説明

CT/PT共用テストプラグ

【課題】 一個でCT用及びPT用に共用し得、さらに共用した場合でも間違った短絡片の取り付けを未然に防止し得るCT/PT共用テストプラグを提供する。
【解決手段】 PT用のテストターミナル5の凸部7aと干渉してPT用のテストターミナル5への挿入を阻止し得るよう相間絶縁部材33の表面から突出可能に形成したCT用凸部51と、CT用のテストターミナル5の凸部7bと干渉してCT用のテストターミナル5への挿入を阻止し得るよう相間絶縁部材33の表面から突出可能に形成したPT用凸部52と、絶縁支持体31の前面に臨む操作ロッド53の一つの操作によりCT用凸部51のみを相間絶縁部材33の表面から突出させるとともに、他の操作により逆にPT用凸部52のみを相間絶縁部材33の表面から突出させる移動機構とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCT/PT共用テストプラグに関し、特に電力系統の保護システムに適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統の保護システムにおける各種のテスト乃至測定(以下、テスト等という)を行うための機器としてテストプラグが知られている。このテストプラグは、配電盤に多数配設されたテストターミナルに挿入した状態で所定のテスト等を行うものである。ここで、テストターミナルは、電源側の機器である変流器(CT)及び計器用変圧器(PT)と負荷側の機器である各種の継電器等との間を接続しており、通常時には前記変流器(CT)乃至計器用変圧器(PT)と前記継電器等との間を接続している。
【0003】
図5は従来技術に係るテストターミナルを示す縦断面図である。同図に示すように、当該テストターミナル5は、開口部であるプラグ挿入口7を形成した箱体6を有しており、この箱体6内には、接点装置10がR,W,B相およびN相の各相に対応して並設されている。各接点装置10は、各相に対応する上下一対の可動接触板である電源側導体11及び負荷側導体21で構成されている。
【0004】
一方、テスト等を行う際においてテストターミナル5に挿入されるテストプラグ30は、図6に示すように、絶縁支持体31から突出した絶縁板32に、各相に対応するとともに、上下に相互に絶縁された各一対の活線側導体35R乃至35N及び非活線側導体45R乃至45Nが並設されており、それらの基端部は、同軸状に配設された4組の端子37,47にそれぞれ接続されている。これらの各端子37,47を介してテスト等の際における所定の試験装置乃至測定器を接続する。ここで、隣接する相の絶縁板32間は相間絶縁部材33で絶縁されている。
【0005】
テストターミナル5は、電源側導体11に変流器(CT)が接続される場合と、計器用変圧器(PT)が接続される場合がある。ここで、電源側導体11に変流器(CT)が接続される、いわゆるCT用のテストターミナル5に挿入するテストプラグ30は変流器の2次側が開放されるのを避けるため、複数の短絡片(図示せず)により4個の端子37間を連結接続して各活線側導体35R乃至35N間を短絡した状態で使用する必要がある。一方、電源側導体11に計器用変圧器(PT)が接続される、いわゆるPT用のテストターミナル5に挿入するテストプラグ30では、前述の如く短絡片で4個の端子37間を連結接続した状態で使用した場合には計器用変圧器の短絡事故を生起してしまう。そこで、テストプラグ30はCT用とPT用との2種類が用意されており、CT用のテストプラグ30はCT用のテストターミナル5のみに、PT用のテストプラグ30はPT用のテストターミナル5のみに挿入し得るような構成となっている。
【0006】
このための具体的な構成を、図7及び図8に基づき説明する。図7はCT用の組み合わせを示すもので、(a)はCT用のテストプラグの平面図、(b)はその背面図、(c)はCT用のテストターミナルの正面図である。また、図8はPT用の組み合わせを示すもので、(a)はPT用のテストプラグの平面図、(b)はその背面図、(c)はPT用のテストターミナルの正面図である。なお、両図中、図5及び図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0007】
