説明

CXCR3に対するヒト化抗体

受容体CXCR3に特異的に結合するヒト化抗体が開示される。ヒト化抗体は、アンタゴニストであり得、かつCXCR3機能に関連した状態を処置または診断するために使用され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年2月1日出願の米国仮出願第60/898,709号に基づく優先権を主張し、その開示は、参照により完全に本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
ケモカインとそれらの受容体との間の相互作用は、白血球遊走の制御における重要な段階である。ケモカインは、細胞関連サイトカイン応答の誘導および増強を含む、走化性とは無関係の多様な効果も媒介する。
【0003】
ヒト細胞表面タンパク質CD183は、IP10(インターフェロン-gにより誘導可能な10kDaタンパク質)、Mig(インターフェロン-gにより誘導されるモノカイン)、およびI-TAC(インターフェロンにより誘導可能なT細胞a-化学誘引物質)を含む3種のケモカインに対する選択性を有するGタンパク質共役型受容体である。これらの3種のケモカインは、単一のアミノ酸残基が4個の高度に保存されたCys残基の最初の2個を分離している、「CXC」ケモカインの構造サブファミリーに属する。歴史的に、CD183は3番目に発見されたCXCケモカイン受容体であり、従って、CD183は「CXCR3」と一般的に名付けられている。CXCR3へのケモカインの結合は、白血球輸送に関与している細胞応答、最も顕著には、インテグリン活性化、細胞骨格変化、および走化性遊走を誘導する。CXCR3は、エフェクター/メモリーT細胞上、および/または多くの型の炎症組織に存在するT細胞(例えば、T-ヘルパー1細胞またはTh1細胞およびCD8+Tc1細胞)に発現されている。さらに、IP10、Mig、およびI-TACは、炎症巣の局所細胞により一般的に産生され、このことは、CXCR3およびそのケモカインが、炎症部位への白血球の動員に参与することを示唆している。従って、CXCR3は、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、1型糖尿病、および移植片拒絶のような多様な炎症性および免疫性の疾患および障害の処置および診断において使用され得る抗体およびアンタゴニストの開発のための標的である。CXCR3は、B細胞リンパ腫のサブセットに発現されているため、CXCR3は、リンパ腫および白血病の処置および診断のための標的ともなり得る。
【発明の概要】
【0004】
概要
ケモカイン受容体CXCR3(GenBank gi:4504099参照)に特異的に結合する抗原結合ポリペプチド分子が開示される。ポリペプチドは、ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域を含む。例えば、ポリペプチドは、親モノクローナル抗体の抗原結合特異性を実質的に保持しつつ、ヒト抗体の軽鎖および重鎖の可変領域のフレームワーク(FR)領域を含み得る。ヒト化重鎖可変領域および/またはヒト化軽鎖可変領域は、CDRを除き、少なくとも約90%ヒト化(好ましくは少なくとも約95%ヒト化、より好ましくは少なくとも約98%ヒト化、さらに好ましくは少なくとも約100%ヒト化)されている。抗原結合ポリペプチド分子は、モノクローナル抗体ドナー(例えば、マウスモノクローナル抗体ドナー)に由来し得、モノクローナル抗体に由来するCDR(例えば、マウスモノクローナルCDR)を含み得る。ポリペプチドは、CXCR3受容体のアンタゴニストとして機能し得る。
【0005】
いくつかの態様において、抗原結合ポリペプチドは、CXCR3に特異的に結合し、かつ
(a)
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含むヒト化抗体重鎖可変領域と、
(b)
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含むヒト化抗体軽鎖可変領域と
を含む。ポリペプチドは、

のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含み得る。
【0006】
いくつかの態様において、
(1)CDR-H1は

のアミノ酸配列からなり;
(2)CDR-H2は

のアミノ酸配列からなり;
(3)CDR-H3は

のアミノ酸配列からなり;
(4)CDR-L1は

のアミノ酸配列からなり;
(5)CDR-L2は

のアミノ酸配列からなり;かつ
(6)CDR-L3は

のアミノ酸配列からなる。例えば、CDR-H3は

のアミノ酸配列からなり得る。
【0007】
いくつかの態様において、ポリペプチドは、

のヒト化抗体重鎖可変領域を含む。例えば、ポリペプチドは、

のヒト化抗体重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、ポリペプチドは、

のヒト化抗体軽鎖可変領域を含む。例えば、ポリペプチドは、

のヒト化抗体軽鎖可変領域を含み得る。
【0008】
ヒト化抗体重鎖可変領域も開示される。ヒト化抗体重鎖領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含み得る。例えば、ヒト化抗体重鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0009】
別の例において、ヒト化抗体重鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む。例えば、ヒト化抗体重鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0010】
別の例において、ヒト化抗体重鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む。例えば、ヒト化抗体重鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0011】
別の例において、ヒト化抗体重鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む。例えば、ヒト化抗体重鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0012】
別の例において、ヒト化抗体重鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む。例えば、ヒト化抗体重鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0013】
別の例において、ヒト化抗体重鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む。例えば、ヒト化抗体重鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0014】
ヒト化抗体軽鎖可変領域も開示される。ヒト化抗体軽鎖領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含み得る。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0015】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0016】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0017】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0018】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0019】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0020】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0021】
別の例において、ヒト化抗体軽鎖可変領域は、
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む。例えば、ヒト化抗体軽鎖可変領域は

