説明

CaV2.2カルシウムチャンネルを遮断するためのピペラジン誘導体

本発明は、新規のピペラジン化合物;該化合物を含む医薬組成物;及び、Cav2.2 カルシウムチャンネルの遮断が有効である疾患、及びCav2.2並びにCav3.2 カルシウムチャンネルの遮断が有効である疾患、すなわち、疼痛の治療のための治療法での該化合物の使用に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のピペラジン化合物;それを調製するためのプロセス;該化合物を含む医薬組成物;並びに、Cav2.2 カルシウムチャンネルの遮断が有効である疾患、及びCav2.2及びCav3.2 カルシウムチャンネルの遮断が有効である疾患、例えば、疼痛の治療のための治療法での該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脊髄後角におけるシナプス前Cav2.2(N型)電位開口型カルシウムチャンネルは、グルタミン酸、サブスタンスP(SP)、及びカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの鍵となる侵害受容促進性(pro-nociceptine)神経伝達物質の放出を調節し、このことは、鎮痛薬として可能性のあるCav2.2カルシウムチャンネルブロッカーの治療的用途を示している。
【0003】
イモガイの毒液から単離されたペプチド性ω-コノトキシンは、Cav2.2カルシウムチャンネルに対して選択的であることが示されており、脊髄におけるSP放出を遮断することができる(Smithらの文献((2002)Pain, 96: 119-127)。その上、該ω-コノトキシンは、髄腔内投与後の慢性疼痛に関する動物モデルにおいて抗侵害受容性であることが示されており(Bowersoxらの文献(1996)Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 279: 1243-1249;Smithらの文献(2002)上述)、臨床的使用における、特に神経因性疼痛の治療における有効な鎮痛薬であることが示されている(Broseらの文献(1997)Clinical Journal of Pain, 13: 256-259)。
【0004】
Winquistらは、Cav2.2チャンネルが、神経シグナリングを低下させる可能性を表し、それにより、疼痛などの障害を治療できることを示している。しかし、副作用の問題が、このような取り組みの成功に影響を与え得る。(Winquistらの文献(2005)Biochemical Pharmacology, 70: 489-499)。Cav2.2チャンネルの天然阻害剤の効果に関連する多くの学術論文が発行されている(Bowersoxらの文献(1996) Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 279(3):1243-1249; Scottらの文献(2002) European Journal of Pharmacology 451(3):279-286を参照されたい)。加えて、Cav2.2遺伝子を欠失したトランスジェニックマウスの表現型の特徴に関連する幾つかの学術論文も発行されている(Saegusaらの文献(2001) EMBO J. 20(10):2349-2356; Kimらの文献(2001) Mol. Cell Neurosci. 18(2):235-245を参照されたい)。これらの文献は、Cav2.2の持続的抑制が、治療濃度において、心臓血管(低血圧症)及びCNS(鎮静状態)の副作用を招くという考えを支持している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
持続性Cav2.2阻害剤で認められたこれらの難点が故に、別のクラスのCav2.2アンタゴニスト:慢性疼痛の病態生理に関与している活性の大きなチャンネルを選択的に阻害する可能性を有し、その一方で、末梢及び中枢神経系での広範な生理学的活性レベルに対するCav2.2の関与が小さな状態依存性又は使用依存性のCav2.2ブロッカーを提供することが本発明の目的である。したがって、本発明の1つの目的は、慢性疼痛症候群の場合のように、神経興奮性を高めた条件下で、Cav2.2カルシウムチャンネルを遮断する治療法で用いる、所謂、使用依存性ブロッカーである新規の化合物を同定することにある。
【0006】
最近の研究は、急性(侵害受容性)及び慢性の疼痛の病態生理に対するT型カルシウムチャンネルの関与に関する根拠も明らかにしている。T型チャンネルは、その発現及び機能特性において異なる三つの別異のサブタイプ、すなわち、Cav3.1-3.3として存在している。これらの三つ全てのサブタイプは、DRGニューロンにおいて発現され、そこでのアンチセンス法によるそれらのノックダウンは、特に、慢性疼痛に対するCav3.2の役割を際立たせた(Bourinetらの文献(2005) EMBO J. 24:315-24)。別の研究では、ストレプトゾトシン誘発糖尿病性神経障害のラットモデル(Messingerらの文献(2009) Pain. 145:184-95)、及び遺伝的に肥満性のOb/Obマウス(Lathamらの文献(2009) Diabetes 58:2656-65)において、これらチャンネルが、機能的にアップレギュレートされており、測定された痛覚過敏と関係していることを示している。したがって、T型カルシウムチャンネル(Cav3.2)阻害剤は、疼痛の治療において、治療に応用することができるかもしれない。さらに、N-型カルシウムチャンネル(Cav2.2)に関連して既に言及した通り、使用依存性作用機序を有する阻害剤は、効果と副作用との間の最適なバランスを示すことが期待できる。よって、使用依存性アンタゴニストとして作用する同じ阻害剤を用いて、N-型及びT-型カルシウムチャンネルの双方に対する特異的な標的化を行うことで、疼痛の意識的知覚に関係するシグナル経路の複数のポイントを同時に阻害する可能性がある。こうすることで、多種多様な慢性疼痛症候群の患者の治療に対するより大きな反応レベル、及び/又は、より大きな応答者の比率といった効果の改善をもたらす追加的又は相乗的な効果を与えることができる。効果がこのように改善された結果、良好な忍容性プロファイルを示す治療的有用性の実現も可能である。
【0007】
したがって、本発明のさらなる目的は、慢性疼痛症候群の場合のように、神経興奮性を高めた条件下で、Cav2.2及びCav3.2カルシウムチャンネルを選択的に遮断する治療法で用いる、所謂、使用依存性ブロッカーである新規の化合物を同定することにある。
【0008】
WO 2008/024284(Merck & Co)は、一連のスルホニル化ピペラジンを、カンナビノイド-1(CB1)受容体調節剤として開示しており、これらは、例えば、精神病、認知障害、及びアルツハイマー病の治療において有用であるとして特許請求がされている。WO 96/31501(Schering Corporation)は、ファルネシルタンパク質転移酵素を阻害するカルボニル-ピペラジニル及びピペリジニル化合物を開示している。WO 2005/113542(Elan Pharmaceuticals社)は、γ-セクレターゼ、及びβ-アミロイドペプチドの放出、及び/又は、その合成を阻害するN-環状スルホンアミド化合物を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
第一の態様において、式(I)の化合物、又はその塩が提供される:
【化1】

(式中、Aは、
(a) 2-キノリニル、
(b) 5-キノリニル、
(c) 7-キノリニル、
(d) 8-キノリニル、及び
(e) イソキノリニル;から選択され、
及び、Aは、非置換であるか、又はC1-4アルキルから独立して選択された1〜3個の置換基で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
存在する場合、R1の各々は、C1-4アルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R3は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R4は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R5は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R6は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つが、水素以外の基であり;
ただし、該化合物は、8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、又は2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリンではない。)。
【0010】
第二の態様において、治療に利用するための式(I)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩が提供される:
【化2】

(式中、Aは、
(a) 2-キノリニル、
(b) 5-キノリニル、
(c) 7-キノリニル、
(d) 8-キノリニル、及び
(e) イソキノリニル;から選択され、
及び、Aは、非置換であるか、又はC1-4アルキルから独立して選択された1〜3個の置換基で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
存在する場合、R1の各々は、C1-4アルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R3は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R4は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R5は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R6は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つが、水素以外の基である。)。
【0011】
さらなる態様では、疼痛を治療又は予防するための薬剤の製造における第二の態様で定義した化合物、又は医薬として許容し得るその塩の使用が提供される。
【0012】
さらなる態様では、治療を要するヒト又は動物での疼痛の治療又は予防方法であって、該ヒト又は動物に対して、第二の態様で定義した化合物、又は医薬として許容し得るその塩の治療有効量を投与することを含む該方法が提供される。
【0013】
さらなる態様では、(a)第二の態様で定義した化合物、又は医薬として許容し得るその塩、及び(b) 医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
第一の態様において、式(I)の化合物、又はその塩が提供される:
【化3】

(式中、Aは、
(a) 2-キノリニル、
(b) 5-キノリニル、
(c) 7-キノリニル、
(d) 8-キノリニル、及び
(e) イソキノリニル;から選択され、
及び、Aは、非置換であるか、又はC1-4アルキルから独立して選択された1〜3個の置換基で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
存在する場合、R1の各々は、C1-4アルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R3は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R4は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R5は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R6は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つが、水素以外の基であり;
ただし、該化合物は、8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、又は2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリンではない。)。
【0015】
第二の態様において、治療に利用するための式(I)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩が提供される:
【化4】

