剤、避妊具、軟膏、溶液、乳剤、懸濁液、タンポン、ゲル、泡、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸、尿道、経膣的、又は膣周囲に投与してもよい。これらの剤形は、Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記に記載されているように、従来のプロセスを使用して製造することができる。
【0125】
直腸、尿道、及び膣の坐薬は、体開口部への挿入のための固体であり、これは、常温にて固体であるが、体温にて融解、又は軟化して開口部内部で活性成分(類)を放出する。直腸、及び膣の坐薬に利用される医薬として許容し得る担体には、本明細書に提供した医薬組成物と共に製剤化されたときに、体温付近に融点を生じる硬化剤;並びに亜硫酸水素塩、及び異性重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書に記述したとおりの抗酸化剤などの媒体を含む。適切な媒体には、カカオ脂(カカオ(theobroma)脂)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、動物蝋、パラフィン、白色、及び黄色蝋、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリグリセリドの適切な混合物、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアクリル酸などのヒドロゲル;グリセロゼラチンを含むが、限定されない。種々の媒体の組み合わせを使用してもよい。直腸、及び膣の坐薬は、圧縮法、又は成形によって製造してもよい。直腸、及び膣の坐薬の典型的な重量は、約2〜3gである。
【0126】
本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、乳剤、ゲル形成溶液、溶液のための粉末、ゲル、眼球インサート、及びインプラントの形態で、眼科学的に投与してもよい。
【0127】
本明細書に提供される医薬組成物は、鼻腔内に、又は気道に吸入法によって投与してもよい。医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、微細なミストを生じる電気水力学を使用するアトマイザーなどのアトマイザー、又はネブライザーを使用して送達するためのエアロゾル、又は溶液の形態で、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン、若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴霧剤と組み合わせて提供してもよい。また、医薬組成物は、単独で、又は乳糖、若しくはリン脂質不活性担体と組み合わせてガス注入のための乾燥粉末、及び点鼻液として、提供してもよい。鼻腔内用途については、粉末には、キトサン、又はシクロデキストリンを含む生体付着薬を含んでいてもよい。
【0128】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、若しくはネブライザーに使用するための溶液、又は懸濁液は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書に提供した活性成分の分散放出、可溶放出、若しくは長期放出のための適切な代わりの薬剤、溶媒としての噴霧剤;及び/又はトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、若しくはオリゴ乳酸などの界面活性物質を含むように製剤化してもよい。
【0129】
本明細書に提供した医薬組成物は、50マイクロメートル以下、又は10マイクロメートル以下などの吸入法による送達のために適切なサイズに微粒状にしてもよい。このようなサイズの粒子は、らせん形ジェット製粉、流動床ジェット製粉、ナノ粒子を形成するための超臨界溶液プロセシング、高圧ホモジナイゼーション、又は噴霧乾燥などの、当業者に周知の粉砕方法を使用して製造してもよい。
【0130】
吸入器、又は通気器に使用するためのカプセル、疱疹、及びカートリッジは、本明細書に提供した医薬組成物の粉末混合物;乳糖、又はデンプンなどの適切な粉末基剤;及びl-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの性能モディファイヤーを含むように製剤化してもよい。乳糖は、無水物、又は一水和物の形態であってもよい。その他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロースを含む。吸入/鼻腔内の投与のための本明細書に提供した医薬組成物には、メントール、及びレボメントールなどの適切な香味料、又はサッカリン、若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を更に含んでいてもよい。
【0131】
局所投与のための本明細書に提供した医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス状、制御された、ターゲットされた、及びプログラムされた放出を含む即時放出、又は調整された放出であるように製剤化してもよい。
【0132】
D.調整された放出
本明細書に提供した医薬組成物は、調整された放出剤形として製剤化してもよい。本明細書に使用される「調整された放出」という用語は、活性成分(類)の放出の速度、又は場所が、同じ経路によって投与されたときに、即時剤形のものとは異なる剤形をいう。調整された放出剤形には、遅延性、長期間、延長性、持続性、拍動性、若しくはパルス状、制御された、促進性、及び迅速、ターゲットされた、プログラムされた放出、及び胃保持剤形を含む。調整された放出剤形の医薬組成物は、マトリックス徐放装置、浸透圧徐放装置、多粒子徐放装置、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、微粒子、リポソーム、及びこれらの組み合わせを含むが、限定されない種々の調整された放出装置、及び当業者に公知の方法を使用して製造することができる。また、活性成分(類)の放出速度は、活性成分(類)の粒径、及び多形を変化させることによって、調整することができる。
【0133】
調整された放出の例は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;及び第6,699,500号に記述されたものを含むが、限定されない。
【0134】
1. マトリックス徐放装置
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス徐放装置(「制御された薬物送達の百科事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」、第2巻、Mathiowitz 編、 Wiley, 1999のTakada他の文献を参照されたい)を使用して製造してもよい。
【0135】
一つの実施態様において、調整された放出剤形の本明細書に提供された医薬組成物は、合成重合体、並びに多糖体、及びタンパク質などの天然に存在する重合体、及び誘導体を含む水膨張し得る、浸食する、又は可溶性の重合体である浸食するマトリックス装置を使用して製剤化される。
【0136】
浸食するマトリックスを形成するのに有用な材料には、以下を含むが、限定されない:キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;ゴム寒天、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラゲナン、ガッチゴム、ガーゴム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デキストリン、及びマルトデキストリンなどのデンプン;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのホスファチド;アルギナート;アルギン酸プロピレングリコールエステル;ゼラチン;コラーゲン;並びにエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルローストリメリタート(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース化合物;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸、又はメタクリル酸の共重合体(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America、Inc., Piscataway, NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリラート);ポリ乳酸;L-グルタミン酸、及びエチル-L-グルタミン酸の共重合体;分解可能な乳酸-グリコール酸共重合体;ポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びにブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、及び(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロライドのホモ重合体、及び共重合体などのその他のアクリル酸誘導体。
【0137】
別の実施態様において、医薬組成物は、非浸食マトリックス装置と共に製剤化される。活性成分(類)は、不活性マトリックスに溶解され、又は分散され、主に、一旦投与された不活性マトリックスを介した拡散によって放出される。非浸食マトリックス装置としての使用に適した材料には、以下を含むが、限定されない:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボナート共重合体などの不溶性プラスチック、並びに;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルなどの親水性重合体;並びにカルナウバ蝋、微結晶ワックス、及びトリグリセリド脂などの肪族化合物。
【0138】
マトリックス徐放系において、所望の放出動態は、例えば、使用した重合体タイプ、重合体粘性、重合体、及び/又は活性成分の粒径、活性成分対重合体の比、並びに組成物のその他の賦形剤を介して制御されていることができる。
【0139】
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、直接圧縮、乾燥、又は湿造粒に続く圧縮、融解造粒に続く圧縮を含む当業者に公知の方法によって製造してもよい。
【0140】
2. 浸透圧性の徐放装置
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、1チャンバー系、2チャンバー系、非対称膜技術(AMT)、及び押出加工コア系(ECS)を含む浸透圧徐放装置を使用して製造してもよい。一般に、このような装置は、少なくとも2つの構成成分:(a)活性成分(類)を含むコア;及び(b)コアをカプセル化する少なくとも1つの送出ポートをもつ半透膜を有する。半透膜は、送出ポート(類)を介した押出しによって薬物放出を引き起こすために、使用する水性環境からコアへの水の流入を制御する。
【0141】
活性成分(類)に加えて、浸透圧装置のコアは、任意に、使用する環境から装置のコアへの水の輸送のための推進力を生じる浸透剤を含む。浸透剤の1つのクラスは、水で膨張する親水性重合体であり、これは、また「浸透重合体」、及び「ヒドロゲル」とも呼ばれ、親水性ビニル、及びアクリル重合体、アルギン酸カルシウムなどの多糖体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋されたPVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVP共重合体、メタクリル酸メチル、及び酢酸ビニルなどの疎水性単量体とのPVA/PVP共重合体、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン類、ナトリウムクロスカルメロース、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、並びにナトリウムデンプングリコラートを含むが、限定されない。
【0142】
浸透剤のその他のクラスは、オスモジェン(osmogen)であり、これは、水を吸収して周囲コーティングのバリアを超えて浸透圧勾配に影響を及ぼすことができる。適切なオスモジェンには、以下を含むが、限定されない:硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、乳糖、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトールなどの糖;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸などの有機酸;尿素;並びにこれらの混合物。
【0143】
異なる溶解速度の浸透剤を使用して、活性成分がどのくらい迅速に最初に剤形から送達されるかに影響を及ぼしてもよい。例えばMannogeme EZ(SPI Pharma, Lewes, DE)などの非晶質の糖を使用して、所望の治療効果を迅速に生じるように最初の二時間の間により速く、そして長期間にわたって段階的に、かつ持続的に、所望の治療、又は予防効果のレベルを維持する残りの量を放出する送達を提供することができる。この場合には、活性成分(類)は、代謝され、及び排出される活性成分の量を置き換えるような速度で放出される。
【0144】
また、コアには、剤形の性能を増強するための、又は安定性、又はプロセシングを促進するための、本明細書に記述したような多種多様なその他の賦形剤、及び担体を含んでいてもよい。
【0145】
半透膜を形成するのに有用な材料には、生理的に関連したpHにて水透過性、及び水不溶性であるか、又は架橋などの化学変化によって水不溶性が与えられるように感受性であるアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体の種々のグレードを含む。コーティングを形成するのに有用な適切な重合体の例には、以下を含む:可塑化された、可塑化されていない、及び補強された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、セルローストリアセテート、CAプロピオナート、ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAウレタン、CAP、CAカルバミド酸メチル、CAスクシナート、酢酸セルローストリメリタート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CA炭酸エチル、CAクロロアセテート、CAシュウ酸エチル、CAメチルスルホナート、CAブチルスルホナート、CA p-トルエンスルホナート、寒天アセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセタート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、トリアセタートのローカストビーンガム、ヒドロキシル化されたエチレン-ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPG共重合体、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸、及びエステル、及びポリ-(メタクリル)酸、並びにこれらのエステル、及び共重合体、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル、及びエーテル、天然蝋、並びに合成蝋。
【0146】
また、半透膜は、孔が米国特許第5,798,119号に開示されたような、実質的に気体で満たされ、かつ水性媒体によって濡れないが、水蒸気に対して浸透性である疎水性の微細孔膜であってもよい。このような疎水性であるが、水蒸気浸透性の膜は、典型的には、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル、及びエーテルなどの疎水性重合体、天然蝋、及び合成蝋で構成される。
【0147】
半透膜に対する送出ポート(類)は、機械的、又はレーザー穿孔によるポストコーティングを形成してもよい。また、送出ポート(類)は、水溶性材料のプラグの侵食によって、又はコアの押し込みを超えた膜のより細い部分の破裂によって、インサイチューで形成されてもよい。加えて、送出ポートは、米国特許第5,612,059号、及び第5,698,220号に開示されたタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティング過程の間に形成されてもよい。
【0148】
放出される活性成分(類)の総量、及び放出速度は、実質的に、半透膜の厚み、及び多孔度、コアの組成、並びに送出ポートの数、サイズ、及び位置を経て調整することができる。
【0149】
浸透圧徐放剤形の医薬組成物には、本明細書に記述したとおりのさらなる従来の賦形剤を更に含んで、製剤の性能、又はプロセシングを促進してもよい。
【0150】
浸透圧徐放剤形は、当業者に公知の従来法、及び技術に従って製造することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記;Santus and Bakerの文献、J. Controlled Release 1995, 35, 1-21;Vermaらの文献、Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708;Vermaらの文献、J. Controlled Release 2002, 79, 7-27を参照されたい)。
【0151】
特定の実施態様において、本明細書に提供した医薬組成物は、AMT徐放剤形として製剤化され、これは、活性成分、及びその他の医薬として許容し得る賦形剤を含むコアをコーティングする不斉浸透膜を含む。米国特許第5,612,059号、及びWO 2002/17918を参照されたい。AMT徐放剤型は、直接圧縮、乾式造粒法、湿式造粒法、及び浸漬塗装法を含む当業者に公知の従来の方法、及び技術に従って製造することができる。
【0152】
特定の実施態様において、本明細書に提供した医薬組成物は、ESC徐放剤形として製剤化され、これには、は、活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース、及びその他の医薬として許容し得る賦形剤を含むコアをコーティングする浸透膜を含む。
【0153】
3. 多粒子徐放装置
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、多粒子徐放装置を製作してもよく、これには、約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜1mmの範囲の直径の多数の粒子、顆粒、又はペレットを含む。このような多粒子は、湿造粒、及び乾燥造粒、押出し/球状化(spheronization)、ローラー圧縮、融解-凝結、及びスプレーコーティングシードコアによるものを含む、当業者に公知の方法によって作製してもよい。例えば、多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery);Marcel Dekker:1994;及び医薬品造粒技術(Pharmaceutical Pelletization Technology)、Marcel Dekker:1989を参照されたい。
【0154】
本明細書に記述したその他の賦形剤は、多粒子を加工し、及び形成するのを助ける医薬組成物と混合させてもよい。生じる粒子は、それ自体多粒子装置を構成してもよく、又は腸溶重合体、水膨潤、及び水溶性重合体などの、種々のフィルム形成材料によって被覆されていてもよい。多粒子は、カプセル、又は錠剤として更に加工することができる。
【0155】
4. ターゲットされた送達
また、本明細書に提供した医薬組成物は、リポソーム、再封止されたエリスロサイト、及び抗体に基づいた送達系を含む、治療される対象の体の特定の組織、受容体、又はその他の領域にターゲットされるように製剤化してもよい。例には、米国特許第6,316,652号;第6,274,552号;第6,271,359号;第6,253,872号;第6,139,865号;第6,131,570号;第6,120,751号;第6,071,495号;第6,060,082号;第6,048,736号;第6,039,975号;第6,004,534号;第5,985,307号;第5,972,366号;第5,900,252号;第5,840,674号;第5,759,542号;及び第5,709,874号を含むが、限定されない。
【0156】
(使用方法)
一つの実施態様において、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体に関連する障害、若しくは疾患の1つ以上の症候を、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に対して、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することによって治療し、予防し、又は寛解させる方法が提供される。
【0157】
別の実施態様において、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体の調整に応答する疾患、又は障害の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に対して、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0158】
更に別の実施態様において、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体によって媒介される疾患、又は障害の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0159】
更に別の実施態様において、好酸球に関連した疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0160】
更に別の実施態様において、好塩基球に関連した疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0161】
更に別の実施態様において、炎症性疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0162】
本明細書に提供した粒子で治療可能な障害、及び疾患には、以下を含むが、限定されない:(1)全身アナフィラキシー、及び過感受性障害、アトピー性皮膚炎、じんま疹、薬物アレルギー、昆虫針アレルギー、食事性アレルギー(セリアック病等を含む)、並びに肥満細胞症を含む、炎症性、又はアレルギー性疾患;(2)クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎、及び腸炎を含む、炎症性腸疾患;(3)血管炎、及びベーチェット症候群;(4)皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんま疹、ヒト乳頭腫ウイルス、HIV、又はRLV感染に由来するものを含むウイルス性皮膚病態、細菌、真菌(flugal)、及びその他の寄生生物(parasital)皮膚病態、及び皮膚エリテマトーデスを含む、乾癬、及び炎症性皮膚疾患;(5)アレルギー性喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、中耳炎、アレルギー性結膜炎、過感受性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患を含む、喘息、及び呼吸器アレルギー疾患;(6)関節炎(リウマトイド、及び乾癬を含む)、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、重症筋無力症、多発性硬化症、グレーブス病、及び糸球体腎炎を含む、自己免疫疾患;(7)移植片拒絶(同種異系移植片拒絶反応、及び移植対宿主疾患を含む)、例えば皮膚移植片拒絶、実質性器官移植拒絶反応、骨髄移植拒絶反応;(8)熱;(9)急性心不全、低血圧、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、心筋症、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、再狭窄、及び血管の狭窄を含む、心臓血管疾患障害;(10)外傷性脳外傷、脳卒中、虚血性の再灌流傷害、及び動脈瘤を含む、脳血管障害;(11)乳房、皮膚、前立腺、頚部、子宮、卵巣、精巣、膀胱、肺、肝臓、喉頭、口腔、結腸、及び胃腸管(例えば、食道、胃、膵臓)、脳、甲状腺、血液、及びリンパ系の癌;(12)線維症、結合組織病、及びサルコイドーシス、(13)勃起障害を含む、生殖器、及び生殖状態;(14)胃炎、潰瘍、悪心、膵炎、及び嘔吐を含む、胃腸障害;(15)アルツハイマー病を含む、神経性障害;(16)不眠症、ナルコレプシー、睡眠無呼吸症候群、及びPickwick症候群を含む、睡眠障害;(17)疼痛;(18)腎臓障害;(19)緑内障を含む眼障害;並びに(20)HIVを含む感染症。
