説明

DC/DCコンバータを制御するための回路および方法

【課題】コンバータ回路の性能を向上させ、コンバータ回路の寿命を長くする。
【解決手段】コンバータ回路は、コンバータおよびコントローラを備える。コンバータは、入力電圧を出力電圧に変換する。コントローラは、基準電圧を受信し、基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に、実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧を発生させ、実質的に一定である第2のスルーレートで第3のレベルから第4のレベルに出力電圧を変化させるために、スルー電圧に基づいてコンバータを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2010年7月13日に出願した「DC/DCコンバータを制御するための回路および方法」という名称の米国仮特許出願第61/363,885号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
DC(直流)-DCコンバータは、例えばバッテリーからDC電力を供給される携帯電話やラップトップコンピュータなどの電子デバイスにおいて広く用いられている。このような電子デバイスは、一般に複数のサブ回路を含んでおり、それぞれのサブ回路は、バッテリー電圧とは異なる駆動電圧によって電力を供給される。さらに、いくつかのサブ回路は、異なる動作モードで動作するために異なる駆動電圧を必要とする。サブ回路について中央演算処理装置(CPU)を例にとると、CPUが命令を実行しているときのCPU用の駆動電圧は、CPUがアイドリング状態であるときの駆動電圧よりも高い。
【0003】
DC-DCコンバータは、特定のサブ回路を駆動するのに適した、調節されたDC電圧にバッテリー電圧を変換することができる。図1は、従来のコンバータ回路100のブロック図を示す。コンバータ回路100は、バッテリーパック110、バックコンバータ120、およびコントローラ130を含む。バッテリーパック110は、入力電圧VINを提供する。バックコンバータ120は、スイッチ122およびスイッチ124、インダクタ126、ならびにキャパシタ128を含み、入力電圧VINを出力電圧VOUTに変換するように動作可能である。コントローラ130は、例えばバックコンバータ120の出力部に結合している対応するサブ回路140を駆動するのに適した、所望の電圧VDSR_1を示す基準電圧VSETを受信するための、また出力電圧VOUTを示すフィードバック信号146を受信するためのレギュレータ132を含む。フィードバック信号146を基準電圧VSETと比較することによって、レギュレータ132は、スイッチ制御信号142および144を提供して、スイッチ122およびスイッチ124を交互にオンさせる。それによって、出力電圧VOUTのレベルは、所望のレベルVDSR_1に維持される。
【0004】
しかし、基準電圧VSETが所望の電圧VDSR_2を示す新たなレベルに変化する場合、出力電圧VOUTはVDSR_2に即座には変化しない。基準電圧VSETが出力電圧VOUTと異なるため(例えば、VOUTは依然としてVDSR_1に等しいままである)、コントローラ130内の保護コンポーネント134は、このような状況を、例えば過電圧状態または不足電圧状態である、異常状態と見なすことになる。したがって、保護コンポーネント134は、異常状態を示す終了信号138を発生させる。それに応じて、レギュレータ132は、スイッチ制御信号142および144を制御して、スイッチ122のオフ状態とスイッチ124のオン状態を維持し、それによってバックコンバータ120の動作は終了することになる。
【0005】
あるいは、コントローラ130は、保護コンポーネント134を含まない。この場合には、コントローラ130は、インダクタ126およびキャパシタ128に蓄えられるエネルギーを調整することによってVOUTをVDSR_2に急峻に変化させ、それによって、例えばキャパシタ128およびインダクタ126である、バックコンバータ120内の部品を通る電流の急激な増加が引き起こされる。その結果、このような部品が損傷する場合があり、またコンバータ回路100の寿命が短くなる恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、コンバータ回路は、コンバータおよびコントローラを備える。コンバータは、入力電圧を出力電圧に変換する。コントローラは、基準電圧を受信し、基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に、実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧(slew voltage)を発生させ、実質的に一定である第2のスルーレートで第3のレベルから第4のレベルに出力電圧を変化させるために、スルー電圧に基づいてコンバータを制御する。
【0007】
特許請求する主題に関係する実施形態の特徴と利点は、以下の詳細な説明が進むにつれて明らかになろう。また図面に関しては、同じ数字は同じ部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来のコンバータ回路のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による、コンバータ回路のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ランプ回路の図である。
【図4】本発明の一実施形態による、ランプ回路が受信する信号とランプ回路が発生させる信号のタイミング図である。
【図5】本発明の一実施形態による、コンバータ回路によって実行される動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態への参照を詳細に行う。これらの実施形態との関連において本発明を説明するが、これらの実施形態は、これらの実施形態に本発明を限定するようには考えられていないことが理解されよう。反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の主旨と範囲に含まれ得る代替形態、変更形態、および等価物を包含するように考えられている。
【0010】
本開示による実施形態では、コンバータ回路が提供される。コンバータ回路は、コンバータおよびコントローラを含む。コンバータ回路は、入力電圧を出力電圧に変換する。コントローラは、所望レベルの出力電圧を示す基準電圧を受信する。コントローラは、基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に、実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧を発生させる。コントローラは、実質的に一定である第2のスルーレートで第1の所望レベルから第2の所望レベルに出力電圧を変化させるために、スルー電圧に従ってコンバータを制御する。
【0011】