図7に示すように、CT用のテストプラグ30は、その3個の相間絶縁部材33のうち両端の2個の表面から突出する凸部33a,33cを有している。一方、CT用のテストターミナル5には、CT用のテストプラグ30の挿入の際に凸部33a,33cと干渉しない位置にプラグ挿入口7に突出する凸部7bが形成してある。また、図8に示すように、PT用のテストプラグ30は、その3個の相間絶縁部材33のうち中央の1個の表面から突出する凸部33bを有している。一方、PT用のテストターミナル5には、PT用のテストプラグ30の挿入の際に凸部33bと干渉しない位置にプラグ挿入口7に突出する凸部7a,7cが形成してある。
【0008】
かくして、CT用のテストプラグ30をPT用のテストターミナル5に挿入しようとしても凸部33a,33cと凸部7a,7cとが干渉することでこの挿入を阻止するとともに、PT用のテストプラグ30をCT用のテストターミナル5に挿入しようとしても凸部33bと凸部7bとが干渉することでこの挿入を阻止するようになっている。
【0009】
この結果、CT用のテストターミナル5にはCT用のテストプラグ30のみを、PT用のテストターミナル5にはPT用のテストプラグ30のみをそれぞれ挿入し得る構造とすることで間違った挿入を未然に防止している。
【0010】
なお、この種のテストプラグを開示する公知刊行物として次の特許文献1が存在する。
【0011】
【特許文献1】特開2007−147372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来技術に係るテストプラグ30は、CT用とPT用の2種類のものを用意しなければならず、多くの配電盤を設置している変電所等の電気設備等では保管すべきテストプラグ30の数が多くなるので保管場所に困るという問題を生起している。
【0013】
本発明は、上記従来技術に鑑み、一個でCT用及びPT用に共用し得、さらに共用した場合でも間違った短絡片の取り付けを未然に防止し得るCT/PT共用テストプラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
絶縁部材で形成した絶縁支持体と、この絶縁支持体の背面から突出させるとともに各相に対応させて配設した絶縁板と、電源側の各相に接続されたテストターミナルの複数の電源側導体にそれぞれ接触し得るよう前記絶縁板の一つの面に配設された活線側導体と、負荷側の各相に接続された前記テストターミナルの複数の負荷側導体にそれぞれ接触し得るよう前記絶縁板の他の面に配設された非活線側導体と、前記各相の絶縁板間に配設されて前記各活線側導体及び各非活線側導体の隣接する相間の絶縁を行う相間絶縁部材と、前記各活線側導体及び各非活線側導体にそれぞれ接続されるとともに前記絶縁支持体の前面から突出させて配設されている端子とを有するテストプラグであって、
PT用のテストターミナルの凸部と干渉してPT用のテストターミナルへの前記テストプラグの挿入を阻止し得るよう前記相間絶縁部材の表面から突出可能に形成したCT用凸部と、
CT用のテストターミナルの凸部と干渉してCT用のテストターミナルへの前記テストプラグの挿入を阻止し得るよう前記相間絶縁部材の表面から突出可能に形成したPT用凸部と、
前記絶縁支持体の前面に臨む操作ロッドの一つの操作により前記CT用凸部のみを前記相間絶縁部材の表面から突出させるとともに、他の操作により逆に前記PT用凸部のみを前記相間絶縁部材の表面から突出させる移動機構とを有することを特徴とするCT/PT共用テストプラグにある。
【0015】
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記移動機構は、前記操作ロッドの操作により回動する駆動歯車の一方向への回動により前記CT用凸部を突出させるとともに、前記駆動歯車の反対方向への回動により前記CT用凸部を退避させるように前記駆動歯車と噛み合う一方の従動歯車を備えたCT用凸部の移動部と、
前記駆動歯車の前記反対方向への回動により前記PT用凸部を突出させるとともに、前記駆動歯車の前記一方向への回動により前記PT用凸部を退避させるように前記駆動歯車と噛み合う他方の従動歯車を備えたPT用凸部の移動部とを有することを特徴とするCT/PT共用テストプラグにある。
【0016】
本発明の第3の態様は、