のアミノ酸配列を含み得る。
【0022】
上記のヒト化重鎖およびヒト化軽鎖は、CXCR3に特異的に結合する抗原結合ポリペプチドに存在し得る。
【0023】
抗原結合ポリペプチドは、抗体分子、Fab断片、Fab'断片、F(ab')2断片、およびscFv分子からなる群より選択され得る。いくつかの態様において、ポリペプチドは抗体分子である。抗体分子は、ヒト重鎖定常領域とヒト軽鎖定常領域とを含むキメラ抗体であり得る。例えば、抗体分子は、ポリペプチドがIgG分子の重鎖および軽鎖の定常ドメインを含む、IgG分子(例えば、IgG1分子またはIgG4分子)であり得る。ポリペプチドはscFv分子であり得る。例えば、scFvは、NH2-L-VH-X-VK-COOHおよびNH2-L-VK-X-VH-COOHからなる群より選択される式を有し得、式中、Lはリーダー配列であり;VHはヒト化抗体重鎖可変領域であり;Xは連結ポリペプチドであり;かつVKはヒト化抗体軽鎖可変領域である。
【0024】
抗原結合ポリペプチドは、さらに、治療剤または診断剤と結合または融合していてもよい。例えば、治療剤は、細胞障害剤、放射性標識、免疫調節剤、ホルモン、酵素、オリゴヌクレオチド、光活性治療剤、またはそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。診断剤の例には、放射性標識、光活性診断剤、超音波増強剤、または非放射性標識が含まれ得る。
【0025】
抗原結合ポリペプチドは、CXCR3のアンタゴニストであり得る。典型的には、ポリペプチドはCXCR3のアゴニストではない。
【0026】
抗原結合ポリペプチドは、特異性および高い親和性でCXCR3受容体に結合する。典型的には、ポリペプチドは、少なくとも約106M-1(好ましくは少なくとも約107M-1、より好ましくは少なくとも約108M-1、さらに好ましくは少なくとも約109M-1)の親和性定数でCXCR3に結合する。
【0027】
上記抗原結合ポリペプチドと担体(例えば、希釈剤または賦形剤)とを含む薬学的組成物も開示される。薬剤は、本明細書に開示されるような付加的な治療剤または診断剤をさらに含んでいてもよい。
【0028】
開示された薬学的組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、疾患または状態を処置または診断する方法も開示される。例えば、薬学的組成物は、炎症性、免疫性、および/または悪性の疾患または状態を処置または診断するために投与され得る。疾患または状態の例には、自己免疫疾患(例えば、狼瘡)、炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(例えば、関節リウマチ)、多発性硬化症、移植片拒絶、中枢神経系損傷、クローン病、乾癬、1型糖尿病、および白血病またはリンパ腫(例えば、慢性リンパ球性白血病(CLL))が含まれ得る。
【0029】
上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも開示される。ポリヌクレオチドは、コードポリペプチドを適当な宿主細胞において発現させるために、プロモーターと機能的に連結され得る。従って、組換えポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを作製する方法は、(a)組換えポリヌクレオチドにより形質転換された細胞を培養して、コードポリペプチドを発現させる段階;および(b)そのように発現されたポリペプチドを回収する段階を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】Th1細胞への125I-IP-10の結合の、マウス抗CXCR3 mAbによる阻害を示す図である。Ab#1-5D4A;Ab#2-8A5A;Ab#3-19G2;Ab#4-V36E5A;Ab#5-V44D7A;Ab#6-37B5A;Ab#7-21A4A;Ab#8-V15F4A;Ab#9-V3G6A;Ab#10-23E12A;Ab#11-35C4;Ab#12-39E10。
【図2】IP-10により誘導されるTh1細胞遊走の、マウス抗CXCR3 mAbによる阻害を示す図である。Ab#1-5D4A;Ab#2-8A5A;Ab#3-19G2;Ab#4-V36E5A;Ab#5-V44D7A;Ab#6-37B5A;Ab#7-21A4A;Ab#8-V15F4A;Ab#9-V3G6A;Ab#10-23E12A。
【図3】Th1細胞(上パネル)、CXCR3+/NSO細胞(中央パネル)、およびCXCR-/NSO細胞(下パネル)へのマウス抗CXCR3 mAbの結合のFACs分析を示す図である。
【図4】CXCR3へのケモカインの結合の、マウス抗CXCR3 mAbおよびヒト化抗CXCR3 mAbによる阻害を示す図である。
【図5】ケモカインにより媒介される走化性の、マウス抗CXCR3 mAbおよびヒト化抗CXCR3 mAbによる阻害を示す図である。
【図6】5つの抗CXCR3クローンのVHドメインのアラインメントを示す図である。
【図7】5つの抗CXCR3クローンのVKドメインのアラインメントを示す図である。
【図8】抗CXCR3クローンV44D7のVHドメインの、最も近い発現されたヒトIgGおよび生殖系列VHとのアラインメントを示す図である。
【図9】抗CXCR3クローンV44D7のVHドメインの完全なヒト化のために必要とされるアミノ酸変化のリスク評価を示す図である。必要とされるアミノ酸変化は、主配列の下に示され、ヒトVH3-23とのアラインメントから導出された。生殖系列遺伝子および発現された抗体はGenBankアクセッション番号AAD53829に記載される。
【図10】抗CXCR3クローンV44D7のVHドメインの完全なヒト化のために必要とされるアミノ酸変化のリスク評価を示す図である。必要とされるアミノ酸変化は、主配列の下に示され、ヒトVH3-23とのアラインメントから導出された。生殖系列遺伝子および発現された抗体はGenBankアクセッション番号AAD53829に記載される。
【図11】抗CXCR3クローンV3G6のVKドメインの、最も近い発現されたヒトIgGおよび生殖系列VKとのアラインメントを示す図である。