(式中、Aは、
(a) 2-キノリニル、
(b) 5-キノリニル、
(c) 7-キノリニル、
(d) 8-キノリニル、及び
(e) イソキノリニル;から選択され、
及び、Aは、非置換であるか、又はC1-4アルキルから独立して選択された1〜3個の置換基で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
存在する場合、R1の各々は、C1-4アルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R3は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R4は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R5は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R6は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つが、水素以外の基である。)。
【0016】
式(I)の化合物において、R1が存在する場合、その各々は、ピペラジン基の考え得る4つの炭素原子のいずれにも結合することができることが理解されるであろう。
【0017】
本明細書で化学基又は化学基の一部として使用している「C1-4アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含んだ線状又は分枝した飽和炭化水素基を指す。C1-4アルキルの例として、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソプロピルがある。具体的な構造を明示しない限りは、このプロピルという用語は、すべての直鎖及び分枝鎖形状のものを含み、例えば、プロピルは、n-プロピル、及びイソプロピルを含む。
【0018】
本明細書で使用している「C1-4アルコキシ」という用語は(化学基又は化学基の一部として使用されている場合には)、-O-C1-4アルキル基を指し、C1-4アルキルは、先に定義した通りである。
【0019】
本明細書で使用している「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを指す。
【0020】
本明細書で使用している「C1-4ハロアルキル」という用語は、1種以上のハロゲン基で置換された、本明細書で定義したC1-4アルキル基、例えば、CF3、CF2H、又はCF3CH2を指す。
【0021】
本明細書で使用している「C1-4ハロアルコキシ」という用語は、1種以上のハロゲン基で置換された、本明細書で定義したC1-4アルコキシ基、例えば、-O-CF3を指す。
【0022】
第一又は第二の態様の一実施態様において、Aは、非置換であるか、又は1〜3個のメチル基で置換される。
【0023】
第一又は第二の態様の一実施態様において、mは、0又は1である。さらなる実施態様において、mは、0である。
【0024】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R1は、メチルである。
【0025】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R2は、水素、又はメチルである。
【0026】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R3は、水素である。
【0027】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R4は、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシである。さらなる実施態様において、R4は、シアノ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシである。
【0028】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R5は、水素である。
【0029】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R4は、トリフルオロメチルであり、かつR2、R3及びR5は、水素である。
【0030】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R4は、トリフルオロメトキシであり、かつR2、R3及R5は、水素である。
【0031】
第一又は第二の態様の一実施態様において、R4は、シアノであり、かつR2、R3及びR5は、水素である。
【0032】
第一又は第二の態様の一実施態様において、 R4は、シアノであり、R2は、メチルであり、かつR3及びR5は、水素である。
【0033】
第一又は第二の態様の一実施態様において、A は、2-キノリニル及び7-キノリニルから選択される。さらなる実施態様において、Aは、7-キノリニルから選択される。
【0034】
第一又は第二の態様の一実施態様において、Aは、イソキノリニルである。さらなる実施態様において、Aは、1-イソキノリニル、3-イソキノリニル、4-イソキノリニル、5-イソキノリニル、6-イソキノリニル、及び8-イソキノリニルから選択される。さらに別の実施態様において、Aは、3-イソキノリニル、4-イソキノリニル、及び8-イソキノリニルから選択される。
【0035】
第一又は第二の態様の一実施態様において、Aは、2-キノリニル及び7-キノリニルから選択され、Aは、非置換であるか、又は1〜3個のメチル基で置換されており;mは、0又は1であり;R1が存在する場合、それは、メチルであり;R2は、水素又はメチルであり;R3は、水素であり;R4は、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり(特に、R4は、シアノ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシであり);R5は、水素である。
【0036】
第一又は第二の態様の一実施態様において、Aは、イソキノリニル(特に、1-イソキノリニル、3-イソキノリニル、4-イソキノリニル、5-イソキノリニル、6-イソキノリニル、及び8-イソキノリニル、さらに具体的には、3-イソキノリニル、4-イソキノリニル、及び8-イソキノリニル)であり、Aは、非置換であるか、又は1〜3個のメチル基で置換されており;mは、0又は1であり;R1が存在する場合、それは、メチルであり;R2は、水素又はメチルであり;R3は、水素であり;R4は、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり(特に、R4は、シアノ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシであり);R5は、水素である。
【0037】
第一又は第二の態様の一実施態様において、該化合物又は塩は、例示した化合物1〜47、又はそれらの塩から選択される。
【0038】
第一又は第二の態様のさらなる実施態様において、該化合物又は塩は、例示した化合物1〜31、又はそれらの塩から選択される。
【0039】
第二の態様の一実施態様において、該化合物又は塩は、
7-[((2S)-2-メチル-4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
8-メチル-7-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
7-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
5-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
4-{[(3S)-3-メチル-4-(7-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[4-(7-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-4-(7-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-({4-[(2-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
3-メチル-4-({(3S)-3-メチル-4-[(2-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-4-(5-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
8-メチル-7-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン
4-({(3S)-3-メチル-4-[(8-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
3-メチル-4-({(3S)-3-メチル-4-[(8-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
7-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
7-{[(2S)-2-メチル-4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
7-{[(2S)-4-({4-[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-2-メチル-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;及び
7-{[(2S)-4-({4-[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-2-メチル-1-ピペラジニル]カルボニル}-8-メチルキノリン;又は、これらの化合物のいずれかの塩から選択される。
【0040】
第一又は第二の態様の一実施態様において、該化合物又は塩は、
8-[((2S)-2-メチル-4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン;
1-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン;
5-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン;
3-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン;
8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン;
4-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン;
4-{[4-(8-イソキノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}-3-メチルベンゾニトリル;
4-{[(3S)-4-(8-イソキノリニルカルボニル)-3-メチル-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
4-{[(3S)-4-(6-イソキノリニルカルボニル)-3-メチル-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;及び
4-{[(3S)-4-(8-イソキノリニルカルボニル)-3-メチル-1-ピペラジニル]スルフォニル}-3-メチルベンゾニトリル;又は、これら化合物のいずれかの塩から選択される。
【0041】
第一の態様の一実施態様において、定義をした該化合物又は塩は、
7-[((2S)-2-メチル-4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
7-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
5-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン;
4-{[(3S)-3-メチル-4-(7-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[4-(7-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-4-(7-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-({4-[(2-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
3-メチル-4-({(3S)-3-メチル-4-[(2-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-4-(5-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル;
8-メチル-7-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン
4-({(3S)-3-メチル-4-[(8-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
3-メチル-4-({(3S)-3-メチル-4-[(8-メチル-7-キノリニル)カルボニル]-1-ピペラジニル}スルフォニル)ベンゾニトリル;
7-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
7-{[(2S)-2-メチル-4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;
7-{[(2S)-4-({4-[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-2-メチル-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン;及び
7-{[(2S)-4-({4-[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-2-メチル-1-ピペラジニル]カルボニル}-8-メチルキノリン;又は、これら化合物のいずれかの塩から選択される。
【0042】
第一又は第二の態様で定義をした特定の化合物は、ある条件下で、その酸付加塩を形成し得る。当然のことながら、当該第一又は第二の態様で定義をした医薬化合物として使用する化合物は、その塩が、医薬として許容し得るものである場合には、塩の形態で使用することができる。医薬として許容し得る塩として、Berge, Bighley 及び Monkhouseらの文献, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載されたものがある。「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び有機酸を含んだ医薬として許容し得る塩から調製された塩を含む。そのような酸として、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸などがある。
【0043】
医薬として許容し得る塩の例には、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、塩酸、硫酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、リン酸、及び硝酸から形成されるものを含む。
【0044】
最終的な脱保護段階の前に製造され得る第一又は第二の態様において定義された化合物の保護されたある誘導体は、それ自体薬理活性を有さなくてもよいが、ある場合において、薬理学的に活性のある第一又は第二の態様において定義された化合物を形成するために、経口的に又は非経口的に投与された後に、体内で代謝され得ることは、当業者によって認められるであろう。このような誘導体はそれゆえ、「プロドラッグ」として記載され得る。第一又は第二の態様において定義された化合物のすべての保護された誘導体及びプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物に適したプロドラッグの例は、Drugs of Today, 第19巻第9号, 1983, pp499-538、及び「化学におけるトピックス(Topics in Chemistry)」(第31章, pp306-316)、及びH. Bundgaardの文献「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(Elsevier, 1985, 第1章)に記載されている(該文献における開示は、引用により本明細書中に組み込まれている。)。さらに、例えば、H. Bundgaardの文献「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」によって記載されている「プロ部分」として当業者に公知のある部分(該文献における開示は、引用により本明細書中に組み込まれている。)は、そのような官能性が第一及び第二の態様において定義される該化合物内に存在する場合に、適切な官能性に配置され得ることは、当業者によって認められるであろう。それゆえ、さらなる態様において、本発明は、第一又は第二の態様において定義された化合物のプロドラッグを提供する。
【0045】
第一又は第二の態様において定義されるある化合物、又はその塩が、水和物などの溶媒和物として存在してもよいことは認められるであろう。溶媒和物が存在する場合、本発明には、その範囲内に化学量論的及び非化学量論的溶媒和物を含む。
【0046】
第一又は第二の態様において定義されるある化合物、又はその塩が、2つ以上の多形性形態で存在してもよいことは認められるであろう。本発明は、純粋な多形性形態であろうと、別の多形性形態などその他の材料と混合する場合であろうと、すべてのこのような形態に拡大する。
【0047】
第一又は第二の態様において定義されるある化合物、又はその塩が、互変異性体で存在してもよいことは認められるであろう。本発明は、すべての互変異性型又はそれらの混合物に拡大する。
【0048】
第一又は第二の態様において定義されるある化合物は、立体異性形態(例えば、ジアステレオマー及び鏡像異性体)において存在することができ、本発明は、これらの立体異性形態の各々に、及びラセミ化合物を含むこれらの混合物に拡大する。異なる立体異性形態は、通常の方法によって互いに分離されてもよく、又は任意の与えられた異性体が、立体特異的合成又は不斉合成によって得られてもよい。
【0049】
また、本発明には、1つ以上の原子が、自然に最も普遍的に見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換されるという事実を除き、第一又は第二の態様において定義された化合物と同一である同位体標識した化合物も含む。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、3H、11C、14C、及び18Fなどの水素、炭素、窒素、フッ素の同位体を含む。
【0050】
上記の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む第一又は第二の態様において定義された化合物及び該化合物の塩は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識した化合物、例えば、3H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬剤及び/又は基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識した同位体、すなわち3H、及び炭素-14同位体、すなわち14Cは、準備及び検出性の簡便性について特に好ましい。11C及び18F同位体は、PET(ポジトロン放出断層撮影)においてとくに有用である。PETは、脳の画像化において有用である。さらに、重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体との置換は、より大きな代謝安定性から結果的に生じるある治療的利点、例えば、長いインビボ半減期、又は低い薬用量必要条件をもたらすことができ、それゆえ、いくつかの場合においては好ましいかもしれない。第一又は第二の態様において定義された同位体標識した化合物及び本発明の下記のものは一般的に、以下のスキームにおいて及び/又は実施例において開示した手順を実施することによって、容易に入手可能な同位体標識した試薬を、非同位体標識した試薬と置換することによって製造することができる。一実施態様において、第一又は第二の態様において定義された化合物又はそれらの塩は、同位体標識されていない。
【0051】
本明細書を通じて、一般的な式は、ローマ数字(I)、(II)、(III)、(IV)などによって指定される。これらの一般式のサブセットは、(Ia)、(Ib)、(Ic)など、…(IVa)、(IVb)、(IVc)などのように定義される。
【0052】
第一又は第二の態様において定義した化合物は、下記のスキームにおいて、及び支持化合物において示すとおり製造され得る。下記の方法は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0053】
また、本発明は、第一又は第二の態様において定義した化合物、又はそれらの塩の製造方法も提供し、該方法は下記を含む:
(a) 式(II)の化合物
【化5】