有利なことには、出力電圧は、急峻ではなく徐々に第1の所望レベルから第2の所望レベルに変化し得る。そのため、コンバータの部品を通る電流が安全な範囲に維持され、それによってコンバータ回路の性能は向上し、コンバータ回路の寿命は長くなる。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態による、コンバータ回路200のブロック図である。コンバータ回路200は、電源210、コンバータ220、コントローラ230、および負荷250を含む。電源210は、入力電圧VINを発生させるバッテリーパックでもよい。コンバータ220は、入力電圧VINを出力電圧VOUTに変換する。一実施形態では、出力電圧VOUTは、入力電圧VINとは異なる電圧レベルを有しており、例えばコンピュータシステムのサブ回路である、負荷250に電力を供給するために用いられる。コントローラ230は、1対のスイッチ制御信号242および244を発生させてコンバータ220を制御するように動作可能である。例えば、コンバータ220は、スイッチ制御信号242および244に従って、出力電圧VOUTを調整する。
【0013】
図2の例では、コンバータ220は、1対のスイッチ222および224、インダクタ226、およびキャパシタ228を含むバックコンバータでもよい。スイッチ222およびスイッチ224は、バッテリーパック210とグラウンドとの間で直列に結合している。インダクタ226は、スイッチ222およびスイッチ224の共通ノードと、キャパシタ228との間で結合している。動作においては、一実施形態では、スイッチ制御信号242および244は、相補型のパルス幅変調(PWM)信号である。スイッチ222およびスイッチ224は、それぞれスイッチ制御信号242および244を受信し、(例えば、スイッチ222がオンしており、スイッチ224がオフしている)ON状態と、(例えば、スイッチ222がオフしており、スイッチ224がオンしている)OFF状態とにおいて、交互に動作する。したがって、インダクタ226およびキャパシタ228に蓄えられるエネルギーは、OFF状態の持続時間TOFFに対するON状態の持続時間TONの割合によって調整される。そのため、出力電圧VOUTは、TOFFに対するTONの割合によって調整可能であり、
VOUT = VIN * [TON / (TON + TOFF)] = VIN * [1 / (1 + TOFF / TON)] (1)
によって与えられる。コンバータ220は、ブーストコンバータ、ブースト-バックコンバータ、フライバックコンバータ、またはリニアレギュレータなどの他の構成を有することができ、図2の例には限定されない。
【0014】
コントローラ230は、レギュレータ232およびランプ回路236を含む。ランプ回路236は、出力電圧VOUTに対する所望レベルVDESIREを示す基準電圧VSETを受信する。例えば、利用者は、出力電圧VOUTによって電力を供給される負荷250の要件に従って、基準電圧VSETを前もって決めるか、またはプログラムすることができる。一実施形態では、負荷250では、異なる動作モードで動作するために、所望レベルVDESIRE1および所望レベルVDESIRE2などの、異なる駆動電圧が要求される。例として、負荷250は、コンピュータシステムの中央演算処理装置(CPU)でもよい。CPUが、例えばアイドリングモードである、第1の動作モードであるときには、基準電圧VSETは、出力電圧VOUTを所望レベルVDESIRE1に設定するための第1の電圧レベルVSET1を有する。CPUが、(例えば命令を実行する)第2の動作モードに切り替えられると、基準電圧VSETは、出力電圧VOUTを所望レベルVDESIRE2に設定するための第2の電圧レベルVSET2に変化する。すなわち、基準電圧VSETは、出力電圧VOUTをVDESIRE1からVDESIRE2に変化させるために、第1の電圧レベルVSET1から第2の電圧レベルVSET2に変化する。
【0015】
ランプ回路236は、基準電圧VSETに従って、実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧VSLEWを提供するように動作可能である。本開示で用いられるとき、用語「スルーレート」は、電圧変化率または電流変化率などの特定の信号の変化率(必ずしも最大変化率ではない)を表す。本明細書で用いられるとき、用語「実質的に一定のスルーレート」は、スルーレートにおける何らかの変化が十分に小さく、それによってコンバータ220の電流が特定の安全な範囲内にある限り、その変化が許容し得るものであることを意味するために使われる。より具体的には、一実施形態では、基準電圧VSETが第1の電圧レベルVSET1に等しい場合、スルー電圧VSLEWはレベルVSLEW1に等しい。VSETがVSET1からVSET2に変化すると、スルー電圧VSLEWは、第1のスルーレートでレベルVSLEW1からレベルVSLEW2に直線的に変化する。一実施形態では、レベルVSLEW1はレベルVSET1に比例し、レベルVSLEW2はレベルVSET2に比例する。例えば、比例の割合が1である場合は、VSLEW1 = VSET1およびVSLEW2 = VSET2となる。図3および図4との関連において、基準電圧VSETおよびスルー電圧VSLEWの動作をさらに説明する。
【0016】
レギュレータ232は、スルー電圧VSLEWを受信し、それに応じてコンバータ220を制御して出力電圧VOUTを調整する。一実施形態では、レギュレータ232は、出力電圧VOUTを示すフィードバック信号246を受信するためのVFBピンと、スルー電圧VSLEWを受信するためのSLEWピンとを含む。レギュレータ232は、フィードバック信号246をスルー電圧VSLEWと比較し、その比較の結果に従ってスイッチ制御信号242および244を発生させて、出力電圧VOUTを調整する。例えば、フィードバック信号246がスルー電圧VSLEWより大きい場合、レギュレータ232は、TOFFに対するTONの割合を減らす。したがって、出力電圧VOUTは、式(1)によって減少する。同様に、フィードバック信号246がスルー電圧VSLEWより小さい場合、レギュレータ232は、TOFFに対するTONの割合を増やして出力電圧VOUTを増加させる。その結果、出力電圧VOUTの波形は、スルー電圧VSLEWの波形に追従する。スルー電圧VSLEWが実質的に一定である第1のスルーレートを有するため、出力電圧VOUTは、実質的に一定である第2のスルーレートを有する。一実施形態では、一定である第1のスルーレートは、一定である第2のスルーレートに比例する。例えば、この比例の割合が1である場合、実質的に一定である第1のスルーレートは、実質的に一定である第2のスルーレートに等しくなる。
【0017】