【0163】
特定の実施態様において、疾患は、喘息、アレルギー性喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、接触性皮膚炎、結膜炎、アレルギー性結膜炎、好酸球増加性気管支炎、食事性アレルギー、好酸球性胃腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満細胞症、ハイパーIgE症候群、全身紅はん性エリトマトーデス、乾癬、座瘡、多発性硬化症、同種移植片拒絶反応、再灌流傷害、慢性閉塞性肺疾患、チャーグ-ストラウス症候群、副鼻腔炎、好塩基球性白血病、慢性じんま疹、好塩基球増加症、乾癬、湿疹、COPD(慢性閉塞性肺の障害)関節炎、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、及び骨関節炎からなる群から選択される。
【0164】
特定の実施態様において、疾患は、喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、又はアレルギー性結膜炎である。
【0165】
特定の実施態様において、疾患は、チャーグ-ストラウス症候群、又は副鼻腔炎である。
【0166】
治療される疾患、及び対象の状態に応じて、本明細書に提供した粒子、又は組成物は、経口、非経口的(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射、若しくは注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入法、経鼻、膣、直腸、舌下、又は局所的(例えば、経皮、又は局部的)投与の経路によって投与してもよく、単独で、又はそれぞれの投与の経路のために適した医薬として許容し得る担体、アジュバント、及び媒体と共に適切な用量単位で製剤化してもよい。また、活性成分が所定の時間にわたって放出されるデポー製剤の本明細書に提供した粒子の投与が、提供される。
【0167】
喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、熱、敗血症、全身性エリテマトーデス、糖尿病、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、移植拒絶反応、炎症性腸疾患、癌、又はCRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体と関連するその他の状態の1つ以上の症候、障害、若しくは疾患の治療、予防、又は寛解において、適切な投薬量レベルは、一般に1日につきkg患者体重あたり(1日あたりのmg/kg)約0.001〜100mg、1日につき約0.01〜約75mg/kg、1日につき約0.1〜約50mg/kg、1日につき約0.5〜約25mg/kg、又は1日につき約1〜約20mg/kgであり、これは、単一、又は複数用量で投与してもよい。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.005〜0.05、0.05〜0.5、又は0.5〜5.0、1〜15、1〜20、又は1〜50mg/kgであってもよい。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.001〜100mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.01〜約75mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.1〜約50mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.5〜約25mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約1〜約20mg/kgである。
【0168】
経口投与のために、医薬組成物は、治療される患者に対する症候の投薬量の調整のために、1.0〜1,000mgの活性成分、特に約1、約5、約10、約15、約20、約25、約50、約75、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約750、約800、約900、及び約1,000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供することができる。組成物は、1日につき1回、2回、3回、及び4回含む1日につき1〜4回の処方計画で投与してもよい。
【0169】
しかし、任意の特定の患者のための投薬量の具体的な服用レベル、及び頻度は、変更を加えてもよく、並びに使用される具体的な化合物の活性、その化合物の謝安定性、及び作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康、性、食餌、投与の様式、及び回数、排泄の割合、複合製剤、特定の状態の重症度、並びに療法を受けている宿主を含む種々の要因に依存するであろうことが理解される。
【0170】
また、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体(群)を調整する方法であって、本明細書に提供したとおりの1つ以上の固体の形態の粒子と受容体を接触させることを含む、方法が本明細書に提供される。一つの実施態様において、受容体(群)は、細胞によって発現される。
【0171】
また、本明細書に提供される粒子は、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、熱、敗血症、全身性エリテマトーデス、糖尿病、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、移植拒絶反応、炎症性腸疾患、癌、及び上記のこれらの病態を含む本明細書に提供した粒子が有用である疾患、若しくは状態の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解に有用なその他の薬剤と組み合わせても、又は組み合わせて使用してもよい。
【0172】
このようなその他の薬剤、又は薬物は、従って、一般に使用される経路によって、及び量で、本明細書に提供した粒子と同時に、又は連続して、投与してもよい。本明細書に提供した粒子が1つ以上の他剤と同時に使用されるときは、本明細書に提供した粒子に加えて、このような他剤を含む医薬組成物を利用してもよいが、必要とはされない。従って、本明細書に提供した医薬組成物は、また、本明細書に提供した粒子に加えて、1つ以上のその他の活性成分、又は治療薬を含むものを含む。
【0173】
本明細書に提供した粒子の、第2の活性成分に対する重量比は、変更を加えてもよく、及びそれぞれの成分の有効な用量に依存するであろう。一般に、それぞれの有効な用量が使用されるであろう。従って、例えば、本明細書に提供した粒子がNSAIDと組み合わせられるときは、粒子のNSAIDに対する重量比は、約1,000:1〜約1:1,000、又は約200:1〜約1:200の範囲であってもよい。また、本明細書に提供した粒子との他の活性成分との組み合わせは、一般に上述した範囲内にあるだろうが、しかし、いずれの場合においても、それぞれの活性成分の有効な用量が使用されるべきである。
【実施例】
【0174】
式Iの酸の粒子は、以下の実施例において、X線粉末回折法(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量測定(TGA)、及び走査電子顕微鏡検査(SEM)で特徴づけた。
【0175】
X線粉末回折データは、Rigaku MiniFlex X線粉末回折計(Rigaku Americas, The Woodlands, TX)で記録した。放射線は、CuKa(40kV、40mA)であった。データは、室温にて、1工程につき0.02度、及び1工程につき0.6秒にて、3〜45度2-θで収集した。試料は、溶媒のない粉末物質の薄層として、ガラス試料ホルダ上で製造した。
【0176】
示差走査熱量測定は、Mettler 850、TA 2920を使用することにより実施した。試料は、解析のために封をしたアルミニウム製鍋に置き、参照として空のアルミニウム製鍋に置いた。10℃/分の割合の加熱を30℃〜280℃の温度範囲にわたって使用した。
【0177】
また、熱重量分析は、Mettler 850、TA 2920上で行った。試料は、セラミック、又はアルミニウム試料皿に置いた。20℃/分の割合の加熱を20℃〜600℃の温度範囲にわたって使用した。
【0178】
(実施例1)
{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶解度の決定)
表1に収載した溶媒中の式Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の飽和溶液を、主に形態Iの酸から、25、及び50℃の両方にて製造した。それぞれの飽和溶液の濃度は、HPLCを使用して決定し、結果を表1に要約してある。
【0179】
(実施例2)
(形態Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の製造)
メタノール中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸のスラリーを室温で一晩撹拌した。次いで、粒子を濾過して、ヘキサンで洗浄して、乾燥した。
【0180】
粒子のX線粉末回折パターンを図1に図示してある。粒子は、およそ9.8、13.1、22.0、及び26.4°にて2θで表した特的XRP回折ピークを有し、粒子が結晶性であることを示唆する。図4に示したように、粒子は、約1〜約5μmのサイズをもつ長い針状の結晶である。
【0181】
粒子の示差走査型熱量測定熱記録を図2に図示してある。粒子は、223.8℃のピーク温度、及び220.2℃の発生温度で吸熱を示す。
【0182】
形態Iの粒子の熱重量分析熱記録を図3に示してある。粒子は、非常に安定であり、及び200℃周辺での分解まで有意な重量減少を示さない。
【0183】
形態Iの粒子の平均粒径、及び粒度分布は、Microtrac S3000(Microtrac Inc., Montgomeryville、PA)を使用して測定した。結果を図5に示してあり、表2に要約してある。形態Iの粒子は、6.495μmの平均粒径(MV)、及び3.24の均等係数を有する。
【表1】
【表2】
【0184】
(実施例3)
(形態IIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の製造)
DMF(0.5mL)中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸(50mg)の溶液は、主に形態Iの酸から製造した。次いで、溶液を室温でMTBEの8mLに添加した。更に15分間室温で撹拌した後、混合物は、スラリーになった。次いで、粒子を濾過して、ヘキサンで洗浄して、乾燥した。
【0185】
粒子のX線粉末回折パターンを図6に図示してある。粒子は、およそ31.7°にて2θで表される特徴的XRP回折ピークを有し、粒子が形態Iとは異なる結晶形態(形態II)であることを示唆する。形態IIの粒子の結晶晶癖を図7に示してある。
【0186】
(実施例4)
(位相平衡)
実施例1において決定したとおりの種々の溶媒における{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶解度に基づいて、主に形態Iの酸の粒子を、十分な期間の間、25、又は50°のいずれにかにおいて表3に収載した溶媒に曝露した。粒子を濾過して、乾燥させ、次いで、XRPDを使用して解析した。結果は、表3に要約してある。
【0187】
(実施例5)
(形態I、及び形態IIの間の位相平衡)
形態IIの粒子は、実施例2に記載したように、スラリーとして製造した。簡潔には、DMF(0.5mL)中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸(50mg)の溶液を8mLのMTBEに添加して、形態IIの粒子のスラリーを生成した。次いで、形態I(20mg)の粒子をスラリーに添加して、生じるスラリーを室温で一晩撹拌した。次いで、粒子を濾過して、ヘキサンで洗浄して、乾燥した。粒子は、XRPDを使用して解析した。XRP回折を図8に示してあり、相平衡後の粒子は、形態Iであったことを示している。
【0188】
(実施例6)
(溶媒蒸発を経た微粒子形成)
実施例1において決定したとおりの、種々の溶媒中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶解度に基づいて、主に態Iの酸を表4に収載した溶媒系に溶解した。溶媒を、25、又は50℃にて溶液から蒸発させた。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表4に要約してある。
【表3】
【0189】
(実施例7)
(抗溶剤添加を経た微粒子形成)
表5に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和溶液は、主に形態Iの酸から製造した。次いで、抗溶剤を飽和溶液に添加して、沈澱を誘導した。THF、2-メトキシエタノール、DMSO、及びDMFを形態Iの粒子を溶解するための溶媒として使用し、ヘキサン、MTBE、トルエン、及び水を抗溶剤として使用した。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表5に要約してある。
【0190】
(実施例8)
(逆抗溶剤添加を経た微粒子形成)
表6に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和、又は飽和近くの溶液は、主に形態Iの酸から製造した。次いで、溶液を、より大容積の混和性抗溶剤にそれぞれ添加した。THF、2-メトキシエタノール、DMSO、及びDMFを粒子を溶解するための溶媒として使用し、ヘキサン、MTBE、トルエン、及び水を抗溶剤として使用した。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果は、表6に要約してある。
【0191】
(実施例9)
(クエンチ冷却(quench cool)を介した微粒子形成)
表7に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和溶液は、主に形態Iの酸から約30〜50℃にて製造した。溶液は、アセトン/氷浴において、クエンチ冷却した。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表7に要約してある。
【表4】
【表5】
【0192】
(実施例10)
(加熱冷却サイクルによる結晶化を経た粒子)
表8に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和溶液は、主に形態Iの酸から約30〜50℃にて製造した。溶液プログラム可能な循環入浴を使用してゆっくり冷却してスラリーを形成した。次いで、生じるスラリーを最初に2時間にわたって50℃まで加熱して、続いて25℃まで2時間冷却した。この加熱冷却法を一晩繰り返した。次いで、生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表8に要約してある。
【表6】
【表7】
【表8】
【0193】
(実施例11)
(競合的放射性リガンド結合アッセイ)
本明細書に提供した4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸のアミン塩の結合親和性、及び選択性は、CRTH2、又はDP1を発現する安定にトランスフェクトした株化細胞で、競合的放射性リガンド結合アッセイを使用して評価した。
【0194】
プロスタグランジンD2、及び13,14-ジヒドロ-15-ケトPGD2は、Cayman Chemical (Ann Arbor, MI)から得た。160Ci/mmolの比活性をもつ放射標識されたPGD2(5,6,8,9,12,14,15-3H(N))は、PerkinElmer(Boston、MA)から得た。細胞培養培地RPMI 1640、HEPES緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、L-グルタミン、及びペニシリン-ストレプトマイシン溶液は、Mediatech Inc.(Herndon、VA)から得た。ウシ胎児血清(FCS)は、Cambrex (Walkersville, MD)から得た。ピューロマイシンは、Invitrogen(San Diego, CA)から得た。ポリ(エチレンイミン)(PEI)は、Acros Organics (Morris Plains, NJ)から得た。精製したモノクローナルラット抗ヒトCRTH2抗体(BM16)ラットIgG2a、κ(クローンR35-95)、及びヤギ抗ラットIg-FITCは、Becton Dickinson Biosciences(San Diego, CA)から得た。BSA(画分V)、及びアジ化ナトリウムは、Sigma Chemical Company (St. Louis)から得た。
【0195】
CRTH2、及びDP1安定株化細胞は、Sugimotoらの文献(J. Pharm. Exp. Therap. 2003, 305, 347-352)によって記述された手順に従って産生した。これらの株化細胞は、HEPES緩衝液(25mM)、FCS(10%)、L-グルタミン(2mM)、ペニシリン(10IU/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、及びピューロマイシン(1μg/mL)を含むRPMI 1640培養液中で維持した。
【0196】
トランスフェクト株化細胞上のCRTH2の表面発現は、培養の間、及びそれぞれの競合的放射性リガンド結合アッセイの前に、周期的にモニターした。CRTH2を発現する細胞、及び形質導入されなかった細胞を精製した抗CRTH2抗体(クローンBM16)、又はアイソタイプ対照抗体(ラットIgG2a、κ)のいずれかと共に氷上で15分間インキュベートした。次いで、細胞を2mLのFACS緩衝液(1%のBSA(画分V)、及び0.1%のアジ化ナトリウムを含むPBS)中で洗浄した。その後、細胞をFITC抱合抗ラットの抗体(ヤギ抗ラットIg-FITC)と共に氷上でインキュベートした。冷却FACS緩衝液で洗浄した後、細胞をFACScan IIアナライザー、及びCellQuestソフトウェア、両方ともBecton Dickinson(Mountain View, CA)からを使用して解析した。
【0197】
また、受容体トランスフェクタントの官能性は、記述されたとおりにPGD2に応答したカルシウム動員の直接測定によって評価した(Sugimotoらの文献、Pharm. exp. Therap. 2003, 305, 347-352;Sugimotoらの文献、Eur. J. Pharmacol. 2005、524、30 37)。
【0198】
放射性リガンド結合解析は、Sugimotoらの文献(J. Pharm. Exp. Therap. 2003, 505, 347-352;Eur. J. Pharmacol. 2005、524 30-37)の方法に従って行った。試験化合物は、保存液として100mMの濃度でDMSOに溶解した。10μmからの段階希釈は、アッセイ前に結合緩衝液中に作製した。トランスフェクト細胞は、室温にて4×106/mLの濃度で、結合緩衝液(50mM Tris-HCl、40mM MgCl2、及び0.1%のウシ血清アルブミン、pH 7.4にて)中に再懸濁した。次いで、トランスフェクト細胞を、50μLの細胞懸濁液を添加することによって、続いて10μLの3H-PGD2、10μLの一連の濃度の試験化合物溶液、又は対照、30μLの結合緩衝液を添加して100μLの最終容積にさせて、U-底面ポリプロピレン96穴プレート(Fisher)に播種した。それぞれのウェルにおける3H-PGD2の終濃度は、1nMであった。穏やかに振盪しながら室温にて1時間インキュベートした後、細胞懸濁液を濾過プレート(Millipore, MA)へ移し、これを0.5%のPEI緩衝液であらかじめ濡らした。細胞ペレットを結合緩衝液で3回洗浄し、プレートを空気乾燥させた。シンチラント(50μL;Microscint(商標)20、Perkin Elmer、Boston、MA)をそれぞれのウェルに添加して、放射能をTopCount(Packard Bioscience, Meriden, CT)で計数した。データ分析は、Prizm(商標)グラフィックスプログラム(GraphPad Software Inc., San Diego、CA)を使用して行った。図10、及び11に示したように、式Iの4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸は、CRTH2に対して高親和性を有し、選択的に結合する。
【0199】
記載した実施例は、当業者に実施態様を製作し使用するための方法の完全な開示、及び記述を与えるために提供してあり、開示の範囲を限定することは意図されない。当業者に明らかである開示を実施するための上記の様式の改変は、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。この明細書において引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかもこのようなそれぞれの刊行物、特許、又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個々に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0001】
(分野)
非晶質、及び結晶形態の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子、その製造方法、及び医薬組成物が、本明細書に提供される。また、CRTH2を媒介した障害、若しくは疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるためのこれらの使用方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
CRTH2は、Th2細胞、好酸球、及び好塩基球上に発現されるGタンパク質結合化学誘引物質受容体である(Nagataらの文献、J. Immunol. 1999, 162, 1278-1286;Hiraiらの文献、J. Exp. Med. 2001, 193, 255-261)。肥満細胞から産生される主要な炎症性メディエーターであるプロスタグランジンD2(PGD2)は、CRTH2のための天然のリガンドである。最近では、PGD2によるCRTH2の活性化が、Th2細胞、及び好酸球の遊走、並びに活性化を誘導することが示されており、CRTH2がアレルギー疾患における炎症誘発性の役割を果たし得ることを示唆している(Hiraiらの文献、J. Exp. Med. 2001, 193, 255-261;Gervaisらの文献、J. Allergy Clin. Immunol. 2001, 108, 982-988)。また、アトピー性皮膚炎患者において、疾患の重症度に相関するCRTH2を発現する循環T細胞の増大があることが示された(Cosmiらの文献、Eur. J. Immunol. 2000, 30, 2972-2979;Iwazakiらの文献、J. Investigative Dermatology 2002, 119, 609-616)。アレルギー性の炎症の開始、及び維持におけるPGD2の役割は、更に、PGD2シンターゼによる生体内でのPGD2の過剰産生が気道炎症を増悪することを示すことにより、喘息マウスモデルにおいて証明された(Fujitaniらの文献、J. Immunol. 2002, 168, 443-449)。従って、CRTH2アンタゴニストは、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、気管支収縮、アトピー性皮膚炎、又は全身性炎症性障害などのCRTH2を媒介した障害、又は疾患の治療のために、潜在的に有用である。