又はその誘導体を、式(III)の化合物
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、A及びmは、第一又は第二の態様において定義したものであり、及びL1 は、ハロゲン原子(例えば、塩素、又は臭素)、或いは市販のアミドカップリング試薬(例えば、HOBT、HBTU又はHATU)によって活性化されるヒドロキシル基などの適切な脱離基である。)と反応させること;又は
(b) 第一又は第二の態様において定義したその他の化合物への相互変換。
【0054】
方法(a)は典型的に、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、又はジクロロメタンなどの適切な溶媒における、適切な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジ-イソプロピルエチルアミン、又はDIPEA)の存在下での、0℃〜周囲温度(例えば、室温)での式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応を含む。
【0055】
方法(b)は、エピマー化、酸化、還元、アルキル化、求核的芳香核置換又は求電子芳香核置換などの従来の相互変換手順を使用して実施してもよい。相互変換に関するこのような1つの例は、第一又は第二の態様において定義した化合物(ここで、R4は臭素を表す。)の第一又は第二の態様において定義した化合物(ここで、R4は、シアノを表す。)への相互変換であってもよい。このような相互変換は、適切な溶媒(N,N-ジメチルホルムアミドなど)において高い温度(マイクロ波照射を使用する200℃など)で臭素化合物をシアン化物塩(例えば、シアン化銅(I))と反応させることによって実施してもよい。或いは、相互変換は、高い温度(120℃など)で適切な溶媒(N,N-ジメチルホルムアミドなど)において、パラジウム触媒の源(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))及び配位子(例えば、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)の存在下で、シアン化物塩(例えば、シアン化亜鉛)を使用して実施してもよい。
【0056】
また、この種類の相互変換は、第一又は第二の態様において定義した化合物の中間体に関して実施してもよい。
【0057】
式(II)の化合物は、下記のスキーム:
【化7】

に従って製造してもよい(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びmは、第一又は第二の態様において定義したものであり、L2は、ハロゲン原子(例えば、塩素、又は臭素)などの適切な脱離基であり、かつP1は、t-ブトキシカルボニル(BOC)などの適切な保護基を表す。)。或いは、P1が水素である場合、工程(ii)は必要ではない。
【0058】
工程(i)は典型的に、0℃〜周囲温度(例えば、周囲温度)で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジ-イソプロピルエチルアミン、又はDIPEA)の存在下で、DCM又はMeCNなどの適切な溶媒において、式(IV)及び(V)の化合物を反応させることを含む。或いは、工程(i)は典型的に、溶媒としての適切な塩基、例えばピリジンを使用して実施してもよく、又は、工程(i)はまた、水酸化ナトリウムなどの適切な塩基を使用して、THFと水との溶媒混合物において実施してもよい。
【0059】
工程(ii)は典型的に、脱保護反応を含む。例えば、P1がt-ブトキシカルボニルを表す場合、工程(ii)は典型的に、溶媒(1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、又はメタノールと1,4-ジオキサンとの混合物など)における酸、例えば塩酸又はトリフルオロ酢酸による処理を含むであろう。
【0060】
式(IV)の化合物は、市販されているか又は公知の方法によって製造されてもよいかのいずれかである。
【0061】
式(V)の化合物は、市販されているか又は公知の方法によって製造されてもよいかのいずれかである。例えば、それらは下記のスキーム:
【化8】

に従って製造してもよい(式中、R2、R3、R4、R5、及びR6は、第一又は第二の態様において定義したものである。)。
【0062】
上記反応において、化合物(VII)は、酢酸及び濃硫酸に溶解され、その溶液は、約0℃にまで冷却される。次に、亜硝酸ナトリウムを加え、そして、10℃未満の温度を維持しながら、二酸化硫黄の酢酸飽和溶液を該反応混合物に加える前に、該反応混合物の冷却を続けた。
【0063】
式(VII)の化合物は、市販されているか又は公知の方法によって製造されてもよいかのいずれかである。
【0064】
式(III)の化合物は、市販されているか又は公知の方法によって製造されてもよいかのいずれかである。例えば、それらは下記のスキーム:
【化9】

に従って製造してもよい。
【0065】
上記反応において、化合物(VIII)は、典型的には、適切な温度、例えば、-78℃で、THFなどの適切な溶媒において、n-ブチルリチウムなどの有機リチウム試薬と反応させ、次いで、-78℃などの適切な温度において、二酸化炭素と反応させる。
【0066】
式(VIII)の化合物は、市販されているか又は公知の方法によって製造されてもよいかのいずれかである。例えば、そのような公知の方法の一つが:
【化10】