【図12】抗CXCR3クローンV3G6のVKドメインの完全なヒト化のために必要とされるアミノ酸変化のリスク評価を示す図である。
【図13】CXCR3+NSO細胞へのマウスCXCR3mAbの結合の、市販のCXCR3mAbによる阻害を示す図である。およそ0.5nM Eu-CXCR3mAbが、様々な濃度の未標識の市販のCXCRmAbの存在下で、CXCR3トランスフェクトNSO細胞と共にインキュベートされた。CXCR3+NSO細胞へのEu-CXCR3mAbの結合の用量依存性の阻害が観察された。
【図14】Th1細胞上のCXCR3の発現を示す図である。Th1細胞およびTh2細胞が臍帯血から作成され、CXCR3およびCCR4の発現がFACSにより決定された。CXCR3はTh1細胞にのみ存在した。
【図15】125I-CXCL10結合アッセイを示す図である。Th1細胞が、様々な濃度のCXCRmAbの非存在下または存在下で、125I-CXCL10と共に96穴プレートにおいてインキュベートされた。細胞と結合した125I-CXCL10がオイルカラムにより遊離放射能から分離され、ガンマ計数管を使用して計数された。IC50値はPrizmソフトウェアを使用して計算された。リード候補は緑で強調された。
【図16】125I-CXCL11結合アッセイを示す図である。Th1細胞が、様々な濃度のCXCRmAbの非存在下または存在下で、125I-CXCL11と共に96穴プレートにおいてインキュベートされた。細胞と結合した125I-CXCL11がオイルカラムにより遊離放射能から分離され、ガンマ計数管を使用して計数された。IC50値はPrizmソフトウェアを使用して計算された。リード候補は緑で強調された。
【図17】Th1細胞へのEu-CXCR3mAbの結合を示す図である。Th1細胞が、10倍過剰の未標識CXCR3mAbの非存在下または存在下で、増加する濃度のEu-CXCR3mAbと共にインキュベートされた。インキュベーション(RTで1hr)の後、3回洗浄することにより細胞と結合したEu-CXCR3mAbが遊離ユウロピウムから分離され、プレートがVctor2蛍光光度計を使用して読み取られた。
【図18】Th1への125I-CXCL11の結合の、CXCR3mAbハイブリドーマ上清による阻害を示す図である。Th1細胞が、RTで1hr、様々なCXCRmAbハイブリドーマ上清の非存在下または存在下で、125I-CXCL11と共に96穴プレートにおいてインキュベートされた。細胞と結合した125Iリガンドがオイルカラムにより遊離放射能から分離され、ガンマ計数管を使用して計数された。Th1細胞へのCXCL11の結合を阻害した7つのハイブリドーマ上清が、さらなる開発のために選択された。
【図19】Th1への125I-CXCL10の結合の、CXCR3mAbハイブリドーマ上清による阻害を示す図である。Th1細胞は、RTで1hr、様々なCXCRmAbハイブリドーマ上清の非存在下または存在下で、125I-CXCL10と共に96穴プレートにおいてインキュベートされた。細胞と結合した125Iリガンドがオイルカラムにより遊離放射能から分離され、ガンマ計数管を使用して計数された。Th1細胞へのCXCL10の結合を阻害した7つのハイブリドーマ上清が、さらなる開発のために選択された。
【図20】マウスCXCR3mAbがラットTh1細胞と交差反応しないことを示す図である。マウスCXCR3mAbの偏向ラットTh1細胞に対する反応性を決定するために、FACS分析が実施された。ウサギ抗マウスCXCR3AbのみがラットTh1細胞と結合した。マウス抗ヒトCXCR3AbはラットTh1細胞と結合しなかった。対照として、マウス抗CXCR3mAbのヒトTh1細胞への結合も示される(下パネル)。
【図21】ヒト化CXCR3AbによるEu-CXCR3mAbの阻害を示す図である。Th1細胞が、様々な濃度のヒト化CXCRmAbの非存在下または存在下で、Eu-CXCR3mAbと共に96穴プレートにおいてインキュベートされた。インキュベーション(RTで1hr)の後、3回洗浄することにより、細胞と結合したEu-CXCR3mAbが遊離ユウロピウムから分離され、プレートがVctor2蛍光光度計を使用して読み取られた。IC50値はPrizmソフトウェアを使用して計算された。Ab1は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5アミノ酸の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#1の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。Ab2は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#7の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。ヒト化Ab(IgG4)は、IgG4骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5の重鎖配列および最初のマウス抗CXCR3 V44D7 VKの軽鎖配列を有する。
【図22】ヒト化CXCR3AbによるEu-CXC10の阻害を示す図である。Th1細胞が、様々な濃度のヒト化CXCRmAbの非存在下または存在下で、Eu-CXCL10と共に96穴プレートにおいてインキュベートされた。インキュベーション(RTで1hr)の後、3回洗浄することにより、細胞と結合したEu-CXCL10が遊離ユウロピウムから分離され、プレートがVctor2蛍光光度計を使用して読み取られた。IC50値はPrizmソフトウェアを使用して計算された。
【図23】ヒト化CXCR3Abによる、CXCL10により誘導されるTh1細胞走化性の阻害を示す図である。走化性アッセイは、ChemoTx 96穴プレート(Neuro Probe, Inc)において実施された。およそ29μLのCXCL10または緩衝液対照が下ウェルに添加された。様々な濃度のヒト化抗体の非存在下または存在下で、25μLのTh1細胞懸濁物が、フィルターのウェルに直接添加された。37℃で2hrのインキュベーションの後、下ウェルに遊走した細胞がcell titer glo法(Promega)により決定された。