第1の態様又は第2の態様に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記操作ロッドと連動する干渉ロッドを有するとともに、PT用凸部を突出させる際には、前記活線側導体の端子間を短絡する短絡片の前記端子間に対する取り付けが阻害されるよう前記干渉ロッドが前記絶縁支持体の前面から突出され、CT用凸部を突出させる際には、前記短絡片の前記端子間に対する取り付けが阻害されることのないよう前記干渉ロッドが前記絶縁支持体の前面から退避されるように構成したことを特徴とするCT/PT共用テストプラグにある。
【0017】
本発明の第4の態様は、
第3の態様に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記操作ロッドは、その基端を軸回りに一方向に回動させることにより軸方向における一方向に移動されて前記端子に対する前記短絡片の取り付けが阻害されることがないように前記絶縁支持体の前面から退避される一方、反対方向に回動させることにより前記軸方向における反対方向に移動されて前記端子に対する前記短絡片の取り付けが阻害されるように前記絶縁支持体の前面から突出されるように構成した前記干渉ロッドの機能も有するものであることを特徴とするCT/PT共用テストプラグにある。
【0018】
本発明の第5の態様は、
第4の態様に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記操作ロッドが前記絶縁支持体の前面から突出されたとき同様に突出されるよう前記操作ロッドと連動して移動される他の干渉ロッドを設けるとともに、前記他の干渉ロッドが突出されている状態では前記短絡片とは別の短絡片の取り付けが阻害されるように構成したことを特徴とするCT/PT共用テストプラグにある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、PT用のテストターミナルの凸部と干渉するCT用凸部と、CT用のテストターミナルの凸部と干渉するPT用凸部とを交互に相間絶縁部材の表面から突出させることができるので、一つのテストプラグでCT用及びPT用に共用することができる。したがって、電気設備に用意しておくテストプラグの数を半分に減らすことができ、その分保管スペースの低減に寄与することができる。また、PT用のテストプラグとして用いる場合には、短絡片の取り付けを阻止する構造となっているので、間違って短絡片を装着したままPT用のテストターミナルに挿入するという事故を未然に防止し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、従来技術と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係るCT/PT共用テストプラグをテストターミナルとともに示しており、(a)は一部切り欠いて示す側面図、(b)はその平面図、(c)はCT用のテストターミナルを示す正面図、(d)はPT用のテストターミナルを示す正面図である。
【0022】
同図に示すように、本形態に係るCT/PT共用テストプラグ50は、従来と同様に、絶縁支持体31、絶縁板32、相間絶縁部材33、活線側導体35R乃至35N、非活線側導体45R乃至45N及び端子37,47を有するとともに、さらにCT用凸部51及びPT用凸部52を具備している。ここで、CT用凸部51は、PT用のテストターミナル5(図1(d)参照)の凸部7aと干渉してCT/PT共用テストプラグ50の挿入を阻止し得るように一つの相間絶縁部材33の表面から突出可能に形成してある。また、PT用凸部52は、CT用のテストターミナル5(図1(c)参照)の凸部7bと干渉してCT/PT共用テストプラグ50の挿入を阻止し得るように中央の相間絶縁部材33の表面から突出可能に形成してある。かかるCT用凸部51及びPT用凸部52は、絶縁支持体31の前面側からの操作ロッド53の操作により交互に突出される。この場合の操作機構としては種々考えられるが、例えば操作ロッド53の先端部に固着されて、この操作ロッド53の操作により回動する駆動歯車(図1には図示せず)と、これにそれぞれ噛合する従動歯車(図1には図示せず)とでCT用凸部51の移動部54及びPT用凸部52の移動部55とを形成し、操作ロッド53の一方向への回動によりCT用凸部51を突出させるとともに反対方向への回動によりCT用凸部51を退避させる一方、操作ロッド53の反対方向への回動によりPT用凸部52を突出させるとともに前記一方向への回動によりPT用凸部52を退避させるように構成すれば良い。ここで、操作ロッド53はその基端部を絶縁支持体31の前面に臨ませてあり、絶縁支持体31を貫通するとともにW相の絶縁板32の内部をその軸方向に挿通されている。