の反応である。
【0067】
この反応は、J.Med.Chem, 2005, 48(15), 4972-4982の文献に記載されている。
【0068】
第一又は第二の態様において定義した化合物又はその塩は、Cav2.2カルシウムチャンネルの遮断が有効である疾患、並びにCav2.2及びCav3.2カルシウムチャンネルの遮断が有効である疾患を治療するために使用することができる。したがって、ある態様において、第一又は第二の態様において定義した化合物は、急性疼痛、慢性疼痛、慢性関節痛、筋骨格痛、神経因性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、癌関連疼痛、片頭痛関連疼痛、緊張性頭痛及び群発頭痛、腸機能障害と関連した疼痛、腰痛及び頚部痛、捻挫及び挫傷と関連した疼痛、交感神経依存性疼痛;筋炎、インフルエンザ又は感冒などの他のウイルス感染と関連した疼痛、リウマチ熱と関連した疼痛、心筋虚血と関連した疼痛、術後痛、癌化学療法、頭痛、歯痛、及び月経困難を含む、疼痛の治療又は予防に有用であり得る。
【0069】
「慢性関節痛」病態には、関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎、及び若年性関節炎を含む。
【0070】
「腸機能障害と関連した疼痛」には、非潰瘍性消化障害、非心臓性胸痛、及び過敏性腸症候群を含む。
【0071】
「神経因性疼痛」症候群には、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症性疼痛、線維筋痛症、HIV関連神経障害、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、及び身体的外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素、又は慢性炎症性病態から結果的に生じる疼痛を含む。加えて、神経因性疼痛病態には、「ピン及び針」などに通常無痛の感覚(感覚障害及び感覚異常)、感触に対する高い感度(知覚過敏症)、非侵害性刺激後の有痛感覚(動的、静的、熱、又は冷アロディニア)、侵害刺激に対する高い感度(熱、冷、機械的な痛覚過敏症)、刺激の除去後の持続性疼痛感覚(痛覚過敏)、又は選択的感覚経路の欠如若しくは選択的感覚経路における欠損(痛覚鈍麻)を含む。
【0072】
「炎症性疼痛」病態には、皮膚疾患(例えば、日焼け、火傷、湿疹、皮膚炎、乾癬); 眼科疾患、例えば、緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎、及び眼組織の急性障害(例えば、結膜炎)など;肺疾患(例えば、喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト愛好家病、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD));消化管疾患(例えば、アフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、疣状胃炎、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、逆流性食道炎);臓器移植; 血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、重症筋無力症、多発性硬化症、類肉腫症、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血症、熱病、全身性エリテマトーデス、腱炎、滑液包炎、及びシェーグレン症候群などの炎症性要素が関係する他の病態を含む。
【0073】
第一又は第二の態様において定義した化合物は、鎮痙剤を用いて治療及び/又は予防可能な疾患、例えば、外傷後癲癇を含む癲癇、強迫神経症(OCD)、双極性障害、睡眠障害(概日リズム障害、不眠症、及び発作性睡眠を含む)、チック(例えば、ジル‐ド‐ラ‐ツレット症候群)、運動失調、筋硬直(痙性)、及び顎関節機能不全の治療又は予防においても有用であり得る。
【0074】
「癲癇」とは、以下の発作:単純部分発作、複雑部分発作、続発性全汎発作、全汎発作、例えば、欠神発作、ミオクローヌス発作、間代性発作、持続性発作、持続性間代性発作、及び持続性発作などを含むことが意図されている。
【0075】
第一又は第二の態様において定義した化合物によって潜在的に治療し得る別の病態は、痙縮又は筋高張性である。
【0076】
第一又は第二の態様において定義した化合物は、疼痛、より具体的には、神経因性疼痛、炎症性疼痛並びに片頭痛、及び癲癇の治療又は予防において、特に有用であると考えられる。
【0077】
このように、第二の態様に関する一実施態様において、治療は、本明細書に記載した任意の障害、特に疼痛の治療又は予防に対するものである。ある特定の実施態様において、治療は、本明細書に記載した任意の障害、特に疼痛の治療に関するものである。
【0078】
さらなる態様によると、本明細書に記載の任意の障害、特に疼痛の治療又は予防のための薬剤の製造における、第二の態様に定義した化合物、又はその医薬として許容し得る塩の使用が提供される。より具体的には、本明細書に記載の任意の障害の治療のための薬剤の製造における、第二の態様に定義した化合物、又はその医薬として許容し得る塩の使用が提供される。
【0079】
別の態様によると、本明細書に記載の任意の障害、特にヒトにおける疼痛の治療又は予防の方法が提供され、該方法は、このような治療又は予防を必要とするヒトに対する、有効量の第二の態様に定義した化合物、又はその医薬として許容し得る塩の投与を含む。
【0080】
本発明の文脈において、用語「治療」は、対症療法を指し、用語「予防」は、既に罹患した対象における症状を予防すること、又は罹患した対象における症状の再発を予防することを意味するために使用され、罹患の完全な予防に限定されるわけではない。
【0081】
第一又は第二の態様において定義した化合物又はその医薬として許容し得る塩を、ヒト及び他の哺乳類の治療又は予防のために使用するために、該化合物又は該塩は通常、標準的な薬務に従って医薬組成物として製剤される。それゆえ、本発明の別の態様において、人間医学又は獣医学において使用するのに適した、第一又は第二の態様において定義した化合物、又はその医薬として許容し得る塩を含む医薬組成物が提供される。
【0082】
第一又は第二の態様において定義した化合物を治療において使用するために、該化合物は通常、標準的な薬務に従って医薬組成物に製剤されるであろう。また、本発明は、第一又は第二の態様において定義した化合物と、又はその医薬として許容し得る塩と、任意に医薬として許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物も提供する。
【0083】
疼痛の治療又は予防において使用する場合、第一又は第二の態様において定義した化合物又はその医薬として許容し得る塩は、神経痛、神経炎、及び背部痛を含む神経因性起源の疼痛、並びに骨関節炎、関節リウマチ、急性炎症性疼痛、背部痛、及び片頭痛を含む炎症性疼痛の治療又は予防において有用であることが示された他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。このような治療薬には、例えば、セレコキシブ、デラコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、COX-189、又は2-(4-エトキシ-フェニル)-3-(4-メタンスルホニル-フェニル)-ピラゾロ[1,5-b]ピリダジン(WO99/012930)などのCOX-2(シクロオキシゲナーゼ-2)阻害剤;5-リポキシゲナーゼ阻害剤;ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトン、又はイブプロフェンなどのNSAID(非ステロイド性抗炎症薬);ビスホスホナート、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;メトトレキサートなどのDMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬);アデノシンA1受容体アゴニスト;ラモトリギンなどのナトリウムチャネルブロッカー;グリシン受容体アンタゴニスト又はメマンチンなどのNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体モジュレーター;ガバペンチン、プレガバリン、及びソルジラなどの、電位開口型カルシウムチャネルのα2δ-サブユニットのためのリガンド;アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬;ニューロン安定化抗癲癇薬;ガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤;ベンラファキシンなどのモノアミン作動性取り込み阻害剤;オピオイド鎮痛薬;局所麻酔薬;トリプタン、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、又はリザトリプタンなどの5HT1アゴニスト;ニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体モジュレーター;グルタミン酸受容体モジュレーター、例えば、NR2Bサブタイプのモジュレーター;EP4受容体リガンド;EP2受容体リガンド;EP3受容体リガンド;EP4アゴニスト及びEP2アゴニスト;EP4アンタゴニスト;EP2アンタゴニスト及びEP3アンタゴニスト;カンナビノイド受容体リガンド;ブラジキニン受容体リガンド;バニロイド受容体又は一過性受容器電位(TRP)リガンド;並びにP2X3、P2X2/3、P2X4、P2X7、又はP2X4/7におけるアンタゴニストを含むプリン作動性受容体リガンド;レチガビンなどのKCNQ/Kv7チャネル開口薬を含み;追加的なCOX-2阻害剤は、米国特許第5,474,995号、米国特許第5,633,272号;米国特許第5,466,823号、米国特許第6,310,099号、及び米国特許第6,291,523号において;並びにWO 96/25405、WO 97/38986、WO 98/03484、WO 97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881、及びWO02/18374において開示されている。
【0084】
このように、本発明は、さらなる態様において、第一又は第二の態様において定義した化合物又はその医薬として許容し得る塩を、さらなる1つの又は複数の治療薬と共に含む組み合わせを提供する。
【0085】
周囲温度及び大気圧において適切に混合することによって製造され得る本発明の医薬組成物は、通常、経口投与、非経口投与、又は直腸投与に適しており、それ自体、錠剤、カプセル剤、経口液体製剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、再構成可能な散剤、注射可能な若しくは注入可能な溶液若しくは懸濁液、又は坐剤の形態であってもよい。経口的に投与可能な組成物が一般的に好ましい。
【0086】
経口投与のための錠剤及びカプセル剤は、単位剤形であってもよく、結合剤、充填剤、錠剤形成潤滑剤、崩壊剤、及び許容し得る湿潤剤などの従来の賦形剤を含んでもよい。錠剤は、通常の薬務において周知の方法に従ってコーティングされ得る。
【0087】
経口液体製剤は、例えば、水性若しくは油性の懸濁液、溶液、エマルション、シロップ剤、若しくはエリキシル剤の形態であってもよく、又は使用前に水若しくは他の適切なビヒクルを使用する再構成のための乾燥製剤の形態であってもよい。このような液体製剤は、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含んでもよい)、保存料、及び、所望の場合従来の調味料又は着色料などの従来の添加物を含んでもよい。
【0088】
非経口投与のために、流体単位剤形は、本発明の化合物又はその医薬として許容し得る塩及び滅菌済みビヒクルを利用して製造される。該化合物は、使用されるビヒクル及び濃度に応じて、ビヒクルに懸濁することができるか又は溶解することができるかのいずれかである。溶液を製造する上で、注射用に該化合物を溶解して、フィルター滅菌した後に、適切なバイアル又はアンプルに充填して密封することができる。有利に、局所麻酔薬、保存料及び緩衝剤などのアジュバントは、ビヒクルに溶解する。安定性を増大させるために、該組成物は、バイアルに充填して真空下で水を除去した後に凍結することができる。非経口懸濁液は、実質的に同じ様式で製造されるが、例外として、該化合物は、溶解される替わりにビヒクルに懸濁され、かつ滅菌が濾過によって達成することができない。該化合物は、酸化エチレンに対する曝露によって滅菌した後に、滅菌済みビヒクルに懸濁することができる。有利に、界面活性剤又は湿潤剤は、該化合物の均一な分布を容易にするために組成物に含まれる。
【0089】
該組成物は、投与方法に応じて、0.1重量%〜99重量%、好ましくは10重量%〜60重量%の活性材料を含んでもよい。上記の障害の治療又は予防において使用される第一又は第二の態様において定義した化合物又はその医薬として許容し得る塩の用量は、障害の重度、罹患者の体重、及び他の類似の因子とともに、通常の方法で変動するであろう。しかしながら、一般的な規準として、適切な単位用量は、0.05〜1000mg、より適切には20〜600mgであり得、該単位用量は、1日に2回以上、例えば1日に2回又は3回投与され得る。該治療は、数週間、数ヶ月間、数年間、又は生涯にわたってでさえ継続し得る。
【0090】
本発明のさらなる態様は、0.05〜1000mgの第一又は第二の態様において定義した化合物又はその医薬として許容し得る塩と、0〜3g、より適切には0〜2gの少なくとも1つの医薬として許容し得る担体とを含む医薬組成物である。
【0091】
特許及び特許出願を含むがこれらに限定されるわけではない、本明細書において引用されるすべての刊行物は、各個々の刊行物が、完全に示されているかのようにと同じく、引用により本明細書中に組み込まれているよう具体的にかつ個々に示されたかのように、引用により本明細書中に組み込まれている。
【0092】
略語:
aq.:水性
DCM:ジクロロメタン
DMSO: ジメチルスルホキシド
EtOAc:酢酸エチル
ES:エレクトロスプレー
MS:質量分析
MeCN:アセトニトリル
MDAP:質量配向性自動調製用液体クロマトグラフィー(詳細は、「機器」の欄を参照)
MeOH:メタノール
NMR:核磁気共鳴
sat.:飽和した
SAX:強陰イオン交換カートリッジ
SCX:強陽イオン交換クロマトグラフィー
SPE:固相抽出
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル
HATU:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HBTU:O-ベンゾトリアゾール-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロ-ホスファート
HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール
RT:保持時間
DPPF:1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
Pd2(dba)3:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
TFA:トリフルオロ酢酸
BOC:t-ブトキシカルボニル
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
EtOH:エタノール
min:分
h:時間
【実施例】
【0093】
(支持化合物)
当該第一及び第二の態様で定義をした多数の支持化合物の調製について、以下に記載している。下記の手順において、各出発材料の後に中間体に対する引用が典型的に提供される。これは、単に当業者に対する援助のために提供される。該出発材料は必ずしも、引用されるバッチから製造されなくてもよい。
【0094】
(中間体1:2-メチル-7-キノリンカルボン酸リチウム)
【化11】

THF(8ml)における7-ブロモ-2-メチルキノリン(400 mg、供給元Bioblocks Inc.)の溶液に、アルゴンの存在下、-78℃で、n-ブチルリチウム(0.865ml)を滴下して加えた。反応混合物を、ビーカー内の固体二酸化炭素に対して注ぎ込む前に、-78℃で、15分間撹拌した。突沸を防ぐために、該混合物を、室温にまで加温される間に渦巻き攪拌をし、次いで、溶媒を真空下で除去して粗製の表題化合物(404mg)を得て、次の反応に直接に利用した。
LCMS (低pH) RT 0.36分、m/z (ES) 188 [M+H]+
【0095】
(中間体2:8-メチル-7-キノリンカルボン酸)
【化12】

水(16ml)における濃硫酸(21.74ml)の溶液に、3-アミノ-2-メチル安息香酸(5g;供給元Acros)、1,2,3-プロパントリオール(2.437ml)及びヨウ化ナトリウム(0.104g)を加えた。反応混合物を、還流させるために、150℃で、2時間加熱した。1,2,3-プロパントリオール(2.437ml)をさらに加え、及び反応混合物を、さらに2時間還流させた。該反応混合物のpHを、水酸化ナトリウム(12.5M、32.6ml)を加えてpH3にまで調整し、次いで、該混合物を濾過して、固形物は廃棄した。水相を酢酸エチルで抽出し、次いで、有機溶媒を真空下で除去して、粗生成物を得た。これを1:1のDMSO及びMeOHに溶解し、逆相クロマトグラフィーで精製し、及び関連する画分を合わせて濃縮をして、表題化合物(750mg)を白色の固体として得た。
LCMS (低pH) RT 0.45分、m/z (ES) 188 [M+H]+
【0096】
(中間体3:4-アミノ-3-メチルベンゾニトリル)
【化13】

4-ブロモ-2-メチルアニリン(40g)のN-メチル-2-ピロリドン(0.5 L)溶液に、シアン化銅(38.5 g; 043moli)を加えた。攪拌した混合物を、200℃で、2.5時間加熱をした。該混合物を、室温で冷却し、次いで、水(1.9L)とアンモニア(0.5L, 32%)を加えた。該混合物を、酢酸エチル(2x1.2L)で抽出し、及び有機相を合わせ、次いで、水/アンモニアの混合物(0.5L+0.2L, 32%)で洗浄し、Na2SO4で乾燥を行った。溶媒を、真空下で蒸発をさせたところ、表題化合物(27.5g)を茶色の固体として得た。この物質は、さらなる精製を行わずに、次の工程で用いた。
【0097】
(中間体4:4-シアノ-2-メチルベンゼンスルフォニルクロリド)
【化14】

4-アミノ-3-メチルベンゾニトリル(中間体3に記載の手順で調製することができる;26g)の酢酸(1.5L)溶液に、濃塩酸(0.38L)を加えた。攪拌した反応混合物を、0℃で冷却し、及び、温度を5℃未満に保って、45分間、NaNO2(0.15L、13.6g)の水溶液を加えた。次いで、塩化銅(105g)を含んだ酢酸(2.7L)において予め調製をしておいたSO2の飽和溶液に、10℃の温度を維持しながら、該反応混合物を徐々に(30分間)加えた。反応温度を室温にまで高め、及び、攪拌を終夜行った。該反応混合物に対して、氷(1kg)と水(3.5L)を加え、この懸濁液を30分間攪拌した。有機層を、酢酸エチル(2x3L)で抽出をした。合わせた有機相を、NaHCO3の飽和溶液で洗浄して、中性pHとし、次いで、水(1L)と塩水(0.8L)で洗浄をした。該有機相を、Na2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発させ、及び得られた粗製物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 85/15)で精製して、表題化合物(4g)を得た。
【化15】