【図24】Th1細胞におけるCa++流入の分析をを示す図である。Th1細胞にFluo-4,AM(Molecular Probes)が負荷され、示されるような様々なマウスCXCR3mAb抗体により刺激された。細胞内Ca++の増加はFLIPRにより決定された。
【発明を実施するための形態】
【0031】
好ましい態様の詳細な説明
定義
抗体とは、本明細書に記載されるように、全長の(即ち、天然に存在する、もしくは正常な免疫グロブリン遺伝子断片組み換え(recombinatorial)過程により形成される)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)、または抗体断片のような免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(即ち特異的に結合する)部分をさす。
【0032】
抗体断片とは、F(ab')2、F(ab)2、Fab'、Fab、Fv、scFv等のような抗体の一部分である。構造に関わらず、抗体断片は、完全な抗体により認識されるのと同じ抗原と結合する。「抗体断片」という用語には、特異的な抗原と結合し、複合体を形成することにより、抗体と同様に作用する、合成のまたは遺伝学的に操作されたタンパク質も含まれる。例えば、抗体断片には、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」断片のような、可変領域からなる単離された断片、軽鎖および重鎖の可変領域がペプチドリンカーにより接続されている組換え単鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、ならびに超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位が含まれる。
【0033】
ヒト化抗体とは、ある種に由来する抗体、例えば、げっ歯動物抗体からのCDRが、げっ歯動物抗体の重鎖および軽鎖の可変領域から、ヒトの重鎖および軽鎖の可変ドメイン、または(「ヒト化率」により表されるような)ヒトの重鎖および軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列の少なくとも一部を含むよう変異させられた重鎖および軽鎖の可変ドメインへと移された組換えタンパク質である。抗体分子の定常ドメインは、ヒト抗体のものに由来し得る。
【0034】
本明細書において使用される「ヒト化率」とは、ヒト化ドメインと生殖系列ドメインとの間のフレームワークアミノ酸の相違(即ち、非CDRの相違)の数を決定し、アミノ酸の総数からその数を差し引き、次いでアミノ酸の総数によりそれを割り、100を掛けることにより計算される。
【0035】
本明細書において使用される「CDR」とは、抗体重鎖の可変ドメイン(VH)または抗体軽鎖の可変ドメイン(VLまたはVK)に存在する「相補性決定領域」を意味する。各可変ドメインは、3個のCDRを含んでおり、それらは、重鎖可変ドメインに存在するものについてはCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と呼ばれ、軽鎖可変ドメインに存在するものについてはCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3と呼ばれる。Kabatの番号付けシステムが本明細書において使用される。従って、CDR-H1は、およそアミノ酸31(即ち、最初のシステイン残基のおよそ9残基後)で開始し、およそ5〜7アミノ酸を含み、次のチロシン残基で終了する。CDR-H2は、CDR-H1の末端の後の15番目の残基で開始し、およそ16〜19アミノ酸を含み、次のアルギニンまたはリジン残基で終了する。CDR-H3は、CDR-H2の末端の後のおよそ33番目のアミノ酸残基で開始し;3〜25アミノ酸を含み;配列W-G-X-G(Xは任意のアミノ酸である)で終了する。CDR-L1は、およそ残基24(即ち、システイン残基の後)で開始し;10〜17残基を含み;次のチロシン残基で終了する。CDR-L2は、CDR-L1の末端の後のおよそ16番目の残基で開始し、およそ7残基を含む。CDR-L3は、CDR-L2の末端の後のおよそ33番目の残基で開始し;およそ7〜11残基を含み、配列F-G-X-G(Xは任意のアミノ酸である)で終了する。
【0036】
本明細書に開示された抗原結合ポリペプチドは、放射性標識、免疫調節剤、ホルモン、光活性治療剤、薬物または毒素であり得る細胞障害剤、およびそれらの組み合わせを含み得る治療剤と結合または融合し得る。薬物には、有糸分裂抑制剤、抗キナーゼ剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、アルカロイド、抗血管形成剤、アポトーシス剤、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、薬学的特性を保有している薬物が含まれ得る。より具体的には、これらの薬物は、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、トリアゼン、葉酸アナログ、COX-2阻害剤、ピリミジンアナログ、プリンアナログ、抗生物質、酵素、エピポドフィロトキシン、白金配位錯体、ビンカアルカロイド、置換型尿素、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤、アンタゴニスト、エンドスタチン、タキソール、カンプトテシン、アントラサイクリン、タキサン、ならびにそれらのアナログおよび組み合わせからなる群より選択される。本発明に包含される毒素は、リシン、アブリン、アルファ毒素、サポリン、リボヌクレアーゼ(RNase)、例えば、オンコナーゼ(onconase)、DNase I、ブドウ球菌腸毒素A、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、およびシュードモナス内毒素からなる群より選択され得る。
【0037】