【発明の概要】
【0003】
(開示の概要)
(I)非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの、式I:
【化1】
を有する{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子が提供される。式Iの化合物は、CRTH2アンタゴニスト(WO2004/0022218)として同定された。
【0004】
一つの実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、実質的に図1に示したとおりのX線粉末回折パターン、又は実質的に図2に示したとおりの示差走査型熱量測定熱記録を有する、形態Iを有する。
【0005】
別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、実質的に図6に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する、形態IIを有する。
【0006】
更に別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、非晶質である。
【0007】
また、非晶質形態、結晶形態I、若しくはII、又はこれらの混合物の4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子と1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0008】
非晶質形態、結晶形態I、若しくはII、又はこれらの混合物の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子を投与することを含む、CRTH2を媒介した障害、若しくは疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるための方法が、更に提供される。
【0009】
加えて、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子を製造するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】結晶形態Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子のX線粉末(XRP)回折記録を示す。
【0011】
【図2】形態Iの式Iの酸の粒子の示差走査型熱量測定(DSC)熱記録を示す。
【0012】
【図3】形態Iの式Iの酸の粒子の熱重量計(TG)熱記録を示す。
【0013】
【図4】2,500(A);5,000(B);及び10,000(C)の拡大率での形態Iの式Iの酸の粒子の走査電子顕微鏡(SEM)撮影を示す。
【0014】
【図5】形態Iの式Iの酸の粒子の粒度分布グラフを示す
【0015】
【図6】形態IIの式Iの酸の粒子のXRP回折記録を示す。
【0016】
【図7】370(A);2,000(B);5,500(C);及び10,000(D)の拡大率での形態IIの式Iの酸の粒子のSEM写真を示す。
【0017】
【図8】形態I、及び形態IIの粒子間の相平衡を介して得られた式Iの酸の粒子のXRP回折を示す。
【0018】
【図9】非晶質形態の式Iの酸のXRP回折を示す。
【0019】
【図10】CRTH2-トランスフェクト細胞を使用する競合的放射性リガンド結合アッセイにおける式Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド)ベンジル)-ピリミジン-5-イル}酢酸についての用量反応曲線を示す。 dpiとともに、
【0020】
【図11】DP1-トランスフェクト細胞を使用する競合的放射性リガンド結合アッセイにおける、比較のための選択的アンタゴニストBWA 868C(■)と共に、式Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド)ベンジル)-ピリミジン-5-イル}酢酸(▲)についての用量反応曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な記載)
本明細書に記載した開示の理解を促進するために、多数の用語を下記に定義してある。
【0022】
本明細書に使用される、単数形「ある」、及び「該」は、他に特別に明示されなければ、複数の物をいう。一般に、本明細書に使用される命名法、並びに本明細書に記述した有機化学、医薬品化学、及び薬理学における検査法は、当該技術分野において周知のものであり、かつ一般に使用される。他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての専門的、及び科学的な用語は、一般に、この開示が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における用語のために複数の定義がある場合、特に明記しない限り、この節のものが勝る。
【0023】
「抗溶剤」という用語は、その溶媒における化合物の溶解度を減少させて、化合物の沈澱を生じさせるために溶媒に添加される液体をいう。
【0024】
「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含むが、限定されない、動物をいう。典型的には、「対象」、及び「患者」という用語は、本明細書において、例えば哺乳動物対象、特にヒト被験者に関して、同義的に使用される。
【0025】
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、障害、若しくは疾患、又は障害、若しくは疾患と関連する1つ以上の症候を軽減し、又は抑止すること、又は障害、若しくは疾患それ自体の原因(群)を軽減し、又は根絶することを含むことが意味される。
【0026】
「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、疾患、及び/若しくはその付随する症候の発病を遅延し、若しくは妨げ、対象が疾患になることをなくし、又は対象が疾患になるリスクを減少させる方法をいう。
【0027】
「治療上有効量」という用語は、投与されたときに、治療される状態、又は障害の症候の1つ以上の発症を予防し、又はある程度に軽減するのに十分である化合物の量をいう。「治療上有効量」という用語は、また、研究者、獣医師、医学博士、又は臨床医によって探求される組織、系、動物、若しくはヒトにおいて生物学的、又は医学的反応を誘発するであろう化合物の量をいう。
【0028】
「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」という用語は、液体、若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬として許容し得る材料、組成物、又は媒体をいう。それぞれの成分は、医薬品製剤のその他の成分と適合性であるという意味において「医薬として許容され」なければならない。また、過剰の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又はその他の問題、若しくは合併症を伴わずに、ヒト、及び動物の組織、又は器官との接触に使用するために適して、合理的な利益/危険比で釣り合っていなければならない。
【0029】
「天然に存在する」、又は「天然の」という用語は、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞、等などの生物材料に関連して使用されるときに、天然に見いだされ、かつヒトによって操作されていない材料をいう。同様に、「天然に存在しない」、又は「非天然の」とは、天然に見いだされないか、又はヒトによって構造的に修飾され、若しくは合成された材料をいう。
【0030】
「CRTH2」という用語は、インビトロ、又はインビボでPGD2への細胞反応を媒介することができるCRTH2受容体タンパク質、又はその変異体をいう。CRTH2変異体は、天然のCRTH2に実質的に相同的なタンパク質、すなわち、天然のCRTH2のアミノ酸配列と比較して、1つ以上の天然に、若しくは非天然に存在するアミノ酸欠失、挿入、又は置換を有するタンパク質(例えば、CRTH2誘導体、相同体、及び断片)を含む。CRTH2変異体のアミノ酸配列は、天然のCRTH2と少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0031】
「その他のPGD2受容体」という用語は、インビボ、又はインビトロでPGD2への細胞反応を媒介することができる、CRTH2以外のプロスタノイド受容体タンパク質、又はその変異体をいう。「その他のPGD2受容体」は、PGD2、例えばDP、又はその他の1つ以上のその他のプロスタノイドに対して選択的であってもよい。「その他のPGD2受容体」変異体は、CRTH2以外の対応する天然のプロスタノイド受容体に実質的に相同的なタンパク質、すなわち1つ以上の天然に、若しくは非天然に存在するアミノ酸欠失、挿入、又は置換を有するタンパク質(例えば、CRTH2以外の天然のプロスタノイド受容体の誘導体、相同体、及び断片)を含む。天然の「その他のPGD2受容体」変異体のアミノ酸配列は、対応する天然の「その他のPGD2受容体」と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0032】
「CRTH2アンタゴニスト」という用語は、例えば、CRTH2活性、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体の活性を部分的、若しくは完全に遮断し、減少させ、妨げ、阻害し、又はダウンレギュレートする化合物をいう。また、「CRTH2アンタゴニスト」という用語は、CRTH2、又は1つ以上のその他のPGD2受容体に結合し、その活性化を遅延させ、不活性化し、又は除感作する化合物をいう。CRTH2アンタゴニストは、CRTH2、又は1つ以上のその他のPGD2受容体とPGD2の相互作用を妨げることによって作用し得る。
【0033】
「CRTH2を媒介した障害、又は疾患」、及び「CRTH2によって媒介される状態、障害、又は疾患」という用語は、不適当な、例えば正常CRTH2活性よりも少ない、若しくは高いCRTH2活性によって特徴づけられる状態、障害、又は疾患をいう。不適当なCRTH2機能活性は、通常CRTH2を発現しない細胞におけるCRTH2発現、例えば炎症性、及び免疫に関連した障害、若しくは疾患を引き起こすCRTH2発現の増加、又はその程度の細胞内活性化;又はCRTH2発現の減少の結果として生じるかもしれない。CRTH2を媒介した状態、障害、又は疾患は、不適当なCRTH2活性によって、完全に、又は部分的に媒介されてもよい。特に、CRTH2を媒介した状態、障害、又は疾患は、CRTH2、又は1つ以上のその他のPGD2受容体の調整により根底にある状態、又は障害に対していくらかの効果を生じるものであり、例えばCRTH2アンタゴニスト、又はアゴニストは、治療される患者の少なくともいくらかにおいていくらかの改善を生じる。
【0034】
「たたいた後の容積密度」という用語は、容器の底面に軽い衝撃を与えるように繰り返して予め定められた高さから試料で満たされた容器を落とすことなど、軽くたたくことを用いて、高密度に満たされた状態下の容積密度をいう。たたいた後の容積密度は、例えば、粉末検査器PT-D(Hosokawa Micron Corporation、Osaka、Japan)を使用して決定することができる。
【0035】
「均等係数」という用語は、粒子の粒度分布の均一性の程度を示すパラメーターをいい、粒子分布曲線から得られる60パーセンタイルにおける粒径を10パーセンタイルにおける粒径で割ることで得られる値として定義される。粒子粒度分布が、均一になるほど、均等係数は、1に近づく。
【0036】
(粒子)
非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子が本明細書に提供される。式Iの酸の粒子は、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、顕微鏡観察(例えば、走査電子顕微鏡検査(SEM))、熱分析(例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱的重量分析(TGA)、及びホットステージ顕微鏡検査)、及び分光法(例えば、赤外線、ラマン、固体状態核磁気共鳴)を含む、当業者に公知の多数の方法を使用して特徴づけてもよい。粒径、及び粒度分布は、レーザー光散乱技術などの従来法によって決定してもよい。式Iの酸の粒子の純度は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び質量分析(MS)などの標準的分析法によって決定してもよい。
【0037】
一つの実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、結晶形態Iである。一つの実施態様において、形態Iの粒子は、実質的に図1に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する。別の実施態様において、形態Iの粒子は、およそ9.8、13.1、22.0、及び26.4°の2θ角度に特徴的XRP回折ピークを有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、およそ9.8、13.1、22.0、又は26.4°の2θ角度に特徴的XRP回折ピークを有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、およそ22.0°の2θ角度に特徴的なXRP回折ピークを有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、実質的に図2に示したとおりの示差走査型熱量測定熱記録を有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、約224℃のピーク温度、及び約220℃のオンセット温度で吸熱をもつDSC熱記録を有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子の晶癖は、実質的に針状である(図4)。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、室温で約3μg/mLの水溶解度を有する。
【0038】
一つの実施態様において、形態Iの粒子は、約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲の平均粒径を有してもよい。別の実施態様において、形態Iの粒子は、約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲である、均等係数によって測定される、一様な粒度分布を有する。更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲である、たたいた後の容積密度を有する。
【0039】
このような粒子特性をもつ粒子は、本明細書に記述した製造方法によって直接製造してもよい。或いは、このようなサイズの粒子は、また、製粉、微粉化、又は顆粒化などの任意の従来の粒子処理方を使用して製造してもよい。本明細書に提供される形態Iの粒子は、治療製品としての式Iの酸の直接製造のために適しており、従って、製造方法が単純になり、かつ望まれない多形変換などの従来の粒子処理方法に関連したリスクを排除する。
【0040】
特定の実施態様において、形態Iの式Iの酸の粒子は、式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。また、粒子は、形態Iの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。
【0041】
特定の実施態様において、形態Iの式Iの酸の粒子は、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有していてもよい。
【0042】
特定の実施態様において、形態Iの式Iの酸の粒子は、約100,000ppm以下、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、又は約100ppm以下の残留メタノール含量を有していてもよい。
【0043】
別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、結晶形態IIである。形態IIの粒子は、実質的に図6に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する。形態Iの粒子は、およそ31.7°の2θ角度に特徴的なXRP回折ピークを有する。
【0044】
一つの実施態様において、形態IIの粒子は、約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約1〜約5μm、又は約2〜約5μmの範囲である平均粒径であってもよい。別の実施態様において、形態IIの粒子は、約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲である、均等係数によって測定される、均一な粒度分布を有してもよい。更に別の実施態様において、形態IIの粒子は、約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲である、たたいた後の容積密度を有してもよい。
【0045】
このような粒子特性の粒子は、本明細書に記述した製造方法によって直接製造してもよい。或いは、このようなサイズの粒子は、また、製粉、微粉化、又は顆粒化などの任意の従来の方法を使用して製造してもよい。
【0046】
特定の実施態様において、形態IIの式Iの酸の粒子は、式Iの酸の酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。また、粒子は、形態IIの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。
【0047】
特定の実施態様において、形態IIの式Iの酸の粒子は、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有してもよい。
【0048】
更に別の実施態様において、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子は、非晶質である。非晶質の粒子は、形態I、及び/又は形態IIの粒子に関する特徴的XRP回折ピークを欠いている、実質的に図9に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する。一つの実施態様において、非晶質の粒子は、式Iの酸の酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。別の実施態様において、粒子は、また、非晶質の粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含んでいてもよい。
【0049】
特定の実施態様において、式Iの酸の非晶質の粒子は、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有してもよい。
【0050】
X線粉末回折パターンのピークの数値は、機械間、又は試料間でわずかに変化し得るし、そして、引用される値は、絶対的として解釈されず、米国薬局方(ページ:387-389, 2007)において推奨される0.1°などの許容可能な変動をもつことを理解すべきである。
【0051】
(製造方法)
また、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの式Iの酸の粒子を製造するための方法が提供される。本方法は、式Iの酸を溶媒と接触させる工程を含み、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの式Iの酸の粒子を、溶液から、又は一つの固体形態から別の物に変換する。本方法は、単離工程を更に含んでいてもよく、粒子は、濾過、及び遠心分離、続く溶媒での洗浄、次いで乾燥(例えば、真空オーブン乾燥、風乾、又はデシケータ乾燥)などの従来法によって単離されていてもよい。
【0052】
非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの粒子の製造に使用するための適切な溶媒は、以下を含むが、限定されない:石油エーテル、ペンタン、ヘキサン(類)、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、及びクメンを含む炭化水素;ジクロロメタン(DCM)、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンを含む塩化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、及びエチレングリコールを含むアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、及びアニソールを含むエーテル;アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)を含むケトン;酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、及び酢酸ブチルを含むエステル;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンを含むカルボナート;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN,N-ジメチルアセトアミドを含むアミド;アセトニトリル(ACN)を含むニトリル;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド;スルホランなどのスルホン;ニトロメタン、及びニトロベンゼンなどのニトロ化合物;N-メチルピロリドン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、及びピリジンなどの複素環;酢酸、トリクロロ酢酸、及びトリフルオロ酢酸などのカルボン酸;ヘキサメチルホスホルアミドなどのリンアミド;硫化炭素;水、及びこれらの混合物。
【0053】
結晶形態Iの式Iの酸の粒子は、冷却、チリング、溶媒蒸発、又は抗溶剤の添加を含むが、限定されない従来法を使用して、溶媒中の式Iの酸の溶液、又はスラリーから製造することができる。
【0054】
一つの実施態様において、形態Iの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて形態Iの粒子を精製する工程を含む。また、形態Iの粒子の形成を促進するために、本方法は、工程(b)に先行して、又はその間に、形態Iの結晶で溶液をシーディングすることによるシーディング工程を含んでいてもよい。本方法は、本明細書に記述したとおりの単離工程を更に含んでいてもよい。
【0055】
溶液は、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはII)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほぼ飽和した溶液として製造してもよい。飽和、又はほぼ飽和した溶液は、第1の温度より高い温度にて溶媒に式Iの酸の十分な量を溶解することによって製造することができ、その結果、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほぼ飽和した溶液が得られる。式Iの酸の十分な量は、第1の温度における溶媒中の形態Iの粒子の溶解度に基づいて見積もることができ、これは、当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0056】
