説明

DCDCコンバータ、スイッチング電源および無停電電源装置

【課題】回路部品の特性のばらつきや変動がある場合においても、出力コンデンサのリップル電流を低減する。
【解決手段】出力コンデンサCoに対してコンバータConv11、Conv21を互いに並列に接位し、位相差設定部31は、各フェーズシフト制御部11、21によるスイッチング制御間に位相差θを設定し、フェーズシフト制御部11、21は、直流が極性を交互に反転されながら共振回路12a、22aに印加されるようにスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のスイッチング動作をそれぞれ制御するとともに、共振回路12a、22aに印加される直流の極性が反転される間の期間に直流が共振回路12a、22aに印加されるのをバイパスさせるようにスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のスイッチング動作をそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDCDCコンバータ、スイッチング電源および無停電電源装置に関し、特に、電流共振回路を用いたDCDCコンバータの出力コンデンサに流れるリップル電流を低減する方式に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
DCDCコンバータでは、直流を昇圧または降圧させるために、スイッチング素子のオン/オフ制御が行われ、出力コンデンサに出力される電流は脈流となることから、リップルが発生する。このため、従来のDCDCコンバータでは、このようなリップルのある電流に対して出力コンデンサの電流許容値を確保するために、容量の大きな出力コンデンサが選定されていた。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1には、平滑コンデンサのリップル電流を抑制するために、一次側電流共振形コンバータのスイッチング出力に対して、2組で一対となるトランスを並列に接続し、このトランスの各二次側には両波整流回路を形成し、このトランスの各一次巻線には互いの極性が逆となるようにスイッチング素子のスイッチング回路を並列に接続する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−254440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、トランスの巻線の巻回の構造上、両波整流の半周期ごとに対応する整流電流レベルのアンバランスが生じることを前提として、一方のトランスで高いレベルに偏った整流電流が出力されるときには、他方のトランスで低いレベルに偏った整流電流が常に出力されるように構成されているので、トランスの巻線の巻回位置に起因して生じる整流電流のアンバランスによるリップル電流成分しか抑制できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、回路部品の特性のばらつきや変動がある場合においても、出力コンデンサのリップル電流を低減することが可能なDCDCコンバータ、スイッチング電源および無停電電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1記載のDCDCコンバータによれば、第1のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第1の直交変換部と、前記第1の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第1の共振回路と、前記第1の共振回路にて共振された共振電流を整流する第1の整流部と、前記直流が極性を交互に反転されながら前記第1の共振回路に印加されるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第1の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第1の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第1のスイッチング制御部と、第2のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第2の直交変換部と、前記第2の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第2の共振回路と、前記第2の共振回路にて共振された共振電流を整流する第2の整流部と、前記直流が極性を交互に反転されながら前記第2の共振回路に印加されるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第2の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第2の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第2のスイッチング制御部と、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間に位相差を設定する位相差設定部と、前記第1の整流部からの出力と前記第2の整流部からの出力とが並列に入力される出力コンデンサとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載のDCDCコンバータによれば、第1のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第1の直交変換部と、前記第1の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第1の共振回路と、前記第1の共振回路にて共振された共振電流を変圧する第1のトランスと、前記第1のトランスにて変圧された共振電流を整流する第1の整流部と、前記直流が極性を交互に反転されながら前記第1の共振回路に印加されるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第1の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第1の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第1のスイッチング制御部と、第2のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第2の直交変換部と、前記第2の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第2の共振回路と、前記第2の共振回路にて共振された共振電流を変圧する第2のトランスと、前記第2のトランスにて変圧された共振電流を整流する第2の整流部と、前記直流が極性を交互に反転されながら前記第2の共振回路に印加されるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第2の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第2の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第2のスイッチング制御部と、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間に位相差を設定する位相差設定部と、前記第1の整流部からの出力と前記第2の整流部からの出力とが並列に入力される出力コンデンサとを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載のDCDCコンバータによれば、前記第1のスイッチング素子群は、前記直流の正極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第1のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第2のスイッチング素子と、前記直流の正極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第3のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第4のスイッチング素子とを備え、前記第2のスイッチング素子群は、前記直流の正極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第5のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第6のスイッチング素子と、前記直流の正極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第7のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第8のスイッチング素子とを備え、前記第1のスイッチング制御部は、位相差が180度かつデューティ比が50%になるように前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに位相差が180度かつデューティ比が50%になるとともに、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子に対して0度より大きく180度より小さな範囲内で位相がずれるように前記第3のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子をオン/オフ制御し、前記第2のスイッチング制御部は、位相差が180度かつデューティ比が50%になるように前記第5のスイッチング素子と前記第6のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに位相差が180度かつデューティ比が50%になるとともに、前記第5のスイッチング素子と前記第6のスイッチング素子に対して0度より大きく180度より小さな範囲内で位相がずれるように前記第7のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子をオン/オフ制御し、前記位相差設定部は、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間の位相差を90度に設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載のDCDCコンバータによれば、前記第1のスイッチング素子群は、前記直流の正極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第1のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第2のスイッチング素子と、前記直流の正極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第3のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第4のスイッチング素子とを備え、前記第2のスイッチング素子群は、前記直流の正極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