有利なことには、基準電圧VSETがVSET1からVSET2に段状に変化する場合、コントローラ230は、出力電圧VOUTをVDESIRE1からVDESIRE2に急峻には変化させない。その代わりに、出力電圧VOUTは、(一定である第1のスルーレートを有する)スルー電圧VSLEWに追従し、一定である第2のスルーレートでVDESIRE1からVDESIRE2に徐々に変化する。例えば、フィードバック信号246の電圧は、出力電圧VOUTに比例し得る。このように、レギュレータ232は、VSLEWに比例する量に等しくなるように出力電圧VOUTを調整する。この場合、一定である第1のスルーレートは、一定である第2のスルーレートに比例する。この状況においては、例えばインダクタ226およびキャパシタ228である、コンバータ220の部品を流れる電流が安全な範囲内に維持され、それによってコンバータ回路200の安全性能は向上し、コンバータ回路200の寿命は長くなる。
【0018】
一実施形態では、コントローラ230は、過電圧状態または不足電圧状態などの異常状態からコンバータ回路200を保護する保護コンポーネント234をさらに含む。より具体的には、保護コンポーネント234は、所望の電圧VDESIREを示す基準電圧VSETを検出することによって、また出力電圧VOUTを示すフィードバック信号246を検出することによって、異常状態を監視する。VOUTがVDESIREより大きく、例えばVOUT - VDESIREである、VOUTとVDESIREの差が所定の過電圧しきい値より大きい場合、保護コンポーネント234は過電圧状態を示す。同様に、VOUTがVDESIREより小さく、例えばVDESIRE - VOUTである、VOUTとVDESIREの差が所定の不足電圧しきい値より大きい場合、保護コンポーネント234は不足電圧状態を示す。
【0019】
さらに、コンバータ回路200の異常状態が検出された場合、保護コンポーネント234は、コンバータ220の動作を終了させる終了信号238を発生させる。例えば、終了信号238を受信すると、レギュレータ232は、スイッチ制御信号242および244を制御して、スイッチ222およびスイッチ224を(例えば、スイッチ222がオフしており、スイッチ224がオンしている)OFF状態に維持し、それによって出力電圧VOUTはゼロボルトに低下し、コンバータ220の動作は終了する。
【0020】
ランプ回路236は、VSETがVSET1からVSET2に変化した後、VOUTがVDESIRE1からVDESIRE2に直線的に変化しているかどうかを示す検出信号240を発生させる。有利なことには、保護コンポーネント234は、検出信号240に従って、コンバータ220の動作を終了させないようにされる。例えば、検出信号240はデジタル信号でもよい。検出信号240が、VSETがVSET1からVSET2に変化した後にVSLEWがVSLEW1からVSLEW2に直線的に変化していることを示すデジタルの1である場合、VOUTがVDESIREより大きいときにVOUTとVDESIREの差が過電圧しきい値より大きくても、またVOUTがVDESIREより小さいときにVDESIREとVOUTの差が不足電圧しきい値より大きくても、保護コンポーネント234は、コンバータ220をシャットダウンしない。したがって、コンバータ220の動作は、基準電圧VSETの調整によって終了することはなく、それによってコンバータ回路200の安定性は向上する。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態による、ランプ回路236の図である。図2と同じ符号が付けられた要素は、同様の機能を有する。図2と組み合わせて図3を説明する。図3の実施形態では、説明のため、基準電圧VSETは所望レベルVDESIREに等しく、VSLEWはVDESIREに等しい。しかし、本発明はそのように限定されておらず、基準電圧VSETは所望レベルVDESIREと異なっていてもよく、例えば代替実施形態では、VSETはVDESIREに比例し、比例の割合は1ではない。VSET1 = VSLEW1 = VDESIRE1 = V1およびVSET2 = VSLEW2 = VDESIRE2 = V2とし、ここでV1 > V2とすると、基準電圧VSETは、出力電圧VOUTをV1からV2に設定するために、V1からV2に低下する場合があり、同様に、出力電圧VOUTをV2からV1に設定するために、V2からV1に増加する場合もある。
【0022】
ランプ回路236は、電流発生器302、キャパシタ326、および検出モジュール330を含む。電流発生器302は、キャパシタ326に結合しており、基準電圧VSETおよびスルー電圧VSLEWを検出し、それに応じて実質的に一定の電流I1またはI2を発生させるように動作可能である。本明細書で用いられるとき、用語「実質的に一定の電流」は、電流I1または電流I2における何らかの変化が十分に小さく、それによってコンバータ220の電流が特定の安全な範囲内にある限り、その変化が許容し得るものであることを意味するために使われる。一実施形態では、一定の電流I1またはI2は、スルー電圧VSLEWを調整するために、キャパシタ326を介して導かれる。より具体的には、一実施形態において、電流発生器302は、基準電圧VSETをスルー電圧VSLEWと比較する。VSETがV1からV2(V1 > V2)に低下した後にVSETがVSLEWより小さくなる場合、電流発生器302は、キャパシタ326から電流発生器302に一定の電流I2を発生させて、キャパシタ326を放電させる。したがって、キャパシタ326の両端間のスルー電圧VSLEWは、VSLEWがV2に等しくなるまで直線的に減少し、ここで、例えば第1のスルーレートである変化率は、電流I2によって決定される実質的に一定のものである。VSETがV2からV1に上昇した後にVSETがVSLEWより大きくなる場合、電流発生器302は、電流発生器302からキャパシタ326に実質的に一定の電流I1を発生させて、キャパシタ326を充電させる。したがって、スルー電圧VSLEWは、V1に達するまで直線的に増加し、ここで、変化率は同様に、電流I1によって決定される実質的に一定のものである。
【0023】
一実施形態では、電流発生器302は、制御回路305、電圧源308および電圧源310、抵抗器320、ならびにトランジスタ322およびトランジスタ324を含む。制御回路305は、演算増幅器(オペアンプ)304および306を含む。トランジスタ322およびトランジスタ324は、限定はされないが、N型金属酸化膜半導体(NMOS)電界効果トランジスタでもよい。トランジスタ322、抵抗器320、およびトランジスタ324は、直列に結合しており、電流I1または電流I2のための電流経路L1を構成している。トランジスタ322は、基準電圧VSETであるノードに結合しており、オペアンプ304の出力端子に結合しているゲートを有し、またゲート-ソース電圧VGS1(例えば、VGS1 = VGATE1 - V_350)およびドレイン-ソース電圧VDS1(例えば、VDS1 = VSET - V_350)に従う線形領域、オフ領域、または飽和領域において動作可能であり、ここでV_350は、トランジスタ322と抵抗器320の間の共通ノード350(本明細書では第1のノードとも呼ぶ)における電圧である。
【0024】