免疫調節剤は、サイトカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、インターフェロン(IFN)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。特に有用であるのは、腫瘍壊死因子(TNF)のようなリンホトキシン、インターロイキン(IL)のような造血因子、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)のようなコロニー刺激因子、インターフェロンα、インターフェロンβ、またはインターフェロンγのようなインターフェロン、および「S1因子」と呼ばれるもののような幹細胞増殖因子である。より具体的には、免疫調節剤には、IL-1、IL-2、IL-3、IL-6、IL-10、IL-12、IL-18、IL-21、インターフェロンγ、TNF-α、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0038】
本明細書に開示された抗原結合ポリペプチドは、診断剤と結合または融合し得る。診断剤には、光活性診断剤、または60〜4,000keVのエネルギーを有する放射標識、または非放射性標識が含まれ得る。放射性標識は、好ましくは、ガンマ線放射型同位体、ベータ線放射型同位体、および陽電子放射型同位体であり、125I、131I、123I、124I、86Y、186Re、188Re、62Cu、64Cu、111In、67Ga、68Ga、99mTc、94mTc、18F、11C、13N、15O、76Br、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。診断剤には、例えば、マンガン、鉄、またはガドリニウムのような造影剤が含まれ得る。
【0039】
実施例
ハイブリドーマ技術を使用したマウスIgG1,k CXCR-3結合抗体の単離
BALB/cマウスを、CXCR-3発現NSO細胞により免疫感作した。典型的な手法で、50ulのRIBIアジュバント(Sigma)中の5×106細胞を後足蹠に注射した(1足蹠当たり25ul)。RIBIアジュバントでの注射を、さらに2回、2週間間隔で与え、続いてPBSでの最終追加刺激を行った。3日後、マウスを屠殺し、膝窩リンパ節を採集し、融合のためにリンパ球を単離した。融合剤としてPEG/DMSO(Sigma)を使用して、5:1比で、リンパ球をP3X63Ag8.653形質細胞腫細胞と融合させた。融合細胞を選択HAT培地に再懸濁させた後、96穴プレートに1ウェル当たり106細胞で播種した。HAT選択で生存したハイブリドーマからの上清を、マウスIgGの存在についてELISAによりスクリーニングした。IgG産生ハイブリドーマを同定し、それらの上清を、さらに、CXCR3発現NSO細胞(CXCR3+NSO)と結合する抗体についてFACS分析によりスクリーニングした。次いで、CXCR3+NSO細胞結合陽性と同定されたハイブリドーマを、CXCR3特異的クローンを同定するため、CXCR3+NSO細胞およびPC-NSO(ベクター対照)細胞との差次的な結合についてスクリーニングした。CXCR3特異的ハイブリドーマを、限界希釈により2回サブクローニングした。ハイブリドーマサブクローンを無血清培地で増幅し、抗体をプロテイン-Aカラムで精製し、リード候補を選出するためにさらに特徴決定した。
【0040】
ヒト化戦略
抗CXCR3抗体のヒト化における一つの目標は、最初の結合親和性および特異性の90〜100%を保持している60〜80%ヒト化されたVHドメインおよびVKドメインを入手することであった。結合親和性および特異性を維持しつつ、抗体をさらにヒト化するため、VHおよびVKにおける個々の高リスク位置の部位特異的変異誘発を使用した。
【0041】
ヒト化は、CDRグラフティングおよび構造に基づく分析および可変領域リサーフェイシング(resurfacing)により実施された。(Jones et al., NATURE (1986) May 29-Jun. 4; 321(6069):522-5;Roguska et al., PROTEIN ENGINEERING, 1996, 9(10):895-904;およびXoma, Humanizing Mouse Antibody Frameworks While Preserving 3-D Structure. PROTEIN ENGINEERING, 1994, Vol.7, pg 805を参照のこと)。結合親和性および特異性を維持するために必要とされる重要なフレームワーク残基を同定するために、一次抗体配列および3D構造のデータを利用した。9個の異なるFab分子およびIgG分子の3D構造を分析した(リガンドを含む、またはリガンドを含まない、ヒトおよびマウス)。マウス抗CXCR3 V44 VHおよびVKを、最も近いヒト生殖系列遺伝子と整列化した後、全ての位置におけるアミノ酸を、結合および免疫原性に対する可能性のある影響について評価した。この情報を使用して、各位置の変異について低リスク値、中リスク値、または高リスク値を割り当てた。一般に、高リスクの位置を回避して、低リスクおよび中リスクの位置のみを変異させた。
【0042】
重鎖は、この過程の後、(CDRを除き)マウス重鎖に比べて98%ヒト化された。次いで、平均で2倍の親和性の増加を与える、Y115D置換を含むCDR3内の各位置へのペアのチロシンの組み入れにより、親和性成熟戦略を実施した。2個のリード候補において使用された重鎖は、CDRを除きそれを100%ヒトにする2個のさらなる変異を97位および98位に含んでいた。軽鎖についての同一の戦略の後、VKを、A14生殖系列遺伝子と整列化し、低リスクおよび中リスクの位置を変異させた。この生殖系列遺伝子が正常なヒトにおいて稀に発現されるらしいことが決定された後、L6生殖系列を鋳型として使用して過程を繰り返した。
【0043】
研究において使用されたマウスVH領域およびVK領域と最も近いマッチを同定するため、NCBIにより後援された「Blast for Ig sequences」ウェブサイトを使用した。MRCのV-baseウェブサイトを、ヒト生殖系列配列を確認するために使用した。
【0044】
ヒト生殖系列VH遺伝子およびVK遺伝子を、マウス配列のVH配列およびVK配列と最適なマッチとして選んだ。マウスVH配列については、(V-baseで名付けられたような)ヒト生殖系列配列VH3-23が、最適なマッチとして同定された:
VH3-23生殖系列