第5のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第6のスイッチング素子と、前記直流の正極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第7のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第8のスイッチング素子とを備え、前記第1のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子をオン/オフ制御し、前記第2のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第6のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第6のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第5のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子をオン/オフ制御し、前記位相差設定部は、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間の位相差を90度に設定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載のDCDCコンバータによれば、前記第1のスイッチング素子群は、前記直流の正極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第1のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第2のスイッチング素子と、前記直流の正極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第3のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第4のスイッチング素子とを備え、前記第2のスイッチング素子群は、前記直流の正極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第5のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第6のスイッチング素子と、前記直流の正極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第7のスイッチング素子と、前記直流の負極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第8のスイッチング素子とを備え、前記第1のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子をオン/オフ制御し、前記第2のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第5のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第5のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第6のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子をオン/オフ制御し、前記位相差設定部は、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間の位相差を90度に設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載のスイッチング電源によれば、交流を直流に変換する交直変換回路と、前記交直変換回路から出力された直流を昇圧または降圧して出力する請求項1から5のいずれか1項に記載のDCDCコンバータとを備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7記載の無停電電源装置によれば、請求項1から5のいずれか1項に記載のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータから出力された直流を蓄えるバッテリと、直流を交流に変換するインバータとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、各コンバータから出力コンデンサに供給される電流の位相を互いに異ならせることを可能としつつ、複数のコンバータから出力コンデンサに電流を供給することが可能となるとともに、周波数を一定に維持したまま、各コンバータから出力コンデンサに供給される電流のピーク値を調整することができる。このため、回路部品の特性のばらつきや変動がある場合においても、各コンバータから出力コンデンサに供給される電流のピーク値を均一化することができ、出力コンデンサのリップル電流を低減することが可能となることから、出力コンデンサを低容量化することができ、DCDCコンバータの小型化および低価格化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るDCDCコンバータについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
図1において、DCDCコンバータには、スイッチング動作に基づいて電力変換を行うコンバータConv11、Conv21が設けられ、コンバータConv11、Conv21は互いに並列に接続されている。すなわち、コンバータConv11、Conv21の前段には、入力コンデンサCinが設けられ、コンバータConv11、Conv21の入力は、入力コンデンサCinに並列に接続されるとともに、コンバータConv11、Conv21の後段には、出力コンデンサCoが設けられ、コンバータConv11、Conv21の出力は出力コンデンサCoに並列に接続されている。そして、入力コンデンサCinには、直流電源Eiと抵抗R1の直列回路が並列に接続され、出力コンデンサCoには、負荷抵抗RLが並列に接続されている。
【0016】
ここで、コンバータConv11には、直交変換回路11a、共振回路12a、トランスT1および整流回路13aが設けられている。そして、直交変換回路11aは、スイッチング素子Q11〜Q14のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換することができる。共振回路12aは、直交変換回路11aから出力された矩形波を共振させることができる。トランスT1は、共振回路12aにて共振された共振電流を変圧することができる。整流回路13aは、トランスT1にて変圧された共振電流を整流することができる。
【0017】
また、コンバータConv21には、直交変換回路21a、共振回路22a、トランスT2および整流回路23aが設けられている。そして、直交変換回路21aは、スイッチング素子Q21〜Q24のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換することができる。共振回路22aは、直交変換回路21aから出力された矩形波を共振させることができる。トランスT2は、共振回路22aにて共振された共振電流を変圧することができる。整流回路23aは、トランスT2にて変圧された共振電流を整流することができる。
【0018】
また、DCDCコンバータには、フェーズシフト制御部11、21および位相差設定部31が設けられている。ここで、フェーズシフト制御部11は、直流が極性を交互に反転されながら共振回路12aに印加されるようにスイッチング素子Q11〜Q14のスイッチング動作を制御するとともに、共振回路12aに印加される直流の極性が反転される間の期間に直流が共振回路12aに印加されるのをバイパスさせるようにスイッチング素子Q11〜Q14のスイッチング動作を制御することができる。また、フェーズシフト制御部21は、直流が極性を交互に反転されながら共振回路22aに印加されるようにスイッチング素子Q21〜Q24のスイッチング動作を制御するとともに、共振回路22aに印加される直流の極性が反転される間の期間に直流が共振回路22aに印加されるのをバイパスさせるようにスイッチング素子Q21〜Q24のスイッチング動作を制御することができる。また、位相差設定部31は、フェーズシフト制御部11によるスイッチング制御とフェーズシフト制御部21によるスイッチング制御との間に位相差θを設定することができる。なお、この位相差θは、0度より大きく180度より小さな範囲内の任意の値に設定することができ、特に、90度に設定することが好ましい。
【0019】
そして、直交変換回路11a、21aの前段には、入力コンデンサCinが並列に接続されている。また、直交変換回路11a、21aの後段には、共振回路12a、22aがそれぞれ接続され、共振回路12a、22aの後段には、トランスT1、T2をそれぞれ介して整流回路13a、23aがそれぞれ接続されている。そして、整流回路13a、23aの出力側には、出力コンデンサCoが並列に接続されている。
【0020】
具体的には、直交変換回路11aには、スイッチング素子Q11〜Q14が設けられている。そして、スイッチング素子Q11、Q12は互いに直列に接続されるとともに、スイッチング素子Q13、Q14は互いに直列に接続されている。そして、スイッチング素子Q11、Q12の直列回路は、入力コンデンサCinに並列に接続されるとともに、スイッチング素子Q13、Q14の直列回路は、入力コンデンサCinに並列に接続されている。また、スイッチング素子Q11〜Q14には、ダイオードDq11〜Dq14がそれぞれ並列に接続されるとともに、コンデンサCq11〜Cq14がそれぞれ並列に接続されている。
【0021】
また、直交変換回路21aには、スイッチング素子Q21〜Q24が設けられている。そして、スイッチング素子Q21、Q22は互いに直列に接続されるとともに、スイッチング素子Q23、Q24は互いに直列に接続されている。そして、スイッチング素子Q21、Q22の直列回路は、入力コンデンサCinに並列に接続されるとともに、スイッチング素子Q23、Q24の直列回路は、入力コンデンサCinに並列に接続されている。また、スイッチング素子Q21〜Q24には、ダイオードDq21〜Dq24がそれぞれ並列に接続されるとともに、コンデンサCq21〜Cq24がそれぞれ並列に接続されている。
【0022】
なお、スイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24としては、例えば、電界効果トランジスタまたはIGBT(insulated gate bipolar transistor)などを用いることができる。また、コンデンサCq11〜Cq14、Cq21〜Cq24は、電界効果トランジスタのドレイン−ソース間容量などで代用してもよいし、ダイオードDq11〜Dq14、Dq21〜Dq24は、電界効果トランジスタのソース−チャネル間接合などで代用してもよい。
【0023】