より具体的には、一実施形態では、VGS1がトランジスタのしきい値VTRANより大きく、VDS1がVGS1からVTRANを引いたものより小さい(例えば、VGS1 > VTRANおよびVDS1 < VGS1 - VTRAN)場合、トランジスタ322は線形領域に入る。この線形領域では、トランジスタ322は、オンして基準電圧VSETをノード350に結合させるスイッチとして動作する。VGS1がVTRANより大きく、VDS1がVGS1からVTRANを引いたものより大きい(例えば、VGS1 > VTRANおよびVDS1 > VGS1 - VTRAN)場合、トランジスタ322は飽和領域に入る。この飽和領域では、トランジスタ322は、ゲート-ソース電圧VGS1に従って、例えばI1である、トランジスタ322を流れる電流を決定する増幅器として動作する。例えば、VGS1が実質的に一定の値を有する場合、電流I1は実質的に一定の電流であり得る。VGS1がVTRANより小さい(例えば、VGS1 < VTRAN)場合、トランジスタ322はオフ領域に入り、このオフ領域では、トランジスタ322は、オフして電流経路L1を無効にするスイッチとして動作する。要するに、トランジスタ322には、線形領域と飽和領域の両方において伝導性がある。
【0025】
トランジスタ324は、スルー電圧VSLEWであるノードに結合しており、オペアンプ306の出力端子に結合しているゲートを有する。トランジスタ322と同様に、トランジスタ324は、ゲート-ソース電圧VGS2(例えば、VGS2 = VGATE2 - V_352)およびドレイン-ソース電圧VDS2(例えば、VDS2 = VSLEW - V_352)に従う線形領域、オフ領域、または飽和領域において動作可能であり、ここでV_352は、トランジスタ324と抵抗器320の間の共通ノード352(本明細書では第2のノードとも呼ぶ)における電圧である。
【0026】
抵抗器320は、ノード350とノード352の間で結合しており、電流I1または電流I2を決定するために用いられる。例として、電流経路L1が導通している場合、例えば、トランジスタ322およびトランジスタ324が線形領域または飽和領域で動作しており、例えばV_350 - V_352である、抵抗器320の両端間の電圧が実質的に一定となるように維持されると、I1またはI2は、実質的に一定の電流となり得る。さらに、V_350がV_352より大きい場合、電流発生器302からキャパシタ326に流れる電流I1が発生する。V_350がV_352より小さい場合は、キャパシタ326から電流発生器302に流れる電流I2が発生する。
【0027】
制御回路305は、ゲート電圧VGATE1およびVGATE2を制御することによって、またノード電圧V_350およびV_352を制御することによって、電流経路L1を通る電流I1または電流I2を制御する。オペアンプ304は、電圧源308を介してノード352に結合している非反転入力端子と、ノード350に結合している反転入力端子と、トランジスタ322のゲートに結合している出力端子とを有する。オペアンプ306は、電圧源310を介してノード350に結合している非反転入力端子と、ノード352に結合している反転入力端子と、トランジスタの324のゲートに結合している出力端子とを有する。
【0028】
一実施形態では、電圧源308は、固定基準電圧VOS1を発生させる。したがって、オペアンプ304の非反転入力端子における電圧V+と、オペアンプ304の反転入力端子における電圧V-との間の差は、式(2)によって得られる。
V+ - V- = V_352 + VOS1 - V_350 (2)
同様に、電圧源310も固定基準電圧VOS2を発生させることができる。したがって、オペアンプ306の非反転入力端子における電圧V+'と、オペアンプ306の反転入力端子における電圧V-'との間の差は、式(3)によって得られる。
V+' - V-' = V_350 + VOS2 - V_352 (3)
一実施形態では、VOS1はVOS2に等しい。
【0029】
オペアンプ304は、電圧V+と電圧V-の間の差を増幅して、オペアンプ304の出力端子で出力電圧VGATE1を提供するように動作可能であり、出力電圧VGATE1は、
VGATE1 = (V+ - V-) * A1 = (V_352 + VOS1 - V_350) * A1 (4)
によって与えられ、ここでA1はオペアンプ304のゲインを表す。ゲインA1は、例えば百万を上まわる、比較的大きい値を有することができる。さらに、オペアンプ304の反転入力端子と、オペアンプ304の出力端子との間に結合しているトランジスタ322は、オペアンプ304の負帰還回路として動作する。すなわち、オペアンプ304およびトランジスタ322は、負帰還ループを構成する。
【0030】
より具体的には、一実施形態では、V+がV-より大きい場合、比較的大きいゲインA1によって、オペアンプ304は、式(4)に従って出力電圧VGATE1を最大レベルVMAXに引き上げる。例えば、ランプ回路236の電源が5ボルトであるとすると、VMAXは5ボルトにほぼ等しい。V+がV-に等しい場合、VGATE1は、式(4)に従って実質的にゼロボルトに等しくなる。しかし、ゲインA1が比較的大きいため、VGATE1が所定の仮想短絡範囲内で変化する場合、オペアンプ304は、電圧V+を電圧V-とほぼ等しく保つ仮想短絡特性を有する。
【0031】
オペアンプ306は、電圧V+'と電圧V-'の間の差を増幅して、オペアンプ306の出力端子で出力電圧VGATE2を提供するように動作可能であり、出力電圧VGATE2は、
VGATE2 = (V+' - V-') * A2 = (V_350 + VOS2 - V_352) * A2 (5)
によって与えられ、ここでA2はオペアンプ306のゲインを表す。さらに、オペアンプ306の反転入力端子と、オペアンプ306の出力端子との間に結合しているトランジスタ324は、オペアンプ306の負帰還回路として動作する。オペアンプ306は、電圧V+'および電圧V-'によって出力電圧VGATE2を決定し、それはオペアンプ304の動作と同様である。図4との関連において、電流発生器302の動作をさらに説明する。電流発生器302は他の構成を有することができ、図4の例には限定されない。
【0032】
検出モジュール330は、電流発生器302に結合しており、基準電圧VSETおよびスルー電圧VSLEWを検出するように動作可能であり、また、基準電圧VSETが設定された後にそれに応じてスルー電圧VSLEWが直線的に増加/減少しているかどうかを示す検出信号240を発生させるように動作可能である。一実施形態では、検出モジュール330は、1対のコンパレータ311および312、ならびにORゲート314を含む。
【0033】