【0023】
かかる操作機構の詳細を図2に基づき説明する。図2はCT用凸部の移動部及びPT用凸部の移動部の一例を模式的に示した説明図で、(a)がCT用凸部を突出させた状態、(b)がPT用凸部を突出させた状態である。両図に示すように、駆動歯車56は操作ロッド53(図1参照)の先端部に固着してあり、操作ロッド53の回動に伴い時計方向乃至反時計方向に回動する。駆動歯車56にはその両側で従動歯車57,58が噛合している。さらに、従動歯車57,58には、CT用凸部51及びPT用凸部52にそれぞれ一体的に設けられたラック59,60が噛合するように構成してある。すなわち、従動歯車57,58とラック59,60とで2組のラック・ピニオン機構が形成されており、従動歯車57の時計方向への回動によりラック59を介してCT用凸部51を相間絶縁部材33の表面から突出させるとともに、従動歯車58の時計方向への回動によりラック60を介してPT用凸部52を相間絶縁部材33を退避させるように構成してある。この結果、CT用凸部51とPT用凸部52とは一方を突出させる場合には他方を退避させる関係となる。ちなみに、駆動歯車56を反時計方向に回動させることによりCT用凸部51を突出させ、時計方向に回動させることによりPT用凸部52を突出させる。
【0024】
図3(a)は本形態に係るCT/PT共用テストプラグの絶縁支持体の端子の部分を正面から見た図である。前述の如くCT/PT共用テストプラグ50をCT用として用いる場合には変流器(CT)の2次側が開放されるのを防止するため、活線側導体35R乃至35Nに接続されている4個の端子37間を短絡しておく必要がある。したがって、この場合には図3(b)乃至図3(e)に示すように、短絡片61a,61b,61cで4個の端子37間を接続するようになっている。一方、PT用として用いる場合には4個の端子37間は開放しておく必要がある。そこで、本形態に係るCT/PT共用テストプラグ50においては、PT用として用いる場合には短絡片61a乃至61cの取り付けが阻害されるような構成となっている。すなわち、図3(b)乃至図3(e)は、可能性がある短絡片61a乃至61cの全ての取り付け態様を示しているが、CT/PT共用テストプラグ50をPT用として用いる場合には、図3(b)乃至図3(e)に示す何れの場合にも、短絡片61a乃至61cの少なくとも1個の取り付けが阻害されるように構成してある。さらに詳言すると、本形態では干渉ロッドを兼用する操作ロッド53及び干渉ロッド62を絶縁支持体31の前面から突出させてこれらと短絡片61a乃至61cが干渉するように構成している。ここで、操作ロッド53及び干渉ロッド62は一体的な動作で絶縁支持体31の前面から突出され、また退避される。
【0025】
図4は操作ロッド及び干渉ロッドの部分の構成を概念的に示す説明図である。同図に示すように、本形態に係る操作ロッド53は、その途中に形成した雄ねじ部63を介してW相の絶縁板32の内部に形成した雌ねじ部64に螺合させてある。かくして、操作ロッド53は、その反時計方向への回動により駆動歯車56とともに軸方向に沿い前進するとともに、時計方向への回動により同方向に沿い後退する。
【0026】
干渉ロッド62は連結部材67及び係止部材68を介して操作ロッド53に係止することにより、操作ロッド53と一体的に前後方向に移動し得るように構成してある。
【0027】
かかる本形態において、CT用凸部を突出させる場合には、操作ロッド53を反時計方向に回動させれば良い。かかる回動により、操作ロッド53が駆動歯車56とともにその軸方向に沿い前進しつつ軸65,66に支承された従動歯車57,58を時計方向に回動させてCT用凸部51を突出させるからである。なお、このときPT用凸部52は退避される。同時に、操作ロッド53及び干渉ロッド62も絶縁支持体31の表面から退避される。
【0028】