。マウスVK配列については、(V-baseで名付けられたような)ヒト生殖系列配列A14およびL6が、最適なマッチとして同定された:
L6生殖系列

;および
A14生殖系列


【0045】
ハイブリドーマ細胞株からのマウス抗CXCR3のVHドメインおよびVKドメインのクローニングおよび配列決定
ハイブリドーマ細胞をペレット化し、PBSで3回洗浄し、製造業者のプロトコルに従いTrizol試薬(Invitrogen, Cat. No. 15596-026)を使用してRNAを抽出した。全RNAを、製造業者のプロトコルに従い、5'RACEキット(Rapid Amplification of cDNA Ends, Invitrogen, Cat. No. 18374-058)を使用して、cDNAに変換した。簡単に説明すると、RNAをランダムヘキサマープライマー、ランダムN6にライゲートさせ、superscript II RNAaseH陰性逆転写酵素を使用して第1鎖cDNAを作成した。cDNAを、キットと共に提供されたGlassMaxスピンカートリッジを使用して精製し、次いで、cDNAの5'末端にC塩基対を添付するためにdCTPの存在下でTdT(ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ)と反応させた。dCテールを有するcDNAを、dCテールに特異的なアンカープライマー、ならびにVHについてはマウス定常重鎖1(CH1)およびVKについては定常κ(CK)における高度に保存されたDNA配列にハイブリダイズする遺伝子特異的プライマーを使用してPCR増幅した。得られたPCR産物を、完全なVHドメインまたはVKドメインに対応する正確なサイズについてゲル電気泳動により分析し、次いで精製し、製造業者のプロトコルに従いTopo TAベクター(Invitrogen Cat. No. 45-0071)にライゲートさせた。細菌への形質転換の後、正確なサイズのインサートを含有しているクローンからDNAを調製し、製造業者のプロトコルに従い、Big Dyeターミネーター配列決定反応ミックス(Applied Biosystems, Part No. 4336699)および3700 ABI/Prism DNA分析機を使用してDNA配列を決定した。
【0046】
マウス抗CXCR3抗体のヒト化
まず、単一のリードマウス抗CXCR3抗体V44D7を、前記のようにして作成された結合データおよび配列データに基づき同定した。この抗体からのVHドメインおよびVKドメインのアミノ酸配列を、現在入手可能な公的データベース(即ち、NCBIのBlast for IgGおよびMRCのV-base)を使用して、全ての公知のヒト生殖系列VHドメインおよびVKドメインと整列化した。フレームワーク領域内のアラインメントに焦点を当てることにより、高度に相同なヒト生殖系列VHドメイン、VH3-23、および2個の異なるヒト生殖系列VKドメイン、A14およびL6が同定された。マウス配列がヒト生殖系列と異なっているフレームワーク内の位置においては、対応するヒト生殖系列フレームワークとマッチするよう、マウスフレームワークを変換するかまたは変異させるために反復過程を使用した。さらに、フレームワーク残基変化による親和性の損失の補償を可能性として補助するために、VHおよびVKの両方のCDR3におけるある種の残基を、チロシンとの交換により変異させた(即ち、親和性熟成させた)。親和性成熟されヒト化されたマウスVHドメインおよびVKドメインを、重複する合成DNAオリゴヌクレオチドのパネルを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応過程により作成した。合成遺伝子設計過程の一部として、コドン最適化戦略を使用した。即ち、遺伝子発現のため哺乳動物細胞により優先的に利用される各アミノ酸のトリプレットコードを、各位置に組み入れた。完全にヒトのIgG1、G4、またはκ抗体骨格の情況において、対応するドメインが発現されることを可能にする、専門の哺乳動物発現ベクターに、合成のVHドメインおよびVKドメインをクローニングした。ヒト化抗体の小規模作製は、製造業者のプロトコルに従いリポフェクタミン(Invitrogen)を用いた、293F細胞へのIgG1またはG4構築物のκ構築物とのコトランスフェクションにより達成された。一過性トランスフェクションからの上清を、プロテインAまたはG樹脂に通し、細胞に基づくアッセイでの試験のため均質になるまでIgGを精製した。
【0047】
エピトープ競合研究
様々な市販のCXR3mAbを、ユウロピウム(Eu)で標識されたマウスCXCR3mAbを使用した競合結合アッセイにおいて試験した。様々な販売元からのCXCR3mAbが、CXCR3へのEu-CXCR3mAbの結合を阻害した。このデータは、マウスCXCR3mAb抗体および市販の抗体が、CXCR3上の重複するエピトープと結合することを示した(図13)。
【0048】
抗体親和性
マウスCXCR3mAbおよびヒト化CXCR3mAbの結合親和性および活性は、125IおよびEuで標識されたケモカイン、ならびにEuで標識されたCXCR3mAbを使用した様々な競合結合アッセイ、ならびに以下のものを含むTh1走化性アッセイにより決定された:125I-CXCL10結合アッセイ;125I-CXCL11結合アッセイ;Eu-CXCL10結合アッセイ;Th1走化性アッセイ;およびEu-マウスCXCR3mAb結合アッセイ。
【0049】
Th1細胞
臍帯血から作成された初代Th1細胞を、全ての結合アッセイに使用した。文献に記載されるように、CXCR3発現は、FACS分析により決定されるように、Th1細胞にのみ観察され、Th2細胞には観察されなかった(図14)。Th2細胞はCCR4を特異的に発現した。
【0050】
125I-CXCL10および125I-CXCL11結合アッセイ
マウスCXCR3mAb抗体の結合親和性は、放射標識されたCXCL10およびCXCL11とTh1細胞との結合を阻害する能力に基づき決定された(図15、16、18、および19、ならびに表1)。これらの結合研究および走化性アッセイに基づき、3つのマウスCXCRmAbがさらなる研究のために選択された。
【0051】
(表1)抗CXCR3 mAbの特徴決定

Ab#1-5D4A;Ab#2-8A5A;Ab#3-19G2;Ab#4-V36E5A;Ab#5-V44D7A;Ab#6-37B5A;Ab#7-21A4A;Ab#8-V15F4A;Ab#9-V3G6A;Ab#10-23E12A;Ab#11-35C4;Ab#12-39E10。
【0052】
Eu-CXCRmAb飽和結合アッセイ
CXCR3に対するマウスCXCR3抗体の結合親和性は、ユウロピウムで標識されたマウスCXCR3抗体を使用した直接飽和結合アッセイにより決定された。1つのマウスCXCR3mAbを使用したこのアッセイの一例が、図17に示される。この研究からのデータは、CXCR3へのEu-CXCR3mAbの結合が特異的であり、nM以下(0.47nM)のKdの結合親和性で飽和可能であることを示した。
【0053】
抗体特異性
マウス抗体ハイブリドーマ(20000)を、Eu-二次抗体を使用して、CXCR3+およびCXCR3-NSO膜を用いた差次的スクリーニングアッセイ(DELFIA)によりスクリーニングした。CXCR3+膜と結合した抗体(〜2000)を、CXCR3+/CXCR3- NSOおよびTh1細胞を使用したFACSによりさらに試験した。CXCR3発現細胞へのCXCR3mAbの特異的な結合についての一例は、図3に示される。
【0054】
種交差反応性
親マウスCXCR3mAbを、FACSにより、偏向ラットTh1細胞との結合について試験した。ウサギ抗マウスCXCR3 Ab(陽性対照)のみがラットTh1細胞と結合した。マウス親CXCR3mAbは、図20に示されるように、ラットTh1細胞と結合しなかった。
【0055】
生物学的活性
結合アッセイ:CXCR3mAbは、125Iで標識されたIP-10およびI-Tacの、初代Th1細胞への結合を特異的に阻害した。標識されたMigが入手不可能であったため、それは結合アッセイにおいて試験されなかった。走化性アッセイ:CXCR3mAbは、CXCR3ケモカインにより媒介されるTh1細胞遊走を阻害した。
【0056】
ヒト化抗体は結合アッセイおよび走化性アッセイにより試験された。Eu-CXCRmAb競合結合アッセイの結果は図21に示される。Eu-CXCL10結合アッセイの結果は図22に示される。Th1走化性アッセイの結果は図23に示される。
【0057】
CXCR3受容体のアゴニズムについて試験されたマウス抗体
マウスCXCR3mAbを、Th1細胞におけるca動員の誘導におけるアゴニスト活性について試験した。図24に示されるように、いずれの抗体も、Ca++流入の誘導におけるアゴニスト活性を示さなかった。
【0058】
(表2)結合アッセイおよび走化性アッセイから決定された、異なるヒト化抗体のIC50