【0098】
(中間体5:1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}ピペラジン)
【化16】

DCM(200ml)における1,1-ジメチルエチル1-ピペラジンカルボキシラート(5.00g、供給元Aldrich)の溶液に、DIPEA(9.85ml)、次いで、塩化4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルフォニル(7.22g、供給元Aldrich)を加えた。該反応混合物を、室温で、1.5時間攪拌した。該反応混合物を、真空下で乾燥するまで減じて、1,1-ジメチルエチル4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジンカルボキシラートを得た。
【0099】
1,4-ジオキサン(100ml)におけるこの1,1-ジメチルエチル4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジンカルボキシラートの溶液に、1,4-ジオキサン(50ml)における4M塩酸と、3滴の蒸留水とを加えた。該反応混合物を、一晩、攪拌した。次いで、反応混合物を、真空下で乾燥するまで減じた。
【0100】
残渣を、DCM(200ml)に溶解し、及び、2M NaOH(50ml)で、二回洗浄した。有機層を、乾燥硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶性物質を濾過で除去し、及び濾過物を、真空下で乾燥するまで減じて、表題化合物(6.60g)を淡黄色の固体として得た。
【化17】

【0101】
(中間体6:4-{[(3S)-3-メチル-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル)
【化18】

乾燥ジクロロメタン(DCM)(60ml)における1,1-ジメチルエチル(2S)-2-メチル-1-ピペラジンカルボキシラート(2.5g、供給元Atlantic Scitech)及びDIPEA(5.45ml、31.2mmol)の溶液に、0℃で、アルゴンの存在下で、塩化4-シアノベンゼンスルフォニル(2.64g、13.11mmol)を加え、及び得られた澄明な溶液を、0℃で、2時間、攪拌した。飽和NaHCO3水溶液(100ml)を加え、層が分離し、次いで、有機層を、2M HCl水溶液(100ml)で洗浄し、及び疎水性フリットに通した。DCMにおける溶液を、0℃にまで冷却し、次いで、TFA(8.87ml、115mmol)を加えた。得られた鮮やかな淡黄色の溶液を、1時間、室温にまで加温し、次いで、18時間、攪拌した。2M NaOH水溶液(100ml)を、冷却(0℃)しながら、慎重に加え、及び層が分離した。有機層を、1M HCl水溶液(3X30ml)で抽出した。冷却(0℃)しながら、合わせた酸性水溶液の層を、固体NaOHの添加によって、pH7に調整し、次いで、EtOAc(2X50ml)で抽出をした。合わせた有機層を、塩水(30ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、及び真空下で濃縮をして、表題化合物(2.35g)を白色の固体として得た。
LCMS (低pH) RT 0.51分、m/z (ES) 266 [M+H]+
【0102】
(中間体7:1,1-ジメチルエチル4-[(4-ブロモ-2-メチルフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジンカルボキシラート)
【化19】

乾燥DCM(20ml)における1,1-ジメチルエチル-1-ピペラジンカルボキシラート(1.86 g, 9.99 mmol, 供給元 Aldrich)及びDIPEA(2.62ml、14.98mmol)の溶液に、0℃で、アルゴンの存在下で、塩化4-ブロモ-2-メチルベンゼンスルフォニル(2.96g、10.99mmol)を加え、及び得られた黄色の溶液を、室温にまで加温し、次いで、室温で、18時間、攪拌した。半飽和NH4Cl(40ml)を加え、次いで、該水溶液を、DCM(30ml)で抽出した。合わせた有機物を、疎水性フリットに通し、次いで、真空下で濃縮をして、表題化合物(4.72g)が黄色の粘性物質として得られ、これは、放置により固体へと変化した。
LCMS (低pH) RT 1.37分、m/z (ES) 319+321 [M-Boc+H]+
【0103】
(中間体8:1,1-ジメチルエチル4-[(4-シアノ-2-メチルフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジンカルボキシラート)
【化20】

乾燥DMF(40 ml)における1,1-ジメチルエチル4-[(4-ブロモ-2-メチルフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジンカルボキシラート(中間体7に記載の手順で調製することができる;4.19g、10mmol)の溶液にアルゴンの気泡を、30分間送り、次いで、Zn(CN)2(0.646g、5.50mmol)、Pd2(dba)3 (0.275g、0.300mmol)及びDPPF(0.333g、0.600mmol)を加え、及び得られた茶色の溶液を、120℃で、アルゴンの存在下、2.5時間攪拌した。該混合物を、室温にまで冷却し、真空下で濃縮し、及び残渣をDCM(100ml)と水(100ml)との間で分配した。水溶液を、DCM(2x100ml)で抽出し、次いで、合わせた有機物を、疎水性フリットに通した。濃縮すると、暗褐色の残渣が得られた(5.12g)。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ;Flash 40M;直線勾配6-50%EtOAcイソヘキサン中)で、表題化合物(3.33g)を淡黄色の固体として得た。
LCMS (低pH) RT 1.21分、m/z (ES) 266 [M-Boc+H]+
【0104】
(中間体9:3-メチル-4-(1-ピペラジニルスルフォニル)ベンゾニトリル)
【化21】

乾燥ジクロロメタン(10ml)における1,1-ジメチルエチル4-[(4-シアノ-2-メチルフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジンカルボキシラート(中間体8に記載の手順で調製することができる;3.33g、9.11mmol)及びTFA(10ml、130mmol)の溶液を、室温で、1時間攪拌を行い、次いで、真空下で濃縮し、トルエン(25ml)を用いて共沸して、茶色の油を得た。この油を、DCM(50ml)及び飽和NaHCO3水溶液(50ml)間で分配し、次いで、水層を、DCM:EtOH(3:1、40ml)で抽出した。合わせた有機物を、疎水性フリットに通し、及び、真空下で濃縮をすると、表題化合物(2.59g)を黄色の油状物として得た。この産物は、放置により淡黄色の固体へと変化した。
LCMS (低pH) RT 0.56分、m/z (ES) 266 [M+H]+
【0105】
(中間体10: 1,1-ジメチルエチル4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジンカルボキシラート)
【化22】

DCM(80ml)における1,1-ジメチルエチル1-ピペラジンカルボキシラート(5g、19.19 mmol、供給元 Aldrich)の溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で、DIPEA(5.03ml、28.8mmol)を加え、次いで、塩化4-[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルフォニル(2.326ml、19.19mmol)を、0℃で加え、次いで、氷浴を撤去し、及び該反応混合物を、3時間、攪拌した。該反応混合物を、DCM(30ml) 及び重炭酸ナトリウム(2X20ml)間で分配した。有機相を、HCl(2X20ml)及び水(2X20ml)で洗浄し、次いで、相分離器を用いて乾燥し、及び真空下でDCMを除去して、表題化合物(5.5g)を黄色の粘性液体として得た。
LCMS (高pH) RT 1.28分、m/z (ES) 311 [M-Boc+H]+
【0106】
(中間体11:1-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)ピペラジン)
【化23】

1,1-ジメチルエチル4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジンカルボキシラート(中間体10に記載の手順で調製することができる;5.450g、13.28mmol)を、 DCM(80ml)に溶解し、次いで、ジオキサン(33.2ml、133mmol)における4M 塩酸を、室温で加え、及び該反応混合物を、2時間攪拌した。該反応混合物を、DCM及び重炭酸ナトリウム水溶液(30ml)間で分配した。有機相を、新たな重炭酸ナトリウム(2X20ml)及び水(2X20ml)で洗浄した。水相(pH 1)を、水酸化ナトリウムを加えることで塩基性化し、次いで、該水相を、DCM(2X20ml)で抽出した。溶媒を、真空下で除去して、表題化合物(3.5g)を、白色の固体として得た。
LCMS (高pH) RT 0.91分、m/z (ES) 311 [M+H]+
【0107】
(中間体12:1,1-ジメチルエチル(2S)-4-[(4-シアノ-2-メチルフェニル)スルフォニル]-2-メチル-1-ピペラジンカルボキシラート)
【化24】

DCM(80ml)における1,1-ジメチルエチル(2S)-2-メチル-1-ピペラジンカルボキシラート(2.79g、13.91mmol、供給元Antlantic Scitech)の溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で、DIPEA(3.64ml、20.87mmol)を加え、次いで、塩化4-シアノ-2-メチルベンゼンスルフォニル(3g、13.91mmol)を、0℃で加えた。氷浴を撤去し、及び該反応混合物を、一晩、攪拌した。該反応混合物を、DCM(30ml)及び重炭酸ナトリウム水溶液(2X20ml)間で分配した。有機相を、塩酸(2X20ml)及び水(2X20ml)で洗浄し、次いで、それを(相分離器で)乾燥し、及び真空下で濃縮して、表題化合物(5.5g)を、黄色の粘性液体として得た。
LCMS (高 pH) RT 1.24 分、m/z (ES) 280 [M-Boc+H]+
【0108】
(中間体13:3-メチル-4-{[(3S)-3-メチル-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル)
【化25】

1,1-ジメチルエチル(2S)-4-[(4-シアノ-2-メチルフェニル)スルフォニル]-2-メチル-1-ピペラジンカルボキシラート(中間体12に記載の手順で調製することができる;5.52 g、14.54mmol)を、 DCM(80ml)に溶解し、次いで、ジオキサン(36.3ml、145mmol)における4M塩酸を、室温で加え、及び該反応混合物を、2時間、攪拌した。真空下で溶媒を除去して、表題化合物(4.0g)を、白色の固体として得た。
LCMS (高pH) RT 0.83 分、m/z (ES) 280 [M+H]+
【0109】
(中間体 14:(3S)-3-メチル-1-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)ピペラジン)
【化26】