検出モジュール330は、ゲート電圧VGATE1およびVGATE2を検出することによって、基準電圧VSETおよびスルー電圧VSLEWを検出する。一実施形態では、コンパレータ311は、オペアンプ304の出力端子における電圧VGATE1を受信するための反転入力端子を有し、また、しきい値電圧VTHを受信するための非反転入力端子を有する。さらに、コンパレータ312は、オペアンプ306の出力端子における電圧VGATE2を受信するための反転入力端子を有し、また、しきい値電圧VTHを受信するための非反転入力端子を有する。コンパレータ311は、電圧VGATE1をしきい値電圧VTHと比較し、それに応じて出力電圧V_311を発生させる。図3の実施形態では、出力電圧V_311は、VGATE1がVTHより大きい場合はデジタルの0であり、VGATE1がVTHより小さい場合はデジタルの1である。同様に、コンパレータ312が発生する出力電圧V_312は、VGATE2がVTHより大きい場合はデジタルの0であり、VGATE2がVTHより小さい場合はデジタルの1である。
【0034】
ORゲート314は、電圧V_312および電圧V_311を受信して、検出信号240を発生させる。より具体的には、一実施形態では、検出信号240は、電圧V_312および電圧V_311の少なくとも一方がデジタルの1である場合、例えば電圧VGATE1および電圧VGATE2の少なくとも一方がしきい値電圧VTHよりも低いときに、デジタルの1となる。検出信号240は、電圧V_312および電圧V_311がどちらもデジタルの0である場合、例えば電圧VGATE1および電圧VGATE2がどちらもしきい値電圧VTHよりも大きいときに、デジタルの0となる。図4との関連において、検出モジュール330の動作をさらに説明する。検出モジュール330は他の構成を有することができ、図3の例には限定されない。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態による、ランプ回路236が受信する信号とランプ回路236が発生させる信号のタイミング図400を示す。図2および図3と組み合わせて、図4を説明する。図4の例では、タイミング図400は、基準電圧VSET、オペアンプ304の出力端子における電圧VGATE1、オペアンプ306の出力端子における電圧VGATE2、スルー電圧VSLEW、および検出信号240を示す。
【0036】
時刻t1では、基準電圧VSETおよびスルー電圧VSLEWは、どちらもレベルV2に等しい。したがって、トランジスタ322、抵抗器320、およびトランジスタ324を含む電流経路L1に電流は流れない。ノード350における電圧V_350は、ノード352における電圧V_352に等しい。式(2)によれば、電圧V+は、電圧V-に基準電圧VOS1を加えたものに等しくなり(例えばV+ = V- + VOS1)、これはV+がV-より大きいことを意味する。このため、オペアンプ304は、電圧VGATE1を最大レベルVMAXに増加させる。VMAXは、(例えば5ボルトである)電源電圧にほぼ等しいため、ゲート-ソース電圧VGS1はトランジスタのしきい値VTRANより大きくなり、ソース-ドレイン電圧VDS1は、VGS1からVTRANを引いたものより小さくなる。したがって、トランジスタ322は線形領域に入る。t1からt2の時間間隔の間では、トランジスタ322は、オンして基準電圧VSETをノード350に結合させるスイッチとして動作する。同様に、トランジスタ324も、オンしてスルー電圧VSLEWをノード352に結合させるスイッチとして動作する。
【0037】
図4に示されているように、電圧VGATE1および電圧VGATE2は、どちらもしきい値電圧VTHより大きい。したがって、検出信号240は、t1からt2の時間間隔の間では、デジタルの0である。
【0038】
時刻t2では、出力電圧VOUTをV2からV1に設定するために、基準電圧VSETはレベルV2からレベルV1に上昇する。最初に基準電圧VSETが変化するときには、トランジスタ322およびトランジスタ324は、どちらも(オン状態の)スイッチとして動作している。したがって、電圧V_350はV1に等しくなり、電圧V_352はV2と同じである。
【0039】
V1とV2の差がVOS1より大きいとすると、電圧V+は、式(2)に基づいて電圧V-より小さくなる。したがって、オペアンプ304は、電圧VGATE1を最小レベルVMINに低下させる。時刻t2において、ゲート-ソース電圧VGS1がトランジスタのしきい値VTRANを下まわる場合、トランジスタ322は、オフ領域に入って電流経路L1を無効にする。この状況では、電圧V_350はV_352と等しくなり、オペアンプ304は電圧VGATE1を増加させるが、これはt1からt2の間の動作と同様である。すなわち、VSETの変化は、VGATE1を低下させ、トランジスタ322およびオペアンプ304を含む負帰還ループがVGATE1を増加させることをさらに可能とする。したがって、時刻t2では、負帰還ループは、トランジスタ322がオフ領域に代わって飽和領域で伝導性をもつ平衡状態(balance state)に入ることができる。あるいは、VGATE1の最小レベルVMINは、トランジスタ322がオフ領域に入ることを必ずしも可能にするとは限らない。例えば、VMINがV_350より大きい場合があり、それによってVGS1がトランジスタのしきい値VTRANより大きくなる場合がある。同時に、VMINがVSETより小さい場合があり、それによってVGS1がVDS1より小さくなる場合がある。したがって、トランジスタ322は飽和領域に入る。両方の状況において、トランジスタ322が飽和領域で動作する場合、ノード350における電圧V_350は、もはやVSETに等しくなくなる。そのため、オペアンプ304は、オペアンプ304の出力端子におけるVGATE1に応じてV-を調整することができ、例えば、VGATE1が所定の仮想短絡範囲内にある場合には、V-にほぼ等しいV+を維持する。
【0040】
時刻t2では、電圧V+'は、式(3)により電圧V-'より依然として大きい。したがって、電圧VGATE2はVMAXに等しく、トランジスタ324は、線形領域で動作してスルー電圧VSLEWをノード352に結合させる。
【0041】
t2からt3の時間間隔の間では、オペアンプ304およびトランジスタ322を含む負帰還ループによって、VGATE1は仮想短絡範囲内で変化することができる。そのため、オペアンプ304は、電圧V-にほぼ等しい電圧V+を維持する。したがって、式(2)によって、V_350とV_352の差はVOS1に等しくなる。(飽和領域における)トランジスタ322と(線形領域における)トランジスタ324はいずれも伝導性があるため、トランジスタ322、抵抗器320、およびトランジスタ324を通る電流I1が発生し、この電流I1は、
I1 = (V_350 - V_352) / R = VOS1 / R (6)
によって与えられる。式(6)に示されているように、電流I1は、電流発生器302からキャパシタ326に流れてキャパシタ326を充電させる実質的に一定の電流である。したがって、スルー電圧VSLEWは、t2からt3の時間間隔の間に、I1によって決定される実質的に一定のスルーレートで直線的に増加する。
【0042】
さらに、電圧V_352は、t2からt3の時間間隔の間では、スルー電圧VSLEWに等しい。V_350とV_352の差が固定基準電圧VOS1に等しいため、電圧VSLEWが増加するにつれて電圧V_350は増加する。さらに、I1が実質的に一定の電流であり、トランジスタ322が、飽和領域で動作してVGS1によってI1を決定するため、VGS1は依然として実質的に一定である。したがって、VGATE1は、スルー電圧VSLEWに応じて変化する。例えば、VGATE1は、t2からt3の時間間隔の間に、スルー電圧VSLEWに追従して、実質的に一定の割合で直線的に増加する。