この結果、端子37には、図3(b)乃至図3(d)に示す何れかの態様で、短絡片61a乃至61cを、操作ロッド53乃至干渉ロッド62に干渉されることなく端子37に取り付けて各端子37間を短絡することができる。同時に、この場合にはCT用凸部51が突出され、PT用凸部52は退避されているので、短絡片61a乃至61cで各端子37間を短絡した状態のCT/PT共用テストプラグ50をCT用のテストターミナル5(図1(c)参照)のみに挿入することができる。
【0029】
逆に、操作ロッド53を時計方向に回動させれば操作ロッド53が駆動歯車56とともにその軸方向に沿い後退しつつ従動歯車57,58を反時計方向に回動させてPT用凸部52を突出させ、CT用凸部51を退避させる。同時に、操作ロッド53及び干渉ロッド62は絶縁支持体31の表面から突出される。
【0030】
この結果、端子37には、短絡片61a乃至61cを取り付けることはできない。操作ロッド53乃至干渉ロッド62の少なくとも一方が短絡片61a乃至61cと干渉するからである。一方、この場合にはPT用凸部52が突出され、CT用凸部51は退避されているので、各端子37間の短絡状態を阻止された状態のCT/PT共用テストプラグ50をPT用のテストターミナル5(図1(d)参照)のみに挿入することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態においては操作ロッド53で駆動歯車56を回動することでCT用凸部51及びPT用凸部52を突出乃至退避させるようにしたが、勿論かかる構成に限定するものではない。要は、CT用凸部51,PT用凸部52を交互に突出させるような構成となっていれば特別な制限はない。例えば、カム機構を用いても操作機構を形成することができる。
【0032】
また、干渉ロッドは1個だけでも構わない。1個だけでも、PT用として利用する多くの場合、短絡片61a乃至61cの取り付けが阻害されることでCT用として利用しようとしているか、またはPT用として利用しようとしているかの注意を喚起することができるからである。
【0033】
さらに、操作ロッドと干渉ロッドとを兼用することも必須ではない。干渉ロッドは、場合によって短絡片の取り付けに対する障害になり得るものであれば良いからである。ただ、兼用すればその分構造の簡素化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は電力機器を製造・販売する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るCT/PT共用テストプラグをテストターミナルとともに示しており、(a)は一部切り欠いて示す側面図、(b)はその平面図、(c)はCT用のテストターミナルを示す正面図、(d)はPT用のテストターミナルを示す正面図である。
【図2】CT用凸部及びPT用凸部の移動部の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】本形態に係るCT/PT共用テストプラグの端子部分を抽出して示す図で、(a)は正面図、(b)乃至(e)は短絡片による端子間の短絡態様を示す説明図である。
【図4】操作ロッド及び干渉ロッドの部分の構成を概念的に示す説明図である。
【図5】従来技術に係るテストターミナルを示す縦断面図である。
【図6】従来技術に係るテストプラグを示す斜視図である。
【図7】従来技術に係るCT用のテストプラグとテストターミナルとの組み合わせを示す図で、(a)はCT用のテストプラグの平面図、(b)はその背面図、(c)はCT用のテストターミナルの正面図である。
【図8】従来技術に係るPT用のテストプラグとテストターミナルとの組み合わせを示す図で、(a)はPT用のテストプラグの平面図、(b)はその背面図、(c)はPT用のテストターミナルの正面図である。
【符号の説明】
【0036】
5 テストターミナル
7a,7b,7c 凸部
11 電源側導体
21 負荷側導体
30 テストプラグ
31 絶縁支持体
32 絶縁板
33 相間絶縁部材
33a,33b,33c 凸部
37,47 端子
35R乃至35N 活線側導体
45R乃至45N 非活線側導体
50 CT/PT共用テストプラグ
51 CT用凸部
52 PT用凸部
53 操作ロッド
54、55 移動部
56 駆動歯車
57,58 従動歯車
59,60 ラック
61a,61b,61c 短絡片