第1の温度は、室温〜おおよその溶媒の沸点、例えば、約20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃の範囲であってもよい。第2の温度は、-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃の範囲であってもよい。第1の温度は、第2の温度よりも高くても、若しくは低くてもよく、又は同じでもよい。本方法の収率、及び効率を最大にするために、第2の温度は、通常、第1の温度よりも低く設定される。
【0057】
一つの実施態様において、形態Iの粒子は、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって形成される。溶媒蒸発は、熱、及び/又は真空を溶液に適用することによって促進することができる。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、又はこれらの混合物である。
【0058】
別の実施態様において、形態Iの粒子は、溶液を第2の温度に冷却することによって形成される。この場合、第2の温度は、第1の温度よりも低く設定される。一つの実施態様において、溶媒は、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、又はこれらの混合物である。
【0059】
更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、第2の温度にて溶液に抗溶剤を添加することによって形成される。
【0060】
適切な抗溶剤には、以下を含むが、限定されない:石油エーテル、ペンタン、ヘキサン(類)、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、及びクメンを含む炭化水素;ジクロロメタン(DCM)、1,2‐ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、及びトリフルオロメチルベンゼンを含む塩化炭化水素;イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、1-ブタノール、2‐ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-エトキシエタノール、及びエチレングリコールを含むアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、及びアニソールを含むエーテル;ブタノン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)を含むケトン;酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、及び酢酸ブチルを含むエステル;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレンを含むカルボナート;ニトロメタン、及びニトロベンゼンを含むニトロ化合物;複素環;硫化炭素;水;並びにこれらの混合物。
【0061】
2つの溶媒が溶媒/抗溶剤対として使用されるときに、式Iの酸は、抗溶剤中よりも溶媒中においてより高い溶解度を有する。任意に、溶媒/抗溶剤対における溶媒、及び抗溶剤は、少なくとも部分的に混和性である。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、THF/水、DMF/MTBE、又はDMF/水である。
【0062】
更に別の実施態様において、形態Iの粒子は、第2の温度にて抗溶剤に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、酢酸イソプロピル、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、THF/水、2-メトキシエタノール/ヘキサン、DMSO/水、又はDMF/水である。
【0063】
別の実施態様において、形態Iの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度にスラリーを曝露することによって形態Iの粒子を生成する工程を含む。スラリーは、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。本方法は、本明細書に記述したとおりのシーディング工程、及び/又は単離工程を更に含んでいてもよい。
【0064】
第1、及び第2の温度、及び溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、又はこれらの混合物である。
【0065】
更に別の実施態様において、形態Iの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;(b)第2の温度に溶液を冷却することによってスラリーを形成する工程;及び(c)1つ以上の加熱冷却サイクルにスラリーを曝露することによって形態Iの粒子を生成する工程を含む。本方法は、本明細書に記述したとおりのシーディング工程、及び/又は単離工程を更に含んでいてもよい。
【0066】
第1、及び第2の温度、及び溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、2-メトキシエタノール、MIBK、アセトン、1-ブタノール、エタノール、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水/THF(3:7、v/v)、又はこれらの混合物である。加熱冷却サイクルは、約-50〜約120℃、約-50〜約100℃、約-20〜約80℃、約0〜約80℃、約10〜約80℃、約20〜約80℃、約20〜約60℃、又は約20〜約50℃の間の温度範囲で行ってもよい。
【0067】
結晶形態IIの式Iの酸の粒子は、冷却、チリング、溶媒蒸発、又は抗溶剤の添加を含むが、限定されない従来法を使用して、溶媒中の式Iの酸の溶液、又はスラリーから製造することができる。
【0068】
一つの実施態様において、形態IIの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて形態IIの粒子を生成する工程を含む。形態IIの粒子の形成を促進するために、本方法は、また、工程(b)に先行して、又は間に、形態IIの結晶で溶液をシーディングすることによるシーディング工程を含んでいてもよい。本方法は、本明細書に記述したとおりの単離工程を更に含んでいてもよい。
【0069】
溶液は、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほぼ飽和した溶液として製造してもよい。飽和、又はほぼ飽和した溶液は、第1の温度よりも高い温度にて溶媒中に式Iの酸の十分な量を溶解することによって製造してもよく、その結果、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほぼ飽和した溶液が得られる。式Iの酸の十分な量は、第1の温度における溶媒中の形態IIの粒子の溶解度に基づいて見積もることができ、これは、当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0070】
一つの実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって形成される。溶媒蒸発は、熱、及び/又は真空を溶液に適用することによって促進することができる。一つの実施態様において、溶媒は、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、又はこれらの混合物である。
【0071】
別の実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度に溶液を冷却することによって形成される。
【0072】
更に別の実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度にて溶液に抗溶剤を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。
【0073】
更に別の実施態様において、形態IIの粒子は、第2の温度にて抗溶剤に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、及びこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、及びこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、DMF/MTBEである。
【0074】
別の実施態様において、形態IIの粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度にスラリーを曝露することによって形態IIの粒子を生成する工程を含む。スラリーは、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。本方法は、本明細書に記述したとおりのシーディング工程、及び/又は単離工程を更に含んでいてもよい。
【0075】
第1、及び第2の温度、並びに溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン(類)、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、又はこれらの混合物である。
【0076】
式Iの酸の非晶質の粒子は、冷却、チリング、溶媒蒸発、又は抗溶剤の添加を含むが、限定されない、従来法を使用して、溶媒中の式Iの酸の溶液、又はスラリーから製造することができる。
【0077】
一つの実施態様において、式Iの酸の非晶質の粒子を製造するための方法は(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて非晶質の粒子を生成する工程を含む。また、本方法は、本明細書に記述したとおりの単離工程を含んでいてもよい。
【0078】
溶液は、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほぼ飽和した溶液として製造してもよい。飽和、又はほぼ飽和した溶液は、第1の温度よりも高い温度にて溶媒中に式Iの酸の十分な量を溶解することによって製造してもよく、その結果、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほぼ飽和した溶液が得られる。式Iの酸の十分な量は、第1の温度における溶媒中の非晶質の粒子の溶解度に基づいて見積もることができ、これは、当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0079】
一つの実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって形成される。溶媒蒸発は、熱、及び/又は真空を溶液に適用することによって促進することができる。一つの実施態様において、溶媒は、ギ酸エチル、酢酸イソブチル、MTBE、又はこれらの混合物である。
【0080】
別の実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度に溶液を冷却することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、MEKである。
【0081】
更に別の実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度にて溶液に抗溶剤を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、又はDMSO/水である。
【0082】
更に別の実施態様において、非晶質の粒子は、第2の温度にて抗溶剤に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、THF、メトキシエタノール、DMSO、DMF、又はこれらの混合物であり;及び抗溶剤は、ヘキサン(類)、MTBE、トルエン、水、又はこれらの混合物である。別の実施態様において、溶媒/抗溶剤対は、THF/ヘキサン、又はDMSO/水である。
【0083】
更に別の実施態様において、式Iの酸の非晶質の粒子を製造するための方法は、(a)第1の温度にて溶媒中に式Iの酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度にて相変化を介して非晶質の粒子を生成する工程を含む。スラリーは、油、半固体、固体(非晶質形態、又は形態I、若しくはIIなど)、又はこれらの混合物を含むが、限定されない、式Iの酸の任意の形態から製造することができる。第1、及び第2の温度、並びに溶媒は、本明細書に定義されたとおりである。一つの実施態様において、溶媒は、クロロホルム、ヘキサン(類)、MTBE、ギ酸エチル、ヘプタン、IPA、水、又はこれらの混合物である。
【0084】
また、噴霧乾燥、ローラー乾燥、凍結乾燥、及び融解物結晶化を含む、その他の粒子形成方法を、非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの式Iの酸の粒子を製造するために適用してもよい。
【0085】
(医薬組成物)
また、活性な医薬品成分として非晶質形態、又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸、又はその医薬として許容し得る水和物、若しくは溶媒和物の粒子を、1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与の様式、活性成分の溶解度、及び安定性に対する賦形剤の効果、並びに剤形の性質などの要因に依存する。
【0086】
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形、又は複数剤形で提供してもよい。本明細書に使用される単位剤形とは、ヒト、及び動物対象に対する投与のために適しており、かつ当技術分野において公知のように個々にパックされた物理的に別々の単位をいう。それぞれの単位用量は、必要とされる薬剤担体、又は賦形剤に付随して、所望の治療効果を生じるのに十分な活性成分の予め定められた量を含む。単位剤形の例には、アンプル、注射器、並びに個々にパックされた錠剤、及びカプセルを含む。単位剤形は、その一部分、又はその複数個で投与してもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与される単一の容器にパッケージされた複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例は、バイアル、錠剤、若しくはカプセルの瓶、又はパイント、若しくはガロンの瓶を含む。
【0087】
本明細書に提供される式Iの酸の粒子は、単独で、又は本明細書に提供される1つ以上のその他の化合物、1つ以上のその他の活性成分と組み合わせて、投与してもよい。本明細書に提供される医薬組成物は、経口、非経口的、及び局所的投与のための種々の剤形で製剤化してもよい。また、医薬組成物は、遅延性、長期間、延長性、持続性、パルス状、制御された、促進性、及び迅速、ターゲットされた、プログラムされた放出、並びに胃保持剤形を含む、調整された放出剤形として製剤化してもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来法、及び技術に従って製造することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記; 調整された放出薬物送達技術(Modified-Release Drug Deliver Technology)、Rathboneらの文献、編、薬物、及び医薬品科学(Drugs and the Pharmaceutical Science)、Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2002; Vol. 126を参照されたい)。
【0088】
本明細書に提供される医薬組成物は、すぐに、又は間隔をおいて複数回で投与してもよい。正確な投薬量、及び治療の期間は、治療される患者の年齢、重量、及び状態により変化し得るし、公知の試験プロトコルを使用して経験的に、又はインビボ、若しくはインビトロ試験、又は診断データからの推定によって決定してもよいことが理解される。任意の特定の個体について、具体的な投与計画は、個々の必要性、及び製剤を投与し、又は投与を監督する人の専門の判断に従って、時間とともに調整されるべきであることが更に理解される。
【0089】
A.経口投与
本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、又は液体剤形で提供してもよい。また、本明細書に使用される経口投与には、頬側、舌、及び舌下の投与を含む。適切な経口投与形態は、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ロゼンジ、パステル、カシェ剤、ペレット、医薬用チューインガム、顆粒、混合散剤、発泡性、若しくは非発泡性の粉末、又は顆粒、溶液、乳剤、懸濁液、溶液、ウエハ、スプリンクル、エリキシル、及びシロップを含むが、限定されない。医薬組成物は、活性成分(類)に加えて、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、色素移動阻害剤、甘味料、及び香料を含むが、限定されない1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤を含んでいてもよい。
【0090】
結合剤、又は造粒剤は、圧縮後に、錠剤が完全な状態のままであることを保証するために、錠剤に凝集性を与える。適切な結合剤、又は造粒剤には、以下を含むが、限定されない:コーンスターチ、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖などの糖;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイルランドコケ抽出物、Panwarゴム、ガッチゴム、イサゴール外皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツ(larch arabogalactan)、トラガント粉末、及びガーゴムなどの天然、及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp., Marcus Hook, PA)などの微結晶性セルロース;並びにこれらの混合物。適切な充填剤には、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物を含むが、限定されない。結合剤、又は充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物の重量の約50〜約99%で存在してもよい。
【0091】
適切な希釈剤は、ジカルシウムホスフェート、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖を含むが、限定されない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、スクロース、及びイノシトールなどの特定の希釈剤は、十分な量で存在するときに、いくつかの圧縮錠剤に対して咀嚼により口内での崩壊を可能にする特性を与えることができる。このような圧縮錠剤は、咀嚼錠として使用することができる。
【0092】
適切な崩壊剤は、以下を含むが、限定されない:寒天;ベントナイト;メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木製品;天然スポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ガーゴム、及びVeegum HVなどのゴム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋重合体;架橋デンプン;炭酸カルシウム;ナトリウムデンプングリコラートなどの微結晶性セルロース;ポラクリリン(polacrilin)カリウム;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;アライン(align);及びこれらの混合物。本明細書に提供される医薬組成物における崩壊剤の量は、製剤のタイプにより変化し、当業者には容易に認識可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、崩壊剤の重量の約0.5〜約15%、又は約1〜約5%を含んでいてもよい。
【0093】
適切な潤滑剤には、以下を含むが、限定されない:ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール、及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む水素付加された植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co., Baltimore, MD)、及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)などのシリカ、又はシリカゲル;並びにこれらの混合物。本明細書に提供される医薬組成物は、潤滑剤の重量の約0.1〜約5%を含んでいてもよい。
【0094】
適切な流動促進剤は、コロイド性二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、及び石綿を含まないタルクを含む。着色剤には、任意の、承認され、認可された、水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD&C色素、及び着色レーキ、並びにこれらの混合物を含む。着色レーキは、重金属の水和酸化物に対する水溶性色素の吸着による組み合わせであり、不溶性形態の色素を生じる。香料は、果実などの植物から抽出された天然の香味、及びペパーミント、及びサリチル酸メチルなどの楽しい味覚を生じる化合物の合成の混合物を含む。甘味料には、スクロース、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン、及びアスパルテームなどの人工甘味剤を含む。適切な乳化剤には、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、並びにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(Tween(登録商標)80)、及びトリエタノールアミンオレアートなどの界面活性物質を含む。懸濁剤、及び分散剤には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、ナトリウムカルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。保存剤には、グリセリン、メチル、及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、及びアルコールを含む。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウリアート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含む。乳剤に利用される非水溶液体の例には、鉱油、及び綿実油を含む。有機酸には、クエン酸、及び酒石酸を含む。二酸化炭素の供与源には、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウムを含む。
【0095】
多くの担体、及び賦形剤は、同じ製剤内でさえ、いくつかの機能を担い得ることが理解されるはずである。
【0096】
本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮錠、擦り込み錠剤、咀嚼ロゼンジ、迅速溶解錠、多重圧縮錠、又は腸溶コーティング錠、糖衣錠、若しくはフィルム被覆錠として提供してもよい。腸溶コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが、小腸で溶解し、又は崩壊する物質で被覆されており、従って、胃の酸性環境から活性成分を保護する圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、脂肪酸、脂肪、フェニルサリチラート、ろう、セラック、アンモニア処理されたセラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、限定されない。糖衣錠は、糖衣によって囲まれた圧縮錠剤であり、いやな味、又は臭気を包み隠すのに、及び錠剤を酸化から保護するのに有益であろう。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層、又はフィルムでカバーされた圧縮錠剤である。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴を与える。多重圧縮錠は、層をなした錠剤、及び押圧被覆、又は乾燥被覆された錠剤を含む複数の圧縮サイクルによって作製される圧縮錠剤である。