【0043】
図4に示されているように、VGATE1はVTHより小さく、VGATE2はVTHより大きい。したがって、ORゲート314の出力部における検出信号240は、スルー電圧VSLEWがV2からV1に直線的に増加するときのt2からt3の時間間隔の間では、デジタルの1となる。
【0044】
時刻t3では、スルー電圧VSLEWがV1に達し、すなわちVSLEW = V_352 = V_350 = VSETとなる。そのため、電流I1はゼロアンペアに低下する。オペアンプ304は、例えば電源電圧に等しい、最大レベルVMAXに電圧VGATE1を引き上げるように動作する。その結果、VGATE1およびVGATE2は、どちらもVTHより大きくなる。したがって、検出信号240は、t3からt4の時間間隔の間ではデジタルの0となる。
【0045】
時刻t4では、基準電圧VSETは、出力電圧VOUTをV1からV2に変化させるために、レベルV1からレベルV2に下降する。時刻t2における電流発生器302の動作と同様に、電圧VGATE2は、レベルVMINに低下する。トランジスタ324は、トランジスタ324がゲート-ソース電圧VGS2に従って電流I2を決定する飽和領域で動作する。オペアンプ306は、電圧V-'にほぼ等しい電圧V+'を維持する。オペアンプ304は、電圧VGATE1をVMAXに引き上げる。トランジスタ322は、線形領域で動作してVSETをノード350に結合させる。
【0046】
t4からt5の時間間隔の間では、オペアンプ306およびトランジスタ324は負帰還ループを構成する。したがって、V_352とV_350の差は、式(3)によってVOS2と等しくなる。そのため、トランジスタ324、抵抗器320、およびトランジスタ322を通る電流I2が発生し、この電流I2は、
I2 = (V_350 - V_352) / R = -VOS2 / R (7)
によって与えられる。式(7)に示されているように、電流I2は、キャパシタ326から電流発生器302に流れ、キャパシタ326を放電させる同様に実質的に一定の電流である。したがって、スルー電圧VSLEWは、I2によって決定される実質的に一定の割合で直線的に減少する。
【0047】
一実施形態では、スルー電圧VSLEWがt4からt5の間に直線的に減少する場合、(VSETに等しい)電圧V_350と(VSET + VOS2に等しい)電圧V_352は、どちらも変化しない。したがって、VGS2が実質的に一定の電圧であるため、電圧VGATE2は依然としてレベルVMINに等しい。図4に示されているように、電圧VGATE1はVTHより大きく、電圧VGATE2はVTHより小さい。したがって、検出信号240は、VSLEWがV1からV2に直線的に減少するt4からt5の時間間隔の間では、デジタルの1となる。
【0048】
有利なことには、基準電圧VSETが時刻t2でV1に設定される場合、出力電圧VOUTは、t2からt3の時間間隔の間にVSLEWに追従してV2からV1に直線的に増加する。同様に、基準電圧VSETが時刻t4でV2に設定される場合、出力電圧VOUTは、t4からt5の時間間隔の間にVSLEWに追従してV1からV2に直線的に減少する。したがって、キャパシタ228およびインダクタ226を流れる電流は、安全な範囲に維持され、それによってコンバータ回路200の性能は向上し、コンバータ回路200の寿命は長くなる。
【0049】
一実施形態では、検出信号240は、スルー電圧VSLEWが直線的に増加するt2からt3の間、およびスルー電圧VSLEWが直線的に減少するt4からt5の間にデジタルの1となる。有利なことには、保護コンポーネント234は、検出信号240に従って、t2からt3の間、およびt4からt5の間では、一時的に無効とされ得る。このようにして、コンバータ220の動作は、基準電圧VSETの設定によって終了することがなく、それによってコンバータ回路200の安定性は向上する。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態による、例えばコンバータ回路200である、コンバータ回路によって実行される動作のフローチャート500を示す。図2〜図4と組み合わせて、図5を説明する。図5において特定のステップを開示するが、このようなステップは例である。すなわち、本発明は、図5に列挙した様々な他のステップまたは変形を実行することに対して十分に適合する。
【0051】
ブロック502では、例えばVINである入力電圧が、例えばコンバータ220であるコンバータによって、例えばVOUTである、出力電圧に変換される。ブロック504では、例えばVSETである、基準電圧が受信される。
【0052】
ブロック506では、基準電圧が、例えばVSET1である第1のレベルから、例えばVSET2である、第2のレベルに変化する場合に、実質的に一定である第1のスルーレートを有する、例えばVSLEWである、スルー電圧が発生する。ブロック508では、コンバータが、スルー電圧に基づいて制御されて、実質的に一定である第2のスルーレートで、例えばVDESIRE1である第3のレベルから、例えばVDESIRE2である第4のレベルに出力電圧を変化させる。一実施形態では、出力電圧を示すフィードバック信号が受信される。出力電圧は、フィードバック信号とスルー電圧との比較に基づいて調整される。一実施形態では、基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に、例えば電流経路Lである、電流経路を通る一定の電流が発生する。この一定の電流は、キャパシタを介して導かれて、スルー電圧を発生させる。一実施形態では、この電流経路は、直列に結合している、例えばトランジスタ322である第1のトランジスタ、例えば抵抗器320である抵抗器、例えばトランジスタ324である第2のトランジスタを含む。
【0053】
ブロック510では、スルー電圧が第3のレベルから第4のレベルに変化しているかどうかを示す、例えば検出信号240である、検出信号が発生する。ブロック512では、例えば保護コンポーネント234である保護コンポーネントが、検出信号に従ってコンバータの動作を終了させないようにされる。一実施形態では、検出信号は、例えばVGATE1およびVGATE2である、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのゲート電圧に従って発生する。
【0054】