テトラヒドロフラン(8ml)における(2S)-2-メチルピペラジン(1g、9.98mmol、供給元 Aldrich)と3M水酸化ナトリウム水溶液(6.66ml、19.97mmol)との混合物を、滴下漏斗を介して塩化4-[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルフォニル(2.86g、10.98mmol、供給元Aldrich)を滴下して加える前に、0℃に冷却した。添加後に、冷浴を撤去し、及び反応物を、室温で、4時間攪拌してから、室温で、17時間静置した。該混合物を真空下で濃縮し、次いで、残渣を、水(15 ml)とDCM(20ml)に取り込み、及び該混合物を、1時間攪拌した。これらの層を分離し、次いで、有機相を、1M塩酸(40ml)で抽出した。次いで、固体水酸化ナトリウムを用いて酸性の水相を、pH12にまで塩基性化し、及び該混合物を、DCM(2x30ml)で抽出した。合わせた有機相を、(相分離器で)乾燥し、及び真空下で濃縮をして、表題化合物(2.58g)を、無色の油状物として得た。
LCMS (低pH) RT 0.78 分、m/z (ES) 325 [M+H]+
【0110】
(中間体15:塩酸(3S)-1-({4-[(ジフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-3-メチルピペラジン)
【化27】

乾燥DCM(20ml)における1,1-ジメチルエチル(2S)-2-メチル-1-ピペラジンカルボキシラート(1.5g、7.49mmol、供給元 Aldrich)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.962ml、11.23 mmol)の溶液に、塩化4-[(ジフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルフォニル(1.253ml、7.86 mmol、供給元Aldrich)を滴下して加えた。この溶液を、室温で、4時間攪拌し、次いで、16時間静置した。有機相を、相分離器で単離する前に、この溶液を、重炭酸ナトリウム水溶液(20ml)、0.5 M塩酸(20ml)、及び塩水(20ml)で洗浄した。この溶液に対して、ジオキサンにおける4M塩酸 (1.872ml、7.49mmol)を加え、及び該反応物を、室温下で、3時間攪拌した。LCMSは、ほんの一部の反応しか反映していなかったので、ジオキサンにおける4M塩酸 (1.872ml、7.49mmol)をさらに加え、及び該反応物を、21時間攪拌した。次いで、該反応混合物を真空下で濃縮をして、表題化合物(2.448g)を、淡黄色の固体として得た。
LCMS (低pH) RT 0.63 分、m/z (ES) 307 [M+H]+
【0111】
(中間体16: (3S)-3-メチル-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}ピペラジン)
【化28】

(2S)-2-メチルピペラジン(15g、150mmol)を、テトラヒドロフラン(300 ml)に溶解し、及び該溶液を、0℃にまで冷却した。水酸化ナトリウム(150ml、449mmol)を加え、次いで、塩化4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルフォニル(40g、164mmol)(200ml THFに溶解したもの)を滴下して加え、及び得られた混合物を、1時間攪拌した。さらに、塩化4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルフォニル(0.06eq、2.2g)を加え、及び混合物を、10分間攪拌した。該混合物を、DCM (500ml)及び水(500ml)で希釈し、及び、5分間攪拌した。これらの相を分離し、水性層を、DCM (1000ml)で抽出し、及び有機相を、減圧下で濃縮した。この残渣を、不純物を除外するために、1M 塩酸(500ml)に取り込み、及びDCMで洗浄した。この水相を、3M水酸化ナトリウムでpH=9にまで塩基性化し、DCM(3x500ml)で抽出し、及び合わせた有機相を、溶媒を減圧下で除去する前に、硫酸ナトリウムで乾燥して、表題化合物(30g)を得た。
【化29】

【0112】
(化合物1:7-[((2S)-2-メチル-4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン)
【化30】

7-キノリンカルボン酸(112mg、0.649mmol)を、HATU(247mg、0.649mmol)の入ったバイアルに量り取り、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2ml)で懸濁させ、及びN,N-ジイソプロイルエチレンアミン(N.N,-diisoproylethylamine)(0.170ml、0.973mmol)で処理した。この混合物を、周囲温度で、約15分間攪拌した。次いで、(3S)-3-メチル-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}ピペラジン(中間体14に記載したものと同様の手順で調製することができる;100 mg、0.324 mmol)を加え、及び、攪拌を継続した。攪拌を停止し、及び該反応混合物を、一晩、静置した。該混合物を、DCM 及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(それぞれ10ml)間で分配した。これらの層を(疎水性フリットで)分離し、及び水性層を、DCM(2x5ml)でさらに洗浄した。合わせた有機層を濃縮して、オレンジ色の粘性物質(DMFを依然として含んでいるもの)が得られた。これを、MeCNとDMSOの混合物で希釈して、〜1.8mlのオレンジ色の溶液が得られ、この溶液は、2度の注入を行うMDAPによって精製された。2度の分析から得られた産物画分を合わせ、及び濃縮して、表題化合物(119mg)を、無色の固体として得た。
【化31】

【0113】
(化合物2:8-メチル-7-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン)
【化32】

N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2ml)における8-メチル-7-キノリンカルボン酸(中間体2に記載の手順で調製することができる;90mg、0.483mmol)の溶液に、室温で、HATU(193mg、0.508 mmol)を加えた。この反応物を、20分間攪拌し、次いで、1-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)ピペラジン(中間体11に記載の手順で調製することができる;150mg、0.483mmol)を加え、続いてDIPEA(0.211ml、1.209mmol)を加え、及び該反応混合物を、3時間攪拌した。該反応混合物を、分液漏斗に注ぎ、及び酢酸エチル(25ml)と水酸化ナトリウム(15ml)との間で分配した。有機相を、相分離器で乾燥をする前に、水酸化ナトリウム(2x10ml)、水(2x10ml)、及び塩水(10ml)で洗浄し、及び真空下で溶媒を除去した。粗産物をMDAPで精製して、表題化合物(115mg)を、白色の固体として得た。
【化33】

【0114】
化合物1及び2に記載と同様の手順で、対応する出発物質から、以下の化合物が調製された:
【表1】



【0115】
(化合物20:塩酸8-[((2S)-2-メチル-4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]イソキノリン)
【化34】

N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)における(3S)-3-メチル-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}ピペラジン(中間体16に記載の手順で調製することができる;50mg、0.162mmol)及び8-イソキノリンカルボン酸(28.1mg、0.162mmol)の溶液に、HOBT(27.3mg、0.178 mmol)、n-エチルモルフォリン(0.045ml、0.357mmol)、及びHBTU(67.7mg、0.178 mmol)を、順に加えた。真空下で溶媒を除去して得られたオイルを、1.7mlの1:1 DMSO/MeCNに溶解し、及びMDAPで精製した。関連する画分を合わせ、及び濃縮をして、澄明なオイル(32mg)を得た。このオイルを、5ml THFに溶解し、及び0.05mlの5M 塩酸水溶液を加えた。溶媒を除去して、表題化合物(35mg)を、白色の固体として得た。
【化35】

【0116】
化合物20に記載のものと同様の手順で、対応する出発物質から、以下の化合物が調製された:
【表2】


【0117】
以下の化合物は、市販されている:
【表3】

【0118】
予想化合物:
上記の化合物について記載したものと同様の手順で、以下の化合物を調製することができる。
【表4】


【0119】
(機器:)
1H NMRスペクトル)
化学的シフトは、100万分の1(ppm、単位)で表してある。結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)の単位で表してある。分裂パターンは、見かけの多重度を記載しており、及びs(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、dd(二重の二重項)、dt(二重の三重項)、m(多重項)、br(広域)として表している。
【0120】
(質量配向型自動HPLC/質量配向型自動調製(MDAP))
先の化合物において示される場合、下記の装置及び条件を使用して、質量配向型自動HPLCによる精製を実施した:
【0121】
(ハードウェア)
Waters 2525二成分勾配モジュール
Waters 515メイクアップポンプ
Watersポンプ調節モジュール
Waters 2767注入回収機
Watersカラム流体管理装置
Waters 2996光ダイオードアレイ検出器
Waters ZQ質量分析計
Gilson 202画分回収機
Gilson Aspec廃棄物回収機
【0122】
(ソフトウェア)
Waters MassLynx バージョン4 SP2
【0123】
(カラム)
使用したカラムは、Waters Atlantisであり、その寸法は、19mm×100mm(小規模)及び30mm×100mm(大規模)である。固定相の粒子サイズは5μmである。
【0124】
(溶媒)
A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%ギ酸
メイクアップ溶媒=メタノール:水(80:20)
ニードルリンス溶媒=メタノール
【0125】
(方法)
関心対象の化合物の分析保持時間に応じて5つの方法を使用する。該方法の試行時間は13.5分であり、10分の勾配後の3.5分のカラムの洗い流し及び再平衡化工程を含んでいる。
【0126】
大規模/小規模1.0〜1.5=5〜30%B
大規模/小規模1.5〜2.2=15〜55%B
大規模/小規模2.2〜2.9=30〜85%B
大規模/小規模2.9〜3.6=50〜99%B
大規模/小規模3.6〜5.0=80〜99%B(6分、続いて、7.5分の洗い流し及び再平衡化)
【0127】
(流速)
先の方法はすべて、20ml/分(小規模)又は40ml/分(大規模)のいずれかの流速を有する。
【0128】
(高pH集中型分取用オープンアクセスLC/MS(高pH MDAP))
(カラム)
使用したカラムは、Xbridge C18カラムであり、その寸法は、19mm×100mm(小規模)及び30mm×100mm(大規模)である。固定相の粒子サイズは5μmである。
【0129】
(溶媒)
A:水性溶媒=アンモニア溶液でpH10に調整された10mM重炭酸アンモニウムの水溶液
B:有機溶媒=アセトニトリル
【0130】
(方法)
関心対象の化合物の分析保持時間に応じて5つの方法を使用する。使用者は、15分間、又は25分間の実行時間を選択することができる。
【0131】
大規模/小規模 方法A: Bにおける99%A〜1%A
大規模/小規模 方法B = Bにおける85%A〜1%A
大規模/小規模 方法C = Bにおける70%A〜1%A
大規模/小規模 方法D = Bにおける50%A〜1%A
大規模/小規模 方法E = Bにおける20%A〜1%A
【0132】
(流速)
先の方法はすべて、20ml/分(小規模)又は40ml/分(大規模)のいずれかの流速を有する。
【0133】
(紫外線検出)
紫外線検出は、210nm〜350nmの波長からの平均したシグナルであり、及び質量スペクトルは、交互スキャン正及び負モードエレクトロスプレーイオン化を用いて、質量分析計に記録した。
【0134】
(液体クロマトグラフィー/質量分析)
液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)による先の化合物の分析を、下記の装置及び条件を使用して実施した:
【0135】
(ハードウェア)
Waters Acquity二成分溶媒管理装置
Waters Acquityサンプル管理装置
Waters Acquity PDA
Waters ZQ質量分析計
Sedere Sedex 75
【0136】
(ソフトウェア)
Waters MassLynx バージョン4.1
【0137】
(カラム)
使用したカラムは、Waters Acquity BEH UPLC C18であり、その寸法は、2.1mm×50mmである。固定相の粒子サイズは、1.7μmである。
【0138】
(溶媒)
A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%ギ酸
弱い洗浄=1:1のメタノール:水
強い洗浄=水
【0139】
(方法)
使用した一般的な方法は、2分間の試行時間を有する。
【表5】