また、共振回路12aには、共振インダクタLr1および共振コンデンサCr1が設けられるとともに、高電位側端子Va1および低電位側端子Vb1が設けられている。そして、高電位側端子Va1は、スイッチング素子Q11、Q12の接続点に接続されるとともに、低電位側端子Vb1は、スイッチング素子Q13、Q14の接続点に接続されている。そして、高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、共振インダクタLr1と共振コンデンサCr1とがトランスT1の一次巻線n1を介して直列に接続されている。ここで、トランスT1の一次巻線n1には、一次インダクタンスLm1が並列に接続されている。
【0024】
また、共振回路22aには、共振インダクタLr2および共振コンデンサCr2が設けられるとともに、高電位側端子Va2および低電位側端子Vb2が設けられている。そして、高電位側端子Va2は、スイッチング素子Q21、Q22の接続点に接続されるとともに、低電位側端子Vb2は、スイッチング素子Q23、Q24の接続点に接続されている。そして、高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、共振インダクタLr2と共振コンデンサCr2とがトランスT2の一次巻線n1を介して直列に接続されている。ここで、トランスT2の一次巻線n1には、一次インダクタンスLm2が並列に接続されている。
【0025】
また、整流回路13aには、整流ダイオードD11、D12が設けられている。そして、整流ダイオードD11のカソードは、トランスT1の二次巻線n3の一端に接続されるとともに、整流ダイオードD11のアノードは、出力コンデンサCoを介してトランスT1の二次巻線n3の他端に接続されている。また、整流ダイオードD12のカソードは、トランスT1の二次巻線n2の一端に接続されるとともに、整流ダイオードD12のアノードは、整流ダイオードD11のアノードに接続されている。
【0026】
また、整流回路23aには、整流ダイオードD21、D22が設けられている。そして、整流ダイオードD21のカソードは、トランスT2の二次巻線n3の一端に接続されるとともに、整流ダイオードD21のアノードは、出力コンデンサCoを介してトランスT2の二次巻線n3の他端に接続されている。また、整流ダイオードD22のカソードは、トランスT2の二次巻線n2の一端に接続されるとともに、整流ダイオードD22のアノードは、整流ダイオードD21のアノードに接続されている。
【0027】
また、共振インダクタLr1、Lr2には、電流センサS1、S2がそれぞれ直列に接続されている。そして、電流センサS1、S2の出力は、フェーズシフト制御部11、21に接続されている。なお、電流センサS1、S2としては、例えば、カレントトランスを用いることができる。
【0028】
そして、直流電源Eiにて発生された直流は、直交変換回路11a、21aにそれぞれ印加される。また、共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる1次共振電流iLr1、iLr2は、電流センサS1、S2にてそれぞれ検出され、フェーズシフト制御部11、21に入力される。
【0029】
そして、フェーズシフト制御部11は、共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる1次共振電流iLr1、iLr2が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom1を制御しながら、スイッチング素子Q11〜Q14を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路12aに出力させる。
ここで、フェーズシフト制御部11は、スイッチング素子Q11〜Q14を一定の周期Tでオン/オフさせる場合、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路12aにかからないようにする期間と、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路12aに印加される期間とを交互に繰り返すことができる。
【0030】
なお、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路12aにかからないようにする場合、フェーズシフト制御部11は、スイッチング素子Q12、Q14をオフした上で、スイッチング素子Q11、Q13をオンすることができる。あるいは、スイッチング素子Q11、Q13をオフした上で、スイッチング素子Q12、Q14をオンすることができる。
【0031】
また、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路12aに印加されるようにする場合、フェーズシフト制御部11は、スイッチング素子Q12、Q13をオフした上で、スイッチング素子Q11、Q14をオンすることができる。あるいは、スイッチング素子Q11、Q14をオフした上で、スイッチング素子Q12、Q13をオンすることができる。例えば、フェーズシフト制御部11は、位相差が180度かつデューティ比が50%になるようにスイッチング素子Q11、Q12をオン/オフ制御し、位相差が180度かつデューティ比が50%になるとともに、スイッチング素子Q11、Q12に対して0度より大きく180度より小さな範囲内で位相がずれるようにスイッチング素子Q13、Q14をオン/オフ制御することができる。
【0032】
そして、直交変換回路11aにて生成された矩形波が共振回路12aに入力されると、その矩形波が共振回路12aにて共振されながら、トランスT1に出力される。そして、共振回路12aにて共振された共振電流がトランスT1に入力されると、トランスT1の一次巻線n1と二次巻線n2、n3との間の巻線比に応じて昇圧または降圧され、整流回路13aに入力される。そして、整流回路13aにおいて、トランスT1から出力された交流が整流ダイオードD11、D12にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。
【0033】
また、フェーズシフト制御部21は、共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる1次共振電流iLr1、iLr2が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom2を制御しながら、スイッチング素子Q21〜Q24を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路22aに出力させる。
ここで、フェーズシフト制御部21は、スイッチング素子Q21〜Q24を一定の周期Tでオン/オフさせる場合、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路22aにかからないようにする期間と、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路22aに印加される期間とを交互に繰り返すことができる。
【0034】
なお、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路22aにかからないようにする場合、フェーズシフト制御部21は、スイッチング素子Q22、Q24をオフした上で、スイッチング素子Q21、Q23をオンすることができる。あるいは、スイッチング素子Q21、Q23をオフした上で、スイッチング素子Q22、Q24をオンすることができる。
【0035】
また、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路22aに印加されるようにする場合、フェーズシフト制御部21は、スイッチング素子Q22、Q23をオフした上で、スイッチング素子Q21、Q24をオンすることができる。あるいは、スイッチング素子Q21、Q24をオフした上で、スイッチング素子Q22、Q23をオンすることができる。例えば、フェーズシフト制御部21は、位相差が180度かつデューティ比が50%になるようにスイッチング素子Q21、Q22をオン/オフ制御し、位相差が180度かつデューティ比が50%になるとともに、スイッチング素子Q21、Q22に対して0度より大きく180度より小さな範囲内で位相がずれるようにスイッチング素子Q23、Q24をオン/オフ制御することができる。
【0036】
そして、直交変換回路21aにて生成された矩形波が共振回路22aに入力されると、その矩形波が共振回路22aにて共振されながら、トランスT2に出力される。そして、共振回路22aにて共振された共振電流がトランスT2に入力されると、トランスT2の一次巻線n1と二次巻線n2、n3との間の巻線比に応じて昇圧または降圧され、整流回路23aに入力される。そして、整流回路23aにおいて、トランスT2から出力された交流が整流ダイオードD21、D22にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。
【0037】
ここで、位相差設定部31において、各フェーズシフト制御部11、21によるスイッチング制御の間に位相差θが設定され、整流回路13a、23aにてそれぞれ整流された電流には位相差θが発生する。そして、整流回路13a、23aにてそれぞれ整流された電流が出力コンデンサCoに印加されると、その電流が平滑され、負荷抵抗RLに供給される。
【0038】
これにより、各コンバータConv11、Conv21から出力コンデンサCoに供給される電流の位相を互いに異ならせることを可能としつつ、複数のコンバータConv11、Conv21から出力コンデンサCoに電流を供給することが可能となるとともに、周波数を一定に維持したまま、各コンバータConv11、Conv21から出力コンデンサCoに供給される電流のピーク値を調整することができる。このため、回路部品の特性のばらつきや変動がある場合においても、各コンバータConv11、Conv21から出力コンデンサCoに供給される電流のピーク値を均一化することができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となることから、出力コンデンサCoを低容量化することができ、DCDCコンバータの小型化および低価格化を図ることができる。
【0039】
なお、上述した実施形態では、導通期間ton1、ton2を制御するために、共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる1次共振電流iLr1、iLr2を検出する方法について説明したが、整流ダイオードD11、D12にそれぞれ流れる電流の合成値に基づいて導通期間ton1を制御し、整流ダイオードD21、D22にそれぞれ流れる電流の合成値に基づいて導通期間ton2を制御するようにしてもよい。
【0040】
あるいは、負荷抵抗RLの端子間電圧Voと1次共振電流iLr1との積に基づいて導通期間ton1を制御するとともに、負荷抵抗RLの端子間電圧Voと1次共振電流iLr2との積に基づいて導通期間ton2を制御するようにしてもよいし、負荷抵抗RLの端子間電圧Voと整流ダイオードD11、D12にそれぞれ流れる電流の合成値との積に基づいて導通期間ton1を制御するとともに、負荷抵抗RLの端子間電圧Voと整流ダイオードD21、D22にそれぞれ流れる電流の合成値との積に基づいて導通期間ton2を制御するようにしてもよい。
【0041】