【0097】
錠剤剤型は、粉末状、結晶性、又は顆粒状の形態の活性成分から単独で、又は結合剤、崩壊剤、制御放出重合体、潤滑剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む本明細書に記述した1つ以上の担体、又は賦形剤と組み合わせて製造してもよい。香味料、及び甘味料は、特に咀嚼錠、及びロゼンジの形成に有用である。
【0098】
本明細書に提供される医薬組成物は、軟、又は硬カプセルとして提供してもよく、これは、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作製することができる。硬カプセルは、乾燥充填カプセル(DFC)としても知られ、一方が他方をはめ込んで覆い、従って、完全に活性成分を封入する2つの部分からなる。軟弾性カプセル剤(SEC)は、軟らかい、ゼラチンシェルなどの球状シェルであり、これは、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化される。軟ゼラチンシェルには、微生物の増殖を防止するために、保存剤を含んでいてもよい。適切な防腐剤は、メチルパラベン、及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む、本明細書に記述したとおりのものである。本明細書に提供される液体、半固体、及び固体の剤形は、カプセルにカプセル化してもよい。適切な液体、及び半固体剤形には、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の溶液、及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載されているように製造することができる。また、カプセルは、活性成分の溶解を修飾し、又は持続するために、当業者に知られているように被覆されていてもよい。
【0099】
本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、エリキシル、及びシロップを含む液体、及び半固体剤形で提供してもよい。乳剤は、一方の液体が別の液体の全体にわたって小さな小球の形態で散在されている二相系であり、これは、水中油型、又は油中水型であることができる。乳剤には、医薬として許容し得る非水溶液体、又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含んでいてもよい。懸濁液は、医薬として許容し得る懸濁剤、及び保存剤を含んでいてもよい。水性アルコール溶液には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタールなどの医薬として許容し得るアセタール(「低級」という用語は、1〜6炭素原子を有するアルキルを意味する)、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール;並びにプロピレングリコール、及びエタノールなどの1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性の溶媒を含んでいてもよい。エリキシルは、透明な、加糖され、及び水アルコール性(hydroalcoholic)溶液である。シロップは、糖、例えばスクロースの濃縮された水溶液であり、また保存剤を含んでいてもよい。液体剤形については、例えば、投与のために都合よく測定されるように、ポリエチレングリコール中の溶液を、医薬として許容し得る液体担体、例えば水の十分な量で希釈してもよい。
【0100】
その他の有用な液体、及び半固体剤形は、本明細書に提供される活性成分、並びに1,2-ジメトキシメタン、ダイグライム、トリグライム、テトラグライム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化されたモノ、又はポリ-アルキレングリコールを含むが、限定されず、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量をいう。これらの製剤は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニゾール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸、及びそのエステル、並びにジチオカルバメートなどの1つ以上の抗酸化剤を更に含んでいてもよい。
【0101】
また、経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、微粒子、又はナノ系の形態で提供してもよい。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されているように製造することができる。
【0102】
本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成させるための、非発泡性、又は発泡性の、顆粒、及び粉末として提供してもよい。非発泡性の顆粒、又は粉末に使用される医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでいてもよい。発泡性の顆粒、又は粉末に使用される医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、有機酸、及び二酸化炭素の供与源を含んでいてもよい。
【0103】
着色料、及び香料は、上記の剤形の全てにおいて使用することができる。
【0104】
本明細書に提供される医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス状、制御された、ターゲットされた、プログラムされた放出を含む即時、又は調整された放出剤形として製剤化してもよい。
【0105】
本明細書に提供される医薬組成物は、所望の治療作用を障害しないその他の活性成分と共に、又は制酸剤、プロトンポンプ阻害剤、及びH2受容体アンタゴニストなどの所望の作用を補う物質と共に、共に製剤化してもよい。
【0106】
B.非経口投与
本明細書に提供される医薬組成物は、局部的、又は全身投与のために、注射、輸液、又は移植によって非経口的に投与してもよい。本明細書に使用される非経口投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、及び皮下投与を含む。
【0107】
本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、ミセル、リポソーム、微粒子、ナノ系、及び注射前に液体の溶液、又は懸濁液のために適した固体形態を含む、非経口投与のために適した任意の剤形に製剤化してもよい。このような剤形は、医薬品科学の当業者に公知の従来法に従って製造することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。
【0108】
非経口投与のために意図される医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水溶媒体、微生物の増殖に対する抗菌薬、又は防腐剤、安定剤、溶解度エンハンサー、等張薬、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤、及び分散剤、湿潤剤、又は乳化剤、錯化剤、隔離剤、又はキレート剤、凍結保護物質、リオプロテクタント(lyoprotectant)、糊料、pH調整剤、並びに不活性ガスを含むが、限定されない、1つ以上の医薬として許容し得る担体、及び賦形剤を含んでいてもよい。
【0109】
適切な水性媒体には、水、食塩水、生理食塩水、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張性デキストロース注射、滅菌水注射、デキストロース、及び乳酸化されたリンゲル注射を含むが、限定されない。非水溶媒体には、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ハッカ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、水素付加された植物油、水素付加されたダイズ油、及びヤシ油の中鎖トリグリセリド、並びにパーム種子油を含むが、限定されない。水混和性媒体には、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300、及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、限定されない。
【0110】
適切な抗菌薬、又は保存剤には、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシベンズアート、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含むが、限定されない。適切な等張薬には、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、限定されない。適切な緩衝剤には、ホスフェート、及びシトラートを含むが、限定されない。適切な抗酸化剤には、本明細書に記述したとおりの亜硫酸水素、及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。適切な局所麻酔薬には、塩酸プロカインを含むが、限定されない。適切な懸濁剤、及び分散剤には、本明細書に記述したとおりのナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。適切な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む本明細書に記述したものを含む。適切な隔離剤、又はキレート薬には、EDTAを含むが、限定されない。適切なpH調整薬には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、限定されない。適切な錯化剤には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標), CyDex, Lenexa, KS)を含む、シクロデキストリンを含むが、限定されない。
【0111】
本明細書に提供される医薬組成物は、単一、又は複数回の投薬量の投与のために製剤化してもよい。単一投薬製剤は、アンプル、バイアル、又は注射器にパックされる。複数回投薬非経口的製剤は、静菌、又は静真菌濃度で抗菌薬を含まなければならない。全ての非経口的製剤は、当該技術分野において知られており、かつ実践されるように、無菌でなければならない。
【0112】
一つの実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌液として提供される。別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、凍結乾燥粉末、及び皮下注射用錠剤を含む無菌の乾燥可溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌懸濁液として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、無菌の乾燥不溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌の乳剤として提供される。
【0113】
本明細書に提供される医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス状、制御された、ターゲットされた、プログラムされた放出形態を含む即時、又は調整された放出剤形として製剤化してもよい。
【0114】
医薬組成物は、移植されたデポ剤として投与するための懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロピックな液体として製剤化してもよい。一つの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、固体の内部マトリックスに散在されており、これは、体液に不溶性であるが、医薬組成物中の活性成分を散在して通すことができる外側の高分子膜によって囲まれている。
【0115】
適切な内部マトリックスには、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化、又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボナート共重合体、アクリル酸、及びメタクリル酸のエステルなどの親水性重合体、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、並びに架橋部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルのヒドロゲルを含む。
【0116】
適切な外側高分子膜には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルと塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体を含む。
【0117】
C.局所投与
本明細書に提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜に局所的に投与してもよい。本明細書に使用される局所投与には、経皮(内)、結膜内、内角膜、眼内、経眼、耳介、経皮、経鼻、膣、尿道、呼吸器、及び直腸の投与を含む。
【0118】
本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、散布剤、包帯剤、エリキシル、ローション、懸濁液、チンキ、ペースト、泡、フィルム、エアロゾル、洗浄、スプレー、坐薬、包帯、皮膚用パッチを含む局部的、又は全身性の効果のための、局所投与のために適している任意の剤形に製剤化してもよい。また、本明細書に提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、微粒子、ナノ系、及びこれらの混合物を構成してもよい。
【0119】
本明細書に提供される局所製剤に使用するために適した医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、水性媒体、水混和性媒体、非水溶媒体、微生物の増殖に対する抗菌薬、又は防腐剤、安定剤、溶解度エンハンサー、等張薬、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤、及び分散剤、湿潤剤、又は乳化剤、錯化剤、隔離剤、又はキレート剤、浸透増強剤、凍結保護物質、リオプロテクタント(lyoprotectant)、糊料、並びに不活性ガスを含むが、限定されない。
【0120】
また、医薬組成物は、電気穿孔法、イオン泳動、フォノフォレシス、ソノフォレシス、並びにPOWDERJECT(商標)(Chiron Corp., Emeryville, CA)、及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies Inc., Tualatin, OR)などの極微針、又は針なし注射によって局所的に投与してもよい。
【0121】
本明細書に提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム、及びゲルの形態で提供してもよい。適切な軟膏媒体には、以下を含む:豚脂、ベンゾイン化された(benzoinated)豚脂、オリーブ油、綿実油、及びその他の油、白色ワセリンなどを含む油性の、又は炭化水素基剤;親水ワセリン、ヒドロキシステアリンサルフェート、及び脱水ラノリンなどの乳化基剤、又は吸収基剤;親水軟膏などの水除去可能な基剤;分子量を変化させるポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏基剤;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、及びステアリン酸を含む、油中水型(W/O)乳剤、又は水中油型(O/W)乳剤のいずれかの乳剤性基剤(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。これらの媒体は、皮膚軟化薬であるが、一般に抗酸化剤、及び防腐剤の添加を必要とする。
【0122】
適切なクリーム基剤は、水中油型、又は油中水型であることができる。クリーム媒体は、水洗可能であっても、及び油相、乳化剤、及び水相を含んでいてもよい。また、油相は、「内」相とも呼ばれ、これは、一般にワセリン、及びセチル、又はステアリルアルコールなどの脂肪アルコールで構成される。水相は、通常必ずしも必要ではないが、容積において油相を上回り、一般に湿潤薬を含む。クリーム製剤における乳化剤は、非イオン性の、陰イオン性の、陽イオン性の、又は両性の界面活性物質であってもよい。
【0123】
ゲルは、半固体の、懸濁液型の系である。単相ゲルは、液体担体の全体にわたって一様に実質的に分配された有機巨大分子を含む。適切なゲル化剤には、以下を含む:カルボマー、カルボキシポリアルキレン、カルボポール(登録商標)などの架橋アクリル酸重合体;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリビニルアルコールなどの親水性重合体;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩、及びメチルセルロースなどのセルロース重合体;トラガカント、及びキサンタンガムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;並びにゼラチン。一様なゲルを製造するために、アルコール、又はグリセリンなどの分散剤を添加することができ、又はゲル化剤は、倍散、機械的混合、及び/又は撹拌によって分散することができる。
【0124】
本明細書に提供される医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー、湿布、又はパップ剤、ペースト、粉末、包帯剤、クリーム、硬膏剤、避妊具、軟膏、溶液、乳剤、懸濁液、タンポン、ゲル、泡、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸、尿道、経膣的、又は膣周囲に投与してもよい。これらの剤形は、Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記に記載されているように、従来のプロセスを使用して製造することができる。
【0125】
直腸、尿道、及び膣の坐薬は、体開口部への挿入のための固体であり、これは、常温にて固体であるが、体温にて融解、又は軟化して開口部内部で活性成分(類)を放出する。直腸、及び膣の坐薬に利用される医薬として許容し得る担体には、本明細書に提供した医薬組成物と共に製剤化されたときに、体温付近に融点を生じる硬化剤;並びに亜硫酸水素塩、及び異性重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書に記述したとおりの抗酸化剤などの媒体を含む。適切な媒体には、カカオ脂(カカオ(theobroma)脂)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、動物蝋、パラフィン、白色、及び黄色蝋、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリグリセリドの適切な混合物、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアクリル酸などのヒドロゲル;グリセロゼラチンを含むが、限定されない。種々の媒体の組み合わせを使用してもよい。直腸、及び膣の坐薬は、圧縮法、又は成形によって製造してもよい。直腸、及び膣の坐薬の典型的な重量は、約2〜3gである。
【0126】
本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、乳剤、ゲル形成溶液、溶液のための粉末、ゲル、眼球インサート、及びインプラントの形態で、眼科学的に投与してもよい。
【0127】
本明細書に提供される医薬組成物は、鼻腔内に、又は気道に吸入法によって投与してもよい。医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、微細なミストを生じる電気水力学を使用するアトマイザーなどのアトマイザー、又はネブライザーを使用して送達するためのエアロゾル、又は溶液の形態で、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン、若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴霧剤と組み合わせて提供してもよい。また、医薬組成物は、単独で、又は乳糖、若しくはリン脂質不活性担体と組み合わせてガス注入のための乾燥粉末、及び点鼻液として、提供してもよい。鼻腔内用途については、粉末には、キトサン、又はシクロデキストリンを含む生体付着薬を含んでいてもよい。
【0128】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、若しくはネブライザーに使用するための溶液、又は懸濁液は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書に提供した活性成分の分散放出、可溶放出、若しくは長期放出のための適切な代わりの薬剤、溶媒としての噴霧剤;及び/又はトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、若しくはオリゴ乳酸などの界面活性物質を含むように製剤化してもよい。
【0129】
本明細書に提供した医薬組成物は、50マイクロメートル以下、又は10マイクロメートル以下などの吸入法による送達のために適切なサイズに微粒状にしてもよい。このようなサイズの粒子は、らせん形ジェット製粉、流動床ジェット製粉、ナノ粒子を形成するための超臨界溶液プロセシング、高圧ホモジナイゼーション、又は噴霧乾燥などの、当業者に周知の粉砕方法を使用して製造してもよい。
【0130】
吸入器、又は通気器に使用するためのカプセル、疱疹、及びカートリッジは、本明細書に提供した医薬組成物の粉末混合物;乳糖、又はデンプンなどの適切な粉末基剤;及びl-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの性能モディファイヤーを含むように製剤化してもよい。乳糖は、無水物、又は一水和物の形態であってもよい。その他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロースを含む。吸入/鼻腔内の投与のための本明細書に提供した医薬組成物には、メントール、及びレボメントールなどの適切な香味料、又はサッカリン、若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を更に含んでいてもよい。
【0131】
局所投与のための本明細書に提供した医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス状、制御された、ターゲットされた、及びプログラムされた放出を含む即時放出、又は調整された放出であるように製剤化してもよい。
【0132】
D.調整された放出
本明細書に提供した医薬組成物は、調整された放出剤形として製剤化してもよい。本明細書に使用される「調整された放出」という用語は、活性成分(類)の放出の速度、又は場所が、同じ経路によって投与されたときに、即時剤形のものとは異なる剤形をいう。調整された放出剤形には、遅延性、長期間、延長性、持続性、拍動性、若しくはパルス状、制御された、促進性、及び迅速、ターゲットされた、プログラムされた放出、及び胃保持剤形を含む。調整された放出剤形の医薬組成物は、マトリックス徐放装置、浸透圧徐放装置、多粒子徐放装置、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、微粒子、リポソーム、及びこれらの組み合わせを含むが、限定されない種々の調整された放出装置、及び当業者に公知の方法を使用して製造することができる。また、活性成分(類)の放出速度は、活性成分(類)の粒径、及び多形を変化させることによって、調整することができる。