上記の説明および図面は、本発明の実施形態を示すが、様々な追加、変更、および代用が、添付の特許請求の範囲において定義された本発明に関する原理の主旨と範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解されよう。当業者は、本発明の原理から逸脱することなく特定の環境および動作要件に特に適合された、本発明の実施において使用される形状、構造、構成、比率、材料、素子、構成要素、およびその他についての多くの変更を伴って、本発明が用いられ得ることを理解するであろう。したがって、いま開示した実施形態は、全ての点において例示的であり非限定的であると考えられるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によって示されており、上記の説明に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
200 コンバータ回路
210 電源
220 コンバータ
222,224 スイッチ
226 インダクタ
228 キャパシタ
230 コントローラ
232 レギュレータ
234 保護コンポーネント
236 ランプ回路
238 終了信号
240 検出信号
242,244 スイッチ制御信号
246 フィードバック信号
250 負荷
302 電流発生器
304 オペアンプ
305 制御回路
306 オペアンプ
308,310 電圧源
320 抵抗器
322 第1のトランジスタ
324 第2のトランジスタ
326 キャパシタ
330 検出モジュール
350 第1のノード
352 第2のノード
I1,I2 電流
L1 電流経路
V1,V2 電圧レベル
VGATE1,VGATE2 ゲート電圧
VMAX 最大レベル
VMIN 最小レベル
VOUT 出力電圧
VSET 基準電圧
VSLEW スルー電圧
VTH しきい値電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を出力電圧に変換するように動作可能なコンバータと、
前記コンバータに結合しており、基準電圧を受信し、前記基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧を発生させ、実質的に一定である第2のスルーレートで第3のレベルから第4のレベルに前記出力電圧を変化させるために、前記スルー電圧に基づいて前記コンバータを制御するように動作可能なコントローラと
を備えるコンバータ回路。
【請求項2】
前記第1のスルーレートが前記第2のスルーレートに比例し、前記第1のレベルが前記第3のレベルに比例し、前記第2のレベルが前記第4のレベルに比例している、請求項1に記載のコンバータ回路。
【請求項3】
前記コントローラが、
前記出力電圧を示すフィードバック信号を受信するように動作可能であり、さらに前記フィードバック信号と前記スルー電圧との比較に基づいて前記出力電圧を調整するために制御信号を発生させるように動作可能であるレギュレータを備える、請求項1に記載のコンバータ回路。
【請求項4】
前記コントローラが、
前記コンバータの動作を終了させる終了信号を発生させるように動作可能な保護コンポーネントと、
前記レギュレータおよび前記保護コンポーネントに結合しており、前記出力電圧が前記第3のレベルから前記第4のレベルに変化しているかどうかを示す検出信号を発生させるように動作可能なランプ回路と
をさらに備え、
前記保護コンポーネントが、前記検出信号に従って、前記コンバータの動作を終了させないようにされる、請求項1に記載のコンバータ回路。
【請求項5】
前記コントローラが、
前記基準電圧が前記第1のレベルから前記第2のレベルに変化する場合に実質的に一定の電流を発生させるように動作可能であり、さらに前記スルー電圧を発生させるために前記実質的に一定の電流を、キャパシタを介して導くように動作可能である電流発生器をさらに備える、請求項1に記載のコンバータ回路。
【請求項6】
前記コントローラが、
第1のノードと第2のノードの間に結合している抵抗器と、
前記第1のノードと、前記基準電圧であるノードとの間で結合している第1のトランジスタと、
前記第2のノードと、前記スルー電圧であるノードとの間で結合している第2のトランジスタと、
前記第1のノードおよび前記第2のノードのノード電圧を制御することによって、また前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタに対するゲート電圧を制御することによって、前記抵抗器を通る電流を制御するように動作可能な制御回路と
を備え、
前記コントローラが、前記電流によって前記スルー電圧を調整する、請求項1に記載のコンバータ回路。
【請求項7】
前記基準電圧が前記スルー電圧に等しい場合に、前記ゲート電圧が、前記第1のトランジスタを制御して前記基準電圧を前記第1のノードに結合させ、前記第2のトランジスタを制御して前記スルー電圧を前記第2のノードに結合させ、また前記基準電圧が前記スルー電圧に等しい場合に、前記抵抗器には電流が流れない、請求項6に記載のコンバータ回路。
【請求項8】
前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記ノード電圧が、実質的に一定の電圧レベルで前記抵抗器の両端間の電圧を維持する、請求項6に記載のコンバータ回路。
【請求項9】
前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記ゲート電圧が、前記第1のトランジスタを第1の動作領域に切り換え、前記第2のトランジスタを第2の動作領域に切り換える、請求項6に記載のコンバータ回路。
【請求項10】
前記コントローラが、
前記コントローラに結合しており、前記ゲート電圧を検出するように動作可能であり、さらに前記出力電圧が前記第3のレベルから前記第4のレベルに変化しているかどうかを示す検出信号を前記ゲート電圧に従って発生させるように動作可能である検出モジュールをさらに備える、請求項6に記載のコンバータ回路。
【請求項11】
前記制御回路が、
前記ゲート電圧の対を発生させるように動作可能な複数の増幅器を備え、前記増幅器が第1の増幅器および第2の増幅器を含み、前記第1の増幅器の第1の入力端子が第1の定電圧源を介して前記第2のノードに結合しており、前記第1の増幅器の第2の入力端子が前記第1のノードに結合しており、前記第2の増幅器の第1の入力端子が第2の定電圧源を介して前記第1のノードに結合しており、前記第2の増幅器の第2の入力端子が前記第2のノードに結合している、請求項6に記載のコンバータ回路。
【請求項12】
前記基準電圧が前記スルー電圧より大きい場合に、前記第1のトランジスタおよび前記第1の増幅器が負帰還ループを構成し、前記負帰還ループが、実質的に一定の電圧レベルで前記抵抗器の両端間の電圧を維持する、請求項11に記載のコンバータ回路。
【請求項13】
前記基準電圧が前記スルー電圧より小さい場合に、前記第2のトランジスタおよび前記第2の増幅器が負帰還ループを構成し、前記負帰還ループが、実質的に一定の電圧レベルで前記抵抗器の両端間の電圧を維持する、請求項11に記載のコンバータ回路。
【請求項14】
入力電圧を出力電圧に変換するコンバータを制御するためのコントローラであって、
基準電圧を受信し、前記基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧を発生させるように動作可能なランプ回路と、