図2は、図1のスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングと、Va1−Vb1間電圧およびVa2−Vb2間電圧の関係を示す図である。
【0042】
図2の時刻t1において、スイッチング素子Q13をオフ、スイッチング素子Q14をオンしたまま、スイッチング素子Q11をオン、スイッチング素子Q12をオフすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q11→共振インダクタLr1→トランスT1の一次巻線n1→共振コンデンサCr1→スイッチング素子Q14→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が印加される。
【0043】
次に、時刻t2において、スイッチング素子Q11をオン、スイッチング素子Q12をオフしたまま、スイッチング素子Q13をオン、スイッチング素子Q14をオフすることで、スイッチング素子Q13→スイッチング素子Q11→共振インダクタLr1→トランスT1の一次巻線n1→共振コンデンサCr1→スイッチング素子Q13という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、0Vが印加される。
【0044】
そして、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間に0Vが印加されている場合、共振回路12aにて共振動作を継続させつつ、整流回路13aへの電力供給量を抑制することができ、コンバータConv11の出力電圧を低下させることができる。
【0045】
次に、時刻t3において、スイッチング素子Q13をオン、スイッチング素子Q14をオフしたまま、スイッチング素子Q11をオフ、スイッチング素子Q12をオンすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q13→共振コンデンサCr1→トランスT1の一次巻線n1→共振インダクタLr1→スイッチング素子Q12→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が反転されて印加される。
【0046】
次に、時刻t4において、スイッチング素子Q11をオフ、スイッチング素子Q12をオンしたまま、スイッチング素子Q13をオフ、スイッチング素子Q14をオンすることで、スイッチング素子Q12→スイッチング素子Q14→共振コンデンサCr1→トランスT1の一次巻線n1→共振インダクタLr1→スイッチング素子Q12という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、0Vが印加される。そして、以上の動作を一周期Tとして繰り返すことで、直流電源Eiから印加された直流が矩形波に変換され、共振回路12aに出力される。
【0047】
ここで、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路12aにかからない期間を転流期間tcom1、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路12aに印加される期間を導通期間ton1とすると、ton1+tcom1=T/2とすることができる。そして、フェーズシフト制御部11は、共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる1次共振電流iLr1、iLr2が互いに一致するように導通期間ton1を制御することで、回路部品の特性のばらつきや変動がある場合においても、各コンバータConv11、Conv21から出力コンデンサCoに供給される電流を均一化させることができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となる。
【0048】
また、時刻t1´〜t8´は、時刻t1〜t8に対して位相差θの時間分だけそれぞれ遅れているものとする。そして、時刻t1´において、スイッチング素子Q23をオフ、スイッチング素子Q24をオンしたまま、スイッチング素子Q21をオン、スイッチング素子Q22をオフすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q21→共振インダクタLr2→トランスT2の一次巻線n1→共振コンデンサCr2→スイッチング素子Q24→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、直流電源Eiにて発生された直流が印加される。
【0049】
次に、時刻t2´において、スイッチング素子Q21をオン、スイッチング素子Q22をオフしたまま、スイッチング素子Q23をオン、スイッチング素子Q24をオフすることで、スイッチング素子Q23→スイッチング素子Q21→共振インダクタLr2→トランスT2の一次巻線n1→共振コンデンサCr2→スイッチング素子Q23という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、0Vが印加される。
【0050】
そして、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間に0Vが印加されている場合、共振回路22aにて共振動作を継続させつつ、整流回路23aへの電力供給量を抑制することができ、コンバータConv21の出力電圧を低下させることができる。
【0051】
次に、時刻t3´において、スイッチング素子Q23をオン、スイッチング素子Q24をオフしたまま、スイッチング素子Q21をオフ、スイッチング素子Q22をオンすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q23→共振コンデンサCr2→トランスT2の一次巻線n1→共振インダクタLr2→スイッチング素子Q22→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、直流電源Eiにて発生された直流が反転されて印加される。
【0052】
次に、時刻t4´において、スイッチング素子Q21をオフ、スイッチング素子Q22をオンしたまま、スイッチング素子Q23をオフ、スイッチング素子Q24をオンすることで、スイッチング素子Q22→スイッチング素子Q24→共振コンデンサCr2→トランスT2の一次巻線n1→共振インダクタLr2→スイッチング素子Q22という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、0Vが印加される。そして、以上の動作を一周期Tとして繰り返すことで、直流電源Eiから印加された直流が矩形波に変換され、共振回路22aに出力される。
【0053】
ここで、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路22aにかからない期間を転流期間tcom2、直流電源Eiにて発生された電圧が共振回路22aに印加される期間を導通期間ton2とすると、ton2+tcom2=T/2とすることができる。そして、フェーズシフト制御部21は、共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる1次共振電流iLr1、iLr2が互いに一致するように導通期間ton2を制御することで、回路部品の特性のばらつきや変動がある場合においても、各コンバータConv11、Conv21から出力コンデンサCoに供給される電流を均一化させることができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となる。
【0054】
例えば、1次共振電流iLr1の値が、1次共振電流iLr2の値よりも小さい場合、導通期間ton1を導通期間ton2よりも大きくし、1次共振電流iLr1の値が、1次共振電流iLr2の値よりも大きい場合、導通期間ton1を導通期間ton2よりも小さくすることができる。特に、重負荷時には、導通期間ton1、ton2を制御することで、出力コンデンサCoのリップル電流を効果的に低減することが可能となる。一方、高入力電圧かつ軽負荷時には、出力コンデンサCoに流れる電流は小さいので、コンバータConv11、Conv21のいずれか一方のみを用いた場合においても、出力コンデンサCoのリップル電流を小さくことができる。
【0055】
図3は、導通角Dを変化させた場合における図1のコンバータConv11のスイッチング周波数と電圧ゲインとの関係を示す図である。
図3において、導通角Dをton1/Tとすると、スイッチング素子Q11〜Q14のスイッチング周波数が一定である場合においても、導通角Dを小さくすることで、電圧ゲインが低下することが判る。
【0056】
例えば、電圧ゲインを1から0.8に低下させる場合、スイッチング周波数による制御ならば、95kHzから280kHzに上昇させる必要があるのに対し、導通角Dによる制御ならば、0.5から0.1にすればよいことが判る。
【0057】
コンバータConv21についても同様に、導通角Dをton2/Tとすると、スイッチング素子Q21〜Q24のスイッチング周波数が一定である場合においても、導通角Dを小さくすることで、電圧ゲインを低下させることができる。
【0058】
図4−1は、図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに等しい場合に導通期間ton1、ton2を一致させた時の1次共振電流とトランス励磁電流の波形を示す図、図4−2は、この時のトランス2次電流と出力コンデンサリップル電流の波形を示す図である。
【0059】
なお、1次共振電流は、図1の共振インダクタLr1、Lr2にそれぞれ流れる電流iLr1、iLr2を示す。また、トランス励磁電流は、図1の一次インダクタンスLm1、Lm2にそれぞれ流れる電流iLm1、iLm2を示す。また、トランス二次電流は、図1の整流ダイオードD11、D12、D21、D22にそれぞれ流れる電流id11、id12、id21、id22を示す。また、出力コンデンサリップル電流は、図1の出力コンデンサCoに流れる電流irを示す。
また、各コンバータConv11、Conv21の定数を同一とし(Lr1=Lr2=16μH、Lm1=Lm2=80μH、Cr1=Cr2=150nF)、位相差θは90度、入力電圧Vinは375V、スイッチング周波数fswは90kHz、ton1=ton2とし、出力電圧Voが48Vになるように制御した。
【0060】
図4−1および図4−2において、各コンバータConv11、Conv21の定数が同一の場合、ton1=ton2とすることで、整流ダイオードD11、D12、D21、D22にそれぞれ流れる電流id11、id12、id21、id22のピーク値Δidは64Aに等しくなり、出力コンデンサCoに流れる電流のリップルΔirを23Aに抑えることができた。
【0061】
図5−1は、図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに異なる場合に導通期間ton1、ton2を一致させた時の1次共振電流とトランス励磁電流の波形を示す図で、図5−2は、この時のトランス2次電流と出力コンデンサリップル電流の波形を示す図である。
なお、各コンバータConv11、Conv21の定数は異なるものとし(Lr1=16μH、Lr2=15.2μH、Lm1=Lm2=80μH、Cr1=Cr2=150nF)、位相差θは90度、入力電圧Vinは375V、スイッチング周波数fswは90kHz、ton1=ton2とし、出力電圧Voが48Vになるように制御した。