N.D.=未決定
【0059】
表2中、Ab1は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5アミノ酸の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#1の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。Ab2は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#7の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。Ab3は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5アミノ酸の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#2の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。Ab4は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#3の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。Ab5は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5アミノ酸の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#4の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。Ab6は、IgG1骨格内にヒト化抗CXCR3 V44D7 VHリード#5の重鎖配列およびヒト化抗CXCR3 V44D7 VKリード#5の軽鎖配列(非公式の配列表を参照のこと)を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含むヒト化抗体重鎖可変領域と、
(b)
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含むヒト化抗体軽鎖可変領域と
を含む、CXCR3に特異的に結合する抗原結合ポリペプチド。
【請求項2】
CDR-H3が、

のアミノ酸配列を含む、請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
CDR-H3が、

のアミノ酸配列を含む、請求項1または2記載のポリペプチド。
【請求項4】
(1)CDR-H1が

のアミノ酸配列からなり;
(2)CDR-H2が

のアミノ酸配列からなり;
(3)CDR-H3が

のアミノ酸配列からなり;
(4)CDR-L1が

のアミノ酸配列からなり;
(5)CDR-L2が

のアミノ酸配列からなり;かつ
(6)CDR-L3が

のアミノ酸配列からなる、
請求項1〜3のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項5】
CDR-H3が

のアミノ酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項6】
ヒト化抗体重鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項7】
ヒト化抗体重鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項6記載のポリペプチド。
【請求項8】
ヒト化抗体軽鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項1〜7のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項9】
ヒト化抗体軽鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項8記載のポリペプチド。
【請求項10】
ヒト化抗体軽鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項8記載のポリペプチド。
【請求項11】
抗体分子、Fab断片、Fab'断片、F(ab')2断片、およびscFv分子からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項12】
分子が抗体分子である、請求項11記載のポリペプチド。
【請求項13】
抗体が、ヒト重鎖定常領域とヒト軽鎖定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項12記載のポリペプチド。
【請求項14】
抗体が、IgG分子(例えば、IgG1分子またはIgG4分子)である、請求項12または13記載のポリペプチド。
【請求項15】
scFv分子である、請求項1記載のポリペプチド。
【請求項16】
scFvがNH2-L-VH-X-VK-COOHおよびNH2-L-VK-X-VH-COOHからなる群より選択される式を有し、式中、Lはリーダー配列であり;VHはヒト化抗体重鎖可変領域であり;Xは連結ポリペプチドであり;かつVKはヒト化抗体軽鎖可変領域である、請求項15記載のポリペプチド。
【請求項17】
治療剤または診断剤と結合している、請求項1〜16のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項18】
治療剤が、細胞障害剤、放射性標識、免疫調節剤、ホルモン、酵素、オリゴヌクレオチド、光活性治療剤、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17記載のポリペプチド。
【請求項19】
診断剤が、放射性標識、光活性診断剤、超音波増強剤、または非放射性標識からなる群より選択される、請求項18記載のポリペプチド。
【請求項20】
CXCR3のアンタゴニストである、請求項1〜19のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項21】
CXCR3のアゴニストではない、請求項1〜20のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項22】
少なくとも約106M-1(好ましくは少なくとも約107M-1、より好ましくは少なくとも約108M-1、さらに好ましくは少なくとも約109M-1)の親和性定数でCXCR3に結合する、請求項1〜21のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項記載のポリペプチドと担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項24】
付加的な治療剤または診断剤をさらに含む、請求項23記載の薬学的組成物。
【請求項25】
請求項23または24記載の組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、炎症性の疾患または状態を処置または診断する方法。
【請求項26】
請求項23または24記載の組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、免疫性の疾患または状態を処置または診断する方法。
【請求項27】
請求項23または24記載の組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、悪性の疾患または状態を処置または診断する方法。
【請求項28】
疾患または状態が、自己免疫疾患(例えば、狼瘡)、炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(例えば、関節リウマチ)、多発性硬化症、移植片拒絶、中枢神経系損傷、クローン病、乾癬、および白血病またはリンパ腫(例えば、慢性リンパ球性白血病(CLL))からなる群より選択される、請求項24〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜22のいずれか一項記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項30】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含むヒト化抗体重鎖可変領域を含むポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項31】
ヒト化抗体重鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項30記載のポリヌクレオチド。
【請求項32】
ヒト化抗体重鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項31記載のポリヌクレオチド。
【請求項33】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含むヒト化抗体軽鎖可変領域を含むポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項34】
ヒト化抗体軽鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項33記載のポリヌクレオチド。
【請求項35】
ヒト化抗体軽鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項34記載のポリヌクレオチド。
【請求項36】
ヒト化抗体軽鎖可変領域が

のアミノ酸配列を含む、請求項34記載のポリヌクレオチド。
【請求項37】
請求項29〜36のいずれか一項記載のポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーター配列を含む、組換えポリヌクレオチド。
【請求項38】
請求項37記載のポリヌクレオチドにより形質転換された、単離された細胞。
【請求項39】
以下の段階を含む、請求項37記載の組換えポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを作製する方法:
(a)組換えポリヌクレオチドにより形質転換された細胞を培養して、コードポリペプチドを発現させる段階;および
(b)そのように発現されたポリペプチドを回収する段階。
【請求項40】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、ヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項41】

のアミノ酸配列を含む、請求項40記載のヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項42】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、ヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項43】