先の方法は、1ml/分の流速を有する。
一般的な方法についての注入容積は、0.5μLである。
カラム温度は、40℃である。
紫外線検出範囲は、220〜330nmである。
【0140】
(5分法低pHギ酸式包括的分析HPLCオープンアクセスLC/MS)
所定の通り、通常の2分の実行時間に代えて、5分のLCMSの実行時間が用いられた。このHPLC分析は、30℃で、Sunfire C18カラム(30mm x 4.6mm 内径 3.5μm 充填直径)において実行された。
【0141】
使用した溶媒は:
A = 0.1% v/vのギ酸水溶液。
B = 0.1% v/vのギ酸アセトニトリル溶液。
【0142】
使用した勾配は:
【表6】

であった。
【0143】
紫外線検出は、210nm〜350nmの波長からの平均したシグナルであり、及び質量スペクトルは、交互スキャン正及び負モードエレクトロスプレーイオン化を用いて、質量分析計に記録した。
【0144】
(高pH液体クロマトグラフィー/質量分析)
この分析は、40℃で、Acquity UPLC BEH C18カラム(2.1mm x 50mm 内径 1.7μm 充填直径)において実行された。
【0145】
使用した溶媒は:
A = アンモニア溶液でpH10に調整された10mM重炭酸アンモニウムの水溶液
B = アセトニトリル
【0146】
使用した勾配は、2分間の時間において、Aにおける1〜100% Bであった。
【0147】
紫外線検出は、210nm〜350nmの波長からの平均したシグナルであり、及び質量スペクトルは、交互スキャン正及び負モードエレクトロスプレーイオン化を用いて、質量分析計に記録した。
【0148】
あるいは、この分析は、30℃で、XBridge C18カラム(4.6mm x 50mm 内径 3.5μm 充填直径)において実行された。
【0149】
使用した溶媒は:
A = アンモニア溶液でpH10に調整された10mM重炭酸アンモニウムの水溶液
B = アセトニトリル
【0150】
使用した勾配は、5分間の時間において、Aにおける1〜97% Bであった。
【0151】
紫外線検出は、220nm〜350nmの波長からの平均したシグナルであり、及び質量スペクトルは、交互スキャン正及び負モードエレクトロスプレーイオン化を用いて、質量分析計に記録した。
【0152】
(Biotage SP4(登録商標))
Biotage-SP4(登録商標)は、自動精製システムである。該システムは、あらかじめ負荷したシリカゲルカラムを使用する。使用者は、該材料をカラムの上部に適用して、溶媒、勾配、流速、カラムサイズ、回収方法、及び溶出容積を選択する。
【0153】
Biotage-SP4(登録商標)は、C18カラムを用いて、逆相モードでも使用することができる。使用者は、該材料を、カラムの上部に適用し、及び(0.1%ギ酸水溶液)における0 〜100 %(0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)の標準的な勾配を実行することができる。使用者は、流速、カラムの大きさ、回収方法、及び溶出体積を選択する。
【0154】
(位相分離器(疎水性フリット))
位相分離器は、重力下で塩素化した溶媒から水性相を容易に分離する最適化したフリット材料に適合した種々のISOLUTE(登録商標)カラムである。
【0155】
(SCX−強陽イオン交換カートリッジ)
化合物において示される場合、SCXカートリッジを化合物精製方法の一部として使用した。典型的には、ISOLUTE SCX-2カートリッジを使用した。ISOLUTE SCX-2は、化学的に結合したプロピルスルホン酸官能基を有するシリカベースの収着媒である。
【0156】
ISOLUTE SCX-2化学データ
基材:シリカ、50μm
官能基:プロピルスルホン酸
容量:0.6ミリ当量/g
対イオン:プロトン
【0157】
(SAX−強陰イオン交換カートリッジ)
化合物において示される場合、SAXカートリッジを化合物精製方法の一部として使用した。典型的には、ISOLUTE SCXカートリッジを使用した。ISOLUTE SCXは、化学的に結合した第4級トリメチルアミノプロピルクロリド官能基を有するシリカベースの収着媒である。
【0158】
(薬理学的データ)
(アッセイ1(N型))
本発明の第一又は第二の態様で定義した化合物は、下記の研究に従って、hCav2.2アッセイ(N型)におけるインビトロでの生物活性について試験され得る:
【0159】
(方法)
(細胞生物学)
ヒトCav2.2α(α1B)サブユニットを、ヒトβ3及びα2δ1補助サブユニットと共に発現する安定発現株を、ヒト胎児由来腎臓(HEK293)細胞の連続的なトランスフェクション及び選択後に作製した。L-グルタミン(2mM;Invitrogen,カタログ番号25030-024)及び非必須アミノ酸(5%;Invitrogen,カタログ番号11140-035)を添加し10%ウシ胎仔血清を含むダルベッコ変法イーグル培地/F12培地(Invitrogen,カタログ番号041-95750V)において、HEK293細胞を培養した。まず、hCav2.2αサブユニット(ネオマイシン耐性マーカーを保有するpCIN5-hCav2.2)及びhCavβ3サブユニット(ハイグロマイシン耐性マーカーを保有するpCIH-hCavβ3)の発現のための2つのプラスミドベクターを使用して、HEK293細胞をトランスフェクトした。0.4mg ml-1ジェネティシンG418(Invitrogen,カタログ番号10131-027)及び0.1mg ml-1ハイグロマイシン(Invitrogen,カタログ番号10687-010)を補充した培地における選択後に、クローン細胞株を単離した。該クローン細胞株を、IonWorks平面アレイ電気生理学技術(以下に記載)を使用して、Cav2.2α/β3仲介性電流発現について評価した。適切なレベルの機能的Cav2.2α/β3電流発現を与えるクローン株を同定した。該細胞株に、ヒトα2δ1サブユニット(ピューロマイシン耐性マーカーを保有するpCIP-α2δ1)の発現のためのプラスミドベクターをトランスフェクトし、0.4mg ml-1ジェネティシンG418及び0.1mg ml-1ハイグロマイシンに加えて、0.62μg ml-1ピューロマイシン(Sigma,カタログ番号P-7255)を含む培地における選択後にクローン細胞株を単離した。強いレベルのCav2.2α/β3/α2δ1仲介性電流発現を与えるいくつかの細胞株を同定し、これらのうちの1つを化合物の特徴づけのために選択した。この細胞株内の3つのサブユニットすべての発現を、G418(0.4mg ml-1)、ハイグロマイシン(0.1mg ml-1)、及びピューロマイシン(0.62μg ml-1)の封入によって持続的に維持した。空気中に5%CO2を含む高湿環境において37℃で細胞を維持した。細胞を経代のためにT175培養フラスコからはがし、TrpLE(Invitrogen,カタログ番号12604-013)を使用して回収した。
【0160】
(細胞調製)
細胞をT175フラスコにおいて30〜60%コンフルエンスに増殖させ、30℃で24時間維持した後に記録した。増殖培地を除去し、Ca2+を含まないPBS(Invitrogen,カタログ番号14190-094)で洗浄し、3mlの加温した(37℃)TrpLE(Invitrogen,カタログ番号12604-013)と共に6分間インキュベートすることによって、細胞を浮揚させた。浮揚した細胞を10mlの細胞外緩衝液に懸濁した。次に、細胞懸濁液を15mlチューブに入れ、700rpmで2分間遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、細胞ペレットを4.5mlの細胞外溶液に再懸濁した。
【0161】
(電気生理学)
IonWorks平面アレイ電気生理学技術(Molecular Devices Corp.)を使用して、電流を室温(21〜23℃)で記録した。刺激プロトコール及びデータ獲得を、マイクロコンピュータ(Dell Pentium 4)を使用して実施した。平面電極孔抵抗(Rp)を決定するために、10mV、160ミリ秒の電位差を各孔に適用した。該測定を実施した後に細胞を付加した。細胞付加後、密封試験を実施した後、抗生物質(アンホテリシン)を循環させて、細胞内アクセスを達成した。試験パルスの200ミリ秒前に160ミリ秒の過分極(10mV)プレパルスを適用して、漏れコンダクタンスを測定することによって、すべての実験において漏れの減算を行った。−90mV〜+10mVの保持電位(VH)から段階的に行う試験パルスを20ミリ秒間適用し、10Hzの頻度で10回反復した。すべての実験において、試験パルスプロトコールを化合物の不在下(読み取り前)及び存在下(読み取り後)で実施した。読み取り前及び読み取り後を、化合物の添加後に3〜3.5分間インキュベートすることによって分離した。
【0162】
(溶液及び薬剤)
細胞内溶液は、(mMにおいて)下記を含んでいた:グルコン酸K 120、KCl 20mM、MgCl2 5、EGTA 5、HEPES 10、pH7.3に調整。アンホテリシンを30mg/mlストック溶液として調製し、細胞内緩衝溶液における0.2mg ml-1の最終作業濃度に希釈した。細胞外溶液は、(mMにおいて)下記を含んでいた:グルコン酸Na 120、NaCl 120、MgCl2 1、HEPES 10、BaCl2 5、pH7.4に調整。
【0163】
化合物をDMSOにおいて10mMストック溶液として調製し、その後1:3の連続希釈を実施した。最終的に、化合物を外部溶液において1:100に希釈し、結果として1%のDMSO終濃度を生じた。
【0164】
(データ分析)
化合物の不在下における密封抵抗(40MΩ超)、抵抗低下(35%超)、及びピーク電流振幅(200pA超)を使用して、記録を分析及びフィルター処理し、適していない細胞をさらなる分析から除外した。化合物の添加前と化合物の添加後の対比較を使用して、各化合物の阻害効果を決定した。第一の脱分極パルスによって惹起される電流を50%阻害するのに必要な化合物の濃度(持続性pIC50)を、濃度反応データへのHill式の適合によって決定した。加えて、第10回目対第1回目の脱分極パルスに及ぼす化合物の効果を評価することによって、化合物の使用依存性阻害特性を決定した。第10回目と第1回目のパルスの比を、薬剤の不在下及び存在下で決定し、%使用依存阻害を算出した。持続性pIC50についてのものと同一の式を使用してデータを適合させ、30%阻害を生じる濃度(使用依存性pUD30)を決定した。
【0165】
(アッセイ2(T型))
電位開口型カルシウムチャンネルサブタイプCav3.2(T型)を調節する本発明の化合物の性質は、下記のアッセイに従って、決定することができる。
【0166】
(細胞生物学)
hCav3.2チャンネルを発現する安定細胞株を、プラスミドpCIN5-ヒト-α1HでHEK293細胞をトランスフェクションして作製した。pCIN5-ヒト-α1H 予測タンパク質は、ヒトイオンチャンネルCACNA1H(電位依存性カルシウムチャンネルT型α1Hサブユニット)の全長ヒト変異体NP_066921と同等である。この変異体は、2つのSNP(Ala 664及びArg 2077)に関するわずかな対立遺伝子を含む。しかしながら、このイオンチャンネルで結合する化合物に関わる知識が欠如している状況下では、このような希有な変異体は、問題視されない。安定細胞株は、500ug/ml G418(ジェネティシン)によって選択された。最良の細胞株クローンは、IonWorksによって選択された。
【0167】
10%ウシ胎仔血清(Gibco/Invitrogen # 041-95750)、1%非必須アミノ酸(PAA、M11-003)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Invitrogen、15140-122)を添加した、DMEM/F12培地において、細胞を培養した。チャンネル発現を維持するために、500ug/mlのG418(PAA、P11-012)を加えた。空気中に5%CO2を含む高湿環境において、37℃で、細胞を生育及び維持した。細胞を経代のためにT175培養フラスコからはがし、TrpLE(Gibco/Invitrogen、カタログ番号12604)を使用して回収した。実験に向けて、実験当日に50〜80%コンフルエンスを得るために、アッセイを実行する48時間前に、細胞を、T175培養フラスコに接種した。
【0168】
(細胞調製)
細胞をT175フラスコにおいて50〜80%コンフルエンスに増殖させた。細胞を、インキュベーターから除去し、及び培地を吸引した。細胞を、5mlの加温した(37℃)TrypLEで洗浄し、及び3mlの加温した(37℃)TrypLEを、6分間、フラスコに加えた。該フラスコを軽く叩いて細胞を取り除き、及び細胞懸濁液を調製するために、バリウム及びマグネシウムを含む5mlの加温した(37℃)外部バッファーを加えた。次に、細胞懸濁液を15mlの遠心管に入れ、1000rpmで2分間遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、細胞ペレットを5mlピペットを用いて、4〜5mlのバリウム及びマグネシウムを含む予め加温した(37℃)外部バッファーに再懸濁させて、該ペレットを崩壊させた。
【0169】
(電気生理学)
Ionworks Quattro(Molecular Devices、9000-0902)のためのPatchPlate(商標)PPCを具備したIonWorks Quattro(商標)平面アレイ電気生理学技術(Molecular Devices Corp.)を使用して、電流を室温で記録した。刺激プロトコール及びデータ獲得を、マイクロコンピュータ(Dell Pentium 4)を使用して実施した。平面電極孔抵抗(Rp)を決定するために、10mV電圧工程を各孔に適用した。該測定を実施した後に細胞を付加した。細胞付加後、抗生物質アンホテリシン-B溶液(Sigma、P11-012)を循環させて、細胞内アクセスを達成する前に、-80 mV〜-70 mV、160ミリ秒の電圧工程を適用して、密封試験を実施した。試験パルスの80ミリ秒前に80ミリ秒の過分極(10mV)プレパルスを適用して、漏れコンダクタンスを測定することによって、すべての実験において漏れの減算を行った。−120mV〜−40mVの保持電位から段階的に行う試験パルスを25ミリ秒間適用し、3Hzの頻度で10回反復した。すべての実験において、試験パルスプロトコールを化合物の不在下(読み取り前)及び存在下(読み取り後)で実施した。読み取り前及び読み取り後を、化合物の添加後に10分間インキュベートすることによって分離した。
【0170】
(溶液及び薬剤)
細胞内溶液は、(mMにおいて)下記を含んでいた:グルコン酸K 120、KCl 20、MgCl2 5、EGTA 5、HEPES 10、pH7.35に調整。
【0171】
アンホテリシン-B溶液をDMSOにおける50mg/mlストック溶液として調製し、細胞内溶液における0.2mg/mlの最終作業濃度に希釈した。外部溶液は、(mMにおいて)下記を含んでいた:グルコン酸Na 120、NaCl 20、HEPES 10、MgCl2 1、BaCl2 5、pH7.35に調整。
【0172】
化合物をDMSOにおいて10mMストック溶液として調製し、その後1:3の連続希釈を実施した。最終的に、化合物を、0.05%のプルロニック酸を含む外部溶液において1:100に希釈した。
【0173】
(データ分析)
化合物の不在下における密封抵抗(20MΩ超)、ピーク電流振幅(100pA超)、及び化合物添加前密封抵抗(40MΩ超)を使用して、記録を分析及びフィルター処理し、適していない細胞をさらなる分析から除外した。化合物の添加前と化合物の添加後の対比較を使用して、各化合物の阻害効果を決定した。データを、ハイコントロール(1% DMSO)、及びローコントロール(500uM塩化ニッケル、Sigma-Aldrich、N6136)に対して正規化した。正規化データは、ActivityBase ソフトウェアを用いて解析した。第一の脱分極パルスによって惹起される電流を50%阻害するのに必要な化合物の濃度(持続性pIC50)を、濃度反応データを、4つのパラメーターを有するロジスティック関数に適合して決定した。加えて、第10回目対第1回目の脱分極パルスに及ぼす化合物の効果を評価することによって、化合物の使用依存性阻害特性を決定した。第10回目と第1回目のパルスの比を、薬剤の不在下及び存在下で決定し、%使用依存阻害を算出した。持続性pIC50についてのものと同一の式を使用してデータを適合させ、30%阻害を生じる濃度(使用依存性pUD30)を決定した。
【0174】
化合物1〜15及び20〜29は、アッセイ1において試験された。化合物1〜4、7、9〜11、13、15、20及び26は、アッセイ2において試験された。本明細書において記載した形態で化合物を試験した。試験した化合物はすべて、1回以上(最高6回)試験した。pUD30値及びpIC50値における変動は、試験間で生じ得る。
【0175】
(アッセイ1での化合物の活性(N-型))
化合物1〜15及び20〜31は、4.5以上のpUD30値を呈した。化合物1〜13、15、20〜26、及び28〜31は、5.0以上のpUD30値を呈した。化合物1〜4、7〜11、13、15、20〜26、30、及び31は、5.5以上のpUD30値を呈した。化合物3は、5.8のpUD30値を呈した。
【0176】
化合物1〜3、6、8〜10、13〜15、20、25、27、29、及び30は、4.5以上のpIC50値を呈した。化合物1、2、10及び13は、5.0以上のpIC50値を呈した。5.5以上のpIC50値を呈した化合物は無かった。化合物3は、4.6のpIC50値を呈した。
【0177】
(アッセイ2での化合物の活性(T-型))
化合物1〜4、7、9〜11、13、15、20、26、30及び31は、4.5以上のpUD30値を呈した。化合物1〜4、7、9〜11、13、15、20、26、30及び31 は、5.0以上のpUD30値を呈した。化合物4、7〜10、13、15及び30は、5.5以上のpUD30値を呈した。化合物3は、5.4のpUD30値を呈した。
【0178】
化合物1〜3、7、9、10、15、26及び30は、4.5以上のpIC50値を呈した。5.0以上のpIC50値を呈した化合物は無かった。5.5以上のpIC50値を呈した化合物は無かった。化合物3は、4.6のpIC50値を呈した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその塩:
【化1】