【0062】
図5−1および図5−2において、各コンバータConv11、Conv21の定数が異なる場合、ton1=ton2とすると、整流ダイオードD11、D21にそれぞれ流れる電流id11、id21のピーク値Δidは35A、整流ダイオードD12、D22にそれぞれ流れる電流id12、id22のピーク値Δidは102Aとなり、出力コンデンサCoに流れる電流のリップルΔirは85に増大した。
【0063】
図6−1は、図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに異なる場合に導通期間ton1、ton2を制御した時の1次共振電流とトランス励磁電流の波形を示す図、図6−2は、この時のトランス2次電流と出力コンデンサリップル電流の波形を示す図である。
なお、各コンバータConv11、Conv21の定数は異なるものとし(Lr1=16μH、Lr2=15.2μH、Lm1=Lm2=80μH、Cr1=Cr2=150nF)、位相差θは90度、入力電圧Vinは375V、スイッチング周波数fswは90kHz、出力電圧Voが48Vになるように制御した。また、整流ダイオードD11、D12、D21、D22にそれぞれ流れる電流id11、id12、id21、id22が互いに等しくなるように、ton1をton1+Δton1に制御し、ton2をton2+Δton2に制御した。
【0064】
図6−1および図6−2において、各コンバータConv11、Conv21の定数が異なる場合、整流ダイオードD11、D12、D21、D22にそれぞれ流れる電流id11、id12、id21、id22が互いに等しくなるように、ton1、ton2を制御することで、出力コンデンサCoに流れる電流のリップルΔirを44.4Aに低減させることができた。
【0065】
図7は、本発明の第2実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
図7において、このDCDCコンバータには、図1のコンバータConv11、Conv21の代わりに、コンバータConv12、Conv22が設けられている。ここで、コンバータConv12には、図1の共振回路12aの代わりに、共振回路12bが設けられている。また、コンバータConv22には、図1の共振回路22aの代わりに、共振回路22bが設けられている。
【0066】
ここで、共振回路12bには、共振インダクタLr11および共振コンデンサCr11が設けられている。そして、高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、共振インダクタLr11と共振コンデンサCr11との直列回路が接続されるとともに、共振コンデンサCr11には、一次インダクタンスLm1が並列に接続されている。
また、共振回路22bには、共振インダクタLr21および共振コンデンサCr21が設けられている。そして、高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、共振インダクタLr21と共振コンデンサCr21との直列回路が接続されるとともに、共振コンデンサCr21には、一次インダクタンスLm2が並列に接続されている。
【0067】
そして、直流電源Eiにて発生された直流は、直交変換回路11a、21aにそれぞれ印加される。また、共振回路12b、22bから出力された電流は、電流センサS1、S2にてそれぞれ検出され、フェーズシフト制御部11、21に入力される。
そして、フェーズシフト制御部11は、共振回路12b、22bから出力された電流が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom1を制御しながら、スイッチング素子Q11〜Q14を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路12bに出力させる。
【0068】
そして、直交変換回路11aにて生成された矩形波が共振回路12bに入力されると、その矩形波が共振回路12bにて共振されながら、トランスT1に出力される。そして、共振回路12bにて共振された共振電流がトランスT1に入力されると、トランスT1の一次巻線n1と二次巻線n2、n3との間の巻線比に応じて昇圧または降圧され、整流回路13aに入力される。そして、整流回路13aにおいて、トランスT1から出力された交流が整流ダイオードD11、D12にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。
また、フェーズシフト制御部21は、共振回路12b、22bから出力された電流が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom2を制御しながら、スイッチング素子Q21〜Q24を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路22bに出力させる。
【0069】
そして、直交変換回路21aにて生成された矩形波が共振回路22bに入力されると、その矩形波が共振回路22bにて共振されながら、トランスT2に出力される。そして、共振回路22bにて共振された共振電流がトランスT2に入力されると、トランスT2の一次巻線n1と二次巻線n2、n3との間の巻線比に応じて昇圧または降圧され、整流回路23aに入力される。そして、整流回路23aにおいて、トランスT2から出力された交流が整流ダイオードD21、D22にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。なお、スイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングは、図2と同様に設定することができる。
【0070】
ここで、位相差設定部31において、各フェーズシフト制御部11、21によるスイッチング制御の間に位相差θが設定され、整流回路13a、23aにてそれぞれ整流された電流には位相差θが発生する。そして、整流回路13a、23aにてそれぞれ整流された電流が出力コンデンサCoに印加されると、その電流が平滑され、負荷抵抗RLに供給される。
【0071】
これにより、共振回路12b、22bにて並列共振される場合においても、コンバータConv12、Conv22から出力コンデンサCoに供給される電流のピーク値を均一化することができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となることから、出力コンデンサCoを低容量化することができ、DCDCコンバータの小型化および低価格化を図ることができる。
【0072】
図8は、本発明の第3実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
図8において、このDCDCコンバータには、図1のコンバータConv11、Conv21の代わりに、コンバータConv13、Conv23が設けられている。ここで、コンバータConv13には、図1のトランスT1および整流回路13aの代わりに、整流回路13cが設けられている。また、コンバータConv23には、図1のトランスT2および整流回路23aの代わりに、整流回路23cが設けられている。
【0073】
ここで、整流回路13cには、整流ダイオードD13〜D16が設けられている。そして、整流ダイオードD13、D15は互いに直列に接続されるとともに、整流ダイオードD14、D16は互いに直列に接続されている。そして、整流ダイオードD13、D15の直列回路は、出力コンデンサCoに並列に接続されるとともに、整流ダイオードD14、D16の直列回路は、出力コンデンサCoに並列に接続されている。
【0074】
また、高電位側端子Va1と整流ダイオードD13、D15の接続点との間には、共振インダクタLr1が接続されるとともに、低電位側端子Vb1と整流ダイオードD14、D16の接続点との間には、共振コンデンサCr1が接続されている。
【0075】
また、整流回路23cには、整流ダイオードD23〜D26が設けられている。そして、整流ダイオードD23、D25は互いに直列に接続されるとともに、整流ダイオードD24、D26は互いに直列に接続されている。そして、整流ダイオードD23、D25の直列回路は、出力コンデンサCoに並列に接続されるとともに、整流ダイオードD24、D26の直列回路は、出力コンデンサCoに並列に接続されている。
【0076】
また、高電位側端子Va2と整流ダイオードD23、D25の接続点との間には、共振インダクタLr2が接続されるとともに、低電位側端子Vb2と整流ダイオードD24、D26の接続点との間には、共振コンデンサCr2が接続されている。
【0077】
そして、直流電源Eiにて発生された直流は、直交変換回路11a、21aにそれぞれ印加される。また、共振回路12a、22aから出力された電流は、電流センサS1、S2にてそれぞれ検出され、フェーズシフト制御部11、21に入力される。
そして、フェーズシフト制御部11は、共振回路12a、22aから出力された電流が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom1を制御しながら、スイッチング素子Q11〜Q14を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路12aに出力させる。
【0078】
そして、直交変換回路11aにて生成された矩形波が共振回路12aに入力されると、その矩形波が共振回路12aにて共振されながら、整流回路13cに入力される。そして、整流回路13cにおいて、共振回路12aから出力された共振電流が整流ダイオードD13〜D16にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。
【0079】
また、フェーズシフト制御部21は、共振回路12a、22aから出力された電流が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom2を制御しながら、スイッチング素子Q21〜Q24を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路22aに出力させる。
【0080】
そして、直交変換回路21aにて生成された矩形波が共振回路22aに入力されると、その矩形波が共振回路22aにて共振されながら、整流回路23cに出力される。そして、整流回路23cにおいて、共振回路22aから出力された共振電流が整流ダイオードD23〜D26にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。なお、スイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングは、図2と同様に設定することができる。
【0081】
ここで、位相差設定部31において、各フェーズシフト制御部11、21によるスイッチング制御の間に位相差θが設定され、整流回路13c、23cにてそれぞれ整流された電流には位相差θが発生する。そして、整流回路13c、23cにてそれぞれ整流された電流が出力コンデンサCoに印加されると、その電流が平滑され、負荷抵抗RLに供給される。
【0082】