【0133】
調整された放出の例は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;及び第6,699,500号に記述されたものを含むが、限定されない。
【0134】
1. マトリックス徐放装置
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス徐放装置(「制御された薬物送達の百科事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」、第2巻、Mathiowitz 編、 Wiley, 1999のTakada他の文献を参照されたい)を使用して製造してもよい。
【0135】
一つの実施態様において、調整された放出剤形の本明細書に提供された医薬組成物は、合成重合体、並びに多糖体、及びタンパク質などの天然に存在する重合体、及び誘導体を含む水膨張し得る、浸食する、又は可溶性の重合体である浸食するマトリックス装置を使用して製剤化される。
【0136】
浸食するマトリックスを形成するのに有用な材料には、以下を含むが、限定されない:キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;ゴム寒天、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラゲナン、ガッチゴム、ガーゴム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デキストリン、及びマルトデキストリンなどのデンプン;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのホスファチド;アルギナート;アルギン酸プロピレングリコールエステル;ゼラチン;コラーゲン;並びにエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルローストリメリタート(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース化合物;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸、又はメタクリル酸の共重合体(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America、Inc., Piscataway, NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリラート);ポリ乳酸;L-グルタミン酸、及びエチル-L-グルタミン酸の共重合体;分解可能な乳酸-グリコール酸共重合体;ポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びにブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、及び(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロライドのホモ重合体、及び共重合体などのその他のアクリル酸誘導体。
【0137】
別の実施態様において、医薬組成物は、非浸食マトリックス装置と共に製剤化される。活性成分(類)は、不活性マトリックスに溶解され、又は分散され、主に、一旦投与された不活性マトリックスを介した拡散によって放出される。非浸食マトリックス装置としての使用に適した材料には、以下を含むが、限定されない:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボナート共重合体などの不溶性プラスチック、並びに;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルなどの親水性重合体;並びにカルナウバ蝋、微結晶ワックス、及びトリグリセリド脂などの肪族化合物。
【0138】
マトリックス徐放系において、所望の放出動態は、例えば、使用した重合体タイプ、重合体粘性、重合体、及び/又は活性成分の粒径、活性成分対重合体の比、並びに組成物のその他の賦形剤を介して制御されていることができる。
【0139】
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、直接圧縮、乾燥、又は湿造粒に続く圧縮、融解造粒に続く圧縮を含む当業者に公知の方法によって製造してもよい。
【0140】
2. 浸透圧性の徐放装置
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、1チャンバー系、2チャンバー系、非対称膜技術(AMT)、及び押出加工コア系(ECS)を含む浸透圧徐放装置を使用して製造してもよい。一般に、このような装置は、少なくとも2つの構成成分:(a)活性成分(類)を含むコア;及び(b)コアをカプセル化する少なくとも1つの送出ポートをもつ半透膜を有する。半透膜は、送出ポート(類)を介した押出しによって薬物放出を引き起こすために、使用する水性環境からコアへの水の流入を制御する。
【0141】
活性成分(類)に加えて、浸透圧装置のコアは、任意に、使用する環境から装置のコアへの水の輸送のための推進力を生じる浸透剤を含む。浸透剤の1つのクラスは、水で膨張する親水性重合体であり、これは、また「浸透重合体」、及び「ヒドロゲル」とも呼ばれ、親水性ビニル、及びアクリル重合体、アルギン酸カルシウムなどの多糖体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋されたPVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVP共重合体、メタクリル酸メチル、及び酢酸ビニルなどの疎水性単量体とのPVA/PVP共重合体、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン類、ナトリウムクロスカルメロース、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、並びにナトリウムデンプングリコラートを含むが、限定されない。
【0142】
浸透剤のその他のクラスは、オスモジェン(osmogen)であり、これは、水を吸収して周囲コーティングのバリアを超えて浸透圧勾配に影響を及ぼすことができる。適切なオスモジェンには、以下を含むが、限定されない:硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、乳糖、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトールなどの糖;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸などの有機酸;尿素;並びにこれらの混合物。
【0143】
異なる溶解速度の浸透剤を使用して、活性成分がどのくらい迅速に最初に剤形から送達されるかに影響を及ぼしてもよい。例えばMannogeme EZ(SPI Pharma, Lewes, DE)などの非晶質の糖を使用して、所望の治療効果を迅速に生じるように最初の二時間の間により速く、そして長期間にわたって段階的に、かつ持続的に、所望の治療、又は予防効果のレベルを維持する残りの量を放出する送達を提供することができる。この場合には、活性成分(類)は、代謝され、及び排出される活性成分の量を置き換えるような速度で放出される。
【0144】
また、コアには、剤形の性能を増強するための、又は安定性、又はプロセシングを促進するための、本明細書に記述したような多種多様なその他の賦形剤、及び担体を含んでいてもよい。
【0145】
半透膜を形成するのに有用な材料には、生理的に関連したpHにて水透過性、及び水不溶性であるか、又は架橋などの化学変化によって水不溶性が与えられるように感受性であるアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体の種々のグレードを含む。コーティングを形成するのに有用な適切な重合体の例には、以下を含む:可塑化された、可塑化されていない、及び補強された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、セルローストリアセテート、CAプロピオナート、ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAウレタン、CAP、CAカルバミド酸メチル、CAスクシナート、酢酸セルローストリメリタート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CA炭酸エチル、CAクロロアセテート、CAシュウ酸エチル、CAメチルスルホナート、CAブチルスルホナート、CA p-トルエンスルホナート、寒天アセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセタート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、トリアセタートのローカストビーンガム、ヒドロキシル化されたエチレン-ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPG共重合体、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸、及びエステル、及びポリ-(メタクリル)酸、並びにこれらのエステル、及び共重合体、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル、及びエーテル、天然蝋、並びに合成蝋。
【0146】
また、半透膜は、孔が米国特許第5,798,119号に開示されたような、実質的に気体で満たされ、かつ水性媒体によって濡れないが、水蒸気に対して浸透性である疎水性の微細孔膜であってもよい。このような疎水性であるが、水蒸気浸透性の膜は、典型的には、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル、及びエーテルなどの疎水性重合体、天然蝋、及び合成蝋で構成される。
【0147】
半透膜に対する送出ポート(類)は、機械的、又はレーザー穿孔によるポストコーティングを形成してもよい。また、送出ポート(類)は、水溶性材料のプラグの侵食によって、又はコアの押し込みを超えた膜のより細い部分の破裂によって、インサイチューで形成されてもよい。加えて、送出ポートは、米国特許第5,612,059号、及び第5,698,220号に開示されたタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティング過程の間に形成されてもよい。
【0148】
放出される活性成分(類)の総量、及び放出速度は、実質的に、半透膜の厚み、及び多孔度、コアの組成、並びに送出ポートの数、サイズ、及び位置を経て調整することができる。
【0149】
浸透圧徐放剤形の医薬組成物には、本明細書に記述したとおりのさらなる従来の賦形剤を更に含んで、製剤の性能、又はプロセシングを促進してもよい。
【0150】
浸透圧徐放剤形は、当業者に公知の従来法、及び技術に従って製造することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記;Santus and Bakerの文献、J. Controlled Release 1995, 35, 1-21;Vermaらの文献、Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708;Vermaらの文献、J. Controlled Release 2002, 79, 7-27を参照されたい)。
【0151】
特定の実施態様において、本明細書に提供した医薬組成物は、AMT徐放剤形として製剤化され、これは、活性成分、及びその他の医薬として許容し得る賦形剤を含むコアをコーティングする不斉浸透膜を含む。米国特許第5,612,059号、及びWO 2002/17918を参照されたい。AMT徐放剤型は、直接圧縮、乾式造粒法、湿式造粒法、及び浸漬塗装法を含む当業者に公知の従来の方法、及び技術に従って製造することができる。
【0152】
特定の実施態様において、本明細書に提供した医薬組成物は、ESC徐放剤形として製剤化され、これには、は、活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース、及びその他の医薬として許容し得る賦形剤を含むコアをコーティングする浸透膜を含む。
【0153】
3. 多粒子徐放装置
調整された放出剤形の本明細書に提供した医薬組成物は、多粒子徐放装置を製作してもよく、これには、約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜1mmの範囲の直径の多数の粒子、顆粒、又はペレットを含む。このような多粒子は、湿造粒、及び乾燥造粒、押出し/球状化(spheronization)、ローラー圧縮、融解-凝結、及びスプレーコーティングシードコアによるものを含む、当業者に公知の方法によって作製してもよい。例えば、多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery);Marcel Dekker:1994;及び医薬品造粒技術(Pharmaceutical Pelletization Technology)、Marcel Dekker:1989を参照されたい。
【0154】
本明細書に記述したその他の賦形剤は、多粒子を加工し、及び形成するのを助ける医薬組成物と混合させてもよい。生じる粒子は、それ自体多粒子装置を構成してもよく、又は腸溶重合体、水膨潤、及び水溶性重合体などの、種々のフィルム形成材料によって被覆されていてもよい。多粒子は、カプセル、又は錠剤として更に加工することができる。
【0155】
4. ターゲットされた送達
また、本明細書に提供した医薬組成物は、リポソーム、再封止されたエリスロサイト、及び抗体に基づいた送達系を含む、治療される対象の体の特定の組織、受容体、又はその他の領域にターゲットされるように製剤化してもよい。例には、米国特許第6,316,652号;第6,274,552号;第6,271,359号;第6,253,872号;第6,139,865号;第6,131,570号;第6,120,751号;第6,071,495号;第6,060,082号;第6,048,736号;第6,039,975号;第6,004,534号;第5,985,307号;第5,972,366号;第5,900,252号;第5,840,674号;第5,759,542号;及び第5,709,874号を含むが、限定されない。
【0156】
(使用方法)
一つの実施態様において、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体に関連する障害、若しくは疾患の1つ以上の症候を、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に対して、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの、{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することによって治療し、予防し、又は寛解させる方法が提供される。
【0157】
別の実施態様において、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体の調整に応答する疾患、又は障害の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に対して、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0158】
更に別の実施態様において、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体によって媒介される疾患、又は障害の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0159】
更に別の実施態様において、好酸球に関連した疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0160】
更に別の実施態様において、好塩基球に関連した疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0161】
更に別の実施態様において、炎症性疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させる方法であって、このような状態、若しくは疾患を有し、又は有することが疑われる対象に、非晶質形態又は結晶形態I、若しくはIIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子の治療上有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0162】
本明細書に提供した粒子で治療可能な障害、及び疾患には、以下を含むが、限定されない:(1)全身アナフィラキシー、及び過感受性障害、アトピー性皮膚炎、じんま疹、薬物アレルギー、昆虫針アレルギー、食事性アレルギー(セリアック病等を含む)、並びに肥満細胞症を含む、炎症性、又はアレルギー性疾患;(2)クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎、及び腸炎を含む、炎症性腸疾患;(3)血管炎、及びベーチェット症候群;(4)皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんま疹、ヒト乳頭腫ウイルス、HIV、又はRLV感染に由来するものを含むウイルス性皮膚病態、細菌、真菌(flugal)、及びその他の寄生生物(parasital)皮膚病態、及び皮膚エリテマトーデスを含む、乾癬、及び炎症性皮膚疾患;(5)アレルギー性喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、中耳炎、アレルギー性結膜炎、過感受性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患を含む、喘息、及び呼吸器アレルギー疾患;(6)関節炎(リウマトイド、及び乾癬を含む)、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、重症筋無力症、多発性硬化症、グレーブス病、及び糸球体腎炎を含む、自己免疫疾患;(7)移植片拒絶(同種異系移植片拒絶反応、及び移植対宿主疾患を含む)、例えば皮膚移植片拒絶、実質性器官移植拒絶反応、骨髄移植拒絶反応;(8)熱;(9)急性心不全、低血圧、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、心筋症、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、再狭窄、及び血管の狭窄を含む、心臓血管疾患障害;(10)外傷性脳外傷、脳卒中、虚血性の再灌流傷害、及び動脈瘤を含む、脳血管障害;(11)乳房、皮膚、前立腺、頚部、子宮、卵巣、精巣、膀胱、肺、肝臓、喉頭、口腔、結腸、及び胃腸管(例えば、食道、胃、膵臓)、脳、甲状腺、血液、及びリンパ系の癌;(12)線維症、結合組織病、及びサルコイドーシス、(13)勃起障害を含む、生殖器、及び生殖状態;(14)胃炎、潰瘍、悪心、膵炎、及び嘔吐を含む、胃腸障害;(15)アルツハイマー病を含む、神経性障害;(16)不眠症、ナルコレプシー、睡眠無呼吸症候群、及びPickwick症候群を含む、睡眠障害;(17)疼痛;(18)腎臓障害;(19)緑内障を含む眼障害;並びに(20)HIVを含む感染症。
【0163】
特定の実施態様において、疾患は、喘息、アレルギー性喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、接触性皮膚炎、結膜炎、アレルギー性結膜炎、好酸球増加性気管支炎、食事性アレルギー、好酸球性胃腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満細胞症、ハイパーIgE症候群、全身紅はん性エリトマトーデス、乾癬、座瘡、多発性硬化症、同種移植片拒絶反応、再灌流傷害、慢性閉塞性肺疾患、チャーグ-ストラウス症候群、副鼻腔炎、好塩基球性白血病、慢性じんま疹、好塩基球増加症、乾癬、湿疹、COPD(慢性閉塞性肺の障害)関節炎、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、及び骨関節炎からなる群から選択される。
【0164】
特定の実施態様において、疾患は、喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、又はアレルギー性結膜炎である。
【0165】
特定の実施態様において、疾患は、チャーグ-ストラウス症候群、又は副鼻腔炎である。
【0166】
治療される疾患、及び対象の状態に応じて、本明細書に提供した粒子、又は組成物は、経口、非経口的(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射、若しくは注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入法、経鼻、膣、直腸、舌下、又は局所的(例えば、経皮、又は局部的)投与の経路によって投与してもよく、単独で、又はそれぞれの投与の経路のために適した医薬として許容し得る担体、アジュバント、及び媒体と共に適切な用量単位で製剤化してもよい。また、活性成分が所定の時間にわたって放出されるデポー製剤の本明細書に提供した粒子の投与が、提供される。
【0167】
喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、熱、敗血症、全身性エリテマトーデス、糖尿病、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、移植拒絶反応、炎症性腸疾患、癌、又はCRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体と関連するその他の状態の1つ以上の症候、障害、若しくは疾患の治療、予防、又は寛解において、適切な投薬量レベルは、一般に1日につきkg患者体重あたり(1日あたりのmg/kg)約0.001〜100mg、1日につき約0.01〜約75mg/kg、1日につき約0.1〜約50mg/kg、1日につき約0.5〜約25mg/kg、又は1日につき約1〜約20mg/kgであり、これは、単一、又は複数用量で投与してもよい。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.005〜0.05、0.05〜0.5、又は0.5〜5.0、1〜15、1〜20、又は1〜50mg/kgであってもよい。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.001〜100mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.01〜約75mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.1〜約50mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約0.5〜約25mg/kgである。特定の実施態様において、投薬量レベルは、1日につき約1〜約20mg/kgである。
【0168】
経口投与のために、医薬組成物は、治療される患者に対する症候の投薬量の調整のために、1.0〜1,000mgの活性成分、特に約1、約5、約10、約15、約20、約25、約50、約75、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約750、約800、約900、及び約1,000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供することができる。組成物は、1日につき1回、2回、3回、及び4回含む1日につき1〜4回の処方計画で投与してもよい。
【0169】