前記ランプ回路に結合しており、前記出力電圧を示すフィードバック信号を受信するように動作可能であり、前記フィードバック信号を前記スルー電圧と比較し、実質的に一定である第2のスルーレートで第3のレベルから第4のレベルに前記出力電圧を変化させるために前記比較の結果に基づいて前記コンバータを制御するレギュレータと
を備える、コントローラ。
【請求項15】
前記ランプ回路に結合しており、前記コンバータの動作を終了させる終了信号を発生させるように動作可能な保護コンポーネントをさらに備え、
前記ランプ回路が、前記出力電圧が前記第3のレベルから前記第4のレベルに変化しているかどうかを示す検出信号をさらに発生させ、また前記保護コンポーネントが前記検出信号に従って前記コンバータの動作を終了させることを防止する、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記ランプ回路が、
第1のノードに結合している第1のトランジスタと、前記第1のノードと第2のノードとの間で結合している抵抗器と、前記第2のノードに結合している第2のトランジスタとを有する電流経路と、
前記電流経路に結合しており、前記第1のノードおよび前記第2のノードのノード電圧を制御することによって、また前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのゲート電圧を制御することによって、前記電流経路を通る電流を調整するように動作可能な複数の増幅器と
を備え、
前記スルー電圧が前記電流によって調整される、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記増幅器が第1の増幅器および第2の増幅器を含み、前記第1の増幅器の第1の入力端子が第1の定電圧源を介して前記第2のノードに結合しており、前記第1の増幅器の第2の入力端子が前記第1のノードに結合しており、前記第2の増幅器の第1の入力端子が第2の定電圧源を介して前記第1のノードに結合しており、前記第2の増幅器の第2の入力端子が前記第2のノードに結合している、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記基準電圧が前記スルー電圧に等しい場合に、前記ゲート電圧が、前記第1のトランジスタが前記基準電圧を前記第1のノードに結合させることを可能とし、また前記第2のトランジスタが前記スルー電圧を前記第2のノードに結合させることを可能とする、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記ゲート電圧が、前記第1のトランジスタが前記複数の増幅器のうち第1の増幅器を含む負帰還ループを構成することを可能とし、また前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記負帰還ループが、前記第1のノードと前記第2のノードとの間の電圧差を一定の電圧レベルで維持する、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記ゲート電圧が、前記第2のトランジスタが前記基準電圧を前記第2のノードに結合させることを可能とする、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項21】
前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記ゲート電圧が、前記第2のトランジスタが前記スルー電圧を前記第2のノードに結合させることを可能とする、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項22】
前記ゲート電圧のうち第1のゲート電圧が、前記スルー電圧に従って変化する、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項23】
前記スルー電圧が変化する場合に、前記ゲート電圧の両方が一定に維持される、請求項19に記載のコントローラ。
【請求項24】
前記基準電圧が前記スルー電圧と異なる場合に、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタが異なる動作領域で動作する、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項25】
前記ランプ回路が、
前記増幅器に結合しており、前記ゲート電圧を検出して前記出力電圧が前記第3のレベルから前記第4のレベルに変化しているかどうかを示す検出信号を前記ゲート電圧に従って発生させるように動作可能な検出モジュールをさらに備える、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項26】
入力電圧を出力電圧に変換するコンバータを制御するための方法であって、
基準電圧を受信するステップと、
前記基準電圧が第1のレベルから第2のレベルに変化する場合に、実質的に一定である第1のスルーレートを有するスルー電圧を発生させるステップと、
前記スルー電圧に基づいて前記コンバータを制御して、実質的に一定である第2のスルーレートで第3のレベルから第4のレベルに前記出力電圧を変化させるステップと
を含む方法。
【請求項27】
前記出力電圧を示すフィードバック信号を受信するステップと、
前記フィードバック信号と前記スルー電圧の比較に基づいて前記出力電圧を制御するステップと
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記出力電圧が前記第3のレベルから前記第4のレベルに変化しているかどうかを示す検出信号を発生させるステップと、
前記検出信号に従って保護コンポーネントを無効にして、前記コンバータの動作を終了させることを防止するステップと
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記基準電圧が前記第1のレベルから前記第2のレベルに変化する場合に、電流経路を通る実質的に一定の電流を発生させるステップと、
前記実質的に一定の電流を、キャパシタを介して導いて、前記スルー電圧を発生させるステップと
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記電流経路が、直列に結合した第1のトランジスタ、抵抗器、および第2のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのゲート電圧を検出するステップと、
前記出力電圧が前記第3のレベルから前記第4のレベルに変化しているかどうかを示す検出信号を、前記ゲート電圧に従って発生させるステップと
をさらに含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−23952(P2012−23952A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−153731(P2011−153731)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】