これにより、図1のトランスT1、T2がない場合においても、コンバータConv13、Conv23から出力コンデンサCoに供給される電流のピーク値を均一化することができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となることから、出力コンデンサCoを低容量化することができ、DCDCコンバータの小型化および低価格化を図ることができる。
【0083】
図9は、本発明の第4実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
図9において、このDCDCコンバータには、図1のDCDCコンバータのフェーズシフト制御部11、21および位相差設定部31の代わりにPWM制御部12、22および位相差設定部32が設けられている。ここで、PWM制御部12は、1周期T内において転流期間tcom1を置いて交互にオンするようにスイッチング素子Q12、Q14をオン/オフ制御し、スイッチング素子Q12、Q14の反転動作をそれぞれ行うようにスイッチング素子Q11、Q13をオン/オフ制御することができる。
【0084】
また、PWM制御部22は、1周期T内において転流期間tcom1を置いて交互にオンするようにスイッチング素子Q22、Q24をオン/オフ制御し、スイッチング素子Q22、Q24の反転動作をそれぞれ行うようにスイッチング素子Q21、Q23をオン/オフ制御することができる。また、位相差設定部32は、PWM制御部12によるスイッチング制御とPWM制御部22によるスイッチング制御との間に位相差θを設定することができる。
【0085】
そして、直流電源Eiにて発生された直流は、直交変換回路11a、21aにそれぞれ印加される。また、共振回路12a、22aから出力された電流は、電流センサS1、S2にてそれぞれ検出され、PWM制御部12、22に入力される。
そして、PWM制御部12は、共振回路12a、22aから出力された電流が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom1を制御しながら、スイッチング素子Q11〜Q14を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路12aに出力させる。
【0086】
そして、直交変換回路11aにて生成された矩形波が共振回路12aに入力されると、その矩形波が共振回路12aにて共振されながら、トランスT1に出力される。そして、共振回路12aにて共振された共振電流がトランスT1に入力されると、トランスT1の一次巻線n1と二次巻線n2、n3との間の巻線比に応じて昇圧または降圧され、整流回路13aに入力される。そして、整流回路13aにおいて、トランスT1から出力された交流が整流ダイオードD11、D12にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。
【0087】
また、PWM制御部22は、共振回路12a、22aから出力された電流が互いに一致するように、直流電源Eiをバイパスさせる転流期間tcom2を制御しながら、スイッチング素子Q21〜Q24を一定の周期Tでオン/オフさせることで、直流電源Eiから印加された直流を矩形波に変換させ、共振回路22aに出力させる。
【0088】
そして、直交変換回路21aにて生成された矩形波が共振回路22aに入力されると、その矩形波が共振回路22aにて共振されながら、トランスT2に出力される。そして、共振回路22aにて共振された共振電流がトランスT2に入力されると、トランスT2の一次巻線n1と二次巻線n2、n3との間の巻線比に応じて昇圧または降圧され、整流回路23aに入力される。そして、整流回路23aにおいて、トランスT2から出力された交流が整流ダイオードD21、D22にて整流され、出力コンデンサCoに印加される。
【0089】
ここで、位相差設定部32において、各PWM制御部12、22によるスイッチング制御の間に位相差θが設定され、整流回路13a、23aにてそれぞれ整流された電流には位相差θが発生する。そして、整流回路13a、23aにてそれぞれ整流された電流が出力コンデンサCoに印加されると、その電流が平滑され、負荷抵抗RLに供給される。
【0090】
図10は、図9のスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングと、Va1−Vb1間電圧およびVa2−Vb2間電圧の関係を示す図である。
図10の時刻t1において、スイッチング素子Q11をオン、スイッチング素子Q12をオフしたまま、スイッチング素子Q13をオフ、スイッチング素子Q14をオンすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q11→共振インダクタLr1→トランスT1の一次巻線n1→共振コンデンサCr→スイッチング素子Q4→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が印加される。
【0091】
次に、時刻t2において、スイッチング素子Q11をオン、スイッチング素子Q12をオフしたまま、スイッチング素子Q13をオン、スイッチング素子Q14をオフすることで、スイッチング素子Q13→スイッチング素子Q11→共振インダクタLr1→トランスT1の一次巻線n1→共振コンデンサCr1→スイッチング素子Q13という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、0Vが印加される。
【0092】
次に、時刻t3において、スイッチング素子Q13をオン、スイッチング素子Q14をオフしたまま、スイッチング素子Q11をオフ、スイッチング素子Q12をオンすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q13→共振コンデンサCr1→トランスT1の一次巻線n1→共振インダクタLr1→スイッチング素子Q12→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が反転されて印加される。
【0093】
次に、時刻t4において、スイッチング素子Q13をオン、スイッチング素子Q14をオフしたまま、スイッチング素子Q11をオン、スイッチング素子Q12をオフすることで、スイッチング素子Q13→スイッチング素子Q11→共振インダクタLr1→トランスT1の一次巻線n1→共振コンデンサCr1→スイッチング素子Q13という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、0Vが印加される。そして、以上の動作を一周期Tとして繰り返すことで、直流電源Eiから印加された直流が矩形波に変換され、共振回路12aに出力される。
【0094】
また、時刻t1´〜t8´は、時刻t1〜t8に対して位相差θの時間分だけそれぞれ遅れているものとする。そして、図10の時刻t1´において、スイッチング素子Q21をオン、スイッチング素子Q22をオフしたまま、スイッチング素子Q23をオフ、スイッチング素子Q24をオンすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q21→共振インダクタLr2→トランスT2の一次巻線n1→共振コンデンサCr2→スイッチング素子Q24→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、直流電源Eiにて発生された直流が印加される。
【0095】
次に、時刻t2´において、スイッチング素子Q21をオン、スイッチング素子Q22をオフしたまま、スイッチング素子Q23をオン、スイッチング素子Q24をオフすることで、スイッチング素子Q23→スイッチング素子Q21→共振インダクタLr2→トランスT2の一次巻線n1→共振コンデンサCr2→スイッチング素子Q23という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、0Vが印加される。
【0096】
次に、時刻t3´において、スイッチング素子Q23をオン、スイッチング素子Q24をオフしたまま、スイッチング素子Q21をオフ、スイッチング素子Q22をオンすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q23→共振コンデンサCr2→トランスT2の一次巻線n1→共振インダクタLr2→スイッチング素子Q22→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、直流電源Eiにて発生された直流が反転されて印加される。
【0097】
次に、時刻t4´において、スイッチング素子Q23をオン、スイッチング素子Q24をオフしたまま、スイッチング素子Q21をオン、スイッチング素子Q22をオフすることで、スイッチング素子Q23→スイッチング素子Q21→共振インダクタLr2→トランスT2の一次巻線n1→共振コンデンサCr2→スイッチング素子Q23という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、0Vが印加される。そして、以上の動作を一周期Tとして繰り返すことで、直流電源Eiから印加された直流が矩形波に変換され、共振回路22aに出力される。
【0098】
これにより、スイッチング素子Q12、Q14、Q22、Q24のデューティ比を50%より小さくした場合においても、コンバータConv13、Conv23から出力コンデンサCoに供給される電流のピーク値を均一化することができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となることから、出力コンデンサCoを低容量化することができ、DCDCコンバータの小型化および低価格化を図ることができる。
【0099】
図11は、本発明の第5実施形態に係る図9のスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングと、Va1−Vb1間電圧およびVa2−Vb2間電圧の関係を示す図である。
図11の時刻t1において、スイッチング素子Q11をオフ、スイッチング素子Q12をオンしたまま、スイッチング素子Q13をオン、スイッチング素子Q14をオフすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q13→共振コンデンサCr1→トランスT1の一次巻線n1→共振インダクタLr1→スイッチング素子Q12→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が印加される。
【0100】
次に、時刻t2において、スイッチング素子Q11をオフ、スイッチング素子Q12をオンしたまま、スイッチング素子Q13をオフ、スイッチング素子Q14をオンすることで、スイッチング素子Q12→スイッチング素子Q14→共振コンデンサCr1→トランスT1の一次巻線n1→共振インダクタLr1→スイッチング素子Q12という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、0Vが印加される。
【0101】
次に、時刻t3において、スイッチング素子Q13をオフ、スイッチング素子Q14をオンしたまま、スイッチング素子Q11をオン、スイッチング素子Q12をオフすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q11→共振インダクタLr1→トランスT1の一次巻線n1→共振コンデンサCr1→スイッチング素子Q14→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が反転されて印加される。