しかし、任意の特定の患者のための投薬量の具体的な服用レベル、及び頻度は、変更を加えてもよく、並びに使用される具体的な化合物の活性、その化合物の謝安定性、及び作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康、性、食餌、投与の様式、及び回数、排泄の割合、複合製剤、特定の状態の重症度、並びに療法を受けている宿主を含む種々の要因に依存するであろうことが理解される。
【0170】
また、CRTH2、及び/又は1つ以上のその他のPGD2受容体(群)を調整する方法であって、本明細書に提供したとおりの1つ以上の固体の形態の粒子と受容体を接触させることを含む、方法が本明細書に提供される。一つの実施態様において、受容体(群)は、細胞によって発現される。
【0171】
また、本明細書に提供される粒子は、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、熱、敗血症、全身性エリテマトーデス、糖尿病、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、移植拒絶反応、炎症性腸疾患、癌、及び上記のこれらの病態を含む本明細書に提供した粒子が有用である疾患、若しくは状態の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解に有用なその他の薬剤と組み合わせても、又は組み合わせて使用してもよい。
【0172】
このようなその他の薬剤、又は薬物は、従って、一般に使用される経路によって、及び量で、本明細書に提供した粒子と同時に、又は連続して、投与してもよい。本明細書に提供した粒子が1つ以上の他剤と同時に使用されるときは、本明細書に提供した粒子に加えて、このような他剤を含む医薬組成物を利用してもよいが、必要とはされない。従って、本明細書に提供した医薬組成物は、また、本明細書に提供した粒子に加えて、1つ以上のその他の活性成分、又は治療薬を含むものを含む。
【0173】
本明細書に提供した粒子の、第2の活性成分に対する重量比は、変更を加えてもよく、及びそれぞれの成分の有効な用量に依存するであろう。一般に、それぞれの有効な用量が使用されるであろう。従って、例えば、本明細書に提供した粒子がNSAIDと組み合わせられるときは、粒子のNSAIDに対する重量比は、約1,000:1〜約1:1,000、又は約200:1〜約1:200の範囲であってもよい。また、本明細書に提供した粒子との他の活性成分との組み合わせは、一般に上述した範囲内にあるだろうが、しかし、いずれの場合においても、それぞれの活性成分の有効な用量が使用されるべきである。
【実施例】
【0174】
式Iの酸の粒子は、以下の実施例において、X線粉末回折法(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量測定(TGA)、及び走査電子顕微鏡検査(SEM)で特徴づけた。
【0175】
X線粉末回折データは、Rigaku MiniFlex X線粉末回折計(Rigaku Americas, The Woodlands, TX)で記録した。放射線は、CuKa(40kV、40mA)であった。データは、室温にて、1工程につき0.02度、及び1工程につき0.6秒にて、3〜45度2-θで収集した。試料は、溶媒のない粉末物質の薄層として、ガラス試料ホルダ上で製造した。
【0176】
示差走査熱量測定は、Mettler 850、TA 2920を使用することにより実施した。試料は、解析のために封をしたアルミニウム製鍋に置き、参照として空のアルミニウム製鍋に置いた。10℃/分の割合の加熱を30℃〜280℃の温度範囲にわたって使用した。
【0177】
また、熱重量分析は、Mettler 850、TA 2920上で行った。試料は、セラミック、又はアルミニウム試料皿に置いた。20℃/分の割合の加熱を20℃〜600℃の温度範囲にわたって使用した。
【0178】
(実施例1)
{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶解度の決定)
表1に収載した溶媒中の式Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の飽和溶液を、主に形態Iの酸から、25、及び50℃の両方にて製造した。それぞれの飽和溶液の濃度は、HPLCを使用して決定し、結果を表1に要約してある。
【0179】
(実施例2)
(形態Iの{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の製造)
メタノール中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸のスラリーを室温で一晩撹拌した。次いで、粒子を濾過して、ヘキサンで洗浄して、乾燥した。
【0180】
粒子のX線粉末回折パターンを図1に図示してある。粒子は、およそ9.8、13.1、22.0、及び26.4°にて2θで表した特的XRP回折ピークを有し、粒子が結晶性であることを示唆する。図4に示したように、粒子は、約1〜約5μmのサイズをもつ長い針状の結晶である。
【0181】
粒子の示差走査型熱量測定熱記録を図2に図示してある。粒子は、223.8℃のピーク温度、及び220.2℃の発生温度で吸熱を示す。
【0182】
形態Iの粒子の熱重量分析熱記録を図3に示してある。粒子は、非常に安定であり、及び200℃周辺での分解まで有意な重量減少を示さない。
【0183】
形態Iの粒子の平均粒径、及び粒度分布は、Microtrac S3000(Microtrac Inc., Montgomeryville、PA)を使用して測定した。結果を図5に示してあり、表2に要約してある。形態Iの粒子は、6.495μmの平均粒径(MV)、及び3.24の均等係数を有する。
【表1】
【表2】
【0184】
(実施例3)
(形態IIの{4,6-ビス(ジメチルアミノ-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の製造)
DMF(0.5mL)中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸(50mg)の溶液は、主に形態Iの酸から製造した。次いで、溶液を室温でMTBEの8mLに添加した。更に15分間室温で撹拌した後、混合物は、スラリーになった。次いで、粒子を濾過して、ヘキサンで洗浄して、乾燥した。
【0185】
粒子のX線粉末回折パターンを図6に図示してある。粒子は、およそ31.7°にて2θで表される特徴的XRP回折ピークを有し、粒子が形態Iとは異なる結晶形態(形態II)であることを示唆する。形態IIの粒子の結晶晶癖を図7に示してある。
【0186】
(実施例4)
(位相平衡)
実施例1において決定したとおりの種々の溶媒における{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶解度に基づいて、主に形態Iの酸の粒子を、十分な期間の間、25、又は50°のいずれにかにおいて表3に収載した溶媒に曝露した。粒子を濾過して、乾燥させ、次いで、XRPDを使用して解析した。結果は、表3に要約してある。
【0187】
(実施例5)
(形態I、及び形態IIの間の位相平衡)
形態IIの粒子は、実施例2に記載したように、スラリーとして製造した。簡潔には、DMF(0.5mL)中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸(50mg)の溶液を8mLのMTBEに添加して、形態IIの粒子のスラリーを生成した。次いで、形態I(20mg)の粒子をスラリーに添加して、生じるスラリーを室温で一晩撹拌した。次いで、粒子を濾過して、ヘキサンで洗浄して、乾燥した。粒子は、XRPDを使用して解析した。XRP回折を図8に示してあり、相平衡後の粒子は、形態Iであったことを示している。
【0188】
(実施例6)
(溶媒蒸発を経た微粒子形成)
実施例1において決定したとおりの、種々の溶媒中の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶解度に基づいて、主に態Iの酸を表4に収載した溶媒系に溶解した。溶媒を、25、又は50℃にて溶液から蒸発させた。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表4に要約してある。
【表3】
【0189】
(実施例7)
(抗溶剤添加を経た微粒子形成)
表5に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和溶液は、主に形態Iの酸から製造した。次いで、抗溶剤を飽和溶液に添加して、沈澱を誘導した。THF、2-メトキシエタノール、DMSO、及びDMFを形態Iの粒子を溶解するための溶媒として使用し、ヘキサン、MTBE、トルエン、及び水を抗溶剤として使用した。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表5に要約してある。
【0190】
(実施例8)
(逆抗溶剤添加を経た微粒子形成)
表6に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和、又は飽和近くの溶液は、主に形態Iの酸から製造した。次いで、溶液を、より大容積の混和性抗溶剤にそれぞれ添加した。THF、2-メトキシエタノール、DMSO、及びDMFを粒子を溶解するための溶媒として使用し、ヘキサン、MTBE、トルエン、及び水を抗溶剤として使用した。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果は、表6に要約してある。
【0191】
(実施例9)
(クエンチ冷却(quench cool)を介した微粒子形成)
表7に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和溶液は、主に形態Iの酸から約30〜50℃にて製造した。溶液は、アセトン/氷浴において、クエンチ冷却した。生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表7に要約してある。
【表4】
【表5】
【0192】
(実施例10)
(加熱冷却サイクルによる結晶化を経た粒子)
表8に収載した溶媒中の式Iの酸の飽和溶液は、主に形態Iの酸から約30〜50℃にて製造した。溶液プログラム可能な循環入浴を使用してゆっくり冷却してスラリーを形成した。次いで、生じるスラリーを最初に2時間にわたって50℃まで加熱して、続いて25℃まで2時間冷却した。この加熱冷却法を一晩繰り返した。次いで、生じる粒子を濾過によって収集して、XRPDを使用して解析した。結果を表8に要約してある。
【表6】
【表7】
【表8】
【0193】
(実施例11)
(競合的放射性リガンド結合アッセイ)
本明細書に提供した4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸のアミン塩の結合親和性、及び選択性は、CRTH2、又はDP1を発現する安定にトランスフェクトした株化細胞で、競合的放射性リガンド結合アッセイを使用して評価した。
【0194】
プロスタグランジンD2、及び13,14-ジヒドロ-15-ケトPGD2は、Cayman Chemical (Ann Arbor, MI)から得た。160Ci/mmolの比活性をもつ放射標識されたPGD2(5,6,8,9,12,14,15-3H(N))は、PerkinElmer(Boston、MA)から得た。細胞培養培地RPMI 1640、HEPES緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、L-グルタミン、及びペニシリン-ストレプトマイシン溶液は、Mediatech Inc.(Herndon、VA)から得た。ウシ胎児血清(FCS)は、Cambrex (Walkersville, MD)から得た。ピューロマイシンは、Invitrogen(San Diego, CA)から得た。ポリ(エチレンイミン)(PEI)は、Acros Organics (Morris Plains, NJ)から得た。精製したモノクローナルラット抗ヒトCRTH2抗体(BM16)ラットIgG2a、κ(クローンR35-95)、及びヤギ抗ラットIg-FITCは、Becton Dickinson Biosciences(San Diego, CA)から得た。BSA(画分V)、及びアジ化ナトリウムは、Sigma Chemical Company (St. Louis)から得た。
【0195】
CRTH2、及びDP1安定株化細胞は、Sugimotoらの文献(J. Pharm. Exp. Therap. 2003, 305, 347-352)によって記述された手順に従って産生した。これらの株化細胞は、HEPES緩衝液(25mM)、FCS(10%)、L-グルタミン(2mM)、ペニシリン(10IU/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、及びピューロマイシン(1μg/mL)を含むRPMI 1640培養液中で維持した。
【0196】
トランスフェクト株化細胞上のCRTH2の表面発現は、培養の間、及びそれぞれの競合的放射性リガンド結合アッセイの前に、周期的にモニターした。CRTH2を発現する細胞、及び形質導入されなかった細胞を精製した抗CRTH2抗体(クローンBM16)、又はアイソタイプ対照抗体(ラットIgG2a、κ)のいずれかと共に氷上で15分間インキュベートした。次いで、細胞を2mLのFACS緩衝液(1%のBSA(画分V)、及び0.1%のアジ化ナトリウムを含むPBS)中で洗浄した。その後、細胞をFITC抱合抗ラットの抗体(ヤギ抗ラットIg-FITC)と共に氷上でインキュベートした。冷却FACS緩衝液で洗浄した後、細胞をFACScan IIアナライザー、及びCellQuestソフトウェア、両方ともBecton Dickinson(Mountain View, CA)からを使用して解析した。
【0197】
また、受容体トランスフェクタントの官能性は、記述されたとおりにPGD2に応答したカルシウム動員の直接測定によって評価した(Sugimotoらの文献、Pharm. exp. Therap. 2003, 305, 347-352;Sugimotoらの文献、Eur. J. Pharmacol. 2005、524、30 37)。
【0198】
放射性リガンド結合解析は、Sugimotoらの文献(J. Pharm. Exp. Therap. 2003, 505, 347-352;Eur. J. Pharmacol. 2005、524 30-37)の方法に従って行った。試験化合物は、保存液として100mMの濃度でDMSOに溶解した。10μmからの段階希釈は、アッセイ前に結合緩衝液中に作製した。トランスフェクト細胞は、室温にて4×106/mLの濃度で、結合緩衝液(50mM Tris-HCl、40mM MgCl2、及び0.1%のウシ血清アルブミン、pH 7.4にて)中に再懸濁した。次いで、トランスフェクト細胞を、50μLの細胞懸濁液を添加することによって、続いて10μLの3H-PGD2、10μLの一連の濃度の試験化合物溶液、又は対照、30μLの結合緩衝液を添加して100μLの最終容積にさせて、U-底面ポリプロピレン96穴プレート(Fisher)に播種した。それぞれのウェルにおける3H-PGD2の終濃度は、1nMであった。穏やかに振盪しながら室温にて1時間インキュベートした後、細胞懸濁液を濾過プレート(Millipore, MA)へ移し、これを0.5%のPEI緩衝液であらかじめ濡らした。細胞ペレットを結合緩衝液で3回洗浄し、プレートを空気乾燥させた。シンチラント(50μL;Microscint(商標)20、Perkin Elmer、Boston、MA)をそれぞれのウェルに添加して、放射能をTopCount(Packard Bioscience, Meriden, CT)で計数した。データ分析は、Prizm(商標)グラフィックスプログラム(GraphPad Software Inc., San Diego、CA)を使用して行った。図10、及び11に示したように、式Iの4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸は、CRTH2に対して高親和性を有し、選択的に結合する。
【0199】
記載した実施例は、当業者に実施態様を製作し使用するための方法の完全な開示、及び記述を与えるために提供してあり、開示の範囲を限定することは意図されない。当業者に明らかである開示を実施するための上記の様式の改変は、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。この明細書において引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかもこのようなそれぞれの刊行物、特許、又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個々に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶形態Iの式I:
【化1】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲である平均粒子サイズを有する、前記粒子。
【請求項2】
結晶形態Iの式I:
【化2】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲の均等係数を有する、前記粒子。
【請求項3】
結晶形態Iの式I:
【化3】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲であるたたいた後の容積密度を有する、前記粒子。
【請求項4】
結晶形態Iの式I:
【化4】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含む、前記粒子。
【請求項5】
結晶形態Iの式I:
【化5】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有する、前記粒子。
【請求項6】
結晶形態Iの式I:
【化6】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約100,000ppm以下、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、又は約100ppm以下の残留メタノール含量を有する、前記粒子。
【請求項7】
結晶形態Iの式I:
【化7】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、形態Iの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、前記粒子。
【請求項8】
前記粒子が約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲の平均粒径を有する、請求項2〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項9】
前記粒子が約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲の均等係数を有する、請求項1、及び3〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項10】
前記粒子が約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲のたたいた後の容積密度を有する、請求項1〜2、及び4〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項11】
前記粒子が式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含む、請求項1〜3、及び5〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項12】
前記粒子が重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有する、請求項1〜4、及び6〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項13】
前記粒子が約100,000ppm以下、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、又は約100ppm以下の残留メタノール含量を有する、請求項1〜5、及び7のいずれか記載の粒子。
【請求項14】
前記粒子が形態Iの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、請求項1〜6のいずれか記載の粒子。
【請求項15】
前記粒子が実質的に図1に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜14のいずれか記載の粒子。
【請求項16】
前記粒子がおよそ9.8、13.1、22.0、及び26.4°に2θで表される1つ以上のピークをもつX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜15記載の粒子。
【請求項17】
前記粒子がおよそ22.0±0.1°に2θで表されるピークをもつX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜16記載の粒子。
【請求項18】
前記粒子が図2に示したとおりの実質的に示差走査型熱量測定熱記録を有する、請求項1〜17のいずれか記載の粒子。
【請求項19】
前記粒子が約224℃のピーク温度、及び約220℃のオンセット温度で吸熱をもつ示差走査型熱量測定熱記録を有する、請求項1〜18のいずれか記載の粒子。
【請求項20】
前記粒子の晶癖が針状である、請求項1〜19のいずれか記載の粒子。
【請求項21】
室温で約3μg/mLの水溶解度を有する、請求項1〜20のいずれか記載の粒子。
【請求項22】
結晶形態IIの式I:
【化8】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子。
【請求項23】
前記粒子が実質的に図6に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する、請求項22記載の粒子。
【請求項24】
前記粒子がおよそ31.7°に2θで表されるピークをもつX線粉末回折パターンを有する、請求項22、又は23記載の粒子。
【請求項25】
前記粒子が形態IIの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、請求項22〜24のいずれか記載の粒子。
【請求項26】
非晶質形態の式I:
【化9】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子。
【請求項27】
前記粒子が非晶質形態の粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、請求項26記載の粒子。
【請求項28】
前記粒子が式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含む、請求項22〜27のいずれか記載の粒子。
【請求項29】
前記粒子が約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲の平均粒径を有する、請求項22〜28のいずれか記載の粒子。
【請求項30】
前記粒子が約1〜約100、約1〜約50、約1〜約20、又は約5〜約20の均等係数を有する、請求項22〜29のいずれか記載の粒子。
【請求項31】
前記粒子が約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲の均等係数を有する、請求項1〜30のいずれか記載の粒子。
【請求項32】
前記粒子が約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01重量%以下の残留有機溶媒含量を有する、請求項1〜31のいずれか記載の粒子。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか記載の塩と医薬として許容し得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項34】
経口、鼻内、気管支、又は局所的投与のために製剤化される、請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
単一の剤形として製剤化される、請求項33、又は34記載の医薬組成物。
【請求項36】