62 干渉ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部材で形成した絶縁支持体と、この絶縁支持体の背面から突出させるとともに各相に対応させて配設した絶縁板と、電源側の各相に接続されたテストターミナルの複数の電源側導体にそれぞれ接触し得るよう前記絶縁板の一つの面に配設された活線側導体と、負荷側の各相に接続された前記テストターミナルの複数の負荷側導体にそれぞれ接触し得るよう前記絶縁板の他の面に配設された非活線側導体と、前記各相の絶縁板間に配設されて前記各活線側導体及び各非活線側導体の隣接する相間の絶縁を行う相間絶縁部材と、前記各活線側導体及び各非活線側導体にそれぞれ接続されるとともに前記絶縁支持体の前面から突出させて配設されている端子とを有するテストプラグであって、
PT用のテストターミナルの凸部と干渉してPT用のテストターミナルへの前記テストプラグの挿入を阻止し得るよう前記相間絶縁部材の表面から突出可能に形成したCT用凸部と、
CT用のテストターミナルの凸部と干渉してCT用のテストターミナルへの前記テストプラグの挿入を阻止し得るよう前記相間絶縁部材の表面から突出可能に形成したPT用凸部と、
前記絶縁支持体の前面に臨む操作ロッドの一つの操作により前記CT用凸部のみを前記相間絶縁部材の表面から突出させるとともに、他の操作により逆に前記PT用凸部のみを前記相間絶縁部材の表面から突出させる移動機構とを有することを特徴とするCT/PT共用テストプラグ。
【請求項2】
請求項1に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記移動機構は、前記操作ロッドの操作により回動する駆動歯車の一方向への回動により前記CT用凸部を突出させるとともに、前記駆動歯車の反対方向への回動により前記CT用凸部を退避させるように前記駆動歯車と噛み合う一方の従動歯車を備えたCT用凸部の移動部と、
前記駆動歯車の前記反対方向への回動により前記PT用凸部を突出させるとともに、前記駆動歯車の前記一方向への回動により前記PT用凸部を退避させるように前記駆動歯車と噛み合う他方の従動歯車を備えたPT用凸部の移動部とを有することを特徴とするCT/PT共用テストプラグ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記操作ロッドと連動する干渉ロッドを有するとともに、PT用凸部を突出させる際には、前記活線側導体の端子間を短絡する短絡片の前記端子間に対する取り付けが阻害されるよう前記干渉ロッドが前記絶縁支持体の前面から突出され、CT用凸部を突出させる際には、前記短絡片の前記端子間に対する取り付けが阻害されることのないよう前記干渉ロッドが前記絶縁支持体の前面から退避されるように構成したことを特徴とするCT/PT共用テストプラグ。
【請求項4】
請求項3に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記操作ロッドは、その基端を軸回りに一方向に回動させることにより軸方向における一方向に移動されて前記端子に対する前記短絡片の取り付けが阻害されることがないように前記絶縁支持体の前面から退避される一方、反対方向に回動させることにより前記軸方向における反対方向に移動されて前記端子に対する前記短絡片の取り付けが阻害されるように前記絶縁支持体の前面から突出されるように構成した前記干渉ロッドの機能も有するものであることを特徴とするCT/PT共用テストプラグ。
【請求項5】
請求項4に記載するCT/PT共用テストプラグにおいて、
前記操作ロッドが前記絶縁支持体の前面から突出されたとき同様に突出されるよう前記操作ロッドと連動して移動される他の干渉ロッドを設けるとともに、前記他の干渉ロッドが突出されている状態では前記短絡片とは別の短絡片の取り付けが阻害されるように構成したことを特徴とするCT/PT共用テストプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−162698(P2009−162698A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2632(P2008−2632)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】