のアミノ酸配列を含む、請求項42記載のヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項44】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、ヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項45】

のアミノ酸配列を含む、請求項44記載のヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項46】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、ヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項47】

のアミノ酸配列を含む、請求項46記載のヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項48】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、ヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項49】

のアミノ酸配列を含む、請求項48記載のヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項50】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、ヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項51】

のアミノ酸配列を含む、請求項50記載のヒト化抗体重鎖可変領域。
【請求項52】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項53】

のアミノ酸配列を含む、請求項52記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項54】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項55】

のアミノ酸配列を含む、請求項54記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項56】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項57】

のアミノ酸配列を含む、請求項56記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項58】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項59】

のアミノ酸配列を含む、請求項58記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項60】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項61】

のアミノ酸配列を含む、請求項60記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項62】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項63】

のアミノ酸配列を含む、請求項62記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項64】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項65】

のアミノ酸配列を含む、請求項64記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項66】
(1)

のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(2)

のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(3)

のアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、ヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項67】

のアミノ酸配列を含む、請求項66記載のヒト化抗体軽鎖可変領域。
【請求項68】
請求項40〜51のいずれか一項記載のヒト化重鎖および請求項52〜67のいずれか一項記載のヒト化軽鎖を含む、CXCR3に特異的に結合する抗原結合ポリペプチド。
【請求項69】
請求項48または49記載のヒト化重鎖および請求項52または53記載のヒト化軽鎖を含む、請求項68記載のポリペプチド。
【請求項70】
請求項48または49記載のヒト化重鎖および請求項64または65記載のヒト化軽鎖を含む、請求項68記載のポリペプチド。
【請求項71】
請求項48または49記載のヒト化重鎖および請求項54または55記載のヒト化軽鎖を含む、請求項68記載のポリペプチド。
【請求項72】
請求項48または49記載のヒト化重鎖および請求項56または57記載のヒト化軽鎖を含む、請求項68記載のポリペプチド。
【請求項73】
請求項48または49記載のヒト化重鎖および請求項58または59記載のヒト化軽鎖を含む、請求項68記載のポリペプチド。
【請求項74】
請求項48または49記載のヒト化重鎖および請求項60または61記載のヒト化軽鎖を含む、請求項68記載のポリペプチド。
【請求項75】
抗体分子、Fab断片、Fab'断片、F(ab')2断片、およびscFv分子からなる群より選択される、請求項68〜74のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項76】
分子が抗体分子である、請求項75記載のポリペプチド。
【請求項77】
抗体が、ヒト重鎖定常領域とヒト軽鎖定常領域とを含むキメラ抗体である、請求項76記載のポリペプチド。
【請求項78】
抗体が、IgG分子(例えば、IgG1分子またはIgG4分子)である、請求項76または77記載のポリペプチド。
【請求項79】
分子がscFv分子である、請求項75記載のポリペプチド。
【請求項80】
scFvがNH2-L-VH-X-VK-COOHおよびNH2-L-VK-X-VH-COOHからなる群より選択される式を有し、式中、Lはリーダー配列であり;VHはヒト化抗体重鎖可変領域であり;Xは連結ポリペプチドであり;かつVKはヒト化抗体軽鎖可変領域である、請求項79記載のポリペプチド。
【請求項81】
治療剤または診断剤と結合している、請求項68〜80のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項82】
治療剤が、細胞障害剤、放射性標識、免疫調節剤、ホルモン、酵素、オリゴヌクレオチド、光活性治療剤、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項81記載のポリペプチド。
【請求項83】
診断剤が、放射性標識、光活性診断剤、超音波増強剤、または非放射性標識からなる群より選択される、請求項81記載のポリペプチド。
【請求項84】
CXCR3のアンタゴニストである、請求項68〜83のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項85】
CXCR3のアゴニストではない、請求項68〜84のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項86】
少なくとも約106M-1(好ましくは少なくとも約107M-1、より好ましくは少なくとも約108M-1、さらに好ましくは少なくとも約109M-1)の親和性定数でCXCR3に結合する、請求項68〜85のいずれか一項記載のポリペプチド。
【請求項87】
請求項68〜86のいずれか一項記載のポリペプチドと担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項88】
付加的な治療剤または診断剤をさらに含む、請求項81記載の薬学的組成物。
【請求項89】
請求項87または88記載の組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、炎症性の疾患または状態を処置または診断する方法。
【請求項90】
請求項87または88記載の組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、免疫性の疾患または状態を処置または診断する方法。
【請求項91】
請求項87または88記載の組成物をその必要がある患者に投与する段階を含む、悪性の疾患または状態を処置または診断する方法。
【請求項92】
疾患または状態が、自己免疫疾患(例えば、狼瘡)、炎症性腸疾患(IBD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(例えば、関節リウマチ)、多発性硬化症、移植片拒絶、中枢神経系損傷、クローン病、乾癬、および白血病またはリンパ腫(例えば、慢性リンパ球性白血病(CLL))からなる群より選択される、請求項89〜91のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
請求項40〜51のいずれか一項記載のヒト化重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド。
【請求項94】
請求項52〜67のいずれか一項記載のヒト化軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド。
【請求項95】
請求項68〜86のいずれか一項記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項96】
請求項93〜95のいずれか一項記載のポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーター配列を含む、組換えポリヌクレオチド。
【請求項97】
請求項96記載のポリヌクレオチドにより形質転換された、単離された細胞。
【請求項98】
以下の段階を含む、請求項96記載の組換えポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを作製する方法:
(a)組換えポリヌクレオチドにより形質転換された細胞を培養して、コードポリペプチドを発現させる段階;および
(b)そのように発現されたポリペプチドを回収する段階。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公表番号】特表2010−517531(P2010−517531A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548398(P2009−548398)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/052356
【国際公開番号】WO2008/094942
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509217415)テバ バイオファーマシューティカルズ ユーエスエー インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】