CRTH2を媒介した疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項37】
好酸球に関連した疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、対象に、治療上有効量の請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項38】
好塩基球に関連した疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、対象に、治療上有効量の請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項39】
炎症性疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、対象に、治療上有効量の請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項40】
前記疾患が喘息、アレルギー性喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、接触性皮膚炎、結膜炎、アレルギー性結膜炎、好酸球増加性気管支炎、食事性アレルギー、好酸球性胃腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満細胞症、ハイパーIgE症候群、全身紅はん性エリトマトーデス、乾癬、座瘡、多発性硬化症、同種移植片拒絶反応、再灌流傷害、慢性閉塞性肺疾患、チャーグ-ストラウス症候群、副鼻腔炎、好塩基球性白血病、慢性じんま疹、好塩基球増加症、乾癬、湿疹、COPD(慢性閉塞性肺障害)、関節炎、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、及び骨関節炎からなる群から選択される、請求項36〜39のいずれか記載の方法。
【請求項41】
前記疾患が喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、又はアレルギー性結膜炎である、請求項36〜40のいずれか記載の方法。
【請求項42】
前記疾患がチャーグ-ストラウス症候群、又は副鼻腔炎である、請求項36〜40のいずれか記載の方法。
【請求項43】
{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)-ピリミジン-5-イル}酢酸を溶媒と接触させることを含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項44】
前記溶媒が炭化水素、塩化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボナート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホン、ニトロ化合物、複素環、カルボン酸、ヘキサメチルホスホルアミド、硫化炭素、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記溶媒がアセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン(類)、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43記載の方法。
【請求項46】
(a)第1の温度にて溶媒中に{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて粒子を生成する工程を含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項47】
前記粒子が、第2の温度にて前記溶液から溶媒を蒸発させることによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記粒子が、第2の温度に前記溶液を冷却することによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項49】
前記粒子が、第2の温度にて前記溶液に抗溶剤を添加することによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項50】
前記粒子が、第2の温度にて抗溶剤に前記溶液を添加することによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項51】
前記抗溶剤が炭化水素、塩化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボナート、ニトリル、ニトロ化合物、複素環、硫化炭素、水、及びこれらの混合物からなる群から選択され、ただし式Iの酸は、該抗溶剤中よりも前記溶媒中においてより高い溶解度を有する、請求項49、又は50記載の方法。
【請求項52】
前記溶媒、及び抗溶剤が少なくとも部分的に混和性である、請求項49、50、又は51記載の方法。
【請求項53】
(a)第1の温度にて溶媒中に{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度に該スラリーを曝露することによって粒子を生成する工程を含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項54】
(a)第1の温度にて溶媒中に{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶液を製造する工程;(b)第2の温度に該溶液を冷却することによってスラリーを形成する工程;及び(c)1回以上の加熱冷却サイクルで該スラリーを処理することによって粒子を生成する工程を含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項55】
前記加熱冷却サイクルが、約-50〜約120℃、約-50〜約100℃、約-20〜約80℃、約0〜80℃、約10〜約80℃、約20〜約80℃、約20〜約60℃、又は約20〜約50℃の温度領域において行われる、請求項54記載の方法。
【請求項56】
第1の温度が約20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃である、請求項46〜55のいずれか記載の方法。
【請求項57】
第2の温度が約-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃である、請求項46〜56のいずれか記載の方法。
【請求項58】
前記粒子を単離する工程を更に含む、請求項43〜57のいずれか記載の方法。
【請求項59】
前記溶媒が炭化水素、塩化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボナート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホン、ニトロ化合物、複素環、カルボン酸、ヘキサメチルホスホルアミド、硫化炭素、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43〜58のいずれか記載の方法。
【請求項60】
前記溶媒がアセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン(類)、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43〜58のいずれか記載の方法。
【請求項1】
結晶形態Iの式I:
【化1】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲である平均粒子サイズを有する、前記粒子。
【請求項2】
結晶形態Iの式I:
【化2】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)-ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲の均等係数を有する、前記粒子。
【請求項3】
結晶形態Iの式I:
【化3】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲であるたたいた後の容積密度を有する、前記粒子。
【請求項4】
結晶形態Iの式I:
【化4】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含む、前記粒子。
【請求項5】
結晶形態Iの式I:
【化5】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有する、前記粒子。
【請求項6】
結晶形態Iの式I:
【化6】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、約100,000ppm以下、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、又は約100ppm以下の残留メタノール含量を有する、前記粒子。
【請求項7】
結晶形態Iの式I:
【化7】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子であって、形態Iの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、前記粒子。
【請求項8】
前記粒子が約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲の平均粒径を有する、請求項2〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項9】
前記粒子が約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲の均等係数を有する、請求項1、及び3〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項10】
前記粒子が約0.1〜約1.0、約0.15〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.25〜約0.5、又は約0.3〜約0.4g/mlの範囲のたたいた後の容積密度を有する、請求項1〜2、及び4〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項11】
前記粒子が式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含む、請求項1〜3、及び5〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項12】
前記粒子が重量の約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の残留有機溶媒含量を有する、請求項1〜4、及び6〜7のいずれか記載の粒子。
【請求項13】
前記粒子が約100,000ppm以下、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、又は約100ppm以下の残留メタノール含量を有する、請求項1〜5、及び7のいずれか記載の粒子。
【請求項14】
前記粒子が形態Iの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、請求項1〜6のいずれか記載の粒子。
【請求項15】
前記粒子が実質的に図1に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜14のいずれか記載の粒子。
【請求項16】
前記粒子がおよそ9.8、13.1、22.0、及び26.4°に2θで表される1つ以上のピークをもつX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜15記載の粒子。
【請求項17】
前記粒子がおよそ22.0±0.1°に2θで表されるピークをもつX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜16記載の粒子。
【請求項18】
前記粒子が図2に示したとおりの実質的に示差走査型熱量測定熱記録を有する、請求項1〜17のいずれか記載の粒子。
【請求項19】
前記粒子が約224℃のピーク温度、及び約220℃のオンセット温度で吸熱をもつ示差走査型熱量測定熱記録を有する、請求項1〜18のいずれか記載の粒子。
【請求項20】
前記粒子の晶癖が針状である、請求項1〜19のいずれか記載の粒子。
【請求項21】
室温で約3μg/mLの水溶解度を有する、請求項1〜20のいずれか記載の粒子。
【請求項22】
結晶形態IIの式I:
【化8】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子。
【請求項23】
前記粒子が実質的に図6に示したとおりのX線粉末回折パターンを有する、請求項22記載の粒子。
【請求項24】
前記粒子がおよそ31.7°に2θで表されるピークをもつX線粉末回折パターンを有する、請求項22、又は23記載の粒子。
【請求項25】
前記粒子が形態IIの粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、請求項22〜24のいずれか記載の粒子。
【請求項26】
非晶質形態の式I:
【化9】
の{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の粒子。
【請求項27】
前記粒子が非晶質形態の粒子の重量の約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、又は99.5%以上を含む、請求項26記載の粒子。
【請求項28】
前記粒子が式Iの酸の重量の約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上を含む、請求項22〜27のいずれか記載の粒子。
【請求項29】
前記粒子が約0.1〜約150μm、約0.5〜約100μm、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、又は約2〜約7.5μmの範囲の平均粒径を有する、請求項22〜28のいずれか記載の粒子。
【請求項30】
前記粒子が約1〜約100、約1〜約50、約1〜約20、又は約5〜約20の均等係数を有する、請求項22〜29のいずれか記載の粒子。
【請求項31】
前記粒子が約1〜約20、約1〜約10、約2〜約5、又は約3〜約4の範囲の均等係数を有する、請求項1〜30のいずれか記載の粒子。
【請求項32】
前記粒子が約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01重量%以下の残留有機溶媒含量を有する、請求項1〜31のいずれか記載の粒子。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか記載の塩と医薬として許容し得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項34】
経口、鼻内、気管支、又は局所的投与のために製剤化される、請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
単一の剤形として製剤化される、請求項33、又は34記載の医薬組成物。
【請求項36】
CRTH2を媒介した疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項37】
好酸球に関連した疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、対象に、治療上有効量の請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項38】
好塩基球に関連した疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、対象に、治療上有効量の請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項39】
炎症性疾患の1つ以上の症候の治療、予防、又は寛解のための方法であって、対象に、治療上有効量の請求項1〜32のいずれか記載の塩、又は請求項33〜35記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項40】
前記疾患が喘息、アレルギー性喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、接触性皮膚炎、結膜炎、アレルギー性結膜炎、好酸球増加性気管支炎、食事性アレルギー、好酸球性胃腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満細胞症、ハイパーIgE症候群、全身紅はん性エリトマトーデス、乾癬、座瘡、多発性硬化症、同種移植片拒絶反応、再灌流傷害、慢性閉塞性肺疾患、チャーグ-ストラウス症候群、副鼻腔炎、好塩基球性白血病、慢性じんま疹、好塩基球増加症、乾癬、湿疹、COPD(慢性閉塞性肺障害)、関節炎、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、及び骨関節炎からなる群から選択される、請求項36〜39のいずれか記載の方法。
【請求項41】
前記疾患が喘息、運動誘発喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、又はアレルギー性結膜炎である、請求項36〜40のいずれか記載の方法。
【請求項42】
前記疾患がチャーグ-ストラウス症候群、又は副鼻腔炎である、請求項36〜40のいずれか記載の方法。
【請求項43】
{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)-ピリミジン-5-イル}酢酸を溶媒と接触させることを含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項44】
前記溶媒が炭化水素、塩化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボナート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホン、ニトロ化合物、複素環、カルボン酸、ヘキサメチルホスホルアミド、硫化炭素、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記溶媒がアセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン(類)、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43記載の方法。
【請求項46】
(a)第1の温度にて溶媒中に{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶液を製造する工程;及び(b)第2の温度にて粒子を生成する工程を含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項47】
前記粒子が、第2の温度にて前記溶液から溶媒を蒸発させることによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記粒子が、第2の温度に前記溶液を冷却することによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項49】
前記粒子が、第2の温度にて前記溶液に抗溶剤を添加することによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項50】
前記粒子が、第2の温度にて抗溶剤に前記溶液を添加することによって生成される、請求項46記載の方法。
【請求項51】
前記抗溶剤が炭化水素、塩化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボナート、ニトリル、ニトロ化合物、複素環、硫化炭素、水、及びこれらの混合物からなる群から選択され、ただし式Iの酸は、該抗溶剤中よりも前記溶媒中においてより高い溶解度を有する、請求項49、又は50記載の方法。
【請求項52】
前記溶媒、及び抗溶剤が少なくとも部分的に混和性である、請求項49、50、又は51記載の方法。
【請求項53】
(a)第1の温度にて溶媒中に{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸のスラリーを製造する工程;及び(b)第2の温度に該スラリーを曝露することによって粒子を生成する工程を含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項54】
(a)第1の温度にて溶媒中に{4,6-ビス(ジメチルアミノ)-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンジル)ピリミジン-5-イル}酢酸の溶液を製造する工程;(b)第2の温度に該溶液を冷却することによってスラリーを形成する工程;及び(c)1回以上の加熱冷却サイクルで該スラリーを処理することによって粒子を生成する工程を含む、請求項1〜32のいずれか記載の粒子の製造方法。
【請求項55】
前記加熱冷却サイクルが、約-50〜約120℃、約-50〜約100℃、約-20〜約80℃、約0〜80℃、約10〜約80℃、約20〜約80℃、約20〜約60℃、又は約20〜約50℃の温度領域において行われる、請求項54記載の方法。
【請求項56】
第1の温度が約20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃である、請求項46〜55のいずれか記載の方法。
【請求項57】
第2の温度が約-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、20〜約200℃、約20〜約150℃、又は約20〜約100℃である、請求項46〜56のいずれか記載の方法。
【請求項58】
前記粒子を単離する工程を更に含む、請求項43〜57のいずれか記載の方法。
【請求項59】
前記溶媒が炭化水素、塩化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボナート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホン、ニトロ化合物、複素環、カルボン酸、ヘキサメチルホスホルアミド、硫化炭素、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43〜58のいずれか記載の方法。
【請求項60】
前記溶媒がアセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、1,4-ジオキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、MIBK、トルエン、ヘキサン(類)、アセトン、1-ブタノール、MTBE、DMSO、エタノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、1-プロパノール、IPA、MEK、THF、水、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項43〜58のいずれか記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−530425(P2010−530425A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513234(P2010−513234)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/007589
【国際公開番号】WO2008/156780
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(505470845)アクチミス ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/007589
【国際公開番号】WO2008/156780
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(505470845)アクチミス ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】
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