(式中、Aは、
(a) 2-キノリニル、
(b) 5-キノリニル、
(c) 7-キノリニル、
(d) 8-キノリニル、及び
(e) イソキノリニル;から選択され、
及び、Aは、非置換であるか、又はC1-4アルキルから独立して選択された1〜3個の置換基で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
存在する場合、R1の各々は、C1-4アルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R3は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R4は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R5は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R6は、水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシであり;
R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つが、水素以外の基であり;
ただし、該化合物が、8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、又は2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリンではない。)。
【請求項2】
前記Aが、非置換であるか、又はメチルで置換されている、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項3】
前記mが、0又は1である、請求項1又は2記載の化合物又は塩。
【請求項4】
前記R1が、メチルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項5】
前記R2が、水素又はメチルから選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項6】
前記R3が、水素である、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項7】
前記R4が、シアノ、C1-4ハロアルキル、又はC1-4ハロアルコキシから選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項8】
前記R5が、水素である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項9】
化合物又は塩が、化合物1〜47又はその塩から選択される、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項10】
前記塩が、医薬として許容し得る、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物又は塩。
【請求項11】
治療に利用するための、下記化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩を含む、請求項10記載の化合物又は塩:8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン。
【請求項12】
疼痛の治療又は予防に利用するための、下記化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩を含む、請求項10記載の化合物又は医薬として許容し得る塩:8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン。
【請求項13】
疼痛を治療又は予防するための薬剤の製造における、下記化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩を含む、請求項10記載の化合物又は医薬として許容し得る塩の使用:8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン。
【請求項14】
治療を要するヒト又はその他の哺乳動物での疼痛の治療方法であって、該ヒト又は哺乳動物に対して、下記化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩を含む、請求項10記載の化合物又は医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、前記方法:8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン。
【請求項15】
前記疼痛が、神経因性疼痛、炎症性疼痛、及び片頭痛から選択される、それぞれ請求項12、13及び14記載の化合物、使用及び方法。
【請求項16】
(a)下記化合物及びそれらの医薬として許容し得る塩を含む、請求項10記載の化合物又は医薬として許容し得る塩:8-({4-[(3-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-{[4-({4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルフォニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}キノリン、8-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-ブロモフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、8-[(4-{[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、4-{[4-(8-キノリニルカルボニル)-1-ピペラジニル]スルフォニル}ベンゾニトリル、2-[(4-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-[(4-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルフォニル}-1-ピペラジニル)カルボニル]キノリン、2-({4-[(3-クロロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(4-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、2-({4-[(3-フルオロフェニル)スルフォニル]-1-ピペラジニル}カルボニル)キノリン、及び(b)医薬として許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2013−517261(P2013−517261A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548476(P2012−548476)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050050
【国際公開番号】WO2011/086377
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PENTIUM
【出願人】(511012868)クオンベルゲンセ プハルマセウトイカルス リミテッド (6)
【Fターム(参考)】