【0102】
次に、時刻t4において、スイッチング素子Q13をオフ、スイッチング素子Q14をオンしたまま、スイッチング素子Q11をオフ、スイッチング素子Q12をオンすることで、スイッチング素子Q12→スイッチング素子Q14→共振コンデンサCr1→トランスT1の一次巻線n1→共振インダクタLr1→スイッチング素子Q12という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路12aの高電位側端子Va1と低電位側端子Vb1との間には、0Vが印加される。そして、以上の動作を一周期Tとして繰り返すことで、直流電源Eiから印加された直流が交流に変換され、共振回路12aに出力される。
【0103】
また、時刻t1´〜t8´は、時刻t1〜t8に対して位相差θの時間分だけそれぞれ遅れているものとする。そして、図11の時刻t1´において、スイッチング素子Q21をオフ、スイッチング素子Q22をオンしたまま、スイッチング素子Q23をオン、スイッチング素子Q24をオフすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q23→共振コンデンサCr2→トランスT2の一次巻線n1→共振インダクタLr2→スイッチング素子Q22→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb1との間には、直流電源Eiにて発生された直流が印加される。
【0104】
次に、時刻t2´において、スイッチング素子Q21をオフ、スイッチング素子Q22をオンしたまま、スイッチング素子Q23をオフ、スイッチング素子Q24をオンすることで、スイッチング素子Q22→スイッチング素子Q24→共振コンデンサCr2→トランスT2の一次巻線n1→共振インダクタLr2→スイッチング素子Q22という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、0Vが印加される。
【0105】
次に、時刻t3´において、スイッチング素子Q23をオフ、スイッチング素子Q24をオンしたまま、スイッチング素子Q21をオン、スイッチング素子Q22をオフすることで、直流電源Ei→スイッチング素子Q21→共振インダクタLr2→トランスT2の一次巻線n1→共振コンデンサCr2→スイッチング素子Q24→直流電源Eiという経路で電流が流れ、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、直流電源Eiにて発生された直流が反転されて印加される。
【0106】
次に、時刻t4´において、スイッチング素子Q23をオフ、スイッチング素子Q24をオンしたまま、スイッチング素子Q21をオフ、スイッチング素子Q22をオンすることで、スイッチング素子Q22→スイッチング素子Q24→共振コンデンサCr2→トランスT2の一次巻線n1→共振インダクタLr2→スイッチング素子Q22という経路で電流が流れ、直流電源Eiがバイパスされることから、共振回路22aの高電位側端子Va2と低電位側端子Vb2との間には、0Vが印加される。そして、以上の動作を一周期Tとして繰り返すことで、直流電源Eiから印加された直流が交流に変換され、共振回路22aに出力される。
【0107】
これにより、スイッチング素子Q11、Q13、Q21、Q23のデューティ比を50%より小さくした場合においても、コンバータConv13、Conv23から出力コンデンサCoに供給される電流のピーク値を均一化することができ、出力コンデンサCoのリップル電流を低減することが可能となることから、出力コンデンサCoを低容量化することができ、DCDCコンバータの小型化および低価格化を図ることができる。
【0108】
なお、上述した第4実施形態および第5実施形態では、共振回路12a、22aとして、直列共振回路を用いる方法について説明したが、図7に示したように、共振回路12a、22aとして、並列共振回路を用いるようにしてもよい。
【0109】
また、上述した第4実施形態および第5実施形態では、共振回路12a、22aと整流回路13a、23aとの間にトランスT1、T2をそれぞれ接続する方法について説明したが、図8に示したように、トランスT1、T2を用いることなく、共振回路12a、22aと整流回路13a、23aとをそれぞれ直接接続するようにしてもよい。
【0110】
また、第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態および第5実施形態では、整流回路13a、23としてセンタータップ方式を用いる方法について説明したが、全波整流方式を用いるようにしてもよい。
【0111】
また、上述した実施形態では、スイッチング素子Q11、Q12のオン/オフを互いに単に反転させるとともに、スイッチング素子Q13、Q14のオン/オフを互いに単に反転させ、スイッチング素子Q21、Q22のオン/オフを互いに単に反転させるとともに、スイッチング素子Q23、Q24のオン/オフを互いに単に反転させる方法について説明したが、貫通電流が流れるのを防止するため、スイッチング素子Q11、Q12のオン/オフにデッドタイムを設けるようにしてもよいし、スイッチング素子Q13、Q14のオン/オフにデッドタイムを設けるようにしてもよいし、スイッチング素子Q21、Q22のオン/オフにデッドタイムを設けるようにしてもよいし、スイッチング素子Q23、Q24のオン/オフにデッドタイムを設けるようにしてもよい。
【0112】
また、上述した実施形態では、出力コンデンサCoに対して2個のコンバータConv11、Conv21を並列に接続する方法について説明したが、出力コンデンサCoに対してN(Nは2以上の整数)個のコンバータを並列に接続するようにしてもよい。この場合、N個のコンバータ間のスイッチング制御の位相差θは、180/n度(1/2n*T周期)に設定することが好ましい。ここで、出力コンデンサCoに対して並列に接続されるコンバータの個数Nを増やすことで、出力コンデンサCoに流れる電流のリップルをより一層低減することができる。
【0113】
また、上述したDCDCコンバータは、スイッチング素子のオン/オフを行うことで電力変換を行うスイッチング電源や、交流入力に異常が生じた際にバッテリからのバックアップ電力に移行する無停電電源装置などに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングと、Va1−Vb1間電圧およびVa2−Vb2間電圧の関係を示す図である。
【図3】導通角Dを変化させた場合における図1のコンバータConv11のスイッチング周波数と電圧ゲインとの関係を示す図である。
【図4−1】図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに等しい場合に導通期間ton1、ton2を一致させた時の1次共振電流とトランス励磁電流の波形を示す図である。
【図4−2】図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに等しい場合に導通期間ton1、ton2を一致させた時のトランス2次電流と出力コンデンサリップル電流の波形を示す図である。
【図5−1】図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに異なる場合に導通期間ton1、ton2を一致させた時の1次共振電流とトランス励磁電流の波形を示す図である。
【図5−2】図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに異なる場合に導通期間ton1、ton2を一致させた時のトランス2次電流と出力コンデンサリップル電流の波形を示す図である。
【図6−1】図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに異なる場合に導通期間ton1、ton2を制御した時の1次共振電流とトランス励磁電流の波形を示す図である。
【図6−2】図1のコンバータConv11、Conv21間において、共振回路12a、22aの定数が互いに異なる場合に導通期間ton1、ton2を制御した時のトランス2次電流と出力コンデンサリップル電流の波形を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るDCDCコンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図10】図9のスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングと、Va1−Vb1間電圧およびVa2−Vb2間電圧の関係を示す図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る図9のスイッチング素子Q11〜Q14、Q21〜Q24のオン/オフのタイミングと、Va1−Vb1間電圧およびVa2−Vb2間電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
Conv11、Conv21、Conv12、Conv22、Conv13、Conv23 コンバータ
Ei 直流電源
Cin 入力コンデンサ
Q11〜Q14、Q21〜Q24 スイッチング素子
D11、D12、D21、D22 整流ダイオード
Dq11〜Dq14、Dq21〜Dq24 ダイオード
Cq11〜Cq14、Cq21〜Cq24 コンデンサ
Lr1、Lr2、Lr11、Lr21 共振インダクタ
Cr1、Cr2、Cr11、Cr21 共振コンデンサ
T1、T2 トランス
Lm1、Lm2 一次インダクタンス
n1 一次巻線
n2、n3 二次巻線
Co 出力コンデンサ
RL 負荷抵抗
S1、S2 電流センサ
11a、21a 直交変換回路
12a、22a、12b、22b 共振回路
13a、23a、13c、23c 整流回路
11、21 フェーズシフト制御部
12、22 PWM制御部
31、32 位相差設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第1の直交変換部と、
前記第1の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第1の共振回路と、
前記第1の共振回路にて共振された共振電流を整流する第1の整流部と、
前記直流が極性を交互に反転されながら前記第1の共振回路に印加されるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第1の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第1の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第1のスイッチング制御部と、
第2のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第2の直交変換部と、
前記第2の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第2の共振回路と、
前記第2の共振回路にて共振された共振電流を整流する第2の整流部と、
前記直流が極性を交互に反転されながら前記第2の共振回路に印加されるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第2の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第2の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第2のスイッチング制御部と、
前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間に位相差を設定する位相差設定部と、
前記第1の整流部からの出力と前記第2の整流部からの出力とが並列に入力される出力コンデンサとを備えることを特徴とするDCDCコンバータ。
【請求項2】
第1のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第1の直交変換部と、
前記第1の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第1の共振回路と、
前記第1の共振回路にて共振された共振電流を変圧する第1のトランスと、
前記第1のトランスにて変圧された共振電流を整流する第1の整流部と、
前記直流が極性を交互に反転されながら前記第1の共振回路に印加されるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第1の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第1の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第1のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第1のスイッチング制御部と、
第2のスイッチング素子群のスイッチング動作に基づいて直流を矩形波に変換する第2の直交変換部と、
前記第2の直交変換部から出力された矩形波を共振させる第2の共振回路と、
前記第2の共振回路にて共振された共振電流を変圧する第2のトランスと、
前記第2のトランスにて変圧された共振電流を整流する第2の整流部と、
前記直流が極性を交互に反転されながら前記第2の共振回路に印加されるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御するとともに、前記第2の共振回路に印加される直流の極性が反転される間の期間に前記直流が前記第2の共振回路に印加されるのをバイパスさせるように前記第2のスイッチング素子群のスイッチング動作を制御する第2のスイッチング制御部と、
前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間に位相差を設定する位相差設定部と、
前記第1の整流部からの出力と前記第2の整流部からの出力とが並列に入力される出力コンデンサとを備えることを特徴とするDCDCコンバータ。
【請求項3】
前記第1のスイッチング素子群は、
前記直流の正極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第1のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第2のスイッチング素子と、
前記直流の正極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第3のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第4のスイッチング素子とを備え、
前記第2のスイッチング素子群は、
前記直流の正極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第5のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第6のスイッチング素子と、
前記直流の正極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第7のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第8のスイッチング素子とを備え、
前記第1のスイッチング制御部は、位相差が180度かつデューティ比が50%になるように前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに位相差が180度かつデューティ比が50%になるとともに、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子に対して0度より大きく180度より小さな範囲内で位相がずれるように前記第3のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子をオン/オフ制御し、
前記第2のスイッチング制御部は、位相差が180度かつデューティ比が50%になるように前記第5のスイッチング素子と前記第6のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに位相差が180度かつデューティ比が50%になるとともに、前記第5のスイッチング素子と前記第6のスイッチング素子に対して0度より大きく180度より小さな範囲内で位相がずれるように前記第7のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子をオン/オフ制御し、
前記位相差設定部は、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間の位相差を90度に設定することを特徴とする請求項1または2に記載のDCDCコンバータ。
【請求項4】
前記第1のスイッチング素子群は、
前記直流の正極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第1のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第2のスイッチング素子と、
前記直流の正極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第3のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第4のスイッチング素子とを備え、
前記第2のスイッチング素子群は、
前記直流の正極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第5のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第6のスイッチング素子と、
前記直流の正極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第7のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第8のスイッチング素子とを備え、
前記第1のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子をオン/オフ制御し、
前記第2のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第6のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第6のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第5のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子をオン/オフ制御し、
前記位相差設定部は、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間の位相差を90度に設定することを特徴とする請求項1または2に記載のDCDCコンバータ。
【請求項5】
前記第1のスイッチング素子群は、
前記直流の正極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第1のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第1の共振回路の高電位側との間に接続された第2のスイッチング素子と、
前記直流の正極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第3のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第1の共振回路の低電位側との間に接続された第4のスイッチング素子とを備え、
前記第2のスイッチング素子群は、
前記直流の正極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第5のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第2の共振回路の高電位側との間に接続された第6のスイッチング素子と、
前記直流の正極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第7のスイッチング素子と、
前記直流の負極側と前記第2の共振回路の低電位側との間に接続された第8のスイッチング素子とを備え、
前記第1のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子をオン/オフ制御し、
前記第2のスイッチング制御部は、1周期内において所定の時間間隔を置いて交互にオンするように前記第5のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子をオン/オフ制御し、さらに前記第5のスイッチング素子と前記第7のスイッチング素子の反転動作をそれぞれ行うように前記第6のスイッチング素子と前記第8のスイッチング素子をオン/オフ制御し、
前記位相差設定部は、前記第1のスイッチング制御部によるスイッチング制御と前記第2のスイッチング制御部によるスイッチング制御との間の位相差を90度に設定することを特徴とする請求項1または2に記載のDCDCコンバータ。
【請求項6】
交流を直流に変換する交直変換回路と、
前記交直変換回路から出力された直流を昇圧または降圧して出力する請求項1から5のいずれか1項に記載のDCDCコンバータとを備えることを特徴とするスイッチング電源。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のDCDCコンバータと、
前記DCDCコンバータから出力された直流を蓄えるバッテリと、
直流を交流に変換するインバータとを備えることを特徴とする無停電電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−41855(P2010−41855A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203153(P2008−203153)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(390013723)TDKラムダ株式会社 (272)
【Fターム(参考)】